JP5877391B1 - スパッタ付着防止剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のスパッタ付着防止剤は、高い入熱量で繰返される溶接条件下において、塗布膜にスパッタ粒らの溶着防止及び軟溶着化のために必要な性能を持続する能力が無い点である。それ故、入熱量の高い溶接条件下でも、塗布膜は被溶接金属部材から剥離すること無くスパッタ粒らへの対応を維持しなければならなく、かつ清掃除去行程においては塗布膜の剥離し易さが要求されるため、維持性と剥離性の相反する矛盾した性能を確保しなければならない。【解決手段】本発明によるスパッタ付着防止剤は、炭酸カルシウム粉体よりなる基材粉体と、金属または被溶接金属と同種金属粉末もしくは同種金属粉末と同種金属酸化物の混合粉末よりなる添加材を混合して作られた混合粉体に、混合液を加え混合攪拌することにより構成した。【選択図】 図3

Description

本発明は、金属構造物等の溶接作業時に発生し飛散する粒子状スパッタが被溶接金属材表面へ溶着することを防止及び軟溶着化させる事を目的としたスパッタ付着防止剤に関するものである。
金属構造物等、特に大型の金属構造物等の接合において溶接は不可欠な技術であるが、アーク溶接などの溶接作業中に粒子状の溶融金属粒のスパッタ(以下スパッタと記す)が発生し、被溶接金属部材の溶接線周辺に飛散し被溶接金属部材表面上に溶着する。これらのスパッタは大気中を飛散する溶融又は白熱状態の火花として飛散する途上で周辺の大気によって冷却されて固化した状態で被溶接金属部材表面上に落下するものと、十分に冷却されることなく未固化状態(溶融したままの状態もしくは半溶融状態)で被溶接金属部材表面上に落下するものと、が混在している。
金属製構造物の溶接で発生する概ね1.2mm以上の大きさのスパッタ粒が溶着した場合のスパッタ粒を除去するには、タガネで削り落とす以外の除去方法では困難であることは知られているが、スパッタ粒の被溶接金属部材表面上に対する溶着力は被溶接金属部材への溶け込み深さと溶着面積に依存する。溶け込み深さが深ければ完全に溶着してスパッタ粒は除去する時は平タガネを使用して切り落とし、さらに外観を美化する作業が生ずる。工具の選択と力の入れ方により差はあるが、溶け込み深さが浅い場合や溶け込みが深くとも溶着面積が小さければければ、粒の底部を専用の手工具で打撃することにより除去が可能な状態のものも有る。
十分に冷却されずに溶融状態で被溶接金属部材表面に落下したスパッタ粒らは被溶接金属部材の表面を融かし溶着するための十分な熱量を有しており、一方の被溶接金属部材は溶接で溶融されている部位の近傍以外はほぼ常温に近い状態にある。飛散して落下した高熱量のスパッタ粒は被溶接金属部材の表面に到達すると瞬時に接触部分を溶融し被溶接金属部材の表面に溶着する。そして被溶接金属部材に熱を奪い取られ冷却したスパッタ粒は、被溶接金属部材の表面に溶着粒として残置される。
これらの溶接線近傍に落下し被溶接金属部材の表面に溶着し固化したスパッタ粒らは、製品を塗装する場合に塗布面の平滑性不良を引起し、めっき処理の場合には仕上がりの外観の不良となる。これらの溶着したスパッタ粒らを起因とする表面性状の悪化は修正の必要な不具合となることが多い。
スパッタ粒らが溶着する状態は様々であり完全溶着と同様な溶着状態と不完全な軟溶着状態とが混在する。完全に溶着し固化した溶着面積の大きいスパッタ粒を除去するには、例えば平タガネの刃先を個々の溶着し固化したスパッタ粒の底に当てがい、この平タガネをハンマーで強打して削り落す除去作業が要求される。(図−4)固着したスパッタ粒を除去した後には被溶接金属部材の表面に除去痕が残り溶接後の金属構造物の外観上の美観を損なう場合が多く、除去痕が表面より上に大きく出ている場合や外観が悪い場合には平滑化する補修作業が必要となる。
通常作業では、軟溶着スパッタ粒ら又は完全溶着であっても完全溶着状態の溶着面積が小さいスパッタ粒らは手作業用の工具を使用すれば軽い力で除去できる。現状の完全溶着状態で溶着したスパッタ粒らの除去作業方法は、平タガネや専用工具の長い(60乃至80cm)柄付に巾6cm程度の焼入れした厚い刃先の付いたケレン棒を使用して底部を強く打撃する手法より除去している。
このような溶接作業の終了後に行われる被溶接金属部材に溶着したスパッタ粒らの除去及び清掃作業は金属構造物の組立された製品の形状は大きく複雑なものが多いため、現状では機械化が難しく手作業に依存せざるを得ない。スパッタ粒らの除去及び清掃作業は溶接作業においては多大な労力を必要とする工程であり、これに多大な時間を要する事が問題である。
この問題を解決するために、溶接作業に先立ち被溶接金属部材の溶接部に隣接する周辺部分に塗布材を塗布することによって、スパッタ粒らの被溶接金属部材の表面への溶着防止を目的とするスパッタ付着防止剤が種々提案されている。
例えば特許文献1ないし文献2に記載されているスパッタ付着防止剤はラッカータイプのもので有り、溶接作業に際しあらかじめ被溶接金属部材の溶接部周辺の表面上にスプレー等で塗布し、乾燥した塗布膜を形成し飛来するスパッタ粒らに対する障壁として作用させスパッタ粒らが被溶接金属部材に溶着することを防止するものである。現状で使用されているスパッタ付着防止剤は、ラッカータイプで提案されているものが多い。
ラッカータイプのスパッタ付着防止剤は高温の溶接熱環境のもとでは塗布膜の熱劣化(例えば熱蒸発)が顕著であるため、そのスパッタ粒らの付着防止効果を長時間に渡り持続させることは難しい。一回の塗布で形成された塗布膜では、複数回の大電流による溶接作業工程が終了するまでそのスパッタ付着防止効果を維持することは困難である。よって、被溶接金属部材の溶接部周辺の表面上に落下する相当量のスパッタ粒らは被溶接金属部材に溶着し、溶接工程の終了時には簡単に除去できない溶着したスパッタ粒らとして被溶接金属部材表面に残存してしまうという欠点がある。
従来のラッカータイプのスパッタ付着防止剤(特許文献1、文献2)は液体であり、溶接作業に先立ち噴霧器や刷毛等を用いて被溶接金属部材の溶接線に隣接する周辺部位表面に膜状に塗布し乾燥させることによりスパッタ付着防止膜を形成する。液体状のラッカータイプスパッタ付着防止剤は、塗布し易い点で有利であるが流動性が高いため厚く塗装することは非常に難しい。溶接形態(溶接面が上向かあるいは傾斜しているか等の溶接姿勢)によっては、塗布材の流動性が高いため所望の厚さの塗布膜を形成することが困難である。
またこの種のラッカータイプのスパッタ付着防止剤にあっては、入熱量の少ない溶接においてスパッタ溶着防止効果が発揮されるが、同一部位に対して溶接作業を複数回繰り返して行う多層溶接作業では塗布膜の熱劣化(主として蒸発)が顕著に進行し、全溶接作業が終了するまでスパッタ溶着防止効果を持続することが困難である。そのため多層溶接においては、塗布膜の溶着防止効果が一定以上低下する度毎に溶接作業を一時中断し、当該溶接部位がスパッタ溶着防止剤の塗布が可能な温度に下がるまで待機した後に、スパッタ付着防止剤を再塗布してさらなる溶接作業を再開しなければならない。
よって、多層溶接では、塗布膜の再形成作業を複数回断続的に繰り返えすことにより溶接作業を達成することになる。スパッタ付着防止用塗布膜の再形成のための温度低下待ち(待機)と断続的に複数回繰り返される塗布膜の再形成作業が、溶接作業の作業能率を著しく低下させ溶接コストの増大の要因となっている。
この種のラッカータイプのスパッタ付着防止剤の塗布膜によれば、溶接作業の初期には被溶接金属部材表面に溶着するスパッタの粒数は減少するが、時間が経過するにつれて熱劣化した塗布膜を貫通して被溶接金属部材表面に溶着する粒子数は増加する。スパッタ粒らの除去や清掃作業においては多くのスパッタ粒らの固着力が強固なため、平タガネ等の専用工具で打撃して剥離除去する作業を行なわねばならない。溶接製品の仕上げに必要なスパッタ粒らを剥離除去する作業は時間の掛かるきつい手作業であり、この作業は溶接コストの低減を妨げる大きな要因のひとつとなっている
特許文献3に記載されている、主としてステンレス金属材の構造物の溶接に対する事を目的として開発された洗浄タイプのスパッタ付着防止剤もある。この種の洗浄タイプのスパッタ付着防止剤の塗布膜は、溶接で発生するスパッタ粒らとよごれを含め溶接完了後に水や溶剤による洗浄またはブラスト処理で除去することを前提として作られたものである。塗布膜は乾燥するとスパッタを貫通させない硬さを持つ膜となり、スパッタ粒らを被溶接金属部材の表面から隔離する性能を持つ塗布材である。この塗布膜を除去するために、多大な設備費用の掛かる洗浄及び水洗設備やブラスト設備を設置しなければならないという欠点があり、大型の金属構造物に適用することは少ない。
被溶接金属部材の溶接部位に対して非破壊検査を実施する場合には、検査部位のスパッタ粒らの除去清掃作業が検査の前準備として欠く事の出来ない行為であるが、本来の非破壊検査時間以外に検査前にスパッタ粒らの除去と清掃作業に作業時間が費やされ、この時間が妨げとなり検査時間の短縮を図れないため溶接検査コストの削減を困難にする要因となっている。
特開平07−088685号公報 特開平10−305390号公報 特開2009−113073号公報
本発明の解決すべき在来品の問題点は、高い入熱量で繰返される溶接条件下において、塗布膜にスパッタ粒らの溶着防止及び軟溶着化のために必要な性能を持続する能力が無い点である。それ故、入熱量の高い溶接条件下でも、塗布膜は被溶接金属部材から剥離すること無くスパッタ粒らへの対応を維持しなければならなく、かつ清掃除去行程においては塗布膜の剥離し易さが要求されるため、維持性と剥離性の相反する矛盾した性能を確保しなければならない。
本発明のスパッタ溶着防止剤は、被溶接金属部材の溶接部周辺の金属表面への塗布により塗布膜を成形し、該被溶接金属部材の溶接部周辺の表面へ溶接作業で飛散するスパッタ粒らの溶着防止及び軟溶着化させる為のものである。塗布材の最も主要な特徴は、炭酸カルシウム粉末よりなる基材粉体と被溶接金属部材と同種の金属粉末またはその金属粉末とその金属の酸化物が混ざり合った混合金属粉末よりなる添加材を所望の比率で混合して作られた混合粉体に、混合液を加え攪拌混合して塗布可能な粘度の混合液剤(塗布材)としたことである。
前記スパッタ付着防止剤に使用する添加材の混合重量比は5%以上90%以下とする。(望ましくは10%以上90%以下である。)
上記添加材は、熱膨張率が炭酸カルシウム粉体よりも高い被溶接金属部材と同種の金属粉末、またはその金属粉末とその金属の酸化物が混ざり合った混合金属粉末である。
混合液の主剤は水であるが、混合液には水に水溶性揮発液体(例えばアルコール類)を混合して使用する。混合の目的は、水溶性揮発液体は水の浸透性を良くするため、混合液と混ざり合った微小な炭酸カルシウム粉体粒と添加材の金属粉体粒を付着(結合)させる現象を促進させる事、及び水の自然蒸発を促進させて乾燥時間を短縮する効果が有るためである。
被溶接金属部材の表面に塗布された炭酸カルシュウム粉体を基材とする塗布膜には、溶接作業が終了する迄熱劣化することなく保持する性能はあるが、この塗布膜は温度が上昇すると熱収縮により塗布面に対する付着力が増大し剥離しにくくなる現象を引起す。本発明によれば添加材の金属粉体が持つ熱膨張及び熱収縮の力が、被溶接金属部材の表面に塗布膜が付着する力の増加を抑制する方向に作用するため、温度上昇による硬化を内部から抑えられた塗布膜は、塗布された時点と同じ程度の軟らかさの塗布膜として維持される。この効果によって塗布膜の必要な性能であるスパッタ粒らの溶着防止と軟溶着化の能力を変化させることはない。さら塗布膜と被溶接金属部材の接触面の塗布膜の熱硬化は、金属粉体の熱膨張及び熱収縮の力の作用で抑制され剥離し易い状態を保持する。
上記の付着と剥離の二つの相反する性能を保有した結果、本発明のスパッタ付着防止剤の塗布膜は保持性と剥離性が良好で、かつスパッタ粒らの溶着防止性能と軟溶着化性能の優れた塗布材となった。それら効果が清掃時の除去作業の効率を著しく改善させ仕上げ処理工程を大幅に短縮させ、溶接の清掃に要する作業コストを大幅に低減させることになる。
本発明のスパッタ溶着防止剤は、溶接作業の実施直前に基材と添加材の混合粉体と混合液を用いた簡単な混合作業によって準備出来るため、必要とされる分量だけ準備することが可能となり、スパッタ付着防止剤の消費量を必要最小限に留めることができ無駄がなく経済的である。
また、本発明のスパッタ溶着防止剤の混合液は乾燥した塗布膜の硬化を促進する成分を含まないが、塗布材を長期間放置すると時間経過の中で水分の蒸発により硬化が進む。しかし、残余のスパッタ溶着防止剤が未使用で残った場合にそのままの状態で保管すると自然乾燥により生乾き状態になるが、その後の再使用時までの放置時間が10日程度であれば添加材の粉体が炭酸カルシウム粉体に包まれた状態のため(添加材の粉体が露出状態にない)添加材の酸化による硬化は大きく進行しないので、混合粉体や混合液を加えて再攪拌することにより塗布材として再使用の可能な状態に戻る。従って、日常的に溶接作業を継続している間は、残余のスパッタ溶着防止剤が有っても使用開始前に混合粉体や混合液を補充して再攪拌すれば使用できるため、残余の塗布材を廃棄する必要性が無く極めて無駄が少ない。
本発明のスパッタ溶着防止剤は溶接作業現場において、被溶接金属部材の性状や塗布形態もしくは溶接形態に応じた展延性及び塗布膜厚を創出する塗布材の粘度は、所望する比率の混合粉体に対する混合液の分量によって簡単に調整できるので作業性が良い。
本発明のスパッタ付着防止剤を構成する基材の炭酸カルシウム粉体や添加材である金属粉体またはその金属酸化物との混合粉体及び混合液に使用するアルコール類は、入手及び管理が容易であり安価であるために低廉なスパッタ付着防止剤を提供することができ、生産現場が必要とするコストの低減に資することが出来る。
溶接作業後にスパッタ粒を除去する清掃作業は単純な作業であるにもかかわらず、狭隘部に強く溶着したスパッタ粒らの除去処理が難しいため自動化が不可能であった。本発明のスパッタ付着防止剤はそのようなスパッタ粒らの除去及び清掃作業を簡便かつ軽作業化するため、本発明はスパッタ除去・清掃作業の自動化への道を開くものとなる。
本発明のレ型突合せ溶接の場合における、スパッタ付着防止剤の刷毛塗装作業を説明する断面図である。 塗装作業後に乾燥した塗布膜の模式図である。 レ型突合せ溶接の場合における、溶着粒の飛散状況を説明する断面図である。 レ型突合せ溶接の場合において、在来工法の平タガネで溶着粒の底部を打撃し清掃作業する状況を説明する断面図である。 レ型突合せ溶接の場合において、手作業で使用するヘラ様の工具で軟溶着粒や小さな径の溶着粒をこすり落としている状況を説明する断面図である。 実証試験使用の刷毛及びブラシの写真である。 基材の炭酸カルシュウム粉体と添加材の金属粉体の拡大写真及び塗布膜の拡大写真と更なる拡大写真である。 溶接完了後の清掃前とレベル3清掃除去後の計測枠内の第1例の写真である。 溶接完了後の清掃前とレベル3清掃除去後の計測枠内の第2例の写真である。 溶接完了後の清掃前とレベル3清掃除去後の計測枠内の第3例の写真である。

確認試験における試験体の配置及び走行台車に取付けたブラシの準備作業の写真である。 市販品 200、300、500℃における清掃レベル1及び3外観比較写真である。 基材100% 200、300、500℃における清掃レベル1及び3外観比較写真である。 基材95% 200、300、500℃における清掃レベル1及び3外観比較写真である。 基材90%と基材25% 200、300、℃における清掃レベル3外観比較写真である。
(発明に使用する基材粉体の決定経過)
本出願の発明者は上記の課題を解決するために、被溶接金属部材に対しての塗布性と、過酷な溶接条件下であっても耐熱性に優れかつ長時間に渡りスパッタ溶着防止効果が熱により劣化せず持続的に維持すること及び清掃除去時には剥離性の良いスパッタ付着防止剤の探索研究を行った。
高いスパッタ溶着防止効果を有するスパッタ付着防止剤の主たる材料を探索した結果、種々の無機物の内でも炭酸カルシウム等の無機塩、その他の無機化合物、セラミックス等及びこれらの混合物等が有効であることが明らかとなった。
なかでも炭酸カルシウム粉体を主材料としたものに水を加えて塗布材として被溶接金属部材に塗布すると、水分が自然蒸発して形成される膜(塗布膜)はスパッタの溶着防止効果が極めて高い断熱膜となり、スパッタ溶着防止剤の主たる材料として特に有効であることを見出した。
電気アーク溶接がつくる金属の溶融池の温度は1600℃を超えるが、炭酸カルシュウム粉体が溶融金属の溜まりである溶融池に混入しても、炭酸カルシウム粉体の炭酸成分はおよそ800℃近辺で気化し金属に対して無害な炭酸ガスとなる。カルシュウム成分は酸化物としてスラグ化し溶融金属の表面に浮上して溶融金属の外へ排出されるため、溶接後の被溶接金属の強度等や表面性状に対し悪影響を及ぼさない。また炭酸カルシウムは安全性(人体及び環境対する無害性)の点でも優れており、スパッタ付着防止剤として要求される、スパッタ溶着防止効果や経済性及び安全性等の観点から見てもスパッタ付着防止剤の主材料として最適な材料である。
(炭酸カルシウム粉体のみを使用する場合の問題点)
炭酸カルシウム粉体に水を加えて塗布材とし被溶接金属部材の表面に適度の厚みで塗布すると、液体の蒸発や環境温度と時間経過等により塗布膜の硬さが次第に増大する性質を持つ物質である。外部からの入熱が増加し被溶接金属部材の温度が上昇すると塗布膜は入熱方向から硬度を増しながら収縮が進み、熱源側の被溶接金属部材への焼き付き(付着力が強まり除去する事が難しい状態)が進行する。
溶接熱の影響により被溶接金属部材の表面に焼き付いた炭酸カルシウム粉体の塗布膜を溶接作業後に剥離除去することは非常に困難であり、剥離除去には水洗やブラスト処理が必要となることが多い。炭酸カルシウム粉体を単体で使用しスパッタの付着防止膜を形成した場合には、スパッタの付着防止効果は十分に満足されるが、大型の金属構造物では費用の面から水洗やブラストで剥離処理を常時作業として行うことは極めて困難である。
(問題の解決)
本願の発明者は上記の問題を解決するために、壁面等に塗られるモルタルが塗付性(保水性や展延性及び付着性)に優れ、塗布面の性状や形状また塗布面に対する作業姿勢(塗布面が下向きか、上向かあるいは傾斜しているか等にかかわらず、所望径の骨材が内在することによって水分が表面に噴き出すこと無く所望する均一な厚みの塗布層を形成出来きる事に着目し、使用する添加材(骨材)の選定に入った。
炭酸カルシウム粉体と親和性の良い添加材を種々の物質の中から探索した結果、塗布膜が厚くなる共に塗付性(保水性や展延性及び付着性)を確保する上で、炭酸カルシウム粉体(基材)よりも充分粒度の大きい金属の粉体を添加材として使用しても有効であるとの知見を得るに至った。
添加材の金属粉体は溶融池中で被溶接金属部材に混入して合金化しても金属の性能に影響を及ぼさない物質を探索の結果、入手し易やすい物質中に被溶接金属部材と同種の金属の粉体が有ることが判明した。
炭酸カルシウム粉体(基材)と金属の粉体(添加材)に混合液を加えて混合攪拌し均一に分散させたものを被溶接金属部材表面に塗布し乾燥させると、塗布面の表面性状や形状及び塗布姿勢などにかかわらず被溶接金属部材表面で保持性の高い均一な厚い塗布膜が容易に形成され、乾燥後の塗布膜は微細な空隙が平均的に内在した厚みのある柔らかな塗布膜を出現させた。
添加材である金属の粉体は、熱膨張率が基材である炭酸カルシウム粉体よりも高いので、溶接作業による入熱温度の変化により金属の粉体の粒子が膨張と収縮を繰り返すことを起因とし、基材である炭酸カルシウム粉体の粒子の相互結合及び基材を介在した金属の粉体(添加材)や被溶接金属部材表面との物理的(機械的)結合力が弱められる。その結果、溶接作業終了後の清掃時における被溶接金属部材の表面からの剥離性を著しく向上させた。
炭酸カルシウム粉体(基材)と金属の粉体(添加材)を混合攪拌するために使用する混合液は、入手が容易で塗布膜が形成された後に放置すれば自然蒸発する工業用アルコール(アセラ社製)と水の混合液体とする。
このスパッタ付着防止塗布材の展延性及び膜厚調整は、使用する混合粉体の混合比率の選択と混合液の添加量の調整により容易に行うことが出来きる。
混合液の添加量の調整は、被溶接金属部材の表面性状や塗布時の塗布姿勢等に応じて塗布材の展延性及び意図する塗布膜厚が確保できるように経験的に設定する。
金属の金属粉体の粒子径が炭酸カルシウム粉体(図7の内 炭酸カルシウム粉の拡大写真)の平均粒径の概100倍程度以下でなければ、塗装前に塗料の保存箱の中で比重差により短時間で沈殿し塗装用の刷毛に旨く乗らず塗装作業が難しい状態になることが事前の塗布試験にて判明した。よって、本発明のスパッタ付着防止剤に使用すべき添加材は、最大径概400μm程度以下の各種粒径の混ざった金属の粉体とその酸化物の粉体の混ざった粉体(図7の内 金属粉の拡大写真)を、所望する粒径の範囲内に分級したものを使用する。
(塗布膜の熱現象)
このスパッタ付着防止用の塗布材は、一度の塗装で好ましい膜の厚さを有する塗布膜を形成することが出来、乾燥後には空隙を含む柔らかな塗布膜になる。柔らかな塗布膜の衝撃緩和力は飛来し着膜するスパッタの衝撃エネルギーを吸収し、添加材の熱吸収力はスパッタ粒らの保有熱を吸収するため、スパッタ粒らが塗布膜を貫通し底面まで到達することを防止する。言い換えれば、飛来したスパッタ粒子の多くは、被溶接金属部材の表面の塗布膜を貫通することなく塗布膜の表面もしくは塗布膜内に止め置かれる。一部のスパッタ粒子が塗布膜を通過したとしても添加材の熱吸収力により温度が降下しているため被溶接金属部材の表面に軟溶着粒の状態で溶着することになる。
基材である炭酸カルシウム粉体に添加材の金属粉体が添加されていることにより、塗布膜の底面から加熱されると底面側から熱による膨張と収縮の力の物理的作用で付着力が低減される金属粉体粒子は短時間の間で底面からの溶接熱による膨張と上層部からの自然冷却による収縮を繰返し、その結果炭酸カルシウム粉体粒子と金属粉体粒子との間の空隙が物理的に変化するため、膜の底面側では被溶接金属部材との付着力が緩められ焼付き状態になる事が回避できる。塗装膜の上層部の結合状態(硬さ)は表面が空冷状態のため、塗布し乾燥した状態の塗布膜と同様な指跡が付く程度に柔らかい膜の状態で被溶接金属部材表面上に維持される。
スパッタ粒子が被溶接金属部材の表面に到達し、塗布膜を貫通する時にはスパッタ粒子は物理的抵抗により相当量の運動エネルギーを消費する。またスパッタ粒子らが塗布膜内へ突入した後においても、瞬時に炭酸カルシウムの気化作用や添加材の金属粉未粒子の有する熱吸作用により表面温度が下がり不溶着状態になるか、もしくは貫通したとしても諸現象による温度低下で溶着力が減少し軟溶着化する。たとえ着床したスパッタの粒径が大きく保有熱の温度低下が所望する量よりも少ない場合でも、諸現象による温度低下による溶着面積の縮小により剥離性は格段に向上する。
本案のスパッタ付着防止塗布材は、上記の熱現象により高熱の入熱が繰返される環境の中であっても、塗布膜の素材である炭酸カルシウム粉体と被溶接金属部材の相互間に存在する付着力(結合)は常に所望する力で剥離が可能な状態で維持される。
(塗布膜の性能)
乾燥した軟らかい塗布膜は、熱よる物理的変動の影響で粒子間の空間の変動させることにより、スパッタ粒らの溶着防止や軟溶着の効果を作り出し、塗布膜の断熱力や衝撃吸収力及び吸熱力を塗布時の状態で維持もしくは増大させる方向に向かわせることになる。もしスパッタ粒が塗布膜を貫通しても、これらの熱よる物理的変動が創出する力が溶着状態を大きく変化させる能力源になり、開発者が所望していたスパッタ粒らの溶着防止や軟溶着化の性能を作り出した。
一回の塗装により溶接の施行条件を選ばず、塗布膜は柔らかい膜の状態のままで被溶接金属部材の表面に保持されている事及び塗布膜は常に所望する力により剥離可能な状態に保持されている事が、本発明品のスパッタ付着防止塗布材の性能の高さを示す重要な要因である。
(実証試験方法)
以下、本発明のスパッタ付着防止剤の実証試験を実施する形態を説明するが、これらの実施形態は本発明の内容を限定することを意図するものではない。
実証試験において、基材である炭酸カルシウム粉体に添加材の金属の粉体を種々の混合比率で混合して混合粉体を作成し、これに混合液を加え混合攪拌してスパッタ付着防止剤の実証試験用の塗布材として準備した。
この実証試験で使用する混合液は、水に水溶性揮発液体である工業用アルコールを20%加えた水溶液を用いる。
図1は被溶接金属部材AとBのレ型突き合わせ溶接の断面図であり、被溶接金属部材上の溶接部に沿って本発明のスパッタ付着防止剤の塗布材を塗布し塗布膜を成型している様子を説明するものである。基材の炭酸カルシウム粉体と添加材の金属粉体の混合粉体に混合液加え、両粉体が均一に分散して混ざり合った塗布材を、被溶接金属部材AとBの溶接部Dに沿う部材端面上に塗布して塗布膜1を形成し乾燥させる。
乾燥した塗布膜は図2の乾燥塗布膜模式図の様な断面の状態となり、炭酸カルシウム粉体粒子と金属粉体粒子は所定の混合比率で立体的かつ平均的に分散し、混合液は乾燥による蒸発で消滅し塗布された粒子の間に空隙を発生させる結果、混合粉体の軟らかな塗布膜を被溶接金属部材の表面上に形成する。
11種類の混合比率で作られた塗布材と市販品のスパッタ付着防止剤を塗布したもの2種類及び素地のままのもの1種類の合計14種類を準備して実証試験を実施する。基材粉
体は平均粒径が略2.7μm及び最大粒径55μmで平均かさ密度略0.6g/cm の炭酸カルシウム(CaCO )粉体(丸尾カルシュウム社)を用いた。(図-7の炭酸カルシュウム拡大写真) 炭酸カルシュウム拡大写真添加材は建築用金属材料の粉体とその酸化物の粉体の混合粉体を略40乃至250μmの範囲に分別した混合粉体(平均かさ密度2.01g/cm)を用い、基材粉体と本発明品の混合粉体で有る添加材を表1に示す混合比率(基材粉体:添加材)で準備し、混合液を加え混合攪拌し試験体番号02〜13の11種類の塗布材を製作し試験体に塗布した。
合計14種類の内、素地と市販品2種類の計3種類は、比較評価のための参考例として同様の試験を実施した。それらは、市販されている周知のスパッタ付着防止剤としてワーナーケミカル社製MA−100(市販品・試験体番号01)と株式会社タイホーコウザイ製クリンスパッターES―55(市販品試験体番号08)及び炭酸カルシウム100%(試験体番号02)とスパッタ付着防止剤を使用しない場合(素地・試験体番号14)である。
下記表1記載のスパッタ粒溶着防止剤は被溶接金属部材の表面上での塗布性及び性能等を考慮の上、混合比率(基材粉体:添加材)を決定し、適量の混合液を加えて混合攪拌したものを塗布材として各試験体(SM490A)に塗布する。
本発明のスパッタ付着防止塗布材のスパッタ付着防止効果を比較評価するために使用する溶接試験用の金属板(SN490A・JFE)は、1溶接形態分を開先側金属板Aと非開先側金属板Bの2枚を1組として、3溶接形態分の6組(12枚)を準備した。試験用の金属板は全長500mm(巾70mm7枚+端部余長5mm2箇所の合計)であり、試験用の金属板1組に1溶接形態分14種類の二分の一である7種類の試験体を並べて配列する。
それぞれの溶接形態において、被溶接母材である金属板部材上の溶接部に沿って(図1参照)、塗布膜を混合比別に70mm巾(両端に5mm巾の余長有り)で溶接試験用の金属板に順番に塗布する。3種類の溶接形態、すなわちレ型突き合わせ溶接、T型突き合わせレ型溶接及びT型突き合わせ隅肉溶接について、各試験体の70mm巾の中央線上に50mm x 50mmの溶着粒の数量計測領域を確保した。
1枚に7種類が連続して並置された溶接線を1溶接線とし、所定のパス数で表2の溶接を行う。
溶接材は炭酸ガス溶接用ワィヤーMG-55(神戸製金属)のワイヤ径1.2mmを使用する。
溶接方法は表2に示すように溶接形態に応じて、溶接パス数の少ない隅肉溶接には手動の炭酸ガス半自動溶接を、パス数の多いレ形突き合わせ及びT形突き合わせの炭酸ガス半自動溶接には溶接条件の不揃いを防止するため、神戸製金属社製のロボット溶接装置を採用する。
計測前処理は、清掃用具等を一切使用せず軽いエアーブローで塗布膜を非接触で除塵した。スパッタ粒除去のために行う清掃除去の方法は表3に示す1乃至3の3段階に設定された清掃レベルで実施し、溶接完了の試験体の上に残留したスパッタ粒らの数量計測は、各試験体に配置された面積が50mm x 50mmの計測枠内の残留スパッタ粒らの個数を計数した。
清掃レベル1の清掃では毛先長さ70mmの万能刷毛(コーワ社製)を使用して、被溶接母材金属板部材の溶接部近傍の指定領域(全長500mmの溶接部に隣接する塗布膜)は埃を掃う程度の軽い力で刷毛を手動で3往復し、表面又は塗布膜内に残留している未溶着スパッタ粒らを清掃除去する。(図6に清掃レベル1乃至3に使用した刷毛及びブラシ類を示す。)
清掃レベル2の清掃では、清掃レベル1の清掃で除去されなかった軟溶着のスパッタに対して実施され、毛先長さ28mmのアイロン形ナイロンブラシ(150x75mm 株式会社カインズ販売・中国製)を使用して上記と同様の方法で3往復し、清掃レベル1の清掃実施後に残留している塗布膜と軟溶着スパッタを清掃除去する。
清掃レベル3の清掃では清掃レベル1及び2の清掃で除去されずに残留している塗布膜と軟溶着スパッタを清掃除去した。清掃レベル3に使用されたワイヤ―ブラシは溶着スパッタ粒に対し除去による衝撃を与えない様に配慮し、実務では柔らか過ぎて使用しない真鍮製の磨き出し用ブラシ(毛先長さ25mmSK11社製)を使用し上記同様の方法で3往復し塗布膜及び溶着スパッタの除去清掃を行う。
(各清掃レベルが目標とする除去程度)
清掃レベル1では単純に塗布膜の上に残置されているや塗布膜内に残留している未溶着のスパッタ粒らの除去、レベル2では手で擦れば除去出来る程度の塗布膜に食い込んで残置されている未溶着のスパッタ粒らや微溶着粒らの除去を目標とする。
実際の現場で清掃除去作業に入る時の製品は、塗布膜のスパッタ付着防止材が塗布されたままの状態で、かつスパッタ粒らの溶着状態はレベル3である。よってレベル3は、本実証試験の最終工程の手作業で使用する薄い刃先の平らなヘラ状の軽量工具で軽く一擦すれば除去できる程度の溶着力のスパッタ粒らのみが残留している状態にすることを目標とする。
(低入熱溶接に対する適用)
表3は溶接パス数の少ない低入熱溶接の隅肉溶接における、スパッタ付着防止性能と軟溶着化の程度を評価するためのものである。本案のスパッタ付着防止剤が、低入熱溶接の隅肉溶接で発生する大粒のスパッタ粒に対して溶着防止もしくは軟溶着化する性能がある事を確認するために実施する。
実務作業の清掃前の状態状況を確認する清掃レベル3の清掃実施後になお残留している溶着スパッタの除去の難易度、言い換えればスパッタ付着防止剤の主たる成分である混合粉体の混合比率別にスパッタ付着防止及び軟溶着化の性能の程度を評価した。評価判定の基準は以下の通りであり、評価結果は表4、表5、表6の表中のレベル3で使用清掃工具と作業評価で示す。
× 在来の専用工具で打撃しても除去出来ないスパッタが残留した。
(在来程度)
□ 打撃なしで使用する軽量工具(例えば皮すき等の軽いヘラ様のもの)や金属製ブラシの清掃では取れない溶着粒が散見され、除去のため在来平タガネを手で握り軽く突く様な感じでスパッタ粒の底部を軽く打撃する軽作業にて清掃除去できた。(実用的には、良好の範囲)
△ 軽量工具で軽く擦るかまたは金属製ぶらし清掃で全てのスパッタと塗布材が除去された。(開発者の所望する性能の範囲内)
○ 清掃レベル1ないし3で全てのスパッタと塗布材が除去された




























(確認試験評価の経過)
清掃力の差が少ないレベル2とレベル3の数値差はF14を除き大きく出なかった。F14におけるレベル3の結果を見ると、レベル1とレベル2の微妙な除去力の差がレベル2の数値に影響したものであり、レベル3の数値は他と比較すると概ね妥当な数字となっている。
清掃前の粒数は、塗布膜の表面に突入すら出来ず軟らかい塗布膜の表面上に残置された相当量の微細なスパッタ粒が清掃レベル1の前処理のエアーブローで吹飛ばされた後の数値である事は、清掃前の試験体番号01乃至14の数値により明らかである。本考案の要領で塗布材を塗布された試験体番号09乃至12の範囲を見ると、清掃レベル1の清掃前における溶着状態の粒数は多いが、清掃レベル3の結果より軟溶着したスパッタ粒らの粒数である事が分かる。
レベル1の刷毛による軽い力除去清掃でも、炭酸カルシュウムの配合率が50%以上ではスパッタ粒らの付着量は極めて少なく、25%ないし50%の範囲では清掃前の塗布膜の表面に軽く突入した相当量のスパッタ粒らが除去された。レ型突き合わせとT型突き合わせ溶接では清掃レベル1で概40乃至70%のスパッタ粒らが除去され、隅肉溶接では100ないし50%が除去された。本塗布膜表面が保持している軟らかさがスパッタ粒らをクッションとして受け止める能力となり、スパッタ粒らの貫通を阻止する効果を引き出す要因となっている。
レベル3スパッタ除去清掃では、炭酸カルシュウムの配合率が5%〜90%の範囲の場合に、残留した付着スパッタらが被溶接母材金属の表面に残っても、最終工程のウェス単独又は軽量工具と金属製ブラシ併用により全てのスパッタ粒が除去可能であった。(図8のF01及び図10のF10を参考図とする。)
炭酸カルシュウムの配合率10%の場合のレベル3のスパッタ粒らの溶着数量は多いが軟溶着化されているため、清掃除去作業の実務から見るとスパッタ粒らの溶着状況が大きく改善され、レベル3以降を実証試験の最終工程と称しているが、実務上では清掃除去作業前の状態評価は良好と称されることになる。
炭酸カルシュウムの配合率が95%の場合には残留スパッタはレベル3の除去清掃によって全て除去された。隅肉溶接においては少数の溶着スパッタ粒が見られたが軽量工具の使用で簡単に除去できる程度であった。また被溶接金属部材へ透明に近い白色の炭酸カルシウムの焼き付痕が見えるため、本実証試験では真鋳製のブラシを使用(試験時特例)して除去した。
炭酸カルシュウムの配合率が5%及び0%では残留スパッタはスパッタの付着量は従来の市販品程度まで増加するが、実際の清掃作業レベルではスパッタ粒が軟溶着化しているためほとんどの残留スパッタ粒らは軽量工具の使用により除去できたが、残留スパッタ粒の一部には平タガネをハンマーで強打して削り落す除去作業が必要であった。(図10のF13を参考図とする。)
上記の炭酸カルシュウムの配合率が5%の場合の結果においては、炭酸カルシュウムの配合率を一定以上に低下させると加熱で保たれていた塗布膜の硬度は配合率が一定の範囲を超えると減少傾向に転ずることが判明した。添加材の金属粉で塗布膜を作成しても鉄粉の粒子間にほとんど付着力が無いので、炭酸カルシュウム粉体の配合率が少ないと塗布膜の結合力が低いため抵抗が少なくなりスパッタ粒の通過速度の減少量は少ない。速度と付着力の影響で早い速度で通過するためスパッタ粒が金属の粉体に熱を奪われる熱量は少なくなり、軟溶着化が進まない状態で被溶接金属部材表面に到達し溶着したと推定できる。上記の溶着したスパッタ粒らの一部には平タガネをハンマーで強打して削り落す除去作業が必要であった、理由は炭酸カルシュウムの配合率を一定以上低下させた事を起因とし、軟溶着化されずに被溶接金属部材表面に到達するスパッタ粒が増えた結果と言える。
多層溶接における溶着防止及び効果は高入熱及び低入熱溶接のいずれを対象としても、本発明のスパッタ付着防止剤の塗布膜が大きい効果を示した。炭酸カルシュウムの配合率が10%以上であれば高入熱及び低入熱溶接のいずれにおいても安定したスパッタ付着防止効果を発揮する事は明らかである。低入熱溶接の炭酸カルシュウムの配合率が10%場合にはレベル3のスパッタ除去清掃の実施後まで残留する付着スパッタ粒らが有ったが、これらは軟溶着化されたスパッタ粒らのため実際の作業現場ではウェスによる拭き取りもしくは金属製ブラシを含む補助的な軽工具等を使用により容易に除去できるため、これを現場作業に適用しても問題が発生しないことを確認した。(図10のF13を参考図とする。)
(実証実験の考察)
実証結果から、本発明のスパッタ付着防止剤のスパッタ付着防止効果について以下のことが明らかになった。
被溶接母材金属に塗布され乾燥によって形成されたスパッタ付着防止剤の塗布膜は、表面に付着力の無い添加材の金属粉体を炭酸カルシウム粉未粒子が包み込んだまま粘着することにより、被溶接母材金属の表面での保持力を十分に維持している。
被溶接母材金属面に塗布され塗布膜の内部では、添加材粒子や炭酸カルシウム粉未粒子との間に乾燥によって形成された空隙が介在することとなる。そのため炭酸カルシウム粉未粒子を介して塗布膜が被溶接母材金属に粘着する力は、添加材の金属粉体粒子を含まない場合に比して金属粉体粒子を含んだ場合には、粘着する単位体積あたりの炭酸カルシウム粉未粒子が減少するので、炭酸カルシウム粉未だけで形成された塗布膜と比較すれば清掃時の剥離性は大幅に向上する。
塗布膜の剥離性は混合粉体における添加材の比率が多くなるほど向上するが、炭酸カルシウム粉体と添加材の粉体が共通の液体に親和性が有れば、塗布材を製作した場合には炭酸カルシウムが粘性を作り塗布材の付着を良くする。基材である炭酸カルシウム量を減少させると体積密度の影響で乾燥塗布膜の表面の硬度が低下し、スパッタ粒が塗布膜へ侵入し易くなる。しかし、添加粉体を増加させると塗布膜の吸熱量が増加し、スパッタ粒の溶着可能面積を縮小させ溶着力を減少させる効果を出現させる。添加する金属粉体の比率が90%を超えると溶着面積の減少したスパッタ粒であっても塗布膜の硬度が低い(軟らかい)ために貫通する量が増え、それに伴い被溶接金属部材への溶着力の強いスパッタ粒の量も増えるので清掃作業効率を悪くする。(図7の内 塗布後の塗布膜の拡大写真、塗布後の塗布膜の再拡大写真参照)
よって、本発明のスパッタ付着防止剤を塗布する事により、高入熱や低入熱溶接に関わらず添加材金属の混合比率は5%〜90%の範囲とし、望ましくは範囲を10%〜80%に限定すれば極めて高い良好なスパッタ付着防止剤となり、スパッタ粒らの溶着力を減少させる高い能力を保持される事を実証試験により確認できた。
(温度変化による塗布膜の剥離性確認試験)
本発明のスパッタ付着防止剤の重要な性能は、塗布膜が目的のスパッタ溶着防止や軟溶着化の性能を如何にして長時間に渡り保持するかある。これらは前項の実証試験により、塗布膜がスパッタ粒らの溶着防止や軟溶着化の性能を溶接作業の全工程に渡って適性に維持することが検証された。しかし基材と混合粉体を混合液で混合攪拌して作られ塗布された塗布膜について、加熱温度による粉体の結合と分離に関する裏付文献を検索したが不明に付、温度変化による剥離性の推移を検証するために本確認試験を実施した。
本確認試験では、上記スパッタ付着防止効果に関する実証実験で使用したものと同じ基材の炭酸カルシウム(CaCO3)粉体(丸尾カルシュウム社製)及び添加材として建築用金属材の粉体とその酸化物の粉体の混合粉体を用い、表一覧表7に示した混合比率(基材粉体:添加材)の混合粉体に混合液を加え混合した本案の塗布材7種類と基材100%及び市販品の2種類の合計9種類の試験体を準備した。
温度と剥離性の変化及び焼付き状態の比較評価対象として、水洗を前提とする周知の市販品スパコート(株式会社ジェイインターナショナル製)及び炭酸カルシウム100%の粉体(参考)を確認試験に加えた。
9mmの金属板(50x140・SS400)の片面をブラスト仕上げ(70μmRz程度)した金属部材の試験体に対し、200℃、300℃、400℃及び500℃に加熱し温度を1時間保持し自然冷却した。試験体には一覧表7の要領により混合された各スパッタ付着防止剤を、略70μmRzの粗さにブラストした試験の片面に塗布し乾燥させた塗布膜を確認試験の試験対象とした。
剥離性の評価に当り、評価前に清掃用具等を一切使用せず軽いエアーブローで非接触除
塵したうえで、小判型ブラシ(48x95mm・毛先長さ30mm・植毛材質PP・コー
ワ社製)を速度が調整できるガス切断用自動走行台車(MAX−1型・小池酸素工業社製
)に固定し、この台車を一定の速度(650mm/min)で水平に設置した定盤(金属板)の上を往復走行させ、試験体の塗布膜をブラシで清掃した。(図11に試験片の配置と自動走行台車に取付けたブラシの準備作業状態を示す。)検査レベルを上げるに従ってブラシの累積往復回数を増やして金属板上の塗布膜を清掃した。
各検査段階における塗布膜の付着強度の度合い、言い換えれば剥離の難易度を評価した。
評価分類は以下の通りである。
× 塗布膜が除去出来ない。
△ 表面に付着が認められた。
○ 除去された
(確認試験のまとめ)
市販品(スパコート)は、200,300℃の加熱では乾燥時に硬化する結合剤が含まれているために塗布膜の表面が硬いため塗布膜の除去はできなく、清掃レベル1,2,3では試験体の表面に塗布膜が付着したままで有った。加熱温度400℃近辺から皮膜の硬化度が徐々に消滅し、400と500℃では指で擦ると剥離できる膜に変化するため清掃4レベルで除去は出来きたが、表面に若干の白さが残る状態であった。図12の(1)乃至(3)は前記の状況を示す写真である。
市販品の塗布膜は、200℃及び300℃に加熱された場合の全清掃レベルにおいて除去されず、塗布膜は被溶接金属部材である金属板表面に付着したままの状態を手作業で剥離除去する事は不可能である。400℃及び500℃に加熱される部分が有っても、溶接線周辺のみのため塗布膜の大部分が除去されず、清掃作業の実務としては水洗作業を選択することになる。(図12の(3)は前記の状況を示す写真である。)
炭酸カルシュウムの混合比が100%の試験体は200から300℃の加熱で硬化現象があり、200から300℃の清掃レベル1,2,3では塗布膜の表層の一部しか除去できなく、表面に塗布膜が付着したままであるため剥離性は良好でない。500℃では市販品と同じ様に硬化現象が緩和される傾向を示したが、500℃と400℃の清掃レベル3では塗布膜が透明に近い薄い白色で残り、500℃と400℃の清掃レベル3の外観差は殆んど無かった。(図13の(1)乃至(3)は前記の状況を示す写真である。)
炭酸カルシュウムの混合比が95%の場合の試験体では、200,300℃の清掃レベル1,2,3では表面に微な薄白色の付着が見られたが、レベル4の500℃と400℃ではその色は全て除去された。図14の(1)乃至(3)は前記の状況を示す写真である。
炭酸カルシュウムの混合比が90%以下25%以上では加熱温度に影響されなく清掃レベル3で全ての塗布膜が除去され、以後の清掃レベルでは更なる美化清掃は不要の感であった。(図15の(1)乃至(4)は前記の状況を示す写真である。)
(確認試験の考察)
金属溶接の周辺部位は、常温から概1000℃まで広範囲な分布となる。加熱初期の200〜300℃では被溶接母材金属表面の塗布膜の剥離状況は、炭酸カルシュウムの混合比の影響は有るが添加材の粒子らの動き(膨張・収縮)により、添加材が10%以上配合された塗布膜は温度上昇が有っても、塗布膜は塗布した時と同程度に柔らかさに押さえられる。前述の理由により除去作業に必要な力は、温度変化にあまり影響無く保持される。確認試験の結果を示す表9は、炭酸カルシュウムの混合比90乃至25%の広範囲の塗布膜が、溶接終了迄ブラシで除去できる軟らかい塗布膜であることを示している。
金属溶接においては、溶接部の周辺部位は常温から1000℃近辺までの広範囲な分布となる。しかしながら、試験体01乃至07の炭酸カルシュウムの混合比率が25から75%の塗布膜は、加熱温度が200℃〜300℃の範囲で炭酸カルシュウムの混合比率が高い場合に、若干の剥離性の低下が認められるものの、本発明により創出した塗布膜の剥離性は加熱温度に対する依存性が少ないことは明白である。炭酸カルシュウムの混合比率が25%以下は本確認試験で実施しなかったが、実証試験の結果を加味して考慮すると、添加材金属の混合比率は5%〜90%の範囲とし、望ましくは範囲を10%乃至80%に限定すれば極めて高い良好なスパッタ付着防止剤となる事が確認できる。
(実証試験と確認試験の総括)
実証試験と確認試験により、本発明のスパッタ付着防止剤が創出した弾力性のある軟らかい塗布膜の剥離性は、極めて良好なスパッタ付着防止の性能を有している事が確認できた。本発明のスパッタ付着防止剤は、温度に対する依存性の少ない弾力性のある軟らかい塗布膜でありながら、いかなる溶接入熱条件下においても一度の塗布で付着性と剥離性の性能を溶接作業終了まで保持出来ることがスパッタらの付着防止と清掃及び除去の軽便化を目的として開発した本案の効果であり、この性能は溶接作業における効率性の改善を求める現場の要求と一致するものである。
A 被溶接金属材
B 開先付被溶接金属材
C 裏当て金
D 溶接部
E 炭酸ガス溶接に使用するトーチノズル
F 溶着粒(被溶接母材に溶着した溶着粒)
1 塗布膜
2 スパッタ粒
3 塗装用刷毛
4 添加材(鉄粉)
5 炭酸カルシュウム粉体(基材)
6 平タガネ
7 ハンマー
8 ヘラ用の手工具






Claims (7)

  1. 炭酸カルシウム粉末よりなる基材粉体と、被溶接金属部材と同種の金属粉末またはその金属粉末とその金属の酸化物が混ざり合った混合金属粉末よりなる添加材と、を所望の比率で混合して作られた混合粉体を加え、撹拌混合して混合液とすることを特徴とするスパッタ付着防止剤。
  2. 前記基材体と前記添加材とを混合してなる前記混合体は、10〜95重量%の前記基材体を含むことを特徴とする請求項1記載のスパッタ付着防止剤。
  3. 前記基材粉体の最大粒径は75μm以下及び前記添加材の最大粒径は250μ以下であって、前記添加材の熱膨張率は前記基材体の熱膨張率より高いことを特徴とする請求項1又は2記載のスパッタ付着防止剤。
  4. 前記混合液は水に揮発性液体を加えた水溶液であることを特徴とする請求項1記載のスパッタ付着防止剤。
  5. 前記揮発性液体はアルコール類であることを特徴とする請求項4記載のスパッタ付着防止剤。
  6. 請求項乃至5のいずれかに記載のスパッタ付着防止剤を用いた溶接方法であって、前記混合粉体と前記混合液の攪拌混合を、溶接現場近傍で実施することを特徴とする溶接方法。
  7. 請求項乃至5のいずれかに記載のスパッタ付着防止剤を用いた溶接方法であって、被溶接構造物を溶接する前に、前記被溶接構造物に前記スパッタ付着防止剤を塗布する工程を含むスパッタ付着防止剤を用いたことを特徴とする溶接方法。
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