JP5879245B2 - インクジェットヘッドおよびインクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッドおよびインクジェットヘッドの製造方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、シェアモードシェアウォール形のインクジェットヘッドおよびインクジェットヘッドを製造する方法に関する。
シェアモードシェアウォール形のインクジェットヘッドでは、インクによる電極間の短絡を防ぐために、例えばパリレンのような有機絶縁膜で電極の表面を全面的に覆っている。
特許第4182680号公報
インクジェットヘッドから吐出されるインクの比抵抗は、インクの種類によって異なり、例えば水性インクよりも比抵抗が高い非水性インクを吐出させるインクジェットヘッドの場合は、電極に完全な絶縁処理を施すことは必ずしも必要でない。
したがって、比抵抗が高い非水性インクを吐出させるインクジェットヘッドの電極に全面的に絶縁処理を施すことは、電極回りが過剰品質となる危惧があり、コスト的な観点からすると改善の余地が残されている。
本発明の目的は、非水性インクに対する電極間の絶縁性能を確保することができ、しかも、電極の絶縁処理が過剰となるのを回避してコスト的な問題を解消できるインクジェットヘッドおよびインクジェットヘッドの製造方法を得ることにある。
実施形態によれば、インクジェットヘッドは、基板の実装面に固定された圧電部材を備えている。圧電部材は、実装面から立ち上がる側面、ノズルプレートが積層された表面および複数のインク溝を有する。インク溝は、圧電部材の側面からインク供給室に開口するように互いに間隔を存して配列されている。インク溝に夫々電極が設けられている。電極は、インク溝の間に介在された圧電部材の隔壁により隔てられているとともに、複数の配線パターンに電気的に接続されている。配線パターンは、電極から圧電部材の側面を通って基板の実装面に導かれるとともに、インク供給室の外に位置された端子部を有する。配線パターンのうち端子部を外れた領域およびインク溝の開口端からインク供給室に臨む電極の端部が絶縁層で被覆されている。前記電極は、前記電極の端部以外には前記絶縁層が被覆されていない。
第1の実施形態に係るインクジェットヘッドの主要部の斜視図。 第1の実施形態に係るインクジェットヘッドの主要部の平面図。 図2のF3−F3線に沿う断面図。 図3のF4−F4線に沿う断面図。 第1の実施形態において、電極、配線パターンおよび絶縁層の位置関係を示すインクジェットヘッドの断面図。 第1の実施形態において、電極、配線パターンおよび絶縁層の位置関係を示すインクジェットヘッドの斜視図。 第1の実施形態において、絶縁層を形成する手法を示す断面図。 第2の実施形態に係るインクジェットヘッドの主要部の斜視図。 第2の実施形態に係るインクジェットヘッドの主要部の断面図。 図9のF10−F10線に沿う断面図。 図9のF11−F11線に沿う断面図。 第2の実施形態において、電極、配線パターンおよび絶縁層の位置関係を示すインクジェットヘッドの斜視図。 第2の実施形態において、絶縁層を形成する手法を示す断面図。
[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態について、図1ないし図7を参照して説明する。
図1ないし図3は、例えばプリンタのキャリッジに搭載して使用するシェアモードシェアウォール形のインクジェットヘッド1の主要部を開示している。インクジェットヘッド1は、基板2、外枠3およびノズルプレート4を備えている。
基板2は、細長い実装面2aを有する平板であり、図示しないインク槽の上に積層されている。基板2としては、例えばアルミナ、窒化珪素、炭化珪素、窒化アルミニウムおよびチタン酸ジルコン酸鉛等を用いることができる。
図1および図2に示すように、複数のインク入口5および複数のインク出口6が基板2に設けられている。インク入口5は、基板2の幅方向に沿う中央部において基板2の長手方向に間隔を存して一列に並んでいる。インク出口6は、基板2の幅方向に沿う両側部において基板2の長手方向に間隔を存して一列に並んでいる。さらに、インク入口5およびインク出口6は、基板2の実装面2aに開口されている。
外枠3は、基板2の実装面2aの上に接着されて、インク入口5およびインク出口6を取り囲んでいる。
ノズルプレート4は、外枠3の上に接着されて基板2の実装面2aと向かい合っている。
図3に示すように、基板2、外枠3およびノズルプレート4は、互いに協働してインク供給室7を構成している。インク供給室7は、インク入口5およびインク出口6を介してインク槽に接続されている。インク槽に蓄えられたインクは、インク入口5からインク供給室7に供給される。インク供給室7に供給された余剰のインクは、インク出口6からインク槽に戻される。
インク供給室7に供給されるインクとしては、例えば水性インクよりも比抵抗が大きい非水性インクを用いている。本実施形態では、インク固有の導電率が例えば1×10−7〜1×10−6(1/Ωcm)の非水性インクを想定している。因みに水性インクの導電率は、1×10−5〜1×10−2(1/Ωcm)である。
図1および図2に示すように、一対のノズル列10a,10bがノズルプレート4に形成されている。ノズル列10a,10bは、ノズルプレート4の長手方向に延びるように、ノズルプレート4の幅方向に間隔を存して互いに平行に配列されている。ノズル列10a,10bは、夫々複数のノズル11を有している。ノズル11は、インク供給室7に開口するように互いに間隔を存して一列に並んでいるか、若しくは複数列に亘って千鳥状に並んでいる。
図2および図3に示すように、一対の圧電部材12a,12bがインク供給室7に収容されている。圧電部材12a,12bは、インク入口5を間に挟んで互いに平行に配置されている。一方の圧電部材12aは、一方のノズル列10aの真下に位置するように基板2の実装面2aに接着されている。他方の圧電部材12bは、他方のノズル列10bの真下に位置するように基板2の実装面2aの上に接着されている。
圧電部材12a,12bは、互いに共通の構成を有している。そのため、本実施形態では、一方の圧電部材12aを代表して説明し、他方の圧電部材12bについては同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
圧電部材12aは、ノズル列10aに沿って延びる細長い本体13を備えている。図4に示すように、本体13は、二枚の圧電板14a,14bで構成されている。圧電板14a,14bとしては、例えばチタン酸ジルコン酸鉛、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム等を用いることができる。圧電板14a,14bは、厚さ方向に張り合わされているとともに、その分極方向が圧電板14a,14bの厚さ方向に互いに逆向きとなっている。
本体13は、表面15、裏面16および一対の側面17a,17bを有している。表面15は、ノズルプレート4に面している。裏面16は、表面15の裏側に位置されて、基板2の実装面2aに接着されている。
一方の側面17aは、表面15の幅方向に沿う一端と裏面16の幅方向に沿う一端との間を結んでいる。他方の側面17bは、表面15の幅方向に沿う他端と裏面16の幅方向に沿う他端との間を結んでいる。さらに、側面17a,17bは、基板2の実装面2aから立ち上がるとともに、表面15から裏面16に向けて互いに遠ざかるように傾いている。
図3および図4に示すように、複数のインク溝19が本体13に形成されている。インク溝19は、本体13の長手方向に間隔を存して配列されているとともに、本体13の表面15および側面17a,17bに連続して開口されている。本体13のうちインク溝19の間に位置された部分は、隣り合うインク溝19の間を隔てる複数の隔壁20として機能している。
図4に示すように、各インク溝19は、底面21と、一対の側面22a,22bとで規定されている。側面22a,22bは、インク溝19の幅方向に間隔を存して向かい合っている。インク溝19の深さDは、インク溝19の幅Wよりも大きく設定されている。本実施形態では、インク溝19の深さDが約90μm、インク溝19の幅Wが40μm、隔壁20の厚さが40μmに設定されている。
インク溝19の深さDと幅Wとの比(深さ/幅)で定まるアスペクト比は、インク溝19が深くて幅狭くなるほどに高くなる。アスペクト比およびインク溝19の間隔は、インクジェットヘッド1に要求される解像度やインクの吐出量に応じて所定の値に設定される。
図3ないし図5に示すように、ノズルプレート4は、本体13の隔壁20の上に接着されて、インク溝19のうち本体13の表面15に開口された箇所を閉じている。インク溝19とノズルプレート4とで囲まれた空間は、複数の圧力室23を構成している。圧力室23は、本体13の側面17a,17bに開口されたインク溝19の開口端からインク供給室7に連通されている。そのため、インク供給室7を循環するインクは、インク溝19の開口端から圧力室23に供給される。
図4ないし図6に示すように、圧力室23の内側に夫々電極25が設けられている。電極25は、インク溝19の底面21および側面22a,22bを連続して覆っている。隣り合うインク溝19の電極25は、電気的に独立するように隔壁20によって切り離されている。さらに、電極25のうち本体13の側面17a,17bに連続する端部25aは、ノズルプレート4で覆われることなくインク溝19の開口端からインク供給室7に臨んでいる。
電極25は、複数の配線パターン26に電気的に接続されている。配線パターン26は、電極25の端部25aから圧電部材12aの本体13の側面17aを通って基板2の実装面2aに導かれている。配線パターン26は、本体13の長手方向と直交するように配線されて、インク供給室7を横切っている。
詳しく述べると、各配線パターン26は、第1の配線領域26aおよび第2の配線領域26bを有している。第1の配線領域26aは、本体13の側面17aの上に形成されて、電極25の端部25aに電気的に接続されている。第2の配線領域26bは、基板2の実装面2aの上に形成されている。
なお、図6では、インク溝19に対する電極25および配線パターン26の位置を明確に表示するため、電極25および配線パターン26に相当する箇所に多数のドットを付して識別している。
図2および図5に示すように、配線パターン26の第2の配線領域26bは、端子部27を有している。端子部27は、第2の配線領域26bの先端に位置されて、インク供給室7の外に露出されている。
複数のテープキャリアパッケージ28が配線パターン26の端子部27に電気的に接続されている。テープキャリアパッケージ28は、インクジェットヘッド1を制御する駆動回路を搭載している。駆動回路は、インクジェットヘッド1の電極25に駆動電圧を印加する。
この結果、隣り合う電極25の間に電位差が生じ、これら電極25に対応する隔壁20に電界が発生する。したがって、圧力室23を間に挟んで隣り合う隔壁20がシェアモード変形により圧力室23の容積を増やす方向に湾曲する。
この後、電極25に対する駆動電圧の印加を遮断すると、隔壁20が初期の形状に復帰するように変位する。隔壁20が変位することでインク供給室7から圧力室23に供給されたインクが加圧される。加圧されたインクの一部は、インク滴となってノズル11からインク溝19の深さ方向に沿うように吐出される。
図5に示すように、インク溝19の開口端からインク供給室7に臨む電極25の端部25aおよび配線パターン26のうち端子部27を外れた領域は、絶縁層30で一体的に被覆されている。絶縁層30は、例えばインク対抗性および電気絶縁性に優れた絶縁性塗料、絶縁性接着剤および無機塗料のうちのいずれかで構成されている。
図6にグレースケールで表示するように、絶縁層30は、インク供給室7に位置された圧電部材12aの本体13の側面17a,17bおよび基板2の実装面2aを配線パターン26と一緒に覆っている。
さらに、絶縁層30は、本体13の側面17a,17bからインク溝19の開口端に入り込む電極被覆部31を有している。電極被覆部31は、インク溝19の開口端からインク供給室7に臨む電極25の端部25aの上にのみ積層されて、電極25の端部25aをインクから隔離している。
言い換えると、電極25のうち端部25aを外れた領域は、絶縁層30で覆われることなく圧力室23に露出されて、圧力室23に充填されたインクの中に浸漬されている。圧力室23は、個々に隔壁20およびノズルプレート4で囲まれて、隣り合う他の圧力室23に対し隔離されている。
このため、電極25のうち端部25aを外れた領域は、圧力室23にインクが充填された状態においても、隣り合う電極25の間にインクを媒体とする短絡が生じないように互いに電気的に切り離された状態に保たれている。
本実施形態によると、絶縁層30のうち隔壁20を挟んで隣り合う電極被覆部31の間の沿面距離は、隣り合う電極25の間にインクを媒体とする短絡が生じない程度の距離となるように定められている。
具体的には、例えばインク溝19の幅Wおよび隔壁20の厚さが夫々40μmであり、かつ導電率が1×10−7〜1×10−6(1/Ωcm)の非水性インクを用いるインクジェットヘッド1の場合、沿面距離は100μm程度とすることが望ましい。
次に、絶縁層30を有するインクジェットヘッド1を製造する手順の一例について説明する。
まず、二枚の圧電板14a,14bを重ね合わせて圧電部材12a,12bの本体13を形成する。引き続いて、基板2の実装面2aの上に圧電部材12a,12bの本体13を接着する。
この後、基板2に接着された本体13に切削加工を施すことで、本体13の幅方向に沿う両端部を斜めにカットする。この結果、本体13の幅方向に沿う両端部に基板2の実装面2aに対し傾斜された側面17a,17bが形成される。
引き続いて、例えばダイヤモンドブレードを用いて本体13に切削加工を施すことで、本体13に複数のインク溝19を形成する。この後、例えばフォトリソグラフィ法を用いてインク溝19の底面21および側面22a,22bの上に電極25を形成するとともに、本体13の側面17aおよび基板2の実装面2aの上に配線パターン26を形成する。
電極25および配線パターン26を形成した後、図7に示すように、圧電部材12a,12bが接着された基板2を水平な姿勢に保つとともに、基板2の上方にマスクプレート33を配置する。
マスクプレート33は、基板2に対応した大きさを有するフラットな板である。マスクプレート33は、配線パターン26の端子部27および圧電部材12a,12bの本体13の表面15と向かい合う複数のカバー部34と、本体13の側面17a,17bおよび基板2の実装面2aと向かい合う複数の開口部35とを有している。そのため、基板2および圧電部材12a,12bは、絶縁層30を形成すべき箇所を除いた領域がマスクプレート33によりマスキングされた状態に保たれる。
マスクプレート33は、必ずしも基板2の実装面2aおよび圧電部材12a,12bの本体13の表面15から離して配置する必要はない。例えばマスクプレート33を基板2の実装面2aおよび本体13の表面15に接触させてもよい。
マスクプレート33で基板2の実装面2aおよび本体13の表面15をマスキングした後、図7に示すように、スプレー塗布装置37を用いて液状の絶縁材料38をマスクプレート33の上から基板2に向けて噴霧する。スプレー塗布装置37は、図7に矢印で示すように基板2の長手方向に複数回に亘って往復動させる。
基板2に向かう絶縁材料38の一部は、マスクプレート33のカバー部34によって遮られ、残りの絶縁材料38がマスクプレート33の開口部35を通じて基板2の実装面2aおよび本体13の側面17a,17bの上にスプレー塗布される。
本体13の側面17a,17bに塗布された絶縁材料38は、側面17a,17bに開口されたインク溝19の開口端に入り込む。この後、一定の乾燥時間を経て実装面2aおよび側面17a,17bの上に絶縁層30が形成されるとともに、インク溝19の開口端に電極25の端部25aを覆う電極被覆部31が形成される。
アスペクト比が大きいインク溝19では、インク溝19の開口端に対する絶縁材料38の流入が制限され、絶縁材料38がインク溝19の奥深い位置まで入り込むことはない。そのため、絶縁材料38は、インク溝19の開口端の付近に塗布されるに止まり、電極被覆部31が形成される領域を必要最低限とすることができる。
本実施形態では、スプレー塗布装置37を複数回に亘って往復動させているので、絶縁材料38は、基板2の実装面2aおよび圧電部材12a,12bの本体13の側面17a,17bの上に複数回に分けて塗布される。このため、一回の塗布時に基板2の実装面2aおよび本体13の側面17a,17bに塗布される絶縁材料38の量を少なくすることができる。
言い換えると、少量の絶縁材料38が基板2の実装面2aおよび本体13の側面17a,17bの上に繰り返し塗布される。このため、高密度に配列されたインク溝19が絶縁材料38で目詰まりを起こすことはない。
さらに、本実施形態では、スプレー塗布装置37を用いて絶縁材料38を塗布するに際して、立体的な形状を有する圧電部材12a,12bの本体13を予め決められた温度に加熱している。この結果、基板2の実装面2aから立ち上がる本体13の側面17a,17bに塗布された絶縁材料38が本体13の側面17a,17bに定着し易くなる。
したがって、例えば塗布された絶縁材料38の流出や垂れ落ちに伴う絶縁材料38の途切れを防止することができ、絶縁層30の膜厚を均等化することができる。
絶縁層30を形成した後、基板2の実装面2aの上に外枠3を接着するとともに、本体13の表面15と外枠3との間に跨るようにノズル形成前のノズルプレート4を接着する。この結果、本体13のインク溝19とノズルプレート4との間に圧力室23が形成される。
ノズルプレート4にノズル11を形成した後、インク供給室7の外に位置された配線パターン26の端子部27に、例えば異方性導電フィルム又はボンディングワイヤを用いてテープキャリアパッケージ28を電気的に接続する。
第1の実施形態によると、インクジェットヘッド1が有する複数の電極25は、圧力室23内では隔壁20およびノズルプレート4で個々に囲まれている。このため、圧力室23内にインクが充填された状態においても、隣り合う電極25の間が電気的に絶縁されている。
さらに、インク溝19の開口端に位置された電極25の端部25aは、絶縁層30の電極被覆部31で覆われており、電極25の端部25aが共通のインク供給室7を流れるインクから隔離されている。
特に第1の実施形態では、絶縁層30のうち隔壁20を挟んで隣り合う電極被覆部31の間の沿面距離が、インクの導電性を考慮して隣り合う電極25の間にインクを媒体とする短絡が生じない程度の距離となるように定められている。
この結果、例えば水性インクよりも導電率が低く、比抵抗が比較的高い非水性インクを吐出させるインクジェットヘッド1では、共通のインク供給室7に位置される配線パターン26およびインク供給室7に臨む電極25の端部25aのみを絶縁層30で連続して被覆することにより、隣り合う電極25の間の絶縁性能を十分に確保することができる。
したがって、高密度に配列された電極25の表面に全面的に絶縁層30を形成する必要はなく、電極25の絶縁処理が過剰となるのを回避できる。それとともに、電極25の絶縁処理に要するコストを抑えて、安価なインクジェットヘッド1を提供することができる。
加えて、第1の実施形態によれば、基板2および圧電部材12a,12bのうち絶縁層30を形成すべき箇所を除いた領域をマスクプレート33でマスキングした後、マスクプレート33の上から液状の絶縁材料38をスプレー塗布することで絶縁層30を形成している。
そのため、インク溝19が形成された立体的な形状の本体13に対し、膜厚が均一の絶縁層30を簡単に形成することができ、この点でもインクジェットヘッド1の低コスト化を図る上で好都合となる。
第1の実施形態では、圧力室に充填されたインクをインク溝の深さ方向に押し出す、いわゆるサイドシュータ形のインクジェットヘッドを例に説明したが、圧力室に充填されたインクをインク溝の長手方向に押し出す、いわゆるエッジシュータ形のインクジェットヘッドでも同様に適用可能である。
[第2の実施形態]
図8ないし図13は、エッジシュータ形のインクジェットヘッド100を開示している。
インクジェットヘッド100は、ヘッド本体101およびノズルプレート102を備えている。
ヘッド本体101は、基板104、枠体105および蓋板106を有している。図9に示すように、基板104は、表面104aおよび端面104bを有する矩形状である。アクチュエータとしての圧電部材107が基板104の表面104aの一端部に埋め込まれている。
図10および図11に示すように、圧電部材107は、二枚の圧電板108,109を厚さ方向に重ねて接着した要素であり、基板104の長手方向に延びている。圧電板108,109は、その分極方向が圧電板108,109の厚さ方向に沿って互いに逆向きとなっている。
圧電部材107は、表面107aおよび端面107bを有している。圧電部材107の表面107aは、基板104の表面104aと同一の面上に位置されている。圧電部材107の端面107bは、基板104の端面104bと同一の面上に位置されている。
図9ないし図11に示すように、複数のインク溝111が圧電部材107に形成されている。インク溝111は、圧電部材107の表面107aおよび端面107bに開口されているとともに、圧電部材107の長手方向に間隔を存して一列に並んでいる。
図12に概略的に示すように、各インク溝111は、その長手方向に沿う一端から基板104に向けて延長された延長部113を有している。延長部113は、基板104の表面104aに開口されているとともに、圧電部材107から遠ざかるに従い深さ寸法が次第に減じられている。圧電部材107および基板104のうち、インク溝111の間に位置された部分は、隣り合うインク溝111の間を隔てる複数の隔壁112として機能している。
図10および図11に示すように、各インク溝111は、底面111aと、一対の側面111b,111cとで規定されている。側面111b,111cは、インク溝111の幅方向に間隔を存して向かい合っている。
インク溝111の深さDは、インク溝111の幅Wよりも大きく設定されている。インク溝111の深さDと幅Wとの比(深さ/幅)で定まるアスペクト比は、インク溝111が深くて幅狭くなるほどに高くなる。アスペクト比およびインク溝111の間隔は、インクジェットヘッド100に要求される解像度やインクの吐出量に応じて所定の値に設定される。
枠体105は、基板104の表面104aに接着されている。枠体105は、前枠部114を有している。前枠部114は、圧電部材107の上に重ねられてインク溝111の配列方向に沿って延びているとともに、基板104の表面104aの方向からインク溝111の開口端を閉塞している。さらに、前枠部114は、端面114aを有している。端面114aは、基板104の端面104bおよび圧電部材107の端面107bと同一の面上に位置されている。
蓋板106は、接着等の手段により枠体105に固定されている。基板104の表面104a、枠体105および蓋板106で囲まれた領域は、共通のインク供給室115を構成している。本実施形態によると、基板104の表面104aに達したインク溝111の延長部113は、インク供給室115に臨んでいる。このため、インク溝111は、延長部113を介してインク供給室115に連通されている。
ノズルプレート102は、ヘッド本体101の端部に接着されている。ノズルプレート102は、圧電部材107の端面107bの方向からインク溝111の開口端を閉塞している。
インク溝111の内面、枠体105の前枠部114およびノズルプレート102で囲まれた領域は、複数の圧力室118を構成している。圧力室118は、圧電部材117の長手方向に間隔を存して一列に並んでいるとともに、インク溝111の延長部113を介してインク供給室115に通じている。
図8および図9に示すように、ヘッド本体101の蓋板104は、インク供給口119を有している。インク供給口119は、インク供給室115に開口されているとともに、図示しないインクカートリッジに接続されている。
したがって、インクカートリッジに蓄えられたインクがインク供給口119からインク供給室115に供給される。インク供給室115に供給されるインクとしては、第1の実施形態と同様に例えば水性インクよりも比抵抗が大きい非水性インクを用いている。
図8ないし図10に示すように、ノズルプレート102は、複数のノズル121を有している。ノズル121は、個々に圧力室118に連通するようにノズルプレート102の長手方向に所定の間隔を存して一列に並んでいる。
図10および図11に示すように、インク溝111の内側に夫々電極122が設けられている。電極122は、インク溝111の底面111aおよび側面111b,111cを連続して覆っている。隣り合うインク溝111の電極122は、電気的に独立するように隔壁112によって切り離されている。
さらに、電極122は、インク溝111の延長部113に位置された露出端部123を有している。露出端部123は、枠体105の前枠部114で覆われることなくインク溝111の開口端からインク供給室115に臨んでいる。
電極122は、複数の配線パターン124に電気的に接続されている。配線パターン124は、基板104の表面104aに形成されて、インク溝111の長手方向に延びている。
なお、図12では、インク溝111に対する電極122および配線パターン124の位置を明確に表示するため、電極122および配線パターン124に相当する箇所に多数のドットを付して識別している。
図9に示すように、配線パターン124は、端子部125を有している。端子部125は、配線パターン124の先端に位置されて、インク供給室115の外に露出されている。
テープキャリアパッケージ127が端子部125に電気的に接続されている。テープキャリアパッケージ127は、インクジェットヘッド100を制御する駆動回路を搭載している。駆動回路は、インクジェットヘッド100の電極122に駆動電圧を印加する。
この結果、隣り合う電極122の間に電位差が生じ、これら電極122に対応する隔壁112に電界が生じる。したがって、圧力室118を間に挟んで隣り合う隔壁112がシェアモード変形により圧力室118の容積を増やす方向に湾曲する。
この後、電極122に対する駆動電圧の印加を遮断すると、隔壁112が初期の形状に復帰するように変位する。隔壁112が変位することでインク供給室115から圧力室118に供給されたインクが加圧される。加圧されたインクの一部は、インク滴となってノズル121からインク溝111の長手方向に沿うように吐出される。
図9および図11に示すように、インク溝111の開口端からインク供給室115に臨む電極122の露出端部123および配線パターン124のうち端子部125を外れた領域は、絶縁層130で一体的に被覆されている。絶縁層130は、第1の実施形態と同様の絶縁性塗料、絶縁性接着剤および無機塗料のうちのいずれかで構成されている。
図12にグレースケールで表示するように、絶縁層130は、インク供給室115に露出された基板104の表面104aを配線パターン124と一緒に覆っている。
さらに、絶縁層130は、基板104の表面104aからインク溝111の開口端に入り込む電極被覆部131を有している。電極被覆部131は、インク溝111の開口端からインク供給室115に臨む電極122の露出端部123の上にのみ積層されて、電極122の露出端部123をインクから隔離している。
言い換えると、電極122のうち露出端部123を外れた領域は、絶縁層130で覆われることなくインク供給室115および圧力室118に露出されて、インクの中に浸漬されている。圧力室118は、個々に隔壁112、前枠部114およびノズルプレート102で囲まれて、隣り合う他の圧力室118に対し隔離されている。
このため、電極122のうち露出端部123を外れた領域は、圧力室118にインクが充填された状態においても、隣り合う電極122の間にインクを媒体とする短絡が生じないように互いに電気的に切り離された状態に保たれている。
本実施形態によると、絶縁層130のうち隔壁112を挟んで隣り合う電極被覆部131の間の沿面距離は、隣り合う電極122の間にインクを媒体とする短絡が生じない程度の距離となるように定められている。
次に、絶縁層130を有するインクジェットヘッド100を製造する手順の一例について説明する。
まず、二枚の圧電板108,109を重ね合わせて圧電部材107を形成する。引き続いて、基板104の表面104aの一端部に圧電部材107を埋め込んで接着する。
この後、例えばダイヤモンドブレードを用いて圧電部材107に切削加工を施すことで、圧電部材107に複数のインク溝111を形成する。圧電部材107にインク溝111を形成する際に、基板104の表面104aがダイヤモンドブレードによって溝状に削り取られる。削り取られた部分は、溝深さが次第に減少するインク溝111の延長部113として機能する。
引き続いて、例えばフォトリソグラフィ法を用いてインク溝111の底面111aおよび側面111b,111cの上に電極122を形成するとともに、基板104の表面104aの上に配線パターン124を形成する。
電極122および配線パターン124を形成した後、図13に示すように、基板104を水平な姿勢に保つとともに、基板104の上方にマスクプレート133を配置する。マスクプレート133は、配線パターン124の端子部125および基板104に埋め込まれた圧電部材107と向かい合う複数のカバー部134と、基板104の表面104aおよびインク溝111の延長部113と向かい合う複数の開口部135とを有している。そのため、基板104は、絶縁層130を形成すべき箇所を除いた領域がマスクプレート133によりマスキングされた状態に保たれる。
マスクプレート133は、必ずしも基板104の表面104aから離して配置する必要はない。例えば、マスクプレート133を基板104の表面104aに重ね合わせてもよい。
マスクプレート133で基板104の表面104aをマスキングした後、図13に示すように、スプレー塗布装置137を用いて液状の絶縁材料138をマスクプレート133の上から基板104に噴霧する。スプレー塗布装置137は、図13に矢印で示すように基板104に沿って複数回に亘り往復動させる。
基板104に向かう絶縁材料138の一部は、マスクプレート133のカバー部134によって遮られるとともに、残りの絶縁材料138がマスクプレート133の開口部135を通じて基板104の表面104aの上にスプレー塗布される。
基板104の表面104aに塗布された絶縁材料138は、インク溝111の延長部113の開口端に入り込む。この後、一定の乾燥時間を経て表面104aの上に絶縁層130が形成されるとともに、インク溝111の延長部113の開口端に電極122の露出端部123を覆う電極被覆部131が形成される。
本実施形態では、スプレー塗布装置137を複数回に亘って往復動させているので、絶縁材料138は、基板104の表面104aの上に複数回に分けて塗布される。このため、一回の塗布時に基板104の表面104aに塗布される絶縁材料138の量を少なくすることができる。
言い換えると、少量の絶縁材料138が基板104の表面104aの上に繰り返し塗布される。このため、高密度に配置されたインク溝111が絶縁材料138によって目詰まりを起こすことはない。
さらに、基板104の実装面104aに塗布された絶縁材料138が定着し易くするために、インク溝111を有する基板104を予め決められた温度に加熱することが望ましい。
絶縁層130を形成した後、基板104の表面104aに枠体105を接着する。さらに、基板104の端面104b、圧電部材107の端面107bおよび枠体105の前枠部114の端面114aの間に跨るようにノズル形成前のノズルプレート102を接着する。この結果、基板104のインク溝111と枠体105の前枠部114との間に圧力室118が形成される。
ノズルプレート102にノズル121を形成した後、枠体105の上に蓋板106を接着する。この接着により、蓋板106と基板104との間に枠体105で囲まれたインク供給室115が形成される。インク供給室115は、インク溝111の延長部113を通じて圧力室118に連通される。
この後、インク供給室115の外に位置された配線パターン124の端子部125に、例えば異方性導電フィルム又はボンディングワイヤを用いてテープキャリアパッケージ127を電気的に接続する。
第2の実施形態によると、インクジェットヘッド100が有する複数の電極122は、圧力室118内では隔壁112、枠体105の前枠部114およびノズルプレート102で個々に囲まれている。このため、圧力室118にインクが充填された状態においても、隣り合う電極122の間が電気的に絶縁されている。
さらに、インク溝111の延長部113の開口端に位置された電極122の露出端部123は、絶縁層130の電極被覆部131で覆われており、インク供給室115に供給されるインクから隔離されている。第2の実施形態では、絶縁層130のうち隔壁112を間に挟んで隣り合う電極被覆部131の間の沿面距離が、インクの導電性に基づいて隣り合う電極122の露出端部123の間にインクを媒体とする短絡が生じない程度の距離となるように定められている。
この結果、例えば水性インクよりも導電率が低く、比抵抗が比較的高い非水性インクを吐出させるインクジェットヘッド100では、共通のインク供給室115に位置される配線パターン124および電極122の露出端部123のみを絶縁層130で連続して被覆することにより、隣り合う電極122の間の絶縁性能を十分に確保することができる。
したがって、高密度に配列された電極122の表面に全面的に絶縁層130を形成する必要はなく、電極122の絶縁処理が過剰となるのを回避できる。それとともに、電極122の絶縁処理に要するコストを抑えて、安価なインクジェットヘッド100を提供することができる。
加えて、第2の実施形態によれば、基板104のうち絶縁層130を形成すべき箇所を除いた領域をマスクプレート133でマスキングした後、マスクプレート133の上から液状の絶縁材料138をスプレー塗布することで絶縁層130を形成している。
そのため、インク溝111が形成された立体的な形状の基板104に対し、膜厚が均一の絶縁層130を簡単に形成することができ、この点でもインクジェットヘッド100の低コスト化を実現する上で有効となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]基板の実装面とノズルプレートとの間に形成されたインク供給室と、前記基板の前記実装面に固定され、前記実装面から立ち上がる側面および前記ノズルプレートが積層された表面を有するとともに、前記側面から前記インク供給室に開口するように互いに間隔を存して配列された複数のインク溝を有する圧電部材と、前記インク溝に設けられ、前記インク溝の間に介在された前記圧電部材の隔壁により隔てられた複数の電極と、前記電極に電気的に接続され、前記電極から前記圧電部材の前記側面を通って前記基板の前記実装面に導かれるとともに、前記インク供給室の外に位置された端子部を有する複数の配線パターンと、を含み、前記電極に前記配線パターンを介して駆動電圧を印加することにより、前記圧電部材の前記隔壁を変形させて、前記インク供給室から前記インク溝に供給されたインクを加圧するインクジェットヘッドであって、前記配線パターンのうち前記端子部を外れた領域および前記インク溝の開口端から前記インク供給室に臨む前記電極の端部を絶縁層で被覆したインクジェットヘッド。
[2][1]に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記絶縁層は、前記インク溝が開口された前記圧電部材の前記側面を連続して被覆するように構成されたインクジェットヘッド。
[3][1]又は[2]に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記電極の前記端部が前記インク供給室内で前記配線パターンに接続されたインクジェットヘッド。
[4][1]ないし[3]のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記絶縁層は、前記隔壁を間に挟んで隣り合う前記電極の前記端部間に跨る電極被覆部を有し、当該電極被覆部の沿面距離が、隣り合う前記電極の間に前記インクを媒体とする短絡が生じない距離となるように定められたインクジェットヘッド。
[5][4]に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記沿面距離は、前記インクの固有の導電率に応じて設定されたインクジェットヘッド。
[6]表面を有する基板と、前記基板の前記表面の上に枠体を介して固定され、前記表面との間に前記枠体で囲まれたインク供給室を構成する蓋板と、前記基板の前記表面に埋め込まれた圧電部材と、前記圧電部材に互いに間隔を存して形成され、前記圧電部材から前記基板の前記表面に連続するとともに、前記インク供給室に開口された複数のインク溝と、前記インク溝の長手方向に沿う一端部を前記枠体と協働して閉塞するノズルプレートと、前記インク溝に設けられ、前記インク溝の間に介在された前記圧電部材の隔壁により隔てられた複数の電極と、前記電極に電気的に接続され、前記インク溝の長手方向に沿う他端部から前記基板の前記表面に導かれるとともに、前記インク供給室の外に位置された端子部を有する複数の配線パターンと、を含み、前記電極に前記配線パターンを介して駆動電圧を印加することにより、前記圧電部材の前記隔壁を変形させて、前記インク供給室から前記インク溝に供給されたインクを加圧するインクジェットヘッドであって、前記配線パターンのうち前記端子部を外れた領域および前記電極のうち前記インク供給室に臨む露出端部を絶縁層で被覆したインクジェットヘッド。
[7][6]に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記絶縁層は、前記隔壁を間に挟んで隣り合う前記電極の前記露出端部の間に跨る電極被覆部を有し、当該電極被覆部の沿面距離が、隣り合う前記電極間に前記インクを媒体とする短絡が生じない距離となるように定められたインクジェットヘッド。
[8][1]ないし[7]のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記絶縁層は、絶縁性塗料、絶縁性接着剤および無機塗料のうちのいずれかで構成されたインクジェットヘッド。
[9][1]又は[6]に記載されたインクジェットヘッドを製造する方法であって、複数のインク溝に夫々電極を形成した後、基板の上方にマスクプレートを配置し、当該マスクプレートを用いて絶縁層を形成すべき箇所を除いた領域にマスキングを施した状態で、前記マスクプレートの上から液状の絶縁材料をスプレー塗布することにより、前記絶縁層を形成するようにしたインクジェットヘッドの製造方法。
[10][9]に記載の製造方法において、前記基板および圧電部材を加熱した状態で、前記絶縁材料をスプレー塗布するようにしたインクジェットヘッドの製造方法。
[11][9]又は[10]に記載の製造方法において、前記絶縁材料を複数回に分けてスプレー塗布するようにしたインクジェットヘッドの製造方法。
1,100…インクジェットヘッド、2,104…基板、2a…実装面、4,102…ノズルプレート、7,115…インク供給室、12a,12b,107…圧電部材、15…表面、17a,17b…側面、19,111…インク溝、20,112…隔壁、25,122…電極、25a…端部、26,124…配線パターン、27,125…端子部、30,130…絶縁層、33,133…マスクプレート、38,138…絶縁材料、104a…表面、105…枠体、106…蓋板、123…露出端部。

Claims (11)

  1. 基板の実装面とノズルプレートとの間に形成されたインク供給室と、
    前記基板の前記実装面に固定され、前記実装面から立ち上がる側面および前記ノズルプレートが積層された表面を有するとともに、前記側面から前記インク供給室に開口するように互いに間隔を存して配列された複数のインク溝を有する圧電部材と、
    前記インク溝に設けられ、前記インク溝の間に介在された前記圧電部材の隔壁により隔てられた複数の電極と、
    前記電極に電気的に接続され、前記電極から前記圧電部材の前記側面を通って前記基板の前記実装面に導かれるとともに、前記インク供給室の外に位置された端子部を有する複数の配線パターンと、を含み、
    前記電極に前記配線パターンを介して駆動電圧を印加することにより、前記圧電部材の前記隔壁を変形させて、前記インク供給室から前記インク溝に供給されたインクを加圧するインクジェットヘッドであって、
    前記配線パターンのうち前記端子部を外れた領域および前記インク溝の開口端から前記インク供給室に臨む前記電極の端部を絶縁層で被覆し、
    前記電極は、前記電極の端部以外には前記絶縁層が被覆されていないインクジェットヘッド。
  2. 請求項1に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記絶縁層は、前記インク溝が開口された前記圧電部材の前記側面を連続して被覆するように構成されたインクジェットヘッド。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記電極の前記端部が前記インク供給室内で前記配線パターンに接続されたインクジェットヘッド。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記絶縁層は、前記隔壁を間に挟んで隣り合う前記電極の前記端部間に跨る電極被覆部を有し、当該電極被覆部の沿面距離が、隣り合う前記電極の間に前記インクを媒体とする短絡が生じない距離となるように定められたインクジェットヘッド。
  5. 請求項4に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記沿面距離は、前記インクの固有の導電率に応じて設定されたインクジェットヘッド。
  6. 表面を有する基板と、
    前記基板の前記表面の上に枠体を介して固定され、前記表面との間に前記枠体で囲まれたインク供給室を構成する蓋板と、
    前記基板の前記表面に埋め込まれた圧電部材と、
    前記圧電部材に互いに間隔を存して形成され、前記圧電部材から前記基板の前記表面に連続するとともに、前記インク供給室に開口された複数のインク溝と、
    前記インク溝の長手方向に沿う一端部を前記枠体と協働して閉塞するノズルプレートと、
    前記インク溝に設けられ、前記インク溝の間に介在された前記圧電部材の隔壁により隔てられた複数の電極と、
    前記電極に電気的に接続され、前記インク溝の長手方向に沿う他端部から前記基板の前記表面に導かれるとともに、前記インク供給室の外に位置された端子部を有する複数の配線パターンと、を含み、
    前記電極に前記配線パターンを介して駆動電圧を印加することにより、前記圧電部材の前記隔壁を変形させて、前記インク供給室から前記インク溝に供給されたインクを加圧するインクジェットヘッドであって、
    前記配線パターンのうち前記端子部を外れた領域および前記電極のうち前記インク供給室に臨む露出端部を絶縁層で被覆し、
    前記電極は、前記電極の端部以外には前記絶縁層が被覆されていないインクジェットヘッド。
  7. 請求項6に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記絶縁層は、前記隔壁を間に挟んで隣り合う前記電極の前記露出端部の間に跨る電極被覆部を有し、当該電極被覆部の沿面距離が、隣り合う前記電極間に前記インクを媒体とする短絡が生じない距離となるように定められたインクジェットヘッド。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記絶縁層は、絶縁性塗料、絶縁性接着剤および無機塗料のうちのいずれかで構成されたインクジェットヘッド。
  9. 請求項1又は請求項6に記載されたインクジェットヘッドを製造する方法であって、
    複数のインク溝に夫々電極を形成した後、基板の上方にマスクプレートを配置し、
    当該マスクプレートを用いて絶縁層を形成すべき箇所を除いた領域にマスキングを施した状態で、前記マスクプレートの上から液状の絶縁材料をスプレー塗布することにより、前記絶縁層を形成するようにしたインクジェットヘッドの製造方法。
  10. 請求項9に記載の製造方法において、前記基板および圧電部材を加熱した状態で、前記絶縁材料をスプレー塗布するようにしたインクジェットヘッドの製造方法。
  11. 請求項9又は請求項10に記載の製造方法において、前記絶縁材料を複数回に分けてスプレー塗布するようにしたインクジェットヘッドの製造方法。
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