JP5881542B2 - トレッド用ゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、トレッド用ゴム組成物に関する。
タイヤトレッド部で起こる代表的なクレームにブロック部においてゴム部材がめくれるチッピング現象が挙げられる。この現象は、ゴム肌に見られるクラック現象とは異なり、路面から受ける比較的大きな変形によってゴム架橋体が直接破壊を起こすことで発生すると考えられている。
このような破壊現象を抑えるためには、車重による繰り返し圧縮変形と旋回時に路面から受けるねじり変形の複合変形に対して耐久性の高いゴム材料を開発することが必要と考えられるが、現状では、単純な一軸引張試験により得られる破断応力や破断ひずみ、破断エネルギーを高める改良しか行われていない。
そのため、このような改良を行ったゴム組成物を実車のタイヤトレッド部に適用してもチッピング現象が発生するケースも散見されることから、実車に適用した際のチッピング現象を抑制し、耐久性が高いゴム組成物を提供することが望まれている。
本発明は、前記課題を解決し、耐チッピング性能に優れたトレッド用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明は、動的圧縮変形中に圧縮ひずみと同期させた動的ねじり変形を印加した際に、動的ねじり振幅が300%以上で破壊されるトレッド用ゴム組成物に関する。
前記動的圧縮変形及び前記動的ねじり変形が、該動的圧縮変形の最大変位点と該動的ねじり変形の最大変位点とが同期するように印加される複合変形であることが好ましい。
前記動的圧縮変形の周期が1〜100Hzであることが好ましい。
前記動的圧縮変形の圧縮荷重が50kPa〜10MPaであることが好ましい。
本発明によれば、動的圧縮変形中に圧縮ひずみと同期させた動的ねじり変形を印加した際に、動的ねじり振幅が300%以上で破壊されるトレッド用ゴム組成物であるので、該ゴム組成物を用いて作製したトレッドは、耐チッピング性能に優れている。
円柱状試験片におけるねじり変形を示す模式図の一例である。 測定用試料、並びにそれに加えられる動的圧縮変形及び動的ねじり変形を示す模式図の一例である。
本発明は、動的圧縮変形中に圧縮ひずみと同期させた動的ねじり変形を印加した際に、動的ねじり振幅が300%以上で破壊されるトレッド用ゴム組成物である。つまり、タイヤ走行時に実際に路面から入力される変形様式である動的な圧縮変形とせん断変形を同期させながらゴム組成物に入力した場合に、動的ねじり振幅が300%以上で破壊される性質を有するゴム組成物であるので、実車における耐チッピング性能に優れている。
詳しくは、前記ゴム組成物は、周期的に圧力(圧縮荷重)を印加し、動的な圧縮変形を繰り返し与えることで、自動車走行時に車重によりタイヤに繰り返し入力される圧縮変形を与えるとともに、これと同期して、周期的にねじり変形を印加し、動的なねじり変形を繰り返し与えることで、旋回時にタイヤに入力されるねじり変形を与えた場合に、所定以上の動的ねじり振幅、すなわち機械的強度を有している。従って、従来の一軸引張試験のみによる評価法に比べて、より使用条件に近い環境下での破壊試験を実施した場合に所定の機械的強度を有するゴム組成物であるため、実車での耐チッピング性能も優れている。
具体的には、動的ねじり振幅を大きくしながら、動的圧縮変形と動的ねじり変形を同期させながら入力し、ゴム組成物の破壊時における動的ねじり振幅(ねじり変位)が300%以上のゴム組成物である。
特に、動的圧縮変形が最大変位点になる時点(動的圧縮変形の最大ひずみ)において動的ねじり変形が最大変位点(動的ねじり変形の最大ひずみ)になるように同期させて入力することで実車の耐チッピング性能との相関性がより高められるので、その場合に所定以上の動的ねじり振幅を有するゴム組成物は当該性能が非常に優れている。
本発明のゴム組成物は、動的圧縮変形中に圧縮ひずみと同期させた動的ねじり変形を印加した際に、動的ねじり振幅が300%以上で破壊されるものであるが、動的圧縮変形は、車重による繰り返し変形に対応し、動的ねじり変形は、旋回時に路面から受ける変形に対応している。
ここで、前記ゴム組成物において、動的圧縮変形と動的ねじり変形を同期させているが、具体的には、実車条件を再現するために、動的圧縮変形の最大変位点がねじり変形の最大変位点と一致し、動的圧縮変形の最小変位点(無荷重点)が動的ねじり変形の変位0点と一致することが望ましい。
動的圧縮変形、動的ねじり変形ともに上記条件を満たす繰り返し変形であれば、その波形は規定されないが、より実車の力学的な入力に即した正弦波であることが好ましい。
動的圧縮変形の周期は、実車走行時の転動周期に対応し、レースを含む実用レベルで100Hz以下が好ましく、より好ましくは通常の使用条件である120km/h以下に対応する20Hz以下である。該周期の下限は特に限定されないが、交差点における徐行運転を考慮すると、好ましくは速度10km/hに対応する1Hz以上、より好ましくは速度20km/hに相当する2Hz以上である。
動的圧縮変形は、車重による変形に対応するものであるため、その振幅は圧力によって規定され、最大振幅において印加される圧力(圧縮荷重)は、10MPa以下が好ましく、3MPa以下がより好ましい。該圧力の下限は、車重の半分相当の圧力の点から、好ましくは50kPa以上、より好ましくは150kPa以上、更に好ましくは300kPa以上である。圧力を上記範囲内とすることにより、タイヤに使用した際の耐チッピング性能を良好に評価できる。
動的ねじり変形の周期は、動的圧縮変形とねじり変形を同期させるという点から、上記動的圧縮変形の周期によって定めることが望ましい。具体的には、動的ねじり変形の中心位置に変位0の原点を置く場合は動的圧縮変形の半分の周期を、動的ねじり変形の最小変位位置に変位0の原点を置く場合は動的圧縮変形と同じ周期にすることが好ましい。
動的圧縮変形と動的ねじり変形との複合変形を同期させて印加する際に、動的ねじり振幅(動的ねじり変形の振幅)を大きくしながらゴム組成物を破壊させる方法を使用する。具体的には、ゴム組成物が破壊するまで動的ねじり変形の振幅を徐々に大きくしながら測定を行い、破壊時のねじり変位(動的ねじり振幅)によって耐チッピング性能の優劣を決定でき、その時の動的ねじり振幅が300%以上であれば当該性能が優れていると評価できる。
ここで、動的ねじり振幅とは、ゴム組成物の動的圧縮方向に最大荷重を印加した時点における動的圧縮方向の厚み(最大荷重印加時の圧縮変形方向の長さ)に対する動的ねじり変位量であり、例えば、図1に示す円柱状のゴム組成物では、圧縮方向に最大荷重を印加した時点におけるゴム組成物の圧縮方向の厚み(圧縮方向の長さ)ABに対する、B点からC点に変位させるねじり変形における最外径の移動量BC、すなわちBC/ABを意味する。
動的ねじり振幅を徐々に大きくしながら複合変形を繰り返し印加する際、1つの動的ねじり振幅における動的変形の継続時間を、動的変形が安定する10秒以上、好ましくは充分に安定する30秒以上に、またゴム試験片が硬化するような通常の疲労破壊を起こさない1時間以内、好ましくは総測定時間を考慮して10分以内、より好ましくは5分以内になるように調整する。つまり、動的ねじり振幅が300%以上の複合変形を上記範囲の時間印加し、破壊が生じなければ、耐チッピング性能が優れていると判断できる。
前記複合変形において、測定温度は、使用環境に則するという理由から、好ましくは−20〜80℃、より好ましくは0〜60℃である。
複合変形を入力するゴム組成物の大きさは特に規定されないが、トレッドのブロック相当の大きさであることが好ましい。また、形状は、動的圧縮変形と動的ねじり変形からなる複合変形を印加できるものであれば特に限定されないが、円筒状(円柱状)であることが望ましい。このため、試料は、直径5〜20mm程度の円筒状で、その高さは5〜20mm程度が好ましい。
本発明における複合変形を入力可能な測定装置としては、ゴム組成物に対して、動的圧縮変形及び動的ねじり変形を同時に印加し続けることが可能な装置であれば特に限定されず、例えば、特開2006−177734号公報に記載の粘弾性測定装置等を使用できる。
複合変形は、具体的には、二枚の平行に置かれた金属プレート間に円柱又は直方体形状の試料を接着剤にて固定したものを測定用試料として使用し、金属プレートを測定治具に固定した後、金属プレート間に圧縮とねじりの周期的な変形を同時に与え、試料が破壊するまでねじり変形の振幅を大きくしながら測定することで実施できる。
複合変形について、図面を用い、更に具体的に説明する。
図2は、測定用試料1の一例を示す模式図である。測定用試料1は、円柱形状のゴム組成物11及び一対の金属プレート12A及び12Bからなる。一対の金属プレート12A及び12Bは、それぞれゴム組成物11の円形状の上面11A及び下面11Bに貼着されている。
図2に示す測定用試料1を上述の装置にセットし、本発明における複合変形を行うことが可能である。具体的には、図2に示すように、一対の金属プレート12A及び12Bを介し、ゴム組成物11の円形状の上面11A及び下面11Bに対して円柱軸方向(図2のX方向)に繰り返し圧縮変形を入力することにより、上面11A及び下面11Bからゴム組成物11に動的圧縮変形が印加される。更に、金属プレート12Aを介して上面11Aを円周方向(図2のT方向)に繰り返しねじり変形を入力し、原点O(変位0点)を中心にR点、R点に繰り返し変位させることにより、動的ねじり変形が印加される。
動的圧縮変形が車重による変形に、動的ねじり変形が旋回時に路面から受ける変形にそれぞれ対応しているので、動的圧縮変形の最大変位点、すなわち最も圧縮されて一対の金属プレート12A及び12Bの距離が最小になる時点と、動的ねじり変形の最大変位点、すなわち最もねじられて動的ねじれひずみ角αが最大になる時点とが一致するように同期させることで、実車におけるタイヤの変形を良好に再現できる。
そして、動的ねじり振幅を徐々に大きくしながら、動的圧縮変形、動的ねじり変形をゴム組成物11に入力し続け、ゴム組成物11の破壊時における動的ねじり振幅(ねじり変位)を測定することにより、ゴム組成物11と同一の組成の試料をタイヤのトレッドに使用した際の耐チッピング性能を予測でき、300%以上であれば当該性能に優れていると評価できる。なお、「破壊」とは、「亀裂が生じること(外観上)」、「応力の低下(物性)」であり、本試験では、動的ねじりを印加した際の応力が低下する時点を「破壊」と判定する。
図2に示す測定用試料において、金属プレート12A及び12Bの材質は特に規定されず、例えば、ステンレスや鉄、真鍮などが挙げられる。ゴム組成物11と金属プレート12A及び12Bとの接着は、例えば、金属−ゴム間を接着可能な一般的な接着剤(エポキシ系の接着剤、ウレタン系の接着剤、加硫接着剤等)を用いて実施でき、加硫後の試料を接着する手法や加硫と同時に金属プレートとゴム組成物を接着する手法などが挙げられる。いずれの手法であれ、試料が破壊するまでに金属プレート−ゴム間の剥離が生じなければよく、これにより、測定したゴム試料をタイヤに使用した際の耐チッピング性能を良好に評価できる。
本発明のゴム組成物としては、ゴム成分、カーボンブラックやシリカなどの充填剤を含むものなどが挙げられる。
ゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)等の改質天然ゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、イソブチレン−p−メチルスチレン共重合体の臭素化物、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、スチレン−イソプレンゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム共重合ゴム(SIBR)、イソプレン−ブタジエンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アクリルゴム(ACM、ANM)、エピクロルヒドリンゴム(CO、ECO、GECO)、多硫化ゴム(T)、シリコーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM)、ウレタンゴム(U)などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
カーボンブラックには、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイトなどが挙げれられ、具体例としては、SAF−HS、SAF、ISAF、ISAF−HS、ISAF−LS、IISAF−HS、HAF、HAF−HS、HAF−LS、FEF、GPF、SRFなどがある。これらのカーボンブラックは、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100質量部に対して10〜150質量部が好ましい。10質量部未満では、充分な補強性が得られない傾向があり、150質量部を超えると、発熱が増大して転がり抵抗が悪化したり、加工性が悪化し、かえって補強性が低下するおそれもある。該配合量は、30〜100質量部が更に好ましい。
シリカとしては、従来ゴム補強用として慣用されているもの、たとえば、乾式法シリカ、湿式法シリカなどのなかから適宜選択して使用できるが、なかでも、湿式法シリカが好ましい。湿式法シリカの好適例としては、デグッサ製ウルトラジルVN3、東ソー・シリカ(株)製ニップシールAQなどがあげられる。
シリカの配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは30質量部以上である。5質量部未満であると、シリカを用いることによる転がり抵抗低減効果やウエットグリップ向上効果が得られにくくなる。該配合量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは80質量部以下である。150質量部を超えると、加工性が低下する傾向がある。
シリカを配合する場合、更にシランカップリング剤を添加することが望ましい。シランカップリング剤としては特に限定されず、従来から用いられている一般的なものを使用できる。
シランカップリング剤の配合量は、シリカ100質量部に対して0.5〜20質量部が好ましく、2.5〜10質量部がより好ましい。0.5質量部未満では、シランカップリング剤を入れてシリカの分散を改善する効果が充分に得られず、耐摩耗性や破壊エネルギーが低下する傾向があり、20質量部を超えると、コストが上がる割に効果が得られず、更には、補強性、耐摩耗性がかえって低下する場合がある。
本発明のゴム組成物は、軟化剤を配合してもよい。軟化剤としては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルなどのプロセスオイル;ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生湯、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、サフラワー油、桐油などの植物油脂などが挙げられる。軟化剤の配合量は、適宜選択すればよい。
本発明のゴム組成物は、老化防止剤を配合してもよく、例えば、耐熱性老化防止剤、耐候性老化防止剤等でゴム組成物に通常使用されるものであれば特に限定されることなく使用できる。具体的には、ナフチルアミン系(フェニル−α−ナフチルアミン等)、ジフェニルアミン系(オクチル化ジフェニルアミン、4,4′−ビス(α,α′−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等)、p−フェニレンジアミン系(N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等)等のアミン系老化防止剤;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;モノフェノール系(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等)、ビス、トリス、ポリフェノール系(テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等)等のフェノール系老化防止剤が挙げられる。老化防止剤の配合量は、適宜選択すればよい。
上記ゴム組成物には、前記成分の他に、従来ゴム工業で使用される配合剤、例えば、酸化防止剤、酸化亜鉛、硫黄、含硫黄化合物等の加硫剤、加硫促進剤等を含有してもよい。
本発明のトレッド用ゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどの混練機で前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。
上記トレッド用ゴム組成物を用いて作製する空気入りタイヤは、通常の方法で製造される。すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドの形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、空気入りタイヤを製造できる。
本発明における複合変形の入力により、これまでの一軸引張試験では耐チッピング性能の判別が困難であるが、市場性能と差が見られる配合について、市場性能の序列どおりに比較ができるようになる。従って、本発明における動的ねじり振幅が所定以上という基準により、市場性能の序列を相対的に判別できるため、耐チッピング性能に優れたトレッド部を提供できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
天然ゴム(NR):TSR20
スチレンブタジエンゴム(SBR):JSR(株)製のSBR1502(結合スチレン量:23.5質量%)
ブタジエンゴム(BR):宇部興産(株)製のBR700
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN330(NSA:79m/g)
シリカ:日本シリカ(株)製のニプシルVN3
オイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140
フェニレンジアミン系老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
酸化亜鉛:東邦亜鉛(株)製の銀嶺R
ステアリン酸:日油(株)製の椿
硫黄:鶴見化学工業(株)製の5%オイル処理粉末硫黄(オイル分5質量%含む可溶性硫黄)
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)
(実施例及び比較例)
表1に示す配合処方にしたがい、工程1の材料を充填率が58%になるように(株)神戸製鋼製の1.7Lバンバリーに充填し、80rpmで140℃に到達するまで混練した。工程1で得られた混練物に、工程2に示す硫黄および加硫促進剤を表1に示す量配合し、160℃で20分間加硫することにより、直径10mm、高さ10mmの円柱状の加硫ゴム組成物を得た。
また、同配合をトレッドとした試験用タイヤも製造した。
各ゴム組成物、各試験用タイヤについて下記の評価を行った。結果を表1に示す。
<測定用試料の作製>
得られた各ゴム試験片(ゴム組成物)の上面及び下面のそれぞれに、金属プレート(SUS304製、40×40(mm))を接着剤(Henkel社製、ロックタイト407)を用いて接着し、図2に示す測定用試験片を作製した。
<破壊試験(動的圧縮変形及び動的ねじり変形)>
得られた測定用試料の金属プレートを測定治具に固定した後、金属プレート間に圧縮とねじりの周期的な変形を同期させながら入力し、ゴム試験片が破壊するまで動的ねじり変形の振幅を大きくしながら、破壊時の動的ねじり振幅(ねじり変位)を測定し、結果を表1に示した。測定装置、測定条件は、以下のとおりである。
測定装置:株式会社ヨシミズ製の大変形粘弾性試験装置(ゴム疲労試験機)
ひずみの入力:圧縮+ねじりモード
動的圧縮変形の圧縮荷重:100N
動的圧縮変形の周期:20Hz(正弦波)
動的ねじり変形の動的ねじれひずみ角:±5〜±90度
動的ねじり変形の周期:10Hz(正弦波)
測定温度:40℃
なお、試験は、動的圧縮変形の最大変位点とねじり変形の最大変位点を一致させ、動的圧縮変形の最小変位点(無荷重点)と動的ねじり変形の変位0点を一致させて行った。また、動的ねじり変形の周期は、動的ねじり変形の中心位置に変位0の原点を置いた値である。
(実車試験)
作製した試験用タイヤについて、市場において6ヶ月間走行した後のチッピング発生状況を確認し、結果を表1に示した。
Figure 0005881542
動的ねじり振幅が300%以上で破壊された実施例は、実車試験のチッピングの発生が確認されず、300%未満で破壊された比較例は、チッピングの発生が確認された。従って、複合変形における動的ねじり振幅を基準とすることで、耐チッピング性能を評価でき、300%以上のものが良好な性能を持つことが確認された。
1 測定用試料
11 ゴム組成物
11A ゴム組成物の上面
11B ゴム組成物の下面
12A、12B 金属プレート

Claims (4)

  1. 下記条件下において、動的圧縮変形中に圧縮ひずみと同期させた動的ねじり変形を印加した際に、動的ねじり振幅が300%以上で破壊されるトレッド用ゴム組成物であって、
    天然ゴム、改質天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム及びスチレンブタジエンゴムからなる群より選択される少なくとも1種のゴム成分と、カーボンブラックと、シリカと、シランカップリング剤とを含み、
    前記ゴム成分100質量部に対する前記カーボンブラックの配合量が10〜150質量部、前記シリカの配合量が5〜150質量部、
    前記シリカ100質量部に対する前記シランカップリング剤の配合量が0.5〜20質量部であるトレッド用ゴム組成物。
    (条件)
    動的圧縮変形の圧縮荷重:100N
    動的圧縮変形の周期:20Hz(正弦波)
    動的ねじり変形の動的ねじれひずみ角:±5〜±90度
    動的ねじり変形の周期:10Hz(正弦波)
    測定温度:40℃
    (但し、天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれた少なくとも一種からなるゴム成分100質量部に対して、シリコーンオイルで熱処理されたシリカを3〜50質量部、ヒドラゾン化合物を0.1〜5.0質量部配合したトレッド用ゴム組成物、
    天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴム100質量部に対して、シリル化剤を0.05〜8質量部配合したトレッド用ゴム組成物、並びに、
    ジエン系ゴム100質量部に対して、シリカ及び/又は窒素吸着比表面積100m /g以上のカーボンブラックを合計量で40〜200質量部、下記式(I)で表される環状ポリスルフィド0.1〜10質量部を含むトレッド用ゴム組成物
    Figure 0005881542
    (式中、xは平均2〜6の数、nは1〜15の整数、Rは置換もしくは非置換のC 〜C 20 アルキレン基、置換もしくは非置換のC 〜C 20 オキシアルキレン基又は芳香族環を含むアルキレン基を示す)
    を除く。)
  2. 動的圧縮変形及び動的ねじり変形が、動的圧縮変形の最大変位点と動的ねじり変形の最大変位点とが同期するように印加される複合変形である請求項1記載のトレッド用ゴム組成物。
  3. 動的圧縮変形の周期が1〜100Hzである請求項1又は2記載のトレッド用ゴム組成物。
  4. 動的圧縮変形の圧縮荷重が50kPa〜10MPaである請求項1〜3のいずれかに記載のトレッド用ゴム組成物。
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