JP5879201B2 - ガラス基板の分断方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス基板の分断方法、特に、表面に圧縮応力を有するとともに内部に引張応力を有する強化ガラスを分断するためのガラス基板の分断方法に関する。
ガラス基板をレーザにより分断する技術として、CO2レーザをガラス基板に照射して熱応力を生じさせ、分断する方法がある。表面が強化された強化ガラスを分断する場合も、このような従来技術を用いることによって分断することが可能である。
しかし、ガラス基板の表面の強化度が増すと、以上のような従来の技術では分断できなくなる。そこで、高強度ガラスを分断する方法として、特許文献1に示されるような分断方法が提供されている。
この特許文献1に示された方法では、まず、ガラス基板において強化層が形成されていない内部領域に、改質層としての第1ダメージラインが形成される。そして、同様に、強化層が形成されていない内部領域において、第1ダメージラインより浅い領域に第2ダメージラインが形成される。これらのダメージラインを形成することによって、分断予定ラインに沿って亀裂が進展し、ガラス基板は分断される。なお、この分断の際に、カッタによって溝を形成するメカニカルスクライブや、手動又は機械的な操作でダメージラインの両側を押して曲げ力を作用させることが記載されている。
WO2010/096359A1(段落0024,0026,0027,0031,0032等)
特許文献1に記載された分断方法では、ダメージラインが基板表面から比較的浅い領域に形成される。このため、ダメージラインを形成した時点で自然に分断される場合がある一方で、ダメージラインの形成後に、後工程としての分断工程が必要になる場合がある。すなわち、特許文献1に示された方法では、ダメージラインを形成した時点で、フルカットになるのか、あるいはハーフカットになるのか予測ができず、分断処理に関して不安定になる。
また、ダメージラインを形成した後に分断工程が必要な場合は、前述のように、メカニカルスクライブや、ダメージラインの両側に曲げ力を作用させる処理等が必要になる。この場合は、基板表面に欠け等の損傷が生じ、強度の低下を招くという問題がある。
本発明の課題は、強化ガラスに対して、容易にかつ安定して、しかも強度の低下を抑えて分断を行えるようにすることにある。
第1発明に係るガラス基板の分断方法は、表面に圧縮応力を有するとともに内部に引張応力を有する強化ガラスを分断するための方法であって、加工痕形成工程と、中間工程と、分断工程と、を含む。加工痕形成工程は、基板内部の第1深さ位置にレーザを集光し分断予定ラインに沿ってレーザを走査することによって、基板内部に加工痕を形成する。中間工程は、第1深さ位置より基板の表面又は裏面の一方の面側の第2深さ位置にレーザを集光し、分断予定ラインに沿った一部領域にのみレーザを走査して基板内部に亀裂を形成する。分断工程は、中間工程の後に、先のレーザ集光位置より基板の一方の面側の深さ位置にレーザを集光し、一部領域の少なくとも一部にのみレーザを走査して基板の一方の面に到達する亀裂を形成するとともに、形成された亀裂を分断予定ラインに沿って進展させて基板を分断する。
ここでは、まず、基板内部において、分断予定ラインに沿って基板内部の第1深さ位置に加工痕が形成される。次に、第1深さ位置より基板の表面又は裏面の一方の面側の第2深さ位置にレーザの集光位置が設定され、分断予定ライン上の一部領域にのみレーザが照射される。これにより、基板内部に亀裂が形成される。そしてさらに、先のレーザ集光位置より基板の一方の面側の深さ位置にレーザが集光され、一部領域の少なくとも一部にのみレーザが照射される。これにより、基板の一方の面に到達する亀裂が形成されるとともに、形成された亀裂が分断予定ラインに沿って進展し、基板が分断される。
ここでは、分断工程を実行することによって基板が分断され、先の工程の終了時に意図せずに基板が分断されるのを防止できる。すなわち、安定した分断処理を実行できる。また、分断に際してメカニカルスクライブ等が不要になるので、処理が簡単になり、また基板表面の損傷を抑えることができるので、基板の強度低下を抑えることができる。さらに、この方法では、3回以上のレーザ照射が実行され、特に基板の厚みが厚い場合に、確実に基板を分断することができる。
第2発明に係るガラス基板の分断方法は、第1発明の分断方法において、分断工程では、第2深さ位置より基板の一方の面側の第3深さ位置にレーザを集光する。
ここでは、第1発明と同様に、厚みが厚い基板であっても、安定して、かつ確実に分断することができる。また、基板表面の損傷を抑えることができるので、基板の強度低下を抑えることができる。
第3発明に係るガラス基板の分断方法は、第1又は第2発明の分断方法において、基板の厚みは1.1mm以上である。
第4発明に係るガラス基板の分断方法は、第1から第3発明のいずれかの分断方法において、加工痕形成工程における第1深さ位置は、基板の厚み方向の中央位置からレーザ照射面側に185μm以下で、逆側に135μm以下の範囲内である。
加工痕形成工程において、基板の表面あるいは裏面に偏った領域に加工痕を形成すると、加工痕形成工程終了時にあるいはこの工程の途中に基板が分断される場合があり、安定した分断を行うことができない。
そこで、第4発明では、加工痕形成工程における第1深さ位置を、基板の厚み方向の中央部分とし、当該領域に加工痕を形成するようにしている。このため、安定した分断処理を行うことができる。
第5発明に係るガラス基板の分断方法は、第1から第4発明のいずれかの分断方法において、隣接する各深さ位置の間隔は225μm以上472μm以下である。
隣接する各深さ位置の間隔を以上の間隔に設定することにより、亀裂が加工痕と基板の一方の面に到達し、基板を安定して分断することができる。
第6発明に係るガラス基板の分断方法は、第1から第5発明のいずれかの方法において、分断工程における最も基板のレーザ照射面側のレーザ集光位置は、基板のレーザ照射面から140μm以上、365μm以下の範囲内である。
ここでは、分断工程において最終のレーザの集光位置を以上の範囲に設定することによって、先の工程で形成された加工痕と基板表面との間に亀裂を形成でき、かつその亀裂を分断予定ラインに沿って進展させることができる。
第7発明に係るガラス基板の分断方法は、第1から第6発明のいずれかの方法において、中間工程において、レーザ照射される一部領域は、走査開始側の基板端縁から10mm以内の部分である。
ここで、ガラス基板を分断する場合、一般的に、基板端部は最終製品として使用されずに廃棄される場合が多い。そこで、中間工程以降のレーザ照射によって損傷を受けやすい部分を、走査開始側の基板端部とすることにより、良好な品質の最終製品を得ることができる。
第8発明に係るガラス基板の分断方法は、第1から第7発明のいずれかの分断方法において、中間工程及び分断工程において、レーザ照射される領域以外は、レーザの基板への照射を停止する。
第9発明に係るガラス基板の分断方法は、第1から第8発明のいずれかの方法において、分断工程におけるレーザ照射領域は、中間工程における一部領域よりも狭い領域である。
ここでは、分断工程に要する時間を短縮することができる。
第10発明に係るガラス基板の分断方法は、第1から第9発明のいずれかの分断方法において、加工痕形成工程において、レーザ出力は4W以上、8W以下であり、走査速度は150mm/s以上、500mm/s以下である。
第11発明に係るガラス基板の分断方法は、第10発明の分断方法において、中間工程及び分断工程において、レーザ出力は6W以上、8W以下であり、走査速度は300mm/s以上、800mm/s以下である。
以上のように、本発明では、圧縮応力を持たせた強化層を表面に有する強化ガラスに対して、特に基板の厚みが厚い場合に、容易にかつ安定して、しかもガラス基板の強度を低下させることなく分断を行うことができる。
本発明の一実施形態による分断方法が適用される強化ガラスの模式的断面図。 本発明に係る分断方法の第1工程の加工条件(レーザ出力及び走査速度)を調査するための実験結果を示す図。 本発明に係る分断方法の第2工程の加工条件を調査するための実験結果を示す図。 2回のレーザ照射による基板の分断面の様子を示す顕微鏡写真。 2回のレーザ照射によって分断された基板の表面及び分断面を示す顕微鏡写真。 第1工程及び第2工程におけるレーザの加工位置を変更して基板分断可能な条件を調査した実験結果を示す図。 本発明の一実施形態による分断方法の模式的説明図。
[ガラス基板]
図1に分断対象としてのガラス基板の断面構成の一例を示している。このガラス基板は、表面に圧縮応力を有するとともに内部に引張応力を有する強化ガラスである。具体的には、表面及び裏面の近傍において、表面及び裏面に近づくほど大きな圧縮応力(CS)を有している。そして、表面及び裏面から所定の深さに達する基板内部では、逆に引張応力(CT)を有している。図1において、「DOL」は基板表面の圧縮応力を有する強化層深さを示している。
[分断方法]
以上のような強化ガラス(以下、単に「基板」と記す場合もある)を分断する場合は、以下のような工程を実行する。
<第1工程:加工痕形成工程>
基板内部の引張応力を有する領域の第1深さ位置にレーザを集光し、基板表面からレーザを照射して分断予定ラインに沿って走査する。これにより、分断予定ラインに沿って基板内部に加工痕を形成する。ここで加工痕は、レーザによって基板が一旦軟化または溶融し、再度固化した状態の領域である。
<第2工程:中間工程>
第1工程終了後に、第1深さ位置より浅い基板表面側の第2深さ位置にレーザを集光し、かつ基板端面(基板表面上のレーザ走査開始端)から所定の範囲のみに分断予定ラインに沿ってレーザを走査する。このときの第2深さ位置及びレーザ強度は、レーザ照射によって、先に形成された加工痕に亀裂が進展可能なように設定する。
<第3工程:分断工程>
第2工程終了後に、第2深さ位置よりさらに浅い基板表面側の第3深さ位置にレーザを集光し、かつ第2工程でレーザを照射した範囲あるいはそれより短い範囲において分断予定ラインに沿ってレーザを走査する。このときの第3深さ位置及びレーザ強度は、レーザ照射によって、亀裂が基板表面にまで到達し、かつ亀裂が分断予定ラインの全体進展可能なように設定する。
実験例
以下に、各工程の条件設定のための実験結果を示す。なお、各実験において、分断対象は、すべ高強化ガラス(断面構成は図1参照)である。
[実験1:第1工程の条件設定]
図2に第1工程におけるレーザ照射条件を設定するための実験結果を示している。図2に示す表は、1回のレーザ照射の加工結果を示すものであり、表中の各記号の意味は以下の通りである。なお、ここでは、基板の厚みは1.1mmである。
「○」 :2回のレーザ照射で分断可能
「△」 :1回のレーザ照射で分断
「△×」:分断予定ラインから逸れた分断
「××」:2回のレーザ照射で分断不可能(1回のレーザ照射で加工痕有り)
「−」 :2回のレーザ照射で分断不可能(1回のレーザ照射で加工痕無し)
また、レーザ照射条件は以下の通りである。
・繰り返し周波数:3MHz
・レーザ出力:2.0〜8.0W
・走査速度:50〜500mm/s
・加工位置(集光位置):535μm
以上の実験1の結果から、第1工程の加工条件としては、レーザ出力を4Wとし、走査速度を200〜300mm/sの範囲に設定することが好ましいことがわかる。
[実験2:第2工程の条件設定]
図3は、第1工程のレーザ照射条件を以下のように設定し、第2工程におけるレーザ照射条件(走査速度、加工位置)を種々変更して分断可能な条件を調査した実験結果を示している。なお、この実験2では、第2工程において、分断予定ラインの一部ではなく全部にわたってレーザを走査した。また、基板の厚みは1.1mmである。
<第1工程>
・繰り返し周波数:3MHz
・レーザ出力:4.0W
・走査速度:300mm/s
・加工位置(焦点位置):535μm(基板表面が0μm)
なお、図3の表中の各記号の意味は以下の通りである。
「○」:分断可能(レーザ照射後、ラインに沿った分断)
「△」:分断可能(レーザ照射数分後、ラインに沿った分断)
「□」:分断可能(ラインから逸れた分断)
「×」:加工痕有 (分断不可能)
この実験2の結果から、第1工程でのレーザ照射条件を以上のように設定し、加工位置を535μmに設定した場合、第2工程では以下の条件で加工すれば、確実に分断が可能であることがわかる。
<第2工程>
・繰り返し周波数:3MHz
・レーザ出力:8.0W
・走査速度:500mm/s
・加工位置(焦点位置):140〜365μm(基板表面が0μm)
[実験3:第2工程の照射位置]
図4は基板の第2工程において、分断予定ラインの一部にのみレーザを照射した実験結果を示している。図4(a)は第1工程のレーザ走査開始端部から20mm離れた位置の分断予定ラインに沿ってレーザを照射した場合の分断面の様子を示している。図4(b)は第1工程のレーザ走査終了端部から20mm離れた位置の分断予定ラインに沿ってレーザを照射した場合の分断面の様子を示している。図4(c)は第1工程のレーザ走査開始端部から20mmの範囲に、分断予定ラインに沿ってレーザを走査した場合の分断面の様子を示している。加工条件は、実験2で得られた各条件と同じである。第2工程のレーザ照射位置を基板の中央部や第1工程でのレーザ走査終了端部に変えても分断が可能であった。
この実験3の結果から、第2工程において、分断予定ラインの一部のみにレーザを照射するだけで、第1工程で形成した加工痕に沿って亀裂が進展し、基板の分断が可能であることがわかる。
なお、ここでは示していないが、第2工程のレーザ照射領域は、分断予定ラインに沿って1mmの範囲にレーザを照射しただけでも分断が可能であった。
[実験4:基板表面の損傷]
以上の実験1〜3の結果をもとに実験4を行った。その結果を図5に示している。図5(a)は切入部(レーザを2回照射した部分)の基板表面の顕微鏡写真(同図左)と、その分断面の顕微鏡写真(同図右)である。また、図5(b)は基板中央部(レーザを1回のみ照射した部分)の基板表面の顕微鏡写真(同図左)と、その分断面の顕微鏡写真(同図右)である。ここでの各工程での加工条件は以下の通りである。
第1工程:
・繰り返し周波数:3MHz
・レーザ出力:4.0W
・走査速度:300mm/s
・加工位置(焦点位置):535μm(基板表面が0μm)
第2工程:
・繰り返し周波数:3MHz
・レーザ出力:8.0W
・走査速度:500mm/s
・加工位置(焦点位置):213μm(基板表面が0μm)
・レーザ照射部分:走査開始端部(切入部)10mmの範囲(それ以外は遮蔽)
この実験4の結果から、レーザを2回照射した部分は、基板表面に200μm程度のサイズの欠けが発生しているが、遮蔽された部分(レーザは1回のみ照射)は基板表面に欠けが発生していないことがわかる。なお、亀裂の直進性(分断予定ラインからのズレ)は遮蔽部において、±50μm以内(測定サンプル:n=3)であった。
以上から、第2工程においてレーザを照射する領域は、最終製品になった場合には廃棄されるような領域(例えば基板端部)とするのが好ましいことがわかる。
[実験5:加工位置の特定]
第1工程におけるレーザの加工位置を365〜998μm(基板表面が0μm)の範囲で変更し、第2工程におけるレーザ加工位置140〜998μm(基板表面が0μm)の範囲で変更して基板分断可能な条件を調査した実験結果を図6に示している。ここでの各加工条件は以下の通りである。
第1工程:
・繰り返し周波数:3MHz
・レーザ出力:4.0W
・走査速度:300mm/s
第2工程:
・繰り返し周波数:3MHz
・レーザ出力:8.0W
・走査速度:500mm/s
図6の表中における各記号の意味は以下の通りである。
「○」:分断可能(レーザ照射後、ラインに沿った分断)
「□」:ラインから逸れた分断
「×」:加工痕有 (分断不可能)
この実験結果から、第1工程での加工位置を365〜685μmにした場合、第2工程の加工位置を、基板表面から365μm以下にすれば、第2工程において自然分断することがわかる。また、第2工程での加工位置を、第1工程での加工位置より225(365−140)μm以上、472(685−213)μm以下だけ表面側に移動させる必要があることがわかる。
なお、第1工程での加工位置は、基板の厚み中央位置(550μm)から表面側に185μm(365μm)以上、裏面側に135μm(685μm)以下であることが好ましい。基板の表面あるいは裏面に偏った領域に加工痕を形成すると、第1工程終了時にあるいは第1工程の途中に基板が分断される場合があり、安定した分断を行うことができないからである。
また、第1工程での加工位置は、基板の裏面から365〜685μm(基板表面が0μm)の範囲内であることが好ましい。第1工程において、基板の裏面から離れた領域にレーザを集光して加工痕を形成すると、第2工程の実行後に、裏面に向かって進展した亀裂が曲がってしまい、裏面における分断ラインが分断予定ラインからずれてしまうからである。
[基板の厚みが厚い場合]
以上の実験においては、すべて基板の厚みは1.1mmである。しがたって、以上の実験結果から、基板の厚みが1.1mm以上の場合は、図7に示すように、第2工程の加工条件で第2工程と同様の工程(第3工程:分断工程)を繰り返して実行すればよいことがわかる。
具体的には、直前の工程における加工位置との間隔を225〜472μmの範囲内に維持して一部領域へのレーザ照射を繰り返し実行し、加工位置が基板表面から140μm以下になれば、そのレーザ照射によって基板は自然分断されることになる。
<レーザ照射条件>
レーザ照射条件について、各工程では、以下の条件であれば、本発明の方法で分断が可能である。
第1工程:
・繰り返し周波数:3MHz
・レーザ出力:4.0W(4W以上8W以下でも可)
・走査速度:200〜300mm/s(150mm/s以上500mm/sでも可)
第2工程及び第3工程:
・繰り返し周波数:3MHz
・レーザ出力:8.0W(6W以上8W以下でも可)
・走査速度:500mm/s(300mm/s以上800mm/s以下でも可)
<加工位置>
加工位置について、各工程では、以下の条件であれば、本発明の方法で分断が可能である。
第1工程:基板表面から365〜685μmの範囲
基板中央位置(0μm)から+185〜−135μmの範囲。
「+」は表面側(レーザ照射面側)、「−」は裏面側。
第2工程:第1工程の加工位置から225〜472μmだけ基板表面側。
第3工程:直前の加工位置から225〜472μmだけ基板表面側で、かつ最後の加工位置が基板表面から140〜365μmの範囲。
[特徴]
(1)分断工程において、基板の一部領域にレーザを照射することによって基板を分断することができる。したがって、意図せずに基板が自然分断されるのを防止でき、安定した分断処理を実行できる。
(2)中間工程及び分断工程におけるレーザ照射は、基板の一部のみであるので、基板表面の損傷を最小限にすることができ、分断品質の劣化を抑え、基板の強度低下を防止できる。特に、2回目以降のレーザ照射を、最終製品において廃棄される部分に実行することにより、製品の品質劣化をなくすことができる。
(3)分断に際してメカニカルスクライブ等が不要になるので、処理が簡単になり、前記同様に、基板の強度低下を抑えることができる。
[他の実施形態]
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
中間工程及び分断工程におけるレーザ照射位置を、第1深さ位置よりも裏面側(レーザ照射面とは反対の面側)にして、分断工程において基板の裏面に到達する亀裂を形成するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、中間工程及び分断工程においてレーザを照射する一部領域(亀裂の起点となる領域)を、基板の端部領域としたが、分断予定ライン上であれば、どのような位置でもよい。例えば、基板の中央部分や、クロススクライブする際の交点位置を亀裂の起点位置にしてもよい。
分断工程において、レーザを照射する領域は、中間工程と同じ領域でもよいし、中間工程におけるレーザ照射領域より狭い領域であってもよい。

Claims (7)

  1. 表面に圧縮応力を有するとともに内部に引張応力を有する強化ガラスを分断するためのガラス基板の分断方法であって、
    基板内部の第1深さ位置にレーザを集光し分断予定ラインに沿ってレーザを走査することによって、基板内部に加工痕を形成する加工痕形成工程と、
    前記第1深さ位置より基板の表面又は裏面の一方の面側の第2深さ位置にレーザを集光し、前記分断予定ラインに沿った一部領域にのみレーザを走査して基板内部に亀裂を形成する中間工程と、
    前記中間工程の後に、前記第2深さ位置より基板の前記一方の面側の第3深さ位置にレーザを集光し、前記一部領域の少なくとも一部にのみレーザを走査して基板の前記一方の面に到達する亀裂を形成するとともに、形成された亀裂を前記分断予定ラインに沿って進展させて基板を分断する分断工程と、
    を含み、
    前記加工痕形成工程における第1深さ位置は、基板の厚み方向の中央位置からレーザ照射面側に185μm以下で、逆側に135μm以下の範囲内であり、
    隣接する前記各深さ位置の間隔は225μm以上472μm以下であり、
    前記分断工程における最も基板のレーザ照射面側のレーザ集光位置は、基板のレーザ照射面から140μm以上365μm以下の範囲内である、
    ガラス基板の分断方法。
  2. 前記基板の板厚は1.1mm以上である、請求項に記載のガラス基板の分断方法。
  3. 前記中間工程において、レーザ照射される一部領域は、走査開始側の基板端縁から10mm以内の部分である、請求項1又は2に記載のガラス基板の分断方法。
  4. 前記中間工程及び前記分断工程において、レーザ照射される領域以外は、レーザの基板への照射を停止する、請求項1からのいずれかに記載のガラス基板の分断方法。
  5. 前記分断工程におけるレーザ照射領域は、前記中間工程における一部領域よりも狭い領域である、請求項1からのいずれかに記載のガラス基板の分断方法。
  6. 前記加工痕形成工程において、レーザ出力は4W以上8W以下であり、走査速度は150mm/s以上500mm/s以下である、請求項1からのいずれかに記載のガラス基板の分断方法。
  7. 前記中間工程及び前記分断工程において、レーザ出力は6W以上8W以下であり、走査速度は300mm/s以上800mm/s以下である、請求項に記載のガラス基板の分断方法。
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