次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行なうパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機10を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤12を着脱可能に保持する本体枠としての中枠13が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤12の裏側に、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置14が着脱可能に配設されている。また、前記中枠13の前面側には、前記遊技盤12を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板15a(透明部材)で前後に開口する窓部を覆うよう構成された前枠15が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠15の下方にパチンコ球Pを貯留する下球受け皿17が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠15の下部位置に、パチンコ球Pを貯留する上球受け皿16が一体的に組み付けられており、前枠15の開閉に合わせて上球受け皿16も一体的に開閉するよう構成される。なお、実施例では、前記図柄表示装置14としては、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の図柄表示装置を採用し得る。また、前記上球受け皿16は、前記前枠15と別体に形成してもよい。
前記中枠13の右下方位置には、該中枠13に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル18が設けられる。この操作ハンドル18は、左回転方向に付勢された操作レバー18aを備えており、該操作レバー18aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿16に貯留されたパチンコ球Pが前記遊技盤12に向けて発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー18aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球Pの打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー18aを操作して回動量を調節することで、前記遊技盤12に形成された第1経路20a(後述)をパチンコ球Pが流下する所謂「左打ち」と、該遊技盤12に形成された第2経路20b(後述)をパチンコ球Pが流下する所謂「右打ち(ゴム打ち)」とを打ち分け得るようになっている。
(遊技盤12について)
前記遊技盤12は、図2および図3に示すように、アクリルやポリカーボネート等の透明合成樹脂から所定板厚の略矩形状に形成された透明板であって、該遊技盤12の表面(盤面)に配設された略円形状に湾曲形成する案内レール19により、パチンコ球Pが流下可能な遊技領域20が画成されている。また、前記遊技盤12の裏面に、前記図柄表示装置14が取付けられた設置部材36(後述)が配設されている。
ここで、前記案内レール19は、図2に示す如く、遊技盤12の左下部から右上部に至るよう左方向に膨出する円弧状に形成された外レール21と、該外レール21の内側に配置されて、遊技盤12の右上部、右下部および左上部に至るよう右方向に膨出する円弧状に形成された内レール22,23とから構成されている。前記内レール22,23は、遊技盤12の右上部から下部に亘って配設され、左端縁が右方に凹む円弧状に形成された盤面飾り部材22と、遊技盤12の下部から左上部に亘って配設されて盤面飾り部材22の下端部に連接し、前記外レール21の右方に離間して位置するレール部材23とから構成され、該外レール21およびレール部材23により1個のパチンコ球Pが通過可能な発射通路19aが画成されている。ここで、前記内レールを構成するレール部材23は、図2に示す如く、前記遊技盤12の左上部に開放端を臨ませるよう構成されて、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球Pが発射通路19aの下方開口から飛翔して、レール部材23の開放端側から遊技領域20内に打ち出されるようになっている。
図2、図11に示すように、前記外レール21と盤面飾り部材22とが遊技盤12の右上部で接接続する接続位置は、該外レール21および盤面飾り部材22の曲率の相違から段差が形成されており、該段差部分に緩衝ゴム24が配設されている。すなわち、前記外レール21の終端位置に臨むよう緩衝ゴム24が配設されて、前記打球発射装置から発射されて外レール21に沿って終端位置まで移動したパチンコ球Pを緩衝ゴム24で減勢するようになっている。なお、前記緩衝ゴム24は、後述する第2経路20bに位置している。
前記遊技盤12には、前後に貫通する装着口12a,12b,12c,12d,12fが前記遊技領域20内に複数開設されて(図3参照)、各装着口12a,12b,12c,12d,12fに対して各種部品が前側から取付けられると共に、遊技領域20の最下部位置には、該遊技領域20に打ち出されたパチンコ球Pを排出するアウト口25が開設されている。また遊技盤12には、前記遊技領域20内に多数の遊技釘26が植設されており、遊技領域20を流下するパチンコ球Pが遊技釘26に接触することでパチンコ球Pの流下方向を不規則に変化させるようになっている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤12に対して取付けられる各種部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜決定される。
実施例の前記遊技盤12には、前記案内レール19で囲まれた遊技領域20の略中央の大部分が開口する第1装着口12aに、前後に開口する窓口(開口部)27aが形成された枠状装飾部材27が取付けられ、該枠状装飾部材27の窓口27aを介して図柄表示装置14の表示部が遊技盤12の前面側に臨むよう構成される。そして、第1装着口12a(枠状装飾部材27)の下方に開設された第2装着口12bに、遊技領域20(第1経路20aおよび第2経路20b)を流下するパチンコ球Pが入賞可能な始動入賞口28a,28bを有する始動入賞装置(入賞装置)28が取付けられ、該第2装着口12bの下方に連通状態で形成された第3装着口12cに、遊技領域20を流下するパチンコ球Pが入賞可能な特別入賞装置29が取付けられている(図2参照)。また、第3装着口12cの左右両側に開設された第4装着口12d,12eに、遊技領域20(第1経路20aまたは第2経路20b)を流下するパチンコ球Pが入賞可能な普通入賞装置30,31および前飾り部材32,33が取付けられている。更に、右側の第4装着口12eの上方に開設された第5装着口12fに、第2経路20bを流下するパチンコ球Pが通過可能な球通過ゲート34が取付けられている。なお、第4装着口12d,12eに関しては、第3装着口12cの左側に位置するものを左第4装着口12dと指称すると共に、第3装着口12cの右側に位置するものを右第4装着口12eと指称する場合もあり、これに対応して普通入賞装置30,31および前飾り部材32,33に関しても同様に左普通入賞装置30、右普通入賞装置31および左前飾り部材32、右前飾り部材33と指称する場合もある。
(始動入賞装置28について)
前記始動入賞装置28は、上下に始動入賞口28a,28bが設けられており、上側の第1始動入賞口28aは遊技領域20に常時開放すると共に、下側の第2始動入賞口28bは、所定の開放条件および閉鎖条件(何れも後述)に従って開閉部材28cにより開閉されるよう構成されている。始動入賞装置28には、パチンコ機10の裏側に配設された制御装置(図示せず)に接続された第1始動入賞球検出センサ(図示せず)が配設されて、前記第1始動入賞口28aに入賞したパチンコ球Pを第1始動入賞球検出センサで検出するよう構成される。また始動入賞装置28には、前記制御装置に接続された第2始動入賞球検出センサ(図示せず)が配設されて、前記第2始動入賞口28bに入賞したパチンコ球Pを第2始動入賞球検出センサで検出するよう構成されている。そして、第1始動入賞球検出センサまたは第2始動入賞球検出センサによるパチンコ球Pの検出(すなわち第1始動入賞口28aへの入賞または第2始動入賞口28bへの入賞)に伴って、前記図柄表示装置14において図柄が変動表示されて図柄変動演出が展開され、該図柄変動演出の結果、図柄表示装置14に所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の3つ揃い等)で図柄が停止表示されることで所謂大当りが発生し、大当りの発生に伴って前記特別入賞装置29が開放して多数の賞球を獲得し得る機会が与えられるようになっている。すなわち、各始動入賞球検出センサによるパチンコ球Pの検出に伴って、前記大当りを発生するか否か(特別入賞装置29を開放するか否か)を決定する大当り抽選が前記制御装置で行なわれるよう設定され、該大当り抽選の結果に基づいて前記図柄表示装置14において図柄変動演出が行なわれるようになっている。
(特別入賞装置29について)
前記特別入賞装置29は、遊技領域20に臨む横長の特別入賞口が開閉扉29aで常には閉鎖されており、前記始動入賞口28a,28bへのパチンコ球Pの入賞を契機とした前記大当り抽選の結果、該図柄表示装置14に所定の図柄組み合わせで図柄が停止表示されることで所謂「大当り」が発生し、これにより開閉扉29aが開放するよう作動制御されて、特別入賞口への入賞により多数の賞球を獲得し得るよう構成されている。なお、特別入賞装置29には、前記制御装置に接続された特別球検出センサ(図示せず)が配設されて、前記特別入賞口に入賞したパチンコ球Pを該特別球検出センサで検出するよう構成される。
前記特別入賞装置29では、前記「大当り」の発生時に行なわれる大当り遊技において、前記特別入賞口へのパチンコ球Pの入賞が阻まれる不利な第1状態(特別入賞口の閉鎖)と、特別入賞口へのパチンコ球Pの入賞が許容される第2状態(特別入賞口の開放)とに変動されるラウンド遊技を繰返すよう構成される。ここで、特別入賞装置29におけるラウンド遊技とは、不利な第1状態から有利な第2状態に移行し、再び不利な第1状態に移行するまでを云い、大当り遊技において予め決定された継続回数のラウンド遊技が繰返されるようになっている。また、ラウンド遊技において第1状態から第2状態への移行は、第1状態から第2状態へ移行してからの第2状態の継続時間(特別入賞口の開放時間)、または第2状態での特別入賞口へのパチンコ球Pの入賞数(特別球検出センサによる設定数のパチンコ球Pの検出)の何れかが、予め設定された値となったことを条件として行なわれる。
ここで、実施例のパチンコ機10では、前記大当り遊技以外の遊技が行なわれる遊技状態として、3つの状態が設定されている。すなわち、パチンコ機10において通常行なわれる通常状態と、該通常状態に較べて大当りの発生確率が高く、かつ前記始動入賞装置28の第2始動入賞口28bへの入賞確率が高く設定された確率変動状態と、通常状態に較べて大当りの発生確率が同等で、かつ始動入賞装置28の第2始動入賞口28bへの入賞確率が高く設定された時間短縮状態が設定されている。そして、前記上下の始動入賞口28a,28bへパチンコ球Pが入賞した際に、前記遊技状態を変更するか否かが前記制御装置で決定される。
また、前記右前飾り部材33より上方の遊技領域20(第2経路20b)に位置する前記球通過ゲート34は、後述するように遊技領域20a(第2経路20b)を流下するパチンコ球Pが通過可能に構成されたものであって、パチンコ球Pを検出する検出スイッチ(検出手段)35(図16,図17,図18,図20参照)を備えている。前記球通過ゲート34の検出スイッチ35は、パチンコ機10裏側に配設された前記制御装置に接続されており、該検出スイッチ35の検出に伴って制御装置において前記始動入賞装置28における第2始動入賞口28bを開放するか否かの始動口開放抽選が行なわれ、該始動口開放抽選の結果が当選の場合に、第2始動入賞口28bを開放するよう始動入賞装置28が駆動制御されるようになっている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、前記球通過ゲート34の検出スイッチ35がパチンコ球Pを検出して行なわれる始動口開放抽選の結果が当選となることが、前記始動入賞装置28の第2始動入賞口28bを開放する開放条件とされている。
そして、前記第2始動入賞口28bを開放してから所定の閉鎖条件が成立することで、該第2始動入賞口28bが閉鎖されるようになっている。ここで、前記第2始動入賞口28bを閉鎖する閉鎖条件としては、例えば前記開閉部材28cが入賞許容位置に移動してからの経過時間(第2始動入賞口28bの開放時間)や、第2始動入賞球検出センサによる設定数のパチンコ球Pの検出等が挙げられるが、これに限られるものではない。すなわち、パチンコ機10において入賞口を開閉する開閉式の始動入賞装置に採用される開閉部材28cの開放条件および閉鎖条件に従って、該開閉部材28cを開閉作動するソレノイド(図示せず)が駆動制御される。
(特定条件について)
また、実施例のパチンコ機10では、前記始動入賞装置28の第2始動入賞口28bを開放する開放条件および該第2始動入賞口28bを閉鎖する閉鎖条件は、遊技状態に応じて設定される。すなわち、遊技状態が前記確率変動状態および時間短縮状態の場合には、遊技状態が通常状態の場合に較べて、前記始動入賞装置28の第2始動入賞口28bが開放され易くなるよう前記開放条件や閉鎖条件が設定されて、第2始動入賞口28bへの入賞率を高くするよう構成されている。具体的には、実施例では、遊技状態が前記確率変動状態および時間短縮状態の場合には、遊技状態が通常状態の場合に較べて、前記始動口開放抽選の結果が確定するまでの時間が短くなるよう設定されると共に、第2始動入賞口28bの1回の開放毎の開放時間を長く設定することで、確率変動状態および時間短縮状態における第2始動入賞口28bへの入賞確率を高くしている。例えば、遊技状態が通常状態の場合には、始動口開放抽選の結果が確定するまでの時間が略30秒で、かつ第2始動入賞口28bの開放時間が0.1秒/1回に設定されるのに対し、遊技状態が確率変動状態および時間短縮状態の場合には、始動口開放抽選の結果が確定するまでの時間が略2秒で、かつ第2始動入賞口28bの開放時間が2秒/1回に設定されている。
そして、前記始動入賞装置28の第2始動入賞口28bを開放するか否かの始動開放抽選を行なう契機となる球検出を行なう検出スイッチ35を備える前記球通過ゲート34を、前記遊技盤12の右側部に配置したことで、パチンコ球Pが前記第2経路20bを流下する場合にのみ、該パチンコ球Pが球通過ゲート34を通過可能になっている。従って、実施例のパチンコ機10は、特定の条件が成立した場合(遊技状態が確率変動遊技状態または時間短縮遊技状態となった場合)に、パチンコ球Pを第2経路20bへ打ち出す「右打ち」を実施することで、第2始動入賞口28bへの入賞確率が高い状態である遊技者にとって有利な遊技を享受させ得るよう構成される。また、実施例のパチンコ機10では、前記遊技盤12の第2経路20bにおける遊技釘26の配設数を少なくして、前記大当り状態(特定の条件の成立)に際して「右打ち」を実施することで、当該大当り状態で行なわれるラウンド遊技を早く消化して短時間で多くの賞球を獲得し得る有利な遊技を行ない得るよう構成されている。これに対し、特定条件が不成立の場合(遊技状態が通常状態の場合)には、「右打ち」を実施したとしても遊技者に有利な遊技が行なわれない(逆にパチンコ球Pが早く消費されて遊技者にとっては不利となる)ことから、該特定条件が不成立の場合にはパチンコ球Pを第1経路20aへ打ち出す「左打ち」を実施することで、所定の遊技が行なわれるよう構成されている。このように、遊技者が遊技状態(特定条件の成立・不成立)に応じて前記操作ハンドル18を操作してパチンコ球Pの打ち出し位置を変更するよう構成することで、遊技者に能動的な遊技参加を促し、遊技の興趣を高めるようになっている。そして、実施例において特定条件の成立とは、パチンコ球Pを第2経路20bへ打ち出す「右打ち」を実施するのに適した条件の成立をいうものである。
(設置部材36について)
前記設置部材36は、略矩形状の背面板36aと、該背面板36aの外周縁部から前方に突出する画壁部36b(図5参照)とから前方に開口した箱状に形成されて、該画壁部36bの開口前端部を前記遊技盤12の裏面に当接させた状態で、当該遊技盤12と設置部材36とがネジにより固定される。なお、設置部材36における前端の大きさおよび形状が、前記遊技盤12の外郭形状と略整合するよう形成されている。そして、前記設置部材36において前記遊技盤12との間に画成される空間に、図4に示す如く、各種の可動演出装置37や各種の発光装置38,39,40,41や各種の飾り部材97,98等が設置されて、設置部材36を基材とする1つのユニットとして扱い得るようになっている。また、前記設置部材36の背面板36aには、前記枠状装飾部材27の窓口27aと前後に整列する位置に、略矩形状の開口部36cが前後に開口するよう開設されると共に、該背面板36aの裏側に前記図柄表示装置14が着脱自在に取付けられて、該開口部36cを介して図柄表示装置14の表示部が遊技盤12の前側に臨むようになっている。
(枠状装飾部材27について)
前記遊技盤12に配設される前記枠状装飾部材27は、図2、図6、図7に示すように、前記遊技盤12に開設された前記第1装着口12aに沿って延在する環状に形成された薄板状の固定板42と、該固定板42の開口内周に沿って後方へ突出する内周壁部43と、該固定板42の開口内周に沿って設けられて、遊技盤12の前面より前方へ突出する庇部44とを備える。そして、枠状装飾部材27は、第1装着口12a内に内周壁部43を挿入した状態で、遊技盤12に固定板42が前側からネジ止めされている。前記固定板42、内周壁部43および庇部44の夫々は一体に樹脂形成する構成であっても、別部材として形成する構成であってもよい。
(ステージ45について)
前記枠状装飾部材27には、図6に示す如く、窓口27aの下側(枠状装飾部材27の内周下縁部)に、光透過性のステージ45が配設されると共に、窓口27aの左側に、前記第1経路20a(遊技領域20)に球入口46aを開口して該第1経路20aを流下するパチンコ球Pを取り込む球導入部46が設けられ、該球導入部46の球出口46bがステージ45に連通するよう構成される。そして、球導入部46の球出口46bからステージ45に通出されたパチンコ球Pは、ステージ45上を左右に転動した後に、前記各入賞装置28,29,30,31が配設されている遊技領域20に排出される。すなわち、ステージ45は、球導入部46を通過したパチンコ球Pを一時的に受け入れ、該パチンコ球Pの流下方向を振り分けるよう構成されている。
前記ステージ45は、図8,図9,図10に示す如く、左右方向に延在し、前記球導入部46から通出されたパチンコ球Pが左右方向に転動可能な上段球転動部47と、該上段球転動部47より下方位置において左右方向に延在して設けられ、上段球転動部47から後述する球通過口57,58を通過したパチンコ球Pが左右方向に転動可能な下段球転動部48とを備える2段構成となっている。そして、ステージ45に通入したパチンコ球Pは、最終的には下段球転動部48の前縁(後述する球排出口59)から遊技領域20に排出される。
前記上段球転動部47は、図8に示す如く、全体が下方に突出する凹形状に形成されたものであって、左右方向の中央部に位置する中央転動部分49は上下方向に緩やかに起伏する波形に形成され、該中央転動部分49に接続する左転動部分50は左方に向かうにつれて上方傾斜すると共に、該中央転動部分49に接続する右転動部分51は右方に向かうにつれて上方傾斜するよう形成される。そして、前記球導入部46から通出されるパチンコ球Pは、左転動部分50を中央転動部分49に向けて転動し、該中央転動部分49上のパチンコ球Pは、上下方向に変位しながら左右に転動するようになっている。なお、球導入部46からステージ45に通出されるパチンコ球Pの勢いが強い場合は、パチンコ球Pは中央転動部分49を通過して右転動部分51に至り、該右転動部分51から再び中央転動部分49に転動するよう構成される。実施例の上段球転動部47における中央転動部分49は、上方に突出した凸形状部分(山状の部分)が1箇所設けられると共に、下方に突出した凹形状部分(谷状の部分)を凸形状部分の左右両側部の2箇所に備えた起伏形状に形成される。
前記枠状装飾部材27には、図8および図9に示す如く、前記上段球転動部47における左右の転動部分50,51の前端縁に沿って上方向に延在する第1前壁部52が設けられ、該第1前壁部52における左右の転動部分50,51から上方に延出する部分で、該転動部分50,51を転動するパチンコ球Pが前方(遊技領域20側)へ移動するのを規制するよう構成される。また、枠状装飾部材27には、上段球転動部47における中央転動部分49の前端縁に沿って上方向に延在する第2前壁部53が設けられ、該第2前壁部53における中央転動部分49から上方に延出する部分で、該中央転動部分49を転動するパチンコ球Pが前方(遊技領域20側)へ移動するのを規制するよう構成される。なお、第2前壁部53の高さ寸法は、第1前壁部52より小さく設定され、後述する第2庇状部64との間に前開口部53aが形成されて、枠状装飾部材27より下方の遊領域領20に位置する遊技釘26等に当って跳ね上がったパチンコ球Pが、上段球転動部47(中央転動部分49)へ入るのを許容し得るようになっている。
前記枠状装飾部材27には、上段球転動部47における左右の転動部分50,51の後端縁に沿って上方向に延在する第1後壁部54が設けられ、該第1後壁部54における左右の転動部分50,51から上方に延出する部分で、該転動部分50,51を転動するパチンコ球Pが遊技盤12の後方(図柄表示装置14の表示部側)へ移動するのを規制するよう構成される。なお、図8に示す如く、上段球転動部47における中央転動部分49の後端縁には上方向に延在する壁部はなく、該中央転動部分49を転動するパチンコ球Pの後方への移動を許容するよう構成されている。
前記下段球転動部48は、図8、図10に示す如く、上段球転動部47の真下に位置する前転動部分48aと、該前転動部分48aの後端縁に連続するよう形成されて上段球転動部47より後側に変位して位置する後転動部分48bとを備える。前記枠状装飾部材27には、後転動部分48bの左右の端縁に沿って上方向に延在する側壁部55,55が設けられると共に、後転動部分48bの後端縁に沿って上方向に延在する第2後壁部(仕切板)56が、両側壁部55,55間に亘って設けられている。そして、両側壁部55,55および第2後壁部56における後転動部分48bから上方に延出する部分で、該後転動部分48bを転動するパチンコ球Pが遊技盤12の後方(図柄表示装置14の表示部側)へ移動するのを規制するよう構成される。また両側壁部55,55は、前記第1後壁部54,54における対応する中央側の端縁に夫々接続しており、ステージ45上を転動するパチンコ球Pが遊技盤12の後方へ移動するのを、これら壁部54,54,55,55,56で規制している。なお、第2後壁部56は、透明(光透過性)な合成樹脂材から形成されて、前記設置部材36に配設された後述する第4発光装置41での発光により浮かび上がる図柄107a,108aやその他の発光演出を、該第2後壁部56を透して前側から視認可能に構成される。実施例では、ステージ45上のパチンコ球Pの前方および後方への移動を規制する全ての壁部52,53,54,54,55,55,56が、透明(光透過性)な合成樹脂材から形成されている。
前記第2後壁部56は、図32に示す如く、前記上段球転動部47(中央転動部分49)より上方に延在すると共に、該延在部分における左右方向の中央に、図8に示す如く、左右方向に離間する一対の画壁56a,56aが前方に向けて延出するよう形成される。両画壁56a,56aは、前端が上段球転動部47における中央転動部分49の後端縁に接続すると共に、両画壁56a,56a間に画成された第1の球通過口57を、中央転動部分49の奥側で開口するよう構成される。第1の球通過口57は、1個のパチンコ球Pが通過可能な幅寸法に設定されると共に、該第1の球通過口57は、中央転動部分49における凸形状部分の頂部に対応する上方位置で開口し、中央転動部分49を転動するパチンコ球Pが第1の球通過口57に通入可能に構成される。なお、中央転動部分49における凸形状部分には、後方(第1の球通過口57)に向けて下方傾斜する傾斜凹部49aが形成され、中央転動部分49を左右方向に転動するパチンコ球Pの勢いが弱まって傾斜凹部49aに到来した際には、該傾斜凹部49aによって該パチンコ球Pが第1の球通過口57に案内されるようになっている。また中央転動部分49の奥側において、前記第1の球通過口57の左右両側には、左側の画壁56aと左側の側壁部55との間、および右側の画壁56aと右側の側壁部55との間に第2の球通過口58が夫々形成されており、中央転動部分49上のパチンコ球Pは、第1の球通過口57および2つの第2の球通過口58,58の何れかを通って下段球転動部48に移動するよう構成される。
前記両画壁56a,56a間には、図8に示す如く、前端から所定長さだけ後方の位置に、上下方向に延在する後画壁56bが設けられると共に、該後画壁56bの前面には、前端面が上方から下方に向かうにつれて後方傾斜する案内リブ56cが設けられる。すなわち、前記中央転動部分49から第1の球通過口57に通入したパチンコ球Pは、案内リブ56cによって下方に向けて案内されるようになっている。なお、両画壁56a,56aの下端は、前記後転動部分48bの上面との間にパチンコ球Pが移動可能な隙間をあけて位置して、両画壁56a,56aの下方において後転動部分48bをパチンコ球Pが左右方向に転動するのを許容するよう構成される。また実施例では、前記第1の球通過口57に通入して案内リブ56cで案内されるパチンコ球Pは、前記下段球転動部48における前後の転動部分48a,48bの境界位置に落下するようになっている。
前記下段球転動部48における前転動部分48aは、左右方向の幅寸法が、パチンコ球Pの複数個分の広さ(実施例では3個分以上の広さ)に設定されると共に、該前転動部分48aの前縁には、図8および図10に示す如く、前転動部分48aの幅寸法で前後に開口する球排出口59が形成され、前転動部分48aを前側に向けて転動する全てのパチンコ球Pが球排出口59から遊技領域20に排出されるよう構成される。なお、前転動部分48aは、球排出口59に向けて下方傾斜している。また、前転動部分48aにおける左右方向の中央であって、前記第1の球通過口57の下方に臨む位置に、左右方向に離間する一対の突条60a,60aを前後方向に延在するよう形成して構成された球排出経路部60が設けられている。この球排出経路部60は、一対の突条60a,60aが略球1個分の幅で離間して、1個のパチンコ球Pを球排出口59まで案内し得るよう構成される。また、前転動部分48aの上方に対向する壁(上段球転動部47の底面)と突条60aの上端との離間寸法は、パチンコ球Pの直径より大きく設定されてパチンコ球Pが該突条60aが越えることが可能に構成されて、球排出経路部60と、該球排出経路部60の左右両側の前転動部分48aとの間でのパチンコ球Pの移動を許容し得るようになっている。
ここで、前記球排出経路部60における球排出口59に臨む前端(下流端)は、前記始動入賞装置28に設けた第1始動入賞口28aの鉛直上方に位置して(図2、図10参照)、球排出経路部60で案内されて球排出口59から排出されるパチンコ球Pは、第1始動入賞口28aに入賞し易くなっている。これに対し、球排出経路部60を挟んで左右両側に位置する前転動部分48aにおける球排出口59に臨む前端(下流端)は、第1始動入賞口28aに対して左右に偏倚して位置しており、球排出経路部60を挟んで左右両側の前転動部分48aを転動して球排出口59から排出されるパチンコ球Pは、第1始動入賞口28aに入賞し難くなっている。
前記後転動部分48bの左右方向の幅寸法は、図10に示す如く、前記前転動部分48aより広く設定されると共に、該後転動部分48bは、全体が下方に突出する弧状に形成されている。また後転動部分48bには、左右方向の中央位置に、前側に向けて下方傾斜する中央傾斜凹部61aが形成されると共に、該中央傾斜凹部61aの左右両側に、前側に向けて下方傾斜する側部傾斜凹部61b,61bが形成されている。中央傾斜凹部61aの前端は、前記球排出経路部60の後端に接続し、該中央傾斜凹部61aを前側に向けて転動するパチンコ球Pは、球排出経路部60に入り易くなっている。これに対し、各側部傾斜凹部61bの前端は、前転動部分48aにおける球排出経路部60の左側または右側の部位の後端に接続し、該側部傾斜凹部61bを前側に向けて転動するパチンコ球Pは、球排出経路部60に入り難くなっている。
前記中央傾斜凹部61aおよび2つの側部傾斜凹部61b,61bの後端は、前記第2後壁部56から所定長さ前側に位置するよう設定されて、これら凹部61a,61b,61bの後側の後転動部分48bをパチンコ球Pが凹部61a,61b,61bに入り込むことなく左右方向に転動可能に構成される。すなわち、前記上段球転動部47から後転動部分48bに移動したパチンコ球Pは、中央傾斜凹部61aから球排出経路部60に入り得るようになっている。後転動部分48bは、前記3つの傾斜凹部61a,61b,61bを形成することで、上下の起伏が左右方向で繰り返すようになっており、該後転動部分48bを左右方向に転動するパチンコ球Pは上下方向にも変位する。また、中央傾斜凹部61aおよび2つの側部傾斜凹部61b,61bは、何れも後端から前端に向かうにつれて深さが大きくなり、各前端の底部分が前記前転動部分48aの後端より僅かに高い位置に位置するよう設定されている。なお、中央傾斜凹部61aと各側部傾斜凹部61bとの間における上方に突出した凸形状部分(山状の部分)の前端は、前記球排出経路部60の各突条60aの後端に対応して位置すると共に、該凸形状部分の頂部は突条60aより高に位置に位置している。このように構成することで、各側部傾斜凹部61bに入ったパチンコ球Pが凸形状部分を越える勢いがあれば、球排出経路部60へ入ることは可能になっている。
図8および図9に示す如く、前記上段球転動部47における中央転動部分49の各凹形状部分に対応する後端縁に、後方に向けて延在する張出し部62が夫々形成されている。左側の張出し部62の上面には、中央転動部分49から張出し部62に移動したパチンコ球Pを左方に案内する案内片62aが突設されると共に、右側の張出し部62の上面には、中央転動部分49から張出し部62に移動したパチンコ球Pを右方に案内する案内片62aが突設される。すなわち、中央転動部分49から各張出し部62に移動したパチンコ球Pは、対応する案内片62aによって前記下段球転動部48の後転動部分48bにおける左右方向の端部側に向けて案内されるようになっている。なお、前記画壁56a,56aと張出し部62,62との間の第2の球通過口58を通過したパチンコ球Pは、前記側部傾斜凹部61b上に落下するよう設定されている。
(庇状部63,64について)
前記第1後壁部54の上端縁に、前方に向けて延在する透明な第1庇状部63が設けられている。また、前記第2後壁部56の上端縁に、前方に向けて延在する透明な第2庇状部(庇状部)64が設けられている。第2庇状部64は、図6に示す如く、上庇状部分64aと、該上庇状部分64aの左右両端に連設された側庇状部分64b,64bとから下向きの略コ字状に形成されて、各側庇状部分64bに前記側壁部55および第1庇状部63が連設されている。上庇状部分64aに対して左右の側庇状部分64b,64bは、下方に向かうにつれて外方に傾斜するよう連設される。また上庇状部分64aは、図31、図32に示す如く、第2後壁部56から前側に向かうにつれてステージ45(上段球転動部47)から離間するように上方傾斜し、左右の両側庇状部分64b,64bは、上庇状部分64aが傾斜するのに合わせて第2後壁部56から前側に向かうにつれて相互に離間する方向に傾斜するよう構成される。なお、前記左右の側壁部55,55についても、第2後壁部56から前側に向かうにつれて相互に離間する方向に傾斜するよう構成されている。すなわち、第2後壁部56の前側において左右の側壁部55,55および第2庇状部64とで画成される空間が、第2後壁部56から前側に向かうにつれて上方および左右方向に広がり、前側からの第2後壁部56の視認性が向上するよう構成されている。
前記第1庇状部63および第2庇状部64の前端部は同一位置に位置すると共に、該前端部は、図31、図32に示す如く、前記透視保護板15aの裏面に近接するよう位置決めされている。第1庇状部63および第2庇状部64の前端部と透視保護板15aとの隙間は、パチンコ球Pの直径より小さく設定されており、遊技領域20を流下するパチンコ球Pが、前記枠状装飾部材27の窓口27aから後方へ移動するのを両庇状部63,64で確実に防止するよう構成されている。
(庇部44について)
前記枠状装飾部材27の庇部44は、枠状装飾部材27(固定板42)の左側縁の中間位置から上縁および右下縁に亘って連続して延在するよう設けられており、図柄表示装置14の前面側を横切ってパチンコ球Pが流下(落下)するのを規制している。また庇部44は、最上部位置から左右方向に下方傾斜するよう形成されて、遊技領域20に打ち出されたパチンコ球Pが庇部44上で滞ることなく前記枠状装飾部材27の左側方または右側方へ誘導案内されるよう形成されている。以下の説明では、前記庇部44について、図6に示す如く、前記枠状装飾部材27の最上部から左側縁に沿って下方傾斜するよう延在する部分を左傾斜庇部分65と指称し、該枠状装飾部材27の最上部から右側縁に沿って下方傾斜するよう延在する部分を右傾斜庇部分66と指称して便宜上区別することもある。
すなわち、前記遊技盤12に画成された遊技領域20には、前記枠状装飾部材27の左側方をパチンコ球Pが流下する第1経路(第1球流下経路)20a、および該枠状装飾部材27の右側方をパチンコ球Pが流下する第2経路20bが設けられており、前記庇部44の左傾斜庇部分65に到来したパチンコ球Pが第1経路20aを流下し、該庇部44の右傾斜庇部分66に到来したパチンコ球Pが第2経路20bを流下するようになっている。換言すると、前記打球発射装置により遊技領域20内に発射されたパチンコ球Pは、到達位置に応じて前記枠状装飾部材27およびレール部材23(内レール22,23)の間に形成される第1経路20aか、或いは枠状装飾部材27および盤面飾り部材22(内レール22,23)の間に形成される第2経路20bの何れかを流下する。
(右傾斜庇部分66について)
前記右傾斜庇部分66は、図11に示す如く、前記外レール21と盤面飾り部材22との接続位置に対応する位置を始端として枠状装飾部材27の上下方向の略中間位置までに亘って略一定の曲率で湾曲するように延在する上部庇部分66aと、該上部庇部分66aの下端に接続されて所定長さに亘り枠状装飾部材27の窓口27a側に凹むように形成された中部庇部分66bと、該中部庇部分66bの下端に接続されて前記始動入賞装置28側に向けて略直線状に下方傾斜する下部庇部分66cとを備える。
(第1の減勢部67について)
図6に示すように、前記右傾斜庇部分66における上部庇部分66aの外周面には、前後方向へ延在する突条の第1の減勢部(減勢部)67が外方(第2経路20b側)へ突出するよう複数箇所(実施例では2箇所)に形成されている。また、前記外レール21と盤面飾り部材22との接続位置より下側において前記第2経路20bを形成する前記枠状装飾部材27(上部庇部分66a)と盤面飾り部材22との間は、パチンコ球1個分の幅寸法より大きく、かつパチンコ球2個分の幅寸法より小さな幅寸設に設定されている。第2経路20bにおいて、幅寸法がパチンコ球1個分の幅寸法より大きく、かつパチンコ球2個分の幅寸法より小さな幅寸設に設定された領域について、減勢経路部(第2球流下経路)20cと指称して区別する場合もある。すなわち、前記特定条件成立時に第2経路20bへ打ち出されたパチンコ球Pが、前記上部庇部分66aに沿って減勢経路部20cを転動した際に、前記第1の減勢部67に接触することで減勢されるよう構成してある。
また、前記第1の減勢部67は、図6および図11に示す如く、外方(第2経路20b)に向けて三角形状に突出するリブからなり、上部庇部分66aの外周面から該第1の減勢部67の第2経路20b(減勢経路部20c)側の突出端までの突出寸法は、パチンコ球Pの半分の幅寸法(パチンコ球Pの半径)より小さく設定される。すなわち、第1の減勢部67の前記突出寸法をパチンコ球Pの半分の幅寸法より大きくすると、上部庇部分66aに沿って転動するパチンコ球Pが第1の減勢部67に接触した際に勢いが大きく減勢されてしまい、第2経路20b(減勢経路部20c)でのパチンコ球Pの流れが滞るおそれがある。従って、第1の減勢部67の突出寸法をパチンコ球Pの半分の幅寸法より小さく設定することで、第2経路20b(減勢経路部20c)でのパチンコ球Pの流れを滞らせることなく、該パチンコ球Pの勢いを適度に減勢し得るようになっている。
(第2の減勢部75および第3の減勢部69について)
前記中部庇部分66bは、実施例では、枠状装飾部材27における庇部44および固定板42を一部切欠き、該切欠き部に装飾品を兼ねる庇部品68を嵌め合わせた状態で枠状装飾部材27に複数箇所でネジ止めすることで構成されている。この庇部品68は、図12〜図15に示す如く、前記上部庇部分66aの下端に連設する第3の減勢部として機能する案内壁69と、該案内壁69の下端から枠状装飾部材27の窓口27a側に向けて延在する上壁70および該上壁70の左端から下方に向けて延在して前記下部庇部分66cに接続する側壁71とを備える。また、庇部品68における案内壁69の後端には、第2経路20b側に延在する固定部72が一体に設けられ、該固定部72は遊技盤12にネジ止め固定される。なお、庇部品68の固定部72は、枠状装飾部材27の切欠かれた固定板42の下端に連続するように位置すると共に、該固定部72および固定板42の前面は面一となっており、固定板42と固定部72との間で段差が生じないよう構成される。
前記庇部品68における案内壁69の第2経路20bに臨む外面は、上部庇部分66aの外周面から前記窓口27a側に変位した位置で上下方向に延在している。また庇部品68には、案内壁69との間に上下方向に開口する通路73を画成する通路形成部材74が取付けられている。この通路形成部材74は、図13、図15に示す如く、案内壁69から右方に離間して対向する第2の減勢部として機能する側壁部75と、該側壁部75の前端から案内壁69側に向けて前記固定部72と平行に延在する取付部76とを備える。また、取付部76の延出端部に、後方に向けて延出する固定用突部76aが突設されると共に、側壁部75の後端に位置決めピン75aが突設されている。一方、庇部品68には、案内壁69の左側(窓口27a側)に、前方に開口する凹部68aが形成されると共に、該凹部68aの底部(後端部)にネジ用通孔68bが形成されている。また、前記固定部72の右端部に位置決め孔72aが形成されると共に、該位置決め孔72aを挟む上下両側にネジ用通孔72bが夫々形成されている。そして、固定用突部76aを凹部68aに嵌挿すると共に、位置決めピン75aを位置決め孔72aに嵌挿したもとで、各ネジ用通孔68b,72bに挿通したネジを対応する固定用突部76aおよび側壁部75に形成したネジ孔に螺挿することで、案内壁69、固定部72、側壁部75および取付部76によって上下方向に開口する通路73を画成した状態で、庇部品68に通路形成部材74が位置決め固定される。案内壁69と側壁部75との間に画成される通路73の幅は、パチンコ球Pの通過を許容する球1個分の寸法(実際には球1個分より僅かに大きく、パチンコ球Pのスムーズな通過を許容する寸法)に設定され、前記上部庇状部66aを転動してくるパチンコ球Pが該通路73を通過して下側に移動するよう構成される。
前記通路形成部材74を固定した庇部品68を枠状装飾部材27に配設した状態で、通路形成部材74の側壁部75は、上部庇部分66aの外周面に沿って転動してくるパチンコ球Pの流下経路上に位置し、該上部庇部分66aの外周面に沿って転動してくるパチンコ球Pは側壁部75に接触して流下方向が庇部品68の案内壁69に向けて変更させられるようになっている。すなわち、側壁部75に接触したパチンコ球Pは、案内壁69に接触して通路73を通過するよう構成される。前記側壁部75の上端面は、前記盤面飾り部材22側から案内壁69側に向けて下方傾斜するよう形成されて、該側壁部75の上端面に接触したパチンコ球Pがスムーズに案内壁69に向けて変位されるようにしてある。なお、実施例では庇部品68および通路形成部材74を別体で形成して枠状装飾部材27に配設したが、該庇部品68および通路形成部材74を枠状装飾部材27に一体形成してもよい。また実施例では、前記案内壁69と側壁部75との間に画成される通路73の下端までが前記減勢経路部20cとして設定され、該減勢経路部20cの下流端部に第2の減勢部である側壁部75および第3の減勢部である案内壁69が位置している。
なお、前記第2経路20bを形成する前記枠状装飾部材27の中部庇部分66bと盤面飾り部材22との間は、図11に示す如く、前記減勢経路部20cの通路幅より広く、該減勢経路部20c(通路73)を通過したパチンコ球Pは、左右方向に大きく移動可能に構成される。また、第2経路20bを形成する枠状装飾部材27の下部庇部分66cは、後述する右前飾り部材33の延出壁94cの上方に対向し、該下部庇部分66cと延出壁94cとの間は、前記減勢経路部20cの通路幅と略同一に設定され、第2経路20bを流下するパチンコ球Pは、全て右前飾り部材33の延出壁94cで左方(始動入賞装置28側)に向けて案内されるようになっている。
(球通過ゲート34について)
前記球通過ゲート(遊技部品)34は、遊技盤12に設けられた前記第5装着口12fに一部が挿入された状態で、遊技盤12に前側からネジ止めされている。図16、図17に示す如く、前記球通過ゲート34は、遊技盤12に取付けられる本体部77と、該本体部77に対して着脱自在に取付けられる装飾部材78と、該本体部77に着脱自在に配設される検出スイッチ(検出手段)35とを備える。球通過ゲート34は、図11に示す如く、前記減勢経路部20cより下流側の第2経路20bに位置して、減勢経路部20cを通過したパチンコ球Pが通過するようになっている。
(本体部77について)
前記球通過ゲート34の本体部77は、図16〜図21に示す如く、遊技盤12に前側から取付けられる基部79と、該基部79に設けられて遊技盤12の前面から前側に突出して前記遊技領域20に位置する支持部80とを備える。基部79は、前記第5装着口12fを前面から覆い得る寸法に設定した平板状の台板79aを備え、該台板79aには前後方向に貫通するスイッチ装着孔79bが開設されている。また台板79aの裏面には、スイッチ装着孔79bを囲繞する筒状の挿入筒部79cが突設され、該挿入筒部79cを第5装着口12fに前側から挿入すると共に台板79aの裏面を遊技盤12の前面に当接した状態で、該台板79aを複数箇所で遊技盤12にネジ止めすることで、本体部77が遊技盤12に固定される。なお、台板79aの裏面には、挿入筒部79cを挟む左右両側に位置決めピン79dが夫々突設され、該位置決めピン79dを遊技盤12に設けた対応する位置決め孔(図示せず)に挿入することで、本体部77は遊技盤12に正確に位置決めされるようになっている。
前記支持部80は、台板79aにおけるスイッチ装着孔79bを挟む左右両側から前方に延在する一対の支持片80a,80aから構成され、各支持片80aには、他方の支持片80aとの対向面側に開放すると共に前後方向に延在する溝部81が夫々形成されている。該溝部81は、図16に示す如く、正面視において横向き凸状に形成されており、実施例では支持片80aの対向面から離間する側に位置する上下寸法の小さな溝部分を第1溝81aと称し、対向面側に位置する上下寸法の大きな溝部分を第2溝81bと指称するものとする。両支持片80a,80aにおける両第1溝81a,81a間の離間寸法L1は、前記装飾部材78における後述する一対の取付片85a,85aにおける離間寸法M1と対応するのに対し、両第2溝81b,81b間の離間寸法L2は、前記検出スイッチ35の左右方向の幅寸法M2に対応するよう設定されている。また両支持片80a,80aの対向面間の離間寸法は、パチンコ球Pの直径より大きく設定され、両支持片80a,80aの間に形成される上下方向に開口する球通過口(開口部)82を、遊技領域20(第2経路20b)を流下するパチンコ球Pが通過し得るようになっている。
ここで、一方(実施例では右側)の支持片80aにおける第1溝81aを画成する下壁の前端面は、図16、図21に示す如く、前側から後側に向かうにつれて上方傾斜する向き規制面80bとされており、該向き規制面80bが、後述するように前記装飾部材78の逆付け防止手段として機能するよう構成される。また各支持片80aにおける第1溝81aを画成する側壁の前端面には、外側から内側に向かうにつれて後方傾斜する傾斜案内面80cが夫々形成されており、装飾部材78の後述する取付部85の第1溝81a,81aに対する挿入を容易に行ない得るようにしてある。
前記挿入筒部79cの内周における左右両側は、各支持片80aの溝部81に整合する横向き凸状に夫々形成され(図17参照)、各支持片80aの溝部81に前側から挿通された前記装飾部材78の後述する取付片85a,85aおよび検出スイッチ35の後部がスイッチ挿着孔79bを挿通可能に構成されている。また、挿入筒部79cの内周における左右両側には、各第1溝81aと対応する部分を更に外方に広げることで係合部79eが夫々形成され、該係合部79eに対応する取付片85aの爪部85bが係脱自在に係合するよう構成される(図18、図17参照)。
前記挿入筒部79cの後端に、図20、図21に示す如く、前記スイッチ装着孔79bの下側において後方に向けて延在するスイッチ係止片83が設けられ、該スイッチ係止片83の上面後端には、上方に突出する爪部83aが設けられている。このスイッチ係止片83は、スイッチ装着孔79bに挿通された検出スイッチ35を下側から支持すると共に、爪部83aが検出スイッチ35の後端に係合することで、該検出スイッチ35の後方移動を規制するよう構成される。
(装飾部材78について)
前記装飾部材78は、図16〜図21に示す如く、平板状で前面および外周面に装飾が施された意匠体84と、該意匠体84の裏面に突設された取付部85とを備える。取付部85は、左右方向に離間して後方に向けて所定長さで延在する弾性変形可能な一対の取付片85a,85aから構成され、各取付片85aにおける他方の取付片85aから離間する外側面の後端部に、外方に突出する爪部85bが夫々設けられている。両取付片85a,85aにおける外側面間の離間寸法M1は、前記支持部80における一対の第1溝81a,81aの離間寸法L1と略同一に設定されると共に、各取付片85aの上下寸法は第1溝81aの上下寸法と略同一に設定されて、両取付片85a,85aを対応する第1溝81a,81aに前側から挿入した際には略ガタ付きなく嵌挿されるようになっている。また、取付片85aの意匠体84裏面からの突出寸法は、図18、図19に示す如く、第1溝81aに前側から取付片85aを挿入し、意匠体84の裏面が前記支持片80aの前面に当接した状態で、該取付片85aの爪部85bが前記挿入筒部79cの係合部79eに係脱自在に係合するよう設定される。すなわち、前記爪部85b,85bを対応する係合部79e,79eに係合して本体部77に装飾部材78を取付けた状態では、取付部85(両取付片85a,85aおよび爪部85b,85b)は支持部80(両支持片80a,80a)で覆われて遊技領域20に露出しないようになっている。なお、前記意匠体84に施される装飾としては、メッキや塗装、その他シールを貼着することで形成し得るが、彫刻等によって立体的な装飾とすることで、他機種との差別化が図られて好適である。
また、前記本体部77に装飾部材78を取付けた状態で支持部80の前側に位置する意匠体84の前面は、前記透視保護板15aの裏面に近接し、遊技領域20を流下するパチンコ球Pが意匠体84に接触する可能性は低くなっている(図20、図21参照)。ここで、パチンコ機10を遊技店の設置枠台に取付けた状態において遊技盤12は上端側が後傾するようになっており、遊技領域20を流下するパチンコ球Pは遊技盤12の前面(盤面)を転動して透視保護板15aに接触し難くなっている。すなわち、前記球通過ゲート34が配設されている領域(第2経路20b)を盤面に沿って流下するパチンコ球Pが盤面から前方に延在する支持部80に接触する可能性より、該パチンコ球Pが支持部80の前側に位置する意匠体84に接触する可能性の方が低くなっている。
なお、前記向き規制面80bが形成された支持片80aの第1溝81aに挿入される一方の取付片85aにおける意匠体84側の根元部下面に、該向き規制面80bの傾斜に対応する後側から前側に向かうにつれて下方傾斜する傾斜面が形成された第1取付け規制部(逆付け防止手段)85cが突設されている(図17参照)。すなわち、意匠体84に施した装飾の上下方向が正しい向きで支持片80aの第1溝81aに対応する一方の取付片85aを挿入した場合は、向き規制面80bと第1取付け規制部85cの傾斜面とが整合当接することで、取付片85aは意匠体84の裏面が支持片80aの前面に当接する位置まで挿入し得る。これに対し、意匠体84に施した装飾の上下方向が不正となる向き(上下が逆となる向き)で支持片80aの第1溝81aに取付片85aを挿入した場合は、第1取付け規制部85cが、向き規制面を形成していない支持片80aの上壁前端に当接して、意匠体84の裏面が支持片80aの前面に当接する位置までの取付片85aの挿入が阻まれるようになっている。
また、前記第1取付け規制部85cが設けられていない他方(実施例では左側)の取付片85aにおける意匠体84側の根元部内面に、図18、図19に示す如く、後側から前側に向かうにつれて一方(右側)の取付片85aに近接するように傾斜する傾斜面が形成された第2取付け規制部85dが突設されており、該第2取付け規制部85dが、検出スイッチ35の逆付け防止手段として機能するよう構成される。なお、第2取付け規制部85dは、第1取付け規制部85cが設けられている取付片85aに設けてもよく、検出スイッチ35の後述する逆付け規制面35cと対応する側に設けられていればよい。
(検出スイッチ35について)
前記球通過ゲート34に配設される前記検出スイッチ35は、図16、図17に示す如く、矩形状のスイッチ本体35aに、略円形状をなす球通過孔35bを備え、該球通過孔35bの内径は、パチンコ球Pの直径よりもやや大きく設定される。スイッチ本体35aの左右方向の幅寸法M2は、前記本体部77の支持部80における第2溝81b,81bの離間寸法L2、すなわち第1溝81a,81aに挿入された取付片85a,85aの対向面間の離間寸法と略同一に設定される。そして、検出スイッチ35は、スイッチ本体35aが前記本体部77における挿入筒部79cの後側からスイッチ装着孔79bに挿入されると共に、該スイッチ本体35aの左右両端部が支持部80の第2溝81b,81bに挿通支持された状態で本体部77に取付けられる。また検出スイッチ35は、スイッチ本体35aの前端が本体部77に取付けられている意匠板84の裏面に当接した状態で、該スイッチ本体35aの後端に前記スイッチ係止片83の爪部83aが係脱自在に係合することで、本体部77に対して上下・左右・前後の位置決めがなされるようになっている(図18、図20参照)。そして、検出スイッチ35が本体部77に取付けられた状態において、前記球通過孔35bは、前記支持部80に形成された球通過口82内に位置するようになっている。これにより、検出スイッチ35は、球通過孔35b(球通過口82)を通過するパチンコ球Pを検出し得るよう構成される。そして、検出スイッチ35は、パチンコ球Pの通過を検出して球検出信号を前記制御装置に出力するようになっている。
前記検出スイッチ35が本体部77に取付けられた状態において、前記スイッチ本体35aの左右両側面が、図18に示す如く、前記第1溝81a,81aに挿入されている取付片85a,85aの内側面に当接し、該取付片85a,85aの内側への弾性変形を規制するよう構成される。すなわち、一対の取付片85a,85aの間にスイッチ本体35aが存在している状態では、前記本体部77に設けた係合部79eから爪部85bの係合を解除する取付片85aの内側への弾性変形が規制されており、本体部77から装飾部材78の脱落は確実に防止されるようになっている。
なお、前記スイッチ本体35aにおいて、前記装飾部材78の第2取付け規制部85dが設けられている他方の取付片85aと対応する前側の一方の角部には、第2取付け規制部85dに形成されている傾斜面に対応する前側から後側に向かうにつれて外方へ傾斜する逆付け規制面35cが形成されている。すなわち、検出スイッチ35の上下方向が正しい向きでスイッチ本体35aの両側部が支持部80の第2溝81b,81bに挿通された場合は、逆付け規制面35cと第2取付け規制部85dの傾斜面とが整合当接することで、スイッチ本体35aは、後端に前記スイッチ係止片83の爪部83aが係合する位置まで挿通し得る。これに対し、検出スイッチ35の上下方向が不正となる向き(上下が逆となる向き)でスイッチ本体35aの両側部が支持部80の第2溝81b,81bに挿通された場合は、スイッチ本体35aの逆付け規制面35cが形成されていない他方の角部が第2取付け規制部85dに当接することで、スイッチ本体35aは、後端に前記スイッチ係止片83の爪部83aが係合する位置までの挿通が阻まれるようになっている。
(第1発光装置38について)
前記ステージ45における後転動部分48bの下方で、前記始動入賞装置28の後方に配設された前記第1発光装置38について説明する。第1発光装置38は、図5、図22に示す如く、全体が金属メッキされた取付体86を基本とし、該取付体86が前記設置部材36の下側の背面板36aに前側からネジ止め固定される。取付体86の中央部には、始動入賞装置28における遊技盤12の後側に延出する部分の挿通を許容する下方に開口する凹部86aが形成されている。また、取付体86における凹部86aを挟む左右両側に、複数の通孔86bが形成されると共に、該取付体86における凹部86aを挟む左右両側の裏側には、各通孔86bと対応する位置に光拡散部87aを設けた光透過性の光透過部材87が夫々配設されている。また取付体86の裏側には、各光透過部材87の裏面に対向するように第1装飾用LED基板88が夫々配設されており、該装飾用LED基板88に実装したLED88aの光が光拡散部87aに照射されて、始動入賞装置28の左右両側の遊技領域20を遊技盤12を介して発光装飾するよう構成されている。
前記取付体86の上端部裏側には、図31、図32に示す如く、前記ステージ45における後転動部分48bの下側を後方に向けて略水平に延在する延出部89が設けられており、該延出部89における後転動部分48bの下方に対向する部位に、上下方向に貫通する複数の光透過孔89aが設けられている。また、延出部89の下面に第2装飾用LED基板90が配設され、該基板90には、各光透過孔89aと対応する位置にLED90aが実装されている。すなわち、第2装飾用LED基板90に設けたLED90aを発光することで、前記後転動部分48bを下側から照明し得るようになっている。なお、取付体86には、パチンコ機10裏側に配設された電源基板(図示せず)に電気的に接続するアース線(図示せず)が接続されて、該取付体86(第1発光装置38)をアースしている。
(前飾り部材32,33について)
前記左第4装着孔12dに対応して遊技盤12に配設される左前飾り部材(飾り部材)32は、図23、図25に示す如く、後側に開口する箱状に形成されて左第4装着孔12dを前側から部分的に覆い得る第1箱状本体91と、該第1箱状本体91の後端において外方に延出するように設けられた第1取付片92と、該第1箱状本体91に配設されて後方へ所定長さ延出する第1導光部材93とから構成される。そして、第1取付片92を遊技盤12の前面に当接させ、該第1取付片92を遊技盤12に金属製(導電性)のネジでネジ止めすることで、第1箱状本体91が遊技領域20に位置する状態で当該左前飾り部材32が遊技盤12に固定される。第1箱状本体91を遊技盤12に固定した状態で、第1導光部材93が左第4装着孔12dに挿入されると共に、該第1導光部材93の後端は、遊技盤12の裏面と略同一位置に位置している。なお、第1箱状本体91は、前記左第4装着口12dにおいて、該第4装着口12dに配設された前記左普通入賞装置30により塞がれていない部分を覆い得る寸法および形状に形成されると共に、該第1箱状本体91には左普通入賞装置30が部分的にネジ止め固定されている。
前記第1箱状本体91の前板91aには、複数の光透過部91bが形成されている。この光透過部91bは、光透過性の合成樹脂材から形成された第1箱状本体91に、非光透過性の金属メッキや塗装で部分的に装飾を施し、該装飾を施していない部分として形成したり、あるいは前板91aに通孔を形成し、該通孔にレンズ部材等の透明部材を嵌め込む等の各種の形態で形成される。前記第1導光部材93は、非光透過性の合成樹脂材から形成されると共に、第1箱状本体91の各光透過部91bに対応して前後方向に延在する光導通路93aが前後に開口して設けられ、前記第2発光装置39のLED99a(後述)からの光を各光導通路93aを介して第1箱状本体91の光透過部91bに導くよう構成される。また第1箱状本体91の裏面には、前記光透過部91bを除く部分に金属メッキが施されており、前記第1取付片92の金属メッキが施された裏面を遊技盤12に当接することで、該第1箱状本体91(左前飾り部材32)は遊技盤12に対して電気的に導通状態で取付けられている。なお、第1箱状本体91の前板91aの外周縁から後側に延在する延出壁91cは、図2、図23に示す如く、遊技領域20を流下するパチンコ球Pが当接可能な位置にあって、該パチンコ球Pを左普通入賞装置30に向けて案内し得るよう構成される。ここで、延出壁91cの表面に金属メッキを施し、パチンコ球Pとの接触により該パチンコ球Pに帯電している静電気を左前飾り部材32に流し得るようにするのが好ましい。
前記右第4装着口12eに配設される右前飾り部材33の構成は、基本的には前記左前飾り部材32と同じであって、図26、図28に示す如く、後側に開口する箱状に形成されて右第4装着孔12eを前側から部分的に覆い得る第2箱状本体94と、該第1箱状本体94の後端において外方に延出するように設けられた第2取付片95と、該第1箱状本体94に配設されて後方へ所定長さ延出する第2導光部材96とから構成される。そして、第2取付片95を遊技盤12の前面に当接させ、該第2取付片95を遊技盤12に金属製(導電性)のネジでネジ止めすることで、第2箱状本体94が遊技領域20に位置する状態で当該前右飾り部材33が遊技盤12に固定される。第2箱状本体94を遊技盤12に固定した状態で、第2導光部材96が右第4装着孔12eに挿入されると共に、該第2導光部材96の後端は、遊技盤12の裏面と略同一位置に位置している。なお、第2箱状本体94は、前記右第4装着口12eにおいて、該右第4装着口12eに配設された前記右普通入賞装置31により塞がれていない部分を覆い得る寸法および形状に形成されると共に、該第2箱状本体94には右普通入賞装置31が部分的にネジ止め固定されている。
前記第2箱状本体94の前板94aには、前記第1箱状本体91の形態と同様の複数の光透過部94bが形成されている。前記第2導光部材96は、非光透過性の合成樹脂材から形成されると共に、第2箱状本体94の各光透過部94bに対応して前後方向に延在する光導通路96aが前後に開口して設けられ、前記第3発光装置40のLED103a(後述)からの光を各光導通路96aを介して第2箱状本体94の光透過部94bに導くよう構成される。また第2箱状本体94の裏面には、前記光透過部94bを除く部分に金属メッキが施されており、前記第2取付片95の金属メッキが施された裏面を遊技盤12に当接することで、該第2箱状本体94(右前飾り部材33)は遊技盤12に対して電気的に導通状態で取付けられている。なお、第2箱状本体94の前板94aの外周縁から後側に延在する延出壁94cは、図2、図26に示す如く、遊技領域20を流下するパチンコ球Pが当接可能な位置にあって、該パチンコ球Pを右普通入賞装置31に向けて案内し得るよう構成される。ここで、延出壁94cの表面に金属メッキを施し、パチンコ球Pとの接触により該パチンコ球Pに帯電している静電気を右前飾り部材33に流し得るようにするのが好ましい。
(後飾り部材97,98について)
前記第1発光装置38における取付体86の左側に、遊技盤12に形成した前記左第4装着口12dの裏側に臨む左後飾り部材97が、該取付体86に金属性(導電性)のネジを介してネジ止め固定されている。また、該取付体86の右側に、遊技盤12に形成した前記右第4装着口12eの裏側に臨む右後飾り部材98が、該取付体86に金属性(導電性)のネジを介してネジ止め固定されている。左右の後飾り部材97,98は、前記設置部材36に対しても金属性(導電性)のネジを介してネジ止め固定されている。図5、図22に示す如く、左後飾り部材97に、前記第2発光装置39の後述する箱状体101を収容する収容開口97aが形成されると共に、右後飾り部材98に、前記第3発光装置40の後述する箱状体105を収容する収容開口98aが形成されている。また左右の後飾り部材97,98は、何れも透明な(光透過性の)合成樹脂材料で形成された本体部に、各種図柄が塗装により形成されたり、あるいはメッキ等により不透明とされた各種装飾体を部分的に配設して構成される。なお、実施例では、左右の後飾り部材97,98の一部に、他の部材との接触により電気的に導通可能な金属メッキが施された導通部97b,98bが設けられている。
(第2発光装置39について)
前記左後飾り部材97には、前記左第4装着口12dの形成位置に対応して、前記左前飾り部材32の光透過部91bを裏側から照明可能な前記第2発光装置39が配設される。この第2発光装置39は、図5、図22、図24に示す如く、前面に複数のLED(発光体)99aを実装した第1飾り用発光基板(発光基板)99と、該第1飾り用発光基板99の前面を覆った状態で該第1飾り用発光基板99を保持する第1カバー体(カバー体)100とを備える。第1カバー体100は、絶縁材料である透明な合成樹脂材から形成されたものであって、平板状の板部の外周縁に後側に突出するよう壁部を形成した後方に開口する箱状体101を備える。この箱状体101の板部には、第1飾り用発光基板99に実装したLED99aと対応する位置に光透過部としての貫通孔101aが前後に開口するよう形成されている。また箱状体101には、壁部から内側に延出して第1飾り用発光基板99の外周縁部に係脱自在に係合する第1係止片(係合部)101bが一体で設けられる。更に、箱状体101には、第1飾り用発光基板99を挟んで第1係止片101bとは反対側の位置に、第1飾り用発光基板99の外周縁部に係脱自在に係合する弾性変形可能な第1係合フック(係合部)101cが一体で設けられている。そして、第1係止片101bおよび第1係合フック101cが外周端部に係合した第1飾り用発光基板99は、各LED99aが対応する貫通孔101a内に臨む状態で、箱状体101の内部に収容保持され、第1カバー体100と第1飾り用発光基板99とは一体で取扱い得るようになっている。すなわち、第1カバー体100に対し、第1飾り用発光基板99は絶縁材料からなる第1係止片101bおよび第1係合フック101cによってのみ保持される。
前記箱状体101の外周縁には、複数のフランジ部101dが、前記第1飾り用発光基板99が収容される部位から離間する外方に向けて延在するように形成される。そして、箱状体101の各フランジ部101dを、前記設置部材36に配設されている前記左後飾り部材97に対して金属性のネジ(導電性のネジ)102でネジ止めすることで、第2発光装置39が左後飾り部材97に位置決め固定される。なお、前記第1カバー体100は、左後飾り部材97の前記収容開口97aに箱状体101の後部側が収容された状態で、該収容開口97aの外側においてフランジ部101dが左後飾り部材97にネジ止めされている。すなわち、左後飾り部材97に対する第1カバー体100のネジ止め位置は、該第1カバー体100に保持されている前記第1飾り用発光基板99の保持部位から外側に離間し、遊技盤12側からネジ102に静電気が流れた際のLED99aに及ぼす影響を少なくし得るようになっている。
ここで、前記設置部材36を遊技盤12の裏側に取付けた際に、図25に示す如く、該第2発光装置39の第1カバー体100の前面が前記第1導光部材93の裏面に対向すると共に、該第1導光部材93の各導光通路93aの後側に夫々LED99aが対応して位置し、該LED99aを発光することで、前記左前飾り部材32の光透過部91bを裏側から照らし得るよう構成されている。
(第3発光装置40について)
前記右後飾り部材98には、前記右第4装着口12eの形成位置に対応して、前記右前飾り部材33の光透過部94bを裏側から照明可能な前記第3発光装置40が配設される。この第3発光装置40の基本構成は、前記第2発光装置39と同じであって、図5、図22、図27に示す如く、前面に複数のLED(発光体)103aを実装した第2飾り用発光基板(発光基板)103と、該第2飾り用発光基板103の前面を覆った状態で該第2飾り用発光基板103を保持する第2カバー体(カバー体)104とを備える。第1カバー体104は、絶縁材料である透明な合成樹脂材から形成されたものであって、平板状の板部の外周縁に後側に突出するよう壁部を形成した後方に開口する箱状体105を備える。この箱状体105の板部には、第2飾り用発光基板103に実装したLED103aと対応する位置に光透過部としての貫通孔105aが前後に開口するよう形成されている。また箱状体105には、壁部から内側に延出して第2飾り用発光基板103の外周縁部に係脱自在に係合する第2係止片(係合部)105bが一体で設けられる。更に、箱状体105には、第2飾り用発光基板103を挟んで第2係止片105bとは反対側の位置に、第2飾り用発光基板103の外周縁部に係脱自在に係合する弾性変形可能な第2係合フック(係合部)105cが一体で設けられている。そして、第2係止片105bおよび第2係合フック105cが外周端部に係合した第2飾り用発光基板103は、各LED103aが対応する貫通孔105a内に臨む状態で、箱状体105の内部に収容保持され、第2カバー体104と第2飾り用発光基板103とは一体で取扱い得るようになっている。すなわち、第2カバー体104に対し、第2飾り用発光基板103は絶縁材料からなる第2係止片105bおよび第2係合フック105cによってのみ保持される。
前記箱状体105の外周縁には、複数のフランジ部105dが、前記第2飾り用発光基板103が収容される部位から離間する外方に向けて延在するように形成される。そして、箱状体105の各フランジ部105dを、前記設置部材36に配設されている前記右後飾り部材98に対して金属性のネジ(導電性のネジ)102でネジ止めすることで、第3発光装置40が右後飾り部材98に位置決め固定される。なお、前記第2カバー体104は、右後飾り部材98の前記収容開口98aに箱状体105の後部側が収容された状態で、該収容開口98aの外側においてフランジ部105dが右後飾り部材98にネジ止めされている。すなわち、右後飾り部材98に対する第2カバー体104のネジ止め位置は、該第2カバー体104に保持されている前記第2飾り用発光基板103の保持部位から外側に離間し、遊技盤12側からネジ102に静電気が流れた際のLED103aに及ぼす影響を少なくし得るようになっている。なお、第3発光装置40では、第2カバー体104を右後飾り部材98に固定するネジ102は、該右後飾り部材98に設けた前記導通部98に接触している。また、右後飾り部材98を前記設置部材36に固定するネジに関しても、該導通部98に接触しており、遊技盤12に帯電している静電気をネジ102および導通部98bを介して設置部材36に逃し得るようになっている。なお、第2発光装置39に関しても、第3発光装置40と同様にネジ102および左後飾り部材97の導通部97bを介して静電気を設置部材36に逃し得るよう構成してもよい。
ここで、前記設置部材36を遊技盤12の裏側に取付けた際に、図28に示す如く、該第3発光装置40の第2カバー体104の前面が前記第2導光部材96の裏面に対向すると共に、該第2導光部材96の各導光通路96aの後側に夫々LED103aが対応して位置し、該LED103aを発光することで、前記右前飾り部材33の光透過部94bを裏側から照らし得るよう構成されている。
(第4発光装置41について)
次に、前記ステージ45の後方に配設された前記第4発光装置(演出装置)41について説明する。第4発光装置41は、図29〜図33に示すように、後方に開口する箱状の収容部材106と、該収容部材106に内部画成した収容部106a,106bに収容される前後に重なる複数(実施例では2枚)の透明パネル(表示部材)107,108と、各透明パネル107,108に対して外周端面側から光を照射する第1LED(第1発光体,別の発光体)109a,109bを実装した第1発光基板(発光基板)109と、最後部の透明パネル108に対して後面(板面)側から光を照射する第2LED(第2発光体,発光体)110aを実装した第2発光基板110とを基本的に備える。
(収容部材106について)
前記収容部材106は、所要の装飾が施された前壁111と、該前壁111の外周縁から後方に延在する前周壁112と、該前周壁112の左右両側縁から外側方に延在する後壁113,113と、左右の後壁113,113の外周縁から後方に延在する後周壁114とから、後方に開口する箱状に形成されている。そして、前壁111および前周壁112とにより第1収容部106aが画成されると共に、該第1収容部106aの後方に連通する状態で左右の後壁113,113および後周壁114とにより第2収容部106bが画成される。なお、第1収容部106aの前後方向の奥行き寸法は、第2収容部106bの前後方向の奥行き寸法より大きく設定される。
前記収容部材106の前壁111には、前後方向に貫通する表示開口(可視部)111aが、左右方向に離間して複数箇所(実施例では2箇所)に形成されている。そして、第4発光装置41を前記設置部材36に配設した状態で、収容部材106の表示開口111a,111aが、前記ステージ45における第2後壁部56の後方に臨み、該第2後壁部56を透して表示開口111a,111a内を前側から視認し得るようになっている。実施例では、第2後壁部56において、前記画壁56a,56aで画成される第1の球通過口57を挟む左右両側に表示開口111a,111aが臨んでいる。なお、収容部材106は、全体に金属メッキが施されて光を透過しないよう構成されており、前側からは表示開口111a,111a内のみが視認可能に構成してある。また、第2後壁部56の後方に臨む両表示開口111a,111aは、図32に示す如く、前記第2庇状部64の後端より下方、すなわち第2庇状部64における下面の後方への延長線Tより下方に位置するよう設定されて、該第2庇部64によって表示開口111a,111a内で行なわれる発光演出(具体的には図柄107a,108aの表示)が見え難くならないようになっている。
前記収容部材106の前壁111の裏面には、図30に示す如く、複数(実施例では3つ)の第1取付け突部115が後方に所定長さで延出するよう設けられ、各第1取付け突部115には、後側に開口するネジ孔が形成されている。実施例では、前壁111の上側において左右方向に離間して2つの第1取付け突部115,115が設けられると共に、該前壁111の下側において左右方向の略中央に1つの第1取付け突部115が設けられている。また、第1収容部106aにおける下部側を画成する前周壁112の左右方向(前後方向と交差する方向)で対向する内面に、対向方向(第1収容部106a側)に開放する一対のガイド溝112a,112aが前後方向に延在して形成される。なお、ガイド溝112a,112aは、後側に開放し、両ガイド溝112a,112aに対して後側から第1発光基板109を挿通し得るようになっている。前壁111と前周壁112との連設部の1箇所に、第1収容部106aに突出する嵌合突起116が設けられており、該嵌合突起116は、後述するように前記複数の透明パネル107,108の取付け順および取付け向きを規定するものとして機能する。なお、実施例の嵌合突起116の前後寸法は、第1透明パネル107の厚みと第1遮光部材119(後述)の厚みを合わせた値に設定される。
前記収容部材106における左右の後壁113,113に、後側に開口するネジ孔が形成された第2取付け突部117と位置決めピン118とが夫々後方に向けて突設され、該第2取付け突部117および位置決めピン118を介して第2発光基板110が第2収容室106bに収容された状態で位置決め固定される。なお、収容部材106に第2発光基板110を配設した状態で、該第2発光基板110と前周壁112における下部側の後端面との間に隙間が画成されるよう構成され、該隙間を介して前記第1収容部106aに収容した第1発光基板109から導出する配線(図示せず)を後方に引き出し得るようにしてある。
(透明パネル107,108について)
前記収容部材106の第1収容部106aには、図31、図32、図33に示す如く、前側から後側へ第1透明パネル107、第1遮光部材119、第2透明パネル108、第2遮光部材120およびレンズ部材121の順に重ねた状態で収容されている。第1透明パネル107は、透明で平板状の部材であって、前記収容部材106の前壁111に形成した2つの表示開口111a,111aに対応する位置に、外周端面から内部に導入される光が反射することで前側から視認可能となる第1図柄(図柄)107aが夫々形成されている。また第2透明パネル108は、第1透明パネル107と同じく透明で平板状の部材であって、収容部材106の前壁111に形成した2つの表示開口111a,111aに対応する位置に、外周端面から内部に導入される光が反射することで前側から視認可能となる第2図柄(図柄)108aが夫々形成されている。すなわち、実施例では第1透明パネル107の第1図柄107aと、第2透明パネル108の第2図柄108aとが、対応する表示開口111aの後側で夫々前後に重なるように位置している。実施例では、図29に示す如く、第1透明パネル107に、第1図柄107aとして、数字の「1」と「2」が形成されると共に、第2透明パネル108に、第2図柄108aとして、数字の「3」と「4」が形成されている。なお、各透明パネル107,108に形成される各図柄107a,108aは、数字に限らず、パチンコ機10のモチーフとなるキャラクターに関連する文字や図形等、その他のものであってもよい。
ここで、前記第1および第2透明パネル107,108に対して前側および後側の板面(前面,後面)から照射される光は、前記図柄107a,108aで殆ど反射することなく透過して、該図柄107a,108aは前側から殆ど視認されないよう構成される。すなわち、透明パネル107,108の図柄107a,108aは、裏側に位置する第2LED110aからの光が裏面に照射されたときには浮かび上がるように表示されることなく、第1LED109a,109bから照射された光が外周端面から内部に導入されたときに前側から視認可能となって浮かび上がるように表示される。
前記図柄107a,108aの形成方法としては、レーザー彫刻方法等、各種の方法を用いることができる。例えば、印刷基材の表面に印刷によってインクの凹凸からなる印刷パターンを形成し、この印刷パターンを有する印刷基材を配置した成形金型を用いて透明パネルを成形し、得られた透明パネルから印刷基材および印刷パターンを剥離することで、インクによる凹凸の転写により形成された凸凹からなる図柄を表面に形成する方法。また、フィルムの表面に、透明な紫外線硬化樹脂による転写用の凸模様と、その凸模様に施した転写用の印刷インク層とを形成し、前記フィルムを凸模様の印刷インク層をキャビティに向けて配置した金型を用いてインモールド成形により透明パネルを成形し、得られた透明パネルからフィルムを剥離することで、紫外線硬化樹脂による印刷インク層の転写により図柄を表面に形成する方法も採用可能である。
前記第1および第2透明パネル107,108には、図29、図30に示す如く、前記収容部材106の前壁111に設けた3つの第1取付け突部115に対応する位置に、前後方向に開口する貫通孔107b,108bが夫々が形成されており、3つの第1取付け突部115を対応する貫通孔107b,108bに夫々挿通することで、第1および第2透明パネル107,108は上下方向が正しい向きで収容部材106に対して取付けられる。また第1透明パネル107には、収容部材106の前壁111に突設した前記嵌合突起116に対応する位置に、該嵌合突起116が嵌合可能な位置決め凹部107cが形成されており、該位置決め凹部107cに嵌合突起116が嵌合した状態で、該第1透明パネル107は前後が正しい向きで収容部材106に取付けられるようになっている。これに対し、第2透明パネル108には、前壁111の嵌合突起116に対応する位置に凹部は形成されておらず、第2透明パネル108を第1透明パネル107より前側に取付けようとしても、嵌合突起116がパネル板面に当接することで第2透明パネル108が傾いて正しい姿勢で取付けられないよう構成される。なお、第2透明パネル108には、上下および前後の各向きが正しい状態で、嵌合突起116と対向する側とは左右方向の反対側の側端部に切欠部108cが形成されており、該切欠部108cは、前記複数の遮光部材119,120の取付け順および取付け向きを規定するものとして機能する。
(遮光部材119,120について)
前記第1遮光部材(遮光部材)119は、図29、図30に示す如く、前記両透明パネル107,108と略同一外形形状に形成された非光透過性の平板状の部材であって、両透明パネル107,108に形成された各図柄107a,108aと対応する位置に、該図柄107a,108aを囲む寸法で前後方向に開口する第1開口部(開口部)119aが夫々開設されている。すなわち、両透明パネル107,108は、第1開口部119aに対応する部位(図柄107a,108aの形成領域)を除く部分が非光透過性の第1遮光部材119で隔てられて、第1開口部119a以外の部分での前後方向の光の透過は該第1遮光部材119で阻止されるようになっている。なお、図柄の形成領域とは、実際に図柄が形成されている部位のみを指すのではなく、該図柄を含む周囲の所定の領域を意味する。
前記第1遮光部材119には、前記収容部材106の前壁111に設けた3つの第1取付け突部115に対応する位置に、前後方向に開口する貫通孔119bが夫々が形成されており、3つの第1取付け突部115を対応する貫通孔119bに夫々挿通することで、第1遮光部材119は上下方向が正しい向きで収容部材106に対して取付けられる。また、第1遮光部材119における収容部材106の前壁111に突設した嵌合突起116に対応する位置に、該嵌合突起116が嵌合可能な位置決め凹部119cが形成され、該位置決め凹部119cに嵌合突起116が嵌合した状態で、該第1遮光部材119は前後が正しい向きで収容部材106に取付けられるようになっている。なお、第1遮光部材119には、上下および前後の各向きが正しい状態で、嵌合突起116と対向する側とは左右方向の反対側の側端部に、後側に突出する突起119dが形成されており、該突起119dは、当該第1遮光部材119および該第1遮光部材119より後側に取付けられる第2透明パネル108および第2遮光部材120の取付け向きを規定するものとして機能する。
前記第1遮光部材119は、該第1遮光部材119の前後に第1および第2透明パネル107,108を重ねた状態で、両透明パネル107,108の下端から下方に延出する下遮光部分119eが設けられている。この下遮光部分119eの下端は、第1遮光部材119が収容部材106に取付けられた状態で、前記第1発光基板109の上面に近接して、後述するように前第1LED109aと後第1LED109bの配設位置を前後に仕切り、前第1LED109aの光が第2透明パネル108の外周端面に照射されるのを防ぐと共に、後第1LED109bの光が第1透明パネル107の外周端面に照射されるのを防ぐよう構成される。
前記第2遮光部材(遮光部材,保持部材)120は、図29、図30に示す如く、第1遮光部材119と同様に、前記両透明パネル107,108と略同一外形形状に形成された非光透過性の平板状の部材であって、両透明パネル107,108に形成された各図柄107a,108aと対応する位置に、該図柄107a,108aを囲む寸法で前後方向に開口する第2開口部(開口部)120aが夫々開設されている。第2遮光部材120には、前記収容部材106の前壁111に設けた3つの第1取付け突部115に対応する位置に、前後方向に開口す貫通孔120bが夫々が形成されており、3つの第1取付け突部115を対応する貫通孔120bに夫々挿通することで、第2遮光部材120は上下方向が正しい向きで収容部材106に対して取付けられる。また、第2遮光部材120における第1遮光部材119の突起119dと対応する位置に、該突起119dが嵌合可能な位置決め凹部120cが形成され、該位置決め凹部120cに突起119dが嵌合した状態で、該第2遮光部材120は前後が正しい向きで収容部材106に取付けられるようになっている。
前記第2遮光部材120の下端縁には、前記第2透明パネル108より下方に延出する複数(実施例では2つ)の保持片120dが左右方向に離間して形成されている。この保持片120d,120dは、前記第1発光基板109の後端に当接して、該第1発光基板109の後方移動を規制するべく機能する。
(レンズ部材121)
前記レンズ部材121は、前記第2遮光部材120における2つの第2開口部120a,120aを後側から覆い得る寸法に設定される。このレンズ部材121の外周縁には、図29、図30に示す如く、前記収容部材106の前壁111に設けた3つの第1取付け突部115の夫々に対応する位置に、該第1取付け突部115の後端が嵌合する筒受部121aが設けられている。そして、各筒受部121aに形成した通孔に後側から挿通したネジを、対応する第1取付け突部115のネジ孔に螺挿することで、当該レンズ部材121が収容部材106に取付けられる。このとき、2枚の透明パネル107,108および2枚の遮光部材119,120は、収容部材106の前壁111とレンズ部材121とで挟持されて、これら4つの部材107,108,119,120は前後方向に相互に重なった状態に保持されるようになっている(図31、図32、図33参照)。なお、下部央に設けた筒受部121aに、下方に延出する位置決め片121bが設けられ、該位置決め片121bが第2遮光部材120の下端後部に後側から当接することで、該第2遮光部材120の下端側での位置決めを行なうよう構成される。
前記レンズ部材121には、第2遮光部材120の各第2開口部120aと対応する位置にレンズ部121cが夫々形成されると共に、各レンズ部121cの裏面には光拡散加工が施されている(図30参照)。そして、各レンズ部121cに、後述するように第2LED110aからの光が照射され、該光が光拡散加工の作用によって拡散することで、前記透明パネル107,108の図柄107a,108aがより視認し難くなるよう構成される。実施例では、光拡散加工が施されたレンズ部121cが光拡散部となるが、板面に光拡散加工のみを施してレンズ作用を奏しない部分を光拡散部としてもよい。
(第1発光基板109について)
前記第1発光基板109は、前記収容部材106に形成した前記一対のガイド溝112a,112aに両側端縁を挿入したもとで、前端をガイド溝112a,112aを画成する前側の壁(前壁111)に当接すると共に、後端に前記第2遮光部材120の保持片120d,120dが当接した状態で、前記透明パネル107,108の下方に略水平姿勢で位置決め保持される。第1発光基板109には、収容部材106に位置決め保持された状態で、前記第1遮光部材119の下遮光部分119eより前側の領域に、前記第1透明パネル107の下端面(外周端面)に向けて光を照射する複数の前第1LDE109aが、該第1透明パネル107に形成された各第1図柄107a,107aに対応して実装されている。そして、前第1LED109aを発光することで、第1透明パネル107に下端面から導入された光が第1図柄107aで反射して、該第1図柄107aが浮かび上がるように表示される。実施例では、左右の各第1図柄107aの下方に夫々4つの前第1LED109aが左右方向(第1透明パネル107の下端面の延在方向)に離間して実装されており、以後の説明において左側の第1図柄107aに対応する前第1LED109aを左前第1LEDと指称し、右側の第1図柄107aに対応する前第1LED109aを右前第1LEDと指称する場合もある。
前記左前第1LED109aと右前第1LED109aとは個別に点灯・消灯制御可能に構成されており、左前第1LED109aを点灯(発光)した場合は、左側の第1図柄107aが表示され、右前第1LED109aを点灯(発光)した場合は、右側の第1図柄107aが表示され、左右の前第1LED109a,109aを点灯(発光)した場合は、左右の第1図柄107a,107aが表示されるように構成されている。
前記第1発光基板109には、前記第1遮光部材119の下遮光部分119eより後側の領域に、前記第2透明パネル108の下端面(外周端面)に向けて光を照射する複数の後第1LDE109bが、該第2透明パネル108に形成された各第2図柄108a,108aに対応して実装されている。そして、後第1LED109bを発光することで、第2透明パネル108に下端面から導入された光が第2図柄108aで反射して、該第2図柄108aが浮かび上がるように表示される。実施例では、左右の各第2図柄108aの下方に夫々3つの後第1LED109bが左右方向(第2透明パネル108の下端面の延在方向)に離間して実装されており、以後の説明において左側の第2図柄108aに対応する後第1LED109bを左後第1LEDと指称し、右側の第2図柄108aに対応する後第1LED109bを右後第1LEDと指称する場合もある。
前記左後第1LED109bと右後第1LED109bとは個別に点灯・消灯制御可能に構成されており、左後第1LED109bを点灯(発光)した場合は、左側の第2図柄108aが表示され、右後第1LED109bを点灯(発光)した場合は、右側の第2図柄108aが表示され、左右の後第1LED109b,109bを点灯(発光)した場合は、左右の第2図柄108a,108aが表示されるように構成されている。なお、第1LED109a,109bの発光色については、左右で異なる色(例えば赤と緑)としたり、同色としてもよい。また、各第1LED109a,109bとして、フルカラーLEDを採用してもよい。
(第2発光基板110について)
前記第2発光基板110は、前記収容部材106の後壁113,113の夫々に設けた第2取付け突部117と位置決めピン118とを介して前記レンズ部材121の後方に前面を対向した姿勢で収容部材106に位置決め固定されている。第2発光基板110の前面には、レンズ部材121の各レンズ部121cに対応する位置に、複数の第2LED110aが夫々実装されている。すなわち、第2LED110aは、レンズ部121cおよび2枚の透明パネル107,108を介して前記第2後壁部56と対向し、第2LED110aを発光することで、各レンズ部121cで光が拡散した状態を、第2後壁部56を透して前記収容部材106の対応する表示開口111aから視認し得るよう構成される。以後の説明において、左側のレンズ部121c(図柄107a,108a)に対応する第2LED110aを左第2LEDと指称し、右側のレンズ部121c(図柄107a,108a)に対応する第2LED110aを右第2LEDと指称する場合もある。また、左第2LED110aと右第2LED110aとは個別に点灯・消灯制御可能で、かつ前記第1LED109b,109bに対しても個別に点灯・消灯制御可能に構成される。
(実施例の作用)
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
前記中枠13の前面側に設けられた前記操作ハンドル18の操作レバー18aを遊技者が回転操作すると、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球Pが前記遊技盤12に設けた案内レール19により画成された発射通路19aを介して遊技領域20内に打ち出される。このとき、前記操作レバー18aの回動量に応じてパチンコ球Pの打ち出し位置が変化し、打ち出し位置に応じて遊技領域20の第1経路20aまたは第2経路20bをパチンコ球Pが流下する。前記特定条件が成立していない状態(大当り状態、確率変動状態、時間短縮状態となっていない状態)では、第1経路20aを流下する「左打ち」となるようパチンコ球Pが打ち出される。
(ステージ45の作用)
前記第1経路20aを流下するパチンコ球Pが前記球導入部46の球入口46aに通入すると、該パチンコ球Pは球導入部46の球出口46bから前記ステージ45における前記上段球転動部47上に通出される(図8参照)。このパチンコ球Pは、上段球転動部47を左端から右端に向けて転動した後に、該上段球転動部47を右端から左端に転動し、勢いがある程度弱くなった該パチンコ球Pは、主に前記中央転動部分49を左右方向に転動する。そして、勢いが弱くなったパチンコ球Pは、最終的には前記第1の球通過口57または第2の球通過口58,58から前記下段球転動部48に移動する。すなわち、中央転動部分49を左右方向に転動しているパチンコ球Pが前記傾斜凹部49aから第1の球通過口57に通入した場合は、該パチンコ球Pは、下段球転動部48の中央に設けられている前記球排出経路部60の後端部に落下する。球排出経路部60の後端部に落下した多くのパチンコ球Pは、該球排出経路部60に沿って前側に案内され、前記球排出口59の中央から前記始動入賞装置28の第1始動入賞口28aに向けて前記遊技領域20に排出される。しかし実施例のステージ45では、第1の球通過口57を構成する画壁56a,56a,56bは、球排出経路部60に接続されておらず、画壁56a,56a,56bの下端と球排出経路部60との間には隙間があるため、球排出経路部60上に落下したパチンコ球Pが跳ねた際に、下段球転動部48における球排出経路部60の外側に位置する左右何れかの前転動部分48aに移動する場合もある。そして、球排出経路部60の左外側または右外側の前転動部分48aに移動したパチンコ球Pは、該前転動部分48aに沿って前側に案内されて前記球排出口59における左側または右側に偏った位置から前記遊技領域20に排出される。このように、上段球転動部47から第1の球通過口57にパチンコ球Pが通入したとしても、該パチンコ球Pが球排出経路部60で案内されない場合もあり、ステージ45内でのパチンコ球Pの動きが単調とならず、遊技の興趣を向上し得る。
前記中央転動部分49を左右方向に転動しているパチンコ球Pが前記第2の球通過口58を通って左右何れかの前記張出し部62に移動した場合は、該パチンコ球Pは、対応する前記案内片62aで案内されて前記下段球転動部48の後転動部分48bにおける左端部または右端部に向けて移動する(図8参照)。後転動部分48bに移動したパチンコ球Pは、該後転動部分48bが下方に突出する弧状に形成されていることから、後転動部分48bを左右方向に転動し、該パチンコ球Pの勢いの強・弱によって、前記中央傾斜凹部61aまたは側部傾斜凹部61b,61bによって前側に案内される。中央傾斜凹部61aで前側に案内されるパチンコ球Pは、該中央傾斜凹部61aに接続する前記球排出経路部60に移動し、該球排出経路部60で案内されて球排出口59の中央から遊技領域20に排出される。これに対し、側部傾斜凹部61bで案内されるパチンコ球Pは、球排出経路部60の外側に位置する左右何れかの前転動部分48aに移動し、該前転動部分48aに沿って前側に案内されたパチンコ球Pは、前記球排出口59における左側または右側に偏った位置から遊技領域20に排出される。また、球排出経路部60を構成する一対の突条60a,60aの高さ寸法は、後転動部分48bから前転動部分48aに向けて転動するパチンコ球Pの勢いによっては該突条60aを越えて球排出経路部60に入り込み得る値に設定されている。従って、後転動部分48bを転動するパチンコ球Pは、中央傾斜凹部61aを介して球排出経路部60に入る態様とは別に、突条60aを越えて球排出経路部60に入る可能性もある。このように、上段球転動部47から第2の球通過口58にパチンコ球Pが通入したとしても、後転動部分48bを転動するパチンコ球Pが球排出経路部60に入って前記始動入賞装置28の第1始動入賞口28aに案内される場合もあり、ステージ45内でのパチンコ球Pの動きを長く注目させることができ、遊技を飽きさせることなく楽しませ得る。
また、前述したように球排出経路部60の突条60aの高さは、下段球転動部48を転動する勢いによってはパチンコ球Pが越えることが可能な寸法に設定されているから、球排出経路部60で案内されているパチンコ球Pに、後転動部分48bから前転動部分48aに向けて転動しているパチンコ球Pが接触した際に、球排出経路部60上のパチンコ球Pが該球排出経路部60から弾き出される(流下経路が変更される)可能性もあり、遊技者にステージ45内でのパチンコ球Pの動きを長く注目させ得る。更に、後転動部分48bは、前記3つの傾斜凹部61a,61b,61bを形成することで、上下の起伏が左右方向で繰り返すようになっているから、該後転動部分48bを左右方向に転動するパチンコ球Pは上下方向にも変位し得るようになっており、該後転動部分48bを転動するパチンコ球Pの動きが複雑となって興趣を向上し得る。このように、ステージ45に受け入れられたパチンコ球Pが遊技領域20に排出されるまでの間でのパチンコ球Pの動きが多様となり、遊技者を飽きさせることなく長く遊技を楽しませることができる。
前記始動入賞装置28の第1始動入賞口28aにパチンコ球Pが入賞すると、前記制御装置の制御に基づいて前記図柄表示装置14での図柄変動演出が開始され、図柄変動演出の結果、図柄表示装置14に所定の図柄組み合わせが表示されると大当りが発生する。大当りが発生すると、図柄表示装置14に表示された図柄組み合わせに応じて、前記遊技盤12に設けられた特別入賞装置29の特別入賞口が開放されると共に、前記制御装置の制御に基づいて図柄表示装置14において大当り演出が行なわれる。
(第2、第3発光装置39,40の作用)
前記パチンコ機10では、各種遊技状態に応じて、前記可動演出装置37が制御装置により作動制御されて、動的な演出により遊技の興趣が高められる。また、前記遊技盤12の裏側に配設されている第1発光装置38、第2発光装置39、第3発光装置40および第4発光装置41が、制御装置の制御下に発光演出を行ない、発光による演出により遊技を盛り上げる。
前記遊技盤12の前側に配設された前記前飾り部材32,33の裏側に位置する前記第2発光装置39および第3発光装置40の各LED99a,103aを発光すると、該LED99a,103aの光は、対応する導光部材93,96の導光通路93a,96aを通って、前飾り部材32,33の光透過部91b,94bに照射される(図25、図28参照)。
実施例の遊技盤12は、アクリルやポリカーボネートからなる合成樹脂製の透明板から構成されており、該遊技盤12には前記遊技領域20を流下する金属製のパチンコ球Pとの接触によって遊技中に静電気が発生し易い性質がある。前記第2発光装置39および第3発光装置40は、図25、図28に示す如く、遊技盤12の裏側に近接して該遊技盤12に帯電した静電気の影響を受け易い位置にある。実施例では、第2発光装置39の第1飾り用発光基板99は、絶縁材料で形成された第1カバー体100に対して第1係止片101bおよび第1係合フック101cを介して保持されている。また、第3発光装置40の第2飾り用発光基板103についても同様に、絶縁材料で形成された第2カバー体104に対して第2係止片105bおよび第2係合フック105cを介して保持されている。このように、第1飾り用発光基板99および第2飾り用発光基板103は、何れも対応するカバー体100,104に対して導電性の金属ネジ等を介して保持されていないから、遊技盤12からの静電気が第1飾り用発光基板99および第2飾り用発光基板103に流れ難く、該基板99,103に実装されているLED99a,103aへの影響を抑制することができる。
前記第1カバー体100は、前記設置部材36に取付けられている前記左後飾り部材97に対し、該第1カバー体100に保持されている前記第1飾り用発光基板99の保持部位から外側に離間した位置において金属製のネジ102を介してネジ止め固定されている。また第2カバー体104についても、設置部材36に取付けられている前記右後飾り部材98に対し、該第2カバー体104に保持されている前記第2飾り用発光基板103の保持部位から外側に離間した位置において金属製のネジ102を介してネジ止め固定されている。このように、第1カバー体100および第2カバー体104は、対応する飾り用発光基板99,103の保持部位から離間した位置が金属製のネジ102で対応する後飾り部材97,98に固定されているから、遊技盤12側からネジ102に流れた静電気がLED99a,103a側に流れる可能性を低くすることができ、静電気に起因する影響を抑制し得る。また、後飾り部材97,98は、何れも設置部材36に対して金属製のネジを介して固定されているから、前記ネジ102に流れた静電気を、設置部材36に固定するネジを介して該設置部材36に逃すことができ、前記LED99a,103へ影響をより抑制し得る。
特に、前記第3発光装置40については、右後飾り部材98に設けた導通部97bにネジ102が接触すると共に、該右後飾り部材98を設置部材36に固定するネジについても導通部97bに接触しているから、前記遊技盤12からネジ102に流れた静電気を効果的に設置部材36に逃すことができる。また、左右の後飾り部材97,98がネジ止め固定される前記第1発光装置38の取付体86は、電源基板にアースされているから、前記遊技盤12から後飾り部材97,98に流れた静電気は取付体86側に流れ易く、前記LED99a,103への影響をより抑えることができる。
前記左右の前飾り部材32,33は、何れも遊技盤12に対する取付片92,95に施した金属メッキを介して該遊技盤12に電気的な導通状態で取付けられている。すなわち、前記第2発光装置39および第3発光装置40の前側に位置する前飾り部材32,33と遊技盤12とが電気的に導通しているから、該遊技盤12に帯電した静電気は第2発光装置39および第3発光装置40に比較して前飾り部材32,33に流れ易く、該第2発光装置39および第3発光装置40への静電気に起因する影響を抑えることができる。
ここで、前記左右の前飾り部材32,33は、図23、図26に示す如く、前記遊技領域20を流下するパチンコ球Pが転動可能な延出壁91c,94cを備え、該延出壁91c,94cを転動するパチンコ球Pを対応する普通入賞装置30,31に向けて案内するよう構成されている。そこで、各延出壁91c,94cの表面に金属メッキを施しておけば、該延出壁91c,94cにパチンコ球Pが接触した際に該パチンコ球Pに帯電している静電気を前飾り部材32,33に逃すことができ、静電気が第2発光装置39および第3発光装置40側に流れて悪影響を及ぼすのを抑えることができて好適である。
(第4発光装置41の作用)
ここで、前記始動入賞装置28は、パチンコ球Pの入賞が前記図柄表示装置14での図柄変動開始や賞球獲得の契機となることから、始動入賞装置28および該始動入賞装置28の第1始動入賞口28aに向けてパチンコ球Pを案内し得る球排出経路部60を備えるステージ45は、パチンコ機10に備えられた装置の中でも遊技者の注意が特に強く惹き付けられる。すなわち、前記第1発光装置38の第1装飾用LED基板88,88に実装したLED88a,88aを発光することで、遊技者の注目度が高い前記始動入賞装置28の左右両側を遊技盤12の裏側から明輝させることができ、演出効果により遊技の興趣を高め得る。また、第1発光装置38の第2装飾用LED基板90に実装したLED90aは、図32に示す如く、前記ステージ45における後転動部分48bの下方に位置しており、該LED90aを発光することで、遊技者の注目度が高いステージ45の後転動部分48bを下側から照明することができ、演出効果により遊技の興趣を高め得る。
前記ステージ45の後方に配設されている前記第4発光装置41では、図31、図32、図33に示す如く、前記レンズ部材121の後方に位置する前記第2LED110aを点灯すると共に、前記各透明パネル107,108の下方に位置する前記第1LED109a,109bを消灯した状態では、前記第1透明パネル107に形成されている第1図柄107aおよび第2透明パネル108に形成されている第2図柄108aは、前側から殆ど視認されない状態となる。すなわち、ステージ45における前記第2後壁部56を透して見える第4発光装置41の表示開口111a内には、第2LED110aから透明パネル107,108の裏面に照射された光が明輝した状態が表われ、遊技者は単なる光の発光演出が行なわれているに過ぎないという認識を持つこととなる。
また、前記第4発光装置41では、前記第2LED110aの光を透明パネル107,108の裏面に直接照射するのではなく、該第2LED110aの光をレンズ部材121を介して照射しているから、該レンズ部材121によるレンズ作用で光の明輝度合が強くなることで、図柄107a,108aをより視認し難くし得る。更に、レンズ部材121における第2LED110aが照射されるレンズ部121cには光拡散加工が施されているので、該光拡散加工により光が拡散し、図柄107a,108aを更に視認し難くすることができる。更にまた、前記透明パネル107,108の図柄107a,108aは、前記遮光部材119,120に形成された開口部119a,120aで囲われ、該開口部119a,120aで囲われた領域に前記第2LED110aからの光が照射されるので、該光は図柄107a,108aに集中し、図柄107a,108aの視認性をより低下させ得る。
これに対し、制御装置の制御下に第4発光装置41の前記第2LED110aを消灯したもとで、前記前第1LED109aを点灯し、後第1LED109bを消灯した状態では、前第1LED109aからの光は第1透明パネル107の下端面に向けて照射され、該光が第1透明パネル107に導入されて前記第1図柄107aで反射することで該図柄107aが前側から視認可能に浮かび上がるように表示される。また、前記第2LED110aを消灯したもとで、前記前第1LED109aを消灯し、後第1LED109bを点灯した状態では、後第1LED109bからの光は第2透明パネル108の下端面に向けて照射され、該光が第2透明パネル108に導入されて前記第2図柄108aで反射することで該図柄108aが前側から視認可能に浮かび上がるように表示される。すなわち、遊技者には、ステージ45における第2後壁部56の裏側に、不意に第1図柄107aや第2図柄108aが浮かび上がるように表示されるから、意外性のある発光演出を行なうことができ、興趣を向上し得る。
このように、遊技者の注目度が高い前記ステージ45の後方に、単に発光するだけの演出でなく、不意に図柄107a,108aが浮かび上がるように表示し得る演出を行なう第4発光装置41を設けたことで、該第4発光装置41を利用した演出効果により遊技の興趣を高め得ると共に、該ステージ45に対する注目度を一層高めて遊技の興趣を向上し得るようになる。すなわち、ステージ45の後方に不意に図柄107a,108aが浮かび上がるように表示し得る第4発光装置41を設けることで、演出効果を高めて遊技の興趣を向上すると共に他機種との差別化を図ることができる。またステージ45において、前記上段球転動部47を転動するパチンンコ球Pが通入可能な前記第1の球通過口57は、前記始動入賞装置28の第1始動入賞口28aへの入賞確率が高い前記球排出経路部60にパチンコ球Pを案内可能であるために遊技者の注目度が格段に高い部位である。そして実施例では、第1の球通過口57を挟む左右両側に前記表示開口111a,111aを臨ませているから(図2参照)、第4発光装置41で行なわれる演出により遊技の興趣をより向上し得る。
前記第4発光装置41では、第1透明パネル107において、前記収容部材106に形成した2つの表示開口111a,111aに対応して2つの第1図柄107a,107aを形成すると共に、第2透明パネル108において、前記収容部材106に形成した2つの表示開口111a,111aに対応して2つの第2図柄108a,108aを形成している(図29参照)。また、各図柄107,108aに対応する第1LED109a,109bおよび第2LED110aは夫々個別に点灯・消灯制御し得るよう構成されている。これにより、2つの表示開口111a,111aに、第1図柄107aと第2図柄108aとを各種の組合わせで表示することができる。例えば、左前第1LED109aおよび右第2LED110aを点灯すると共に、他の全ての第1LED109a,109bおよび第2LED110aを消灯すれば、第4発光装置41の左側の表示開口111aに「1」の第1図柄107aのみを表示し得る。また、左前第1LED109aおよび左第2LED110aを点灯すると共に、他の全ての第1LED109a,109bおよび第2LED110aを消灯すれば、第4発光装置41の右側の表示開口111aに「2」の第1図柄107aのみを表示し得る。更に、左右の前第1LED109a,109aを点灯すると共に、左右の後第1LED109b,109bおよび第2LED110aを全て消灯すれば、第4発光装置41の左右の表示開口111aに「1」と「2」の第1図柄107aを並んで表示し得る。なお、前記第2透明パネル108に形成した「3」と「4」の第2図柄108aについても、各LED109a,109b,110aを夫々個別に点灯・消灯制御することで、「3」,「4」の第2図柄108aを夫々単独で表示したり並んで表示することができる。
更に、前記第1図柄107aおよび第2図柄108aの形態として、前後に重なることで1つの合体図柄を形成するものを採用した場合は、前後の第1LED109a,109bを同時に点灯することで、前後に重なる第1図柄107aと第2図柄108aとで形成される合体図柄を表示することができる。このように、2枚の透明パネル107,108を、図柄107a,108aが前後に重なるよう配置すると共に、各図柄107a,108aに対応する各LED109a,109b,110aを個別に点灯・消灯制御するよう構成したから、図柄107a,108aを選択して表示することができ、演出の幅が広がり、遊技の興趣を高めることができる。また、前後に重なる図柄107a,108aで合体図柄を形成する場合であって、各図柄107a,108a単体でも意味のある図柄とすれば、更に演出の幅を広げることができる。しかも、第4発光装置41は、各LED109a,109b,110aを個別に点灯・消灯制御する簡単な構成で多様な演出を行なうことができるものであるから、液晶等のような表示装置を用いることなく低コストで興趣に富んだ演出を提供できる。
前記第4発光装置41では、図31、図32、図33に示す如く、前記第1透明パネル107と第2透明パネル108との間に第1遮光部材119を配置すると共に、前記第1発光基板109に実装されている第1透明パネル107に対応する前第1LED109aおよび第2透明パネル108に対応する後第1LED109bとを、該第1遮光部材119の下遮光部分119eで前後に隔てている。従って、前第1LED109aを点灯した場合に、該前第1LED109aからの光が第2透明パネル108の下端面に照射されることはなく、また後第1LED109bを点灯した場合に、該後第1LED109bからの光が第1透明パネル107の下端面に照射されることはない。これにより、隣接する別の透明パネル107,108に向けて照射される光によって意図しない透明パネル107,108の図柄107a,108aが表示されてしまうことを防止できる。また、前記左右の第2LE110a,110aの光は、前記第2遮光部材120に形成された第2開口部120a,120aを介して対応する側の図柄107a,108aの形成領域にのみ照射するよう構成してある。従って、左右何れか一方の図柄107a,108aのみを表示する場合に、他方の図柄107a,108aを視認し難くするために対応する側で点灯した第2LED110aの光が一方の図柄107a,108aの形成領域に入り込むことがなく、意図する図柄107a,108aを鮮明に表示し得る。
ここで、前記第4発光装置41では、前記第1透明パネル107および第2透明パネル108を非光透過性とした前記収容部材106(第1収容部106a)に収容すると共に、第1透明パネル107の前後面および第2透明パネル108の前後面を、図柄107a,108aの形成領域(表示開口111aや開口部119a,120aで囲われる領域)を除いて非光透過性の前壁111、第1遮光部材119および第2遮光部材120で覆っているから、該透明パネル107,108に、第4発光装置41の外部からの光が導入されてしまうことはない。すなわち、前記第1LED109a,109bを点灯したときには、対応する図柄107a,108bが鮮明に浮かび上がるように表示され、演出効果を向上することができる。
前記第4発光装置41において、前記透明パネル107,108の図柄107a,108aは、板面(前面や裏面)と平行な光が外周端面から導入されることで鮮明に表示されるようになるため、該透明パネル107,108の下端面に対する第1発光基板109の第1LED109a,109bからの光の照射方向が重要になる。実施例では、第1発光基板109の両側端縁を、前記収容部材106に形成した一対のガイド溝112a,112aに挿通して、収容部材106に対して第1発光基板109の上下方向および左右方向の位置決めを行なっている。また、透明パネル107,108および第1遮光部材119を、収容部材106の前記前壁111と第2遮光部材120とで挟持して収容部材106に固定保持する構成において、第1発光基板109の前端および後端を同じ前壁111と第2遮光部材120(保持片120d)とに当接して保持するよう構成しているから、第1LED109a,109bと対応する透明パネル107,108との位置関係を適正に保持し得る。従って、第1LED109a,109bを点灯したときには、対応する図柄107a,108aを鮮明に表示することができる。
ここで、複数の透明パネル107,108を備え、かつ複数の図柄107a,108aを選択して表示し得るように各第1LED109a,109bおよび第2LED110aを個別に点灯・消灯制御するよう構成した第4発光装置41では、前記収容部材106に対する透明パネル107,108の取付け順や取付け向きが重要になる。実施例では、図30に示す如く、収容部材106に3つの第1取付け突部115を、上側と下側とに離間し、かつ上下で対象とならない関係で設けると共に、透明パネル107,108および遮光部材119,120には第1取付け突部115が挿通される3つの貫通孔107b,108b,119b,120bを第1取付け突部115と対応して夫々形成してある。従って、3つの第1取付け突部115が、夫々3つの貫通孔107b,108b,119b,120bに挿通されるように透明パネル107,108および遮光部材119,120を収容部材106に取付ければ、該透明パネル107,108および遮光部材119,120の上下になることはない。また、前記前壁111に設けた嵌合突起116、第1透明パネル107に設けた位置決め凹部107c、第1遮光部材119に設けた位置決め凹部119cおよび突起119d、第2透明パネル108に設けた切欠部108c、第2遮光部材120に設けた位置決め凹部120cを夫々対応する関係で嵌合することで、両透明パネル107,108の取付け順が逆になったり前後の向きが逆になることはない。すなわち、収容部材106に対して透明パネル107,108は、取付け順および取付け向きが決められた通りに取付けられ、第1発光基板109に実装されている第1LED109a,109bを個別に点灯・消灯制御した際には、意図した図柄107a,108aを適正な姿勢で確実に表示することができる。
(庇状部63,64の作用)
前記枠状装飾部材27に設けた前記球導入部46の球入口46aに通入することなく前記第1経路20aを流下するパチンコ球Pは、前記複数の遊技釘26に接触して流下方向が変更される。このとき、パチンコ球Pが遊技釘26に接触した際に勢いや向きによっては、該パチンコ球Pが前記ステージ45の前側を上方に跳ね上がることがある。この場合に、前記ステージ45における後壁部54,56の上端縁には、図31、図32に示す如く、前記上段球転動部47の前縁より前方に延出する庇状部63,64を設けてあるから、該庇状部63,64によってステージ45の前側を上方に跳ね上がるパチンコ球Pがステージ45の裏側へ入り込むのを抑制し得る。また実施例では、庇状部63,64の前端部が前記透視保護板15aに近接すると共に、該前端部と透視保護板15aとの離間寸法をパチンコ球Pの直径より小さく設定したから、パチンコ球Pがステージ45の裏側へ入り込むのを該庇状部63,64で確実に防止し得る。
前記ステージ45の前記上段球転動部47における中央転動部分49の上方に張り出すように位置する前記第2庇状部64では、図31、図32に示す如く、該第2庇状部64における前記上庇状部分64aが上方傾斜しているから、前記第2後壁部56の後方に配設した前記第4発光装置41で行なわれる演出の視認性が低下することはない。すなわち、第2後壁部56の裏面に対向するように位置する第4発光装置41の表示開口111a,111aに対し、該表示開口111a,111aより上庇状部分64aの後端が上方に位置し、かつ該上庇状部分64aは後端から前端に向かうにつれて表示開口111a,111aから上方に離間するように上方傾斜しているから、該上庇状部分64aが表示開口111a,111aの前側に重なることはなく、表示開口111a,111aの視認性が阻害されない。また実施例では、第2後壁部56の前側の空間を画成する左右の側壁部55,55および第2庇状部64が前側に向かうにつれて外方に広がるように形成されているから、前側からの第2後壁部56の視認性、すなわち該第2後壁部56の後方に位置する表示開口111a,111aの視認性が良好となる。
(減勢部67,69,75の作用)
前記パチンコ機10において、特定条件が成立する前記大当りの発生や、確率変動状態や時間短縮状態へ移行した際には、遊技者は前記操作ハンドル18の操作レバー18aを回転操作して打球発射装置によるパチンコ球Pの打球力を高め、前記第2経路20bに向けてパチンコ球Pを打ち出す「右打ち」を行なう。右打ちに際して第2経路20bに打ち出されたパチンコ球Pは、前記緩衝ゴム24に当った後に前記枠状装飾部材27における右傾斜庇部分66に沿って転動する(図11参照)。この右傾斜庇部分66における上部庇部分66aに第1の減勢部67を形成したことにより、該上部庇部分66aに沿って転動するパチンコ球Pが第1の減勢部67に接触して減勢される。また、第2経路20bにおける第1の減勢部67が位置する減勢経路部20cは、パチンコ球Pが一列で通過可能な通路幅に形成されているから、前記上部庇部分66aに沿って減勢経路部20cを転動するパチンコ球Pを確実に第1の減勢部67に接触させて勢いを弱めることができる。そして、第1の減勢部67に接触したパチンコ球Pが減勢される(速度が遅くなる)ことで、下流側に位置する前記球通過ゲート34に衝突した際の衝撃を弱めることができ、該球通過ゲート34が損傷するのを抑制し得る。
前記第1の減勢部67は、上部庇部分66aから三角形状に突出するよう形成すると共に、該第1の減勢部67の上部庇部分66aからの突出寸法を球半個分より小さく設定したから、該減勢部67に接触したパチンコ球Pの勢いが弱まり過ぎてしまうことはない。すなわち、パチンコ球Pが一列で通過可能な通路幅に形成されている減勢経路部20cにおいて、複数のパチンコ球Pが第2経路20bに打ち出されても、該減勢経路部20cでパチンコ球Pの流れが滞ることはなく、該パチンコ球Pの勢いを第1の減勢部67で弱めつつスムーズに流下させ得る。
また実施例では、前記減勢経路部20cを転動するパチンコ球Pは、前記側壁部75に接触することで流下方向が左方に変更されて前記案内壁69に接触した後、前記通路73を通過して前記球通過ゲート34に向けて流下する。すなわち、第1の減勢部67で勢いが弱められたパチンコ球Pは、減勢経路部20cの下流端部で側壁部75および案内壁69に夫々接触して更に減勢された後に、前記球通過ゲート34が位置する第2経路20bに流下するので、該球通過ゲート34にパチンコ球Pが衝突した際の衝撃を更に弱めることができ、該球通過ゲート34の損傷防止を効果的に図り得る。
前記側壁部75は、後端が、前記遊技盤12に固定されている前記庇部品68の固定部72にネジ止め固定されている(図13参照)。また、側壁部75の前端から右方に延在する取付部76に固定用突部76aが設けられ、該固定用突部76aが庇部品68に設けた凹部68aに嵌挿した状態で該固定用突部76aがネジ止め固定されている。すなわち、第2の減勢部として機能する側壁部75は、前後で支持されているから剛性は高く、該側壁部75にパチンコ球Pが接触した際に側壁部75に加わる負担を軽減し、該側壁部75自体が損傷するのを防止し得る。また、側壁部75の後端を固定部72に対して位置決めピン75aで位置決めすると共に複数箇所でネジ止めし、前記取付部76に設けた固定用突部76aを凹部68aに挿通して庇部品68にネジ止めしているから、側壁部75は庇部品68に対して強固に固定されている。従って、側壁部75にパチンコ球Pが接触することが繰返されることで、該側壁部75がガタ付いたりするのを抑制できる。
(球通過ゲート34の作用)
前記通路73を通過し、前記球通過ゲート34が配設されている第2経路20bを流下するパチンコ球Pが該球通過ゲート34の球通過口82を通過すると、該ゲート34の前記検出スイッチ35で検出される。検出スイッチ35の球検出に応じて前記制御装置では、前記始動入賞装置28における第2始動入賞口28bを開放するか否かの始動口開放抽選が行なわれ、該始動口開放抽選の結果が当選の場合に、第2始動入賞口28bを開放するよう始動入賞装置28が駆動制御される。このように、前記球通過ゲート34は、パチンコ球Pの通過が第2始動入賞口28bを開放するか否かの始動口開放抽選の契機となることから、該ゲート34における遊技者から見える前側に位置する前記意匠体84には遊技者の注意を惹き付けるための各種の装飾が施されている。
ここで、前記球通過ゲート34が配設されている第2経路20bを流下するパチンコ球Pは、前記球通過口82を通過することなく該球通過口82を画成する支持部80(支持片80a,80a)に接触して流下する場合もある。特に、特定条件が成立して「右打ち」が行なわれている場合は、前記第2経路20bに多くのパチンコ球Pが打ち出されることから、前記複数の減勢部67,69,75によってパチンコ球Pの勢いが弱められているとしても、支持部80の表面に施されている塗装が経時的に剥がれる等の損傷を生ずることがある。この場合に、球通過ゲート34における前記装飾部材78の意匠体84は、前記支持部80の前側に位置すると共に該意匠体84の前面は、図20、図21に示すように、前記透視保護板15aの裏面に対してパチンコ球Pが通過不能な間隔で近接しているから、該意匠体84にパチンコ球Pが接触する可能性は低く、支持部80が損傷したとしても意匠体84が損傷することは殆どない。このように、遊技者の注意を惹き付けるための各種の装飾が施されている意匠体84に損傷がない場合であっても、支持部80(本体部77)が損傷した場合は、従来は意匠体84(装飾部材78)も含めて全体を交換する必要があった。
しかし実施例の球通過ゲート34は、図16、図17に示す如く、前記遊技盤12に固定される前記本体部77に対し、前記意匠体84を備える装飾部材78を着脱自在に取付けるよう構成してある。しかも、装飾部材78を本体部77に取付けるための取付部85は本体部77(支持部80)で覆われているから、前記意匠体84のみならず取付部85にパチンコ球Pが接触して損傷することはない。すなわち、本体部77の前記支持部80が損傷した場合は、該本体部77のみを交換して装飾部材78はリサイクルすることができ、交換時のコストを低廉に抑えることができる。また、本体部77に対して装飾部材78は、該装飾部材78の取付部85と本体部77の係合部79eとの係合構造によって着脱し得る構成であるから、装飾部材78の交換時の作業性は容易である。更に、取付部85の爪部85bと係合部79eとの係合部位についても、本体部77で覆われる位置にあり(図18、図19参照)、該係合部位にパチンコ球Pが接触して損傷することはなく、また該係合部位が遊技領域20に露出して装飾性が低下することもない。すなわち、本体部77と装飾部材78とを着脱する構成としても、当該球通過ゲート34の見栄えが低下することはない。
ここで、近年の環境問題の改善に対する強い要請から、異なる機種での部品の共通化が求められている。その反面、前記球通過ゲート34は、パチンコ機10において遊技者の注意を強く惹き付ける部品であることから、前記意匠体84には機種毎に専用の装飾が施される場合が多い。そして、このように意匠体84に専用の装飾が施されている場合であっても、実施例のように装飾部材78を本体部77に着脱自在に取付ける構成を採用している球通過ゲート34によれば、本体部77に関しては各機種共通の部品として使用することができ、リサイクル性が高い。
また、前記球通過ゲート34では、図18に示す如く、前記検出スイッチ35が本体部77に取付けられた状態において、前記スイッチ本体35aの左右両側面が、支持部80の前記第1溝81a,81aに挿入されている装飾部材78の取付片85a,85aの内側面に当接している。すなわち、一対の取付片85a,85aの間にスイッチ本体35aが存在している状態では、前記本体部77に設けた係合部79eから取付片85aにおける爪部85bの係合を解除する取付片85aの内側への弾性変形が規制されている。従って、遊技中において球通過ゲート34(遊技領域20に位置する支持部80)にパチンコ球Pが接触した際の衝撃が取付片85a,85aに加わったとしても、前記係合部79eと爪部85bとの係合が外れることはなく、本体部77から装飾部材78が脱落するのは確実に防止される。
前記球通過ゲート34では、前記本体部77の一方の支持片80aに向き規制面80bを設けると共に、前記装飾部材78の一方の取付片85aに第1取付け規制部85cを設け(図16、図17参照)、向き規制面80bと第1取付け規制部85cとが整合する状態でのみ、本体部77に対して装飾部材78が適正な向きで取付けられるよう構成してある。すなわち、前記意匠体84に施されている装飾が上下逆向きとなった状態で、装飾部材78が本体部77に取付けられてしまうのを防止し得る。また、装飾部材78の他方の取付片85aに第2取付け規制部85dを設けると共に、前記検出スイッチ35のスイッチ本体35aにおける一方の角部に逆付け規制面35cを設け(図17、図18参照)、第2取付け規制部85dと逆付け規制面35cとが整合する状態でのみ、本体部77に対して検出スイッチ35が適正な向きで取付けられるよう構成してある。すなわち、前記検出スイッチ35が上下逆向きとなった状態で本体部77に取付けられてしまうのを防止し得る。
前記球通過ゲート34では、図示しないが、前記検出スイッチ35の後端に接続する配線を側方から前記設置部材36の裏側に引き回し、該設置部材36の裏側に配設した中継基板等に接続している。このため、前記配線の引き回し時には検出スイッチ35に側方への力が加わる。実施例では、前記本体部77に対して検出スイッチ35を保持するスイッチ係止片83は、図20に示す如く、検出スイッチ35のスイッチ本体35aを下側から支持した状態で、爪部83aをスイッチ本体35aの後端に係合している。従って、配線の引き回し時にスイッチ本体35aに側方への力が加わったとしても、爪部83aとスイッチ本体35aとの係合が外れることはなく、配線の引き回し作業を、爪部83aとスイッチ本体35aとの係合が外れないように注意して行なう必要はなく、作業が容易となる。
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、ステージを上段球転動部と下段球転動部との2段構成としたが、球転動部を1段または3段以上で設けたものであってもよく、該ステージの形態は各種のものを採用し得る。
(2) 実施例では、ステージの後方に配置した第4発光装置での演出として、透明パネルの外周端面に光を照射することで図柄が浮き上がるように表示される形態で説明したが、第4発光装置で行なわれる演出形態はこれに限られるものでなく、例えば装飾体に光を照射することで明輝させる等、各種の発光演出の形態を採用し得る。
(3) 実施例では、ステージの後方に配置した演出装置として、LED(発光体)の点灯・消灯制御によって光による演出を行なう発光装置を挙げたが、演出装置としては、可動体に所要の動作を行なわせることで動的な演出を行なう可動演出装置、または発光による演出と可動体の動作による演出との両方を行ない得る複合演出装置を採用し得る。
(4) 実施例では、ステージの後方に1基の演出装置を配置した場合で説明したが、複数の演出装置を配置する構成を採用可能である。
(5) 実施例では、ステージより上方へ延出する一部の庇状部(第2庇状部)のみを上方傾斜するようにしたが、全ての庇状部(第1庇状部および第2庇状部)を上方傾斜する構成を採用し得る。
(6) 実施例では、アクリル等の透明な材料で形成した透明板から遊技盤を構成したが、木製の板部材の表面にセル盤等を貼着したものであってもよい。
(7) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。