JP2009239894A - パルス発生回路及び通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な回路でかつ低消費電力で帯域制限された正確な短パルスの発生回路を具現し、フィルタを使用せずに目的のパルスを得る。
【解決手段】起動信号に基づき所定形状のパルスを出力端子から出力するパルス発生回路において、起動信号の位相が変化した時点から所定量の時間差で位相が順次変化するn+1個の信号(nは2以上の整数)を発生するタイミング発生回路と、所定の電位を供給する第1の電源及び第2の電源と、n個のインピーダンス素子と、n+1個の信号に基づく論理関数値によって所定順序で出力端子と第1の電源または第2の電源とをインピーダンス素子を介して交互に切り替えて接続するスイッチ回路と、を含むパルス発生回路。
【選択図】図1
【解決手段】起動信号に基づき所定形状のパルスを出力端子から出力するパルス発生回路において、起動信号の位相が変化した時点から所定量の時間差で位相が順次変化するn+1個の信号(nは2以上の整数)を発生するタイミング発生回路と、所定の電位を供給する第1の電源及び第2の電源と、n個のインピーダンス素子と、n+1個の信号に基づく論理関数値によって所定順序で出力端子と第1の電源または第2の電源とをインピーダンス素子を介して交互に切り替えて接続するスイッチ回路と、を含むパルス発生回路。
【選択図】図1
Description
本発明は、UWB(Ultra Wide Band)通信に適するパルスを発生するパルス発生回路及び通信装置に関する。
UWB通信は、非常に広い周波数帯域を利用して高速大容量のデータ通信を行う通信方式である。広帯域の信号を利用する通信方式には、従来のスペクトル拡散による方法や直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)があるが、UWBは非常に短時間のパルスを利用した更に、広帯域の通信方式であり、インパルスラジオ(IR:Impulse Radio)方式の通信とも呼ばれている。以下、これをUWB−IRまたは単にIR方式と記す。IR方式では、従来の変調によらない時間軸操作のみで変復調が可能であり回路の簡略化や低消費電力化が期待できるとされている(特許文献1,2,3参照)。
ここで、IR方式に使用されるパルス波形について図面を参照して簡単に説明する。図10(a)に示すようなパルス幅PD、周期TPのパルス列は良く知られている通りで、そのパルス列の周波数スペクトルは、図10(b)に示すように、包絡線がBW=1/PDの周波数で最初の零点を持つsinc関数である。
この図10(b)に示すようなパルスの場合は、スペクトルが直流からBWまで広がるため使いづらく、図10(d)に示すようなスペクトルの中心の搬送周波数f0が高いところにあるパルスが好まれる。このパルス波形は、図10(a)のパルスで周波数f0=1/(2PW)の矩形波を切り取って周波数スペクトルを高いほうに移動したものである。ただしこの波形は、図10(c)に一点鎖線1601に示すような直流(DC)成分を含み、正確には図10(d)に示すような理想的なスペクトルを持たない。
このような理想的スペクトルを持つ波形は、図10(e)に示すような波形である。この波形は、図10(a)のパルスを搬送周波数f0の正弦波で乗算した波形である。また図10(f)は、図10(a)のパルスを搬送周波数f0の矩形波で乗算した波形であり、デジタル回路での発生が容易である。デジタル回路といってもパルス幅が狭いため、このような角張った波形が生成されることはなく、図10(e)のような波形を得ることができる。また、図10(c)の波形でアンテナを駆動した場合、直流成分はアンテナから放射されないので、図10(f)の波形に近い波形の信号が放射される。
UWB通信に理想的なパルス波形は、他にもいろいろ考案されており、ガウシアンパルスやエルミートパルスがよいとされる。これらの波形は、図10に示した波形とは異なっているが、発生方法が図10の波形は簡単なために多用される。
UWB通信では、このようにして発生されたパルスを送信機のみでなく、受信機においても受信信号と相関を計算するためのテンプレートパルスとして使用される。受信機においては、差動型の信号処理が行われることが多く、図10(g)に示すような位相の反転した2つの信号が必要になることも多い。差動のパルス信号は、送信機においても平衡型のアンテナを駆動する際などに有効である。受信回路においてはさらに、同相と直交の位相が90度異なったいわゆるIQ信号が必要なことも多い。
例えば非特許文献1には、平衡型のパルスを発生するための回路が提示されている。この回路では、差動式の遅延回路を何段か縦続接続して、論理回路によって遅延回路1段の遅延量に相当するパルス幅のパルス列を生成する回路である。非特許文献1には、遅延回路に入力する信号の立ち上がり及び立ち下りの両方でパルス起動することによって低消費電力化の可能性があり、さらに遅延回路を一段おきに使うことによってIQ信号発生の可能性も示唆されている。
上述した従来のパルス発生回路は、簡単な回路構成ながらUWB通信に必要な超高周波超広帯域のパルスを正確に発生することができ、回路を構成する素子性能の限界程度の細いパルス発生が可能である。
しかしながら、図10で説明したように、従来の上記のような回路で発生されたパルスのスペクトル特性は、sinc関数であり、サイドローブが非常に広く、通信用途としてこの回路によって発生されたパルスを用いるためには何らかの帯域制限をしなければならないという課題がある。従来は、フィルタによってこの帯域制限を行うことによって使用していた。しかしこのフィルタは、素子性能限界に近い超広帯域超高周波でスカート特性の良いバンドパスフィルタが必要でありその構成は容易ではないという課題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
起動信号に基づき所定形状のパルスを出力端子から出力するパルス発生回路であって、前記起動信号の位相が変化した時点から所定量の時間差で位相が順次変化するn+1個の信号(nは2以上の整数)を発生するタイミング発生回路と、所定の電位を供給する第1の電源及び第2の電源と、n個のインピーダンス素子と、前記n+1個の信号に基づく論理関数値によって所定順序で前記出力端子と前記第1の電源または前記第2の電源とを前記インピーダンス素子を介して交互に切り替えて接続するスイッチ回路と、を含む、ことを特徴とするパルス発生回路。
起動信号に基づき所定形状のパルスを出力端子から出力するパルス発生回路であって、前記起動信号の位相が変化した時点から所定量の時間差で位相が順次変化するn+1個の信号(nは2以上の整数)を発生するタイミング発生回路と、所定の電位を供給する第1の電源及び第2の電源と、n個のインピーダンス素子と、前記n+1個の信号に基づく論理関数値によって所定順序で前記出力端子と前記第1の電源または前記第2の電源とを前記インピーダンス素子を介して交互に切り替えて接続するスイッチ回路と、を含む、ことを特徴とするパルス発生回路。
この構成によれば、出力端子にn個のインピーダンス素子を介して第1の電源または第2の電源が接続されることになり、n個のインピーダンス素子を調整することによって出力端子の充放電の速度を調整でき、これによって出力パルスのパルスフィンガ毎の波高値を設定できる。このようなn個のインピーダンス素子の設定値によって、スペクトルのサイドローブが小さくなるようにすることが可能である。本構成は、簡単な回路で構成することができ、帯域制限されたパルスの発生が可能となる。また、パルスの帯域を制限する特別なフィルタを必要とせずにその帯域制限することが可能であり、UWB通信機を構成する上で極めて有用性が高い。
[適用例2]
上記に記載のパルス発生回路において、前記n個のインピーダンス素子の各々の素子値は、出力しようとする前記パルスの包絡線のサンプル値に基づいて決定される、ことを特徴とするパルス発生回路。
上記に記載のパルス発生回路において、前記n個のインピーダンス素子の各々の素子値は、出力しようとする前記パルスの包絡線のサンプル値に基づいて決定される、ことを特徴とするパルス発生回路。
この構成によれば、n個のインピーダンス素子の素子値によって、出力パルスの包絡線の制御が可能となり、周波数スペクトルの広がりの抑制、すなわち帯域制限が可能となる。また、パルスの帯域を制限する特別なフィルタを必要とせずに帯域制限することが可能であり、UWB通信機を構成する上で極めて有用性が高い。
[適用例3]
上記に記載のパルス発生回路において、前記インピーダンス素子及び前記スイッチ回路は、所定の導通時のインピーダンス値を持つスイッチ素子によって構成されることを特徴とするパルス発生回路。
上記に記載のパルス発生回路において、前記インピーダンス素子及び前記スイッチ回路は、所定の導通時のインピーダンス値を持つスイッチ素子によって構成されることを特徴とするパルス発生回路。
この構成によれば、インピーダンス素子をスイッチ素子の導通時のインピーダンスで代用することができ、素子数の削減が図れる。
[適用例4]
上記に記載のパルス発生回路において、前記タイミング発生回路は、所定量の遅延量を持つ遅延回路を縦続接続して構成されることを特徴とするパルス発生回路。
上記に記載のパルス発生回路において、前記タイミング発生回路は、所定量の遅延量を持つ遅延回路を縦続接続して構成されることを特徴とするパルス発生回路。
この構成によれば、半導体集積回路上でも容易に構成が可能な回路の供給が可能となる。
[適用例5]
上記に記載のパルス発生回路を含んで構成されることを特徴とする通信装置。
上記に記載のパルス発生回路を含んで構成されることを特徴とする通信装置。
この構成によれば、パルス発生回路を変調回路や復調回路のテンプレート発生回路として用いることにより、安定した回路方式の適用が可能となり、信頼性が高くまた高感度の装置を安価に構成することが可能となる。また、素子の性能限界程度に高周波の正確なパルスを発生することが可能でありその有用性は高い。さらに、本構成のパルス発生回路は、CMOS集積回路等により構成が可能であり、しかも素子の動作遷移時間程度の細いパルスであっても、簡単な回路で正確なパルス波形の発生が可能である。また、CMOS集積回路で構成することにより、動作電力の増大なしに簡単にしかもCMOS集積回路の最高速度で動作させることが構成でき、特にUWB通信に利用可能な高周波広帯域のパルスを容易に発生することが可能である。
以下、パルス発生回路の実施形態について図面に従って説明する。
(第1実施形態)
<発生するパルスの構成>
最初に、本実施形態で発生しようとするパルスについて、図10〜16を参照しながら説明する。発生しようとしているパルスは、図10(e)、(f)に示すようなシングルエンド出力のパルス、または図10(g)に示す互いに位相が180度異なったパルスのペアで帯域制限したパルスである。この帯域制限されたパルスの波形については、図11〜16でさらに詳しく後述する。図10(g)は、差動出力のパルス信号であり、その出力の電位差は図10(e)の波形に等しくなる。差動信号としてその出力電位差に注目すれば、図10(g)にtsで示したパルスの無い期間のDCレベルは、同じ値であれば任意の値をとることができる。
<発生するパルスの構成>
最初に、本実施形態で発生しようとするパルスについて、図10〜16を参照しながら説明する。発生しようとしているパルスは、図10(e)、(f)に示すようなシングルエンド出力のパルス、または図10(g)に示す互いに位相が180度異なったパルスのペアで帯域制限したパルスである。この帯域制限されたパルスの波形については、図11〜16でさらに詳しく後述する。図10(g)は、差動出力のパルス信号であり、その出力の電位差は図10(e)の波形に等しくなる。差動信号としてその出力電位差に注目すれば、図10(g)にtsで示したパルスの無い期間のDCレベルは、同じ値であれば任意の値をとることができる。
本実施形態では、一例として最小線幅0.18μのCMOS(相補型金属酸化膜半導体)プロセスを用いて容易に実現可能な以下の諸元の波形を発生する場合について説明するが、この場合のみに限定されるものではない。
パルス間隔:TP=任意
搬送周波数:f0=4GHz
搬送波パルス幅:PW=125psec
パルス幅:PD=任意
時間PDの中に含まれるパルス数(フィンガ数):任意(PD=(フィンガ数×2−1)×PW)
信号形態:シングルエンド出力、差動出力、及び差動出力のIQ信号ペア
パルス間隔:TP=任意
搬送周波数:f0=4GHz
搬送波パルス幅:PW=125psec
パルス幅:PD=任意
時間PDの中に含まれるパルス数(フィンガ数):任意(PD=(フィンガ数×2−1)×PW)
信号形態:シングルエンド出力、差動出力、及び差動出力のIQ信号ペア
図11〜16は、図10(e)、(g)に示した波形に帯域制限をかけた場合の波形を示すグラフ図である。図11の波形1401は、図10(e)、(g)の帯域制限のかかっていない波形の一例である。帯域制限をかけるためには、パルスの前後縁の波高値を低くしてパルス包絡線に丸みをつける。波形1402は、最初及び最後のパルスフィンガの波高値を元の波形の半分にした波形であり、また波形1403は、最初のフィンガ及び最後のフィンガを元の波形の波高値の1/3、2番目及び後ろから2番目のフィンガを元の波形の波高値の2/3とした波形である。
図12〜14は、これらの波形1401〜1403のスペクトルを示すグラフ図である。図12は、帯域制限なしの波形1401の、図13,14は、それぞれ帯域制限された波形1402,1403のスペクトルを示す。図12〜14は、図11に示した単発のパルスを繰り返し周波数200MHzで繰り返したものであり、変調がかかっていないためスペクトルは200MHzごとの線スペクトルとなる。それらの波形のスペクトルの広がりを見ると、メインローブはわずかながら帯域制限されていない波形1401に比較し波形1402,1403の順に広くなっている。これは、帯域制限のためにパルス前後縁での波高値を削ったため、等価的にパルス継続時間が短くなったためである。スペクトルのサイドローブを見てみると、帯域制限のためにパルスの前後縁の波高値を削ると明らかに効果があることが分かる。第1サイドローブでは、高々数dB程度の違いであるが、この数dBの違いはシステムを組む上では貴重であり効果が大きい。
図12〜14は、変調をかけていない場合のスペクトルであった。図15は、例として波形1403に長さ31のPNコードによってBPM(Bi Phase Modulation)変調をかけた場合のスペクトルを示すグラフ図である。変調をかけることによって、線スペクトルは帯スペクトルとなり、スペクトルの強度も下がる。実際UWB通信では、法規制によってスペクトルの許容上限が決まっており、線スペクトルによってスペクトル強度が上がるのは好ましくなく、実使用においては、ディザによって帯スペクトルが生じるような対策が採られている。図16は、このようにディザなどの対策によって帯スペクトルにした場合のスペクトルを知るために、例として上記3種の波形の変調なしのスペクトル、長さ31のPNコードによるBPMによって帯スペクトルとした場合のスペクトル分布を示すグラフ図である。なお図16は、線スペクトルのピークのみを結ぶ包絡線を示している。図16において、波形1404,1405,1406は、それぞれ図11の波形1401,1402,1403の変調なしの場合のスペクトル包絡線であり、波形1407,1408,1409は、それぞれに変調を施した場合の帯スペクトルを示す。どちらもパルスの包絡線に丸みをつける、すなわちパルス前後縁の包絡線変化率を小さくすることによってスペクトルのサイドローブを小さくすることが可能であることが分かる。
<パルス発生回路の構成>
次に、パルス発生回路について図1,2を参照して説明する。図1は、パルス発生回路の構成を示す回路図である。図2は、パルス発生回路の動作を示すタイミング図である。図1に示すように、パルス発生回路1は、タイミング発生回路151と、第1の電源である電源線134と、第2の電源である電源線133と、(n=)9個のインピーダンス素子Z1〜Z9と、スイッチ回路150と、から構成されている。
次に、パルス発生回路について図1,2を参照して説明する。図1は、パルス発生回路の構成を示す回路図である。図2は、パルス発生回路の動作を示すタイミング図である。図1に示すように、パルス発生回路1は、タイミング発生回路151と、第1の電源である電源線134と、第2の電源である電源線133と、(n=)9個のインピーダンス素子Z1〜Z9と、スイッチ回路150と、から構成されている。
タイミング発生回路151は、縦続接続されたインバータ遅延回路100〜109で構成されている。インバータ遅延回路100〜109の1段あたりの遅延量は、搬送波パルス幅PW(=125ps)となるように調整されているものとする。遅延量が搬送波パルス幅PWの値の時、上記に示した目的のパルスすなわち搬送周波数:f0=4GHz(搬送波パルス幅:PW=125ps)のパルスを発生することができる。インバータ遅延回路100〜109各段出力は、起動信号であるパルス起動信号D0を反転しながら遅延するので、奇数番目を否定論理を表す記号Xを前置してXD1,D2,XD3、・・・D10と表すと、(n+1=)10個の信号XD1,D2,XD3,D4,XD5,D6,XD7,D8,XD9,D10を発生する。パルス起動信号D0の位相が変化した時点とは、パルス起動信号D0がH(ハイレベル)からL(ローレベル)またはLからHに変化した時点を意味する。
すなわち、タイミング発生回路151の入力端子152に入力されたパルス起動信号D0は、図2のXD1〜D10に示すように、一段毎に時間tdずつ遅れてかつ位相が反転されながらインバータ遅延回路100〜109内を伝播し各段からXD1,D2,XD3、・・・D10が出力される。すなわち、入力端子152に印加される信号を正論理としiを偶数とすると、i−1段目及びi段目にはそれぞれXDi-1及びDiが出力される。
スイッチ回路150は、Pチャネルトランジスタ110,111,114,115,118,119,122,123と、Nチャネルトランジスタ112,113,116,117,120,121,124,125,131,132と、から構成されている。インピーダンス素子Z2とPチャネルトランジスタ110,111とNチャネルトランジスタ112,113とインピーダンス素子Z1とは、電源線134と電源線133との間に直列に接続されている。インピーダンス素子Z4とPチャネルトランジスタ114,115とNチャネルトランジスタ116,117とインピーダンス素子Z3とは、電源線134と電源線133との間に直列に接続されている。インピーダンス素子Z6とPチャネルトランジスタ118,119とNチャネルトランジスタ120,121とインピーダンス素子Z5とは、電源線134と電源線133との間に直列に接続されている。インピーダンス素子Z8とPチャネルトランジスタ122,123とNチャネルトランジスタ124,125とインピーダンス素子Z7とは、電源線134と電源線133との間に直列に接続されている。
Pチャネルトランジスタ111,115,119,123のドレイン端子は、出力線130に接続されている。Nチャネルトランジスタ131,132は、出力線130と電源線133との間に直列に接続されている。信号XD1は、Nチャネルトランジスタ113のゲート端子に入力される。信号D2は、Pチャネルトランジスタ111とNチャネルトランジスタ112のゲート端子に入力される。信号XD3は、Pチャネルトランジスタ110とNチャネルトランジスタ117のゲート端子に入力される。信号D4は、Pチャネルトランジスタ115とNチャネルトランジスタ116のゲート端子に入力される。信号XD5は、Pチャネルトランジスタ114とNチャネルトランジスタ121のゲート端子に入力される。信号D6は、Pチャネルトランジスタ119とNチャネルトランジスタ120のゲート端子に入力される。信号XD7は、Pチャネルトランジスタ118とNチャネルトランジスタ125のゲート端子に入力される。信号D8は、Pチャネルトランジスタ123とNチャネルトランジスタ124のゲート端子に入力される。信号XD9は、Pチャネルトランジスタ122とNチャネルトランジスタ132のゲート端子に入力される。信号D10は、Nチャネルトランジスタ131のゲート端子に入力される。
パルス発生回路1は、さらに、ソース端子が電源線134に接続されゲート端子とドレイン端子が出力線130に接続されたPチャネルトランジスタ127と、ソース端子が電源線133に接続されゲート端子とドレイン端子が出力線130に接続されたNチャネルトランジスタ128と、を含んでいる。スイッチ回路150は、以下のように動作する。
Nチャネルトランジスタ112及び113は、それぞれD2及びXD1がHの時に導通して、インピーダンス素子Z1を介して出力線130と電源線133とを接続する。電源線133には、電圧V2の電源が接続されている。すなわち、D2及びXD1の論理積が真の時、出力線130にはインピーダンス素子Z1を介して電圧V2が接続される。
Pチャネルトランジスタ110及び111は、それぞれXD3及びD2がLの時に導通して、インピーダンス素子Z2を介して出力線130と電源線134とを接続する。電源線134には、電圧V1の電源が接続されている。すなわち、D2及びXD3の論理和が偽の時、出力線130にはインピーダンス素子Z2を介して電圧V1に接続される。
Nチャネルトランジスタ116及び117は、それぞれD4及びXD3がHの時に導通して、インピーダンス素子Z3を介して出力線130と電源線133とを接続する。Pチャネルトランジスタ114及び115は、それぞれXD5及びD4がLの時に導通して、インピーダンス素子Z4を介して出力線130と電源線134とを接続する。
Nチャネルトランジスタ120及び121は、それぞれD6及びXD5がHの時に導通して、インピーダンス素子Z5を介して出力線130と電源線133とを接続する。Pチャネルトランジスタ118及び119は、それぞれXD7及びD6がLの時に導通して、インピーダンス素子Z6を介して出力線130と電源線134とを接続する。
Nチャネルトランジスタ124及び125は、それぞれD8及びXD7がHの時に導通して、インピーダンス素子Z7を介して出力線130と電源線133とを接続する。Pチャネルトランジスタ122及び123は、それぞれXD9及びD8がLの時に導通して、インピーダンス素子Z8を介して出力線130と電源線134とを接続する。
Nチャネルトランジスタ131及び132は、それぞれD10及びXD9がHの時に導通して、インピーダンス素子Z9を介して出力線130と電源線133とを接続する。
Pチャネルトランジスタ127及びNチャネルトランジスタ128は、MOS抵抗であって、電源線134及び電源線133に与えられる電位を分割し、スイッチ回路150が電圧V1,V2のいずれにも接続されていない時に、出力線130の電位を設定する。
以上のような動作によって出力線130は、td毎にインピーダンス素子Ziを介して電圧V1,V2に切り替えられる。Di及びXDi-1の論理積が真の時をti-1で表し、Di及びXDi-1の論理和が偽の時をtiで表せば、図2のPulseOutで示すように出力線130は、
期間ti-1:インピーダンス素子Zi-1を介して電圧V2
期間ti:インピーダンス素子Ziを介して電圧V1
に接続される。
期間ti-1:インピーダンス素子Zi-1を介して電圧V2
期間ti:インピーダンス素子Ziを介して電圧V1
に接続される。
従って、インピーダンス素子Zi,Zi-1によって電圧V1,V2から出力を駆動する能力が制限され、これらのインピーダンス素子Zi,Zi-1の素子値を調整することによって、出力線130から出力されるパルス波形PulseOutの包絡線を任意に設定することが可能である。出力されるパルス波形PulseOutは、出力に接続される負荷の値とインピーダンス素子Zi,Zi-1によって制限された駆動能力によって決まる。特に負荷に容量成分が含まれる時は、積分されて図2で示したような波高値の異なる三角波に近い波形となる。
上記原理によって、それらのインピーダンス素子Zi,Zi-1の素子値を帯域制限されたパルス波形PulseOutの包絡線となるように決めておけば、発生されるパルス波形PulseOutは、自動的に帯域制限されたパルスとなる。インピーダンス素子Zi,Zi-1の決め方は任意であるので、図11に示したように出力パルスの前後縁の波高値を小さくする以外の設定も可能であり、スペクトル特性を自由に設定できる。目的とするスペクトルが与えられると、その逆フーリエ変換が時間軸上の波形となるので出力パルスの包絡線波形は、必要な帯域特性から算出することができ、この値によってインピーダンス素子Zi,Zi-1を決めれば、所望の帯域特性を得ることができる。また、インピーダンス素子Zi,Zi-1をガウス関数に基づきサンプリングして決めれば、パルスの時間的広がりと周波数軸上での広がり、すなわち帯域の広がりの両方(両者の積)を理論的に可能な最小値とすることができる。
以上に述べた本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態では、従来の回路と同程度の簡単な回路で必要な帯域制限を施したパルスが発生できる。発生されるパルスは回路素子の動作限界近くの高周波高速であっても特性の良い精密なパルス発生が可能である。
なお、インピーダンス素子Z1〜Z9は、スイッチ回路150のチャネル抵抗で代用することもできる。すなわちスイッチ回路150を構成するトランジスタのチャネル長とチャネル幅の比を上記所定のインピーダンス素子Zi,Zi-1の素子値になるように調整すれば、それらのインピーダンス素子をスイッチトランジスタのオン抵抗に含めることができ部品点数を削減できる。
(第2実施形態)
次に、パルス発生回路の第2実施形態について説明する。
次に、パルス発生回路の第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、図10(g)で説明した差動出力のパルス信号に帯域制限を課したパルスを発する回路の構成について、図3〜5を参照して説明する。図3は、差動出力のパルス信号を発生するパルス発生回路の構成を示す回路図である。図4は、差動インバータ遅延回路の構成を示す回路図である。図5は、差動出力のパルス信号を発生するパルス発生回路の動作を説明するタイミング図である。
図3に示すように、パルス発生回路300は、端子307に入力されるパルス起動信号D0によって起動される。変換回路306は、このパルス起動信号D0を受け位相の反転した信号D0,XD0に変換し出力する回路であり、差動インバータ遅延回路305は、信号D0,XD0により起動される。
差動インバータ遅延回路305は、各段の遅延素子が図4に示すような回路構成をとることができる。図4は、差動インバータ遅延回路305の一段あたりの構成例を示す図であり、同一のインバータ遅延回路408,409を2列に並べクロスカップルインバータ401で結合したものである。
先ず、インバータ遅延回路408,409の内部構造について説明する。インバータ遅延回路408,409は同一であるので、内部の構成要素については同一の参照番号が付されている。インバータ遅延回路408,409において、Pチャネルトランジスタ412とNチャネルトランジスタ413はインバータ回路を構成し、入力端子418に入力された信号は、遅延時間tdを伴って出力端子420から反転出力されて、次段のインバータ遅延回路の入力となる。また、出力端子420には、上記インバータ回路の遅延量を大きくしないように小さなバッファ回路415と大きなバッファ回路416が直列に接続され、図3のスイッチ回路301〜304を駆動するための信号を端子421から出力する。
Nチャネルトランジスタ414は、Nチャネルトランジスタ413のソースと接地電位との間に接続され、またPチャネルトランジスタ411は、Pチャネルトランジスタ412のソースと電源電位VDDとの間に接続されている。Pチャネルトランジスタ411及びNチャネルトランジスタ414のゲートソース間電圧Vbp,Vbnを制御することによりインバータ回路に流入する電源電流を制御することができる。通常ゲートソース間電圧Vbp及びVbnは、インバータ回路の出力の立ち上がりと立ち下りの対称性を保つために、その絶対値が等しくなるように制御される。この制御によってインバータ回路の動作速度の制御が可能となり、遅延時間tdをコントロールすることができる。目的の周波数スペクトルをもつパルスを発生するためには、PW=tdとなるように端子417及び419の電圧を制御すればよい。
インバータ遅延回路408,409の入力端子418は、各々、i番目において入力端子402に信号Diが入力され、入力端子403に信号XDiが入力され、互いに逆位相の信号で駆動される。インバータ遅延回路408,409の出力端子420は、各々、i番目において出力端子404から信号XDi+1が出力され、出力端子405から信号Di+1が出力され、次段のインバータ遅延回路408,409に接続され、さらに、小さなバッファ回路415と大きなバッファ回路416を介してスイッチ回路301〜304を駆動する信号の出力端子406,407となる。小さなバッファ回路415と大きなバッファ回路416は、遅れを伴うが、以下の説明では小さなバッファ回路415と大きなバッファ回路416は省略し、スイッチ回路301〜304を駆動する信号の信号名は同じXDi+1及びDi+1を使うものとする(小さなバッファ回路415と大きなバッファ回路416の遅れは、各段において各々が同一特性でその遅延量が同じならば、タイミングの差だけが問題になる本実施形態の場合には省略が可能である)。
変換回路306から出力される2相の信号によって、差動インバータ遅延回路305が位相の反転した信号D0,XD0で同時に起動されると、図5に示したXD1,D2、・・・D10のようにtdの遅れを伴って位相を反転させながら10個の遅延信号が得られると共に、さらに、それらの信号を反転したD1,XD2、・・・XD10の10個の遅延信号が得られる。図5では、信号D1,XD2、・・・XD10は省略されている。
図3において、スイッチ回路301,302,303,304は、その内部の構造が図1のパルス発生回路1からインバータ遅延回路101〜109等を除いた点線153の部分と同じである。すなわちスイッチ回路150と、各々所定のインピーダンス素子Z1〜Z8を介して電圧V1,V2が接続された構成である。kを整数とする時、それぞれのゲート端子Gka,Gkbが同時にHの時、出力端子POがインピーダンス素子Z2k-1を介して電圧V2に接続され、ゲート端子Gkb,Gkcが両方ともLの時、出力端子POがインピーダンス素子Z2kを介して電圧V1に接続される。
図17は、図3の各々のスイッチ回路301〜304の各端子と差動インバータ遅延回路305の各端子との接続を示す表である。
図3に示すように、スイッチ回路301は、D9及びD2が同時にHの時、すなわちD9及びD2の論理積が真の時(図5でt9からxt1まで)、パルス出力端子POにインピーダンス素子Z1を介して電圧V2を出力する。また4≦i≦8の範囲の偶数iにおいて、XDi-1とDiの論理積が真の時(図5で期間xti-1)、パルス出力端子POにインピーダンス素子Zi-1を介して電圧V2を出力する。また2≦i≦8の範囲の偶数iにおいて、Di及びXDi+1が両方ともLの時、すなわちXDiとDi+1の論理積が真の時(期間xti)、パルス出力端子POにインピーダンス素子Ziを介して電圧V1を出力する(図5の波形501で示す。なお各フィンガの波高値はインピーダンス素子によって制限されるため等波高値ではないが図では等波高値で示した)。
同様に、スイッチ回路302は、XD10及びXD3が同時にHの時、すなわちXD10及びXD3の論理積が真の時(図5でxt10からt2まで)、パルス出力端子POにインピーダンス素子Z1を介して電圧V2を出力する。また4≦i≦8の範囲の偶数iにおいて、XDiとDi+1の論理積が真の時(図5で期間ti)、パルス出力端子POにインピーダンス素子Zi-1を介して電圧V2を出力する。また2≦i≦8の範囲の偶数iにおいて、XDi+1及びDi+2が両方ともLの時、すなわちDi+1とXDi+2の論理積が真の時(期間ti+1)、パルス出力端子POにインピーダンス素子Ziを介して電圧V1を出力する(図5の波形502で示す。なお各フィンガの波高値はインピーダンス素子によって制限されるため等波高値ではないが図では等波高値で示した)。
また、スイッチ回路303は、XD9及びXD2が同時にHの時、すなわちXD9及びXD2の論理積が真の時(図5でxt9からt1まで)、パルス出力端子POにインピーダンス素子Z1を介して電圧V2を出力する。また4≦i≦8の範囲の偶数iにおいて、Di-1とXDiの論理積が真の時(図5で期間ti-1)、パルス出力端子POにインピーダンス素子Zi-1を介して電圧V2を出力する。また2≦i≦8の範囲の偶数iにおいて、XDi及びDi+1が両方ともLの時、すなわちDiとDi+1の論理積が真の時(期間ti)、パルス出力端子POにインピーダンス素子Ziを介して電圧V1を出力する(図5の波形503で示す。なお各フィンガの波高値はインピーダンス素子によって制限されるため等波高値ではないが図では等波高値で示した)。
また、スイッチ回路304は、D10及びD3が同時にHの時、すなわちD10及びD3の論理積が真の時(図5でt10からxt2まで)、パルス出力端子POにインピーダンス素子Z1を介して電圧V2を出力する。また4≦i≦8の範囲の偶数iにおいて、XDiとDi+1の論理積が真の時(図5で期間xti)、パルス出力端子POにインピーダンス素子Zi-1を介して電圧V2を出力する。また2≦i≦8の範囲の偶数iにおいて、Di+1及びXDi+2が両方ともLの時、すなわちXDi+1とDi+2の論理積が真の時(期間xti+1)、パルス出力端子POにインピーダンス素子Ziを介して電圧V1を出力する(図5の波形504で示す。なお各フィンガの波高値はインピーダンス素子によって制限されるため等波高値ではないが図では等波高値で示した)。
さらに、スイッチ回路301の出力端子POとスイッチ回路303の出力端子POをワイヤードオア接続して、差動出力の一方のパルス出力端子311からの出力信号をPoutpとし、スイッチ回路302の出力端子POとスイッチ回路304の出力端子POをワイヤードオア接続して、差動出力のもう一方のパルス出力端子310からの出力信号をPoutmとする。
上記の接続によって、出力されるパルスは、スイッチ回路301,302,303,304内で接続された各々のインピーダンス素子Z1〜Z8を所定の値に設定することによって帯域制限されたものとなる。具体的には、出力パルスの前後縁でフィンガの波高値を小さくなるようにインピーダンス値を大きく設定する。
このようにインピーダンス素子の値を設定するによって、発生するパルスの包絡線を自由に設定できる。これによって発生パルスの帯域を制限することができる。
上記では、各スイッチ回路301,302,303,304内で接続するインピーダンス素子の値は、共通の値で説明したが、各スイッチ回路毎に異なるインピーダンス値を設定しても良い。こうすることにより、より設定の自由度が増して詳細な設定が可能となる。
さらに、これらのインピーダンス素子は、スイッチトランジスタのチャネル抵抗を利用してスイッチ素子と兼ねることができる。こうすることによって、必要な素子の数を減らすことができる。
上記のような接続をとる場合、D0の立ち下がりに呼応して(期間xt2〜xt8に)パルス列を発するスイッチ回路301と、XD0の立ち下りに呼応して(期間t2〜t8に)パルス列を発するスイッチ回路303とは、回路的にはまったく対称である。また同様に、D0の立ち下がりに呼応して(期間xt3〜xt9に)パルス列を発するスイッチ回路304と、XD0の立ち下りに呼応して(期間t3〜t9に)パルス列を発するスイッチ回路302とは、回路的にはまったく対称である。すなわち図3において、インバータ遅延回路の各端子名のXDiとDi(iは0≦i≦10の整数)を入れ替えても、元の回路に一致する。ゆえにスイッチ回路301及び303、またはスイッチ回路302及び304は、D0/XD0の立ち上がりまたは立ち下りに呼応してまったく同一のパルス波形を発生する。少なくとも同一半導体基板上に対称性の良いパターン配置によって回路を作りこめば、発生されるパルスは事実上同一の対称性の良い波形となる。さらに、スイッチ回路302、またはスイッチ回路304の接続は、接続されるインバータ遅延回路の端子名をDi→XDi-1、またはXDi→Di-1と変更すると、それぞれスイッチ回路301または303の接続と一致し、事実上同一の回路形態となる。ゆえにそれらの生成するパルス波形は、tdだけ発生される時間がずれているが、事実上同一の対称性の良いパルスが発生される。
スイッチ回路301の出力端子POとスイッチ回路303の出力端子POとをワイヤードオア接続して、差動出力の一方のパルス出力端子Poutp311とし、スイッチ回路302の出力端子POとスイッチ回路304の出力端子POとをワイヤードオア接続して、差動出力のもう一方のパルス出力端子Poutm310とすることにより、その差Poutp−Poutmは、図5に示すような対称性の良いパルスとなる。なお図5では、負荷容量を考慮したパルス出力波形は省略したが、重い容量性負荷が接続される場合であってもその対称性は崩れないことは自明であろう。
本実施形態では、第1実施形態における中間レベルを定めるトランジスタ127,128が不要であり、この部分によって生じるリーク電流をなくすことができ、回路の低消費電力化が可能となる。また、トランジスタ131,132のようにtdの半分で駆動されることが望ましいスイッチ素子も無く、回路設計が容易となる。さらに、第1実施形態ではインバータ遅延素子の段数が10段必要であったが、本実施形態では9段あれば十分であり、わずかながら使用される素子数を減らすことができる(一段目の出力D1,XD1が使用されていないことに注意、1段目は省略が可能である)。
なお、上記説明では、インバータ遅延回路の段番号を1から付番しているが、スイッチ切替動作の順序と論理及びZi-3、Zi-2の設定値が重要であって、インバータ遅延回路の各出力は、任意の数字から付番してよい。またiは、それに応じた所定の範囲の偶数となる。スイッチの制御は、インバータ遅延回路の出力すべてを使用していなくてもよいし、パルスの前後では所定の異なる論理で制御しても良い。
また、ブール代数の定理によって正論理、負論理で上記の異なる表現をとることもできるが、これらは等価であり本実施形態にはこれらの等価な回路は当然含まれるべきである。
以上述べたように、本実施形態によれば、起動信号の反転に呼応してインバータ遅延回路の反転が起こる度にパルス発生が可能となる。これによって、パルス発生回路の消費電力の大部分を消費するインバータ遅延回路の反転毎にパルスが発生され、発生されるパルスあたりの消費電力を最小とすることが可能となる。しかも発生されるパルスは、回路素子の動作限界近くの高周波高速であっても、対称性の良い精密な帯域制限された差動のパルス発生が可能である。
(第3実施形態)
次に、パルス発生回路の第3実施形態について説明する。
次に、パルス発生回路の第3実施形態について説明する。
図6〜図9は、第1実施形態のパルス発生回路1または第2実施形態のパルス発生回路300を用いた通信装置の要部を説明する図であり、UWB送受信機に応用した場合の例を示す。
図6は、UWB−IR送信装置600の概略を示すブロック図である。パルス発生回路601は、パルス発生回路1(図1)またはパルス発生回路300(図3)で構成され、送信するUWB信号のパルスを発生する。入力端子603は、起動信号を入力する端子であり、入力端子604は送信するデータの端子である。入力端子604に入力される信号に応じて発生されるパルスに変調をかけるが、変調の方法については後述する。
第2実施形態のパルス発生回路300は、2つの出力端子があり、差動のパルス信号を発する。そのためこのパルス発生回路300を使用したUWB−IR送信装置600は、平衡型のアンテナを駆動することができる。図6では、UWB−IR送信装置600として平衡型アンテナ602を駆動する場合を例示しているが、第1実施形態のパルス発生回路1を用いて、シングルエンド出力のパルスを発生させてモノポールアンテナのような不平衡型のアンテナを駆動することもできる。
変調の方式としては、出力されるパルスの極性を入力端子604に入力される送信データの値に従って切り替えて変調するパルスの2相変調(BPM:Bi-Phase Modulation)や、起動信号に遅延回路を接続してその遅延時間を送信データに従って切り替えるパルス位置変調(PPM:Pulse Position Modulation)などが可能である。
図8は、PPM変調回路800を示す。入力端子801は、起動信号を入力する端子である。この起動信号から遅延回路803によって遅延させた信号と、遅延回路803を通さずに遅延させないそのままの信号を生成し、スイッチ804によって選択し、パルス発生回路805に入力する。入力端子802に入力される送信データのビットの値(1または0)に基づき遅延回路803を通した信号、通さない信号のどちらかを選ぶことにすれば、送信データの値によって起動信号は遅延回路の遅延時間シフトすることができPPM変調を行うことができる。
図9は、変調方式としてBPMを用いるBPM変調回路900を示す。入力端子902に入力される起動信号は、パルス発生回路901の起動端子に入力される。パルス発生回路901には、上記第2実施形態のパルス発生回路300を使用することができる。パルス発生回路901によって発生されたパルスは、二極双投のスイッチ904によって切り替えて出力端子905に印加される送信データに基づきその極性を反転させる。この操作によって、出力端子905からBPM変調された平衡型のパルスが得られる。
また、パルス発生回路901として第1実施形態のシングルエンド型のパルス発生回路1も使用することができる。この場合、入力端子903に印加される送信データに基づきその極性を反転させる二極双投のスイッチ904の一方の入力には上記シングルエンドの出力に接続して、他の一方は接地電位に接続する。
本実施形態のように、UWB−IR送信装置のパルス発生回路としてパルス発生回路1またはパルス発生回路300を使用すれば、発生されるパルスはスペクトルの広がりが小さくサイドローブのレベルが低いため、特別なフィルタ等を用いなくても他に与える影響を低減することができる。
図7は、第1実施形態のパルス発生回路1または第2実施形態のパルス発生回路300を用いたUWB受信装置700を示すブロック図である。受信アンテナ701で受信されたUWBパルス信号は、低雑音増幅回路702で増幅し、I,Qのミキサ回路703,704に入力される。ミキサ回路703,704は、テンプレートパルス発生回路705,706によって発生されたテンプレートパルスとの乗算を行い、積分回路707,708に送る。積分回路707,708では、ミキサ回路703,704で混合(乗算)した信号の高域成分を取り除き相関値を算出する。判定回路709は、それぞれの信号の強度を見て送信されたビットを判断し元の送信データに戻し出力端子710から出力する。
ここで、テンプレートパルス発生回路705,706として、第1実施形態のパルス発生回路1または第2実施形態のパルス発生回路300が使用できる。特に、第2実施形態のパルス発生回路300は、差動のテンプレートパルス発生が可能であり、低雑音増幅回路702やミキサ回路703,704を差動式の回路を使用することを可能とする。差動式の回路は、同相ノイズのキャンセルや低電圧動作に適しており、低電力低雑音の機器構成に都合が良い。また、位相が互いに90度異なるIQのテンプレートパルスを用いることができると、BPMやPPMでも効率の良い受信が可能となる。すなわち、BPMやPPMの変調時において、I相をデータの復調に当てて、Q相をトラッキングに使うなどの方法を取ることが可能である。なぜなら、Q相出力を常に0になるようにテンプレート発生のタイミングを調整すれば、I相ではその出力振幅値が最大となるので、このような制御によって同期検波のトラッキングが可能となる。図7に示すように、2つのテンプレートパルス発生回路705,706を90度位相の起動信号により起動することによって、IQテンプレートパルスの発生が可能である。
テンプレートパルス発生回路として、第1実施形態のパルス発生回路1を用いることもできる。パルス発生回路1を用いる場合は、低雑音増幅回路702やミキサ回路703,704を不平衡型の回路にする。また、IQ2相のテンプレートが必要な場合は、パルス発生回路1を2つ用いて所定量の時間差で起動すればよい。
UWB受信装置700のテンプレートパルス発生回路705,706で発生されるテンプレートパルスは、空間へエネルギー放射が意図されたものでないので帯域制限は必要ないと思われるかもしれない。しかしながら、テンプレートパルスは、UWB−IR送信装置で使用したパルスと同一波形の場合がもっとも相関値が高くなるため、理想的にはUWB受信装置700のテンプレートパルス発生回路705,706は、UWB−IR送信装置で使用したパルス発生回路と同じものを使用すべきである。また、多くの受信装置で課題となるスプリアス放射の低減には大いに効果があることは言うまでもないだろう。
本パルス発生回路は、簡単な回路で信号間の振幅などのばらつきが少なく平衡度の良いひずみの少ない信号が発生でき、さらに消費電力が少ない。従って、本パルス発生回路は、UWB通信装置の高性能化に必要な差動型の信号発生、IQ信号の発生、低歪などのすべての要求仕様を備えている。このことから、本パルス発生回路をUWB通信装置に応用すれば高性能な装置を実現できる。
また、本パルス発生回路をCMOS集積回路で実現すれば、パルス発生時の遷移時間でしか電力を消費せず、いわゆるアイドリングカレントがない。通信装置に応用した場合は、伝送する情報量(ビットレート)に応じて常に最小の消費電力で作動させることが可能である。
以上、パルス発生回路の実施形態を説明したが、こうした実施の形態に何ら限定されるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることができる。
(変形例1)パルス発生回路を使った電子機器の例について説明する。図18は、変形例1に係る電子機器であるノートPC(Personal Computer)1810と携帯電話1820の構成を示す概略図である。ノートPC1810には、上記第3実施形態で説明したUWB−IR送信装置600が内蔵され、携帯電話1820には、UWB受信装置700が内蔵されている。ノートPC1810は、UWB−IR送信装置600により情報データを送信し、携帯電話1820は、UWB受信装置700により情報データを受信することができる。
1…パルス発生回路、100〜109…インバータ遅延回路、300…パルス発生回路、301〜304…スイッチ回路、305…差動インバータ遅延回路、306…変換回路、408,409…インバータ遅延回路、600…UWB−IR送信装置、601…パルス発生回路、700…UWB受信装置、701…受信アンテナ、702…低雑音増幅回路、703,704…ミキサ回路、705,706…テンプレートパルス発生回路、707,708…積分回路、709…判定回路、800…PPM変調回路、801…入力端子、802…入力端子、803…遅延回路、804…スイッチ、900…BPM変調回路、901…パルス発生回路、1810…ノートPC、1820…携帯電話。
Claims (5)
- 起動信号に基づき所定形状のパルスを出力端子から出力するパルス発生回路であって、
前記起動信号の位相が変化した時点から所定量の時間差で位相が順次変化するn+1個の信号(nは2以上の整数)を発生するタイミング発生回路と、
所定の電位を供給する第1の電源及び第2の電源と、
n個のインピーダンス素子と、
前記n+1個の信号に基づく論理関数値によって所定順序で前記出力端子と前記第1の電源または前記第2の電源とを前記インピーダンス素子を介して交互に切り替えて接続するスイッチ回路と、
を含む、
ことを特徴とするパルス発生回路。 - 請求項1に記載のパルス発生回路において、前記n個のインピーダンス素子の各々の素子値は、出力しようとする前記パルスの包絡線のサンプル値に基づいて決定される、ことを特徴とするパルス発生回路。
- 請求項1または2に記載のパルス発生回路において、前記インピーダンス素子及び前記スイッチ回路は、所定の導通時のインピーダンス値を持つスイッチ素子によって構成されることを特徴とするパルス発生回路。
- 請求項1から3のいずれか一項に記載のパルス発生回路において、前記タイミング発生回路は、所定量の遅延量を持つ遅延回路を縦続接続して構成されることを特徴とするパルス発生回路。
- 請求項1から4のいずれか一項に記載のパルス発生回路を含んで構成されることを特徴とする通信装置。
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