JP5890043B2 - 抗癌活性を有する2−デオキシ単糖の新規なアセテート - Google Patents

抗癌活性を有する2−デオキシ単糖の新規なアセテート Download PDF

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解糖に対する依存性は、癌の疾患増悪、並びにヘキソキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ及びピルビン酸キナーゼの活性の堅実且つ重大な増加と関連している。低酸素症も多くの固形癌の特徴であり、悪性形質転換、転移及び治療耐性と関連している。さらに、癌細胞における解糖は、腫瘍細胞に見出されるグルコーストランスポーター及び糖分解酵素の増加した発現を通して特定の癌遺伝子によって増加され得る。
悪性神経膠腫は、原発性脳腫瘍の最も一般的な亜型であり、最も致命的なヒト癌である。その最も侵攻型の発現である多形性膠芽腫(GBM)において、患者の生存期間中央値は、最大限の治療努力にもかかわらず9から12カ月の範囲である。実際に、GBMを患う患者の約3分の1で、彼らの腫瘍は、放射線及び化学療法による治療にもかかわらず増殖し続ける。
膠芽腫を治療することの重大な不都合は、正常な細胞及び組織への悪影響である。特定の腫瘍治療の突然変異誘発潜在性は、腫瘍抵抗性をしばしば促進し、他の悪性腫瘍を開始し得る。腫瘍は、抗脈管形成療法などの種々の他の治療に対する抵抗性も発生し得る。したがって、正常な細胞に対する毒性が殆どないか又は全くない、膠芽腫などの高解糖性癌細胞に対する癌治療の需要が存在する。
膠芽腫又は高悪性度の神経膠腫、高悪性度の固形腫瘍、高悪性度のリンパ腫、高悪性度の血液悪性腫瘍などの原発腫瘍及び転移性脳腫瘍などの二次性脳腫瘍を含めた腫瘍及び腫瘍細胞増殖を治療するために有用な化合物を本明細書に提示する。これらの化合物を使用する解糖を阻害する方法がさらに提供される。さらに、脳及び膵癌などの癌並びにパーキンソン病及びてんかん発作を含めた他の疾患の治療の方法が本明細書に記載される。上記方法は、それを必要とする患者に、次式I:
Figure 0005890043

(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、H、COCH、COCHCH、又はCOCHCHCHであり;R及びRは、それぞれ独立に、H又はF(18F若しくは19F)である)の化合物又はその塩、エステル若しくはプロドラッグの治療有効量を投与するステップを含む。
先述の概要及び本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明は、添付図面とともに読むとより良く理解されよう。しかし、本発明は、本明細書に示された厳密な配置及び手段に限定されないことは理解されたい。
本発明及びその利点のより完全な理解のために、ここで、添付図面と関連してなされる以下の説明を参照されたい。
U87膠芽腫細胞系における例1の化合物のインビトロ活性を示す図である。 U87膠芽腫細胞系における例2の化合物のインビトロ活性を示す図である。 U87膠芽腫細胞系における例5の化合物のインビトロ活性を示す図である。 U87膠芽腫細胞系における例3の化合物のインビトロ活性を示す図である。 U87膠芽腫細胞系における例4の化合物のインビトロ活性を示す図である。 U87膠芽腫細胞系における2−DGのインビトロ活性を示す図である。
膠芽腫又は高悪性度の神経膠腫、高悪性度の固形腫瘍、高悪性度のリンパ腫、高悪性度の血液悪性腫瘍などの原発腫瘍及び転移性脳腫瘍などの二次性脳腫瘍を含めた腫瘍及び腫瘍細胞増殖を治療するために有用な化合物を本明細書に提供する。本明細書に提示された化合物は、対象が癌又は別の種類の疾患を有するかを決定するための診断用薬としても使用され得る。これらの化合物は、解糖を阻害するためにも有用である。
本明細書に提示された方法は、それを必要とする対象に、次式I:
Figure 0005890043

(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、H、COCH、COCHCH、又はCOCHCHCHであり;R及びRは、それぞれ独立に、H又はF(18F若しくは19F)である)の化合物又はその塩、エステル若しくはプロドラッグの治療有効量を投与するステップを含む。
真核生物における細胞は、細胞過程を行うためにエネルギーを必要とする。このようなエネルギーは、主として、アデノシン5’−三リン酸(「ATP」)のリン酸結合に貯蔵される。真核生物においてエネルギーを発生する経路には、(1)解糖;(2)クレブス回路(TCA回路又はクエン酸回路とも呼ばれる);及び(3)酸化的リン酸化が含まれる。ATPが合成されるためには、炭水化物は、最初に単糖(例えば、グルコース)に加水分解され、脂質は、脂肪酸及びグリセロールに加水分解される。同様に、タンパク質はアミノ酸に加水分解される。次いで、これらの加水分解された分子の化学結合中のエネルギーが放出され、多数の異化経路を通してATP分子を形成するために細胞によって利用される。
解糖に対する依存性は、癌の疾患増悪、並びにヘキソキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ及びピルビン酸キナーゼの活性の堅実且つ重大な増加と関連している。低酸素症は、特定の固形癌に見出され、血管形成、分化腫瘍増殖、悪性形質転換、転移及び治療耐性と関連している。好気的解糖は、しばしば、腫瘍細胞に見出されるグルコーストランスポーター及び糖分解酵素の増加した発現を通して特定の癌遺伝子によって増加される。
特に、グルコースは、単純糖又は単糖であり、動物にとっての主たるエネルギー源である。グルコースは、糖尿病を患う人を除いてヒトの血液中に約0.1%(通常、1dl当たり60から110mg)の正常な濃度を有するヒトの代謝における重要な糖である。主たるエネルギー源として、グルコースは消化を必要としない。
グルコースの酸化は、細胞によって必要とされるエネルギーを提供する一連の複合生化学反応に寄与する。身体において酸化(代謝)されると、グルコースは、二酸化炭素、水及び特定の窒素化合物を生ずる。グルコース酸化からのエネルギーは、ADPを、細胞内エネルギー伝達の「分子通貨」として知られている多官能性ヌクレオチドであるアデノシン5’−三リン酸(「ATP」)に変換するために使用される。
細胞呼吸中にエネルギー源として生成されるATPは、生合成反応、運動及び細胞分裂を含めた様々な酵素及び細胞過程によって消費される。シグナル伝達経路について、ATPは、それによってキナーゼがタンパク質及び脂質をリン酸化し、アデニル酸シクラーゼがサイクリックAMPを生成する基質である。
ATPは、水中で加水分解される傾向がある不安定分子である。したがって、ATP及びADPを化学平衡にさせる場合、殆ど全てのATPがADPに変換されよう。細胞は、ATPをADPに対して平衡から10桁に維持し、ATP濃度はADP濃度より1000倍高い。この平衡からのずれは、細胞中のATPの加水分解が、多くのエネルギーを放出することを意味する。Nicholls D.G.及びFerguson S.J.(2002年)Bioenergetics Academic Press 第3版。細胞内のATP濃度は、一般的に1〜10mMである。Beis I.、及びNewsholme E.A.(1975年)Biochem J 152巻、23〜32頁。
ATPは、単純糖(例えば、グルコース)、複合糖類(炭水化物)、脂質、及びタンパク質を用いるレドックス反応によって生成される。ATPが合成されるためには、炭水化物は、グルコースなどの単純糖に加水分解され、又は脂肪(トリグリセリド)は、加水分解されて脂肪酸及びグリセロールをもたらす。同様に、タンパク質は、加水分解されてアミノ酸をもたらす。細胞呼吸は、これらの加水分解された分子を二酸化炭素に酸化してATPを生ずる過程である。例えば、ATPの最大36分子が、グルコースの単一分子から生成され得る。Lodish,H.ら(2004年)Molecular Cell Biology、第5版、New York:WH Freeman。真核生物におけるエネルギーを発生させる3つの主要な経路は、解糖、クレブス回路(クエン酸回路としても知られている)、及び酸化的リン酸化である。
生きている生物の主なエネルギー源はグルコースである。グルコースの分解において、グルコース分子の化学結合におけるエネルギーは放出され、ATP分子を形成するために細胞によって利用され得る。それによってこれが起こる過程はいくつかの段階からなる。第1は、解糖(glycolysis)(接頭辞のglycoはグルコースを意味し、lysisは分裂を意味する)と呼ばれ、ここで、グルコース分子は、ピルビン酸と呼ばれる2つのより小さな分子に分解される。以下でさらに考察するように、次の段階は、嫌気生物及び好気生物で異なる。
解糖において、グルコース及びグリセロールは、解糖経路によってピルビン酸塩に代謝される。大部分の生物において、解糖はサイトソル中で起こる。この過程で、2つのATP分子が生成される。NADHの2つの分子も生成され、これらは、電子伝達系によってさらに酸化され、さらなるATP分子の生成をもたらし得る。
解糖は、グルコース分子からのエネルギーの放出における第1段階である。これは、多くの酵素によって細胞質において起こる。好気生物及び嫌気生物の両方とも最初にグルコースをピルビン酸塩に分解するために解糖を使用する。しかし、この段階の後、好気生物は、さらなるエネルギーを得るために酸素を利用する。
解糖は、グルコースのピルビン酸の2つのより小さな分子への分解を含み、それぞれのピルビン酸分子は、3個の炭素原子、又はグルコース分子中の炭素の半分を有する。注目すべきことに、解糖が起こるためには、2個のATP分子が必要である。図2に示されたように、第1のATP分子は、リン酸基を放出し、次いで、このリン酸基は、グルコース分子と結合してグルコースリン酸を形成する。次いで、第2のATP分子は、リン酸基が、フルクトース二リン酸と呼ばれる分子を形成するのに寄与する。フルクトース二リン酸分子は、グリセルアルデヒドホスフェート「PGAL」の2分子に分裂する。次いで、各PGAL分子は、電子を補酵素NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)及びリン酸基に放出し、エネルギーをADPに放出する。
結果として、2つのNAD+分子は、NADHになり、ADPの4分子はATPになる。さらに、ここで、PGALの2分子は、ピルビン酸の分子になり、これは、Cの分子式を有する。本質的に、解糖は、2つのATP分子の「投資」を求めた後に、解糖を始めることができる。4つのATP分子が反応の生成物として形成されるので、2つのATP分子の純益がある。
嫌気生物ではこの時点で、ピルビン酸(ピルベート)は、さらなるエネルギーを得るためにさらなる過程を経る。しかし、これらの過程は、好気性生物が利用する過程のクレブス回路及び電子伝達系に比べて著しく非効率である。解糖は、細胞質中で起こり、グルコース(及び他の単糖)を2つのピルベート分子に分解する多くの酵素により触媒されるステップを含む。その代わりに、上記経路は、2つのATP分子の和の生成をもたらす。解糖経路から生成されるピルベート分子は、サイトソルからミトコンドリアに入る。次いで、分子は、クレブス回路に入るためにアセチル補酵素A(Acetyl−CoA)に変換される。クレブス回路は、シトレートを形成するためのアセチル補酵素Aのオキサロアセテートとの結合からなる。次いで、形成されるシトレートは、一連の酵素により触媒されるステップによって分解されて、さらなるATP分子を生成する。
ATPを生成することに加えて、解糖における異化過程及びクレブス回路も、NADH及びFADH2などの還元補酵素の形態で貯蔵されるようになる電子を生成する。これらの補酵素は、酸化的リン酸化に関与し、ここで、これらの電子は、ミトコンドリア膜を横切る電子伝達系を通過する。この過程の間に、NADH及びFADH2からの陽子は、ミトコンドリア膜間腔に入る。したがって、電子伝達系は、膜間腔内の陽子勾配の形成をもたらす。最終的に、さらなるATP分子の合成を触媒する特定のプロトンチャンネルを通して、陽子は膜間腔からミトコンドリア基質に流れる。
正常な細胞のように、癌細胞もATPを生成するために代謝経路を利用する。しかし、Otto Warburgによる古典的な観察は、非常に増殖性な腫瘍は、通常酸素濃度(normoxia)又は十分な量の酸素の存在下でさえ細胞エネルギー生成のために酸化的リン酸化又はクレブス回路よりも解糖を利用することを示している(酸化的解糖又は「ワールブルク効果」と呼ばれる)。Energy Boost:The Warburg Effect Returns in a New Theory of Cancer、Journal of the National Cancer Institute、96巻、24号、2004年12月15日 1806頁。Hypoxia−inducible Factor 1 Activation by Aerobic Glycolysis Implicates the Warburg Effect in Carcinogenesis、J.Bio.Chem.277巻、26号、23111頁(2002年)。このような条件下で、腫瘍細胞は、グルコース輸送担体及び解糖酵素の両方の発現を上方調節し、同様に、好気的環境において正常な細胞に比べてグルコース(その類似体も)の増加した摂取を助ける。この腫瘍の適応反応は、悪性神経膠腫に対しても正しいようである。
悪性腫瘍の進行とともに起こる他の一般的な変化は、(一般的に、PTEN損失による又はEGFRなどの成長因子活性による)PI−3K/AKT経路の活性化である。この生存経路は、血管形成のための刺激、アポプトーシスの阻害、並びに解糖の活性化及びグルコース摂取の増加を促進する代謝シフトを含む多くの適応変化を活性化する。さらに、解糖経路を上方調節する悪性の表現型もc−Myc、Hif−1α及びSTAT−3によって誘導され、これらの全てが、高悪性度の悪性形質転換に関係している。
先述の悪性形質転換は、分化成長パターンを示す。すなわち、悪性腫瘍は、主として低酸素の領域及び酸素正常状態の様々な程度の混合領域において生長し得る。相対的低酸素領域は、それに関連した壊死の領域をしばしば有する急速に成長している腫瘤の中心、及び腫瘍の浸潤性成分中のいくつかの相対的に低酸素な領域の両方において見ることができる。したがって、これらの相対的に低酸素な領域のいくつかは、より遅い速度でサイクルしている細胞を有することができ、したがって、多くの化学療法薬剤に対してより耐性であり得る。例えば、神経膠腫は、より急速に成長しているコントラスト増強している腫瘤病巣に対してMRIスキャンでコントラスト増強が殆どか全く見られない主として浸潤性の様式で成長し得る。
一例としての悪性神経膠腫及び多くの他の高悪性度の腫瘍は、従来の療法に対して本質的に耐性である。例えば、高悪性度の悪性腫瘍は非常に血管形成しやすい。特に、最も高悪性度の悪性腫瘍は、大量の血管内皮増殖因子(VEGF)を発現する。VEGFに対するヒト化単クローン抗体であるAVASTIN(登録商標)は、高悪性度の神経膠腫を患う患者を治療するためにイリノテカンと一緒に使用されている。結果は、治療された患者の60%超において非常に高い奏功率を示す(Society of Neuro−Oncology、2005年)。しかし、この高い奏功率は、現段階では改善された6カ月無増悪生存率又は全生存率につながらない。さらに、AVASTIN(登録商標)で治療された多くの患者は、著しく悪化している非対照的な浸潤性腫瘍疾患の進行を表し、「腫瘍回避」、又は主として低酸素なパターンへの生長表現型のシフトを示す。(Conrad,C.A.ら、2008年に提出)。
さらに、悪性神経膠腫及び膵癌などの多くの癌は、従来の療法に対して本質的に耐性であり、重大な治療上の課題となっている。悪性神経膠腫は、100,000当たり6.4例の年間発生率を有し(Central Brain Tumor Registry of the United States、2002年〜2003年)、原発性脳腫瘍の最も一般的な亜型であり、最も致命的なヒト癌である。その最も侵攻型の発現である多形性膠芽腫(GBM)において、患者の生存期間中央値は、最大限の治療努力にもかかわらず12から14カ月の範囲である。実際に、GBMを患う患者の約3分の1で、彼らの腫瘍は、放射線及び化学療法による治療にもかかわらず増殖し続ける。同様に、診断の時点における腫瘍の程度に応じて、膵癌の予後は、わずかの罹病者しか診断5年後に生存していなく、完全な寛解はめったになく、一般的に、不十分であるとみなされている。
さらに、治療に対する腫瘍の耐性の発生に加えて、悪性腫瘍の治療における別の問題は、疾患に冒されていない正常な組織に対する治療の毒性である。しばしば、化学療法は、それらの細胞が正常であるか悪性であるかに関わらず、急速に分化している細胞を殺すことを対象としている。しかし、腫瘍の生長調節経路を無効にすることができれば、広範囲に及ぶ細胞死及び癌治療の関連副作用は、腫瘍の抑制に必ずしも必要ではない。例えば、1つの手法は、治療感作の使用、すなわち、腫瘍細胞の重大な過程を特に標的とする薬物と一緒に標準の治療の低用量を使用し、その他の薬物の効果を増加することである。
したがって、解糖経路は、多くの腫瘍細胞、特に膠芽腫及び膵癌及び他の高度に解糖的に維持された腫瘍の選択的阻害のための潜在的標的となっている。解糖の阻害は、好気条件における正常細胞が、他の経路(例えば、クレブス回路、及び酸化的リン酸化)を通してエネルギーを生成することによって、このような阻害を生き抜くことができるため、このような腫瘍細胞に選択的であろう。対照的に、解糖が解糖性腫瘍細胞において妨げられた場合、腫瘍細胞は、先述の経路を利用することができないため死ぬであろう。
しかし、癌治療のための現在の解糖阻害手法は、様々な課題を提示している。例えば、多くのこのような治療は、腫瘍細胞の低酸素環境に特異的ではない。より重要なことに、現在の治療は、解糖の選択的阻害剤ではない。むしろ、このような治療は、正常な細胞機能に必須である他の経路、例えば、糖鎖形成(ここで、D−マンノースなどの単糖は、タンパク質に結合して糖タンパク質を形成する)も標的にし得る。他の機能の中で、糖タンパク質は、細胞膜の構造的完全性を保つために必須である。
したがって、糖鎖形成への妨害は、臨床的帰結を有することがある。したがって、細胞における他の代謝経路を実質的に妨害しない解糖の選択的阻害による癌治療が必要である。さらに、現在、低酸素細胞への特異性を示す分子によって癌を治療する方法の開発の満たされていない需要がある。本発明はこれらの満たされない需要に取り組む。
「併用療法」という用語は、本開示に記載された治療上の状態又は障害を治療するための2腫以上の治療薬の投与を意味する。このような投与は、これらの治療薬の、例えば、活性成分の一定比率を有する単一カプセル又は各活性成分のための複数の別々のカプセルでの、ほぼ同時の共投与を包含する。さらに、このような投与は、順次的な治療薬の各種類の使用も包含する。いずれの場合も、治療計画は、本明細書に記載された状態又は障害の治療における複合薬の有益な効果を提供するであろう。
本明細書で使用される場合、「解糖阻害剤(glycolysis inhibitor)」、「解糖阻害剤(glycolytic inhibitor)」又は「解糖の阻害剤(単数若しくは複数)」への言及は、解糖に関与する1種若しくは複数の酵素の活性を実質的に阻害するか又は妨害する化合物若しくは組成物を意味するよう意図されている。
本明細書で使用される場合、「解糖の阻害」への言及は、解糖活性の減少、解糖活性の低減、又は解糖活性の排除を意味するよう意図されている。
本明細書で使用される場合、「IC50」への言及は、細胞の生存度を元のレベルの半分に低減する化合物又は組成物の濃度を意味するよう意図されている。広い意味で、IC50は、様々な生物過程を阻害するための物質の最大阻害濃度の半分を意味し得る。
本明細書で使用される場合、「治療有効」への言及は、本開示に記載された疾患又は障害の治療に使用される活性成分の量を限定するよう意図されている。この量は、前記疾患又は障害を低減又は排除する目的を達成する。
本明細書で使用される場合、患者の「治療」への言及は、本開示に記載された状態又は障害を一時的に又は恒久的に治療、低減、緩和、又は改善するための患者への本発明の方法の処置又は適用を意味するよう意図されている。
本明細書で使用される場合、「患者」への言及は、それだけには限らないが、ヒト、ウシ、イヌ、ネコ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、及びウサギを含めた全ての哺乳類を意味するよう意図されている。好ましくは、患者はヒトである。
本明細書で使用される場合、「低酸素の」への言及は、低い酸素供給を特徴とする状態を意味するよう意図されている。
本明細書で使用される場合、「通常酸素濃度の」への言及は、十分な酸素供給を特徴とする状態を意味するよう意図されている。
本明細書で使用される場合、「2−DG」への言及は、2−デオキシ−グルコースを意味するよう意図されている。
理論に束縛されることなく、本明細書に提示された化合物は、アポプトーシスに加えて、又はその代わりに自食作用を誘発することによって効果を発揮し得ることが想定される。自食作用は、細胞質の部分が、最初にオートファゴソームとして知られている二重膜小胞と隔離される調節過程である。Klionsky,D.J.ら、Autophagy as a Regulated Pathway of Cellular Degradation、Science、2000年、290巻:1717〜1721頁。次いで、これらのオートファゴソームは、リソソームと融合してオートリソソーム又は分解性の自食胞になり、その後、隔離された内容物は、リソソーム加水分解酵素によって分解される。自食作用は、ミトコンドリアを含む細胞小器官の大量の分解をもたらし、これは、細胞核の破壊より先に起こる。
自食作用は、様々な細胞状態において誘発され、例えば、それは、栄養枯渇、分化、加齢、形質転換、及び癌に反応して、正常なタンパク質の分解に関与する。Cuervo,A.M.、Autophagy:In Sickness and in Health、Trends Cell Biol、2004年、14巻:70〜77頁;Shintani,T.ら、Autophagy in Health and Disease:A Double−Edged Sword、Science、2004年、306巻:990〜995頁。癌研究において、自食作用は、新しい概念であり、その役割は不明瞭なままである。一般的に、癌細胞は、正常細胞に比べてあまり自食作用による分解を示さない。Bursch,W.ら、Programmed Cell Death(PCD)。Apoptosis,Autophagic PCD,or Others? Ann.N.Y.Acad.Sci.、2000年、926巻:1〜12頁;Ogier−Denis,E.ら、Autophagy:A Barrier or an Adaptive Response to Cancer、Biochim Biophys Acta、2003年、1603巻:113〜128頁;Gozuacik,D.ら、Autophagy as a Cell Death and Tumor Suppressor Mechanism、Oncogene、2004年、23巻:2891〜2906頁。実際、酵母の自食作用に関連した遺伝子Atg6の哺乳類相同物であるBeclin1は、腫瘍抑制因子の役割を果たす。Liang,X.H.ら、Induction of Autophagy and Inhibition of Tumorigenesis by Beclin 1、Nature、1999年、402巻:672〜676頁;Qu,X.ら、Promotion of Tumorigenesis by Heterozygous Disruption of the Beclin 1 Autophagy Gene、J Clin Invest、2003年、112巻:1809〜1820頁;Yue.Z.ら、Beclin 1,an Autophagy Gene Essential For Early Embryonic Development,Is a Haploinsufficient Tumor Suppressor、Proc Natl Acad Sci USA、2003年、100巻:15077〜15082頁。
対照的に、多数の癌治療が、樹立癌細胞系において自食作用を誘発することが示されている。Altan,N.ら、Defective Acidification in Human Breast Tumor Cells and Implications for Chemotherapy、J Exp Med、1998年、187巻:1583〜1598頁;Paglin,S.ら、A Novel Response of Cancer Cells to Radiation Involves Autophagy and Formation of Acidic Vesicles、Cancer Res、2001年、61巻:439〜444頁;Kanzawa,T.ら、Induction of Autophagic Cell Death in Malignant Glioma Cells by Arsenic Trioxide、Cancer Res、2003年、63巻:2103〜2108頁;Daido,S.ら、Inhibition of the DNA−Dependent Protein Kinase Catalytic Subunit Radiosensitizes Malignant Glioma Cells by Inducing Autophagy、Cancer Res、2005年、65巻:4368〜4375頁;Takeuchi,H.ら、Synergistic Augmentation of Rapamycin−Induced Autophagy in Malignant Glioma Cells by Phosphatidylinositol 3−Kinase/Protein Kinase B Inhibitors、Cancer Res、2005年、65巻:3336〜3346頁。しかし、自食作用が、腫瘍細胞を殺す助けとなるか又は代わりに治療の細胞損傷効果からそれらを保護するかは、まだ論争中である。Ogier−Denis,E.ら、Autophagy:A Barrier or an Adaptive Response to Cancer、Biochim Biophys Acta、2003年、1603巻:113〜128頁;Gozuacik,D.ら、Autophagy as a Cell Death and Tumor Suppressor Mechanism、Oncogene、2004年、23巻:2891〜2906頁;Edinger,A.L.ら、Defective Autophagy Leads to Cancer、Cancer Cell、2003年、4巻:422〜424頁;Kondo,Y.ら、Role of Autophagy in Cancer Development and Response to Therapy、Nat Rev Cancer、2005年、5巻:726〜734頁;Hait,W.N.ら、A Matter of Life or Death(or Both):Understanding Autophagy in Cancer、Clin Cancer Res.、2006年4月1日、12巻(7Pt1):1961〜5頁。
現在、自食作用を検知又は定量化する方法は、いくらか限定されている。電子顕微鏡検査による自食胞の実証は、重要な標準であるが、この分析は、相当な技術を必要とし、容易ではなく迅速でもない。アクリジンオレンジ又はモノダンシルカダベリン染色などの他のアッセイは、自食作用に特異的ではない。Paglin,S.ら、A Novel Response of Cancer Cells to Radiation Involves Autophagy and Formation of Acidic Vesicles、Cancer Res、2001年、61巻:439〜444頁;Munafo,D.B.ら、A Novel Assay to Study Autophagy:Regulation of Autophagosome Vacuole Size by Amino Acid Deprivation、J Cell Sci、2001年、114巻:3619〜29頁。緑色蛍光タンパク質(GFP)標識ラット微小管関連タンパク質1軽鎖3(LC3)発現ベクターの使用によって、自食作用検知が特異的で容易になるが、このアッセイは遺伝子導入を必要とし、異種移植モデル又は癌患者から得られた外科的試料には使用可能ではない。Kabeya,Y.ら、LC3,a Mammalian Homologue of Yeast Apg8p,Is Localized in Autophagosome Membranes After Processing、EMBO J、2000年、19巻:5720〜5728頁;Mizushima,N.ら、Dissection of Autophagosome Formation Using Apg5−Deficient Mouse Embryonic Stem Cells、J Cell Biol、2001年、152巻:657〜668頁。
さらに、本明細書に記載された化合物及び方法は、CNS炎症及び状態などの中枢神経系(「CNS」)疾患及び状態、例えば、多発性硬化及び進行性多発性白質脳症を予防又は治療するために使用することができる。
さらに、本明細書に記載された化合物及び方法は、炎症性疾患及び状態、例えば、骨関節炎、関節リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎、並びにループス及び複合自己免疫疾患などの自己免疫疾患を予防又は治療するために使用することができる。
疾患及び状態の血管芽細胞腫及び真性赤血球増加症も、本明細書に記載された化合物及び方法で有利に予防又は治療することができる。
これらの化合物及び方法は、肝細胞のステムネス(stemness)を維持すること、例えば、肝細胞の分化を妨げることによって肝細胞の生存及び分化に影響を与え得る。
本明細書に教示された化合物は、複合的自己免疫疾患の低減にも使用することができる。
本明細書に教示された化合物は、てんかん発作、てんかん重積症又は持続性部分てんかん(epilepticus partialis continua)の治療にも使用することができる。
癌を治療するための本明細書に提示された化合物は、1種若しくは複数の化合物並びに/又はそれだけには限らないが、抗癌剤、抗血管新生剤及び/若しくは自食作用誘導剤を含む他の薬剤と一緒に投与することができる。
抗癌剤
本明細書に記載された方法における使用に適した抗癌剤には、抗腫瘍抗生物質(アントラサイクリン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、ミトラマイシン);フルダラビン、ゲムシタビン、テモゾラミド(テモダール);シクロホスファミド;(カペシタビンなどの)フルオロピリミジン;フルオロウラシル(5−FU又はアドルシル);ニトロソ尿素、例えば、プロカルバジン(マチュレーン)、ロムスチン、CCNU(CeeBU)、3−[(4−アミノ−2−メチル−ピリミジン−5−イル)メチル]−1−(2−クロロエチル)−1−ニトロソ−尿素カルムスチン(ACNU)、(BCNU、BiCNU、Gliadel Wafer)、及びエストラムスチン(Emcyt);ナイトロジェンマスタード;メルファラン;クロラムブシル;ブスルファン;イホスファミドニトロソ尿素;チオテパ;抗有子分裂剤、例えば、ビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチン)及びタキソイド(例えば、タキソール(パクリタキセル))、タキソテール(ドセタキセル)、エポチロン類似体、ディスコデルモライド類似体、及びエリュテロビン類似体(例えば、イホスファミド、メルファラン、クロラムビシル、チオテパ、シスプラチン、及びカルボプラチン)が含まれる。
テモダール及び他の好適な抗癌剤は、当業者によって想定されるような様々なスケジュールに従って治療有効な量で投与することができる。例えば、抗癌剤は、隔週で連続7日間、m体重当たり100mgで投与することができる。抗癌剤は、同じ量で21日投与して7日停止することもできる。他の治療用量及び投与スケジュールも当業者によって想定され得る。
抗血管新生剤
開示された方法において有用な抗血管新生剤には、VEGF阻害剤(例えば、アバスチン)、VEGFトラップ、ソラフィニブ(Sorafinib)、サチン(Sutin)、リノマイド、インテグリンαβ3機能の阻害剤、アンギオスタチン、ラゾキサンなどが含まれる。
このような抗血管新生剤は、血管形成活性を減少させる又は排除する小分子、抗体、アプタマー、タンパク質、ポリペプチド、及び他の化合物又は組成物であり得る。抗血管新生剤は、様々なスケジュールに従って治療有効用量で投与することができる。一例として、アバスチンは、2週又は3週に1回、体重1kg当たり5、10又は15mgの用量で患者に投与することができる。別法として、2〜3週毎に1回、3〜20mg/kgが好適である。
自食作用誘導剤
1種又は複数の自食作用誘導剤も本明細書に提示された方法において使用することができる。例えば、ラパマイシンは、自食作用誘導剤として有用である。他の自食作用誘導剤には、コンカナバリンA、eEF−2キナーゼ阻害剤の阻害剤及びSAHAのようなヒストンデアセチラーゼ阻害剤が含まれる。
本発明の併用療法に1種又は複数の自食作用誘導剤を添加する根拠は、本発明者らの結果が、糖に基づく解糖の阻害剤が、この過程によって腫瘍細胞を殺すことを示していることである。自食作用は、細胞質の部分が最初に、オートファゴソームとして知られている二重膜小胞から隔離される調節過程である。Klionsky,D.J.ら、Autophagy as a Regulated Pathway of Cellular Degradation、Science、2000年、290巻:1717〜1721頁。次いで、これらのオートファゴソームは、リソソームと融合してオートリソソーム又は分解性の自食胞になり、その後、隔離された内容は、リソソーム加水分解酵素によって分解される。自食作用は、ミトコンドリアを含めた細胞小器官の大量の分解をもたらし、これは、細胞核の破壊より先に起こる。
自食作用は、様々な細胞状態において誘発され、例えば、それは、栄養枯渇、分化、加齢、形質転換、及び癌に反応して、正常なタンパク質の分解に関与する。Cuervo,A.M.、Autophagy:In Sickness and in Health、Trends Cell Biol、2004年、14巻:70〜77頁;Shintani,T.ら、Autophagy in Health and Disease:A Double−Edged Sword、Science、2004年、306巻:990〜995頁。癌研究において、自食作用は、新しい概念であり、その役割は不明瞭なままである。一般的に、癌細胞は、正常細胞に比べてあまり自食作用による分解を示さない。Bursch,W.ら、Programmed Cell Death(PCD)。Apoptosis,Autophagic PCD,or Others? Ann.N.Y.Acad.Sci.、2000年、926巻:1〜12頁;Ogier−Denis,E.ら、Autophagy:A Barrier or an Adaptive Response to Cancer、Biochim Biophys Acta、2003年、1603巻:113〜128頁;Gozuacik,D.ら、Autophagy as a Cell Death and Tumor Suppressor Mechanism、Oncogene、2004年、23巻:2891〜2906頁。実際、酵母の自食作用に関連した遺伝子Atg6の哺乳類相同物であるBeclin1は、腫瘍抑制因子の役割を果たす。Liang,X.H.ら、Induction of Autophagy and Inhibition of Tumorigenesis by Beclin 1、Nature、1999年、402巻:672〜676頁;Qu,X.ら、Promotion of Tumorigenesis by Heterozygous Disruption of the Beclin 1 Autophagy Gene、J Clin Invest、2003年、112巻:1809〜1820頁;Yue.Z.ら、Beclin 1,an Autophagy Gene Essential For Early Embryonic Development,Is a Haploinsufficient Tumor Suppressor、Proc Natl Acad Sci USA、2003年、100巻:15077〜15082頁。
本発明の併用療法は、膠芽腫又は高悪性度の神経膠腫などの原発腫瘍、及び転移性脳腫瘍などの二次性脳腫瘍を含む脳腫瘍を治療するのに特に好適である。CNSの1つの特有の性質は、グルコース及びその類似体を摂取するその著しい偏好である。
血糖降下剤
好ましくは本明細書に記載された化合物による治療の前に、様々なスケジュールに従って1種又は複数の血糖降下剤の治療有効量によって患者が同様に治療される場合、より最適な結果が併用療法によって得られることがさらに想定される。本発明に適する血糖降下剤は、血糖値を低下させる化合物を含む。このような化合物の限定されない例には、インスリン、アルファ−グルコシダーゼ阻害剤、スルホニル尿素、メグリチニド、D−フェニルアラニン誘導体、ビグアニド、チアゾリジンジオン、GLP−1類似体、DPP−4阻害剤などが含まれる。
これらの化合物の治療法に加えて、これらの化合物のフッ化誘導体(2−フルオロ−単糖)、F18置換又はF19置換のいずれかは、これらの化合物の薬物動態学及び薬力学が、潜在的により良いバイオアベイラビリティ並びに腫瘍摂取及び腫瘍貯留性によって、現在利用可能な化合物(すなわち、2−F18DG)に比べてより良い特性を提供し得るので、診断化合物として使用することができる。これらの特性は、明白又は予想可能ではない。これらの化合物の診断の優位性は、これらの化合物の特有の態様を表している。
投与方法
本発明に開示された治療の方法は、投与の多数の経路を通して、本発明に開示された化合物の様々な量/濃度で達成することができることを、当業者は容易に理解されよう。投与の好ましい経路は、使用される化合物に応じて変わることがあり、このような経路には、それだけには限らないが、経口、口腔、筋内(i.m.)、静脈内(i.v.)、腹腔内(i.p.)、局所、又は他のいずれかのFDA認可の投与経路が含まれる。投与される又は治療上の濃度は、治療される患者及び投与される化合物に応じても変わる。
本明細書に提供された方法は、治療の様々な形態において使用することができる。例えば、原料化学薬品として化合物を投与することができる場合もあるが、それを医薬製剤として提供することもできる。したがって、本発明は、1種又は複数のその薬学的に許容される担体、及び場合によって1種又は複数の他の治療成分と一緒に、上記化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、プロドラッグ又は溶媒和物を含む医薬製剤を含み得る。担体(単数又は複数)は、製剤の他の成分と相溶性であり、そのレシピエントに有害ではないという意味で「許容される」必要がある。適切な処方は、選択される投与の経路によって決まる。当技術分野において、例えば、レミントンの医薬品科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)において好適であり理解されている周知の技術、担体、及び賦形剤のいずれも使用することができる。本発明の医薬組成物は、例えば従来の混合、溶解、造粒、糖剤−製造、湿式粉砕、乳化、カプセル化、閉じ込め(entrapping)又は圧縮工程を用いて、それ自体知られている方法で製造することができる。
製剤には、経口、(皮下、皮内、筋内、静脈内、関節内、及び髄内を含めた)非経口、腹腔内、経粘膜、経皮、直腸及び(皮膚、口腔、舌下及び眼内を含めた)局所投与に適するものが含まれるが、最も好適な経路は、例えば、レシピエントの状態及び障害に応じて決まり得る。製剤は、好都合に単位剤形で提供することができ、薬学の技術分野で周知の方法のいずれによっても調製することができる。全ての方法は、上記化合物(「活性成分」)を、1種又は複数の副成分を構成する担体と混合するステップを含む。一般的に、製剤は、活性成分を、液体担体又は微粉化した固体担体又は両方と均等に密接に混合し、必要ならば、製品を所望の製剤に成形することによって調製される。
経口投与に適する本発明の製剤は、粉末若しくは顆粒として、水性液体若しくは非水性液体中の溶液若しくは懸濁液として、又は水中油液体乳濁液若しくは油中水液体乳濁液として、所定量の活性成分をそれぞれ含むカプセル、カシェ剤若しくは錠剤などの個別の単位として提供することができる。活性成分は、巨丸剤、舐剤又はペーストとしても提供することができる。
経口で使用することができる医薬製剤には、錠剤、ゼラチン製の押し込み型カプセル、並びにゼラチン及びグリセロール又はソルビトールなどの可塑剤で作られる軟質密封カプセルが含まれる。錠剤は、場合によって1種又は複数の副成分と共に圧縮又は成形によって製造することができる。圧縮錠剤は、結合剤、不活性希釈剤、若しくは滑沢剤、界面活性若しくは分散剤と場合によって混合された粉末又は顆粒などの易流動性の形態の活性成分を好適な機械で圧縮することによって調製することができる。湿製錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を好適な機械で成形することによって製造することができる。錠剤は、場合によってコーティングするか又は溝をつけることができ、その中の活性成分の持続放出又は徐放を提供するように製剤化することができる。経口投与用の全ての製剤は、このような投与に適した用量であるべきである。押し込み型のカプセルは、ラクトースなどの充てん剤、デンプンなどの結合剤、及び/又はタルク若しくはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤及び、場合によって安定剤との混合物中に活性成分を含むことができる。軟カプセル中に、活性成分を、脂肪油、流動パラフィン、又は液体ポリエチレングリコールなどの好適な液体に溶解又は懸濁化することができる。さらに、安定剤を添加することができる。糖剤コアに好適なコーティングを提供する。この目的のために、濃縮糖溶液を使用することができ、これは、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル(carbopol gel)、ポリエチレングリコール、及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液、及び好適な有機溶媒又は溶媒混合物を場合によって含むことができる。識別のため又は活性化合物用量の様々な組合せを特徴付けるために、染料又は顔料を錠剤又は糖剤コーティングに添加することができる。
上記化合物は、注射、例えば、ボーラス注入法又は持続注入による非経口投与用にも製剤化することができる。注射用製剤は、添加保存剤を含む単位剤形、例えば、アンプル、又は多回用量容器で提供することができる。組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液又は乳濁液などの形態をとることができ、懸濁化剤、安定剤及び/又は分散剤などの製剤化剤(formulatory agent)を含むことができる。製剤は、単位用量又は多回用量容器、例えば、密封アンプル及びバイアルで提供することができ、使用直前に無菌液体担体、例えば、生理食塩水又は無菌の発熱物質不含有水を添加するだけでよい粉末形態又は凍結乾燥(freeze−dried)(凍結乾燥(lyophilized))状態で貯蔵することができる。即席の注射溶液及び懸濁液を、先述の種類の無菌粉末、顆粒及び錠剤から調製することができる。
非経口投与用製剤は、抗酸化剤、緩衝剤、静菌薬及び製剤を対象とするレシピエントの血液と等張にする溶質、並びに懸濁化剤及び増粘剤を含み得る水性及び非水性無菌懸濁液を含むことができる活性化合物の水性及び非水性(油性)無菌注射溶液を含む。好適な親油性溶媒又はビヒクルには、ゴマ油などの脂肪油、又はオレイン酸エチル若しくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、又はリポソームが含まれる。水性注射懸濁液は、懸濁液の粘度を増加する物質、例えば、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、又はデキストランを含むことができる。場合によって、上記懸濁液は、DFGの溶解性を増して非常に濃縮された溶液の調製を可能にする好適な安定剤又は薬剤も含むことができる。
特に上述した成分に加えて、本発明の製剤は、問題の製剤の種類を考慮して当技術分野で慣習的な他の薬剤を含むことができ、例えば、経口投与に適するものは、調味剤を含み得ることを理解されたい。
単一剤形を製造するために担体物質と組み合わせることができる化合物の量は、治療する宿主及び特定の投与の方式に応じて変わる。
患者に投与される化合物の正確な量は、担当医師の責務である。任意の特定の患者の特定の用量レベルは、使用される特定の化合物の活性、年齢、体重、総体的な健康、性別、食事、投与の時間、投与の経路、排出速度、複合薬、治療される正確な障害、及び治療される適応症又は状態の重篤性を含めた様々な要因によって決まる。同様に、投与の経路は、状態及びその重篤性に応じて変わり得る。
ヒトの治療に有用であることに加えて、上記化合物は、哺乳類、齧歯類などを含めた伴侶動物、珍しい動物及び家畜の獣医治療にも有用である。より好ましい動物には、ウマ、イヌ、及びネコが含まれる。
場合によっては、化合物を別の治療薬と組み合わせて投与することも適切であり得る。ほんの一例として、本明細書の化合物の1つを受ける場合の患者が経験する副作用の1つが高血圧である場合、血圧降下薬を最初の治療薬と組み合わせて投与することが適切であり得る。或いは、ほんの一例として、本明細書に記載された化合物の1つの治療有効性は、アジュバントの投与によって高められ得る(すなわち、アジュバント単独では、最小の治療利益しか有し得ないが、他の治療薬と組み合わせて、患者に対する全体の治療利益が高められる)。或いは、ほんの一例として、患者に経験される利益は、本明細書に記載された化合物の1つを、同様に治療利益を有する別の治療薬(治療計画も含む)と共に投与することによって増加させることができる。ほんの一例として、本明細書に記載された化合物の1つの投与を含む糖尿病の治療において、患者に糖尿病用の別の治療薬を同様に提供することによって、増加した治療利益が生じ得る。いずれにしても、治療される疾患、障害又は状態に関わらず、患者によって経験される全体利益は、単純に2種の治療薬の付加であることもあり、又は患者は相乗利益を経験することもある。
いずれにしても、複合治療薬(これらの少なくとも1つは本発明の化合物である)は、任意の順序で又は同時に投与することができる。同時の場合、複合治療薬は、単一の統合形態で、又は複合形態で提供することができる(ほんの一例として、単一ピルとして又は2つの別々のピルとしてのいずれかで)。治療薬の1つは、反復投与で与えることができ、又は両方とも反復投与として与えることができる。同時ではない場合、反復投与の間のタイミングは、数分から4週までの範囲に及ぶ任意の期間であり得る。
ここで、上記の方法を例示する特定の例を参照されたい。これらの例は、好ましい実施形態を例示するために提供され、それによって本発明の範囲に対する制限は全く意図されていないことを理解されたい。
化合物を調製するための一般的合成方法
例1の化合物の合成
Figure 0005890043
3,4,6−トリ−O−ベンジル−D−グルカール。グルカール(1.46g、10mmol)のDMF(15mL)中の溶液を調製し0℃に冷却した。水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁液)(1.99g、50mmol)を添加し、この混合物を30分間撹拌した。臭化ベンジル(6.85g、40mmol)を添加し、冷却浴を取り外し、この反応混合物を、全ての基質が生成物に変換されるまで室温で撹拌した。この混合物を0℃(氷浴)に冷却し、水(50mL)をゆっくりと添加し、次いで塩化メチレン(30mL)を添加した。有機層を分離し、水溶液を塩化メチレン(2×20mL)で抽出した。合わせた有機溶液を中性になるまで水で洗浄し、次いでブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。乾燥剤及び溶媒を除去し、溶離液としてヘキサンを使用し;ヘキサン:酢酸エチル40:1、20:1として、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60 Merck)で、生成物を精製した。
生成物を含んだ画分を一緒に集め、蒸発して乾燥し、減圧下で乾燥して3.03gの生成物を得た。収率73%。
Figure 0005890043
3,4,6−トリ−O−ベンジル−D−グルコース。47%臭化水素酸(0.5mL)を、3,4,6−トリ−O−ベンジル−D−グルカール(5mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)中の溶液に添加し、得られた混合物を室温で20分間撹拌した。次いで、この反応混合物を炭酸水素ナトリウムの1%水溶液(125mL)中に注ぎ、酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を中性になるまで水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。乾燥剤及び溶媒を除去し、生成物を酢酸エチル/ヘキサンからの結晶化によって精製した。収率76%、α:β比=3:1。
Figure 0005890043
1−O−アセチル−3,4,6トリ−O−ベンジル−D−グルコース。
3,4,6−トリ−O−ベンジル−D−グルコース(4.34g、10mmol)の塩化メチレン(30mL)及びピリジン(1.58g、1.62mL、20mmol)中の溶液を調製し、0℃に冷却した。塩化アセチル(11mmol)をゆっくりと添加し、全ての基質が消えるまで(TLC)、この混合物を室温で撹拌した。この反応混合物を、ジクロロメタン(50mL)で希釈し、水(2×30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。乾燥剤及び溶媒を除去し、溶離液としてヘキサン:酢酸エチルを使用して、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60 Merck)で、生成物を精製した。生成物を含んだ画分を一緒に集め、蒸発して乾燥し、減圧下で乾燥して、1−O−アセチル−3,4,6トリ−O−ベンジル−D−グルコースが得られた。収率65%、α:β比=3:1。
Figure 0005890043
1−O−アセチル−2−デオキシ−D−グルコース(例1の化合物)。Degussa 10% Pd/C(50%湿潤品)(0.4g)を、1−O−アシル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−2−デオキシ−D−グルコース(5mmol)のエタノール(50mL)中の溶液に添加した。得られた混合物を、水素(45psi)でPaar装置を使用して室温で水素化した。12時間の反応を終えた後、触媒を濾別し、溶媒を蒸発して粗生成物を得た。溶離液としてクロロホルム:メタノールを使用して、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60 Merck)で、生成物を精製した。生成物を含んだ画分を一緒に集め、蒸発して乾燥し、減圧下で乾燥して例1の化合物を得た。収率67%、α:β比=6.7:1、[α]+107°、(c=1.02、メタノール)。α異性体のスペクトル及びわずかなβ異性体のシグナルを分割し得る。
スキーム。例2の化合物の合成
Figure 0005890043
4,6−ジ−O−アセチル−D−グルカールの合成。ペル−O−アセチルグルカール(27.5mmol)を、ホスホラン緩衝液(80mL)中に溶解した。Amano リパーゼ(4.0g)を添加し、この反応混合物を室温で24時間撹拌した。ブライン(200mL)を添加し、得られた混合物を酢酸エチル(3×150mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、セライトを通して濾過し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。乾燥剤及び溶媒を除去し、溶離液としてヘキサン:酢酸エチルを使用して、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60)で、生成物を精製して、4,6−ジ−O−アセチル−D−グルカール(26mmol、収率96%)を得た。
Figure 0005890043
4,6−ジ−O−アセチル−3−O−tert−ブチルジメチルシリル−D−グルカールの合成。4,6−ジ−O−アセチル−D−グルカール(8.7mmol)、t−ブチルジメチルシリルクロリド(10.4mmol)、イミダゾール(17.4mmol)及びDMF(20mL)の混合物を調製し、室温で2時間撹拌した。水(40mL)を添加し、この混合物をヘキサン(3×30mL)で抽出した。合わせた抽出物を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。乾燥剤及び溶媒を除去し、溶離液としてヘキサン:酢酸エチルを使用して、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60)で、生成物を精製して4,6−ジ−O−アセチル−3−O−tert−ブチルジメチルシリル−D−グルカール(7.2mmol、収率83%)を得た。
Figure 0005890043
3−O−tert−ブチルジメチルシリル−D−グルカールの合成。3−O−(tert−ブチルジメチル−シリル)−4,6−ジ−O−アセチル−D−グルカール(11.9g、34.5mmol)をメタノール(120mL)に溶解し、次いで、ナトリウムメタノレートのメタノール中の1M溶液(1mL)を添加した。この反応混合物を室温で6時間撹拌し、塩酸の1M水溶液(1mL)を添加した。反応混合物を蒸発して乾燥し、溶離液としてヘキサン:酢酸エチルを使用して、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60 Merck)で、粗生成物を精製して7.7gの3−O−(tert−ブチルジメチル−シリル)−D−グルカールが得られた。収率(85%)、融点55.0〜56.0℃。
Figure 0005890043
4,6−ジ−O−ベンジル−3−O−tert−ブチルジメチルシリル−D−グルカールの合成。3−O−tert−ブチルジメチルシリル−D−グルカール(4.8mmol)を、DMF(50mL)に溶解した。水酸化ナトリウム(31mmol)、次いでテトラブチルアンモニウムブロミド(125mg)及び臭化ベンジル(10.5mmol)を添加し、この反応混合物を室温で16時間撹拌した。固体を濾別し、ブライン(100ml)を添加し、得られた溶液をヘキサン(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を中性になるまで水で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。固体及び溶媒を除去し、溶離液としてヘキサン:酢酸エチルを使用して、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60)で、粗生成物を精製した。4,6−ジ−O−ベンジル−3−O−tert−ブチルジメチルシリル−D−グルカール(3.0mmol、収率63%)が得られた。
Figure 0005890043
4,6−ジ−O−ベンジル−D−グルカールの合成。4,6−ジ−O−ベンジル−3−O−tert−ブチルジメチルシリル−D−グルカール(3mmol)を、THF(35mL)に溶解した。テトラブチルフルオリド(THF中の1M溶液)(3.5mL)を添加し、この反応混合物を室温で終夜撹拌し、次いで、水(50mL)を添加し、この混合物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を中性になるまで水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。固体及び溶媒を除去し、溶離液としてヘキサン:酢酸エチルを使用して、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60)で、粗生成物を精製した。純粋な4,6−ジ−O−ベンジル−D−グルカール(2.61mmol、収率87%)が得られた。融点53℃。
Figure 0005890043
4,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−D−グルコースの合成。4,6−ジ−O−ベンジル−D−グルカール(4.9mmol)を、THF(60mL)に溶解した。臭化水素酸の48%水溶液(0.4mL)を添加し、この反応混合物を室温で撹拌した。反応が終わった後、水(250mL)を添加し、飽和炭酸ナトリウムを用いて、得られた溶液のpHを8に調節した。次いで、水溶液を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた水抽出物を中性になるまで水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。固体及び溶媒を除去し、溶離液としてヘキサン:酢酸エチルを使用して、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60)で、粗生成物を精製した。純粋な4,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−D−グルコース(3.1mmol、収率63%)が得られた。
1,3−ジ−O−アセチル−4,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−D−グルコース(例2の化合物)の合成。4,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−D−グルコース(3mmol)を、ジクロロメタン(30mL)に溶解した。ピリジン(18mmol)を添加し、この反応混合物を0℃に冷却した。塩化アセチル(9mmol)を添加し、反応が終わるまで、この反応混合物を室温で撹拌し、次いで、反応混合物をジクロロメタン(70mL)で希釈し、水(3×50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。乾燥剤を濾別し、溶媒を蒸発した。この残渣にトルエン(50mL)を添加し、蒸発して乾燥した。トルエンの添加及び蒸発を3回繰り返した。溶離液としてヘキサン:酢酸エチルを使用して、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60)で、粗生成物を精製して純粋な例2の化合物が得られた。収率90%、α:β=1.7:1。
例3の化合物の合成
Figure 0005890043
D−グルカールの合成。炭酸カリウム(50g)を、ペル−O−アセチル化グルカール(0.177 mol)のメタノール中の溶液(500mL)に添加した。この反応混合物を室温で終夜撹拌した。無機塩を濾別し、濾液を蒸発して乾燥した。溶離液としてクロロホルム:メタノールを使用して、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60)で、生成物を精製して0.159molの結晶のD−グルカール(収率90%)(NMRスペクトルは文献のものに一致)を得た。
6−O−tert−ブチルジメチルシリル−D−グルカールの合成。D−グルカール(34mmol)のDMF(50mL)中の溶液を調製した。tert−ブチルジメチルシリルクロリド(37.4mmol)を添加し、次いで、イミダゾール(68mmol)を添加し、この反応混合物を室温で2時間撹拌した。ブライン(250mL)を添加し、得られた混合物を酢酸エチル(3×75mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。固体及び溶媒を除去し、溶離液としてクロロホルム:メタノールを使用して、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60)で、生成物を分離した。6−O−tert−ブチルジメチルシリル−D−グルカール(27.2mmol、収率80%)が得られた。
Figure 0005890043
3,4−ジ−O−ベンジル−6−O−tert−ブチルジメチルシリル−D−グルカールの合成。6−O−tert−ブチルジメチルシリル−D−グルカール(11.5mmol)を、ジクロロメタン(30mL)に溶解した。水酸化ナトリウム(23mmol)を添加し、次いで、テトラブチルアンモニウムブロミド(5mg)及び臭化ベンジル(27mmol)を添加し、この反応混合物を40℃で撹拌した。反応が終わった後、この反応混合物を冷却し、固体を濾別し、濾液をジクロロメタン(100mL)で希釈し、中性になるまで水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。乾燥剤及び溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60)及び溶離液としてヘキサン:酢酸エチルを使用して、生成物を分離した。3,4−ジ−O−ベンジル−6−O−tert−ブチルジメチルシリル−D−グルカール(6.9mmol、収率60%)が得られた。[α]−6.6(c=1、クロロホルム)。
Figure 0005890043
3,4−ジ−O−ベンジル−D−グルカールの合成。テトラブチルアンモニウムフルオリド(THF中の1M溶液)(5mL)を、3,4−ジ−O−ベンジル−6−O−tertブチルジメチルシリル−D−グルカール(4.5mmol)のTHF(50mL)中の溶液に添加した。この反応混合物を室温で終夜撹拌し、次いで、ブライン(100mL)を添加した。得られた溶液を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を中性になるまで水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。乾燥剤及び溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60)及び溶離液としてヘキサン:酢酸エチルを使用して、生成物を単離した。3,4−ジ−O−ベンジル−Dグルカール(3.51mmol、収率78%)が得られた。
Figure 0005890043
3,4−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−D−グルコースの合成。48%臭化水素酸(0.4mL)を3,4−ジ−O−ベンジル−D−グルカール(3.5mmol)のTHF(25mL)中の溶液に添加した。この反応混合物を室温で30分間撹拌した。ブライン(50mL)を添加し、得られた溶液のpHを飽和炭酸ナトリウムで8に調節した。水溶液を酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を中性になるまで水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。乾燥剤及び溶媒を除去し、溶離液としてジクロロメタン:メタノールを使用して、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60)によって、生成物を分離した。
3,4−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−D−グルコース(1.75mmol、収率50%)が得られた。
Figure 0005890043
1,6−ジ−O−アセチル−3,4−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−D−グルコースの合成。3,4−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−D−グルコース(1.6mmol)及びピリジン(9.6mmol)のジクロロメタン(20mL)中の混合物を調製し、0℃に冷却した。塩化アセチル(4.8mmol)を添加し、この反応混合物を室温で撹拌した。反応が終わった後、この反応混合物をジクロロメタン(80mL)で希釈し、水で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。乾燥剤及び溶媒を除去し、溶離液としてヘキサン:酢酸エチルを用いるカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60)を使用して、生成物を分離して純粋な1,6−ジ−O−アセチル−3,4−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−D−グルコースが得られた。収率75%、α:β比=1.3:1。
Figure 0005890043
1,6−ジ−O−アセチル−3,4−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−D−グルコース(例3の化合物)の合成。Pd/C(10%、50%の水を含む)(100mg)を、1,6−ジ−O−アシル−3,4−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−D−グルコース(1mmol)の95%無水エタノール(100mL)中の溶液に添加した。得られた混合物を水素(45psi)でPaar装置を使用して室温で水素化した。24時間の反応が終わった後、触媒を、セライトを通して濾別し、溶媒を蒸発して粗生成物を得た。溶離液としてクロロホルム:メタノールを使用して、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60 Merck)で、生成物を精製した。生成物を含んだ画分を一緒に集め、蒸発して乾燥し、減圧下で乾燥した。
例4の化合物の合成
Figure 0005890043
4,6−ジ−O−アセチル−D−グルカール。ペルアセチル化グルカール(2.72g、10mmol)のリン酸緩衝液pH=7(30mL)及びAmano リパーゼAK(1.8g)中の混合物を室温で4時間撹拌した。この反応混合物に水(50mL)を添加し、次いで酢酸エチル(50mL)を添加した。有機層を分離し、水溶液を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水で洗浄し、セライトを通して濾過し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。乾燥剤を濾別し、溶媒を蒸発して乾燥した。溶離液としてヘキサン:酢酸エチルを使用して、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60 Merck)で、得られた粗生成物を精製して2.09gの純粋な4,6−ジ−O−アセチル−D−グルカール(無色の油)が得られた。収率(91%)。
Figure 0005890043
4,6−ジ−O−アセチル−2−デオキシ−D−グルコース(例4の化合物)。臭化水素酸(0.5mL)の48%溶液を、4,6−ジ−O−アセチル−D−グルカール(0.506g、2.2mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)中の混合物に添加した。この混合物を室温で30分間撹拌し、次いで、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液の添加によって、この反応混合物のpHを8に調節した。得られた溶液を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機抽出物を合わせ、中性になるまで水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。乾燥剤及び溶媒を除去し、溶離液としてクロロホルム:メタノール100:1、98:2を使用して、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60 Merck)で、生成物を精製した。純粋な生成物を含む画分を蒸発して乾燥して0.240gの例4の化合物(収率44%)を得た。(ddd、J=J=13.0Hz、J=3.5Hz、1H、H−2aα)、1.41(ddd、J=J=12.1Hz、J=9.7Hz、1H、H−2aβ)。
3,6−ジ−O−アシル−2−デオキシ−D−グルコース
例5の化合物
Figure 0005890043
4−O−ベンジル−D−グルカール。NaH(1.9mol)のDMF(650mL)中の懸濁液を調製し、0℃に冷却した。ペル−アセチル化グルカール(100g、0.36mol)を少量添加し、得られた混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで、臭化ベンジル(50mL、0.42mol)を一滴ずつ添加した。冷却浴を取り外し、全ての基質が消えるまで(TLC)撹拌を続けた。反応が終わった後、メタノール(150mL)をゆっくりと添加し、この混合物をさらに30分間撹拌した。水(1L)を添加し、溶液を酢酸エチル(3×500mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を中性になるまで水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。乾燥剤及び溶媒を除去し、溶離液としてヘキサン:酢酸エチルを使用して、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60)で、生成物を分離した。収率72%、融点98.5〜100.0℃。
Figure 0005890043
3,6−ジ−O−アシル−4−O−ベンジル−D−グルカール。4−O−ベンジル−D−グルカール(10mmol)の塩化メチレン(30mL)及びピリジン(40mmol)の混合物中の溶液を調製し、0℃に冷却した。塩化アシル(22mmol)をゆっくりと添加し、この混合物を全ての基質が消えるまで(TLC)、室温で撹拌した。この反応混合物をジクロロメタン(50mL)で希釈し、次いで、水(2×30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。乾燥剤及び溶媒を除去し、溶離液としてヘキサン:酢酸エチルを使用して、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60 Merck)で、生成物を精製した。
4−O−ベンジル−3,6−ジ−O−アセチル−D−グルコース。48%臭化水素酸水溶液(0.5mL)を、4−O−ベンジル−3,6−ジ−O−アセチル−D−グルカール(5mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)中の混合物に添加し、得られた溶液を室温で撹拌した。反応が終わった後(TLC)、この反応混合物を炭酸水素ナトリウム(125mL)の10%水溶液中に注ぎ、水溶液を酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。乾燥剤及び溶媒を除去し、溶離液としてヘキサン:酢酸エチルを使用して、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60 Merck)で、生成物を精製した。
生成物を含んだ画分を一緒に集め、蒸発して乾燥し、減圧下で乾燥した。
3,6−ジ−O−アセチル−D−グルコース。Degussa 10% Pd/C(50%湿潤品)(0.4g)を、4−O−ベンジル−3,6−ジ−O−アセチル−D−グルコース(5mmol)のエタノール(50mL)中の溶液に添加した。得られた混合物を水素(45psi)でPaar装置を使用して室温で水素化した。12時間の反応が終わった後(TLC)、触媒を濾別し、溶媒を蒸発して粗生成物を得た。溶離液としてヘキサン:酢酸エチルを使用して、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60 Merck)で、生成物を精製した。
生成物を含んだ画分を一緒に集め、蒸発して乾燥し、減圧下で乾燥した。
6−O−アセチル−2−デオキシ−D−グルコースの合成
例6の化合物
Figure 0005890043
6−O−アセチル−4−O−ベンジル−D−グルカールの合成。4−O−ベンジル−D−グルカール(21.2mmol)及びピリジン(45mmol)を、ジクロロメタン(100mL)に溶解した。得られた溶液を0℃に冷却し、塩化アセチル(25mmol)を添加した。この混合物を0℃で撹拌した。反応が終わった後、この反応混合物を水(3×50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。乾燥剤及び溶媒を除去し、溶離液としてヘキサン:酢酸エチルを使用して、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60)で、生成物を精製した。収率50%。
Figure 0005890043
6−O−アシル−4−O−ベンジル−2−デオキシ−D−グルコースの合成。6−O−アセチル−4−O−ベンジル−D−グルカール(2.5mmol)をTHF(50mL)に溶解した。臭化水素酸(0.5mL)の48%水溶液を添加し、この反応混合物を室温で撹拌した。1時間後、反応を終え、水(250mL)を添加し、次いで、飽和炭酸ナトリウムを使用して、得られた溶液のpHを8に調節した。次いで、水溶液を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた水抽出物を中性になるまで水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。固体及び溶媒を除去し、溶離液としてヘキサン:酢酸エチルを使用して、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60)で、粗生成物を精製した。(収率48%)。
6−O−アセチル−2−デオキシ−D−グルコースの合成。Pd/C(10%、50%含水品)(40mg)を、6−O−アセチル−4−O−ベンジル−2−デオキシ−D−グルコース(1.15mmol)のエチルアルコール(50mL)中の溶液に添加した。この混合物を24時間、Paar装置(45psiのHで)を使用して水素化した。次いで、この反応混合物を、セライトを通して濾過し、蒸発して乾燥し、溶離液としてクロロホルム:メタノールを使用して、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60)で、生成物を精製した。(収率48%)。
次の例に例示された化合物が作られた。
例1
1−O−アセチル−2−デオキシ−D−グルコース
Figure 0005890043
Figure 0005890043

例2
1,3−ジ−O−アセチル−4,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−D−グルコース
Figure 0005890043
Figure 0005890043

例3
1,6−ジ−O−アセチル−3,4−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−D−グルコース
Figure 0005890043
Figure 0005890043

例4
4,6−ジ−O−アセチル−2−デオキシ−D−グルコース
Figure 0005890043
Figure 0005890043

例5
3,6−ジ−O−アセチル−D−グルコース
Figure 0005890043

例6
6−O−アセチル−2−デオキシ−D−グルコース
Figure 0005890043
Figure 0005890043
本明細書に記載された方法において有用なさらなる新たな化合物には以下が含まれる。
Figure 0005890043
本明細書に記載された方法において有用な他の化合物には以下が含まれる。
Figure 0005890043

インビトロ活性
膵臓のColo357−FG細胞系におけるインビトロ活性を下の表1に示す。
表1
Figure 0005890043
様々な生物基質(血漿及び脳組織)におけるこれらの酢酸糖及び得られる2−DGの遊離を定量化し得る分析的方法(LC/MS/MS)が開発された。この分析的方法を用いて、これらの新規な薬剤の薬物動態を試験する予備的な生体内分布研究がCD−1マウスで着手された。
簡単に言えば、1つの治療群当たり4匹の動物に、同一のビヒクルを使用する経口胃管栄養法によって、例6の化合物(2−DGの6−O−アセテート)又は例4の化合物(2−DGの4,6−ジ−O−アセテート)のいずれかの2−DGの等価用量を与えた。次いで、動物の個々の群を用量投与後0.25、0.5、1、2及び4時間に犠牲にした。各動物から血漿及び脳組織を回収し、次いで、LC/質量分析によって2−DG含有量について分析した。
これらの研究からの結果は、活性化合物の血液及び脳への送達における明瞭且つ明確な差異を示している。例6の化合物によって送達された2−DGのピーク血漿濃度は、2−DG単独によって送達されたものの2倍を超えた(97対46μg/ml)。より重要なことには、例6の化合物から導かれた2−DGの循環半減期は、2−DG単独の投与から観測されたものの2倍(1.2対0.6時間)であり、薬物曝露(曲線下の面積)の全体測定値も2−DGのものの2倍であった。これらのデータは、例6の化合物が、推定の単糖代謝拮抗物質へのより一貫性のある持続性の曝露を提供し、2−DGが単独で投与された場合の2倍を超えて長く作用部位(脳)に2−DGの活性濃度を提供することを示している。
例4の化合物はさらに良く作用した。この化合物は、2−DGの等価用量で観測されたものに比べて6倍を上回って大きい平均血漿濃度を提供した。同様に、ピーク脳組織濃度も、2−DGの等価用量より一貫して上回った(387.1対13.7μg/gm)。この例4の化合物から導かれた2−DGの薬物曝露は、同様にCNS中においてより長い持続時間であり、2−DGは、匹敵する2−DG投与に比べて、この化合物の投与後に8倍長く脳組織中に測定可能であった。実際に、2−DG投与後2時間で最高の得られた脳組織濃度は12μg/gmであったが、例4の化合物の投与4時間後に、脳組織の256μg/gmの2−DG濃度が観測された。

Claims (1)

  1. 構造式:
    Figure 0005890043

    の化合物。
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