JP2006007314A - 高寸法精度管の製造方法および装置 - Google Patents

高寸法精度管の製造方法および装置 Download PDF

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Kazuhito Kenmochi
一仁 剣持
Takuya Nagahama
拓也 長濱
Takashi Sakata
坂田  敬
Koji Sugano
康二 菅野
Toshio Onishi
寿雄 大西
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Abstract

【課題】 押し抜き加工による高寸法精度管の製造において、ダイス出側の管の曲がりを防止しうる高寸法精度管の製造方法および装置を提供する。
【解決手段】 ダイス8出側直近に、管1に接触させる複数個で1組のローラ2,2と、該ローラを、通管方向と略直交する平面内、または前記ダイスを中心とする円弧内、での移動可能に支持する支持基板3と、該支持基板に支持されて前記ローラを移動させるローラ移動機構とを有する管曲がり微調整手段10を設け、ローラの位置さらには方位を予調整し、そのローラにダイス出側の管を接触させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高寸法精度管の製造方法および装置に関し、詳しくは、例えば自動車駆動系部品などのような高い寸法精度が要求される管を押し抜きにより製造するにあたり、押し抜き後の管の曲がりを有効に防止しうる、高寸法精度管の製造方法および装置に関わる。
通常、鋼管等の金属管(以下、単に管ともいう。)は溶接管と継目無管に大別される。溶接管は、例えば電縫鋼管のように、帯板の幅を丸め、該丸めた幅の両端を突き合わせて溶接するという方法で製造し、一方、継目無管は、材料の塊を高温で穿孔後マンドレルミル等で圧延するという方法で製造する。溶接管の場合、溶接後に溶接部分の盛り上がりを研削して管の寸法精度を向上させているが、その肉厚偏差は3%を超える。また、継目無管の場合、穿孔工程で偏心しやすくて、その後の工程で肉厚偏差を低減させるが、それでも製品段階での肉厚偏差は8%以上になるのが普通である。
最近、環境問題から自動車の軽量化に拍車が掛かっており、駆動系部品は中実の棒から中空の管に置き換えられつつある。これら駆動系部品等の管は、肉厚、内径、外径のいずれか1つまたは2つ以上の偏差で3%以下、さらに厳しくは1%以下の高寸法精度が要求される。
そのため、溶接管、継目無管とも、従来は、ダイスとプラグを用いて冷間で管を引き抜くことにより高寸法精度管にすることが図られていた(例えば特許文献1参照)。
特許第2812151号公報
しかし、引き抜きによるのでは、設備上の制約や管の肉厚・径が大きいなどによって引き抜き力が充分得られずに縮径率を低くせざるを得ない場合など、加工バイト内でダイスと管、および引き抜き用プラグと管の接触が不十分となり、管の内面、外面の平滑化が不足して凹凸が残留する結果、管の寸法精度が低下してしまいがちなため、さらなる高寸法精度の管が得られる製造方法が求められていた。また、引き抜きでは管の先端を強力に挟んで張力を加える必要があることから、管の先端を窄めて単発で管を引き抜く必要があり、加工能率が著しく低かった。
本発明者らは、上記の問題を解決するために、引き抜きよりも高い寸法精度に製管しうる加工法を検討し、押し抜きが有力候補であるとの結論を得た。押し抜きの場合、管内にプラグを装入してダイスに管を押し込むことにより加工バイト内では全て圧縮応力が作用する。その結果、加工バイトの入側、出側を問わず、管はプラグおよびダイスに十分接触できる。しかも、軽度の縮径率であっても、加工バイト内は圧縮応力状態となるため、引き抜きに比較して管とプラグ、管とダイスが十分接触しやすくて、管は平滑化しやすくなって高寸法精度の管が得られるわけである。
しかし、押し抜き加工を行うとダイス出側で管が曲がりやすい。管が曲がるとその管は製品とならないため、ダイス出側で曲がらないように管を加工する技術が必要である。
従来の引き抜きでは加工能率は低いが、ダイス出側で管の先端を挟んで1本ずつ張力をかけながら加工するため、管は曲がりにくかった。しかし、押し抜きの場合、ダイス出側の管は動きが自由であり、ダイスの加工精度、加工前の管の肉厚精度、表面状態、ダイスおよびプラグの潤滑状態の不均一性などによって、容易に管が曲がる。
そこで、本発明は、押し抜き加工による高寸法精度管の製造において、ダイス出側の管の曲がりを防止しうる高寸法精度管の製造方法および装置を提供することを目的とする。なお、本発明にいう高寸法精度管とは、外径偏差、内径偏差、肉厚偏差(:円周方向肉厚偏差)のいずれか1つまたは2つ以上が3%以下である管であり、各偏差は、次式で導出される。
偏差=(変動幅(=最大値−最小値))/(目標値又は平均値)×100%
前記目的を達成した本発明は、以下のとおりである。
(発明項1)管にプラグを装入しフローティングさせ、該管をダイスに押し込んで通す押し抜きを行う高寸法精度管の製造方法において、前記ダイス出側直近に配設し通管方向と略直交する平面内、または前記ダイスを中心とする円弧内、での位置あるいはさらに方位を予調整した複数個で1組のローラに前記ダイス出側の管を接触させることにより管の曲がりを防止することを特徴とする高寸法精度管の製造方法。
(発明項2)前記ダイス入側および/または前記ローラ出側の管をガイド筒に通すことを特徴とする発明項1記載の高寸法精度管の製造方法。
(発明項3)管を連続してダイスに押し込むことを特徴とする発明項1または2記載の高寸法精度管の製造方法。
(発明項4)管にプラグを装入しフローティングさせる段階を省くことを特徴とする発明項1〜3にいずれかに記載の高寸法精度管の製造方法。
(発明項5)管を通すダイスと、該ダイスに管を押し込む押し込み機とを有する高寸法精度管の製造装置において、前記ダイス出側直近に、管に接触させる複数個で1組のローラと、該ローラを、通管方向と略直交する平面内、または前記ダイスを中心とする円弧内、での移動可能に支持する支持基板と、該支持基板に支持されて前記ローラを移動させるローラ移動機構とを有する管曲がり微調整手段を設けたことを特徴とする高寸法精度管の製造装置。
(発明項6)前記ローラ移動機構が、流体圧シリンダまたはねじ込み手段であることを特徴とする発明項5記載の高寸法精度管の製造装置。
(発明項7)前記複数個で1組のローラが、通管方向と略直交する平面内、または前記ダイスを中心とする円弧内、で回転可能であることを特徴とする発明項5または6に記載の高寸法精度管の製造装置。
(発明項8)さらに、前記ダイス入側および/または前記管曲がり微調整手段出側の管を通すガイド筒を有することを特徴とする発明項5〜7のいずれかに記載の高寸法精度管の製造装置。
(発明項9)前記管曲がり微調整手段を通管方向に複数段設けたことを特徴とする発明項5〜8のいずれかに記載の高寸法精度管の製造装置。
(発明項10)前記押し込み機が、管を連続して押し込み可能な連続押し込み機であることを特徴とする発明項5〜9のいずれかに記載の高寸法精度管の製造装置。
本発明において、「略直交」とは、交差角度が90°±5°の範囲内であることを意味する。
本発明によれば、押し抜き加工されてダイスから出てきつつある管を、複数個で1組のローラで囲んでそれらのうちの少なくともいずれか1個のローラと接触させることにより、管が曲がろうとするのを防止でき、あるいは少し曲がりが生じてもそれを直ちに矯正できるから、著しく良好な寸法精度を得つつ、押し抜き後の管の曲がりを充分に防止することができる。
押し抜き加工を行うと、ダイス出側の管が曲がりやすい。管が曲がるとその管は製品とならないため、管を曲げないように加工する技術が必要である。
従来の引き抜きでは、ダイス出側の管の先端を挟んで1本ずつ張力を付加しつつ加工するため、加工能率は低いが、管は引き抜き方向に案内されるので曲がりにくかった。しかし、押し抜きの場合、ダイス出側の管は動きが自由であり、ダイスの加工精度、加工前の管の肉厚精度や表面状態、ダイスおよびプラグの潤滑不均一状態などによって、容易に管が曲がる。このため、ダイス出側の管の曲がりを防止する技術が強く望まれていた。
そこで、本発明者らは、押し抜き後の管の曲がりについて、ダイスの入側、出側にガイド筒を設けてこれに管を通して案内する実験を行ったところ、ガイド筒をダイスの入側、出側のいずれか一方に設けると管は曲りにくくなり、両方に設けると管はさらに曲りにくくなり、また、ガイド筒の位置はダイス出口に近いほど曲がりにくくなる。
したがって、ガイド筒をダイス入側およびダイス出側直近(:ダイス出側でかつダイスにごく近いところ)に設置するとよいわけであるが、管の曲がり方向によっては充分に曲がりを防止できないことがわかった。すなわち、管の曲がり方向にかかわらず曲がりを充分に防止するには、管外面とガイド筒内面との隙間をほとんどゼロにする必要があるが、そうすると、管がガイド筒に接触し過ぎて疵が発生したり、押し抜き力が著しく増大するという問題があることがわかった。
次に、本発明者らは、管の曲がりがダイス出側直近ですでに始まっていることを把握した。すなわち、ダイスの加工精度、加工前の管の肉厚精度や表面状態、ダイスおよびプラグの潤滑不均一状態などによって管に残留応力が発生し、ダイス出側直近でこの残留応力が急激に解放されるため曲がりが生じやすいわけである。そこで、ダイス出側直近に管の曲がり方向を微調整できる手段を設ければ、管の曲がりを充分に防止できることになる。
本発明者らが鋭意検討した結果、複数個で1組のローラを円周方向に配置してこれらローラで囲んだ空間内に管を通して、これらローラの少なくともいずれか1個に接触させるのがよいことを見出した。これらローラは孔型ローラが好ましい。
例えば図1に示すような、自対間に管1を通す一対のローラ2、2(管1に接触させる2個で1組のローラ;「2ローラ」という)と、該ローラ2、2を通管方向と略直交する平面内での移動可能に支持する支持基板3と、該支持基板3に支持されて前記ローラ2、2を移動させる例えばねじ込み手段4からなるローラ移動機構とを有する曲がり微調整手段10を、例えば図5に示すようにダイス8出側直近に設け、ローラ2、2の前記平面内位置を予調整して、そのローラ対間にダイス出側の管1を通してローラ2、2の少なくとも何れかに接触させることにより、管の曲がりを充分防止できる。なお、図5において、7は管1をダイス8に押し込む押し込み機である。
ローラの位置を微調整するには、例えば、実生産(本加工)前にダミー管を複数用い、ローラ位置を数点変えた押し抜き加工実験(予備加工)を行って管の曲がりを測定して、ローラ位置の変分と押し抜き後の管の曲がりの変分との関係を求めておき、実生産時に管の曲がりが所定の閾値を超えそうになったら、前記関係に基づいて曲がりが小さくなる方向にローラを移動させるという方法が好ましく用いうる。ローラ位置の微調整を精度良く行うために、ローラ移動機構は、図1のねじ込み手段4のほか、例えば図2に示すように、油圧シリンダ6やエアシリンダなどの流体圧シリンダで構成したものでもよい。
また、管の曲がり方向は必ずしも一定しないから、ローラの位置だけでなく方位(通管方向に略直交する平面内でのローラ幅中心線の方位)も、曲がり方向に見合った方位に予調整するのが好ましく、それには、例えば図3に示すように、支持基板3を回転円板11で支持することで、一対のローラ2、2を回転可能にすることが好ましい。
また、一対のローラは、ダイスを中心とする円弧内を移動できるようにすることも好ましい。これによれば、管を曲げ戻す距離(ダイスとローラとの間の距離)を一定に保持できて、さらに精度良い曲がり防止が可能である。
また、例えば図2に示すように、ダイス8入側および/または管曲がり微調整手段10出側に、ダイスに入る管および/または管曲がり微調整手段から出た管を通すガイド筒12を設けると、管がダイスにほぼ垂直に入りおよび/または管曲がり微調整手段10からほぼ垂直に出ることから、管の曲がりをさらに防止しやすくなって好ましい。
また、例えば図4、図5に示すように、通管方向に沿って管曲がり微調整手段10の出側にもう1段(あるいは2段以上)、管曲がり微調整手段10を設けると、曲がりをより効果的に矯正できて好ましい。
また、本発明では、複数個で1組のローラとして、4個で1組のローラ(「4ローラ」という)を用いてもよい。これによれば、ダイス出側の管の進行方向をより精細に微調整することができ、管の曲がりをより精度よく防止することができる。4ローラを用いた例を図6〜9に示す。
図6は、図1において2ローラ2,2に代えて4ローラ2,2,2,2を用いた例である。
図7は、図6においてねじ込み手段4に代えて油圧シリンダ6を用い、かつ4ローラ2,2,2,2を、通管方向と略直交する平面内での移動可能に支持する支持基板3に代えて、ダイス8出側を中心とする半径Rの円弧内での移動可能に支持する支持基板3とした例である。
図8は、図3において2ローラ2,2に代えて4ローラ2,2,2,2を用い、かつガイド筒12をダイス8入側および管曲がり微調整手段10出側に配置した例である。
図9は、図4において2ローラ2,2に代えて4ローラ2,2,2,2を用いた例である。
もっとも、4ローラでは設備コストが高く、メンテナンスにも費用が嵩む場合がなきにしもあらずであり、かかる場合などには、例えば図10に示すように、3個で1組のローラ2,2,2(「3ローラ」という)を用いてもよい。これによれば、4ローラほどではないが2ローラよりは精細な微調整が可能である。なお、図10は、図2においてガイド筒12を取除き、かつ2ローラ2,2に代えて3ローラ2,2,2を用いた例である。
また、本発明では、押し込み機として管を連続して押し込み可能なもの(連続押し込み機)を用いて、管を連続して送ってダイスに押し込むことが好ましい。管を連続して送ることにより、単発で加工する場合に比べて、ダイスやプラグが受ける摩擦発熱や加工発熱が安定するため、さらに曲がりを防止しやすくなる。押し抜きでは、引き抜きの場合のような、管先端をダイス出側の引き抜き機に把持させるための口付け加工は必要ないから、先行管尾端を後続管先端で押す形で、管の座屈限界未満の範囲で荷重を加えて、連続して送ることで、生産能率を上げることができる。なお、連続押し込み機は、金型で管を挟み込んで送る方式のものや、ピンチローラを複数段配置して送る方式のものなどが好ましく用いうる。
また、外径精度の厳しい管に対しては、プラグを装入せずに押し抜き加工するのがよい。すなわち、加工中に材料がダイス内面に充満できれば、押し抜き後の外径精度は良好になるが、プラグがある場合、圧縮の塑性変形を受けた材料は、ダイスとプラグの双方に拘束されるため、加工方向に材料の変形が進行して、押し抜き力が不足するとダイス内面およびプラグ外面との十分な接触ができないまま加工が終了し、外径精度が不十分となる場合があった。これに対し、プラグが無い場合、材料は加工方向だけでなく管内部にも変形できるため、押し抜き力が不足してもダイス内面に充分接触でき、外径精度が良好になる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
(実施例1-1)
出口側孔径35mmのダイス(一体型固定ダイス)出側直近に、図1に示した管曲がり微調整手段10を設置した。一対のローラ2、2は、ダイス出口側孔径に比べて0.5mm大きい孔型形状を有するものを用いた。ねじ込み手段4、4を操作してローラの位置を予調整した上で、次の条件で押し抜き加工を行った。
・素材:φ40mm×6mmt×5.5mLの鋼管を使用。
・プラグ:管先端側から装入し、フローティングさせる。
・押し込み機:金型で管を挟んで連続してダイスに押し込む。
・押し抜き後:管をローラの対間に通す。
なお、本加工前にダミー管を複数用い、ローラ位置を数点変えた予備加工実験を行って管の曲がりを測定し、ローラ位置の変分と押し抜き後の管の曲がりの変分との関係を求めた。本加工中は、管の曲がりが所定の閾値を超えそうになったときに、前記関係に基づいて曲がりが小さくなる位置にローラを移動させることで、ローラ位置の微調整を行った。
(実施例1-2)
出口側孔径33mmのダイス(一体型固定ダイス)出側直近に、図2に示した管曲がり微調整手段10を設置した。一対のローラ2、2は、ダイス出口側孔径に比べて0.2mm大きい孔型形状を有するものを用いた。管曲がり微調整手段10出側のガイド筒12は、ダイス出口側孔径+0.5mmの内径のものとした。ダイス8入側のガイド筒12は、素材鋼管外径+0.5mmの内径のものとした。油圧シリンダ6、6を操作してローラの位置を予調整した上で、次の条件で押し抜き加工を行った。
・素材:φ40mm×6mmt×5.5mLの鋼管を使用。
・プラグ:使用しない。
・押し込み機:金型で管を挟んで連続してダイスに押し込む。
・押し抜き後:管をローラの対間に通す。
なお、本加工前に実施例1−1と同じ要領でローラ位置の微調整を行った。
(実施例1-3)
出口側孔径38mmのダイス(一体型固定ダイス)出側直近に、図3に示した管曲がり微調整手段10を設置した。一対のローラ2、2は、ダイス出口側孔径に比べて1mm大きい孔型形状を有するものを用いた。ねじ込み手段4、4を操作してローラの位置を予調整し、かつ回転円板11を回転させてローラ方位を予調整した上で、次の条件で押し抜き加工を行った。
・素材:φ40mm×6mmt×5.5mLの鋼管を使用。
・プラグ:管先端側から装入し、フローティングさせる。
・押し込み機:金型で管を挟んで連続してダイスに押し込む。
・押し抜き後:管をローラの対間に通す。
なお、本加工前に実施例1−1と同じ要領でローラ位置の微調整を行った。また、ローラ方位は管の曲がり方向の変化に応じて該曲がり方向の方位と逆向きの方位に一致させるように微調整した。
(実施例1-4)
出口側孔径30mmのダイス(一体型固定ダイス)出側直近に、図4に示した2段配置の管曲がり微調整手段10、10を設置した。前段の一対のローラ2、2および後段の一対のローラ2、2は、ダイス出口側孔径に比べて0.5mm大きい孔型形状を有するものを用いた。油圧シリンダ6、6を操作してローラの位置を予調整した上で、次の条件で押し抜き加工を行った。
・素材:φ40mm×6mmt×5.5mLの鋼管を使用。
・プラグ:管先端側から装入し、フローティングさせる。
・押し込み機:金型で管を挟んで連続してダイスに押し込む。
・押し抜き後:管をローラの対間に通す。
なお、本加工前に実施例1−1と同じ要領でローラ位置の微調整を行った。
(比較例1)
出口側孔径32mmのダイスの出側に何も配置せず、次の条件で押し抜き加工を行った。
・素材:φ40mm×6mmt×5.5mLの鋼管を使用。
・プラグ:使用しない。
・押し込み機:金型で管を挟んで連続してダイスに押し込む。
・押し抜き後:管は自由とする。
上記実施例1-1〜1-4および比較例1の方法で製造した管の曲がりおよび寸法精度を調査した結果を表1に示す。管の曲がりは、管に直線定規を当てて、管長さ1000mm当たりの管中央部の直線定規と管との隙間の最大値で評価した。管の寸法精度は、肉厚偏差と外径偏差(各例とも複数本製造した管のデータの最大値)で示した。これらの偏差は管の円周方向断面を画像解析したデータから、肉厚偏差は平均肉厚に対する値、外径偏差は真円(目標外径)に対する値として求めた。
表1から明らかなように、本発明により著しく良好な寸法精度を得つつ、押し抜き後の管の曲がりを充分に防止することができた。
(実施例2-1)
出口側孔径38mmのダイス(一体型固定ダイス)出側直近に、図6に示した管曲がり微調整手段10を設置した。4ローラ2,2,2,2は、ダイス出口側孔径に比べて0.3mm大きい孔型形状を有するものを用いた。ねじ込み手段4、4を操作してローラの位置を予調整した上で、次の条件で押し抜き加工を行った。
・素材:φ40mm×6mmt×5.5mLの鋼管を使用。
・プラグ:管先端側から装入し、フローティングさせる。
・押し込み機:金型で管を挟んで連続してダイスに押し込む。
・押し抜き後:管を4ローラの孔型囲み空間に通す。
なお、本加工前にダミー管を複数用い、ローラ位置を数点変えた予備加工実験を行って管の曲がりを測定し、ローラ位置の変分と押し抜き後の管の曲がりの変分との関係を求めた。本加工中は、管の曲がりが所定の閾値を超えそうになったときに、前記関係に基づいて曲がりが小さくなる位置にローラを移動させることで、ローラ位置の微調整を行った。
(実施例2-2)
出口側孔径33mmのダイス(一体型固定ダイス)出側直近に、図7に示した管曲がり微調整手段10を設置した。4ローラ2,2,2,2は、ダイス出口側孔径に比べて0.5mm大きい孔型形状を有するものを用いた。油圧シリンダ6,6を操作してローラの位置を予調整した上で、次の条件で押し抜き加工を行った。
・素材:φ40mm×6mmt×5.5mLの鋼管を使用。
・プラグ:管先端側から装入し、フローティングさせる。
・押し込み機:金型で管を挟んで連続してダイスに押し込む。
・押し抜き後:管を4ローラの孔型囲み空間に通す。
なお、本加工前に実施例2−1と同じ要領でローラ位置の微調整を行った。
(実施例2-3)
出口側孔径35mmのダイス(一体型固定ダイス)出側直近に、図8に示した管曲がり微調整手段10を設置した。4ローラ2,2,2,2は、ダイス出口側孔径に比べて0.8mm大きい孔型形状を有するものを用いた。管曲がり微調整手段10出側のガイド筒12は、ダイス出口側孔径+0.5mmの内径のものとした。ダイス8入側のガイド筒12は、素材鋼管外径+0.5mmの内径のものとした。ねじ込み手段4、4を操作してローラの位置を予調整し、かつ回転円板11を回転させてローラ方位を予調整した上で、次の条件で押し抜き加工を行った。
・素材:φ40mm×6mmt×5.5mLの鋼管を使用。
・プラグ:使用しない。
・押し込み機:金型で管を挟んで連続してダイスに押し込む。
・押し抜き後:管を4ローラの孔型囲み空間に通す。
なお、本加工前に実施例2−1と同じ要領でローラ位置の微調整を行った。また、ローラ方位は管の曲がり方向の変化に応じて該曲がり方向の方位と逆向きの方位に一致させるように微調整した。
(実施例2−4)
出口側孔径31mmのダイス(一体型固定ダイス)出側直近に、図9に示した2段配置の管曲がり微調整手段10、10を設置した。前段の4ローラ2,2,2,2および後段の4ローラ2,2,2,2は、ダイス出口側孔径に比べて0.3mm大きい孔型形状を有するものを用いた。油圧シリンダ6、6を操作してローラの位置を予調整した上で、次の条件で押し抜き加工を行った。
・素材:φ40mm×6mmt×5.5mLの鋼管を使用。
・プラグ:管先端側から装入し、フローティングさせる。
・押し込み機:金型で管を挟んで連続してダイスに押し込む。
・押し抜き後:管を4ローラの孔型囲み空間に通す。
なお、本加工前に実施例2−1と同じ要領でローラ位置の微調整を行った。
(実施例2−5)
出口側孔径38mmのダイス(一体型固定ダイス)出側直近に、図10に示した管曲がり微調整手段10を設置した。3ローラ2,2,2は、ダイス出口側孔径に比べて0.3mm大きい孔型形状を有するものを用いた。油圧シリンダ6、6を操作してローラの位置を予調整した上で、次の条件で押し抜き加工を行った。
・素材:φ40mm×6mmt×5.5mLの鋼管を使用。
・プラグ:管先端側から装入し、フローティングさせる。
・押し込み機:金型で管を挟んで連続してダイスに押し込む。
・押し抜き後:管を3ローラの孔型囲み空間に通す。
なお、本加工前に実施例2−1と同じ要領でローラ位置の微調整を行った。
(比較例2)
出口側孔径33mmのダイスの出側に何も配置せず、次の条件で押し抜き加工を行った。
・素材:φ40mm×6mmt×5.5mLの鋼管を使用。
・プラグ:管先端側から装入し、フローティングさせる。
・押し込み機:金型で管を挟んで連続してダイスに押し込む。
・押し抜き後:管は自由とする。
上記実施例2-1〜2-4および比較例2の方法で製造した管の曲がりおよび寸法精度を調査した結果を表2に示す。管の曲がりは、管に直線定規を当てて、管長さ1000mm当たりの管中央部の直線定規と管との隙間の最大値で評価した。管の寸法精度は、肉厚偏差と外径偏差(各例とも複数本製造した管のデータの最大値)で示した。これらの偏差は管の円周方向断面を画像解析したデータから、肉厚偏差は平均肉厚に対する値、外径偏差は真円(目標外径)に対する値として求めた。
表2から明らかなように、本発明により著しく良好な寸法精度を得つつ、押し抜き後の管の曲がりを充分に防止することができた。
本発明に用いる管曲がり微調整手段の1例(2ローラ1段配置)を示す斜視図である。 本発明に用いる管曲がり微調整手段の1例(2ローラ1段配置)を示す斜視図である。 本発明に用いる管曲がり微調整手段の1例(2ローラ1段配置)を示す斜視図である。 本発明に用いる管曲がり微調整手段の1例(2ローラ2段配置)を示す斜視図である。 本発明の押し抜きに用いる装置配列の1例(2ローラ2段配置)を示す側面図である。 本発明に用いる管曲がり微調整手段の1例(4ローラ1段配置)を示す斜視図である。 本発明に用いる管曲がり微調整手段の1例(4ローラ1段配置)を示す斜視図である。 本発明に用いる管曲がり微調整手段の1例(4ローラ1段配置)を示す斜視図である。 本発明に用いる管曲がり微調整手段の1例(4ローラ2段配置)を示す斜視図である。 本発明に用いる管曲がり微調整手段の1例(3ローラ1段配置)を示す斜視図である。
符号の説明
1 管(鋼管)
2、2 ローラ(複数個で1組のローラ)
3 支持基板
4 ねじ込み手段(ローラ移動機構)
5 主架台
6 油圧シリンダ(ローラ移動機構)
7 押し込み機
8 ダイス(一体型固定ダイス)
9 プラグ
10、10 管曲がり微調整手段
11 回転円板
12 ガイド筒

Claims (10)

  1. 管にプラグを装入しフローティングさせ、該管をダイスに押し込んで通す押し抜きを行う高寸法精度管の製造方法において、前記ダイス出側直近に配設し通管方向と略直交する平面内、または前記ダイスを中心とする円弧内、での位置あるいはさらに方位を予調整した複数個で1組のローラに前記ダイス出側の管を接触させることにより管の曲がりを防止することを特徴とする高寸法精度管の製造方法。
  2. 前記ダイス入側および/または前記ローラ出側の管をガイド筒に通すことを特徴とする請求項1記載の高寸法精度管の製造方法。
  3. 管を連続してダイスに押し込むことを特徴とする請求項1または2記載の高寸法精度管の製造方法。
  4. 管にプラグを装入しフローティングさせる段階を省くことを特徴とする請求項1〜3にいずれかに記載の高寸法精度管の製造方法。
  5. 管を通すダイスと、該ダイスに管を押し込む押し込み機とを有する高寸法精度管の製造装置において、前記ダイス出側直近に、管に接触させる複数個で1組のローラと、該ローラを、通管方向と略直交する平面内、または前記ダイスを中心とする円弧内、での移動可能に支持する支持基板と、該支持基板に支持されて前記ローラを移動させるローラ移動機構とを有する管曲がり微調整手段を設けたことを特徴とする高寸法精度管の製造装置。
  6. 前記ローラ移動機構が、流体圧シリンダまたはねじ込み手段であることを特徴とする請求項5記載の高寸法精度管の製造装置。
  7. 前記複数個で1組のローラが、通管方向と略直交する平面内、または前記ダイスを中心とする円弧内、で回転可能であることを特徴とする請求項5または6に記載の高寸法精度管の製造装置。
  8. さらに、前記ダイス入側および/または前記管曲がり微調整手段出側の管を通すガイド筒を有することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の高寸法精度管の製造装置。
  9. 前記管曲がり微調整手段を通管方向に複数段設けたことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の高寸法精度管の製造装置。
  10. 前記押し込み機が、管を連続して押し込み可能な連続押し込み機であることを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の高寸法精度管の製造装置。
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