JP5884415B2 - トルク測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータやエンジン等の回転動力装置の試験に用いるトルク測定装置に関するものである。
従来、モータやエンジン等の回転動力装置の評価として、トルク測定装置を用いた試験が広く一般に行われている。こうしたトルク測定装置としては種々のタイプのものが知られており、その一つとして下記特許文献1に記載のものがある。
このものは供試体であるモータ(以下「供試モータ」と称す。)とトルク計における軸の一端側を接続するとともに、トルク計の軸の他端側をダイナモメータに接続している。そして、供試モータを所定の回転速度で回転させるとともに、ダイナモメータの制御を行うことで供試モータに対して様々な負荷を与えることができるようになっている。このように回転速度および負荷の制御を行いつつ、トルク計より得られるトルク検出値を得ることによって、様々な条件下における供試モータの出力トルク特性を把握することが可能となっている。
特開2005−257432号公報
上記特許文献1の構成においては、供試モータの出力軸とトルク計の入力軸との間を直接的に接続する構成となっているが、こうした構成とすることにより双方の軸の心ズレや供試モータの振動による影響が外乱としてトルク計に作用して、トルク計測を適切に行うことができない場合も想定される。
そのため、外乱がトルク計に直接的に作用することがないよう、供試モータとトルク計との間に転がり軸受により支承された中間軸を設け、この中間軸を介して供試モータとトルク計とを接続することが考えられる。こうすることで、頻繁に供試モータを付け替えてトルク測定を行った場合でも、取付誤差に起因する供試モータの出力軸と中間軸との間の心ズレや、供試モータの振動による影響はトルク計には直接的に及ぼされず、精度良くトルク測定を行うことができる。
しかしながら、上記のように中間軸を設けることは新たな抵抗発生箇所を設けることに他ならず、この抵抗分の補正を行わない限り真に正確なトルク測定値を得たものということはできない。すなわち正確なトルク測定値を得るためには、中間軸を支承する転がり軸受内での抵抗分の補償を行うことが必要となる。
本発明は、このような課題を有効に解決することを目的としており、具体的には、供試体たる回転動力装置とトルク計との間に中間軸を設ける構成を前提として、その中間軸を支承する転がり軸受内で発生する抵抗分を補正して、より高精度なトルク測定を行うことのできるトルク測定装置を提供することを目的とする。
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明のトルク測定装置は、転がり軸受により支承された中間軸を介して供試体の回転出力軸とトルク検出器の入力軸とを接続して、前記トルク検出器からの検出値を基にして供試体の出力トルクを計測するトルク測定装置において、前記転がり軸受の振動を検知する振動検知手段と、当該振動検知手段から得られる振動の検出信号に基づいてトルク補正値を決定するトルク補正値決定部とを備え、前記トルク補正値決定部より得られるトルク補正値に基づいて測定トルクの補正を行うことを特徴とするものである。
このように構成すると、転がり軸受の内部状態を判別するための基準として転がり軸受における振動の検出信号を用いて、転がり軸受内での抵抗分としてのトルク補正値を適切に決定することができるため、これに基づいて測定トルクの補正を行うことで、トルク測定の高精度化を図ることが可能となる。
しかも、前記トルク補正値決定部が、前記振動検知手段より得られる振動の検出信号より、前記転がり軸受に固有で、かつ、回転周波数に比例する特定周波数成分の振動レベルを演算する振動レベル演算部を備え、当該振動レベル演算部により得られる特定周波数の振動レベルを基にトルク補正値を決定するようにしているため、より高精度に測定トルクの補正を行うことが可能となる
また、トルク補正値の決定をより高精度に実施できるようにするためには、前記トルク補正値決定部が、前記振動レベル演算部により得られる特定周波数の振動レベルを基に、前記転がり軸受が備える転動体の当該転がり軸受内での摩擦係数推定値を決定する摩擦係数推定部を備え、当該摩擦係数推定部により得られる前記摩擦係数推定値を基にトルク補正値を決定するように構成することが好適である。
さらに、より簡便にトルク補正値の決定を可能とするためには、前記特定周波数の振動レベルと対応した摩擦係数推定値テーブルを記憶しておくテーブル記憶部を備え、前記摩擦係数推定部が前記テーブル記憶部に記憶された摩擦係数推定値テーブルに基づいて前記摩擦係数推定値を決定するように構成することが好適である。
また、より高精度に測定トルクの補正を行うことを可能とするためには、複数の特定周波数より選択して使用して、これを基にトルク補正値の決定を行うことができるようにすることが好ましいため、前記トルク補正値決定部が、前記転がり軸受が備える保持器、転動体、外輪および内輪にそれぞれ依存する前記特定周波数としての第1〜第4特定周波数を各々記憶しておく特定周波数記憶部と、当該特定周波数記憶部より前記第1〜第4特定周波数のいずれかを選択して設定する特定周波数設定部とを備えるように構成することが好適である。
さらに、測定トルク補正値を高精度に得るためには、その基準となる特定周波数を高精度に得られるようにすることが望ましいため、前記中間軸の回転周波数を検出して出力する回転周波数検出手段を具備し、前記トルク補正値決定部が、前記回転周波数検出手段から得られる回転周波数を基にして前記特定周波数を決定する特定周波数決定部を備えるように構成することが好適である。
以上説明した本発明によれば、供試体とトルク計との間に中間軸を設ける構成を前提とし、その中間軸を支承する転がり軸受の内部状態を示すものとして転がり軸受における振動の検出信号を用いることで、転がり軸受内で発生する抵抗分を補正して、より高精度なトルク測定を行うことのできるトルク測定装置を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るトルク測定装置のシステム構成図。 同トルク測定装置におけるトルク測定値決定のための構成を示すブロック図。 同トルク測定装置における振動検知手段より得られる検出信号を基にして周波数解析処理を行った場合の振動レベルの一例を示すグラフ。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
この実施形態のトルク測定装置1は、図1に示すように、大きくは共通のベース21上に設けられたトルク計3と、ダイナモメータ4と、中間軸11とから構成されており、中間軸11を介して供試体としての供試モータ9とトルク計3とを連結させることができるように構成している。
トルク計3は、両端が外部に張り出した回転軸として構成されており、両側の軸端間の捻れ状態よりトルク検出値を出力することができるように構成されている。このトルク検出値は、アンプ機能を含むトルク計測部61を通じて具体的なトルク計測値として出力される。そして、トルク計3の片方の軸端にはダイナモメータ4が直結されており、図示しない制御部によってこのダイナモメータ4を制御することによって負荷を与えることができるようにしている。
さらに、ダイナモメータ4と反対側の端部は供試モータ9からのトルクを入力するための入力軸3aとして構成され、この入力軸3aは軸継手16を介して中間軸11の出力軸部11bと接続されている。中間軸11は、ベース21上に置かれた略円筒状のケーシング12内で保持される一対の転がり軸受13、13によって支承されている。また、中間軸11を転がり軸受13、13を介して支持するケーシング12は、ベース21上に設けられる取付ブロック22を介して高さ方向に位置調整して設けることによって、トルク計3の入力軸3aと中間軸11における出力軸部11bとの間の心ズレを極力抑えるように設定している。
さらに、中間軸11における出力軸部11bと反対側の端部は、供試モータ9の出力軸9aと軸継手16を介して接続可能な入力軸部11aとして構成されている。供試モータ9は出力軸9a側の端面を上記取付ブロック22に接続するように位置固定することで、自ずと上記の位置関係になり、中間軸11を介してトルク計3に動力を伝達することができるようになっている。
このように中間軸11を介在させて、間接的にトルク計3と接続するように構成することで、供試モータ9の出力軸9aとトルク計3の入力軸3aとの間の心ズレや、供試モータ9の振動等の外乱による影響がトルク計3に直接的に作用せず、トルク測定を精度良く実施することができるようにしている。
本実施形態におけるトルク測定装置1においては、上記の基本構成に加えて、さらに次の構成を備えている。
まず、上記ケーシング12の外側には、転がり軸受13、13と対応する位置に振動検知手段としての加速度検出部14、14を各々設けており、各転がり軸受13、13における半径方向の振動をケーシング12を介して検出し、振動検出信号として出力することができるようにしている。さらに、中間軸11における入力軸部11a近傍には、中間軸11の回転を検出し、その回転周波数を検出することのできる回転周波数検出手段としての回転数検出部15を備えている。
そして、上記加速度検出部14、14より得られる振動の検出信号と、回転数検出部15より得られる回転周波数とが入力され、これらを基にしてトルク補正値を決定するトルク補正値決定部5を備えるとともに、このトルク補正値と上記トルク計測部61より得られるトルク計測値を基に、補正を加えたトルク測定値を求めるトルク測定値決定部6と、ここで得られた補正後のトルク測定値を出力するために出力部7とを備えている。
上記トルク補正値決定部5は、より具体的には図2のように構成されている。
以下、本構成の説明を行うのに先駆けて、まずは、本実施形態で使用する転がり軸受の特定周波数f1〜f4の考え方と、これを用いたトルク補正値の算出原理について説明する。
上記の特定周波数f1〜f4とは、転がり軸受に固有のものであり、かつ、その転がり軸受が支承する回転軸の回転周波数に依存するものである。具体的には、この転がり軸受が保持器、転動体、外輪および内輪より構成されるとき、これらの各部分に依存する第1〜第4特定周波数が存在し、各々以下のような数式によって表されることが知られている。
まず、主として保持器に依存する第1特定周波数f1は次のように表される。
f1=(1/2)f0(1−(d/D)cosα) …………………………数式(1)
ここで、Zは転動体の数、f0は回転軸の回転周波数、Dはピッチ円直径、dは転動体直径、αは転動体と内輪/外輪に対する接触角を示す。
同様に、主として転動体に依存する第2特定周波数f2は次のように表される。
f2=(D/d)f0(1−(d/D)^2・(cosα)^2) ………数式(2)
また、主として外輪に依存する第3特定周波数f3は次のように表される。
f3=(Z/2)f0(1−(d/D)cosα) …………………………数式(3)
さらに、主として内輪に依存する第4特定周波数f4は次のように表される。
f4=(Z/2)f0(1+(d/D)cosα) …………………………数式(4)
上記のように、保持器、転動体、内輪および外輪に各々依存する第1〜第4特定周波数は、数式(1)〜(4)より分かるように、転がり軸受の寸法および回転軸の回転周波数によって一意に定まるものである。そして、これらの特定周波数は、一般に転がり軸受における異常発生時に、転がり軸受内での損傷部位を特定することができるものとしてよく知られている。
例えば、転がり軸受による振動の検出信号をFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)処理して周波数解析した場合には、図3のような周波数解析結果が得られる。このように、回転周波数に相当する周波数成分で振動レベルが急上昇したピーク値がみられるとともに、各特定周波数f1〜f4においても振動レベルが急上昇するピーク値がみられる。
こうした各特定周波数f1〜f4における振動レベルL1〜L4は、図中において二点鎖線で示したように、転がり軸受内の状態に応じて変化する。例えば、転がり軸受を使用する回転部を備えた機器において上記特定周波数における振動レベルが通常よりも大きくなっている場合には、その特定周波数に対応した位置に損傷があることが分かる。より具体的には、特定周波数f2における振動レベルL2が大きくなった場合には、特定周波数f2を主に支配する転動体において損傷等の振動増加につながる要因が生じていることが分かる。
上記のように、各特定周波数f1〜f4成分の振動レベルL1〜L4はその転がり軸受の内部状態を表すものということができる。そして、発明者らはこれを利用して転がり軸受内における転動体の摩擦係数μを把握することができることを見いだした。このようにして、転がり軸受内での摩擦係数μを把握することができれば、次式を用いてトルク補正値ΔTに換算することが可能である。
ΔT=μ・P・D …………………………………………………………………数式(5)
ここで、ΔTは転がり軸受2個分のトルク補正値の和を表し、Pは軸受荷重を表す。
こうした原理を利用するため、トルク補正値決定部は図2のように構成されている。
まず、トルク補正値決定部5は、特定周波数f1〜f4を記憶する特定周波数記憶部51を備えている。本実施形態において使用する転がり軸受13、13(図1参照)の寸法は既知であるために、各特定周波数f1〜f4はf0に各比例定数を乗じた値となる。
そして、特定周波数設定部52によって第1〜第4特定周波数f1〜f4のいずれを基に補正を行うかを選択し、その選択に応じた特定周波数f1〜f4を特定周波数決定部53に出力するようにしている。この特定周波数決定部53には、上記回転数検出部15より得られる回転周波数f0も入力される。こうすることで、特定周波数決定部53では具体的な特定周波数f1〜f4を決定することができ、その周波数を振動レベル演算部54に向けて出力できるようにしている。
振動レベル演算部54では、上記加速度検出部14、14からの振動検出信号を受け、これらを平均化した上でFFT処理を行って周波数解析を行うようにしている。そして、特定周波数決定部53により入力された具体的な特定周波数f1〜f4の成分の振動レベルを決定し、摩擦係数推定部55に出力する。
上記のように、転がり軸受13、13の振動のうち特定周波数f1〜f4の成分の振動レベルによって、内部での摩擦係数μを把握することができる。本実施形態では、特定周波数f1〜f4に応じた摩擦係数推定値テーブルを各々記憶するテーブル記憶部56a〜56dを備えており、使用する特定周波数f1〜f4の種類に応じて使い分けるようにしてある。テーブル記憶部56a〜56dに保管される摩擦係数推定値テーブルは、それぞれ具体的な特定周波数の値と、その具体的周波数成分の振動レベルに応じて推定される摩擦係数μをテーブル化したものである。摩擦係数推定部55は、上記特定周波数決定部53により得られる具体的な特定周波数と、上記振動レベル演算部54により得られる上記具体的特定周波数成分における振動レベルを基にして、上記摩擦係数推定値テーブルを使用して摩擦係数μを推定し、トルク補正値演算部57に出力する。
そして、トルク補正値演算部57では、摩擦係数推定部55により得られた摩擦係数μを基にして、数式(5)を使用した演算を行うことでトルク補正値ΔTを算出する。
そして、トルク測定値決定部6では、上述したように、トルク計測部61により得られたトルク計測値と、トルク補正値演算部57により得られたトルク補正値ΔTを基にして、トルク測定値を算出して出力し、出力部7を通じて操作者に通知するようにしている。出力部7からは画面表示によって、トルク測定値をリアルタイムで表示するように構成しても良いし、内部の記憶領域に格納させて適宜取り出せるようにしても良い。
上記のように構成したトルク測定装置1を用いて、次のようにして高精度にトルク測定値を得ることができる。
まず、操作者は、図1のように取付ブロック22に供試モータ9を設置し、供試モータの出力軸9aを中間軸11を介してトルク計3と接続する。このようにした状態で、図示しない制御部を用いて供試モータ9を所定の回転数で回転させるとともに、ダイナモメータより負荷を与えることができる。
そして、このような状態で、中間軸11を支承する転がり軸受に対応する位置に設けられた加速度検出部14、14より振動の検出信号を得るとともに、回転数検出部15によって、正確に中間軸11の回転周波数を検出する。
一方、操作者は図2に示す特定周波数設定部52に対して、図示しない入力手段を通じていずれの特定周波数f1〜f4を基にしてトルク補正を行うかを入力する。そして、特定周波数設定部52では、その入力に応じた特定周波数の比例定数を特定周波数記憶部51より読み込んだ上で、特定周波数決定部53に出力する。
特定周波数の選択は、基本的には、転動体に主に依存する第2特定周波数f2を用いることが適切といえるが、フレームや他の機器の振動成分と重なることがあり、常時適切に転がり軸受内の状態を表しているものと考えることはできない。そのため、振動発生状況に応じて他の特定周波数f1、f3、f4と使い分けることも妥当である。また、互いに検証に用いて、さらなる精度向上のために複数個を併用することも好適である。
特定周波数決定部53では、特定周波数f1〜f4に対応した比例定数と回転数検出部15により得られた中間軸11の回転周波数より、具体的な特定周波数を決定する。なお、中間軸11の回転周波数は供試モータ9の回転速度指令値からもおおよそ知ることはできるが、現実の回転周波数を検出しつつ演算に用いることでより高精度なトルク補正ができるようになっている。
そして、振動レベル演算部54では、加速度検出部14、14より得た振動の検出信号をFFT処理することで周波数解析を行い、上記具体的特定周波数における振動レベルが得られる。さらに、摩擦係数推定部55ではその振動レベルと、上記具体的特定周波数とを基にして、テーブル記憶部56a〜56dに保管される摩擦係数推定値テーブルのいずかによって摩擦係数μを推定する。このような摩擦係数推定値テーブルは、事前に作成しておきテーブル記憶部56a〜56dに記憶させておき、これを利用することで摩擦係数μを推定するために、複雑な演算を行うことなく短時間で推定値を求めることができる。さらに、トルク補正値演算部57では、摩擦係数μを基にしてトルク補正値の演算を行い、トルク測定値決定部6では、上記トルク補正値をトルク計測部61により得られるトルク計測値に加味することで高精度にトルク測定値を得ることができる。
操作者は、以上のようなトルク測定を供試モータ9について実施し、完了後にはその供試モータ9を取付ブロック22より取り外した上で、また別の供試モータ9を取付けて同じような評価を繰り返し行う。このように複数の供試モータ9の付け替えを行いつつトルク測定を行う場合でも、トルク計3との間に中間軸11を設ける構成となっているために、特段取付誤差に気を払わなくても、外乱がトルク計3に直接的に作用して測定精度が悪化する恐れはない。そのため、トルク測定作業を効率的に進めることができる。
以上のように、本発明のトルク測定装置1は、転がり軸受13、13により支承された中間軸11を介して供試モータ9の回転出力軸9aとトルク検出器3の入力軸3aとを接続して、前記トルク検出器3からの検出値を基にして供試モータ9の出力トルクを計測するトルク測定装置1において、前記転がり軸受13、13の振動を検知する加速度検出部14、14と、当該加速度検出部14、14から得られる振動の検出信号に基づいてトルク補正値を決定するトルク補正値決定部5とを備え、前記トルク補正値決定部5より得られるトルク補正値に基づいて測定トルクの補正を行うように構成したものである。
このように構成しているため、転がり軸受13、13の内部状態を判別するための基準として転がり軸受13、13における振動の検出信号を用いて、転がり軸受13、13内での抵抗分としてのトルク補正値を適切に決定することができるため、これに基づいて測定トルクの補正を行うことで、トルク測定の高精度化を図ることが可能となる。
また、前記トルク補正値決定部5が、前記加速度検出部14、14より得られる振動の検出信号より、前記転がり軸受13、13に固有で、かつ、回転周波数に比例する特定周波数成分の振動レベルを演算する振動レベル演算部54を備え、当該振動レベル演算部54により得られる特定周波数の振動レベルを基にトルク補正値を決定するように構成しているため、転がり軸受13、13における振動の検出信号より特定周波数の振動レベルを算出し、それに基づいて補正を行うことでより高精度に測定トルクの補正を行うことができる。
また、前記トルク補正値決定部5が、前記振動レベル演算部54により得られる特定周波数の振動レベルを基に、前記転がり軸受13、13が備える転動体の当該転がり軸受13、13内での摩擦係数推定値を決定する摩擦係数推定部55を備え、当該摩擦係数推定部55により得られる前記摩擦係数推定値を基にトルク補正値を決定するように構成しているため、摩擦係数推定値を基にして簡単にトルク補正値の決定を行うことができる。
また、前記特定周波数の振動レベルと対応した摩擦係数推定値テーブルを記憶しておくテーブル記憶部56a〜56dを備え、前記摩擦係数推定部55が前記テーブル記憶部56a〜56dに記憶された摩擦係数推定値テーブルに基づいて前記摩擦係数推定値を決定するように構成しているため、あらかじめ作成したテーブルを用いることで、より簡便にトルク補正値を算出することが可能となる。
また、前記トルク補正値決定部5が、前記転がり軸受13、13が備える保持器、転動体、外輪および内輪にそれぞれ依存する前記特定周波数としての第1〜第4特定周波数を各々記憶しておく特定周波数記憶部51と、当該特定周波数記憶部51より前記第1〜第4特定周波数のいずれかを選択して設定する特定周波数設定部52とを備えるように構成しているため、複数の特定周波数の中より適宜選択して、それに基づいて補正を行うことでより高精度に測定トルクの補正を行うことができる。
さらに、前記中間軸11の回転周波数を検出して出力する回転数検出部15を具備し、前記トルク補正値決定部5が、前記回転数検出部15から得られる回転周波数を基にして前記特定周波数を決定する特定周波数決定部53を備えるように構成しているため、回転周波数の実際の検出値に基づいて特定周波数を決定して、その特定周波数を基にして補正を行うことでより高精度に測定トルクの補正を行うことができる。
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態においてテーブル記憶部56a〜56dに記憶させておく摩擦係数推定値テーブルは、本来の意味の摩擦係数のみならず、実験的に把握した振動による軸受荷重変化等の要因も含んだ広義の摩擦係数とすることができ、こうすることで多様な現象を含んだものとして数値化して用いることが可能である。
また、上述の実施形態では、第1〜第4特定周波数f1〜f4のいずれかを選択して、その特定周波数成分の振動レベルを基にして摩擦係数推定値を求めるようにしていたが、同時に複数個の特定周波数を選択し、それぞれの振動レベルより得られる摩擦係数を基にして適宜重み付けや平均化処理を行って1個の摩擦係数を求めるようにすることも可能である。
さらには、振動検知手段としての加速度検出部からの検出信号を基にして、各々が対応する転がり軸受におけるトルク補正値を算出しておき、これらを合算することで1個のトルク補正値を求めるように構成することも可能である。
また、上述の実施形態では、振動検出手段を加速度を検出する加速度検出部14、14として構成したが、振動の検出が把握が可能である限り、振動速度や振動変位を測定するものであっても差し支えなく、加速度検出部14、14の代わりとして用いることが可能である。
また、上述の実施形態では供試体として供試モータ9を使用したが、回転動力装置である限り供試体としての形態は問わず本発明のトルク測定装置を好適に用いることが可能である。
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…トルク測定装置
3…トルク計
5…トルク補正値決定部
6…トルク測定値決定部
7…出力部
9…供試モータ(供試体)
12…ケーシング
13…転がり軸受
14…加速度検出部(振動検知手段)
15…回転数検出部(回転周波数検出手段)
51…特定周波数記憶部
52…特定周波数設定部
53…特定周波数決定部
54…振動レベル演算部
55…摩擦係数推定部
56a〜56d…テーブル
57…トルク補正値演算部

Claims (5)

  1. 転がり軸受により支承された中間軸を介して供試体の回転出力軸とトルク検出器の入力軸とを接続して、前記トルク検出器からの検出値を基にして供試体の出力トルクを計測するトルク測定装置において、
    前記転がり軸受の振動を検知する振動検知手段と、
    当該振動検知手段から得られる振動の検出信号より、前記転がり軸受に固有で、かつ、回転周波数に比例する特定周波数成分の振動レベルを演算する振動レベル演算部を備え、
    当該振動レベル演算部により得られる特定周波数の振動レベルに基づいてトルク補正値を決定するトルク補正値決定部とを備え、
    前記トルク補正値決定部より得られるトルク補正値に基づいて測定トルクの補正を行うように構成していることを特徴とするトルク測定装置。
  2. 前記トルク補正値決定部が、
    前記振動レベル演算部により得られる特定周波数の振動レベルを基に、前記転がり軸受が備える転動体の当該転がり軸受内での摩擦係数推定値を決定する摩擦係数推定部を備え、
    当該摩擦係数推定部により得られる前記摩擦係数推定値を基にトルク補正値を決定するように構成していることを特徴とする請求項に記載のトルク測定装置。
  3. 前記特定周波数の振動レベルと対応した摩擦係数推定値テーブルを記憶しておくテーブル記憶部を備え、
    前記摩擦係数推定部が前記テーブル記憶部に記憶された摩擦係数推定値テーブルに基づいて前記摩擦係数推定値を決定するように構成していることを特徴とする請求項に記載のトルク測定装置。
  4. 前記トルク補正値決定部が、
    前記転がり軸受が備える保持器、転動体、外輪および内輪にそれぞれ依存する前記特定周波数としての第1〜第4特定周波数を各々記憶しておく特定周波数記憶部と、
    当該特定周波数記憶部より前記第1〜第4特定周波数のいずれかを選択して設定する特定周波数設定部とを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトルク測定装置。
  5. 前記中間軸の回転周波数を検出して出力する回転周波数検出手段を具備し、
    前記トルク補正値決定部が、
    前記回転周波数検出手段から得られる回転周波数を基にして前記特定周波数を決定する特定周波数決定部を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトルク測定装置。
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