JP2005152948A - 高寸法精度管の製造方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 押し抜き加工による高寸法精度管の製造において、ダイス出側の管の曲がりを防止しうる高寸法精度管の製造方法および装置を提供する。
【解決手段】 管1にプラグ3を装入しフローティングさせ、該管をダイス2に押し込んで通す押し抜きを行うにあたり、前記ダイス出側直近に、管を通す孔型6と、該孔型を通管方向と直交する平面内での移動可能に支持する支持基板8と、該支持基板に支持されて前記孔型を移動させる孔型移動機構9とを有する管曲がり微調整手段4を設け、前記孔型移動機構を用いて前記支持基板面内で微小移動させて通管方向5と直交する平面内位置を予め微調整した前記孔型に前記ダイス出側の管を通す。
【選択図】 図1
【解決手段】 管1にプラグ3を装入しフローティングさせ、該管をダイス2に押し込んで通す押し抜きを行うにあたり、前記ダイス出側直近に、管を通す孔型6と、該孔型を通管方向と直交する平面内での移動可能に支持する支持基板8と、該支持基板に支持されて前記孔型を移動させる孔型移動機構9とを有する管曲がり微調整手段4を設け、前記孔型移動機構を用いて前記支持基板面内で微小移動させて通管方向5と直交する平面内位置を予め微調整した前記孔型に前記ダイス出側の管を通す。
【選択図】 図1
Description
本発明は、高寸法精度管の製造方法および装置に関し、詳しくは、例えば自動車駆動系部品などのような高い寸法精度が要求される管を押し抜きにより製造するにあたり、押し抜き後の管の曲がりを有効に防止しうる、高寸法精度管の製造方法および装置に関わる。
通常、鋼管等の金属管(以下、単に管ともいう。)は溶接管と継目無管に大別される。溶接管は、例えば電縫鋼管のように、帯板の幅を丸め、該丸めた幅の両端を突き合わせて溶接するという方法で製造し、一方、継目無管は、材料の塊を高温で穿孔後マンドレルミル等で圧延するという方法で製造する。溶接管の場合、溶接後に溶接部分の盛り上がりを研削して管の寸法精度を向上させているが、その肉厚偏差は3%を超える。また、継目無管の場合、穿孔工程で偏心しやすくて、その後の工程で肉厚偏差を低減させるが、それでも製品段階での肉厚偏差は8%以上になるのが普通である。
最近、環境問題から自動車の軽量化に拍車が掛かっており、駆動系部品は中実の棒から中空の管に置き換えられつつある。これら駆動系部品等の管は、肉厚、内径、外径のいずれか1つまたは2つ以上の偏差で3%以下、さらに厳しくは1%以下の高寸法精度が要求される。
そのため、溶接管、継目無管とも、従来は、ダイスとプラグを用いて冷間で管を引き抜くことにより高寸法精度管にすることが図られていた(例えば特許文献1参照)。
特許第2812151号公報
しかし、引き抜きによるのでは、設備上の制約や管の肉厚・径が大きいなどによって引き抜き力が充分得られずに縮径率を低くせざるを得ない場合など、加工バイト内でダイスと管、および引き抜き用プラグと管の接触が不十分となり、管の内面、外面の平滑化が不足して凹凸が残留する結果、管の寸法精度が低下してしまいがちなため、さらなる高寸法精度の管が得られる製造方法が求められていた。また、引き抜きでは管の先端を強力に挟んで張力を加える必要があることから、管の先端を窄めて単発で管を引き抜く必要があり、加工能率が著しく低かった。
本発明者らは、上記の問題を解決するために、引き抜きよりも高い寸法精度に製管しうる加工法を検討し、押し抜きが有力候補であるとの結論を得た。押し抜きの場合、管内にプラグを装入してダイスに管を押し込むことにより加工バイト内では全て圧縮応力が作用する。その結果、加工バイトの入側、出側を問わず、管はプラグおよびダイスに十分接触できる。しかも、軽度の縮径率であっても、加工バイト内は圧縮応力状態となるため、引き抜きに比較して管とプラグ、管とダイスが十分接触しやすくて、管は平滑化しやすくなって高寸法精度の管が得られるわけである。
しかし、押し抜き加工を行うとダイス出側で管が曲がりやすい。管が曲がるとその管は製品とならないため、ダイス出側で曲がらないように管を加工する技術が必要である。
従来の引き抜きでは加工能率は低いが、ダイス出側で管の先端を挟んで1本ずつ張力をかけながら加工するため、管は曲がりにくかった。しかし、押し抜きの場合、ダイス出側の管は動きが自由であり、ダイスの加工精度、加工前の管の肉厚精度、表面状態、ダイスおよびプラグの潤滑状態の不均一性などによって、容易に管が曲がる。
そこで、本発明は、押し抜き加工による高寸法精度管の製造において、ダイス出側の管の曲がりを防止しうる高寸法精度管の製造方法および装置を提供することを目的とする。なお、本発明にいう高寸法精度管とは、外径偏差、内径偏差、肉厚偏差(:円周方向肉厚偏差)のいずれか1つまたは2つ以上が3%以下である管であり、各偏差は、次式で導出される。
偏差=(変動幅(=最大値−最小値))/(目標値又は平均値)×100%
前記目的を達成した本発明は、以下のとおりである。
(発明項1)管にプラグを装入しフローティングさせ、該管をダイスに押し込んで通す押し抜きを行う高寸法精度管の製造方法において、前記ダイス出側直近に配設し通管方向と直交する平面内位置を予調整した孔型に前記ダイス出側の管を通すことにより管の曲がりを防止することを特徴とする高寸法精度管の製造方法。
(発明項2)前記ダイス入側および/または前記孔型出側の管をガイド筒に通すことを特徴とする発明項1記載の高寸法精度管の製造方法。
(発明項3)管を連続してダイスに押し込むことを特徴とする発明項1または2記載の高寸法精度管の製造方法。
(発明項4)管を通すダイスと、該ダイスに管を押し込む押し込み機とを有する高寸法精度管の製造装置において、前記ダイス出側直近に、管を通す孔型と、該孔型を通管方向と直交する平面内での移動可能に支持する支持基板と、該支持基板に支持されて前記孔型を移動させる孔型移動機構とを有する管曲がり微調整手段を設けたことを特徴とする高寸法精度管の製造装置。
(発明項5)前記孔型移動機構が、孔型外周部の1箇所または2箇所以上を、通管方向に動く楔状金型のテーパ面を介して通管方向と直交する方向に押す方式のものであることを特徴とする発明項4記載の高寸法精度管の製造装置。
(発明項6)前記楔状金型の動きをねじで付勢することを特徴とする発明項5記載の高寸法精度管の製造装置。
(発明項7)前記孔型移動機構が、孔型外周部の1箇所または2箇所以上を直接通管方向と直交する方向に押しまたは引く方式のものであることを特徴とする発明項4記載の高寸法精度管の製造装置。
(発明項8)前記押しまたは引く方式の押しまたは引きを流体圧シリンダで付勢することを特徴とする発明項7記載の高寸法精度管の製造装置。
(発明項9)前記孔型の孔径が、前記ダイスの出口孔径以上であることを特徴とする発明項4〜8のいずれか記載の高寸法精度管の製造装置。
(発明項10)前記孔型の孔がストレート孔またはテーパ付き孔であることを特徴とする発明項4〜9のいずれか記載の高寸法精度管の製造装置。
(発明項11)さらに、前記ダイス入側および/または前記管曲がり微調整手段出側の管を通すガイド筒を有することを特徴とする発明項4〜10のいずれか記載の高寸法精度管の製造装置。
(発明項12)前記押し込み機が、管を連続して押し込み可能な連続押し込み機であることを特徴とする発明項4〜11のいずれか記載の高寸法精度管の製造装置。
本発明によれば、著しく良好な寸法精度を得つつ、押し抜き後の管の曲がりを充分に防止することができる。
押し抜き加工を行うと、ダイス出側の管が曲がりやすい。管が曲がるとその管は製品とならないため、管を曲げないように加工する技術が必要である。
従来の引き抜きでは、ダイス出側の管の先端を挟んで1本ずつ張力を付加しつつ加工するため、加工能率は低いが、管は引き抜き方向に案内されるので曲がりにくかった。しかし、押し抜きの場合、ダイス出側の管は動きが自由であり、ダイスの加工精度、加工前の管の肉厚精度や表面状態、ダイスおよびプラグの潤滑不均一状態などによって、容易に管が曲がる。このため、ダイス出側の管の曲がりを防止する技術が強く望まれていた。
そこで、本発明者らは、押し抜き後の管の曲がりについて、ダイスの入側、出側にガイド筒を設けてこれに管を通して案内する実験を行ったところ、ガイド筒をダイスの入側、出側のいずれか一方に設けると管は曲りにくくなり、両方に設けると管はさらに曲りにくくなり、また、ガイド筒の位置はダイス出口に近いほど曲がりにくくなる。
したがって、ガイド筒をダイス入側およびダイス出側直近(:ダイス出側でかつダイスにごく近いところ)に設置するとよいわけであるが、管の曲がり方向によっては充分に曲がりを防止できないことがわかった。すなわち、管の曲がり方向にかかわらず曲がりを充分に防止するには、管外面とガイド筒内面との隙間をほとんどゼロにする必要があるが、そうすると、管がガイド筒に接触し過ぎて疵が発生したり、押し抜き力が著しく増大するという問題があることがわかった。
次に、本発明者らは、管の曲がりがダイス出側直近ですでに始まっていることを把握した。すなわち、ダイスの加工精度、加工前の管の肉厚精度や表面状態、ダイスおよびプラグの潤滑不均一状態などによって管に残留応力が発生し、ダイス出側直近でこの残留応力が急激に解放されるため曲がりが生じやすいわけである。そこで、ダイス出側直近に管の曲がり方向を微調整できる手段を設ければ、管の曲がりを充分に防止できることになる。
本発明者らが鋭意検討した結果、管を通すダイスと、該ダイスに管を押し込む押し込み機とを有する高寸法精度管の製造装置を用いて、管にプラグを装入しフローティングさせ、該管をダイスに押し込んで通す押し抜きを行う高寸法精度管の製造方法において、前記ダイス出側直近に、管を通す孔型と、該孔型を通管方向と直交する平面内での移動可能に支持する支持基板と、該支持基板に支持されて前記孔型を移動させる孔型移動機構とを有する管曲がり微調整手段を設け、前記孔型移動機構を用いて前記支持基板面内で微小移動させて通管方向と直交する平面内位置を予め微調整した前記孔型に前記ダイス出側の管を通すことにより、管の曲がりを充分防止できることを把握した。
孔型位置を微調整するには、例えば、実生産前にダミー管を複数用い、孔型位置を数点変えた押し抜き加工実験を行って管の曲がりを測定して、孔型位置の変分と押し抜き後の管の曲がりの変分との関係を求めておき、実生産時に管の曲がりが所定の閾値を超えそうになったら、前記関係に基づいて曲がりが小さくなる方位に孔型を移動させるという方法が好ましく用いうる。
孔型移動機構としては、例えばねじで通管方向に動かすようにした楔状金型のテーパ面を介して、孔型外周部の1箇所または2箇所以上を通管方向と直交する方向に押す方式、あるいは、例えば流体圧シリンダ(油圧シリンダ,エアシリンダなど)で直接、孔型外周部の1箇所または2箇所以上を通管方向と直交する方向に押しまたは引く方式が好ましく用いうる。
孔型の孔径は、ダイスの出口孔径以上とすると、管が押し抜き加工中にダイス出側で押し詰まることがなく円滑に加工できて好ましく、特に、ダイスの出口孔径+0mmから+3mm以内であると微調整がやりやすいので、より好ましい。なお、孔型の孔は、ストレート孔でもよく、またテーパ付き孔でもよい。
なお、当然ながら、支持基板には、ダイスを出た管の通路と交差する位置に、同管が十分な隙間をもって通過しうる大きさの中空部を設けておく。
また、ダイス入側および/または管曲がり微調整手段出側に、ダイスに入る管および/または管曲がり微調整手段から出た管を通すガイド筒を設けると、管がダイスにほぼ垂直に入りおよび/または管曲がり微調整手段からほぼ垂直に出ることから、管の曲がりをさらに防止しやすくなって好ましい。
また、本発明では、管を連続して送ってダイスに押し込むことが好ましい。管を連続して送ることにより、単発で加工する場合に比べて、ダイスやプラグが受ける摩擦発熱や加工発熱が安定するため、さらに曲がりを防止しやすくなる。なお、押し抜きでは、引き抜きの場合のような、管先端をダイス出側の引き抜き機に把持させるための口付け加工は必要ないから、先行管尾端を後続管先端で押す形で連続して送ることで、生産能率を上げることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
(実施例1)
図1に示すように、ダイス2の出側直近に管曲がり微調整手段4を設置した。なお、図示を省略したが、ダイス2入側には管1を無限軌道で挟んで連続してダイス2に押し込む方式の連続押し込み機を設置した。
(実施例1)
図1に示すように、ダイス2の出側直近に管曲がり微調整手段4を設置した。なお、図示を省略したが、ダイス2入側には管1を無限軌道で挟んで連続してダイス2に押し込む方式の連続押し込み機を設置した。
管曲がり微調整手段4は、図2に示すように、管を通す孔7をもつ孔型6を、支持基板8で通管方向と直交する平面内での移動可能に支持し、同支持基板8で支持した孔型移動機構9にて孔型6外周部の4箇所のいずれか1箇所または2箇所以上を通管方向と直交する方向(孔型移動方向13)に押す方式とし、その押し力は、図3に示すように、テーパ面を孔型6外周部に接触させた楔状金型10をこれに螺合させた調整用ねじ11にて通管方向5に動かすことにより与えるようにした。図3において調整用ねじ11を右に回すと楔状金型10が上昇してそのテーパ面と接触している孔型6は左方に移動する。なお、孔型位置微調整後は、固定用ねじ12を締めて孔型6を支持基板8に固定する。
この装置を用いて、φ40mm×6mmt×5.5mLの鋼管を素材とし、該素材を、その管内にプラグ3を挿入してフローティングさせつつ、連続送りしてダイス2に押し込む押し抜き加工による高寸法精度管の製造を試行した。押し抜き加工後の鋼管はダイス2出側直近の孔型6の孔7を貫通した。孔型6の孔7はストレート孔とし、その孔径は、ダイス2の出口孔径(この例ではφ35mm)に比べ0.5mm大きくとった。
実製造試行前にダミー管を複数用い、孔型位置を数点変えた押し抜き加工実験を行って管の曲がりを測定して、孔型位置の変分と押し抜き後の管の曲がりの変分との関係を求めた。実製造試行中は、管の曲がりが所定の閾値を超えそうになったときに、前記関係に基づいて曲がりが小さくなる方位に孔型を移動させることで、孔型位置の微調整を行った。
(実施例2)
図4に示すように、ダイス2の出側直近に管曲がり微調整手段4を設置し、ダイス2の入側直近にガイド筒15を設置し、管曲がり微調整手段4の出側直近にガイド筒16を設置した。なお、図示を省略したが、入側ガイド筒15の入側には管1を無限軌道で挟んで連続してダイス2に押し込む方式の連続押し込み機を設置した。
(実施例2)
図4に示すように、ダイス2の出側直近に管曲がり微調整手段4を設置し、ダイス2の入側直近にガイド筒15を設置し、管曲がり微調整手段4の出側直近にガイド筒16を設置した。なお、図示を省略したが、入側ガイド筒15の入側には管1を無限軌道で挟んで連続してダイス2に押し込む方式の連続押し込み機を設置した。
管曲がり微調整手段4は、図5に示すように、管を通す孔7をもつ孔型6を、支持基板8で通管方向と直交する平面内での移動可能に支持し、同支持基板8で支持した孔型移動機構9にて孔型6外周部の4箇所のいずれか1箇所または2箇所以上を通管方向と直交する方向(孔型移動方向13)に押しまたは引く方式とし、その押しまたは引き力は、孔型6外周部に接触させた小型の油圧シリンダ14により与えるようにした。図5において対向する2つの油圧シリンダ14の圧力差を加減することにより孔型6は当該2つの油圧シリンダ14の対向方向に移動する。なお、孔型位置微調整後は、対向する油圧シリンダ14同士の圧力差をゼロにして孔型6を支持基板8に固定する。
この装置を用いて、φ40mm×6mmt×5.5mLの鋼管を素材とし、該素材を、その管内にプラグ3を挿入してフローティングさせつつ、連続送りしてダイス2に押し込む押し抜き加工による高寸法精度管の製造を試行した。押し抜き加工前の鋼管は入側ガイド筒15を貫通し、押し抜き加工後の鋼管はダイス2出側直近の孔型6の孔7および出側ガイド筒16を順次貫通した。孔型6の孔7はテーパ付き孔とし、その最大内径部(入口側に位置する)の孔径は、ダイス2の出口孔径(この例ではφ33mm)に比べ2.5mm大きくとった。なお、孔型6の最小内径部(出口側に位置する)の孔径はダイス2の出口孔径と同じにした。また、入側および出側のガイド筒15、16は、管に疵が入らないよう、同じ側の管の外径よりも0.5mm大きい内径の筒とした。
実製造試行前にダミー管を複数用い、孔型位置を数点変えた押し抜き加工実験を行って管の曲がりを測定して、孔型位置の変分と押し抜き後の管の曲がりの変分との関係を求めた。実製造試行中は、管の曲がりが所定の閾値を超えそうになったときに、前記関係に基づいて曲がりが小さくなる方位に孔型を移動させることで、孔型位置の微調整を行った。
(比較例1)
図6に示すように、ダイス2の入側直近にガイド筒15を設置し、同出側直近にガイド筒16を設置した。なお、図示を省略したが、入側ガイド筒15の入側には管1を無限軌道で挟んで連続してダイス2に押し込む方式の連続押し込み機を設置した。
(比較例1)
図6に示すように、ダイス2の入側直近にガイド筒15を設置し、同出側直近にガイド筒16を設置した。なお、図示を省略したが、入側ガイド筒15の入側には管1を無限軌道で挟んで連続してダイス2に押し込む方式の連続押し込み機を設置した。
この装置を用いて、φ40mm×6mmt×5.5mLの鋼管を素材とし、該素材を、その管内にプラグ3を挿入してフローティングさせつつ、連続送りしてダイス2(この例では出口孔径φ33mm)に押し込む押し抜き加工による高寸法精度管の製造を試行した。押し抜き加工前の鋼管は入側ガイド筒15を貫通し、押し抜き加工後の鋼管は出側ガイド筒16を貫通した。
(比較例2)
図7に示すように、ダイス2の入側直近および出側直近には何も設置しなかった。なお、図示を省略したが、ダイス2入側には管1を無限軌道で挟んで連続してダイス2に押し込む方式の連続押し込み機を設置した。
(比較例2)
図7に示すように、ダイス2の入側直近および出側直近には何も設置しなかった。なお、図示を省略したが、ダイス2入側には管1を無限軌道で挟んで連続してダイス2に押し込む方式の連続押し込み機を設置した。
この装置を用いて、φ40mm×6mmt×5.5mLの鋼管を素材とし、該素材を、その管内にプラグ3を挿入してフローティングさせつつ、連続送りしてダイス2(この例では出口孔径φ35mm)に押し込む押し抜き加工による高寸法精度管の製造を試行した。
(比較例3)
図8に示すように、ダイス2の入側直近および出側直近には何も設置しなかった。ダイス2入側には押し込み機を設置せず、ダイス2出側に引き抜き機20を設置した。
(比較例3)
図8に示すように、ダイス2の入側直近および出側直近には何も設置しなかった。ダイス2入側には押し込み機を設置せず、ダイス2出側に引き抜き機20を設置した。
この装置を用いて、φ40mm×6mmt×5.5mLの鋼管を素材とし、該素材を、その管内にプラグ3を挿入してフローティングさせつつ、引き抜き機20で管先端を把持して鋼管をダイス2(この例では出口孔径φ35mm)から引き抜き方向21に引き抜く引き抜き加工による高寸法精度管の製造を試行した。
上記実施例および比較例の方法で製造した管の曲がりおよび寸法精度を調査した結果を表1に示す。管の曲がりは、管に直線定規を当てて、管長さ500mm当たりの管中央部の直線定規と管との隙間の最大値で評価した。管の寸法精度は、肉厚偏差と外径偏差(各例とも複数本製造した管のデータの最大値)で示した。これらの偏差は管の円周方向断面を画像解析したデータから、肉厚偏差は平均肉厚に対する値、外径偏差は真円(目標外径)に対する値として求めた。
表1から明らかなように、本発明により著しく良好な寸法精度を得つつ、押し抜き後の管の曲がりを充分に防止することができた。
1 管(鋼管)
2 ダイス
3 プラグ
4 管曲がり微調整手段
5 通管方向(押し抜き加工方向)
6 孔型
7 孔(孔型の孔)
8 支持基板
9 孔型移動機構
10 楔状金型
11 調整用ねじ
12 固定用ねじ
13 孔型移動方向
14 油圧シリンダ
15 ガイド筒(入側ガイド筒)
16 ガイド筒(出側ガイド筒)
20 引き抜き機
21 通管方向(引き抜き方向)
2 ダイス
3 プラグ
4 管曲がり微調整手段
5 通管方向(押し抜き加工方向)
6 孔型
7 孔(孔型の孔)
8 支持基板
9 孔型移動機構
10 楔状金型
11 調整用ねじ
12 固定用ねじ
13 孔型移動方向
14 油圧シリンダ
15 ガイド筒(入側ガイド筒)
16 ガイド筒(出側ガイド筒)
20 引き抜き機
21 通管方向(引き抜き方向)
Claims (12)
- 管にプラグを装入しフローティングさせ、該管をダイスに押し込んで通す押し抜きを行う高寸法精度管の製造方法において、前記ダイス出側直近に配設し通管方向と直交する平面内位置を予調整した孔型に前記ダイス出側の管を通すことにより管の曲がりを防止することを特徴とする高寸法精度管の製造方法。
- 前記ダイス入側および/または前記孔型出側の管をガイド筒に通すことを特徴とする請求項1記載の高寸法精度管の製造方法。
- 管を連続してダイスに押し込むことを特徴とする請求項1または2記載の高寸法精度管の製造方法。
- 管を通すダイスと、該ダイスに管を押し込む押し込み機とを有する高寸法精度管の製造装置において、前記ダイス出側直近に、管を通す孔型と、該孔型を通管方向と直交する平面内での移動可能に支持する支持基板と、該支持基板に支持されて前記孔型を移動させる孔型移動機構とを有する管曲がり微調整手段を設けたことを特徴とする高寸法精度管の製造装置。
- 前記孔型移動機構が、孔型外周部の1箇所または2箇所以上を、通管方向に動く楔状金型のテーパ面を介して通管方向と直交する方向に押す方式のものであることを特徴とする請求項4記載の高寸法精度管の製造装置。
- 前記楔状金型の動きをねじで付勢することを特徴とする請求項5記載の高寸法精度管の製造装置。
- 前記孔型移動機構が、孔型外周部の1箇所または2箇所以上を直接通管方向と直交する方向に押しまたは引く方式のものであることを特徴とする請求項4記載の高寸法精度管の製造装置。
- 前記押しまたは引く方式の押しまたは引きを流体圧シリンダで付勢することを特徴とする請求項7記載の高寸法精度管の製造装置。
- 前記孔型の孔径が、前記ダイスの出口孔径以上であることを特徴とする請求項4〜8のいずれか記載の高寸法精度管の製造装置。
- 前記孔型の孔がストレート孔またはテーパ付き孔であることを特徴とする請求項4〜9のいずれか記載の高寸法精度管の製造装置。
- さらに、前記ダイス入側および/または前記管曲がり微調整手段出側の管を通すガイド筒を有することを特徴とする請求項4〜10のいずれか記載の高寸法精度管の製造装置。
- 前記押し込み機が、管を連続して押し込み可能な連続押し込み機であることを特徴とする請求項4〜11のいずれか記載の高寸法精度管の製造装置。
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