以下、図面を参照して、本発明の実施の形態の一例について説明する。
図1は、本発明の画像形成システムのシステム構成の一例を示す図である。図1に示すように、本発明の画像形成システムは、複数台の画像形成装置101、複数台のクライアントPC102及び、それらを相互に通信可能に接続するLAN103等のネットワークを備えて構成されている。
画像形成装置101は、クライアントPC102から送信された印刷データを後述するHDD304等の記憶装置に保存し、保存されている印刷データに対する印刷指示を受け付けた後に、当該印刷データに基づく印刷処理を実行する。例えば複合機やレーザビームプリンタ等で構成される。画像形成装置101では、当該画像形成装置101の記憶装置に保存されている印刷データだけでなく、他の画像形成装置の記憶装置に保存されている印刷を行うことも可能に構成されている。
クライアントPC102は、ユーザが使用する情報処理装置である。このクライアントPC102には、様々なアプリケーションプログラムやプリンタドライバがインストールされており、アプリケーションプログラムで作成された文書データを、画像形成装置101から印刷するための印刷データをプリンタドライバを用いて作成し、画像形成装置101に送信する。
以上が、本発明の画像形成システムのシステム構成の一例を示す図である。
次に、図2を参照して、図1のクライアントPC102に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成の一例について説明する。
図2において、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM203あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、クライアント装置や各サーバ装置が実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
202はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM203あるいは外部メモリ211からRAM202にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
また、205は入力コントローラで、キーボードやポインティングデバイス等の入力装置209からの入力を制御する。206はビデオコントローラで、ディスプレイ装置210等の表示器への表示を制御する。これらは必要に応じて操作者が使用するものである。
207はメモリコントローラで、ブートプログラム,各種のアプリケーション,フォントデータ,ユーザファイル,編集ファイル,各種データ等を記憶するハードディスク(HD)や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
208は通信I/F(インタフェース)コントローラで、ネットワーク(例えば、図1に示したLAN103)を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
なお、CPU201は、例えばRAM202内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ装置210上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ装置210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
本発明を実現するための後述するフローチャートに示す各ステップの処理は、コンピュータで読み取り実行可能なプログラムにより実行され、そのプログラムは外部メモリ211に記録されている。そして、必要に応じてRAM202にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等も、外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。また、各種のアプリケーションプログラムや、プリンタドライバ等もこの外部メモリに記録されており、必要に応じてRAM202にロードされることによりCPU201によって実行される。
以上が、図1のクライアントPC102に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成の一例の説明である。
次に、図3を参照して、図1の画像形成装置101として適用可能な複合機のハードウェア構成について説明する。図3は、図1の画像形成装置101として適用可能な複合機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3において、316はコントローラユニットで、画像入力デバイスとして機能するスキャナ314や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ312と接続する一方、LAN(例えば、図1に示したLAN103)や公衆回線(WAN)(例えば、PSTNまたはISDN等)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行う。
コントローラユニット316において、301はCPUで、システム全体を制御するプロセッサである。302はRAMで、CPU301が動作するためのシステムワークメモリであり、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記録するための画像メモリでもある。
303はROMで、システムのブートプログラムや各種制御プログラムが格納されている。304はハードディスクドライブ(HDD)で、システムを制御するための各種プログラム,画像データ等を格納する。クライアント装置102から受信した印刷データもこのHDD304に記憶されることになる。
307は操作部インタフェース(操作部I/F)で、操作部308とのインタフェース部である。また、操作部I/F307は、操作部308から入力したキー情報(例えば、スタートボタンの押下)をCPU301に伝える役割をする。
305はネットワークインタフェース(ネットワークI/F)で、LAN103等のネットワークに接続し、データの入出力を行う。306はモデムで、公衆回線に接続し、FAXの送受信等のデータの入出力を行う。
318は外部インタフェース(外部I/F)で、USB、IEEE1394,プリンタポート,RS−232C等の外部入力を受け付けるI/F部であり、本実施形態においてはユーザの認証を行う際に必要となる非接触ICカード(記憶媒体)の読み取り用のカードリーダ319が外部I/F318に接続されている。そして、CPU301は、この外部I/F318を介してカードリーダ319によるICカードからの情報読み取りを制御し、該ICカードから読み取られた情報を取得可能である。以上のデバイスがシステムバス309上に配置される。
320はイメージバスインタフェース(イメージバスI/F)であり、システムバス309と画像データを高速で転送する画像バス315とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス315は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス315上には以下のデバイスが配置される。
310はラスタイメージプロセッサ(RIP)で、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。311はプリンタインタフェース(プリンタI/F)で、プリンタ312とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。また、313はスキャナインタフェース(スキャナI/F)で、スキャナ314とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
317は画像処理部で、入力画像データに対し補正、加工、編集を行ったり、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行ったりする。また、これに加えて、画像処理部317は、画像データの回転や、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。そして、この画像処理部317は、スキャナ314を駆動して画像読み取りされた画像データを画像処理して、ファイル出力可能な形式(例えば、PDF形式ファイル)に変換し、CPU301と連携して、ネットワークI/F305を介して、外部装置に画像データのファイルを送信することができる。
スキャナ314は、原稿となる紙上の画像を照明し、CCDラインセンサで走査することで、ラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿用紙は原稿フィーダのトレイにセットし、装置使用者が操作部308から読み取り起動指示することにより、CPU301がスキャナ314に指示を与え、フィーダは原稿用紙を1枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。
プリンタ312は、ラスタイメージデータを用紙上の画像に変換する部分であり、その方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。プリント動作の起動は、CPU301からの指示によって開始する。なお、プリンタ312には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットがある。
操作部308は、LCD表示部を有し、LCD上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報を操作部I/F307を介してCPU301に伝える。また、操作部308は、各種操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー等を備える。
ここで、操作部308のスタートキーは、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の2色LEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。また、操作部308のストップキーは、稼働中の動作を止める働きをする。また、操作部308のIDキーは、使用者のユーザIDを入力する時、また手動でユーザのログアウト処理を行う時に用いる。リセットキーは、操作部からの設定を初期化する時に用いる。
カードリーダ319は、CPU301からの制御により、非接触ICカードに記憶されている情報を読み取り、該読み取った情報を外部I/F318を介してCPU301へ通知する。
以上のような構成によって、画像形成装置101は、スキャナ314から読み込んだ画像データをLAN103上に送信したり、LAN103から受信した印刷データをプリンタ312により印刷出力したりすることができる。
また、スキャナ314から読み込んだ画像データをモデム306により、公衆回線上にFAX送信したり、公衆回線からFAX受信した画像データをプリンタ312により出力したりすることができる。
以上が、図1の画像形成装置101のハードウェア構成の一例の説明である。
次に、図4を参照して、画像形成装置101の機能構成の一例について説明する。図4に示すように、画像形成装置101は、記憶部401、印刷データ取得部402、機密文書判定部403、書誌情報生成部404、書誌情報要求部405、書誌情報送信部406、印刷データ一覧表示部407、印刷データ指定受付部408、印刷データ要求部409、印刷データ送信部410、印刷実行部411等を備えて構成されている。
記憶部401は、画像形成装置101が後述の処理で使用する各種のデータを記憶する。印刷データ記憶部401−1は、印刷データ取得部402がクライアントPC102から取得した印刷データを記憶する。書誌情報記憶部401−2は、書誌情報生成部404が作成した印刷データ記憶部401−1に記憶されている印刷データそれぞれの書誌情報を管理する書誌情報リスト401−21や、ログインユーザの印刷データの書誌情報を管理するログインユーザ用書誌情報リスト401−22を記憶する。
印刷データ取得部402は、クライアントPC102や他の画像形成装置101から送信された印刷データを取得する。尚、クライアントPC102から送信された印刷データは印刷データ記憶部401−1に記憶されることになる。
機密文書判定部403は、印刷データ取得部402が取得したクライアントPC102から送信された印刷データが機密情報を含む文書をもとにして作成されたものであるか(機密情報を含む印刷データであるか)否かを判定する。
書誌情報生成部404は、印刷データ取得部402がクライアントPC102から受信した印刷データをもとに、書誌情報を生成する。書誌情報のデータ構成については図18を参照して後述することにする。
書誌情報要求部405は、他の画像形成装置に対して、画像形成装置101にログインしているユーザの印刷データに対応する書誌情報を要求する。
書誌情報送信部406は、他の画像形成装置からの書誌情報の要求に応じて、要求を受け付けたユーザの印刷データに対応する書誌情報を、要求を行ってきた他の画像形成装置に対して送信する。
印刷データ一覧表示部407は、ログインユーザ用書誌情報リストに含まれる書誌情報にもとに、ログインユーザが印刷指示可能な印刷データの一覧を操作部308のLCD表示部に表示する。
印刷データ指定受付部408は、印刷実行部411による印刷処理を行う印刷データの指定を受け付ける。
印刷データ要求部409は、印刷データ指定受付部408で指定を受け付けた印刷データが他の画像形成装置の印刷データ記憶部401−1に記憶されているものである場合に、その印刷データを記憶している他の画像形成装置に対して、当該印刷データを要求する。
印刷データ送信部410は、他の画像形成装置の印刷データ要求部409により要求された印刷データを印刷データ記憶部401−1から取得し、要求を行ってきた他の画像形成装置に対して送信する。
印刷実行部411は、印刷データ指定受付部408で指定を受け付けた印刷データの印刷出力を行う。
以上が、画像形成装置101の機能構成の説明である。
次に、図5を参照して、画像形成装置101によって行われる処理の概要について説明する。この処理を画像形成装置101に実行させるためのプログラムはHDD304に保存されており、本処理実行に際し、CPU301は当該プログラムをRAM302にロードし、ロードしたプログラムによる制御に従って本処理を実行することになる。機密情報を含んだ印刷データは、当該印刷データが保存されている画像形成装置からのみ印刷可能にする例について説明する。
画像形成装置101のCPU301は、電源が入れられると起動処理を行う(ステップS501)。この処理の詳細については、図6を参照して説明することにする。
図6は、図5のステップS501の起動処理の詳細を示すフローチャートである。まず、CPU301は、画像形成装置101が有する各種の機能を実行するための各種のプログラムの起動や、各種の設定を行う(不図示のステップ)。この時、後述するフローチャートに示す処理をCPU301に実行させるためのプログラムも合わせて起動されることになる。その後、CPU301は、プログラムの制御に従って、RAM302に書誌情報を格納するために用いる書誌情報リスト(作成時は空)を作成する(ステップS601)。そしてその後、HDD304に保存されている印刷データを取得する(ステップS602)。
その後、すべての印刷データに対して、ステップS603、ステップS604の処理を行う。ステップS603では、印刷データから取得した情報を用いて、当該印刷データの書誌情報を作成する。そして、ステップS604では、ステップS601で作成しておいた書誌情報リストにステップS603で作成した書誌情報を追加する。
ここで、図18を参照して書誌情報のデータ構成の一例について説明する。図18に示すように、書誌情報は、ユーザ名1801、文書名1802、部数1803、ページ数1804、両面印刷/片面印刷1805、用紙サイズ1806、カラー設定1807、ページレイアウト1808、保存日時1809、データサイズ1810、IPアドレス1811、機密フラグ1812等のデータ項目を備えて構成されている。
ユーザ名1801は、当該書誌情報に対応する印刷データの印刷指示を行ったユーザ(当該印刷データのオーナー)の情報が登録されるデータ項目である。
文書名1802は、当該書誌情報に対応する印刷データの作成元となった文書データの名称が登録されるデータ項目である。この文書名1802に登録されている情報が後述する図16に示す印刷指示画面1600の印刷データリスト表示部1602の文書名表示欄1602−1に表示されることになる。
部数1803は、当該書誌情報に対応する印刷データを印刷する部数が登録されるデータ項目である。この部数1803に登録されている情報が、印刷データリスト表示部1602のページ数/部数表示欄1602−3に表示されることになる。
ページ数1804は、当該書誌情報に対応する印刷データのページ数が登録されるデータ項目である。このページ数に登録されている情報が印刷指示画面1600の印刷データリスト表示部1602のページ数/部数表示欄1602−3に表示されることになる。
両面印刷/片面印刷1805は、当該書誌情報に対応する印刷データを両面印刷で印刷するか、それとも片面印刷で印刷するかの情報が登録されるデータ項目である。この両面印刷/片面印刷1805に登録されている情報が、印刷指示画面1600の印刷データリスト表示部1602の印刷設定表示欄1602−2に表示されることになる。
用紙サイズ1806は、当該書誌情報に対応する印刷データを印刷する用紙のサイズ情報が登録されるデータ項目である。この用紙サイズ1806に登録されている情報が、印刷指示画面1600の印刷データリスト表示部1602の印刷設定表示欄1602−2に表示されることになる。
カラー1807は、当該書誌情報に対応する印刷データの印刷をカラー印刷で行うか、モノクロ印刷で行うか、それとも2色印刷で行うかの情報が登録されるデータ項目である。このカラー1807に表示されている情報が、印刷指示画面1600の印刷データリスト表示部1602の印刷設定表示欄1602−2に表示されることになる。
ページレイアウト1808は、当該書誌情報に対応する印刷データの印刷レイアウト(2in1、4in1等)の情報が登録されるデータ項目である。このページレイアウト1808に登録されている情報が、印刷指示画面1600の印刷データリスト表示部1602の印刷設定表示欄1602−2に表示されることになる。尚、上記したデータ項目に登録される情報は、画像形成装置101のCPU301により印刷データから取得され、上記の各データ項目に登録されることになる。
保存日時1809は、当該書誌情報に対応する印刷データに関する日時情報を登録するデータ項目である。尚、この保存日時1809に登録する日時情報であるが、クライアントPC102で印刷データが作成された作成日時情報を登録しても、画像形成装置101が印刷データを受信した受信日時を登録しても構わない。この保存日時1809に登録されている日時情報が、印刷指示画面1600の印刷データリスト表示部1602の時刻/サイズ表示欄1602−4に表示されることになる。
データサイズ1810は、当該書誌情報に対応する印刷データのデータサイズが登録されるデータ項目である。このデータサイズ1810に登録されている情報が、印刷指示画面1600の印刷データリスト表示部1602の時刻/サイズ表示欄1602−4に表示されることになる。
IPアドレス1811は、当該書誌情報に対応する印刷データが保存されているプリンタのIPアドレスが登録されるデータ項目である。画像形成装置101は、印刷データに対応する書誌情報を作成する場合には、自機に設定されているIPアドレスをこのIPアドレス1811に登録することになる。
機密フラグ1812は、当該書誌情報に対応する印刷データが、機密情報を含むか否かを示す情報が登録されるデータ項目である。例えば、機密情報を含む場合にはTRUEが、含まない場合にはFALSEが登録されることになる。尚、本フラグにTRUEが設定されている場合には、例えば、印刷データが記憶されている画像形成装置101からのみ印刷出力を行うことが可能にする等、当該印刷データの印刷を実行できる画像形成装置が制限される。
以上が、書誌情報のデータ構成の説明である。
図6の説明に戻る。ステップS602で取得したすべての印刷データに対してステップS603、ステップS604の処理が終了すると、画像形成装置101のCPU301は、処理をステップS605に進め、RAWポート(ポート番号:9100)の監視を開始する。その後、他の画像形成装置101と通信を行うための通信ポートを開く(ステップS606)。以上が、図5のステップS501の初期化処理の詳細な説明である。
図5の説明に戻る。ステップS501の初期化処理終了後、画像形成装置101のCPU301は、RAWポートで印刷データを受信したか(ステップS502)、ユーザからマイプリンタ(マイプリンタについては後ほど説明する)の設定変更要求を受け付けたか(ステップS504)、カードリーダ319にICカードが翳されたか(ICカードを検知したか:ステップS506)を監視している。
そして、クライアントPC102からの印刷データを受信したと判定した場合には(ステップS502でYES)、ステップS503の印刷データ保存処理を行う。この印刷データ保存処理の詳細については、図7を参照して後述することにする。尚、RAWポートで印刷データを受信した場合に、画像形成装置101のCPU301はクライアントPC102から印刷データを受信したものとして、ステップS503の処理を行うことになる。その他のポート(例えば、LPRポート:ポート番号515など)で印刷データを受信した場合には、受信した印刷データの印刷処理を行うことになる。
また、マイプリンタの設定変更要求を受け付けたと判定した場合には(ステップS504でYES)、ステップS505の設定変更処理を行う。この設定変更処理の詳細については、図8を参照して後述することにする。
また、カードリーダ319にICカードが翳されたことを検知した場合には(ステップS506でYES)、ステップS507の印刷指示受付処理を行う。この印刷指示受付処理の詳細については、図9を参照して後述することにする。
以上の処理を、本処理を終了する(ステップS508でYES)と判定するまで繰り返し行うことになる。以上が、画像形成装置101のCPU301によって行われる処理の概要である。
次に、図7を参照して、図5のステップS503の印刷データ保存処理の詳細について説明する。ここでは、クライアントPC102のCPU201が印刷データの作成指示を受け付ける時点から画像形成装置101のCPU301による印刷データ保存処理が終了するまでの一連の処理の流れを説明することにする。
クライアントPC102のCPU201は、当該クライアントPCにインストールされているアプリケーションプログラムにより編集された文書データに対する印刷指示を受け付けると、クライアントPC102のCPU201は、プリンタドライバのUIをディスプレイ装置210上に表示し、当該文書データの印刷を行う画像形成装置101の指定を受け付ける(ステップS701)。
そしてその後、ステップS701で指定を受け付けた画像形成装置101に対応するプリンタドライバを用いて当該文書データの印刷出力を行うための印刷データを生成し(ステップS702)、生成した印刷データをステップS701で指定された画像形成装置101のRAWポートに対して送信する(ステップS703)。
画像形成装置101は、RAWポートでクライアントPC102からの印刷データを受信すると(ステップS721:受信を開始することで、図5のステップS502でYESと判定することになる)、受信した印刷データに基づく印刷処理を直ちに実行せず、受信した印刷データをHDD304に保存する(ステップS702)。その後、印刷データから書誌情報の生成に必要となる各種の情報を取得し(ステップS723)、取得した各種の情報を用いて、受信した印刷データの書誌情報を作成する(ステップS724)。そして作成した書誌情報をRAM302上の書誌情報リストに追加登録する(ステップS725)。尚、書誌情報のIPアドレス1811には、自機のIPアドレスを登録する。
その後、受信した印刷データが機密文書(機密情報が含まれている文書)であるかを判定する(ステップS726)。この機密文書の判定であるが、例えば、クライアントPC102で生成される印刷データに機密文書であるか否かの情報を含ませておき、その情報をもとに判定する方法をとっても、また、特定のキーワードが印刷データに含まれるかにより、そのデータが機密文書であるか否かを判定する方法をとっても構わない。また、他の方法を採用することももちろん可能である。
ステップS726の判定処理で機密文書である(YES)と判定した場合には、処理をステップS727に進め、書誌情報の機密フラグ1812をTRUEに設定する。一方、ステップS726の判定処理で機密文書ではない(NO)と判定した場合には、処理をステップS728に進め、書誌情報の機密フラグ1812をFALSEに設定する。
以上が、図5のステップS503の印刷データ保存処理の詳細な説明である。
次に、図8を参照して、図5のステップS505のマイプリンタの設定変更処理の詳細について説明する。この処理は図13に示す初期画面1300のユーザ設定ボタン1301に対しての押下指示を受け付けた(図5のステップS504でYES)と判定した場合に行われる処理である。本発明では、それぞれのユーザが、使用頻度の高い任意の画像形成装置101をマイプリンタとして設定することが可能である。
マイプリンタは、ユーザが通常使用する画像形成装置として設定した画像形成装置である。そのため、他の画像形成装置と比較して当該ユーザの印刷データが数多く記憶されることになる。そこで、マイプリンタ以外の画像形成装置で印刷出力をする印刷データの指定をユーザに行わせるときに、そのマイプリンタ以外の画像形成装置に記憶されている印刷データだけではなく、マイプリンタに記憶されている印刷データも印刷出力をする印刷データとして指定できるようにしている。
まず、CPU301は、操作部308のLCD表示部に、図14に示す認証要求画面を表示する(ステップS801)。そして、カードリーダ319でICカードを検出したかを判定する。
ここで、図14を参照して、認証要求画面1400の詳細について説明する。図14に示す通り、認証要求画面1400は、メッセージ表示部1401、キャンセルボタン1402を備えて構成されている。
メッセージ表示部1401は、ユーザに対してカードリーダ319にICカードを翳す旨のメッセージを表示する表示部である。キャンセルボタン1402は、CPU301に対して、マイプリンタ設定変更処理の終了指示を入力するために用いられるボタンである。
この認証要求画面1400が操作部308のLCD表示部に表示されているときにカードリーダ319にICカードが翳されると、図15に示すマイプリンタ設定画面1500がLCD表示部に表示されることになる。
以上が、図14の認証要求画面の構成の説明である。
図8の説明に戻る。CPU301は、ステップS801で認証要求画面1400を表示後、カードリーダ319に翳されたICカードを検出したか(ステップS802)、キャンセルボタン1402の押下を受け付けることで入力されるキャンセル指示を受け付けたか(ステップS803)を判定することになる。キャンセル指示を受け付けた(ステップS803でYES)と判定した場合には、本処理を終了する。
ICカードを検知した(ステップS802でYES)と判定した場合には、翳されたICカードに登録されているユーザ名とマイプリンタ情報を取得する(ステップS804、ステップS805)。尚、ユーザがまだマイプリンタを設定していない場合には、ステップS805ではマイプリンタ情報は取得されない。
ここで、図17を参照して、ICカードに登録されているデータについて説明する。図17に示すように、本発明で用いられるICカードには、カードID1701、ユーザ名1702、マイプリンタ情報1703が登録されている。
カードID1701は、ICカードを一意に識別するための識別情報(ID)が登録されるデータ項目である。
ユーザ名1702は、当該ICカードを所有するユーザのユーザ名が登録されるデータ項目である。尚、画像形成装置101のCPU301は、後述の処理で、このユーザ名1702に登録されているユーザ名と、書誌情報のユーザ名1801とにより、ログインユーザに対応する印刷データを特定することになる。
マイプリンタ情報1703は、ICカードを所有するユーザのマイプリンタ情報を登録するためのデータ項目である。プリンタを特定できる情報であれば、どのような情報を登録するようにしても構わない。尚、本実施例ではマイプリンタ情報1703にマイプリンタと設定した画像形成装置のIPアドレスが登録されるものとして説明する。尚、ユーザがマイプリンタの設定を行っていない場合には、ユーザが保有するICカードのマイプリンタ情報1703にはデータが登録されていない。
尚、上記以外の情報がICカードに登録されていてももちろん構わない。以上が、ICカードに登録されているデータの説明である。
図8のステップS805の処理終了後、画像形成装置101のCPU301は、図15に示すマイプリンタ設定画面を操作部308のLCD表示部に表示することになる。ここで、図15を参照してマイプリンタ設定画面の構成の一例について説明する。
図15に示すように、マイプリンタ設定画面1500には、ユーザ名表示部1501、マイプリンタIPアドレス入力部1502、登録ボタン1503、キャンセルボタン1504が設定されている。
ユーザ名表示部1501は、マイプリンタ設定を変更するユーザのユーザ名を表示する表示部であり、図8のステップS804でICカードより取得した、ICカードのユーザ名1702に登録されている情報が表示される。
マイプリンタIPアドレス入力部1502は、当該ユーザのマイプリンタとして設定する画像形成装置101のIPアドレスを入力する入力欄である。尚、マイプリンタの設定変更を行う際に、既にいずれかの画像形成装置101をマイプリンタとして設定している場合には、図8のステップS805で取得したIPアドレスが既にマイプリンタIPアドレス入力部1502に入力された形でマイプリンタ設定画面1500が表示されることになる。
登録ボタン1503は、マイプリンタIPアドレス入力部1502に入力されたIPアドレスの画像形成装置101をそのユーザのマイプリンタとして設定する指示を、ユーザが操作中の画像形成装置101のCPU301に入力するために用いられるボタンである。
キャンセルボタン1504は、マイプリンタの設定変更処理のキャンセルを画像形成装置101のCPU301に入力するために用いられるボタンである。
以上が、図15のマイプリンタ設定画面1500の構成の説明である。
図8の説明に戻る。ステップ805の処理終了後、ICカードからマイプリンタ情報(マイプリンタのIPアドレス)を取得したかを判定する(ステップS806)。ステップS806でYESと判定した場合には、処理をステップS807に進め、取得したマイプリンタ情報をマイプリンタ設定画面のマイプリンタIPアドレス入力部1502に設定する。
その後、操作部308のLCD表示部にマイプリンタ設定画面1500を表示する(ステップS808)。そして、ユーザが自身のマイプリンタとして設定する画像形成装置101のIPアドレスの入力を受け付ける(ステップS809)。
尚、画像形成装置101のCPU301は、マイプリンタ設定画面1500のキャンセルボタン1504の押下指示を受け付けた場合には(ステップS810でYES)、マイプリンタの設定変更を行うことなく本処理を終了する。
一方、マイプリンタ設定画面1500の登録ボタン1503の押下指示を受け付けた場合には(ステップS811でYES)、処理をステップS812に進め、カードリーダ319に載置されているICカードのマイプリンタ情報1703に、マイプリンタIPアドレス入力部1502に入力されたIPアドレスを登録する。尚、マイプリンタIPアドレス入力部1502に何も入力されていない状態で登録ボタンの押下指示を受け付けた場合には、ICカードのマイプリンタ情報1703に登録されている情報を削除してもよいし、登録されているマイプリンタ情報をそのままの状態にしておいても良い。
以上が、図5のステップS505のマイプリンタ情報の設定変更処理の詳細な説明である。
尚、上記の説明では、マイプリンタのIPアドレスを入力することで、マイプリンタの設定を行う例について説明したが、図14の認証要求画面1400が表示されている際にカードリーダ319にICカードが翳された場合に、当該画像形成装置のIPアドレスをICカード中のマイプリンタ情報1703に登録することで、マイプリンタの設定を行わせるようにしても勿論良い。
次に、図9を参照して、図5のステップS507の印刷指示受付処理の詳細について説明する。
まず、画像形成装置101のCPU301は、カードリーダ319に翳されたICカードからユーザ名情報と、マイプリンタ情報を取得する(ステップS901、ステップS902)。その後、書誌情報リスト作成・印刷データリスト表示処理を行う(ステップS903)。この処理の詳細については図10を参照して説明することにする。
図10は、図9のステップS903の書誌情報リスト作成・印刷データリスト表示処理の詳細を示すフローチャートである。この書誌情報リスト作成・印刷データリスト表示処理では、ログインユーザに対応する印刷データの書誌情報リストを作成し、その書誌情報リストに基づき、当該ログインユーザに対応する印刷データのリストを表示する処理を行う。
まず、画像形成装置101のCPU301は、ログインユーザに対応する書誌情報を格納するための空のリスト情報をRAM302上に作成する(ステップS1001)。その後、図9のステップS902でマイプリンタ情報を取得できた/できなかったにより、当該ユーザがマイプリンタの設定を行っているかを判定する(ステップS1002)。
ステップS1002の判定処理でマイプリンタが設定されていない(NO)と判定した場合には、処理をステップS1007に進める。一方、マイプリンタが設定されている(YES)と判定した場合には、処理をステップS1003に進め、マイプリンタとして設定されている画像形成装置が、自機(ユーザがログインした画像形成装置)であるかを判定する。
ステップS1003の判定処理で、マイプリンタとして設定されている画像形成装置は自機である(YES)と判定した場合には、処理をステップS1007に進める。一方、マイプリンタとして設定されているのは自機ではない(NO:他の画像形成装置である)と判定した場合には、処理をステップS1004に進め、マイプリンタとして設定されている他の画像形成装置(以後、単にマイプリンタとする)に対して、ログインユーザに対応する印刷データの書誌情報の取得要求を送信する。
マイプリンタのCPU301は、画像形成装置101からの書誌情報の取得要求を受信すると(ステップS1021)、応答対象の書誌情報を格納するための書誌情報リスト(応答対象書誌情報リスト:作成当初は空の状態)をRAM302上に作成する(ステップS1022)。そして、RAM302上の書誌情報リスト(HDD304に保存されているすべてのユーザの印刷データの書誌情報が記憶されている書誌情報リスト)から、対象ユーザ(画像形成装置101のログインユーザ)の印刷データの書誌情報を取得する(ステップS1023)。
その後、ステップS1023で取得したすべての書誌情報について、ステップS1024、ステップS1025の処理を行う。
ステップS1024では、書誌情報の機密フラグ1812に登録されている情報をもとに、当該書誌情報が機密文書の書誌であるかを判定する。そして、ステップS1024で機密文書の書誌情報ではない(NO)と判定した場合には、ステップS1025に処理を進め、当該書誌情報をステップS1022で作成した書誌情報リストに追加する。尚、ステップS1024でマイプリンタのCPU301が機密文書の書誌情報である(YES)と判定した場合には、その書誌情報についてはステップS1025の処理は行わない。機密文書を含む印刷データを、当該印刷データを保存している画像形成装置以外からの印刷出力を行わせないようにするために、本発明ではこのような処理を行っている。このようにすることで、機密情報を含む印刷データの印刷出力が可能な画像形成装置を制限することが可能となる。
そして、ステップS1023で取得したすべての書誌情報に対して、ステップS1024、ステップS1025の処理実行後、処理をステップS1026に進め、画像形成装置101のログインユーザに対応する印刷データの書誌情報が追加登録された応答対象書誌情報リストを、要求を行ってきた画像形成装置101に対して送信する。
画像形成装置101のCPU301は、マイプリンタから応答対象書誌情報リストを受信すると(ステップS1005)、ステップS1006に処理を進め、ステップS1001で作成したログインユーザ用の書誌情報リストにステップS1005で受信した応答対象書誌情報リストに含まれる書誌情報を追加する。
ステップS1007では、画像形成装置101のCPU301は、RAM302の書誌情報リスト(HDD304に保存されているすべてのユーザの印刷データの書誌情報が記憶されている書誌情報リスト)からログインユーザに対応する印刷データの書誌情報を取得する。そして、ステップS1007で取得した書誌情報を、ステップS1001で作成したログインユーザ用の書誌情報リストに追加する(ステップS1008)。
そして、その後、ログインユーザ用書誌情報リストに含まれる書誌情報を例えば保存日時1809に登録されている日時順でソートする(ステップS1009)。その後、ログインユーザ用書誌情報リストに追加された書誌情報に対応する印刷データのリストを図16の印刷指示画面1600の印刷データリスト表示部1602に設定し(ステップS1010、操作部308のLCD表示部に印刷指示画面1600を表示する(ステップS1011)。
以上が、図9のステップS903の書誌情報リスト作成・印刷データリスト表示処理の詳細である。
ここで、図16を参照して、印刷指示画面1600の構成の一例について説明する。図16に示すように、印刷指示画面1600には、ログインユーザ名表示部1601、印刷データリスト表示部1602、プリント開始ボタン1603が設定されている。
ログインユーザ名表示部1601は、画像形成装置101にログインしているユーザのユーザ名を表示する表示部である。ここにはICカードのユーザ名1702に記憶されている情報を取得し表示することになる。
印刷データリスト表示部1602は、ログインユーザに対応する印刷データのリストが表示される。ここには、自機のRAM302に記憶されているログインユーザに対応する印刷データの書誌情報と、当該ログインユーザのマイプリンタのRAM302に記憶されている当該ユーザに対応する印刷データの書誌情報から取得される情報が表示されることになる。
印刷データリスト表示部1602には、印刷データに関する情報を表示するために、文書名表示欄1602−1、印刷設定表示欄1602−2、ページ数/部数表示欄1602−3、時刻/サイズ表示欄1602−4が設定されている。
文書名表示欄1602−1は、印刷データの作成元となった文書データの名称(文書名)を表示する表示欄であって、この文書名表示欄1602−1には、書誌情報の文書名1802に登録された情報が表示される表示欄である。
印刷設定表示欄1602−2は、印刷データを印刷する際の印刷設定(カラー設定、用紙サイズ設定、片面/両面設定、ページレイアウト設定)を表示する表示欄であって、この印刷設定表示欄1602−2には、書誌情報の両面印刷/片面印刷1805、用紙サイズ1806、カラー1807、ページレイアウト1808に登録された情報が表示されることになる。
ページ数/部数表示欄1602−3は、印刷データのページ数及び印刷部数を表示する表示欄であって、このページ数/部数表示欄1602−3には、書誌情報のページ数1804、部数1803に登録された情報が表示されることになる。
時刻/サイズ表示欄1602−4は、印刷データの保存時刻やサイズを表示する表示欄であって、この時刻/サイズ表示欄1602−4には、書誌情報の保存日時1809、データサイズ1810に登録された情報が表示される。
また、画像形成装置101のCPU301は、印刷データリスト表示部1602に対する操作指示により、印刷出力を行う対象とする印刷データの指定を受け付けることになる。印刷出力を行う対象とする印刷データとして指定を受け付けた印刷データについては、選択/非選択チェックボックス1602−5がチェック状態になる。
プリント開始ボタン1603は、印刷対象として指定を受け付けた印刷データの印刷開始指示をCPU301に対して行うために用いられるボタンである。このボタンに対する押下指示を受け付けると、画像形成装置101のCPU301は、指定を受け付けた印刷データの印刷処理を開始することになる。
以上が、図16の印刷指示画面1600の構成の説明である。
図9の説明に戻る。ステップS903の書誌情報リスト作成表示処理が終了し、操作部308のLCD表示部に図16に示す印刷指示画面1600を表示した後に、CPU301は印刷指示画面1600を介して印刷データの選択/選択解除指示の入力を受け付ける(ステップS904)。
その後CPU301は、印刷指示画面1600に設定されているプリント開始ボタン1603に対する押下指示を受け付けることで入力される印刷開始指示を受け付けたと判定すると(ステップS905でYES)、処理をステップS906に進め、選択を受け付けた印刷データの印刷処理を開始する。この処理の詳細については、図11を参照して説明することにする。
以上が、図5のステップS507の印刷指示受付処理の詳細な説明である。
次に、図11を参照して、図9のステップS906の印刷処理の詳細について説明する。この処理は、画像形成装置101とマイプリンタによって行われる処理である。
まず、画像形成装置101のCPU301は、RAM302に記憶されているログインユーザ用書誌情報リストから、図9のステップS904で選択を受け付けた印刷データに対応する書誌情報を取得する(ステップS1101)。その後、ステップS1101で取得した書誌情報について以下の処理を繰り返し実行する。
ステップS1102において、まずログインユーザのマイプリンタとして設定されているプリンタが当該プリンタ(自機)であるかを判定する。そして、マイプリンタは当該プリンタである(YES)と判定した場合には、処理をステップS1104に移行させる。
一方、ステップS1102の判定処理でNOと判定した場合には、書誌情報のIPアドレス1811に基づいて、書誌情報に対応する印刷データの保存場所が当該画像形成装置101のHDD304(ローカル)であるか、それともマイプリンタのHDD304であるかを判定する(ステップS1103)。ここで、書誌情報のIPアドレス1811に登録されているIPアドレスと当該画像形成装置101に設定されているIPアドレスとが一致する場合、画像形成装置101のCPU301は、この判定処理でローカルと、一致しない場合、マイプリンタと判定する。
ステップS1103の判定処理でローカルと判定した場合には、処理をステップS1104に進める。
ステップS1104では、CPU301は、HDD304に記憶されている、書誌情報に対応する印刷データを取得する。
一方、ステップS1103判定処理でマイプリンタと判定した場合には、処理をステップS1105に進め、ログインユーザのマイプリンタに対して、書誌情報に対応する印刷データ要求を送信する。
マイプリンタのCPU301は、他の画像形成装置101から印刷データ要求を受信すると(ステップS1121)、要求を受け付けた印刷データをHDD304から取得し(ステップS1122)、取得した印刷データを、要求を行ってきた他の画像形成装置101に対して送信する(ステップS1123)。その際に、マイプリンタのCPU301はRAWポート以外のポートに対して、印刷データを送信することになる。画像形成装置101のCPU301は、その印刷データを受信する(ステップS1106)。
画像形成装置101は、ステップ1104でHDD304に記憶されている印刷データの取得した後、または、ステップS1106でログインユーザのマイプリンタから送信された印刷データを受信した後に、それら印刷データの印刷処理を行うための印刷プロセスを開始する(ステップS1107)。この印刷プロセスにおいて行われる処理については、図12を参照して説明することにする。
以上が、図9のステップS907の印刷処理の詳細な説明である。
次に、図11のステップS1107で開始される印刷プロセスにおいて行われる処理の概要について、図12を参照して説明する。
まず、画像形成装置101のCPU301は、ステップS1104でHDD304から取得した印刷データ若しくはマイプリンタから受信した印刷データの印刷を実行する(ステップS1201)。
そして、ステップS1201での印刷処理に何らかの現認で失敗したと判定した場合には(ステップS1202でYES)、処理をステップS1203に進め、操作部308のLCD表示部にエラー通知画面を表示する。
一方、ステップS1202で、印刷データの印刷処理が正常終了した(YES)と判定した場合には、処理をステップS1204に進め、ログインユーザのマイプリンタとして設定されているプリンタが自機であるかを判定する(マイプリンタは当該プリンタ?:ステップS1204)。この判定処理でYESと判定した場合には処理をステップS1206に、NOと判定した場合には、処理をステップS1205に進める。
ステップS1205では、印刷が終了した印刷データの保存場所が自機(ローカル)のHDD304であるか、それともマイプリンタのHDD304であるかを判定する。この判定処理で、ローカルと判定した場合には処理をステップS1206に進める。一方、マイプリンタと判定した場合には、処理をステップS1208に進める。
ステップS1204でYESと判定した場合、またはステップS1205でローカルと判断した場合には、CPU301は、印刷データに対応する書誌情報を、RAM302に記憶されている書誌情報リストから削除する(ステップS1206)。また、印刷処理が終了した印刷データをHDD304から削除する(ステップS1207)。
ステップS1205で印刷データの保存場所がマイプリンタのHDD304であると判定した場合には、処理をステップS1208に進め、マイプリンタに対して印刷データの削除要求を送信する。
マイプリンタのCPU301は、画像形成装置101から印刷データの削除要求を受信すると(ステップS1221)、マイプリンタのRAM302に記憶されている書誌情報に含まれる、削除要求を受け付けた印刷データに対応する書誌情報を削除する(ステップS1222)。また、画像形成装置101から削除要求を受け付けた印刷データをHDD304から削除する(ステップS1223)。
以上が、図11のステップS1107で開始される印刷プロセスで実行される処理の説明である。
以上の説明では、機密文書を当該機密文書が保存されている画像形成装置101からのみの印刷を許可しているが、マイプリンタからのみ印刷を可能にするようにしても良い。
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に直接、或いは遠隔から供給するものを含む。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合も本発明に含まれる。
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
なお、前述した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。