本発明の超低温冷凍装置は、縦型の密閉容器内に、電動要素と、前記電動要素によって駆動されるスクロール圧縮要素が収容され、前記スクロール圧縮要素の吸込口に連通した吸入管から吸い込んだ冷媒ガスを前記スクロール圧縮要素にて圧縮しつつ吐出ポートから前記密閉容器内に吐出し、この吐出される冷媒ガスを前記密閉容器外に吐出するスクロール圧縮機を備え、前記吐出される冷媒ガスが、オイルセパレータ、凝縮器、液冷媒を溜めるレシーバタンクを経て膨張弁にて減圧膨張された液冷媒を蒸発器で蒸発した後、再び前記吸入管から前記スクロール圧縮要素へ帰還する冷媒循環回路を形成した超低温冷凍装置において、前記スクロール圧縮機の出口から前記凝縮器の入り口までの冷媒路のホットガス冷媒または前記レシーバタンクのウォームガス冷媒を、前記蒸発器の出口から前記スクロール圧縮機の吸込口までの冷媒吸い込み路の吸い込み冷媒に合流させる冷媒供給路を設け、前記冷媒吸い込み路の冷媒温度が所定の冷凍温度に低下したとき前記冷媒供給路を開く開閉弁を設けた構成であり、以下にその実施例を図に基づき説明する。
本発明に係るスクロール圧縮機100は、図2に示すように、縦型の密閉容器101内が低圧となるように、スクロール圧縮要素102から密閉容器101内上側に限られた空間として形成された吐出圧力空間111(マフラー室)に高圧冷媒ガスが吐出される内部低圧型のスクロール圧縮機である。
密閉容器101は鋼板製であり、上下方向に沿って延びる縦長円筒状の容器本体101Aと、この容器本体101Aの上下両端にそれぞれ溶接固定された椀状のエンドキャップ101B及びボトムキャップ101Cとから構成されている。この密閉容器101内には、下側に駆動手段としての電動要素103が収納され、上側に電動要素103の回転軸105によって駆動されるスクロール圧縮要素102がそれぞれ収納されている。密閉容器101内のスクロール圧縮要素102と電動要素103の間には、上部支持フレーム104(メインフレームという)が収納されており、この上部支持フレーム104には中央に軸受部106とボス収容部122とが形成されている。この軸受部106は回転軸105の先端(上端)側を回転可能に軸支するためのものであり、上部支持フレーム104の一方の面(下側の面)の中央から下方に突出して形成されている。また、ボス収容部122は後述する揺動スクロール115のボス124を収容するためのものであり、上部支持フレーム104の他方の面(上側の面)の中央を下方に凹陥することにより形成されている。
電動要素103下部の密閉容器101内には、下部支持フレーム107(ベアリングプレートという)が収納されており、この下部支持フレーム107の中央には軸受け108が形成されている。この軸受け108は、回転軸105の末端(下端)側を軸支するためのものであり、下部支持フレーム107の一方の面(下側の面)の中央から下方に突出して形成されている。そして、下部支持フレーム107の下側の空間、即ち、密閉容器101内の底部は、スクロール圧縮要素102などを潤滑する潤滑油が貯留されるオイル溜め162とされている。
回転軸105の先端(上端)には、偏心軸123が形成されている。この偏心軸123は、中心が回転軸105の軸心と偏心して設けられると共に、図示しないスライドブッシュ及び旋回軸受けを介して揺動スクロール115のボス124に、揺動スクロール115を旋回駆動可能に挿入されている。
スクロール圧縮要素102は、固定スクロール114と揺動スクロール115とで構成されている。固定スクロール114は、円形状の鏡板116と、この鏡板116の一方の面(下側の表面)に立設されたインボリュート状、又は、これに近似した曲線からなる渦巻き状のラップ117と、このラップ117の周囲を取り囲むように立設された周壁118と、この周壁118の周囲(周壁118の他方の面側(上側))に突出して設けられ、外周縁が全周囲で密閉容器101の容器本体101Aの内面に焼き嵌めされたフランジ119とから一体に構成されている。そして、固定スクロール114は、フランジ119が全周囲で容器本体101Aの内面に焼き嵌め固定されると共に、鏡板116の中央部(固定スクロール114の中心)には、スクロール圧縮要素102にて圧縮された冷媒ガスを密閉容器101内上側に形成された吐出圧力空間111(マフラー室)に連通する吐出孔113が形成されている。係る固定スクロール114は、ラップ117の突出方向を下方としている。固定スクロール114のフランジ119が全周囲で容器本体101Aの内面に焼き嵌め固定されることにより、固定スクロール114によって密閉容器101内が、上部の吐出圧力空間111と下部の空間112に区分される。
電動要素103は、密閉容器101に固定された固定子150と、この固定子150の内側に配置され、固定子150内で回転する回転子152とから構成されており、この回転子152の中心に回転軸105が嵌合されている。固定子150は、複数枚の電磁鋼板を積層した積層体から成り、この積層体の歯部に巻装された固定子巻線151を有している。また、回転子152も固定子150と同様に電磁鋼板の積層体で形成されている。
また、回転軸105の内部には回転軸105の軸方向に沿って油路105Aが形成されており、この油路105Aは、回転軸105の下端に位置する吸込口161を備え、吸込口161がオイル溜め162に貯留された潤滑油に浸漬されて、潤滑油中に開口している。また、油路105Aには各軸受け106、108に対応する位置に潤滑を給油する給油口(図示せず)が形成されており、係る構成により、回転軸105が回転すると、オイル溜め162に貯留された潤滑油が回転軸105の吸込口161から油路105Aに入り、上方に汲み上げられる。そして、汲み上げられた潤滑油は各給油口等を介して各軸受け106、108やスクロール圧縮要素102の摺動部に供給されることとなる。
密閉容器101には、密閉容器101内の下側の空間112内に冷媒を導入するための冷媒導入管145と、スクロール圧縮要素102にて圧縮され、前記吐出孔113から後述する吐出マフラー室128を介して密閉容器101内の上側の吐出圧力空間111に吐出された冷媒を外部に吐出するための冷媒吐出管146とが設けられている。尚、本実施例では、冷媒導入管145は密閉容器101の容器本体101Aの側面に溶接固定され、冷媒吐出管146はエンドキャップ101Bの側面に溶接固定されている。
上記のように、密閉容器101内の上側の吐出圧力空間111には、スクロール圧縮機100の外へ冷媒ガスを吐出する冷媒吐出管146が接続され、密閉容器101内の下側の空間112内には、冷媒を導入するための冷媒導入管145が接続されている。これによって、密閉容器101内の上部に高圧の吐出圧力空間111が形成されるが、スクロール圧縮要素102に吸い込まれる低圧冷媒ガスは、密閉容器101内の下側の空間112に流入した状態からスクロール圧縮要素102の吸入部へ吸い込まれる構成であるため、密閉容器101内の下側の空間112は低圧であり、これを以ってスクロール圧縮機100は、密閉容器101内が低圧となる内部低圧型のスクロール圧縮機を構成する。
一方、本実施例の構成では、固定スクロール114の鏡板116の上面130(ラップ117の反対側の面)が密閉容器101内の上側に形成された吐出圧力空間111に臨むように構成されている。固定スクロール114の鏡板116の上面130には、吐出孔113に連なる吐出弁と、この吐出弁に隣接して複数のリリース弁とが設けられている(吐出弁及びリリース弁は共に図示しない)。このリリース弁は、冷媒の過圧縮を防止するために設けられたものであり、図示しないリリースポートを介してスクロール圧縮要素102における圧縮過程の圧縮空間125に連通されている。
密閉容器101内上側の吐出圧力空間111内には固定スクロール114にネジ止めされたカバー127が設けられている。このカバー127の下面中央には、固定スクロール114側から吐出圧力空間111方向に凹陥形成され、吐出圧力空間111と共にマフラー室を形成する吐出マフラー室128が形成されている。この吐出マフラー室128が吐出孔113に連通すると共に、図示しないがカバー127と固定スクロール114間に設けられた隙間を介して吐出マフラー室128と密閉容器101内上側の吐出圧力空間111内とが連通している。
具体的には、スクロール圧縮要素102における圧縮過程の冷媒圧力が吐出孔113に至る以前に吐出圧力に達すると、前記リリース弁が開放されて、圧縮空間125内の冷媒が前記リリースポートを介して外部に吐出されることとなる。
揺動スクロール115は、上述した如き容器本体101Aの内面に焼き嵌め固定された固定スクロール114に対して旋回するスクロールであり、円板状の鏡板120と、この鏡板120の一方の面(上側の表面)に立設されたインボリュート状、又は、これに近似した曲線からなる渦巻き状のラップ121と、鏡板120の他方の面(下側の面)の中央に突出形成された前述したボス124とで構成されている。そして、揺動スクロール115はラップ121の突出方向を上方として、このラップ121が固定スクロール114のラップ117に180度回し、向かい合って噛み合うように配置され、内部のラップ117、121間に圧縮空間125が形成される。
即ち、揺動スクロール115のラップ121は、固定スクロール114のラップ117と対向し、両ラップ121、117の先端面が相手の底面(鏡板116面、及び、鏡板120面)に接するように噛み合い、且つ、揺動スクロール115は回転軸105の軸心から偏心して設けられた偏心軸123が回転可能に嵌合されている。このため、圧縮空間125は、2つの渦巻き状のラップ121、117が互いに偏心して、その偏心方向の線上で接して閉じこめられた複数の空間を作り、この空間の各々が圧縮室(低圧室や中間圧室、及び、高圧室などの複数の圧縮室)となる。
固定スクロール114は、その周壁118の周囲に設けられたフランジ119が複数のボルト(図示せず)を介して上部支持フレーム104に固定されている。また、揺動スクロール115はオルダムリング148、及び、オルダムキーよりなるオルダム機構149によって上部支持フレーム104に支承されている。これにより、揺動スクロール115は、固定スクロール114に対して、自転せずに旋回運動を行うように構成されている。
この揺動スクロール115は、固定スクロール114に対して偏心して公転するため、2つの渦巻き状のラップ117、121の偏心方向と接触位置は回転しながら移動し、前記圧縮室は外側から内側の圧縮空間125に向かって移りながら次第に縮小していく。最初に外側の圧縮空間125から入り込んで低圧室に閉じこめられた低圧の冷媒ガスは、断熱圧縮されながら次第に内側に移動して中間圧(中間圧室)を経て、最後に中央部(高圧室)に到達するときには、高温高圧の冷媒ガスとなる。この冷媒ガスは、固定スクロール114の中心に形成された吐出孔113、及び、吐出マフラー室128を介して吐出圧力空間111に送り出される。
また、前記カバー127内(カバー127の板厚内部)には、後述のようにレシーバタンク(受液器)42内の液冷媒を、冷媒回路を構成する後述のリキッドインジェクション回路50Aを介してスクロール圧縮要素102の中間圧部に戻し、蒸発させることによって圧縮ガスの冷却を行うためのリキッドインジェクション通路144(後述のリキッドインジェクション回路50Aの一部)が形成されている(図2に図示)。このリキッドインジェクション通路144は、カバー127内で分岐して後述するインジェクション孔141、142に接続される。また、リキッドインジェクション通路144には、内部が中空のチューブにて構成された配管140が接続されており、この配管140の一端はカバー127のリキッドインジェクション通路144内に圧入され、他端はスリーブ139を介してエンドキャップ101Bに溶接固定されている。
また、固定スクロール114の鏡板116には、リキッドインジェクション通路144に連通するインジェクション孔141、142が上下方向に貫通形成されている。両インジェクション孔141、142の下側(揺動スクロール115側)は、ラップ117、121側に開口すると共に、スクロール圧縮要素102の中間圧部分(固定スクロール114の中心に形成された吐出孔113と同一の圧縮室になる直前、若しくは、その近傍の中間圧の位置)に連通している。係る、エンドキャップ101Bとカバー127間に渡って配管140が取り付けられると共に、配管140に接続された接続管147に、後述のように、レシーバタンク(受液器)42からのリキッドインジェクション回路50Aを構成する配管が接続されて、リキッドインジェクション通路144が形成されている。
一方のインジェクション孔141は、図3に示すように固定スクロール114の中心を基準にして、他方のインジェクション孔142と180度ずれた位置に形成されている。そして、一方のインジェクション孔141は、固定スクロール114に立設されたラップ117の外側(揺動スクロール115のラップ121の内側に形成される高圧縮室側)に形成され、他方のインジェクション孔142は、固定スクロール114に立設されたラップ117の内側(揺動スクロール115のラップ121の外側に形成される高圧縮室側)に形成されている。
両インジェクション孔141、142は、後述のリキッドインジェクション回路50Aを介してスクロール圧縮要素102の中間圧部に連通するように形成される。図4に示すように、吐出孔113から高圧ガスの吐出が開始される以前に揺動スクロール115に立設されたラップ121にて閉塞される位置(中間圧縮室の高圧縮室近傍(圧縮室))に形成されており、スクロール圧縮要素102が冷媒を圧縮する工程において、後述のリキッドインジェクション回路50Aに連通した両インジェクション孔141、142が中間圧縮室に連通する。
なお、リキッドインジェクション回路50Aを介してスクロール圧縮要素102の圧縮空間125の低圧室へ液冷媒を供給するように、両インジェクション孔141、142をスクロール圧縮要素102の圧縮空間125の低圧室に連通するように形成することもできるが、以下の説明では、両インジェクション孔141、142をスクロール圧縮要素102の圧縮空間125の中間圧部である中間圧縮室に連通するように形成した構成において説明する。
次に、図4〜図6を参照して、圧縮ガスの冷却説明を行う。この冷却は、後述のように、レシーバタンク42内の液冷媒の一部、またはレシーバタンク42を出て後述の膨張弁43に入るまでの液冷媒の一部が、後述のリキッドインジェクション回路50Aを介してスクロール圧縮要素102の中間圧部に戻り蒸発して圧縮ガスの冷却が行われ、揺動スクロール115は最終圧縮行程近傍に位置しているものとする。
図4に示す状態から揺動スクロール115が公転していくにしたがって、図5に示すように揺動スクロール115のラップ121にて閉塞されていた両インジェクション孔141、142は、中間圧縮部(圧縮空間125)へ開口する直前に位置する。このときは、高圧室(圧縮空間125)から吐出孔113への高温高圧の冷媒ガスの吐出が終了、若しくは、終了直前状態である。
更に揺動スクロール115が公転していくと、図6に示すように、両インジェクション孔141、142から揺動スクロール115のラップ121が離間し、両インジェクション孔141、142は、中間圧室(圧縮空間125)に開口する。このときは、後述のレシーバタンク42内の液冷媒が後述のリキッドインジェクション回路50Aを介してスクロール圧縮要素102の中間圧部に戻り蒸発して圧縮ガスの冷却が行われる状態である。そして、更に揺動スクロール115が公転していくと、上記同様の動作を繰り返す。これによって、スクロール圧縮機100の圧縮ガスの冷却が行われる。
本発明に係る超低温冷凍回路1を示す冷媒配管図の一つの実施例を図1に示している。スクロール圧縮機100の高温高圧の吐出冷媒ガスの温度を検出する温度検知部60は、吐出孔113から凝縮器41へ導入されるまでの冷媒ガス温度を検知すればよく、その間のいずれかの箇所での冷媒の温度を検知する取り付けであればよい。このため、図1には、温度検知部60は、スクロール圧縮機100の出口である冷媒吐出管146から凝縮器41の入り口までのホットガス冷媒路71のホットガス冷媒の温度を検知する取り付けた構成を示し、また、図2には、温度検知部60は、密閉容器101及びカバー127の上壁を貫通するパイプ136の先端部(下端部)に収容されており、吐出孔113から上方へ吐出される冷媒ガスの温度を検知する構成を示している。
図1において、スクロール圧縮機100にて圧縮され、それぞれの吐出孔113から吐出マフラー室128及び吐出圧力空間111を経て冷媒吐出管146から吐出された高温高圧の冷媒ガス中にはオイルが混合されている。図1に示すように、スクロール圧縮機100にて圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、オイルセパレータ40へ流入する。オイルセパレータ40では流入した冷媒ガス中のオイルが分離され、オイルが分離された冷媒ガスは、オイルセパレータ40の上部から凝縮器41へ流入して放熱され凝縮される。この放熱によって温度低下(例えば略50℃に低下)した液冷媒(一部にガス冷媒が混入している場合も含む)は、レシーバタンク42へその上部から入り、レシーバタンク42の底部に溜まった液冷媒がレシーバタンク42の底部から出て過冷却器411にて過冷却されて温度が低下し(例えば、略4〜5℃に低下)、その過冷却された液冷媒は、膨張弁43に流入して減圧膨張された後、蒸発器44へ流入して蒸発することにより、スーパーショーケースや冷凍庫等の所定の超低温冷凍領域を−40℃以下の所定の超低温に冷却する。そして、蒸発器44を出た冷媒は、アキュムレータ45を経由して再び冷媒導入管145よりスクロール圧縮要素102の吸込部へ吸い込まれて圧縮され、再び冷媒吐出管146ら吐出されて上記循環を繰り返すように動作する。
過冷却器411は、凝縮器41に併設されており、凝縮用電動ファン41Aにて放熱される構成である。このため、レシーバタンク42を出た液冷媒は、過冷却器411にて過冷却されることにより、冷凍能力の増加、及びスクロール圧縮機100の運転による消費電力の低減を図ることができるものとなる。アキュムレータ45は、後述の冷媒吸い込み路70の吸い込み冷媒に含まれる液冷媒を溜めて、スクロール圧縮機100へはガス冷媒が帰還するが液冷媒が帰還しないように気液分離するものである。
アキュムレータ45は、スクロール圧縮機100へ吸い込まれる冷媒中に液冷媒が含まれれば、その液冷媒を溜めて液冷媒が帰還しないようにして、スクロール圧縮機100へはガス冷媒が帰還するように気液分離するものである。蒸発器44は一つで示しているが、スーパーショーケースや冷凍庫等の所定の超低温冷凍領域が複数の場合は、それに応じて蒸発器44が複数並列接続され、蒸発器44ごとに 膨張弁43が接続される構成となる。凝縮器41及び過冷却器411は、空冷式または水冷式があり、空冷式の場合は凝縮用電動ファン41Aによって放熱される。また蒸発器44で冷却された空気は、冷却用電動ファン44Aによってスーパーショーケースや冷凍庫等の所定の超低温冷凍領域を超低温に冷却する空気循環が行われる。なお、47は循環する冷媒中のごみを取り除くフィルタと水分を吸着する乾燥剤を含むフィルタドライヤ、48はストレーナ、49は冷媒の流れを外部から目視するためのサイトグラスである。
図1において、本発明に係る超低温冷凍装置では、フロン404Aの冷媒を使用して超低温を得ている。本発明の実施例では、スクロール圧縮機100に対して、スクロール圧縮要素2の温度上昇を抑制するために、レシーバタンク42の底部に溜まった液冷媒の一部が、リキッドインジェクション通路144からインジェクション孔141、142を通って、スクロール圧縮要素2の低圧部(低圧室)または中間圧部(中間圧室)へ導入するリキッドインジェクション回路50Aを備える。また、スクロール圧縮機100の出口である冷媒吐出管146から凝縮器41の入り口までのホットガス冷媒路71のホットガス冷媒の一部を、蒸発器44の出口からスクロール圧縮機100のスクロール圧縮要素2の吸込口までの冷媒吸い込み路70の吸い込み冷媒に合流させる冷媒供給路68を設けている。
更に本発明に係る超低温冷凍装置は、図1に示すように、スクロール圧縮機100に対して、オイルセパレータ40の底部に溜まったオイルをスクロール圧縮機100の底部のオイル溜め162へ戻すためのオイルリターン回路52Aを備えている。
リキッドインジェクション回路50Aは、そこを流れる液冷媒の流量を所定値に調整する流量調整弁54Aと、スクロール圧縮機100の吐出冷媒ガス(即ち、ホットガス冷媒)の温度を検出するようにホットガス冷媒路71に取り付けた温度検知部60の検知に基づきリキッドインジェクション回路50Aを開く冷媒用電磁弁55Aが直列接続されている。図示の流量調整弁54Aは、ホットガス冷媒路71に取り付けた温度検知部60Aの温度検知に応じてキャピラリチューブ54A1内のガスの体積膨張・収縮によって流量を調整する弁機構であるガス封入式流量調整弁であるが、これに替わって、温度検知部60の温度検知に基づき後述の制御部62の動作によって流量を調整する弁機構である電動式流量調整弁であってもよい。流量調整弁54Aに並列にキャピラリチューブ58Pが接続されており、リキッドインジェクション回路50Aを流れる液冷媒が流量調整弁54Aとキャピラリチューブ58Pの両方を流れることにより、流量調整弁54Aの流量制御範囲を変更することができるものである。
リキッドインジェクション回路50Aによる圧縮要素102の低圧部(低圧室)または中間圧部(中間圧室)への液冷媒の供給は、スクロール圧縮要素102の低圧部(低圧室)または中間圧部(中間圧室)よりもレシーバタンク42内の圧力が高圧であることによる圧力差によって行なわれる。これによって、スクロール圧縮要素102の温度上昇が抑制される。なお、59Cはストレーナを示す。また、SV2は、修理・点検・メンテナンス等のときに手動でリキッドインジェクション回路50Aを閉じることができるサービス用バルブであり、通常はリキッドインジェクション回路50Aを開いている。
冷媒供給路68は、ホットガス冷媒路71のホットガス冷媒の一部を、キャピラリチューブ68P及び電磁弁構成のホットガス用開閉弁68Aの直列回路を介して冷媒吸い込み路70の吸い込み冷媒に合流させている。図1に示す実施例では、実線のように、冷媒供給路68の入り口は、ホットガス冷媒路71のうち、スクロール圧縮機100の出口である冷媒吐出管146からオイルセパレータ40の入り口までのホットガス冷媒路に接続され、冷媒供給路68の出口は、冷媒吸い込み路70のうちの蒸発器44の出口からアキュムレータ45の入り口までの冷媒吸い込み路70にGP部で接続されている。
なお、図1に点線68Yで示すように、冷媒供給路68の入り口は、ホットガス冷媒路71のうちオイルセパレータ40の出口から凝縮器41の入り口までのホットガス冷媒路に接続してもよく、またはオイルセパレータ40内の上部のホットガス領域に接続してもよい。また、冷媒供給路68の出口は、冷媒吸い込み路70のうちのアキュムレータ45の出口からスクロール圧縮機100の冷媒導入管145までの冷媒吸い込み路70の吸い込み冷媒に合流させるように接続してもよく、またはアキュムレータ45内の上部のガス冷媒領域に接続してもよい。
オイルリターン回路52Aは、スクロール圧縮機100の底部のオイル溜め162のオイルレベルを検知するオイルレベル検知部61Aの検知に基づき、オイルリターン回路52Aを開閉するオイル用電磁弁57Aを備える。オイルリターン回路52Aには、流れるオイルの流量を所定値に調整する流路抵抗を有するキャピラリチューブ58Aをオイル用電磁弁57Aの下流に設けることができる。
図7には、本発明に係る超低温冷凍装置の制御装置を示している。マイクロコンピュータ方式の制御部62を備え、制御部62の入力信号源として、温度検知部60、オイルレベル検知部61A、スーパーショーケースや冷凍庫等の所定の超低温冷凍領域の温度を検出する温度センサ63が接続され、更に、超低温冷凍装置の高圧部の圧力を検知するために、スクロール圧縮機100の高圧部の圧力を検出するように吐出孔113、マフラー室128または吐出圧力空間111の吐出冷媒ガスの圧力を検知するように設けた高圧センサ64、超低温冷凍装置の低圧部の圧力を検知するようにスクロール圧縮機100の低圧部である低圧空間112の冷媒ガスの圧力を検知する低圧センサ65、及び蒸発器44の出口からスクロール圧縮機100のスクロール圧縮要素2の吸込口までの冷媒吸い込み路70の温度を検知する温度検知部66等が接続されている。
高圧センサ64は、スクロール圧縮機100の吐出圧力が異常高圧になったとき、スクロール圧縮機100の運転を停止するためのものであり、スクロール圧縮機100の吐出圧力の所定の高圧を検知したとき制御部62の動作によって、スクロール圧縮機100の運転を停止する。このため、高圧センサ64は、スクロール圧縮機100から吐出され凝縮器41へ導入されるまでの冷媒路の冷媒ガス圧力を検知するように、この冷媒路の配管のいずれか箇所の圧力を検知する取り付けであってもよい。また、低圧センサ65は、スクロール圧縮機100の吸入圧力(蒸発圧力)制御用センサであり、蒸発器44の出口からスクロール圧縮機100のスクロール圧縮要素2の吸入部までの冷媒吸い込み路70のいずれかの箇所の圧力を検知する取り付けであればよい。
また、制御部62の出力側には、温度センサ63等の検出に基づきスクロール圧縮機100の回転数制御を行うインバータ回路67、流量調整弁54A、冷媒用電磁弁55A、オイル用電磁弁57A、膨張弁43、凝縮用電動ファン41A、冷却用電動ファン44A、ホットガス用開閉弁68A等が接続されている。
上記の構成において、スクロール圧縮機100が運転されることによって、冷媒吐出管146から高温高圧の冷媒ガスが吐出され、オイルセパレータ40へ導入される。オイルの質量は冷媒ガスよりも大なるため、オイルセパレータ40に導入された冷媒ガスとそれに含まれるオイルが分離され、オイルはオイルセパレータ40の底部に溜まり、冷媒ガスはオイルセパレータ40の上部から凝縮器41へ流入して放熱され凝縮される。この放熱によって温度低下した(例えば略50℃に低下)液冷媒(一部にガス冷媒が混入している場合も含む)は、レシーバタンク42へその上部から入り、レシーバタンク42の底部に溜まった液冷媒がレシーバタンク42の底部から出て過冷却器411にて過冷却されて温度が低下し(例えば、略4〜5℃に低下)、その過冷却された液冷媒は、膨張弁43に流入して減圧膨張された後、蒸発器44へ流入して蒸発することにより、スーパーショーケースや冷凍庫等の所定の超低温冷凍領域を−40℃以下の超低温に冷却する。そして、蒸発器44を出た冷媒は、冷媒吸い込み路70に設けたアキュムレータ45を経由して再び冷媒導入管145よりスクロール圧縮要素2の吸込部へ吸い込まれて圧縮され、再び冷媒吐出管146から吐出されて上記循環を繰り返すように動作する。
本発明に係る超低温冷凍装置は、−40℃以下の超低温、例えば−50℃や−60℃等に設定した設定温度で運転されるものであり、スクロール圧縮機100の運転に基づく冷媒循環によって蒸発器44の蒸発温度は低下し、冷却用電動ファン44Aの運転によって冷気循環が行なわれて、スーパーショーケースや冷凍庫等の食品貯蔵領域である所定の超低温冷凍領域の温度が低下し、−40℃以下の設定した所定の超低温に冷却される。この冷却によって超低温冷凍領域の温度が設定した所定の下限温度に低下すると、この温度を温度センサ63が検出することによって、制御部62の動作に基づき一定速度回転のスクロール圧縮機100の場合は、その運転を停止し、且つ凝縮用電動ファン41A及び冷却用電動ファン44Aの運転を停止する。また、スクロール圧縮機100がインバータ制御方式の場合は、超低温冷凍領域の温度が低下する従ってスクロール圧縮機100の回転数が低下し、所定の下限温度に低下した状態で、この温度を維持するようにスクロール圧縮機100は低速回転数で運転される。この動作と共に、膨張弁43の開度も制御部62によって制御されると共に、凝縮用電動ファン41A及び冷却用電動ファン44Aの運転が制御される。
本発明に係る超低温冷凍装置は、上記のようにリキッドインジェクション回路50Aを備えている。これによって、スクロール圧縮機100においては、温度検知部60が所定の高温度を検知することにより、制御部62の動作に基づいて冷媒用電磁弁55Aが開き、レシーバタンク42の底部の液冷媒の一部がリキッドインジェクション回路50Aによって、インジェクション孔141、142からスクロール圧縮要素102の低圧部または中間圧部分へ供給され、スクロール圧縮要素102の温度上昇を抑制する。この場合、温度検知部60の検知温度に応じた制御部62の動作に基づいて、設定温度を超える温度差が大きい場合は液冷媒の流量が多く、設定温度を超える温度差が小さい場合は液冷媒の流量が少なくなるように、電動式流量調整弁54Aによる液冷媒の流量が所定値に調整される。このようなスクロール圧縮要素102の低圧部または中間圧部分への液冷媒の供給は、スクロール圧縮要素102の低圧部または中間圧部分よりもレシーバタンク42内の圧力が高圧であることによる圧力差によって行なわれる。これによって、スクロール圧縮要素102の温度上昇が抑制される。
また、本発明に係る超低温冷凍装置は、上記のように、オイルリターン回路52Aを備えている。これによって、スクロール圧縮機100の底部のオイル溜め162のオイルレベルを検知するオイルレベル検知部61Aが下限レベルを検知したことにより、制御部62の動作に基づいてオイル用電磁弁57Aが開き、オイルセパレータ40の底部に溜まったオイルが、キャピラリチューブ58Aにより所定流量に制限された状態で、オイルリターン回路52Aから密閉容器1内底部のオイル溜め162に供給され、オイル溜め162のオイル不足を解消する。このようなオイル溜め162へのオイルの供給は、密閉容器1内底部のオイル溜め162の圧力よりもオイルセパレータ40内の圧力が高圧であることによる圧力差によって行なわれる。
また、本発明に係る超低温冷凍装置は、−40℃以下の超低温、例えば−45℃〜−60℃のうちの設定温度で運転されるものであるが、蒸発器44における過熱度が大きくなった場合や、膨張弁43の動作不良により正常な絞り効果が得られない場合等では、蒸発器44から冷媒吸い込み路70を通ってスクロール圧縮機100へ帰還する冷媒温度が規定値の範囲よりも大きく低下して、−50℃以下になることがある。このような超低温冷媒が冷媒吸い込み路70からスクロール圧縮機100に帰還すれば、この冷媒吸い込み路70に設けたアキュムレータ45等の吸い込み側部品やスクロール圧縮機100に使用されている材料がこの超低温に耐えられるような特殊な材料で構成されていない場合は、経時変化によってスクロール圧縮機100が動作不良などの事態を招くようになる。
本発明はこのようなことを防止するために、上記のように冷媒供給路68を設けている。これによって、蒸発器44を出た冷媒温度が規定値(上記のように法規制された値、現時点では−50℃)以下の低温度の冷媒がスクロール圧縮機100へ継続して吸い込まれることを防止するために、蒸発器44を出た冷媒温度が所定の冷凍温度に低下した状態で、スクロール圧縮機100へ帰還する冷媒が、規定値(−50℃)以下の温度状態で継続して吸い込まれることがないように昇温する。
このための一つの実施例として、スクロール圧縮機100の運転によって、冷媒吸い込み路70の冷媒温度が、規定値(本発明の実施例では−50℃としている)に低下する前の所定温度(実施例では−49℃)に低下したことを温度検知部66が検出することにより、制御部62の動作により、それまで閉じていた電磁弁68Aを開き、ホットガス冷媒路71のホットガス冷媒の一部を、キャピラリチューブ68P及びホットガス用開閉弁68Aの直列回路を有する冷媒供給路68を通して、冷媒吸い込み路70の吸い込み冷媒に合流させ、冷媒吸い込み路70の冷媒温度を上昇させる。このようにホットガス冷媒が、冷媒供給路68を通して冷媒吸い込み路70の吸い込み冷媒に合流されるのは、冷媒供給路68の入り口側と出口側の圧力差によって行なわれる。
このホットガス冷媒の混合によって上昇した温度は、温度検知部66が検出するため、例えば、温度検知部66が−45℃に上昇したことを検出することにより、制御部62の動作により、電磁弁68Aを閉じて冷媒供給路68から冷媒吸い込み路70へのホットガス供給を停止する。この停止の後に、再度冷媒吸い込み路70の冷媒温度が規定値(−50℃)未満の所定の冷凍温度(実施例では−49℃)に低下したことを温度検知部66が検出した場合は、上記同様にして冷媒供給路68を通してホットガス冷媒の供給によって、スクロール圧縮機100に対する安全な温度まで、冷媒吸い込み路70の吸い込み冷媒の温度を上昇させることができるものとなる。
図1に示すように、温度検知部66は、冷媒供給路68の出口が冷媒吸い込み路70に接続されるGP部よりも下流側、即ち、スクロール圧縮機100の冷媒導入管145寄りの部分において、冷媒吸い込み路70の吸い込み冷媒の温度を検知するように取り付けられている。これによって、冷媒吸い込み路70の吸い込み冷媒の温度状態の検知が的確となり、冷媒吸い込み路70の吸い込み冷媒の温度が所定の低温になった状態で電磁弁68Aを開く制御と、冷媒供給路68からのホットガス冷媒によって冷媒吸い込み路70の吸い込み冷媒の温度が所定の温度に上昇した状態で、電磁弁68Aを閉じる制御が的確に行なえるものとなる。
上記において、ホットガス用開閉弁68Aが開く温度を、規定値(−50℃)に近いが−50℃未満の温度とし、例えば、−45℃〜−49℃の範囲の所定の温度を温度検知部66が検知することにより、蒸発器44を出た冷媒に冷凍装置のホットガス冷媒を混合させて、冷媒吸い込み路70の吸い込み冷媒の温度を−50℃よりも十分高い温度の冷媒とすることができる。これによって、冷媒吸い込み路70に設けたアキュムレータ45等の吸い込み側部品やスクロール圧縮機100に使用されている材料が、規定値(−50℃)以下の超低温に耐えられるような特殊な材料で構成されていない場合の保護ができるものとなる。なお、ホットガス用開閉弁68Aが開く温度を、規定値(−50℃)からあまり離れすぎた温度とすると、無闇にホットガス冷媒による混合が行なわれることとなり、好ましくない。