JP5883684B2 - パルス生成回路 - Google Patents
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Description
これらの短パルス生成回路は、要求される性能として低消費電力動作、高いオン/オフ比がある。また、低消費電力動作は、如何なる機器に搭載する際にも重要な性能となる。このため、高いオン/オフ比は、短パルス信号を用いた通信において通信品質を向上させるために重要な性能である。
これらの問題を解決するために、例えば、特許文献1に記載のものは、逓倍回路を間欠的に動作させる間欠逓倍回路を用い、低消費電力で動作し、非常に高いオン/オフ比を実現する短パルス生成回路を提案したものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1及び第2の微分器は、RC微分器であることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記第1及び第2の微分器は、LC微分器であることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記位相シフト回路は、抵抗素子と容量素子を含むオールパスフィルタの構成であることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明において、前記加減算器は、方向性結合器又はハイブリッドリングの構成であることを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の発明において、前記第1及び第2の微分器と前記位相シフト回路と前記減衰器との少なくとも1つは受動素子からなることを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載の発明において、前記パルス生成回路は、インパルス/ステップ応答性のある微分器を用いて短パルス信号を生成することを特徴とする。
本発明のパルス生成回路は、制御信号によって間欠的に動作することで短パルス信号を生成するパルス生成回路である。第1の微分器3aは、入力信号101を直接的に微分してパルスの立ち上がりを捉えるものである。また、位相シフト回路1は、入力信号101の位相の変動量を位相変動量調整信号107によって調整してパルス幅を決定するものである。
また、図4(d)に示した第1の微分器3aの信号104は、時刻t1において振幅がA×ATT(減衰率)となっている。また、図4(c)に示した減衰器2からの信号103は、第2の微分器3bの入力がA×ATTとなるように調整される。図4(c)に示した減衰器2の減衰率(ATT)は1以下である。
図5は、図3に示した第1及び第2の微分器の具体的な回路構成図である。図中符号Vi(t)は入力電圧、i(t)は入力電流、Vc(t)はコンデンサ端子電圧、VR(t)は抵抗端子電圧、q(t)はコンデンサの電荷を示している。
図6(a),(b)は、図5に示した微分器のステップ応答を示す図で、図6(a)は微分器のステップ入力信号、図6(b)はそのステップ入力信号に対応する応答信号を示している。この図6(a),(b)によると、ステップ応答は、入力の微係数に比例して立ち上がり、時定数R1C1を持ったエクスポネンシャル関数にしたがって減衰して0に漸近することがわかる。
H(s)=V2/V1=1/(1+SC2R2)
で表される。
図8(a),(b)は、図7(a),(b)に示した位相シフト回路における一次遅れ要素の利得−位相周波数特性を示す図である。図8(a)は利得−周波数特性を示し、図8(b)は位相−周波数特性を示している。上述した位相シフト回路は、極の周波数が1/2πR2C2において位相が45°遅れるという特徴を有する。
この例では位相変動量調整信号107によって、Cに直列なScのオン/オフを切り替えることで位相変動量を可変としている。この回路でも、図7(b)のようにRを切り替えたり、Cを可変容量制御回路(バラクタ)に変更するなどしても同様の効果を奏する。
オールパスフィルタとは、図10(a),(b)に示すように、利得−周波数特性がフラットで位相のみの変化するものの総称である。図9(a),(b)に示した位相シフト回路にとどまらず多数の回路が存在する。
位相シフト量θは、θ=−2tan−1(ω/2πα0)で表される。
ω=0の時に、θ=0
ω=2πα0の時に、θ=−90°
ω=∞の時に、θ=−180°
となる。
また、伝達関数は、
H(s)=(S−α0)/(S+α0) α0=1/R0C0
θ=−2tan−1(ω/2πα0)
で表される。
この場合の伝達関数は、
H(s)=V2/V1=1(Sa;閉時)=(Rc+Rb)/(Ra+Rb+Rc)(Sb;閉時)
で表される。
減衰器の利得調整信号Ca,Cb,CcとスイッチSa,Sb,Scの状態間の真理値表とそれに対応した伝達関数を以下の表1に示す。
上述した図12(a),(b)及び図13(a),(b)のいずれにおいても、絶縁を取るためには0(又は360°)位相の信号と180°位相の信号とを距離の関数として実現することで達成し、−3dB信号はλ/4×n(n=1、3、5・・・奇数)を同じく距離の関数として実現していることがわかる。
ポートAを入力1、ポートCを入力2、ポートBを加算ポート、ポートDを減算ポートとして実現したものを加減算器として示している。ポートA,Cから同距離のポートBを位相の基準とすると、ポートCからの信号はポートBとDとで同位相となり、ポートAからの信号はポートBとDとで逆位相となっていることから、ポートBは加算、ポートDは減算であることがわかる。つまり、図14(a)において、ポートAから第1の微分器3aからの信号104が入力され、ポートCから第2の微分器3bからの信号105が入力されると、ポートBから加算器4の加算出力106が出力される。また、図14(b)において、ポートAから第1の微分器3aからの信号104が入力され、ポートCから第2の微分器3bからの信号105が入力されると、ポートDから減算器4の減算出力106が出力される。
図16(a)乃至(i)は、図15に示した本発明に係るパルス生成回路の各部のノード電圧を示す図で、図16(a)は入力信号を示す図、図16(b)は位相シフト回路からの信号を示す図、図16(c)は減衰器からの信号を示す図、図16(d)は第1の可変位相微分器からの信号を示す図、図16(e)は第2の可変位相微分器からの信号を示す図、図16(f)は減算器から出力される短パルス信号を示す図、図16(g)乃至図16(i)は減衰器の減衰量を調整して、t=t1以降の出力のエネルギーを最小化する作業を説明するための図である。
また、図16(d)に示した第1の可変位相微分器13aの信号204の時定数は、第2の可変位相微分器13bからの信号205の時定数より大きく選ぶことがパルス波形を矩形に近づける観点から好ましい。実施例1と同様に、t=t1での第1の可変位相微分器13aの出力振幅はA×ATT(減衰率)となっている。
また、図16(e)に示した第2の可変位相微分器13bの出力信号205の時定数は、第1の可変位相微分器13aの時定数よりも小さく選ばれる。また、実施例2においても、実施例1と同様に、減衰器12と第2の可変位相微分器13bとの順番を入れ替えても動作に影響を与えない。
図16(h)に示した信号205’は、第2の可変位相微分器13bの出力で、減衰器12の減衰量を調整して、ATT’<ATTとし、第2の可変位相微分器13bの時定数を第1の可変位相微分器13aの時定数よりも小さくするという条件で調整されていることが重要である。この場合、実施例1と同様に、減衰器12と第2の可変位相微分器13bとの順番を入れ替えても動作に影響を与えない。
図17は、図15に示した可変位相微分器の具体的な回路構成図である。この第1及び第2の可変位相微分器の時定数を位相変化量制御信号CntlAにしたがって、直列容量の値を切り替えることで位相変化量を変化させている。例えば、S1Aがオンし、微分器の容量がC1+C1Aになった時に、微分器の減衰は容量がC1のみの時よりなだらかになる。ここでは「位相」を基準に時刻から一定時間経過した点にあける振幅及び振幅の集合体とする。これにより、時定数の大きい系は、位相が遅れることが理解できる。
可変位相微分器の動作真理値及び直列容量の値を以下の表2に示す。
2,12 減衰器(Attenuator;アッテネータ)
3a 第1の微分器
3b 第2の微分器
4,14 加減算器
13a 第1の可変位相微分器
13b 第2の可変位相微分器
101 発振回路
102 制御信号発生回路
103 間欠逓倍回路
104 フィルタ
105 出力端子
201〜204 信号波形
Claims (10)
- 短パルス信号を生成するパルス生成回路であって、
入力信号を直接的に微分してパルスの立ち上がりを捉える第1の微分器と、
前記入力信号の位相の変動量を位相変動量調整信号によって調整してパルス幅を決定する位相シフト回路と、
前記位相シフト回路からの信号の振幅を利得調整信号によって調整する減衰器と、
該減衰器からの信号を微分して前記パルスの立ち下がりを捉える第2の微分器と、
前記第1の微分器からの信号と前記第2の微分器からの信号とを加減算して短パルス信号を出力する加減算器と
を備えていることを特徴とするパルス生成回路。 - 前記第1及び第2の微分器は、可変位相微分器であることを特徴とする請求項1に記載のパルス生成回路。
- 前記第1及び第2の微分器は、RC微分器であることを特徴とする請求項1に記載のパルス生成回路。
- 前記第1及び第2の微分器は、LC微分器であることを特徴とする請求項1又は2に記載のパルス生成回路。
- 前記位相シフト回路は、抵抗素子と容量素子を含む積分器の構成であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のパルス生成回路。
- 前記位相シフト回路は、抵抗素子と容量素子を含むオールパスフィルタの構成であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のパルス生成回路。
- 前記減衰器は、複数の抵抗素子と複数のスイッチを含む抵抗タップの構成であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のパルス生成回路。
- 前記加減算器は、方向性結合器又はハイブリッドリングの構成であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のパルス生成回路。
- 前記第1及び第2の微分器と前記位相シフト回路と前記減衰器との少なくとも1つは受動素子からなることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のパルス生成回路。
- 前記パルス生成回路は、インパルス/ステップ応答性のある微分器を用いて短パルス信号を生成することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のパルス生成回路。
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