JP5884636B2 - 車両のフード跳ね上げ構造 - Google Patents

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Description

この発明は、車体のフード開口側部に設けられたアクチュエータを、車両前方からの衝撃検知時に上方に伸張させることによりその上方のフードを跳ね上げて、車両と衝突した歩行者などの障害物を受止めるような車両のフード跳ね上げ構造に関する。
従来、車両の前部に歩行者などの障害物が当接し、該障害物がエンジンルームの上面を覆うフード上に倒れ込んだ際、該フードを変形させることにより障害物が受ける衝撃を緩和することが行なわれている。
上述のフードの設置高さが低く、フードとエンジンルーム内のエンジン等の機器の上面との間に充分な間隔を確保することができない場合には、上述の衝撃の緩和機能が充分に発揮されない可能性がある。
このような問題点を解決するため、フードの後部に設けられたヒンジ機構の周辺にフードの後部を持ち上げるアクチュエータを設け、車両前方からの衝撃検知時に該アクチュエータを作動させて、フードとエンジンの上面との間隔を拡大させ、これにより、歩行者などの障害物が受ける衝撃の緩和機能が充分に発揮されるように構成した車両のフード跳ね上げ構造が既に提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、該特許文献1においては、ヒンジレインと前突時のフード折れ部との関係については全く開示されていない。
一方で、車両の前面衝突時に、フード後端の後方への移動を防止するために、該フードを「くの字状」に折るための折れ部が設定されている。
フードの折れ部は、前突時のフードの折れを促進するために、フードの他の部位と比較して脆弱に構成されているので、上述のアクチュエータが作動すると、フード折れ部においてフードが折れ、アクチュエータによるフードの跳ね上げ力が不充分となる恐れがあった。
車両の設計初期段階からアクチュエータの位置を、フードの折れ部と充分に離間した部位とすることで、上記課題は解決可能となるが、例えば、車両の設計初期段階ではエンジンルーム内の機器とフードとの間隔、すなわち、障害物による衝撃の緩和ストロークが確保されていて跳ね上げ機構の設定を想定していなかったものの、その後のエンジン仕様の変更や、フード設計仕様の変更等により、跳ね上げ機構を後付け追加して、衝撃緩和ストロークを設ける必要が生じた場合等においては、アクチュエータをフードの折れ部から離間した位置にレイアウトするために、エンジンルーム内の他の部品のレイアウトを再検討する必要が生じることになる。
特開2010−30496号公報
そこで、この発明は、フードがその後部にて車体に上方へ変位可能なヒンジを介して固定され、アクチュエータを該ヒンジよりも車両前方に位置させ、フードのアクチュエータ対応位置よりも前方には、車両前突時に前方から加わる荷重により上方に凸となるよう折れ曲る折れ部が形成され、フードにおけるヒンジ固定部から折れ部より前方の位置まで延び、アクチュエータ伸張時に該アクチュエータからの上方への荷重を受けるヒンジレインが設けられる構成を採用することで、フードの折れ部におけるアクチュエータ伸張によるフードの折れをヒンジレインで防止することができ、アクチュエータによるフードの充分な跳ね上げ力を確保し、障害物が受ける衝撃の緩和機能を充分に発揮することができる車両のフード跳ね上げ構造の提供を目的とする。
この発明による車両のフード跳ね上げ構造は、車体のフード開口側部に設けられたアクチュエータを、車両前方からの衝撃検知時に上方に伸張させることによりその上方のフードを跳ね上げる車両のフード跳ね上げ構造であって、上記フードはその後部にて車体に対して上方に変位可能なヒンジを介して固定されており、上記アクチュエータは該ヒンジよりも車両前方に位置しており、上記フードのアクチュエータ対応位置よりも前方には、車両前突時に前方から加わる荷重により上方に凸となるよう折れ曲る折れ部が形成されており、上記フードにおけるヒンジ固定部から上記折れ部より前方の位置まで延び、上記アクチュエータ伸張時に該アクチュエータからの上方への荷重を受けるヒンジレインが設けられたものである。
上記構成によれば、フードにおけるヒンジ固定部から折れ部より前方位置まで延びて、アクチュエータの伸張時に、該アクチュエータからの上方への荷重を受けるヒンジレインを設けたので、フードの折れ部におけるアクチュエータ伸張時によるフードの折れを上記ヒンジレインで防止することができる。
この結果、アクチュエータによるフードの充分な跳ね上げ力を確保することができて、障害物が受ける衝撃の緩和機能を充分に発揮することができる。
この発明の一実施態様においては、上記ヒンジレインは、折れ部よりも前方部位と後方部位にてフードに対向する面部を有し、当該面部における折れ部よりも前方部位と後方部位との少なくとも2箇所にてフードに固定されたものである。
上記構成によれば、ヒンジレインはフードに対向する上述の面部を有しており、この面部が折れ部よりも前方部位と後方部位とでフードに面接触固定されているので、アクチュエータによる下方からの力に対して強い構造となり、アクチュエータ伸張作動によるフードの折れを、該ヒンジレインにてより一層確実に防止することができ、アクチュエータによるフードの充分な跳ね上げ力を確保することができると共に、フードの跳ね上げにより衝撃緩和機能の向上を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記ヒンジレインは、折れ部に対応する位置において、フードに前方から加わる荷重に対して剛性を変化させた剛性変化部が形成されたものである。
上記構成によれば、次の如き効果がある。
すなわち、剛性変化部はフードに前方から加わる荷重(前後方向の荷重)に対してヒンジレインの剛性を変化させるものであるため、アクチュエータの作動による下方からの荷重(上下方向の荷重)によるフードの折れを防止しつつ、剛性変化部によって、車両前突時には、ヒンジレインがフードの折れの妨げとなることなく、車両前突時にはフードを上方に凸となるように適切に折れ曲げることができる。
つまり、アクチュエータ作動時のフードの折れ防止と、前突時のフードの上方凸状の折れ曲げ確保と、の両立を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記ヒンジレインには、上記面部から上方または下方に折り曲げられた折曲部が形成され、上記剛性変化部は、上記折曲部の上下方向長さが変化する形状とすることにより形成されたものである。
上記構成によれば、剛性変化部を折曲部の上下方向長さの変化により構成したので、ヒンジレインの形状の工夫により、追加部材を用いることなく剛性変化部を実現することができる。
この発明によれば、フードがその後部にて車体に上方へ変位可能なヒンジを介して固定され、アクチュエータを該ヒンジよりも車両前方に位置させ、フードのアクチュエータ対応位置よりも前方には、車両前突時に前方から加わる荷重により上方に凸となるよう折れ曲る折れ部が形成され、フードにおけるヒンジ固定部から折れ部より前方の位置まで延び、アクチュエータ伸張時に該アクチュエータからの上方への荷重を受けるヒンジレインが設けられる構成を採用したので、フードの折れ部におけるアクチュエータ伸張によるフードの折れをヒンジレインで防止することができ、アクチュエータによるフードの充分な跳ね上げ力を確保し、障害物が受ける衝撃の緩和機能を充分に発揮することができる効果がある。
本発明のフード跳ね上げ構造を備えた車両の外観斜視図 フードを開放してエンジンルーム内を上方から目視した状態で示す斜視図 図2のA−A線に沿う要部の矢視断面図 フードアウタを取外した状態で示すフードの平面図 図4のX−X線矢視図 フード跳ね上げ時の側面図 図2の要部拡大斜視図 図5の部分拡大斜視図 アクチュエータおよびブラケットを車幅方向内側から見た状態で示す斜視図 アクチュエータおよびブラケットを車幅方向外側から見た状態で示す斜視図 図4の要部を上方から見た状態で示す拡大斜視図 図4の要部を下方から見上げた状態で示す拡大斜視図 車両前突時のフードの折れ曲り状態を示す側面図 (a)は図11のB−B線矢視断面図、(b)は図11のC−C線矢視断面図、(c)は図11のD−D線矢視断面図 アクチュエータによるフード跳ね上げ時の正面図
フードの折れ部におけるアクチュエータ伸張によるフードの折れをヒンジレインで防止することができ、アクチュエータによるフードの充分な跳ね上げ力を確保し、障害物が受ける衝撃の緩和機能を充分に発揮するという目的を、車体のフード開口側部に設けられたアクチュエータを、車両前方からの衝撃検知時に上方に伸張させることによりその上方のフードを跳ね上げる車両のフード跳ね上げ構造において、上記フードはその後部にて車体に対して上方に変位可能なヒンジを介して固定されており、上記アクチュエータは該ヒンジよりも車両前方に位置しており、上記フードのアクチュエータ対応位置よりも前方には、車両前突時に前方から加わる荷重により上方に凸となるよう折れ曲る折れ部が形成されており、
上記フードにおけるヒンジ固定部から上記折れ部より前方の位置まで延び、上記アクチュエータ伸張時に該アクチュエータからの上方への荷重を受けるヒンジレインが設けられるという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図1はフード跳ね上げ構造を備えた車両の外観斜視図、図2はフードを開放してエンジンルーム内を上方から目視した状態で示す斜視図である。
エンジンルーム1はその左右両側がフロントフェンダパネル2,2で、前方部がバンパフェイス3で、後方部がダッシュロアパネル4で、上方部がフード5(ボンネットと同意)で覆われている。
上述のエンジンルーム1内には、その左右両側方から車幅方向内方へ膨出し、上下方向に延びるサスペンションタワー部6,6が設けられる一方、該エンジンルーム1内には、エンジン7、バッテリ8、エアクリーナ9、ウオッシャタンク10、マスタシリンダ11およびリザーバタンク12を有する制動倍力装置13などの、エンジンおよびエンジン補機が配設されると共に、ダクト類、配管類、ハーネス類が多数配索されており、後述するフード跳ね上げ用のアクチュエータ31を設ける箇所が制限されている。なお、図2において、14はカウルグリルである。
図3は図2のA−A線に沿う要部の矢視断面図で、上述のフード5はフードアウタ5Aとフードインナ5Bとから構成されると共に、車両軽量化のために、これらフードアウタ5Aおよびフードインナ5Bはアルミニウムなどの軽金属により形成され、フードアウタ5Aとフードインナ5Bとの車幅方向縁部を含む周縁接合部をヘミング加工して、これら両者5A,5Bを一体化している。つまり、フードインナ5Bの車幅方向縁部はフードアウタ5Aに接している。
また、図3に示すように、フードインナ5Bは、ヘミング加工部としての縁部より内側の部位においてフードアウタ5Aから下方に離間する形状に構成されている。
図4はフードアウタ5Aを取外した状態で示すフードの平面図、図5は図4のX−X線矢視図でフード5を支持するヒンジ構造を示すものである。
図3において、フロントフェンダパネル2の上端部2aから下方に延びる縦壁部2bを一体に折曲げ形成し、この縦壁部2bの下端から車幅方向内方に延びる取付け片2cを一体に折曲げ形成している。
上述の取付け片2cの下部には、エンジンルーム1内の両サイド部を車両の前後方向に延びるエプロンレインフォースメント20を設け、このエプロンレインフォースメント20の車幅方向外側にはサイドカウルレインフォースメント21を接合固定している。上述のエプロンレインフォースメント20およびサイドカウルレインフォースメント21は車体強度部材である。
図4,図5,図6に示すように、フードインナ5Bの後端部とエプロンレインフォースメント20の上端水平部20a(図3参照)との間には、フード5を上方に変位可能になすヒンジ機構22が設けられている。
図5,図6に示すように、このヒンジ機構22は、エプロンレインフォースメント20の上端水平部20aに固定されたL字状のボディ側ブラケット23と、フードインナ5Bの後端部下面に固定されたL字状のフード側ブラケット24と、フード側ブラケット24の前部とボディ側ブラケット23との間に、ピン25,26を用いて張架した長尺のリンク27と、フード側ブラケット24の後部とリンク27の前後方向の中間部との間に、ピン28,29を用いて張架した短寸のリンク30と、を備えている。
つまり、上述のフード5はその後部にて車体としてのエプロンレインフォースメント20に対して上方に変位可能なヒンジ機構22を介して固定されており、通常のフード開閉時には、各リンク27,30が図5の状態を保持したまま、ピン26を支点としてフード5が開閉される。
一方、車両前方からの衝撃検知時には、後述するアクチュエータ31の作用により、各リンク27,30が図6のように変位して、ピン26を支点としてリンク27の遊端が上動し、フード5を跳ね上げるように構成している。
図5,図6では車両右側のヒンジ機構22を示したが、車両左側のヒンジ機構は右側のそれと左右対称に構成されている。
図2,図7に示すように、車両前方からの衝撃検知時にフード5の後部を上方へ跳ね上げるアクチュエータ31を設けるが、該アクチュエータ31は車体のフード開口側部(エプロンレインフォースメント20の車内側面参照)で、かつ上述のヒンジ機構22よりも車両前方に位置して設けられている。
図8はアクチュエータ31の取付け構造を示す斜視図で、図5,図6,図8に示すように、このアクチュエータ31は、車体のフード開口側部にて車両前後方向に延びるエプロンレインフォースメント20の車内側面に対して車内側からアクチュエータ31を覆うブラケット32により固定されている。
このブラケット32は、図9,図10にも示すように、アクチュエータ31の外筒であるシリンダを複数箇所(この実施例では3箇所)の溶接部32a…にて結合する外筒結合部32bと、この外筒結合部32bから前方に延びる延設部32cと、この延長部32cの前部上下に位置する取付け座32d,32eと、を金属剛性部材により一体形成したものである。
そして、図5,図6,図8に示すように、該ブラケット32の取付け座32d,32eを、ボルト33、ナットなどの締結部材を用いて、エプロンレインフォースメント20の車内側面に固定したものである。
また、上述のアクチュエータ31はその内部にインフレータ(図示せず)を備えており、車両前方からの衝撃検知時にインフレータの作動によりロッド34(図6参照)を上方に伸張させて、その上方のフード5を跳ね上げるように構成している。ここで、該アクチュエータ31はその長手方向が上下方向に指向するように取付けられている。
図5,図6,図8,図9,図10では車両右側のアクチュエータ31およびブラケット32とその取付け構造を示したが、車両左側のアクチュエータ、ブラケットとその取付け構造は右側のそれと左右対称に構成されている。
図4,図11,図12に示すように、フードインナ5Bのアクチュエータ31対応位置よりも前方には、車両前突時に前方から加わる荷重によりフード5が上方に凸となるように折れ曲る(図13参照)折れ部αが形成されている。
図4,図11,図12では、上述の折れ部αを図示の便宜上、仮想線で示したが、具体的にはフードインナ5Bに凹凸を形成することにより、フード5が折れやすくなるように形成したものであり、この折れ部αは車両前突時にフード5を図13に仮想線で示すように上方に凸となるように折り曲げて、該フード5の後退を防止し、フロントウインドガラス35の破損を阻止するものである。
上述の折れ部αはフードインナ5Bの車幅方向ほぼ全幅にわたって形成されている。
図4,図11,図12に示すように、フード5におけるヒンジ機構22で固定された部位(ヒンジ固定部)から上述の折れ部αよりも前方の位置まで延びるヒンジレイン40(詳しくは、ヒンジレインフォースメント)が設けられている。
このヒンジレイン40はアクチュエータ31のロッド34伸張時に、該アクチュエータ31からの上方への荷重(上下方向の荷重)を受けるものである。
図11に示すように、上述のヒンジレイン40は、折れ部αよりも前方部位と後方部位とにてフードインナ5Bに対向するフラットな面部40aを有し、この面部40aにおける折れ部αよりも前方部位と後方部位との少なくとも2箇所にてフードインナ5Bに固定されている。
図11,図12に示すように、面部40aの折れ部αよりも前方部位は、リベット41にてフードインナ5Bに固定されており、面部40aの折れ部αよりも後方部位は、ボルト42、ナット43にてフードインナ5Bに固定されている。
上述のリベット41、ボルト42、ナット43による2箇所に加えて、面部40aのさらに後方側は、ボルト、ナット44,45,46を用いて3箇所がフードインナ5Bに固定されており、このうち後方寄りの2箇所は、上述のボルト、ナット45,46でヒンジ機構22のフード側ブラケット24と共締め固定されている。
図14の(a)は図11のB−B線矢視断面図、図14の(b)は図11のC−C線矢視断面図、図14の(c)は図11のD−D線矢視断面図である。
図14の(a)、(b)、(c)に示すように、上述のヒンジレイン40は面部40aの車幅方向内方端部から車幅方向内方かつ上方に折り曲げられた内側の折曲部40bと、面部40aの車幅方向外方端部から車幅方向外方かつ上方に折り曲げられた外側の折曲部40cとが一体に形成されたものである。
折れ部αの前方部位の断面を示す図14の(a)から、折れ部αの後方部位の断面を示す図14の(b)にかけて、上述の折曲部40bの上下方向長さを変化させることで、剛性変化部47(図11参照)を形成している。
この剛性変化部47は折れ部αに対応する位置において、フード5に前方から加わる荷重(前後方向の荷重)に対して剛性を変化させたもので、この実施例では折れ部αの前方部位における折曲部40bの上下方向長さL2が折れ部αの後方部位における折曲部40bの上下方向長さL1よりも大きくなるように、つまりL2>L1の関係式が成立するように形成し、車両前突時に、ヒンジレイン40がフード5の折れの妨げとなることなく、車両前突時には該フード5を、図13で示したように、上方に凸となるように適切に折れ曲げ得るように構成したものである。
図3は、アクチュエータ31非作動時の正面図、図15はアクチュエータ31作動時の正面図であって、上述のフードインナ5Bは、アクチュエータ31のロッド34に当接する部位近傍において車幅方向外側に向かって位置が高くなる内低外高形状の傾斜面5Cを有している。
図3,図15に示すように、上述のフードインナ5Bの下面で傾斜面5Cと上下方向に重複する位置には、アクチュエータ31の伸張部分であるロッド34の上端が当接する面部48と、この面部48から下方に折り曲げられた折曲部49とを有する補強部としてのスティフナ50が設けられており、該スティフナ50の折曲部49で規制部を構成している。
この規制部(スティフナ50の折曲部49)は、アクチュエータ31のロッド34が伸張した時、該アクチュエータ31のフードインナ5Bとの当接部、すなわちロッド34の上端部が、傾斜面5Cに沿って車幅方向外方に変位するのを規制するものである。ここで、上述の折曲部49はスティフナ50の車幅方向外側縁を下方に折り曲げて形成したものであり、一方、上述のアクチュエータ31の伸張部分であるロッド34は、フードインナ5Bの傾斜面5Cの位置に対応するものである。
図11,図12に示すように、補強部としてのスティフナ50は、車両前突時のフード5の上方に凸となる折れ曲りを阻害しないように、上述の折れ部αと重複しない位置においてその後方のフードインナ5B下面に固定されている。
この実施例では、該スティフナ50は、ボルト42、ナット43およびボルト・ナット44を用いて、ヒンジレイン40と前後複数箇所で共締め固定されている。
なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示し、矢印UPは車両上方を示す。
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下作用を説明する。
フード5のフードインナ5Bには、図4,図11,図12に示すように、車両前突時に前方から加わる荷重(前後方向の荷重)により該フード5を上方に凸となるように折れ曲げる折れ部αが形成されていると共に、ヒンジレイン40には上述の剛性変化部47が形成されており、またスティフナ50は折れ部αから後方に離間した部位に設けられている。
このため、車両の前突時にはヒンジレイン40およびスティフナ50がフード折れ曲りの妨げとなることなく、該フード5は折れ部αを座屈起点として、図13に示すように、上方に凸となるように折れ曲り、フード5の後退を防止することができる。
この実施例では、上述の折れ部αより前方で、かつヒンジレイン40の前端よりもさらに前方位置には、図13に示すように、前方折れ部βがフードインナ5Bに形成されているので、車両前突時にフード5は側面視略台形状に折れ曲がって、フード5の後退がより一層適切に防止される。
また、上述のフード5のフードインナ5Bにおいてヒンジ機構22の固定部から折れ部αより前方の位置まで延びるヒンジレイン40を設けると共に、アクチュエータ31のロッド34上端部がフードインナ5Bの傾斜面5Cに沿って車幅方向に変位するのを規制する規制部(スティフナ50の折曲部49参照)を設けている。
このため、歩行者等の障害物が車両前部に当接した衝撃検知時には、アクチュエータ31内のインフレータが作動して、該アクチュエータ31のロッド34を図15に示すように上方に伸張させ、ヒンジ機構22を介して、フード5の後方部を図6に示すように上方に跳ね上げる。
この時、フード5の折れ部αによるフード5の折れをヒンジレイン40で防止することができると共に、アクチュエータ31のロッド34がフードインナ5Bの傾斜面5Cに沿って車幅方向外側に逸れるのを防止することができ、この結果、アクチュエータ31のロッド34によるフード5の充分な跳ね上げ力および跳ね上げ量を確保することができて、障害物に対して充分な衝撃緩和を図ることができる。
このように、上記実施例の車両のフード跳ね上げ構造は、車体のフード開口側部(エプロンレインフォースメント20の車内側面参照)に設けられたアクチュエータ31を、車両前方からの衝撃検知時に上方に伸張させることによりその上方のフード5を跳ね上げる車両のフード跳ね上げ構造であって、上記フード5はその後部にて車体に対して上方に変位可能なヒンジ(ヒンジ機構22参照)を介して固定されており、上記アクチュエータ31は該ヒンジ(ヒンジ機構22)よりも車両前方に位置しており、上記フード5のアクチュエータ31対応位置よりも前方には、車両前突時に前方から加わる荷重により上方に凸となるよう折れ曲る折れ部αが形成されており、上記フード5におけるヒンジ固定部(ヒンジ機構22の固定部)から上記折れ部αより前方の位置まで延び、上記アクチュエータ31伸張時に該アクチュエータ31からの上方への荷重を受けるヒンジレイン40が設けられたものである(図6,図11,図12,図15参照)。
この構成によれば、フード5におけるヒンジ固定部から折れ部αより前方位置まで延びて、アクチュエータ31の伸張時に、該アクチュエータ31からの上方への荷重を受けるヒンジレイン40を設けたので、フード5の折れ部αにおけるアクチュエータ31伸張時によるフード5の折れを上記ヒンジレイン40で防止することができる。
この結果、アクチュエータによるフード5の充分な跳ね上げを確保することができて、障害物が受ける衝撃の緩和機能を充分に発揮することができる。
また、上記ヒンジレイン40は、折れ部αよりも前方部位と後方部位にてフード5(詳しくは、フードインナ5B参照)に対向する面部40aを有し、当該面部40aにおける折れ部αよりも前方部位と後方部位との少なくとも2箇所にてフード5に固定されたものである(図11,図12参照)。
この構成によれば、ヒンジレイン40はフード5に対向する上述の面部40aを有しており、この面部40aが折れ部αよりも前方部位と後方部位とでフード5に面接触固定されているので、アクチュエータ31による下方からの力に対して強い構造となり、アクチュエータ31伸張作動によるフード5の折れを、該ヒンジレイン40にてより一層確実に防止することができ、アクチュエータ31によるフード5の充分な跳ね上げ力を確保することができると共に、フード5の跳ね上げにより衝撃緩和機能の向上を図ることができる。
さらに、上記ヒンジレイン40は、折れ部αに対応する位置において、フード5に前方から加わる荷重に対して剛性を変化させた剛性変化部47が形成されたものである(図11参照)。
この構成によれば、次の如き効果がある。
すなわち、剛性変化部47はフード5に前方から加わる荷重(前後方向の荷重)に対してヒンジレイン40の剛性を変化させるものであるため、アクチュエータ31の作動による下方からの荷重(上下方向の荷重)によるフード5の折れを防止しつつ、剛性変化部47によって、車両前突時には、ヒンジレイン40がフード5の折れの妨げとなることなく、車両前突時にはフード5を上方に凸となるように適切に折れ曲げることができる(図13参照)。
つまり、アクチュエータ31作動時のフード5の折れ防止と、前突時のフード5の上方凸状の折れ曲げ確保と、の両立を図ることができる。
加えて、上記ヒンジレイン40は、上記面部40aから上方または下方(この実施例では上方)に折り曲げられた折曲部40bが形成され、上記剛性変化部47は、上記折曲部40bの上下方向長さL2,L1が変化する形状とすることにより形成されたものである(図14参照)。
この構成によれば、剛性変化部47を折曲部40bの上下方向長さL2,L1の変化により構成したので、ヒンジレイン40の形状の工夫により、追加部材を用いることなく剛性変化部47を実現することができる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のヒンジは、実施例のヒンジ機構22に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
以上説明したように、本発明は、車体のフード開口側部に設けられたアクチュエータを、車両前方からの衝撃検知時に上方に伸張させることによりその上方のフードを跳ね上げる車両のフード跳ね上げ構造について有用である。
5…フード
22…ヒンジ機構(ヒンジ)
31…アクチュエータ
40…ヒンジレイン
40a…面部
40b…折曲部
47…剛性変化部
α…折れ部

Claims (4)

  1. 車体のフード開口側部に設けられたアクチュエータを、車両前方からの衝撃検知時に上方に伸張させることによりその上方のフードを跳ね上げる車両のフード跳ね上げ構造であって、
    上記フードはその後部にて車体に対して上方に変位可能なヒンジを介して固定されており、
    上記アクチュエータは該ヒンジよりも車両前方に位置しており、
    上記フードのアクチュエータ対応位置よりも前方には、車両前突時に前方から加わる荷重により上方に凸となるよう折れ曲る折れ部が形成されており、
    上記フードにおけるヒンジ固定部から上記折れ部より前方の位置まで延び、上記アクチュエータ伸張時に該アクチュエータからの上方への荷重を受けるヒンジレインが設けられた
    車両のフード跳ね上げ構造。
  2. 上記ヒンジレインは、折れ部よりも前方部位と後方部位にてフードに対向する面部を有し、
    当該面部における折れ部よりも前方部位と後方部位との少なくとも2箇所にてフードに固定された
    請求項1記載の車両のフード跳ね上げ構造。
  3. 上記ヒンジレインは、折れ部に対応する位置において、フードに前方から加わる荷重に対して剛性を変化させた剛性変化部が形成された
    請求項1または2記載の車両のフード跳ね上げ構造。
  4. 上記ヒンジレインには、上記面部から上方または下方に折り曲げられた折曲部が形成され、
    上記剛性変化部は、上記折曲部の上下方向長さが変化する形状とすることにより形成された
    請求項3記載の車両のフード跳ね上げ構造。
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