JP5887953B2 - タッチパネルの製造方法 - Google Patents
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Description
また、タッチパネルの急速な普及に伴い、量産可能なタッチパネルの製造方法として、屈曲性を有する透明樹脂製基材を用いたロール・ツー・ロール(Roll to Roll)(以下、R to Rと称して説明する場合がある。)プロセスによる製造方法についても検討されている。
N≦−0.2t+24(関係式1)
N≦6.0(N/mm2)(関係式2)
N≧5.0(N/mm2)(関係式3)
(式中、tは上記透明基材の温度、Nは上記張力である。)
本発明のタッチパネルの製造方法は、屈曲性を有する透明基材を用いたR to Rプロセスにより、タッチパネルを製造する製造方法であって、上記透明基材がシクロオレフィン系ポリマーから構成される基材(以下、COP系基材と称して説明する場合がある。)であり、上記透明基材の一方の表面上に第1透明導電膜を形成し、上記透明基材の他方の表面上に第2透明導電膜を形成する透明導電膜形成工程と、上記第1透明導電膜上および上記第2透明導電膜上にフォトレジスト膜を形成し、露光および現像処理を施すことにより、上記第1透明導電膜上に第1透明電極のパターンを有する第1フォトレジスト層を形成し、上記第2透明導電膜上に第2透明電極のパターンを有する第2フォトレジスト層を形成する露光および現像処理工程と、上記第1透明導電膜および上記第2透明導電膜をエッチングすることにより、上記第1透明電極および上記第2透明電極を形成するエッチング工程とを有し、上記タッチパネルの製造方法の全工程における上記透明基材の温度および上記透明基材に加えられる張力が下記の関係式1および関係式2を満たし、かつ、上記露光および現像処理工程ならびに上記エッチング工程における上記透明基材の温度および上記張力が下記の関係式1から関係式3までのすべての関係式を満たすことを特徴とする製造方法である。
N≦−0.2t+24(関係式1)
N≦6.0(N/mm2)(関係式2)
N≧5.0(N/mm2)(関係式3)
(式中、tは上記透明基材の温度、Nは上記張力である。)
また、本発明における「全工程」とは、本発明のタッチパネルの製造方法において上述した透明導電膜形成工程、露光および現像処理工程、エッチング工程、ならびに必要に応じて行われるその他の工程のすべてを指す。
また、上記張力は、通常、R to Rプロセスにより透明基材を長尺方向に進行させる際に生じるものである。
よって、本発明によれば、複屈折を有さず、パターンずれによる検出特性の低下が抑制されたタッチパネルを製造することが可能となる。
また、従来からR to Rプロセスによるタッチパネルの製造方法については検討がなされているが、透明基材としては汎用性の高いPET基材を用いることが想定される場合が多く、COP系基材を用いた場合における製造条件については、未だ明確な指針が確立されていないのが実情である。
なお、評価装置としては、熱機械分析装置(TMA:Thermomechanical Analyzer)(島津製作所製 TMA-60)を用いた。
また、上記評価用COP系基材としては、20mm長さ×5mm幅×0.1mm厚のものを用いた。また、上記評価用COP系基材に張力をかける方向は20mm長さ方向とした。
また、張力を加える際の荷重速度は、999g/minとした。
また、評価雰囲気の温度については70℃〜120℃までの範囲で10℃毎に変化させ、上記張力については1N/(5mm幅×0.1mm厚)〜4N/(5mm幅×0.1mm厚)(2N/mm2〜8N/mm2)までの範囲で1N/(5mm幅×0.1mm厚)(2N/mm2)毎に変化させた。また、80℃、5N/(5mm幅×0.1mm厚)(10N/mm2)においても、上述の評価を行った。
結果を図5に示す。なお、図5は透明基材のクラックの発生と透明基材の温度および透明基材に加えられる張力の関係を示すグラフであり、グラフ中、○は5mm幅×20mm長さ中のクラックの数が0個、△はクラックの数が1個、×は4個以上であることを示している。
なお、評価装置としては、熱機械分析装置(TMA:Thermomechanical Analyzer)(島津製作所製 TMA-60)を用いた。
また、上記評価用COP系基材としては、20mm長さ×5mm幅×0.1mm厚のものを用いた。また、上記評価用COP系基材に張力をかける方向は20mm長さ方向とした。
また、荷重速度は999g/min、減重速度は−999g/minとした。
また、評価雰囲気の温度については、70℃、100℃、120℃の3点で変化させ、上記張力については1N/(5mm幅×0.1mm厚)〜4N/(5mm幅×0.1mm厚)(2N/mm2〜8N/mm2)までの範囲で1N/(5mm幅×0.1mm厚)(2N/mm2)毎に変化させた。
結果を図6に示す。なお、図6は、透明基材のシワの発生と透明基材の温度および透明基材に加えられる張力の関係を示すグラフであり、グラフ中、○は復元率が99.8%以上、△は復元率が99.5%以上99.8%未満、×は復元率が99.5%未満であることを示している。
N’≦−0.1t’+12(関係式1’)
N’≦3.0(N/5mm厚×0.1mm)(関係式2’)
(式中、t’は上記評価における透明基材の温度、N’は上記において透明基材に加わる張力である。)
なお、関係式1’は、(t’、N’)=(90、3)、(100、2)、(110、1)の3点を通る直線の式から求めたものである。
本発明における透明導電膜形成工程は、上記透明基材の一方の表面上に第1透明導電膜を形成し、上記透明基材の他方の表面上に第2透明導電膜を形成する工程である。本工程においては、通常、第1透明導電膜および第2透明導電膜について区別して形成されず、透明基材の両方の表面上に同一材料、同一条件で透明導電膜が形成される。またこの場合、後述する露光および現像処理工程において第1フォトレジスト層が形成される透明導電膜が第1透明導電膜として用いられ、第2フォトレジスト層が形成される透明導電膜が第2透明導電膜として用いられる。また、以下の説明において、第1透明導電膜および第2透明導電膜に共通する事項等について説明する場合は、単に透明導電膜と称して説明する場合がある。
まず、本工程に用いられる透明基材について説明する。上記透明基材は、屈曲性を有するCOP系基材である。
上記透明基材の透明性としては、本発明の製造方法により製造されるタッチパネルを表示装置に配置した場合に、表示装置の表示情報を確認することが可能な程度の透明性であれば特に限定されないが、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。透過率が上記範囲であることにより、タッチパネルを配置することによる表示装置の表示特性の低下を抑制することができる。
ここで、透明基材の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
また、透明基材の屈曲性とは、透明基材を直径85mmのABS樹脂製の棒に1回巻きつけた後に、目視確認にて基材に割れや欠けの損傷が無いことを指す。
ここで、上記飽和吸水率は、ASTMD570に準拠し23℃の水中で1週間浸漬して増加重量を測定することにより求められる。
〜200℃の範囲内であるものが好ましく、特に100℃〜180℃の範囲内であるもの
が好ましく、なかでも100℃〜150℃の範囲内であるものが好ましい。ガラス転移点
が上記範囲内であることにより、本発明の製造方法により得られるタッチパネルを耐熱性および加工適性により優れたものにできるからである。
一方、長尺の長辺の長さについては、R to Rプロセスに用いることが可能な程度の長さであれば特に限定されない。本工程に用いられる透明基材は、通常、ロール芯に巻回されて用いられる。
次に、本工程において形成される透明導電膜について説明する。透明導電膜としては、透明基材の全面上に形成されてもよく、透明基材の表面上のタッチパネルが形成される領域のみにパターン状に形成されてもよいが、通常、透明基材の全面上に形成される。
透明電極の厚みが上記範囲に満たない場合は、透明電極を均一な厚みで形成することが困難であるからであり、透明電極の厚みが上記範囲を超える場合は、抵抗が高くなるからである。また、透明電極の成膜に用いられる時間や材料が多くなるため、製造コストが高くなるからである。
次に透明導電膜の形成方法について説明する。
本工程において透明導電膜の形成時に透明基材に加えられる張力としては、上述した関係式1および関係式2を満たし、透明基材の表面上に所望の透明導電膜を形成することができる程度であれば特に限定されない。本工程における張力としては、通常、後述する露光および現像工程ならびにエッチング工程における上記張力よりも小さい張力が加えられる。
また、上記張力の下限としては、1.0N/mm2程度とすることができる。上記値を下回る場合は、透明基材上に透明導電膜を形成することが困難となる可能性があるからである。
また、透明導電膜成膜時における雰囲気としては、真空状態や、不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
なお、金属材料膜に用いられる金属材料については、後述する「4.その他の工程」の項で説明する透明電極用配線に用いられる金属材料と同様とすることができる。また、金属材料膜の形成方法については、上述した透明導電膜の形成方法と同様とすることができる。
本発明における露光および現像処理工程は、上記第1透明導電膜上および上記第2透明導電膜上にフォトレジスト膜を形成し、露光および現像処理を施すことにより、上記第1透明導電膜上に第1透明電極のパターンを有する第1フォトレジスト層を形成し、上記第2透明導電膜上に第2透明電極のパターンを有する第2フォトレジスト層を形成する工程である。
ここで、「第1透明導電膜上および上記第2透明導電膜上に形成する」とは、第1透明導電膜上および上記第2透明導電膜上に直接形成する場合だけではなく、第1透明導電膜上および上記第2透明導電膜上に他の層を介して形成する場合を含む概念である。また、以下の説明において、第1フォトレジスト層および第2フォトレジスト層に共通する事項等について説明する場合は、単にフォトレジスト層と称して説明する場合がある。
また、本工程においては、フォトレジストとして、液状であってもよく、ドライフィルムレジストを用いてもよい。
また、フォトレジストがドライフィルムレジストである場合は、第1透明導電膜上および第2透明導電膜上にラミネートする方法を挙げることができる。
また、上記同時露光を行う場合は、上述したように、透明導電膜上に金属材料膜が形成された透明基材を用いることが好ましい。
また、第2フォトレジスト層のパターン形状についても同様に、第2透明電極のパターンを有していれば特に限定されず、第2透明電極のパターンのみを有していてもよく、第2透明電極および後述する第2透明電極用配線のパターンを有していてもよい。
本工程における乾燥処理における加熱温度としては、50℃以上、なかでも70℃〜95℃の範囲内、特に80℃〜90℃の範囲内であることが好ましい。また、上記加熱温度の上限は、95℃程度である。
上記加熱温度が上記範囲に満たない場合は、乾燥処理に要する時間が長くなることから製造効率が低下してしまう可能性や、フォトレジスト膜を十分に乾燥させることができない可能性や、十分に現像を行うことができない可能性があるからである。
上記加熱温度としては、上述した数値範囲のなかでもより高い温度を採用することが好ましい。
上記第1透明導電膜および上記第2透明導電膜をパターン状にエッチングすることにより、上記第1透明電極および上記第2透明電極を形成する工程である。
本工程においては、第1透明導電膜または第2透明導電膜のうち、いずれか一方の透明導電膜をエッチングしたのち、他方の透明導電膜をエッチングしてもよく、第1透明導電膜および第2透明導電膜の両方を同時にエッチングしてもよいが、第1透明導電膜および第2透明導電膜の両方を同時にエッチングすることが好ましい。製造効率を向上させることができるからである。また、以下の説明において、第1透明電極および第2透明電極に共通する事項等について説明する場合は、単に透明電極と称して説明する場合がある。
第1フォトレジスト層および第2フォトレジスト層を除去する方法としては、中でも、酸化物半導体層へのダメージを低減できることから、アセトン、トルエン等の有機溶剤、剥離液等の薬液を用いる方法が好ましい。剥離液としては、一般的に使用されている剥離液を使用できる。
本工程における乾燥処理における加熱温度としては、50℃以上、なかでも70℃〜90℃の範囲内、特に70℃〜80℃の範囲内であることが好ましい。また、上記加熱温度の上限は95℃程度である。上記加熱温度が上記範囲に満たない場合は、第1透明電極および第2透明電極の表面の十分に乾燥させることができず、水分等によりタッチパネルが劣化する可能性や、乾燥処理に要する時間が長くなり、製造効率が低下する恐れがあるからである。また、上述した数値範囲内のなかでも高い温度であることが好ましい。より短時間で乾燥処理を行うことができるからである。
本発明のタッチパネルの製造方法は、上述した各工程を有するものであれば特に限定されず、必要な工程を適宜選択して追加することができる。以下、本発明における任意の工程について説明する。
本発明の製造方法により製造されるタッチパネルは、図9に例示するように、透明基材1と第1透明電極21との間および透明基材1と第2透明電極22との間に、透明電極の屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折層5および透明電極の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層6が形成されていることが好ましい。透明電極と屈折率の異なる層を配置することにより、光の干渉効果を利用して、透明電極のパターンの有無による反射分光の差を低減させて、観察者から第1透明電極および第2透明電極が観察されること抑制できるからである。なお、図9は、本発明のタッチパネルの製造方法により製造されるタッチパネルの他の例を示す概略断面図であり、説明していない符号については図4と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、上記低屈折率層の材料としては、透明導電膜の材料よりも低い屈折率を有する材料であれば特に限定されず、例えば酸化珪素を挙げることができる。
また、本工程において透明基材に加えられる張力、および透明基材の温度については上述した透明導電膜形成工程における上記張力および透明基材の温度と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明の製造方法により製造されるタッチパネルは、図4に例示するように、透明基材1の第1透明電極21側の表面上に、第1透明電極21と接続された第1透明電極用配線41が形成され、透明基材1の第2透明電極22側の表面上に第2透明電極22と接続された第2透明電極等配線42が形成される。以下の説明において、記第1透明電極用配線および第2透明電極用配線に共通する事項等について説明する場合は、透明電極用配線と称して説明する場合がある。
一方、上記金属材料を用いる場合、金属材料膜を所望のパターン状にエッチングする方法であってもよく、金属ペーストを用いて所望のパターン状に印刷する方法であってもよいが、エッチングによる方法であることがより好ましい。透明電極用配線の幅を細く、厚みを薄く形成することができることから、加工性に優れたタッチパネルを得ることができる。なお、エッチングにより透明電極用配線を形成する場合は、少なくとも透明電極とは異なるエッチング液により処理することが可能な材料が用いられる。また、本発明における金属材料としては、透明導電膜と同じエッチング液でエッチング可能な材料を用いることもできる。この場合、透明導電膜および金属材料膜の積層体を透明電極および透明電極用配線のパターンを有するフォトレジスト層をマスクとしてエッチングする際に、1種類のエッチング液を用いて透明導電膜および金属材料膜をエッチングし、フォトレジスト層を剥離したのち、金属材料膜のみをエッチング可能なエッチング液を用いて透明電極上の金属材料膜を除去することができ、エッチングの回数を少なくすることができる。
次に、第1透明電極21上の第1金属材料膜141および第2透明電極22上の第2金属材料膜142をエッチングすることにより除去した後、第3フォトレジスト層および第4フォトレジスト層34を剥離する(以下、第2エッチング工程と称する場合がある。)ことにより、図10(f)に例示するタッチパネル10を製造することができる。
本発明においては、上述した高屈折率層および低屈折率層形成工程ならびに透明電極用配線形成工程以外にも、任意の工程を有することができる。このような工程としては、例えば、上述した透明導電膜形成工程、必要に応じて行われる高屈折率層および低屈折率層形成工程の前に、透明基材の表面上に透明樹脂から構成されるバッファー層を形成する工程や、長尺状の透明基材に形成された複数のタッチパネルを分ける断裁工程等を挙げることができる。本発明においては、上述した任意の工程における透明基材の温度および透明基材に加えられる張力については、上述した関係式1および関係式2を満たすように調整される。また、通常、上述した任意の工程のうち、透明導電膜形成工程前に行われる工程においては上記透明基材の温度および上記張力が関係式1および関係式2を満たすように調整され、透明導電膜形成工程後において上述した露光および現像処理工程ならびにエッチング工程と連続して行われる工程については、上記透明基材の温度および上記張力が関係式1から関係式3までのすべての関係式を満たすように調整される。
本発明のタッチパネルの製造方法は、上述したように、露光および現像処理工程ならびにエッチング工程における上記透明基材の温度および上記張力が関係式1から関係式3を満たすことにより、透明基材の表面上に第1透明電極および第2透明電極等を所望の位置に良好な精度でパターン状に形成することが可能となる。上記タッチパネルにおける第1透明電極および第2透明電極の位置精度(設計位置と実際に形成される位置とのずれ)としては、タッチパネルの種類、大きさ等により適宜選択されるものであり、特に限定されないが、タッチパネル全体の大きさ(ズレ方向と略平行方向の長さ)を100%とした場合に、0.5%以下となることが好ましい。
本発明の製造方法により製造されるタッチパネルは、透明基材と、透明基材の一方の表面上にパターン状に形成された第1透明電極と、透明基材の他方の表面上にパターン状に形成された第2透明電極とを有するものである(図4参照)。
また、上記タッチパネルは、投影型静電容量方式のタッチパネルであり、通常、表示装置の観察者側表面に配置されるものである。
なお、以下の各工程における未加熱時の雰囲気の温度は20℃〜40℃の範囲内とする。
また、以下の実施例および比較例においては、透明導電膜形成工程をR to Rプロセスにより行い、露光および現像処理工程ならびにエッチング工程を連続のR to Rプロセスで行った。
(透明導電膜形成工程)
以下の手順により、透明導電膜を含む積層体を透明基材上に形成した。本工程において透明基材に加わる張力は、1N/mm2とした。
透明基材として、COP系基材(日本ゼオン社製 ZF16)を用いた。100℃で3分間にわたって、透明基材に対する脱ガス処理を実施した。次に、透明基材の一方の表面上に、酸化ニオブからなる高屈折率膜(膜厚9nm)と、酸化珪素からなる低屈折率膜(膜厚48nm)と、ITOからなる透明導電膜(膜厚30nm)とをスパッタリングによって順に設けた。
上記各膜の形成時における透明基材の温度は100℃であった。
以下の手順により露光および現像処理工程を行った。本工程において透明基材に加えられる張力は、5N/mm2とした。
透明基材の両方のAPC表面上に、ポジ型感光樹脂を塗布してフォトレジスト膜を形成し、フォトリソグラフィー法によって両面同時露光した後、現像処理を行ってパターニングすることにより第1透明電極および第1透明電極用配線のパターンを有する第1フォトレジスト層および第2透明電極および第2透明電極用配線のパターンを有する第2フォトレジスト層を形成した。
また、本工程においては、フォトレジスト膜の形成時に乾燥処理を行った。その際の乾燥温度は、90℃とした。
以下の手順によりエッチング工程を行った。本工程において透明基材に加えられる張力については露光および現像処理工程と同様とした。
第1フォトレジスト層および第2フォトレジスト層をマスクとして、両面に形成された金属材料膜と第1透明導電膜および第2透明導電膜とを、塩化第二鉄および塩酸の水溶液(塩化第二鉄エッチング液)をエッチング液として同時にエッチングした。その後、第1フォトレジスト層および第2フォトレジスト層を水酸化カリウム水溶液で剥離し、再度ポジ型感光樹脂を塗布しフォトリソグラフィー法によってパターニングすることにより、第1透明電極用配線および第2透明電極用配線のパターンを有する第3フォトレジスト層および第4フォトレジスト層を形成した。その後、燐酸、硝酸、酢酸、水を5:1:5:5(容積比)の割合で配合してなる燐硝酢酸水溶液をエッチング液として使用し、第1透明電極および第2透明電極上の金属材料膜をパターニングした。次いで、第3フォトレジスト層および第4フォトレジスト層を水酸化カリウム水溶液で剥離した。
また、本工程においては、それぞれのエッチング後、およびフォトレジスト層の剥離後に、洗浄処理および乾燥処理を行った。その際の乾燥温度は、70℃とした。
より具体的には、第1透明電極および第2透明電極間の位置精度(設計の位置と実際に形成された位置とのずれ)を5μm以下とすることができた。
透明導電膜形成工程において張力を5N/mm2、成膜時における透明基材の温度を100℃にしたこと以外は、実施例1と同様にタッチパネルを作製したところ、透明基材にしわが発生し、それを起点にクラックとなった。
アニール処理において温度を140℃としたこと以外は実施例1と同様にタッチパネルを作製したところ、透明基材にしわが発生し、それを起点にクラックとなった。
露光および現像処理工程における張力を7N/mm2、乾燥温度を90℃としたこと以外は、実施例1と同様にタッチパネルを作製したところ、透明基材にしわが発生し、それを起点にクラックとなった。
エッチング工程における張力を7N/mm2、乾燥温度を90℃と設定したこと以外は、実施例1と同様にタッチパネルを作製したところ、透明基材にしわが発生し、それを起点にクラックとなった。
3 … フォトレジスト膜
10 … タッチパネル
21 … 第1透明電極
22 … 第2透明電極
31 … 第1フォトレジスト層
32 … 第2フォトレジスト層
121 … 第1透明導電膜
122 … 第2透明導電膜
Claims (1)
- 屈曲性を有する透明基材を用いたロール・ツー・ロール(Roll to Roll)プロセスにより、投影型静電容量方式のタッチパネルを製造するタッチパネルの製造方法であって、
前記透明基材がシクロオレフィン系ポリマーから構成される基材であり、
前記透明基材の一方の表面上に第1透明導電膜を形成し、前記透明基材の他方の表面上に第2透明導電膜を形成する透明導電膜形成工程と、
前記第1透明導電膜上および前記第2透明導電膜上にフォトレジスト膜を形成し、露光および現像処理を施すことにより、前記第1透明導電膜上に第1透明電極のパターンを有する第1フォトレジスト層を形成し、前記第2透明導電膜上に第2透明電極のパターンを有する第2フォトレジスト層を形成する露光および現像処理工程と、
前記第1透明導電膜および前記第2透明導電膜をパターン状にエッチングすることにより、前記第1透明電極および前記第2透明電極を形成するエッチング工程とを有し、
前記タッチパネルの製造方法の全工程における前記透明基材の温度および前記透明基材に加えられる張力が下記の関係式1および関係式2を満たし、かつ、
前記露光および現像処理工程ならびに前記エッチング工程における前記透明基材の温度および前記張力が下記の関係式1から関係式3までのすべての関係式を満たし、
前記透明導電膜形成工程における前記透明基材の温度および前記張力が下記の関係式1、関係式2および関係式4のすべての関係式を満たすことを特徴とするタッチパネルの製造方法。
N≦−0.2t+24(関係式1)
N≦6.0(N/mm2)(関係式2)
N≧5.0(N/mm2)(関係式3)
N≦4.0(N/mm 2 )(関係式4)
(式中、tは前記透明基材の温度、Nは前記張力である。)
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