次に、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
なお、本実施形態では、遊技機の一例として、いわゆる第一種パチンコ機(以下、「パチンコ機」と略称する。)を例に挙げて説明する。但し、音響生成機能がある機種であれば、その他のパチンコ機(第二種、第三種等)やスロットマシン、シミュレーション装置、ゲーム装置等のアミューズメント装置であっても本発明を適用可能である。
(定義1)
本発明に係る語句について、以下のとおり定義する。
「限界音量」:音響として音響生成装置の発音手段、例えばスピーカから出力された場合に平均的な健常者が聞くことができる最低レベルの音量を意味する。「無音」(音量ゼロ)と「有音」(適正音量)とを区別するしきい値である。
「限界音量より小さい音量」:音量ゼロを含む他、音量設定はゼロではないが実質的に遊技者には聞こえない程度の音量も含むものとし、事実上、「無音」と考えられる音量である。
「不連続(再生)」:音響の再生を一時停止したり、再生位置とは異なる再生位置から再生したりすることをいう。
「再生位置」:ある音響を再生した場合の冒頭(先頭)からの経過時間をいい、音源データの読み出し位置とは異なる。一つの音響についての再生位置は冒頭に近い方が「前」、末尾に近い方が「後」とする。
「遅延」:所定の音響を再生する、あるチャネルにおける再生位置が他のチャネルにおける再生位置より前にあることをいう。
「先行」:所定の音響について、あるチャネルにおける再生位置が他のチャネルにおける再生位置より後にあることをいう。
「巻き戻し」:一つの音響について、ある再生位置からその再生位置よりも音響の冒頭に近い側の他の再生位置に移動することをいい、録音テープにおける「巻き戻し」に準えた称呼である。
「早送り」:一つの音響について、ある再生位置からその再生位置よりも音響の最後に近い側の他の再生位置に移動することをいい、録音テープにおける「早送り」に準えた称呼である。
(定義2)
本実施形態において用いる遊技機のための用語について、以下のとおりに定義する。
「遊技機」:ホールに設けられ、風適法(「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」の略)の適用を受ける、パチンコ型遊技機やスロットマシン型遊技機をいう。
「遊技球」:遊技機で使用される玉(パチンコ玉)(貸玉)のことをいい、カードリーダに所定のカードを読ませることにより、または、貸玉機に直接コインを投入することにより、提供されるものである。
「賞球」:入賞により払い出される遊技球のことをいう。
「入賞」:入賞口に遊技球が入ることをいう。
「入賞口」:遊技球が入ることにより賞球を払い出すように設定されたものをいい、本実施形態では、一般入賞口111、大入賞口113に相当する。
「始動入賞口」:遊技球が入ることにより抽選を開始するように設定されたものをいい、「チャッカー」ともいう。本実施形態では、始動入賞口112に相当する。
「大入賞口」:大当たりの結果、開放される電動役物をいい、「アタッカー」ともいう。本実施形態では、大入賞口113が相当している。
「抽選」:始動入賞口に遊技球が入賞したことを契機として、予め定められた確率で「大当たり」または「ハズレ」の抽選結果を出力することをいう。
「大当たり」:抽選の結果、特別遊技に移行することをいう。
「リーチ」:あと一つの条件が揃えば「大当たり」となることをいう。例えば、「装飾図柄」においてあと一つ数字が揃えば「大当たり」となる図柄が表示される。
「通常遊技」:「大当たり」となる前までに行われる遊技をいう。
「特別遊技」:遊技者にとって有利な遊技状態をいう。
「特別図柄」:抽選結果を表示するための図柄をいい、「大当たり」か「ハズレ」かが表示される。
「装飾図柄」:抽選結果を遊技者にインパクトのある画像で提示するための図柄であり、「特別図柄」により表示される「大当たり」か「ハズレ」かの抽選結果に対応している。通常、装飾図柄は、数字や記号等の図柄で表される。個々の数字または記号等の図柄を、単に「装飾図柄」という。また遊技機では、一連の装飾図柄(例えば「0」〜「9」の10個の数字)のまとまりが、一体として移動表示される。この一まとまりの「装飾図柄」を「一連の装飾図柄」という。遊技機では、この「一連の装飾図柄」のうち一つの装飾図柄が選択される。この選択された装飾図柄が複数個組合せて表示されることで、「当たり」や「ハズレ」を表示する。この複数の選択された装飾図柄の組合せによって表現される装飾図柄の組合せを、「装飾図柄の組合せ」という。
「普通図柄」:始動入賞口を有する普通電動役物(いわゆる電動チューリップ)に遊技球が入賞しやすい状態か否かを示す図柄である。
「変動表示」:抽選を実施している間に装飾図柄を移動させながら表示することをいう。
「保留数」:遊技球が入賞口に入った累積数をいい、入賞したことによる抽選の待ち数である。通常上限数が定められる。
「確変モード」:確率変動モードのことで、通常遊技よりも「大当たり」になる確率が高くなる状態を形成するようにするモードである。
「時短モード」:所定期間または所定回の単位遊技が実行される期間、「特別図柄」及び「普通図柄」の変動時間が短縮されるモードをいう。
(パチンコ機の構造)
図1は、本実施形態のパチンコ機の外観構成の一例を示す正面図である。
図1において、パチンコ機(遊技機)100は、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)と、遊技盤を支持固定する遊技機枠とを備えて構成される。
遊技盤には、複数の釘101、風車102a、102b、普通図柄作動ゲート103、普通電動役物104、センター飾り部品105、特別図柄表示装置106、演出表示装置107、普通図柄表示装置108、外レール110、及び内レール109などが遊技部品として設けられている。また、遊技盤には、一般入賞口111、始動入賞口112、大入賞口113、及びアウト口114が形成されている。
内レール109と外レール110は、発射された遊技球を、遊技領域115へ案内するためのものである。
釘101や、風車102a、102bは、遊技領域115の所定の位置に設けられている。例えば、遊技領域115に入って、図1の上から下に向けて移動する遊技球の動きを不規則にしたり、一般入賞口111、始動入賞口112、及び大入賞口113への遊技球の入賞や、普通図柄作動ゲート103への遊技球の通過頻度を調整したりする。
特別図柄表示装置106は、内レール109の側方に設けられており、例えば、特別図柄を表示する7セグメントLED116と、遊技球の始動入賞口112への入賞数を表示する4つのLED117とを備えて構成されている。
本実施形態では、遊技球の始動入賞口112への入賞に基づいて、7セグメントLED116を発光させて、「大当たり」に対応する特別図柄である「3」及び「7」と、「ハズレ」に対応する特別図柄である「−」とを変動表示させた後に、前記抽選の結果に基づいて、これら3種類の特別図柄のうちの1つを停止表示させるようにしている。
4つのLED117は、遊技球の始動入賞口112への入賞に基づく抽選結果の保留数を表示するためのもので、始動入賞口112に遊技球が入賞する度に順次発光し、また、特別図柄の変動表示を開始する際に順次消灯する。すなわち、前記保留数の上限値に対応する4つのLED117の発光数により、遊技球の始動入賞口112への入賞に基づく抽選結果の現在の保留数を遊技者に報知する。本実施形態では、遊技球の始動入賞口112への入賞に基づく抽選結果の保留数の上限値を4つとしている。そして、この保留数が4つである場合に始動入賞口112に遊技球が入賞した場合には、その遊技球の入賞に基づく抽選を行わずに、始動入賞口112への入賞に対応する数の賞球のみを行うようにしている。
演出表示装置107は、装飾図柄を含む画像を表示するための表示装置であって、遊技者に視認されやすいように、遊技領域115のほぼ中央位置に設けられており、種々の演出に関わる表示をするための液晶表示装置を備えて構成されている。
表示画面118は、演出表示装置107に設けられた液晶表示装置で遊技者に画像が視認可能に提供される領域である。表示画面118には、一揃いの装飾図柄が表示されるようになっている。一揃いの装飾図柄としては、文字及び記号として、例えば「0」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、「8」、「9」、「A」、「B」、「C」、「D」、「E」、「F」がある。装飾図柄の変動期間中には、各々の装飾図柄が、遊技機の定めた順番で、入れ替わり表示される。装飾図柄の変動期間の終了時には、装飾図柄として「0」〜「9」、及び「A」〜「F」のいずれか一つずつが停止表示される。これら3つの装飾図柄の組合せで「大当たり」か「ハズレ」かが示される。一方、前記抽選の結果が「ハズレ」である場合は、「大当たり」に相当する特定の装飾図柄の組合せ以外の装飾図柄を停止表示される。
なお、演出表示装置107は、画像部品や装飾図柄だけでなく、リーチ状態への移行後の「リーチ」演出において、「大当たり」の期待感を遊技者に与えるようにするためのオブジェクト(キャラクタ)画像なども装飾図柄の背景画像として表示する。また、スピーカ133からは、これら抽選の結果に応じた音響が送出される。
また、演出表示装置107は、遊技球の始動入賞口112への入賞数を表示し、始動入賞口112への現在の入賞数を遊技者に報知するようにしてもよい。
演出表示装置107の下方には、普通電動役物104が設けられている。この普通電動役物104は、始動入賞口112へ遊技球を案内するために開閉動作する。
この普通電動役物104の下方には、大入賞口113が形成されている。この大入賞口113は、「大当たり」となり、特別遊技に移行した場合に、大入賞口扉120が倒伏して開放される。本実施形態では、特別遊技において、最大15回の単位遊技が実行されるようにしている。具体的に説明すると、単位遊技を行っている最中に、大入賞口113に形成されている特定領域(いわゆるVゾーン)121を、遊技球が通過すると、次の単位遊技に移行することが可能になるようにして、最大15回の単位遊技が実行されるようにしている。なお、本実施形態では、大入賞口113に特定領域121を形成するようにしたが、必ずしも特定領域121を形成する必要はない。この場合には、特別遊技に移行すると、15回の単位遊技を実行することが保証されることになる。
センター飾り部品105は、半透明の部分を含む成形品であり、演出表示装置107の周囲に設けられている。このセンター飾り部品105は、演出表示装置107を保護したり、パチンコ機100を装飾したりするなどの役割を果たす。また、図1に示したパチンコ機100においては、センター飾り部品105の上部に形成されたスルー部105aに入った遊技球が、センター飾り部品105内を経由して、センター飾り部品105の下部に形成されたステージ105bまで移動するような流路が形成されるようにしている。
普通図柄作動ゲート103は、普通電動役物104と内レール109との間に設けられており、例えば、普通図柄作動ゲート103内を遊技球が上から下へ向けて通過することが可能なように構成されている。
普通図柄表示装置108は、普通電動役物104を介して普通図柄作動ゲート103と対向する位置に設けられており、例えば、普通図柄を表示する7セグメントLED122と、遊技球の普通図柄作動ゲート103への通過数を表示する4つのLED123とを備えて構成されている。普通図柄は、遊技球の普通図柄作動ゲート103への通過を契機として行われる抽選の結果に応じて、普通電動役物104を開放させるか否かを示すための図柄である。
普通図柄表示装置108は、遊技球の普通図柄作動ゲート103への通過に基づいて、7セグメントLED122を発光させて、普通図柄として例えば「7」及び「−」を交互に変動表示させた後に、「7」又は「−」の何れかを停止表示させる。そして、「7」が停止表示された場合に、「当たり」とし、普通電動役物104を開放させる。一方、「−」が停止表示された場合には、「ハズレ」とし、普通電動役物104を開放させない。
また、4つのLED123は、遊技球の普通図柄作動ゲート103への通過数を表示するもので、普通図柄作動ゲート103を遊技球が通過する度に順次発光し、また、普通図柄の変動表示を開始する際に順次消灯する。すなわち、4つのLED123の発光数により、普通図柄作動ゲート103の通過数を遊技者に報知する。
一般入賞口111は、普通図柄作動ゲート103と、内レール109との間に設けられており、この一般入賞口111に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が払い出される。
アウト口114は、遊技領域115の最下部に設けられており、始動入賞口112、一般入賞口111、及び大入賞口113の何れにも入賞しなかった遊技球を回収する。なお、回収された遊技球は、パチンコ機100の外部に放出される。
遊技機枠は、外枠124、前枠125、透明板126、扉127、及び球皿ユニット128を備えている。
外枠124は、開口部分を有し、パチンコ機100を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠125は、外枠124の開口部分に整合する枠体であり、ヒンジ機構などにより、外枠124へ開閉自在となるように取り付けられる。
前枠125は、遊技球を発射させるための機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構や、遊技球を誘導又は回収するための機構などを有する。さらに、前枠125の周縁部には、遊技の状態に応じて点灯する遊技効果ランプなどの電飾部品130a〜130dが設けられている。
透明板126は、遊技盤を保護するためのものであり、例えば透明なガラス板である。遊技者は、この透明板126を介して、遊技盤の遊技領域115を透視しながら遊技を行う。
扉127は、透明板126を支持するためのものであり、ヒンジ機構などにより、前枠125へ開閉自在となるように取り付けられる。
球皿ユニット128は、前枠125の下方に設けられており、遊技球(貸球及び賞球)を一定量貯留する球皿128a、遊技球を貯留するための機構、前記遊技球を発射させるための機構に遊技球を送り出すための機構、貯留中の遊技球を出球収容箱(いわゆるドル箱)に抜き出すための球抜き機構、発射ハンドル131、及び操作スイッチ132などを有する。
なお、本実施形態のパチンコ機100では、前記球抜き機構として、押しボタン式のものを採用している。具体的に説明すると、弾抜きボタン128bが遊技者により押されると、球皿128aの底面の一部が開口し、球皿128aに貯留中の遊技球が外部に放出されるようにしている。
発射ハンドル131は、遊技球を遊技領域115に向けて発射させる際に遊技者により操作される。遊技者が発射ハンドル131を回動操作すると、回動角度に応じた速度で、遊技球が、内レール109及びハズレル110により案内されて遊技領域115に向けて発射される。
操作スイッチ132は、遊技者により操作されるものであり、その操作内容を反映させて遊技の演出を変更することが可能になっている。本実施形態では、操作スイッチ132はプッシュボタンと十字キー(図示せず)とを含んで構成されている。
また、球抜き機構128bの両側方には、効果音を再生出力するスピーカ133(実際にはステレオ音響の左右のスピーカ133L及び133R)が設けられている。
(遊技の概要)
次に、パチンコ機100における遊技の概要について説明する。
(通常遊技)
まず、通常遊技について説明する。通常遊技では、通常遊技のために用意された画像演出が表示され、それに対応する音響演出が送出される。
貸し出された遊技球が球皿128aに置かれた状態で、遊技者が、発射ハンドル131を、図1に向かって時計回りの方向に回すと、遊技球が、遊技領域115に向けて発射される。遊技領域115に入った遊技球は、遊技領域115に形成されている釘101や風車102などにぶつかって、不規則な動きをしながら、遊技領域115内を上から下に向けて移動する。
遊技開始時、演出表示装置107の表示画面118には、装飾図柄は表示されておらず、背景画像、及び背景画像上を所定のキャラクタ(オブジェクト)が動き回るような画像や、この遊技機のテーマを示す文字情報が表示されている。
そして、遊技球が、始動入賞口112に入賞すると、所定数の賞球(本実施形態では4個の賞球)が球皿128aに払い出されるとともに、特別図柄表示装置106において図柄の変動表示が開始される。また、該入賞に基づき抽選が開始される。そして抽選の開始に対応させて、表示画面118に装飾図柄が表示され、変動表示を開始する。装飾図柄の変動表示に対応させて、演出表示装置107には所定の通常遊技のための演出内容に対応する画像が表示され、スピーカ133からはその演出内容に対応した音響が送出される。
当該入賞に基づき実行される抽選の結果が「ハズレ」である場合、特別図柄表示装置106に「ハズレ」に相当する所定の特別図柄が停止して表示される。そして、表示画面118には、必要に応じて「リーチ」演出が実行され、本停止において「ハズレ」に相当する所定の装飾画像の組合せが表示され、その後、待機モードに移行する。
一方、当該入賞に基づき実行される抽選の結果が「大当たり」である場合、リーチ演出を実行した後、本停止において特別図柄表示装置106に「大当たり」に相当する所定の特別図柄が停止表示される。そして、表示画面118には、「大当たり」に相当する所定の装飾図柄の組合せが表示され、その後、特別遊技に移行する。特別図柄の停止と、装飾図柄の本停止とは、タイミングが一致するようになっている。
(特別遊技)
特別遊技が実行される場合、通常遊技のための画像演出は中断され、通常遊技のための音響演出は一時停止され、演出表示装置107には特別遊技のための演出内容に対応する画像が表示され、スピーカからはその演出内容に対応した音響が送出される。
特別遊技では、大入賞口扉120が倒伏して、大入賞口113が開放される。この開放された大入賞口113に遊技球が入賞する度に、所定数の賞球(本実施形態では15個の賞球)が払い出される。そして、本実施形態では、大入賞口113が29.5秒開放されるか、又は大入賞口113に特定個数の遊技球が入賞するかの何れかの状態になると、大入賞口扉120が起立して、大入賞口113が閉鎖される。
なお、以下の説明では、前記特定個数が10個の場合、すなわち、大入賞口113が29.5秒開放されるか、又は大入賞口113に10個の遊技球が入賞するかの何れかの状態になると、大入賞口扉120を起立させるようにする場合を例に挙げて説明する。
入賞口113が開放されている間に、大入賞口113内に形成されている特定領域(いわゆるVゾーン)121に遊技球が通過した場合には、大入賞口113が再度開放される。本実施形態では、このような大入賞口113の開閉動作が最大15回行われるようにしている。すなわち、前述したように、特別遊技においては、大入賞口113の開放/閉鎖をセットとする単位遊技が最大15回行われるようにしている。
このように、特別遊技が実行されると、短期間で多量の賞球が払い出され、遊技者に大きなメリットを与えることができる。
また、遊技球が、普通図柄作動ゲート103を通過すると、普通図柄表示装置108(7セグメントLED122)が普通図柄の変動表示を開始する。その後、普通図柄表示装置108に所定の普通図柄(本実施形態では「7」)が停止表示すると、普通電動役物104が開閉動作を行う。普通電動役物104が開放されると、始動入賞口112の上方にある釘(いわゆる命釘)の間を通過しなくても、遊技球が始動入賞口112に入賞することが可能になる。
また、始動入賞口112への入賞に基づき実行される抽選の結果に応じて、特別遊技の実行後に、「確変モード」又は「時短モード」の何れかのモードに移行するようにしている。「確変モード」に移行する場合は、特別図柄表示装置106は、特別図柄として「7」を表示し、演出表示装置107は、「確変モード」に移行することを示す演出を実行して、遊技者に報知する。また、「時短モード」に移行する場合は、特別図柄表示装置106は、特別図柄として「3」を表示し、演出表示装置107は、「時短モード」に移行することを示す演出を実行して、遊技者に報知する。
以上のように、特別遊技の実行後に「確変モード」に移行した場合には、次の特別遊技が開始するまで、持ち球を可及的に減らさないようにすることができる。また、「時短モード」に移行した場合でも、特別遊技の実行後、暫くの間は、持ち球を可及的に減らさないようにすることができる。
なお、遊技球が、一般入賞口111に入賞すると、所定数の賞球(本実施形態では4個の賞球)が球皿128aに払い出される。また、遊技球が何れの入賞口にも入賞しなかった場合には、遊技球は、アウト口114に流入する。
(システム構成の説明)
次に、パチンコ機100の内部構成等のシステム構成について説明する。
図2は、パチンコ機100のシステム構成の一例を示すブロック図である。
パチンコ機100の筐体内部には、メイン制御基板201、並びにこのメイン制御基板201に接続されたサブ制御基板202、入賞口基板203、LED駆動基板204、発射制御基板205、払出制御基板206、受電基板207、及び電飾基板208などが配置されている。
(メイン制御基板201)
メイン制御基板201には、メインCPU201a、ROM201b、RAM201c、及びインタフェース回路(I/F回路)201dが設けられており、これらはバス201eを介して互いに接続されている。
メインCPU201aは、プログラムを構成する命令の読み出し(フェッチ)、解釈(デコード)及び実行を行う。そして、メインCPU201aは、ROM201bに記憶されているプログラム及びデータなどを読み出し、これらに基づいてパチンコ機100全体の制御を行う。
ROM201bには、メインCPU201aが、抽選に関するメイン制御処理、及びその他の遊技の制御を行うのに必要なプログラム及びデータなどが記憶されている。また、RAM201cは、メインCPU201aが各種の制御を行うときのワークエリアなどとして用いられ、データなどを一時的に記憶する。
I/F回路201dは、メイン制御基板201と、サブ制御基板202、入賞口基板203、LED駆動基板204、発射制御基板205、及び払出制御基板206との間で行われる信号の送受信の際に、タイミングの制御等を行う。ただし、メイン制御基板201とサブ制御基板202との間では、メイン制御基板201からサブ制御基板202への信号の送信は行われるが、サブ制御基板202からメイン制御基板201への信号の送信は行われない。すなわち、一方向の送信のみが可能となっている。
また、I/F回路201dは、パチンコ機100の筐体内部に配置されている電源装置209から、受電基板207を介して所定の電力の供給を受ける。この電力によりメイン制御基板201は後述する各種の処理を行うことが可能になる。
(サブ制御基板202)
サブ制御基板202は、本発明に係る機能を実現するものであり、サブCPU202a、ROM202b、RAM202c、画像音響プロセッサ202d、画像データROM202e、ビデオRAM202f、音源回路202g、アンプ202h、及びインタフェース回路(I/F回路)202iが設けられている。サブCPU202a、ROM202b、RAM202c、画像音響プロセッサ202d、及びI/F回路202iは、バス202jを介して互いに接続されている。また、音源回路202g、画像データROM202e及びビデオRAM202fは、画像音響プロセッサ202dに接続されており、音源データROM202k及びアンプ202hは、音源回路202gに接続されている。さらに、I/F回路202iには、電飾基板208が接続されている。
サブCPU202aは、プログラムを構成する命令の読み出し(フェッチ)、解釈(デコード)及び実行を行う。そして、サブCPU202aは、ROM202bに記憶されているプログラム及びデータ等を読み出し、サブ制御基板202全体の制御、特に遊技者に対する演出の制御を行う。
ROM202bには、サブCPU202aが、画像音響制御処理、及びその他の遊技中の演出を実行するのに必要なプログラム及びデータなどが記憶されている。また、RAM202cは、サブCPU202aが各種の制御を行うときのワークエリアなどとして用いられ、データなどを一時的に記憶する。
なお、ROM202b及びRAM202cとしては、それぞれメイン制御基板201に設けられたROM201b及びRAM201cと同一のものを用いてもよいが、これらよりも容量の大きいものを用いてもよい。
演出表示装置107は、液晶表示装置を備えて構成され、画像音響プロセッサ202dに接続されている。演出表示装置107によって表示画面118に装飾図柄および背景画像が表示されるようになっている。
画像データROM202eには、これら装飾図柄および背景画像を構成するオブジェクト(キャラクタ)、文字などの画像データが記憶されている。
ビデオRAM202fは、演出表示装置107に表示しようとする画像を、画像音響プロセッサ202dが作成するときに用いられるメモリである。このビデオRAM202fは、複数のフレーム画像データを記憶可能となっている。個々のフレーム画像データを記憶する領域が記憶レイヤである。
なお、表示画面118は、液晶表示装置の代わりに、例えばプラズマディスプレイなどを用いて演出表示装置107を構成するようにしてもよいということは言うまでもない。
音源回路202gは、遊技の演出に応じた音響信号を生成するための音源IC(いわゆるサウンドチップ)であり、アンプ202hに音響信号を出力可能に接続されている。音源回路202gで生成された音響信号は、アンプ202hで増幅され、スピーカ133から出力される。音源回路202gは、音源技術に基づく音響再生が可能になっている場合には、FIFO、シーケンサ、音源部、ADC等により構成され、音声合成技術により音響再生が可能になっている場合には、FIFO、圧縮データデコーダ、DAC等により構成される。
音源回路202gは、少なくとも複数のチャネル(例えば、8チャネルや16チャネル)を有し、同一または異なる複数の音響を同時に、かつ、独立して生成し、合成した音響信号を生成可能になっている。音源回路202gにおいて採用可能な音源には限定が無く、波形メモリの容量に応じて適宜選択可能である。例えば、パルス符号変調技術を用いたPCM(Pulse Code Modulation)音源、複数の基本波形を合成して音色を作りエンベーロープを加工するPSG(Programmable Sound Generator)音源、周波数変調を応用する音色合成方式であるFM(Frequency Modulation)音源、LA(Linear Arithmetic)音源、消費メモリが少ない波形メモリ音源等が適用可能である。また、MIDI(Musical Instrument Digital Interface:電子楽器ディジタルインタフェース)音源方式に基づき音響信号を再生可能に構成されていてもよい。
特に本実施形態において、音源回路202gは、一つの音響(音源データ)を読み取って音響の再生を開始させる他、一時停止の指示により音響の中断をすることが可能に構成されている。また、音源回路202gは、一時停止の解除により、その一時停止位置からの音響生成の再開を指示可能になっている。但し、音響(音源データ)の任意の位置(音響の冒頭からの経過時間等)を指定して再生指示をすることはできなくてもよいものとする。本発明の音響生成により音響の不連続再生が可能だからである。
さらに、演出用周辺機器として、遊技の状態に応じて点灯又は消灯する電飾部品130が設けられている。電飾部品130としては、例えば、リーチ状態が形成された場合に点灯する電飾部品(LED)、特別遊技の実行中に点灯する電飾部品(LED)、賞球時に点灯する電飾部品(LED)などが挙げられる。なお、これらの演出用周辺機器は、遊技に直接関係しない周辺機器であって、遊技中の演出の出力を行うものであり、サブ制御基板202によってのみ制御され、メイン制御基板201によっては制御されない。
I/F回路202iは、メイン制御基板201からの信号の受信の際に、タイミングの制御などを行う。また、I/F回路202iは、操作スイッチ132の操作を検出し、その検出信号をサブCPU202aに送信する。これにより、サブCPU202aは、操作スイッチ132の操作内容を認識する。I/F回路202iは、パチンコ機100の筐体内部に配置されている電源装置209から、受電基板207を介して所定の電力の供給を受ける。この電力によりサブ制御基板202は後述する各種の処理を行うことが可能になる。
(電飾基板208)
電飾基板208には、前述した電飾部品130が接続されており、パチンコ機100の筐体内部に配置されている電源装置209から供給された電力を、電飾部品に出力する。これにより、電飾部品130は、点灯又は消灯を行う。電極基板208には、I/F回路202i経由で、遊技状態に応じた制御信号が供給されている。
(入賞口基板203)
入賞口基板203には、始動入賞口112への遊技球の入賞を検出する始動入賞口スイッチ210と、普通図柄作動ゲート103への遊技球の通過を検出する普通図柄作動ゲートスイッチ211と、一般入賞口111への遊技球の入賞を検出する一般入賞口スイッチ212と、大入賞口113への遊技球の入賞を検出する大入賞口スイッチ213と、大入賞口113内に形成されている特定領域121への遊技球の通過を検出する特定領域検出スイッチ214とが接続されている。
入賞口基板203は、これら始動入賞口スイッチ210、普通図柄作動ゲートスイッチ211、一般入賞口スイッチ212、大入賞口スイッチ213、及び特定領域検出スイッチ214から送信された信号に基づいて、遊技球がどの領域を通過したのかを識別し、識別した結果を示す遊技球通過信号をメイン制御基板201に送信する。さらに、入賞口基板203には、普通電動役物104を開放させるための普通電動役物ソレノイド215と、大入賞口113を開放させるための大入賞口ソレノイド216と、大入賞口113内での遊技球の動きを制御するための特定領域ソレノイド217とが接続されている。具体的に、特定領域ソレノイド217は、特定領域検出スイッチ214により特定領域121への遊技球の通過が検出されるまでは特定領域への遊技球の通過が容易になる状態にし、特定領域121への遊技球の通過が検出されると特定領域121への遊技球の通過が容易になる状態を解除する。入賞口基板203は、後述するようにしてメイン制御基板201から普通電動役物開放指示信号を入力すると、普通電動役物104を駆動させるための電流を普通電動役物ソレノイド215に出力する。これにより、普通電動役物104が開閉動作を行う。
また、入賞口基板203は、メイン制御基板201から大入賞口開放指示信号を入力すると、大入賞口扉120を駆動させるための電流を大入賞口ソレノイド216に出力する。これにより、大入賞口扉120が倒伏し、大入賞口113が開放される。一方、メイン制御基板201から大入賞口閉鎖指示信号を入力すると、大入賞口扉120を駆動させるための電流の出力を中止する。これにより、大入賞口扉120が起立し、大入賞口113が閉鎖される。さらに、特定領域121に遊技球が通過することにより、特別遊技が次の単位遊技に移行することが確定し、メイン制御基板201から特定領域制御指示信号を入力すると、入賞口基板203は、特定領域121への遊技球の通過が容易になる状態を解除するための電流を特定領域ソレノイド217に出力する。なお、前述したように、本実施形態では、一回の特別遊技において、最大15回の単位遊技が継続するようにしている。
(LED駆動基板204)
LED駆動基板204には、特別図柄表示装置106及び普通図柄表示装置108が接続されている。LED駆動基板204は、後述するようにしてメイン制御基板201から特別図柄表示指示信号を入力すると、その特別図柄表示指示信号に基づいて、特別図柄表示装置106に配設されている7セグメントLED116や、入賞数を表示する4つのLED117を発光させる。また、LED駆動基板204は、メイン制御基板201から普通図柄表示指示信号を入力すると、その普通図柄表示指示信号に基づいて、普通図柄表示装置108に配設されている7セグメントLED122や、ゲート通過数を表示する4つのLED123を発光させる。
(発射制御基板205)
発射制御基板205には、遊技球を遊技領域115中に発射するための発射ハンドル131に接続されている。
発射制御基板205は、発射ハンドル131が遊技者により操作されたことを検出し、検出した結果を示す発射操作検出信号をメイン制御基板201に送信する。これにより、メイン制御基板201は、発射ハンドル131が操作されたことを認識する。そして、メイン制御基板201は、球皿128aに遊技球が一定量以上貯留していない場合に発射許可信号を発射制御基板205に送信する。そうすると、発射制御基板205は、遊技球が遊技領域115に向けて発射されるように発射ハンドル131を制御する。
一方、球皿128aに遊技球が一定量以上貯留している場合には、メイン制御基板201は、発射不許可信号を発射制御基板205に送信する。これにより、発射制御基板205は、遊技球が遊技領域115に向けて発射されないように発射ハンドル131を制御する。
(払出制御基板206)
払出制御基板206は、後述するようにしてメイン制御基板201から送信された賞球数信号を受信すると、その賞球数信号に応じた数の賞球(遊技球)が球皿128aに払い出されるように、パチンコ機100の内部に配設されている払出装置218を制御する。これにより、払出装置218は、入賞に応じた賞球(遊技球)を払い出す。
なお、入賞口基板203、LED駆動基板204、発射制御基板205、及び払出制御基板206は、受電基板207を介して電源装置209から供給された電力に基づいて動作する。
(受電基板207)
受電基板207は、パチンコ機100の内部に配置されている電源スイッチ219がオンされると、電源装置209から電力の供給を受け、その電力を、前述したように、メイン制御基板201、サブ制御基板202、入賞口基板203、LED駆動基板204、発射制御基板205、払出制御基板206、及び装飾基板208に分配する。
(メイン制御基板201の機能的な構成)
次に、メイン制御基板201の機能的な構成について説明する。
図3は、メイン制御基板201の機能的な構成の一例を示す機能ブロック図である。このメイン制御基板201は、抽選結果に基づきサブ制御基板202が演出内容を変更するようになっている。
(入賞判定部301)
入賞判定部301は、入賞口基板203から送信された前記遊技球通過信号に基づいて、遊技球が何れの領域を通過したのかを判定する。具体的に説明すると、入賞判定部301は、前記遊技球通過信号に基づいて、遊技球が、始動入賞口112、普通図柄作動ゲート103、一般入賞口111、大入賞口113、及び特定領域121の何れを通過したのかを判定する。
なお、入賞判定部301は、メイン制御基板201に設けられているメインCPU201a及びROM201bを用いることにより実現される。
(払出指示部303)
払出指示部303は、入賞判定部301により判定された結果に基づいて、賞球数を示す前記賞球数信号を払出制御基板206に送信する。具体的に説明すると、本実施形態では、遊技球が始動入賞口112を通過したと(遊技球が始動入賞口112へ入賞したと)入賞判定部301が判定すると、払出指示部303は、賞球数が「4」であることを示す前記賞球数信号を払出制御基板206に送信するようにしている。また、遊技球が一般入賞口111を通過したと入賞判定部301が判定すると、払出指示部303は、賞球数が「4」であることを示す前記賞球数信号を払出制御基板206に送信する。さらに、遊技球が大入賞口113を通過したと入賞判定部301が判定すると、払出指示部303は、賞球数が「15」であることを示す前記賞球数信号を払出制御基板206に送信する。これにより、払出制御基板206は、前記賞球数信号に示されている賞球数に応じた払い出しがなされるように、払出装置218を制御する。
なお、払出指示部303は、メイン制御基板201に設けられているメインCPU201a及びROM201bを用いることにより実現される。
(特別図柄抽選部304)
特別図柄抽選部304は、遊技球が始動入賞口112へ入賞したと、入賞判定部301が判定すると、例えば「0」〜「65535」まで範囲の乱数を発生して取得する。そして、例えばRAM202c内の特別図柄用乱数記憶領域に、乱数が一つも記憶されていない場合には、その取得した乱数を、当選判定部305に出力する。一方、前記特別図柄用乱数記憶領域に、乱数が記憶されている場合には、取得した乱数を、前記特別図柄用乱数記憶領域に記憶させる。本実施形態では、この特別図柄抽選部304で取得した乱数を、前記特別図柄用乱数記憶領域に、最大4個まで記憶でき、且つこの乱数の記憶順が識別できるようにしている。そして、特別図柄抽選部304は、前記特別図柄用乱数記憶領域に最も早く記憶された乱数を、当選判定部305に出力するとともに、出力した乱数を前記特別図柄用乱数記憶領域から削除する。
なお、特別図柄抽選部304は、メイン制御基板201に設けられているメインCPU201a、ROM201b、及びRAM202cを用いることにより実現される。
(当選判定部305)
当選判定部305は、特別図柄抽選部304により出力された乱数の値に基づいて、特別図柄抽選部304から出力された乱数が「大当たり」又は「ハズレ」の何れに該当するのかを判定する。さらに、「大当たり」に該当する場合には、その「大当たり」後に、「確変モード」又は「時短モード」の何れに移行するかを判定する。これらの判定は、例えば、抽選テーブルを用いて行うようにする。そして、「大当たり」に該当する場合には、フラグ記憶部302に記憶されているボーナスフラグをオンする。また、「確変モード」に該当する場合には、フラグ記憶部302に記憶されている確変フラグをオンする。一方、「時短モード」に該当する場合には、フラグ記憶部302に記憶されている時短フラグをオンする。本実施形態では、「確変モード」に移行している場合と、その他の場合(「時短モード」に移行している場合、及び通常遊技を行っている場合)とで異なる抽選テーブルを用いて、前述した「大当たり」又は「ハズレ」の何れに該当するのかの判定を行うようにしている。
具体的に説明すると、本実施形態では、「確変モード」に移行している場合に使用する確変用抽選テーブルと、「時短モード」に移行している場合、及び通常遊技を行っている場合に使用する通常用抽選テーブルとの2つの抽選テーブルが設けられている。そして、「確変モード」に移行している場合の方が、「時短モード」に移行している場合、及び通常遊技を行っている場合よりも、「大当たり」になる確率が高くなるように、前記2つの抽選テーブルの内容が設定されている。
なお、当選判定部305は、メイン制御基板201に設けられているメインCPU201a及びROM201bを用いることにより実現される。
(特別図柄表示指示部306)
特別図柄表示指示部306は、フラグ記憶部302に記憶されているフラグの状態に基づいて、特別図柄表示装置106における特別図柄変動表示時間を決定するとともに、当選判定部305により判定された結果に基づいて、特別図柄表示装置106に停止表示させる特別図柄を決定する。本実施形態では、確変フラグ又は時短フラグがオンされている場合の方が(前記「確変モード」又は「時短モード」に移行している場合の方が)、そうでない場合よりも(前記「通常遊技」を行っている場合よりも)、特別図柄変動表示時間を格段に短くするようにしている。
また本実施形態では、「大当たり」に該当し、「確変モード」に移行する場合には、「7」を特別図柄表示装置106に停止表示させる特別図柄として決定する。一方、「大当たり」に該当し、「時短モード」に移行する場合には、「3」を特別図柄表示装置106に停止表示させる特別図柄として決定する。また、「ハズレ」に該当した場合には、「−」を特別図柄表示装置106に停止表示させる特別図柄として決定する。そして、特別図柄表示指示部306は、このようにして決定した停止図柄や、特別図柄変動表示時間などに基づいて表示パターンを形成し、この表示パターンを示す前記特別図柄表示指示信号をLED駆動基盤204に送信する。これにより、特別図柄表示装置106の7セグメントLED116は、前記特別図柄表示指示信号に示されている表示パターンに従った発光動作を行う。
なお、特別図柄表示指示部306は、メイン制御基板201に設けられているメインCPU201a及びROM201bを用いることにより実現される。
(大入賞口開放指示部307)
大入賞口開放指示部307は、当選判定部305により、特別図柄抽選部304による抽選の結果が「大当たり」に該当すると判定され、フラグ記憶部302内のボーナスフラグがオンされると、入賞口基板203に、前記大入賞口開放指示信号を送信する。これにより、大入賞口113が開放する。その後、入賞判定部301における判定の結果に基づいて、遊技球が大入賞口113内に形成されている特定領域121を通過したと判断すると、大入賞口開放指示部307は、前記特定領域制御指示信号を入賞口基板203に送信する。これにより、特定領域121への遊技球の通過が容易になる状態を解除される。
その後、例えば10個の遊技球が大入賞口113を通過したと判断するか、又は大入賞口113が開放されてから29.5秒が経過したと判断すると、大入賞口開放指示部307は、入賞口基板203に大入賞口閉鎖信号を送信する。これにより、大入賞口113が閉鎖される。
大入賞口開放指示部307は、以上のようにして大入賞口113が閉鎖されると、大入賞口113を開放していた最中に、特定領域121への遊技球の通過が容易になる状態を解除したか否かを判定する。この判定の結果、特定領域121への遊技球の通過が容易になる状態を解除した場合には、大入賞口開放指示部307は、大入賞口113が15回開放されたか否かを判定する。すなわち、15回の単位遊技が消化したか否かを判定する。これらの判定の結果、特定領域121への遊技球の通過が容易になる状態が解除され、且つ特別遊技における全ての単位遊技が消化していない場合には、大入賞口開放指示部307は、前記大入賞口開放指示信号を入賞口基板203に送信して、次の単位遊技に移行させ、前述したようにして大入賞口113を開閉させるための動作を全ての単位遊技が消化するまで繰り返し行う。
一方、特別遊技の全てのラウンドが消化した場合には、特別遊技が終了したので、大入賞口113を開放させない。また、大入賞口113が開放されている間に、特定領域121に遊技球が通過しなかった場合には、いわゆる「パンク」状態であり、特別遊技における全ての単位遊技が消化したか否かに関わらず、特別遊技を強制的に終了させる。したがって、この場合も大入賞口113を開放させない。
なお、大入賞口開放指示部307は、メイン制御基板201に設けられているメインCPU201a及びROM201bを用いることにより実現される。
(普通図柄抽選部309)
普通図柄抽選部309は、遊技球が普通図柄作動ゲート103を通過したと、入賞判定部301が判定すると、所定の範囲の乱数を発生させて取得する。そして、普通図柄表示装置108に普通図柄が変動表示中でない場合には(すなわち、普通図柄の抽選結果を保留する必要がない場合には)、その取得した乱数を、当選判定部310に出力する。一方、前記普通図柄用乱数記憶領域に記憶されている乱数の数が、3つ以下の場合であって、且つ普通図柄表示装置108に普通図柄が変動表示中の場合には、その取得した乱数を、前記普通図柄用乱数記憶領域に記憶させる。このように、本実施形態では、この普通図柄抽選部309で取得した乱数を、前記普通図柄用乱数記憶領域に、最大4個まで記憶でき、且つこの乱数の記憶順を識別できるようにしている。そして、普通図柄抽選部304は、前記普通図柄用乱数記憶領域に最も早く記憶された乱数を、当選判定部310に出力するとともに、出力した乱数を前記普通図柄用乱数記憶領域から削除する。
なお、普通図柄抽選部309は、メイン制御基板201に設けられているメインCPU201a、ROM201b、及びRAM201cを用いることにより実現される。
(当選判定部310)
当選判定部310は、普通図柄抽選部309より出力された乱数の値に基づいて、普通図柄抽選部309から出力された乱数が「当たり」又は「ハズレ」の何れに該当するのかを判定する。この判定は、例えば、抽選テーブルを用いて行うようにする。本実施形態では、「確変モード」又は「時短モード」に移行している場合と、通常遊技を行っている場合とで異なる抽選テーブルを用いて、前述した「当たり」又は「ハズレ」の何れに該当するのかの判定を行うようにしている。具体的に説明すると、本実施形態では、「確変モード」又は「時短モード」に移行している場合に使用する特殊モード用抽選テーブルと、通常遊技を行っている場合に使用する通常用抽選テーブルとの2つの抽選テーブルが設けられている。そして、「確変モード」又は「時短モード」に移行している場合の方が、通常遊技を行っている場合よりも、「当たり」になる確率が格段に高くなるように、前記2つの抽選テーブルの内容が設定されている。これにより、「確変モード」又は「時短モード」に移行している場合の普通図柄の当選確率が高くなる。したがって、「確変モード」又は「時短モード」に移行している場合の方が、通常遊技を行っている場合よりも、普通電動役物104の開放頻度が高くなり、可及的に持ち球を減らさずに、遊技を進行させることができるようになる。
なお、当選判定部310は、メイン制御基板201に設けられているメインCPU201a、ROM201b、及びRAM201cを用いることにより実現される。
(普通図柄表示指示部311)
普通図柄表示指示部311は、フラグ記憶部302に記憶されているフラグの状態に基づいて、普通図柄変動表示時間を決定するとともに、当選判定部310により判定された抽選結果に基づいて、普通図柄表示装置108に停止表示させる普通図柄を決定する。そして、決定した停止図柄と、前記普通図柄変動表示時間などに基づく表示パターンを形成し、形成した表示パターンを示す前記普通図柄表示指示信号をLED駆動基板204に送信する。例えば、本実施形態では、フラグ記憶部302に記憶されている確変フラグ又は時短フラグがオンされている場合の方が(「確変モード」又は「時短モード」に移行している場合の方が)、それらがオンされていない場合よりも(通常遊技を行っている場合よりも)、前記普通図柄変動表示時間を格段に短くするようにしている。また、当選判定部310の判定の結果、「当たり」に該当する場合には、例えば「7」を普通図柄表示装置108に停止表示させる普通図柄として決定する。一方、「ハズレ」に該当した場合には、例えば「−」を普通図柄表示装置108に停止表示させる普通図柄として決定するようにしている。そして、普通図柄表示指示部311は、このようにして決定した停止図柄や、普通図柄変動表示時間などに基づく表示パターンを形成し、形成した表示パターンを示す前記普通図柄表示指示信号をLED駆動基板204に送信する。これにより、普通図柄表示装置108の7セグメントLED122は、前記普通図柄表示指示信号に示されている表示パターンに従った発光動作を行う。
なお、普通図柄表示指示部311は、メイン制御基板201に設けられているメインCPU201a及びROM201bを用いることにより実現される。
(普通電動役物駆動指示部312)
普通電動役物駆動指示部312は、フラグ記憶部302に記憶されているフラグの状態、当選判定部310により判定された抽選結果などに基づいて、普通電動役物104の動作態様を決定し、決定した動作態様を示す普通電動役物開放指示信号を送信する。例えば、本実施形態では、フラグ記憶部302に記憶されている確変フラグ又は時短フラグがオンされている場合の方が(「確変モード」又は「時短モード」に移行している場合の方が)、それらがオンされていない場合よりも(通常遊技を行っている場合よりも)、始動入賞口112に遊技球が入賞し易くなるように普通電動役物104の動作態様、例えば開放時間を決定するようにしている。
なお、普通電動役物駆動指示部312は、メイン制御基板201に設けられているメインCPU201a及びROM201bを用いることにより実現される。
(演出コマンド生成部313)
演出コマンド生成部313は、入賞判定部301で判定された結果、当選判定部305で判定された結果(特別図柄の抽選結果)、フラグ記憶部302に記憶されているフラグの状態、特別図柄表示指示部306で決定された特別図柄変動表示時間などに基づいて、現在の遊技の状態に応じた演出コマンドを生成し、サブ制御基板202に送信する。当該演出コマンド生成部313からサブ制御基板202に出力される演出コマンドは、当該遊技機の抽選結果を含んだ情報となる。
なお、演出コマンド生成部313は、メイン制御基板201に設けられているメインCPU201a及びROM201bを用いることにより実現される。
(サブ制御基板202の機能的な構成)
次に、サブ制御基板202の機能的な構成について説明する。
図4は、サブ制御基板202の機能的な構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4に示すように、サブ制御基板202は、演出コマンド解析部401、演出制御部402、演出パターン記憶部403、フラグ記憶部404、画像生成部405、及び音響生成部406を備えている。
(演出コマンド解析部401)
演出コマンド解析部401は、メイン制御基板201(演出コマンド生成部313)から送信された演出コマンドを解析する。例えば、メイン制御基板201から、フラグの状態を示す演出コマンドが入力されると、演出コマンド解析部401は、これをフラグ記憶部404に記憶する。また、メイン制御基板201から、特別図柄の抽選結果や特別図柄変動表示時間を示す演出コマンドが入力されると、演出コマンド解析部401は、抽選結果に基づいて現在の遊技のモード(通常遊技か、確変フラグに基づく「確変モード」か、時短フラグに基づく「時短モード」か、ボーナスフラグに基づく「大当たり」(特別遊技)状態か)を取得し、フラグ記憶部404のフラグ内容を更新して、これらの情報を演出制御部402に出力する。
また、演出コマンド解析部401は、操作スイッチ132の操作信号を取得し、操作状態を示す操作情報を演出制御部402、画像生成部405、音響生成部406、及び電飾基板208に出力する。当該遊技機では、複数の演出内容を表示可能になっており、操作情報に対応して実行すべき演出内容が特定され、特定された演出内容に対応させて、演出画像の表示や演出画像に対応する音響の再生が可能になっている。
演出コマンド解析部401は、電源投入時に選択されるデフォルトの演出内容を定めており、操作スイッチ132の操作を許可する状態において、操作信号が入力される度に演出内容を次の順番のものに変更していくようになっている。操作スイッチ132によって、いわゆるトグル動作が可能になっている。通常遊技モードにおいて「大当たり」となり、「大当たり」のための演出があった後に再び通常遊技モードに戻った場合にも、次の操作信号が入力されるまでは、前回の演出内容が維持される。
なお、演出コマンド解析部401が行う処理はこれらに限定されるものではなく、演出コマンドの内容に応じた処理が適宜実行されることになる。また、演出コマンド解析部401は、サブ制御基板202に設けられているサブCPU202a、ROM202b、及びRAM202cを用いることにより実現される。
(演出パターン記憶部403)
演出パターン記憶部403は、本停止において停止表示させるべき装飾図柄の組み合わせ情報、本停止までに変動表示される装飾図柄変動パターン、「リーチ」演出時間、「リーチ」演出における演出内容を示す情報が格納されている。これらの情報は、抽選結果に応じて演出制御部402が決定するものである。
装飾図柄変動パターンとしては、変動表示開始から本停止までの、一連の図柄の移り変わり順序に関する装飾図柄変動パターン4031〜403m(mは自然数)が、複数、テーブル化されて設定されている。リーチ演出時間は、「リーチ」がかかっている場合のその「リーチ」である旨を演出するために余分に必要とされる時間長である。
なお、演出パターン記憶部403は、ROM202bに相当している。
(演出制御部402)
演出制御部402は、背景画像、装飾図柄、及びそれらに対応する音響の演出に係る制御を行う。具体的には、演出制御部402は、演出コマンド解析部401から出力された、現在の遊技モード及び操作情報に基づいて、演出パターン記憶部403から、本停止において停止表示させるべき装飾図柄の組み合わせ情報、本停止までに変動表示される装飾図柄変動パターン、「リーチ」演出時間、「リーチ」演出における演出内容を示す情報を選択的に読み出す。そして、画像生成部405に生成させるべき画像演出内容、音響生成部406に生成させるべき音響演出内容を決定し、所定のタイミング(例えばフレーム期間毎)に、演出内容を指定する背景画像演出情報及び音響演出情報を生成し出力していく。
装飾図柄の組合せの決定時、演出制御部402は、特別図柄の抽選結果が「大当たり」であり、かつ「確変モード」に移行するものである場合には、「111」、「333」、「555」、「777」、「999」、「AAA」、「CCC」、「EEE」のうちの何れか1つの組合せを、停止表示させる装飾図柄の組合せとして決定する。また、特別図柄の抽選結果が「大当たり」であり、かつ「時短モード」に移行するものである場合には、「000」、「222」、「444」、「666」、「888」、「BBB」、「DDD」、「FFF」のうちの何れか1つの組合せを、停止表示させる装飾図柄の組合せとして決定する。演出表示装置107に停止表示させる装飾図柄の組合せの決定は、例えば抽選により行うようにすればよい。さらに、特別図柄の抽選結果が「ハズレ」である場合には、表示画面118には、異なる装飾図柄による組合せが表示されるように、停止表示させる装飾図柄の組合せを決定する。また、演出制御部402は、現在の遊技モード、操作情報、本停止において停止表示させるべき装飾図柄の組み合わせ、本停止までに変動表示される装飾図柄変動パターン等に基づいて、「リーチ」演出の有無を決定する。そして、次の画像表示タイミングで表示させる装飾図柄を特定する装飾図柄演出情報を出力する。
特に、演出制御部402は、本発明に係る音響制御のために音響生成部406と協働するようになっている。具体的には、演出制御部402は、音響演出の内容を定める各種の音響演出コマンドを音響生成部406に出力するように構成されている。ここで、音響演出コマンドのフォーマットは任意であるが、例えば、制御対象となる音響(楽曲)に対応した音源データを指定する音響識別情報、音響の再生開始を指示する再生開始指示情報、音響再生の一時停止を示す一時停止指示情報、音響再生の一時停止の解除を示す一時停止解除情報、音響再生の終了を指示する再生終了指示情報、各チャネルに設定する音量を示す音量設定情報が含まれる。
(画像生成部405)
画像生成部405は、演出コマンド解析部401から送出された画像演出情報に基づいて、演出画像を表示させるための画像データを生成する。また、画像生成部405は、演出制御部402から出力された装飾図柄演出情報に基づいて、装飾図柄に関する画像データを生成する。そして、これらの画像データを合成して出力用フレーム画像データとして、演出表示装置107に出力する。
具体的には、画像生成部405は、画像表示タイミング毎に、演出画像に関するキャラクタ等のオブジェクトを表示させるための元画像データを読み出す。そして、演出内容に応じて適切な画像表示空間内の配置を定めてオブジェクトを配置した一時的な画像データを生成して一時的なメモリ空間に書き込む。また、画像生成部405は、装飾図柄演出情報に基づいて、次の画像表示タイミングで表示すべき装飾図柄のオブジェクトを決定し、その装飾図柄をオブジェクトとして表示させるための元画像データを読み出す。そして、その装飾図柄オブジェクトの画像表示空間内における配置を定めてその装飾図柄を配置した一時的な画像データを生成して他の一時的なメモリ空間に書き込む。次いで、画像生成部405は一時的なメモリ空間から背景画像に関する画像データおよび装飾図柄に関する画像データを読み出し、装飾図柄が手前になるよう背景画像に関する画像データに装飾図柄に関する画像データを上書きしたものを、出力用フレーム画像としてメモリ空間に記憶する。記憶された出力用フレーム画像データは、画像表示タイミング(例えば、フレーム期間である1/30秒ごと)に同期して演出表示装置107に出力され、演出内容に対応した背景画像及び装飾図柄が演出表示装置107に表示される。
なお、画像生成部405は、サブ制御基板202に設けられているサブCPU202aの制御に基づいて動作する、画像音響プロセッサ202d、画像データROM202e、及びビデオRAM202fにより実現される。
(音響生成部406)
音響生成部406は、本発明に係る音響生成装置としての構成を備える。以下の実施形態に共通の動作として、音響生成部406は、所定の音響について所定の時間差の遅延が生じるように複数のチャネルの再生を開始させ、複数のチャネルのうちいずれか一つのチャネルの音量を限界音量以上に設定し、他のチャネルの音量を限界音量より小さく設定し、音響の進行を不連続に変化させる場合に限界音量以上に設定するチャネルを切り換えるように動作する。
図5は、音響生成部406の機能的な構成の一例を示す機能ブロック図である。
図5に示すように、音響生成部406は、チャネル制御部410、音量設定部412、音源データ記憶部414、音源再生部416、音響増幅部418、並びに音響合成部420L及び420Rを備えている。図5では、演出コマンド解析部401、演出パターン記憶部403、およびフラグ記憶部404の図示を省略してある。
なお、このような機能ブロックは、サブCPU202aが、ROM202bに格納された音響生成プログラムを逐次実行して画像音響プロセッサ202dを制御し、さらに画像音響プロセッサ202dが音源回路202gを制御することにより実現される。すなわち、上記構成のうち、音源データ記憶部414は音源データROM202kが相当し、チャネル制御部410、音量設定部412、音源再生部416、音響増幅部418、及び音響合成部420L/Rは、画像音響プロセッサ202dによって制御される音源回路202gが相当している。
(チャネル制御部410)
チャネル制御部410は、通常遊技のための音響について所定の時間差の遅延が生じるように複数のチャネルの再生を音源再生部416に開始させる機能ブロックである。そのためチャネル制御部410は、まず演出制御部402から送信された音響識別情報に対応する通常遊技のための音源データとその音源データを再生させるチャネルを特定する。次いで、チャネル制御部410は、演出制御部402から送信された再生開始指示情報の供給タイミングで特定された複数のチャネルのそれぞれについて、音源データを読み取らせて音響の生成を開始させる。またチャネル制御部410は、演出制御部402から一時停止指示情報が送信されると音響の生成を一時停止し、一時停止解除情報が送信されると一時停止した音響の生成を再開する。さらに演出制御部402から再生終了指示情報が供給されると音響の再生を終了させる。
ここで、音響識別情報、再生開始指示情報、一時停止指示情報、一時停止解除情報、再生終了指示情報は、操作対象となるチャネルを特定する情報を伴っており、チャネル制御部410は、特定されているチャネルごとに個別に再生開始、一時停止、一時停止の解除、再生終了を指示する。複数のチャネル間における具体的な操作内容は各実施形態において詳しく説明する。
(音量設定部412)
音量設定部412は、演出制御部402から送信された音量設定情報に基づき、再生対象とされた複数のチャネルのうちいずれか一つのチャネルの音量を限界音量以上に設定し、他のチャネルの音量を該限界音量より小さく設定する。以下、簡単のため、限界音量以上の音量を「オン音量VON」と称し、限界音量より小さい音量を「オフ音量VOFF」と称する。例えば、M桁のデジタル値で設定音量を指定する場合、オン音量VONを出力可能な最大音量(=2M)の50%に設定するなら、オン音量VONを2M−1に設定することができ、オフ音量VOFFを最低出力音量に設定するなら、オフ音量VOFFを0(ゼロ)に設定することができる。
ここで、音量設定部412は、通常遊技のための音響を再生している場合、複数のチャネルのうちいずれか一つのチャネルの音量のみをオン音量VONに設定し、残りチャネルの音量をオフ音量VOFFに設定することを特徴とする。複数のチャネルのいずれか一つのみから認識可能に音響が出力されるのである。
(音源データ記憶部414)
音源データ記憶部414は、音響の元データである音源データが各種格納されている。音源データの数は、音源回路202gが読み出し可能な音源データ数が上限であり、現実には音源データROM202kの容量が許す限度において、多数種類の音源データが格納可能である。個々の音源データの容量は、音響の内容と長さに依存し、例えば1秒〜数十秒の長さの音響(楽曲)に対応している。相対的に短い音響としては、例えば効果音やキャラクタの声に対応したものが挙げられ、相対的に長い音響としては、例えば楽曲の数小節分から総てに対応したものがある。本発明の対象となる音源データは、通常遊技および特別遊技のための演出画像に対応して送出される楽曲を再生するための元データである。音源データの形式は、音響生成部406が対応可能な音源形式、例えば、アナログ音響信号を量子化した圧縮されてないPCM音源データ、PSG音源データ、FM音源データ、LA音源データ、波形メモリ音源データ、MIDI音源データであってもよい。
(音源再生部416)
音源再生部416は、チャネル制御部410の制御に基づいて、音響識別情報により特定された音源データを指定されたチャネルに読み込んでそのチャネルにおける音響信号の再生をする機能ブロックである。チャネル制御部410が音源データを指定した場合には、音源再生部416は、指定された音源データを読み込んでその音源データのフォーマットに従った音響信号を再生する準備をする。チャネル制御部410が再生開始や再生終了を指示した場合には、音源再生部416は、音源データに基づく音響信号の生成を開始させ、また終了させる。チャネル制御部410が一時停止を指示したり一時停止解除を指示したりした場合には、音源再生部416は、再生中の音源データに基づく音響信号の生成を中断し、また、中断した位置から音響信号の生成を再開する。
(音響増幅部418)
音響増幅部418は、音量設定部412から出力された音量設定に対応するように、各チャネルの音響信号を増幅する。各チャネルの音響信号はアナログ信号となっているので、音響増幅部418は、そのアナログ信号の振幅を変更する、いわば可変抵抗器(ボリューム)のように機能する。例えば、オン音量VONが設定された場合には、オン音量VONに対応する増幅度で音響信号が増幅される。オフ音量VOFFが設定された場合には、オフ音量VOFFに対応する増幅度、具体的に音量ゼロであれば、音響信号の出力を事実上禁止する。音響信号は右側音響と左側音響とで個別に設定可能になっている。この音響増幅部418により、各音響信号は、チャネル毎に音量および定位が定められてそれぞれ右側音響信号と左側音響信号とに分離され、それぞれ出力される。
(音響合成部420)
音響合成部420L及びRは、各チャネルから提供された右側音響信号及び左側音響信号をそれぞれ合成し、合成された右側音響信号及び左側音響信号を電力増幅し、それぞれスピーカ133L及びRに出力する。なお、右側音響信号及び左側音響信号の合成までは音源回路202gの機能であり、合成後の音響信号の電力増幅はアンプ202hの機能である。
(基本動作説明)
次に、本実施形態における遊技機の基本動作を説明する。
まず図6〜図10に基づいてメイン制御基板201の動作を、次に図11及び図12に基づいてサブ制御基板202の動作を説明する。
(メイン制御基板201の処理動作)
図6は、メイン制御基板201における処理動作の一例を示すメインフローチャートである。
図6のステップS1において、電源スイッチ219がオンされると、メイン制御基板201は、遊技球発射処理を行う。この遊技球発射処理の具体例を説明する。発射ハンドル131が遊技者により操作されたことを示す前記発射操作検出信号が発射制御基板205から送信された後に、まず、メイン制御基板201は、球皿128aに遊技球が一定量以上貯留しているか否かを判定する。
この判定の結果、球皿128aに遊技球が一定量以上貯留していない場合には、メイン制御基板201は、発射許可信号を発射制御基板205に送信するとともに、遊技球が遊技領域115に向けて発射されたことを示すコマンドを生成し、サブ制御基板202に送信する。これにより、遊技球が遊技領域115中に発射されるとともに、遊技中の演出が開始される。
一方、球皿128aに遊技球が一定量以上貯留している場合には、メイン制御基板201は、発射不許可信号を発射制御基板205に送信するとともに、遊技球が遊技領域115中に発射できないことを示すコマンドを生成し、サブ制御基板202に送信する。この場合には、遊技者が発射ハンドル131を操作しても、遊技球が遊技領域115に向けて発射されない。また、球皿128aに遊技球が一定量以上貯留していることが、電飾部品130を点灯させることで遊技者に報知される。
次に、ステップS2において、メイン制御基板201は、一般入賞処理を行う。この一般入賞処理は、遊技領域115中に発射された遊技球が、一般入賞口111に入賞した場合に行われる処理である。一般入賞処理の詳細については、図7を用いて後述する。
次に、ステップS3において、メイン制御基板201は、普通図柄作動ゲート通過処理を行う。この普通図柄作動ゲート通過処理は、遊技領域115中に発射された遊技球が、普通図柄作動ゲートを通過した場合に行われる処理である。普通図柄作動ゲート通過処理については、図8A及び図8Bを用いて後述する。
次に、ステップS4において、メイン制御基板201は、始動入賞処理を行う。この始動入賞処理は、遊技領域115中に発射された遊技球の、始動入賞口112への入賞に基づき行われる処理である。始動入賞処理の詳細については、図9A及び図9Bを用いて後述する。
次に、ステップS5において、メイン制御基板201は、特別遊技実行処理を行う。この特別遊技実行処理は、当選判定部305によって「大当たり」と判定された結果、特別図柄表示装置106及び演出表示装置107に所定の図柄や演出画像が表示されて「大当たり」となり、特別遊技に移行した場合に行われる処理である。特別遊技実行処理の詳細については、図10を用いて後述する。
以上のように、メイン制御基板201では、遊技球発射処理、一般入賞処理、普通図柄作動ゲート通過処理、始動入賞処理、及び特別遊技実行処理を繰り返し行うが、以下の図7〜図10に示すように、本実施形態では、遊技の状態に応じて、不必要な処理を省略しながら、各処理を繰り返し実行するようにしている。
(一般入賞処理)
次に、図7のフローチャートを参照しながら、図6のステップS2における一般入賞処理の詳細について説明する。なお、各工程(符号が付与されていない部分的な工程を含む)は、処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる(かかる点は、他のフローチャートについても同様とする)。
図7のステップS11において、入賞判定部301は、入賞口基板203から送信された前記遊技球通過信号に基づいて、遊技球が一般入賞口111に入賞したか否かを判定する。この判定の結果、遊技球が一般入賞口111に入賞した場合には、ステップS12に進み、払出指示部303は、賞球数が「4」であることを示す前記賞球数信号を払出制御基板206に送信する。これにより、4個の賞球が球皿128aに払い出される。また、演出コマンド生成部313は、一般入賞口111に入賞したことを示す演出コマンドを生成してサブ制御基板202に送信する。これにより、サブ制御基板202は、電飾部品130を点灯させるなどして、一般入賞口111に入賞したことを遊技者に報知する。そして、図6に示したメインフローチャートに戻る。
一方、遊技球が一般入賞口111に入賞していない場合には、ステップS12の処理を行う必要がないので、図6に示したメインフローチャートに戻る。
(普通図柄作動ゲート通過処理)
次に、図8A及び図8Bのフローチャートを参照しながら、図6のステップS3における普通図柄作動ゲート通過処理の詳細について説明する。
図8AのステップS21において、入賞判定部301は、入賞口基板203から送信された前記遊技球通過信号に基づいて、遊技球が普通図柄作動ゲート103を通過したか否かを判定する。この判定の結果、遊技球が普通図柄作動ゲート103を通過した場合には、ステップS22に進み、普通図柄抽選部309は、乱数を発生させて抽選を行う(すなわち乱数の取得を行う)。
次に、ステップS23において、普通図柄抽選部309は、普通図柄が変動表示中か否かを判定する。この判定の結果、普通図柄が変動表示中の場合には、ステップS24に進み、普通図柄抽選部309は、RAM201c内に設けられている前記普通図柄用乱数記憶領域に記憶されている乱数の数が3つ以下であるか否かを判定する。この判定の結果、前記普通図柄用乱数記憶領域に記憶されている乱数の数が3つ以下である場合には、ステップS25に進み、普通図柄抽選部309は、普通図柄の抽選結果(ステップS22で取得した乱数)を、前記普通図柄用乱数記憶領域に記憶させて、図6のメインフローチャートに戻る。
なお、前記ステップS24において、前記普通図柄用乱数記憶領域に記憶されている乱数の数が3つを超えていると判定した場合には、ステップS22で取得した乱数を保留することも、その乱数に基づく普通図柄の表示も行うことができないので、図6のメインフローチャートに戻る。
一方、前記ステップS23において、普通図柄が変動表示中でないと判定された場合には、ステップS26に進み、普通図柄抽選部309は、前記普通図柄用乱数記憶領域に乱数が記憶されているか否かを判定する。この判定の結果、乱数が記憶されている場合には、ステップS27に進み、普通図柄抽選部309は、前記普通図柄用乱数記憶領域に記憶されている乱数の数が3つ以下であるか否かを判定する。
この判定の結果、前記普通図柄用乱数記憶領域に記憶されている乱数の数が3つ以下である場合には、ステップS28に進み、普通図柄抽選部309は、普通図柄の抽選結果(ステップS22で取得した乱数)を、前記普通図柄用乱数記憶領域に記憶させる。
次に、ステップS29において、普通図柄抽選部309は、前記普通図柄用乱数記憶領域に最も早く記憶された乱数を読み出して、ステップS30に進む。
一方、前記ステップS26において、乱数が記憶されていないと判定した場合には、普通図柄抽選部309は、ステップS27〜S29を省略してステップS30に進む。
また、前記ステップS27において、前記普通図柄用乱数記憶領域に記憶されている乱数の数が3つを超えていると判定した場合には、ステップS22で取得した乱数を保留することも、その乱数に基づく普通図柄の表示も行うことができないので、普通図柄抽選部309は、図6のメインフローチャートに戻る。
以上のようにして、普通図柄の抽選結果(乱数)が得られると、ステップS30に進み、普通図柄抽選部309は、得られた乱数を当選判定部310に出力する。
次に、ステップS31において、当選判定部310は、フラグ記憶部302を参照して、時短フラグ又は確変フラグがオンされているか否かを判定する。この判定の結果、時短フラグ又は確変フラグがオンされている場合には、「時短モード」又は「確変モード」に移行中であると判断して、ステップS32に進み、当選判定部310は、「時短モード」又は「確変モード」である場合に使用する特殊モード用抽選テーブルを読み出す。
一方、時短フラグ又は確変フラグのいずれもオンされていないと判定した場合には、通常遊技中であると判断して、ステップS33に進み、当選判定部310は、通常遊技中である場合に使用する通常用抽選テーブルを抽出する。
以上のように、ステップS33で抽選テーブルを選択すると、図8BのステップS34に進み、当選判定部310は、ステップS30で普通図柄抽選部309から出力された抽選の結果(乱数)が、選択した抽選テーブルにおいて「当たり」に該当するのか否かを判定する。すなわち、普通図柄の抽選に当選したか否かを判定する。
この判定の結果、普通図柄の抽選に当選した場合には、ステップS35に進み、普通図柄表示指示部311と普通電動役物駆動指示部312は、フラグ記憶部302を参照して、時短フラグ又は確変フラグがオンされているか否かを判定する。すなわち、「時短モード」又は「確変モード」のいずれかに移行中であるか否かを判定する。この判定の結果、時短フラグ又は確変フラグがオンされており、「時短モード」又は「確変モード」に移行中である場合には、ステップS36に進む。
ステップS36において、「時短モード」に移行中である場合には、普通図柄表示指示部311は、「時短モード」におけるデフォルトの普通図柄変動表示時間の間、普通図柄を変動表示させた後、「当たり」であることを示す「7」を停止表示させるような表示パターンを形成し、形成した表示パターンを示す前記普通図柄表示指示信号をLED駆動基板204に送信する。これにより、普通図柄表示装置108の7セグメントLED122は、前記普通図柄表示指示信号に示されている表示パターンに従った発光動作を行う。
一方、「確変モード」に移行中である場合には、普通図柄表示指示部311は、「確変モード」におけるデフォルトの普通図柄変動表示時間の間、普通図柄を変動表示させた後、「当たり」であることを示す「7」を停止表示させるような表示パターンを形成し、形成した表示パターンを示す前記普通図柄表示指示信号をLED駆動基板204に送信する。これにより、普通図柄表示装置108の7セグメントLED122は、前記普通図柄表示指示信号に示されている表示パターンに従った発光動作を行う。
次に、ステップS37において、普通電動役物駆動指示部312は、「時短モード」又は「確変モード」におけるデフォルトの動作態様を示す前記普通電動役物開放信号を、入賞口基板203に送信する。これにより、普通電動役物104は、前記普通電動役物開放信号に示されている動作態様で動作を行う。そして、図6のメインフローチャートに戻る。なお、前記普通電動役物開放信号は、普通図柄表示装置108の7セグメントLED122に普通図柄が停止表示した後に送信される。
一方、前記ステップS35において、時短フラグ又は確変フラグのいずれもオンでないと判定された場合には、通常遊技中であるので、ステップS38に進み、普通図柄表示指示部311は、通常遊技中におけるデフォルトの普通図柄変動表示時間の間、普通図柄を変動表示させた後、「当たり」であることを示す「7」を停止表示させるような表示パターンを形成し、形成した表示パターンを示す前記普通図柄表示指示信号をLED駆動基板204に送信する。これにより、普通図柄表示装置108の7セグメントLED122は、前記普通図柄表示指示信号に示されている表示パターンに従った発光動作を行う。
次に、ステップS39において、普通電動役物駆動指示部312は、通常遊技中におけるデフォルトの動作態様を示す前記普通電動役物開放信号を、入賞口基板203に送信する。これにより、普通電動役物104は、前記普通電動役物開放信号に示されている動作態様で動作を行う。そして、図6のメインフローチャートに戻る。なお、前記普通電動役物開放信号は、普通図柄表示装置108の7セグメントLED122に普通図柄が停止表示した後に送信される。
前記ステップS34において、普通図柄の抽選に当選していないと判定された場合には、ステップS40に進み、普通図柄表示指示部311は、フラグ記憶部302を参照して、時短フラグ又は確変フラグがオンされているか否かを判定する。これらの判定の結果、時短フラグ又は確変フラグがオンされており、「時短モード」又は「確変モード」に移行中である場合には、ステップS41に進み、普通図柄表示指示部311は、「時短モード」又は「確変モード」におけるデフォルトの普通図柄変動表示時間の間、普通図柄を変動表示させた後、「ハズレ」であることを示す「−」を停止表示させるような表示パターンを形成し、形成した表示パターンを示す前記普通図柄表示指示信号をLED駆動基板204に送信する。これにより、普通図柄表示装置108の7セグメントLED122は、前記普通図柄表示指示信号に示されている表示パターンに従った発光動作を行う。そして、図6のメインフローチャートに戻る。
前記ステップS40において、時短フラグ又は確変フラグのいずれもオンでないと判定された場合には、通常遊技中であるので、ステップS42に進み、普通図柄表示指示部311は、通常遊技中におけるデフォルトの普通図柄変動表示時間の間、普通図柄を変動表示させた後、「ハズレ」であることを示す「−」を停止表示させるような表示パターンを形成し、形成した表示パターンを示す前記普通図柄表示指示信号をLED駆動基板204に送信する。これにより、普通図柄表示装置108の7セグメントLED122は、前記普通図柄表示指示信号に示されている表示パターンに従った発光動作を行う。そして、図6のメインフローチャートに戻る。
図8AのステップS21において、遊技球が普通図柄作動ゲート103を通過していないと判定された場合には、ステップS43に進み、普通図柄抽選部309は、RAM201c内に設けられている前記普通図柄用乱数記憶領域に、乱数が記憶されているか否かを判定する。この判定の結果、乱数が記憶されている場合には、普通図柄抽選部309は、前述したステップS29に進む。一方、乱数が記憶されていない場合には、ステップS22以降の処理を行う必要がないので、普通図柄抽選部309は、図6に示したメインフローチャートに戻る。
(始動入賞処理)
次に、図9A及び図9Bのフローチャートを参照しながら、図6のステップS4における始動入賞処理の詳細について説明する。
図9AのステップS61において、入賞判定部301は、入賞口基板203から送信された前記遊技球通過信号に基づいて、遊技球が始動入賞口112を通過したか否かを判定する。この判定の結果、遊技球が始動入賞口112を通過した場合には、ステップS62に進み、特別図柄抽選部304は、乱数を発生させて抽選を行う(すなわち乱数の取得を行う)。
次に、ステップS63において、特別図柄抽選部304は、フラグ記憶部302を参照して、ボーナスフラグがオンされているか否かを判定する。この判定の結果、ボーナスフラグがオフされている場合には、ステップS64に進み、特別図柄抽選部304は、特別図柄が変動表示中か否かを判定する。この判定の結果、特別図柄が変動表示中の場合には、ステップS65に進み、特別図柄抽選部304は、RAM201c内に設けられている前記特別図柄用乱数記憶領域に記憶されている乱数の数が3つ以下であるか否かを判定する。
この判定の結果、前記特別図柄用乱数記憶領域に記憶されている乱数の数が3つ以下である場合には、ステップS66に進み、特別図柄抽選部304は、特別図柄の抽選結果(ステップS62で取得した乱数)を前記特別図柄用乱数記憶領域に記憶させ、その後、図6のメインフローチャートに戻る。
一方、前記ステップS63において、ボーナスフラグがオフされていない(オンされている)と判定した場合には、特別遊技の実行中であるので、特別図柄抽選部304は、ステップS65に進む。
なお、前記ステップS65において、前記普通図柄用乱数記憶領域に記憶されている乱数の数が3つを超えていると判定した場合には、ステップS62で取得した乱数を保留することも、その乱数に基づく普通図柄の表示も行うこともできないので、特別図柄抽選部304は、図6のメインフローチャートに戻る。
一方、前記ステップS64において、特別図柄が変動表示中でないと判定された場合には、ステップS67に進み、特別図柄抽選部304は、前記特別図柄用乱数記憶領域に乱数が記憶されているか否かを判定する。この判定の結果、乱数が記憶されている場合には、ステップS68に進み、特別図柄抽選部304は、前記特別図柄用乱数記憶領域に記憶されている乱数の数が3つ以下であるか否かを判定する。
この判定の結果、前記特別図柄用乱数記憶領域に記憶されている乱数の数が3つ以下である場合には、ステップS69に進み、特別図柄抽選部304は、特別図柄の抽選結果(ステップS62で取得した乱数)を、前記特別図柄用乱数記憶領域に記憶させる。
次に、ステップS70において、特別図柄抽選部304は、前記特別図柄用乱数記憶領域に最も早く記憶された乱数を読み出して、ステップS71に進む。
一方、前記ステップS67において、乱数が記憶されていないと判定した場合には、特別図柄抽選部304は、ステップS68〜S70を省略してステップS71に進む。
また、前記ステップS68において、前記特別図柄用乱数記憶領域に記憶されている乱数の数が3つを超えていると判定した場合には、ステップS62で取得した乱数を保留することも、その乱数に基づく特別図柄の表示も行うことができないので、特別図柄抽選部304は、図6のメインフローチャートに戻る。
以上のようにして、特別図柄の抽選結果(乱数)が得られると、ステップS71に進み、特別図柄抽選部304は、得られた乱数を当選判定部305に出力する。
次に、ステップS72において、当選判定部305は、フラグ記憶部302を参照して、確変フラグがオンされているか否かを判定する。この判定の結果、確変フラグがオンされている場合には、「確変モード」に移行中であると判断して、ステップS73に進み、当選判定部305は、「確変モード」である場合に使用する確変用抽選テーブルを抽出する。
一方、確変フラグがオンされていない場合には、ステップS74に進み、当選判定部305は、フラグ記憶部302を参照して、時短フラグがオンされているか否かを判定する。この判定の結果、時短フラグがオンされている場合には、「時短モード」に移行中であると判断して、ステップS75に進み、当選判定部305は、フラグ記憶部302を参照して、時短回数に1を加算する。すなわち、現在の遊技が、「時短モード」における何遊技目に該当するのかを計数する。
次に、ステップS76において、当選判定部305は、「時短モード」である場合に使用する通常用抽選テーブルを抽出する。
次に、ステップS77において、当選判定部305は、規定の遊技回数を消化して「時短モード」が終了したか否かを判定する。この判定の結果、規定の遊技回数を消化して「時短モード」が終了した場合には、ステップS78に進み、当選判定部305は、フラグ記憶部302を参照して、時短フラグをオフする。
なお、前記ステップS77において、規定の遊技回数を消化していないと判定した場合には、「時短モード」が継続中であるので、前記ステップS78の処理を省略する。
また、前記ステップS74において、時短フラグがオンされていないと判定した場合には、通常遊技中であるので、ステップS79に進み、当選判定部305は、通常遊技中に使用する通常用抽選テーブルを抽出する。
以上のように、ステップS73、S76、S79で抽選テーブルを抽出すると、図9BのステップS80に進み、当選判定部305は、ステップS71で特別図柄抽選部304から出力された抽選の結果(乱数)が、抽出した抽選テーブルにおいて「大当たり」に該当するのか否かを判定する。すなわち、特別図柄の抽選に当選したか否かを判定する。
この判定の結果、特別図柄の抽選に当選した場合には、ステップS81に進み、当選判定部305は、特別遊技後に「確変モード」又は「時短モード」の何れに移行するかを更に判定するとともに、フラグ記憶部302を参照して、ボーナスフラグをオンしてステップS82に進む。一方、特別図柄の抽選に当選していない場合には、このステップS81の処理を省略してステップS82に進む。
そして、ステップS82において、特別図柄表示指示部306は、フラグ記憶部302を参照して、時短フラグ又は確変フラグがオンされているか否かを判定する。この判定の結果、時短フラグ又は確変フラグがオンされている場合には、「時短モード」又は「確変モード」のうちの何れかのモードを実行している最中であるので、ステップS83に進み、特別図柄表示指示部306は、ステップS80、S82による判定結果に基づいて、時短、確変モード用の表示パターンを形成し、形成した表示パターンを示す前記特別図柄表示指示信号をLED駆動基板204に送信する。これにより、特別図柄表示装置106の7セグメントLED116は、前記特別図柄表示指示信号に示されている表示パターンに従った発光動作を行う。
一方、ステップS82において、時短フラグ又は確変フラグがオンされていない場合には、通常遊技中であるので、ステップS84に進み、特別図柄表示指示部306は、ステップS80、S82による判定結果に基づいて、通常遊技用の表示パターンを形成し、形成した表示パターンを示す前記特別図柄表示指示信号をLED駆動基板204に送信する。これにより、特別図柄表示装置106の7セグメントLED116は、前記特別図柄表示指示信号に示されている表示パターンに従った発光動作を行う。
ステップS85において、払出指示部303は、賞球数が「4」であることを示す前記賞球数信号を払出制御基板206に送信する。これにより、4個の賞球が球皿128aに払い出される。
次に、ステップS86において、当選判定部305は、フラグ記憶部302を参照して、ボーナスフラグがオンされているか否かを判定する。この判定の結果、ボーナスフラグがオンされている場合には、ステップS87に進み、当選判定部305は、S81において「確変モード」に移行すると判定した場合には、ステップS88に進み、フラグ記憶部302を参照して、確変フラグをオンする。
一方、当選判定部305は、S81において「時短モード」に移行すると判定した場合、ステップS89に進み、フラグ記憶部302を参照して、時短フラグをオンする。
ステップS90において、演出コマンド生成部313は、ステップS80、S82による判定結果や、フラグ記憶部302の記憶内容に基づいて、演出コマンドを生成してサブ制御基板02に送信し、図6のメインフローチャートに戻る。
なお、図9AのステップS61において、遊技球が始動入賞口112を通過していないと判定された場合には、ステップS91に進み、特別図柄抽選部304は、RAM201c内に設けられている前記特別図柄用乱数記憶領域に、乱数が記憶されているか否かを判定する。この判定の結果、乱数が記憶されている場合には、前述したステップS70に進む。一方、乱数が記憶されていない場合には、ステップS62以降の処理を行う必要がないので、図6に示したメインフローチャートに戻る。
(特別遊技実行処理)
次に、図10のフローチャートを参照しながら、図6のステップS5における特別遊技実行処理の詳細について説明する。
図10のステップS101において、当選判定部305は、フラグ記憶部302を参照して、ボーナスフラグがオンされているか否かを判定する。この判定の結果、ボーナスフラグがオンされていない場合には、ステップS102以降の処理を行う必要がないので(特別遊技に移行しないので)、図6のメインフローチャートに戻る。
一方、ボーナスフラグがオンされている場合には、ステップS102に進む。ステップS102において、大入賞口開放指示部307は、入賞口基板203に、前記大入賞口開放指示信号を送信する。これにより、大入賞口113が開放され、15ラウンドからなる特定遊技のうちの1ラウンドが開始する。
次に、ステップS103において、入賞判定部301は、入賞口基板203から送信された前記遊技球通過信号に基づいて、遊技球が大入賞口113を通過したか否かを判定する。
この判定の結果、遊技球が大入賞口113を通過した場合には、ステップS104に進み、入賞判定部301は、入賞口基板203から送信された前記遊技球通過信号に基づいて、遊技球が特定領域121を通過したか否かを判定する。この判定の結果、遊技球が特定領域121を通過した場合には、ステップS105に進み、大入賞口開放指示部307は、前記特定領域制御指示信号を入賞口基板203に送信してステップS106に進む。これにより、特定領域121への遊技球の通過が容易になる状態が解除される。一方、遊技球が特定領域121を通過していない場合には、このステップS105を省略してステップS106に進む。
次に、ステップS106において、演出コマンド生成部313は、遊技球が大入賞口113又は特定領域121を通過したことを示す演出コマンドを生成して、サブ制御基板202に送信する。これにより、遊技球が大入賞口113又は特定領域121を通過したことを示す画像が、演出表示装置107に表示される。また、払出指示部303は、賞球数が「15」であることを示す前記賞球数信号を払出制御基板206に送信する。これにより、15個の賞球が球皿128aに払い出される。
なお、前記ステップS103において、遊技球が大入賞口113に入賞していないと判定された場合には、入賞判定部301は、ステップS104〜S106の処理を省略してステップS107に進む。
次に、ステップS107において、大入賞口開放指示部307は、大入賞口113が開放してから所定時間(29.5秒)が経過したか否かを判定する。この判定の結果、所定時間が経過している場合には、単位遊技の終了であるので、ステップS108に進み、大入賞口開放指示部307は、入賞口基板203に大入賞口閉鎖信号を送信する。これにより、大入賞口113が閉鎖される。
次に、ステップS109において、大入賞口開放指示部307は、特定領域121への遊技球の通過が容易になる状態を解除したか否かを判定する。この判定の結果、特定領域121への遊技球の通過が容易になる状態を解除した場合には、ステップS110に進み、大入賞口開放指示部307は、特別遊技における全ての単位遊技(すなわち、特別遊技)が終了したか否かを判定する。この判定の結果、特別遊技が終了した場合には、ステップS111に進み、演出コマンド生成部313は、特別遊技の終了を示す演出コマンドを生成して、サブ制御基板202に送信する。これにより、特別遊技の終了を示す画像が演出表示装置107に表示される。
また、大入賞口開放指示部307は、前記特定領域制御指示信号を入賞口基板203に送信する。これにより、特定領域121への遊技球の通過が容易な状態になる。
そして、ステップS112において、当選判定部305は、フラグ記憶部302を参照して、ボーナスフラグをオフし、図6のメインフローチャートに戻る。
前記ステップS107において、大入賞口113が開放されてから所定時間が経過していないと判定した場合には、ステップS113に進み、大入賞口開放指示部307は、入賞判定部301から送信された前記遊技球通過信号に基づいて、10個以上の遊技球が大入賞口113を通過したか否かを判定する。この判定の結果、大入賞口113を通過した遊技球が10個以上である場合には、単位遊技の終了であるので、前述したステップS108に進み、大入賞口113を閉鎖させる。
一方、大入賞口113を通過した遊技球が10個以上でない場合には、単位遊技が継続中であるので、図6のメインフローチャートに戻る。
また、前記ステップS110において、特別遊技における全ての単位遊技が終了していないと判定された場合には、次の単位遊技に進むので、ステップS114に進み、演出コマンド生成部313は、次の単位遊技に進むことを示す演出コマンドを生成して、サブ制御基板202に送信する。これにより、次の単位遊技に進んだことを示す画像が演出表示装置107に表示される。また、大入賞口開放指示部307は、前記特定領域制御指示信号を入賞口基板203に送信して、図6のメインフローチャートに戻る。これにより、特定領域121への遊技球の通過が容易な状態になる。
なお、図7〜図10に示した以外の処理を行ってもよいということは言うまでもない。例えば、演出コマンドを生成して送信するタイミングは、図7〜図10に示したものに限定されず、これら以外の演出コマンドを生成して送信するようにしてもよい。
(サブ制御基板202の処理動作)
図11は、サブ制御基板202における通常遊技における処理動作の一例を示すフローチャートである。
図11のステップS131において、サブ制御基板202内の演出コマンド解析部401は、メイン制御基板201から演出コマンドを受信したか否かを判定する。この判定の結果、演出コマンドを受信した場合には、ステップS132に進み、演出コマンド解析部401は、受信した演出コマンドを解析する。次いで、演出コマンド解析部401は、解析された演出コマンドに基づいて遊技モードを特定し、また、操作スイッチ132からの操作信号に対応する操作情報を生成する。
演出制御部402は、現在の遊技モード及び操作情報に基づいて、演出パターン記憶部403から、本停止において停止表示させるべき装飾図柄の組み合わせ情報、本停止までに変動表示される装飾図柄変動パターン、「リーチ」演出時間、「リーチ」演出における演出内容を示す情報を選択的に読み出し、「リーチ」演出の有無を決定する。そして、演出制御部402は、装飾図柄を特定する装飾図柄特定情報、演出内容に応じた演出画像を表示させるための背景特定情報等を含めて画像演出コマンドを画像生成部405に出力する。
また、演出制御部402は、画像演出に対応する音響演出を実行させるための音響演出コマンドを音響生成部406に出力する。具体的には、演出制御部402は、遊技モードに応じて再生されるべき音響(音源データ)を指定する音響識別情報、その音響について再生開始を指示する再生開始指示情報、再生終了を指示する再生終了指示情報、一時停止を指示する一時停止指示情報、または一時停止の解除を指示する一時停止解除情報を、対象となるチャネルの指定情報とともに、チャネル制御部410に出力する。さらに、演出制御装置402は、各チャネルにおける音量を指定する音量設定情報を音量設定部412に出力する。
一方、前記ステップS131において、演出コマンドを受信していないと判定した場合には、演出制御部402は、ステップS133に移行し、待機中の演出を行うように、画像生成部405および音響生成部406などに対して指示を行う。これにより、画像生成部405は、待機中の演出を実行するための画像データを生成して、演出表示装置107に表示させ、音響生成部406は、待機中の画像演出に対応する音響演出をするための音響信号を生成する。
(動作の説明)
次に、具体的な演出制御部402および音響生成部406の動作を、幾つかの実施形態に分けて説明する。実施形態1〜3においては、不連続再生として「リーチ演出」が挿入される場合に通常遊技の一時停止時において、一時停止解除の際に通常遊技の演出を若干量の巻き戻した位置から行う処理または早送りした位置から行う処理に関する。具体的には、実施形態1は、一時停止を解除する際に所定量、通常遊技の演出を巻き戻した位置から再開させる処理に関する。実施形態2は、一時停止を解除する際に所定量、通常遊技の演出を早送りした位置から再開させる処理に関する。実施形態3は、通常遊技の演出を早送りした位置から再開させる処理の変形例に関する。実施形態4は、一つの演出処理の中途で行う連続した巻き戻し処理に関する。実施形態5は、一つの演出処理の中途で行う連続した早送り処理に関する。
(実施形態1)
本発明の実施形態1は、一時停止時におこなう演出の巻き戻し処理に関する。図12に本実施形態1における音響再生のタイミングチャートを示す。当該タイミングチャートでは、複数のチャネル間における説明を判り易くするため、音響として、「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」…というように、五十音が「あ行」から順番に等間隔で発音されるような音声を内容とするが、これに限定されないことは言うまでもない。また複数のチャネル間の時間差Δdも例示に過ぎず、任意の時間差に設定することが可能である。
図12に示すように、本実施形態1では、複数のチャネルとしてチャネルCH1とチャネルCH2とに、通常遊技のための音響演出として、同じ音源データが読み込まれ、同じ音響が再生されるようになっている。図12における音響の再生開始時(時刻ts)、チャネル制御部410は、まずチャネルCH1において音響の再生を開始させ、次いで、チャネルCH1の再生開始時から所定の時間差だけ遅延したタイミング(図12の時刻t0)でチャネルCH2の再生を開始させる。この時間差は一時停止解除時における音響の巻き戻し量に相当する。一時停止が解除されるごとに巻き戻し量を異ならせてもよいが、処理を簡単にするには一定値とする。本実施形態では、その一定値の時間差をΔdとする。音量設定部412は、図12に示すようにチャネルCH1の音量をオン音量VONに設定し、チャネルCH2の音量をオフ音量VOFFに設定する。よって、図12に示す再生開始時(時刻ts)からチャネルCH1の生成する音響信号に基づいて「あ行」の音声がオン音量VONにて発音されるが、チャネルCH2の生成する音響信号については音量設定がオフ音量VOFFであるため発音されない。音響の再生開始と同時に、画像生成部405は、「リーチ演出」のための画像データを生成し、演出表示装置107に演出画像を表示させる。
図12の時刻t1において、通常遊技の演出の途中で「リーチ演出」の実行タイミングになると、演出制御部402からは両チャネルの一時停止を指示する一時停止指示情報が出力される。これを受けて、チャネル制御部410は、チャネルCH1およびチャネルCH2における音響の再生を同時に一時停止(中断)させる。一時停止期間中は、他のチャネル、例えばチャネルCH3で「リーチ演出」に対応する画像演出および音響演出が処理される。
図12の時刻t2において、「リーチ演出」が終了すると、演出制御部402からは「リーチ演出」を終了させる再生終了指示情報が出力され、チャネル制御部410は「リーチ演出」の音響を生成していたチャネル、例えばチャネルCH3における音響の生成を終了させる。また、演出制御部402はチャネルCH1およびチャネルCH2に対し一時停止を解除する一時停止解除情報を出力する。これを受けて、チャネル制御部410は、音響の再生が遅延しているチャネルCH2の再生を先行して開始(時刻t1の一時停止位置からの再生再開)させる。音量設定部412は、ここで、チャネルCH1とCH2との音量設定を交替する。すなわち、音響の再生が遅延しているチャネルCH2の音量をオン音量VONに設定し、もう一方のチャネルCH1の音量をオフ音量VOFFに設定する。なお、音量設定部412がオン音量VONとするチャネルを切り換えるタイミングは、図12の時刻t1におけるチャネルCH1およびCH2の一時停止時から一時停止解除までの一時停止期間のいずれのタイミングでもよい。
上述したように、音源回路202g、すなわち音響生成部406では、一つのチャネルについては音源データの再生開始、一時停止、一時停止の解除、再生終了しか指示することができない。ここで、チャネルCH2に対してはオフ音量VOFFにて所定の時間差Δdだけ遅延して再生が開始され、時刻t1の一時停止時にチャネルCH1と同時に再生が中断されているので、チャネルCH2における音響の再生位置はチャネルCH1における音響の再生位置より時間差Δdだけ遅延している。時刻t2において、チャネルCH2に対して音量をオン音量VONにして一時停止を解除するので、時刻t1におけるチャネルCH1の音響再生位置より時間差Δdだけ遡った、すなわち巻き戻された位置から再生されることになる。
なお、画像演出については、画像生成部405において任意の演出位置を指定して画像データの生成が可能であるため、図12の時刻t2において、複数のチャネル間に指定した時間差Δdだけ遡った位置から通常遊技のための画像データ生成を開始させることで、画像演出と音響演出との同期をとる。
図12の時刻t2においてチャネルCH1よりも遅延していたチャネルCH2の音響の再生が先に再開することによりチャネルCH2とチャネルCH1との再生位置の差は縮まっていく。そして時間差Δd経過後にチャネルCH2の音響の再生位置はチャネルCH1の音響の再生停止位置に追い付き、逆にチャネルCH2の音響の再生位置がチャネルCH1の音響の再生位置に先行するようになる。そこで、チャネル制御部410は、再生が再開したチャネルCH2における再生より音響の再生がさらに遅延する所定のタイミング、例えば、図12の時刻t3において、チャネルCH1における音響の再生を再開させる。チャネルCH2の音響の再生位置に対してチャネルCH1の音響の再生位置の遅延量は任意に設定可能であるが、一時停止解除時の巻き戻し量を一定値(時間差Δd)とするなら、チャネルCH2の再生を再開する時刻t2からチャネルCH1の再生を再開するまでの時間差は、両チャネル間に必要な時間差Δdの2倍=Δ2dということになる。すなわち、チャネルCH1の音響の再生が停止している状態でチャネルCH2を時間差Δdだけ再生することでチャネルCH2の再生位置はチャネルCH1の再生位置に追いつき、さらに時間差Δdだけ再生することで今度はチャネルCH1がチャネルCH2に対して時間差Δdだけ遅延するようになる。
図12の時刻t4において、2回目の「リーチ演出」に対応して一時停止が指示された場合には、チャネル制御部410は、両チャネルの再生を同時に停止する。そして図12の時刻t5において、一時停止の解除が指示された場合には、チャネルCH1の音響の再生を再開させる。音量設定部412は、今度はチャネルCH1をオン音量VONに設定する。そして時間差2・Δd経過後、すなわち、遅延していたチャネルCH1における音量の再生がチャネルCH2に追いつき、さらに時間差Δdだけ先行した時刻t6においてチャネルCH2における音量の再生をオフ音量VOFFに設定して再開させる。
以降、一時停止が指示されるたびに、チャネル制御部410は、オン音量VONに設定するチャネルを切り替えながら、同様の処理を繰り返す。このように、本実施形態1によれば、一時停止が解除されるたびに時間差Δdだけ巻き戻された音響が提供される。
図13に、実施形態1における一時停止時の巻き戻し処理を説明するフローチャートを示す。当該処理は、任意の頻度でコールされる処理である。
図13のステップS201において、演出制御部402は、遊技モードに応じて音響選出をすべきか否かを判定する。音響演出が不要な場合には(NO)、当該処理から復帰する。音響演出が必要な場合(YES)、ステップS202に移行し、演出制御部402は、通常遊技の音響再生を開始すべきか否かを判定する。通常遊技の音響再生開始時に相当していない場合(NO)、ステップS210に移行する。通常遊技の音響再生開始時に相当していた場合(YES)、ステップS203に移行し、演出制御部402は、チャネルCH1を、音響を発音させる発音チャネルとして指定し、チャネルCH2を音響の発音を禁止する無音チャネルに指定する。次いでステップS204に移行し、演出制御部402は、音響生成部406の音量設定部412に対し、発音チャネル(最初はチャネルCH1)をオン音量VONに設定する音量設定情報を送信する。これを受けて、音量設定部412は発音チャネルとして指定されたチャネルの音量をオン音量VONに設定する。次いでステップS205に移行し、演出制御部402は、音響生成部406の音量設定部412に対し、無音チャネル(最初はチャネルCH2)をオフ音量VOFFに設定する音量設定情報を送信する。これを受けて、音量設定部412は無音チャネルとして指定されたチャネルの音量をオフ音量VOFFに設定する。
ステップS206において、演出制御部402は、音響生成部406のチャネル制御部410に対し、発音チャネルとして指定されたチャネルに対し、通常遊技のための音源データを指定する音響識別情報、および、この音源データに基づき音響信号の生成を開始させる再生開始指示情報を送信する。これを受けて、チャネル制御部410は、発音チャネルとして指定されたチャネルに対し通常遊技のための音源データを参照して音響信号の生成を開始する(例えば、図12の再生開始時刻ts、t2、t5)。発音チャネルとして指定されたチャネルの音量は既にステップS204でオン音量VONに設定されているので、遊技者には通常遊技の音響が認識可能に提供される。なお、通常遊技のための画像データも音響演出に同期させて、画像生成部405において生成される。
次いで演出制御部402はチャネル間で音響の再生位置に所定の時間差を生じさせる。まずステップS207において発音チャネルと無音チャネルとの再生位置の時間差Δtを計数する。次いでステップS208において再生位置の時間差Δtが予め定められた時間差Δd(図13参照)となるまで(NO)、発音チャネルと無音チャネルとの再生位置の時間差Δtが繰り返し計算される(ステップS207)。ステップS208において再生位置の時間差Δtが予め設定された時間差Δdに達したら(YES)、ステップS209に移行し、演出制御部402は、チャネル制御部410に対し、無音チャネルとして指定されたチャネルに対し、通常遊技のための音源データを指定する音響識別情報、および、この音源データに基づき音響信号の生成を開始させる再生開始指示情報を送信する。これを受けて、チャネル制御部410は、無音チャネルとして指定されたチャネルに対し通常遊技のための音源データを参照して音響信号の生成を開始する(例えば、図12の再生開始時刻t0、t3、t6)。無音チャネルとして指定されたチャネルの音量は既にステップS205でオフ音量VOFFに設定されているので、遊技者には認識されることはない。
ステップS210において、演出制御部402は「リーチ演出」モードの開始か否かを判定する。「リーチ演出」の開始ではないと判定された場合(NO)にはステップS214に移行する。一方、「リーチ演出」の開始であると判定された場合(YES)には、ステップS211に移行し、演出制御部402は、チャネル制御部410に対し、チャネルCH1およびCH2の音響再生を一時停止する一時停止指示情報を出力する。これを受けて、チャネル制御部410ではチャネルCH1およびチャネルCH2の音響再生を中断する(例えば、図12の時刻t1、t4)。なお、通常遊技のための画像データも音響演出に同期させて中断される。
次いでステップS212に移行し、演出制御部402は「リーチ演出」を再生するチャネル、例えばチャネルCH3を特定して、音量をオン音量VONに設定する音量設定情報を送信する。次いでステップS213において、演出制御部402は、チャネル制御部410に対し、「リーチ演出」のための音源データを指定する音響識別情報および音響の再生開始指示情報を送信する。これを受けて、チャネル制御部410はチャネルCH3において「リーチ演出」のための音響生成を開始させる。なお、「リーチ演出」のための画像データも音響演出に同期させて、画像生成部405において生成される。
ステップS214において、演出制御部402は「リーチ演出」モードが終了したか否かを判定する。判定の結果、「リーチ演出」モードが継続していると判定された場合(NO)には、ステップS216に移行し、音響生成が終了しているか否かが判定される。音響生成が継続している場合(NO)には、当該処理を抜ける。
一方、ステップS214において、「リーチ演出」モードが終了したと判定された場合(YES)には、ステップS215に移行し、演出制御部402は、発音チャネルと無音チャネルとを交替する。すなわちそれまで発音チャネルに指定されていたチャネルを無音チャネルに指定し、無音チャネルに指定されていたチャネルを発音チャネルに指定する。この処理により、通常遊技のための音響を発音するチャネルがチャネルCH1からチャネルCH2へ(図12の時刻t1〜t2)、またはチャネルCH2からチャネルCH1へ(図12の時刻t4〜t5)、と変更される。その後、ステップS204以降の処理が繰り返される。すなわち、発音チャネルと無音チャネルとが交替したチャネルそれぞれにおいて、音量設定や再生開始が指示される(ステップS204〜S209)。また「リーチ演出」が再度発生した場合には、「リーチ演出」と一時停止の解除、一時停止の解除に伴う発音チャネルと無音チャネルとの交替が繰り返される(ステップS210〜S215)。
ステップS216において、通常遊技のための音響再生が終了したと判定された場合(YES)、演出制御部402は、ステップS217において全チャネルの音量をオフ音量VOFFに設定する音量設定情報を出力し、音量設定部412は全チャネルの音量を無音状態とする。
なお、上記演出制御部402の指示する演出内容と音響生成部406における制御内容との役割分担は例示に過ぎず、役割分担を変更することが可能である。例えば、本明細書の各実施形態では、演出制御部402が本発明に係る音響生成制御、具体的には複数のチャネルにおいて所定の時間差で同じ音響の再生を開始させる処理、それぞれのチャネルに対する音量設定の変更、それぞれのチャネルに対する一時停止の指示および解除を総て指示するものとして説明してあるが、音響生成部406にそれらの一部または全部の機能を分担させてもよい。例えば、演出制御部402が通常遊技についての一つの音響の再生を指定した場合に、音響生成部406がその音響を所定の時間差で複数のチャネルに再生開始させるようにしてもよい。また演出制御部402が通常遊技についての一時停止を指示または解除(「リーチ演出」の指示と同時期)した場合、音響生成部406が並行して同じ音響を再生させている複数のチャネルのそれぞれに対して、それぞれ再生の一時停止、解除、および音量設定の変更をするように機能することもできる。本発明に係る音響制御のプログラム設計を演出制御部405のプログラマーにさせるか音響生成部406のプログラマーにさせるかで、本発明の音響生成処理に係る機能を任意に分割すればよい。
以上、本実施形態1によれば、以下の利点を備える。
1)本実施形態1によれば、複数のチャネルCH1およびCH2間で一定の時間差Δdをおいて同じ音響が並行して再生されており、いずれか一つのチャネルのみがオン音量VON、すなわち遊技者に聞こえる音量で、他のチャネルがオフ音量VOFF、すなわち遊技者に聞こえない音量で再生される。そして、音響の進行を不連続に変化させる不連続再生として「リーチ演出」に伴う通常遊技の一時停止があった場合に、発音チャネルと無音チャネルとが交替する。特に、チャネル制御部410は、一時停止の指示に対応して複数のチャネルCH1およびCH2の再生を同時に中断させ、一時停止の解除に対応して、音響の再生が遅延しているチャネルの再生を先行して再開させ、音響設定部412は、一時停止の指示または解除に対応して、音響の再生が遅延しているチャネルの音量をオン音量VONに設定する。よって、一時停止解除とともに時間差Δdだけ遅延した、すなわち巻き戻された位置から音響が提供される。これにより、任意位置からの音響の再生ができない音源回路を使用していても一時停止後の巻き戻し処理が可能となる。
2)本実施形態1によれば、チャネル制御部410は、再生が再開した音響の再生が遅延しているチャネル(例えば、図12の時刻t2〜t4におけるチャネルCH2)における再生より音響の再生がさらに遅延するタイミング(例えば、図12の2・Δdの遅延)で他のチャネル(例えば、図12の時刻t3〜t4におけるチャネルCH1)の音響の再生を再開させるので、2回目以降の一時停止解除時にも巻き戻しを行うことが可能である。
(実施形態2)
上記実施形態1では、一時停止を解除する際に所定の時間差だけ通常遊技の演出音響を巻き戻す処理であったが、本実施形態2では、一時停止を解除する際に所定の時間差だけ、通常遊技の演出音響を早送りする処理に関する。
本実施形態2における遊技機の構成は上記実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
図14に本実施形態2における音響再生のタイミングチャートを示す。当該タイミングチャートでも、上記実施形態1と同様に、再生される音響は、五十音が「あ行」から順番に等間隔で発音されるような音声を内容とするが、これに限定されないことは言うまでもない。また複数のチャネル間の時間差も例示に過ぎず、任意の時間差に設定することが可能である。
図14に示すように、本実施形態2でも、上記実施形態1と同様に、複数のチャネルとしてチャネルCH1とチャネルCH2とに、通常遊技のための音響演出として同じ音源データが読み込まれ、同じ音響が再生されるようになっている。
図14における音響の再生開始時(時刻ts)、チャネル制御部410は、まずチャネルCH1において音響の再生を開始させ、次いで、チャネルCH1の再生開始時から時間差Δdだけ遅延したタイミングでチャネルCH2の再生を開始させる。音量設定部412は、図14に示すようにチャネルCH1の音量をオフ音量VOFFに設定し、チャネルCH2の音量をオン音量VONに設定する。よって、図14に示す再生開始時(時刻ts)においてチャネルCH1が音響信号を生成しているものの音量設定がオフ音量VOFFであるため発音されない。一方、時刻t0においてチャネルCH2の生成する音響信号が音量設定がオン音量VONで生成されるので、「あ行」の音声が発音されることになる。音響の再生開始と同時に、画像生成部405は、「リーチ演出」のための画像データを生成し、演出表示装置107に演出画像を表示させる。ここで、画像データによる画像演出を音響演出と同期させるため、遊技者に認識されるチャネルCH2の音響に同期させて画像演出のための画像データを生成する必要がある。
図14の時刻t1において、通常遊技の演出の途中で「リーチ演出」の実行タイミングになると、演出制御部402からは両チャネルの一時停止を指示する一時停止指示情報が出力される。これを受けて、チャネル制御部410は、チャネルCH1およびチャネルCH2における音響の再生を同時に一時停止(中断)させる。なお、一時停止期間中は、他のチャネル、例えばチャネルCH3で「リーチ演出」に対応する画像演出および音響演出が処理される。
図14の時刻t2において、「リーチ演出」が終了すると、演出制御部402からは「リーチ演出」を終了させる再生終了指示情報が出力され、チャネル制御部410は「リーチ演出」の音響を生成していたチャネル、例えばチャネルCH3における音響の生成を終了させる。また、演出制御部402はチャネル1およびチャネル2に対し一時停止を解除する一時停止解除情報を出力する。これを受けて、チャネル制御部410は、両チャネルにおける音響の再生を同時に再開させる。音量設定部412は、音響の再生が先行しているチャネル(図14における最初の一時停止ではチャネルCH1)の音量をオン音量VONに設定し、もう一方のチャネル(図14における最初の一時停止ではチャネルCH2)の音量をオフ音量VOFFに設定する。なお、音量設定部412がオン音量VONとするチャネルを切り換えるタイミングは、図14の時刻t1におけるチャネルCH1およびCH2の一時停止時から一時停止解除までの一時停止期間のいずれのタイミングでもよい。
上述したように、音源回路202g、すなわち音響生成部406では、一つのチャネルについては音源データの再生開始、一時停止、一時停止の解除、再生終了しか指示することができないが、チャネルCH1についてはオフ音量VOFFで所定の時間差Δdだけ先行して再生が開始され、時刻t1の一時停止時にチャネルCH2と同時に再生が中断されているので、チャネルCH1における音響の再生位置はチャネルCH2における音響の再生位置より時間差Δdだけ先行している。この再生位置のまま時刻t2にてチャネルCH1に対して音量をオン音量VONにして一時停止を解除するので、時刻t1におけるチャネルCH2の音響再生位置より時間差Δdだけ先走った、すなわち早送りされた位置から再生されることになる。
なお、画像演出については、画像生成部405において任意の演出位置を指定して画像データの生成が可能であるため、図14の時刻t2において、複数のチャネル間に指定した時間差Δdだけ先行した位置から通常遊技のための画像データ生成を開始させることで、画像演出と音響演出との同期をとる。
図14の時刻t3において、2回目の「リーチ演出」の実行タイミングになると、演出制御部402からは音響の再生が先行していたチャネル(図14の時刻t3ではチャネルCH1)の一時停止を指示する一時停止指示情報が出力され、これを受けて、チャネル制御部410は、チャネルCH1における音響の再生を時停止(中断)させる。一方、音響の先行が遅延していたチャネル(図14の時刻t3ではチャネルCH2)については、一時停止期間に入ってから所定時間、音響の再生が継続される。チャネルCH1よりも遅延していたチャネルCH2の音響の再生が継続することにより、チャネルCH2とチャネルCH1との再生位置の差は縮まっていく。そして一時停止時(図14の時刻t3)から時間差Δd経過後にチャネルCH2の音響の再生位置はチャネルCH1の音響の再生停止位置に追い付き、さらにチャネルCH2の音響の再生位置がチャネルCH1の音響の再生位置に先行するようになる。チャネル制御部410は、チャネルCH2における音響の再生がさらに時間差Δdだけ先行するタイミング、例えば、図14の時刻t4において、チャネルCH2における音響の再生を一時停止させる。チャネルCH1の音響の再生位置に対するチャネルCH2の音響の再生位置の先行量は任意に設定可能である。
なお、一時停止期間中は、他のチャネル、例えばチャネルCH3で「リーチ演出」に対応する画像演出および音響演出が処理される。
図14の時刻t5において、一時停止の解除が指示された場合には、チャネル制御部410は両チャネルの音響の再生を再開させる。音量設定部412は、今度はチャネルCH2をオン音量VONに設定し、チャネルCH1をオフ音量VOFFに設定する。
図14の時刻t6において、3回目の「リーチ演出」に対応して一時停止が指示された場合には、チャネル制御部410は、再生が先行しているチャネル(図14の時刻t6ではチャネルCH2)の再生を停止させる。また、チャネルCH1については、チャネルCH2と比べ音響の再生が所定時間差Δdだけ先行するまで再生を継続させてから、一時停止する(図14の時刻t7)。
以降、一時停止が指示されるたびに、チャネル制御部410は、オン音量VONに設定するチャネルを切り替えながら、同様の処理を繰り返す。このように、本実施形態2によれば、一時停止が解除されるたびに時間差Δdだけ早送りされた音響が提供される。
図15に、実施形態2における一時停止時の早送り処理を説明するフローチャートを示す。当該処理は、任意の頻度でコールされる処理である。
図15のステップS301において、演出制御部402は、遊技モードに応じて音響選出をすべきか否かを判定する。音響演出が不要な場合には(NO)、当該処理から復帰する。音響演出が必要な場合(YES)、ステップS302に移行し、演出制御部402は、通常遊技の音響再生を開始すべきか否かを判定する。通常遊技の音響再生開始時に相当していない場合(NO)、ステップS310に移行する。通常遊技の音響再生開始時に相当していた場合(YES)、ステップS303に移行し、演出制御部402は、チャネルCH1を音響の発音を禁止する無音チャネルとして指定し、チャネルCH2を、音響を発音させる発音チャネルに指定する。次いでステップS304に移行し、演出制御部402は、音量設定部412に対し、発音チャネル(最初はチャネルCH2)をオン音量VONに設定する音量設定情報を送信する。これを受けて、音量設定部412は発音チャネルとして指定されたチャネルの音量をオン音量VONに設定する。次いでステップS305に移行し、演出制御部402は、音量設定部412に対し、無音チャネル(最初はチャネルCH1)をオフ音量VOFFに設定する音量設定情報を送信する。これを受けて、音量設定部412は無音チャネルとして指定されたチャネルの音量をオフ音量VOFFに設定する。
ステップS306において、演出制御部402は、音響生成部406のチャネル制御部410に対し、無音チャネルとして指定されたチャネルに対し、通常遊技のための音源データを指定する音響識別情報、および、この音源データに基づき音響信号の生成を開始させる再生開始指示情報を送信する。これを受けて、チャネル制御部410は、無音チャネルとして指定されたチャネルに対し通常遊技のための音源データを参照して音響信号の生成を開始する(例えば、図14の再生開始時刻ts)。無音チャネルとして指定されたチャネルの音量は既にステップS305でオフ音量VOFFに設定されているので、遊技者には認識されることはない。
次いで演出制御部402はチャネル間で音響の再生位置に所定の時間差を生じさせる。まずステップS307において発音チャネルと無音チャネルとの再生位置の時間差Δtを計数する。次いでステップS308において再生位置の時間差Δtが予め設定された時間差Δd(図14参照)となるまで(NO)、発音チャネルと無音チャネルとの再生位置の時間差Δtが繰り返し計算される(ステップS307)。ステップS308において再生位置の時間差Δtが予め設定された時間差Δdに達したら(YES)、ステップS309に移行し、演出制御部402は、チャネル制御部410に対し、発音チャネルとして指定されたチャネルに対し、通常遊技のための音源データを指定する音響識別情報、および、この音源データに基づき音響信号の生成を開始させる再生開始指示情報を送信する。これを受けて、チャネル制御部410は、発音チャネルとして指定されたチャネルに対し通常遊技のための音源データを参照して音響信号の生成を開始する(例えば、図12の再生開始時刻t0)。発音チャネルとして指定されたチャネルの音量は既にステップS304でオン音量VONに設定されているので、遊技者には通常遊技の音響が認識可能に提供される。なお、通常遊技のための画像データも音響演出に同期させて、画像生成部405において生成される。
ステップS310において、演出制御部402は「リーチ演出」モードの開始か否かを判定する。「リーチ演出」の開始ではないと判定された場合(NO)にはステップS314に移行する。一方、「リーチ演出」の開始であると判定された場合(YES)には、ステップS312に移行し、演出制御部402は「リーチ演出」を再生するチャネル、例えばチャネルCH3を特定して、音量をオン音量VONに設定する音量設定情報を送信する。次いでステップS313において、演出制御部402は、チャネル制御部410に対し、「リーチ演出」のための音源データを指定する音響識別情報および音響の再生開始指示情報を送信する。これを受けて、チャネル制御部410はチャネルCH3において「リーチ演出」のための音響生成を開始させる。なお、「リーチ演出」のための画像データも音響演出に同期させて、画像生成部405において生成される。
次いでステップS331において、演出制御部402は、チャネル制御部410に対し、発音チャネルとして指定されたチャネルの音響再生を一時停止する一時停止指示情報を出力する。これを受けて、チャネル制御部410では発音チャネルの音響再生を中断する(例えば、図14の時刻t1、t3、t5)。なお、通常遊技のための画像データも音響演出に同期させて中断される。次いで演出制御部402はチャネル間で音響の再生位置に所定の時間差を生じさせるため、ステップS332において発音チャネルと無音チャネルとの再生位置の時間差Δtを計数する。次いでステップS333において再生位置の時間差Δtが予め設定された時間差Δd(図14参照)となるまで(NO)、発音チャネルと無音チャネルとの再生位置の時間差Δtが繰り返し計算される(ステップS332)。ステップS333において再生位置の時間差Δtが予め設定された時間差Δdに達したら(YES)、ステップS334に移行し、演出制御部402は、チャネル制御部410に対し、無音チャネルとして指定されたチャネルの音響再生を一時停止する一時停止指示情報を出力し、チャネル制御部410はこれを受けて無音チャネルの音響再生を中断する(例えば、図14の時刻t4、t7)。さらにステップS335に移行し、演出制御部402は、発音チャネルと無音チャネルとを交替する。すなわちそれまで発音チャネルに指定されていたチャネルを無音チャネルに指定し、無音チャネルに指定されていたチャネルを発音チャネルに指定する。この処理により、通常遊技のための音響を発音するチャネルがチャネルCH2からチャネルCH1へ(図14の時刻t1〜t2、t6)、またはチャネルCH1からチャネルCH2へ(図14の時刻t3〜t5)、と変更される。
ステップS314において、演出制御部402は「リーチ演出」モードが終了(一時停止解除)したか否かを判定する。判定の結果、「リーチ演出」モードが終了し一時停止を解除すべきと判定された場合(YES)には、ステップS336に移行し、演出制御部402は、発音チャネルをオン音量VONに設定し、無音チャネルをオフ音量VOFFに設定する音量設定情報を出力する。これに応じて、音量設定部412が発音チャネルの音量をオン音量VONに設定し、無音チャネルの音量をオフ音量VOFFに設定する。さらにステップS337において、演出制御部402は両チャネルの一時停止を解除する一時停止解除情報を出力し、チャネル制御部410がこれに応じて両チャネルの一時停止を解除し、音響の再生を再開させる。
一方、ステップS314において、「リーチ演出」モードが継続していると判定された場合(NO)には、さらにステップS316に移行し、通常遊技のための音響再生が終了したかが判定される。通常遊技のための音響再生が終了したと判定された場合(YES)、演出制御部402は、ステップS317において全チャネルの音量をオフ音量VOFFに設定する音量設定情報を出力し、音量設定部412は全チャネルの音量を無音状態とする。ステップS317において通常遊技のための音響再生が終了していない場合(NO)には、当該処理を一旦終了する。
以上、本実施形態2によれば、以下の利点を備える。
1)本実施形態2によれば、複数のチャネルCH1およびCH2間で一定の時間差Δdをおいて同じ音響が並行して再生されており、いずれか一つのチャネルのみがオン音量VON、すなわち遊技者に聞こえる音量で、他のチャネルがオフ音量VOFF、すなわち遊技者に聞こえない音量で再生される。そして、音響の進行を不連続に変化させる不連続再生として「リーチ演出」に伴う通常遊技の一時停止があった場合に、発音チャネルと無音チャネルとが交替する。特に、チャネル制御部410は、最初の一時停止の指示に対応して、複数のチャネルの再生を同時に中断させ、一時停止の解除に対応して、複数のチャネルの再生を再開させ、音量設定部412は、一時停止の解除に対応して、音響の再生が先行しているチャネルの音量をオン音量VONに設定するので、一時停止解除とともに、時間差分先行した、すなわち早送りされた位置から通常遊技の音響が再開することが可能である。これにより、任意位置からの音響の再生ができない音源回路を使用していても一時停止後の早送り処理が可能となる。
2)本実施形態2によれば、チャネル制御部410は、2回目以降の一時停止の指示に対応して、音響の再生が先行しているチャネルの再生を中断させ、音響の再生が遅延しているチャネルにおいて、音響の再生が音響の再生中断位置より時間差Δdだけ先行するまで再生させてから音響の再生を中断させ、一時停止の解除に対応して、複数のチャネルの再生を同時に開始させるので、2回目以降の一時停止においても早送りを行うことが可能である。
(実施形態3)
本実施形態3では、通常遊技の演出音響を早送りする処理の変形例に関する。
本実施形態3における遊技機の構成は上記実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
図16に本実施形態4における音響再生のタイミングチャートを示す。当該タイミングチャートでも、上記実施形態1および2と同様に、再生される音響は、五十音が「あ行」から順番に等間隔で発音されるような音声を内容とするが、これに限定されないことは言うまでもない。また複数のチャネル間の時間差も例示に過ぎず、任意の時間差に設定することが可能である。
図16に示すように、本実施形態3は、上記実施形態2における一時停止時の早送り処理のうち、第1回目の一時停止までの処理を若干変更するものである。2回目以降の一時停止における処理は上記実施形態2と同じである。
図16における音響の再生開始時(時刻ts)、チャネル制御部410は、今度は、両チャネルとも音響の再生を開始させる。音量設定部412は、図16に示すように上記実施形態2と同じく、チャネルCH1の音量をオフ音量VOFFに設定し、チャネルCH2の音量をオン音量VONに設定するものである。時刻tsと同時に、チャネルCH2の生成する音響信号が音量設定がオン音量VONで生成されるので、「あ行」の音声が発音されることになる。音響の再生開始と同時に、画像生成部405は、「リーチ演出」のための画像データを生成し、演出表示装置107に演出画像を表示させる。
図16の時刻t1において、通常遊技の演出の途中で「リーチ演出」の実行タイミングになると、演出制御部402からは、今度は音響の再生が先行していたチャネル(図16の時刻t1ではチャネルCH2)の一時停止を指示する一時停止指示情報が出力され、これを受けて、チャネル制御部410は、チャネルCH2における音響の再生を時停止(中断)させる。一方、音響の先行が遅延していたチャネル(図16の時刻t1ではチャネルCH1)については、一時停止期間に入ってから所定時間、音響の再生が継続される。チャネルCH1とチャネルCH2とは同時に音響の再生が開始しているので、チャネルCH2の再生を停止した瞬間からチャネルCH1の音響の再生位置がチャネルCH1の音響の再生位置に先行するようになる。チャネル制御部410は、チャネルCH1における音響の再生が時間差Δdだけ先行するタイミング、例えば、図16の時刻t2において、チャネルCH1における音響の再生を一時停止させる。それ以降の処理は上記実施形態2と同様である。
図17に、実施形態3における一時停止時の早送り処理の変形例を説明するフローチャートを示す。当該処理は、任意の頻度でコールされる処理である。
図17のステップS401において、演出制御部402は、遊技モードに応じて音響選出をすべきか否かを判定する。音響演出が不要な場合には(NO)、当該処理から復帰する。音響演出が必要な場合(YES)、ステップS402に移行し、演出制御部402は、通常遊技の音響再生を開始すべきか否かを判定する。通常遊技の音響再生開始時に相当していない場合(NO)、ステップS406に移行する。通常遊技の音響再生開始時に相当していた場合(YES)、ステップS403に移行し、演出制御部402は、チャネルCH1を音響の発音を禁止する無音チャネルとして指定し、チャネルCH2を、音響を発音させる発音チャネルに指定する。次いでステップS404に移行し、演出制御部402は、音量設定部412に対し、発音チャネル(最初はチャネルCH2)をオン音量VONに設定し、無音チャネル(最初はチャネルCH1)をオフ音量VOFFに設定する音量設定情報を送信する。これを受けて、音量設定部412は発音チャネルとして指定されたチャネルの音量をオン音量VONに設定し、無音チャネルとして指定されたチャネルの音量をオフ音量VOFFに設定する。そして、ステップS405において、演出制御部402は両チャネルに対する再生開始指示情報を出力し、チャネル制御部410が両チャネルにおける音響の再生を同時に開始させる。
ステップS406において、演出制御部402は「リーチ演出」モードの開始か否かを判定する。「リーチ演出」の開始ではないと判定された場合(NO)にはステップS414に移行する。一方、「リーチ演出」の開始であると判定された場合(YES)には、ステップS407に移行し、演出制御部402は「リーチ演出」を再生するチャネル、例えばチャネルCH3を特定して、音量をオン音量VONに設定する音量設定情報を送信する。次いでステップS408において、演出制御部402は、チャネル制御部410に対し、「リーチ演出」のための音源データを指定する音響識別情報および音響の再生開始指示情報を送信する。これを受けて、チャネル制御部410はチャネルCH3において「リーチ演出」のための音響生成を開始させる。なお、「リーチ演出」のための画像データも音響演出に同期させて、画像生成部405において生成される。
次いでステップS409において、演出制御部402は、チャネル制御部410に対し、発音チャネルとして指定されたチャネルの音響再生を一時停止する一時停止指示情報を出力する。これを受けて、チャネル制御部410では発音チャネルの音響再生を中断する(例えば、図16の時刻t1、t4、t7)。なお、通常遊技のための画像データも音響演出に同期させて中断される。次いで演出制御部402はチャネル間で音響の再生位置に所定の時間差を生じさせるため、ステップS410において発音チャネルと無音チャネルとの再生位置の時間差Δtを計数する。次いでステップS411において再生位置の時間差Δtが予め設定された時間差Δd(図16参照)となるまで(NO)、発音チャネルと無音チャネルとの再生位置の時間差Δtが繰り返し計算される(ステップS410)。ステップS411において再生位置の時間差Δtが予め設定された時間差Δdに達したら(YES)、ステップS412に移行し、演出制御部402は、チャネル制御部410に対し、無音チャネルとして指定されたチャネルの音響再生を一時停止する一時停止指示情報を出力し、チャネル制御部410はこれを受けて無音チャネルの音響再生を中断する(例えば、図16の時刻t2、t5、t8)。さらにステップS413に移行し、演出制御部402は、発音チャネルと無音チャネルとを交替する。すなわち、それまで発音チャネルに指定されていたチャネルを無音チャネルに指定し、無音チャネルに指定されていたチャネルを発音チャネルに指定する。この処理により、通常遊技のための音響を発音するチャネルがチャネルCH2からチャネルCH1へ、またはチャネルCH1からチャネルCH2へと変更される。
ステップS414において、演出制御部402は「リーチ演出」モードが終了(一時停止解除)したか否かを判定する。判定の結果、「リーチ演出」モードが終了し一時停止を解除すべきと判定された場合(YES)には、ステップS415に移行し、演出制御部402は、発音チャネルをオン音量VONに設定し、無音チャネルをオフ音量VOFFに設定する音量設定情報を出力する。これに応じて、音量設定部412が発音チャネルの音量をオン音量VONに設定し、無音チャネルの音量をオフ音量VOFFに設定する。さらにステップS416において、演出制御部402は両チャネルの一時停止を解除する一時停止解除情報を出力し、チャネル制御部410がこれに応じて両チャネルの一時停止を解除し、音響の再生を再開させる。
一方、ステップS414において、「リーチ演出」モードが継続していると判定された場合(NO)には、さらにステップS417に移行し、通常遊技のための音響再生が終了したかが判定される。通常遊技のための音響再生が終了したと判定された場合(YES)、演出制御部402は、ステップS418において全チャネルの音量をオフ音量VOFFに設定する音量設定情報を出力し、音量設定部412は全チャネルの音量を無音状態とする。ステップS417おいて通常遊技のための音響再生が終了していない場合(NO)には、当該処理を一旦終了する。
以上、本実施形態3によれば、チャネル制御部410は、一時停止の指示に対応して、音響の再生が先行しているチャネルの再生を中断させ、音響の再生が遅延しているチャネルにおいて、音響の再生が音響の再生中断位置より先行するまで再生させてから音響の再生を中断させ、一時停止の解除に対応して、複数のチャネルの再生を開始させるようにするので、一時停止の解除時にはいずれか一方のチャネルの再生位置が早送りした位置となっており、そのチャネルの音量をオン音量VONとすることで一時停止ごとに早送り処理をすることが可能である。これにより、任意位置からの音響の再生ができない音源回路を使用していても一時停止後の早送り処理が可能である。特に、本実施形態3によれば、通常遊技の再生開始時にタイムラグ無く音響の再生が可能である。
また本実施形態3によれば、最初の一時停止もそれ以降の一時停止も同じ処理を適用できるため、プログラム設計が簡単である。
(実施形態4)
上記各実施形態は、一時停止を解除する際の巻き戻し処理または早送り処理であったが、本実施形態4は、音響の任意の位置で、任意の量だけ巻き戻しを可能とする連続巻き戻し処理に関する。
本実施形態4における遊技機の構成は上記実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
図18に本実施形態4における音響再生のタイミングチャートを示す。当該タイミングチャートでも、上記実施形態1と同様に、再生される音響は、五十音が「あ行」から順番に等間隔で発音されるような音声を内容とするが、これに限定されないことは言うまでもない。
図18に示すように、本実施形態4では、複数のチャネルの各々が所定の時間差ずつ遅延しながら同じ音響を並行して再生するように制御される。各チャネルには、通常遊技のための音響演出として同じ音源データが読み込まれ、同じ音響が再生される。
連続巻き戻し処理に対応するため、音響生成部406のチャネル制御部410は、巻き戻し処理に使用する複数のチャネルの各々に対し、所定の時間差(ここでは「Δ2d」とする)をおいて順に音響の再生を開始させる。この処理により、例えば図18に示すように、各チャネルにおける音響の再生が順に遅延するようになる。時間差は、チャネルを切り換えるごとに音響の再生位置が巻き戻る移動量に相当し、任意の時間を設定可能である。音量設定部412は、上記複数のチャネルのうち一つのみの音量をオン音量VONに設定し、他のチャネルの音量をオフ音量VOFFに設定するようになっている。
連続巻き戻し処理が指示された場合、音量設定部412は、オン音量VONに設定するチャネルを所定の時間間隔(ここでは「D」とする。図18ではD=Δdとしてある)ごとに再生がより遅延しているチャネルへと切り換えていく。時間間隔Dは、巻き戻し期間中に一つのチャネルが音響の一部を再生する期間となり、任意の長さを設定可能である。音量設定部412は巻き戻し期間中に切り換えていくチャネルの順番を記憶している。図18の例では、時間差Δdごとに音響の再生が遅延していく順番として、CH1→CH2→CH3→CH4→CH5→…→CHN−1→CHN(Nは連続巻き戻し処理に使用するチャネルの最大番号)の順番を記憶していることになる。
図18では、チャネルCH1において五十音順に「あ」から再生が開始され「く」まで再生された時に巻き戻しが指示され、時間間隔Dの三倍の期間巻き戻された場合を例示している。巻き戻し処理の指示に応じて、音量設定部412は、オン音量VONに設定するチャネルを、記憶された順番で時間間隔Dごとに切り換えていく。この処理により、遊技者には、「き」、「か」、「お」、「え」という音声が五十音の逆順で認識可能に提供されることになる。音声「え」を聞いた時に、遊技者が巻き戻し処理の指定を解除すれば、その後に音量設定が切り換えられることがない。よって、最後に音声「えlを再生していたチャネルCH5の音量が継続的にオン音声VONとされ、以降は五十音順で音声が提供されることになる。
ここで、時間差Δdは一回のチャネル切り替えで再生位置が戻る量なので、時間差Δdを大きくすればする程、巻き戻しのスピードをより上げることが可能である。一方、時間差Δdを小さくすればする程、より細やかに巻き戻すことが可能となる。また、時間間隔Dは巻き戻し期間中に各チャネルにおいて一時的に音響が再生される時間長なので、時間間隔Dを大きくすればする程、音響は明りょうに聞こえるようになるが、巻き戻しのスピードはより遅くなる。一方、時間間隔Dを小さくすればする程、音響は聞こえにくくなるが、巻き戻しのスピードはより上がるようになる。よって、時間差Δdおよび時間間隔Dの少なくとも一方を適宜変更することで、巻き戻し処理のスピードや巻き戻りのステップを任意に変更可能である。
また、同じ音響を並行して再生させるチャネル数は、最大巻き戻し量に対応している。例えば、同時に音響を再生させるチャネル数をNとすれば、隣接するチャネル間で時間差Δ2dの遅延が生じさせる場合、巻き戻し処理により最大N・Δ2dに相当する音響の再生時間分を巻き戻すことが可能となる。さらに、音響の全再生時間に亘って巻き戻し可能とするなら、音響の全再生時間をチャネル数で均等に分割した時間差を、時間的に隣接するチャネル間における遅延の時間差として設定する。例えば、音響の全再生時間をTMAXとした場合、巻き戻し処理に使用可能なチャネル数をMとすれば、時間的に隣接するチャネル間の時間差はΔd≒TMAX/Mと計算することができる。音響の冒頭まで巻き戻された場合には、当該音響の最後に巻戻るように処理する場合には、巻き戻し最大時間の制約無く延々と巻き戻し処理を継続させることができる。この場合、巻き戻し処理に使用されるチャネルが順番に、かつ、循環してオン音量に設定されることになる。
さらに、巻き戻し期間中、時間間隔Dに対して時間差Δ2dが巻き戻る計算になるため、時間間隔当たりの巻き戻り量(時間)は、時間差−時間間隔(=Δ2d−D)となる。図18の例では、時間間隔DはΔdに等しいと仮定しているので、時刻t10に開始した巻き戻し処理は時刻t13の時点で4回チャネルが切り換えられ、3回巻き戻り中の再生が行われているので、合計4×Δ2d−3×D(=Δd)=Δ5dだけ巻き戻っていることになる。
なお、画像演出については、画像生成部405において任意の演出位置を指定して画像データの生成が可能であるため、巻き戻し期間において、再生されているチャネルの再生位置に対応する画像データを生成させて、画像演出と音響演出との同期をとる。図18の例では、時刻t10、t11、t12、およびt13の計4回、画像演出における生成位置が変更されることになる。
図19に、実施形態4における連続巻き戻し処理を説明するフローチャートを示す。当該処理は、任意の頻度でコールされる処理である。
図19のステップS501において、演出制御部402は、遊技モードに応じて音響選出をすべきか否かを判定する。音響演出が不要な場合には(NO)、当該処理から復帰する。音響演出が必要な場合(YES)、ステップS502に移行し、演出制御部402は、通常遊技の音響再生を開始すべきか否かを判定する。通常遊技の音響再生開始時に相当していない場合(NO)、ステップS510に移行する。通常遊技の音響再生開始時に相当していた場合(YES)、演出制御部402は、ステップS503において、まず連続巻き戻し処理に関与させるチャネルを管理するチャネルカウンタnに1をセットする。次いでステップS504において、演出制御部402は、チャネルカウンタnにて特定されるチャネルCHnを、音響を発音させる発音チャネルに指定し、巻き戻し処理に関与する他のチャネルを音響の発音を禁止する無音チャネルとして指定する。次いでステップS504に移行し、演出制御部402は、音量設定部412に対し、チャネルCHnをオン音量VONに設定し、それ以外のチャネルをオフ音量VOFFに設定する音量設定情報を送信する。これを受けて、音量設定部412はチャネルCHnの音量をオン音量VONに設定し、その他のチャネルの音量をオフ音量VOFFに設定する。次いでステップS505に移行し、演出制御部402は、チャネル制御部410に対し、発音チャネルとして指定されたチャネルに対し、通常遊技のための音源データを指定する音響識別情報、および、この音源データに基づき音響信号の生成を開始させる再生開始指示情報を送信する。これを受けて、チャネル制御部410は、発音チャネルとして指定されたチャネルに対し通常遊技のための音源データを参照して音響信号の生成を開始する(例えば、図18の再生開始時刻ts)。発音チャネルとして指定されたチャネルの音量は既にステップS504でオン音量VONに設定されているので、遊技者には通常遊技の音響が認識可能に提供される。なお、通常遊技のための画像データも音響演出に同期させて、画像生成部405において生成される。
次いで演出制御部402は複数のチャネルの各々に音響の再生位置の時間差Δ2dを生じさせる処理に移る。まずステップS506においてチャネルCHnとチャネルCHn+1との再生位置の時間差Δtを計数する。次いでステップS507において再生位置の時間差Δtが予め設定された時間差Δ2d(図18参照)となるまで(NO)、チャネルCHnとチャネルCHn+1との再生位置の時間差Δtが繰り返し計算される(ステップS506)。ステップS507において再生位置の時間差Δtが予め設定された時間差Δ2dに達したら(YES)、ステップS508に移行し、演出制御部402は、チャネルカウンタを一つ増加させ、ステップS509においてチャネルカウンタnが連続巻き戻し処理に関与させる最大チャネル数Nを超えたか否かを判定する。チャネルカウンタnが最大チャネル数Nを超えない限り(NO)、ステップS505〜S508のチャネル間に時間差を付けて再生を開始させる処理が繰り返される。
ステップS509においてチャネルカウンタnが最大チャネル数Nを超えたら(YES)、連続巻き戻し処理に関与する総てのチャネルにおける音響再生が並行して開始したことを示しているので、演出制御部402は、ステップS510において、巻き戻し処理の指示があったか否かを判定する。巻き戻し処理の指示があった場合(YES)、ステップS511に移行し、演出制御部402は、チャネルカウンタnを現在の発音チャネルに1を加えた数値とする。この数値は、発音チャネルから時間差Δ2dだけ遅延して音響が再生されているチャネルの番号である。ステップS512において、演出制御部402は、音量設定部412に対し、チャネルCHnの音量をオン音量VONに設定し、連続巻き戻し処理に関与するその他のチャネルの音量をオフ音量VOFFに設定する音量設定情報を送信する。これを受けて、音量設定部412は、時間差Δ2d遅延しているチャネルに発音させ、その他のチャネルを無音に設定する。次いで、演出制御部402は、ステップS513において、チャネルカウンタnを1つ増加させ、ステップS514において、チャネルカウンタが連続巻き戻し処理に関与するチャネル数Nを超えたか否かを判定する。チャネルカウンタnが最大チャネル数Nを超えたら(YES)、連続巻き戻し処理に関与するチャネルのうち最も大きなチャネル番号を超えたことを示しているので、演出制御部402は、ステップS515に移行し、チャネルカウンタnに1をセットし、次の切り替え先のチャネルをチャネルCH1に戻す。
ステップS516においては、時間間隔Dが経過したか否かが判定される。時間間隔Dが経過したと判定されたら(YES)、演出制御部402はステップS512〜S515を繰り返し、次のチャネルをオン音量に設定する処理を行う。ステップS516において、時間間隔Dが経過していない場合にはステップS517においてさらに巻き戻し処理の終了が指示されているか否かが判定される。巻き戻し処理が終了していなければ(NO)、ステップS516に戻り、終了していれば(YES)、ステップS518に移行する。
ステップS518において、音響の再生が終了しているかが判定される。音響の再生が終了していない場合には(NO)、当該処理から復帰し、音響の再生が終了していれば(YES)、全チャネルに対して音量をオフ音量VOFFにする設定をし、当該処理から復帰する。なお、音響の再生終了は、発音チャネルとして指定されているチャネルにおいて音響が最後まで再生されたか否かに基づいて判定する。
以上、本実施形態4によれば、以下の利点を備える。
1)本実施形態4によれば、複数のチャネルの各々が所定の時間差Δ2dをおいて遅延して再生されており、連続巻き戻し処理の期間中、音量をオン音量に設定するチャネルが時間間隔Dごとに切り換えられるので、音響が遡っていくような、いわゆる巻き戻し処理のような音響が提供される。よって、任意位置からの音響の再生ができない音源回路を使用していても連続巻き戻し処理が可能となる。
2)本実施形態4によれば、連続巻き戻し処理に関与する最後のチャネル番号に達するとチャネルCH1の再生に戻るので、音響が終了しない限り、長時間、また何回でも巻き戻し処理をすることが可能である。
3)本実施形態4によれば、チャネル切り替え一回当たりの巻き戻し量である時間差およびチャネル一つ当たりの再生時間である時間間隔を任意に変更できるので、巻き戻しスピードや巻き戻し中に一時的に発音させる音響の長さを音響生成装置の目的に応じて自由に設定可能である。
(実施形態5)
本実施形態5は、音響の任意の位置で、任意の量だけ早送りを可能とする連続早送り処理に関する。
本実施形態4における遊技機の構成は上記実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
図20に本実施形態5における音響再生のタイミングチャートを示す。当該タイミングチャートでも、上記実施形態1と同様に、再生される音響は、五十音が「あ行」から順番に等間隔で発音されるような音声を内容とするが、これに限定されないことは言うまでもない。
図20に示すように、本実施形態5では、複数のチャネルの各々が所定の時間差ずつ先行しながら同じ音響を並行して再生するように制御される。各チャネルには、通常遊技のための音響演出として同じ音源データが読み込まれ、同じ音響が再生される。
連続早送り処理に対応するため、音響生成部406のチャネル制御部410は、早送り処理に使用する複数のチャネルの各々に対し、所定の時間差(ここでは「Δd」とする)をおいて若いチャネル番号から順に音響の再生を開始させる。この処理により、例えば図20に示すように、各チャネルにおける音響の再生が順に遅延(または先行)するようになる。時間差は、チャネルを切り換えるごとに音響の再生位置が先行する移動量に相当し、任意の時間を設定可能である。音量設定部412は、上記複数のチャネルのうち一つのみの音量をオン音量VONに設定し、他のチャネルの音量をオフ音量VOFFに設定するようになっている。
連続早送り処理が指示された場合、音量設定部412は、オン音量VONに設定するチャネルを所定の時間間隔(ここでは「D」とする。図20ではD=Δdとしてある)ごとに、再生がより先行しているチャネルへと切り換えていく。時間間隔Dは、早送り期間中に一つのチャネルが音響の一部を再生する期間となり、任意の長さを設定可能である。音量設定部412は早送り期間中に切り換えていくチャネルの順番を記憶している。図20の例では、音響の再生が先行していく順番として、CHN(Nは連続早送り処理に使用するチャネルの最大番号)→CHN−1→…→CH5→CH4→CH3→CH3→CH1の順番を記憶していることになる。
図20では、チャネルCH5において五十音順に「あ」から再生され、「お」まで再生された時に早送りが指示され、時間間隔Dの三倍の期間早送りされた場合を例示している。早送り処理の指示に応じて、音量設定部412は、オン音量VONに設定するチャネルを、記憶された順番で時間間隔Dごとに切り換えていく。この処理により、遊技者には、「き」、「け」、「さ」、「す」という音声が五十音の逆順で認識可能に提供されることになる。音声「す」を聞いた時に、遊技者が早送り処理の指定を解除すれば、その後に音量設定が切り換えられることがない。よって、最後に音声「すlを再生していたチャネルCH1の音量が継続的にオン音声VONとされ、以降は五十音順で音声が提供されることになる。
ここで、時間差Δdは一回のチャネル切り替え当たりの再生位置の移動量なので、時間差Δdを大きくすればする程、早送りのスピードをより上げることが可能である。一方、時間差Δdを小さくすればする程、より細やかに早送りをすることが可能となる。また、時間間隔Dは早送り期間中に各チャネルにおいて一時的に音響が再生される時間長なので、時間間隔Dを大きくすればする程、音響は明りょうに聞こえるようになるが、早送りのスピードはより遅くなる。一方、時間間隔Dを小さくすればする程、音響は聞こえにくくなるが、早送りのスピードはより上がるようになる。よって、時間差Δdおよび時間間隔Dの少なくとも一方を適宜変更することで、早送り処理のスピードや早送りのステップを任意に変更可能である。
また、同じ音響を並行して再生させるチャネル数は、最大早送り量に対応している。例えば、同時に音響を再生させるチャネル数をNとすれば、隣接するチャネル間で時間差Δdが生じている場合、早送り処理により最大N・Δdに相当する音響の再生時間分を早送りすることが可能となる。さらに、音響の全再生時間に亘って早送り可能とするなら、音響の全再生時間をチャネル数で均等に分割した時間差を、時間的に隣接するチャネル間における時間差として設定する。例えば、音響の全再生時間をTMAXとした場合、早送り処理に使用可能なチャネル数をMとすれば、時間的に隣接するチャネル間の時間差はΔd≒TMAX/Mと計算することができる。音響の最後まで早送りされた場合には、当該音響の先頭に戻るように処理する場合には、早送り最大時間の制約無く延々と早送り処理を継続させることができる。この場合、早送り処理に使用されるチャネルが順番に、かつ、循環してオン音量に設定されることになる。
さらに、早送り期間中、時間間隔Dに対して時間差Δdが巻き戻る計算になるため、時間間隔当たりの早送り量(時間)は、時間差+時間間隔(=Δd+D)となる。図20の例では、時間間隔DはΔdに等しいと仮定しているので、時刻t10に開始した早送り処理は時刻t13の時点で4回チャネルが切り換えられ、3回早送り中の再生が行われているので、合計4×Δd+3×D(=Δd)=Δ7dだけ早送りされていることになる。
なお、画像演出については、画像生成部405において任意の演出位置を指定して画像データの生成が可能であるため、早送り期間において、再生されているチャネルの再生位置に対応する画像データを生成させて、画像演出と音響演出との同期をとる。図20の例では、時刻t10、t11、t12、およびt13の計4回、画像演出における生成位置が変更されることになる。
図21に、実施形態4における連続早送り処理を説明するフローチャートを示す。当該処理は、任意の頻度でコールされる処理である。
図20のステップS601において、演出制御部402は、遊技モードに応じて音響選出をすべきか否かを判定する。音響演出が不要な場合には(NO)、当該処理から復帰する。音響演出が必要な場合(YES)、ステップS602に移行し、演出制御部402は、通常遊技の音響再生を開始すべきか否かを判定する。通常遊技の音響再生開始時に相当していない場合(NO)、ステップS610に移行する。通常遊技の音響再生開始時に相当していた場合(YES)、演出制御部402は、ステップS603において、まず連続早送り処理に関与させるチャネルを管理するチャネルカウンタnに1をセットする。次いでステップS604において、演出制御部402は、チャネルカウンタnにて特定されるチャネルCHnを、音響を発音させる発音チャネルに指定し、早送り処理に関与する他のチャネルを音響の発音を禁止する無音チャネルとして指定する。次いでステップS604に移行し、演出制御部402は、音量設定部412に対し、チャネルCHnをオン音量VONに設定し、それ以外のチャネルをオフ音量VOFFに設定する音量設定情報を送信する。これを受けて、音量設定部412はチャネルCHnの音量をオン音量VONに設定し、その他のチャネルの音量をオフ音量VOFFに設定する。次いでステップS605に移行し、演出制御部402は、チャネル制御部410に対し、発音チャネルとして指定されたチャネルに対し、通常遊技のための音源データを指定する音響識別情報、および、この音源データに基づき音響信号の生成を開始させる再生開始指示情報を送信する。これを受けて、チャネル制御部410は、発音チャネルとして指定されたチャネルに対し通常遊技のための音源データを参照して音響信号の生成を開始する。発音チャネルとして指定されたチャネルの音量は既にステップS604でオン音量VONに設定されているので、遊技者には通常遊技の音響が認識可能に提供される。なお、通常遊技のための画像データも音響演出に同期させて、画像生成部405において生成される。
次いで演出制御部402は複数のチャネルの各々に音響の再生位置の時間差Δdを生じさせる処理に移る。まずステップS606においてチャネルCHnとチャネルCHn+1との再生位置の時間差Δtを計数する。次いでステップS607において再生位置の時間差Δtが予め設定された時間差Δd(図20参照)となるまで(NO)、チャネルCHnとチャネルCHn+1との再生位置の時間差Δtが繰り返し計算される(ステップS606)。ステップS607において再生位置の時間差Δtが予め設定された時間差Δdに達したら(YES)、ステップS608に移行し、演出制御部402は、チャネルカウンタを一つ増加させ、ステップS609においてチャネルカウンタnが連続巻き戻し処理に関与させる最大チャネル数Nを超えたか否かを判定する。チャネルカウンタnが最大チャネル数Nを超えない限り(NO)、ステップS605〜S608のチャネル間に時間差を付けて再生を開始させる処理が繰り返される。
ステップS609においてチャネルカウンタnが最大チャネル数Nを超えたら(YES)、連続早送り処理に関与する総てのチャネルにおける音響再生が並行して開始したことを示しているので、演出制御部402は、ステップS610において、連続早送り処理の指示があったか否かを判定する。巻き戻し処理の指示があった場合(YES)、ステップS611に移行し、演出制御部402は、チャネルカウンタnを現在の発音チャネルから1を減じた数値とする。この数値は、発音チャネルから時間差Δdだけ先行して音響が再生されているチャネルの番号である。ステップS612において、演出制御部402は、音量設定部412に対し、チャネルCHnの音量をオン音量VONに設定し、連続早送り処理に関与するその他のチャネルの音量をオフ音量VOFFに設定する音量設定情報を送信する。これを受けて、音量設定部412は、時間差Δd遅延しているチャネルに発音させ、その他のチャネルを無音に設定する。次いで、演出制御部402は、ステップS613において、チャネルカウンタnを1つ減少させ、ステップS614において、チャネルカウンタnが1より小さくなったか否かを判定する。チャネルカウンタnが1より小さかったら(すなわちゼロ)(YES)、連続早送り処理に関与するチャネルのうち最も若いチャネル番号に達したことを示しているので、演出制御部402は、ステップS615に移行し、チャネルカウンタnに連続早送り処理に関与するチャネルの最大番号であるNをセットし、次の切り替え先のチャネルをチャネルCHNに戻す。
ステップS616においては、時間間隔Dが経過したか否かが判定される。時間間隔Dが経過したと判定されたら(YES)、演出制御部402はステップS612〜S615を繰り返し、次のチャネルをオン音量に設定する処理を行う。ステップS616において、時間間隔Dが経過していない場合にはステップS617においてさらに早送り処理の終了が指示されているか否かが判定される。早送り処理が終了していなければ(NO)、ステップS616に戻り、終了していれば(YES)、ステップS618に移行する。
ステップS618において、音響の再生が終了しているかが判定される。音響の再生が終了していない場合には(NO)、当該処理から復帰し、音響の再生が終了していれば(YES)、全チャネルに対して音量をオフ音量VOFFにする設定をし、当該処理から復帰する。なお、音響の再生終了は、発音チャネルとして指定されているチャネルにおいて音響が最後まで再生されたか否かに基づいて判定する。
以上、本実施形態5によれば、以下の利点を備える。
1)本実施形態5によれば、複数のチャネルの各々が所定の時間差Δdをおいて先行して再生されており、連続早送り処理の期間中、音量をオン音量に設定するチャネルが時間間隔Dごとに切り換えられるので、音響が先行していくような、いわゆる早送り処理のような音響が提供される。よって、任意位置からの音響の再生ができない音源回路を使用していても連続早送り処理が可能となる。
2)本実施形態5によれば、チャネルCH1に達すると連続早送り処理に関与する最後のチャネルCHNの再生に戻るので、音響が終了しない限り、長時間、また何回でも早送り処理をすることが可能である。
3)本実施形態5によれば、チャネル切り替え一回当たりの早送り量である時間差およびチャネル一つ当たりの再生時間である時間間隔を任意に変更できるので、早送りスピードや早送り処理中に一時的に発音させる音響の長さを音響生成装置の目的に応じて自由に設定可能である。
(実施形態6)
本実施形態6は、本発明の音響生成装置を適用可能な他の遊技機に関する。
図22は、本実施形態6に係るスロットマシンの外観を示す正面図である。図22に示すように、本実施形態6では、本発明の音響生成装置をスロットマシンに適用する。図22に示すように、スロットマシン1の筐体の前面部は、開閉自在にフロントパネル2が取り付けられている。フロントパネル2の上部に表示機能を有する液晶表示装置80が設けられた表示領域となっており、中央部に操作部が設けられている。筐体上部には、表示機能を有する液晶表示装置80が設けられている。画像演出はこの液晶表示装置80に表示される。
筐体内部であって表示窓21を通して視認可能な位置には、3つのリール(回胴)が配置されている。正面から見て左側から、左リール22L、中リール22C、右リール22Rの順番で配置されている。リール22L、22Cおよび22Rは、リング状の中空構造に成形されている。表示窓21からは、リール22L、22C、および22Rが観察されるようになっている。リール22L、22C、および22Rのそれぞれの回転軸には、ステッピングモータ(図示せず)が各々連結されている。リール22L、22C、および22Rの内側には、バックランプ(図示せず)が設けられている。バックランプはリールごとに3個ずつ配置されており、リールが停止した時に表示窓21から見える総計で9個の図柄に対して、リール外周面の開口を通して光を照射するようになっている。図22に示す表示窓21上の破線は、有効ライン26a、26b、および26cからなる有効ライン群26を示すものである。リール22L、22C、および22Rに付された図柄は、リール22L、22C、および22Rが停止した時に、表示窓21から見える9個の図柄が全てこれらの有効ライン群26上に位置するような間隔で配置されている。
スロットマシン1の筐体の中央部において、液晶表示装置80の右下側に当たる位置には、メダル投入口43(セレクタ)が設けられている。メダル投入口43からメダルが投入されると、投入されたメダル枚数に応じて有効ライン26a、26b、および26cの1ライン乃至5ラインが有効になるように構成されている。また筐体の中央部には、遊技者によって操作される各種の操作スイッチ、例えば、スタートスイッチ46、ストップスイッチ群47およびベットスイッチ群44・45が設けられている。スタートスイッチ46は、リール22L、22Cおよび22Rの回転をスタートさせるときに遊技者が操作するスイッチ、例えばボタンやレバーである。ストップスイッチ群47は、左リール22Lを停止させるときに操作する左リールストップスイッチ47Lと、中リール22Cを停止させるときに操作する中リールストップスイッチ47Cと、右リール22Rを停止させるときに操作する右リールストップスイッチ47Rとから構成されている。ベットスイッチ群は、遊技者がクレジット内のメダルを投入する際にベット数(賭数)を指定するスイッチ群であり、1ベット・2ベットスイッチ44およびMAXベットスイッチ(3ベットスイッチ)45から構成されている。これらのベットスイッチ44および45も、例えばボタンとして配置されている。1ベット・2ベットスイッチ44が操作されると、1枚又は2枚のメダルがベットされ(ゲームの掛け額として徴収され)、MAXベットスイッチ45が操作されると、最大ベット数である3枚のメダルがベットされる。すなわち、ベットスイッチ群の操作で指定されるベット数が、クレジットとなっているメダル数から徴収され、クレジットがベット数だけ減算される。
筐体の下部の中央部には、メダル払出口(ホッパ装置)31が設けられ、メダル払出口31の両側には、スピーカ90(左スピーカ90Lおよび右スピーカ90R)が設けられている。遊技(ゲーム)中には、種々の演出、例えばバックランプの点灯、液晶表示装置80を用いた画像表示およびスピーカ90からの音声の出力等が行われる。当該スピーカ90は、本発明の音響生成装置によって生成された音響が発音される発音手段である。
これらの構成を有するスロットマシンにおいて実施される通常遊技の概要を簡単に説明する。
スロットマシン1において、遊技者がメダル投入口43からメダルを投入するか、ベットスイッチ群44・45を操作すると、有効ライン26a〜26cがベット数に応じて有効化される。ベット数を指定した遊技者がスタートスイッチ46を操作すると、ベット数に応じた役の抽選が行われると共に、リール22L、22C、および22Rが回転し始める。そして、遊技者がストップスイッチ47L、47C、および47Rのいずれかを操作すると、操作されたボタンに応じてリール22L、22Cおよび22Rの回転が停止する。このとき、スタートスイッチ46の操作と同時に行われている役の抽選結果が当選であった場合には、有効化されている有効ライン群26上に並ぶ図柄の組み合わせが、予め定められた何らかの役の図柄の組み合わせに一致するようにリールが停止制御され、その入賞役に応じたメダルの払い出し等が行われる。
図示しないスロットマシン1の筐体内部には、メイン制御基板およびサブ制御基板が設けられている。メイン制御基板は、上記実施形態1〜5におけるメイン制御基板201に相当する。サブ制御基板は、上記実施形態1〜5におけるサブ制御基板202に相当する。サブ制御基板には、上記実施形態と同じく、演出制御部および音響生成部を備えている。本発明の音響生成装置は、当該音響生成部に搭載される。音響生成装置からの音響信号は、上記スピーカ90に出力される。
上記構成において、遊技機がスロットマシンである場合も、メイン制御基板の抽選結果に基づいて音響演出が定められ、定められた音響演出において一時停止が必要である場合には、上記実施形態1〜3の一時停止解除に伴う巻き戻しまたは早送り処理が適用可能である。また、連続巻き戻し処理や連続早送り処理が必要である場合には、上記実施形態4または5の処理が適用可能である。
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく種々に変形して適用することが可能である。
例えば、実施形態1〜3において、一時停止解除に伴って切り換えられた発音チャネルから音響の再生を再開する際に、音量が徐々に大きくなっていくフェードイン処理を組み合わせてもよい。
また実施形態4および5において、連続巻き戻し処理または連続早送り処理中に、順次切り換えられていくチャネルで時間間隔Dいっぱい発音させる必要は必ずしもなく、時間間隔Dよりも短い期間だけ発音させたり、全く発音させないように処理してもよい。
さらに実施形態4および5において、操作手段等で所望の巻き戻し先や早送り先の再生位置を任意に指定して3つ以上のチャネルを順に切り換えることなく直接所望の巻き戻し先や早送り先にジャンプさせてもよい。このとき、ジャンプさせる先をチャプターやステップで表示することにより、遊技者が認識可能となるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機およびスロットマシンを例示したが、遊技機の枠を超えて、ゲーム装置やシミュレーション装置の画像表示に本発明に係る音響制御処理を適用してもよい。すなわち、上記実施形態の遊技機のような、音源データの途中再生ができないという音源回路を有している装置であっても、本発明を適用して、一時停止解除時の巻き戻し処理や早送り処理、連続巻き戻し処理や連続早送り処理を行うことが可能である。