JP5880215B2 - 抵抗素子の製造方法、抵抗素子および半導体装置 - Google Patents

抵抗素子の製造方法、抵抗素子および半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、抵抗素子の製造方法、抵抗素子および半導体装置に関する。
抵抗素子として、例えば、70原子%以上90原子%以下のシリコンを含むタングステンシリサイドからなる薄膜抵抗体を有する半導体装置が知られている(特許文献1および特許文献2)。しかしながら、これらの特許文献1,2に記載された抵抗素子は、いずれも平均抵抗温度係数(TCR)が+400ppm/℃と高く、抵抗素子として十分に満足できるものではなかった。
特開昭63−316467号公報 特開昭63−272064号公報
本発明は、そのいくつかの態様に係る目的は、十分に小さな抵抗温度係数を有する抵抗素子、その製造方法、および半導体装置を提供することにある。
[第1態様] 本発明に係る抵抗素子の製造方法の態様のひとつは、第1絶縁膜の上に、スパッタ法によってタングステンシリサイド膜を形成する工程と、前記タングステンシリサイド膜をパターニングして抵抗体膜を形成する工程と、前記抵抗体膜の上に第2絶縁膜を形成する工程と、500℃以上820℃以下の温度で熱処理を行う工程と、前記抵抗体膜と接続された導電体膜を形成する工程と、を含み、前記スパッタ法において用いられるターゲットは、タングステンシリサイドを式WSiで示したときに、2<x≦3であり、抵抗温度係数は、絶対値で100ppm/℃以下である。
この態様に係る抵抗素子の製造方法によれば、特定の組成を有するターゲットを用いてスパッタ法によってタングステンシリサイド膜を形成するとともに、その後の工程における熱処理温度を選択することにより、抵抗温度係数が絶対値で100ppm/℃以下の優れた抵抗温度特性を有する抵抗素子を形成することができる。
[第2態様] 本発明に係る抵抗素子の製造方法の態様のひとつは、前記ターゲットは、タングステンシリサイドを式WSiで示したときに、2.2≦x≦3.0であることができる。この態様に係る抵抗素子の製造方法によれば、抵抗素子の抵抗温度係数をさらに小さくすることができる。
[第3態様] 本発明に係る抵抗素子の製造方法の態様のひとつは、前記熱処理の温度は、600℃以上800℃以下であることができる。この態様に係る抵抗素子の製造方法によれば、抵抗素子の抵抗温度係数をさらに小さくすることができる。
[第4態様] 本発明に係る抵抗素子の態様のひとつは、第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜の上に形成された、タングステンシリサイドからなる抵抗体膜と、前記抵抗体膜の上に形成された第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜に形成されたコンタクト層と、前記コンタクト層と接続された配線層と、を含み、前記抵抗体膜は、タングステンシリサイドを式WSiで示したときに、2<x≦3であり、抵抗温度係数は、絶対値で100ppm/℃以下である。
この態様に係る抵抗素子によれば、特定の組成を有するタングステンシリサイドからなる抵抗体膜を有することにより、抵抗温度係数が絶対値で100ppm/℃以下の優れた抵抗温度特性を有することができる。
[第5態様] 本発明に係る抵抗素子の態様のひとつは、前記タングステンシリサイドを式WSiで示したときに、2.2≦x≦3.0であることができる。この態様に係る抵抗素子によれば、抵抗温度係数をさらに小さくすることができる。
[第6態様] 本発明に係る抵抗素子の態様のひとつは、前記抵抗体膜の幅をWとし、前記抵抗体膜の幅方向と直交する方向における前記コンタクト層の相互の距離をLとしたとき、両者の比L/Wは、10≦L/Wを満たすことができる。この態様に係る抵抗素子によれば、寄生抵抗の影響および抵抗温度特性のばらつきを小さくすることができる。
[第7態様] 本発明に係る半導体装置は、前記抵抗素子を含む。この半導体装置によれば、抵抗温度係数の小さい抵抗素子を含み、優れた抵抗温度特性を有することができる。
一実施形態に係る抵抗素子を模式的に示す断面図。 図1に示す抵抗素子を模式的に示す平面図。 (A)から(D)は、抵抗素子の製造方法を模式的に示す断面図。 抵抗素子の他の例を模式的に示す断面図。 実験例におけるターゲットの組成比と抵抗温度係数との関係を示す図。 (A)は、図5に示すグラフから求めた熱処理温度とラインの傾きとの関係を示す図であり、(B)は、図5に示すグラフから求めた熱処理温度とラインの切片との関係を示す図。 実験例における熱処理温度と抵抗温度係数との関係を示す図。 実験例における熱処理時間と抵抗温度係数との関係を示す図。 実験例における素子サイズL/Wと抵抗温度係数との関係を示す図。
以下に本発明の実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の例を説明するものであって、本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要素であるとは限らない。
1.抵抗素子
一実施形態に係る抵抗素子について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る抵抗素子100の断面を模式的に示す図である。図2は、本実施形態に係る抵抗素子100を模式的に示す平面図である。図1は、図2のI−I線の断面に相当する。なお、図2においては、図1のパッシベーション層50を図示していない。
抵抗素子100は、図1および図2に示すように、半導体基板10と、第1絶縁膜20と、タングステンシリサイドからなる抵抗体膜30と、第2絶縁膜22と、コンタクト層40と、配線層42とを含む。
半導体基板10には、図示しないトランジスターなどの素子が形成されている。半導体基板10としては、例えば、シリコン基板、シリコン−ゲルマニウム基板、ゲルマニウム基板、ヒ化ガリウムなどの化合物半導体基板を用いることができる。本実施形態に係る抵抗素子100を半導体装置以外の装置に適用する場合には、半導体基板10の代わりに基板として、セラミックス基板、ガラス基板、サファイア基板、合成樹脂基板などの各種の基板を用いてもよい。
第1絶縁膜20は、半導体基板10上に形成されている。第1絶縁膜20は、半導体基板10の表面に直接形成されていてもよいし、あるいは半導体基板10の上に形成された他の層の表面に形成されていてもよい。第1絶縁膜20としては、例えば、半導体装置において用いられる層間絶縁膜と同様の材料を用いることができる。このような材料としては、例えば、BPSG(Boron Phosphor Silicate Grass)などの酸化シリコン系材料、あるいはSiOCや樹脂などのいわゆるlow−k材料、さらには窒化シリコン膜を用いることができる。
抵抗体膜30の材質としては、タングステンシリサイドが用いられている。このタングステンシリサイドは、他の添加成分を有していてもよい。抵抗体膜30は、タングステンシリサイドを式WSiで示したときに、2<x≦3であり、好ましくは2.2≦x≦3.0である。化学量論比(x=2)より、シリコンの比率が高いという意味でタングステンシリサイドはシリコンリッチであり、後述する実験例からも明らかなように、抵抗温度係数が小さく、したがって熱安定性に優れている。具体的には、抵抗素子100の抵抗温度係数は、絶対値で100ppm/℃以下となる。
抵抗体膜30が絶対値で100ppm/℃以下の抵抗温度係数を有する理由としては、以下のことが考えられる。すなわち、後の工程で行われる熱処理工程によって、タングステンシリサイド膜は、化学量論的に安定なWSiのグレインが成長するとともに、過剰なシリコンがグレインの境界やタングステンシリサイド膜の表面に析出することで抵抗温度係数を小さくできると考えられる。タングステンシリサイド膜は、グレインの成長とともにシート抵抗が下がり、正の抵抗温度特性を有するのに対し、グレイン境界は電流経路上のエネルギー障壁となるため、負の抵抗温度特性を有する。そのため、過剰なシリコンの析出物によって、正の抵抗温度特性が打ち消され、xが2以下の場合に比べて小さい抵抗温度係数を有するものと考えられる。
さらに、抵抗体膜30の大きさ(平面形状の寸法、膜厚)は、抵抗素子100の寄生抵抗の400倍以上の抵抗値となるように設定されることが望ましい。それは、抵抗素子100の寄生抵抗となる配線層を構成する材料、すなわち、アルミニウム、銅など、それぞれの温度係数が約4000ppm/℃であるため、その影響を1/400倍、すなわち10ppm/℃(許容する温度係数の絶対値100ppm/℃の10分の1)程度に薄めるためである。なお、アルミニウム、銅の温度係数はそれぞれ、+4200、+4330ppm/℃である。このように抵抗体膜30を設計することで、寄生抵抗の影響を無視でき、抵抗温度係数のばらつきの小さな抵抗素子100を実現できる。さらに具体的には、図2に示すように、抵抗体膜30の幅を「W」とし、配線層42の長さ方向に対向するコンタクト層40の間の長さを「L」としたとき、抵抗素子100の寄生抵抗の400倍以上の抵抗値となるように設定するには、後述する実験例からも分かるように、例えば、L/Wが10以上であることが望ましい。
第2絶縁膜22は、図示の場合、第3絶縁膜22aおよび第4絶縁膜22bの2層からなる。第2絶縁膜22は、2層以外にも、単層あるいは3層以上であってもよい。
コンタクト層40は、第2絶縁膜22のホール41内に形成された第1導電膜からなる。コンタクト層40の下端は、抵抗体膜30に接続されている。また、配線層42は、第2絶縁膜22の上に形成された第2導電膜からなり、さらにコンタクト層40と接続されている。したがって、コンタクト層40と配線層42とによって、配線部が構成されている。第2絶縁膜22および配線層42は、パッシベーション膜50によって覆われている。そして、パッシベーション膜50には、配線層42と電気的にコンタクトするための開口部53が形成されている。
本実施形態に係る抵抗素子100は、特定の組成を有するタングステンシリサイドからなる抵抗体膜30を有することにより、絶対値で100ppm/℃以下の小さい抵抗温度係数を有し、熱安定性に優れている。抵抗素子100は、半導体装置に好ましく適用されるが、これに限定されず、他の抵抗器にも適用することができる。
2.抵抗素子の製造方法
次に、抵抗素子100の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図3(A)〜図3(D)は、本実施形態に係る抵抗素子100の製造工程を模式的に示す断面図である。
まず、図3(A)に示すように、半導体基板10上に、第1絶縁膜20を形成する。第1絶縁膜20は、例えば図示しない層間絶縁膜と同一工程で形成することができる。第1絶縁膜20が酸化シリコン系材料の場合、例えば、CVD法や塗布(スピンコート)法等により形成される。なお、図示の例では、半導体基板10の表面に第1絶縁膜20を形成しているが、半導体基板10と第1絶縁膜20との間には、図示しない他の層間絶縁膜や導電膜などが形成されていてもよい。
ついで、図3(A)に示すように、絶縁膜20上に、抵抗体膜30となるタングステンシリサイド膜を形成する。このタングステンシリサイド膜は、特定の組成を有するターゲットを用いたスパッタ法によって形成される。すなわち、このターゲットは、タングステンシリサイドを式WSiで示したときに、2<x≦3であり、好ましくは2.2≦x≦3.0である。xが上記範囲にあることで、タングステンシリサイド膜はシリコンリッチであり、後述する実験例からも明らかなように、抵抗温度係数が小さく、したがって熱安定性に優れている。具体的には、抵抗体膜30の抵抗温度係数は、上述のターゲットを用いたスパッタ法を用いて成膜し、かつ、後の熱処理温度を選択することで、絶対値で100ppm/℃以下とすることができる。
スパッタ法としては、特に限定されず、例えば、マグネトロンスパッタリング、高周波スパッタリングを用いることができる。ターゲットの製造方法は特に限定されず公知の粉末成形技術、例えば焼結法やホットプレス法、あるいは溶融法などを用いることができる。ターゲットは、タングステンとシリコンとを組成比が上述したxとなるように配合した合金あるいは混合物とすることができる。
ついで、図3(A)に示すように、スパッタ法で形成したタングステンシリサイド膜を公知のフォトリソフラフィー技術及びエッチング技術によりパターニングし、抵抗体膜30を形成する。抵抗体膜30の形状および大きさは、前述したように、抵抗素子100の寄生抵抗の400倍以上となるように設定されることが望ましい。
ついで、図3(B)に示すように、第1絶縁膜20および抵抗体膜30の表面に第3絶縁膜22aを形成する。第3絶縁膜22aは、第1絶縁膜10と同様に、図示しない層間絶縁膜と同一工程で形成することができる。第3絶縁膜22aが酸化シリコン系材料の場合、例えば、CVD法や塗布法等により形成される。
ついで、熱処理を行う。このときの熱処理温度は、500℃以上820℃以下、好ましくは600℃以上800℃以下である。後述する実験例から明らかなように、抵抗素子100の抵抗温度係数は、スパッタ法で用いられるターゲットの組成と熱処理温度とに高い相関関係を有する。したがって、所望の抵抗温度係数を得るためには、ターゲットの組成(x)と熱処理温度との相関を求めた後に、両者の条件を適正な範囲で選択することが重要である。本実施形態において、熱処理は、第3絶縁膜22a形成後に行っているがこれに限定されない。後述する第4絶縁膜22b形成後でもよい。
ついで、図3(C)に示すように、第3絶縁膜22aの上に、第4絶縁膜22bを形成する。第4絶縁膜22bは、第1絶縁膜10と同様に、図示しない層間絶縁膜と同一工程で形成することができる。第4絶縁膜22bが酸化シリコン系材料の場合、例えば、CVD法や塗布法等により形成される。
ついで、第4絶縁膜22bの表面をCMP法などによって平坦化する処理を行ってもよい。このように第4絶縁膜22bを平坦化することで、配線層42あるいは図示しない配線層を精度よく形成することができる。
第3絶縁膜22aと第4絶縁膜22bとの2層は、第2絶縁膜22を構成する。第2絶縁膜22は、2層以外にも、単層あるいは3層以上であってもよい。
ついで、図3(D)に示すように、コンタクト層40を形成する。コンタクト層40は、第2絶縁膜22の所定位置にホールを形成し、このホール内に導電膜を埋め込むことで形成される。ホールの形成方法、および導電膜の埋め込み方法は、特に限定されず、半導体製造技術で一般的に用いられる方法を使用することができる。導電膜の材質としては、例えば、タングステン、銅、アルミニウムを用いることができる。コンタクト層40は、図示の例では、配線層42の両サイドに一列に2個並んで形成されている。コンタクト層40は、もちろん図示の例に限定されず、一列に3個以上形成されていてもよいし、あるいは複数例においてそれぞれ複数配置されていてもよい。両サイドに1個形成されていてもよい。
ついで、図3(D)に示すように、第2絶縁膜22およびコンタクト層40の上に、配線層42を形成する。配線層42の製造方法は、特に限定されず、半導体製造技術で一般的に用いられる方法を使用することができる。配線層42の材質としては、例えば、銅やアルミニウムを用いることができる。
ついで、図1に示すように、第2絶縁膜22および配線層42の上に、パッシベーション膜50を形成する。パッシベーション膜50には、配線層42の一部が露出するように、開口部53を形成する。パッシベーション膜50および開口部53の製造方法は、特に限定されず、半導体製造技術で一般的に用いられる方法を使用することができる。
以上の工程によって、図1に示す抵抗素子100が形成される。
本実施形態の製造方法によれば、特定の組成を有するターゲットを用いてスパッタ法によってタングステンシリサイド膜を形成するとともに、その後の工程における熱処理温度を特定の範囲から選択することにより、抵抗温度係数が絶対値で100ppm/℃以下の優れた抵抗温度特性を有する抵抗素子100を形成することができる。
3.抵抗素子の変形例
以下に、一実施形態に係る抵抗素子の変形例について、図面を参照しながら説明する。図4は、本実施形態に係る抵抗素子200の断面を模式的に示す図である。図1および図2に示す抵抗素子100の部材と実質的に同じ部材には同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
抵抗素子200は、図4に示すように、半導体基板10と、第1絶縁膜20と、タングステンシリサイドからなる抵抗体膜30と、第2絶縁膜22と、ストッパー膜44と、コンタクト層40と、配線層42とを含む。すなわち、抵抗素子200およびその製造方法は、前述した抵抗素子100とは、ストッパー膜44を有する点で異なる。
ストッパー膜44は、抵抗体膜30とコンタクト層40との間に配置される。ストッパー膜44は、ホール41を形成する際にエッチングストッパー層として機能する。ストッパー膜44は、導電性を有し、ホール41を形成する際のエッチングストッパー層として機能すれば特に限定されないが、例えば窒化チタン膜を用いることができる。
ストッパー膜44は、以下の工程で形成することができる。すなわち、第3絶縁22aを形成した後、コンタクト層40の形成領域に対応するよう第1ホール21を形成する。その後、第3絶縁膜22aおよび露出した抵抗体膜30の上に、導電膜を形成し、当該導電膜をパターニングしてストッパー膜44を形成する。ストッパー膜44は、少なくとも第1ホール21を覆い、かつ、隣接するストッパー膜44と分離して形成される。
本実施形態で特徴的な抵抗体膜30は、図1および図2に示す抵抗素子100における抵抗体膜30と同様であるので、以下に要点のみを記載する。
抵抗体膜30の材質としては、タングステンシリサイドが用いられている。このタングステンシリサイドには、他の添加成分を有していてもよい。抵抗体膜30は、タングステンシリサイドを式WSiで示したときに、2<x≦3であり、好ましくは2.2≦x≦3.0である。xが上記範囲にあることで、タングステンシリサイドはシリコンリッチであり、後述する実験例からも明らかなように、抵抗温度係数が小さく、したがって熱安定性に優れている。具体的には、抵抗素子100の抵抗温度係数は、絶対値で100ppm/℃以下とすることができる。
さらに、抵抗体膜30の大きさ(平面形状の寸法、膜厚)は、抵抗素子100の寄生抵抗の400倍以上の抵抗値となるように設定される。このように抵抗体膜30を設計することで、寄生抵抗の影響を無視でき、抵抗温度係数のばらつきの小さな抵抗素子100を実現できる。
コンタクト層40は、第2絶縁膜22の第2ホール41内に形成された導電膜からなる。コンタクト層40の下端は、ストッパー膜44に接続されている点で、抵抗素子100と異なる。
4.実験例
4.1.ターゲットの組成比と抵抗温度係数との関係
図5は、ターゲットのタングステンシリサイドにおけるタングステンとシリコンとの比(x:Si/W)と、抵抗温度係数αとの関係を示す図である。図5において、符号aで示す線は、熱処理温度が600℃のときの結果を示し、符号bで示す線は、熱処理温度が700℃のときの結果を示し、符号cで示す線は、熱処理温度が800℃のときの結果を示す。
(1)サンプルおよび実験方法
実験に用いたサンプルは、図1および図2に示す構造を有し、図3(A)ないし(D)に示す製造方法を用いて作成した。抵抗体膜30の形成に用いられるスパッタターゲットの組成比x(Si/W)を、2.80,2.56および2.35とし、さらに、サンプル形成時の熱処理温度を、600℃、700℃および800℃とし、9種のサンプルを作成した。サンプルにおける抵抗体膜30の膜厚は、50nm、抵抗体膜30の幅Wは1μm、コンタクト40の相互の距離Lは30μmであり、L/Wは30であった。コンタクト層40はタングステンからなり、配線層はアルミニウムであった。
サンプルのシート抵抗は、抵抗素子の抵抗と寄生抵抗とをできるだけ分離して測定するために、4端子抵抗測定によって測定した。また、抵抗素子のシート抵抗を、25℃、75℃および125℃で測定し、各サンプルの抵抗温度係数を求めた。
(2)実験結果
図5から、以下のことがいえる。
いずれの熱処理温度の場合も、抵抗温度係数αは、組成比xが大きくなるにつれて直線的に低下するとともに、熱処理温度が高くなるにつれて抵抗温度係数αが正になる傾向を有することが分かった。そこで、各熱処理温度におけるグラフの直線a,b,cから、それぞれ直線の傾きおよび切片を求めると、図6(A),(B)に示す結果が得られた。図6(A),(B)に示す結果から、熱処理温度がt(℃)のときの、組成比xと抵抗温度係数αの関係を求めると、以下の近似式が得られた。
α=(−0.0051t+8.378t−3800)×x+(0.0054t
8.908t+4741)
上記近似式において、タングステンとシリコンとの比x(Si/W)が、2<xであるとき、−100≦α≦+100を満たす熱処理温度tの範囲は、512<t≦819となる。なお、上記近似式の傾きと切片は、それぞれ熱処理温度tの2次関数の単調増加領域で近似しているため、その範囲も単調増加領域のみとした。また、後の4.2.で記載するように、好ましい熱処理温度を600℃以上800℃以下とすると、上記近似式から、ターゲットの組成xの好ましい範囲は、2.2≦x≦3.0 となる。
4.2.熱処理と抵抗温度係数との関係
図7は、熱処理温度と抵抗温度係数との関係を示す。図8は、熱処理時間と抵抗温度係数との関係を示す。図7および図8において、縦軸は抵抗温度係数αを統計処理した5σで示している。この実験例では、タングステンシリサイドの組成xが2.80のターゲットを用いて抵抗体膜の成膜を行った。
図7から、熱処理温度が高くなるにつれて抵抗温度係数のばらつきは小さくなり、さらに熱処理温度が600℃から800℃では、抵抗温度係数のばらつきが小さく、かつ安定することが分かった。したがって、抵抗素子を形成した後のプロセスでの熱処理温度は、600℃以上800℃以下であることが望ましい。
また、図8から、1分以上の熱処理で抵抗温度係数のばらつきが小さく、かつ安定することが分かった。なお、図8は、窒素雰囲気中において、600℃で熱処理したときの結果を示している。この傾向は、他の熱処理温度でも同様であった。したがって、熱処理時間は1分以上であることが望ましい。熱処理と抵抗温度係数の関係については、他のサンプルでも同様の傾向がみられた。
4.3.抵抗素子のサイズと抵抗温度係数との関係
図9は、図2に示す素子サイズ、具体的には抵抗体膜30の幅Wと、コンタクト層40の距離Lとの比L/Wと、抵抗温度係数との関係を示す。この実験例では、タングステンシリサイドの組成xが2.35のターゲットを用いて抵抗体膜の成膜を行い、その後の熱処理を600℃で行ったサンプルを用いた。また、この実験例では、Wの値を0.5μm、1.0μm、2.0μmおよび4.0μmとし、Lの値を変化させた。
図9から、L/Wが10以上であると、抵抗温度係数のばらつきが小さく、かつ安定することが分かった。他のサンプルについても同様の傾向がみられた。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
なお、本発明において、特定のA(以下「A」という)の上に特定のB(以下「B」という)を形成するというとき、Aの上に直接Bが形成される場合に限定されない。Aの上に本発明の作用効果を阻害しない範囲で、他のものを介してBが形成される場合も含む。
10 半導体基板、20 第1絶縁膜、21 第1ホール、22 第2絶縁膜、30 抵抗体膜、40 コンタクト層、41 ホール、42 配線層、44 ストッパー膜、50 パシベーション膜、53 開口部、100,200 抵抗素子。

Claims (7)

  1. 第1絶縁膜の上に、スパッタ法によってタングステンシリサイド膜を形成する工程と、
    前記タングステンシリサイド膜をパターニングして抵抗体膜を形成する工程と、
    前記抵抗体膜の上に第2絶縁膜を形成する工程と、
    500℃以上820℃以下の温度で熱処理を行う工程と、
    前記抵抗体膜と接続された導電体膜を形成する工程と、
    を含み、
    前記スパッタ法において用いられるターゲットは、タングステンシリサイドを式WSiで示したときに、2<x≦3であり、
    抵抗温度係数は、絶対値で100ppm/℃以下である、抵抗素子の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記ターゲットは、タングステンシリサイドを式WSiで示したときに、2.2≦x≦3.0である、抵抗素子の製造方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記熱処理の温度は、600℃以上800℃以下である、抵抗素子の製造方法。
  4. 第1絶縁膜と、
    前記第1絶縁膜の上に形成された、タングステンシリサイドからなる抵抗体膜と、
    前記抵抗体膜の上に形成された第2絶縁膜と、
    前記第2絶縁膜に形成されたコンタクト層と、
    前記コンタクト層と接続された配線層と、
    を含み、
    前記抵抗体膜は、タングステンシリサイドを式WSiで示したときに、2<x≦3であり、
    抵抗温度係数は、絶対値で100ppm/℃以下である、抵抗素子。
  5. 請求項4において、
    前記タングステンシリサイドを式WSiで示したときに、2.2≦x≦3.0である、抵抗素子。
  6. 請求項4または5において、
    前記抵抗体膜の幅をWとし、前記抵抗体膜の幅方向と直交する方向における前記コンタクト層の相互の距離をLとしたとき、両者の比L/Wは、10≦L/Wを満たす、抵抗素子。
  7. 請求項4ないし6のいずれかに記載の抵抗素子を含む半導体装置。
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