JP5884574B2 - 紙製食品容器用積層体、およびそれを用いた紙製食品容器 - Google Patents
紙製食品容器用積層体、およびそれを用いた紙製食品容器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5884574B2 JP5884574B2 JP2012058548A JP2012058548A JP5884574B2 JP 5884574 B2 JP5884574 B2 JP 5884574B2 JP 2012058548 A JP2012058548 A JP 2012058548A JP 2012058548 A JP2012058548 A JP 2012058548A JP 5884574 B2 JP5884574 B2 JP 5884574B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- paper
- food container
- layer
- resin layer
- laminate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
- Wrappers (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Paper (AREA)
Description
さらに、近年の美食化傾向の高まりによって、例えば、紙製食品容器にグラタンを充填した後に、グラタン表面に焦げ目を付け、その後に冷蔵及び冷凍され流通・販売されるようになってきている。この場合、グラタン表面に焦げ目を付けるため、紙製食品容器上面(グラタン表面)を加熱する工程が付加されるため、耐熱性を有する紙製食品容器が求められるようになってきている。
本発明で用いるPVAとしては、完全ケン化型PVA、部分ケン化型PVA、カルボキシ変性PVA、カチオン変性PVAなどの変性PVAなどを例示することができるが、これらに限定されるものではない。また、PVAのケン化度、重合度などの物性は特に限定されるものではないが、耐水性、皮膜強度などの点から、ケン化度が95%以上、重合度が1000〜2400である完全ケン化型PVAを使用することが好ましい。
紙支持体の非樹脂層面にPVA層が2層以上且つPVA層の塗工量の合計が0.10〜0.70g/m 2 塗工されることにより、PVAが紙支持体を構成するパルプ同士の接着性を向上させると共に、紙支持体の表面に強度が高い皮膜が形成されるため、紙支持体の表面強度が増加し、割れを防止しているものと推測される。なお、この効果はPVA特有のものであり、他の水溶性高分子であるデンプン等ではこの効果は見られない。
また、割れ防止効果および成形・加工性の点から、PVAは1層よりも2層以上塗工されている方が好ましい。PVAが2層以上塗工される場合、最初に塗工された(1層目の)PVAが紙支持体の表面に皮膜を形成した後に、更にその上に塗工された(2層目以降の)PVAが皮膜を形成するため、紙支持体の表面に1層塗工の場合より強固な皮膜が形成され、紙支持体の表面強度が更に増加し、効果的に割れが防止可能となるものと推測される。
CMCのエーテル化度、重合度などの物性は特に限定されるものではないが、溶解性や安定性などの点から、エーテル化度が0.55〜1.0mol/C6の範囲であることが好ましい。
本発明において、CMCの乾燥塗工量は、割れの防止効果および成形・加工性の点から0.02〜0.40g/m2であることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.30g/m2である。CMCの乾燥塗工量が0.30g/m2を超えると割れの防止効果は飽和するため、コストアップにつながる。また、成形・加工性が低下する可能性がある。
本発明において使用する樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート等の飽和ポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等を例示することができ、これらを単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができるが、これらに限定されるものではない。
また、樹脂層の厚さは特に限定されないが、耐熱性、耐油性、耐熱性、成形・加工性等が良好であるため、通常15〜40μm程度である。
紙支持体上に樹脂層を設ける方法は、押出しラミネーション、ウェットラミネーション、ドライラミネーション、ホットメルトラミネーション、サーマールラミネーション等の各種方法が使用可能であり、特に限定されない。
また、紙支持体の樹脂層面やPVA塗工面(すなわち非樹脂層面)、あるいは
PVAを塗工した面上に、美麗性等を付与するための各種印刷を施すことも可能である。
さらに、コストや生産効率の面からは、ロール状の紙製食品容器用積層体を用いて、雄金型と雌金型からなるプレス成形機で罫線加工と打ち抜きプレス加工を連続して行い、食品容器を成形する方法であると好ましい。抜き加工した罫線つきの枚葉紙製食品容器用積層原紙を別工程でプレス加工して食品容器を成形する方法であると、工程が一つ増えることによりコストアップや生産効率低下につながる。また、工程間の運搬・保管に時間を要することにより、枚葉紙製食品容器用積層原紙にカールが生じて不良品の発生率が上がるといった問題が生じる。
[参考例1]
[参考例3]
[参考例4]
[参考例5]
[参考例6]
[参考例9]
[参考例12]
[参考例13]
PVAをデンプン(SK−20、日本コーンスターチ社製)に変更した以外は実施例2と同様にして紙製食品容器を得た。
[比較例2]
PVAを塗工しなかった以外は実施例1と同様にして紙製食品容器を得た。
[比較例3]
PVAをデンプン(SK−20、日本コーンスターチ社製)をに変更し、デンプンの上にCMC(商品名:サンローズF10LC、エーテル化度:0.60mol/C6、日本製紙ケミカル社製)を乾燥塗工量が0.05g/m2となるようにグラビア輪転印刷機(機名・型番:グラビア輪転8色機 L950 ボブストチャンブレン社製)で塗工した以外は実施例2と同様にして紙製食品容器を得た。なお、CMCは乾燥させたデンプン上に塗工した。
[比較例4]
坪量300g/m2の紙支持体(伸び率(縦/横)=2.3%/5.1%、水分量=6.8%)の一方の面(非樹脂層面)に、ポリビニルアルコール(商品名:PVA117、ケン化度:98%、クラレ社製)を乾燥塗工量が0.40g/m2となるようにエアナイフコーターで塗工・乾燥した。
次に、グラビア輪転印刷機(機名・型番:グラビア輪転8色機 L950 ボブストチャンブレン社製)を用いて紙支持体の両面に印刷を施し、紙支持体のPVAが塗工されていない面側の印刷面上にポリブチレンテレフタレート(商品名:500FP、ウィンテックポリマー社製)を厚さ25μmとなるように押し出しラミネートした(これを、「ポリブチレンテレフタレート層A」とする。)。
次に、紙支持体のPVAが塗工されている面側の印刷面上にポリブチレンテレフタレート(商品名:500FP、ウィンテックポリマー社製)を厚さ25μmとなるように押し出しラミネートして(これを、「ポリブチレンテレフタレート層B」とする。)ロール状に巻き取り、ポリブチレンテレフタレート層A/印刷/紙支持体/PVA層/印刷/ポリブチレンテレフタレート層Bからなるロール状の紙製食品用積層体を得た。
次に、得られたロール状の紙製食品用積層体を、打ち抜き・プレス成形機(機名・型番:SDE−6016C/B0、アマダ社製)を用いて放射状の凹凸となるように容器成形用の罫線を設け、続けて非樹脂層面が紙製食品容器の外面に、樹脂層面が内面になるように縁巻きトレー形状(図1、図2)に抜き、成形加工をして、紙製食品容器を得た。
<割れ>
比較例4で得た紙製食品容器以外の紙製食品容器については非樹脂層面の割れの状態を、比較例4で得た紙製食品容器についてはポリブチレンテレフタレート層B面の割れの状態を、それぞれ目視で観察して評価した。
A:割れがない。
B:極く微細なひびや毛羽立ちが部分的に見られるが、割れはない。
C:点状の微細な割れが見られるが、実用上支障がない。
D:線状の割れがある(最大の割れの長さが5mm未満)。
E:線状の割れがある(最大の割れの長さが5mm以上)。
<デラミネーション>
得られた紙製食品容器を200℃で5分間加熱した後、比較例4で得た紙製食品容器以外の紙製食品容器については非樹脂層面のデラミネーション(紙支持体と樹脂層の剥離)の状態を、比較例4で得た紙製食品容器についてはポリブチレンテレフタレート層B面のデラミネーションの状態を、それぞれ目視で観察して評価した。
A:デラミネーションがない。
B:僅かにデラミネーションがあるが、実用上支障がない。
C:デラミネーションがある。
Claims (4)
- 紙支持体の片面に少なくとも1層以上の樹脂層を設け、樹脂層を設けていない面にポリビニルアルコール層を設けた紙製食品容器用積層体において、該ポリビニルアルコール層が2層以上であり、且つポリビニルアルコール層の塗工量の合計が0.10〜0.70g/m 2 であることを特徴とする紙製食品容器用積層体。
- 紙支持体の片面に少なくとも1層以上の樹脂層を設け、樹脂層を設けていない面にポリビニルアルコール層を設けた紙製食品容器用積層体において、該ポリビニルアルコール層上に、カルボキシメチルセルロース層を有し、且つポリビニルアルコール層とカルボキシメチルセルロース層の塗工量の合計が0.10〜1.20g/m 2 であることを特徴とする紙製食品容器用積層体。
- 請求項1〜2のいずれか一項に記載の紙製食品容器用積層体を用いた紙製食品容器。
- ロール状の紙製食品容器用積層体に、罫線加工と打ち抜きプレス加工を連続して行い成形されたことを特徴とする請求項3に記載の紙製食品容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012058548A JP5884574B2 (ja) | 2011-03-25 | 2012-03-15 | 紙製食品容器用積層体、およびそれを用いた紙製食品容器 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011067185 | 2011-03-25 | ||
JP2011067185 | 2011-03-25 | ||
JP2012058548A JP5884574B2 (ja) | 2011-03-25 | 2012-03-15 | 紙製食品容器用積層体、およびそれを用いた紙製食品容器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012214024A JP2012214024A (ja) | 2012-11-08 |
JP5884574B2 true JP5884574B2 (ja) | 2016-03-15 |
Family
ID=47267307
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012058548A Active JP5884574B2 (ja) | 2011-03-25 | 2012-03-15 | 紙製食品容器用積層体、およびそれを用いた紙製食品容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5884574B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6205828B2 (ja) * | 2012-06-11 | 2017-10-04 | 日本製紙株式会社 | 紙製バリア包装材料 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1993014642A1 (en) * | 1992-01-22 | 1993-08-05 | A*Ware Technologies, L.C. | Coated sheet material and method |
JP2002294597A (ja) * | 2001-03-30 | 2002-10-09 | Nippon Paper Industries Co Ltd | 紙器原紙及びそれを用いた紙コップ |
JP2004106369A (ja) * | 2002-09-19 | 2004-04-08 | Toppan Printing Co Ltd | 紙製積層体およびその積層体からなる紙製容器 |
-
2012
- 2012-03-15 JP JP2012058548A patent/JP5884574B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012214024A (ja) | 2012-11-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7315589B2 (ja) | 再パルプ化可能な包装材料 | |
TWI507290B (zh) | 離型片、離型片之製造方法及合成皮革 | |
US11396170B2 (en) | Compostable laminate structure | |
JP2021509158A (ja) | 液体および/または冷凍食品を包装するための板紙 | |
JP2009243015A (ja) | 断熱性紙製容器に用いる原材料シート、及び断熱性紙製容器 | |
JP5848476B1 (ja) | ファイブラスケーシング用紙素材、その製造方法、ファイブラスケーシング及びその製造方法 | |
JP5884574B2 (ja) | 紙製食品容器用積層体、およびそれを用いた紙製食品容器 | |
JP2012183825A (ja) | 紙製食品容器用積層体、およびそれを用いた紙製食品容器 | |
JP2014167192A (ja) | 成形容器用原紙 | |
JP2002266294A (ja) | 成形容器用原紙及びそれを用いた成形容器 | |
JP7215189B2 (ja) | 発泡断熱紙容器用紙基材、発泡断熱紙容器用シートおよび発泡断熱紙容器 | |
JP2020079461A (ja) | 発泡断熱紙容器 | |
JP2019052409A (ja) | 発泡断熱紙容器用紙基材、発泡断熱紙容器用シートおよび発泡断熱紙容器 | |
JP2019171707A (ja) | 離型紙、離型紙の製造方法、被賦形体および合成皮革 | |
JP7172818B2 (ja) | カップ用基材、液体用カップ容器およびその製造方法 | |
JP5869829B2 (ja) | ガスバリヤー性紙製材料 | |
JP2019163578A (ja) | 発泡断熱紙容器用紙基材、発泡断熱紙容器用シートおよび発泡断熱紙容器 | |
JP6810571B2 (ja) | 断熱容器用シートの製造方法 | |
JP3800073B2 (ja) | 成形加工原紙及びそれを用いた紙製成形容器 | |
US20230294381A1 (en) | Composite Thermoformed Tableware and Preparation Method Thereof | |
JP2019090130A (ja) | 発泡断熱紙容器用紙基材の製造方法、発泡断熱紙容器用シートの製造方法、発泡断熱紙容器の製造方法および発泡断熱紙容器用紙基材 | |
EP3260598A1 (en) | Pigment coated board | |
JP7114905B2 (ja) | 発泡断熱紙容器用紙基材、発泡断熱紙容器用シートおよび発泡断熱紙容器 | |
JP2009241544A (ja) | 断熱性紙製容器に用いる原材料シートおよび断熱性紙製容器 | |
EP4096924A1 (en) | A packaging sheet for packaging of butterable products |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20121016 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121031 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20141006 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150623 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150630 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150824 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160112 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160125 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Ref document number: 5884574 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |