JP5891822B2 - 水蒸気バリアフィルムの製造方法およびこれを利用した電気デバイス - Google Patents
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Description
2.前記第1の溶媒の蒸発速度が、酢酸ブチルの蒸発速度を100とした場合に、20以下である、1.に記載の製造方法;
3.前記第1の塗布液中の前記第1の溶媒が、第1の溶媒および第2の溶媒の総量に対して20質量%以下である、1.または2.に記載の製造方法;
4.前記水蒸気バリア層の厚さが、50〜1000nmである、1.〜3.のいずれか1つに記載の製造方法;
5.前記第1の真空紫外光の積算光量が、1000〜10000mJである、1.〜4.のいずれか1つに記載の製造方法;
6.ポリシロキサンを含む第2の塗布液を前記水蒸気バリア層上に塗布および乾燥して第2の塗膜を形成する工程(3)と、前記第2の塗膜に真空紫外光を照射して保護層を形成する工程(4)と、をさらに含む、1.〜5.のいずれか1つに記載の製造方法;
7.前記保護層の厚さが、100〜10000nmである、6.に記載の製造方法;
8.前記第2の真空紫外光の積算光量が、500〜10000mJである、6.または7.に記載の製造方法;
9.前記基材が、線膨張係数50ppm/℃以下であり、かつ、全光線透過率90%以上である、1.〜8.のいずれか1つに記載の製造方法;
10.電子デバイス本体と、1.〜9.のいずれか1つの方法によって製造された水蒸気バリアフィルムと、を含む、電子デバイス;
11.前記電子デバイス本体が、前記水蒸気バリアフィルムによって封止されてなる、10.に記載の電子デバイス。
工程(1)は、ポリシラザン、少なくとも1種の第1の溶媒、および少なくとも1種の第2の溶媒を含む第1の塗布液を基材上に塗布および乾燥して、第1の塗膜を形成する工程である。
本発明に係る水蒸気バリアフィルムに用いられる基材は、水蒸気バリア層を保持することができるフィルム状の基材であれば特に限定されないが、可撓性および透過性を有する折り曲げ可能なフィルム基材であることが好ましい。なお、本明細書中において、「ガス透過性を有する」とは、モコン法に従いPERMATRAN−W3/33(MOCON社製)を用いて、JIS規格のK7129法(温度40℃、相対湿度(RH)90%)に基づいて測定した水蒸気透過率が、0.5g/m2/日以上であることを意味する。
アンカーコート層は、基材と水蒸気バリア層との密着性を向上させ、かつ、高い平滑性を付与する機能を有する。アンカーコート層は、例えば、アンカーコート剤を基材上に塗布することによって形成されうる。
平滑層は、通常、基材の一方の面上に形成され、微小な突起等が存在する基材の粗面を平坦化し、基材上に成膜する水蒸気バリア層などにおける凹凸やピンホールの発生を防止する機能を有する。平滑層は、感光性樹脂組成物を基材上に塗布した後、硬化させることによって形成されうる。
平滑層を有する基剤は、加熱の際に基材中から表面に未反応のオリゴマー等が移行して、基材表面が汚染されうる。ブリードアウト防止層は、当該基材表面の汚染を抑制する機能を有しうる。当該ブリードアウト防止層は、通常、平滑層を有する基材の平滑層とは反対の面に設けられうる。
第1の塗布液は、ポリシラザン、少なくとも1種の第1の溶媒、および少なくとも1種の第2の溶媒を含む。
ポリシラザンとは、ケイ素−窒素結合を有するポリマーであり、Si−N、Si−H、N−H等の結合を有するSiO2、Si3N4、およびこれらの中間固溶体SiOxNy等のセラミック前駆体無機ポリマーである。
第1の溶媒は、当該技術分野において、一般的に基準として用いられる酢酸ブチルの蒸発速度を100とした場合に、蒸発速度が40以下であり、好ましくは20以下であり、より好ましくは0.1〜10である。
第2の溶媒は、酢酸ブチルの蒸発速度を100とした場合に、蒸発速度が100以上であり、好ましくは100〜200であり、より好ましくは100〜150である。
アミンおよび金属は、後述する工程(2)において、ポリシラザンの酸化ケイ素化合物への転化を促進しうる。第1の塗布液中に特にアミン触媒を0.5〜5質量%の含有量で含むと、塗布性が向上し、転化反応に要する時間が短時間となることから好ましい。
第1および第2の溶媒以外の溶媒としては、特に制限されず、公知の溶媒が用いられうる。具体的には、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素溶媒等の炭化水素溶媒;脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル系溶媒等が挙げられる。より詳細には、炭化水素溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベッソ、ターベン、塩化メチレン、トリクロロエタン等が挙げられる。また、エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらの溶媒は単独で、または2種以上を混合して、上述の第1および第2の溶媒とともに用いられうる。
第1の塗膜は、上記第1の塗布液を基材上に塗布および乾燥することにより形成される。基材がアンカーコート層、平滑層等の中間層を有する場合には、当該中間層上に第1の塗膜が形成されうる。
工程(2)は、工程(1)で得た第1の塗膜に真空紫外光を照射して水蒸気バリア層を形成する工程である。
水蒸気バリア層は、水蒸気バリアフィルムに水蒸気バリア性を付与する。
リア層の厚さは、50nm〜1μmであることが好ましく、50〜500nmであることがより好ましい。水蒸気バリア層の厚さが50nm以上であると、十分なバリア性が得られうることから好ましい。一方、膜厚が1μm以下であると、高い光線透過性を実現でき、かつ、水蒸気バリア層の形成に際して安定した塗布を行うことができることから好ましい。
真空紫外光としては、特に限定されず、公知のものが使用されうる。例えば、低圧水銀ランプ、エキシマランプ等が挙げられる。これらのうち、エキシマランプ、特にキセノン(Xe)エキシマランプを用いることが好ましい。Xe、Kr、Ar、Ne等の希ガスは最外殻電子が閉殻となっているため、化学的に非常に不活性であることから、不活性ガスと呼ばれる。しかし、放電等によりエネルギーを得た希ガス(励起原子)は、他の原子と結合して分子を形成することができる。例えば、希ガスがキセノンの場合には、
e+Xe→Xe*
Xe*+2Xe→Xe2 *+Xe
Xe2 *→Xe+Xe+hν(172nm)
となる。この際、励起されたエキシマ分子であるXe2 *が基底状態に遷移するとき、172nmのエキシマ光(真空紫外光)が発光する。上記エキシマランプは前記エキシマ光を利用する。前記エキシマ光を発生させる方法としては、例えば、誘電体バリア放電を用いる方法および無電極電界放電を用いる方法が挙げられる。なお、誘電体バリア放電とは、両電極間に誘電体(エキシマランプの場合は透明石英)を介してガス空間を配し、電極に数10kHzの高周波高電圧を印加した場合に、ガス空間に生じる雷に似た非常に細いmicro dischargeと呼ばれる放電である。また、無電極電界放電とは、容量性結合による放電であり、別名RF放電とも呼ばれる。具体的には、誘電体バリア放電と同様にランプや電極等が配置され、前記電極に数MHzの高周波電圧を印加した場合に得られる空間的・時間的に一様な放電である。
工程(3)は、ポリシロキサンを含む第2の塗布液を、工程(2)で得た水蒸気バリア層上に塗布および乾燥して第2の塗膜を形成する工程である。
第2の塗布液はポリシロキサンを含む。
ポリシロキサンとしては、特に制限されず、公知のものが用いられうる。なかでも下記一般式(2)で表されるオルガノポリシロキサンを用いることが好ましい。
第2の塗布液に含有されうる溶媒としては、特に制限されないが、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、非プロトン系溶媒等が挙げられる。アルコール系溶媒としては、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール、イソペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどが挙げられる。ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルペンチルケトン、エチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、ジイソブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン、フェンコン等のケトン類、およびアセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,4−オクタンジオン、3,5−オクタンジオン、2,4−ノナンジオン、3,5−ノナンジオン、5−メチル−2,4−ヘキサンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ヘプタンジオンなどのβ−ジケトン類などが挙げられる。アミド系溶媒としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン、N−ホルミルモルホリン、N−ホルミルピペリジン、N−ホルミルピロリジン、N−アセチルモルホリン、N−アセチルピペリジン、N−アセチルピロリジンなどが挙げられる。エステル系溶媒としては、ジエチルカーボネート、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジエチル、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸−sec−ペンチル、酢酸−3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸−2−エチルブチル、酢酸−2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソアミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチルなどが挙げられる。非プロトン系溶媒としては、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N,N′,N′−テトラエチルスルファミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、N−メチルモルホロン、N−メチルピロール、N−エチルピロール、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、N,N−ジメチルピペラジン、N−メチルイミダゾール、N−メチル−4−ピペリドン、N−メチル−2−ピペリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチルテトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノンなどが挙げられる。また、上記溶媒の他、上述した第1の塗布液で用いられうる第1の溶媒および第2の溶媒を用いてもよい。これらのうち、アルコール系溶媒を用いることが好ましい。なお、これらの溶媒は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第2の塗膜は、上記第2の塗布液を水蒸気バリア層上に塗布および乾燥することにより形成される。なお、第2の塗膜についても第1の塗膜と同様に、第2の塗膜に含有される有機溶媒をすべて乾燥させても、一部残存させてもよい。一部の有機溶媒を残存させる場合には、残存する溶媒は工程(4)の過程で除去されうる。
工程(4)は、工程(3)で得た第2の塗膜に真空紫外光を照射して保護層を形成する工程である。
保護層は、水蒸気バリア層を水分等から保護し、水蒸気バリア性を維持する機能を有する。
真空紫外光としては、上記工程(1)と同様に、公知のものが使用されうる。例えば、低圧水銀ランプ、エキシマランプ等が挙げられる。これらのうち、エキシマランプ、特にキセノン(Xe)エキシマランプを用いることが好ましい。
電子デバイス本体としては、特に制限されず、水蒸気バリアフィルムが適用されうる公知の電子デバイス本体が挙げられる。例えば、太陽電池(PV)、液晶表示素子(LCD)、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子等が挙げられる。これらの電子デバイス本体の構成についても、特に制限はなく、公知の構成を有しうる。例えば、有機EL素子は、基板、陰電極、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽電極等を有しうる。
上述の方法によって製造された水蒸気バリアフィルムは、基材、封止用材料等に使用されうる。基材として、例えば、太陽電池に使用される場合には、水蒸気バリアフィルム上にITO等の透明導電性薄膜を透明電極として設けた樹脂支持体として適用することができる。この場合、水蒸気バリアフィルムは、電子デバイス本体に組み込まれている。また、封止用材料として使用される場合には、例えば、液晶表示素子を封止した電子デバイスが得られうる。本発明に係る水蒸気バリアフィルムは、封止用材料として、電子デバイス本体の封止に用いられることが好ましい。
電子デバイス本体と、水蒸気バリアフィルムとを含む電子デバイスは、特に制限されず、公知の手法を適宜参照して製造されうる。
[中間層(ブリードアウト防止層および平滑層)を有する基材1の作製]
基材として、両面に易接着加工された厚さ125μmのポリエステルフィルムである極低熱収PET Q83(熱膨張係数:40ppm、帝人デュポンフィルム株式会社製)を用いた。
基材として、両面に易接着加工された厚さ200μmの耐熱性透明ポリイミド系フィルムであるネオプリムL(熱膨張係数:65ppm、三菱ガス化学株式会社製)を用いた。
上記基材2で用いた基材を、厚さ100μmの有機無機ハイブリッド構造を有するシルセスキオキサンを基本骨格としたフィルムであるシルプラスH100(熱膨張係数:80ppm、新日鐵化学社製)に変更したことを除いては、上記基材2と同様の方法により中間層(2つの平滑層)を有する基材3を作製した。なお、基材3が有する2つの平滑層の表面粗さは、基材1に記載の方法と同様の方法で測定したところ、ともに約20nmであった。
(実施例1)
工程(1)
20質量%の無触媒のパーヒドロポリシラザン(アクアミカ NN120−20:AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)、および5質量%(固形分)アミン触媒(N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン)を含むジブチルエーテル溶液に、ジイソブチルケトン(第1の溶媒、蒸発速度:20)およびジブチルエーテル(第2の溶媒、蒸発速度:200)の混液(ジイソブチルケトン:ジブチルエーテル=5:95)を添加して、第1の塗布液を調製した。得られた第1の塗布液は、アミン触媒が1質量%(固形分)であった。
前記工程(1)で得た第1の塗膜に真空紫外光を照射して水蒸気バリア層を形成して、水蒸気バリアフィルム1を製造した。
工程(3)
イソプロピルアルコール、メタノール、イソブチルアルコール、ブタノール、およびブチルセロソルブの混液(イソプロピルアルコール:メタノール:イソブチルアルコール:ブタノール:ブチルセロソルブ=20:15:15:43:7)の混液に、オルガノポリシロキサン(グラスカHPC7003:JSR株式会社製)を溶解した(固形分量:10%)。その後、ジブチルスズビスマレイン酸モノブチルエステルを前記オルガノポリシロキサンの固形分に対して10:1の割合で添加して第2の塗布液を調製した。
前記工程(3)で得た第2の塗膜に真空紫外光を照射して保護層を形成して、水蒸気バリアフィルム2を製造した。なお、真空紫外光は、図1の装置を用いて、上記工程(2)と同様の方法により積算光量を1000mJ/cm2となるように試料ステージの移動速度を調整して照射した。
用いる基材、第1の溶媒の種類および溶媒添加量、工程(2)における真空紫外光の積算光量、第1の塗布液の塗布量、工程(4)における真空紫外光の積算光量、および第2の塗布液の塗布量等を下記表1に示す条件に設定して、実施例1または実施例2と同様の方法で水蒸気バリアフィルム3〜26を製造した。
上記で製造した水蒸気バリアフィルム1〜26について、下記の評価を行った。
(評価1:水蒸気バリア性の評価)
真空蒸着装置JEE−400(日本電子株式会社製)を用い、製造した水蒸気バリアフィルム1の水蒸気バリア層表面に、マスクを通して12mm×12mmのサイズで水分と反応して腐食する金属である金属カルシウム(粒状)を蒸着させた。その後、真空状態のままマスクを取り去り、シート片側全面に水蒸気不透過性の金属である金属アルミニウム(φ3〜5mm、粒状)を蒸着させて仮封止をした。次いで、真空状態を解除し、速やかに乾燥窒素ガス雰囲気下に移した。前記仮した金属アルミニウム蒸着面に紫外線硬化樹脂(ナガセケムテックス株式会社製)を介して厚さ0.2mmの石英ガラスを張り合わせ、紫外線を照射して前記紫外線硬化樹脂を硬化させて本封止し、水蒸気バリア性評価試料を作製した。
△:金属カルシウムが腐食した面積が1.0%以上、5.0%未満である
×:金属カルシウムが腐食した面積が、5.0%以上である。
水蒸気バリアフィルムを目視で観察し、下記基準に従って透明性の評価を行った。
△:やや懸念のあるレベル
×:明らかに着色しているレベル。
水蒸気バリアフィルムを目視で観察し、下記基準に従ってムラの評価を行った。
△:やや懸念のあるレベル
×:明らかにムラがあるレベル。
水蒸気バリアフィルムを、大気雰囲気下、220℃で10分間加熱環境下に曝露した。この際、水蒸気バリアフィルムの水蒸気バリア層表面には他の部材が接触しないように保持した。加熱処理後、水蒸気バリアフィルムを加熱装置から取り出し、室温まで冷却した。このようにして得られた加熱曝露した水蒸気バリアフィルムについて、上記未処理の水蒸気バリアフィルムと同様の方法で、水蒸気バリア性、透明性、ムラの評価を行った。
水蒸気バリアフィルムを、サーモ機に投入し、100℃で24時間放置した後、25℃の純水で24時間浸漬曝露した。その後、再度のサーモ機に投入して、100℃で24時間放置した。このようにして得られた浸漬曝露した水蒸気バリアフィルムについて、上記未処理の水蒸気バリアフィルムと同様の方法で、水蒸気バリア性、透明性、ムラの評価を行った。
2 Xeエキシマランプ、
3 ホルダー、
4 試料ステージ、
5 試料、
6 遮光板。
Claims (9)
- 基材と、前記基材上に配置された水蒸気バリア層と、を有する水蒸気バリアフィルムの製造方法であって、
ポリシラザン、少なくとも1種の第1の溶媒、および少なくとも1種の第2の溶媒を溶媒の主成分とする第1の塗布液を前記基材上に塗布および乾燥して、第1の塗膜を形成する工程(1)と、
前記第1の塗膜に真空紫外光を照射して水蒸気バリア層を形成する工程(2)と、
を含み、
この際、酢酸ブチルの蒸発速度を100とした場合に、前記第1の溶媒の蒸発速度が40以下であり、かつ、前記第2の溶媒の蒸発速度が100以上であり、
前記第1の溶媒は、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピオン酸−n−ペンチル、酢酸オキソヘキシル、シクロヘキサノールアセテート、γ―ブチロラクトン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、α―テルピネオール、1,3−ブチレングリコール、イソホロン、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、p−シメン、アニソール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールジエチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、およびトリプロピレングリコールモノブチルエーテルよりなる群から選ばれてなる少なくとも1種であり、
前記第2の溶媒は、ジブチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、及びトルエンよりなる群から選ばれてなる少なくとも1種であり、
前記第1の塗布液中の前記第1の溶媒が、第1の溶媒および第2の溶媒の総量に対して20質量%以下である、製造方法。 - 前記第1の塗布液の溶媒が、前記第1の溶媒および前記第2の溶媒からなるものである、請求項1に記載の製造方法。
- 前記第1の溶媒の蒸発速度が、酢酸ブチルの蒸発速度を100とした場合に、20以下である、請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記水蒸気バリア層の厚さが、50〜1000nmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記第1の塗膜への真空紫外光の積算光量が、1000〜10000mJである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- ポリシロキサンを含む第2の塗布液を前記水蒸気バリア層上に塗布および乾燥して第2の塗膜を形成する工程(3)と、
前記第2の塗膜に真空紫外光を照射して保護層を形成する工程(4)と、
をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。 - 前記保護層の厚さが、100〜10000nmである、請求項6に記載の製造方法。
- 前記第2の塗膜への真空紫外光の積算光量が、500〜10000mJである、請求項6または7に記載の製造方法。
- 前記基材が、線膨張係数50ppm/℃以下であり、かつ、全光線透過率90%以上である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
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