以下、本発明の遊技機をパチンコ機10に具体化した一実施形態を図面に基づき説明する。
(1)パチンコ機10の機表側の概略構成
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されている。このパチンコ機10は、機体の外郭をなす縦長方形状の外枠11を備えている。外枠11の開口前面側には、機体を構成する縦長方形状の中枠12が、開閉及び着脱自在に組み付けられている。また、中枠12の前面側には、前枠14が横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14は、中央部に窓口14aを有するとともに、窓口14aの下方に上球皿15が一体的に組み付けられた構造を有している。前枠14の裏面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するためのガラス枠(図示略)が組み付けられている。また、前枠14の前面には、上側枠用ランプ16a、左側枠用ランプ16b及び右側枠用ランプ16cが設けられている。各枠用ランプ16a〜16cは、図示しない発光体(本実施形態では発光ダイオード)を備え、同発光体にレンズ部材を覆い被せて構成されている。これらの枠用ランプ16a〜16cでは、パチンコ機10の各種遊技の演出態様(大当り、リーチなど)に応じて点灯(点滅)・消灯などの発光演出が実行されるようになっている。
また図1に示されるように、前枠14の左上部には左スピーカ17aが配設され、前枠14の右上部には右スピーカ17bが配設されている。左スピーカ17a及び右スピーカ17bは、各種音声を出力する音声演出を実行させるためのものである。即ち、左スピーカ17a及び右スピーカ17bは、『音声出力手段』としての機能を有している。左スピーカ17a及び右スピーカ17bは前枠14の裏面側に装着され、前枠14の前面側において左スピーカ17a及び右スピーカ17bと対応する箇所には複数の放音孔が形成されている。
さらに、中枠12の前面側において前枠14の下方には、下球皿18が開閉可能に組み付けられている。下球皿18の右方には、遊技球を発射する際に遊技者によって回動操作される操作ハンドル19が装着されている。また、下球皿18の左方には、灰皿20や、各種音声を出力する音声演出を実行させるウーハー用スピーカ17c等が配設されている。即ち、ウーハー用スピーカ17cは、『音声出力手段』としての機能を有している。なお、ウーハー用スピーカ17cは中枠12に装着されている。
図1に示されるように、遊技盤13の遊技盤面13aの略中央部には、図柄表示装置61を有する枠状のセンター役物60が装着されている。なお、本実施形態の図柄表示装置61は液晶式であるが、ドットマトリクス式、エレクトロルミネッセンス素子式、7セグメント式の図柄表示装置であってもよい。図柄表示装置61では、変動画像(または画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が実行されるようになっている。そして、図柄表示装置61では、表示演出に関連して、複数種類の演出図柄を3列で変動させて図柄組み合わせを導出させる図柄組み合わせゲームが表示されるようになっている。
遊技盤面13a上におけるセンター役物60の下方位置には、始動入賞口21aが形成された始動入賞装置21が配設されている。始動入賞装置21には、一対の羽根部材21bからなる普通電動役物が一体的に構成されている。一対の羽根部材21bは、普通電動役物ソレノイドSOL1(図3参照)の励磁作用により開閉するようになっている。また、始動入賞装置21の奥方には、始動入賞口21aに入球した遊技球を検知する始動口スイッチSE1(図3参照)が設けられている。始動口スイッチSE1は、始動入賞装置21に入賞した遊技球を検知したことを契機として、オン状態となり、入賞信号を出力するようになっている。一方、始動口スイッチSE1は、遊技球を検知していないときにオフ状態となり、入賞信号を出力しなくなる。なお、入賞信号が出力された場合には、後述する特別図柄表示装置51による図柄変動ゲームが行われるとともに、該図柄変動ゲームに関連して図柄表示装置61による図柄組み合わせゲームが行われ、賞球の払い出しが行われるようになっている。
図1に示されるように、始動入賞装置21の下方には大入賞装置23が配置されている。大入賞装置23の奥方には、入賞した遊技球を検知するカウントスイッチSE2(図3参照)が設けられている。また、大入賞装置23の大入賞口扉23aは、大入賞口ソレノイドSOL2(図3参照)の励磁作用により、遊技球を受け入れない閉鎖状態、及び、遊技球を受け入れやすい開放状態に切り替え可能になっている。本実施形態において、大入賞口扉23aの「閉鎖状態」とは、大入賞口扉23aが完全に閉じている状態をいい、大入賞口扉23aの「開放状態」とは、大入賞口扉23aが完全に開いた状態をいう。なお、カウントスイッチSE2にて遊技球が検知された場合には、賞球の払い出しが行われるようになっている。
また、センター役物60の左側には、遊技球の通過を検知する機能を有するゲート25が設けられている。ゲート25の奥方には、通過した遊技球を検知するゲートスイッチSE3(図3参照)が設けられている。なお、ゲートスイッチSE3にて遊技球が検知された場合に乱数を取得し、取得した乱数が所定の乱数値であるか否かを判定した結果に基づいて普通電動役物ソレノイドSOL1が駆動される。このような判定(当り判定)によって一対の羽根部材21bが開放されるため、始動入賞口21aに遊技球が入賞しやすくなる。
図1に示されるように、センター役物60の左下方には、可視表示部を備えた特別図柄表示装置51が配設されている。特別図柄表示装置51では、始動入賞装置21への遊技球の入賞を契機として、複数種類の特別図柄を変動させる図柄変動ゲームが表示され、該図柄変動ゲームの結果として、大当り及びハズレの表示結果が表示されるようになっている。例えば、図柄変動ゲームの結果が大当りとなる場合、図柄変動ゲームの終了時に、特別図柄として「1」〜「8」の8通りの数字を示す図柄が表示される。さらに、図柄変動ゲームの結果がハズレとなる場合、図柄変動ゲームの終了時に、特別図柄としてハズレを示す「−」の図柄が表示される。
さらに本実施形態では、特別図柄表示装置51での図柄変動ゲームに合わせて、図柄表示装置61による図柄組み合わせゲームが行われる。具体的には、図柄変動ゲームの開始とほぼ同時に図柄組み合わせゲームが開始され、図柄変動ゲームの終了(大当りまたはハズレの表示結果が表示)とほぼ同時に図柄組み合わせゲームの結果が表示されるようになっている。なお本実施形態では、図柄表示装置61で行われる図柄組み合わせゲームと特別図柄表示装置51で行われる図柄変動ゲームとを「変動ゲーム」と称している。
図1に示されるように、特別図柄表示装置51の下方には、特別図柄保留表示装置52が配設されている。特別図柄保留表示装置52は、第1特別保留ランプ、第2特別保留ランプ、第3特別保留ランプ及び第4特別保留ランプからなる複数(4個)の発光部によって構成されている。特別保留ランプは、始動入賞装置21への入賞を契機として記憶された遊技球(特別図柄保留球)が存在する場合に点灯し、特別図柄保留球が存在しない場合に消灯する。各特別保留ランプは、特別図柄保留球の数(特別図柄保留球数)を示すためのものである。例えば、特別図柄保留球が3個である場合、3個の特別保留ランプが点灯する。
ここで、「特別図柄保留球数」とは、特別図柄(演出図柄)の変動中に始動入賞装置21に入賞した遊技球の数を所定の最大値(本実施形態では4)の範囲で記憶した値である。特別図柄保留球数は、始動入賞装置21への遊技球の入賞により「+1」され、変動ゲームの開始により「−1」される。
図1に示されるように、センター役物60の右下方には、可視表示部を備えた普通図柄表示装置53が配設されている。この普通図柄表示装置53では、ゲート25(図1参照)への遊技球の通過を契機として、普通図柄を変動させる普通図柄変動ゲームが実行され、該普通図柄変動ゲームの結果として、乱数抽選の結果を示す普通図柄が停止表示されるようになっている。なお、本実施形態の普通図柄は、当りの図柄「○」、または、ハズレの図柄「×」の2種類である。そして、当りの図柄が導出された場合(普通図柄変動ゲームに当選した場合)、普通電動役物ソレノイドSOL1が所定時間だけ駆動され、一対の羽根部材21bが開放されるようになっている。
また、普通図柄表示装置53の下方には、普通図柄保留表示装置54が配設されている。普通図柄保留表示装置54は、第1普通保留ランプ、第2普通保留ランプ、第3普通保留ランプ及び第4普通保留ランプからなる複数(4個)の発光部によって構成されている。普通保留ランプは、ゲート25の通過を契機として記憶された遊技球(普通図柄保留球)が存在する場合に点灯し、普通図柄保留球が存在しない場合に消灯する。各普通保留ランプは、普通図柄保留球の数(普通図柄保留球数)を示すためのものである。例えば、普通図柄保留球が2個である場合、2個の普通保留ランプが点灯する。
ここで、「普通図柄保留球数」とは、ゲート25を通過した遊技球の数を所定の最大値(本実施形態では4)の範囲で記憶した値である。普通図柄保留球数は、ゲート25への遊技球の通過により「+1」され、普通図柄変動ゲームの開始により「−1」される。
(2)パチンコ機10の機裏側の概略構成
図2には、パチンコ機10の機裏側が略示されている。中枠12の裏面側には、裏部品を組み付けるための機構セット盤3が配設されている。この機構セット盤3の裏面側における上部全体には、遊技球を貯留するための球タンク4が設けられている。球タンク4の下方には、そこから流れ出る遊技球を整列状態で流下させるためのタンクレール5が設けられている。斜め右下方向に延びるタンクレール5の下端(右端)には球供給路6が接続され、球供給路6の下端部には球払出装置7が接続されている。また、タンクレール5と球供給路6との接続部分近傍には、ホールコンピュータ(図示略)とパチンコ機10とを接続するための枠用外部端子板8が配設されている。枠用外部端子板8は、賞球情報、球貸し情報及び球切れ情報をホールコンピュータに対して送信するようになっている。
また図2〜図4に示されるように、本実施形態のパチンコ機10は、機構セット盤3の裏面側に、各種の基板(主制御基板31、サブ統括制御基板32、表示制御基板33、払出制御基板35、発射制御基板36、電源基板37など)を備えている。なお、払出制御基板35は、主制御基板31に電気的に接続されており、主制御基板31からの払い出し指示に基づいて球払出装置7による遊技球の払い出しを制御するようになっている。また、発射制御基板36は、払出制御基板35に電気的に接続されており、打球発射装置を構成する操作ハンドル19の操作状態を検知し、それに基づいて遊技球の発射強度を制御する役割を果たしている。さらに、電源基板37は、各基板31〜33,35,36の動作に必要な複数の電源電圧(本実施形態では34Vまたは5Vの直流電圧)を生成する役割を果たしている。電源基板37は、サブ統括制御基板32及び表示制御基板33に電気的に接続されており、生成した電源電圧をサブ統括制御基板32及び表示制御基板33に供給するようになっている。
なお図2に示されるように、主制御基板31、サブ統括制御基板32、表示制御基板33、払出制御基板35、電源基板37は、各々専用の基板ケース30内に収容されている。これらの基板ケース30は、透明または半透明な合成樹脂材料からなる開閉可能な平箱であって、その底部に各基板31〜33,35,37を平行に配置した状態でネジにより封印されている。これらの基板ケース30には、各基板31〜33,35,37から発生する熱を逃がすための多数の貫通孔(図示略)が形成されている。
また、サブ統括制御基板32上の左側部(基板ケース30に覆われていない露出部分)には、スピーカ17a〜17cから出力される音の大きさを無段階に変更させるための音量調節ツマミ71が設けられている。なお、音量調節ツマミ71が遊技店の店員によって回動操作されると、サブ統括CPU32aに接続される電気経路に設けられた可変抵抗器72(図4参照)の抵抗値が変化し、電気経路を流れる電流の電圧が変化する。例えば、音量調節ツマミ71を時計回り方向に回転させると、可変抵抗器72の抵抗値が小さくなって電気経路を流れる電流の電圧が高くなる。この場合、サブ統括CPU32aは、スピーカ17a〜17cから出力される音声の音量を大きくする制御を行う。一方、音量調節ツマミ71を反時計回り方向に回転させると、可変抵抗器72の抵抗値が大きくなって電気経路を流れる電流の電圧が低くなる。この場合、サブ統括CPU32aは、スピーカ17a〜17cから出力される音声の音量を小さくする制御を行う。
また、電源基板37上には電源スイッチ(図示略)が設けられている。この電源スイッチが遊技店の店員によってオン位置に操作されると、パチンコ機10への電源供給が開始されるようになっている。電源スイッチがオフ位置に操作されると、パチンコ機10への電源供給が遮断されるようになっている。
さらに図2に示されるように、電源基板37上の下端部(基板ケース30に覆われていない露出部分)には、RAMクリアスイッチ38が設けられている。RAMクリアスイッチ38は、主制御基板31にRAMクリア信号を出力するようになっている。なお、主制御基板31のメインRAMは、通常、停電時における遊技状態や未払出賞球残数を記憶するバックアップ機能を備えている。そこで、電源スイッチをオン位置に操作した際(パチンコ機10への電源供給を開始させた際)にRAMクリアスイッチ38を操作すると、RAMクリア信号が出力され、メインRAMに記憶されている遊技状態及び未払出賞球残数の全データが消去されるようになっている。
また図3に示されるように、主制御基板31にはサブ統括制御基板32が電気的に接続され、サブ統括制御基板32には表示制御基板33が電気的に接続されている。
(2−1)主制御基板31の電気的構成
主制御基板31は、パチンコ機10全体を制御する『メイン制御手段』であるメインCPU31aを備えている。メインCPU31aには、始動口スイッチSE1、カウントスイッチSE2及びゲートスイッチSE3が接続されている。また、メインCPU31aには、特別図柄表示装置51、特別図柄保留表示装置52、普通図柄表示装置53及び普通図柄保留表示装置54が接続されている。さらに、メインCPU31aには、普通電動役物ソレノイドSOL1及び大入賞口ソレノイドSOL2が接続されている。
また、図3に示されるメインCPU31aには、メインROM(図示略)及びメインRAM(図示略)が電気的に接続されている。メインCPU31aは、変動ゲームに係る各種抽選に用いる大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン振分乱数などの各種乱数の値を所定の周期ごとに更新している。そして、メインCPU31aは、更新後の値をメインRAMの乱数記憶領域に設定して更新前の値を書き換えている。メインRAMのタイマ記憶領域には、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種のタイマが記憶(設定)されるようになっている。
なお、大当り判定用乱数は、変動ゲームが大当りか否かを判定する際(大当り判定時)に用いられる乱数である。大当り図柄用乱数は、変動ゲームの結果が大当りとなる場合に特別図柄を決定する際に用いられる乱数である。リーチ判定用乱数は、変動ゲームの結果がハズレとなる場合にリーチ演出を実行させるか否かを決定する際(リーチ判定時)に用いられる乱数である。変動パターン振分乱数は、変動ゲームにおける遊技演出の演出内容を特定するための変動パターンを決定する際に用いられる乱数である。
メインROMには、図柄組み合わせゲーム用の変動パターンが振り分けられた変動パターン振分テーブルが記憶されている。各変動パターンは、図柄表示装置61に表示される各列の図柄(演出図柄)が変動を開始(図柄組み合わせゲームを開始)してから全列の図柄が停止(図柄組み合わせゲームが終了)するまでの間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)の時間及び内容を特定するためのものである。なお、各変動パターンには、変動パターン振分乱数の値が振り分けられている。また、変動パターン振分テーブルには、大当り演出用の変動パターン、ハズレリーチ演出用の変動パターン及びハズレ演出用の変動パターンが振り分けられている。大当り演出用の変動パターンは、リーチ演出を経て、中図柄が、左図柄及び右図柄と同一の図柄で停止する図柄組み合わせ(大当りの図柄組み合わせ)を表示させる大当り演出のベースとなるパターンを示している。ハズレリーチ演出用の変動パターンは、リーチ演出を経て、中図柄が、左図柄及び右図柄とは異なる図柄で停止する図柄組み合わせ(ハズレの図柄組み合わせ)を表示させるハズレリーチ演出のベースとなるパターンを示している。ハズレ演出用の変動パターンは、ハズレの図柄組み合わせ(大当りまたはリーチとなる図柄組み合わせが導出されない図柄組み合わせ)を導出するハズレ演出のベースとなるパターンを示している。なお、大当り演出、ハズレリーチ演出及びハズレ演出の演出時間(変動時間)は、変動パターンごとに異なっている。
次に、図3に示されるメインCPU31aが実行する図柄変動ゲームに係る各種処理(大当り判定、リーチ判定、大当り図柄、ハズレ図柄、変動パターンの決定など)を説明する。
メインCPU31aは、始動入賞条件の成立(始動入賞装置21による遊技球の検知)を契機として、所定の周期毎に更新される大当り判定用乱数の値及び大当り図柄用乱数の値をメインRAMから取得し、それらの値をメインRAMの乱数記憶領域に格納(記憶)する。そして、メインCPU31aは、図柄変動ゲームの結果が大当りになるか否かを判定するようになっている。詳述すると、メインCPU31aは、図柄変動ゲームの開始直前に、メインRAMの乱数記憶領域に格納されている大当り判定用乱数の値とメインROMに記憶されている大当り判定値とを比較して、図柄変動ゲームの当否を判定する大当り判定(大当り抽選)を行う。なお本実施形態では、大当り判定用乱数の採りうる数値を0〜946(全947通りの整数)としている。そしてメインCPU31aは、大当り判定用乱数の採りうる数値の中からあらかじめ定めた3個の大当り判定値を用いて、大当りの抽選確率を947分の3(=315.7分の1)として大当り判定を行う。
大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、図3に示されるメインCPU31aは、ハズレ図柄である「−」の図柄を特別図柄として決定する。さらに、メインCPU31aは、決定した特別図柄に対応したデータを、次回の図柄変動ゲームにかかる処理を行うまでの間、メインRAMに記憶する。
そして、メインCPU31aは、メインRAMから読み出したリーチ判定用乱数の値とメインROMに記憶されているリーチ判定値とを比較してハズレリーチを実行するか否かのリーチ判定を行う。なお本実施形態では、リーチ判定用乱数の採りうる数値を0〜180(全181通りの整数)としている。また、リーチ判定値は、リーチ判定用乱数の採りうる数値の中からあらかじめ定めた値である。
そして、リーチ判定の判定結果が肯定(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値とが一致)の場合、図3に示されるメインCPU31aは、ハズレリーチを決定する。また、リーチ判定の判定結果が否定(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値とが不一致)の場合、メインCPU31aは、ハズレ(リーチを伴わないハズレ)を決定する。
一方、大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、メインCPU31aは大当りを決定する。大当りの決定がなされると、メインCPU31aは、メインRAMの乱数記憶領域に記憶された大当り図柄用乱数の値に基づいて、「1」〜「8」のいずれか1つを示す図柄を特別図柄として決定する。そして、メインCPU31aは、決定した特別図柄に対応したデータを、次回の図柄変動ゲームに係る処理を行うまでの間、メインRAMに記憶する。
そして、図3に示されるメインCPU31aは、大当り判定及びリーチ判定の判定結果に基づいて変動パターンを決定する。具体的に言うと、大当り判定において大当りが決定された場合、メインCPU31aは、メインRAMから変動パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、変動パターン振分テーブルから大当り演出用の変動パターンを決定する。また、リーチ判定においてハズレリーチが決定された場合、メインCPU31aは、メインRAMから変動パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、変動パターン振分テーブルからハズレリーチ演出用の変動パターンを決定する。さらに、リーチ判定においてハズレが決定された場合、メインCPU31aは、メインRAMから変動パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、変動パターン振分テーブルからハズレ演出用の変動パターンを決定する。
そして、図3に示されるメインCPU31aは、特別図柄及び変動パターンを決定すると、変動パターンごとに対応付けられた変動時間を変動タイマとしてメインRAMのタイマ記憶領域に設定(記憶)し、特別図柄表示装置51に特別図柄の変動を開始させる。
また、メインCPU31aは、サブ統括制御基板32のサブ統括CPU32aに対して制御を指示する際、制御コマンドなどを制御信号(8ビット信号)とし、その信号を出力ポート(図示略)及び出力バッファ(図示略)を介して所定のタイミングで出力する。具体的に言うと、メインCPU31aは、最初に、変動パターンを指定するとともに図柄の変動開始を指示する変動パターン指定コマンドを生成し、制御コマンドとして設定(メインRAMに記憶)する。そして、ここでセットされた制御コマンドは、次回以降のコマンド出力処理で出力される。次に、メインCPU31aは、特別図柄を指定する特別図柄指定コマンドを、制御コマンドとして設定(メインRAMに記憶)する。そして、ここでセットされた制御コマンドは、次回以降のコマンド出力処理で出力される。また、メインCPU31aは、変動開始時に設定した変動タイマを割込み(4ms)ごとに減算する。そして、変動パターンに対応付けられた変動時間が経過すると(変動タイマが0msになると)、メインCPU31aは、特別図柄及び演出図柄の停止を指示する図柄停止コマンドを、制御コマンドとして設定(出力)する。
なお、図3に示されるメインCPU31aは、制御信号の出力タイミングにあわせて、サブ統括CPU32aに対し制御信号を構成する制御コマンドの読み込みを指示するための読込信号(INT信号、または、ストローブ信号)を出力ポート及び出力バッファを介して出力するようになっている。
(2−2)サブ統括制御基板32の電気的構成
図3,図4に示されるサブ統括制御基板32は、『音声制御手段』、『サブ制御手段』及び『統括制御手段』であるサブ統括CPU32aを備えている。サブ統括CPU32aは、電源基板37から供給された電源電圧(本実施形態では5Vの直流電圧)に基づいて動作するようになっている。サブ統括CPU32aには、メインCPU31aが出力した制御信号及び読込信号を入力する入力バッファ(図示略)が電気的に接続されている。さらに、入力バッファには入力ポート(図示略)が電気的に接続されており、制御信号及び読込信号は入力ポートを介してサブ統括CPU32aに入力されるようになっている。
また、サブ統括CPU32aには、サブ統括ROM32b及びサブ統括RAM32cが接続されている。サブ統括CPU32aは、遊技演出の決定のために用いる各種乱数の値を所定の周期ごとに更新している。そして、サブ統括CPU32aは、更新後の値をサブ統括RAM32cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。例えば、サブ統括RAM32cの乱数記憶領域には、ハズレ左図柄用乱数、ハズレ中図柄用乱数、ハズレ右図柄用乱数などが記憶されている。
さらに、図3に示されるサブ統括ROM32bには、図柄組み合わせゲームが行われる際に用いられる複数種類の発光演出データ及び複数種類の音声演出データが記憶されている。発光演出データとは、サブ統括CPU32aが、枠用ランプ16a〜16cの発光出力態様を制御するための情報である。また、音声演出データとは、サブ統括CPU32aが、スピーカ17a〜17cの音声出力態様(効果音の種類、言語音声の種類、音声出力時間など)を制御するための情報である。
ところで、メインCPU31aから変動パターン指定コマンドが入力されると、図3,図4に示されるサブ統括CPU32aは、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンをサブ統括RAM32cに記憶するようになっている。また、特別図柄指定コマンドが入力されると、サブ統括CPU32aは、特別図柄指定コマンドが指定する特別図柄をサブ統括RAM32cに記憶するようになっている。
さらに、サブ統括CPU32aは、サブ統括RAM32cに記憶されている特別図柄に基づいて、図柄組み合わせゲームの終了時に図柄表示装置61に停止表示される演出図柄を生成するようになっている。例えば、サブ統括RAM32cに記憶されている特別図柄が「1」〜「8」のいずれかである場合、サブ統括RAM32cに記憶されている変動パターンは大当り演出用の変動パターンとなる。この場合、サブ統括CPU32aは、図柄表示装置61に最終的に停止させる演出図柄(演出図柄左、中、右)を、全列が同一種類の図柄となるように生成する。具体的に言うと、サブ統括CPU32aは、特別図柄に基づいて、演出図柄左、演出図柄中及び演出図柄右(各演出図柄は同一種類)を生成する。この生成された演出図柄(演出図柄左、中、右)が、図柄表示装置61に最終的な図柄組み合わせとして導出される。そして、サブ統括CPU32aは、生成した演出図柄左、演出図柄中、演出図柄右に対応したデータをサブ統括RAM32cに記憶する。
サブ統括RAM32cに記憶されている特別図柄が「−」であって、サブ統括RAM32cに記憶されている変動パターンがハズレリーチ演出用の変動パターンである場合、図3,図4に示されるサブ統括CPU32aはハズレリーチを決定する。この場合、サブ統括CPU32aは、演出図柄左、中、右を、左列と右列が同一種類の図柄で、中列が左右2列とは異なる種類の図柄となるように決定する。具体的には、ハズレ左図柄用乱数の値に基づいて演出図柄左及び演出図柄右(両演出図柄は同一種類)を生成する。そして、ハズレ中図柄用乱数の値に基づいて演出図柄中を生成する。ハズレ中図柄用乱数の値とハズレ左図柄用乱数の値(またはハズレ右図柄用乱数の値)とが一致していた場合、サブ統括CPU32aは、演出図柄中と演出図柄左(または演出図柄右)とが一致しないように演出図柄中を生成する。そして、サブ統括CPU32aは、生成した演出図柄左、演出図柄中、演出図柄右に対応したデータをサブ統括RAM32cに記憶する。本実施形態では、ハズレ左図柄用乱数、ハズレ右図柄用乱数及びハズレ中図柄用乱数の各乱数の採りうる数値を0〜9の10通りの整数とし、図柄の種類ごとに1つの数値が対応付けられている。
サブ統括RAM32cに記憶されている特別図柄が「−」であって、サブ統括RAM32cに記憶されている変動パターンがハズレ演出用の変動パターンである場合、図3,図4に示されるサブ統括CPU32aはハズレを決定する。この場合、サブ統括CPU32aは、演出図柄左、中、右を、全列が同一種類の図柄とならないように生成する。具体的には、ハズレ左図柄用乱数の値に基づいて演出図柄左を生成し、ハズレ中図柄用乱数の値に基づいて演出図柄中を生成し、ハズレ右図柄用乱数の値に基づいて演出図柄右を生成する。ハズレ左図柄用乱数の値とハズレ右図柄用乱数の値とが一致していた場合、サブ統括CPU32aは、演出図柄左と演出図柄右とが一致しないように演出図柄右を生成する。そして、サブ統括CPU32aは、生成した演出図柄左、演出図柄中、演出図柄右に対応したデータをサブ統括RAM32cに記憶する。
また、変動パターン指定コマンドが入力されると、サブ統括CPU32aは、サブ統括ROM32bに記憶された複数種類の発光演出データのうちいずれか1つを設定(生成)して、設定した発光演出データをサブ統括RAM32cの記憶領域に記憶させる。これにより、サブ統括CPU32aは、変動パターン指定コマンドに対応する発光演出データに基づいて発光制御(発光演出)を行うようになる。詳述すると、サブ統括CPU32aは、サブ統括RAM32cに記憶されている発光演出データを発光制御信号に変換し、ランプ駆動回路42に出力する。その結果、ランプ駆動回路42は、発光制御信号に基づき、枠用ランプ16a〜16cに対して所定の発光動作(点灯、点滅など)を行わせることができるようになる。
また、変動パターン指定コマンドが入力されると、図3,図4に示されるサブ統括CPU32aは、サブ統括ROM32bに記憶された複数種類の音声演出データのうちいずれか1つを設定(生成)して、設定した音声演出データをサブ統括RAM32cの記憶領域に記憶させる。これにより、サブ統括CPU32aは、変動パターン指定コマンドに対応する音声演出データに基づいて音声制御(音声演出)を行うようになる。詳述すると、サブ統括CPU32aは、サブ統括RAM32cに記憶されている音声演出データを音声演出信号に変換し、音生成回路81に出力する。その結果、音生成回路81は、音声演出信号に基づき、スピーカ17a〜17cに対して所定の出力動作(音声の出力)を行わせることができるようになる。
そして、サブ統括CPU32aは、サブ統括RAM32cに記憶されている変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドを、制御コマンドとして表示制御基板33の表示制御CPU33aに出力するようになっている。これにより、表示制御CPU33aが実行する遊技演出の具体的な内容が、メインCPU31aからの制御コマンドに基づいて、サブ統括CPU32aによって制御される。さらに、サブ統括CPU32aは、演出図柄の演出図柄左を指定する演出図柄左指定コマンドを、制御コマンドとして表示制御CPU33aに出力する。同様に、サブ統括CPU32aは、演出図柄の演出図柄右を指定する演出図柄右指定コマンド、及び、演出図柄の演出図柄中を指定する演出図柄中指定コマンドを、制御コマンドとして表示制御CPU33aに出力する。その後、メインCPU31aから図柄停止コマンドが入力されると、サブ統括CPU32aは、ランプ駆動回路42による枠用ランプ16a〜16cの発光停止を指示するとともに、音生成回路81によるスピーカ17a〜17cの音声出力停止を指示するようになっている。そして、サブ統括CPU32aは、入力された図柄停止コマンドを、制御コマンドとして表示制御CPU33aに出力する。
なお、図3,図4に示されるサブ統括CPU32aは、上記各制御コマンドなどを制御信号(8ビット信号)とし、その信号を出力ポート(図示略)及び出力バッファ(図示略)を介して所定のタイミングで出力する。また、サブ統括CPU32aは、制御信号の出力タイミングに合わせて、表示制御CPU33aに対し制御信号を構成する制御コマンドの読み込みを指示するための読込信号(INT信号、または、ストローブ信号)を出力ポート及び出力バッファを介して出力するようになっている。
さらに、サブ統括制御基板32は、電源生成回路41、ランプ駆動回路42及び音生成回路81を備えている。即ち、電源生成回路41、ランプ駆動回路42及び音生成回路81は、サブ統括CPU32aと同じサブ統括制御基板32上に設置されている。なお、電源生成回路41は、電源基板37から供給された電源電圧(本実施形態では34Vの直流電圧)に基づいて、ランプ駆動回路42の動作に必要な12Vの駆動電圧を生成するとともに、音生成回路81の動作に必要な15Vの駆動電圧を生成するようになっている。また、ランプ駆動回路42は、電源生成回路41から供給された駆動電圧に基づいて、枠用ランプ16a〜16cをダイナミック駆動させるようになっている。
また、図3,図4に示される音生成回路81は、サブ統括CPU32aとスピーカ17a〜17cとをつなぐ電気経路上に設けられている。音生成回路81は、電源生成回路41から供給された駆動電圧に基づいて、スピーカ17a〜17cを駆動させるようになっている。具体的に言うと、音生成回路81は、サブ統括制御基板32上に搭載された音声合成LSI82を備えている。音声合成LSI82は、スピーカ17a〜17cにて行われる音声演出の内容を制御する機能を有している。また、音声合成LSI82には、音声データROM83が電気的に接続されている。音声合成LSI82は、音声出力手段(左スピーカ17a、右スピーカ17b、ウーハー用スピーカ17c)の音声出力態様を制御するための音声データに基づいてデジタル信号を合成し、合成したデジタル信号をシリアル通信によって出力する。なお、本実施形態のデジタル信号は、音声として聞くことができない信号である。
なお、図4に示される音声データROM83には、スピーカ17a〜17cによる音声演出を実行させるための複数の音声データなどが記憶されている。音声データには、所定の旋律を有する楽曲を再生させるための楽曲再生用データや、効果音を再生させるための効果音再生用データが含まれている。楽曲の再生時間は、楽曲再生用データに関連付けられて音声データROM83に記憶されている。なお、効果音は、例えば単音で構成された擬音であり、具体的には、鐘の音、銅鑼の音、チャイムの音などである。なお、効果音の再生時間は、楽曲の再生時間よりも短く、本実施形態では0.2秒〜0.5秒の範囲内に設定されている。
また、音生成回路81は、サブ統括制御基板32上に搭載されたプリアンプ84a,84b及びパワーアンプ85a,85bを備えている。プリアンプ84a及びパワーアンプ85aは、音声合成LSI82とスピーカ17a,17bとをつなぐ電気経路上に設けられている。プリアンプ84b及びパワーアンプ85bは、音声合成LSI82とウーハー用スピーカ17cとをつなぐ電気経路上に設けられている。
図4に示されるように、プリアンプ84a,84bの入力端子は、音声合成LSI82の出力ポートに電気的に接続されている。なお、プリアンプ84aと音声合成LSI82とをつなぐ電気経路、及び、プリアンプ84bと音声合成LSI82とをつなぐ電気経路は、それぞれ4本の電線によって構成されている。即ち本実施形態では、音声合成LSI82によって合成されたデジタル信号が、4線式のシリアル通信によって出力されるようになっている。また、プリアンプ84a,84bは、音声合成LSI82から出力されたデジタル信号をアナログ変換することによってアナログ信号を生成する。即ち、プリアンプ84a,84bは『デジタルアナログ変換手段』としての機能を有している。さらに、プリアンプ84a,84bは、アナログ信号を生成した後に、生成したアナログ信号を増幅し、増幅したアナログ信号を音声信号として出力する。なお、プリアンプ84a,84bによって増幅される音声信号(アナログ信号)の増幅率(本実施形態では2〜4倍程度)は、パワーアンプ85a,85bによって増幅される音声信号の増幅率(本実施形態では6〜80倍程度)よりも小さくなっている。また、プリアンプ84a,84bによって増幅された音声信号は、音声として聞くことができる信号であるが、スピーカ17a〜17cを駆動できる程度に増幅されている訳ではない。
図4に示されるように、パワーアンプ85aの入力端子はプリアンプ84aの出力端子に電気的に接続され、パワーアンプ85bの入力端子はプリアンプ84bの出力端子に電気的に接続されている。そして、パワーアンプ85aは、プリアンプ84aから出力された音声信号を増幅し、整流回路86aを介して左スピーカ17aに出力するとともに、整流回路86bを介して右スピーカ17bに出力する。また、パワーアンプ85bは、プリアンプ84bから出力された音声信号を増幅し、整流回路87を介してウーハー用スピーカ17cに出力する。なお、本実施形態のパワーアンプ85a,85bは、シリアル通信に対応しない仕様のパワーアンプであり、2個のスピーカを駆動させることが可能な2chアンプである。
また、図3,図4に示されるサブ統括CPU32aは、スピーカ17a〜17cに音声演出を実行させる制御を行うようになっている。具体的に言うと、サブ統括CPU32aは、メインCPU31aから出力された入賞信号に基づいて、音声演出の種類(楽曲、効果音)を指示するとともに、音声演出の開始を指示する音声演出指定信号を生成する。そして、サブ統括CPU32aは、生成した音声演出指定信号を音声合成LSI82に出力する。音声合成LSI82は、サブ統括CPU32aから出力された音声演出指定信号に基づいて、音声データROM83に記憶されている複数の音声データから1つの音声データを選択し、選択した音声データを用いて音声制御情報を生成する。次に、音声合成LSI82は、サブ統括CPU32aから出力された音声演出指定信号に基づいて音量制御情報を生成する。さらに、音声合成LSI82は、サブ統括CPU32aから出力された音声演出指定信号に基づいて、今回の信号がどのスピーカ17a〜17cに送信されるものであるかを指示する信号送信情報を生成する。そして、音声合成LSI82は、生成した音声制御情報、音量制御情報及び信号送信情報に基づいてデジタル信号を合成し、プリアンプ84a,84b及びパワーアンプ85a,85bに対してこの信号を出力する。このとき、デジタル信号に含まれる情報は、音声制御情報→音量制御情報→信号送信情報の順番で出力される。その結果、スピーカ17a〜17cは、プリアンプ84a,84bでデジタル信号から変換(アナログ変換)され、プリアンプ84a,84b及びパワーアンプ85a,85bで増幅された音声信号に基づき、所定の出力動作(音声の出力)を行うことができる。
(2−3)表示制御基板33の電気的構成
図3,図4に示されるように、表示制御基板33は、『サブ制御手段』である表示制御CPU33aと、インバーター基板43とを備えている。表示制御CPU33aは、電源基板37から供給された電源電圧(本実施形態では34Vの直流電圧)に基づいて、インバーター基板43の動作に必要な駆動電圧(本実施形態では12Vの直流電圧)を生成するようになっている。インバーター基板43は、表示制御CPU33aから供給された駆動電圧を、図柄表示装置61のバックライトに供給するようになっている。また、表示制御CPU33aには、表示ROM(図示略)及び表示RAM(図示略)が接続されている。表示RAMには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が一時的に記憶(設定)されるようになっている。
また、表示ROMには、図柄組み合わせゲームが行われる際に用いられる複数種類の表示演出データが記憶されている。表示演出データとは、表示制御CPU33aが、図柄表示装置61の表示内容(図柄変動など)を制御するための情報、即ち、図柄表示装置61に表示演出の実行を指示するための情報である。
そして、図3,図4に示されるサブ統括CPU32aから変動パターン指定コマンドが入力されると、表示制御CPU33aは、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンを表示RAMに記憶するようになっている。
また、表示制御CPU33aは、サブ統括CPU32aから演出図柄左指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する演出図柄左を表示RAMに記憶するようになっている。同様に、表示制御CPU33aは、サブ統括CPU32aから演出図柄右指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する演出図柄右を表示RAMに記憶し、演出図柄中指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する演出図柄中を表示RAMに記憶するようになっている。
その後、図3,図4に示されるサブ統括CPU32aから図柄停止コマンドが入力されると、表示制御CPU33aは、変動開始時に入力されて表示RAMに記憶された演出図柄左、右、中に基づいて、図柄表示装置61に演出図柄の停止を指示するようになっている。これにより、指定された演出図柄が停止して、図柄表示装置61に表示される。
また、変動パターン指定コマンドが入力されると、表示制御CPU33aは、表示ROMに記憶された複数種類の表示演出データのうちいずれか1つを設定(生成)して、設定した表示演出データを表示RAMの記憶領域に記憶させるようになっている。これにより、表示制御CPU33aは、変動パターン指定コマンドや表示演出データに基づいて表示制御を行うようになる。より詳しくは、表示制御CPU33aは、表示RAMに記憶されている表示演出データを図柄信号に変換し、図柄表示装置61に出力する。その結果、図柄表示装置61は、図柄信号に基づき所定の表示(図柄組み合わせゲームなど)を行うことができるようになる。
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態のパチンコ機10では、プリアンプ84a,84bが、音声合成LSI82からシリアル通信によって出力されたデジタル信号を音声信号(アナログ信号)に変換して出力する。このため、シリアル通信に対応しない仕様のパワーアンプ85a,85bであったとしても、パワーアンプ85a,85bによって音声信号を増幅することができる。その結果、パワーアンプ85a,85bの選択肢が広がるため、音質面を重視したパワーアンプ85a,85bを選定することができる。
(2)本実施形態の『アナログデジタル変換手段』がプリアンプ84a,84bであるため、アナログデジタル変換手段は、デジタル信号をアナログ変換する機能とは別の機能(プリアンプ84a,84b本来の機能)を持つようになる。具体的に言うと、プリアンプ84a,84bは、デジタル信号に含まれている高周波信号を除去して周波数特性を補正する高周波フィルタとしての機能を有している。よって、デジタル信号に含まれている高周波成分がスピーカ17a〜17cに出力されることを防止できるため、スピーカ17a〜17cの音質を向上させることができる。
(3)本実施形態では、音声信号の増幅をプリアンプ84a,84bに分担させているため、パワーアンプ85a,85bにかかる負担が低減され、パワーアンプ85a,85bの過度の発熱を防止することができる。ゆえに、発熱に起因したパワーアンプ85a,85bの不具合を防止できるため、パチンコ機10の信頼性が向上する。
(4)本実施形態では、音声合成LSI82とサブ統括CPU32aとが別のものとなっている。このため、音声合成LSI82を音声演出のための機能に特化させることができ、音声演出の高音質化を図りやすくなり、音声演出のバリエーションを増やすことができる。また、音声演出に関する処理を音声合成LSI82に分担させることができるため、サブ統括CPU32aにかかる負担を低減できる。さらに、音声演出の内容(楽曲、効果音)を変更する場合、音声データROM83を交換するだけで済む。
なお、上記実施形態を以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、プリアンプ84aとパワーアンプ85aとをつなぐ電気経路上(図4の点A参照)、または、プリアンプ84bとパワーアンプ85bとをつなぐ電気経路上に、電気経路から分岐した分岐経路(図示略)に接続される出力端子(図示略)を設けてもよい。このようにすれば、プリアンプ84a(またはプリアンプ84b)によってアナログ信号に変換された音声信号を、出力端子及び分岐経路を介して一般のオーディオ機器に接続することができる。このため、オーディオ機器から音声を出力させることができる。即ち、音声信号を、例えば新機種のプロモーションビデオを撮影する際や、デバッグを行う際などに利用することができる。
なお、出力端子を、パワーアンプ85a,85bと整流回路86a,86b,87とをつなぐ電気経路上に設けてもよい。しかし、この場合、出力端子から取り出される音声信号は、プリアンプ84a,84b及びパワーアンプ85a,85bによって増幅された信号となるため、音量が大きすぎてしまう。よって、出力端子は、プリアンプ84a,84bとパワーアンプ85a,85bとをつなぐ電気経路上に設けられることが好ましい。
・上記実施形態では、プリアンプ84a,84bによって増幅される音声信号の増幅率が2〜4倍程度に設定されていた。しかし、プリアンプ84a,84bによって増幅される音声信号の増幅率を適宜変更してもよい。例えば、プリアンプ84a,84bによって増幅される音声信号の増幅率を、大きくしてもよいし、小さくしてもよい。また、プリアンプ84a,84bによって増幅される音声信号の増幅率を、「1倍(即ち、音声信号が増幅されない状態)」に変更してもよい。よって、『デジタルアナログ変換手段』は、必ずしもプリアンプ84a,84bに限定される訳ではなく、例えば、従来周知のD/A変換器(Digital-to-Analog Converter )などのような音声信号を増幅しないものであってもよい。
・上記実施形態では、音生成回路81に2個のパワーアンプ85a,85b(2ch)が設けられ、パワーアンプ85a,85bによって3個のスピーカ17a〜17cが駆動されるようになっていた。しかし、パワーアンプの個数(及びチャンネル数)やスピーカの個数を適宜変更してもよい。例えば、パワーアンプ85b(及びプリアンプ84b)を省略するとともに、ウーハー用スピーカ17cを省略することにより、パワーアンプ及びスピーカの個数をそれぞれ1個に変更してもよい。また、パワーアンプ85bが、ウーハー用スピーカ17cを駆動させることに加えて、さらに別のスピーカを駆動させるようにすることにより、スピーカの個数を4個に変更してもよい。さらに、パワーアンプを、4ch、6chなどの多チャンネルタイプに変更することにより、パワーアンプ(及びプリアンプ)の個数を1個に変更してもよい。なお、パワーアンプの数(及びチャンネル数)やスピーカの数を多くすれば、スピーカの音質を追求しやすくなる。一方、パワーアンプの数(及びチャンネル数)やスピーカの数を少なくすれば、音生成回路81の構成、ひいてはパチンコ機10の構造を簡略化することができる。
次に、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)上記手段3において、前記音声合成LSIは、前記音声データを用いて生成された音声制御情報と、前記統括制御手段から出力された音声演出指定信号に基づいて生成された音量制御情報と、前記音声演出指定信号に基づいて生成され、今回の信号の送信先を指示する信号送信情報とに基づいて前記デジタル信号を合成し、前記デジタル信号に含まれる情報は、前記音声制御情報、前記音量制御情報、前記信号送信情報の順番で出力されることを特徴とする遊技機。
(2)上記手段3において、前記基板は、前記音声演出の種類を指示するとともに前記音声演出の開始を指示する音声演出指定信号に基づいて、前記音声出力手段による前記音声演出を実行させる音生成回路を備え、前記音生成回路は、前記音声データを記憶する音声データ記憶手段と、前記音声データ記憶手段に記憶された音声データに基づいて前記デジタル信号を合成する前記音声合成LSIと、前記デジタルアナログ変換手段と、前記パワーアンプとを備えることを特徴とする遊技機。