JP5893951B2 - タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、路面に接地するトレッド部を有し、前記トレッド部は、タイヤ周方向に延びる周方向溝と、前記周方向溝に区画されることによって形成されるリブ状陸部とを備えるタイヤに関する。
従来、乗用自動車などに装着される空気入りタイヤ(以下、タイヤ)では、ウェット路面での排水性能を確保するため、トレッド部に複数の周方向溝を形成する方法が広く用いられている。また、周方向溝に区画される陸部とウェット路面との間の水を、周方向溝に積極的に排水するため、陸部の接地面において、陸部を分断するようにトレッド幅方向に延びる幅方向溝とサイプとを形成したタイヤも知られている。
このようなタイヤでは、陸部の接地面と路面の間の水が幅方向溝とサイプとを通じて周方向溝に向けて押し出されるため、排水性能を高めることが可能になる。
ここで、幅方向溝とサイプとを形成することによって排水性能を高めたタイヤでは、陸部の剛性が低下してしまうため、陸部の倒れ込みが発生しやすくなる。よって、かかるタイヤでは、陸部の倒れ込みの発生に起因して、接地面の面積が低下し、その結果、ウェット路面における制動性能が低下するという問題が生じる。
また、近年では、陸部を分断するようにトレッド幅方向に延びる幅方向溝を形成するとともに、当該幅方向溝の溝底にサイプを形成したタイヤも提案されている(例えば、特許文献1参照)。かかるタイヤでは、幅方向溝とサイプとによって、一定の排水性能が確保される。また、かかるタイヤでは、陸部の接地面に幅方向溝のみが開口するため、幅方向溝とサイプとの両方が陸部の接地面に形成される場合に比べて、陸部の剛性の低下を抑制できると考えられる。
特開2001−187517号公報
ところで、近年の一般的な乗用自動車の高性能化に伴って、ウェット路面での各種性能をさらに改善する要求が高まっている。特に、通常ではトレードオフの関係となる排水性能と制動性能とを高い次元で両立させることが求められている。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、排水性能と制動性能とを高い次元で両立し得るタイヤを提供することを目的とする。
本発明の特徴は、路面に接地するトレッド部(トレッド部2)を有し、前記トレッド部は、タイヤ周方向に延びる周方向溝(周方向溝10)と、前記周方向溝に区画されることによって形成されるリブ状陸部(リブ状陸部20)とを備えるタイヤ(空気入りタイヤ1)であって、前記リブ状陸部には、タイヤ周方向に交差する方向に延びる幅方向溝(幅方向溝100)が形成され、前記幅方向溝の溝底には、前記幅方向溝の延在方向(延在方向Z)に沿って延びるサイプ(サイプ200)が形成されており、前記幅方向溝の一端(100a)は、前記周方向溝に開口し、他端(100b)は、前記リブ状陸部内に終端することを要旨とする。
かかるタイヤでは、周方向溝によって形成されるリブ状陸部を備え、リブ状陸部には、幅方向溝が形成され、幅方向溝の溝底には、サイプが形成されている。また、幅方向溝の一端は、周方向溝に開口し、他端は、リブ状陸部内に終端している。
かかるタイヤによれば、リブ状陸部において、幅方向溝とサイプとが形成されているので、幅方向溝とサイプとを形成しない場合に比べて、一定の排水性能が確保されている。また、リブ状陸部では、サイプが、幅方向溝の溝底に形成されているので、サイプがリブ状陸部の接地面に形成されている場合に比べて、リブ状陸部の接地面が分断される数が少なくなる。よって、かかるタイヤによれば、リブ状陸部の剛性が低下することを抑制できる。更に、かかるタイヤによれば、幅方向溝の一端は、周方向溝に開口し、他端は、リブ状陸部内に終端しているので、幅方向溝がリブ状陸部を横断している場合に比べて、リブ状陸部の剛性が低下することを抑制できる。
すなわち、かかるタイヤでは、サイプと幅方向溝とをリブ状陸部に形成する場合であっても、リブ状陸部の倒れ込みによる接地面の面積低下を抑制できるので、ウェット路面における制動性能を高めることが可能になる。このように、本発明に係るタイヤによれば、排水性能と制動性能とを高い次元で両立することができる。
本発明の他の特徴は、前記リブ状陸部のトレッド幅方向における両端部(端部20aと端部20b)の間に、タイヤ赤道線が位置することを要旨とする。
本発明の他の特徴は、トレッド幅方向における前記リブ状陸部の幅Bwと、前記幅方向溝の前記一端から前記他端までのトレッド幅方向における間隔Dwとは、Bw/4≦Dw≦Bw/2の関係を満たすことを要旨とする。
本発明の他の特徴は、前記幅方向溝の溝幅は、前記一端側から前記他端側に向かって、徐々に狭くなることを要旨とする。
本発明の他の特徴は、前記幅方向溝は、トレッド幅方向に対して傾斜する方向に延びることを要旨とする。
本発明の他の特徴は、前記リブ状陸部の接地面から前記サイプの溝底までのタイヤ径方向における深さは、前記リブ状陸部の接地面から前記幅方向溝の溝底までのタイヤ径方向における深さの1.5倍以上であることを要旨とする。
本発明の他の特徴は、前記幅方向溝の深さは、前記一端側から前記他端側に向かって、徐々に浅くなることを要旨とする。
本発明の特徴によれば、排水性能と制動性能とを高い次元で両立し得るタイヤを提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド部の一部拡大平面図である。 図2は、トレッド部に形成される幅方向溝及びサイプの一部拡大平面図である。 図3(a)は、図2に示すA-A’線に沿った幅方向溝及びサイプの断面図である。図3(b)は、図2に示すB-B’線に沿った幅方向溝及びサイプの断面図である。 図4は、他の実施形態に係る空気入りタイヤにおける幅方向溝の断面図である。
次に、本発明に係るタイヤ(空気入りタイヤ)の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
(1)タイヤの全体概略構成
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1の一部拡大平面図である。図1に示すように、空気入りタイヤ1は、路面に接地するトレッド部2を有する。なお、図1には、トレッド部2の接地するトレッド接地面の一部が示されている。
ここで、トレッド接地面のトレッド幅方向Twの範囲は、空気入りタイヤが路面に接した状態における接地範囲のトレッド幅方向Twの両端TE内の範囲である。タイヤが路面に接した状態とは、例えば、タイヤが正規リムに装着され、かつ正規内圧及び正規荷重が負荷された状態を示す。なお、正規リムとは、JATMA(日本自動車タイヤ協会)のYearBook 2010年度版に定められた適用サイズにおける標準リムを指す。正規内圧とは、JATMAのYear Book2010年度版の最大負荷能力に対応する空気圧であり、正規荷重とは、JATMAのYear Book2010年度版の単輪を適用した場合の最大負荷能力に相当する荷重である。日本以外では、これらを規定する規格が、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格によって決められている。例えば、アメリカ合衆国では、”The Tire and Rim Association Inc. のYear Book ”であり、欧州では”The European Tire and Rim Technical OrganizationのStandards Manual”である。
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、トレッド部2が、タイヤ周方向Tcに延びる周方向溝10と、周方向溝に区画されることによって形成されるリブ状陸部とを備える。なお、空気入りタイヤ1には、空気に代えて窒素ガスなどの不活性ガスを充填してもよい。
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、タイヤ回転方向Trが規定されているものとする。なお、タイヤ回転方向Trは、図1において、タイヤ周方向Tcに沿った上方向である。
複数のリブ状陸部20乃至40は、路面と接地する接地面を有しており、複数のリブ状陸部20乃至40の内、リブ状陸部20は、リブ状陸部20のトレッド幅方向Twにおける両端部100a、100bの間に、タイヤ赤道線CLが位置する。すなわち、リブ状陸部20は、トレッド幅方向Twの最も内側に位置する中央陸部と言い換えることもできる。また、他のリブ状陸部30乃至40は、リブ状陸部20よりもトレッド幅方向Tw外側に位置する。
また、リブ状陸部20には、タイヤ周方向Tcに交差する方向に延びる幅方向溝100が形成されている。幅方向溝100では、幅方向溝100の一端100aは、周方向溝10に開口し、他端100bは、リブ状陸部20内に終端する。
また、幅方向溝100の溝底には、幅方向溝100の延在方向に沿って延びるサイプ200が形成されている。なお、サイプ200も、幅方向溝100と同様に、一端が周方向溝10に開口し、他端がリブ状陸部20に終端する。
また、本実施形態において、サイプ200の溝幅は、幅方向溝100の溝幅よりも狭く、トレッド部2が接地したときに閉じることが可能に形成されている。具体的に、サイプ200の溝幅は、0.5mm以下である。これは、次の理由による。すなわち、サイプ200の溝幅が、0.5mmよりも大きい場合、リブ状陸部20の剛性が低下する恐れがあるためである。ただし、TBRタイヤといった大型のバスやトラックに用いられるタイヤにおいては、サイプ200の溝幅は、0.5mmよりも大きくても良い。
なお、本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、他のリブ状陸部30乃至40においても、タイヤ周方向Tcに交差する方向に延びる幅方向溝及びラグ溝が形成されているが、他のリブ状陸部30乃至40の構成については説明を省略する。
なお、本実施形態に係る空気入りタイヤでは、図1に示すように、複数のリブ状陸部20乃至40が形成されたトレッド部2のネガティブ率は、排水性能の求められている市場のニーズを考慮すると、30%以上であることが好ましい。
(2)幅方向溝及びサイプの構成
次に、幅方向溝100とサイプ200との構成について図2乃至3を参照して具体的に説明する。図2は、本実施形態に係る幅方向溝100の拡大平面図であり、図3(a)は、図2におけるA−A’線に沿った断面図であり、図3(b)は、図2におけるB−B’線に沿った断面図である。
また、本実施形態において、トレッド幅方向Twにおけるリブ状陸部20の幅Bwと、幅方向溝100の一端100aから他端100bまでのトレッド幅方向Twにおける間隔Dwとは、Bw/4≦Dw≦Bw/2の関係を満たす。なお、図2に示すように、幅方向溝100の長さをLとし、トレッド幅方向Twに対する幅方向溝100の角度をθとした場合、上述した幅方向溝100の一端100aから他端100bまでのトレッド幅方向Twにおける間隔Dwは、Dw=Lcosθによって示される。なお、トレッド幅方向Twに対する幅方向溝100の角度θの詳細については、後述する。
ここで、幅方向溝100の長さLは、周方向溝10に開口する端部100aのタイヤ周方向Tcにおける中心と、リブ状陸部20の内部で終端する端部100bとの距離である。また、サイプ200も、幅方向溝100の長さLと同じ長さによって形成されている。
また、幅方向溝100のトレッド幅方向Twにおける間隔Dwを上述の範囲内とした理由は、次の理由による。すなわち、Bw/4>Dwの場合、リブ状陸部20のタイヤ周方向Tcにおける剛性(周方向剛性)を抑制する効果が十分に得られなくなる。その結果、リブ状陸部20のタイヤ周方向Tcにおける接地長が不足して、リブ状陸部20の接地面積の増加が十分になされず、制動性能が向上しにくくなるためである。一方、Dw>Bw/2の場合、リブ状陸部20のタイヤ周方向Tcにおける剛性(周方向剛性)が低下し過ぎてしまう。その結果、リブ状陸部20が倒れ込みやすくなるため、リブ状陸部20の接地面積が低下して、制動性能が低下してしまうためである。
また、幅方向溝100の溝幅Wは、一端100a側から他端100b側に向かって、徐々に狭くなる。具体的に、周方向溝10に開口する端部100a側の溝幅Waと、リブ状陸部20の内部で終端する端部100b側の溝幅Wbとは、Wa>Wbの関係を満たす。本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、Wa>Wbの関係が満たされることによって、リブ状陸部20において、一定の剛性を確保することができる。
また、幅方向溝100は、トレッド幅方向Twに対して傾斜する方向に延びる。具体的に、幅方向溝100の延在方向Zは、トレッド幅方向Twに対して角度θだけ傾斜している。なお、角度θは、60度以下であることが好ましく、35〜50度の範囲内であることがより好ましい。更に、角度θは、45度であることが最適である。これは次の理由による。すなわち、角度θが、60度よりも大きい場合で、かつ、幅方向溝100のトレッド幅方向Twにおける間隔DwがBw/4≦Dw≦Bw/2の関係を満たす場合には、幅方向溝100及びサイプ200の長さが長くなりすぎてしまう。その結果、リブ状陸部20の剛性が低下し、制動性能が低下してしまうためである。
なお、幅方向溝100の端部100aは、幅方向溝100の端部100bよりもタイヤ回転方向Tr後方に位置することが好ましい。換言すれば、幅方向溝100の延在方向Zは、タイヤ回転方向Trに対して、30度以上であることが好ましく、40〜55度の範囲内であることがより好ましい。
また、本実施形態では、図3(a)に示すように、幅方向溝100の溝壁面は、タイヤ径方向Tdに対して傾斜している。具体的に、幅方向溝100の一方の溝壁面と、他方の溝壁面との間隔が、タイヤ径方向Td内側に向かうに連れて、狭くなるように形成されている。本実施形態では、幅方向溝100の延在方向Zに直角な方向とタイヤ径方向Tdとに沿った幅方向溝100の断面形状が、V字形状に形成されている。
また、本実施形態では、図3(a)乃至(b)に示すように、リブ状陸部20の接地面20Xからサイプ200の溝底までの深さD1は、6mmとしている。なお、深さD1は、3mm以上6mm以下の範囲内であることが好ましい。これは、次の理由による。すなわち、深さD1が、3mm未満の場合、リブ状陸部20のタイヤ周方向Tcにおける剛性を抑制する効果が十分に得られなくなる。その結果、リブ状陸部20のタイヤ周方向Tcにおける接地長が不足して、リブ状陸部20の接地面積の増加が十分になされず、制動性能が向上しにくくなるためである。一方、深さD1が、6mmよりも深い場合、リブ状陸部20の剛性が低下し過ぎてしまう。その結果、リブ状陸部20が倒れ込みやすくなるため、リブ状陸部20の接地面積が低下して、制動性能が低下してしまうためである。
また、本実施形態では、リブ状陸部20の接地面20Xから幅方向溝100の溝底までの深さD2は、3mmとしている。なお、深さD2は、2mm以上4mm以下の範囲内であることが好ましい。これは、次の理由による。すなわち、深さD2が、2mm未満の場合、リブ状陸部20のタイヤ周方向Tcにおける接地長が不足して、リブ状陸部20の接地面積の増加が十分になされないためである。一方、深さD2が、4mmよりも深い場合、リブ状陸部20の剛性が低下し、制動性能が低下してしまうためである。
また、リブ状陸部20の接地面20Xからサイプ200の溝底までのタイヤ径方向Tdにおける深さD1は、リブ状陸部20の接地面20Xから幅方向溝100の溝底までのタイヤ径方向Tdにおける深さD2の1.5倍以上であることが好ましい。すなわち、D1≧D2×1.5の関係を満たすことが好ましい。これは次の理由による。D1<D2×1.5の場合、幅方向溝100とサイプ200とによって、リブ状陸部20の接地面積を増加する効果が十分に得られないためである。
(3)作用・効果
本実施形態に係る空気入りタイヤ1によれば、複数の周方向溝10に区画されることによって形成されるリブ状陸部20を備える。リブ状陸部20には、幅方向溝が形成されるとともに、幅方向溝100の溝底にサイプ200が形成されている。また、幅方向溝の一端100aは、周方向溝10に開口し、他端100bは、リブ状陸部20内に終端している。
本実施形態に係る空気入りタイヤ1によれば、リブ状陸部20において、幅方向溝100とサイプ200とが形成されているので、幅方向溝100とサイプ200とを形成しない場合に比べて、ネガティブ率を高められるとともに、一定の排水性能を確保することができる。
また、リブ状陸部20では、サイプ200が、幅方向溝100の溝底に形成されているので、サイプ200がリブ状陸部20の接地面20Xに形成されている場合に比べて、リブ状陸部20の接地面20Xが分断される数が少なくなる。よって、かかる空気入りタイヤ1によれば、リブ状陸部20の剛性が低下することを抑制できる。更に、かかる空気入りタイヤ1によれば、幅方向溝100の一端100aは、周方向溝10に開口し、他端100bは、リブ状陸部20内に終端しているので、幅方向溝100がリブ状陸部20を横断するように形成されている場合に比べて、リブ状陸部20の剛性が低下することを抑制できる。
すなわち、本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、サイプ200と幅方向溝100とをリブ状陸部20に形成することによって、ネガティブ率を高めた場合であっても、リブ状陸部20の倒れ込みによる接地面20Xの面積低下を抑制できるので、ウェット路面における制動性能を高めることが可能になる。
以上のように、本発明に係る空気入りタイヤ1によれば、排水性能と制動性能とを高い次元で両立することができる。
[比較評価]
次に、本発明の効果を更に明確にするために、以下の従来例及び実施例に係る空気入りタイヤを用いて行った比較評価について説明する。具体的には、(1)評価方法、(2)評価結果について説明する。なお、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(1)評価方法
複数種類の空気入りタイヤを用いて試験を行い、ウェット路面における排水性能(ストレートハイドロップレーニング)とウェット路面における制動性能とについて評価をした。まず、従来例1乃至2に係る空気入りタイヤと、実施例1乃至9に係る空気入りタイヤとを準備した。
従来例1乃至2に係る空気入りタイヤは、リブ状陸部に幅方向溝及びサイプが形成されていないものを用いた。なお、従来例2に係る空気入りタイヤの周方向溝の溝幅は、従来例1に係る空気入りタイヤの周方向溝の溝幅に比べて広く形成することによって、ネガティブ率を高めている。
実施例1乃至9に示す空気入りタイヤは、第1実施形態に係る空気入りタイヤのように、リブ状陸部に幅方向溝及びサイプが形成されているものを用いた。また、実施例1乃至9に示す空気入りタイヤのネガティブ率は、従来例2に係る空気入りタイヤと同等であり、従来例1に係る空気入りタイヤのネガティブ率に比べて大きい。また、実施例1乃至9に示す空気入りタイヤの詳細な構成は、表1に示すとおりである。また、表1において、接地面積、リブ状陸部の剛性、接地圧、排水性能、制動性能などの値は、実施例1に係る空気入りタイヤを基準(100)とした指数によって示しており、その数値が小さいほど、実施例1に係る空気入りタイヤよりも小さいことを示している。なお、従来例1乃至2に係る空気入りタイヤと、実施例1乃至9に係る空気入りタイヤとは、上述した構成を除き他の構成は同様である。
また、各空気入りタイヤを車両に装着させて、排水性能及び制動性能の評価試験を実施した。排水性能の評価試験では、所定深さの水を張ったウェット状態の直線路において、車両の速度を上げていき、ハイロドプレーニング現象が発生した時点での速度を実測した。制動性能の評価試験では、ウェット状態の直線路において、所定速度によって走行中にフルブレーキをかけて停止するまでの制動距離を実測した。
また、試験に使用した空気入りタイヤに関するデータは、以下に示す条件において測定された。
・ タイヤサイズ :245/45R/17
・ リム・ホイールサイズ :8J−17inch
・ タイヤの種類 :乗用車用タイヤ
・ 走行路面 :ウェット路面
(2)評価結果
各空気入りタイヤの評価結果について、表1を参照しながら説明する。なお、表1では、排水性能の項目及び制動性能の項目に示される数値が大きいほど、排水性能及び制動性能が優れていることを示している。
Figure 0005893951

表1に示すように、従来例1乃至2に係る空気入りタイヤのそれぞれを比較すると、周方向溝の広い従来例2に係る空気入りタイヤでは、従来例1に比べて、排水性能が向上しているものの、制動性能が低下している。これは、周方向溝を広げることによって排水性能が高まったものの、リブ状陸部の剛性が低下し、その結果リブ状陸部の倒れ込みにより、制動性能が低下している。すなわち、従来例1乃至2に係る空気入りタイヤでは、周方向溝を広げてネガティブ率を高める場合、排水性能と制動性能とを両立することが困難であることを示している。
一方、表1に示すように、実施例1乃至9に係る空気入りタイヤは、従来例1に係る空気入りタイヤと比較すると、排水性能が高まっていることが判る。また、実施例1乃至9に係る空気入りタイヤは、従来例2に係る空気入りタイヤと比較すると、制動性能の低下が抑制されていることが判る。すなわち、実施例1乃至9に係る空気入りタイヤは、ネガティブ率を高めた場合であっても、排水性能と制動性能との両立に優れていることが判る。
以上のように、本発明の空気入りタイヤによれば、排水性能と制動性能とを高い次元で両立する効果が大きいことが証明された。
[その他の実施形態]
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
例えば、上述した実施形態では、幅方向溝100の深さD2は、一端100a側から他端100b側に向かって、一定であるこことしたが、異なるようにしてもよい。具体的に、幅方向溝100の深さD2は、一端100a側から他端100b側に向かって、徐々に浅くなるように構成されていてもよい。
ここで、図4には、本実施形態に係る空気入りタイヤの幅方向溝100Xに沿った断面図が示されている。図4に示すように、幅方向溝100Xは、溝底にサイプ200Xが形成されている。また、幅方向溝100Xでは、周方向溝10に開口する端部100aの幅方向溝100Xの深さD2bは、端部100b側における幅方向溝100Xの深さD2aよりも浅くなるように形成されている。例えば、幅方向溝100Xの深さD2aは、4mmであり、幅方向溝100Xの深さD2bは、2mmであることが好ましい。
また、接地面20Xからサイプ200Xの溝底までの深さD1bも、周方向溝10に開口する端部の深さD1aよりも浅くなるように形成されている。なお、幅方向溝100Xとサイプ200Xとは、D1a≧D2a×1.5の関係を満たすとともに、D1b≧D2b×1.5の関係を満たすように形成されている。例えば、サイプ200Xの溝底までの深さD1aは、6mmであり、サイプ200Xの溝底までの深さD1bは、3mmであることが好ましい。
このように、幅方向溝100Xとサイプ200Xとが、周方向溝10に開口する端部から、リブ状陸部20の内側に向かって、徐々に浅くなるように形成されていてもよい。かかる空気入りタイヤよれば、幅方向溝100Xとサイプ200Xとによって、一定の排水性能が確保される。更に、かかる空気入りタイヤよれば、リブ状陸部20の剛性の低下を抑制できるので、制動性能の低下を抑制することが可能になる。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。
1…空気入りタイヤ、2…トレッド部、10…周方向溝、20…リブ状陸部、20X…接地面、30〜40…リブ状陸部、100,100X…幅方向溝、200,200X…サイプ

Claims (8)

  1. 路面に接地するトレッド部を有し、前記トレッド部は、タイヤ周方向に延びる周方向溝と、前記周方向溝に区画されることによって形成されるリブ状陸部とを備えるタイヤであって、
    前記リブ状陸部には、タイヤ周方向に交差する方向に延びる幅方向溝が形成され、
    前記幅方向溝の溝底には、前記幅方向溝の延在方向に沿って延びるサイプが形成されており、
    前記幅方向溝の一端は、前記周方向溝に開口し、他端は、前記リブ状陸部内に終端しており、
    前記リブ状陸部のトレッド幅方向における両端部の間に、タイヤ赤道線が位置しており、
    前記幅方向溝は、タイヤ赤道線と交差することなく形成され、
    前記幅方向溝の深さは、前記一端側から前記他端側に向かって、徐々に浅くなり、かつ、前記サイプの深さも、前記一端側から前記他端側に向かって、徐々に浅くなる
    ことを特徴とするタイヤ。
  2. トレッド幅方向における前記リブ状陸部の幅Bwと、前記幅方向溝の前記一端から前記他端までのトレッド幅方向における間隔Dwとは、
    Bw/4≦Dw≦Bw/2の関係を満たす
    ことを特徴とする請求項に記載のタイヤ。
  3. 前記幅方向溝の溝幅は、前記一端側から前記他端側に向かって、徐々に狭くなる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 前記幅方向溝は、トレッド幅方向に対して傾斜する方向に延びる
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のタイヤ。
  5. 前記リブ状陸部の接地面から前記サイプの溝底までのタイヤ径方向における深さは、前記リブ状陸部の接地面から前記幅方向溝の溝底までのタイヤ径方向における深さの1.5倍以上である
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のタイヤ。
  6. 前記幅方向溝の延在方向に直角な方向における前記幅方向溝の断面形状は、V字形状である
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のタイヤ。
  7. 前記リブ状陸部をタイヤ径方向に見た平面視において、前記幅方向溝は他端を頂点とする三角形状である
    ことを特徴とする請求項3に記載のタイヤ。
  8. タイヤ周方向の一方にタイヤ回転方向が規定されており、
    前記リブ状陸部をタイヤ径方向に見た平面視において、前記タイヤ回転方向を上側とした場合、前記幅方向溝は、前記リブ状陸部のトレッド幅方向の中心よりも、トレッド幅方向の左側のみに位置する
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のタイヤ。
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