JP5875354B2 - 金属体のロール曲げ方法及びロール曲げ加工装置 - Google Patents

金属体のロール曲げ方法及びロール曲げ加工装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5875354B2
JP5875354B2 JP2011271141A JP2011271141A JP5875354B2 JP 5875354 B2 JP5875354 B2 JP 5875354B2 JP 2011271141 A JP2011271141 A JP 2011271141A JP 2011271141 A JP2011271141 A JP 2011271141A JP 5875354 B2 JP5875354 B2 JP 5875354B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roll
metal body
bending
bending moment
lower roll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011271141A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013121610A (ja
Inventor
良祐 若狭
良祐 若狭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Brake Industrial Co Ltd
Original Assignee
Japan Brake Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Brake Industrial Co Ltd filed Critical Japan Brake Industrial Co Ltd
Priority to JP2011271141A priority Critical patent/JP5875354B2/ja
Publication of JP2013121610A publication Critical patent/JP2013121610A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5875354B2 publication Critical patent/JP5875354B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Bending Of Plates, Rods, And Pipes (AREA)

Description

本発明は、曲げ加工装置、特に回転駆動する上ロールと、これに対向して従動回転する下ロールとを有する、所謂ロール式の曲げ加工装置を用いる金属体のロール曲げ方法及びロール曲げ加工装置に関する。
曲げ加工は、様々な方法が従来より行われており、その中の一方法として、ロール曲げ加工がある。ロール曲げ加工は、平板部材又は直線状の部材を、複数本のロール間を通過させ、前記部材に曲げモーメントを作用させて、湾曲加工するものである。
図1に示すものは、高い剛性を有するロールを3本使用するもので、回転駆動する上ロール1の下方に、一対の従動回転する下ロール2が、水平且つ上ロール1の水平方向で見て前後に配置されている。下ロール2は、直線的に上下動する機構を有しており、加工後の部材3の曲率は、上ロール1と下ロール2との回転軸離間距離Hにより決定される。尚、以下において、回転軸離間距離Hを、単に離間距離ということがある。
加工時は、回転軸離間距離Hを所定の値に設定し、上ロール1と下ロール2との間に、加工される部材3を進入させることで、上ロール1の回転駆動力により部材3が送出され、湾曲加工される。
尚、湾曲加工時に、図10に示すように、Start(加工開始)からEnd(加工終了)まで回転軸離間距離Hを一定に保った場合には、部材3の一端部及び他端部において、十分な曲げモーメントが作用せず、直線部が残ることがある。これは、曲げモーメントMが、下記式(1)に示されるように、押付力Fの作用点からの距離Xに比例する為であり、押付力Fの作用点である2本の下ロール2の位置では、曲げモーメントMが発生せず、また、押付力Fの作用点近傍では、発生する曲げモーメントが、湾曲加工に必要な曲げモーメントに足らない為に、発生するものである。
これを防止するためには、部材3の両端部を、予めプレス機等により円弧状に曲げておく、「端曲げ」という方法が用いられる(特許文献1)。
Figure 0005875354
特開2010−69484号公報
しかしながら、前述したロールを用いる曲げ加工では、特許文献1に記載の通り、予め端曲げを施しても、端曲げ部分の曲率と、ロール曲げ加工された曲率とが一致せず、曲げ加工精度(真円度等)は高くない。これは、図1に示すように、上ロール1と下ロール2との間の加工される金属体3の曲率分布が、ロール加工開始付近(一端部4)に大きく変化する領域6が存在し、この領域の成形曲率が、曲率分布の変化の小さいロール成形中間部の領域7に対して、小さくなる為であると考えられる。このような現象は、ロール加工終了部(他端部5)においても同様である。より詳細に述べると、この様な現象は、ロール加工終了部に特に顕著である。これは、ロール加工を進めることで、上ロール1と下ロール2との間に金属体3の端曲げされた他端部5が進入した瞬間に曲げモーメントが急激に低下することで、金属体3の曲率分布が急激に変化する為である。これらの為、ロール加工されたものは対称とはならない。
その為、加工される金属体3が、板状部材の場合には、ロール加工後に矯正加工を施し、略円環状としているのが現状である。
別の方法としては、端曲げを矯正ロールによって加工する方法もあるが、加工される金属体が、極厚板又は断面コ字形状等の形材となると、矯正ロールに大きな荷重が加わることになり、装置の耐久性や大型化が、新たな問題となる。
更に別な方法としては、特許文献1に記載のように、素材である平板をトップロールとピンチロールの間に挿入し、平板の展開長の中間位置から一定の曲げモーメントを負荷しながら、ロールを回転させることにより巻ききった後、平板を反転し、再度トップロールとピンチロールの間に挿入、平板の展開長の中間位置から一定の曲げモーメントを負荷しながら、ロールを回転させることにより巻ききる方法があるが、加工される金属体を、加工途中で一度取り外して再セットする必要があり、加工の手間が増えることが問題となる。
本発明は、プレス機等により端曲げを行った金属体に対しても、略円環状に曲げ加工された金属体の端部を含め、高い曲げ加工精度を得られ、更に対称に曲げ加工が可能で、また、ロール加工後の矯正加工を必要とせず、加工される金属体を加工途中で取り外す必要もなく、加工の手間が少ない、金属体のロール曲げ方法及びロール曲げ加工装置を、提供することを目的とする。
本発明は、以下のものに関する。
(1)(a)両端部を端曲げした金属体の直線部分の、長さ方向の中心位置から外れた位置を、ロール曲げ加工装置の上ロールと下ロールとの間の最大曲げモーメント負荷位置にセットする工程と、(b)曲げモーメントを負荷しながら前記金属体を一端部の方向へと、前記金属体の一端が下ロールの接点に来るまで、ロールを逆転させて加工する工程と、(c)曲げモーメントを負荷しながら前記金属体を他端部の方向へと、ロールを順転させて加工する工程、とを含む金属体のロール曲げ方法。
(2)両端部を端曲げした金属体の直線部分の、長さ方向の中心位置から外れた位置を曲げ加工開始点とし、駆動回転する上ロールと、曲げモーメントを負荷する位置変更手段を有する下ロールとの離間距離を、曲げ加工開始点から端曲げした前記金属体の距離の近い方の一端が下ロールの接点に来るまでロールを逆転させながら、一定に保持するか、又は徐々に短くし、その一端にて離間距離を一旦長くし、一定状態に保ちながら前記金属体の他端方向へとロールを順転させた後、徐々に短くする、(1)項に記載の金属体のロール曲げ方法。
(3)加工開始点を、金属体の一端から下記式(2)により算出される位置とし、位置変更手段が、離間距離を一定状態から徐々に短くするタイミングを、前記金属体の他端から下記式(3)により算出される位置とする、(2)項に記載の金属体のロール曲げ方法。
(4)両端部を端曲げした金属体を送り出す駆動回転する上ロールと、前記金属体に曲げモーメントを負荷する位置変更手段を有する下ロールと、前記金属体の直線部分の、長さ方向の中心位置から外れた位置を前記上ロールと前記下ロールとの間の最大曲げモーメント負荷位置にセットする位置決め手段とを備え、(a)両端部を端曲げした金属体の直線部分の、長さ方向の中心位置から外れた位置を、上ロールと下ロールとの間の最大曲げモーメント負荷位置に位置決め手段によりセットし、(b)曲げモーメントを負荷しながら前記金属体を一端方向へと、前記金属体の一端部が下ロールの接点に来るまで、ロールを逆転させて加工し、(c)曲げモーメントを負荷しながら前記金属体を他端方向へと、ロールを順転させて加工する金属体のロール曲げ加工装置。
Figure 0005875354
Figure 0005875354
本発明によれば、プレス機等により端曲げを行った金属体に対しても、略円環状に曲げ加工された金属体の端部を含め、高い曲げ加工精度を得られ、更に対称に曲げ加工が可能で、また、ロール加工後の矯正加工が不要で、加工される金属体を加工途中で取り外す必要もなく、加工の手間が少ない、金属体のロール曲げ方法及びロール曲げ加工装置を提供することができる。
3本ロール曲げ加工装置の模式側面図である。 図1に示す3本ロール曲げ加工装置での、加工フローの従来例である。 本発明のブレーキシューの断面図である。 本発明の1実施例にて加工される金属体の、曲げ加工前の断面図である。 本発明の1実施例にて加工される金属体の加工工程を示すものであり、(a)は切断された切り板を示し、(b)はリブを成形して断面コ字形状にすると共に端曲げを行ったものを示し、(c)は本発明の曲げ加工装置による曲げ加工を行ったものを示し、(d)、(e)、(f)は、曲げ加工後の端部成形過程を示す。 本発明におけるロール曲げ工程の概略図である。 図6に示す本発明における、加工フローである。 本発明における加工開始点とロール回転中の曲げモーメント(曲率)分布の概略図である。 図7に示すフローでの回転軸離間距離Hの変化を示すグラフである。 図2に示すフローでの回転軸離間距離Hの変化を示すグラフである。 比較例の加工方法によりロール加工したサンプルの平均的形状である。 本発明の加工方法によりロール加工したサンプルの平均的形状である。
本発明による曲げ加工方法及び曲げ加工装置は、曲げ加工する際に、両端部を端曲げした金属体の直線部分の、長さ方向の中心位置から外れた位置を、ロール曲げ加工装置の上ロールと下ロールとの間の最大曲げモーメント負荷位置にセットし、駆動回転する上ロールと、曲げモーメントを負荷する位置変更手段を有する下ロールとの離間距離を、曲げ加工開始点から端曲げした金属体の距離の近い方の一端が下ロールの接点に来るまでロールを逆転させながら、一定に保持するか、又は徐々に短くし、その一端部にて離間距離を一旦長くし、一定状態に保ちながら金属体の他端部の方向へとロールを順転させた後、徐々に短くして、金属体を加工するものである。この曲げ加工方法及び曲げ加工装置によれば、加工品をより真円かつ対称に近づけることができる。
尚、本発明にて、金属体の一端とは、加工開始点から近い方の先端を指し、一端部とは、加工開始点から近い方の先端近傍の端曲げされた部分を指す。
また、本発明のロール曲げ加工装置における上ロールと下ロールとの間の最大曲げモーメント負荷位置は、図8に示すように、金属体の曲率が最大となる、複数の下ロール2の軸間の中間位置(厳密には、送入側が塑性変形であるのに対し、送出側がスプリングバックによる弾性変形であることと、上ロールの回転トルクが影響するため、中間位置から僅かに送入側寄り)である。
本発明にて述べる上ロールは、回転駆動可能なものであれば良く、特に限定されるものではない。より具体的には、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)、及び減速機を介したサーボモーターにより制御される上ロールを設定された速度で駆動回転させるものを、用いることができる。
下ロールは、ベアリングを内蔵し、金属体の送出に伴って従動回転する。尚、下ロールは、上ロール同様に回転手段を付設することにより駆動回転させても構わないが、このときは、金属体の送出速度と、上ロール及び下ロールの周速度を、一致させる必要がある。
下ロールの設置位置は、上ロールに対し、加工すべき金属を挟んで、対向する部位とする。
上下ロールの材質は、特に限定されることはなく、上下ロールで同じ材質でも、異種材質であっても良い。材質は、加工される金属体の硬度により、適宜選択されるが、硬さと耐磨耗性が優れていることから、上下ロール共にダイス鋼(SKD11(JIS G 4404:2006))等を用いることが好ましい。
上ロールの半径は、特に限定されるものではなく、十分な剛性を備え、曲げ加工される金属体の、スプリングバック前の曲げ寸法よりも小さければよい。
下ロールの半径は、特に限定されるものではなく、十分な剛性を備え、金属体に予め施される端曲げの長さ寸法よりも小さければよい。
本発明にて述べる下ロールの本数は、複数であれば特に限定されることはないが、機器を簡略化することができることから、2本であることが好ましい。
本発明にて述べる位置変更手段は、上ロールの回転軸と下ロールの回転軸との離間距離を変化させられるものであれば良く、上ロールを上下動させる、下ロールを上下動させる、又は、上下ロールを各々上下動させるの、何れの方法も用いることができるが、少なくとも上ロールに回転手段があることから、下ロールのみを上下動させることが、機器を簡素化でき、好ましい。
下ロールを上下動させる場合は、複数の下ロールの全てを、一様に上下動させることも、個々の下ロールを、独立に上下動させることもできる。
位置変更手段は、より具体的に述べると、PLC、及び減速機とボールねじを介したサーボモーターにより、下ロールを上下動させるものを、用いることができる。
本発明で述べる位置決め手段は、エアシリンダー、電動モーターに限らず、定位置を前後動させるものを、用いることができる。
加工開始点は、端曲げの長さ、及び下ロール軸間距離により変わるが、加工される金属体の一端より上記式(2)により算出される位置であることが好ましい。
本発明において、位置変更手段により変化させる、回転軸離間距離Hは、図1における金属体3の端部付近の領域6では、曲率半径が安定な領域7よりも縮めることが好ましい。これは、曲率半径が不安定な領域6全体で見た曲率は、曲率半径が安定な領域7全体で見た曲率より小さくなる為である。
また、回転軸離間距離Hは、加工開始点から金属体3の一端が下ロール2の接点に来るまでの上ロール1の逆回転で成形する工程(A工程)と、金属体3の一端部と全体長さの中間部を上ロール1の順回転で成形する工程(B工程)、及び金属体3の他端部付近を上ロール1の順回転で成形する工程(C工程)とを比較し、C工程にてA工程における長さ以上の長さとし、B工程にて最も長くすることが、加工される金属体3をより真円に近づけられ、好ましい。
具体的には、図9に一例を示すように、回転軸離間距離Hを、加工開始点から金属体3の一端が下ロールの接点に来るまで上ロール1の逆回転で成形する工程(曲げ工程1)において、一定に保持するか、又は徐々に短くして(A0〜A1)から、一旦長くし、金属体3の一端部と全体長さの中間部を上ロール1の順回転で成形する工程(曲げ工程2)において、一定(B)に保持した後に、金属体3の他端部付近を上ロール1の順回転で成形する工程(曲げ工程3及び曲げ工程4)において、徐々に縮めるようにする(C1〜C2)ことが好ましい。
図9に示す回転軸離間距離Hの、初期値(Start):A0、中間値:A1、B、C1、最終値(End):C2は、A1≦A0≦C2≦C1<Bの関係を満足するようにすることが好ましい。
回転軸離間距離Hを変化させるタイミングは、予め施してある端曲げの状態及び下ロール軸間距離により変化するが、図10に示すような、回転軸離間距離Hを一定にして曲げ加工されたものを、3次元測定機等で形状測定し、曲率の変化点を見ることで決定することができる。また、図9に示すように、加工開始点(Start)の位置をT0とすると、離間距離をA0からA1に徐々に変化させる場合のタイミングは、加工開始点(T0)から、一端にて離間距離をA1からBに変化させるタイミング(T1:第1変化点)の間とし、離間距離をBからC1及びC2に変化させるタイミング(T2:第2変化点、T3:第3変化点)は、加工される金属体の他端より上記式(3)により算出される位置とすることが好ましい。これは、図8に示すように、加工開始点とロール回転時で曲率分布に差が生じることに対応している。より詳細に述べると、加工開始点では、送入側、送出側の区別がなく共に塑性変形であることに対し、ロール成形時は、金属体3の送入側が塑性変形、送出側がスプリングバックによる弾性変形である為である。更に、ロール回転時の加工される金属体の終端部(他端部)では端曲げが施されている為に曲率分布が急激に変化することに対応する。
本発明の曲げ加工装置により加工される金属体は、特に限定されることはないが、材質は軟鋼、アルミニウム等を用いることができ、形状は板材、断面コ字形状を持つ形材等を用いることができる。
本発明にて述べるブレーキシューは、ドラムブレーキの内部に組み込まれ、ブレーキライニング(以下、「ライニング」と言う。)を張付ける金属部材であり、通常は、円弧の一部が切り欠かれた形状で、この切り欠かれた部分に油圧シリンダーを設置し、径を拡大、縮小し、制動力を発揮させる。
形状は、ライニングの張付面を有するものであれば良く、特に限定されるものではないが、より具体的には、図3に示すように、ライニング張付面8と、このライニング張付面8と直交するように延設される2本のリブ9とを有し、前記ライニング張付面8が、円弧形状を有しているものと、することができる。
本発明の曲げ加工装置により加工されたブレーキシューは、真円かつ対称に近いために、シューアッセンブリーの部品として使用でき、また、より低コストで、短時間に生産することが可能となる。
ブレーキシューの材質は、特に限定されるものではないが、軟鋼、アルミニウム、焼結合金等の弾性的材料を用いることができ、特に軟鋼は強度が高く加工性が良好なので好ましい。
ライニングは、ドラムに押圧させることにより、運動エネルギーを熱エネルギーに変換し、制動力を得るものであり、一般に「摩擦材」と呼ばれている。ライニングの材質は、一般に公知の材料が用いられ、例えば、スチール繊維、黄銅繊維、銅繊維、アラミド繊維、アクリル繊維、フェノール繊維、セラミック繊維、ロックウール、チタン酸カリウム繊維、カーボン繊維等の繊維状物質を、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂にて成形したものである。
尚、前記ライニング材料の配合割合は、摩擦特性により決定される。リブの材質は、特に制限されないが、一つの部材から、加工によりリブを形成できることから、ライニング張付面と、同一のものを用いることが好ましい。
以下、本発明の実施例について、図面を用いて説明する。
本実施例にて用いた金属体は、以下の通りである。
材質:自動車用加工性熱間圧延高張力鋼帯(SPFH590(JIS G 3134:2006)、新日本製鐵株式会社製)
降伏点:450〜600N/mm
引張強さ:590N/mm
伸び:18〜32%
板厚:2.5mm
上記金属体は、曲げ加工前に、ブレーキ使用時の摺動抵抗を軽減する為、図4に示すように、金属体の両縁を、加工機(株式会社ヨシダキネン製、商品名:カセットローラーダイスCRD100型60幅タイプ)により、幅:5mm、深さ:0.5mmで潰した後、図5に示すように、加工を行った。
即ち、図5(a)に示すように、プレス加工により、長さ:517mm毎に切断して切り板10とし、図5(b)に示すように、断面コ字形状に曲げ加工(コ字曲げ品11)をすると同時に、両端部に半径:91mm、長さ:40mmの端曲げ12を行った。
曲げ加工は、図6に示すような、高い剛性を有する3本のロールを使用した、ロール式の曲げ加工装置で行い、回転駆動する上ロール1と、従動回転する下ロール2との間に、金属体3を進入させることで、上ロール1の回転駆動力により金属体3を送出し、図7に示すフローにて、湾曲加工した。
この際使用した上下ロールは、以下のものである。
<上ロール>
材質:SKD11(焼き入れ、HRC(ロックウェル硬さ)60〜65)
半径:67.5mm
表面処理:硬質クロムめっき
<下ロール>
材質:SKD11(焼き入れ、HRC(ロックウェル硬さ)60〜65)
半径:39.0mm
表面処理:硬質クロムめっき
下ロール軸間距離:80mm
曲げ加工の際の上ロール1と下ロール2との回転軸離間距離Hは、図9に示すように、初期値(Start):A0、中間値:A1、B、C1、最終値(End):C2とした際に、A1≦A0≦C2≦C1<Bの関係を満足するように、A0からA1まで一定に保持するか、又は徐々に短くしてから、その長さをBまで長くし、その後一定に保持し、更にBからC2まで回転軸離間距離Hを徐々に短くするとの制御を行った。
回転軸離間距離Hを変化させるタイミングは、先に述べた図8に示す曲げ加工装置を用い、下記表1に示すように、回転軸離間距離Hを一定に保って加工した金属体を、3次元測定機(株式会社ミツトヨ製、商品名:BRT707)により形状測定し、中心点から15度(距離では24mm)毎に真円との誤差を示す図11より、曲率変化点を読み取り決定した。尚、この加工及び測定は、同一条件で5回実施している。
Figure 0005875354
本実施例における、曲げ加工開始点は、金属体(全長:517mm)の一端から100mmとし、位置決め手段(エアシリンダー)によりセットした。
本実施例における回転軸離間距離Hを変化させるタイミングは、金属体の一端が下ロールの接点に来たところを第1変化点(T1)、他端から140mm位置を第2変化点(T2)、90mm位置を第3変化点(T3)とした。尚、本実施例において目標外半径:90.2mmであり、このときの回転軸離間距離Hの設定値を、下記表2に示す。表2に示す曲げ工程は、図9に示すように、加工開始点(Start)から第1変化点までを曲げ工程1とし、前記第1変化点通過後を曲げ工程2、前記第2変化点通過後を曲げ工程3、前記第3変化点通過後を曲げ工程4、としている。
Figure 0005875354
前述した上下ロール及び、回転軸離間距離H、この回転軸離間距離Hを変化させるタイミングにより、図5(b)に示すコ字曲げ品11を曲げ加工して図5(c)に示す形状のものとし、以後(d)〜(f)に示すように、油圧シリンダー接合部を成形した加工後の金属体を3次元測定機(株式会社ミツトヨ製、商品名:BRT707)により、真円度(評価方法:最小二乗中心法(LSC;JIS B 7451:1997))の測定を行った。その結果を、表3に示す。また、図12には、基準円及び本実施例(表3に示す)にて加工したブレーキシューの測定形状を示す。尚、本実施例は、5回の加工及び測定を行い、図12はその平均的形状を示している。
Figure 0005875354
(比較例)
回転軸離間距離H、及びロール回転角を、表2に示すものから表1に示すものに代えると共に、加工開始点を金属体の一端部として行った。この結果を、表3(比較例)、及び図11に示す。尚、比較例は、5回の加工及び測定を行い、図11はその平均的形状を示している。
表3に示される、本発明の実施例サンプルNO.1〜5の平均及び分散と、比較例サンプルNO.1〜5の平均及び分散とをそれぞれ比較する。先ず、F検定を行うと、実施例と比較例とでは、有意水準0.05(5%)で等分散とされ、両群の分散は等しいことが判る。そこでt検定を行うと、有意水準0.01(1%)で有意差ありとなり、本発明による真円度は、比較例に比べ改善していることが分かる。尚、ここで述べる分散とは不偏分散である。
図12に示される、本発明の実施例サンプルNO.1〜5の平均的形状と、図11に示される比較例サンプルNO.1〜5の平均的形状を比較する。両図を比較すると、本発明による平均的形状の方が基準円からの差が少なく、比較例に比べ対称性が改善していることが分る。
曲げ加工を終えたシングルブレーキシューは、図5(d)〜(f)に示すように、油圧シリンダー接合部14を成形する。油圧シリンダー接合部14の成形は、図5(d)に示すように、端部4及び5のライニング張付面8を、円弧の外側から内側に圧力をかけて断面をコ字からM字になし、図5(e)に示すように、リブ9を図面にて上下方向から押しつぶすようにして、断面のM字を各々の辺が密着するようにし、更に、図5(f)に示すように、図5(e)にて凹んでいた凹部13を、円弧の内側から外側に向けて加圧し、平坦化させている。
このようにして形成された、油圧シリンダー接合部14には、後に油圧シリンダーの両端部が接続され、油圧シリンダーにてシングルブレーキシューを変形させることで、ライニングをドラムブレーキの内面に当接させ、制動力を発揮させる。
ブレーキシューは、ライニング張付面をショットブラスト加工してから洗浄化成処理を行い、プライマをコーティングした。その後、熱硬化性樹脂を用いて、ライニング張付面にライニングを張付けた。
1…上ロール、2…下ロール、3…部材又は金属体、4…一端部又は始端部、5…他端部又は終端部、6…曲率分布が不安定な領域、7…曲率分布が安定な領域、8…ライニング張付面、9…リブ、10…切り板、11…コ字曲げ品、12…端曲げ、13…凹部、14…油圧シリンダー接合部、15…位置決め手段

Claims (4)

  1. (a)両端部を端曲げした金属体の直線部分の、長さ方向の中心位置から外れた位置を、ロール曲げ加工装置の上ロールと下ロールとの間の最大曲げモーメント負荷位置にセットする工程と、(b)曲げモーメントを負荷しながら前記金属体を一端部の方向へと、前記金属体の一端が下ロールの接点に来るまで、ロールを逆転させて加工する工程と、(c)曲げモーメントを負荷しながら前記金属体を他端部の方向へと、ロールを順転させて加工する工程、とを含む金属体のロール曲げ方法。
  2. 両端部を端曲げした金属体の直線部分の、長さ方向の中心位置から外れた位置を曲げ加工開始点とし、駆動回転する上ロールと、曲げモーメントを負荷する位置変更手段を有する下ロールとの離間距離を、曲げ加工開始点から端曲げした前記金属体の距離の近い方の一端が下ロールの接点に来るまでロールを逆転させながら、一定に保持するか、又は徐々に短くし、その一端にて離間距離を一旦長くし、一定状態に保ちながら前記金属体の他端方向へとロールを順転させた後、徐々に短くする、請求項1に記載の金属体のロール曲げ方法。
  3. 加工開始点を、金属体の一端から(加工開始点)≧(下ロール軸間距離)/2+(端曲げ長さ)により算出される位置とし、位置変更手段が、離間距離を一定状態から徐々に短くするタイミングを、前記金属体の他端から(離間距離変化位置)≧(下ロール軸間距離)/2+(端曲げ長さ)により算出される位置とする、請求項2に記載の金属体のロール曲げ方法。
  4. 両端部を端曲げした金属体を送り出す駆動回転する上ロールと、前記金属体に曲げモーメントを負荷する位置変更手段を有する下ロールと、前記金属体の直線部分の、長さ方向の中心位置から外れた位置を前記上ロールと前記下ロールとの間の最大曲げモーメント負荷位置にセットする位置決め手段とを備え、(a)両端部を端曲げした前記金属体の直線部分の、長さ方向の中心位置から外れた位置を、上ロールと下ロールとの間の最大曲げモーメント負荷位置に位置決め手段によりセットし、(b)曲げモーメントを負荷しながら前記金属体を一端部の方向へと、前記金属体の一端が下ロールの接点に来るまで、ロールを逆転させて加工し、(c)曲げモーメントを負荷しながら前記金属体を他端部の方向へと、ロールを順転させて加工する金属体のロール曲げ加工装置。
JP2011271141A 2011-12-12 2011-12-12 金属体のロール曲げ方法及びロール曲げ加工装置 Expired - Fee Related JP5875354B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011271141A JP5875354B2 (ja) 2011-12-12 2011-12-12 金属体のロール曲げ方法及びロール曲げ加工装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011271141A JP5875354B2 (ja) 2011-12-12 2011-12-12 金属体のロール曲げ方法及びロール曲げ加工装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013121610A JP2013121610A (ja) 2013-06-20
JP5875354B2 true JP5875354B2 (ja) 2016-03-02

Family

ID=48773910

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011271141A Expired - Fee Related JP5875354B2 (ja) 2011-12-12 2011-12-12 金属体のロール曲げ方法及びロール曲げ加工装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5875354B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI644739B (zh) * 2018-01-12 2018-12-21 見春機械工業有限公司 Fully automatic rim forming machine structure

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5889119U (ja) * 1981-12-10 1983-06-16 三菱電機株式会社 自動巻管装置
JPH06304664A (ja) * 1993-04-23 1994-11-01 Daido Kikai Seisakusho:Kk 金属板の曲げ加工方法および装置
JP2010260079A (ja) * 2009-05-07 2010-11-18 Nippon Brake Kogyo Kk 曲げ加工装置及びこの曲げ加工装置により加工されるブレーキシュー

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013121610A (ja) 2013-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4696980B2 (ja) 中空材の製造装置及び中空材の製造方法
US8393190B2 (en) Tube forming apparatus and tube forming method
JP4285053B2 (ja) 高寸法精度管およびその製造方法
US20080028814A1 (en) Sheet processing apparatus, method of use, and plastically deformed sheet
JP5875354B2 (ja) 金属体のロール曲げ方法及びロール曲げ加工装置
JP2010260079A (ja) 曲げ加工装置及びこの曲げ加工装置により加工されるブレーキシュー
JP2006326637A (ja) パイプ曲げ加工装置及びパイプ曲げ加工方法
JP4923597B2 (ja) 円筒状軸製品の成形方法および成形金型
JP4837308B2 (ja) パイプ曲げ加工方法及び装置
US20060218985A1 (en) Tube with high dimensional accuracy, and method and device for manufacturing the tube
WO2018155414A1 (ja) マンドレル、曲管ならびにその製造方法および製造装置
CN101323003A (zh) 奥氏体材料细线校直方法
JP2006289488A (ja) パイプ曲げ加工装置及びパイプ曲げ加工方法
WO2016175179A1 (ja) 圧延加工装置、湾曲加工方法、湾曲加工材料
EP3523063B1 (en) Device and method for leveling a metal plate
JP4924653B2 (ja) 円筒軸の製造方法
KR102466903B1 (ko) 부등변 산형강의 장변 선단면 성형 장치, 장변 선단면 성형 방법 및, 제조 방법, 그리고 열간 마무리 압연 설비
JP4383835B2 (ja) パイプ曲げ加工装置及びパイプ曲げ加工方法
JP4333257B2 (ja) 高寸法精度管の安定製造方法
US20190348895A1 (en) Roll bending machine
JP2006007314A (ja) 高寸法精度管の製造方法および装置
RU2561937C1 (ru) Машина для изгиба заготовок
RU2409440C1 (ru) Способ ротационного выглаживания заготовок
RU2331493C2 (ru) Способ изготовления спирально-профильных труб
JP4285072B2 (ja) 高寸法精度管の高能率製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150917

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150928

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150928

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160114

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160119

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5875354

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees