JP5890012B2 - アルドステロンシンターゼ阻害剤として有用なピラゾール誘導体 - Google Patents

アルドステロンシンターゼ阻害剤として有用なピラゾール誘導体 Download PDF

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Description

本発明は、アルドステロンシンターゼを阻害するのに有用な化合物および塩ならびにその医薬組成物に関する。
アルドステロンシンターゼはアルドステロンを産生するための律速酵素である。高い血漿アルドステロンレベルは、慢性腎疾患を引き起こす進行性腎疾患に関連している。ラットにおけるアルドステロンの注入は、腎臓の線維症および腎臓障害のマーカーである高タンパク尿を生じることが観察されている。腎疾患の動物モデルにより、アルドステロンシンターゼ阻害剤が腎疾患の治療に有用であることが示されている。
腎疾患の主な原因は糖尿病性腎症および高血圧症を生じる糖尿病である。アルドステロンシンターゼ阻害剤はまた、特にアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンギオテンシン受容体遮断薬(ARB)と組み合わされた場合、抵抗性高血圧症の治療に有用であると示されている。また、研究により、鬱血性心不全(CHF)を患っている患者において著しく高いレベルのアルドステロンが示されている。アルドステロン遮断は、CHFを患っている患者の生存率を改善することが示されている。
アルドステロンシンターゼ阻害剤は、例えば特許文献1および特許文献2に開示されている。アルドステロンシンターゼ阻害剤化合物は、コルチゾール、テストステロンおよび/またはエストラジオールの産生も阻害する潜在性を有する。コルチゾール、テストステロンおよび/またはエストラジオールの阻害は、現在のアルドステロンシンターゼ阻害剤の望ましくない副作用である。したがって、新規アルドステロンシンターゼ阻害剤を発見する必要がある。さらに、コルチゾール、テストステロンおよび/またはエストラジール産生の阻害と比較してアルドステロンの産生を選択的に阻害する新規アルドステロンシンターゼ阻害剤を発見する必要性も存在する。
米国特許第5,057,521号 欧州特許公開第0165904号
本発明は、代替のアルドステロンシンターゼ阻害剤を提供する。また、本発明は、コルチゾール、テストステロンおよび/またはエストラジオールの産生と比較してアルドステロン産生を選択的に阻害し得る化合物を提供する。
本発明は、以下の式の化合物:
Figure 0005890012

(式中、
nは0、1、または2であり、
mは1または2であり、
およびRは、水素、−CH、および−CHCHから独立して選択され、
は、水素、−CN、−F、−Cl、−CH、−OCH、または−CFであり、
は、各場合において、−F、−Cl、−Br、−CH、−OCH、−CF、および−CNから独立して選択される)
またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
本発明は、有効量の本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩をそれを必要とする患者に投与することを含む、慢性腎疾患を治療する方法を提供する。
本発明はまた、有効量の本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩をそれを必要とする患者に投与することを含む、糖尿病性腎症を治療する方法を提供する。
本発明はさらに、有効量の本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩をそれを必要とする患者に投与することを含む、鬱血性心不全または高血圧症を治療する方法を提供する。
本発明はさらに、本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩、および1種以上の薬学的に許容可能な担体、希釈剤、または賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。特定の実施形態において、組成物はさらに、1種以上の他の治療剤を含む。
さらに、本発明はまた、療法に使用するため、特に慢性腎疾患、糖尿病性腎症、鬱血性心不全、または高血圧症を治療するための本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
さらに、本発明は、慢性腎疾患の治療に使用するための本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。本発明はまた、糖尿病性腎症の治療に使用するための本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。本発明はさらに、鬱血性心不全および高血圧症の治療に使用するための本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
なおさらに、本発明は、慢性腎疾患、糖尿病性腎症、鬱血性心不全、または高血圧症を治療するための医薬を製造するための本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。
本発明はまた、有効量の本発明の化合物およびアンギオテンシン変換酵素阻害剤(ACE阻害剤)、アンギオテンシン受容体遮断薬(ARB)、またはミネラルコルチコイド受容体(MR)アンタゴニストのうちの1種以上を共投与することを含む、慢性腎疾患を治療する方法を提供する。ACE阻害剤としては、ベナゼプリル(ロテンシン(Lotensin)(登録商標)として米国で市販されている)、カプトプリル(カポテン(Capoten)(登録商標)として米国で市販されている)、エナラプリル/エナラプリラト(経口および注射可能なバソテック(Vasotec)(登録商標)として米国で市販されている)、ホシノプリル(モノプリル(Monopril)(登録商標)として米国で市販されている)、リシノプリル(ゼストリル(Zestril)(登録商標)およびプリニビル(Prinivil)(登録商標)として米国で市販されている)、モエキシプリル(ユニバスク(Univasc)(登録商標)として米国で市販されている)、ペリンドプリル(アセオン(Aceon)(登録商標)として米国で市販されている)、キナプリル(アクプリル(Accupril)(登録商標)として米国で市販されている)、ラミプリル(アルテース(Altace)(登録商標)として米国で市販されている)、およびトランドラプリル(マビック(Mavik)(登録商標)として米国で市販されている)が挙げられる。ARBとしては、カンデサルタン(アタカンド(Atacand)(登録商標)として米国で市販されている)、イルベサルタン(アバプロ(Avapro)(登録商標)として米国で市販されている)、オルメサルタン(ベニカー(Benicar)(登録商標)として米国で市販されている)、ロサルタン(コザール(Cozaar)(登録商標)として米国で市販されている)、バルサルタン(ディオバン(Diovan)(登録商標)として米国で市販されている)、テルミサルタン(ミカルディス(Micardis)(登録商標)として米国で市販されている)、およびエプロサルタン(テベテン(Teveten)(登録商標)として米国で市販されている)が挙げられる。本発明はさらに、有効量の本発明の化合物および利尿薬を共投与することを含む、糖尿病または高血圧症または鬱血性心不全を治療する方法を提供する。利尿薬としては、トルセミド(デマデックス(Demadex)(登録商標)として米国で市販されている)、フロセミド(ラシックス(Lasix)(登録商標)として米国で市販されている)、ブメタニド(ブメックス(Bumex)(登録商標)として米国で市販されている)、エタクリン酸(エデクリン(Edecrin)(登録商標)として米国で市販されている)、トルセミド(デマデックス(Demadex)(登録商標)として米国で市販されている)、アミロリド(ミダモル(Midamor)(登録商標)として米国で市販されている)、アセタゾラミド(ダイアモックス(Diamox)(登録商標)として米国で市販されている)、パマブロム(アクア−バン(Aqua−Ban)(登録商標)として米国で市販されている)、マンニトール(アリドール(Aridol)(登録商標)またはオスミトロール(Osmitrol)(登録商標)として米国で市販されている)、トライムテレン(traimterene)(ジレニウム(Dyrenium)(登録商標)として米国で市販されている)、スピロノラクトン(アルダクトン(Aldactone)(登録商標)として米国で市販されている)、アミロリド(ミダモル(Midamor)(登録商標)として米国で市販されている)、インダパミド(ロゾール(Lozol)(登録商標)として米国で市販されている)、ヒドロクロロチアジド(ヒドロジウリル(HydroDIURIL)(登録商標)として米国で市販されている)、メトラゾン(ザロキソリン(Zaroxolyn)(登録商標)またはマイクロックス(Mykrox)(登録商標)として米国で市販されている)、メチクロチアジド(アクアテンセン(Aquatensen)(登録商標)またはエンデュロン(Enduron)(登録商標)として米国で市販されている)、ヒドロコロルチアジド(hydrocholorthiazide)(アクアジドH(Aquazide H)(登録商標)またはエシドリックス(Esidrix)(登録商標)またはミクロジド(Microzide)(登録商標)として米国で市販されている)、クロロチアジド(ディウリル(Diuril)(登録商標)として米国で市販されている)、ベンドロフルメチアジド(ナツレチン(Naturetin)(登録商標)として米国で市販されている)、ポリチアジド(レネッセ(Renese)(登録商標)として米国で市販されている)、ヒドロフルメチアジド(サルロン(Saluron)(登録商標)として米国で市販されている)、およびクロルタリドン(タリトン(Thalitone)(登録商標)として米国で市販されている)が挙げられる。完全なリストに関しては、例えば、Physician’s Desk Reference,2012 Edition,PDR Network(2011)も参照のこと。
図1は、4−[(4R)−6,6−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピラゾール−4−イル]ベンゾニトリル半水和物についての代表的なX線粉末回折(XRD)パターンのスペクトログラムである。XRDスペクトログラムは以下の実施例1aに記載したように得た。 図2は、4−[(4R)−6,6−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピラゾール−4−イル]ベンゾニトリル;リン酸についての代表的なXRDパターンのスペクトログラムである。XRDスペクトログラムは以下の実施例1bに記載したように得た。
「窒素保護基」という用語は、計画された反応条件に対して安定であり、さらに再生アミンと適合する試薬および反応条件により選択的に除去され得る部分を意味する。そのような基は当業者に周知であり、文献に記載されている。例えば、Greene and Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,第3版,第7章,John Wiley and Sons Inc.,(1999)を参照のこと。
当業者は、本発明の化合物が以下のIおよびI(a)に示すように、互変異性型で存在し得ることを理解するであろう。本出願において、本発明の化合物の特定の互変異性の1つに対する言及が与えられる場合、互変異性型およびそれらの全ての混合物の両方を包含することが理解される。
Figure 0005890012
当業者は、本発明の化合物が、以下のI(b)における「」により表される、少なくとも1つのキラル中心を含有するコアからなることを理解するであろう。
Figure 0005890012
本発明は、全ての個々の鏡像異性体、およびラセミ体を含む前記化合物の鏡像異性体の混合物を意図するが、以下のI(c)に示した絶対配置を有する化合物が本発明の好ましい化合物である。
Figure 0005890012
本発明の化合物の異性体は、異性体1、異性体2などとして標識され、本明細書に利用され、開示されるクロマトグラフ分離方法から(短い保持時間で)溶出するために最初に開始される。
さらに、当業者は、さらなるキラル中心が特定の可変物の選択により本発明の化合物において作製されてもよいことを理解するであろう。本発明は、全ての個々の鏡像異性体またはジアステレオマー、ならびにラセミ体を含む前記化合物の鏡像異性体およびジアステレオマーの混合物を意図する。
当業者はまた、全てのキラル中心についてのカーン−インゴルド−プレローグ(Cahn−Ingold−Prelog)(R)または(S)の指定が、特定の化合物の置換パターンに応じて変化することを理解するであろう。単一の鏡像異性体またはジアステレオマーは、キラル試薬で開始して、または立体選択的もしくは立体特異的合成技術により調製されてもよい。あるいは、単一の鏡像異性体またはジアステレオマーは、本発明の化合物の合成における任意の簡便な点で標準的なキラルクロマトグラフまたは結晶化技術により混合物から単離されてもよい。
本発明の化合物は、シクロペンチルピラゾールまたはテトラヒドロインダゾールであり、したがって、複数の無機酸および有機酸のいずれかと反応して薬学的に許容可能な酸付加塩を形成する。薬学的に許容可能な塩およびそれらを調製するための一般的な方法は当該技術分野において周知である。例えば、P.Stahlら,Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use,(VCHA/Wiley−VCH,2002);S.M.Bergeら,「Pharmaceutical Salts」,Journal of Pharmaceutical Sciences,Vol.66,No.1,1977年1月を参照のこと。本発明の好ましい薬学的に許容可能な塩は、塩酸またはリン酸と形成されるものである。
本発明の化合物は好ましくは、種々の経路により投与される医薬組成物として製剤化される。最も好ましくは、このような化合物は経口投与用である。このような医薬組成物およびそれを調製するためのプロセスは当該技術分野において周知である。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(A.Gennaroら,eds.,19thed.,Mack Publishing Co.,1995)を参照のこと。
本発明の化合物は一般に広い投薬範囲にわたって有効である。例えば、1日当たりの投薬は通常、約0.01〜約30mg/kg体重の範囲内である。一部の場合において、上述の範囲の下限未満の投薬レベルが十分以上であってもよく、他の場合、より多くの用量がいかなる有害な副作用も引き起こさずに利用されてもよく、したがって、上記の投薬範囲は本発明の範囲を限定するものと決して解釈されるべきではない。実際に投与される化合物の量は、治療される病態、選択される投与経路、投与される実際の化合物(複数も含む)、個々の患者の年齢、体重、および反応、ならびに患者の症状の重症度を含む、関連状況を考慮して医師により決定されることは理解されるであろう。
本明細書に使用される場合、「治療している」および「治療する」という用語は、それを必要とする患者において、腎疾患などの疾患の進行を減速または遅延することを意味する。糖尿病および高血圧症は慢性腎疾患の2つの主な原因である。慢性腎疾患を患っている多くの患者において、糖尿病および高血圧症は同時に存在する。慢性腎疾患(糖尿病性腎症)を患っている糖尿病患者はESRDに対する進行が速くなる可能性がある。それらはまた、大部分が心臓疾患などの心血管系の合併症に起因して死亡の高い危険性もある。慢性腎疾患は糸球体濾過率に基づいて分類され、ここで、濾過率はステージ1からステージ5またはESRDに減少する。アルドステロンシンターゼの概要に関して、文献を参照のこと。例えば、J.Am.Soc.Nephrol 14,2395−2401(2003);Kidney International,21,98−101(1982);およびCirculation 111,3087−3094(2005)を参照のこと。本明細書に使用される場合、「慢性腎疾患」という用語は、3ヶ月より長い間存続する腎疾患を指す。
本明細書に使用される場合、「有効量」という語句は、1回以上の用量で、本明細書に記載される病態またはその有害作用を治療するのに十分な本発明の化合物の量、あるいは本発明の目的を達成するためにアルドステロンシンターゼを阻害するのに十分な本発明の化合物の量を意味する。
本明細書に使用される場合、「共投与」という語句は、資格のある介護士により決定される場合、一定期間にわたって別々、同時または連続した、本発明の化合物および本明細書に記載される別の化合物の投与を意味する。
本明細書に使用される場合、「患者」とは、哺乳動物、好ましくはヒトを指す。
本発明の例示的な化合物の全ては有用なアルドステロンシンターゼ阻害剤であるが、特定のクラスの化合物が好ましい。以下の段落にこのような好ましいクラスを記載する。
a)RおよびRは両方−CHである;
b)RおよびRは両方水素である;
c)Rは−CHであり、Rは水素である;
d)mは1である;
e)mは2である;
f)Rは−CNである;
g)Rは−Fである;
h)Rは−Clである;
i)Rは−CHである;
j)Rは水素である;
k)nは0である;
l)nは1である;
m)nは2である;
n)Rは−Fである;
o)Rは−Clである;
p)Rは−Brである;
q)Rは−CHである;
r)Rは−CNである;
s)R置換基はRに対してメタ位にある;
t)Rは−CNであり、Rは−Fである;
u)Rは−CNであり、Rは−Clである;
v)Rは−Fまたは−Clであり、Rは−F、−Cl、または−Brである;
w)Rは−Clであり、Rは−Fである;
x)Rは−Clであり、Rは−Clである;
y)Rは−Fであり、Rは−Fである;
z)Rは−Fであり、Rは−Clである;
aa)本発明の化合物は遊離塩基である;
bb)本発明の化合物は塩酸塩である;
cc)本発明の化合物はリン酸塩である。
本発明の化合物の好ましい実施形態は、以下の式の本発明の化合物
Figure 0005890012

(式中、nは0、1または2であり、RおよびRは、水素、−CH、および−CHCHから独立して選択され、Rは水素、−CN、−F、−Cl、または−CFであり、Rは各場合において、−F、−Cl、−Br、−CH、−CFおよび−CNから独立して選択される)
またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
本発明の化合物の別の好ましい実施形態は、以下の式の本発明の化合物
Figure 0005890012

(式中、nは0または1であり、RおよびRは、水素および−CHから独立して選択され、Rは水素、−CN、ハロ(Cl)、−OCH、−CHであり、Rは各場合において、ハロ(F)、−CHおよび−OCHから独立して選択される)
またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
本発明の化合物のさらに好ましい実施形態は、nが0または1であり、mが1または2であり、RおよびRは、水素、−CH、および−CHCHから独立して選択され、Rは−CNであり、Rは各場合において、−F、−Cl、−Br、−CH、および−OCHから独立して選択される、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
本発明の化合物のさらなる好ましい実施形態は、nは0または1であり、mは1であり、RおよびRは、水素、−CH、および−CHCHから独立して選択され、Rは−CNであり、Rは−F、−Cl、または−Brである、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
本発明の化合物の別の好ましい実施形態は、nが0または1であり、mが2であり、RおよびRが、水素および−CHから独立して選択され、Rは−CNであり、Rは−F、−Cl、−Br、−CH、または−OCHである、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
本発明の化合物のさらに好ましい実施形態は、nが1であり、mが1または2であり、RおよびRが、水素および−CHから独立して選択され、Rは−CNであり、Rは−F、−Cl、−Br、または−CHである、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
本発明の化合物のさらに好ましい実施形態は、nが1であり、mが1であり、RおよびRが−CHであり、Rが−CNであり、Rが−F、−Cl、または−Brである、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
本発明の化合物の別の好ましい実施形態は、nが1であり、mが2であり、RおよびRが、水素および−CHから独立して選択され、Rが−CNであり、Rが−F、−Cl、−Br、または−CHである、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
本発明の化合物のさらに好ましい実施形態は、nが1であり、mが1または2であり、RおよびRが−CHであり、Rが−CNであり、Rが−Fである、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
本発明の化合物のさらに好ましい実施形態は、nが1であり、mが2であり、RおよびRが−CHであり、Rが−CNであり、Rが−Fである、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
本発明の化合物の別の好ましい実施形態は、nが0、1、または2であり、mが1または2であり、RおよびRが、水素および−CHから独立して選択され、Rが−Fまたは−Clであり、Rが各場合において、−F、−Cl、−Br、−CH、および−CFから独立して選択される、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
本発明の化合物のさらに好ましい実施形態は、nが0、1、または2であり、mが1であり、RおよびRが、水素および−CHから独立して選択され、Rが−Fまたは−Clであり、Rが各場合において、−F、−Cl、−Br、−CH、および−CFから独立して選択される、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
本発明の化合物のさらに好ましい実施形態は、nが0、1、または2であり、mが2であり、RおよびRが、水素および−CHから独立して選択され、Rが−Fまたは−Clであり、Rが各場合において、−F、−Cl、−Br、−CH、および−CFから独立して選択される、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
本発明の化合物の別の好ましい実施形態は、nが0、1または2であり、mが1であり、RおよびRが、水素および−CHから独立して選択され、Rは水素であり、Rは各場合において、−F、−Cl、−Br、−CHおよび−CNから独立して選択される、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
本発明の化合物のさらに好ましい実施形態は、mが1であり、RおよびRが−CHであり、Rが−CNであり、nが0または1であり、Rが−Fである、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
本発明の化合物の特に好ましい実施形態は、4−(6,6−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピラゾール−4−イル)ベンゾニトリル:
Figure 0005890012

またはその薬学的に許容可能な塩である。
本発明の別の特に好ましい化合物の実施形態は、4−[(4R)−(6,6−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピラゾール−4−イル)]ベンゾニトリル:
Figure 0005890012

またはその薬学的に許容可能な塩である。
本発明のさらに特に好ましい化合物は、4−[(4R)−(6,6−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピラゾール−4−イル)]ベンゾニトリルである。
本発明の別の特に好ましい化合物は、4−(6,6−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピラゾール−4−イル)−3−フルオロ−ベンゾニトリル:
Figure 0005890012

またはその薬学的に許容可能な塩である。
本発明のさらに特に好ましい化合物は、4−(6,6−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピラゾール−4−イル)−3−フルオロ−ベンゾニトリル、異性体1またはその薬学的に許容可能な塩である。
本発明のさらに特に好ましい化合物は、4−(6,6−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピラゾール−4−イル)−3−フルオロ−ベンゾニトリルである。
本発明のなおさらに特に好ましい化合物は、4−(6,6−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピラゾール−4−イル)−3−フルオロ−ベンゾニトリル、異性体1である。
本発明の化合物はアルドステロンシンターゼの阻害剤である。したがって、本発明は、アルドステロンシンターゼを阻害する量の本発明の化合物を前記治療の必要のある患者に投与することを含む、アルドステロンシンターゼを阻害する方法を提供する。本発明の化合物の投与により治療される患者は哺乳動物、好ましくはヒトであることが好ましい。
アルドステロンシンターゼの阻害剤として、本発明の化合物は、慢性腎疾患、糖尿病性神経障害、鬱血性心不全、および高血圧症の治療に有用であると考えられる。
好ましい実施形態において、本発明は、本発明の化合物をそれを必要とする患者に投与することを含む、慢性腎疾患を治療する方法を提供する。
別の好ましい実施形態において、本発明の化合物は、糖尿病性腎症を治療するための方法であって、前記方法は、有効量の本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を、それを必要とする患者に投与することを含む、方法を提供する。
さらに別の好ましい実施形態において、本発明は、本発明の化合物およびACE阻害剤をそれを必要とする患者に共投与することを含む、慢性腎疾患を治療するための方法を提供する。
さらなる好ましい実施形態において、本発明は、本発明の化合物およびARBをそれを必要とする患者に共投与することを含む、慢性腎疾患を治療するための方法を提供する。
本発明の化合物、またはその塩は、当該技術分野において公知の種々の手順により調製でき、それらの一部を以下のスキーム、調製例、および実施例に例示する。記載した経路の各々についての特定の合成工程は、本発明の化合物、またはその塩を調製するために、異なる方法で組み合わされてもよいか、または異なるスキームからの工程と併せられてもよい。以下のスキームにおける各工程の生成物は、抽出、蒸発、沈殿、クロマトグラフィー、濾過、粉砕、または結晶化を含む、従来の方法によって回収され得る。
特定の立体化学中心は特定されていないままであり、特定の置換基は、明確さのために以下のスキームにおいて除外されているが、スキームの教示を限定するものと決して解釈されるべきではない。さらに、個々の異性体、鏡像異性体、またはジアステレオマーは、キラルクロマトグラフィーなどの方法により本発明の化合物の合成において任意の簡便な点で分離され得る。さらに、以下のスキームに記載される中間体は複数の窒素保護基を含有する。可変保護基は、各発生において、特定の反応条件および実施される特定の変換に応じて同じであっても、異なっていてもよい。保護および脱保護条件は当業者に周知であり、文献に記載されている。例えば、Greene and Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,第3版,第7章,John Wiley and Sons Inc.,(1999)を参照のこと。
本明細書に使用される略語は、Aldrichimica Acta,Vol.17,No.1,1984に従って定義される。他の略語は以下のように定義される:「ACN」はアセトニトリルを指し、「BINAP」は2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)1,1’−ビナフタレンを指し、「ブレデレック試薬」はtert−ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタンを指し、「RhCl(COD)」はシクロオクタジエンロジウムクロリド二量体を指し、「CMV」はサイトメガロウイルスを指し、「DCM」はジクロロメタンを指し、「DMEA」はジメチルエチルアミンを指し、「DMF」はジメチルホルムアミドを指し、「DMF−DMA」はジメチルホルムアミド−ジメチルアセタールまたは1,1−ジメトキシ−N,N−ジメチル−メタンアミドを指し、「DMEM」はダルベッコ改変イーグル培地を指し、「DMSO」はジメチルスルホキシドを指し、「DOC」は11−デオキシコルチコステロンを指し、「EtOAc」は酢酸エチルを指し、「EtOH」はエチルアルコールまたはエタノールを指し、「Ex」は実施例を指し、「FA」はギ酸を指し、「フラッシュクロマトグラフィー」はシリカゲル上での精製を指し、「HEC」はヒドロキシエチルセルロースを指し、「IS」は内部標準を指し、「IPA」はイソプロピルアルコールまたはイソプロパノールを指し、「LiHMDS」はリチウムビス(トリメチルシリル)アミドを指し、「MeOH」はメチルアルコールまたはメタノールを指し、「MTBE」はメチルt−ブチルエーテルを指し、「NMP」はN−メチルピロリドンを指し、「PdAllyCl」はπ−アリルパラジウム(II)クロリド二量体を指し、「Pd(dba)」はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを指し、「ホスフィンリガンド」は、ジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィンを指し、「Prep」は調製例を指し、「SFC」は「超臨界流体クロマトグラフィー」を指し、「TFA」はトリフルオロ酢酸を指し、「THF」はテトラヒドロフランを指し、「THP」はテトラヒドロピラニルを指し、「Tr」は反応時間を指し、「Tosyl」はトルエンスルホニルを指す。
以下のスキームにおいて、他に示さない限り、全ての置換基は以前に定義した通りである。試薬および出発物質は一般に当業者に容易に利用可能である。他のものは、公知の構造的に類似した化合物の合成と類似した有機および複素環化学の標準的な技術、ならびに以下の任意の新規手順を含む調製例および実施例に記載されている手順により作製され得る。
Figure 0005890012

スキームIは、(I)の化合物を得るためにブレデレック試薬およびヒドラジンで処理され得る化合物(3)を得るための1,4マイケル付加中でのアリールボロン酸(2)を用いた適切な式(I)の化合物のアルキル化を示す。可変基は以前に定義した通りである。
例えば、当業者は、1,4マイケル付加を促進するのに有用な種々の条件が存在することを認識するであろう。したがって、酢酸パラジウムなどのパラジウム(II)触媒と共にビス(1,5−シクロオクタジエンロジウムクロリド)、ビス(ノルボルナジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレート、または三塩化アンチモンなどの適切な触媒を、適切なアリールボロン酸(2)と共に使用してもよい。ラセミ体−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルなどの適切なホスフィン試薬またはキラルbinap(S)−(−)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルをキラル付加を試みるために使用してもよい。イソプロピルアルコール、ジオキサンおよび水または酢酸などの酸を含むTHFなどの適切な溶媒と共に酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸カリウムなどの適切な無機塩基、またはトリエチルアミンなどの有機塩基を、式(3、工程1)の化合物を得るために反応を促進するために使用してもよい。次いでケトンを、ジメチルホルムアミド−ジメチルアセタールまたはt−ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン(ブレデレック試薬)を用いてアルキル化して、ジメチルアミノメチレン付加物、化合物(4、工程2)を得ることができ、次いでそれを環化して、ヒドラジン、ヒドラジン水和物、またはヒドラジン塩酸塩を使用してピラゾールを生成して、工程4における本発明の化合物を得ることができる。あるいは、式(3)の化合物を、ブレデレック試薬との反応により中間体化合物(4)を単離せずに本発明の化合物に直接取り出すことができ、次いでヒドラジン試薬とのインサイチュでの反応により、本発明の化合物を得る、工程3。
あるいは、RおよびRが両方水素である場合、リチウムヘキサメチルジシリルアジドなどの塩基の存在下でヨード−アルキル試薬を使用してgemジアルキル官能基を挿入してもよい。
Figure 0005890012

あるいは、ピラゾールの位置異性体の混合物として適切に保護されたテトラヒドロインダゾール−4−オンは、クロマトグラフィーにより分離できるかまたは混合物として反応できる。ピラゾール保護基はいずれかの窒素原子に存在でき、任意に割り当てた。当業者は、ピラゾール保護の位置は、示した後の反応の結果に影響を与えずに交換できることを認識するであろう。「PG」はアミノ基についての保護基である。このような保護基は周知であり、当該技術分野において理解されている。化合物5は、THFなどの適切な溶媒中でイソプロピルマグネシウムクロリドまたはブロミドを用いた、適切に置換された4−ヨードフェニル類似体の処理により調製されるグリニヤール試薬を用いてアルキル化されて、5,6−ジヒドロ−2H−インダゾール−4−オール(6、工程5)を生じることができる。一実施形態において、カルビノール(6)は単一変換において脱水され、脱保護されて、メタノールなどのアルコール溶媒中のHClまたはTFAなどの酸との処理によりアルケン(7、工程6)を生じることができる。次いで化合物(7)は水素化により還元されて化合物(8、工程7)を生じることができる。あるいは、工程はDCM中のTFAを用いた(6)の処理により段階的に達成されてもよく、得られたオレフィンは、Pt(OH)などの触媒を使用した水素化により還元され、MeOH中のKOHなどの塩基を用いて脱保護されて化合物(8)を生じることができる。
Figure 0005890012

スキームIIIは、アリールボロン酸を用いた適切な式(9)の化合物のアルキル化により、水素化および脱保護の後に化合物(10)を生じ、本発明の化合物が得られることを示す。当業者は、(8)の化合物を得るために工程10の順序が置き換えられてもよいことを認識できる。
例えば、保護されるテトラヒドロインダゾール−4−オン位置異性体(5)は、クロマトグラフィーにより分離できるか、またはTHFなどの極性非プロトン性溶媒中のLiHMDSなどの適切な塩基と共に混合物として反応でき、得られたエノラートはN−フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンアミド)を用いてクエンチして、位置異性体の混合物としてエノールトリフラート(9、工程8)を生じ、クロマトグラフにより分離できるか、または混合物として反応できる。化合物9は、Suzuki−Miyauraクロスカップリング条件下で適切なボロン酸(2)と反応して化合物10、工程9を生じることができる。当業者は、このようなクロスカップリング反応を促進するのに有用な種々の条件が存在することを認識するであろう。したがって、適切なパラジウム試薬としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド、トリシクロヘキシルホスフィンと共にトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム(II)クロリド、または酢酸パラジウム(II)が挙げられる。適切な塩基としては、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、または三塩基性リン酸カリウム一水和物が挙げられる。化合物(10)は水素化され、得られた生成物は脱保護されて、式の化合物(I、工程10)を生じることができる。当業者は、最後の2つの変換が置き換えられて(8)の化合物を生じることができることを認識できる。
調製例および実施例
以下の調製例および実施例を本発明についてさらに例示する。反対に示さない限り、本明細書に例示される化合物は、Symyx(登録商標)Drawバージョン3.2(Symyx Solutions,Inc.)またはIUPACNAME ACDLABSを使用して命名し、番号付けする。
調製例1
5,5−ジメチルシクロペント−2−エン−1−オン
2,2−ジメチルシクロペンタノン(50.0g、445.75mmol)を、t−アミルアルコール(557mL)中のアリルジエチルホスフェート(165.4g、846.92mmol)の溶液に加える。炭酸カリウム(75.5g、537.12mmol)、およびPd(OAc)(5g、22.29mmol)を加え、混合物を80℃にて12時間加熱する。その混合物を周囲温度まで冷却し、アセトン(500mL)で希釈し、珪藻土で濾過し、濃縮乾固する。粗物質を真空(20mmHgにて60℃)下で希釈して、標題化合物(30g、61%、272.34mmol)を得る。H NMR(300.13MHz,CDCl)δ7.62−7.59(m,1H),6.12(dt,J=5.9,2.1Hz,1H),2.54(t,J=2.4Hz,2H),1.10(s,6H)。
調製例2
(4,5−ジフルオロ−2−メチル−フェニル)ボロン酸
n−ブチルリチウム(4.6mL、11.5mmol)を、アルゴン雰囲気下で1時間にわたって−78℃にて無水テトラヒドロフラン(30mL)中の1−ブロモ−4,5−ジフルオロ−2−メチルベンゼン(2.0g、9.6mmol)およびホウ酸トリメチル(1.5g、14.5mmol)の混合物に滴下して加える。反応混合物を同じ温度でさらに1時間攪拌し、クエンチし、1N HClで酸性化する。得られた混合物を酢酸エチル(3×)で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮する。
調製例3
(+/−)−4−(3,3−ジメチル−4−オキソ−シクロペンチル)ベンゾニトリル
ビス(1,5−シクロオクタジエンロジウムクロリド(1.09g、2.18mmol)、ラセミ体−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(3.05g、4.90mmol)をテトラヒドロフラン(72mL)に加え、混合物を窒素雰囲気下で30分間攪拌する。この溶液を60℃にて、4−シアノフェニルボロン酸(80.04g、544.68mmol)、5,5−ジメチルシクロペント−2−エン−1−オン(24g、217.87mmol)、炭酸カリウム(40.65g、294.13mmol)、テトラヒドロフラン(144mL)、およびイソプロピルアルコール(16.7mL)の混合物に加える。その混合物を60℃にて16時間攪拌し、次いで濃縮乾固する。粗混合物を水(500mL)中に注ぎ、酢酸エチル(2×500mL)で抽出する。有機抽出物をMgSOで乾燥させ、シリカゲルで濾過し、濃縮乾固する。残渣を6:1のヘキサン:酢酸エチルで溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(41g、88%、192.24mmol)を得る。H NMR(300.13MHz,CDCl)δ7.65−7.62(m,2H),7.37(d,J=8.1Hz,2H),3.56−3.43(m,1H),2.86−2.76(m,1H),2.42−2.32(m,1H),2.32−2.24(m,1H),1.86(t,J=12.4Hz,1H),1.17(s,3H),1.15(s,3H)。
調製例4
(+/−)−3−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロペンタノン
3,4−ジフルオロフェニルボロン酸(9.47g、60mmol)、シクロペント−2−エノン(4.93g、60mmol)、三塩化アンチモン(1.37g、6mmol)、酢酸ナトリウム(9.84g、120mmol)および酢酸パラジウム(1.35g、6mmol)に酢酸(300mL)をアルゴン雰囲気下で加える。反応物を室温にて一晩攪拌する。反応混合物を濾過し、水中に注ぐ。その物質を酢酸エチル(3×)で抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム(3×)、ブライン(3×)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮する。その物質を、石油エーテル中の10%酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーを使用して精製して、黄色の油状物(6.9g、58%)として標題化合物を得る。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.14−6.95(m,3H),3.41−3.37(m,1H),2.64−2.61(m,1H),2.46−2.23(m,4H),1.93−1.84(m,1H)。
以下の化合物を、実質的に(+/−)−3−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロペンタノンについて記載されているように調製する。
Figure 0005890012
Figure 0005890012
調製例26
(+/−)−(2Z)−3−(3,4−ジフルオロフェニル)−2−((ジメチルアミノ)メチレン)シクロペンタノン
(+/−)−3−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロペンタノン(6.9g、35mmol)にN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(80mL)を加え、80℃にて一晩攪拌する。その混合物を室温に冷却し、真空中で濃縮する。残渣を、クロロホルム中の2%メタノールで溶出する、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、黄色の油状物(8.5g、96%)として粗混合物を得る。LC/MS(M+H)234。
以下の化合物を、実質的に(+/−)−(2Z)−3−(3,4−ジフルオロフェニル)−2−((ジメチルアミノ)メチレン)シクロペンタノンについて記載されているように調製する。
Figure 0005890012
a.反応物を真空中で濃縮した後、残渣を酢酸エチルおよび水で希釈する。有機相を分離し、水相を酢酸エチルで3回抽出する。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮する。50%酢酸エチルおよび石油エーテル、続いて2%メタノール/ジクロロメタンで溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより、標題化合物を得る。
b.(a)と同様の処理をする。50%酢酸エチルおよび石油エーテル、続いて4%メタノール/ジクロロメタンで溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより、標題化合物を得る。
c.反応物をトルエン中のブトキシ−N,N,N’,N’−テトラメチルメタンジアミンで実施し、60℃で一晩加熱する。(a)に記載したように処理し、クロマトグラフィーは2%メタノール/ジクロロメタンを利用する。
調製例38
(+/−)−4−[(2Z)−2−(ジメチルアミノメチレン)−4,4−ジエチル−3−オキソ−シクロペンチル]ベンゾニトリル
リチウムヘキサメチルジシリルアジド(40mL、40mmol)を、無水テトラヒドロフラン(100mL)中の(+/−)−4−[(2Z)−2−(ジメチルアミノメチレン)−3−オキソ−シクロペンチル]ベンゾニトリル(0.96g、4mmol)の溶液にアルゴン雰囲気下で−30℃にて滴下して加え、1時間攪拌する。同じ温度にて、ヨードエタン(12.48g、80mmol)を混合物に滴下して加え、反応混合物を室温まで加温し、一晩攪拌する。飽和塩化アンモニウム(100mL)を加えることにより反応物をクエンチする。得られた混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出する。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮して、黒色固体(0.99g、83.4%)として粗生成物を得る。これをさらに精製せずに次の工程に使用する。ES/MS(m/z)297(M+1)。
以下の化合物を、実質的に(+/−)−4−[(2Z)−2−(ジメチルアミノメチレン)−4,4−ジエチル−3−オキソ−シクロペンチル]ベンゾニトリルについて記載されているように調製する。
Figure 0005890012
調製例40
(3S)−3−(3−クロロフェニル)シクロペンタノン
ビス(ノルボルナジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレート(0.20g、0.53mmol)および(S)−(−)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,’−ビナフチル(0.30g、0.48mmol)を1,4−ジオキサン(18mL)に溶解する。溶液を窒素で2時間脱気する。3−クロロフェニルボロン酸(4.95g、31.67mmol)をジオキサン(24mL)および水(6mL)に溶解する。混合物をさらに2時間脱気する。2つの溶液を合わせ、窒素ストリーム下で2時間攪拌する。2−シクロペンテノン(2.0g、24.36mmol)およびトリエチルアミン(2.1mL、15.07mmol)をシリンジにより連続して反応物に加える。これを窒素ストリーム下で完了するまで攪拌する。反応物を珪藻土のパッドにより濾過し、真空中で濃縮する。残渣を、ヘキサン中の20%酢酸エチルで溶出する、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、透明な黄色の油状物として標題化合物(4.23g、89.2%)を得る。H NMR(400MHz,CDCl)δ1.9(1H,M),2.25(2H,M),2.45(2H,M),2.65(1H,M),3.35(1H,M),7.1(1H,D),7.25(3H,M)。
以下の化合物を、実質的に(3S)−3−(3−クロロフェニル)シクロペンタノンについて記載されているように調製する。
Figure 0005890012
調製例45
4−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−2,2−ジメチル−シクロペンタノン
5,5−ジメチルシクロペント−2−エン−1−オン(42.0g、343.15mmol)、4−クロロ−2−フルオロフェニルボロン酸(94.47g、514.72mmol)、酢酸ナトリウム(56.30g、686.30mmol)、酢酸(1130mL)、Pd(OAc)(7.70g、34.31mmol)、および三塩化アンチモン(7.83g、34.31mmol)の溶液を周囲温度にて16時間攪拌する。溶媒を少量まで蒸発させ、トルエンを使用して残留酢酸を除去する。MTBE(500mL)を加え、得られた沈殿物を濾過し、捨てる。MTBE溶液を水(500mL)、NaHCO水溶液(2×300mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固する。残渣を、ヘキサンからヘキサン10%MTBEで溶出する、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(72g、87%)を得る。H NMR(300.16MHz,CDCl)δ7.21−7.06(m,3H),3.67−3.59(m,1H),2.81−2.72(m,1H),2.41−2.31(m,1H),2.21(ddd,J=12.6,6.3,2.2Hz,1H),1.89(t,J=12.3Hz,1H),1.159(s,3H),1.137(s,3H)。
調製例46
4−(3,3−ジメチル−4−オキソ−シクロペンチル)−3−フルオロ−ベンゾニトリル
ジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン(1.75g、4.11mmol)を、4−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−2,2−ジメチル−シクロペンタノン(33g、137.10mmol)、シアン化亜鉛(9.66g、82.26mmol)、およびN−メチルピロリドン(148.50mL)の溶液に125℃にて加え、混合物を15分間攪拌する。π−アリルパラジウム(II)クロリド二量体(0.76g、4.11mmol)を溶液に加え、その混合物を30分間攪拌する。珪藻土(15g)を加え、混合物を室温に冷却する。混合物を珪藻土で濾過し、MTBE(450mL)で洗浄する。水(450mL)を加え、その混合物をMTBE(150mL)で抽出する。その混合物をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固して、標題化合物(34g、97%)を得る。H NMR(300.16MHz,CDCl)δ7.47−7.33(m,3H),3.76−3.63(m,1H),2.83−2.76(m,1H),2.43−2.33(m,1H),2.25(dd,J=6.3,12.6Hz,1H),1.91(t,J=12.3Hz,1H),1.168(s,3H),1.147(s,3H)。
調製例47
1−(p−トリルスルホニル)−6,7−ジヒドロ−5H−インダゾール−4−オンおよび2−(p−トリルスルホニル)−6,7−ジヒドロ−5H−インダゾール−4−オン
2,5,6,7−テトラヒドロ−インダゾール−4−オン(12.8g、91.2mmol)をジクロロメタン(500mL)およびトリエチルアミン(25.4mL、182.4mmol)に加える。次いでp−トルエンスルホニルクロリド(17.74g、91.2mmol)を加え、その混合物を室温にて16時間攪拌する。暗溶液のpHを1.0N HClでpH3に調整し、その混合物を分離漏斗に移す。有機物を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固する。残渣を、1:1のヘキサン/酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(9.0g、34%)を1.5:1比の位置異性体として得る。ES/MS m/z 291(M+H)。
調製例48
4−[4−ヒドロキシ−1−(p−トリルスルホニル)−6,7−ジヒドロ−5H−インダゾール−4−イル]ベンゾニトリルおよび4−[4−ヒドロキシ−2−(p−トリルスルホニル)−6,7−ジヒドロ−5H−インダゾール−4−イル]ベンゾニトリル
4−ヨードベンゾニトリル(6.21g、26.84mmol)をTHF(40.0mL)に加え、0℃に冷却する。イソプロピルマグネシウムクロリド(16.11mL、32.1mmol)を加え、窒素雰囲気下で0℃にて60分間攪拌する。1−(p−トリルスルホニル)−6,7−ジヒドロ−5H−インダゾール−4−オンおよび2−(p−トリルスルホニル)−6,7−ジヒドロ−5H−インダゾール−4−オン(6.24g、21.5mmol)の1.5:1の混合物をTHFに溶解し、この溶液を0℃にてアニオンに滴下して加え、次いで室温まで加温する。黄褐色の溶液をHCl(3.0mL、1N)でクエンチし、濃縮乾固する。残渣を、60%ヘキサン/酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得る。この反応を同じスケールで2回実施し、両方の実施の生成物を合わせて、位置異性体(8.98g、53%)の混合物として標題化合物を得る。ES/MS m/z 394(M+H)。
以下の化合物を、適切なハロゲン化アリールを使用して、実質的に4−[4−ヒドロキシ−1−(p−トリルスルホニル)−6,7−ジヒドロ−5H−インダゾール−4−イル]ベンゾニトリルおよび4−[4−ヒドロキシ−2−(p−トリルスルホニル)−6,7−ジヒドロ−5H−インダゾール−4−イル]ベンゾニトリルの方法によって調製する。
Figure 0005890012
調製例52
4−(6,7−ジヒドロ−2H−インダゾール−4−イル)ベンゾニトリル
4−[4−ヒドロキシ−1−(p−トリルスルホニル)−6,7−ジヒドロ−5H−インダゾール−4−イル]ベンゾニトリルおよび4−[4−ヒドロキシ−2−(p−トリルスルホニル)−6,7−ジヒドロ−5H−インダゾール−4−イル]ベンゾニトリル(8.56g、21.7mmol)の混合物をジオキサン(20.0mL、80.0mmol)中の4.0M HClに加え、80℃で2.0時間加熱し、濃縮乾固する。残渣をジクロロメタン/水に溶解し、分離し、有機物をNaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させる。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー80%酢酸エチル/ヘキサンにより精製して、標題化合物(3.21g、67%)を得る。ES/MS m/z 222(M+H),220(M−H)。
以下の化合物を、実質的に4−(6,7−ジヒドロ−2H−インダゾール−4−イル)ベンゾニトリルの方法によって調製する。
Figure 0005890012
調製例55
4−(4−クロロフェニル)−2−(p−トリルスルホニル)−6,7−ジヒドロインダゾール
4−(4−クロロフェニル)−2−(p−トリルスルホニル)−6,7−ジヒドロ−5H−インダゾール−4−オール(0.76g、1.89mmol)をジクロロメタン(20.0mL)、トリエチルシラン(6.04mL、37.7mmol)、およびTFA(0.16mL、2.07mmol)に加え、室温にて2.0時間攪拌する。反応物を飽和NaHCOでクエンチし、分離し、有機物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固して、標題化合物(0.622g、86%)を得る。H NMR(CDCl)δ2.42(s,3H),2.55(m,2H),2.82(t,2H),5.98(t,1H),7.37−7.31(m,6H),7.81(s,1H),7.87(d,2H)。
調製例56
4−(4−クロロフェニル)−2−(p−トリルスルホニル)−4,5,6,7−テトラヒドロインダゾール
4−(4−クロロフェニル)−2−(p−トリルスルホニル)−6,7−ジヒドロインダゾール(0.62g、1.89mmol)をエタノール(20.0mL)および酢酸エチル(10mL)に加える。酸化白金(IV)(0.22g)を加え、反応物を室温にて6.0時間、40psiの水素下で攪拌する。その混合物を珪藻土のプラグで濾過し、減圧下で蒸発させて、標題化合物(0.503g、80%)を得る。LC/MS m/z 389(M+H),Tr=2.704分。
調製例57
1−テトラヒドロピラン−2−イル−6,7−ジヒドロ−5H−インダゾール−4−オンおよび2−テトラヒドロピラン−2−イル−6,7−ジヒドロ−5H−インダゾール−4−オン
2,5,6,7−テトラヒドロ−インダゾール−4−オン(US2009/11180A1)(5.0g、36.7mmol)を、CHCl(100mL)中のジヒドロピラン(3.4g、40.4mmol)の溶液に加え、混合物をp−トルエンスルホン酸(0.1g、0.58mmol)で処理し、室温で3日間攪拌する。飽和NaHCO溶液を加え、内容物を分離漏斗に移す。有機物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固する。残渣をCHClで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(5.32g、66%)を位置異性体の混合物として得る。H NMR(300MHz,CDCl)δ8.04(s,1H),7.90(s,1H),5.35−5.32(m,1H),4.11−4.01(m,1H),3.73−3.66(m,1H),2.96−2.91(m,1H),2.87−2.84(m,1H),2.51−2.47(m,2H),2.19−2.02(m,4H),1.72−1.61(m,4H)。
調製例58
(1−テトラヒドロピラン−2−イル−6,7−ジヒドロインダゾール−4−イル)トリフルオロメタンスルホネートおよび(2−テトラヒドロピラン−2−イル−6,7−ジヒドロインダゾール−4−イル)トリフルオロメタンスルホネート
1−テトラヒドロピラン−2−イル−6,7−ジヒドロ−5H−インダゾール−4−オンおよび2−テトラヒドロピラン−2−イル−6,7−ジヒドロ−5H−インダゾール−4−オン(2.03g、9.22mmol)をTHF(100mL)に加え、その溶液を−78℃に冷却し、LiHMDS(10.14mL、10.14mmol)で処理する。1時間攪拌した後、THF(20mL)中のN−フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンアミド)(3.68g、10.14mmol)の溶液を−78℃にて滴下して加え、室温で17時間にわたって加温する。反応物を飽和NHClでクエンチし、ジエチルエーテルで希釈し、有機物を0.1N HCl、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固する。残渣を、85:15のヘキサン/酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、位置異性体の3:1の混合物として標題化合物(2.3g、51%)を得る。ES/MS m/z 352(M+H),269(M−THP)。
調製例59
3−メチル−4−(1−テトラヒドロピラン−2−イル−6,7−ジヒドロインダゾール−4−イル)ベンゾニトリルまたは3−メチル−4−(2−テトラヒドロピラン−2−イル−6,7−ジヒドロインダゾール−4−イル)ベンゾニトリル
(1−テトラヒドロピラン−2−イル−6,7−ジヒドロインダゾール−4−イル)トリフルオロメタンスルホネート、(2−テトラヒドロピラン−2−イル−6,7−ジヒドロインダゾール−4−イル)トリフルオロメタンスルホネート(1.0g、2.84mmol)および(4−シアノ−2−メチルフェニル)ボロン酸(0.502g、3.12mmol)をジオキサン(80.0mL)およびNaCO(0.601mg、5.68mmol、2.0M)に加え、窒素ストリームで脱気する。その溶液をテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.33g、0.28mmol)で処理し、窒素下で17時間、80℃に加熱する。その混合物を周囲温度に冷却し、珪藻土のプラグで濾過する。濾液を酢酸エチルで希釈し、層を分離する。有機物を飽和NaHCO、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固する。残渣を、9:1のヘキサン/酢酸エチルから4:1のヘキサン/酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、単一の位置異性体として標題化合物(0.492g、55%)の一つを得る。ES/MS m/z 320(M+H),236(M−THP)。
以下の化合物を、適切なボロン酸を使用して、実質的に3−メチル−4−(1−テトラヒドロピラン−2−イル−6,7−ジヒドロインダゾール−4−イル)ベンゾニトリルまたは3−メチル−4−(2−テトラヒドロピラン−2−イル−6,7−ジヒドロインダゾール−4−イル)ベンゾニトリルの方法によって調製する。
Figure 0005890012
調製例61
3−メチル−4−(1−テトラヒドロピラン−2−イル−4,5,6,7−テトラヒドロインダゾール−4−イル)ベンゾニトリルまたは3−メチル−4−(2−テトラヒドロピラン−2−イル−4,5,6,7−テトラヒドロインダゾール−4−イル)ベンゾニトリル
3−メチル−4−(1−テトラヒドロピラン−2−イル−6,7−ジヒドロインダゾール−4−イル)ベンゾニトリルまたは3−メチル−4−(2−テトラヒドロピラン−2−イル−6,7−ジヒドロインダゾール−4−イル)ベンゾニトリル(0.492g、1.54mmol)および5%Pd/Cwt/wt%(0.15g)をEtOH(20.0mL)に加え、その混合物を45〜35psiの水素下で72時間攪拌する。その混合物を珪藻土のプラグで濾過し、濃縮乾固する。残渣を7:3のヘキサン/酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、単一の位置異性体として標題化合物(0.162g、33%)の一つを得る。ES/MS m/z 322(M+H)。
以下の化合物を、実質的に3−メチル−4−(1−テトラヒドロピラン−2−イル−4,5,6,7−テトラヒドロインダゾール−4−イル)ベンゾニトリルまたは3−メチル−4−(2−テトラヒドロピラン−2−イル−4,5,6,7−テトラヒドロインダゾール−4−イル)ベンゾニトリルの方法によって調製する。
Figure 0005890012
調製例63
2−フルオロ−4−(1−テトラヒドロピラン−2−イル−6,7−ジヒドロインダゾール−4−イル)ベンゾニトリルおよび2−フルオロ−4−(2−テトラヒドロピラン−2−イル−6,7−ジヒドロインダゾール−4−イル)ベンゾニトリル
(1−テトラヒドロピラン−2−イル−6,7−ジヒドロインダゾール−4−イル)トリフルオロメタンスルホネート、(2−テトラヒドロピラン−2−イル−6,7−ジヒドロインダゾール−4−イル)トリフルオロメタンスルホネート(0.201g、0.57mmol)および(4−シアノ−3−フルオロフェニル)ボロン酸(0.103g、0.63mmol)をジオキサン(7.0mL)およびNaCO(0.12mg、1.14mmol、2.0M)に加え、その混合物を窒素ストリームで脱気する。溶液をテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.07g、0.06mmol)で処理し、80℃にて6時間窒素下で、さらに72時間室温で加熱する。反応物を水でクエンチし、酢酸エチルで希釈し、有機層を分離し、飽和NaHCO、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固する。残渣をさらに精製せずに次の反応に取る(0.231g、125%)。
調製例64
4−(6,7−ジヒドロ−1H−インダゾール−4−イル)−2−フルオロ−ベンゾニトリル
2−フルオロ−4−(1−テトラヒドロピラン−2−イル−6,7−ジヒドロインダゾール−4−イル)ベンゾニトリルおよび2−フルオロ−4−(2−テトラヒドロピラン−2−イル−6,7−ジヒドロインダゾール−4−イル)ベンゾニトリル(0.23g、0.71mmol)およびHSO(0.08mL、1.43mmol)をCHCN(5.0mL)に加え、溶液を室温にて6.0時間攪拌する。NaCO水溶液を加えて反応物を塩基性にし、次いでそれを酢酸エチルで希釈し、層を分離し、水層を酢酸エチル(3×)で逆抽出する。有機層を合わせ、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固する。残渣を、99:1のCHCl/MeOHで溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(0.102g、60%)を得る。ES/MS m/z 240(M+H)。
調製例65
(+/−)−(トランス)−4−(4−メチル−3−オキソ−シクロヘキシル)ベンゾニトリルおよび
調製例66
(+/−)−(シス)−4−(4−メチル−3−オキソ−シクロヘキシル)ベンゾニトリル
ビス(1,5−シクロオクタジエンロジウムクロリド)(0.06g、0.12mmol)、ラセミ体−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(0.18g、0.29mmol)をテトラヒドロフラン(40mL)に加え、その混合物を窒素雰囲気下で30分間攪拌する。この溶液を、4−シアノフェニルボロン酸(2.31g、15.69mmol)、6−メチルシクロヘキサ−2−エン−1−オン(Journal of Organic Chemistry,1980 45(10),1852−1863)(1.28g、11.62mmol)、炭酸カリウム(2.19g、15.69mmol)、およびイソプロピルアルコール(1.1mL)の混合物に60℃にて加える。その混合物を60℃にて16時間攪拌し、次いで濃縮乾固する。粗混合物を水(10mL)中に注ぎ、酢酸エチル(2×20mL)で抽出する。有機抽出物をMgSOで乾燥させ、シリカゲルにより濾過し、濃縮乾固する。残渣を、20%EtOAc/ヘキサンで溶出する、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、第1の溶出異性体として(トランス)−4−(4−メチル−3−オキソ−シクロヘキシル)ベンゾニトリル(0.55g、22%)および第2の溶出異性体として(シス)−4−(4−メチル−3−オキソ−シクロヘキシル)ベンゾニトリル(0.55g、22%)を得る。ES/MS m/z 214(M+H)。
調製例67
(+/−)−(シス/トランス)−4−[7−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−4−イル]ベンゾニトリル
(シス)−4−(4−メチル−3−オキソ−シクロヘキシル)ベンゾニトリル(0.55g、2.58mmol)をトルエン(10.0mL)およびtert−ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン(0.67mL、3.22mmol)に加え、120℃にて16時間攪拌する。その混合物を室温に冷却し、真空中で濃縮する。残渣をMeOH(10.0mL)およびヒドラジン(0.07mL、2.32mmol)に加え、80℃にて1.0時間攪拌する。その混合物を室温に冷却し、真空中で濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(35%〜55%EtOAc/ヘキサン)により精製して、(+/−)−(シス/トランス)−4−[7−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−4−イル]ベンゾニトリル(0.360g、58%)を得る。ES/MS m/z 238(M+H)。
調製例68
(+/−)−4−(4,4−ジメチル−3−オキソ−シクロヘキシル)−3−メチル−ベンゾニトリル
4−シアノ−2−メチルフェニルボロン酸(0.81g、5mmol)、6,6−ジメチルシクロヘキサ−2−エノン(Canadian Journal of Chemistry,1981,59,2096−2115)(0.55g、5mmol)、SbCl(0.11g、0.5mmol)、酢酸ナトリウム(0.82g、10mmol)、および酢酸パラジウム(0.11g、0.5mmol)を、アルゴン雰囲気下で酢酸(30mL)に加える。反応混合物を室温にて3日間攪拌する。その混合物を濾過し、濾液を水(150mL)中に注ぐ。有機相を分離し、水相を酢酸エチル(3×100mL)で抽出する。合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(3×100mL)、ブライン(3×50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮する。残渣を、石油エーテル:EtOAc=10:1で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、淡黄色の固体(0.6g、50%)として標題化合物を得る。GC/MS 241(M+1)。
以下の化合物を、実質的に(+/−)−4−(4,4−ジメチル−3−オキソ−シクロヘキシル)−3−メチル−ベンゾニトリルの方法によって調製する。
Figure 0005890012

a.H NMR(300MHz,CDCl)δ7.60−7.56(m,1H),7.14−7.07(m,2H),3.08−3.00(m,1H),2.73−2.67(m,1H),2.51−2.46(m,1H),2.03−1.60(m,4H),1.25(s,3H),1.12(s,3H)。
調製例71
(+/−)−4−(4−メトキシフェニル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール
4−(4−メトキシフェニル)−6,7−ジヒドロ−1H−インダゾール(0.141g、0.62mmol)をEtOH(10mL)およびTHF(4mL)に溶解し、5%Pd/C(0.090g)を加える。その混合物を水素(40psi)下で4時間攪拌する。その混合物を珪藻土で濾過し、濾液を蒸発乾固する。残渣を、98:2のCHCl:MeOHで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(0.121g、85%)を得る。ES/MS m/z 229(M+1)。
実施例1
4−[(4R)−(6,6−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピラゾール−4−イル)]ベンゾニトリル
Figure 0005890012

DMF−DMA(46.26g、388.22mmol)を(+/−)4−(3,3−ジメチル−4−オキソ−シクロペンチル)ベンゾニトリル(46g、213.52mmol)に加え、その混合物を100℃にて16時間攪拌する。過剰なDMF−DMAを真空により除去する。イソプロピルアルコール(248mL)、続いてヒドラジン一水和物(10.69g、324.61mmol)および酢酸(11.12mL)を加える。その混合物を80℃にて12時間加熱する。その混合物を周囲温度に冷却し、溶媒を蒸発乾固する。水(50mL)を加え、その混合物をDCM(3×50mL)で抽出する。有機抽出物をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固する。残渣を、1:1のヘキサン−酢酸エチルで溶出する、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。鏡像異性体の混合物を、40%IPA/60%n−ヘキサン(2%DMEA)、カラムサイズ、20μm、8×25cm、300mL/分の流速、UV検出254nm、および5g/5分の負荷を使用して、キラルHPLC Chiralpak ADにより精製する。R鏡像異性体(異性体1)を5.53分で溶出する画分を回収することにより得る。
R鏡像異性体を、4:1のヘキサン−アセトンで溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによりさらに精製して、黄色の固体として標題化合物(9.2g、38.77mmol)を得る。ES/MS (m/z) 238(M+1),HNMR(300.16MHz,CDCl)δ7.60−7.58(m,2H),7.36(d,J=8.2Hz,2H),7.17(s,1H),4.36(t,J=8.0Hz,1H),2.74(dd,J=7.7,12.6Hz,1H),2.23−2.16(m,1H),1.40(s,3H),1.35(s,3H)。
実施例1a
4−[(4R)−6,6−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピラゾール−4−イル]ベンゾニトリル半水和物
Figure 0005890012

4−[(4R)−(6,6−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピラゾール−4−イル)]ベンゾニトリル(45mg、0.190mmol)を水(1mL)に懸濁し、周囲温度にて1時間スラリーにする。固体を真空濾過し、空気乾燥させて、標題化合物(35mg、76%)を得る。
X線粉末回折
結晶性固体のXRDパターンを、35kVおよび50mAで作動する、CuKa源(λ=1.54060Å)およびVantec検出器を備えた、Bruker D4 Endeavor X線粉末回折計で得る。試料を、2θにおいて0.0087°のステップサイズおよび0.5秒/ステップの走査速度、ならびに0.6mmの発散、5.28mmの固定散乱線除去、および9.5mmの検出器スリットで、2θにおいて4〜40°で走査する。乾燥粉末を石英試料ホルダに充填し、スライドガラスを使用して平滑な表面を得る。結晶学の分野において、任意の所与の結晶形態に関して、回折ピークの相対強度は、結晶形態および晶癖などの要因から生じる好ましい配向に起因して変化し得ることは周知である。好ましい配向の効果が存在する場合、ピーク強度は変化するが、多形体の特徴的なピーク位置は未変化である。例えば、The U.S.Pharmacopeia 33−National Formulary28 Chapter<941>Characterization of Crystalline Solids by X−ray Powder Diffraction(XRPD)Official 2010年10月1日−2011年2月1日を参照のこと。さらに、結晶学の分野において、任意の所与の結晶形態に関して、角ピーク位置はわずかに変化し得ることもまた周知である。例えば、ピーク位置は、試料が分析される温度もしくは湿度、試料の変位、または内部標準の存在もしくは不存在の変化に起因して変化し得る。存在する場合、2θにおいて±0.2のピーク位置の変化は、示される結晶形態の明確な識別を妨げずにこれらの可能な変化を考慮する。結晶形態の確認は、特徴的なピーク(°2θの単位において)、典型的により顕著なピークの任意の固有の組み合わせに基づいてなされ得る。周囲温度および相対湿度で回収される結晶形態回折パターンは、8.85および26.77°2θにてNIST675標準ピークに基づいて調整される。
標題化合物の調製した試料は、以下の表1に記載した回折ピーク(2θ値)を有するとCuKa放射線を使用してXRDパターンにより特徴付けられる。具体的には、パターンは、0.2°の回折角に対する許容範囲で12.19、15.53、17.23、17.78および20.61からなる群から選択されるピークのうちの1つ以上と合わせて23.75にてピークを含む。
Figure 0005890012
実施例1b
4−[(4R)−6,6−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピラゾール−4−イル]ベンゾニトリル;リン酸
Figure 0005890012

4−[(4R)−(6,6−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピラゾール−4−イル)]ベンゾニトリル(445mg)を酢酸イソプロピル(1mL)に溶解する。この混合物に、15Mのリン酸(150μL、1.2eq)を滴下して加える。局所的迅速結晶化が示され、水浴中での簡単な超音波処理により、大きな塊の明るい白色固体が沈殿した。この塊を酢酸イソプロピル(3mL)を加えることによって破砕し、緩いスラリーを得る。次いで固体を真空濾過し、空気乾燥させて、標題化合物(585mg、93%)を得る。
X線粉末回折
結晶性固体のXRDパターンを実施例1aに記載したように調製する。
標題化合物は、以下の表1に記載した回折ピーク(2θ値)を有するとCuKa放射線を使用してXRDパターンにより特徴付けられる。具体的には、パターンは、0.2°の回折角に対する許容範囲で12.69、16.97、18.25、19.39および22.92からなる群から選択されるピークのうちの1つ以上と合わせて5.56にてピークを含む。
Figure 0005890012
実施例2
4−[(4S)−6,6−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピラゾール−4−イル]ベンゾニトリル
Figure 0005890012

実施例2を、10.25分にて溶出する画分を回収することによって実施例1について記載されている方法によって実質的に調製する。回収した画分を、80%ヘキサンおよび20%アセトンを用いてシリカゲルクロマトグラフィーによりさらに精製して、標題化合物(2g)を得る。
実施例3
(+/−)−4−(4−クロロフェニル)−6,6−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピラゾール
Figure 0005890012

(+/−)−4−(4−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−シクロペンタノン(0.250g、1.12mmol)をイソプロパノール(5mL)に溶解し、攪拌する。tert−ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン(0.33mL、1.57mmol)を反応物に滴下して加える。反応物を密閉したバイアル中で100℃にて12時間加熱し、室温に冷却し、濃縮乾固する。残渣をイソプロパノール(5mL)で希釈する。ヒドラジン水和物(0.11mL、2.25mmol)を反応物に加え、密閉バイアル中で100℃で5時間加熱する。反応物を真空中で濃縮する。残渣を、ヘキサン中の20%酢酸エチルで溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、黄色の薄膜として標題化合物(0.035g、13%)を得る。ES/MS(m/z)247.0(M+1)。
以下の実施例を、実質的に(+/−)−4−(4−クロロフェニル)−6,6−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピラゾールについて記載されているように調製する。
Figure 0005890012

Figure 0005890012
実施例14
(+/−)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール
Figure 0005890012

エタノール(200mL)中の(+/−)−(2Z)−3−(3,4−ジフルオロフェニル)−2−((ジメチルアミノ)メチレン)シクロペンタノン(8.5g、34mmol)の混合物にヒドラジン水和物(15mL)を加え、その混合物を80℃で一晩加熱する。その混合物を室温に冷却し、真空中で濃縮する。残渣を、DAISO 10μC18 250×50mmカラム、9mL注射を備えたCXTH機器、70mL/分の流速、214nmの波長および0.1%TFA/HO中の10〜80%アセトニトリルの移動相を使用して分取HPLCにより精製して、白色固体(2.1g、28%)として標題化合物を得る。ES/MS m/z 221(M+H)。
以下の実施例を、実質的に(+/−)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾールについて記載されているように調製する。
Figure 0005890012
Figure 0005890012
Figure 0005890012
a.完了すると、真空中で濃縮して、残渣を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で希釈し、酢酸エチル(3×)で抽出する。有機物を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮する。これを、2:1の石油エーテル:酢酸エチルで溶出する、シリカゲルクロマトグラフィーで精製する。次いで粗生成物を上記の分取HPLC条件に供し、酢酸エチル中のHClで酸性化して、標題化合物として白色固体を得る。
b.触媒量の酢酸を使用する。反応物を室温にて12時間処理する。
c.塩酸ヒドラジンの代わりにヒドラジン塩酸塩を使用する。
実施例27
4−(3,4−ジフルオロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール、異性体1
Figure 0005890012

ラセミ物質を、230nmのUVにて20%3A EtOH:80%CO、5.0mL/分の流速で、Chiralcel(登録商標)OJ−H4.6×150mmカラムを使用してキラルクロマトグラフィーに供して、純粋な鏡像異性体である、異性体1を得る。次いでこれを、25%から50%の酢酸エチル/トルエンのステップ勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーで再精製して、標題化合物(0.121g、6.1%)を得る。ES/MS(m/z)221.2(M+1)。
以下の実施例を、実質的に4−(3,4−ジフルオロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール、異性体1について記載されているように調製する。
Figure 0005890012
Figure 0005890012
Figure 0005890012
a.Chiralcel(登録商標)OJ−Hカラム、20%MeOH/CO2、5mL/分、225nM。
b.Chiralcel(登録商標)OJ−Hカラム、20%IPA(0.2%イソプロピルアミン/CO、5mL/分、225nM。
c.Chiralpak(登録商標)AD−Hカラム、0.2%DMEA/メタノール、30mL/分、225nM。
d.Chiralcel(登録商標)OJ−Hカラム、20%EtOH/CO、5mL/分、225nM。
e.Chiralpak(登録商標)ICカラム、30%IPA/CO、5mL/分、230nM。キラルクロマトグラフィー後、生成物を、1〜3%MeOH/クロロホルムでのステップ勾配においてクロマトグラフし、2%MeOH/クロロホルムで2回目にクロマトグラフし、エーテルで結晶化して、最終生成物を得る。
f.Chiralpak(登録商標)AD−Hカラム、100%MeOH、30mL/分、225nM。
g.Chiralpak(登録商標)AD−Hカラム、100%MeOH、30mL/分、225nM。
h.Chiralpak(登録商標)AD−Hカラム、15%MeOH/CO2、70mL/分、225nM。
i.Chiralpak(登録商標)OD−Hカラム、10%MeOH/CO、70mL/分、225nM。
k.Chiralpak(登録商標)AD−Hカラム、100%エタノール、18mL/分、225nM。
l.Chiralpak(登録商標)AD−Hカラム、20%IPA/CO、70mL/分、225nM。
m.Chiralpak(登録商標)AD−Hカラム、20%エタノール/CO、70mL/分、225nM。
n.Chiralpak(登録商標)AD−Hカラム、4/1のエタノール/ACN、25mL/分、225nM。
実施例43
(4R)−4−(3−クロロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール
Figure 0005890012

(3S)−3−(3−クロロフェニル)シクロペンタノン(1.5g、7.71mmol)をイソプロパノール(20mL)に溶解し、攪拌する。tert−ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン(1.91mL、9.25mmol)を反応物に滴下して加える。反応物を125℃で12時間加熱する。次いで室温に冷却し、濃縮乾固する。残渣をイソプロパノール(20mL)で希釈する。ヒドラジン水和物(0.37mL、11.56mmol)を反応物に加え、その反応物を100℃で5時間加熱する。その反応物を真空中で濃縮し、残渣を、ヘキサン中の20%酢酸エチルで溶出する、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、黄色の薄膜として標題生成物(1.099g)を得る。この物質をさらに、20%のメタノール/CO、70mL/分の流速、および225nMにおけるUV検出で溶出する、Chiralpak AD−Hカラムを利用する、キラルクロマトグラフィーにより精製する。標題化合物(0.442g、26.2%)を透明な油状物として単離する。ES/MS(m/z)219.0(M+1)。
以下の実施例を、実質的に(4R)−4−(3−クロロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾールについて記載されているように調製する。
Figure 0005890012

a.Chiralpak AD−Hカラム、100%MeOH、30mL/分、225nM。
実施例48
(+/−)−4−(6,6−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピラゾール−4−イル)−3−フルオロ−ベンゾニトリル
Figure 0005890012

メタンアミン、1,1−ジメトキシ−N,N−ジメチル−(42.05g、352.84mmol)を4−(3,3−ジメチル−4−オキソ−シクロペンチル)−3−フルオロ−ベンゾニトリル(34g、117.61mmol)に加え、その混合物を90℃にて16時間攪拌する。その混合物を周囲温度に冷却し、過剰なDMF−DMAを蒸発乾固する。粗残渣にイソプロピルアルコール(163.20mL)、ヒドラジン一水和物(11.78g、235.22mmol)、および酢酸(20.22mL、352.84mmol)を加え、その混合物を70℃にて2時間攪拌する。その混合物を周囲温度まで冷却し、溶媒を蒸発乾固する。その混合物を水(200mL)中に注ぎ、MTBE(2×200mL)で抽出する。その混合物をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固する。残渣を、ヘキサンおよび10%のIPAで溶出する、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(30g、99%)を得る。ES/MS (m/z)256(M+1),H NMR(300.16MHz,DMSO)δ12.62−12.60(m,1H),7.82(dd,J=1.5,10.2Hz,1H),7.62(dd,J=1.5,8.1Hz,1H),7.42−7.34(m,1H),4.52(t,J=7.7Hz,1H),2.73(d,J=1.8Hz,1H),2.07(dd,J=8.1,11.7Hz,1H),1.25(s,6H)。
実施例49
4−(6,6−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピラゾール−4−イル)−3−フルオロ−ベンゾニトリル、異性体1
Figure 0005890012

ラセミ体4−(6,6−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピラゾール−4−イル)−3−フルオロ−ベンゾニトリル(14.4g、56.41mmol)を、0.2%のDMEA、カラムサイズ5μm、225cm、65mL/分の流速、UV検出215nm、および60mg/注入(各々5.1分)の負荷を用いて、CO(100バール)およびMeOHを使用してChiralcel(登録商標)OD−Hカラム上でのキラル超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)により精製して、黄色の固体として標題化合物を得る、RT=2.4分、(5.5g、38%)。ES/MS (m/z)256(M+1),H NMR(300.16MHz,d−DMSO)δ12.62−12.60(m,1H),7.82(dd,J=1.5,10.2Hz,1H),7.62(dd,J=1.5,8.1Hz,1H),7.42−7.34(m,1H),4.52(t,J=7.7Hz,1H),2.73(d,J=1.8Hz,1H),2.07(dd,J=8.1,11.7Hz,1H),1.25(s,6H)。
実施例50
4−(6,6−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピラゾール−4−イル)−3−フルオロ−ベンゾニトリル、異性体2
Figure 0005890012

4−(6,6−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピラゾール−4−イル)−3−フルオロ−ベンゾニトリル異性体2を、異性体1について記載されているキラルクロマトグラフィー条件を使用して単離する。ES/MS(m/z)256(M+1)。
実施例51
(+/−)−4−[6,6−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピラゾール−4−イル]ベンゾニトリル塩酸塩
Figure 0005890012

エタノール(100mL)および酢酸(4滴)中の(+/−)−4−[(2Z)−2−(ジメチルアミノメチレン)−4,4−ジメチル−3−オキソ−シクロペンチル]ベンゾニトリル(3.2g、20mmol)に塩酸ヒドラジン(4.17g、60mmol)を加え、反応物を80℃で3時間加熱する。次いで反応物を室温まで冷却し、真空中で濃縮する。残渣を酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム溶液との間に分配する。層を分離し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮する。残渣を、1:2の酢酸エチル:石油エーテルで溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。得られた物質を酢酸エチル中のHClで処理して、標題化合物(2.3g、70%)を得る。ES/MS(m/z)238.2(M+1)。
実施例52
(+/−)−4−[4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−4−イル]ベンゾニトリル
Figure 0005890012

4−(6,7−ジヒドロ−2H−インダゾール−4−イル)ベンゾニトリル(3.21g、14.5mmol)を、THF(10mL)、MeOH(10mL)、および5%Pd/C(0.2g)に加え、室温にて2時間、Hのバルーン下で水素化する。その混合物を珪藻土のパッドで濾過し、蒸発乾固する。残渣を、50%〜70%の酢酸エチル/ヘキサンで溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(3.15g、97%)を得る。
実施例53
4−[(4R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−4−イル]ベンゾニトリル
Figure 0005890012

ラセミ体混合物を、キラルクロマトグラフィー(Chiralpak AD−H、0.46×15cm 100%MeOH/0.2%DMEA、0.6mL/分、250nm)により精製して、第2の溶出異性体Tr=3.21分として標題化合物(1.19g、38%)を得る。ES/MSm/z224(M+H)。ES/MS(m/z)224.0(M+1)。
以下の実施例を、実質的に4−[(4R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−4−イル]ベンゾニトリルの方法によって調製する。
Figure 0005890012

a.キラルクロマトグラフィー条件:(4.6×150mm、Chiralcel(登録商標)OJ−H、100%MeOH、0.2%DMEA、1.0mL/分、225nm、第2の溶出鏡像異性体、Tr=3.726分)
b.キラルクロマトグラフィー条件:(4.6×150mm、Chiralcel(登録商標)AD−H、100%EtOH、0.2%DMEA、1.0mL/分、225nm、第2の溶出鏡像異性体、Tr=3.289分)。
実施例56
4−(4−クロロフェニル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール異性体2
Figure 0005890012

4−(4−クロロフェニル)−2−(p−トリルスルホニル)−4,5,6,7−テトラヒドロインダゾール(0.4g、1.04mmol)を、MeOH(25mL)中のKOH(0.29g、5.21mmol)の溶液に加え、その溶液を65℃で2時間加熱する。溶液を周囲温度まで冷却し、溶媒を減圧下で除去し、得られた固体を水で希釈する。HClを加えてpH4にし、混合物を酢酸エチルで抽出し、層を分離し、水層を酢酸エチルで逆抽出する。有機層を合わせ、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固する。残渣を、キラルクロマトグラフィー(Chiralpak AD−H、4.6×150mm、100%EtOH 0.2%DMEA、225mm、Tr=3.318分)により精製して、標題化合物(93mg、38%)を第2の溶出異性体として得る。ES/MSm/z234(M+H)。
実施例57
3−メチル−4−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−4−イル)ベンゾニトリル−異性体2
Figure 0005890012

3−メチル−4−(1−テトラヒドロピラン−2−イル−4,5,6,7−テトラヒドロインダゾール−4−イル)ベンゾニトリルまたは3−メチル−4−(2−テトラヒドロピラン−2−イル−4,5,6,7−テトラヒドロインダゾール−4−イル)ベンゾニトリル(0.16g、0.5mmol)およびHSO(0.11mL、1.99mmol)をCHCN(5.0mL)に加え、溶液を室温にて24時間攪拌する。塩基性pHまでNaCO水溶液を加える。これを酢酸エチルで希釈し、層を分離し、水層を酢酸エチル(3×)で逆抽出する。有機層を合わせ、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固する。残渣を、6:4のヘキサン/酢酸エチルで溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、ラセミ体混合物(0.088g、73%)を得る。単一の鏡像異性体を、キラルクロマトグラフィー(Chiralpak AD−H、4.6×150mm、100%EtOH 0.2%DMEA、225mm、Tr=4.168分)により得て、第2の溶出異性体として標題化合物(0.032g、27%)を得る。ES/MSm/z238(M+H)。
以下の実施例を、実質的に3−メチル−4−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−4−イル)ベンゾニトリル異性体2の方法によって調製する。
Figure 0005890012

a.キラルクロマトグラフィー(Chiralcel(登録商標)AD−H、4.6×150mm、100%MeOH、0.2%DMEA、1.0mL/分、225nm、第2の溶出鏡像異性体、Tr=3.608分)による鏡像異性体の精製。
実施例59
(+/−)−2−フルオロ−4−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−4−イル)ベンゾニトリル
Figure 0005890012

4−(6,7−ジヒドロ−1H−インダゾール−4−イル)−2−フルオロ−ベンゾニトリル(0.102g、0.43mmol)5%Pd/Cwt/wt%(0.04g)をMeOH(5.0mL)に加え、その混合物を45〜35psiの水素下で3時間攪拌する。その混合物を珪藻土のプラグにより濾過し、濃縮乾固する。残渣を、1:1のヘキサン/酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(0.021g、18%)を得る。ES/MSm/z242(M+H)。
実施例60
(+/−)−(トランス)−4−[7−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−4−イル]ベンゾニトリル
Figure 0005890012

(+/−)−(トランス)−4−(4−メチル−3−オキソ−シクロヘキシル)ベンゾニトリル(0.55g、2.58mmol)をトルエン(10.0mL)およびtert−ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン(0.67mL、3.22mmol)に加え、120℃で16時間攪拌する。その混合物を室温まで冷却し、真空中で濃縮する。残渣をMeOH(10.0mL)およびヒドラジン(0.07mL、2.32mmol)に加え、80℃で1.0時間攪拌する。その混合物を室温まで冷却し、真空中で濃縮する。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(35%〜55%EtOAc/ヘキサン)により精製して、(+/−)−(トランス)−4−[7−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−4−イル]ベンゾニトリル(0.18g、29%)を得る。
実施例61
4−[7−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−4−イル]ベンゾニトリル−異性体2
Figure 0005890012

および
実施例62
4−[7−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−4−イル]ベンゾニトリル−異性体4
Figure 0005890012

(+/−)−(シス/トランス)−4−[7−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−4−イル]ベンゾニトリル(0.36g、1.52mmol)および(+/−)−(トランス)−4−[7−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−4−イル]ベンゾニトリル(0.18g、0.76mmol)を合わせ、単一の鏡像異性体を、キラルクロマトグラフィー(Chiralpak AD−H、4.6×150mm、100%EtOH、0.2%DMEA、225mm)により得て、第2の溶出異性体として(シス)−4−[7−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−4−イル]ベンゾニトリル−異性体2(0.05g、27%)を得る。ES/MSm/z238(M+H)、Tr=2.988分。(トランス)−4−[7−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−4−イル]ベンゾニトリル−異性体4、実施例61(0.07g、19%)。ES/MSm/z238(M+H)。
実施例63
(+/−)−4−(7,7−ジメチル−2,4,5,6−テトラヒドロインダゾール−4−イル)−3−メチル−ベンゾニトリル塩酸塩
Figure 0005890012

N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(50mL)中の4−(4,4−ジメチル−3−オキソ−シクロヘキシル)−3−メチル−ベンゾニトリル(0.6g、2.49mmol)を90℃にて2日間攪拌する。その混合物を室温まで冷却し、真空中で濃縮する。残渣を酢酸エチル(50mL)および水(50mL)で希釈する。有機相を分離し、水相を酢酸エチル(3×50mL)で抽出する。合わせた有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮する。残渣を、石油エーテル:EtOAc 1:1からMeOH:DCM=1:30で溶出する、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、4−[(2Z)−2−(ジメチルアミノメチレン)−4,4−ジメチル−3−オキソ−シクロヘキシル]−3−メチル−ベンゾニトリル(0.2g、27%)を得る。
塩酸ヒドラジン(0.14g、2mmol)を、エタノール(30mL)中の4−[(2Z)−2−(ジメチルアミノメチレン)−4,4−ジメチル−3−オキソ−シクロヘキシル]−3−メチル−ベンゾニトリル(0.2g、0.67mmol)に加え、次いで酢酸(2滴)をその混合物に加える。添加が完了した後、反応混合物を80℃にて3時間攪拌する。その混合物を室温まで冷却し、真空中で濃縮する。残渣を酢酸エチル(50mL)および飽和炭酸水素ナトリウム溶液(50mL)で希釈する。有機相を分離し、水相を酢酸エチル(3×50mL)で抽出する。合わせた有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=2:1から1:1で溶出する)により精製して、標題化合物を得る。生成物をHCl/酢酸エチルに加え、真空中で濃縮して、標題化合物(0.12g、67%)のHCl塩を得る。ES/MS266(M+H)。
実施例64
4−(7,7−ジメチル−2,4,5,6−テトラヒドロインダゾール−4−イル)−3−メチル−ベンゾニトリル、異性体2
Figure 0005890012

単一の鏡像異性体をキラルクロマトグラフィー(Chiralpak AD−H、4.6×150mm、3:2のMeOH/CH3CN 0.2%イソプロピルアミン、225mm、1.0mL/分、Tr=3.503分)により得て、第2の溶出異性体として標題化合物(0.038g、31%)を得る。ES/MSm/z266(M+H)。
以下の実施例を、実質的に3−メチル−4−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−4−イル)ベンゾニトリルの方法によって調製する。
Figure 0005890012

a.キラルクロマトグラフィー(Chiralcel(登録商標)AD−H、4.6×150mm、100%MeOH、0.2%イソプロピルアミン、1.0mL/分、225nm、第2の溶出鏡像異性体、Tr=4.175分)による鏡像異性体の精製。
b.工程1−120℃にて26時間、トルエン中のtert−ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン(1.0eq)を使用する。
以下のアッセイに利用される試薬は、商業的供給源から容易に利用可能であるか、または当業者により容易に合成され得る。本明細書に使用される比較化合物はファドロゾールおよびLCI699である。ファドロゾールは、AFEMA(登録商標)(ノバルティス株式会社(Novartis Corporation)(日本)の商標)という商標名で乳癌を治療するためにノバルティス株式会社により市販されているアロマターゼ阻害剤である;(2011年5月26日に訪れたwww.righthealth.com/topic/Fadrozole)。LCI699はノバルティス株式会社により開発された治験薬である(Thompson Reuters Pharma Drug Report LCI699、(コピーライト)Thompson Reuters 2011)。ファドロゾールおよびLCI699についての構造的表現を以下に示す。
Figure 0005890012
アルドステロンシンターゼ阻害剤アッセイ
ヒトcyp11B2を構成的に発現するチャイニーズハムスター線維芽細胞(V79、ATCC(商標))を、CMVプロモーター下でヒトcyp11B2 cDNAおよび哺乳動物細胞における選択のためのネオマイシン抗生物質耐性遺伝子を保有する哺乳動物発現ベクターでのトランスフェクションにより樹立する。V79細胞を、リポフェクタミントランスフェクション試薬およびヒトcyp11B2 cDNAを有するT225cmフラスコ中でトランスフェクトする。陽性クローンを、1mg/mLにて選択抗生物質ジェネティシンを用いて選択する。
トランスフェクトした細胞からのアルドステロン産生を、培地中の1μMのDOCの添加により開始する。24時間のインキュベーション後、100μLの細胞培養培地を収集し、培地中のアルドステロン濃度を、液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)法を使用して決定する。培地を、96チップヘッドを有するBeckman Coulter FX液体処理システム(有機溶媒の使用のために改変した)を使用して最初に抽出して、内部標準(IS)溶液を各ウェル(15%ACN/水中の10μLの100ng/mL d7−アルドステロン(C/D/N Isotopes,Inc.Quebec,カナダ))に加える。次いでウェルを、FXを使用してEtOAc(150μl)で3回抽出し、新たな96ウェルプレート中で有機層を合わせる。溶媒をGeneVac HT−4中または窒素下で乾燥させる。次いでFXを使用して、15%ACN/水(60μl)中で試料を再構成し、プレートを熱融着させる。LC−MS法は、バイナリポンプを備えたAgilent LCを利用して、Betasil 2.1×10mm C18カラム上で1mL/分の流速で、各々0.1%のギ酸を含有する水およびACNの勾配を生成する。試料の25μlアリコートを注入し、1分で20〜100%ACN+0.1%ギ酸(FA)からの勾配を開始する。アルドステロンは0.7分で溶出する。開始条件を1分間保持して、カラムを再平衡させる。ABI4000タンデム質量分析計を、陰イオンモードにおいてMS/MS分析のために使用する。MS/MS法は、アルドステロン(359.19/331.09&359.19/188.8)について多重反応モニタリング(MRM)遷移およびIS(367.19/339.3&367.19/194.1)について2つをモニターする。アルドステロンおよびISそれぞれからの信号を含むように各遷移からのピーク下面積を合わせる。これらの面積の比を各プレートからの対照と比較して、各試料についての阻害%値を得る。アルドステロンについての検出限界は40pg/mLである。
試験化合物によるアルドステロン産生の阻害を決定するために、V79−hcyp11B2細胞を、20,000個の細胞/ウェルにて96ウェルプレート中に播種する。1:3希釈増分におけるDOCおよび種々の濃度の試験化合物を細胞培養培地に加える。24時間のインキュベーション後、100μlの細胞培地を収集し、アルドステロン濃度を上記のように決定する。データを4パラメータ−フィットロジスティック曲線に適合して、IC50値を決定する。
本発明の実施例は、約≦0.900μMのIC50で強力なアルドステロンシンターゼ阻害を実証する。代表的な化合物を表1に示す。
Figure 0005890012
これらのデータは別々の実験からの結果である。幾何平均として表した上記のデータは、本発明の実施例がインビトロでの強力なアルドステロンシンターゼ阻害剤であることを示す。
ラットにおけるアルドステロンシンターゼの阻害
ラットナトリウム欠乏食事モデルを使用してラットにおけるアルドステロン産生に対する化合物の効果を評価する。オスのSprague Dawleyラット、6〜7週齢、および約175〜190グラム(Harlan Laboratories,Indianapolis,IN,USA)を使用して研究を実施する。ラットを通常の明周期(12時間明および12時間暗)下で個々に収容し、食事(Harlan Teklad 90228ナトリウム欠乏食事)および水を自由に与えた。ラットを体重により無作為化し、7日間、Teklad90228に入れた。7日目に、ビヒクル(1%ヒドロキシエチルセルロース(HEC)/0.25%Tween80/0.05%消泡剤(AF)、またはアカシア10%w/v/消泡剤1510−US0.05%v/v純水(DIW))、陽性対照(1mg/Kg、ファドロゾール)、または試験化合物を用いて10mL/kgにてラットに経口投与する。投与後3時間で、イソフルラン麻酔下でラットを眼窩から出血(約0.5mL)させる。投与後6時間で、ラットをCOにより安楽死させ、心穿刺により出血させる。血液試料を少なくとも30分凝固させ、血清を調製し、分析するまで約−80℃で保存する。アルドステロン、ステロイド、および化合物暴露を質量分析により分析する。
ラットNa欠乏食事モデルにおけるアルドステロン産生に対する実施例1および49の効果を以下の表18に示す。
Figure 0005890012
このデータは、実施例1および49がインビボでのアルドステロン産生を阻害することを示す。
コルチゾール阻害アッセイ
ヒトcyp11B1を構成的に発現するチャイニーズハムスター線維芽細胞(V79)を、CMVプロモーター下でヒトcyp11B1 cDNAおよび哺乳動物細胞における選択のためのネオマイシン抗生物質耐性遺伝子を保有する哺乳動物発現ベクターでのトランスフェクションにより樹立する。V79細胞を、リポフェクタミントランスフェクション試薬およびヒトcyp11B1 cDNAを有するT225cmフラスコ中でトランスフェクトする。陽性クローンを、1mg/mLにて選択抗生物質ジェネティシンを用いて選択する。トランスフェクトした細胞からのコルチゾール産生を、培地中の1μMの11−デオキシコルチゾールの添加により開始する。24時間のインキュベーション後、培養培地を収集し、培地中のコルチゾール濃度を、液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)法を使用して決定する。細胞培地(100μL)を、新たな深いウェルの96ウェルプレートに移す。96チップヘッドを有するBeckman Coulter FX液体処理システム(有機溶媒での使用のために改変した)を使用してIS溶液を各ウェル(10μlの200ng/mL d4−コルチゾール)に加える。次いでウェルを、FXを使用してEtOAc(300μl)で3回抽出し、新たな深いウェルの96ウェルプレート中で有機層を合わせる。次いで溶媒をGeneVac HT−4中または窒素下で乾燥させる。次いでFXを使用して、50%MeOH/水(100μl)中で試料を再構成し、プレートを熱融着させる。
2つのポンプを備えたHPLCは、Xbridge Shield RP18、3.5ミクロン、5ミクロンの粒径で同じ材料の2.1×10mmの保護カラムを有する2.1×50mmのカラム上で、0.6mL/分の流速で水(0.1%ギ酸を含有する)およびMeOHの勾配を生成する。試料の40μlアリコートを注入し、0.95分で20〜100%MeOHからの勾配を開始する。コルチゾールは0.8分で溶出する。次いで開始条件を1分間保持して、カラムを再平衡させる。ABI QTRAP4000タンデム質量分析計を、陽イオンモードにおいてMS/MS分析のために使用する。MS/MS法は、それぞれ363.0/121.0および367.3/121.0におけるコルチゾールおよびISについての遷移をモニターする。これらをそれぞれ積分して、ピーク面積を得る。コルチゾール/IS面積比を使用して、標準曲線との比較によりコルチゾール濃度を決定する。コルチゾールについての検出限界は1ng/mLである。
試験化合物によるコルチゾール産生の阻害を決定するために、V79−ヒトcyp11B1細胞を、20,000個の細胞/ウェルにて96ウェルプレート中に播種する。1:3希釈増分における11−デオキシコルチゾールおよび種々の濃度の試験化合物を細胞培養培地に加える。24時間のインキュベーション後、100μlの細胞培地を収集し、コルチゾール濃度を上記のように決定する。データを4パラメータ−フィットロジスティック曲線に適合して、IC50値を決定する。
本発明の実施例は、表19に示すように比較化合物と比較してV79−hcyp11B1細胞からのコルチゾール産生を阻害するのに適度な効力を実証する。アルドステロン産生を阻害する相対的選択性対コルチゾール産生を阻害する相対的選択性を、式:選択比=IC50(hcyp11B1)/IC50(hcyp11B2)を使用して計算する。
Figure 0005890012
これらのデータは別々の実験からの結果である。これらのデータは、実施例1および49が、比較化合物よりコルチゾール阻害に対してアルドステロンの阻害に非常に高い選択性を示すことを実証する。
テストステロンおよびエストラジオール産生アッセイ
ヒト腺癌細胞株H295Rを使用して、インビトロでのテストステロンおよびエストラジオールの産生をモニターする。細胞を50,000個の細胞/ウェルにて96ウェルプレート中に播種し、2.5%ヌーシーラム(Nuserum)を補充したDMEM培地中で培養する。1:3希釈増分における種々の濃度の試験化合物を細胞培養培地に加える。48時間のインキュベーション後、100μlの培養培地を収集し、d5−エストラジオールおよびd3−テストステロンを、エストラジオールおよびテストステロンそれぞれについてISとして加える。
等体積の炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム緩衝液(0.5モル/L、pH9.4)を試料に加え、続いて新たに調製した塩化ダンシル溶液(50μl、20mg/mL)を加える。試料を混合し、60分間60℃でインキュベートする。次いで試料を、FXを使用してEtOAc(300μl)で3回抽出し、新たな深いウェルの96ウェルプレート中で有機層を合わせる。次いで溶媒をGeneVac HT−4中または窒素下で乾燥させる。FXを使用して、50%MeOH/水(100μl)中で試料を再構成し、プレートを熱融着させる。
2つのポンプを備えたHPLCは、Xbridge Shield RP18、3.5ミクロン、5ミクロンの粒径で同じ材料の2.1×10mmの保護カラムを有する2.1×50mmのカラム上で、0.6mL/分の流速で水(0.1%ギ酸を含有する)およびMeOHの勾配を生成する。試料の40μlアリコートを注入し、0.95分で20〜100%MeOHからの勾配を開始する。ABI QTRAP4000タンデム質量分析計を、陽イオンモードにおいてMS/MS分析のために使用する。MS/MS法は、テストステロン(289/97)、エストラジオール(506.3/171.0)ならびにそれらのそれぞれのIS292/109および511.3/171.0についての遷移をモニターする。それらのピークを別々に積分して、ピーク面積を得る。テストステロン/ISおよびエストラジオール/ISの面積比を使用して、それらのそれぞれの標準曲線と比較することによってテストステロンおよびエストラジオール濃度を決定する。テストステロンおよびエストラジオールについての検出限界はそれぞれ0.1ng/mLおよび0.01ng/mLである。
実施例1および49は、H295R細胞からのテストステロンおよびエストラジオール産生の弱い阻害を実証する。その結果を、各化合物についてテストステロンまたはエストラジオールと比較したアルドステロンに対する相対的選択性と共に表20に示す。
Figure 0005890012

試験は表20の実施例および比較化合物について同時に実施しなかった。
カニクイザルアルドステロン阻害アッセイ
カニクイザルcyp11B2を構成的に発現するチャイニーズハムスター線維芽細胞(V79)を、カニクイザルcyp11B2 cDNAを保有する哺乳動物発現ベクターでのトランスフェクションにより樹立する。この細胞株を使用して、カニクイザル酵素からアルドステロン産生を阻害する際の化合物の活性を測定する。細胞培養条件およびアルドステロン検出法を、「アルドステロン阻害アッセイ」に記載した同じプロトコルに従って実施する。実施例1および実施例49は、カニクイザルアルドステロン阻害アッセイにおいてそれぞれ0.00246および0.0041μMの相対IC50値を示す(n=1)。
カニクイザルコルチゾール阻害アッセイ
カニクイザルcyp11B1を構成的に発現するチャイニーズハムスター線維芽細胞(V79)を、カニクイザルcyp11B1 cDNAを保有する哺乳動物発現ベクターでのトランスフェクションにより樹立する。この細胞株を使用して、カニクイザル酵素からアルドステロン産生を阻害する際の化合物の活性を測定する。細胞培養条件およびコルチゾール検出法を、「コルチゾール阻害アッセイ」に記載した同じプロトコルに従って実施する。実施例1および実施例49は、カニクイザルコルチゾール阻害アッセイにおいてそれぞれ0.209および0.579μMの相対IC50値を示す(n=1)。

Claims (15)

  1. 以下の式の化合物:
    Figure 0005890012
    (式中、
    nは0または1であり、
    mは1または2であり、
    およびRは水素、−CH、および−CHCHから独立して選択され、
    −CNであり、
    は各場合において−F、−Cl、−Br、−CHおよび−OCH から独立して選択される)
    またはその薬学的に許容可能な塩。
  2. 以下の式の化合物:
    Figure 0005890012
    (式中、
    nは0、1、または2であり、
    mは1または2であり、
    およびRは水素および−CH から独立して選択され、
    −Fまたは−Clであり、
    は各場合において−F、−Cl、−Br、−CHおよび−CF から独立して選択される)
    またはその薬学的に許容可能な塩。
  3. 以下の式の化合物:
    Figure 0005890012
    (式中、
    nは0または1であり、
    およびRは水素および−CHから独立して選択され、
    は水素、−CN、−Cl、−OCH、または−CHであり、
    は各場合において−F、−CH、および−OCHから独立して選択される)
    またはその薬学的に許容可能な塩。
  4. mが1であり、RおよびRが−CHであり、Rが−CNであり、nが0または1であり、Rが−Fである、請求項に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩。
  5. 前記化合物が、4−(6,6−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピラゾール−4−イル)ベンゾニトリル:
    Figure 0005890012
    である、請求項または4のいずれかに記載の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩。
  6. 前記化合物が、4−[(4R)−(6,6−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピラゾール−4−イル)]ベンゾニトリル:
    Figure 0005890012
    である、請求項5に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
  7. 前記化合物が、4−[(4R)−(6,6−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピラゾール−4−イル)]ベンゾニトリル:
    Figure 0005890012
    である、請求項6に記載の化合物。
  8. 前記化合物が、4−(6,6−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピラゾール−4−イル)−3−フルオロ−ベンゾニトリル:
    Figure 0005890012
    である、請求項または4のいずれかに記載の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩。
  9. 前記化合物が、4−(6,6−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピラゾール−4−イル)−3−フルオロ−ベンゾニトリル:
    Figure 0005890012
    である、請求項8に記載の化合物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩と、1種以上の薬学的に許容可能な担体、希釈剤、または賦形剤とを含む、医薬組成物。
  11. 療法に使用するための請求項1〜9のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
  12. 慢性腎疾患の治療に使用するための請求項1〜9のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
  13. 糖尿病性腎症の治療に使用するための請求項12に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
  14. 慢性腎疾患を治療するための医薬の製造に使用するための請求項1〜9のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
  15. 糖尿病性腎症を治療するための医薬の製造に使用するための請求項1〜9のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
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