JP5875547B2 - 移動体用受信装置および系列局サーチ開始タイミング判定方法 - Google Patents
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Description
まず、従来の系列局サーチ開始タイミングの判定における問題点について説明する。
図1は、従来の移動体用受信装置の構成を示すブロック図である。図1に示す受信装置は、アンテナ100、チューナ101、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)デコーダ102、MPEG(Moving Picture Experts Group)デコーダ103、CPU104、映像回路105、映像表示部106、音声回路107およびスピーカ108を備えて構成される。
図2は従来の系列局サーチの開始タイミングの判定方法を示すフローチャートである。
まず、入力部を用いてユーザから放送局の周波数が設定されると、チューナ101は、アンテナ100で受信された地上波デジタルテレビ放送波のうち、ユーザから設定された周波数の信号を選局する(ステップST100)。チューナ101は、アンテナ100によって受信されたデジタル放送波信号をIF信号に周波数変換する。IF信号は、OFDMデコーダ102によってOFDMデコードされ、MPEGデコーダ103によってMPEGデコードされる。
一方、受信率が上記閾値以下となった場合(ステップST102;YES)、MPEGデコーダ103は、受信率が上記閾値以下となった期間が一定期間継続したか否かを判定する(ステップST103)。このとき、一定期間経過する前に受信率が回復した場合(ステップST103;NO)、ステップST102に戻って上記判定を繰り返す。
このようにすることで、受信エリアを越えた移動を行った場合にも、引き続き視聴することが可能というメリットがあった。
期間(3)は移動体がトンネルTAを出た直後の期間であるが、本来ならば、放送局Aからの放送を直ちに受信可能であるところ、トンネルTA内で開始された系列局サーチが継続しているために、放送局Aからの放送を受信できない。この受信不可状態は、系列局サーチが完了する期間(4)まで継続する。
しかしながら、図4に示すように、移動体が、例えば放送局A,Bの受信エリアを跨ぐトンネルTBを移動している場合には、上述の方法であっても、スポット的な放送圏外、すなわち、一時的な受信率の低下として判断される。このため、移動先の放送局Bの受信エリアで系列局サーチが直ちに開始されず、その分放送局Bからの放送の受信が遅れる。
また、制御部5aは、GPS(Global Positioning System)受信機10が受信したGPS情報および地図情報DB11に記憶される地図情報に基づいて、現在受信中の放送の受信エリア内に移動体が存在すると判定された場合、上記受信状態が許容条件を満たさなくなった場合であっても、系列局のサーチを開始しないように制御する。
図6は、実施の形態1に係る系列局サーチ開始タイミング判定方法を示すフローチャートである。
まず、入力部を用いてユーザから放送局の周波数が設定されると、チューナ2は、アンテナ1で受信された地上波デジタルテレビ放送波のうち、ユーザから設定された周波数の信号を選局する(ステップST1)。チューナ2は、アンテナ1によって受信されたデジタル放送波信号をIF信号に周波数変換する。IF信号は、OFDMデコーダ3によってOFDMデコードされ、MPEGデコーダ4によってMPEGデコードされる。
一方、受信率が上記閾値以下となった場合(ステップST3;YES)、MPEGデコーダ4は、受信率が上記閾値以下となった期間が一定期間継続したか否かを判定する(ステップST4)。このとき、一定期間経過する前に受信率が回復した場合(ステップST4;NO)、ステップST3に戻って上記判定を繰り返す。
例えば、地図情報には、各放送局の受信エリアが緯度経度で判別可能な領域として規定されており、制御部5aは、GPS情報から得られる現在位置情報(緯度経度)を用いて受信エリア内であるか、他の受信エリア内であるかまたは異なる受信エリア間を跨ぐ状況にあるのかを判定することができる。
一方、移動体が受信中の放送の受信エリア内にある場合(ステップST6;YES)、制御部5aは、移動体の現在の位置情報、現在地周辺の地図情報、およびこれに含まれる現在地周辺の受信エリアを示す情報に基づいて、受信中の放送の受信エリア内であるが、他の受信エリアとの間を跨ぐトンネルなどを移動体が移動しているか否かを判定する(ステップST7)。
なお、移動体がトンネル内で移動先の受信エリア内に入った場合には、ステップST6で受信エリア外と判定され、制御部5aは、受信放送の系列局サーチを直ちに開始するよう、チューナ2を制御する。これにより、系列局サーチが自動的に開始される(ステップST8)。
この後、トンネルから移動体が出た時点で受信中の放送の受信エリア外にあると判定されれば(ステップST6;NO)、制御部5aは、直ちに系列局サーチを開始するよう制御する。これにより、系列局サーチが自動的に開始される(ステップST8)。
このようにすることで、受信中の放送の受信エリア内にあるにもかかわらず、系列局のサーチが開始され、トンネルのような受信環境の悪い場所から脱した時点で再受信することができなくなるような不具合を解消することができ、系列局サーチを適切に行うことができる。
このようにすることで、受信環境が悪いトンネルなどで系列局サーチが開始されることを防止でき、かつ、トンネルを抜けて他の受信エリアに出た時点で直ちに系列局サーチを開始することができる。
実施の形態2は、実施の形態1と同様に、受信エリアを示す情報が含む地図情報を使用するが、地図情報にトンネルや地下駐車場などの詳細な情報がない場合を想定している。すなわち、この実施の形態2では、トンネルや地下駐車場などの放送波を遮蔽する空間では、遮蔽物によって光が遮断されて車室内が暗くなることを利用し、照度計と時刻によってトンネルや地下駐車場などに車両が存在するか否かを判定する。
制御部5Aは、放送の受信状態が許容条件を満たさなくなった場合、地図情報、地図情報に含まれる受信エリアを示す情報、移動体の位置情報、および、照度計12が計測した移動体内の照度情報に基づいて、移動体が受信放送の受信エリア内であり、かつ移動体内の照度が閾値以下である場合には、系列局のサーチを開始しないよう制御する。
なお、図8において、図5と同一構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
図9は、実施の形態2に係る系列局サーチ開始タイミング判定方法を示すフローチャートである。図9におけるステップST1aからステップST5aまでの処理は、図6に示したステップST1からステップST5までと同様であるので説明を省略する。
移動体が異なる受信エリア内へ移動した後である場合、すなわち、受信中の放送の受信エリア内にない場合(ステップST6a;NO)、制御部5Aは、受信放送の系列局サーチを開始するよう、チューナ2を制御する。これにより、系列局サーチが自動的に開始される(ステップST11a)。一方、移動体が受信中の放送の受信エリア内にある場合(ステップST6a;YES)、制御部5Aは、照度計12から移動体内の照度情報を取得する(ステップST7a)。
移動体内の照度情報が所定の閾値を超えている場合(ステップST8a;NO)、制御部5Aは、受信中の放送の受信エリア内に移動体は存在するが、長いトンネルや地下駐車場のような遮蔽空間には存在せず、何らかの一過性の受信状態の悪化であると判断して、ステップST3aの処理に戻って上記処理を繰り返す。
ここで、夜間であれば(ステップST10a;YES)、制御部5Aは、受信中の放送の受信エリア内に移動体は存在するが、長いトンネルや地下駐車場のような遮蔽空間には存在せず、何らかの一過性の受信状態の悪化であると判断して、ステップST3aの処理に戻って上記処理を繰り返す。このようにすることで、夜間で照度が低下したことと、トンネルや地下駐車場に存在して照度が低下したこととを混同する弊害を防止できる。
Claims (4)
- 移動体に搭載されて、放送の受信状態が許容条件を満たさなくなった場合に受信放送の系列局のサーチを行う移動体用受信装置において、
前記放送の受信状態が許容条件を満たさなくなった場合においても、地図情報、前記地図情報に含まれる受信エリアを示す情報、および前記移動体の位置情報に基づいて、前記移動体が前記受信放送の受信エリア内にあると判定された場合には、前記系列局のサーチを開始しないよう制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記放送の受信状態が許容条件を満たさなくなった場合、地図情報、前記地図情報に含まれる受信エリアを示す情報、および前記移動体の位置情報に基づいて、前記移動体が前記受信放送の受信エリアから異なる放送局の受信エリアへ移動していると判定された場合、前記移動体が前記異なる放送局の受信エリアに移動した時点で前記系列局のサーチを開始するよう制御することを特徴とする移動体用受信装置。 - 前記制御部は、前記放送の受信状態が許容条件を満たさなくなった場合、地図情報、前記地図情報に含まれる受信エリアを示す情報、前記移動体の位置情報、および前記移動体内の照度情報に基づいて、前記移動体が前記受信放送の受信エリア内であり、かつ前記移動体内の照度が閾値以下である場合には、前記系列局のサーチを開始しないよう制御することを特徴とする請求項1記載の移動体用受信装置。
- 前記制御部は、前記放送の受信状態が許容条件を満たさなくなった場合、前記移動体が前記受信放送の受信エリアから異なる放送局の受信エリアへ移動しているか、もしくは、前記移動体が前記受信放送の受信エリアから異なる放送局の受信エリアへ移動しており、かつ時刻が夜間である場合には、前記移動体が前記異なる放送局の受信エリアに移動した時点で前記系列局のサーチを開始するよう制御することを特徴とする請求項2記載の移動体用受信装置。
- 移動体用受信装置が、受信中の放送の系列局サーチの開始タイミングを判定する系列局サーチ開始タイミング判定方法において、
前記移動体用受信装置の制御部が、前記放送の受信状態が許容条件を満たすか否かを判定するステップと、
前記制御部が、前記放送の受信状態が許容条件を満たさなくなった場合、地図情報、前記地図情報に含まれる受信エリアを示す情報、および前記移動体の位置情報に基づいて、前記移動体が受信放送の受信エリア内であるか否かを判定するステップと、
前記制御部が、前記移動体が前記受信放送の受信エリア内にあると判定された場合は、前記系列局のサーチを開始しないよう制御するステップと、
前記制御部が、前記放送の受信状態が許容条件を満たさなくなった場合、地図情報、前記地図情報に含まれる受信エリアを示す情報、および前記移動体の位置情報に基づいて、前記移動体が前記受信放送の受信エリアから異なる放送局の受信エリアへ移動していると判定するステップと、
前記制御部が、前記移動体が前記受信放送の受信エリアから異なる放送局の受信エリアへ移動していると判定した場合は、前記移動体が前記異なる放送局の受信エリアに移動した時点で前記系列局のサーチを開始するよう制御するステップと、を備えたことを特徴とする系列局サーチ開始タイミング判定方法。
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