JP5891445B2 - 遠隔検針システム、通信装置、分電盤 - Google Patents

遠隔検針システム、通信装置、分電盤 Download PDF

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Description

本発明は、供給事業者から供給媒体を購入する需要家が複数存在する建物において、建物内の各需要家における供給媒体の使用量を、建物とは異なる場所で管理する遠隔検針システム、この遠隔検針システムに用いる通信装置、通信装置が収納された分電盤に関するものである。
一般に、電気、ガス、水、熱のような供給媒体は、送電線、ガス導管、水道管、熱導管のような供給設備を通して供給事業者から需要家に供給されている。供給媒体の需要家では、供給媒体の使用量を計量器(メータ)により計量している。また、供給事業者では、計量器による計量結果を検針員により確認し、需要家に供給媒体の使用量に対する対価を請求している。
検針員による検針作業は、人件費が必要であるとともに、計量値の読み間違いが生じるなどの問題があるから、この種の問題を解決するために、検針員によらずに計量値を管理する技術が種々提案されている。
たとえば、特許文献1に記載の技術では、集合住宅において、各住戸(需要家)に配置したメータ(電力メータ)に子局を接続している。子局は、電気室などに配置した集約装置としての親局との間で、電力線搬送通信により通信を行う。特許文献1では、集合住宅に敷設された配電線を親局と子局との間の通信路に用い、電力メータにより計量した検針情報を子局から親局に配電線を通して伝送し、検針情報を親局に集約している。また、親局は、インターネットのような公衆網を通して電力会社が運営する管理装置(上位集約サーバ)と通信可能であって、子局から取得した検針情報を集約して管理装置に通知することが可能になっている。
したがって、集合住宅に配置した親局と子局との間の通信路として配電線を用いることにより、親局と子局との間で通信線を別に敷設する必要がなく省配線になっている。言い換えると、遠隔検針を行うにあたって通信線を敷設するための配線工事が不要であるから、既設の集合住宅であっても遠隔検針を導入することが容易になる。
特開2006−180021号公報
ところで、集合住宅において建物内に複数個の降圧トランスが配置されている場合、異なる降圧トランスの二次側の配電線間にカプラを接続することにより、通信信号の経路を確保している。この構成では、通信信号がカプラを通過することにより通信信号が減衰するとともに、通信信号の経路が分岐することによっても通信信号が減衰する。すなわち、通信信号の損失が大きくなる。さらに、電気室などに配置されている親局とメータに接続された子局との距離が長い場合は、通信経路が長くなる上に、通信信号が通過するカプラの個数が増加することによって通信信号の損失が大きくなり、結果的に必要な通信品質を確保できないという問題が生じることがある。
本発明は、複数の需要家が存在する建物内において、需要家ごとの検針情報を伝送する通信路の省配線を可能にし、通信路の通信品質の確保を容易にした遠隔検針システムを提供することを目的とする。さらに、本発明は、この遠隔検針システムに用いる通信装置を提供することを目的とし、加えて、本発明は、この通信装置が収納された分電盤を提供することを目的とする。
本発明の遠隔検針システムは、上記目的を達成するために、供給事業者から供給される供給媒体を使用する需要家が占有するスペースを複数設けた建物において各スペースで使用された供給媒体の量をそれぞれ計量するメータから検針情報を取得する検針端末と、前記各スペースに配置され前記検針端末との間で通信を行う情報端末と、前記各スペースに配置された分電盤と、前記分電盤内に収納され、前記検針端末との間で電力線搬送通信を行うことにより前記検針端末と前記情報端末との間の通信信号を中継する通信装置と、前記建物内に敷設された構内通信網を用いて前記情報端末と通信し前記情報端末が前記検針端末から取得した前記検針情報を集約する集約装置とを備え、前記集約装置が集約した前記検針情報を前記建物の外部に設けた管理装置に伝送することを特徴とする。
本発明の通信装置は、供給事業者から供給される供給媒体を使用する需要家が占有するスペースを複数設けた建物において前記各スペースで使用された供給媒体の量をそれぞれ計量するメータから検針情報を取得する検針端末と、前記各スペースに配置され前記検針端末から取得した前記検針情報を前記建物内に敷設された構内通信網を用いて集約装置に送信する情報端末との間の通信信号を中継する通信装置であり、前記検針端末とは電力線搬送通信を行い、前記スペースに配置された分電盤内に収納されることを特徴とする。
本発明の分電盤は、供給事業者から供給される供給媒体を使用する需要家が占有するスペースを複数設けた建物において前記各スペースに配置され、通信装置を収納した分電盤であって、前記通信装置は、前記各スペースで使用された供給媒体の量をそれぞれ計量するメータから検針情報を取得する検針端末と、前記各スペースに配置され前記検針端末から取得した前記検針情報を前記建物内に敷設された構内通信網を用いて集約装置に送信する情報端末との間の通信信号を中継し、前記検針端末とは電力線搬送通信を行うことを特徴とする。
本発明の構成によれば、複数の需要家が存在する建物内において、需要家ごとの検針情報を伝送する通信路の一部に既存の構内通信網を利用することにより省配線を図ることができる。しかも、各需要家が占有するスペースごとに配置された情報端末を、各スペースに設けたメータと構内通信網に接続した集約装置との中継に用いるから、メータと情報端末との間の通信路は短くなり、通信品質の確保が容易になる。
実施形態の全体構成を示す概略構成図である。 同上の要部を示すブロック図である。
以下に説明する実施形態は、供給事業者から供給される供給媒体を使用する需要家が占有するスペースを複数設けた集合住宅のような建物を対象にしている。また、以下に説明する遠隔検針システムは、建物内の各需要家(スペース)における供給媒体の使用量を、建物とは異なる場所で取得し管理する。
供給事業者は、電力会社、ガス会社、水道事業者などを意味する。これらの供給事業者は、供給設備(配電網、配管網など)を用いて、需要家に供給媒体(電気、燃料ガス、水など)を供給する。また、以下に説明する実施形態において、複数の需要家が存在する建物は、集合住宅に限られず、事務所や店舗として使用されるテナントビルなど、複数の需要家がそれぞれ独立したスペース(事務所、店舗)を占有する建物であってもよい。
ただし、以下の実施形態については、建物が集合住宅であって、需要家が占有するスペースが住戸である場合を例として説明する。また、供給媒体が電気である場合を主にして説明する。
図1に示すように、建物である集合住宅10には複数の住戸101が存在し、各住戸101にはそれぞれ分電盤21と情報端末である住戸端末11とが配置される。分電盤21は、集合住宅10に敷設された配電線22から受電した電力を、住戸101に敷設された分岐線(図示せず)に分岐させるための分岐ブレーカ(図示せず)と、配電線22と分岐ブレーカとの間に配置したメインブレーカ(図示せず)とを内蔵する。また、分電盤21は後述する通信装置12を内蔵する。通信装置12は、分電盤21に内蔵したメインブレーカの一次側と、住戸端末11に電源を供給する分岐ブレーカの二次側との間に接続される。なお、通信装置12は、必ずしも分電盤21に収納する必要はなく、分電盤21の外部に配置してもよい。
一方、住戸端末11は、集合住宅10に敷設された構内通信網1を通して管理人室102などに配置されたコンピュータサーバからなる集約装置13と通信する。住戸端末11と構内通信網1と集約装置13とは、集合住宅10の基幹設備として設けられている。構内通信網1で用いるプロトコルにはとくに制限はないが、有線通信において一般に用いられているEthernet(登録商標)、光通信網などの情報ネットワーク通信網、住戸端末11に用いる専用配線網などが適宜に用いられる。また、構内通信網1には、専用のプロトコルを用いる場合もある。
具体的には、各住戸端末11は、当該住戸端末11が設置されたそれぞれの住戸101においてドアホン子機やロビーインターホンとの通話のための機能を備える。また、各住戸端末11は、各住戸101に設置された感知器(火災感知器、ガス感知器など)で異常が検知されたことを集約装置13に通知する機能を備え、集約装置13は各住戸端末11に警報を通知する機能を備える。
ところで、集合住宅10は、多くの場合、6600V等の高電圧で配電網24から受電し、集合住宅10の電気室103に配置された降圧トランス23により100V/200Vに降圧した後に各住戸101に給電する。電気室103には、降圧トランス23に加えて、外部に敷設された配電網24から受電した電力量を計量する買電用の電力メータ25と、後述する売電用の電力メータ26とが配置される。電力メータ25,26は降圧トランス23の一次側に接続される。
集合住宅10の配電線22は降圧トランス23の二次側に接続されており、この配電線22からは各住戸101にそれぞれ給電する専用配電線221が分岐する。専用配電線221には、各住戸101での使用電力量を計量するメータとしての電力メータ20が設けられる。電力メータ20はメータボックス27に収納されている。メータボックス27には、図2に示すように、電力メータ20が計量する計量値を検針情報として取得して記憶する検針端末15も収納される。検針端末15は、電力メータ20から一定時間毎(たとえば、5分毎、30分毎など)に検針情報を取得し、一定期間分(たとえば、40日分)の検針情報を記憶する。
検針端末15は、集合住宅10の専用配電線221および配電線22を通信路に用いて電力線搬送通信を行う電力線通信インターフェース151を備える。また、本実施形態の検針端末15は、無線通信を行うための無線通信インターフェース152も備える。無線通信インターフェース152で用いる無線通信は電波を伝送媒体に用いる。この種の無線通信の規格は種々知られており、WiFi(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、特定小電力無線などの各種の無線通信技術から適宜に選択する。なお、無線信号として光のような他の電磁波を用いる構成、電界や磁界を伝送媒体に用いる構成、超音波を用いる構成など、他の無線通信技術を採用してもよい。
一方、各住戸101の分電盤21は各専用配電線221に接続され、メータボックス27と分電盤21との間は、専用配電線221を介して一対一に接続される。分電盤21の中には、上述のように通信装置12が配置される。通信装置12は、専用配電線221を通して検針端末15の電力線通信インターフェース151との間に通信路を形成する電力線通信インターフェース121を備える。すなわち、通信装置12は、検針端末15との間で専用配電線221を通信路に用いた電力線搬送通信を行い、検針端末15が取得した検針情報を取得する。
ここに、各住戸101に設けられた分電盤21と電力メータ20との距離は比較的短いから、通信装置12と検針端末15との間では、電力線搬送通信を用いながらも良好な通信品質を確保することができる。上述の構成では、通信装置12と検針端末15との距離が短く、通信品質の確保が容易になる。また、通信装置12と検針端末15との間の専用配電線221は1本であり、専用線で接続している状態とほぼ等しい状態であって、通信装置12と検針端末15との間の通信失敗の可能性が低減される。
通信装置12は住戸端末11との間でも通信を行う。本実施形態では、通信装置12と住戸端末11との間の通信路2として住戸101に敷設されている分岐線(図示せず)を用い、住戸端末11と通信装置12との間で電力線搬送通信を行う構成を採用する。したがって、通信装置12は、住戸端末11との間の通信にも電力線通信インターフェース121を用いる。ただし、通信装置12と住戸端末11との間の通信路2には他の技術を用いることが可能であり、たとえば、無線信号を伝送媒体とする通信路2を形成することも可能である。
通信装置12と住戸端末11との間で電力線搬送通信を行う場合、通信装置12は住戸端末11と検針端末15との両方に対して電力線搬送通信を行うことになる。この場合、通信装置12は、検針端末15から通信信号を受信した後、同じ内容の通信信号を住戸端末11に送信するパケット中継器として機能すればよい。
すなわち、電力線通信インターフェース121には、電力線搬送通信の通信信号を受信した後、同一の通信信号を送信する信号処理部122を設ける。ここに、通信装置12から住戸端末11への通信は、住戸101の中での近距離の通信であるから、通信信号の信号電力を低減することができる。
上述のように、パケット中継器として機能する通信装置12を分電盤21に設けることにより、電力メータ20から検針情報を取得する検針端末15と通信装置12との間の通信路の距離が短くなり、この通信路では通信信号の信号電力を小さくすることができる。しかも、通信装置12と住戸端末11との間の通信路2の距離も短くなるから、この通信路2を伝送する通信信号の信号電力を小さくすることができる。言い換えると、検針端末15と住戸端末11との間で通信装置12を介在させずに電力線搬送通信を行う場合に比較すると、通信品質を確保しやすい。
住戸端末11は、液晶表示器のような表示器(図示せず)を備えており、検針情報を受け取ることによって検針情報を表示器に提示することができる。検針情報は一定時間毎の消費電力量であるから、検針情報と併せて消費電力量の積算値(使用開始からの積算値や1ヶ月間の積算値)を表示器に提示するのが望ましい。また、1ヶ月間の積算値を表示器に提示する場合には、電気料金も併せて提示するのが望ましい。
電気料金の単価情報を集約装置13が取得していれば、各住戸端末11では、電気料金の端末を集約装置13から構内通信網1を介して取得することができる。また、集約装置13は後述する管理装置30から単価情報を取得する。各住戸端末11では、集約装置13から取得した電気料金の単価情報を記憶し、消費電力量の積算値と電気料金の単価情報とから電気料金を算出する。たとえば、1ヶ月間の積算値は、検針端末15から取得した1ヶ月間の時間帯毎の消費電力量と、住戸端末11に記憶した電気料金の単価情報とに基づいて算出される。
住戸端末11は、検針端末15から通信装置12を介して取得した検針情報を集約装置13に転送する機能を備える。上述のように、住戸端末11は構内通信網1を介して集約装置13と通信可能である。また、構内通信網1は、専用線を用いた集合住宅10の基幹設備としての有線の通信網であるから、住戸端末11において検針情報を集約装置13に転送しようとすれば、通信路2から構内通信網1へのプロトコルの変換が必要である。
すなわち、住戸端末11には、通信装置12の電力線通信インターフェース121との間に電力線搬送通信の通信信号を伝送する通信路2を形成する電力線通信インターフェース111が設けられる。また、住戸端末11は、集約装置13との間で構内通信網1を介して通信を行う通信インターフェース112を備える。電力線通信インターフェース111と通信インターフェース112との間には、プロトコル変換部113が設けられ、通信路2と構内通信網1とにおける通信のプロトコルを変換する。
上述のように、住戸端末11にプロトコル変換部113が設けられているから、集合住宅10における基幹設備である構内通信網1を利用して、集合住宅10における検針端末15からの検針情報が集約装置13に転送されることになる。集約装置13では、集合住宅10の各住戸101に設けられている電力メータ20がそれぞれ計量した検針情報を集約する。
集約装置13は、インターネットのような公衆網3を通して検針情報を外部の管理装置30に転送する機能を有する。管理装置30は、電力会社が運営する場合と、電力会社以外のエネルギー管理会社が運営する場合とがある。図示例では、エネルギー管理会社が管理装置30を運営する場合を示しており、電力会社が運営する管理装置31とエネルギー管理会社が運営する管理装置30との間で公衆網3を介した通信を可能にしている。
エネルギー管理会社は、集合住宅10の各需要家と電力会社との間を仲介する事業者である。エネルギー管理会社は、電力会社に対しては集合住宅10の全体で消費した電力量に応じた対価の支払いを行い、集合住宅10の各需要家に対しては個々の住戸101において消費した電力量に対する対価の徴収を行う。
そのため、各住戸101に設けた電力メータ20で計量された消費電力量は、エネルギー管理会社が運営する管理装置30において管理される。一方、集合住宅10において電気室103に配置された買電用の電力メータ25で計量された消費電力量は、電力会社が運営する管理装置31において管理される。
電力メータ25の計量結果は、配電網24とともに敷設されている通信網4を介して管理装置31に伝送される。通信線4の通信路には、たとえば、光ファイバケーブルが用いられる。したがって、図示例では、通信線4にONU(Optical Network Unit)32が接続されている。さらに、電力メータ25とONU32との間で通信路を形成するために、ONU32に通信親機33が付設され、電力メータ25に通信子機34が付設される。通信親機33と通信子機34との間の通信路は、設置環境における通信品質に応じて、電力線搬送通信技術などを用いた有線通信路と、電波を媒体とする各種規格の無線通信路とを適宜に用いる。電力メータ25は、いわゆるスマートメータであり、通信線4に接続されたONU(Optical Network Unit)との間で通信することにより、計量結果を管理装置31に伝送する。
電力メータ25では、集合住宅10で受電する6600V等の高圧電力を計量しており、電力メータ25により計量した電力量に対する電気料金は、電力会社からエネルギー管理会社に請求される。すなわち、電力会社は、エネルギー管理会社との間で6600V等の高圧電力の契約を行い、集合住宅10の各需要家との間の契約は行わない。一方、エネルギー管理会社は、集合住宅10の各需要家との間で100V/200Vの低圧電力の契約に相当する契約を行う。このように、契約が階層化されることにより、電力会社ではエネルギー管理会社とのみ契約を行えばよいから契約作業が簡単になる上に、電気料金の徴収もエネルギー管理会社からのみ行えばよいから電気料金の徴収管理も容易になる。
また、エネルギー管理会社では、高圧電力の一括契約によって比較的安い電力を電力会社から買い取り、この電力を集合住宅10の各需要家に分配して各需要家から電気料金を徴収することにより差益が得られる。また、各需要家から電気料金を徴収する作業を代行することに相当するから、電力会社に対してサービス料を請求したり、高圧電力の買取金額の割引を行わせたりすることで利益を得ることが可能になる。
メータボックス27に設けた検針端末15は、電力メータ20に加えて、ガスメータ28や水道メータ29のような他のメータからの検針情報を取得してもよい。この場合、他のメータには検針端末15に設けた無線通信インターフェース152との間に無線通信路を形成する無線通信インターフェース(図示せず)を設けておく。この構成では、検針端末15において電力メータ20だけではなく他のメータからの検針情報も取得するから、電力メータ20の検針情報だけではなく、ガスメータ28や水道メータ29のような他のメータの検針情報も検針端末15を通して集約装置13に伝送することが可能になる。
ガスメータ28や水道メータ29のような他のメータの検針情報は、電力メータ20に敷設した検針端末15ではなく、専用の検針端末(図示せず)を用いて通信装置12あるいは住戸端末11に伝送してもよい。また、ガスメータ28や水道メータ29のような他のメータは無線通信インターフェースを備えるから、住戸端末11にも無線通信インターフェース(図示せず)を設けることにより、住戸端末11が他のメータの検針情報を直接取得してもよい。
エネルギー管理会社がガス会社や水道事業者と契約していれば、電力会社と同様に、エネルギー管理会社が燃料ガスや水を一括して購入することが可能になる。つまり、集合住宅10の全体でのガス料金をエネルギー管理会社がガス会社に支払い、集合住宅10の全体での水道料金をエネルギー管理会社が水道事業者に支払うのである。また、エネルギー管理会社は、一括して購入した燃料ガスや水を集合住宅10の各需要家に分配し、各需要家からガス料金や水道料金を徴収する。
また、ガス料金や水道料金の単価情報を、電気料金と同様に、住戸端末11が構内通信網1を介して集約装置13から取得して記憶しておき、記憶した単価情報と検針情報とに基づいて算出したガス料金や水道料金を、住戸端末11の表示器に表示するのが望ましい。住戸端末11を用いて電気料金、ガス料金、水道料金を需要家に提示することにより、需要家では電気、燃料ガス、水の使用量について関心を持つようになり、節約を意識付けることになる。
上述した構成例では、検針端末15と情報端末である住戸端末11との間に通信装置12を介在させ、通信装置12により検針情報を中継する構成を採用している。ただし、検針端末15は、専用配電線221に接続され、専用配電線221は配電線22から分岐しているから、検針端末15から出力される通信信号は配電線22も通信路に用いて伝送される。したがって、検針端末15は通信の際には送信先を指定することが必要である。
送信先が同じ住戸101に属する住戸端末11である場合、通信信号が通信装置12に到達すればよいから、検針端末15は出力する信号電力を比較的小さくする。また、送信先が同じ住戸101に属する住戸端末11ではない場合、検針端末15は出力する信号電力を比較的大きくする。要するに、検針端末15は、同じ住戸101に属する住戸端末11を送信先とする通信信号の信号電力を、同じ住戸101に属する住戸端末11ではない送信先の通信信号の信号電力よりも小さくするのである。
ここに、電力メータ20(検針子機15)と住戸端末11との間で通信装置12を介在させずに直接通信を行うようにしてもよい。この場合、通信装置12は不要になる。通信装置12を省略する場合には、検針子機15と住戸端末11との間の通信には、電力線搬送通信ではなく、無線通信による通信路を用いるのが望ましい。これは、検針子機15と住戸端末11との間で電力線搬送通信を直接行うと、メインブレーカや分岐ブレーカの遮断時に通信経路を確保できなくなるからである。なお、通信装置12はメインブレーカの一次側と分岐ブレーカの二次側とに跨る通信経路を形成しているから、通信装置12を用いる場合は、メインブレーカや分岐ブレーカの遮断時にも通信経路を確保できる。
また、上述の構成では電力メータ20が分電盤21の外部に設けられているが、電力メータ20の検針値は住戸端末11に提示され、検針員による検針値の目視が不要であるから、電力メータ20を分電盤21に内蔵することも可能である。この構成では、通信装置12は不要である。また、この場合、通信装置12を設けていないから、ガスメータ28や水道メータ29のような他のメータからの検針情報を受けた検針端末15が、住戸端末11に検針情報を転送することになる。
ところで、本実施形態では、図1に示すように、集合住宅10に太陽光発電設備40を設けている。太陽光発電設備40は、集合住宅10の屋上や壁面に配置された太陽電池パネル41と、太陽電池パネル41から出力された直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナ42と、余剰電力を蓄電する蓄電池43とを備える。パワーコンディショナ42は、蓄電池43の充電および放電を管理する機能も備え、また、電力線搬送通信により配電線22に接続されている他の機器との間で通信が可能になっている。
太陽光発電設備40は、系統と連系するように接続される。図示例では、太陽光発電設備40(パワーコンディショナ42の出力)を降圧トランス23の二次側において系統と連系させている。本実施形態では、太陽光発電設備40により発電した電力はすべて電力会社に売電することを想定しており、太陽光発電設備40で発電され配電網24に逆潮流を行った電力量は、集合住宅10の電気室103などに配置された売電用の電力メータ26により計量される。
売電用の電力メータ26の計量結果は、買電用の電力メータ25と同様に、通信路4を通して管理装置31に伝送される。すなわち、電力メータ26は、通信子機34を通してONU32に付設された通信親機33に計量結果を伝送し、さらにONU32および通信路4を通して管理装置31に計量結果を伝送する。
ところで、上述のように、太陽光発電設備40で発電したすべての電力を買電する場合、他の太陽光発電設備も系統に連系しているとすれば、配電網24に供給される電力が発電電力のピーク時に過剰になる可能性がある。そこで、発電電力のピーク時には蓄電池43に蓄電しておき、発電電力の不足時に蓄電池43の電力を売電してもよい。
あるいはまた、太陽光発電設備40による発電電力を集合住宅10において利用し、消費しきれない余剰電力が生じたときに、売電するかあるいは蓄電池43に蓄電する制御を行ってもよい。また、太陽光発電設備40による発電電力の余剰電力は集合住宅10の共用部で用いるようにすれば、集合住宅10の共益費を低減することが可能になる。
太陽光発電設備40はエネルギー管理会社が運営しているから、エネルギー管理会社は、太陽光発電設備40による発電電力に対する対価を得ることによって、太陽光発電設備40の設置や保守に伴う費用を回収することができる。なお、エネルギー管理会社は、太陽光発電設備40の設置場所として集合住宅10を利用しているから、売電によって得た利益の一部を原資に用いて集合住宅10の需要家に対する電気料金を割り引くことにより、場所の使用量を需要家に還元してもよい。
1 構内通信網
2 通信路
3 公衆網
10 集合住宅(建物)
11 住戸端末(情報端末)
12 通信装置
13 集約装置
15 検針端末
20 電力メータ(メータ)
21 分電盤
22 配電線
28 ガスメータ(メータ)
29 水道メータ(メータ)
30 管理装置
101 住戸(スペース)
111 電力線通信インターフェース(第1の通信インターフェース)
112 通信インターフェース(第2の通信インターフェース)
113 プロトコル変換部
221 専用配電線(配電線)

Claims (3)

  1. 供給事業者から供給される供給媒体を使用する需要家が占有するスペースを複数設けた建物において前記各スペースで使用された供給媒体の量をそれぞれ計量するメータから検針情報を取得する検針端末と、
    前記各スペースに配置され前記検針端末との間で通信を行う情報端末と、
    前記各スペースに配置された分電盤と、
    前記分電盤内に収納され、前記検針端末との間で電力線搬送通信を行うことにより前記検針端末と前記情報端末との間の通信信号を中継する通信装置と、
    前記建物内に敷設された構内通信網を用いて前記情報端末と通信し前記情報端末が前記検針端末から取得した前記検針情報を集約する集約装置とを備え、
    前記集約装置が集約した前記検針情報を前記建物の外部に設けた管理装置に伝送することを特徴とする遠隔検針システム。
  2. 供給事業者から供給される供給媒体を使用する需要家が占有するスペースを複数設けた建物において前記各スペースで使用された供給媒体の量をそれぞれ計量するメータから検針情報を取得する検針端末と、前記各スペースに配置され前記検針端末から取得した前記検針情報を前記建物内に敷設された構内通信網を用いて集約装置に送信する情報端末との間の通信信号を中継する通信装置であり、前記検針端末とは電力線搬送通信を行い、前記スペースに配置された分電盤内に収納されることを特徴とする通信装置。
  3. 供給事業者から供給される供給媒体を使用する需要家が占有するスペースを複数設けた建物において前記各スペースに配置され、通信装置を収納した分電盤であって、
    前記通信装置は、
    前記各スペースで使用された供給媒体の量をそれぞれ計量するメータから検針情報を取得する検針端末と、前記各スペースに配置され前記検針端末から取得した前記検針情報を前記建物内に敷設された構内通信網を用いて集約装置に送信する情報端末との間の通信信号を中継し、前記検針端末とは電力線搬送通信を行うことを特徴とする分電盤。
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