JP5892614B2 - 光触媒担持体、その製法及び光触媒担持体を用いた有機物分解方法 - Google Patents

光触媒担持体、その製法及び光触媒担持体を用いた有機物分解方法 Download PDF

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本発明は、光触媒担持体、その製法及び光触媒担持体を用いた有機物分解方法に関する。
光触媒を気体中に含まれる有機物を分解する目的で使用する場合、粒子状の光触媒を担体に担持した担持体を用いることがある。粒子状光触媒の担体への担持に際しては、粒子状光触媒の能力を損なうことなく担持すること、さらに担持された粒子状光触媒が担体から脱離しにくいように固定化することが重要である。
粒子状光触媒の担体への担持に関する先行技術は種々存在する。例えば、特許文献1及び2を挙げることができる。特許文献1の請求項1に記載の方法は、チタンアルコキシドと無機質粒子を含む第1 分散液を、室温より高い温度に加熱した状態の基材の表面に噴霧する第1 噴霧工程と、前記基材をさらに続けて加熱する工程とを含むことを特徴とする酸化チタン光触媒多孔質膜の作製方法である。特許文献2の請求項1に記載の発明は、表面に開口する気孔径1μm以下の気孔を有することを特徴とする多孔質セラミックであり、この多孔質セラミックに光触媒が担持されている光触媒担持体が請求項6に記載され、さらに、光触媒を多孔質セラミックに担持させる方法としては、多孔質セラミックに光触媒の分散液をスプレー塗布したり、或いは、光触媒の分散液又はゾルを多孔質セラミックに含浸させ、その後、乾燥させたりすることによって担持させる方法が段落0024に記載されている。
また、光触媒の種類によっても、担体上での分散性に差があることも知られている。従来から多用されている八面体アナターゼ型TiO2は、スラリー液において、2次凝集性を有することから、十分な分散性が困難であることが知られている。そのため、有機物に対する高い分解活性が得られにくいと言われている。
十面体アナターゼ型TiO2(特許文献3)は、超微粒子で非凝集性である。そのため、十面体アナターゼ型TiO2スラリー液を用いて担体上に高い分散性で担持することができ、有機物に対する高い分解活性を得ることができる。
特開2007−98315号公報 特開2012−102000号公報 WO2004/063431 特開2004−2176号公報
特許文献1及び2に記載の光触媒の担体への担持、固定化方法は、光触媒の分散液等を担体に噴霧するか、または光触媒の分散液等に担体を浸漬する方法である。しかし、特許文献1に記載の方法のように、無機粒子バインダーの表面にチタンアルコキシド由来の酸化チタン膜を形成した場合、結晶性の低さなどの点から光触媒の活性を十分に活用できない場合がある。また、特許文献2に記載のように、バインダーを用いない方法では、光触媒の担体からの脱離を抑制するために表面に開口する気孔径1μm以下の気孔を有する特殊な多孔質体を用いる必要がある。
特許文献3に記載の十面体アナターゼ型TiO2スラリー液を用いた光触媒担持体は、十面体アナターゼ型TiO2は、高い結晶性と多くの結晶面を有し、かつ高い分散性で分散し得るが、担体への固定化の安定性が不十分であり、その結果、十面体アナターゼ型TiO2が本来有する優れた光触媒活性を発揮できていない、という問題がある。
本発明は、バインダーを使用することなく、かつ特殊な多孔質体を用いることなく、十面体を有する粒子状アナターゼ型TiO2を担体表面から脱離しにくい状態で担体表面に担持し、かつ担持された十面体を有する粒子状アナターゼ型TiO2は、光触媒が本来有する光触媒活性を発揮し得る状態であることを可能にする、光触媒担持体の製造方法を提供することを目的とする。さらに本発明は、この方法で得られる光触媒担持体及びこの光触媒担持体を用いた有機物の分解方法を提供することも目的とする。
本発明者らは、基材の表面に動物骨を原料とするアパタイトスラリーを所定の方法で塗布した担持用基材を用いることで、十面体アナターゼ型TiO2の性能を十分に発揮し得る状態で、基材表面に安定的に固定化できることを見出して、本発明を完成させた。
尚、担体上にアパタイトを形成し、その上に光触媒を固着させることは、例えば、特許文献4に記載されている。しかし、特許文献4には、十面体アナターゼ型TiO2の記載はなく、さらには、十面体アナターゼ型TiO2の基材への固定化のための表面処理に動物骨を原料とするアパタイトスラリーを用いることも記載はない。
本発明によれば、バインダーを使用することなく、かつ特殊な多孔質体を用いることなく、十面体を有する粒子状アナターゼ型TiO2を担体表面から脱離しにくい状態で担体表面に担持し、かつ担持された十面体を有する粒子状アナターゼ型TiO2は、光触媒が本来有する光触媒活性を発揮し得る状態であることを可能にする、光触媒担持体とその製造方法を提供することができる。さらに本発明よれば、この方法で得られる光触媒担持体及びこの光触媒担持体を用いた有機物の分解方法を提供することもできる。
天然アパタイト/稚内層珪質頁岩由来複合体 (HAp/WS)の作製方法 HAp/WS系粉末の微細構造 HAp/WSスラリーの多層コーティング方法 HAp/WS-coated 基材の重量変化 HAp/WS-coated基材の比表面積変化 DMによるHAp/WS-coated 基材の表面組織 SEMによるHAp/WS-coated 基材の微細構造 EDSによるHAp/WS-coated 基材表面の組成分析 EPMAによるHAp/WS-coated 基材表面のX線マッピング HApスラリーの多層コーティング方法 HAp/WS/Al2O3, HAp/Al2O3基材に対する光触媒異種TiO2の担持方法 光触媒TiO2(十面体)-loaded基材の重量変化 DMによる光触媒TiO2(十面体)-loaded基材の表面組織 SEMによる光触媒TiO2(十面体)-loaded基材の微細構造(低倍率) SEMによる光触媒TiO2(十面体)-loaded基材の微細構造(高倍率) EPMAによる1.5%TiO2(十面体)-loaded HAp/WS/Al2O3基材表面のX線マッピング 光触媒TiO2コ−テイング層の密着性評価試験 超純水中16h攪拌放置したTiO2-loaded HAp/WS/Al2O3, HAp/Al2O3基材の重量変化 DMによる超純水中16h攪拌放置したTiO2-loaded HAp/WS/Al2O3基材の表面組織 光触媒TiO2 (1.5または15%、十または八面体)-loaded各種基材によるアセトアルデヒド分解反応の評価方法 光触媒TiO2(15%,八面体)-loaded各種基材によるアセトアルデヒド分解反応の経時変化 光触媒TiO2(15%,十面体)-loaded各種基材によるアセトアルデヒド分解反応の経時変化 光触媒TiO2(十面体)-loaded各種基材によるアセトアルデヒド分解反応活性の経時変化
<粒子状光触媒担持体の製造方法>
本発明は、粒子状光触媒担持体の製造方法に関する。本発明の製造方法は、以下の工程(1)および(2)を含む。
(1)基材の表面にアパタイトスラリーを塗布して担持用基材を準備する工程、
(2)前記担持用基材の少なくとも表面に十面体アナターゼ型TiO2の分散液を塗布すること、及び塗布後の前記担持用基材を焼成して光触媒担持体を得る工程。
工程(1)
工程(1)は、担持用基材を準備する工程である。表面にアパタイトスラリーを塗布する基材としては、基材のアパタイトスラリーへの浸漬後に基材の焼成を行うので、耐熱性を有する材質からなるものが好ましく、例えば、ガラスやセラミックスであることが適当である。セラミックスとしては、アルミナ、コーディエライト、ムライト、シリカ、ジルコニア、炭化ケイ素、チタン酸アルミニウムなどを用いることができる。基材の形状、寸法および空隙率等は、本発明の製造方法で得られる光触媒担持体の使用目的に応じて適宜決定できる。
アパタイトスラリーの基材の表面への塗布は、基材をアパタイトスラリーに浸漬することで行う。但し、基材のアパタイトスラリーへの浸漬は少なくとも2回繰り返す。さらに、基材のアパタイトスラリーへの浸漬後に、基材を焼成する。基材の焼成は、基材のアパタイトスラリーへの浸漬後、毎回行う。即ち、繰り返し浸漬及び繰り返し浸漬後の基材焼成を少なくとも2回繰り返す。基材を浸漬するアパタイトスラリーの濃度は、基材へのアパタイトの被覆量等を考慮して、適宜決定することができ、固形分濃度が、例えば、0.1〜10質量%の範囲、好ましくは0.5〜5質量%の範囲、より好ましくは1〜3質量%の範囲であることができる。基材のアパタイトスラリーへの繰り返し浸漬の回数および繰り返し浸漬後の基材焼成の回数は、1回の浸漬および焼成処理で被覆できるアパタイトの量と所望の被覆量を考慮して適宜決定することができる。上記濃度範囲のアパタイトスラリーを用いる場合、2〜10回の範囲、好ましくは2〜5回の範囲とすることができる。
アパタイトスラリーとしては、動物骨を煮沸及び焼成した後に酸水溶液に溶解してアパタイト含有水溶液を得、得られたアパタイト含有水溶液を中和して得られたスラリーを用いる。この方法で得られる本発明における動物骨由来のアパタイトは、水酸アパタイト(hydroxypatite)置換固溶体であって、hydroxypatite(HAp)の結晶相を有するものである。但し、上記のようにして得られるアパタイトスラリーには、水酸アパタイト以外に、動物骨に由来する、例えば、ナトリウムおよびマグネシウムなどの微量金属成分が含有されている。これら微量金属成分が、アパタイトとともに作用して、本発明の製造方法で得られる担持用基材の光触媒担持特性と安定性を向上させると共に、担持される十面体アナターゼ型TiO2が高い光触媒活性を示すものと推察される。
動物骨としては、例えば、牛骨、豚骨、馬骨、羊骨、鳥骨、魚骨などを挙げることができる。動物骨を、例えば、水中で1〜5時間煮沸し、次いで、煮沸後の動物骨を焼成する。焼成は、例えば、500〜1200℃の範囲の温度で、10〜24時間行うことができる。焼成した後の動物骨を酸水溶液にて溶解してアパタイト含有水溶液を得る。酸水溶液としては、例えば、硝酸溶液(例えば、0.3〜1N)などを用いることができる。アパタイト含有水溶液を中和してアパタイトが析出してスラリーを得る。中和には、例えば、アンモニア水溶液を用いることができる。
基材のアパタイトスラリーへの浸漬は、アパタイトスラリーの分散状態を維持したままで行うことが好ましく、そのために、例えば、超音波処理を行いながら浸漬を行うことができる。浸漬処理は、室温で、例えば、1〜10分間で行うことができる。但し、この条件に限定される意図ではない。
アパタイトスラリーへの浸漬後に行う基材の焼成は、基材の材質(耐熱性等)を考慮して、適宜決定することができ、例えば、400〜1100℃の範囲とすることができる。この焼成によって、被覆したアパタイトを基材表面に強固に付着させることができる。アパタイトの基材表面への被覆量は、基材表面が、アパタイトで十分に被覆される量であれば良い。そのような観点から、アパタイト被覆層の厚みが、1〜200μmの範囲であればよく、好ましくは10〜100μmの範囲である。
アパタイトスラリーは、粒子状珪質頁岩をさらに含むものであることができる。珪質頁岩とは、珪藻などの珪質骨格を有するプランクトンに由来する非晶質シリカが続成過程でクリストバライトやトリジマイト(Opal-CT)、あるいは石英に変化したものであり、見かけも、鉱物組成も珪藻土とは明らかに異なるものである。一方、珪藻土は、植物性プランクトンである珪藻の遺骸が多量に泥粒子などとともに堆積・固結した泥岩のことで地質学的には珪藻質泥岩または珪藻土とよばれる。珪藻土中のシリカの多くは珪藻遺骸に由来する非晶質シリカ(Opal-A)である。珪質頁岩は、粉末X線回折による鉱物結晶相の同定により、Opal-CTが認められること、N2ガス吸着法により、メソポア領域(直径2-50nm)の細孔が認められること等で、確認することができる。粒子状珪質頁岩の平均粒子径は、例えば、1〜500μmの範囲、好ましくは4〜30μmの範囲である。
アパタイトスラリーが、粒子状珪質頁岩をさらに含むものであることで、基材の表面を粒子状珪質頁岩及びアパタイトを含有する被覆層で被覆することもできる。被覆層がアパタイトに加えて、粒子状珪質頁岩を含有することで、被覆層の比表面積を向上させることができ、その結果、気体、特に有機物に対する吸着性を変化させることができる。粒子状珪質頁岩とアパタイトの混合割合は、被覆層に求められる十面体アナターゼ型TiO2に対する固定化力、強度、吸着特性などを考慮して適宜決定することができる。また、前述のようにアパタイトスラリーの被覆を複数回実施することから、アパタイトスラリーに対する粒子状珪質頁岩の混合割合を変えたスラリーを用いることで、粒子状珪質頁岩とアパタイトの混合割合が異なる複数の被覆層(傾斜被覆層)を設けることもできる。尚、アパタイトスラリーが、粒子状珪質頁岩をさらに含むものである場合にも、スラリーへの浸漬および焼成は前記と同様に行う。
工程(2)
工程(1)で調製した担持用基材の少なくとも表面に十面体アナターゼ型TiO2の分散液を塗布する。十面体アナターゼ型TiO2は、例えば、特許文献3に記載のものであることができる。十面体アナターゼ型TiO2の分散液は、十面体アナターゼ型TiO2を固形分として、例えば、0.1〜20質量%含有するものであることができる。但し、より高い活性の十面体アナターゼ型TiO2を担持用基材表面に固定化するという観点からは、分散液中の十面体アナターゼ型TiO2の濃度は低いことが好ましく、例えば、0.5〜5質量%の範囲、より好ましくは1〜3質量%の範囲である。分散液中の十面体アナターゼ型TiO2の濃度が低くなると、1回の塗布で固定化できる十面体アナターゼ型TiO2の量は限られるので、その場合には、複数回塗布することができる。複数回塗布する場合、1回塗布した後に所定条件で乾燥し、次いで次の回の塗布を行う。所定条件での乾燥は、例えば、室温で好ましくは濾紙等の吸水性素材上で10〜60分、次いで、40〜60℃で1〜30分、100〜140℃で1〜30分の条件で実施することができる。このような条件で乾燥することで、コーテイング面の亀裂防止、密着強度を強化できるという利点がある。
十面体アナターゼ型TiO2の分散液塗布後に、担持用基材を焼成して光触媒担持体を得る。ここでの焼成は、十面体アナターゼ型TiO2の結晶構造が維持できる温度範囲、例えば、300〜500℃で1〜12時間の範囲で行うことができる。十面体アナターゼ型TiO2の担持用基材への固定化量は、光触媒担持体の利用目的等により適宜決定することができるが、例えば、0.001〜100g/m2の範囲であることができる。
<光触媒担持体>
本発明は、基材、前記基材表面の少なくとも一部に設けたアパタイト含有層、及び前記アパタイト含有層に担持された十面体アナターゼ型TiO2を含む光触媒担持体を包含する。基材は、前記製造方法で説明したものと同様のものである。
アパタイト含有層は、基材表面の少なくとも一部に設けることができるが、高い光触媒性能を発揮する光触媒担持体とするという観点からは、好ましくは基材表面の全面に設ける。アパタイト含有層は、例えば、1〜1000μmの範囲の厚みを有するものであることができる。また、アパタイト含有層は、粒子状珪質頁岩をさらに含有するものであることができる。さらに粒子状珪質頁岩をさらに含有するアパタイト含有層は、粒子状珪質頁岩とアパタイトの含有比率の異なる複数の層を積層したものであることもできる。例えば、基材表面に近い側にアパタイトのみの層を有し、一層ごとに粒子状珪質頁岩の含有量を高めた層(例えば、10〜20%増量)(傾斜被覆層)を設けたものであることもできる。
尚、アパタイト含有層は、前記製造方法で説明したと同様に、動物骨を煮沸及び焼成した後に酸水溶液に溶解してアパタイト含有水溶液を得、得られたアパタイト含有水溶液を中和して得られたアパタイトスラリーを用いて形成されたものである。このようにして得られたアパタイトには、前述のように微量金属成分が含有しており、アパタイトのみ場合に比べて、優れた担体性能を発揮し得ると共に、担持される十面体アナターゼ型TiO2が高い光触媒活性を示すものと推察される。
本発明の光触媒担持体は、十面体アナターゼ型TiO2を例えば、0.001〜100g/m2の範囲で固定化したものであることができる。固定化量は、光触媒担持体の利用目的等により適宜決定することができる。
光触媒担持体は、前述のアパタイト含有被覆層の上に十面体アナターゼ型TiO2を設けることで、基材上にそのまま十面体アナターゼ型TiO2を設ける場合に比べて、十面体アナターゼ型TiO2の光触媒活性が向上する。その理由は、
露出したアパタイト表面へ分解対象物質が吸脱着しやすいために、十面体アナターゼ型酸化チタンによる光触媒分解が促進されるためと推察される。
<有機物の分解方法>。
本発明は、前記本発明の光触媒担持体に、前記十面体アナターゼ型TiO2を活性化し得る光を照射し、前記光照射下の光触媒担持体に、有機物または有機物を含有する気体を接触させて、前記有機物の少なくとも一部を部分的または完全に分解することを含む、有機物の分解方法を包含する。
照射光は、十面体アナターゼ型TiO2を活性化し得る光を含むものであれば、良く、例えば、紫外線を含む光であることができる。分解対象である有機物または有機物を含有する気体は、光照射下の光触媒担持体に接触させる。光触媒担持体に接触した有機物または有機物を含有する気体に含まれる有機物は、十面体アナターゼ型TiO2によって分解され、あるいは、一時的に担体に吸着された後に十面体アナターゼ型TiO2によって分解される。十面体アナターゼ型TiO2によって分解することができる有機物は、比較的低分子の有機物であり、気体状の有機物であれば、分解可能である。
有機物または有機物を含有する気体は、光照射下の光触媒担持体に、流通下、半流通下または非流通下で接触させることができる。実用上好ましくは、例えば、本発明の有機物の分解方法を空気清浄機で使用する場合は、光照射下の光触媒担持体に、流通下、有機物を含有する空気を接触させることで、空気中の有機物を分解して、有機物が、炭素、水素および酸素のみから構成される物質の場合には、主に、二酸化炭素および水に分解することができる。本発明の有機物の分解方法は室温または室温付近にて実施することができるが、光触媒担持体および有機物または有機物を含有する気体の一方または両方を加熱して実施することもできる。加熱温度は、室温を超える温度から、約150℃までの範囲の温度であることができる。加熱することで、有機物の分解を促進することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。但し、本発明は実施例により限定される意図ではない。
参考例1
<天然アパタイト/稚内層珪質頁岩由来複合体 (HAp/WS)の作製方法>
図1に天然アパタイト/稚内層珪質頁岩由来複合体 (HAp/WS)の作製方法のフローチャートを示す。天然アパタイトと稚内層珪質頁岩由来複合体 (HAp/WS)の作製方法を示す。動物骨(牛骨等)を煮沸、800〜1100℃で24h焼成、硝酸に溶解し天然アパタイト(HAp)水溶液を調製した。それと平均粒径4μmの稚内層珪質頁岩(WS)粉末を所定組成比(HAp固体重量比 50、40、20%)で混合・攪拌(3〜18h、300rpm)、超音波処理(120W、38kHz、30min)後、アンモニア水を滴下しpH10〜10.5、25-29℃で24h熟成し、HAp結晶を析出させた。それを濾過、超純水で洗浄、超純水で再分散し、HAp/WS(固体濃度1〜10%)スラリーを調製した。それを凍結乾燥し、HAp/WS(HAp(50%)、HAp(40%)、HAp(20%))粉末を作製した。同様にして、動物骨由来溶解析出HAp(HAp(100%)粉末を調製した。得られた試料について、X線回折(XRD)による生成相の同定、デジタルマイクロスコープ(DM)と走査形電子顕微鏡(SEM)による表面組織と微細構造の観察、エネルギー分散型電子線微小部分析(EPMA)による組成分析、窒素吸着法による比表面積(BET)と細孔分布(PSD)の測定等により表面の特性評価を行った。
図2にHAp/WS系粉末の微細構造を示す。
SEMによるHAp/WS系粉末の微細構造を示す。HAp(100%)ではHydroxyapatite相の針状または棒状ナノ結晶からなる凝集粒子が、WSではCristobalite、Tridymite、Quartz相の多種形状粒子が観察された。比表面積は、HAp(100%)が180m2・g-1、WSが130m2・g-1であり、Al2O3基材(0.18m2・g-1)に比べ720〜1,000倍大きい値になった。HAp(40%)とHAp(20%)では、WS粒子表面上にHAp微結晶が析出した組織が認められ、比表面積はそれぞれ、134m2・g-1と176m2・g-1であった。
実施例1
<HAp/WSスラリーの多層コーティング方法>
図3にHAp/WSスラリーの多層コーティング方法のフローチャートを示す。
HAp/WSスラリーの多層コーティング方法を示す。Al2O3(α-Al2O380%とCordierite20%の複合体)基材をHAp(100%)スラリー(固体濃度 1%)に浸漬、超音波処理(120W、38kHz、1min)後、乾燥(濾紙上で15〜30min乾燥、次に50℃、湿度40%で15〜30min乾燥、さらに120℃で10min)した。それを再びHAp(100%)スラリーに浸漬し、同様にして乾燥する操作を4回繰り返した。それを1100℃、2h焼成により、 1層目のHAp(100%)-coated基材を作製した。2〜4層目のコーティングの組成と焼成温度条件では、2層目はHAp(50%)/WSスラリー、1000℃で2h焼成、3層目はHAp(40%)/WSスラリー、800℃で2h焼成、4層目はHAp(20%)/WSスラリー、600℃で2h焼成の各層コーティングを行い、HAp/WS/Al2O3基材を作製した。
図4にHAp/WS-coated 基材の重量変化を示す。
HAp/WS-coated 基材の重量変化を示す。HAp/WSスラリーを用いた各層コーティング後、その総重量を測定し、Al2O3基材の重量変化率を算出した。各層コーティングにより0.4-0.6%の重量増加率がみられ、4層コーティング後の重量増加率は2.13%であった。
図5にHAp/WS-coated基材の比表面積変化を示す。
HAp/WS-coated基材の窒素吸着法による比表面積変化を示す。Al2O3基材に対して1000〜1100℃焼成を伴うコーティングでは、Hydroxyapatite、Cristobalite、Tridymite、Quartz相の結晶化、粒子の焼結が進行するため、試料の比表面積は小さく、その値は3層目からしだいに増加し、4層コーティング後の比表面積の増加率はAl2O3基材の4.5倍になった。
図6にDMによるHAp/WS-coated 基材の表面組織を示す。
Al2O3基材に対してHAp/WSスラリーの積層コーティング試料について、DM(20倍)による表面組織を示す。積層コーティングの進行、重量増加に伴い、Al2O3基材の白色が茶褐色へ変化した。
図7にSEMによるHAp/WS-coated 基材の微細構造を示す。
Al2O3基材に対してHAp/WSスラリーの積層コーティング試料について、SEM(5,000、10,000倍)による微細構造を示す。積層コーティングによりAl2O3基材表面にHApやWS微粒子が付着していることが分かる。1層目では高温焼成によるHApの粒子成長と焼結が、2層目では部分的な焼結が、3、4層目ではHAp/WS微粒子がみられ、試料表面の多孔質化が確認された。
図8にEPMAによるHAp/WS-coated 基材表面の組成分析を示す。
Al2O3基材に対してHAp/WSスラリーの積層コーティング後の基材表面について、EPMAによる組成分析結果を示す。Cordierite相を含むAl2O3基材にはアルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、酸素(O)が、HAp(100%)、HAp(50%)、HAp(40%)、HAp(20%)の各積コーティング後にはカルシウム(Ca)、リン(P)、Al、Si、Mg、Na、O、炭素(C)が検出された。なお、HAp含有量が少ないHAp/WSスラリーのコーティングの方がSiの相対強度が高い傾向を示した。
図9にEPMAによるHAp/WS-coated 基材表面のX線マッピングを示す。
Al2O3基材に対してHAp/WSスラリーの積層コーティング後の基材表面について、EPMAによる各元素のX線像を示す。HAp(100%)、HAp(50%)、HAp(40%)、HAp(20%)スラリーを用いた各積コーティング後のHAp/WS-coated基材表面では、Ca、P、Al、Si、Mgの均一な分布が確認された。
実施例2
<HApスラリーの多層コーティング方法>
図10にHApスラリーの多層コーティング方法のフローチャートを示す。
HApスラリーの多層コーティング方法を示す。Al2O3基材をHAp(100%)スラリー(固体濃度 1%)に浸漬、超音波処理(120W、38kHz、1min)後、乾燥(濾紙上で15〜30min乾燥、次に50℃、湿度40%で15-30min乾燥、さらに120℃で10min)した。それを再びHAp(100%)スラリーに浸漬し、同様に乾燥する操作を4回繰り返した。それを1100℃で2h焼成により、1層目のHAp(100%)-coated基材を作製した。2層目のコーティングでは、HAp(100%)膜を同様にコーティング、未焼成のHAp/Al 2O3基材を作製した。
図11にHAp/WS/Al2O3, HAp/Al2O3基材に対する光触媒異種TiO2の担持方法のフローチャートを示す。
HAp/WS/Al2O3, HAp/Al2O3基材に対する光触媒異種TiO2の担持方法を示す。固体重量濃度15%TiO2溶液に2回浸漬し網上で室温乾燥により、Al2O3基材空隙の閉塞、クラックが観察されたため、低濃度1.5%TiO2溶液に5回浸漬する方法も採用した。すなわち、HAp/Al2O3またはHAp/WS/Al2O3基材を光触媒TiO2(十または八面体)スラリー(固体濃度1.5%または15%)に浸漬、超音波処理(120W、38kHz、1min)後、乾燥(濾紙上で15〜30min乾燥、次に50℃、湿度40%で15〜30min乾燥、さらに120℃で10min)した。それを再び光触媒TiO2スラリーに浸漬し、同様に乾燥する操作を1.5%TiO2濃度では4回、15%TiO2濃度は2回繰り返した。それを450℃、3h焼成によりTiO2-loaded HAp/Al2O3またはTiO2-loaded HAp/WS/Al2O3基材を作製した。
図12に光触媒TiO2(十面体)-loaded基材の重量変化を示す。
光触媒TiO2(十面体)-loaded基材の重量変化を示す。光触媒TiO2スラリー(固体重量濃度1.5%)を用いた各層コーティング後、その総重量を測定し、HAp/Al2O3またはHAp/WS/Al2O3基材の重量変化率を算出した。各層コーティングにより0.4-0.6%の重量増加率がみられ、5層コーティング後の重量増加率は、TiO2-loaded HAp/Al2O3基材で1.75%、TiO2-loaded HAp/WS/Al2O3基材で1.93%であった。
図13にDMによる光触媒TiO2(十面体)-loaded基材の表面組織を示す。
DMによる光触媒TiO2(十面体)-loaded基材の表面組織を示す。HAp/Al2O3、HAp/WS/Al2O3基材に対して光触媒TiO2(10面体)をコーティング後の表面組織をDM(20倍)により観察した。15%TiO2濃度では両基材で亀裂、空隙閉塞がみられ、HAp/WS/Al2O3基材ではHAp/WSの茶褐色が認められた。一方、1.5% TiO2濃度では均質コーティング膜が得られた。
図14にSEMによる光触媒TiO2(十面体)-loaded基材の微細構造(低倍率)を示す。
SEMによる光触媒TiO2(十面体)-loaded基材の微細構造(低倍率)を示す。HAp/Al2O3、HAp/WS/Al2O3基材に対して光触媒TiO2(10面体)をコーティング後の微細構造をSEM(100、500倍)により観察した。15%TiO2濃度では両基材が完全にコーティングされたが、多くの亀裂が認められた。1.5% TiO2濃度では亀裂はなく、均一コーティングが示唆された。
図15にSEMによる光触媒TiO2(十面体)-loaded基材の微細構造(高倍率)を示す。
SEMによる光触媒TiO2(十面体)-loaded基材の微細構造(高倍率)を示す。HAp/Al2O3、HAp/WS/Al2O3基材に対して光触媒TiO2(10面体)をコーティング後の微細構造をSEM(1,000、10,000倍)により観察した。15%TiO2濃度ではHAp/WS/Al2O3基材で亀裂がみられた。1.5% TiO2濃度では微小な表面の凹凸が観察され、均質な微粒子コーティングが検証された。
図16にEPMAによる1.5% TiO2(十面体)-loaded HAp/WS/Al2O3基材表面のX線マッピングを示す。
1.5%TiO2(十面体)-loaded HAp/WS/Al2O3、1.5%TiO2(十面体)-loaded HAp/Al2O3基材表面について、EPMAによる各元素のX線像を示す。1.5%TiO2(十面体)-loaded HAp/WS/Al2O3基材表面では、表面濃度に依存したX線像が観察され、Ti、Ca、P、Al、Siの均一な分布が確認された。1.5%TiO2(十面体)-loaded HAp/Al2O3基材表面も同様な傾向が得られた。
図17に光触媒TiO2コ−テイング層の密着性評価試験のフローチャートを示す。
光触媒TiO2コ−テイング層の密着性評価試験方法を示す。TiO2-loaded HAp/WS/Al2O3基材、TiO2- loaded HAp/Al 2O3 基材を超純水中50cm3、16h浸漬・攪拌し、120℃、2h乾燥後、浸漬・攪拌前後の重量変化を測定した。
図18に超純水中16h攪拌放置したTiO2-loaded HAp/WS/Al2O3, HAp/Al2O3基材の重量変化を示す。
超純水中16h攪拌放置したTiO2-loaded HAp/WS/Al2O3, HAp/Al2O3基材の重量変化を示す。赤棒は水中攪拌放置後の試料の重量減少率である。両基材では、15%より1.5%TiO2濃度、八面体より十面体の方が重量減少率は低く、コ−テイング膜の剥離は少なく、密着性は良好であることが分かった。また、HAp/WS/Al2O3よりHAp/Al2O3の方が重量減少率は低くなり、HApとセラミックス担体との界面相互作用が示唆された。
図19にDMによる超純水中16h攪拌放置したTiO2-loaded HAp/WS/Al2O3基材の表面組織を示す。
超純水中16h攪拌放置したTiO2-loaded HAp/WS/Al2O3基材について、DMによる表面組織を示す。
15%TiO2濃度では、攪拌や操作時の衝撃によりコ−テイング膜の剥離や亀裂の進行がみられた。1.5%TiO2濃度、十面体では、コ−テイング膜の変化はほとんど認められなかった。
図20に光触媒TiO2(1.5または15%、十または八面体)-loaded各種基材による
有機物ガスの分解反応の評価方法を示す。
光触媒TiO2(1.5または15%, 十または八面体)-loaded各種基材による有機物ガスの分解反応の評価方法を示す。試料室(500cm3)に各種基材を入れ、表面に付着した有機物を分解するため、フィルターを設置し、1mW・cm-2で24hブラックライト照射した。試料室を30min合成空気で置換後、相対湿度50%に調整するため超純水5.8μl注入、30minスターラーバーの回転により水分を蒸発させた。暗室状態で初期濃度100〜600ppmアセトアルデヒドまたはトルエンガスを注入1h放置後、紫外線強度 1.2mW・m-2を照射、光触媒分解反応(2CH3CHO + 5O2 → 4CO2 + 4H2OまたはC6H5CH3 + 9O2 → 7CO2 + 4H2O)を開始し、マイクロガスクロマトグラフイー(μGC)により暗室状態のアセトアルデヒドまたはトルエン濃度、紫外線照射状態の二酸化炭素濃度を測定した。
有機物ガスの分解反応を評価する光触媒
(TiO2-loaded HAp/WS/Al2O3, HAp/Al2O3基材条件)
有機物ガス(アセトアルデヒドまたはトルエン)の分解反応を評価する測定試料として、固体濃度1.5または15%、十または八面体TiO2スラリーの光触媒TiO2-loaded HAp/WS/Al2O3基材、HAp/Al2O3基材条件を示す。
図21に光触媒TiO2(15%,八面体)-loaded各種基材によるアセトアルデヒド分解反応の経時変化を示す。
光触媒TiO2(15%,八面体)-loaded各種基材によるアセトアルデヒド分解反応の経時変化を示す。HAp/WS/Al2O3の方がAl2O3より分解反応が進行し、照射時間15hでアセトアルデヒドの分解率は前者が77%、後者が61%でなり、HAp/WSコ−テイングの有効性が示唆された。
図22に光触媒TiO2(15%,十面体)-loaded各種基材によるアセトアルデヒド分解反応の経時変化を示す。
光触媒TiO2(15%,十面体)-loaded各種基材によるアセトアルデヒド分解反応の経時変化を示す。高濃度15% TiO2では、十面体TiO2の分散性が悪くアセトアルデヒド分子の表面移動も困難であるため、八面体よりは分解反応が進行したが、照射時間15hでアセトアルデヒドの分解率はHAp/WS/Al2O3は96%、Al2O3は89%であった。
図23に光触媒TiO2 (十面体)-loaded各種基材によるアセトアルデヒド分解反応活性の経時変化を示す。
光触媒TiO2 (十面体)-loaded各種基材によるアセトアルデヒド分解反応活性の経時変化を示す。低濃度1.5%TiO2では、両基材による分解反応活性は高く、HAp/WS基材が照射時間8h、HAp基材が7hで、アセトアルデヒドは化学量論的に二酸化炭素と水に完全分解した。
本発明は光触媒関連分野に有用である。

Claims (10)

  1. (1)基材の表面にアパタイトスラリーを塗布して担持用基材を準備する工程、
    (2)前記担持用基材の少なくとも表面に十面体アナターゼ型TiO2の分散液を塗布すること、及び塗布後の前記担持用基材を焼成して光触媒担持体を得る工程、を含み、
    工程(1)における前記アパタイトスラリーの基材の表面への塗布は、基材をアパタイトスラリーに浸漬することを少なくとも2回繰り返すこと及び繰り返し浸漬後の基材を焼成することを含み、かつ前記繰り返し浸漬及び繰り返し浸漬後の基材焼成を少なくとも2回繰り返すことで行い、かつ
    前記アパタイトスラリーは、動物骨を煮沸及び焼成した後に酸水溶液に溶解してアパタイト含有水溶液を得、得られたアパタイト含有水溶液を中和して得られたスラリーである、
    粒子状光触媒担持体の製造方法。
  2. 前記アパタイトスラリーは、アパタイトを固形分として1〜10質量%含有する請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記アパタイトスラリーは、粒子状珪質頁岩をさらに含む、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記アパタイトスラリーまたは粒子状珪質頁岩を含むアパタイトスラリーは、基材の表面が、アパタイトまたは粒子状珪質頁岩及びアパタイトで被覆されるに十分な量、塗布される請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記粒子状光触媒の分散液は、十面体アナターゼ型TiO2を固形分として0.1〜10質量%含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記粒子状光触媒の分散液は、基材の表面のアパタイトまたは粒子状珪質頁岩及びアパタイトの被覆層を被覆するのに十分な量、塗布される請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 基材、前記基材表面の少なくとも一部に設けたアパタイト含有層、及び前記アパタイト含有層に担持された十面体アナターゼ型TiO2を含む光触媒担持体であって、
    前記アパタイト含有層は、動物骨由来のアパタイトスラリーの塗布形成である、前記光触媒担持体。
  8. 前記アパタイト含有層は、粒子状珪質頁岩をさらに含有する請求項7に記載の光触媒担持体。
  9. 請求項7または8に記載の光触媒担持体に、前記十面体アナターゼ型TiO2を活性化し得る光を照射し、前記光照射下の光触媒担持体に、有機物または有機物を含有する気体を接触させて、前記有機物の少なくとも一部を部分的または完全に分解することを含む、有機物の分解方法。
  10. 前記有機物または有機物を含有する気体は、前記光照射下の光触媒担持体に、流通下、半流通下または非流通下で接触させる、請求項9に記載の有機物の分解方法。
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