JP5893512B2 - 検査装置および検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、透明筒状製品の曲面部を検査する検査装置および検査方法に関する。
従来、この種の検査装置および検査方法として、医療用のシリンジに潤滑剤として塗布されたシリコンの塗布状態を検査するものがある(例えば特許文献1)。特許文献1では、シリンジに、明部と暗部の明暗縞を形成する透過光を照明し、シリンジを透過した透過光を反対側から受光して、所定の濃淡画像を形成するとともに、濃淡画像中で中間調にて現れるシリコンの各微粒子と明部、暗部との階調差により、微粒子の境界を明暗の変化点として検出し、変化点の個数に基づき、シリコンの塗布状態を判定している。
特開2010−204051号公報
シリンジへのシリコンの塗布に際しては、シリコン塗布機のノズル等を用いて、シリンジの内周面にシリコンが噴霧される。シリコンが噴霧されてから暫くの間は通常、シリコンが微粒子の形状(概ね球状ないし半球状)で点在してシリンジの内周面に付着しており、特許文献1に記載される技術により、シリコンの塗布状態を簡単に検査することができる。
一方、生産現場においては、機器の設置スペースの制約や生産ラインの構成上、シリンジにシリコンが噴霧された後すみやかに検査をおこなえない場合も生じ得る。シリンジにシリコンが噴霧されてから長時間を経過したり、滅菌・乾燥等の処理が施された後では、シリコンが薄い膜状に変化してシリンジの内周面に張り付いた状況となるため、特許文献1に記載される技術では、上記微粒子の境界を検出し難く、検査精度が低下するおそれがあった。
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その主な目的とするところは、透明筒状製品の曲面部の検査において、従来技術では困難であった状況下でも安定して検査をおこなうことができる検査装置および検査方法を提供することにある。
本発明の検査装置は、透明筒状製品の曲面部を検査する検査装置であって、空洞部と、該空洞部を取り囲む反射壁面と、該空洞部の一端面を開口する開口部と、を有し、該曲面部の検査領域を外方に向けて該開口部に該曲面部を位置させるベース部と、該ベース部の該開口部に位置させた該曲面部に対して、明部と暗部の明暗パターンを有する照射光を、所定の斜め方向から照射する主照射部と、拡大撮像部が設けられ、該ベース部の該開口部に位置させた該曲面部の該検査領域を外方から撮像する撮像部と、該撮像部に接続される画像検査部と、を備え、該撮像部が、該曲面部の該検査領域にピントを合わせて該検査領域を拡大撮像するとともに、拡大撮像された該検査領域の背景として、該照射光の該明暗パターンによる該明部と該暗部との境目がなだらかに階調変化された被写界深度の浅い原画像を形成し、該画像検査部が、該原画像に基づいて該検査領域の良否を判定するように構成される。
本発明の検査装置は好ましくは、該空洞部を介して該開口部に対向して設けられ、該空洞部の他端面を閉塞する光吸収性の閉塞部を備えて構成される。
本発明の検査装置は好ましくは、該反射壁面が、該閉塞部から該開口部にかけて一定径の略円形または次第に拡径する略円形の断面形状を備えて構成される。
本発明の検査装置は好ましくは、該撮像部を挟んで該主照射部とは反対側の斜め方向から照射光を照射する補助照射部を備えて構成される。
本発明の検査装置は好ましくは、該主照射部が、LEDからなる発光部を該明暗パターンに対応して配置した照射面を備えて構成される。
本発明の検査装置は好ましくは、該透明筒状製品がシリンジであり、該シリンジの内周面に薄い膜状となって張り付いた潤滑剤の塗布状態を検査するように構成される。
本発明の検査方法は、透明筒状製品の曲面部を検査する検査方法であって、空洞部と、該空洞部を取り囲む反射壁面と、該空洞部の一端面を開口する開口部と、を有するベース部の該開口部に、該曲面部の検査領域を外方に向けて該曲面部を位置させる工程と、該ベース部の該開口部に位置させた該曲面部に対して、明部と暗部の明暗パターンを有する照射光を、所定の斜め方向から照射する工程と、拡大撮像部が設けられた撮像部により、該ベース部の該開口部に位置させた該曲面部の該検査領域にピントを合わせて、該検査領域を外方から拡大撮像する工程と、拡大撮像された該検査領域の背景として、該照射光の該明暗パターンによる該明部と該暗部との境目がなだらかに階調変化された被写界深度の浅い原画像を形成する工程と、を含んで構成される。
本発明によれば、透明筒状製品の曲面部の検査において、従来技術では困難であった状況下でも安定して検査をおこなうことができる。
実施形態に係る検査装置を示す全体平面図である。 実施形態に係る検査装置による検査状況を示す側面一部断面図である。 実施形態に係る主照射部(補助照射部)の照射面を示す図である。 (a)実施形態に係る明暗パターンを示す図、(b)〜(e)他の実施形態に係る明暗パターンを示す図である。 (a)〜(c)他の実施形態に係るベース部を示す図である。 (a)比較例に係るベース部を示す平面図、(b)同側面断面図である。 (a)他の実施形態に係る検査状況を示す平面一部断面図、(b)同正面一部断面図である。 (a)〜(d)他の実施形態に係る検査状況を示す図である。 実施形態に係る原画像を示す図である。 比較例に係る原画像を示す図である。 比較例に係る原画像を示す図である。 比較例に係る原画像を示す図である。 比較例に係る原画像を示す図である。 比較例に係る原画像を示す図である。 実施形態に係る画像処理状況を示す図である。 実施形態に係る画像処理状況を示す図である。 実施形態に係る画像処理状況を示す図である。 実施形態に係る画像処理状況を示す図である。 実施形態に係る画像処理状況を示す図である。 実施形態に係る検出処理状況を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1〜図2は、実施形態に係る検査装置1を示しており、図1は検査装置1の全体平面図、図2は検査装置1による検査状況を示す側面一部断面図である。図1〜図2に示すように、実施形態の検査装置1は、搬送手段20と、ベース部30と、主照射部40および補助照射部41と、撮像部50と、画像検査部60と、を主に備えて構成される。検査装置1により、シリンジ3(透明筒状製品)の胴体部4(曲面部)における透明な潤滑剤の塗布状態が検査される。
シリンジ3は、容積10ml(胴径15mm)程度の透明なガラス製で、円筒状の胴体部4の両端に、フランジ部と、テーパ部および先端部とがそれぞれ連成された公知の構造を有する。シリンジ3は、プレフィルドシリンジを形成するためのもので、胴体部4の内周面8には、潤滑剤の一例としてシリコン(シリコーン)が塗布されている。シリンジ3には、図示しない前工程により、シリコンが噴霧された後、滅菌・乾燥処理が施されており、胴体部4の内周面8にはシリコンが薄い膜状となって張り付いている。シリコンとしては、オイルシリコンまたはエマルジョンシリコンが、シリンジ3の材質や充填される薬剤との適合性などに応じて適宜選択される。実施形態では、東レ・ダウコーニング社製360 Medical Fluidが用いられている。
搬送手段20は、図1〜図2に示すように、帯状の搬送ベルト22によって構成される。図示しないが、搬送ベルト22は、前後方をプーリに巻回され、モータ等の駆動手段を通じて無端回動している。搬送ベルト22はスチール製で、平坦な載置面23を備える。載置面23には、ベース部30が載置され、ベース部30を介してシリンジ3が、搬送ベルト22により搬送方向Aに搬送される。
ベース部30は、図1〜図2に示すように、一定の内径を有する上下貫通の円筒形で、内径と高さとが互いに略同寸法に構成される。ベース部30は、空洞部32と、空洞部32を環状に取り囲む反射壁面33と、空洞部32の上端面を開口する開口部35とを備える。反射壁面33は非鏡面性で、入射光の大半を様々な方向に拡散反射させるものが好ましい。実施形態のベース部30はアルミニウム製で、反射壁面33およびその他の部分には、艶消しの表面処理が施されている。
ベース部30は、搬送ベルト22の載置面23上に密着状に載置固定され、載置面23の一部により、ベース部30の空洞部32の下端面を閉塞する閉塞部36が構成される。閉塞部36は、空洞部32を介して開口部35に対向するように設けられる。実施形態の載置面23は黒色塗装されており、閉塞部36は入射光の大半を吸収可能な光吸収性を有する。ベース部30を有底形状とし、ベース部30に閉塞部36を一体化させた構成としてもよい。
ベース部30は、図1〜図2に示すように、シリンジ3の胴体部4における所定の検査領域12を上方に向けて、開口部35に胴体部4を位置させる。実施形態では、ベース部30の上端に、胴体部4の両端近傍を嵌入できる断面略半円形の凹部38、38が、ベース部30の直径方向に形成され、これによりシリンジ3の胴体部4は、軸方向が搬送方向Aと直交するようにして水平支持される。図示しないが、検査装置1では、複数のベース部30、30…が、適当な間隔を空けて搬送ベルト22上に配設され、複数のシリンジ3、3…が搬送方向Aに沿って一列に連なって搬送されている。
主照射部40および補助照射部41は、左右に長いバー照明の形状で、図1〜図3に示すように、枠体43と、枠体43内に設けられる細長矩形状の照射面44とから構成される。主照射部40および補助照射部41は、搬送ベルト22の上方を横断し、照射面44が搬送方向Aに直交するようにして所定の高さ位置に設けられる。主照射部40および補助照射部41の照射面44は、それぞれ所定の傾斜角度に設けられ、ベース部30の開口部35に位置させたシリンジ3の胴体部4に対して、照射光40a、41aを照射している。主照射部40は、前方かつ斜め上方から照射光40aを照射し、補助照射部41は、撮像部50を挟んで主照射部40とは反対側の後方かつ斜め上方から照射光41aを照射する。実施形態では、主照射部40および補助照射部41は、シリンジ3の胴体部4の前後に略対称に配置される。
照射面44には、図3に示すように、多数の発光部45、45…がマトリックス状に植設される。発光部45は白色LEDからなり、長辺方向に隣接して配置される一方、短辺方向には所定の間隔を空けて配置される。これにより照射面44から照射される照射光40a、41aは、図4(a)に示すように、明部47と暗部48とが短辺方向に交互に繰り返すストライプ状の明暗パターン49を備える。照射光40a、41aは、明暗パターン49の長辺方向が、シリンジ3の胴体部4の軸方向に略一致するように照射される。
図4(b)〜(e)は他の実施形態を示しており、明部47と暗部48の明暗パターン49がそれぞれ、長辺方向のストライプ状(図4(b))、斜め方向のストライプ状(図4(c))、市松模様状(図4(d))、格子状(図4(e))に構成される。画像検査部60による画像処理等の単純化のためには、図4(a)〜(c)のようなストライプ状の明暗パターン49が好ましい。
図示しないが、主照射部40、補助照射部41を、照射面44全体が発光するフラット照明とし、透光部と遮光部を適宜有するスリット板等を付設することで、明暗パターン49を形成可能としてもよい。上記実施形態のように所定の発光部45を用いた構成の場合には、LEDが有する直進性等により、明暗パターン49を確実に形成し易い。主照射部40、補助照射部41をリング照明の形状とし、シリンジ3の胴体部4の一定範囲に対して、図4(a)〜(e)に示すような明暗パターン49を形成することもできる。照射面44は平坦状に限られず、断面視円弧状等の曲面状であってもよい。
撮像部50は、図1〜図2に示すように、搬送ベルト22の上方における所定の高さ位置に設けられる。撮像部50は、主照射部40および補助照射部41から照射された照射光40a、41aの反射光のもと、ベース部30の開口部35に位置させたシリンジ3の胴体部4の検査領域12を上方から撮像する。撮像部50に主照射部40ないし補助照射部41を搭載した構成としてもよい。
撮像部50は、CCDまたはCMOSを撮像素子とする4倍速カメラによって構成される。撮像部50は、図2に示すように、本体部52と、拡大レンズを内蔵する拡大撮像部53とを備え、検査領域12を真上から近距離撮像する。拡大撮像部53の拡大レンズは、光学倍率=1.0x、モニタ表示上の倍率(モニタ倍率)=約100倍となるように構成される。拡大レンズは、例えば複数の凸レンズ等を用いて構成される。撮像部50の撮像範囲は4.5mm×3.5mm、出力画素数は640画素×480画素で、1画素の分解能は約7ミクロンである。撮像部50により、検査領域12の像が撮像範囲の中心付近に含まれるように検査領域12が拡大撮像され、原画像(生画像)が形成される。このとき拡大撮像部53が設けられていることで、被写界深度の浅い原画像が形成される。拡大撮像部53の拡大レンズは、概ね光学倍率=0.75x(モニタ倍率=約75倍)以上となるように構成されるのが好ましく、検査精度を向上させるために概ね光学倍率=1.0x(モニタ倍率=約100倍)以上が好ましい。一方、光学倍率(モニタ倍率)が大きくなり過ぎると、撮像視野が全体に暗くなり、検査に悪影響を及ぼし得るため、概ね光学倍率=2.0x(モニタ倍=約200倍)以下が好ましい。拡大撮像部53にズーム機能を設け、焦点距離が手動または自動で適宜変更される構成としてもよい。
画像検査部60は、図1に示すように、撮像部50に接続される。画像検査部60は、画像処理手段62と、検出処理手段63と、判定処理手段64と、を主に備え、撮像部50の撮像によって形成された所定の原画像に基づいて、画像検査をおこない、検査領域12の良否を判定する。画像検査部60には、上記原画像や画像検査状況等を表示するモニタ65が接続されている。図示しないが、画像検査部60は、メモリ等の記憶手段、CPU等の演算処理手段や制御手段、タッチパネル・キーパッド・キーボード・マウス等の入力手段、プリンタ・スピーカ等の出力手段、通信ネットワークを介して情報を送受信する送受信手段、各種インターフェース、電源ポート、所定のプログラムその他の必要なハードウェアおよびソフトウェアを適宜備えている。
次に、上記構成の検査装置1を用いた検査方法について説明する。
図1に示すように、シリンジ3の胴体部4が、ベース部30を介して所定状態に支持され、搬送手段20により、シリンジ3がベース部30とともに搬送方向Aに搬送されている。
図2に示すように、シリンジ3ないしベース部30が所定位置に到達すると、撮像部50により、ベース部30の開口部35に位置させたシリンジ3の検査領域12が上方から撮像される。シリンジ3の胴体部4に対しては、主照射部40および補助照射部41により照射光40a、41aがそれぞれ所定の斜め方向から照射される。図示しないが、搬送ベルト22の側方の撮像部50に対応する位置には、シリンジ3ないしベース部30の到達を感知するセンサが配設されている。実施形態では、搬送ベルト22が途中停止せずに連続的に駆動され、シリンジ3の検査領域12が撮像部50の下方を通過する所定タイミングで、撮像部50による撮像が瞬間的におこなわれている。
シリンジ3の検査領域12は、図1〜図2に示すように、胴体部4の内周面8における微小範囲に設定され、平面視で矩形状をなす。検査領域12は好ましくは、側面断面視で胴体部4の頂上部14と前端部15の略中間部位に設けられる(図2参照)。検査領域12が頂上部14の付近に偏って設定されると、ハレーションが発生する可能性が高く、主照射部40、補助照射部41を撮像部50との接触を避けて配置することも難しい。一方で、検査領域12が前端部15の付近に偏って設定されると、検査領域12の像が極狭となり、検査精度が低下するおそれがある。
撮像部50による撮像に際しては、ベース部30の開口部35に位置させた胴体部4の検査領域12にピントを合わせて、検査領域12が拡大撮像される。撮像により得られる画像情報はデジタルデータ化され、原画像が形成される。原画像は、各画素が例えば0〜255の256階調の濃淡レベルに量子化され、多階調で表されたグレースケールの濃淡画像(多値画像)として形成される。
図9は実施形態に係る原画像を示す。このように、拡大撮像された検査領域12の背景として、照射光40a、41aの明暗パターン49(図4(a)参照)が映され、明暗パターン49による明部47と暗部48との境目がなだらかに階調変化された、被写界深度の浅い原画像が形成される。検査領域12においては、シリコンが胴体部4の内周面8に薄い膜状となって張り付いた状況となっているが、図9に示す原画像では、これらのシリコンが所定背景のもとで浮かび上がり、シリコンの塗布痕跡が出現している。
図10は比較例に係る原画像を示しており、拡大撮像部53を数ミリ下方に繰り出し(胴体部4に接近させ)、照射光40a、41aの明暗パターン49にピントを合わせて拡大撮像したものである。図10に示す原画像では、照射光40a、41aの明暗パターン49による明部47と暗部48との境目が比較的急激に階調変化され、明部47と暗部48との境目がはっきりと表れている。その一方で、図9に示す原画像のように、シリコンの塗布痕跡を出現させることはできない。
実施形態では、拡大撮像部53が設けられた撮像部50により、原画像の被写界深度を浅くできるため、検査領域12にピントを合わせることで、検査領域12の背景となり得る明暗パターン49から容易にピントが外れ、図9に示すように、明暗パターン49の像がぼやけて明部47と暗部48との境目がなだらかに階調変化された原画像が形成される。これに対して25ミリや30ミリの一般的なレンズでは被写界深度が深く、ピントの合う範囲が広いため、このような原画像を形成することは難しい。
なお、検査装置1によれば、シリコンが噴霧されて間もなくのシリンジ3(シリコンが微粒子の形状で内周面8に付着している)を検査対象とした場合であっても、原画像において所定背景のもとでシリコンを容易に浮かび上がらせることができる。
主照射部40および補助照射部41は、撮像部50が、照射された照射光40a、41aの胴体部4の外周面9における直接的な反射光(正反射光)を受光しないように、かつ拡大撮像部53を下方に繰り出すと、明暗パターン49にピントを合わせることが可能となるような位置と傾斜角度にて配設されるのが好ましい。
主照射部40および補助照射部41から照射された照射光40a、41aが、シリンジ3の胴体部4を透過するに際しては、胴体部4が弱い凸メニスカスレンズとして作用する。これにより、微小な検査領域12を拡大撮像しても、明暗パターン49を原画像の背景として取り込み易いと考えられる。
ベース部30の反射壁面33は、主照射部40および補助照射部41から照射された照射光40a、41a等を拡散反射させている。これにより、ベース部30の開口部35に位置させたシリンジ3の胴体部4(検査領域12)が、下方から拡散光を照射されて、ドーム照明で間接照射されたような状態となり、原画像においてシリコンを浮かび上がらせ易くすることができる。
また、閉塞部36は、反射壁面33で拡散反射された拡散光等を適宜吸収し、撮像部50に向けて強い光が反射されるのを抑制している。空洞部32の下端面を、閉塞部36に替えて反射壁面33や他の部材で閉塞する、または何も設けずに開口するようにしてもよいが、閉塞部36を備えた構成により、原画像のコントラスト比を高めることができる。
図5(a)〜(c)はベース部30の他の実施形態を示しており、反射壁面33と、開口部35および閉塞部36と、によって形成される立体図形がそれぞれ、略お碗形(図5(a))、略円錐台(図5(b))、略立方体(図5(c))となるように構成される。
反射壁面33が、上記実施形態のように、閉塞部36から開口部35にかけて一定径の略円形の断面形状を備えた構成や、図5(a)(b)に示すように、閉塞部36から開口部35にかけて次第に拡径する略円形の断面形状を備えた構成である場合には、ベース部30の開口部35に位置させたシリンジ3の胴体部4に、様々な角度から均等にまんべんなく拡散光を照射することが可能となり好ましい。
なお、反射壁面33の適宜の箇所に、間接光を照射する補助光源(図示せず)を付設し、上記拡散光を補うようにしてもよい。
図6(a)(b)は比較例に係るベース部80を示している(図6(a)は平面図、図6(b)は側面図)。ベース部80は、図6(a)(b)に示すように、適宜厚さの板材によって構成される。ベース部80は平面視矩形状で、一辺がシリンジ3の胴体部4の長さよりも僅かに小さい寸法に構成されるとともに、他辺がこれよりも十分に大きい寸法に構成されている。ベース部80の上面には、シリンジ3の胴体部4を嵌入して水平支持できる断面略半円形の凹部82が形成されている。ベース部80はアルミニウム製で、上面およびその他の部分には、上記ベース部30と同様の艶消しの表面処理が施されている。一方、ベース部80は、ベース部30のような空洞部32、反射壁面33、開口部35、閉塞部36を備えていない。
図11〜図12は、このようなベース部80を用いて、上記実施形態と同様の要領で形成された原画像を示しており、図11は検査領域12にピントを合わせて撮像したもの、図12は明暗パターン49にピントを合わせて撮像したものである。図11、図12をそれぞれ図9、図10と比較すれば明らかなように、ベース部80を用いた場合には、原画像のコントラスト比が低く、全体的に白っぽい画像となる。図11に示す原画像では、図9のようにシリコンが浮かび上がらず、シリコンの塗布痕跡を出現させることはできない。
図13は、上記実施形態において、主照射部40を消灯した場合の原画像を示し、図14は、同じく補助照射部41を消灯した場合の原画像を示している(いずれも検査領域12にピントを合わせて撮像したもの)。
図13に示すように、主照射部40を消灯し、補助照射部41で照射光41aのみを照射しても、原画像にシリコンを浮かび上がらせることは難しい。一方で、図14に示すように、補助照射部41を消灯し、主照射部40で照射光40aのみを照射すると、原画像にシリコンを浮かび上がらせることができるが、図9と比べ、その範囲が狭くなる。上記実施形態のように、主照射部40に補助照射部41を付設する構成により、拡大撮像された検査領域12の全域で確実にシリコンを浮かび上がらせることが可能になる。
所定の原画像が形成されると、この原画像に基づいて画像検査部60により検査領域12の良否が判定される。実施形態では、画像処理手段62により原画像に適宜の画像処理が施され、検出処理手段63によりシリコンの塗布痕跡箇所を検出する検出処理が施される。そして判定処理手段64により、検査領域12におけるシリコンの塗布状態(シリコンが塗布されているか否か、あるいはシリコンの塗布量が適切か否か)を判定する判定処理がおこなわれる。原画像に画像検査部60による画像処理等を施さず、モニタ65等に表示される原画像を目視観察することで、検査領域12の良否を判定するようにしてもよい。画像処理手段62や検出処理手段63、判定処理手段64を備えた構成であれば、検査スピードと検査精度を向上させることができる。
画像検査部60による具体的な処理の流れについて一例を挙げて説明する。
図15〜図19は実施形態に係る画像処理状況を示す図であり、図15は原画像(図9参照)に濃淡差分処理を施したもの、図16は図15の画像にPrewittフィルタ処理を施したもの、図17は図16の画像に階調補正処理を施したもの、図18は図17の画像にエッジ抽出処理(Y成分)を施したもの、図19は図18の画像に収縮処理を施したものである。エッジ抽出処理(Y成分)により、明暗パターン49に対応する成分が除去され、収縮処理により細かいノイズが除去されている。各図中、左側の矩形ラインで囲われたところが拡大撮像された検査領域12である。必要により、画像処理に先立って位置補正ないし位置決め等の処理が適宜施される。
図20は実施形態に係る検出処理状況を示す図であり、上記一連の画像処理によって得られる図19の画像に検出処理を施したものである。検出処理としては、XY座標、慣性主軸角、面積、周長等を抽出条件とした所定の特徴抽出処理が用いられる。図20中、多数の十字マークは、検出されたシリコンの塗布痕跡箇所を示している。
判定処理では、検出処理により検出されたシリコンの塗布痕跡箇所の個数がカウントされる。画像検査部60には、あらかじめ所定の判定基準値が記憶されている。カウントされたシリコンの塗布痕跡箇所の個数と、判定基準値とを比較することで検査領域12におけるシリコンの塗布状態が判定される。判定基準値は例えば、シリコンが適切に塗布されているシリンジ数本をあらかじめ抜き取り調査し、それらから検出されるシリコンの塗布痕跡箇所の個数を元に設定することができる。
以上のように検査装置1によれば、シリンジ3の胴体部4の内周面8にシリコンが薄い膜状となって張り付いた状況であっても、所定の原画像において、シリコンの塗布痕跡を出現させることができる。よって、シリンジ3に塗布されたシリコンの塗布状態を、精度良く安定して検査することができる。
以上の実施形態の記述は、本発明をこれに限定するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の修正や設計変更等が可能である。
例えば、図7(a)(b)に示すように、閉塞部36を備えたベース部30を所定位置に固設し、シリンジ3を適宜の搬送手段(図示せず)で所定状態に懸吊支持しつつ搬送することにより、ベース部30の開口部35に、搬送されてくるシリンジ3の胴体部4を入れ替わり位置させるようにしてもよい。これによれば、一のベース部30により多数のシリンジ3、3…を処理でき、検査装置を生産ラインに組み込むことも容易になる。
シリンジ3の胴体部4は、水平に支持される以外に、フランジ部を上方または下方とした垂直や斜めに支持される構成であってもよい。
また、図8(a)に示すように、検査領域12を複数部位に設定し、各検査領域12の検査結果に基づき、シリンジ3の良否を総合的に判定するようにしてもよい。
また、図8(b)に示すように、検査領域12を胴体部4の周方向に延設して、胴体部4を一周する帯状の形状に構成するとともに、胴体部4を軸廻りに回転させる回転機構を付設し、複数回の撮像により全周検査をおこなうようにしてもよい。
また、図8(c)に示すように、上記帯状の形状の検査領域12を複数部位に設定して、それぞれで全周検査をおこない、各検査領域12の検査結果に基づき、シリンジ3の良否を総合的に判定するようにしてもよい。
また、図8(d)に示すように、検査領域12を胴体部4の内周面8に沿って螺旋状の形状に構成するとともに、胴体部4を軸廻りに回転させつつ軸方向に移動させる回転・移動機構を付設し、複数回の撮像により螺旋方向に全周検査をおこなうようにしてもよい。
上記実施形態では、シリンジ3の胴体部4の内周面8における潤滑剤(シリコン)の塗布状態を検査する場合を例示して説明したが、本発明はこれ以外にも、透明筒状製品の曲面部の種々の検査に応用することができる。例えば、本発明を、透明筒状製品の曲面部の内周面ないし外周面における表面欠陥検査や外観検査(傷・凹凸の有無、異物の付着有無、塗装状態等の検査)に用いることができる。
本発明の「透明」には、完全な透明だけでなく、半透明等が含まれる。「透明筒状製品」の材質は、ガラスに限定されず、樹脂等であってもよい。「透明筒状製品の曲面部」は、断面円形状のもの以外に、断面楕円形状や、断面半円形状等の少なくとも一部に曲面部が形成されたものであってもよい。
1 検査装置
3 シリンジ
4 胴体部
8 内周面
12 検査領域
30 ベース部
32 空洞部
33 反射壁面
35 開口部
36 閉塞部
40 主照射部
41 補助照射部
40a、41a 照射光
47 明部
48 暗部
49 明暗パターン
50 撮像部
53 拡大撮像部
60 画像検査部

Claims (7)

  1. 透明筒状製品の曲面部を検査する検査装置であって、
    空洞部と、該空洞部を取り囲む反射壁面と、該空洞部の一端面を開口する開口部と、を有し、該曲面部の検査領域を外方に向けて該開口部に該曲面部を位置させるベース部と、
    該ベース部の該開口部に位置させた該曲面部に対して、明部と暗部の明暗パターンを有する照射光を、所定の斜め方向から照射する主照射部と、
    拡大撮像部が設けられ、該ベース部の該開口部に位置させた該曲面部の該検査領域を外方から撮像する撮像部と、
    該撮像部に接続される画像検査部と、を備え、
    該撮像部が、該曲面部の該検査領域にピントを合わせて該検査領域を拡大撮像するとともに、拡大撮像された該検査領域の背景として、該照射光の該明暗パターンによる該明部と該暗部との境目がなだらかに階調変化された被写界深度の浅い原画像を形成し、
    該画像検査部が、該原画像に基づいて該検査領域の良否を判定する検査装置。
  2. 該空洞部を介して該開口部に対向して設けられ、該空洞部の他端面を閉塞する光吸収性の閉塞部を備えた請求項1に記載の検査装置。
  3. 該反射壁面が、
    該閉塞部から該開口部にかけて一定径の略円形または次第に拡径する略円形の断面形状を備えた請求項2に記載の検査装置。
  4. 該撮像部を挟んで該主照射部とは反対側の斜め方向から照射光を照射する補助照射部を備えた請求項1ないし3の何れかに記載の検査装置。
  5. 該主照射部が、
    LEDからなる発光部を該明暗パターンに対応して配置した照射面を備えた請求項1ないし4の何れかに記載の検査装置。
  6. 該透明筒状製品がシリンジであり、該シリンジの内周面に薄い膜状となって張り付いた潤滑剤の塗布状態を検査する請求項1ないし5の何れかに記載の検査装置。
  7. 透明筒状製品の曲面部を検査する検査方法であって、
    空洞部と、該空洞部を取り囲む反射壁面と、該空洞部の一端面を開口する開口部と、を有するベース部の該開口部に、該曲面部の検査領域を外方に向けて該曲面部を位置させる工程と、
    該ベース部の該開口部に位置させた該曲面部に対して、明部と暗部の明暗パターンを有する照射光を、所定の斜め方向から照射する工程と、
    拡大撮像部が設けられた撮像部により、該ベース部の該開口部に位置させた該曲面部の該検査領域にピントを合わせて、該検査領域を外方から拡大撮像する工程と、
    拡大撮像された該検査領域の背景として、該照射光の該明暗パターンによる該明部と該暗部との境目がなだらかに階調変化された被写界深度の浅い原画像を形成する工程と、
    を含む検査方法。




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