JP5883175B1 - 消振機の回転位相検出器 - Google Patents
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Abstract
【課題】位相検出センサの位置決めを容易とし、且つ、船体の振動を低減することが可能な消振機の回転位相検出器を提供すること。【解決手段】 平行に配置された一対の回転軸13にそれぞれ固定された偏心重錘14を備え、回転軸13を回転させ、偏心重錘14を相反する方向に同期して回転させることで、ケーシング11から一方向の振動を発生させる消振機1の回転位相検出器15において、ケーシング11に設けられ、回転軸13の内の一方の回転軸を挿通させるカバー21と、回転軸13の端部に設けられ、回転軸13よりも小径の小径部13aの先端に径方向に突出して設けられた突部材41と、カバー21内に設けられ、回転軸13の軸心を中心に円環状に設けられたガイドレール42と、ガイドレール42に沿って回動可能な調整板43と、調整板43に固定され、突部材41の位相を検出する位相検出センサ44と、からなる位相検出装置を備える構成とする。【選択図】 図2
Description
本発明は、船の振動を低減する消振機の回転位相を検出する回転位相検出器に関する。
大型の船舶では、主エンジンにより発生する不平衡偶力によって船体が共振し、船体に異常振動が生じることがある。この異常振動は、船体に悪影響を与える虞や、居住性を低下させる虞がある。
そこで、従前から、船体に生じる振動を低減させる消振機が知られている(例えば、特許文献1乃至特許文献3参照)。このような消振機は、船体に生じる振動と逆位相の振動を発生させることで、船体の振動を軽減させる。
例えば、消振機は、ケーシングに回転可能に軸支された平行な一対の回転軸と、その一方の回転軸を例えばプーリーを介して回転させる電動機と、一対の回転軸にそれぞれ設けられた、歯車を介して互いに逆方向に同期して回転する偏心重錘と、を備えている。このような消振機は、電動機によって回転軸を回転させ、一対の偏心重錘を回転させることで、左右方向の振動を打ち消し、上下方向のみの振動を、ケーシングを介して発生させることが可能となる。この発生した振動が、主エンジンにより発生する船体の振動と逆位相となるように偏心重錘の回転位相と回転数を制御し、船体の振動を軽減させる。
具体的には、偏心重心の回転数及び位相を、主エンジンの回転数と位相に対応させて制御する必要がある。このため、消振機には、偏心重錘の回転数と位相を検出する回転位相検出器が設けられる。
この回転位相検出器の従来の構成を、以下、図4及び図5に示す正面図及び断面図を用いて説明する。
回転位相検出器115は、消振機の一方の回転軸113の回転数及び位相を検出可能に、当該回転軸113の一端側に配置される。回転位相検出器115は、消振機のケーシング111に取付スペーサ122を介して固定されるカバー121と、回転軸113の端部に取り付けられた速度及び位相を検出するための円板131と、L字状のアーム板132を介してカバー121に固定される、速度検出センサ133及び位相検出センサ144と、を備えている。
カバー121には、アーム板132をボルトで取り付けるためのボルト穴121aが複数形成されている。例えば、ボルト穴121aは、回転軸113の軸心を中心として、10°間隔でカバー121の36箇所に設けられる。
円板131は、その外周面に速度検出センサ133で速度を検出するための複数の歯が形成されている。また、円板131は、その外周縁の近傍であって、その主面に、位相検出センサ144で位相を検出するための突起である突部材141が設けられている。
このような消振機101は、速度検出センサ133によって、円板131の速度から、回転軸113の回転数を検出するとともに、位相検出センサ144によって、検出した突部材141の位置から、偏心重錘の位相を検出することが可能となる。また、消振機1は、ボルト穴121aによって、アーム板132に取り付けられる位相検出センサ144の位置を、回転軸113周りに360°の範囲で任意に変更することで、船体に生じる振動を最も低減できる位置に配置可能となる。
上述した消振機に用いられる回転位相検出器では、以下の問題があった。即ち、消振機を船体へ設置するときに、船体の振動を最も低減可能となるように、カバー121の側面に取り付けるアーム板132を、複数のボルト穴121aに順次取り付けて船体の振動を測定し、最も船体の振動が軽減となる位置にアーム板132を固定する、即ち、位相検出センサ144の位置決めを行う必要がある。
しかし、この位置決め作業は、外周縁に複数の歯が形成されている円板の外周近傍に形成されているボルト穴121aへアーム板132を取り付けたり、取り外したりする必要があることから、安全上、回転軸113の回転を停止させた状態で行う必要がある。
このため、次のボルト穴121aにアーム板を移し替える度に、電動機を起動・停止を繰り返す必要があり、船体の振動が最も低減される位置に位相検出センサ144を取り付けるまでには、長時間を要する、という問題がある。
また、ボルト穴121aの間隔は、カバー121の強度等の維持のために、例えば、10°間隔で配置する等、ボルト穴121aの配置に制限が発生する。このため、船体の振動が最も軽減される位相検出センサ144の取り付け位置と、ボルト穴121aの位置とが必ずしも一致しないことも生じ、その時は、当該取り付け位置に最も近いボルト穴121aにアーム板132を介して位相検出センサ144を取り付けている。このため、消振機の最も効果的な使用、即ち、消振機の消振機能が最も高い状態で消振機を使用することができない虞があるとともに、設置する消振機の性能にばらつきが生じる。
そこで本発明は、短時間に、位相検出センサの位置決めを容易に行うことができ、且つ、船体の振動を最も低減することが可能な位置に位相検出センサを設定できる消振機及び消振機の回転位相検出器を提供することを目的とする。
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の消振機及び消振機の回転位相検出器は、次のように構成されている。
本発明の一態様として、ケーシングに回転自在に軸支され、平行に配置された一対の回転軸、一対の前記回転軸にそれぞれ固定された偏心重錘を備え、前記回転軸を回転させ、前記偏心重錘を相反する方向に同期して回転させることで、前記ケーシングから一方向の振動を発生させる消振機の回転位相検出器において、前記回転位相検出器は、前記ケーシングに設けられ、前記回転軸の内の一方の回転軸を挿通させる開口部を有するカバーと、前記回転軸の端部に設けられ、径方向に突出する突部材と、前記カバー内に設けられ、前記回転軸の軸心を中心に円環状に設けられたガイドレールと、前記ガイドレールに沿って回動可能な調整板と、前記調整板に固定され、前記突部材の位相を検出する位相検出センサと、からなる位相検出装置を備える。
本発明によれば、短時間に位相検出センサの位置決めを容易に行うことができ、且つ、船体の振動を最も低減することが可能な位置に位相検出センサを設定できる消振機の回転位相検出器を提供することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態に係る回転位相検出器15ついて図1乃至図3を用いて説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る回転位相検出器15が設けられる消振機1の構成を模式的に示す説明図、図2は本発明の一実施形態に係る回転位相検出器15の構成を示す断面図、図3はそれの回転位相検出器15の構成を示す正面図である。
図1は本発明の一実施形態に係る回転位相検出器15が設けられる消振機1の構成を模式的に示す説明図、図2は本発明の一実施形態に係る回転位相検出器15の構成を示す断面図、図3はそれの回転位相検出器15の構成を示す正面図である。
図1及び図2に示すように、消振機1は、ケーシング11と、ケーシング11に設けられた複数の軸受12と、軸受12に回転自在に、平行に軸支された一対の回転軸13と、回転軸13にそれぞれ設けられた一対の偏心重錘14と、図示されていないが、その一方の回転軸13に接続された電動機と、いずれか一方の回転軸13に接続された回転位相検出器15と、を備えている。このような消振機1は、船舶の船体に固定され、一対の偏心重錘14が相反する方向、換言すると逆方向に同期して回転することで、船体の振動と逆位相の振動を発生させ、船体の振動を低減させることが可能に形成されている。
ケーシング11は、船体にボルト等により固定される。ケーシング11は、回転位相検出器15を固定可能に形成されている。ケーシング11は、その内部に、一対の回転軸13の一部及び一対の偏心重錘14を収容可能に形成されている。
一対の回転軸13は、その軸心が平行となるように並列にケーシング11に配置される。いずれか一方の回転軸13は、その端部に電動機が接続される。また、いずれか一方の回転軸13は、その端部に回転位相検出器15が接続される。なお、回転軸13は、電動機及び回転位相検出器15が同一の回転軸13の両端側にそれぞれ配置される構成であっても、一対の回転軸13のそれぞれに配置される構成であってもよい。
回転位相検出器15が接続される回転軸13は、回転位相検出器15が接続される端部に他部よりも小径な小径部13aを備えている。
偏心重錘14は、回転軸13に固定される円板部14aと、円板部14aの外周面に形成された歯部14bと、円板部14aに設けられた重錘14cと、を備えている。一対の偏心重錘14は、回転軸13に固定されたときに、互いの歯部14bが噛み合う。また、一対の偏心重錘14は、電動機によって一方の回転軸13を回転させることで、図1に示す矢印のように、互いの歯部14bによって相反する方向に同期して回転する。
円板部14aは、中心に回転軸13を挿入して固定される開口部を有する円形状に形成されるとともに、外周面に歯部14bが形成された、所謂歯車形状である。歯部14bは、複数の歯が形成されている。歯部14bは、他の偏心重錘14の歯部14bと噛合可能に形成されている。重錘14cは、回転軸13の回転中心から偏心する位置であって、且つ、円板部14aの一部に配置される。回転軸13に固定された一対の偏心重錘14の重錘14cは、回転軸13及び軸受12を介してケーシング11が一方向に振動可能に、対称位置に配置される。
電動機は、図示していないが、例えば、プーリー及びプーリーベルト等を介して一方の回転軸13を駆動し、あるいは、歯車を介して一方の円板部14aの歯車14bと噛み合い、円板部14aを回転可能に構成されている。
回転位相検出器15は、カバー21と、ケーシング11にカバー21を取り付ける取付スペーサ22と、カバー21内を回転軸13の軸方向に沿って2つの空間に仕切る仕切板23と、仕切板23で仕切られた偏心重錘14側の空間に設けられた速度検出装置24と、仕切板23で仕切られた小径部13aの先端側の空間に設けられた位相検出装置25と、を備えている。
カバー21は、回転軸13を挿通可能な開口部21aを有している。カバー21は、例えば、方形筒状の枠部21bと、開口部21aを有する底部21cと、を備えている。枠部21bは、その内面に仕切板23を固定可能に形成されている。例えば、枠部21bは、仕切板23を締結部材等で固定するフランジ21dを有している。
取付スペーサ22は、ケーシング11及びカバー21の底部21cに固定され、カバー21をケーシング11に固定可能に形成されている。例えば、取付スペーサ22は、ボルト等の締結部材を介してケーシング11及びカバー21間に固定される。
仕切板23は、中心に回転軸13の小径部13aを挿通可能な開口部23aを有している。開口部23aの内径は、小径部13aの外径よりも大径に形成されている。仕切板23は、小径部13aの軸方向の中心側でカバー21内を2つの空間に仕切る。
換言すると、仕切板23は、カバー21内であって、且つ、その開口部23aから小径部13aを所定の長さで突出可能な位置に配置される。仕切板23は、カバー21内を回転軸13の軸方向に沿って偏心重錘14側から回転軸13の小径部13a側に順に第1空間99A及び第2空間99Bに仕切る。第1空間99Aは、カバー21及び仕切板23により閉塞された空間である。第2空間99Bは、枠部21bの開口によって内部が外部に露出する。
速度検出装置24は、回転軸13の小径部13aの偏心重錘14側に固定された円板31と、カバー21に設けられるアーム板32と、アーム板32に設けられた速度検出センサ33と、を備えている。速度検出装置24は、カバー21及び仕切板23に仕切られる第1空間99A内に配置される。
円板31は、その外周面が速度検出センサ33で速度を検出可能に形成されている。例えば、円板31は、速度検出センサ33で回転軸13の回転数を検出するための複数の歯部が形成された歯車である。円板31は、小径部13aに固定される。
アーム板32は、例えば断面視でL字状に形成されている。アーム板32は、カバー21の底部21cにボルト等の締結部材32aを介して固定される。アーム板32は、その一部が円板31の外周面の歯部と対向して配置される。アーム板32は、円板31の外周面の歯部と所定の間隙を開けて対向する位置に速度検出センサ33を固定可能に形成されている。
速度検出センサ33は、円板31の歯部を検出可能に形成されている。速度検出センサ33は、例えば、信号線を介して処理装置に接続され、検出した情報に基づいて円板31の速度、換言すると回転軸13(偏心重錘14)の回転数を検出可能に形成されている。
位相検出装置25は、回転軸13の小径部13aの先端に設けられた突部材41と、仕切板23の第2空間98B側の主面に設けられたガイドレール42と、ガイドレール42に回転可能に支持された調整板43と、調整板43に固定された位相検出センサ44と、位相検出センサ44の回動角度を表示可能な表示手段45と、を備えている。
突部材41は、回転軸13の小径部13aの端面に設けられ、小径部13aの径方向に小径部13aの外周面の一部から突出する突起である。突部材41は、位相検出センサ44で検出可能な形状及び大きさに形成されている。突部材41は、回転軸13の軸心からその先端までの距離が、速度検出装置24の円板31の半径よりも小さく形成されている。
ガイドレール42は、回転軸13の軸心を中心として回転可能に調整板43を支持する。例えば、ガイドレール42は、円環状に形成された案内溝である。具体例として、ガイドレール42は、仕切板23の主面の開口部23aの内周面に沿って回転軸13の軸方向に調整板43の厚みだけ突出するとともに、調整板43の主面と摺動可能に、突出した先端から径方向に円環状に突出して仕切板23に一体に形成される。ガイドレール42は、その外周面で調整板43を摺動可能に支持する。
調整板43は、円板状に形成され、その主面に位相検出センサ44を固定可能に形成されている。調整板43は、主面間に渡って貫通して形成され、所定の曲率半径を有する円弧状の長孔部43aを複数備えている。長孔部43aは、調整板43に例えば等間隔で4箇所に配置される。調整板43は、長孔部43aに挿入されたボルト等の複数の締結部材43bを介して仕切板23に固定可能に形成されている。なお、図3においては、締結部材43bは1つのみ示す。
なお、例えば、仕切板23には、長孔部43a上に、換言すると長孔部43aの中心を通る円弧の曲率半径と同一径の円周上に締結部材43bと螺合する複数のねじ穴が配置される。
調整板43は、ガイドレール42に沿って回転軸13の軸心を中心として回転可能に形成されている。調整板43は、回転することで、回転軸13の軸心に対して周方向の位相検出センサ44の位置を調整可能に形成されている。
このようなガイドレール42及び調整板43は、位相検出センサ44を回転軸13の軸心を中心として周方向に移動可能、且つ、位相検出センサ44を所定の角度位置で固定可能な、位相検出センサ44の位置調整手段である。
位相検出センサ44は、小径部13aの先端に設けられた突部材41を検出可能に形成されている。位相検出センサ44は、調整板43の突部材41の先端と所定の間隙を有する位置に固定される。
位相検出センサ44は、例えば、信号線を介して処理装置に接続され、検出した情報に基づいて突部材41の位置から突部材41の位相、即ち偏心重錘の位相を検出可能に形成されている。
表示手段45は、仕切板23の調整板43と隣接する所定の位置に表示された基準表示45aと、調整板43の外周縁に設けられ、所定の角度範囲で表示された目盛表示45bと、を備えている。表示手段45は、基準表示45aに位置する目盛表示45bから、調整板43の回転角度、換言すると、位相検出センサ44の角度位置を表示可能に形成されている。
次に、このように構成された消振機1に用いられる回転位相検出器15の調整方法について説明する。
先ず、仕切板23に締結部材43bで固定された調整板43から、締結部材43bを取り外し、調整板43をガイドレール42に対して回動可能な状態とする。
先ず、仕切板23に締結部材43bで固定された調整板43から、締結部材43bを取り外し、調整板43をガイドレール42に対して回動可能な状態とする。
次に、この状態で船の主エンジンを駆動するとともに、電動機を駆動して回転軸13を回転させ、一対の偏心重錘14を回転させる。このときに、船の主エンジンを起因として生じる船体の振動は、偏心重錘14の回転によって消振機1から発生する振動によって軽減、あるいは加振された状態となる。
次に、調整板43を任意の方向に回転させると、主エンジンによって生じる船体振動と偏心重錘14によって消振機1から発生する振動の位相関係が変化し、船体振動が変化するので、調整板43を任意の方向に回転させつつ、船体の振動を検出する。このように、主エンジン及び消振機1を止めることなく、船体の振動を検出しながら調整板43を回動させ、位相検出センサ44の角度位置を変化させることにより、船体の振動の変化を360°の範囲に渡って検出する。次に、検出した船体の振動に基づいて、最も船体の振動が低減する位相検出センサ44の位置に調整板43を回動し、当該位置で調整板43を締結部材43bによって仕切板23に固定する。
このような手順によって、船体の振動を最も低減することが可能な位置に回転位相検出器15が調整される。この調整により、電動機は、最も船体の振動を低減することが可能な位相検出センサ44の位置で、主エンジンの回転数と位相に対して回転軸13(偏心重錘14)の回転数及び位相を制御することが可能となる。
このように構成された回転位相検出器15を用いた消振機1によれば、ガイドレール42により支持した調整板43を回動することで、位相検出センサ44の回転軸13の軸心に対する角度位置を調整することが可能となる。また、調整板43は、回転軸13の軸心を中心としてガイドレール42に沿って360°の範囲で回転可能であり、且つ、長孔部43aを介して仕切板23に締結部材43bによって固定可能である。
このため、主エンジン及び消振機を止めることなく、調整板43は、船体の振動が最も抑制(低減)される位置に位相検出センサ44を移動可能、且つ、当該移動した位置で位相検出センサ44を固定することが可能となる。換言すると、ガイドレール42及び調整板43により構成される位相検出センサ44の位置調整手段をシームレスな構成とすることで、位相検出センサ44を任意の位置に回動可能、且つ、固定することが可能となる。
これにより、回転位相検出器15は、位相検出センサ44を船体の振動を最も低減することが可能となる位置に調整することが可能となり、船体の振動を低減する消振機1の消振機能を向上させることが可能となる。
また、位相検出装置25は、仕切板23によって速度検出装置24が収容されるカバー21の第1空間99Aと仕切られた第2空間99Bに配置され、また、第2空間99Bは、外部に露出する構成である。このため、調整板43の調整は、カバー21と対向する位置で作業者が作業可能であり、また、第2空間99Bはカバー21の開口側に配置されるから作業性もよい。
また、第1空間99A内は、仕切板23で覆われることから、速度検出装置24の円板31が外部に露出することがない。このため、電動機により回転軸13が回転した状態で位相検出センサ44の位置を調整しても、安全性が確保される。
結果、位相検出センサ44の調整作業は、回転軸13の回転中に安全に行うことが可能となる。また、位相検出センサ44の位置を変更した後の船体の振動を、回転軸13の回転中に位相検出センサ44の各位置で連続して検出することが可能となる。このため、位相検出センサ44の位置の変更時毎に電動機の停止及び駆動を行う必要がなく、高い作業性を有するとともに、作業時間を短縮することができる。
さらに言えば、従来の技術である、各ボルト穴121aに位相検出センサ144を取り付け、且つ、各ボルト穴121aで回転軸13を回転及び停止させて船体の振動を検出する回転位相検出器115と比較し、微細な角度位置に位相検出センサ44を調整することが可能となる。
また、回転位相検出器15は、表示手段45として、基準表示45aに対して位相検出センサ44の位置が判断可能な目盛表示45bを調整板43に設ける構成である。このため、位相検出センサ44の回転軸13を中心とする360°の範囲の各位置で検出した船体の振動のうち最も振動を低減した位相検出センサ44の角度位置が視認可能となる。これにより、全範囲で船体の振動を検出した後に、容易に船体の振動が最も低減した位置に調整板43を操作して位相検出センサ44の位置を設定することが容易となり、さらなる作業性の向上が可能となる。
さらに、位相検出装置25は、回転軸13の小径部13aの先端に径方向に突出する突部材41を位相検出センサ44により検出する構成であることから、突部材41の形状及び位相検出センサ44を取り付ける調整板43の形状(外径)を小さくすることが可能となる。結果、位相検出装置25の構成の小型化が可能となり、回転位相検出器15の小型化、及び、重量の低減が可能となる。
上述したように本発明の一実施形態に係る回転位相検出器15を用いた消振機1によれば、位相検出センサ44の位置決めを容易とし、且つ、船体の振動を低減することが可能となる。
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではない。上述した例では、調整板43は、円形状である構成を説明したがこれに限定されず、多角形状であってもよい。また、調整板43は、調整時の作業性の向上のために、外周面又は主面の一部に、作業者が把持するハンドルを備える構成であってもよい。
また、ガイドレール42は、仕切板23の開口部23aの周囲の主面に設けられる構成を説明したがこれに限定されず、回転軸13の軸心を中心として調整板43を回動可能であれば適宜設定できる。例えば、ガイドレール42は、仕切板23の中心から離間した位置に、その内周面で調整板43を回動可能に支持する円環状のレールを有する構成であってもよく、また、枠部21bの内面に設けられる構成であってもよい。
また、カバー21は第2空間99B側の枠部21bが開口する構成のみを説明したがこれに限定されず、枠部21bの開口は、回転位相検出器15の調整作業や各構成品のメンテナンス時に開放可能に、枠部21bに着脱自在に枠部21bの開口を閉塞する蓋部を有する構成であってもよい。この他本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
本発明は、船舶に搭載された船体の振動を抑制する消振機の回転位相検出器として利用可能である。
1…消振機、11…ケーシング、12…軸受、13…回転軸、13a…小径部、14…偏心重錘、14a…円板部、14b…歯部、14c…重錘、15…回転位相検出器、21…カバー、21a…開口部、21b…枠部、21c…底部、21d…フランジ、22…取付スペーサ、23…仕切板、23a…開口部、24…速度検出装置、25…位相検出装置、31…円板、32…アーム板、32a…締結部材、33…速度検出センサ、41…突部材、42…ガイドレール、43…調整板、43a…長孔部、43b…締結部材、44…位相検出センサ、45…表示手段、45a…基準表示、45b…目盛表示、99A…第1空間、99B…第2空間、101…消振機、111…ケーシング、113…回転軸、115…回転位相検出器、121…カバー、121a…ボルト穴、122…取付スペーサ、131…円板、132…アーム板、133…速度検出センサ、141…突部材、144…位相検出センサ。
Claims (6)
- ケーシングに回転自在に軸支され、平行に配置された一対の回転軸、一対の前記回転軸にそれぞれ固定された偏心重錘を備え、前記回転軸を回転させ、前記偏心重錘を相反する方向に同期して回転させることで、前記ケーシングから一方向の振動を発生させる消振機の回転位相検出器において、
前記回転位相検出器は、前記ケーシングに設けられ、前記回転軸の内の一方の回転軸を挿通させる開口部を有するカバーを有し、
そのカバー内に前記回転軸の端部に設けられ、径方向に突出する突部材と、
前記回転軸の軸心を中心に円環状に設けられたガイドレールと、
前記ガイドレールに沿って回動可能な調整板と、
前記調整板に固定され、前記突部材の位相を検出する位相検出センサと、
からなる位相検出装置を備えることを特徴とする消振機の回転位相検出器。 - 前記カバー内を前記回転軸の軸方向に沿って第1空間、並びに、第2空間に仕切る仕切板を設け、
前記第1空間内には、前記回転軸に固定され、外周面に複数の歯部が形成された円板と、前記円板の前記歯部から前記回転軸の回転数を検出する速度検出センサとからなる速度検出装置を設け、前記第2空間内には、前記仕切板に回転軸の軸心を中心とする円環状の前記ガイドレールを形成した前記位相検出装置を設けたことを特徴とする請求項1に記載の消振機の回転位相検出器。 - 前記調整板に所定の曲率半径で複数形成された円弧状の長孔と、
前記長孔を介して前記調整板を前記仕切板に固定する締結部材と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の消振機の回転位相検出器。 - 前記調整板及び前記仕切板に設けられ、前記調整板の角度位置を表示可能な表示手段を備えることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の消振機の回転位相検出器。
- 前記表示手段は、前記調整板の外周縁に所定の間隔で形成された目盛表示と、前記調整板に表示された基準目盛と、を備えることを特徴とする請求項4に記載の消振機の回転位相検出器。
- 前記回転軸の軸心から前記突部材の径方向の先端までの距離は、前記円板の外径よりも短く形成され、
前記ガイドレールは、前記仕切板を挿通する開口部に形成されることを特徴とする請求項2に記載の消振機の回転位相検出器。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107884592A (zh) * | 2017-12-05 | 2018-04-06 | 广西玉柴机器股份有限公司 | 可变曲轴转速传感器相位装置 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60234092A (ja) * | 1984-05-04 | 1985-11-20 | Nishishiba Denki Kk | 自動追従形消振装置 |
JPS61165042A (ja) * | 1985-01-11 | 1986-07-25 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 振動消振装置 |
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2015
- 2015-02-27 JP JP2015038990A patent/JP5883175B1/ja active Active
Patent Citations (2)
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CN107884592A (zh) * | 2017-12-05 | 2018-04-06 | 广西玉柴机器股份有限公司 | 可变曲轴转速传感器相位装置 |
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