JP5878058B2 - 分散電源蓄電システム - Google Patents

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Description

本発明は、分散電源蓄電システムに係り、特に太陽電池、風力発電装置などの分散電源からの激しく電力量が変動する発電電力を、インバータを介して組電池に充電し、この組電池からインバータを介して放電を行わせて負荷に供給する分散電源蓄電システムの均等充電方法に関する。
従来、風力や太陽光などを利用した自然エネルギーを発電のエネルギー源とした分散電源蓄電システムでは、発電量の変動を鉛蓄電池などの蓄電池を直列接続あるいは並列接続した組電池からの充放電によって平滑化する方法がとられている。
例えば、突発的な風や急激な太陽からの照射によって急激に上昇する発電量を吸収するために、複数の蓄電池(セル)からなる組電池は通常PSOC(部分充電状態:Partial State of Charge)で運用されている。しかし、鉛蓄電池は慢性的な充電不足の状態で充放電を繰り返すと溶解析出反応で負極に放電物質である硫酸鉛の結晶が成長・粗大化し、可逆性が失われるサルフェーションと言われる状態が進行しやすくなるため、月に1〜4回程度、組電池を構成するすべての鉛蓄電池の充電状態が満充電状態となるように、通常の充電電圧よりも高い電圧で一定期間、強制充電する均等充電が行われている。
この均等充電を行うことにより、負極のサルフェーションの進行を遅らせ、さらに微妙に充電状態の異なる蓄電池を満充電状態に均一化することができるので有効である。均等充電においては、一般的に定電流充電(第1段目)及び定電圧充電(第2段目)の2段充電(CC[Constant Current]−CV[Constant Voltage])、あるいは、第1定電流充電、第2定電流充電及び定電圧充電の3段充電(CC−CC−CV)が行われている。
より具体的には、3段充電の場合、第1段目の第1定電流充電(CC)では比較的大きい0.2〜0.4CA程度の充電率で充電され、第1の設定電圧VS1に達した時点で第2定電流充電(CC)に移行する。
第2段目の第2定電流充電(CC)は1段目より小さい電流0.1〜0.2CA程度の充電率で第2設定電圧VS2(>VS1)まで充電し、第3段目の定電圧充電(CV)は、第1や第2の設定電圧VS1、VS2より大きい所定の電圧に達しないよう所定の一定時間行われる。
一方、分散電源蓄電システムにおける自然エネルギーの発電量は、風力の場合は風速、太陽光の場合は天候による日照時間などによって日毎に大きく変動することから、充放電が行われない停止期間が数日〜数週間に渡って続くことが頻繁に起こる。冬場の気温の低い時期に停止状態が長期に及ぶと、蓄電池温度の低下に加え、負極サルフェーションの進行に伴い充電効率は低下し、均等充電を行っても実質的な充電量に関し、期待する効果を十分に得ることができなかった。
これに対し、蓄電池の低温時におけるストレスを軽減して、最適な充電を行い、電池の劣化状態を防止するために、充電回路において、蓄電池の温度を検出する電池温度検出手段と、検出された電池温度が予め定めた温度以下のときは上記充電電流を上記設定レベルより小レベルに切り換える電流切換手段とを備えたこと、が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−049184号公報
しかしながら、上記発明は、電池の温度のみを検出して充電条件を適用するものであって、本発明のように複数の蓄電池を直列又は並列に接続し組電池を備えた分散電源が置かれる自然環境下では、温度に加え停止期間をも考慮する必要があり、これら温度と停止期間を組み合わせた様々なケースには対応することができなかった。特に、気温が低く停止状態が長期の場合には、直後に均等充電を実施すると、鉛蓄電池内の負極の分極によって電圧の立ち上がりが早く、比較的短時間で第2段目、第3段目の充電に移行してしまうため電池の充電効率が低く十分な充電量が得られないという問題があった。また、均等充電は、通常の充電電圧よりも高い電圧を設定していて、第1段目の充電電流は大きくなるため、負極の分極は大きくなってより早期に次の電圧に移行してしまっていた。
そこで、本発明の目的は、分散電源蓄電システムにおいて均等充電を行う場合に、気温や停止期間に応じて、充電効率を高くして、十分な充電量を得ることが可能な分散電源蓄電システムを提供することにある。
本発明の第1態様は、鉛蓄電池を直列もしくは並列に接続した組電池と、発電電力が不定期に変化する分散電源から供給された電力の電力変換を行い前記組電池に充電するとともに、充電電力を負荷に対して供給すべく放電を行うインバータと、前記組電池を構成する鉛蓄電池の平均蓄電池温度及び前回の充電あるいは放電から現在に至る電池の停止期間を計測する計測部と、前記計測部の計測結果に基づいて、前記組電池に対して均等充電を行うに際し、前記均等充電の第1段目の充電電流値に乗じる充電電流補正値係数η(0<η<1.00)を設定し、前記充電電流値を補正すべく前記インバータの制御を行う制御部と、を備えた分散電源蓄電システムであることを特徴とする。
上記構成によれば、インバータは、発電電力が不定期に変化する分散電源から供給された電力の電力変換を行い組電池に充電するとともに、この組電池から充電電力を負荷に対して供給すべく放電を行う。
これと並行して計測部は、組電池を構成する鉛蓄電池の平均蓄電池温度及び前回の充電あるいは放電から現在に至る電池の停止期間を計測する。この結果、制御部は、計測部の計測結果に基づいて、組電池に対して複数段の充電過程で構成された均等充電を行う第1段目の充電過程における充電電流値に乗じる充電電流補正係数η(0<η<1.00)を設定し、充電電流値を補正すべくインバータの制御を行う。
これによれば、平均蓄電池温度だけではなく、さらに停止期間をも考慮して、いろいろなケースに対応して均等充電を制御するため、効率の良い均等充電を行うことができる。
本発明の第2態様は、第1態様において、前記制御部は、(A)前記平均蓄電池温度が所定温度以上である場合、あるいは(B)前記均等充電の第1段目の充電過程における充電電流値に充電電流補正係数ηによる補正を行う時間(実充電時間)が、充電電流補正係数ηを用いた充電時間の最大許容値に相当する所定の時間(基準充電時間)以上である場合に、前記充電電流補正係数ηを乗じるのを止め、その後補正を行わない通常の第1段目の充電電流値に戻して均等充電を行うことを特徴とする。
上記構成(A)によれば、通常の均等充電に先立って所定温度まで組電池の内部温度を上昇させることができ、充電中の端子電圧の急激な上昇などが発生せず、高率の良い均等充電を行うことができる。また、上記構成(B)によれば、通常の均等充電に先立って一定時間充電することで、組電池の内部温度を上昇させることができ、充電中の端子電圧の急激な上昇などが発生せず、効率の良い均等充電を行うことができる。
本発明の第3態様は、第2態様において、前記制御部は、前記充電電流補正係数ηを乗じて充電電流の補正を行っている充電中に前記停止期間が含まれる場合、停止期間(日)が前記実充電時間(時)の所定倍に達した時に、前記実充電時間が前記基準充電時間以上であるか否かを判別し、実充電時間が所定の基準充電時間以上でない場合には、前記充電電流補正係数ηにより補正する充電を継続し、また、実充電時間が所定の基準充電時間以上である場合には、前記充電電流補正係数ηによる補正を行わない通常の均等充電を行うことを特徴とする。
上記構成によれば、充電電流補正のための充電中に停止期間が含まれるような特殊な場合においても、充電電流補正係数ηを乗じて充電を行う時間が必要以上に長くなることがなく、効率的に通常の均等充電に移行して、均等充電を行える。
本発明の第4態様は、第2態様又は第3態様において、前記制御部は、平均蓄電池温度が所定値より、低く停止期間が所定期間以上であると判断した時に、前記基準充電時間を0.5〜1.0hrとすることを特徴とする。
上記構成によれば、充電電流補正係数ηを乗じて充電を行う時間が必要以上に長くなることがなく、効率の良い均等充電を行うことができる。
本発明によれば、気温が低く、蓄電池の温度が低い冬場でも組電池の内部温度を徐々に上昇させ、電池の充電効率を高めることによって、効率的な均等充電が行える。
また、均等充電を行った場合、充電効果が向上し、負極サルフェーションを抑制して、蓄電池性能を十分に生かすことができる。
実施形態の分散電源蓄電システムの構成概要を示すブロック図である。 組電池の基本構成の説明図であり、(a)は正面図、(b)はA−A線に沿った断面図である。 実施形態の制御部の処理フローチャートである。 別の実施形態の制御部の処理フローチャートである。 充電電流補正係数ηの設定処理フローチャートである。 風力発電装置と、太陽光発電装置と、を組み合わせたハイブリッド型の分散電源蓄電システムのブロック図である。 他のハイブリッド型の分散電源蓄電システムのブロック図である。
次に、本発明に係る分散電源蓄電システムの均等充電について、好適な実施の形態を、図面を参照して説明する。
なお、以下に記載される実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの形態にのみ限定するものではない。
図1は、実施形態の分散電源蓄電システムの構成概要を示すブロック図である。
分散電源蓄電システム10は、風力発電装置あるいは太陽光発電装置などの発電量が時間によって変動する電源である分散電源11と、複数の鉛蓄電池が直列あるいは並列に接続された組電池12と、組電池12からの電力の供給を受けて動作する負荷13と、分散電源11から供給された電力を変換して組電池12に蓄えるとともに、組電池12からの電力を変換して負荷13に供給する双方向インバータ14と、組電池12を構成する鉛蓄電池の平均蓄電池温度及び組電池12について前回の充電あるいは放電から、充放電を行っていない停止期間を計測する計測部15と、計測部15の計測結果に基づいて組電池12を充電する際の充電電流を補正する充電電流補正係数η(0<η<1.00)を設定する制御部16と、を備えている。
図2は、組電池の基本構成の説明図である。
図2において、図示の簡略化のため、電池の電気的接続については図示を省略している。図2(a)は、組電池の正面図であり、図2(b)は、図2(a)のA−A断面矢視図である。
組電池12は、負極端子TM及び正極端子TPを有する鉛蓄電池BTRが複数セル(図2(a)では、6セル)ラックLC内に収納されており、隣接して収納された二つの鉛蓄電池BTRの間の隙間SPには、図2(b)に示すように、個々の鉛蓄電池BTRの温度を計測する熱電対などの温度センサTSが電槽側面に接続して配置され、その表面は断熱材SIに覆われている。そして、組電池12を構成する個々の鉛蓄電池BTRの蓄電池温度の平均を平均蓄電池温度としている。この場合において、温度センサTSは、最も安定して温度が計測できるように、鉛蓄電池BTRの側面のほぼ中央位置に配置されている。また、温度センサTSは鉛蓄電池BTR間に配置することが好ましいため、図面中組電池12の左端から数えて6セル目に取り付けるときは、5セル目に取り付けた温度センサTSと干渉しないよう、多少位置をずらして配置することとする。
本実施形態においては、一般的な手法と同様に、鉛蓄電池BTRの温度を計測する温度センサTSを鉛蓄電池BTRの側面に設けているが、負極でガス吸収反応が行われる制御弁式の鉛蓄電池の場合は、負極端子TMの温度を計測することでより内部温度に近い値で制御できる。制御弁式鉛蓄電池の負極では、充電中に水の電気分解によって発生する酸素ガスを極板表面での化学反応により元の水に還元するガス吸収が行われるため温度が上昇しやすく、蓄電池側面の温度よりも真の蓄電池温度に近い値が得られるからである。
次に、動作概要を説明する。
分散電源蓄電システム10の分散電源11は、風量や太陽光量が所定値以上となると発電を行い、発電電力を双方向インバータ14に供給する。
これにより双方向インバータ14は、AC/DC変換を行って組電池12に発電電力を供給するとともに、DC/AC変換を行って、組電池12からの電力を負荷13に供給する。
このとき、計測部15は、組電池12を構成する鉛蓄電池BTRの平均蓄電池温度及び組電池12について前回の充電あるいは放電から、放電又は充電を行っていない停止期間を計測する。
この鉛蓄電池BTRの平均蓄電池温度及び停止期間に基づいて制御部16は、組電池12を充電する際の充電電流を補正する充電電流補正係数η(0<η<1.00)を設定する。
これにより、双方向インバータ14は、鉛蓄電池BTRの平均蓄電池温度が所定の基準温度以上である場合、あるいは、実際の組電池12への均等充電の第1段目の充電電流値に前記充電電流補正係数ηを補正する時間(実充電時間)が所定の基準充電時間以上である場合に、充電電流補正係数ηによる補正を終了し、通常の均等充電に移行することとなる。
これらの結果、充電電流補正値ηによる補正を行わない場合と比較して、実効的に組電池12の均等充電が効率良く行えることとなる。
(実施形態1)
図3は、実施形態の制御部の処理フローチャートである。
このフローチャートでは、充電電流補正係数ηを乗じるのを止め、その後補正を行わない通常の第1段目の充電電流値に戻して均等充電を行うための条件として、(A)平均蓄電池温度が所定温度以上である場合、(B)均等充電の第1段目の充電過程における充電電流値に前記充電電流補正係数ηによる補正を行う時間(実充電時間)が、充電電流補正係数ηを用いた充電時間の最大許容値に相当する所定の時間(基準充電時間)以上である場合において、(A)あるいは、(B)のどちらかの場合を設定している。
まず、制御部16は、計測部15を制御し、組電池12を構成する鉛蓄電池BTRの平均蓄電池温度の計測を行わせ、続いて前記平均蓄電池温度BTが所定の基準温度BTref(例えば、20℃)以上であるか否かを判別する(ステップS1)。
ステップS1の判別において、計測部15により計測された組電池12を構成する鉛蓄電池BTRの平均蓄電池温度BTが所定の基準温度BTref(例えば、20℃)以上である場合には(ステップS1;Yes)、制御部16は、最後に組電池12を充電あるいは放電させてから現時点までの停止期間(充放電を行っていなかった期間)の計測を行わせ、前記停止期間が所定期間内であるか否かを判別する(ステップS3)
一方、ステップS1の判別において、計測部15により計測された組電池12を構成する鉛蓄電池BTRの平均蓄電池温度BTが所定の基準温度BTref(例えば、20℃)未満である場合には(ステップS1;No)、制御部16は、最後に組電池12を充電あるいは放電させてから現時点までの停止期間(充放電を行っていなかった期間)の計測を行わせる(ステップS2)。
ステップS3の判別において、前記停止期間が所定期間内である場合には(ステップS3;Yes)、通常の均等充電に移行させる(ステップS10)。
一方、ステップS3の判別において、前記停止期間が所定期間内でない場合には(ステップS3;No)、ステップS2の後に移行し、制御部16は、前記平均蓄電池温度及び前記停止期間に基づいて充電電流補正係数ηを設定する(ステップS4)。
次に制御部16は、最後に組電池12を充電あるいは放電させてから現時点までの停止期間(充放電を行っていなかった期間)の計測を行わせる(ステップS2)。
次に制御部16は、前記平均蓄電池温度及び前記停止期間に基づいて充電電流補正係数ηを設定する(ステップS4)。
ここで、充電電流補正係数ηの設定処理について説明する。
本実施形態においては、分散電源蓄電システムでの計測部によって計測した平均蓄電池温度、及び最後の充電又は放電が行われてから、放電又は充電が行われていなかった期間である停止期間をパラメータとして、均等充電の第1段目の定電流充電(CC)の充電電流値に充電電流補正係数η(<1.00)を乗じて、低い電流値で充電を開始し、平均蓄電池温度を上昇させてから、充電電流補正を行わない通常の均等充電を行うことで、分極による短時間での電圧上昇を防ぎ、高い充電効率で均等充電が行える。
本実施形態では、充電電流補正係数ηを乗算する時間は0.5〜1.0hr程度とした。また、蓄電池内部の正確な温度は把握し難いため、充電電流補正係数ηの値は慎重に設定する必要があり、前記充電電流補正係数ηを乗算した時の電流値は、0.001〜0.15CA程度が好ましく、特に気温が低い場合は0.03〜0.05CA程度の微弱電流になるような係数の設定が有効である。
次に制御部16は、設定した充電電流補正係数ηを用いた充電を開始する(ステップS5)。すなわち、補正を行わない場合の電流値をInormとすると、実際の充電電流Iprを、Ipr=η×Inorm、として、充電を行うこととなる。
次に制御部16は、計測部15を制御し、再度組電池12を構成する鉛蓄電池BTRの平均蓄電池温度の計測を行わせ、前記平均蓄電池温度BTが所定の基準温度BTref(例えば、20℃)以上であるか否かを判別する(ステップS7)。
ステップS7の判別において、計測部15により計測された組電池12を構成する鉛蓄電池BTRの平均蓄電池温度BTが所定の基準温度BTref未満である場合には(ステップS7;No)、制御部16は、計測部15を制御し、組電池12を構成する鉛蓄電池BTRに対する前記均等充電の第1段目の充電過程における充電電流値に前記充電電流補正係数ηによる補正を行う時間(実充電時間TCH)の計測を行わせ、前記実充電時間TCHが、充電電流補正係数ηを用いた充電時間の最大許容値に相当する所定の時間(基準充電時間TCH,ref)以上であるか否かを判別する(ステップS9)
一方、ステップS7の判別において、計測部15により計測された組電池12を構成する鉛蓄電池BTRの平均蓄電池温度BTが所定の基準温度BTref以上である場合には(ステップS7;Yes)、通常の均等充電に移行させる(ステップS10)。
ステップS9の判別において、計測部15により計測された組電池12を構成する鉛蓄電池BTRに対する実充電時間TCHが所定の基準充電時間TCH,ref未満である場合には(ステップS9;No)、いまだ通常の均等充電に移行させると、分極による短時間での電池電圧の上昇を招き、充電効率の低下を招くため、処理を再びステップS5の後に移行して、以下、同様の処理を繰り返し、平均蓄電池温度が十分に高くなるまで、充電電流の補正を継続することとなる。
一方、ステップS9の判別において、計測部15により計測された組電池12を構成する鉛蓄電池BTRに対する実充電時間TCHが所定の基準充電時間TCH,ref以上である場合には(ステップS9;Yes)、通常の均等充電に移行させる(ステップS10)。
(実施形態2)
図4は、さらに別の実施形態の制御部の処理フローチャートである。
このフローチャートでは、実施形態1または2のフローチャートにおいて、充電電流補正係数ηを乗じて充電電流の補正を行っている充電中に停止期間が含まれる場合の対処の仕方を説明している。
なお、ステップS1〜ステップS5までは、実施形態1、2と同じであるため、ステップ6以降について、説明する。
制御部16は、充電電流補正を行っている最中に、分散電源蓄電システムとして稼動してからの停止期間があるか否かを判別する(ステップS6)
ステップS6の判別において、停止期間がない場合には(ステップS6;No)、制御部16は、計測部15により計測された組電池12を構成する鉛蓄電池BTRの平均蓄電池温度BTが所定の基準温度BTref(例えば、20℃)以上であるか否かを判別する(ステップS7)。
ステップS6の判別において、停止期間がある場合には(ステップS6;Yes)、いまだ通常の均等充電に移行させると、分極による短時間での電池電圧の上昇を招き、充電効率の低下を招くため、最後に組電池12を充電してから現時点までの停止期間を均等充電の第1段目の充電電流値に前記充電電流補正係数ηによる補正を行う時間である実充電時間TCHで割った値が2以下であるか否かを判別する(ステップS8)。
なお、ここで、停止期間における単位は日であり、また、実充電時間における単位は時間としている。
ステップS7の判別において、計測部15により計測された組電池12を構成する鉛蓄電池BTRの平均蓄電池温度BTが所定の基準温度BTref未満である場合には(ステップS7;No)、制御部16は、計測部15を制御し、組電池12を構成する鉛蓄電池BTRに対する前記均等充電の第1段目の充電過程における充電電流値に前記充電電流補正係数ηによる補正を行う時間(実充電時間TCH)の計測を行わせ、前記実充電時間TCHが、充電電流補正係数ηを用いた充電時間の最大許容値に相当する所定の時間(基準充電時間TCH,ref)以上であるか否かを判別する(ステップS9)
一方、ステップS7の判別において、前記平均蓄電池温度BTが所定の基準温度BTref以上である場合には(ステップS7;Yes)、通常の均等充電に移行させる(ステップS10)。
ステップS8を設定した理由は、実充電時間TCH(時)が停止期間(日)の半分、すなわち1/2以上となった場合には、充電電流補正係数ηを用いた充電期間が長くなり過ぎるおそれがあるからである。
このため、ステップS8の判別において、最後に組電池12を充電させてから現時点までの停止期間を、実充電時間TCHで割った値が2以下である場合には(ステップS8;Yes)、制御部16は、実充電時間TCHが充電電流補正係数ηを用いた充電時間の最大許容値に相当する基準充電時間TCH,ref(例えば、1hr)以上であるか否かを判別する(ステップS9)。
一方、ステップS8の判別において、最後に組電池12を充電あるいは放電させてから現時点までの停止期間を、実充電時間TCHで割った値が2以上である場合には(ステップS8;No)、処理を再びステップS5の後に移行して、以下、同様の処理を繰り返し、平均蓄電池温度が高くなり、あるいは実充電時間が十分に長くなるまで、充電電流の補正を継続することとなる。
ステップS9の判別において、実充電時間TCHが基準充電時間TCH,ref未満である場合には(ステップS9;No)、処理を再びステップS5の後に移行して、以下、同様の処理を繰り返し、平均蓄電池温度が高くなり、あるいは実充電時間が十分に長くなるまで、充電電流の補正を継続することとなる。
一方、ステップS9の判別において、実充電時間TCHが基準充電時間TCH,ref以上である場合には(ステップS9;Yes)、充電電流補正係数ηを用いた充電期間が長くなり過ぎるので、充電電流補正係数ηを用いた充電を中断し、通常の均等充電に移行する(ステップS10)。
図5は、充電電流補正係数ηの設定処理フローチャートである。
なお、ここでは、平均蓄電池温度を3段階(10℃未満、10℃以上20℃未満、20℃以上)に、また停止期間を2段階(3日未満、3日以上)の組合せでA〜Fの6通りのケースを示した。
が、これに限らず温度や停止期間をより多くの段階に分けて管理することで、より細かい制御が可能である。例えば、平均蓄電池温度と停止期間の関係を表すグラフを作成し、ここから得られた関係曲線から、その都度適当な充電電流補正係数ηを割り出すことができるようにしても良い。ただし、充電分極に与える影響は温度>停止期間のため、充電電流補正係数ηの値は、このことを考慮して決定することとなる。
まず制御部16は、計測部15の計測結果に基づいて、平均蓄電池温度が20℃以下であるか否かを判別する(ステップS11)。
ステップS11の判別において、平均蓄電池温度が20℃未満である場合には(ステップS11;Yes)、制御部16は、計測部15の計測結果に基づいて、平均蓄電池温度が20℃未満、かつ、10℃以上であるか否かを判別する(ステップS12)。
ステップS12の判別において、平均蓄電池温度が10℃未満である場合には(ステップS12;No)、制御部16は、最後に組電池12を充電あるいは放電させてから現時点までの停止期間(充放電を行っていなかった期間)が3日以上であるか否かを判別する(ステップS13)。
[ケースA]
ステップS13の判別において停止期間が3日以上である場合には(ステップS13;Yes)、制御部16は、組電池12の温度が低く、さらに、停止期間が長かったため、直ちに均等充電を行ったのでは、十分に均等充電を行えないおそれがあるので、通常の均等充電に先立って、十分に充電電流を減らして充電を行い、分極による短時間での電池電圧の上昇を抑制し、高い充電効率で均等充電を行うべく、充電電流補正係数η=0.15に設定する(ステップS14)。この結果、充電電流は補正を行わない場合の0.15倍(15%)とされ、ゆっくりと組電池12を構成する鉛蓄電池BTRの温度を上昇させた後に、通常の均等充電に移行させることができる。
[ケースB]
また、ステップS13の判別において、停止期間が3日以上でない場合には(ステップS13;No)、制御部16は、組電池12の温度が低いため、直ちに均等充電を行ったのでは、十分に均等充電を行えないおそれがあるが、一方、停止期間が短かったため、ケースAの場合よりはその程度が低いため、通常の均等充電に先立って、充電電流を減らして充電を行い、分極による短時間での電池電圧の上昇を抑制し、高い充電効率で均等充電を行うべく、充電電流補正係数η=0.20に設定する(ステップS15)。この結果、充電電流は補正を行わない場合の0.20倍(20%)とされる。
また、ステップS12の判別において、平均蓄電池温度が20℃未満、かつ、10℃以上である場合には(ステップS12;Yes)、制御部16は、最後に組電池12を充電あるいは放電させてから現時点までの停止期間(充放電を行っていなかった期間)が3日以上であるか否かを判別する(ステップS16)。
[ケースC]
ステップS16の判別において停止期間が3日以上である場合には(ステップS16;Yes)、制御部16は、組電池12の温度がケースAやケースBの場合と比較してやや高いため、直ちに均等充電を行ったのでは、十分に均等充電を行えない程度は少ないが、一方停止期間が長いことを考慮して、通常の均等充電に先立って、充電電流を減らして充電を行い、分極による短時間での電池電圧の上昇を抑制し、高い充電効率で均等充電を行うべく、充電電流補正係数η=0.40に設定し(ステップS17)、充電電流は補正を行わない場合の0.40倍(40%)とする。これにより、ややゆっくりと組電池12を構成する鉛蓄電池の温度を上昇させた後に、通常の均等充電に移行させることができる。
[ケースD]
また、ステップS16の判別において、停止期間が3日以上でない場合には(ステップS16;No)、制御部16は、組電池12の温度はやや高く、停止期間も短かったため、直ちに均等充電を行うことはできないが、充電電流を減らして充電を行い、分極による短時間での電池電圧の上昇を抑制し、高い充電効率で均等充電を行うべく、充電電流補正係数η=0.60に設定する(ステップS18)。この結果、充電電流は補正を行わない場合の0.60倍(60%)とされ、ややゆっくりと充電がなされる。
[ケースE]
ステップS11の判別において、平均蓄電池温度が20℃以上である場合には(ステップS11;No)、制御部16は、最後に組電池12を充電あるいは放電させてから現時点までの停止期間(充放電を行っていなかった期間)が3日以上であるか否かを判別する(ステップS19)。
ここで、停止期間が3日以上である場合には(ステップS19;Yes)、制御部16は、組電池12の温度は十分であるが、停止期間が長かったため、直ちに均等充電を行ったのでは、十分に均等充電を行えないおそれがあるため、通常の均等充電に先立って、充電電流を減らして充電を行い、分極による短時間での電池電圧の上昇を抑制し、高い充電効率で均等充電を行うべく、充電電流補正係数η=0.75に設定する(ステップS20)。この結果、充電電流は補正を行わない場合の0.75倍(75%)とされる。
[ケースF]
ステップS19の判別において停止期間が3日以上でない場合には(ステップS19;No)、制御部16は、充電電流補正係数η=1に設定し、実効的に充電電流補正を行わないこととする(ステップS21)。これは、最後に組電池12を充電あるいは放電させてから現時点までの停止期間が3日以内であり、平均蓄電池温度が20℃以上であれば、直ちに通常の均等充電を行っても十分に均等充電が行えるからである。
以上の説明のように、本実施形態によれば、気温が低く、組電池を構成している鉛蓄電池の温度が低い冬場でも組電池の内部温度を徐々に上昇させ、鉛蓄電池の充電効率を高めることによって、効率的な均等充電が行える。
また、均等充電を行った場合、効果が向上し、負極サルフェーションを抑制して、蓄電池性能を十分に生かすことができる。
以上の実施形態は、一つの分散電源に対して、一組のインバータ及び組電池を有する分散電源蓄電システムであったが、これに限らず、複数の分散電源を有するハイブリッド型の分散電源蓄電システムについても本発明の適用が可能である。
変形例を図6に示す。
図6は、分散電源として、風力発電装置と、太陽光発電装置と、を組み合わせたハイブリッド型の分散電源蓄電システムの構成概要を示すブロック図である。
分散電源蓄電システム10Aは、風力発電装置として構成された第1分散電源11Aと、太陽光発電装置として構成された第2分散電源11Bと、複数の鉛蓄電池が直列あるいは並列に接続された第1組電池12Aと、複数の鉛蓄電池が直列あるいは並列に接続された第2組電池12Bと、第1組電池12A及び第2組電池12Bからの電力の供給を受けて動作する負荷13と、第1分散電源11Aから供給された電力を変換して第1組電池12Aに蓄えるとともに、第1組電池12Aからの電力を変換して負荷13に供給する第1双方向インバータ14Aと、第1組電池12Aを構成する鉛蓄電池BTRの平均蓄電池温度及び第1組電池12Aについて前回の充電あるいは放電から、充放電を行っていない停止期間を計測する第1計測部15Aと、第1計測部15Aの計測結果に基づいて第1組電池12Aを充電する際の充電電流を補正する充電電流補正係数η(0<η<1.00)の設定及び各種制御を行う第1制御部16Aと、第2分散電源11Bから供給された電力を変換して第2組電池12Bに蓄えるとともに、第2組電池12Bからの電力を変換して負荷13に供給する第2双方向インバータ14Bと、第2組電池12Bを構成する鉛蓄電池BTRの平均蓄電池温度及び第2組電池12Bについて前回の充電あるいは放電から、充放電を行っていない停止期間を計測する第2計測部15Bと、第2計測部15Bの計測結果に基づいて第2組電池12Bを充電する際の充電電流を補正する充電電流補正係数η(0<η<1.00)の設定及び各種制御を行う第2制御部16Bと、を備えている。
本変形例の動作は、2系統の電源系統から、1系統の負荷に電力を供給する点を除き、各電源系統の動作は、実施形態1乃至2それぞれの実施形態と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
また、上記変形例は、一つの分散電源に対して、一組のインバータ及び組電池を有する分散電源蓄電システムであったが、二つの分散電源を有するハイブリッド型の分散電源蓄電システムにおいて、いずれかの分散電源の発電量が極端に少なく、その変動が支障にならない場合についても、本発明の適用は可能である。
その別の変形例を図7に示す。図7は、他のハイブリッド型の分散電源蓄電システムの概要構成ブロック図である。
分散電源蓄電システム10Bは、第1分散電源11Aと、第2分散電源11Bと、複数の鉛蓄電池が直列あるいは並列に接続された組電池12と、組電池12及び第2双方向インバータ14Bからの電力の供給を受けて動作する負荷13と、第1分散電源11Aから供給された電力を変換して組電池12に蓄えるとともに、組電池12からの電力を変換して負荷13に供給する双方向インバータ14Aと、組電池12を構成する鉛蓄電池BTRの平均蓄電池温度及び組電池12について前回の充電あるいは放電から、放電も充電も行っていない停止期間を計測する計測部15と、計測部15の計測結果に基づいて組電池12を充電する際の充電電流を補正する充電電流補正係数η(0<η<1.00)の設定及び各種制御を行う制御部16と、を備えている。
上記構成において、第1分散電源11Aの系統は、実施形態1乃至2それぞれの実施形態の動作と同様の動作を行うともに、第2分散電源11Bは、第2双方向インバータを介して、直接負荷13に電力を供給するようにされている。
本変形例においては、第2双方向インバータ14Bから供給される電力は第1双方向インバータ14A側から供給される電力に対して小さく、またその電力の変動量も少ないために、このような態様が可能となっている。
次に実施例について説明する。
表1は、分散電源蓄電システムの運用条件の一例を示すものである。
表1に示すように、組電池を構成する鉛蓄電池は、定格容量1,000Ah(10時間率)の蓄電池を156セル直列に接続したものを使用した。満充電状態から0.10CAの電流でSOC=60%まで放電した状態で、充電電流補正係数ηを前記均等充電の第1段目の充電電流値に乗じる効果をみるために、通常の均等充電を行うには厳しい条件、すなわち平均蓄電池温度が10℃未満、停止期間が3日以上の場合(後述する図5のケースAに相当)について、より具体的には、平均蓄電池温度5℃、停止期間=7日という条件で、充電電流補正係数ηを用いた均等充電及び通常の均等充電の効果を評価した。また、充電電流補正値ηを乗算する時間を検討した。
Figure 0005878058
表2は、その第1段目の定電流充電電流に充電電流補正係数ηを乗算するベースとなる通常の均等充電の条件の一例を示すものである。
図2において、均等充電は、3段充電を行っており、第1段目の定電流充電は、充電率0.20CA、電圧2.5V/セルとして組電池電圧が390Vとなるまで充電を行う。
次に第2段目の定電流充電は、充電率0.15CA、電圧2.5V/セルとして組電池電圧が390Vとなるまで行う。
さらに第3段目の定電圧充電は、電圧2.5V/セルで所定時間(表2では、3.0hr)行うこととなる。
Figure 0005878058
表3は、充電電流補正係数ηを均等充電の第1段目の充電電流値に乗じる効果を確認するため、また、充電電流補正係数ηの乗算時間の効果を確認するための試験例を示す表である。
なお、本試験例では、制御部により平均蓄電池温度、続いて停止期間を計測し、ここで得られた5℃、7日という値から、充電電流補正係数ηを設定し、補正された充電電流値での充電を開始した。ここでは、表中に示すη乗算で電池温度が上昇するまで充電し、その後、実充電時間の判別に切り換えた場合の試験データであり、これではη乗算が小さい場合には時間がかかり過ぎるため、さらに検討した結果、好ましい時間を検出することができたものである。η乗算が終了した後は、表2に示す条件の下で均等充電を完了し、その後、充電量と蓄電容量(10時間率の組電池容量)を確認した。
ここで、表1の試験条件、表2の充電条件の下で、充電電流補正係数ηを充電電流値に乗じた均等充電の場合(t=0.25〜2.00hr)を試験例1〜4として、充電電流補正係数ηを充電電流値に乗じなかった通常の均等充電の場合を比較例1として、その充電量と、蓄電容量を比較した。また、効果を確認するための参考例として、通常の均等充電を行う条件、すなわち平均蓄電池温度が20℃以上、停止期間が3日より短い場合(後述する図5のケースFに相当)を参考例として示した。
表3に示すように、充電電流補正係数η=0.15を充電電流に乗じて充電電流を補正した際の充電量は、充電電流の補正を行わない比較例1と比較して約6〜49%向上し、蓄電池容量は約2〜14%高い値を確認した。
これは均等充電の第1段目の充電電流値に充電電流補正係数η=0.15を充電電流に乗じたことによって、第1段目の定電流充電における電池電圧の急激な立ち上がりをなくし、充電開始から短時間のうちに第2段目の定電流充電へ移行するのを回避できた結果である。なお、ここではCC−CC−CVの3段充電を行ったが、CC−CVの2段充電でもほぼ同様の効果が得られた。
Figure 0005878058
これらの結果から分散電源蓄電システム10を導入し、平均蓄電池温度が低く効率的な充電が行えないような蓄電池環境においても、高効率に充電することが可能以上である。
この結果、均等充電を確実に行うことができ、従来の分散電源蓄電システムと比較して、慢性的な充電不足の状態で組電池を動作させることがないため、組電池を構成する鉛蓄電池の負極サルフェーションによる劣化を抑えることが期待できる。
また、充電電流補正係数ηを均等充電の第1段目の充電電流値に乗じて補正を行う時間の範囲を決定するために、上記分散電源蓄電システム10の制御部16により充電電流補正係数ηを充電電流値に乗じる時間(η乗算時間)t=0.25〜2.00hrの範囲で変更して、充電量と蓄電容量への効果を確認した。
上記表3に示すように、試験例1のη乗算時間t=0.25hrでは、まだ組電池の内部温度が低いため期待する効果が小さく、蓄電容量は定格容量より約10%小さい900Ah程度であった。また、試験例2〜4のようにη乗算時間t=0.50hr以上とすることで、充電量は約420Ahにまで上昇し、蓄電容量も定格容量以上を示していることが分かる。しかし、t=2.00hrとしても充電量及び蓄電容量ともt=1.00hrの場合と変わらないが、分散電源の場合は、充電時間が長くなると変動抑制運転などへの支障をきたすために、試験例2〜3のようにη乗算時間はt=0.50〜1.00hrが好ましい。
また、上記試験例では、実充電時間がこの基準充電時間以上である時点で通常の均等充電に戻す例を説明したが、基準温度として20℃を設定し、平均蓄電池温度が20℃以上である時点で通常の均等充電に戻した場合においても、組電池の容量は、定格容量以上の値を示し、同様の効果が得られた。
次に、図5に示す充電電流補正係数ηの設定処理フローチャートに対して、各[ケースA]〜[ケースF]に相当する場合の条件で、η乗算が及ぼす均等充電の効果を検証した。
なお、本実施例では、制御部により平均蓄電池温度、続いて停止期間を計測し、それぞれの条件に合う形で、充電電流補正係数ηを設定し、補正された充電電流値での充電を開始した。また、制御部では、基準実充電時間として1.00hrの時間を設定しておき、実充電時間がこの基準充電時間以上である時点で通常の均等充電に戻し、その後は表2に示す充電条件の下で充電を完了した。その後、充電量と蓄電容量を確認した。
平均蓄電池温度及び停止期間の異なる例として、表4に示すように充電電流補正係数η=0.15、0.20、0.40、0.60、0.75の場合をそれぞれ試験例A、B、C、D、Eとして充電量及び蓄電容量を確認した。この場合において、η乗算時間t=1.00hとした。また、試験例A〜Eとそれぞれ同じ条件で放置した後で、充電電流補正係数ηを充電電流値に乗じずに直ちに通常の均等充電を実施した結果を比較例A〜Eとして、充電量と蓄電容量を比較した。また、平均蓄電池温度が20℃以上で、かつ停止期間が3日より短い場合を、参考例Fとして充電量及び蓄電容量を確認した。
この結果を、表4にη乗算が及ぼす均等充電への効果として示す。
Figure 0005878058
表4に示すように、充電電流補正係数ηを均等充電の第1段目の充電電流値に乗じた試験例A〜Eのいずれにおいても、充電量は400Ah以上を示し、蓄電容量も定格容量1000Ah以上を示していることが分かった。
一方、充電電流補正係数ηを充電電流値に乗じなかった比較例A〜Eにおいては、平均蓄電池温度が20℃の比較例Eは充電量も蓄電容量も参考例Fとほぼ同等の値を示していた。
また、平均蓄電池温度が低い、又は、放置期間の長い条件を含む比較例A、B、Cでは、充電量も蓄電容量も低く、試験例A、B、Cにおける充電電流補正係数ηを充電電流値に乗じた効果が顕著に表れている。
また、試験例Dは、試験例A、B、Cほどではないが、比較例Dより充電量も蓄電容量も高い値を示し、充電電流補正係数ηを充電電流に乗じた効果が現れている。
以上のことから、通常の均等充電に先だって、充電電流補正係数ηを均等充電の第1段目の充電電流値に乗じて充電を行った効果は特に低温で組電池(蓄電池)が放置された時に、効果が表れやすいことが分かった。
組電池(蓄電池)の特性や、分散電源蓄電システム(組電池)の設置場所によって図4の平均蓄電池温度や停止期間の条件を変更する必要があるが、通常の均等充電に先立って充電電流補正係数ηを均等充電の第1段目の充電電流に乗じた充電を行うことによって、その後の均等充電を効果的に行えることが分かった。
したがって、寒冷地などでも効率的な充電と負極のサルフェーションの抑制が期待でき、長期にわたって分散電源蓄電システムを信頼性高く、安定的に稼働させることができる。
10、10A、10B 分散電源蓄電システム
11 分散電源
11A 第1分散電源
11B 第2分散電源
12 組電池
12A 第1組電池
12B 第2組電池
13 負荷
14 双方向インバータ
14A 第1双方向インバータ
14B 第2双方向インバータ
15 計測部
15A 第1計測部
15B 第2計測部
16 制御部
16A 第1制御部
16B 第2制御部

Claims (4)

  1. 鉛蓄電池を直列もしくは並列に接続した組電池と、
    発電電力が不定期に変化する分散電源から供給された電力の電力変換を行い前記組電池に充電するとともに、充電電力を負荷に対して供給すべく放電を行うインバータと、
    前記組電池を構成する鉛蓄電池の平均蓄電池温度及び前回の充電あるいは放電から現在に至る電池の停止期間を計測する計測部と、
    前記計測部の計測結果に基づいて、前記組電池に対して均等充電を行うに際し、前記均等充電の充電電流値に乗じる充電電流補正係数η(0<η<1.00)を設定し、前記充電電流値を補正すべく前記インバータの制御を行う制御部と、
    を備えたことを特徴とする分散電源蓄電システム。
  2. 請求項1記載の分散電源蓄電システムにおいて、
    前記制御部は、前記平均蓄電池温度が所定温度以上である場合、あるいは前記均等充電の充電電流値に前記充電電流補正係数ηによる補正を行う時間(実充電時間)が、充電電流補正係数ηを用いた充電時間の最大許容値に相当する所定の時間(基準充電時間)以上である場合に、前記充電電流補正係数ηを乗じるのを止め、その後補正を行わない通常の充電電流値に戻して均等充電を行う、
    ことを特徴とする分散電源蓄電システム。
  3. 請求項2記載の分散電源蓄電システムにおいて、
    前記制御部は、前記充電電流補正係数ηを乗じて充電電流の補正を行っている充電中に停止期間が含まれる場合、
    前記停止期間が前記実充電時間の所定倍に達した時に、前記実充電時間が前記基準充電時間を以上であるか否かを判別し、
    実充電時間が所定の基準充電時間以上でない場合には、前記充電電流補正係数ηにより補正する充電を継続し、
    また、実充電時間が所定の基準充電時間以上である場合には、前記充電電流補正係数ηによる補正を行わない通常の均等充電を行う、
    ことを特徴とする分散電源蓄電システム。
  4. 請求項2又は請求項3記載の分散電源蓄電システムにおいて、
    前記制御部は、平均蓄電池温度が所定値より低く、停止期間が所定期間以上であると判断した時に、前記基準充電時間を0.5〜1.0hrとすることを特徴とする分散電源蓄電システム。
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