JP5885811B1 - 尿素加水分解装置及びその制御方法 - Google Patents

尿素加水分解装置及びその制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5885811B1
JP5885811B1 JP2014236326A JP2014236326A JP5885811B1 JP 5885811 B1 JP5885811 B1 JP 5885811B1 JP 2014236326 A JP2014236326 A JP 2014236326A JP 2014236326 A JP2014236326 A JP 2014236326A JP 5885811 B1 JP5885811 B1 JP 5885811B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
urea
hydrolysis
ammonia
urea water
air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014236326A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016098144A (ja
Inventor
倉田 昌明
昌明 倉田
弘樹 藤平
弘樹 藤平
典生 前田
典生 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takuma KK
Original Assignee
Takuma KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takuma KK filed Critical Takuma KK
Priority to JP2014236326A priority Critical patent/JP5885811B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5885811B1 publication Critical patent/JP5885811B1/ja
Publication of JP2016098144A publication Critical patent/JP2016098144A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/584Recycling of catalysts

Landscapes

  • Chimneys And Flues (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Incineration Of Waste (AREA)

Abstract

【課題】尿素の加水分解時に副生成物の固着を抑制でき、尿素水の過剰供給時においても加水分解触媒層の表面温度の急激な低下を防止しでき、アンモニア噴霧ノズルからの吐出ガス量を一定に制御できる方法の提供。【解決手段】尿素水Uを加熱雰囲気で加水分解触媒1と接触させてアンモニアAを生成させ、炉内10又は煙道内の燃焼排ガス中に吹き込んで燃焼排ガス中のNOxを低減させる尿素加水分解装置で、加水分解触媒層1を持つ反応器2と、尿素水供給ライン3と、尿素水供給ポンプ5と、尿素水噴霧ノズル6と、加熱空気a′を供給する加熱空気供給ライン7と、送風機8と、加熱空気用ヒータ9と、アンモニア供給ライン11と、アンモニア噴霧ノズル12と、空気バイパスライン13とを備え、尿素の加水分解時に加水分解触媒層1の表面温度が200℃以上となる様に送風機8の風量及び加熱空気用ヒータ9の出力を制御する尿素加水分解装置の操作方法。【選択図】図1

Description

本発明は、主に廃棄物焼却炉やボイラ設備等に付設されるものであり、尿素水を加熱雰囲気で加水分解触媒と接触させ、尿素の加水分解によりアンモニアを生成せしめ、生成したアンモニアを炉内又は煙道内の燃焼排ガス中に吹き込んで燃焼排ガス中の窒素酸化物を低減させる尿素加水分解装置及びその制御方法に関するものである。
従来、廃棄物焼却炉等から発生する燃焼排ガス中の窒素酸化物を低減する方法として、炉内又は煙道内にアンモニア水又は尿素水を吹き込んで燃焼排ガス中の窒素酸化物を分解する無触媒脱硝方法や、触媒表面上において燃焼排ガス中の窒素酸化物をアンモニアの存在下で窒素ガスに分解する触媒脱硝方法が知られている(例えば、特許文献1〜5参照)。
これらの脱硝方法には、一例として、尿素水を加水分解してアンモニアを生成せしめ、生成したアンモニアを炉内又は煙道内の燃焼排ガス中に吹き込んで燃焼排ガス中の窒素酸化物を低減させる尿素加水分解装置が使用されている。
前記尿素加水分解装置としては、例えば、特許第4599989号公報(特許文献6参照)に開示された構造のものが知られている。
即ち、前記尿素加水分解装置は、図3に示す如く、内部に加水分解触媒30を装填した尿素加水分解反応器31と、尿素水タンク32からポンプ33によって圧送された尿素水を加水分解触媒30に噴霧する尿素ノズル34と、コンプレッサ35からバルブ36を経て圧送された空気を尿素加水分解反応器31内に供給する空気供給口37と、尿素加水分解反応器31を一定温度に保つ電気ヒータ38と、尿素加水分解反応器31から排ガスライン39内へ延びるアンモニア導管40と、排ガスライン39内にアンモニアを吹き込むアンモニアノズル41と、ポンプ33及びバルブ36を制御するコントロールユニット42とを備えている。
而して、上記構成の尿素加水分解装置においては、ポンプ33によって圧送された尿素水を尿素ノズル34から尿素加水分解反応器31内の加水分解触媒30へ向って噴霧すると共に、噴霧された尿素水をコンプレッサ35からバルブ36を経て供給された加圧空気によってミスト状にし、この尿素ミストを加水分解触媒30に接触させ、電気ヒータ38による加熱雰囲気下で尿素を加水分解してアンモニアを生成させる。生成したアンモニアは、アンモニア導管40を経てその先端のアンモニアノズル41から排ガスライン39内に装填されている脱硝触媒43に噴霧され、脱硝反応に使用される。
ところで、尿素の加水分解時には、尿素水を200℃以下の温度で触媒と接触させると、シアヌル酸やビウレット等の副生成物が析出し易くなり、これが触媒に固着して触媒性能を劣化させることがある。そのため、シアヌル酸等の副生成物が析出しないように触媒の温度を一定温度以上に保持した状態で尿素水と接触させなければならない。
しかし、前記尿素加水分解装置においては、尿素水を150℃〜190℃の温度範囲で加水分解触媒30と接触させているため、シアヌル酸等の副生成物が析出し易くなり、これが加水分解触媒30に固着して触媒性能を劣化させ、連続運転を行えなくなると云う問題があった。
また、尿素水が過剰供給されたときにも、加水分解触媒30の温度が急激に低下し、シアヌル酸等の副生成物が析出し易くなり、上記問題が発生することになる。
更に、空気供給口37から尿素加水分解反応器31内に供給される空気量が変動すると、尿素加水分解反応器31内で発生するアンモニアの量も変化し、アンモニアノズル41から噴霧されるアンモニアガス量が変動すると云う問題があった。
特開昭53−62772号公報 特開平6−269634号公報 特開2009−103381号公報 特開2010−48456号公報 特開2010−99603号公報 特許第4599989号公報
本発明は、このような問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、尿素の加水分解時にシアヌル酸等の副生成物が析出し難く、加水分解触媒への副生成物の固着を抑制できると共に、尿素水の過剰供給時においても加水分解触媒層の表面温度の急激な低下を防止して副生成物の析出を抑制でき、しかも、供給される空気量に関係なくアンモニア噴霧ノズルからの吐出ガス量(アンモニアガス量)を一定に制御できるようにした尿素加水分解装置及びその制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の第1の発明は、尿素水を加熱雰囲気で加水分解触媒と接触させ、尿素の加水分解によりアンモニアを生成せしめ、生成したアンモニアを炉内又は煙道内の燃焼排ガス中に吹き込んで燃焼排ガス中の窒素酸化物を低減させる尿素加水分解装置において、前記尿素加水分解装置は、内部に加水分解触媒層を形成した反応器と、反応器内へ尿素水を供給する尿素水供給ラインと、尿素水供給ラインに介設した尿素水供給ポンプと、尿素水供給ラインの下流側端部に接続されて反応器内の加水分解触媒層の表面へ向って尿素水を噴霧する尿素水噴霧ノズルと、反応器内へ加熱空気を供給する加熱空気供給ラインと、加熱空気供給ラインの上流側端部に接続した空気供給用の送風機と、加熱空気供給ラインに介設した加熱空気用ヒータと、反応器内で生成されたアンモニアを炉内又は煙道へ導くアンモニア供給ラインと、アンモニア供給ラインの下流側端部に接続されてアンモニアを炉内又は煙道内へ吹き込むアンモニア噴霧ノズルと、加熱空気用ヒータ上流側の加熱空気供給ラインから加熱前の空気の一部を分岐してアンモニア噴霧ノズル上流側のアンモニア供給ラインに導く空気バイパスラインと、空気バイパスラインに介設され、分岐する空気の量を制御すると共に、加水分解触媒層の表面温度に基づいて制御される制御バルブとを備え、尿素の加水分解時に加水分解触媒層の表面温度が200℃以上となるように送風機の風量及び加熱空気用ヒータの出力の何れか一方又は両方を制御する構成としたことに特徴がある。
本発明の第2の発明は、前記第1の発明において、尿素加水分解装置が、加水分解触媒層の表面温度を検出する第1温度検出器を備え、加水分解触媒層の表面温度が200℃〜250℃となるように第1温度検出器からの検出信号に基づいて送風機の風量及び加熱空気用ヒータの出力の何れか一方又は両方を制御する構成としたことに特徴がある。
本発明の第3の発明は、前記第1の発明において、尿素水供給ポンプが、可変速制御機構を備えており、煙突から排出される排ガス中のNOx濃度に基づいて可変制御されていると共に、加水分解触媒層の表面温度が200℃〜250℃となるように尿素水供給ポンプからの出力信号により送風機の風量及び加熱空気用ヒータの出力の何れか一方又は両方を制御する構成としたことに特徴がある。
本発明の第4の発明は、前記第1の発明、第2の発明又は第3の発明に記載の尿素加水分解装置の制御方法であって、尿素の加水分解時に加水分解触媒層の表面温度が200℃以上となるように送風機の風量及び加熱空気用ヒータの出力の何れか一方又は両方を制御し、また、アンモニア噴霧ノズルからのアンモニアガス吐出量が一定となるように空気バイパスラインにより加熱前の空気の一部を分岐し、アンモニア噴霧ノズル上流側のアンモニア供給ラインに導くようにしたことに特徴がある。
本発明の第5の発明は、前記第4の発明において、加水分解触媒層の表面温度を第1温度検出器により検出し、加水分解触媒層の表面温度が200℃〜250℃となるように第1温度検出器からの検出信号に基づいて送風機の風量及び加熱空気用ヒータの出力の何れか一方又は両方を制御するようにしたことに特徴がある。
本発明の第6の発明は、前記第4の発明において、煙突から排出される排ガス中のNOx濃度に基づいて尿素水供給ポンプを可変速制御し、加水分解触媒層の表面温度が200℃〜250℃となるように尿素水供給ポンプからの出力信号により送風機の風量及び加熱空気用ヒータの出力の何れか一方又は両方を制御するようにしたことに特徴がある。
本発明によれば、触媒再生時に加水分解触媒層の表面温度が200℃以上となるように送風機の風量及び加熱空気用ヒータの出力の何れか一方又は両方を制御するようにしているため、シアヌル酸等の副生成物が析出し難くなり、加水分解触媒への副生成物の固着を抑制することができる。
また、本発明によれば、加水分解触媒層の表面温度を第1温度検出器により検出し、加水分解触媒層の表面温度が200℃〜250℃となるように第1温度検出器からの検出信号に基づいて送風機の風量及び加熱空気用ヒータの出力の何れか一方又は両方を制御しているため、シアヌル酸等の副生成物がより析出し難くなって加水分解触媒への副生成物の固着をより抑制することができると共に、加水分解触媒層の表面温度を尿素の加水分解に適した温度に維持することができる。
更に、本発明によれば、煙突から排出される排ガス中のNOx濃度に基づいて尿素水供給ポンプを可変速制御し、加水分解触媒層の表面温度が200℃〜250℃となるように尿素水供給ポンプからの出力信号により送風機の風量及び加熱空気用ヒータの出力の何れか一方又は両方を制御するようにしているため、尿素水の過剰供給時においても加水分解触媒層の表面温度の急激な低下を防止して副生成物の析出を抑制できると共に、加水分解触媒層の表面温度を尿素の加水分解に適した温度に維持することができる。
更に、本発明によれば、アンモニア噴霧ノズルからのアンモニアガス吐出量が一定となるように空気バイパスラインにより加熱前の空気の一部を分岐し、アンモニア噴霧ノズル上流側のアンモニア供給ラインに導くようにしているため、供給される空気量に関係なくアンモニア噴霧ノズルからの吐出ガス量(アンモニアガス量)を一定に制御することができる。また、空気バイパスラインにより分岐する過剰な空気を加熱空気用ヒータで加熱する必要がなく、エネルギーロスを減らすことができる。
更に、本発明によれば、空気バイパスラインに分岐する空気の量を制御する制御バルブを介設し、当該制御バルブを加水分解触媒層の表面温度に基づいて制御するようにしているため、アンモニア噴霧ノズルからの吐出ガス量(アンモニアガス量)をより一定に制御することができる。
本発明の実施形態に係る尿素加水分解装置の概略系統図である。 尿素加水分解装置の反応器の概略縦断面図である。 従来の尿素加水分解装置の概略縦断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る尿素加水分解装置を示し、当該尿素加水分解装置は、例えば、廃棄物焼却炉やボイラ設備等に付設されており、尿素水を加熱雰囲気で加水分解触媒と接触させ、尿素の加水分解によりアンモニアを生成せしめ、生成したアンモニアを炉内又は煙道内の燃焼排ガス中に吹き込んで燃焼排ガス中の窒素酸化物を低減させるものである。
即ち、前記尿素加水分解装置は、図1に示す如く、内部に加水分解触媒層1を形成した反応器2と、反応器2へ尿素水Uを供給する尿素水供給ライン3と、尿素水Uを貯留する尿素水貯槽4と、尿素水供給ライン3に介設した尿素水供給ポンプ5と、反応器2内の加水分解触媒層1の表面へ向って尿素水Uを噴霧する尿素水噴霧ノズル6と、反応器2内へ加熱空気a′を供給する加熱空気供給ライン7と、加熱空気供給ライン7の上流側端部に接続した空気供給用の送風機8と、加熱空気供給ライン7に介設した加熱空気用ヒータ9と、反応器2内で生成されたアンモニアAを炉内10(又は煙道)へ導くアンモニア供給ライン11と、アンモニアAを炉内10(又は煙道内)へ吹き込むアンモニア噴霧ノズル12と、加熱空気供給ライン7から空気aの一部を分岐する空気バイパスライン13と、尿素水供給ライン3から尿素水Uの一部を分岐する尿素水バイパスライン14と、尿素水Uを炉内10(又は煙道内)へ噴霧する第2尿素水噴霧ノズル15とを備えている。
前記反応器2は、図1及び図2に示す如く、裁頭円錐状の天井壁2a及び底壁2bを備えた円筒状の金属製ケーシング2cと、金属製ケーシング2c内に装填されて噴霧された尿素水Uを加水分解する加水分解触媒層1とを備えている。前記加水分解触媒層1は、粒状のアルミナを積層して成る。
尚、上記の実施形態においては、尿素分解触媒として粒状のアルミナを使用したが、他の実施形態においては、尿素分解触媒としてシリカ、チタニア、ゼオライト、マグネシア、カルシア等を使用しても良い。これらの尿素分解触媒は、1種だけ使用しても良く、或いは、2種以上使用しても良い。
また、上記の実施形態においては、金属製ケーシング2cを円筒状に形成し、金属製ケーシング2cの天井壁2a及び底壁2bを裁頭円錐状に形成したが、他の実施形態においては、図示していないが金属製ケーシング2cを平坦な天井壁2a及び底壁2bを備えた円柱状に形成しても良く、また、図示していないが金属製ケーシング2cを四角筒状に形成し、金属製ケーシング2cの天井壁2a及び底壁2bを裁頭四角錐状に形成しても良い。
前記尿素水供給ライン3は、尿素水Uを反応器2へ供給するものであり、尿素水供給ライン3の上流側端部には、尿素水Uを貯留する尿素水貯槽4が接続されていると共に、尿素水供給ライン3の途中には、尿素水供給ポンプ5及び開閉バルブ16が介設されている。
尚、尿素水供給ポンプ5は、可変速制御機構5aを備えており、煙突から排出される排ガス中のNOx濃度に基づいて可変速制御されている。即ち、尿素水供給ポンプ5は、煙突から排出される排ガス中のNOx濃度をNOx濃度検出器(図示省略)により検出し、煙突から排出される排ガス中のNOx濃度が高い場合には、尿素水Uを多く送り出し、排ガス中のNOx濃度が低い場合には、尿素水Uを少なく送り出すように制御されている。
前記尿素水噴霧ノズル6は、尿素水供給ライン3の下流側端部に接続されて反応器2の天井壁2a中心部(反応器2の軸線位置)に挿通支持されており、反応器2内の加水分解触媒層1の表面へ向って尿素水Uを噴霧するものである。
この尿素水噴霧ノズル6には、液体(尿素水U)を気体(圧縮空気a″)と混合させることによって微細な霧にして噴射する二流体ノズルが使用されており、当該尿素水噴霧ノズル6には、尿素水供給ライン3により尿素水Uが供給されていると共に、制御バルブ17を備えた圧縮空気供給ライン18によりコンプレッサ(図示省略)から圧縮空気a″が供給されている。
前記加熱空気供給ライン7は、反応器2内へ加熱空気a′(400℃〜450℃の加熱空気a′)を供給して反応器2、加水分解触媒層1及び噴霧された尿素水Uを加熱するものであり、加熱空気供給ライン7の上流側端部には、大容量の空気aを供給し得る送風機8が接続されていると共に、加熱空気供給ライン7の途中には、加熱空気供給ライン7内を流れている空気aを加熱する加熱空気用ヒータ9が介設されている。
また、加熱空気供給ライン7の下流側端部には、反応器2内で加熱空気a′の整流効果が得られるように反応器2内へ加熱空気a′を供給し得ると共に、加熱空気a′の一部を尿素水噴霧ノズル6に吹き付けて尿素水噴霧ノズル6を加熱し得る加熱空気供給部が設けられており、当該加熱空気供給部は、反応器2の軸線位置に配設されている。
前記加熱空気供給部は、図1及び図2に示す如く、尿素水噴霧ノズル6の先端部側が鉛直姿勢で挿通されて加熱空気a′を上向きで且つ尿素水噴霧ノズル6に沿って流す上向きの上部開口7aと、尿素水噴霧ノズル6の先端部側が鉛直姿勢で挿通されて加熱空気a′を下向きで且つ尿素水噴霧ノズル6に沿って流す下向きの下部開口7bとを備えている。
前記アンモニア供給ライン11は、反応器2内で尿素の加水分解により生成されたアンモニアAを炉内10(又は煙道)へ導くものであり、アンモニア供給ライン11の下流側端部には、アンモニアAを炉内10(又は煙道内)へ吹き込むアンモニア噴霧ノズル12が接続されている。
前記空気バイパスライン13は、加熱空気用ヒータ9の上流側の加熱空気供給ライン7から空気aの一部を分岐してアンモニア噴霧ノズル12上流側のアンモニア供給ライン11へ供給するものであり、空気バイパスライン13には、分岐する空気量を制御する制御バルブ19が介設されている。この空気バイパスライン13は、アンモニア噴霧ノズル12からの吐出ガス量(アンモニアガス量)が一定となるように制御するものである。
前記尿素水バイパスライン14は、尿素水供給ライン3から尿素水Uの一部を分岐して炉内10(又は煙道)へ導くものであり、尿素水バイパスライン14の途中には、開閉バルブ20が開設されていると共に、尿素水バイパスライン14の下流側端部には、尿素水Uを炉内10(又は煙道内)へ噴霧する第2尿素水噴霧ノズル15が接続されている。
この尿素水バイパスライン14及び第2尿素水噴霧ノズル15は、反応器2内の加水分解触媒の再生時において使用するものであり、加水分解触媒の再生時に発生したアンモニアAが脱硝反応の必要量に満たない場合に尿素水Uを炉内10(又は煙道内)へ供給するものである。
また、第2尿素水噴霧ノズル15は、炉内10(又は煙道内)での尿素水Uの拡散を目的として、アンモニア噴霧ノズル12の吐出圧を利用し、アンモニア噴霧ノズル12からのアンモニアガス拡散部(ノズル先端付近)に尿素水Uを噴霧するように、アンモニア噴霧ノズル12の近傍位置に配置されている。
そして、上述した尿素加水分解装置においては、尿素の加水分解時に反応器2内の加水分解触媒層1の表面温度が200℃以上(好ましくは220℃以上)になるように、送風機8の風量及び加熱空気用ヒータ9の出力の何れか一方又は両方が制御されている。これは加水分解触媒層1の表面温度が200℃より下がると、シアヌル酸やビウレット等の副生成物が析出し、これが加水分解触媒に固着して触媒性能を劣化させるからである。
この実施形態では、加水分解触媒層1の表面温度が200℃〜250℃になるように、送風機8の風量及び加熱空気用ヒータ9の出力の何れか一方又は両方が制御されている。
尚、送風機8及び加熱空気用ヒータ9は、加水分解触媒層1の表面温度を第1温度検出器21により検出し、第1温度検出器21からの検出信号に基づいて加水分解触媒層1の表面温度が上記の温度(200℃〜250℃)になるように制御されている。
また、上述した尿素加水分解装置においては、尿素水供給ポンプ5からの出力信号により送風機8の風量及び加熱空気用ヒータ9の出力の何れか一方又は両方を制御することによって、加水分解触媒層1の表面温度を上記の設定値(200℃〜250℃)に保つようになっている。これは尿素水Uの過剰供給に伴う加水分解触媒層1の表面温度の急激な低下を防止するためである。
更に、上述した尿素加水分解装置においては、加水分解触媒層1の表面温度が急激に低下した場合、迅速に加水分解触媒層1の表面温度を上昇させる必要がある。
その方策として、反応器2への加熱空気a′の量を増加させる方法が考えられるが、その際、加熱空気a′量の増加によりアンモニア噴霧ノズル12からの吐出ガス量(アンモニアガス量)が変化し、炉内10(又は煙道内)でのアンモニアAの拡散状況が変化する恐れがある。
そこで、上述した尿素加水分解装置においては、アンモニア噴霧ノズル12からの吐出ガス量(アンモニアガス量)が一定となるように、空気バイパスライン13により加熱空気用ヒータ9の上流側の加熱空気供給ライン7から空気aの一部を分岐し、アンモニア噴霧ノズル12上流側のアンモニア供給ライン11へ供給することによって、アンモニア噴霧ノズル12からの吐出ガス量(アンモニアガス量)を一定に制御するようになっている。
この実施形態においては、アンモニア噴霧ノズル12から噴霧されるアンモニア濃度が3%以下になるように反応器2への加熱空気a′の量が設定されている。また、過剰な空気aは、制御バルブ19を制御することにより空気バイパスライン13からアンモニア噴霧ノズル12上流側のアンモニア供給ライン11へ供給されている。
前記方法によれば、空気バイパスライン13によりバイパスする過剰な空気aを加熱空気用ヒータ9で加熱することがなく、アンモニア噴霧ノズル12からの吐出ガス量(アンモニアガス量)を一定に保持できる効果がある。また、過剰な空気aを加熱空気用ヒータ9で加熱しないため、エネルギーロスを減らすことができる。
更に、上述した尿素加水分解装置においては、シアヌル酸やビウレット等の副生成物が加水分解触媒に固着すると、触媒性能を劣化させるため、触媒を再生することが行われている。触媒再生は、加水分解触媒の表面に固着した副生成物を加熱空気a′によりアンモニアA等へ熱分解することにより行われている。
即ち、前記尿素加水分解装置は、触媒再生時には、尿素水供給ライン3に介設した開閉バルブ16を閉鎖して反応器2への尿素水Uの供給を停止すると共に、送風機8の風量及び加熱空気用ヒータ9の出力の何れか一方又は両方を制御し、加熱空気a′のみを反応器2内の加水分解触媒層1へ通ガスして触媒を再生する。
前記触媒再生時には、加水分解触媒層1の表面温度が250℃以上(好ましくは300℃以上)になるように、加熱空気a′を反応器2内の加水分解触媒層1へ通ガスする。
この実施形態では、加水分解触媒層1の表面温度が250℃〜450℃になるように、送風機8の風量及び加熱空気用ヒータ9の出力の何れか一方又は両方が制御されている。何故なら、温度を上げ過ぎると、アンモニアAに着火し、また、温度を下げ過ぎると、シアヌル酸等の副生成物を熱分解できないからである。
そして、反応器2内の加水分解触媒層1へ加熱空気a′を通ガスすることにより発生したアンモニアA等(触媒に固着したシアヌル酸等の副生成物の熱分解により生成)は、アンモニア噴霧ノズル12から炉内10(又は煙道内)に噴霧され、脱硝反応に使用される。
尚、触媒再生時に発生したアンモニアAが脱硝反応の必要量に満たない場合には、尿素水バイパスライン14の開閉バルブ20を開放し、アンモニア噴霧ノズル12と併行して第2尿素水噴霧ノズル15から尿素水Uを炉内10(又は煙道内)に噴霧し、脱硝反応に必要な還元剤量(アンモニア量)を補う。
また、触媒再生のタイミングは、(1)反応器2の入口及び出口の温度、(2)加水分解触媒層1の表面温度、(3)加水分解触媒層1の圧力損失、(4)反応器2の出口側のガス中の二酸化炭素濃度の何れか一つ又は二つ以上を組み合わせて検出し、これらの検出結果に基づいて行う。
前記(1)による触媒再生のタイミングにおいては、反応器2の入口温度と出口温度を第2温度検出器22と第3温度検出器23によりそれぞれ検出し、その温度差が設定値に達したときに触媒が劣化したと判断し、再生工程に切り替える。何故なら、尿素の熱分解反応において、発熱反応が進んでいないと、シアヌル酸等の副生成物が触媒上に固着し、反応器2の入口と出口とで温度差が生じて反応器2の出口側の温度が下がるからである。
前記(2)による触媒再生のタイミングにおいては、加水分解触媒層1の表面に配置した熱電対等から成る第1温度検出器21により加水分解触媒層1の表面温度を検出し、加水分解触媒層1の表面中心部の温度がその周囲温度よりも低下した場合に触媒が劣化したと判断し、再生工程に切り替える。加水分解触媒層1の表面中心部の温度を検出するのは、前記中心部に副生成物が析出し易く、副生成物が析出すると、発熱反応が起こらないからである。
前記(3)による触媒再生のタイミングにおいては、反応器2の入口と出口の圧力差を差圧計24により測定し、その圧力差が設定値に達したときに触媒が劣化したと判断し、再生工程に切り替える。即ち、触媒に副生成物が固着した際の圧力上昇を検出する。
前記(4)による触媒再生のタイミングにおいては、アンモニア供給ライン11内を流れるガス中のCOの濃度をCO濃度計25により検出し、検出したCO濃度と尿素水Uの供給量から算出した推定CO濃度の差が所定値を超えた場合に触媒が劣化したと判断し、再生工程に切り替える。
この実施形態においては、反応器2の入口温度と出口温度の温度差が10℃〜20℃に達したとき、加水分解触媒層1の表面中心部の温度がその周囲温度よりも5℃〜10℃低下したとき、反応器2の入口と出口の圧力差(圧力損失)が100mmAq〜200mmAqに達したとき、CO濃度計25により検出したCO濃度と尿素水Uの供給量から算出した推定CO濃度の差が10%〜20%に達したときに、それぞれ触媒が劣化したと判断し、再生工程に切り替えるようになっている。
尚、各温度検出器21〜23、差圧計24、CO濃度計25の各演算部には、上述した反応器2の入口温度と出口温度の温度差の設定値、加水分解触媒層1の表面温度の設定値、反応器2の入口と出口の圧力差の設定値、検出したCO濃度と尿素水Uの供給量から算出した推定CO濃度の差の設定値がそれぞれ予め記憶されている。
而して、上述した尿素加水分解装置においては、尿素水貯槽4内の尿素水Uを尿素水供給ポンプ5により尿素水供給ライン3を介して二流体ノズル構造の尿素水噴霧ノズル6に供給すると共に、コンプレッサからの圧縮空気a″を圧縮空気供給ライン18を介して尿素水噴霧ノズル6に供給し、尿素水噴霧ノズル6から反応器2内の加水分解触媒層1の表面へ向って尿素水Uを噴霧する。このとき、尿素水噴霧ノズル6に二流体ノズルを使用しているため、噴霧された尿素水Uが微細な粒子径となる。
また、反応器2(加水分解触媒層1を含む)加熱用の空気aを送風機8により加熱空気用ヒータ9に供給して加熱し、この加熱空気a′を加熱空気供給ライン7の下流側端部に設けた加熱空気供給部から反応器2内に供給して反応器2、加水分解触媒層1及び噴霧された尿素水Uを加熱する。
反応器2内における尿素の加水分解時には、加水分解触媒層1の表面温度が200℃〜250℃になるように、送風機8の風量及び加熱空気用ヒータ9の出力の何れか一方又は両方が制御されている。即ち、加水分解触媒層1の表面温度を第1温度検出器21により検出し、第1温度検出器21からの検出信号に基づいて加水分解触媒層1の表面温度が200℃〜250℃になるように送風機8及び加熱空気用ヒータ9の何れか一方又は両方が第1温度検出器21により制御されている。
また、尿素水供給ポンプ5からの出力信号により送風機8の風量及び加熱空気用ヒータ9の出力の何れか一方又は両方を制御することによっても、加水分解触媒層1の表面温度を200℃〜250℃に保つようになっている。即ち、煙突から排出される排ガス中のNOx濃度の上昇に伴う尿素水供給ポンプ5からの尿素水Uの過剰供給時において、加水分解触媒層1の表面温度が200℃〜250℃になるように送風機8及び加熱空気用ヒータ9の何れか一方又は両方が尿素水供給ポンプ5からの出力信号により制御されている。これにより、尿素水Uの過剰供給に伴う加水分解触媒の表面温度の急激な低下を防止することができる。
このようにして、加水分解触媒層1の表面温度を200℃〜250℃に保つことによりシアヌル酸やビウレット等の副生成物の析出、副生成物の加水分解触媒への固着を防止することができる。
更に、反応器2内における尿素の加水分解時には、加熱空気供給ライン7の下流側端部に設けた加熱空気供給部から反応器2内に供給された加熱空気a′が整流効果により反応器2内を整然と流れるようにしているため、加熱空気a′が加水分解触媒層1を均質に加熱すると共に、尿素水噴霧ノズル6から噴霧された尿素水Uも反応器2内の加熱空気a′の整流効果により反応器2内を加水分解触媒層1へ向って均等に流れて加水分解触媒層1全域と接触することになり、尿素を効率良く分解することができる。然も、加熱空気a′は、反応器2、加水分解触媒層1及び噴霧された尿素水Uを加熱するだけでなく、尿素の加水分解に発生したアンモニアAを炉内10又は煙道内へ吹き込むためのキャリアガスとして用いることができる。
また、加熱空気供給部から供給された加熱空気a′により尿素水噴霧ノズル6が加熱されるため、尿素水噴霧ノズル6の表面や噴射口等への尿素の固着や、シアヌル酸やビウレット等の副生成物の固着を抑制することができ、尿素水噴霧ノズル6の閉塞や配管詰まりを防止して連続運転を行える。
特に、加熱空気供給部は、尿素水噴霧ノズル6の先端部側が鉛直姿勢で挿通されて加熱空気a′を上向きで且つ尿素水噴霧ノズル6に沿って流す上向きの上部開口7aと、尿素水噴霧ノズル6の先端部側が鉛直姿勢で挿通されて加熱空気a′を下向きで且つ尿素水噴霧ノズル6に沿って流す下向きの下部開口7bとを備えているため、上部開口7aから上向きに流れた加熱空気a′は反応器2の天井壁2aで反転し、加水分解触媒層1へ向って流れるので、より高い整流効果が得られ、また、上部開口7a及び下部開口7bから流れる加熱空気a′により尿素水噴霧ノズル6全体を確実且つ良好に加熱することができ、シアヌル酸やビウレット等の副生成物の固着をより抑制することができる。
そして、反応器2内の加水分解触媒層1へ噴霧された尿素は、加熱された加水分解触媒と接触して加水分解され、アンモニアAを生成する。この生成されたアンモニアAは、アンモニア供給ライン11を経てアンモニア噴霧ノズル12から炉内10(又は煙道内)へ噴霧され、脱硝反応に使用される。
尚、尿素からアンモニアAを生成する反応は、下記の(1)式の通りであり、いわゆる加水分解反応である。
(NHCO+HO→2NH+CO ・・・(1)式
また、反応器2内の加水分解触媒層1の上方空間で行われる反応は、下記の(2)式の吸熱反応であり、反応器2内の加水分解触媒層1で行われる反応は、下記の(3)式の発熱反応である。
(NHCO→HNCO+NH ・・・(2)式
HNCO+HO→NH+CO ・・・(3)式
ところで、上述した尿素加水分解装置においては、装置の運転中にシアヌル酸やビウレット等の副生成物が加水分解触媒に固着すると、触媒性能を劣化させるため、触媒を再生することが行われている。
前記触媒再生時には、尿素水供給ライン3に介設した開閉バルブ16を閉鎖して反応器2への尿素水Uの供給を停止すると共に、送風機8及び加熱空気用ヒータ9の何れか一方又は両方を制御して加熱空気a′のみを反応器2内の加水分解触媒層1へ通ガスし、触媒を再生するようにしており、加水分解触媒層1の表面温度が250℃〜450℃になるように、送風機8の風量及び加熱空気用ヒータ9の出力の何れか一方又は両方を制御している。
また、触媒再生のタイミングは、(1)反応器2の入口温度と出口温度、(2)加水分解触媒層1の表面温度、(3)加水分解触媒層1の圧力損失、(4)反応器2の出口側のガス中の二酸化炭素濃度の何れか一つ又は二つ以上を組み合わせて検出又は測定し、これらの検出結果又は測定結果に基づいて行われている。
即ち、前記(1)による触媒再生のタイミングにおいては、反応器2の入口温度と出口温度を第2温度検出器22と3温度検出器23によりそれぞれ検出し、その温度差が設定値(10℃〜20℃)に達すると、尿素水供給ライン3に介設した開閉バルブ16が閉鎖されて反応器2への尿素水Uの供給を停止すると共に、第2温度検出器22及び第3温度検出器23からの検出信号に基づいて送風機8及び加熱空気用ヒータ9の何れか一方又は両方が制御され、加熱空気a′のみが反応器2内の加水分解触媒層1へ通ガスされる。
このとき、加水分解触媒層1の表面温度が250℃〜450℃になるように、送風機8の風量及び加熱空気用ヒータ9の出力の何れか一方又は両方を制御しているため、加水分解触媒に固着したシアヌル酸やビウレット等の副生成物が熱分解され、触媒が再生されると共に、加水分解触媒層1の表面温度を触媒再生に適した温度に維持することができる。然も、加水分解触媒を反応器2から取り出すことなく、再生することができ、触媒再生を簡単且つ容易に行えると共に、コストも余りかからず、コスト低減を図れる。
また、副生成物の熱分解により反応器2内にアンモニアA等が発生するが、このアンモニアAは、アンモニア供給ライン11を経てアンモニア噴霧ノズル12から炉内10(又は煙道内)へ噴霧されて脱硝反応に使用される。そのため、触媒再生時に廃棄物焼却炉等の運転を止める必要もない。
尚、触媒再生時に発生したアンモニアAが脱硝反応の必要量に満たない場合には、尿素水バイパスライン14の開閉バルブ20が開放され、アンモニア噴霧ノズル12と併行して第2尿素水噴霧ノズル15から尿素水Uが炉内10(又は煙道内)に噴霧され、脱硝反応に必要な還元剤量(アンモニア量)を補う。
このとき、分岐した尿素水Uを第2尿素水噴霧ノズル15によりアンモニア噴霧ノズル12からのアンモニアガス拡散部に噴霧するようにしているため、アンモニア噴霧ノズル12からの吐出圧を利用して第2尿素水噴霧ノズル15から噴霧された尿素水Uを確実に拡散させることができ、炉内10(又は煙道内)で脱硝反応が良好に行われる。
前記(2)による触媒再生のタイミングにおいては、加水分解触媒層1の表面温度を第1温度検出器21により検出し、加水分解触媒層1の表面中心部の温度がその周囲温度よりも5℃〜10℃低下すると、尿素水供給ライン3に介設した開閉バルブ16が閉鎖されて反応器2への尿素水Uの供給を停止すると共に、第1温度検出器21からの検出信号に基づいて送風機8及び加熱空気用ヒータ9の何れか一方又は両方が制御されて加熱空気a′のみが反応器2内の加水分解触媒層1へ通ガスされる。
このとき、加水分解触媒層1の表面温度が250℃〜450℃になるように、送風機8の風量及び加熱空気用ヒータ9の出力の何れか一方又は両方を制御しているため、上述した(1)による触媒再生と同様に、副生成物の熱分解、触媒再生、アンモニアAの発生、アンモニアAの炉内10(又は煙道内)への噴霧、尿素水Uの噴霧が行われる。
前記(3)による触媒再生のタイミングにおいては、反応器2の入口と出口の圧力差を差圧計24により測定し、その圧力差(圧力損失)が設定値(100mmAq〜200mmAq)に達すると、尿素水供給ライン3に介設した開閉バルブ16が閉鎖されて反応器2への尿素水Uの供給を停止すると共に、差圧計24からの検出信号に基づいて送風機8及び加熱空気用ヒータ9の何れか一方又は両方が制御され、加熱空気a′のみが反応器2内の加水分解触媒層1へ通ガスされる。
このとき、加水分解触媒層1の表面温度が250℃〜450℃になるように、送風機8の風量及び加熱空気用ヒータ9の出力の何れか一方又は両方を制御しているため、上述した(1)による触媒再生と同様に、副生成物の熱分解、触媒再生、アンモニアAの発生、アンモニアAの炉内10(又は煙道内)への噴霧、尿素水Uの噴霧が行われる。
前記(4)による触媒再生のタイミングにおいては、CO濃度計25によりアンモニア供給ライン11内を流れるガス中のCOの濃度を検出し、検出したCO濃度と尿素水Uの供給量から算出した推定CO濃度の差が設定値(10%〜20%)を超えると、尿素水供給ライン3に介設した開閉バルブ16が閉鎖されて反応器2への尿素水Uの供給を停止すると共に、CO濃度計25からの検出信号に基づいて送風機8及び加熱空気用ヒータ9の何れか一方又は両方が制御され、加熱空気a′のみが反応器2内の加水分解触媒層1へ通ガスされる。
このとき、加水分解触媒層1の表面温度が250℃〜450℃になるように、送風機8の風量及び加熱空気用ヒータ9の出力の何れか一方又は両方を制御しているため、上述した(1)による触媒再生と同様に、副生成物の熱分解、触媒再生、アンモニアAの発生、アンモニアAの炉内10(又は煙道内)への噴霧、尿素水Uの噴霧が行われる。
尚、上記の実施形態においては、尿素加水分解装置により製造されたアンモニアAを炉内10に吹き込むようにしたが、他の実施形態においては、尿素加水分解装置により製造されたアンモニアAを煙道(図示省略)内に吹き込むようにしても良い。
本発明は、上記の実施形態に限定解釈されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
1は加水分解触媒層、2は反応器、2aは天井壁、2bは底壁、2cは金属製ケーシング、3は尿素水供給ライン、4は尿素水貯槽、5は尿素水供給ポンプ、5aは可変速制御機構、6は尿素水噴霧ノズル、7は加熱空気供給ライン、7aは上部開口、7bは下部開口、8は送風機、9は加熱空気用ヒータ、10は炉内、11はアンモニア供給ライン、12はアンモニア噴霧ノズル、13は空気バイパスライン、14は尿素水バイパスライン、15は第2尿素水噴霧ノズル、16は尿素水供給ラインの開閉バルブ、17は圧縮空気供給ラインの制御バルブ、18は圧縮空気供給ライン、19は空気バイパスラインの制御バルブ、20は尿素水バイパスラインの開閉バルブ、21は第1温度検出器、22は第2温度検出器、23は第3温度検出器、24は差圧計、25はCO濃度計、Aはアンモニア、aは空気、a′は加熱空気、a″は圧縮空気、Uは尿素水。

Claims (6)

  1. 尿素水を加熱雰囲気で加水分解触媒と接触させ、尿素の加水分解によりアンモニアを生成せしめ、生成したアンモニアを炉内又は煙道内の燃焼排ガス中に吹き込んで燃焼排ガス中の窒素酸化物を低減させる尿素加水分解装置において、前記尿素加水分解装置は、内部に加水分解触媒層を形成した反応器と、反応器内へ尿素水を供給する尿素水供給ラインと、尿素水供給ラインに介設した尿素水供給ポンプと、尿素水供給ラインの下流側端部に接続されて反応器内の加水分解触媒層の表面へ向って尿素水を噴霧する尿素水噴霧ノズルと、反応器内へ加熱空気を供給する加熱空気供給ラインと、加熱空気供給ラインの上流側端部に接続した空気供給用の送風機と、加熱空気供給ラインに介設した加熱空気用ヒータと、反応器内で生成されたアンモニアを炉内又は煙道へ導くアンモニア供給ラインと、アンモニア供給ラインの下流側端部に接続されてアンモニアを炉内又は煙道内へ吹き込むアンモニア噴霧ノズルと、加熱空気用ヒータ上流側の加熱空気供給ラインから加熱前の空気の一部を分岐してアンモニア噴霧ノズル上流側のアンモニア供給ラインに導く空気バイパスラインと、空気バイパスラインに介設され、分岐する空気の量を制御すると共に、加水分解触媒層の表面温度に基づいて制御される制御バルブとを備え、尿素の加水分解時に加水分解触媒層の表面温度が200℃以上となるように送風機の風量及び加熱空気用ヒータの出力の何れか一方又は両方を制御する構成としたことを特徴とする尿素加水分解装置。
  2. 尿素加水分解装置は、加水分解触媒層の表面温度を検出する第1温度検出器を備え、加水分解触媒層の表面温度が200℃〜250℃となるように第1温度検出器からの検出信号に基づいて送風機の風量及び加熱空気用ヒータの出力の何れか一方又は両方を制御する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の尿素加水分解装置。
  3. 尿素水供給ポンプは、可変速制御機構を備えており、煙突から排出される排ガス中のNOx濃度に基づいて可変制御されていると共に、加水分解触媒層の表面温度が200℃〜250℃となるように尿素水供給ポンプからの出力信号により送風機の風量及び加熱空気用ヒータの出力の何れか一方又は両方を制御する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の尿素加水分解装置。
  4. 請求項1、請求項2又は請求項3に記載の尿素加水分解装置の制御方法であって、尿素の加水分解時に加水分解触媒層の表面温度が200℃以上となるように送風機の風量及び加熱空気用ヒータの出力の何れか一方又は両方を制御し、また、アンモニア噴霧ノズルからのアンモニアガス吐出量が一定となるように空気バイパスラインにより加熱前の空気の一部を分岐し、アンモニア噴霧ノズル上流側のアンモニア供給ラインに導くようにしたことを特徴とする尿素加水分解装置の制御方法。
  5. 加水分解触媒層の表面温度を第1温度検出器により検出し、加水分解触媒層の表面温度が200℃〜250℃となるように第1温度検出器からの検出信号に基づいて送風機の風量及び加熱空気用ヒータの出力の何れか一方又は両方を制御するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の尿素加水分解装置の制御方法。
  6. 煙突から排出される排ガス中のNOx濃度に基づいて尿素水供給ポンプを可変速制御し、加水分解触媒層の表面温度が200℃〜250℃となるように尿素水供給ポンプからの出力信号により送風機の風量及び加熱空気用ヒータの出力の何れか一方又は両方を制御するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の尿素加水分解装置の制御方法。
JP2014236326A 2014-11-21 2014-11-21 尿素加水分解装置及びその制御方法 Active JP5885811B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014236326A JP5885811B1 (ja) 2014-11-21 2014-11-21 尿素加水分解装置及びその制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014236326A JP5885811B1 (ja) 2014-11-21 2014-11-21 尿素加水分解装置及びその制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5885811B1 true JP5885811B1 (ja) 2016-03-16
JP2016098144A JP2016098144A (ja) 2016-05-30

Family

ID=55523917

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014236326A Active JP5885811B1 (ja) 2014-11-21 2014-11-21 尿素加水分解装置及びその制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5885811B1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113101783A (zh) * 2021-04-29 2021-07-13 西安热工研究院有限公司 一种将尿素水解制氨产品气分离用于化学加氨系统的系统
CN114436291A (zh) * 2022-02-16 2022-05-06 西安西热锅炉环保工程有限公司 一种尿素水解反应制氨的供热系统及方法

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6532433B2 (ja) * 2016-08-02 2019-06-19 株式会社タクマ 尿素加水分解装置の運転方法
JP6504613B2 (ja) * 2016-08-02 2019-04-24 株式会社タクマ 尿素加水分解装置
JP2023039683A (ja) * 2021-09-09 2023-03-22 中外炉工業株式会社 アンモニア燃料燃焼装置
JP2023039684A (ja) * 2021-09-09 2023-03-22 中外炉工業株式会社 燃焼装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06165913A (ja) * 1992-11-30 1994-06-14 Babcock Hitachi Kk 尿素を用いた脱硝方法および装置
JPH11171535A (ja) * 1997-12-05 1999-06-29 Mitsubishi Heavy Ind Ltd アンモニア発生方法及び排ガス処理方法
JP2001129353A (ja) * 1999-11-01 2001-05-15 Babcock Hitachi Kk 排ガス処理装置のガス流路切替え方法
JP2002068735A (ja) * 2000-08-24 2002-03-08 Mitsubishi Heavy Ind Ltd アンモニアの発生方法及び燃焼排ガスの処理方法
JP4599989B2 (ja) * 2004-10-28 2010-12-15 日立造船株式会社 アンモニアの製造方法および脱硝方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06165913A (ja) * 1992-11-30 1994-06-14 Babcock Hitachi Kk 尿素を用いた脱硝方法および装置
JPH11171535A (ja) * 1997-12-05 1999-06-29 Mitsubishi Heavy Ind Ltd アンモニア発生方法及び排ガス処理方法
JP2001129353A (ja) * 1999-11-01 2001-05-15 Babcock Hitachi Kk 排ガス処理装置のガス流路切替え方法
JP2002068735A (ja) * 2000-08-24 2002-03-08 Mitsubishi Heavy Ind Ltd アンモニアの発生方法及び燃焼排ガスの処理方法
JP4599989B2 (ja) * 2004-10-28 2010-12-15 日立造船株式会社 アンモニアの製造方法および脱硝方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113101783A (zh) * 2021-04-29 2021-07-13 西安热工研究院有限公司 一种将尿素水解制氨产品气分离用于化学加氨系统的系统
CN114436291A (zh) * 2022-02-16 2022-05-06 西安西热锅炉环保工程有限公司 一种尿素水解反应制氨的供热系统及方法
CN114436291B (zh) * 2022-02-16 2023-11-10 西安西热锅炉环保工程有限公司 一种尿素水解反应制氨的供热系统及方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016098144A (ja) 2016-05-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5859101B1 (ja) 尿素加水分解装置及び尿素加水分解装置の触媒再生方法
JP5885811B1 (ja) 尿素加水分解装置及びその制御方法
JP6381124B2 (ja) 尿素加水分解装置
US9873084B2 (en) Reducing agent pyrolysis system for selective catalytic reduction apparatus
KR101730241B1 (ko) Scr 장치
WO2006025110A1 (ja) 排気浄化装置
KR20200072609A (ko) 농도 정밀제어 가능한 다공성 구조체 삽입형 희석 요소수 분무장치
CN103170224A (zh) 焚烧设备中的还原剂供给方法及还原剂供给装置
JP5711578B2 (ja) 尿素水改質器及びこれを用いた排ガス浄化装置
CN107667210A (zh) 燃烧器系统
CN110841476A (zh) 一种大循环自适应scr脱硝系统及方法
US8470277B2 (en) Selective catalytic NOx reduction process and control system
JP2023024849A (ja) 高融点配管閉塞物質の生成抑制装置及び方法
JP2013124642A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2007182805A (ja) 排気浄化装置
JP6504613B2 (ja) 尿素加水分解装置
JP6532433B2 (ja) 尿素加水分解装置の運転方法
JP2012197695A5 (ja)
KR101732258B1 (ko) 저압 scr 시스템 및 그 제어 방법
CN106661987B (zh) 排气净化装置
CN206315667U (zh) 一种危险废料焚烧烟气的脱硝系统
JP5915927B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
CN206092129U (zh) 一种柴油发动机尾气后处理系统
JP5426863B2 (ja) 排ガス処理方法及び排ガス処理装置
KR20160081406A (ko) 선택적 촉매 환원 시스템 및 이를 포함한 동력 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160121

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160121

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160209

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5885811

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250