JP5886074B2 - 電解エッチング治具及び電解エッチング方法 - Google Patents

電解エッチング治具及び電解エッチング方法 Download PDF

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Description

本発明は、水中において使用される構造部材等(観察対象物)を電解エッチングするための電解エッチング治具及び電解エッチング方法に関するものである。
構造部材の金属組織の観察を行うためには、まず構造部材の観察対象箇所に研磨を行い、エッチング用の電解液(化学薬品)を用いて電解エッチングが行われる。そして、当該箇所に対してレプリカ採取やカメラ等を用いた直接観察によって、構造部材の割れや金属組織が把握されることになる。
水中での構造部材の電解エッチング方法として、例えば特許文献1では、構造部材の観察対象箇所の周囲をシーリングして封水した後に、観察対象箇所に対して電解液を放出し、電解エッチングを行い、そしてレプリカを採取することを提案している。
特許第3890239号公報
ところで、原子力プラントの原子炉容器の内部の水は、厳格に水質管理されており、エッチングに用いる電解液が漏洩することを、最小限にすることが求められる。PWRプラント(加圧水型原子炉)の原子炉容器では、原子炉容器の底部に、図5で示すように、炉内計装筒管台200と呼ばれる部位がある。この炉内計装筒管台200には、炉内計装筒210と原子炉容器220の内面とが溶接された溶接部230(一般的に、J溶接部と称される。)が設けられている。この溶接部230は、曲率の大きな三次元曲面を有しており、このような複雑な形状の箇所においても電解エッチングを施す必要がある。
しかしながら、特許文献1に記載の方法で電解エッチングを行った場合、構造部材の表面形状の曲率が大きな箇所においては、観察対象箇所の周囲を完全に封水することが難しく、多量の電解液が漏洩することとなり、問題が生じる。原子炉容器の内方に凸部となるような箇所においては、特に、封水することが困難である。
この発明は前述した事情に鑑みてなされたものであって、水中において使用され、複雑な表面形状を有する観察対象物に電解エッチングを行う際の電解液の漏洩が少ない電解エッチング治具及び電解エッチング方法を提供することを目的とする。
前述の課題を解決するために、本発明の電解エッチング治具は、電解液を吸収可能な吸水性ポリマーと、該吸水性ポリマーを覆い、前記電解液中のイオンが透過可能な膜部材と、前記吸水性ポリマーに電気的に接続される電極と、を備えることを特徴としている。
本発明の電解エッチング治具によれば、電解液を吸収可能な吸水性ポリマーを用いているので、水中に配置された場合に、電解液が水中に漏洩(拡散)することを抑制することができる。そして、この吸水性ポリマーは、膜部材に覆われる構成とされているので、吸水性ポリマーの形状を保持することができ、膜部材の外方に吸水性ポリマーが漏れることを抑制することが可能となる。さらに、吸水性ポリマーは外力によって吸収させた液体を漏洩させることがほとんどないという特徴を有しており、これにより周囲の水への電解液の漏出を最小限にとどめることが可能である。
また、電解液を吸収可能な吸水性ポリマーに、電極が電気的に接続されているので、膜部材と接触するように対極となる電極(観察対象物)を配置し、電圧を印加した場合に、電解エッチングを行うことが可能である。
また、膜部材及び吸水性ポリマーは柔軟であり、膜部材を観察対象物の観察対象箇所に押し付けることで、観察対象物の表面形状に対応して変形させることができる。そのため、複雑な表面形状の観察対象物に対しても膜部材を確実に接触させて、電解エッチングを行うことが可能である。
また、一方側に開口し、前記膜部材を覆うハウジングを備え、該ハウジングから前記膜部材が一方側に突出している構成とされても良い。
このような構成にすることによって、ハウジングを操作しながらエッチングの対象物に膜部材を押し付けることができるので、取扱い性が向上する。そして、このような構成の電解エッチング治具を用いて電解エッチングを行う場合には、観察対象物(エッチング対象物)の表面形状が複雑な場合でも、ハウジングを操作しながら、容易に電解エッチングを行うことができる。
また、前記ハウジングの他方側の底面に、前記電極が配置されても良い。
この場合には、電極がハウジングの底面に固定されているので、膜部材と電極との距離を一定に保つことができる。そのため、電解エッチングの際には、ハウジングに配置された電極と、膜部材と接触して配置され対極とされる観察対象物との間に生じる電流を安定させてエッチングを行うことができる。
また、本発明の電解エッチング方法は、上述のような電解エッチング治具を用いて、水中に配置された観察対象物を電解エッチングする方法であって、前記電極を陰極とし、前記観察対象物を陽極として、前記膜部材を前記観察対象物に接触させながら電解エッチングすることを特徴している。
本発明の電解エッチング方法によれば、電解液を吸収可能な吸水性ポリマーと、この吸水性ポリマーを覆う膜部材を備える電解エッチング治具を用いているので、水中において電解エッチングを行う場合に、電解液が水中へ漏洩することを抑制することができる。
また、電解エッチング治具が備える電極を陰極とし、観察対象物(エッチング対象物)を陽極として電解エッチングをする構成とされているので、確実に観察対象物をエッチングすることができる。そして、観察対象物のエッチング箇所(観察対象箇所)におけるレプリカを採取したり、エッチング箇所をカメラ等で直接観察したりすることによって、観察対象物の割れや金属組織を把握することができる。この割れや金属組織の解析結果に基づいて、観察対象物の劣化の度合い等を知ることができる。
本発明によれば、水中において使用され、複雑な表面形状を有する観察対象物に電解エッチングを行う際の電解液の漏洩が少ない電解エッチング治具及び電解エッチング方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る電解エッチング治具の説明図であり、(A)は電解エッチング治具の断面図、(B)は電解エッチング治具の斜視図である。 一実形態に係るキャップの概略説明図である。 一実施形態に係る電解エッチング治具の製造方法の概略説明図である。 一実施形態に係る電解エッチング装置を用いて構造部材を電解エッチングする様子を説明する図であり、(a)は斜視図、(b)はA−A矢視図である。 炉内計装筒管台を示す図である。
以下に、本発明の実施の形態について添付した図面を参照して説明する。
本実施形態は、水中において使用される観察対象物(構造部材等)を電解エッチングするための電解エッチング治具、この電解エッチング治具を用いた電解エッチング装置、及び電解エッチング方法に関するものである。
本実施形態に係る電解エッチング治具1の断面図を図1(A)に、図1(B)に斜視図を示す。電解エッチング治具1は、図1(A)及び図1(B)で示すように、電解液を吸収可能な吸水性ポリマー10と、この吸水性ポリマー10を覆う膜部材20と、この膜部材20を覆う円筒部材30と、膜部材20及び円筒部材30を覆うように配置されるキャップ40と、このキャップ40の底面(天面)に配置される電極41とを備えている。そして、膜部材20は、図1(B)で示すように、円筒部材30の下方(一方側)から突出するように配置されている。
吸水性ポリマー10は、吸水性ポリマー粉末が電解液を吸収して構成されるものである。吸水性ポリマー粉末としては、具体的には例えば、ポリアクリル酸ナトリウム系高分子、天然高分子等が用いられる。本実施形態においては、吸水性ポリマー粉末として、入手が容易でコストが低いポリアクリル酸ナトリウム系高分子を使用している。
吸水性ポリマー10は半固化した状態となっており、柔軟性があるため外部からの力に応じて変形可能とされている。本実施形態においては、吸水性ポリマー10は、膜部材20、円筒部材30、及びキャップ40によって形状が保持されていて、膜部材20の外方から吸水性ポリマー10に力が作用すると、その外力に応じて変形できるようになっている。
電解液は、電解エッチングに用いられるエッチング溶液であり、電解エッチング時にエッチング作用(陽極を溶出する作用)をするためのイオンが含有されている。電解液としては、具体的には、シュウ酸水溶液、クロム酸水溶液、硝酸等が挙げられる。本実施形態においては、シュウ酸飽和水溶液を電解液として用いている。
膜部材20は、吸水性ポリマー10を覆うものであり、吸水性ポリマー10に吸収された電解液中のイオンが透過(通過)可能とされている。この膜部材20は、具体的には、ガーゼ、木綿生地、及びポリウレタン布(織物)等で構成されれば良く、本実施形態においては、ポリウレタン織物で構成されている。
この膜部材20は、電解エッチング時においては、観察対象物(構造部材等)と接触するように配置され、膜部材20を通して電解液のイオンが観察対象物に作用し、観察対象物がエッチングされることになる。
円筒部材30は、樹脂製の円筒形状の部材であり、円筒部材30の内面には膜部材20が配置され、さらにその膜部材20の内方には電解液を吸収可能な吸水性ポリマー10が配置されている。円筒部材30の両端の開口部のうち、他方側の開口部(図1において上方側の開口部)は、キャップ40で覆われて蓋がされている。そして、一方側の開口部(図1において下方側の開口部)からは、膜部材20が突出している。
なお、円筒部材30は、電解液によって溶解しない、かつイオンを透過しない材料で構成されていることが好ましい。また、絶縁性が高く、膜部材と比較して硬質の材料で構成されていることが望ましい。
キャップ40は、他方側(図2において上方側)に底面を有する樹脂製の筒状部材であり、円筒部材30の側面を覆い、この円筒部材30の側面とキャップ40との間には膜部材20が挟み込まれ、膜部材20が固定されている。このキャップ40の内方には吸水性ポリマー10が配置されている。
なお、キャップ40は、電解液によって溶解しない、かつイオンを透過しない材料で構成されていることが好ましい。さらには、絶縁性が高く、硬質の材料で構成されていることが望ましい。
キャップ40と円筒部材30とは、膜部材20を介して密着した構造とされており、内方の吸水性ポリマー10が、キャップ40と円筒部材30との隙間から外部に流出しないようになっている。そして、キャップ40の底面(天面)の内方には、図1(A)及び図2で示すように、吸水性ポリマー10に電気的に接続される電極41が配置されている。
電極41は、キャップ40の底面(天面)に配置され、電解エッチング時において陰極とされるものである。この電極は、具体的には、オーステナイト系ステンレス鋼、ニッケル合金等が用いられ、本実施形態においては、陰極は円板形状とされたオーステナイト系ステンレス鋼で構成されている。
さらに、この電極41からは、図2で示すように、底面に電極線42が設けられており、キャップ40の底面(天面)に形成された貫通孔から電極線42がキャップの外方に向けて延在している。電解エッチングの際には、この電極線42は、電源の負極(−極)に接続され、電極は陰極とされ、対極(陽極)のエッチングが行われることになる。
次に、上述した電解エッチング治具1の製造方法について説明する。
まず、図3(A)に示すように、円筒部材30の他方側(図3において上方側)の開口部に膜部材20を橋渡し、膜部材20の中央側が円筒部材30の一方側(図3において下方側)の開口部から突出するように配置する。
そして、図3(B)に示すように、吸水性ポリマー粉末50(ポリアクリル酸ナトリウム系高分子粉末)を膜部材20の内方に挿入する。
次に、図3(C)に示すように、底面(天面)に電極41と、この電極41と接続された電極線42とが配置されたキャップ40を、円筒部材30の側面を覆うように配置する(はめ込む)。この時に、円筒部材30とキャップ40とは隙間なく密閉となるように固定されている。また、膜部材20は、円筒部材30の外側の面と、キャップ40の内側の面とに挟まれて固定される。
上述のように配置された円筒部材30、膜部材20、吸水性ポリマー粉末50、及びキャップ40に対して、図3(D)で示すように、円筒部材30から突出する膜部材20をシュウ酸飽和水溶液に浸して、膜部材20の内方にシュウ酸飽和水溶液60を浸水させる。そして、この膜部材20の内方に流入したシュウ酸飽和水溶液60を吸水性ポリマー粉末50に吸収させる。すると、シュウ酸飽和水溶液60を吸収した吸水性ポリマー粉末50は膨張し、膜部材20、円筒部材30、及びキャップ40で囲まれる領域は、シュウ酸飽和水溶液を吸収した吸水性ポリマー10で満たされることとなり、電極41と吸水性ポリマー10が接触する状態となる。
こうして、本実施形態である電解エッチング治具1を製造することができる。
次に、本実施形態の電解エッチング方法について説明する。
本実施形態の電解エッチング方法は、上述した電解エッチング治具1を用いて行われるものである。
まず、電解エッチングの際に電圧を印加する電源(直流電源)を準備し、電源の負極(−極)を電解エッチング治具1の電極線42につなぎ、電極41を電解エッチング時の陰極とする。そして、電源の正極(+極)を観察対象物に接続し、観察対象物を電解エッチング時の陽極とする。本実施形態においては、この観察対象物は、水中に配置されている。
次に、電解エッチング治具1の膜部材20を、観察対象物の観察対象箇所と接触させて、電源をオンにし、電圧を印加する。このようにすることによって、電解エッチング治具1の電極を陰極とし、観察対象物を陽極として、吸水性ポリマー及び膜部材を介して電流が流れ、電解エッチングを行うことができ、観察対象物の表面を溶出させることが可能となる。この時に、電解液は吸水性ポリマー10の内部に保持されているので、膜部材20から電解液が漏洩し難くなっている。
上述のようにして水中に配置された観察対象物に対して電解エッチングを行うことができる。
具体的に電解エッチングを行う場合について、図4(a)、(b)を用いて説明する。この図4(a)、(b)においては、電解エッチング装置100を用いて、斜めに傾斜した底面に対して円柱状の柱が伸びた構造部材120に電解エッチングを行っている。この底面と円柱状の継ぎ目は複雑な曲面とされており、この構造部材120は水中に配置されている。なお、図4(a)は、構造部材120に対して電解エッチング装置100を用いて電解エッチングしている様子を示す斜視図、図4(b)は、図4(a)のA−A矢視図である。
電解エッチング装置100は、電解エッチング治具1と、電源(図示しない)と、駆動機構110と、を備えており、電解エッチング治具1は、駆動機構110に接続されている。
駆動機構110は、駆動軸111と、この駆動軸111の下方に連結部112とを備えている。
駆動軸111は、電解エッチング治具1を所定の位置まで移動させるためのものである。本実施形態においては、図示しない遠隔操作装置を作動させることによって、駆動軸111が所定の位置まで移動することができるようになっている。
連結部112は、駆動軸111と電解エッチング治具1のキャップ40とを接続するように配置されている。この連結部112は、駆動軸111の下方に配置された支持部113によって駆動軸111と接続されている。連結部112は、支持部113を中心に回転することができるようになっており、遠隔操作装置を作動させることによって、電解エッチング治具1を所定の位置へと移動させることができるようになっている
電源は、直流電源であり、電源の負極は、電解エッチング治具の電極線(図4(a)、(b)においては、図示されていない。)と接続されている。そして、電源の正極は、構造部材120(観察対象物)に接続されている。
このように構成された電解エッチング装置100の電解エッチング方法について説明する。
まず、電解エッチング装置100の膜部材20が、構造部材120の観察対象箇所に接触するように、駆動軸111と連結部112とを移動させる。この時の、膜部材20が観察対象箇所に接触する圧力は、遠隔操作装置によって制御できるようになっている。
そして、電源をオンにすると、電解エッチング治具1の電極を陰極とし、構造部材120を陽極とし、膜部材20及び吸水性ポリマー10を介して電流が流れ、構造部材120がエッチングされる。膜部材20及び吸水性ポリマー10は柔軟なので、構造部材120が複雑な表面形状をしている場合であっても表面形状に応じて変形し、観察対象箇所をエッチングすることが可能である。また、電解液は吸水性ポリマー10に吸収(保持)されているので、膜部材20の外方に電解液が漏洩し難くなっている。そして、観察対象箇所が所定量エッチングされた後に、レプリカを採取したり、該当箇所をカメラで直接観察したりすることによって構造部材120の電解エッチング箇所(観察対象箇所)の割れの状態や金属組織を把握することができるようになっている。
本実施形態に係る電解エッチング治具1によれば、電解液を吸収し半固化状態とされている吸水性ポリマー10を用いているので、水中に配置された場合に電解液が水中に漏洩(拡散)することを抑制することができる。そして、この吸水性ポリマー10は、膜部材20、円筒部材30、及びキャップ40に覆われる構成とされているので、吸水性ポリマー10の形状を保持し、膜部材20の外方に吸水性ポリマー10が漏れることを抑制することができる。
また、本実施形態では、キャップ40の底面(天面)に電極が配置され、電解液を吸収可能な吸水性ポリマー10と、電極41とが接触するように配置される構成とされている。そして、電解液中のイオンが透過可能な膜部材20と接触するように観察対象物を配置し、電解エッチング治具1の電極を陰極、観察対象物を陽極として電解エッチングをすることによって、観察対象物をエッチングすることができる。
また、本実施形態では、膜部材20は、柔軟なポリウレタン織物で構成されているので、膜部材20の表面に外力が加わると、その外力に応じて膜部材20及び吸水性ポリマー10が変形することができる。そのため、膜部材20を観察対象物に押し付けた際に、観察対象物の表面の形状に応じて膜部材20及び吸水性ポリマー10が変形することができ、観察対象物が複雑な形状であっても十分に接触させることが可能である。
また、膜部材20は、円筒部材30及びキャップ40によって覆われているので、電解エッチング治具1の取り扱いが容易であり、観察対象物に容易に膜部材20を接触させることが可能である。
さらに、キャップ40の底面(天面)に電極41が配置される構成とされているので、電解エッチング治具1の電極41と、膜部材20に接触される観察対象物との距離を一定に保つことができる。そのため、電解エッチングをする際に、電解エッチング治具1の電極41と観察対象物の間に生じる電流を安定させることができ、電解エッチングを行うことができる。
本実施形態に係る電解エッチング方法によれば、電解液を吸収した吸水性ポリマー10と、この吸水性ポリマー10を覆う膜部材20を備える電解エッチング治具1を用いているので、水中において電解エッチングを行う場合に、電解液が水中へ漏洩することを抑制することができる。また、電解エッチング治具1が備える電極41を陰極とし、観察対象物(エッチング対象物)を陽極として電解エッチングをする構成とされているので、確実に観察対象物をエッチングすることができる。そして、観察対象物のレプリカを採取したり、観察対象物をカメラ等で観察したりすることによって、観察対象物の割れや金属組織を把握することができる。この割れや金属組織の解析結果に基づいて、観察対象物の劣化の度合い等を知ることができる。
本実施形態に係る電解エッチング装置100によれば、上述した電解エッチング治具1と、電源と、駆動機構110とを備える構成とされているので、観察対象物の所定の位置に電解エッチング治具1を配置することができ、観察対象物の所定の位置を電解エッチングすることが可能である。また、この駆動機構110は遠隔操作装置で操作できるようになっているので、原子炉の炉壁のような人が安易に近づけないような箇所においても、電解エッチングを行うことが可能である。
以上、本発明の一実施形態である、水中において使用される観察対象物(構造部材等)を電解エッチングするための電解エッチング治具、この電解エッチング治具を用いた電解エッチング方法、及び電解エッチング装置について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、この発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
なお、上記実施の形態では、吸水性ポリマーは、膜部材、円筒部材、及びキャップによって覆われ保持される構成について説明したが、吸水性ポリマーは、膜部材のみによって包まれる構成とされても良い。また、円筒部材及びキャップによって覆われる場合でなく、一方側に開口したハウジングと、膜部材とによって吸水性ポリマーが覆われる構成とされても良い。
また、上記実施の形態では、キャップの他方側の底面(天面)に電極を配置する場合について説明したが、電極は、吸水性ポリマーと電気的に接続されるように配置すれば良い。
また、上記実施の形態では、電解エッチング装置が駆動機構を備え、駆動機構は駆動軸と、連結部とを有する構成について説明したが、連結部はなくても良い。また、連結部は3次元的に移動可能な移動アームとされても良い。
1 電解エッチング治具
10 吸水性ポリマー
20 膜部材
30 円筒部材
40 キャップ
41 電極

Claims (4)

  1. 電解液を吸収可能な吸水性ポリマーと、
    当該吸水性ポリマーを覆い、前記電解液中のイオンが透過可能な膜部材と、
    前記吸水性ポリマーに電気的に接続される電極と、を備え
    前記膜部材は一部が開口した袋状をなし、開口部の近傍において内周側の円筒部材と外周側のキャップとの間に挟まれて支持されたことを特徴とする電解エッチング治具。
  2. 一方側に開口し、前記膜部材を覆うハウジングを備え、
    該ハウジングから前記膜部材が一方側に突出していることを特徴とする請求項1に記載の電解エッチング治具。
  3. 前記ハウジングの他方側の底面に、前記電極が配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電解エッチング治具。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電解エッチング治具を用いて、水中に配置された観察対象物をエッチングする電解エッチング方法であって、
    前記電極を陰極とし、前記観察対象物を陽極として、前記膜部材を前記観察対象物に接触させながら電解エッチングすることを特徴とする電解エッチング方法。
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