JP5878887B2 - ディーゼルエンジン - Google Patents

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Description

本発明は、ディーゼルエンジンに関し、詳しくは、キースイッチのスタータモータ駆動位置へのキー投入後、早期にセンサの故障を判定することができるディーゼルエンジンに関する。
従来、ラックセンサの故障を判定することができるディーゼルエンジンがある(例えば、特許文献1参照)。
この種のディーゼルエンジンによれば、ラックセンサの故障を判定した後、リンプホーム機能を働かせる等、ラックセンサの故障に対応した措置をとることができる利点がある。
しかし、このディーゼルエンジンでは、ラックセンサで検出されたラック位置がアクセルペダルの踏み込み量に対応した位置から外れていることに基づいて、ラックセンサの故障判定が行われているため、問題がある。
実開平2−69029号公報(第3図参照)
《問題点》 早期にラックセンサの故障判定を行うことができない。
このディーゼルエンジンでは、ラックセンサで検出されたラック位置がアクセルペダルの踏み込み量に対応した位置から外れていることに基づいて、ラックセンサの故障判定が行われているため、回転変動が大きく、これに伴うラック位置の変動も大きなクランキング時には、ラックセンサの故障判定が困難で、回転が安定し、ラック位置の変動が小さくなるまで故障判定を待つ必要があり、キースイッチのスタータモータ駆動位置へのキー投入後、早期にラックセンサの故障判定を行うことができない。
本発明の課題は、キースイッチのスタータモータ駆動位置へのキー投入後、早期にセンサの故障を判定することができるディーゼルエンジンを提供することにある。
(請求項1に係る発明)
請求項1に係る発明の発明特定事項は、次の通りである。
図1に例示するように、キースイッチ(1)と、このキースイッチ(1)を介してバッテリ(2)に連携されたスタータモータ(3)と、エンジン回転を検出する回転センサ(4)と、燃料噴射ポンプ(5)の燃料調量ラック(5a)のラック位置を検出するラックセンサ(6)と、キースイッチ(1)と回転センサ(4)とラックセンサ(6)とが連携された故障判定装置(7)とを備え、
図1、図2に例示するように、キースイッチ(1)のスタータモータ駆動位置(8)へのキー投入後、回転センサ(4)の出力は検出されたが、クランキング時の振動によるラックセンサ(6)の出力変動が検出されないことに基づいて、故障判定装置(7)によりラックセンサ(6)の故障が判定(S4)されるように構成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
(請求項3に係る発明)
請求項3に係る発明の発明特定事項は、次の通りである。
図1に例示するように、キースイッチ(1)と、このキースイッチ(1)を介してバッテリ(2)に連携されたスタータモータ(3)と、エンジン回転を検出する回転センサ(4)と、燃料噴射ポンプ(5)の燃料調量ラック(5a)のラック位置を検出するラックセンサ(6)と、キースイッチ(1)と回転センサ(4)とラックセンサ(6)とが連携された故障判定装置(7)とを備え、
図1、図2に例示するように、キースイッチ(1)のスタータモータ駆動位置(8)へのキー投入後、回転センサ(4)の出力は検出されないが、クランキング時の振動によるラックセンサ(6)の出力変動が検出されたことに基づいて、故障判定装置(7)により回転センサ(4)の故障が判定(S7)されるように構成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
(請求項1に係る発明)
請求項1に係る発明は、次の効果を奏する。
《効果》 早期にラックセンサの故障を判定することができる。
図1、図2に例示するように、キースイッチ(1)のスタータモータ駆動位置(8)へのキー投入後、回転センサ(4)の出力は検出されたが、クランキング時の振動によるラックセンサ(6)の出力変動が検出されないことに基づいて、故障判定装置(7)によりラックセンサ(6)の故障が判定(S4)されるように構成されているので、回転変動や、これに伴うラック位置の変動が大きいクランキング時であっても、回転センサ(4)の出力の有無と、ラックセンサ(6)の出力変動の有無により、容易にラックセンサ(6)の故障が判定され、キースイッチ(1)のスタータモータ駆動位置(8)へのキー投入後、早期にラックセンサ(6)の故障を判定することができる。
(請求項2に係る発明)
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 早期に回転センサの故障を判定することができる。
図1、図2に例示するように、キースイッチ(1)のスタータモータ駆動位置(8)へのキー投入後、回転センサ(4)の出力は検出されないが、クランキング時の振動によるラックセンサ(6)の出力変動が検出されたことに基づいて、故障判定装置(7)により回転センサ(4)の故障が判定(S7)されるように構成されているので、回転変動や、これに伴うラック位置の変動が大きいクランキング時であっても、回転センサ(4)の出力の有無と、ラックセンサ(6)の出力変動の有無により、容易に回転センサ(4)の故障が判定され、キースイッチ(1)のスタータモータ駆動位置(8)へのキー投入後、早期に回転センサ(4)の故障を判定することができる。
(請求項3に係る発明)
請求項3に係る発明は、請求項2と同様、次の効果を奏する。
《効果》 早期に回転センサの故障を判定することができる。
図1、図2に例示するように、キースイッチ(1)のスタータモータ駆動位置(8)へのキー投入後、回転センサ(4)の出力は検出されないが、クランキング時の振動によるラックセンサ(6)の出力変動が検出されたことに基づいて、故障判定装置(7)により回転センサ(4)の故障が判定(S7)されるように構成されているので、回転変動や、これに伴うラック位置の変動が大きいクランキング時であっても、回転センサ(4)の出力の有無と、ラックセンサ(6)の出力変動の有無により、容易に回転センサ(4)の故障が判定され、キースイッチ(1)のスタータモータ駆動位置(8)へのキー投入後、早期に回転センサ(4)の故障を判定することができる。
本発明の実施形態に係るディーゼルエンジンの模式図である。 図1のディーゼルエンジンの故障判定装置による処理のフローチャートである。
図1〜図2は本発明の実施形態に係るディーゼルエンジンを説明する図で、この実施形態では電子ガバナ付きディーゼルエンジンが用いられている。
電子ガバナの構成は、次の通りである。
図1に示すように、燃料噴射ポンプ(5)と電動アクチュエータ(23)と制御装置(24)とを備え、制御装置(24)で電動アクチュエータ(23)の駆動が制御され、電動アクチュエータ(23)の駆動で燃料噴射ポンプ(5)の燃料調量ラック(5a)が摺動されることにより、燃料調量ラック(5a)の調量位置が調節される。
図1に示すように、燃料噴射ポンプ(5)は列形の燃料噴射ポンプである。電動アクチュエータ(23)はリニアソレノイドである。制御装置(24)はエンジンECUである。エンジンECUはエンジン電子制御ユニットの略称である。燃料噴射ポンプ(5)の燃料調量ラック(5a)は付勢スプリング(10)で燃料増量側に付勢され、燃料増量側に配置された電動アクチュエータ(23)の出力軸(11)に受け止められている。電動アクチュエータ(23)の出力軸(11)はリターンスプリング(12)で燃料減量側に付勢され、電磁コイル(13)で本体(14)への引き込み方向の吸引力(13a)が付与され、燃料調量ラック(5a)は、付勢スプリング(10)の付勢力(10a)と電磁コイルの吸引力(13a)とリターンスプリング(12)の付勢力(12a)の不釣合い力で往復駆動される。
図1に示すように、電動アクチュエータ(23)は、制御装置(24)を介して目標回転数設定装置(15)と回転センサ(4)とに連携され、キースイッチ(1)を介してバッテリ(2)に連携されている。目標回転数設定装置(15)は調速操作レバー(18)の速度設定位置を電圧に変換して出力するポテンショメータである。回転センサ(4)はクランク軸(19)に取り付けられたロータ(20)の周縁部の歯を検出するピックアップコイルである。
キースイッチ(1)のON位置(21)へのキー投入中、バッテリ(2)から制御装置(24)を介して電動アクチュエータ(23)に通電がなされ、目標回転数設定装置(15)で設定された目標回転数と、回転センサ(4)で検出された実回転数との回転数偏差が小さくなるように、制御手段(24)が電動アクチュエータ(23)を制御して、燃料調量ラック(5a)の調量位置を調節する。
キースイッチ(1)のOFF位置(22)へのキー投入時には、バッテリ(2)から電動アクチュエータ(23)への通電が解除され、燃料調量ラック(5a)はリターンスプリング(12)の付勢力(12a)で燃料無噴射位置に移動し、エンジンが停止する。
キースイッチ(1)のスタータモータ駆動位置(8)へのキー投入時には、バッテリ(2)から制御装置(24)を介して電動アクチュエータ(23)に通電がなされ、燃料噴射ポンプ(5)の燃料調量ラック(5a)がエンジン始動位置にセットされる。
図1に示すように、キースイッチ(1)のスタータモータ駆動位置(8)へのキー投入時、バッテリ(2)からスタータモータ(3)に通電がなされ、スタータモータ(3)が駆動され、クランキングによりエンジンが始動される。
キースイッチ(1)のグロープラグ通電位置(25)でのキー投入保持操作中には、バッテリ(2)からグロープラグ(9)に通電がなされ、エンジン始動前に燃焼室(27)を予熱することができる。
このエンジンの故障判定に関する構成は、次の通りである。
図1に示すように、キースイッチ(1)と、このキースイッチ(1)を介してバッテリ(2)に連携されたスタータモータ(3)と、エンジン回転を検出する回転センサ(4)と、燃料噴射ポンプ(5)の燃料調量ラック(5a)のラック位置を検出するラックセンサ(6)と、キースイッチ(1)と回転センサ(4)とラックセンサ(6)とが連携された故障判定装置(7)とを備えている。
故障判定装置(7)は、制御装置(3)の演算処理部である。
図1、図2に示すように、キースイッチ(1)のスタータモータ駆動位置(8)へのキー投入後、回転センサ(4)の出力は検出されたが、クランキング時の振動によるラックセンサ(6)の出力変動が検出されないことに基づいて、故障判定装置(7)によりラックセンサ(6)の故障が判定(S4)されるように構成されている。
回転センサ(4)の出力は電圧出力、ラックセンサ(6)の出力変動は電圧出力の変動である。
図1、図2に示すように、キースイッチ(1)のスタータモータ駆動位置(8)へのキー投入後、回転センサ(4)の出力は検出されないが、クランキング時の振動によるラックセンサ(6)の出力変動が検出されたことに基づいて、故障判定装置(7)により回転センサ(4)の故障が判定(S7)されるように構成されている。
図1、図2に示すように、キースイッチ(1)のスタータモータ駆動位置(8)へのキー投入後、回転センサ(4)の出力が検出されず、クランキング時の振動によるラックセンサ(6)の出力変動も検出されないことに基づいて、故障判定装置(7)により両センサ(4)(6)の同時故障が判定(S9)されるように構成されている。
これにより、回転変動や、これに伴うラック位置の変動が大きいクランキング時であっても、回転センサ(4)の出力の有無と、ラックセンサ(6)の出力変動の有無により、容易に両センサ(4)(6)の同時故障が判定(S9)され、キースイッチ(1)のスタータモータ駆動位置(8)へのキー投入後、早期に両センサ(4)(6)の同時故障を判定することができる。
故障判定装置(7)には、ラックセンサ(6)の故障情報を報知するラックセンサ故障情報装置装置(6a)、回転センサ(4)の故障情報を報知する回転センサ故障情報装置装置(4a)、両センサ(4)(6)の同時故障情報を報知する両センサ同時故障情報装置装置(46a)が連携されている。
これらの故障情報報知装置(4a)(6a)(46a)は、ディーゼルエンジンの搭載機械のダッシュボードに設けたランプであり、ランプの点灯により、故障情報の報知を行う。これらの故障情報報知装置(6a)(4a)(3a)には、ダッシュボード等に設けた表示灯、LED、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、警報ブザー等を用いることができる。LEDは発光ダイオード、ELはエレクトロルミネッセンスの略称である。
図2に示すように、制御装置による処理の流れは、次の通りである。
ステップ(S1)では、キースイッチのスタータモータ駆動位置(8)へのキー投入はなされたか否かが判定される。判定が否定の場合は、ステップ(S1)が繰り返され、判定が肯定されると、ステップ(S2)に進む。
ステップ(S2)では、回転センサ(4)の出力が検出されたか否かが判定され、判定が肯定されると、ステップ(S3)に進む。
ステップ(S3)では、ラックセンサ(6)の出力変動が検出されたか否かが判定され、判定が肯定されると、ステップ(S2)に戻る。
ステップ(S3)での判定が否定されると、ステップ(S4)に進む。
ステップ(S4)では、ラックセンサ(6)の故障が判定され、ステップ(S5)に進む。
ステップ(S5)では、ラックセンサ(6)の故障情報が報知され、処理が終了される。
ステップ(S2)での判定が否定されると、ステップ(S6)に進む。
ステップ(S6)では、ラックセンサ(6)の出力変動が検出されたか否かが判定され、判定が肯定の場合には、ステップ(S7)に進む。
ステップ(S7)では、回転センサ(4)の故障が判定され、ステップ(S8)に進む。
ステップ(S8)では、回転センサ(4)の故障情報が報知され、処理が終了する。
ステップ(S6)での判定が否定の場合には、ステップ(S9)に進む。
ステップ(S9)では、両センサ(4)(6)の同時故障が判定され、ステップ(S10)に進む。
ステップ(S10)では、両センサ(4)(6)の同時故障情報が報知され、処理が終了する。
この実施形態では、ステップ(S5)、ステップ(S8)、ステップ(S10)の後は、処理が終了するようになっているが、これに代えて、エンジン始動が禁止されるようにしてもよいし、リンプホームモードに移行するようにしてもよい。
リンプホームモードでは、エンジンは始動できるが、エンジン出力が制限される。
なお、ステップ(S9)への移行は、キースイッチ(1)のスタータモータ駆動位置(8)へのキー投入後、回転センサ(4)の出力が検出されず、クランキング時の振動によるラックセンサ(6)の出力変動も検出されない場合に実施されるが、この移行条件は、両センサ(4)(6)は故障していないが、スタータモータ(3)が故障している場合にも成立する。このため、ステップ(S9)では、両センサ(4)(6)の同時故障とスタータモータ(3)の故障のいずれかである旨の判定を行い、ステップ(S10)では、両センサ(4)(6)の同時故障とスタータモータ(3)の故障のいずれかである旨の故障情報を報知するようにしてもよい。
(1) キースイッチ
(2) バッテリ
(3) スタータモータ
(4) 回転センサ
(5) 燃料噴射ポンプ
(5a) 燃料調量ラック
(6) ラックセンサ
(7) 故障判定装置
(8) スタータモータ駆動位置
(S4) ラックセンサの故障が判定
(S7) 回転センサの故障が判定

Claims (3)

  1. キースイッチ(1)と、このキースイッチ(1)を介してバッテリ(2)に連携されたスタータモータ(3)と、エンジン回転を検出する回転センサ(4)と、燃料噴射ポンプ(5)の燃料調量ラック(5a)のラック位置を検出するラックセンサ(6)と、キースイッチ(1)と回転センサ(4)とラックセンサ(6)とが連携された故障判定装置(7)とを備え、
    キースイッチ(1)のスタータモータ駆動位置(8)へのキー投入後、回転センサ(4)の出力は検出されたが、クランキング時の振動によるラックセンサ(6)の出力変動が検出されないことに基づいて、故障判定装置(7)によりラックセンサ(6)の故障が判定(S4)されるように構成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
  2. 請求項1に記載されたディーゼルエンジンにおいて、
    キースイッチ(1)のスタータモータ駆動位置(8)へのキー投入後、回転センサ(4)の出力は検出されないが、クランキング時の振動によるラックセンサ(6)の出力変動が検出されたことに基づいて、故障判定装置(7)により回転センサ(4)の故障が判定(S7)されるように構成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
  3. キースイッチ(1)と、このキースイッチ(1)を介してバッテリ(2)に連携されたスタータモータ(3)と、エンジン回転を検出する回転センサ(4)と、燃料噴射ポンプ(5)の燃料調量ラック(5a)のラック位置を検出するラックセンサ(6)と、キースイッチ(1)と回転センサ(4)とラックセンサ(6)とが連携された故障判定装置(7)とを備え、
    キースイッチ(1)のスタータモータ駆動位置(8)へのキー投入後、回転センサ(4)の出力は検出されないが、クランキング時の振動によるラックセンサ(6)の出力変動が検出されたことに基づいて、故障判定装置(7)により回転センサ(4)の故障が判定(S7)されるように構成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
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