1.遊技機の構造
本発明の各実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
図1に示すように、第1形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図21参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(演出手段)7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄8L,8C,8Rの可変表示及び停止表示を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄8L,8C,8Rを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図20参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄可変表示演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図20参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の近傍には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口、固定始動口、第1入球部)20を備える固定入賞装置19が設けられている。
固定入賞装置19は、詳細には図2に示すように、直方体形状の本体部19aと、本体部19aの左右方向の中央部から上方に突出する上方部19bとを備えている。上方部19bの上端には、第1始動口20が形成されている。本体部19aと上方部19bには、第1始動口20から下方に延びる直線経路18Aが形成されていて、直線経路18Aの下端部に非転落用第1始動口センサ20aが配されている。非転落用第1始動口センサ20aが遊技球を検出(検知)することにより、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)が実行可能になっている。但し後述するように、非転落用第1始動口センサ20aが遊技球を検出しても、高確率状態への制御の終了の契機となることはない。
また本体部19aには、直線経路18Aの中間部から右方に延びてL字状に屈曲する屈曲経路18Bが形成されている。屈曲経路18Bの下端部に転落用第1始動口センサ20bが配されている。転落用第1始動口センサ20bが遊技球を検出することにより、第1特別図柄の抽選が実行可能になっている。そして後述するように、転落用第1始動口センサ20bが遊技球を検出(検知)すると、高確率状態への制御の終了の契機となる。つまり、転落用第1始動口センサ20bは、第1特別図柄の抽選を行うためのセンサであると共に、高確率状態への制御を終了させるためのセンサである。
この固定入賞装置19では、第1始動口20へ入球した遊技球は、流下することにより直線経路18Aを下方に向かって進むこととなり、屈曲経路18Bの方へ実質的に進まないようになっている。そのため、第1始動口20へ入球した遊技球は、非転落用第1始動口センサ20aに検出されるものの、転落用第1始動口センサ20bに検出されることがほぼないようになっている。よって本形態では、遊技球が固定入賞装置19(第1始動口20)に入賞しても、後述する高確率状態への制御が終了することがない。
また図1に示すように、遊技領域3における第1始動口20の左上方には、第2始動口(第2始動入賞口、可変始動口)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。
電チュー22は、詳細には図3に示すように、主に開閉部材(入球部開閉部材)23と、分岐部材130と、振分装置200とを備えていて、開閉部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。開閉部材23は、電チューソレノイド24(図3では省略、図20参照)により駆動される。つまり、電チューソレノイド24は開閉部材23の駆動源である。第2始動口21は、開閉部材23が開状態にあるときのみ遊技球が入球可能となる。即ち、第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。本形態では、開閉部材23が閉状態にあるときには第2始動口21への入球が不可能となっている。なお、電チュー22は、開閉部材23が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口21への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口21への入球を不可能とするものでなくても良い。
分岐部材130は、第2始動口21から振分装置200に至るまでの遊技球の通路を2方向に分岐させるものである。この分岐部材130は、上流に第2始動口21を有するメイン通路(共通路)130Aと、このメイン通路130Aから分岐するバイパス通路(ワープ流路)130Bとを備える。メイン通路130Aは、第2始動口21から斜め右下方に向かって延びていて、下端部が後述する振分装置200の第1開口部211aに連通している。これにより、第2始動口21に入球した遊技球は、メイン通路130Aを通って振分装置200の第1開口部211aへ進入可能になっている。
一方、バイパス通路130Bは、メイン通路130Aの上下方向の中間部130aから下方に向かって延びていて、下端部が後述する振分装置200の第2開口部211bに連通している。これにより、第2始動口21に入球した遊技球は、メイン通路130Aのうち中間部130aより上方部分130bとバイパス通路130Bとを通って振分装置200の第2開口部211bへ進入可能になっている。
また電チュー22(分岐部材130)は、メイン通路130Aの中間部130aに到達した遊技球を、メイン通路130Aの中間部130aより下方部分130c、又はバイパス通路130Bのいずれかに振分ける可動部材(シャッター部材、案内手段)71と、可動部材71を駆動する可動部材ソレノイド73とを備えている。これら可動部材71と可動部材ソレノイド73は、メイン通路130Aの中間部130aの左方に配されている。
図4(A)(B)に示すように、可動部材ソレノイド73は、ハウジング74とプランジャ75とスプリング76とを備えている。プランジャ75はスプリング76により付勢されていて、プランジャ75の先端には、係合突起77aを有する係合部材77が取付けられている。係合部材77の係合突起77aは、リンク部材78の第1の長孔78a内に係合している。また、リンク部材78の第2の長孔78b内には、可動部材71に設けられた係合突起71aが係合している。
こうして、可動部材ソレノイド73が通電されないときには、図4(A)に示すように、プランジャ75がスプリング76の付勢力により図4(A)の右方へ移動している。そのため、係合部材77に対してリンク部材78を介して連結されている可動部材71も、図4(A)の右方へ移動している。これにより、メイン通路130Aの中間部130aに到達した遊技球は、右方へ移動している可動部材71によって、メイン通路130Aの下方部分130cの方へ案内される。このときの可動部材71の状態を、第1案内状態(進出状態)という。可動部材71が第1案内状態にあるときには、第2始動口21に入球した遊技球は、メイン通路130Aを通って振分装置200の第1開口部211aへ進入することになる。
一方、可動部材ソレノイド73が通電されると、図4(B)に示すように、プランジャ75がスプリング76の付勢力に抗して図4(B)の左方へ移動する。そのため、係合部材77に対してリンク部材78を介して連結されている可動部材71も、図4(B)の左方へ移動する。これにより、メイン通路130Aの中間部130aに到達した遊技球は、左方へ移動している可動部材71によって、バイパス通路130Bの方へ案内される。このときの可動部材71の状態を、第2案内状態(退避状態)という。可動部材71が第2案内状にあるときには、第2始動口21に入球した遊技球は、メイン通路130Aの上方部分130b及びバイパス通路130Bを通って振分装置200の第2開口部211bへ進入することになる。
振分装置200は、後に詳しく説明するが、第1開口部211aを通過した遊技球を左側流路211L又は右側流路211Rのいずれかに振分けるものである。但し振分装置200は、図3に示すように、第2開口部211bを通過した遊技球については、左側流路211L又は右側流路211Rに振分けることなく、左側流路211Lの下端部に進入させるようになっている。左側流路211Lの下端部には、非転落用第2始動口センサ21aが配されている。非転落用第2始動口センサ21aが遊技球を検出することにより、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)が実行可能になっている。但し後述するように、非転落用第2始動口センサ21aが遊技球を検出しても、高確率状態への制御の終了の契機となることはない。こうして、左側流路211Lの下端部、即ち非転落用第2始動口センサ21aが配されている領域は、非転落領域ということができる。
また右側流路211Rの下端部には、転落用第2始動口センサ21bが配されている。転落用第2始動口センサ21bが遊技球を検出することにより、第2特別図柄の抽選が実行可能になっている。そして後述するように、転落用第2始動口センサ21bが遊技球を検出すると、高確率状態への制御の終了の契機となる。つまり、転落用第2始動口センサ21bは、第2特別図柄の抽選を行うためのセンサであると共に、高確率状態への制御を終了させるためのセンサである。こうして、右側流路211Rの下端部、即ち転落用第2始動口センサ21bが配されている領域は、転落領域ということができる。
なお分岐部材130(電チュー22)において、図3に示すように、メイン通路130Aの中間部130a(可動部材71)よりも上流に、第2始動口21を通過した遊技球を検出(検知)する第2始動口カウントスイッチ(遊技球検知手段)21cが配されている。この第2始動口カウントスイッチ21cにより、開放した電チュー22に入球した入球数がカウントされることになる。
また図1に示すように、固定入賞装置19の下方には、大入賞口(特別入賞口、特別入球部)30を備えた大入賞装置(特別入球手段)31が設けられている。大入賞装置31は、大入賞口開閉部材(変位部材)32を備え、大入賞口開閉部材32の作動により大入賞口30を開閉するものである。つまり大入賞装置31では、大入賞口開閉部材32が後方に退避する閉位置(第2位置)よりも前方に進出する開位置(第1位置)に変位している方が、遊技球が入球し易くなる。大入賞口開閉部材32は、大入賞口ソレノイド33(図20参照)により駆動される。つまり、大入賞口ソレノイド33は大入賞口開閉部材32の駆動源である。大入賞口30は、大入賞口開閉部材32が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の左下方には、遊技球が通過可能なゲート(通過領域)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域3の下部には、複数の普通入賞口27が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、左打ちにて第1始動口20への入賞、ゲート28への通過、第2始動口21、大入賞口30への入賞を狙い、右打ちを行わないようになっている。その理由については後述する。
また図1に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類(報知手段)40が配置されている。表示器類40には、図5に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器(第2報知手段)42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留、第1保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留、第2保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器(第1報知手段)41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口30を開放させる特別遊技(大当たり遊技)が行われる。なお本形態では、特別遊技における大入賞口30の開放パターンは1種類しか設けられていないが(図22(B)参照)、複数種類の大入賞口30の開放パターンが設けられていても良い。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選(大当たりの抽選)の結果に応じた特別図柄を表示するものである。大当たりに当選した場合には、例えば「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄(特別報知態様)を表示する。
また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。特別図柄表示器41が、大当たり抽選による判定結果を示す特別図柄を変動表示を経て停止表示することを、特別図柄の変動表示報知と呼ぶことにする。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(遊技情報)は、特図保留記憶部85(図20参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図20参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図20参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における第1特図保留の上限数(第1上限数)及び第2特図保留の上限数(第2上限数)はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図5参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たり(普通当たり)である場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。普通図柄表示器42が、普通図柄抽選による判定結果を示す普通図柄を変動表示を経て停止表示することを、普通図柄の変動表示報知と呼ぶことにする。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図20参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における普図保留の上限数は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.振分装置の構成
次に図6〜図19に基づいて、振分装置200の構成を説明する。振分装置200は、電チュー22に組み込まれていて、第1開口部211aを通過した遊技球を左側流路211L又は右側流路211Rのいずれかに振分けるものである。この振分装置200は、図6及び図7に示すように、ケース部210と、均し手段220と、振分部材230と、左側可動部材240と、右側可動部材250と、回転部材260と、規制手段270と、連繋部材280(図11参照)とを主に備えている。
ケース部210は、前方から後方に向かって順番に、前側ケース211と中間ケース212と後側ケース213とを備えている。またケース部210は、前側ケース211と中間ケース212との間に介在する長方形状の仕切板214と、中間ケース212と後側ケース213との間に介在する支持板215とを備えている。
前側ケース211は、図6に示すように、上端に遊技球が進入可能な第1開口部(入球部)211aを有し、第1開口部211aから下方に延びるように形成された1つの上側流路(共通路)211Uを有する。そして、上側流路211Uの下端から左右方向に分岐する左側流路(第1流路)211L及び右側流路(第2流路)211Rが形成されている。
こうして、第1開口部211aを通過した遊技球が、後述する振分部材230によって左側流路211Lに振分けられると、その遊技球が後述する左側可動部材240の左側接触突起部241を押し下げた後、非転落用第2始動口センサ21aによって検出される。一方、第1開口部211aを通過した遊技球が、後述する振分部材230によって右側流路211Rに振分けられると、その遊技球が後述する右側可動部材250の右側接触突起部251を押し下げた後、転落用第2始動口センサ21bによって検出される。なお前側ケース211は透明なプラスチックで構成されているため、上側流路211Uを通過した遊技球が左側流路211L又は右側流路211Rのどちらに振分けられたかを遊技者が視認可能になっている。後に詳しく説明するが、遊技者は左側流路211Lに振分けられた遊技球を見ると未だ高確率状態が継続し、右側流路211Rに振分けられた遊技球を見ると高確率状態から通常確率状態へ転落するのを把握できるようになっている。
また、前側ケース211の左側面部の下方には、遊技球が進入可能な第2開口部211bが形成されている。第2開口部211bは、図3に示すように、バイパス通路130Bと連通している。そのため、バイパス通路130Bを通って第2開口部211bから進入した遊技球は、後述する左側可動部材240の左側接触突起部241を押し下げることなく、非転落用第2始動口センサ21aによって検出される。
中間ケース212及び後側ケース213は、図6及び図7に示すように、均し手段220、振分部材230、左側可動部材240、右側可動部材250、回転部材260、規制手段270、及び連繋部材280(図11参照)を収容している。なお図7では、収容されている各部材が視認できるように、後側ケース213の後面側のカバーが取り外された状態が示されている。
仕切板214には、図6に示すように、左側流路211Lに対応した位置に円弧状の左側円弧溝214Lが形成されている。また、右側流路211Rに対応した位置に円弧状の右側円弧溝214Rが形成されている。更に、仕切板214には、図8に示すように、上側流路211Uの下端部に対応した位置に、3つのガイド溝214a,214b,214cが形成されている。3つのガイド溝214a,214b,214cはそれぞれ上下方向に長く形成されている。
左側に形成されているガイド溝214a(以下「左側ガイド溝214a」と呼ぶ)には、後述する振分部材230の左側ガイド突起232aが前後方向に挿通されている。右側に形成されているガイド溝214b(以下「右側ガイド溝214b」と呼ぶ)には、後述する振分部材230の右側ガイド突起232bが前後方向に挿通されている。左右方向の中央に形成されているガイド溝214b(以下「中央ガイド溝214b」と呼ぶ)には、後述する振分部材230の中央ガイド突起232cが前後方向に挿通されている。
均し手段220は、上側流路211Uに進入した遊技球を、1球ずつ振分部材230に向かわせて、先に上側流路211Uに進入した遊技球が振分部材230に到達してから、後に上側流路211Uに進入した遊技球が振分部材230に到達するまでの間隔(時間)が、所定の間隔以上にするものである。後述するように、上側流路211Uに進入した遊技球は振分部材230によって左側流路211L又は右側流路211Rに振分けられる。しかしながら仮に短い間隔で(連続的に)遊技球が振分部材230に向かうと、先に上側流路211Uに進入した遊技球の振分けが完了しないうちに(振分部材230が水平状態に戻らないうちに)、後に上側流路211Uに進入した遊技球が振分部材230に向かうことなる。その結果、後に上側流路211Uに進入した遊技球の振分けを正確に行うことができなくなる。そこで本形態では、均し手段220によって、振分部材230による振分けを正確に行うことができるようにしている。
均し手段220は、図6及び図9に示すように、左右方向に延びる第1支持軸221及び第2支持軸222と、第1支持軸221の両端部に回転自在に支持された各ギヤ部材223と、第1支持軸221から径外方向に延びる複数の区画板224と、第2支持軸222に揺動可能に支持されている回転規制部材225とを備えている。第1支持軸221は中間ケース212に支持されていて、第2支持軸222は支持板215に支持されている。複数の区画板224は、第1支持軸221の周方向に等間隔に配されている。回転規制部材225は、各ギヤ部材223の回転を規制するためのものである。この回転規制部材225は、上側に各ギヤ部材223に係合可能な引掛爪225aを有し、下側に錘部材225bを有している。
この均し手段220では、複数の区画板224のうちいずれかが上側流路211Uに必ず位置している。そのため、上側流路211Uに遊技球が進入すると、図9の二点鎖線で示すように、流下する遊技球が区画板224に接触する。これにより、遊技球の重みが各ギヤ部材223に作用して、各ギヤ部材223が回転しようとする。このとき、図10(A)に示すように、回転規制部材225の引掛爪225aが、各ギヤ部材223との係合を一旦解除する。即ち、回転規制部材225は、その上端が後方(図10(A)の右側)に向かうように揺動(回転)する。
こうして、回転規制部材225が揺動すると、錘部材225bを含めた回転規制部材225の重心の位置が変化する。これにより、回転規制部材225は、図10(B)に示すように、その上端が前方(図10(B)の左側)に向かうように揺動する。その結果、再び引掛爪225aが各ギヤ部材223と係合し、各ギヤ部材223の回転が規制される。つまり、図10(A)(B)に示すように、各ギヤ部材223(区画板224)は、落下する遊技球によって回転するが、即座に回転規制部材225によってその回転が規制される。そして、各ギヤ部材223は、更に落下しようとする遊技球によって再び回転し始める。
こうして、図10(A)(B)に示すような状況が繰り返されて、最終的に図10(C)に示すように、遊技球は上側流路211Uのうち均し手段220が配されている箇所を通過する。このように均し手段220では、各ギヤ部材223が回転規制部材225によって回転を規制されながら少しずつ回転するため、仮に短い間隔で(続けざまに)遊技球が上側流路211Uに進入したとしても、先に進入した遊技球とそれに続いて進入した遊技球との間隔は、所定の間隔以上となる。その結果、後述する振分部材230による振分けを正確に行うことが可能となる。なお、所定の間隔とは、先に進入した遊技球が振分部材230によって左側流路211L又は右側流路211Rに振分けられたときに、振分部材230が通常状態(後述する第1状態又は第2状態)から傾斜した状態を経て再び通常状態に戻るまでの時間である。
振分部材(振分手段)230は、上側流路211Uを流下する遊技球に接触して、遊技球を左側流路211L又は右側流路211Rのいずれかに振分けるものである。振分部材230は、図6に示すように、遊技球に接触する平板状の接触部231を有する。接触部231は、通常状態(後述するように傾斜していない状態)において、上下方向と直交する水平方向に延びている。図8に示すように、接触部231の幅(左右方向の寸法)は、上側流路211Uの幅より大きくなっている。
接触部231には、図8に示すように、後端面から後方に向かって突出する3つのガイド突起232a,232b,232cが形成されている。左側に形成されているガイド突起232a(以下「左側ガイド突起232a」と呼ぶ)は、仕切板214の左側ガイド溝214aに挿通されている。右側に形成されているガイド突起232b(以下「右側ガイド突起232b」と呼ぶ)は、仕切板214の右側ガイド溝214bに挿通されている。左右方向の中央に形成されているガイド突起232c(以下「中央ガイド突起232c」と呼ぶ)は仕切板214の中央ガイド溝214cに挿通されている。左側ガイド溝214a及び右側ガイド溝214bの幅(左右方向の寸法)は、左側ガイド突起232a及び右側ガイド突起232bの幅よりも十分大きくなっている(両者の間には比較的大きな隙間が形成される)。一方、中央ガイド溝214cの幅は、中央ガイド突起232cの幅よりも僅かに大きくなっている(両者の間には僅かな隙間が形成される)。
中央ガイド突起232cは、左側ガイド突起232a及び右側ガイド突起232bよりも後方に延びている。中央ガイド突起232cの後端部232c1は、図7及び図12に示すように、連結部材233の筒状部233aに回転可能に挿通されている。連結部材233は、筒状部233aから上方に延びる延出部233bと、延出部233bから左方に延びる支持部233cとを有している。支持部233cの右端部は、ケース部210の支持板215に回転自在に支持されている。そして、図12に示すように、支持部233cの下端233c1は、引っ張りバネである振分用付勢部材234の一端(右端)が引掛けられている。振分用付勢部材234の他端(左端)は、支持板215に設けられた引掛部215aに引掛けられている。
接触部231(振分部材230)は、通常状態(水平状態)から図13(A)に示すように、左側流路211L側が低くなる傾斜した状態に変位可能である。また、通常状態から図13(B)に示すように、右側流路211R側が低くなる傾斜した状態に変位可能である。上述したように、中央ガイド溝214cの幅は中央ガイド突起232cの幅より僅かに大きく、左側ガイド溝214a及び右側ガイド溝214bの幅は、左側ガイド突起232a及び右側ガイド突起232bの幅より十分大きい。そのため接触部231は、中央ガイド溝214c内に挿通された中央ガイド突起232cの位置を基準として、図13(A)又は図13(B)に示す傾斜した状態に変位可能である。
図8に示すように、接触部231が通常状態であるときに、上側流路211Uと左側流路211Lとの間、上側流路211Uと右側流路211Rとの間には、遊技球が通過可能な隙間が存在しない。これに対して、接触部231が通常状態から図13(A)に示す傾斜した状態に変位すると、上側流路211Uと左側流路211Lとの間に遊技球が通過可能な隙間が生じる。これにより、接触部231に接触した遊技球が左側流路211Lに振分けられることになる。一方、接触部231が通常状態から図13(B)に示す傾斜した状態に変位すると、上側流路211Uと右側流路211Rとの間に遊技球が通過可能な隙間が生じる。これにより、接触部231に接触した遊技球が右側流路211Rに振分けられることになる。
接触部231は、通常状態から図13(A)又は図13(B)に示す傾斜した状態に変位すると、中央ガイド溝214cに挿通された中央ガイド突起232cが、下方に移動する。図13(A)に示す傾斜した状態に変位した場合の中央ガイド突起232cの移動量と、図13(B)に示す傾斜した状態に変位した場合の中央ガイド突起232cの移動量は、同じである。図12に示すように、中央ガイド突起232cの後端部232c1は、連結部材233の筒状部233aに回転可能に挿通されているため、中央ガイド突起232cが下方に移動すると、連結部材233が支持部233cで支持されている箇所(支持部233cの右端部)を中心として回動する。連結部材233が回動すると、振分用付勢部材234が伸びた状態となる。つまり、振分用付勢部材234は、接触部231が通常状態から図13(A)又は図13(B)に示す傾斜した状態に変位すると、接触部231を通常状態に戻す方向に付勢する。
左側可動部材240は、左側流路211Lを通過する遊技球によって可動する部材である。左側可動部材240は、図8及び図11に示すように、一方側の端部(図11の上側の端部)に前方に向かって突出する左側接触突起部241を有する。左側接触突起部241は、仕切板214に形成された左側円弧溝214Lに挿通されている。また左側可動部材240は、他方側の端部(図11の下側の端部)で仕切板214に回転自在に支持されている。そのため、左側可動部材240は、左側接触突起部241が左側円弧溝214Lに沿って移動できる範囲で、仕切板214に支持された箇所を中心に回転可能となっている。
この左側可動部材240は、仕切板214に支持された箇所で、図11に示すように、ねじりコイルバネである左側可動用付勢部材242によって時計方向(前方から見たときを基準とした時計方向)に付勢されている。そのため、左側可動部材240は、左側接触突起部241が遊技球によって押し下げられない限り、図11に示す原位置に待機している。一方、左側流路211Lを通過する遊技球が左側接触突起部241を押し下げると、左側可動部材240は反時計方向に所定量回転する。その後、遊技球による左側接触突起部241の押し下げが解除されると(遊技球が左側流路211Lを通過し終えると)、左側可動部材240は左側可動用付勢部材242によって時計方向に回転して、原位置に復帰する。
左側可動部材240には、図11に示すように、連繋突起243及び左側可動突起244が形成されている。連繋突起243は、連繋部材280に形成された長孔281に入り込んでいる。連繋部材280は、上下方向に長く形成されていて、下端部で仕切板214に回転自在に支持されている。この連繋部材280の回転中心は、後述する回転部材260の回転中心と同じになっている。連繋部材280の上下方向の中間部には、先鋭で細長い部材である押圧部材282が回転自在に取付けられている。押圧部材282は、押圧用付勢部材283によって時計方向(先端が後述する回転部材260に押し付けられる方向)に付勢されている。そのため、左側可動部材240が反時計方向に回転すると、連繋突起243が連繋部材280の長孔281の壁面を押圧して、連繋部材280が反時計方向に回転する(図14(A)及び図15(A)参照)。このとき、連繋部材280の回転に伴って、押圧部材282が押圧用付勢部材283の付勢力に抗して回転しようとする。
左側可動突起244は、左側流路211Lへの遊技球の通過によって左側可動部材240が反時計方向に回転したときに、後述する第2規制部272のコ字状部分272aの左側壁部272a1に接触する(図14(A)及び図15(A)参照)。つまり、左側可動突起244は、コ字状部分272aの左側壁部272a1に接触することにより、コ字状部分272aを左方向にスライドさせるためのものである。
右側可動部材250は、右側流路211Rを通過する遊技球によって可動する部材である。右側可動部材250は、図8及び図11に示すように、一方側の端部(図11の上側の端部)に前方に向かって突出する右側接触突起部251を有する。右側接触突起部251は、仕切板214に形成された右側円弧溝214Rに挿通されている。また右側可動部材250は、他方側の端部(図11の下側の端部)で仕切板214に回転自在に支持されている。そのため、右側可動部材250は、右側接触突起部251が右側円弧溝214Rに沿って移動できる範囲で、仕切板214に支持された箇所を中心に回転可能となっている。
この右側可動部材250は、仕切板214に支持された箇所で、図11に示すように、ねじりコイルバネである右側可動用付勢部材252によって反時計方向(前方から見たときを基準とした反時計方向)に付勢されている。そのため、右側可動部材250は、右側接触突起部251が遊技球に押し下げられない限り、図11に示す原位置に待機している。一方、右側流路211Rを通過する遊技球が右側接触突起部251を押し下げると、右側可動部材250は時計方向に所定量回転する。その後、遊技球による右側接触突起部251の押し下げが解除されると(遊技球が右側流路211Rを通過し終えると)、右側可動部材250は右側可動用付勢部材252によって反時計方向に回転して、原位置に復帰する。
右側可動部材250には、図11に示すように、右側可動突起254が形成されている。右側可動突起254は、右側流路211Rへの遊技球の通過によって右側可動部材250が時計方向に回転したときに、後述する第2規制部272のコ字状部分272aの右側壁部272a2に接触する(図18(A)及び図19(A)参照)。つまり、右側可動突起254は、コ字状部分272aの右側壁部272a2に接触することにより、コ字状部分272aを右方向にスライドさせるためのものである。
回転部材(切替手段、第1可動体)260は、図7に示すように、支持板215に対して回転自在に支持された円盤状の部材である。回転部材260の径外方向端部には、図11に示すように、周方向に沿って前方に突出した縁部261が形成されている。この縁部261には、径内方向に窪んだ被係合部261aが1つだけ形成されている。また縁部261の径内方向側には、ラチェット部262が形成されている。このラチェット部262には、周方向に沿って等間隔に複数の係合溝262aが形成されている。係合溝262aは、ラチェット部262に対して断面V字状に窪んだ溝であり、合計20個形成されている。20個の係合溝262aの一つに、押圧部材282の先端が嵌り込んでいる。この回転部材260には、先鋭で細長い部材である係止部材263が回転自在に取付けられている。係止部材263は、係止用付勢部材264によって、ラチェット部262(係合溝262a)側に付勢されている。そして、係止部材263の先端は、押圧部材282の先端が嵌り込んでいる係合溝262aとは別の係合溝262aに嵌り込んでいる。
規制手段(切替手段、第2可動体)270は、回転部材260と連係して、振分部材230の状態を切り替えるものである。この規制手段270は、第1規制部271と第2規制部272とを備える。第1規制部271は、図12に示すように、L字状の係合部271aと、上下方向に延びる第1規制突起271bと、第2規制部272に対して回転自在に支持される軸部271cとを有する。係合部271aの先端部分(下端部分)の前後方向の位置は、回転部材260の被係合部261aが形成されている位置と一致する。第1規制突起271bは、軸部271cを中心として係合部271aとは反対側に形成されている。この第1規制突起271bは、後述する第2規制部272の左側規制突起272bに接触可能となっている。そして、第1規制部271は、軸部271cの外側に設けられたねじりコイルバネである規制用付勢部材273によって、係合部271aが回転部材260に近づく方向に付勢されている。
本形態では、回転部材260が一回転(360度回転)する度に、係合部271aが被係合部261aに1回係合することが可能となる。即ち、回転部材260が所定位置であるときにのみ係合部271aが被係合部261aに係合することができ、回転部材260が所定位置以外であるときには、係合部271aが被係合部261aに係合することができない。言い換えれば、第1規制部271は規制用付勢部材273によって回転部材260に近づく方向に付勢されているため、係合部271aが被係合部261aに係合することができないときには、係合部271aは回転部材260の中心から相対的に遠い離間位置に位置する(図17(B)参照)。一方、係合部271aが被係合部261aに係合することができるときには、係合部271aの先端部分(下端部分)が被係合部261aに入り込んで、係合部271aは被係合部261aの中心から相対的に近い近接位置に位置する(図18(B)参照)。
第2規制部272は、図12に示すように、コ字状部分272aと、水平状の平板部分(図示省略)とを有する。平板部分の左側には、上下方向に延びる左側規制突起272bが回転自在に支持されていて、平板部分の右側には、上下方向に延びる右側規制突起272cが回転自在に支持されている。左側規制突起272bの動きと右側規制突起272cの動きとは、連動するようになっている。左側規制突起272bと右側規制突起272cとの間の間隔(左右方向の寸法)は、振分部材230における左側ガイド突起232aと右側ガイド突起232bとの間の間隔より僅かに小さい。また、左側規制突起272bは、右側規制突起272cよりも後方に長く形成されている。これにより、左側規制突起272bは、上述した第1規制部271の第1規制突起271bに接触可能になっている。
この第2規制部272は、支持板215に対して、左右方向にスライド可能に取付けられている。また第2規制部272の左側規制突起272bは、規制用付勢部材273によって第1規制部271に近づく方向(図12の左方向)に付勢されている。即ち、規制用付勢部材273によって、第1規制部271と第2規制部272とは互いに近づく方向に付勢されているため、第1規制突起271bと左側規制突起272bとは互いに押し合うように接触している。その押し合う力は、双方とも規制用付勢部材273の作用によるものであるため、釣り合っている。
この規制手段270によれば、左側可動部材240が反時計方向に回転すると、左側可動突起244は第2規制部272のコ字状部分272aの左側壁部272a1に接触する(図15(A)参照)。これにより、第2規制部272のコ字状部分272aは左方向にスライドし、左側規制突起272b及び右側規制突起272cが左方向に移動することになる。一方、右側可動部材250が時計方向に回転すると、右側可動突起254は第2規制部272のコ字状部分272aの右側壁部272a2に接触する(図19(A)参照)。これにより、第2規制部272のコ字状部分272aは右方向にスライドし、左側規制突起272b及び右側規制突起272cが右方向に移動することとなる。
上述した振分装置200の動作について説明する。第2始動口21に入球した遊技球は、可動部材71が第1案内状態(図4(A)参照)である限り、メイン通路130Aを通って第1開口部211aに進入(入球)する。第1開口部211aから上側流路211Uに進入した複数の遊技球は、均し手段220によって、所定の間隔以上で振分部材230に向かう。振分部材230は、上側流路211Uに進入した遊技球を、左側流路211L又は右側流路211Rのいずれかに振分ける。
本形態における振分装置200は、以下で説明するように、上側流路211Uに進入した遊技球の大部分は左側流路211Lに振分けられるものの、21回に1回の割合(20:1)で遊技球が右側流路211Rに振分けられるように設定されたものである。つまり、21球の遊技球が第1開口部211aに入球すると、20球の遊技球が左側流路211Lに振分けられるのに対して、1球の遊技球が右側流路211Rに振分けられることになる。
以下では、1球の遊技球が右側流路211Rに振分けられた直後の振分装置200の状態を「リセット状態」と呼ぶことにする。また、遊技球が振分部材230に接触すると右側流路211Rに振分けられることとなる振分装置200の状態を「ラスト状態」と呼ぶこととする。つまり「ラスト状態」は、振分装置200が「リセット状態」から20球の遊技球を左側流路211Lに振分けた後の状態である。図14では、振分装置200が「リセット状態」から1球の遊技球を左側流路211Lに振分けて、更に1球の遊技球が左側流路211Lに進入した状態が示されている。
振分装置200が「リセット状態」以外の状態であるとき(例えば図14参照)、第2規制部272(左側規制突起272b及び右側規制突起272c)は相対的に右側に位置している。そのため、振分部材230の右側ガイド突起232bの直下には、第2規制部272の右側規制突起272cが位置している。これに対して、振分部材230の左側ガイド突起232aの直下には、第2規制部272の左側規制突起272bが位置していない。そのため、落下する遊技球が振分部材230に当接すると、振分部材230は左側流路211L側が低くなるように傾斜した状態となる(図13(A)参照)。なおこのときには、右側規制突起272cの作用により、振分部材230が右側流路211Rを低くするように傾斜することはない。これにより、上側流路211Uと左側流路211Lとの間に遊技球が通過可能な隙間が生じ、遊技球が左側流路211Lに進入する。
このように左側規制突起272b及び右側規制突起272cが相対的に右側に位置することにより、接触部231(振分部材230)が通常状態(水平状態)から図13(A)に示すように左方へ傾斜できる状態が本発明の「第1状態」に相当する。このように第2規制部272の右側規制突起272cが振分部材230の右側ガイド突起232bの直下に位置し、且つ第2規制部272の左側規制突起272bが振分部材230の左側ガイド突起232aの直下に位置していないときの規制手段270の位置が、本発明の「第1可動位置」に相当する。
左側流路211Lを流下した遊技球は、左側流路211Lに位置する左側可動部材240の左側接触突起部241に接触する。これにより、図14(A)から図15(A)に示すように、左側接触突起部241が左側円弧溝214Lに沿って押し下げられ、左側可動部材240が反時計方向に回転する。左側可動部材240が反時計方向に回転すると、左側可動部材240の連繋突起243が連繋部材280の長孔281の壁面を押して、連繋部材280が反時計方向(図14(A)の左側)に回転する。この連繋部材280の回転に伴って、係合溝262aに嵌り込んでいる押圧部材282も左側に移動しようとする。押圧部材282が左側へ移動しようとすると、係合溝262aの壁面が押圧部材282によって押されることで、回転部材260が反時計方向に回転する。即ち、回転部材260は、左側に移動しようとする押圧部材282によって所定量θ(図15(A)参照、本形態では18度)回転することになる。
遊技球が左側流路211Lにおける左側接触突起部241が設けられた箇所を通過すると、図16(A)に示すように、振分用付勢部材234の作用によって、左側接触突起部241が原位置(上端)に戻る。左側接触突起部241(左側可動部材240)が原位置に復帰することに伴い、反時計方向に回転していた連繋部材280も原位置に復帰する(時計方向に回転する)。このとき、押圧部材282も右側に移動する。回転部材260が所定量θ回転した後、押圧部材282が右側に移動することとなるから、押圧部材282の先端は回転部材260が回転する前に嵌り込んでいた係合溝262aの隣の係合溝262aに嵌り込むこととなる。
また本形態では、回転部材260が回転すると、係止部材263が係止用付勢部材264の付勢力に抗して内側に変位し、係合溝262aから一旦外れる。しかし、回転部材260が回転することに伴って、係止部材263は回転する前に引っ掛かっていた係合溝262aの隣の係合溝262aに嵌り込むこととなる。これにより、遊技球が左側流路211Lを通過することなく回転部材260が回転してしまうことが防止される。このように、遊技球が左側流路211Lを通過して、左側接触突起部241を押し下げる度に、回転部材260が反時計方向に所定量θだけ回転する。
また、図14(A)から図15(A)に示すように、左側流路211Lを通過する遊技球によって、左側接触突起部241が押し下げられると、左側可動突起244が第2規制部272のコ字状部分272aの左側壁部272a1に接触し、第2規制部272が左方向にスライドする。これにより、図15(A)に示すように、第2規制部272の左側規制突起272bが、第1規制部271の第1規制突起271bから離れる。第1規制突起271bは、規制用付勢部材273によって、係合部271aが回転部材260に近づく方向に付勢されているため、左側規制突起272bが左側へ移動することで、左側規制突起272bによる規制が解除され、当該付勢された方向に回転しようとする。しかし、係合部271aが被係合部261aに係合することができないときには、第1規制部271は、当該付勢された方向に回転することができない。よって第1規制部271は、第1規制突起271bと左側規制突起272bとが離れても回転せず、図16(A)に示すように、左方向にスライドした第2規制部272は規制用付勢部材273の作用によって元の位置(右側の位置)に戻り、第2規制部272の左側規制突起272bと第1規制部271の第1規制突起271bとが再び接触した状態となる。こうして、図16(A)に示す状態において、上側流路211Uを流下する遊技球が再び振分部材230に当接すると、振分装置200が上記した動作と同様に動作して、遊技球が左側流路211Lに振分けられることになる。
これに対して、回転部材260が反時計方向に所定量θずつ回転していくと、図17に示す状態となる。図17に示す状態では、振分装置200が「リセット状態」から19球の遊技球を左側流路211Lに振分けた後の状態が示されている。図17(A)に示す状態において、20球目の遊技球が上側流路211Uを通過して振分部材230に接触すると、上述したように左側流路211Lに振分けられる。これにより、図17(A)から図18(A)に示すように、遊技球が左側接触突起部241を押し下げることにより、左側可動突起244が第2規制部272のコ字状部分272aの左側壁部272a1に接触し、第2規制部272が左方向にスライドする。このとき、回転部材260は図17(A)に示す状態から図18(A)に示すように反時計方向に所定量θだけ回転し、第2規制部272の左側規制突起272bが第1規制部271の第1規制突起271bから離れると、規制用付勢部材273の付勢力によって、係合部271aが被係合部261aに係合する。つまり、第1規制部271は、図18の二点鎖線で示したように、第1規制突起271bが第2規制部272の左側規制突起272bに近づく方向に回転し(反時計方向に回転し)、第1規制突起271bと左側規制突起272bが接触した状態となる。第1規制部271と第2規制部272は共に規制用付勢部材273によって付勢されたものであるため、第1規制突起271bと左側規制突起272bが接触した状態は維持される。
図18(A)に示すように、第2規制部272が左方向にスライドして、左側規制突起272b及び右側規制突起272cが左側に位置した状態では、振分部材230の左側ガイド突起232aの直下には、第2規制部272の左側規制突起272bが位置している。これに対して、振分部材230の右側ガイド突起232bの直下には、第2規制部272の右側規制突起272cが位置していない。そのため、落下する遊技球が振分部材230に接触すると、振分部材230は右側流路211Rが低くなるように傾斜した状態となる(図13(B)参照)。なおこのときには、左側規制突起272bの作用により、振分部材230が左側流路211Lを低くするように傾斜することはない。これにより、上側流路211Uと右側流路211Rとの間に遊技球が通過可能な隙間が生じ、遊技球が右側流路211Rに進入する。
このように左側規制突起272b及び右側規制突起272cが相対的に左側に位置することにより、接触部231(振分部材230)が通常状態(水平状態)から図13(B)に示すように右方へ傾斜できる状態が本発明の「第2状態」に相当する。つまり、図18(A)に示す振分装置200の状態が、遊技球が右側流路211Rに振分けられることとなる「ラスト状態」となっている。また第2規制部272の左側規制突起272bが振分部材230の左側ガイド突起232aの直下に位置し、且つ第2規制部272の右側規制突起272cが振分部材230の右側ガイド突起232bの直下に位置していないときの規制手段270の位置が、本発明の「第2可動位置」に相当する。
要するに振分装置200では、遊技球が左側流路211Lを通過することにより、回転部材260が反時計方向に所定量θずつ回転していく。そして、上側流路211Uに進入した21球の遊技球のうち1球の遊技球が左側流路211Lを通過したときに、係合部271aが被係合部261aに係合する。その結果、次に上側流路211Uに進入した遊技球が振分部材230に接触すると、その遊技球が右側流路211Rへ振分けられるようになっている。
なお、遊技球が右側流路211Rへ振分けられた後の振分装置200の動作は、以下のようになる。遊技球が右側流路211Rに振分けられると、右側流路211Rを流下した遊技球は、右側接触突起部251に接触する。これにより、図18(A)から図19(A)に示すように、右側接触突起部251が右側円弧溝214Rに沿って押し下げられ、右側可動部材250が時計方向に回転する。そのため、右側可動突起254が第2規制部272のコ字状部分272aの右側壁部272a2に接触し、第2規制部272が右方向にスライドする。第2規制部272が右方向にスライドすると、第2規制部272の左側規制突起272bが第1規制部271の第1規制突起271bを右方向に押す。その結果、第1規制部271が時計周りに回転し、係合部271aは被係合部261aから外れる(係合部271aが上方へ移動する)。
これにより、図19(A)に示すように、振分部材230の右側ガイド突起232bの直下には、第2規制部272の右側規制突起272cが位置していて、振分部材230の左側ガイド突起232aの直下には、第2規制部272の左側規制突起272bが位置しない。よって、この状態で上側流路211Uに進入した遊技球が振分部材230に接触すると、その遊技球を左側流路211Lに振分けることになる。つまり、図19(A)に示す振分装置200の状態が、遊技球が右側流路211Rに振分けられた直後である「リセット状態」となっている。なお、振分装置200が「ラスト状態」から「リセット状態」に変わっても、回転部材260の位置は変わってない(回転していない)。振分装置200が「リセット状態」であるときに、1球の遊技球が第1開口部211aに入球して左側流路211Lに振分けられると、左側流路211Lを通過する遊技球により左側接触突起部241が押し下げられ、回転部材260が反時計方向に所定量θだけ回転する(図14(A)参照)。
以上説明したように、右側流路211Rに遊技球が振分られると、右側接触突起部251が押し下げられ、第2規制部272が右方向へスライドすると共に、係合部271aと被係合部261aとの係合が解除される。つまり、第2規制部272を右方向にスライドさせること(係合部271aと被係合部261aとの係合を解除すること)で、次の遊技球が左側流路211Lに誘導されるようにすると共に、回転部材260の回転が係合部271aと被係合部261aとの係合によって妨げられないようにする。
このようにして、本形態における振分装置200では、第1開口部211aに入球した遊技球を「左側流路:右側流路=20:1」で振分ける。つまり本形態では、リセット状態である振分装置200に対して21球の遊技球が第1開口部211aに入球すると、1〜20番目の遊技球は左側流路211Lに振分けられて非転落用第2始動口センサ21aによって検出され、21番目の遊技球が右側流路211Rに振分けられて転落用第2始動口センサ21bによって検出される。
3.遊技機の電気的構成
次に図20及び図21に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図20及び図21に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備えていればよい。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、非転落用第1始動口センサ20a、転落用第1始動口センサ20b、非転落用第2始動口センサ21a、転落用第2始動口センサ21b、第2始動口カウントスイッチ21c、ゲートセンサ28a、大入賞口センサ30a、普通入賞口センサ27a、大入賞口ソレノイド33、及び可動部材ソレノイド73が接続されている。
非転落用第1始動口センサ20a及び転落用第1始動口センサ20bは、固定入賞装置19内(図2参照)に設けられて各第1始動口センサ20a,20bを通過する遊技球を検出するものである。非転落用第2始動口センサ21a及び転落用第2始動口センサ21bは、電チュー22に組み込まれた振分装置200内(図6参照)に設けられて各第2始動口センサ22a,22bを通過する遊技球を検出するものである。第2始動口カウントスイッチ21cは、電チュー22に組み込まれた分岐部材130内(図3参照)に設けられて第2始動口21に入球した入球数をカウントするものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過する遊技球を検出するものである。大入賞口センサ30aは、大入賞口30内に設けられて大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、大入賞口ソレノイド33、および可動部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の開閉部材23を駆動するものである。大入賞口ソレノイド33は、大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。可動部材ソレノイド73は、分岐部材130に設けられている可動部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置140およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置140の球貸モータ141を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ142により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図21に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15(図1参照)を動作させる。なお装飾可動体15は、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。詳細には演出制御用マイコン91は、装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出SW(スイッチ)63aが接続されている。演出ボタン検出SW63aは、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出SW63aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
4.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口30を開放させる「特別遊技」が実行される。大当たりに当選して実行される特別遊技を大当たり遊技(特別遊技)という。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
本形態では、大当たりの種別として図22(A)に示すように1つのみが設定されている。具体的に「8R大当たり」は、図22(B)に示すように、1Rから8Rまで大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって1回開放する。なお本形態と異なり、大当たりの種別として複数の異なる大当たりが設定されていても良く、例えば15R大当たりと8R大当たりとが設定されていても良い。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たりに当選して8R大当たりによる大当たり遊技が実行されると、その大当たり遊技の終了後の遊技状態が、後述の高確率状態且つ電サポ制御状態に移行する。そして第1特別図柄(特図1)の抽選又は第2特別図柄(特図2)の抽選のどちらの抽選により大当たりに当選しても、8R大当たりとなり、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態且つ電サポ制御状態に移行するようになっている。なお、例えば第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(特図1の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる大当たり抽選(特図2の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定しても良い。つまり変更例として、大当たり遊技後に高確率状態且つ電サポ制御状態に移行することとなる8R大当たりと15R大当たりとが設定されていて、特図1の抽選における大当たりの振分率は、8R大当たりが50%、15R大当たりが50%となっているのに対して、特図2の抽選における大当たりの振分率は、8R大当たりが20%、15R大当たりが80%となっていても良い。このように大当たりの種別及び大当たりの振分率は適宜変更可能である。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「大当たり種別乱数」に基づいて行われる。なお本形態では、大当たりの種別として8R大当たりのみが設定されているため、「大当たり種別乱数」を設けなくても良い。図23(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。大当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および大当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図23(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。なお、大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数の各範囲の値は、適宜変更可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄抽選の結果として、「普通当たり」に当選すると、電チュー22(第2始動口21)を開放させる「補助遊技」が実行される。補助遊技は、電チュー22を1回開放する補助開放遊技と、補助開放遊技が開始される前の補助遊技オープニングと、補助開放遊技が終了した後の補助遊技エンディングとを含んでいる(図26参照)。
5.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図24(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図25参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図24(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
但し本形態では、図24(C)に示すように、非時短状態では普通当たりと判定される普通図柄乱数の値が無い普通図柄判定テーブルを用いて、普通図柄の判定を行う。つまり、非時短状態では、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が普通当たり図柄となる確率がゼロになっている。そのため、非時短状態では補助遊技が実行されなくて、電チュー22が開放せずに、遊技球が第2始動口21(電チュー22)に入球しないようになっている。この理由については後述する。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では29.5秒であるが、時短状態では0.5秒である(図24(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図26参照)。なお補助遊技における電チュー22の開放回数が、時短状態及び非時短状態の両方で1回である(図26参照)。すなわち、時短状態であっても電チュー22の開放回数増加機能が作動しない。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能とが作動している状況では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。つまり、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態(入球サポート状態、第2入球率状態)である。一方、低ベース状態とは、電サポ制御が実行されていない状態(非入球サポート状態、第1入球率状態)である。なお、普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能に加えて、電チュー22の開放回数増加機能を作動させても良い。
但し、高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
ここで本形態では、高ベース状態は高確率状態に付随して制御されるようになっている。つまり、高確率状態であるときには高ベース状態になっていて、通常確率状態であるときには低ベース状態になっている。そのため、8R大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、大当たり遊技の実行中の状態を「大当たり遊技状態」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」ともいう。
ところで本形態のパチンコ遊技機1では、転落用第2始動口センサ21bによる遊技球の検出に基づいて、高確率状態から通常確率状態へ移行(転落)するようになっている。なお、高確率状態から通常確率状態への転落とは、高確率状態において大当たりに当選して、大当たり遊技が実行されることに基づいて通常遊技状態(通常確率状態)に制御されることを含まない意味である。
上述したように、電チュー22に組み込まれた振分装置200において、「リセット状態」から20球の遊技球が第1開口部211a(上側流路211U)に入球すると、20球の遊技球は左側流路211Lに振分けられて、非転落用第2始動口センサ21aによって検出される。そのため、この場合には高確率状態から通常確率状態へ転落することはない。しかしながら、更にもう1球の遊技球が第1開口部211aに入球すると、その1球の遊技球は右側流路211Rに振分けられて、転落用第2始動口センサ21bによって検出される。そのため、この場合には高確率状態から通常確率状態へ転落することとなる。
こうして本形態では、8R大当たりに当選して、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態(且つ電サポ制御状態)に制御された後、第1開口部211aに入球した遊技球が右側流路211Rに振分けられるか否かによって高確率状態(且つ電サポ制御状態)が終了するか否かが決まる。よって、高確率状態での特図1又は特図2の抽選による大当たり判定回数が所定の上限回数(所謂ST回数)に達すると高確率状態が終了するわけではない。
例えば、通常遊技状態にて8R大当たりに当選して、大当たり遊技後に高確率状態に制御された後、「リセット状態」である振分装置200に5球の遊技球が第1開口部211aに入球したとする。なお以下では、振分装置200が「リセット状態」であって、通常遊技状態にて大当たりに当選したことを、「初当たり」と呼ぶことにする。第1開口部211aに入球した5球の遊技球は、左側流路211Lに振分けられることによって非転落用第2始動口センサ21aに検出される。そして、仮に5回目の特図2の抽選による大当たり判定で大当たり(8R大当たり)に当選したこととする。
この場合において、その8R大当たりによる大当たり遊技後に再び高確率状態に制御されることとなるが、残り15球の遊技球(20球−5球)が振分装置200の第1開口部211aに入球しても、それらの遊技球が左側流路211Lに振分けられる。そのため、高確率状態での特図2の抽選による大当たり判定を少なくとも残り15回行うことが可能である。そして、振分装置200が「ラスト状態」になった後、遊技球が第1開口部211aに入球すると、その遊技球が右側流路211Rに振分けられる。これにより、転落用第2始動口センサ21bによって遊技球が検出されて、高確率状態が終了することとなる。
上述したことから分かるように、本形態では高確率状態での特図2の抽選による大当たり判定回数のうち、できるだけ少ない回数で(早く)大当たりに当選した方が、その大当たりによる大当たり遊技後に高確率状態での特図2の抽選による大当たり判定回数を多くすることが可能である。即ち、高確率状態での特図1又は特図2の抽選によって大当たり判定できる上限回数が常に一定である遊技球(所謂ST機)とは異なり、高確率状態で大当たりをできるだけ早く引くほど次回の大当たり遊技後の高確率状態において遊技者にとって有利になる。こうして遊技者に対して、大当たり遊技後の高確率状態において、ST回数が大当たり遊技前のST回数から継続しているかのような印象を与えて、新たなゲーム性であると感じさせることが可能である。
本形態では、初当たりによる大当たり遊技後の高確率状態において、少なくとも電チュー22に入球した20球の遊技球が左側流路211Lに振分けられ、特図2の抽選による大当たり判定回数が少なくとも20回行われるまでは、高確率状態から通常確率状態へ転落することはない。そのため遊技者には、初当たりによる大当たり遊技後の高確率状態においてST回数が20回にセットされているかのような印象を与えることができる。そして、初当たりによる大当たり遊技後において、高確率状態で特図2の抽選による大当たり判定を行うことができる20回のうち、何回大当たりを引くことができるかという新たなゲーム性を提供することが可能である。
ここで図24(A)に示すように、通常確率状態(非高確率状態)では大当たり当選確率が約100分の1(=656/65536)になっているのに対して、高確率状態では大当たり当選確率が約10分の1になっている。なお、通常確率状態又は高確率状態での大当たり当選確率は、上記した確率に限られるものではなく適宜変更可能である。但し、上述したように初当たりによる大当たり遊技後において、高確率状態で少なくとも特図2の抽選による大当たり判定を行うことができるN回(本形態では20回)のうち、何回大当たりを引くことができるかというゲーム性を考えると、高確率状態での大当たり当選確率は1/Nよりも大きくなるように設定するのが好ましい。
本形態では、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は通常遊技状態であり、且つ振分装置200が「リセット状態」になっている。そのため、先ず通常遊技状態(低確低ベース状態)では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させて、大当たり(初当たり)に当選すべく第1始動口20への入賞を狙う。このとき、大当たり(8R大当たり)に当選したときには、大当たり遊技状態でも左打ちを継続して、大入賞口30への入賞を狙う。そして、8R大当たりによる大当たり遊技後に遊技状態が高確率状態且つ電サポ制御状態に移行すると、電チュー22が頻繁に開放するようになる。
そこで、電チュー22が左遊技領域3Aに配されているため、左打ちを継続して電チュー22への入賞を狙う。このとき振分装置200は「リセット状態」であるため、少なくとも電チュー22に入球する20球の遊技球が振分装置200の左側流路211Lに振分けられることとなる。このように遊技球が左側流路211Lに振分けられて、振分られた遊技球が非転落用第2始動口センサ21aによって検出されている限り、高確率状態での大当たりへの当選を狙うことが可能である。
こうして、振分装置200が「ラスト状態」になって、その後に電チュー22に入球した遊技球が振分装置200の右側流路211Rに振分けられる。これにより、振分けられた遊技球が転落用第2始動口センサ21bによって検出されることに基づいて、高確率状態から通常確率状態へ転落する。その結果、電サポ制御状態への制御も終了し、電チュー22が開放しなくなる。このときには、振分装置200が「リセット状態」に戻っている。よって通常遊技状態において、左打ちにより再び大当たり(初当たり)に当選すべく第1始動口20への入賞を狙うことになる。
よって本形態では、通常遊技状態(低確低ベース状態)、大当たり遊技状態、高確高ベース状態のいずれの状態であっても、左打ちによって遊技を行う。なお電チュー22、大入賞装置31、第1始動口20の配置は、図1に示す配置に限られるものではなく適宜変更可能である。例えば、電チュー22及びゲート28は右遊技領域3Bに配されていても良い。この場合には、通常遊技状態では左打ちにより第1始動口20への入賞を狙い、大当たり遊技状態及び高確高ベース状態では右打ちにより大入賞口30及び電チュー22への入賞を狙うようにしても良い。
また本形態では上述したように、通常遊技状態(非電サポ制御状態且つ非時短状態)では、普通当たりと判定される確率がゼロになっていて、遊技球が第2始動口21(電チュー22)に入球しないようになっている。これは仮に通常遊技状態において、遊技球が電チュー22に入球すると、第1開口部211aに入球した遊技球が振分装置200によって左側流路211Lに振分けられて、振分装置200が「リセット状態」でなくなる。そして、振分装置200が「リセット状態」でないにも拘わらず、大当たりとなって大当たり遊技後に高確率状態且つ電サポ制御状態になると、特図2の抽選による大当たり判定回数が20回よりも少ない回数で、高確率状態から通常確率状態へ転落する事態が生じ得る。従って、通常遊技状態において、電チュー22への遊技球の入球により、振分装置200が「リセット状態」でなくなるのを防止するために、通常遊技状態(非電サポ制御状態)で遊技球が電チュー22に入球するのを防止している。
6.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図27〜図58に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図27に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(S001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図23に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図28に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(非転落用第1始動口センサ20a,転落用第1始動口センサ20b、非転落用第2始動口センサ21a、転落用第2始動口センサ21b、第2始動口カウントスイッチ21c、大入賞口センサ30a、普通入賞口センサ27a等(図20参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをRAM84の出力バッファにセットする。また、入力処理(S102)では、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図27の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図23に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述する始動口センサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、可動部材駆動処理(S107)を実行する。その後、その他の処理(S108)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。また、後述の普図保留球数に基づいて普図保留表示器44をその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図27参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検出処理]図29に示すように、始動口センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、非転落用第2始動口センサ21a又は転落用第2始動口センサ21bによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。非転落用第2始動口センサ21a及び転落用第2始動口センサ21bのいずれも遊技球を検出していない場合には(S203でNO)ステップS208に進むが、非転落用第2始動口センサ21a又は転落用第2始動口センサ21bが遊技球を検出した場合には(S203でYES)、後述する確変転落調整処理(S204)を行う。確変転落調整処理(S204)を行った後、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S205)。そして、特図2保留球数が4個に達している場合には(S205でYES)、ステップS208に進むが、特図2保留球数が4個未満である場合には(S205でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S206)。そして、後述する特図2関係乱数取得処理(S207)を行う。
続いて始動口センサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、非転落用第1始動口センサ20a又は転落用第1始動口センサ20bによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S208)。非転落用第1始動口センサ20a及び転落用第1始動口センサ20bのいずれも遊技球を検出していない場合には(S208でNO)処理を終えるが、非転落用第1始動口センサ20a又は転落用第1始動口センサ20bが遊技球を検出した場合には(S208でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S209)。そして、特図1保留球数が4個に達している場合(S209でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4個未満である場合には(S209でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S210)。そして、後述する特図1関係乱数取得処理(S211)を行い、本処理を終える。
[ゲート通過処理]図30に示すようにゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否か判定し(S301)、普通図柄保留球数が4以上であれば(S301でYES)、処理を終了する。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S301でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S302)、普通図柄乱数取得処理(S303)を行う。普通図柄乱数取得処理(S303)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値、図23(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[確変転落調整処理]図31に示すように確変転落調整処理(S204)では、先ず転落用第2始動口センサ21bがONとなったか否かを判定する(S401)。転落用第2始動口センサ21bがONとなっていれば(S401でYES)、可動部材駆動フラグをONにする(S402)。可動部材駆動フラグは、電チュー22に設けられている可動部材71を第2案内状態(図4(B)参照)にすることを示すフラグである。この可動部材駆動フラグがONであれば、後述する可動部材駆動処理(S107)により可動部材71が第2案内状態となるように駆動される。
可動部材71が第2案内状態であるときに、電チュー22に入球した遊技球がメイン通路130Aの中間部130aに到達すると、その遊技球はバイパス通路130Bの方へ案内される。そのため、バイパス通路130Bを通った遊技球は、振分装置200の第2開口部211bに進入して、振分装置200の左側接触突起部241を押し下げることなく、非転落用第2始動口センサ21aによって検出される。つまり、遊技球がバイパス通路130Bを通った場合には、振分装置200の回転部材260が所定量θだけ回転することがなく、非転落用第2始動口センサ21aが遊技球を検出することになる。
要するに、転落用第2始動口センサ21bがONになった(S401でYES)ということは、振分装置200の第1開口部211aに入球した遊技球が、振分部材230によって右側流路211Rに振分けられて、振分装置200が「リセット状態」になっている状況である。この状況においては、高確率状態から通常確率状態へ転落することとなるが、仮に転落用第2始動口センサ21bにより検出された遊技球に続いて電チュー22に入球した遊技球が、メイン通路130Aを通って第1開口部211aに入球すると、その遊技球が振分部材230によって左側流路211Lに振分けられる。その結果、振分装置200が「リセット状態」ではなくなる。この場合、転落した後の通常遊技状態において、大当たりとなって大当たり遊技後に高確率状態且つ電サポ制御状態になると、特図2の抽選による大当たり判定回数が20回よりも少ない回数で転落する事態が生じてしまう。
そこで本形態では、転落用第2始動口センサ21bがONになると(S401でYES)、可動部材71を第1案内状態から第2案内状態にする。これにより、転落用第2始動口センサ21bにより検出された遊技球に続いて電チュー22に入球した遊技球は、バイパス通路130Bを通ることになり、左側接触突起部241を押し下げることなく、非転落用第2始動口センサ21aによって検出される。つまり、転落用第2始動口センサ21bがONになった直後に、電チュー22に入球した遊技球によって振分装置200の状態が変化するのを防止できる。こうして、転落用第2始動口センサ21bがONになると可動部材71を第2案内状態にすることで、振分装置200が「リセット状態」であることを維持することが可能である。
図31に示す確変転落調整処理(S204)の説明に戻る。転落用第2始動口センサ21bがONでなければ(S401でNO)、非転落用第2始動口センサ21aが遊技球を検出したという状況であり、ステップS403に進む。ステップS403では、入球数超過フラグがONになっているか否かを判定する。入球数超過フラグは、後述する普通電動役物処理(S607)において1回の補助遊技の実行により電チュー22に入球した遊技球が5球よりも多いと(6球以上に達すると)ONとなるフラグである(図40のステップS1208参照)。つまりステップS403では、非転落用第2始動口センサ21aが遊技球を検出したときに、1回の補助遊技の実行により電チュー22に入球した遊技球が5球よりも多い状況か否かを判定していることとなる。入球数超過フラグがONでければ(S403でNO)本処理を終える。一方、入球数超過フラグがONであれば(S403でYES)、ステップS404に進む。
ステップS404では、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が3個以下であるか否かを判定する。即ち、特図2保留球数に1が加算できる状況(図23(A)に示す乱数値群を取得できる状況)か否かを判定する。特図2保留球数が4個以上であれば(S404でYES)、本処理を終える。一方、特図2保留球数が3個以下であれば(S404でNO)、ステップS405で転落回数維持フラグをONにして、本処理を終える。転落回数維持フラグは、高確率状態から通常確率状態へ転落するまでに特図2の抽選により大当たりが判定される回数(以下「残り変動回数」と呼び、原則として本形態では20回)を、1回減算しないで維持すると判断するためのフラグである。
こうして、ステップS403,S404,S405においては、非転落用第2始動口センサ21aが遊技球を検出したときに(S401でNO)、1回の補助遊技の実行により電チュー22に入球した遊技球が5球よりも多い状況で(S403でYES)、且つ図23(A)に示す乱数値群を取得できる状況(S404でYES)である場合に、残り変動回数を維持するための転落回数維持フラグをONしたことを意味する。ステップS403,S404,S405の効果については、後述する特図2関係乱数取得処理(図32のステップS207)を説明してから、詳しく説明する。
[特図2関係乱数取得処理]図32に示すように、特図2関係乱数取得処理(S207)では、先ず転落用第2始動口センサ21bがONであるか否かを判定する(S501)。転落用第2始動口センサ21bがONであれば(S501でYES)、RAM84(図5参照)の更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)を取得(つまり図23(A)に示す乱数値群を取得)すると共に、転落情報を併せて取得する(S504)。転落情報とは、上記乱数値群が転落用第2始動口センサ21bによる遊技球の検出に基づいて取得されたことを判別するためのものである。以下、転落情報を伴った特図2に関する上記乱数値群を、「転落情報有り特図2乱数値群」と呼ぶこととする。取得された転落情報有り特図2乱数値群は、第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納されて、本処理を終了する。
転落用第2始動口センサ21bがONでなければ(S501でNO)、即ち非転落用第2始動口センサ21aがONであれば、転落回数維持フラグがONであるか否かを判定する(S502)。転落回数維持フラグがONであれば(S502でYES)、上記乱数値群を取得すると共に、回転数維持情報を併せて取得する(S505)。回転数維持情報とは、上記乱数値群が転落回数を1減算しないで維持する状況において非転落用第2始動口センサ21aによる遊技球の検出に基づいて取得されたことを判別するためのものである。以下、回転数維持情報を伴った特図2に関する上記乱数値群を、「回転数維持情報有り特図2乱数値群」と呼ぶこととする。取得された回転数維持情報有り特図2乱数値群は、第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納される。その後ステップS506において、転落回数維持フラグをOFFして、本処理を終了する。
特図2関係乱数取得処理(S207)において、転落用第2始動口センサ21bがOFFであり(S501でNO)、転落回数維持フラグがOFFであれば(S502でNO)、転落情報又は回転数維持情報を取得することなく、上記乱数値群を取得する。以下、転落情報又は回転数維持情報のいずれも伴わない特図2に関する上記乱数値群を、単に「特図2乱数値群」と呼ぶことにする。取得された特図2乱数値群は、第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納されて、本処理を終了する。
ここで以下では、特図2乱数値群と、転落情報有り特図2乱数値群とを分けた理由について説明する。本形態では電チュー22に入球した遊技球が振分装置200で右側流路211Rに振分けられて、遊技球が転落用第2始動口センサ21bによって検出されたことに基づいて、高確率状態から通常確率状態へ転落する。但し、本形態における転落するタイミングは、常に転落用第2始動口センサ21bが遊技球を検出した直後というわけではなく、転落用第2始動口センサ21bによる遊技球の検出に基づいて取得された特図2乱数値群(転落情報有り特図2乱数値群)が大当たり判定される直前(後述する図42のS1404参照)となるようにしている。これは、仮に転落するタイミングを転落用第2始動口センサ21bが遊技球を検出した直後とすると、以下の事態が生じ得るためである。
即ち、転落用第2始動口センサ21bが検出することとなった遊技球よりも前に電チュー22に入球した遊技球(以下、「直前遊技球」と呼ぶ)は、左側流路211Lに振分けられて非転落用第2始動口センサ21aに検出されていることになるが、非転落用第2始動口センサ21aによる直前遊技球の検出に基づいて取得された特図2乱数値群の大当たり判定等が終了しないうちに、高確率状態から通常確率状態へ転落する事態が生じ得るためである。つまり、初当たり後の高確率状態において、少なくとも特図2の抽選による大当たり判定回数が20回行われた後に転落しなければならないにも拘わらず、転落用第2始動口センサ21bが遊技球を検出した直後を転落するタイミングとすると、直前遊技球による特図2保留が消化されていないことにより、特図2の抽選による大当たり判定回数が20回よりも少ない回数で転落する事態が生じ得る。
そこで本形態では、転落用第2始動口センサ21bによる遊技球の検出に基づいて取得された特図2乱数値群を転落情報有り特図2乱数値群として分けて、この転落情報有り特図2乱数値群の大当たり判定が行われる直前を転落するタイミングとしている。これにより、初当たり後の高確率状態において、特図2の抽選による大当たり判定回数が20回よりも少ない回数で転落するのを防止することが可能となる。
また以下では、特図2乱数値群と、回転数維持情報有り特図2乱数値群とを分けた理由について説明する。本形態では、6球以上の遊技球が1回の補助遊技の実行により電チュー22に入球すると、特図2保留球数の上限数(4個)の関係から、特図2乱数値群が取得されない事態が生じ得る。つまり、1回の補助遊技の実行により6球以上の遊技球が入球したと仮定すると、1球目の遊技球に関しては特図2の変動表示報知(当該変動)が実行され、2〜5球目の遊技球に関しては特図2保留になって、6球目以降の遊技球(以下「超過遊技球」と呼ぶ)に関しては特図2関係乱数値群が取得されない可能性が高い。ここで、超過遊技球がメイン通路130Aを通って第1開口部211aに入球し、振分部材230によって左側流路211Lに振分けられると、振分装置200の回転部材260が所定量θだけ回転する。これにより、振分装置200の状態が遊技者にとって不利な「ラスト状態」に近づくように変化するにも拘わらず、特図2乱数値群が取得されない事態が生じ得ることになる。
そこで本形態では、後述するように1回の補助遊技の実行により電チュー22に入球した遊技球の数が5球よりも多いと(6球以上に達すると)、入球数超過フラグをONにして(後述する図40のS1208参照)、電チュー22内に設けられている可動部材71を第1案内状態から第2案内状態をとるように駆動させる(後述する図53のS2402参照)。これにより、超過遊技球は、メイン通路130Aの中間部130aに到達するとバイパス通路130Bの方へ案内されて、振分部材230によって振分られることなく(回転部材260を回転させることなく)、非転落用第2始動口センサ21aによって検出される。こうして超過遊技球に対しては、振分装置200の状態が変化しないようにバイパス通路130Bに案内させることで、特図2乱数値群に基づく大当たり判定が行われないのに振分装置200の状態が変化するという遊技者にとって不利な事態が生じるのを防止することが可能となる。
ところで、図3に示すように、電チュー22に入球した遊技球の入球数をカウントする第2始動口カウントスイッチ21cからバイパス通路130Bを経て非転落用第2始動口センサ21aに至るまでの距離は、ある程度長くなっている。即ち、超過遊技球が第2始動口カウントスイッチ21cでカウントされた時点から、超過遊技球が非転落用第2始動口センサ21aに検出される時点までの時間は、数秒程度かかる。そのため超過遊技球がバイパス通路130Bを通って非転落用第2始動口センサ21aに到達して時点では、超過遊技球よりも前に電チュー22に入球にした遊技球に基づく特図2保留が1つでも消化されている場合があり得る。即ち1回の補助遊技の実行中に超過遊技球が電チュー22に入球した時点では、特図2保留球数が4個になっていても、超過遊技球がバイパス通路130Bを通って非転落用第2始動口センサ21aに至るまでの間に、特図2保留球数が3個以下になっている場合があり得る。
この場合には、超過遊技球はバイパス通路130Bを通って非転落用第2始動口センサ21aによって検出されるため、振分装置200の状態を変化させることなく、特図2乱数値群が取得される。その結果、高確率状態から通常確率状態へ転落するまでに特図2の抽選による大当たりの判定回数(残り変動回数)が増えることになる。つまり、超過遊技球が非転落用第2始動口センサ21aによって検出されたときに取得された特図2乱数値群に基づいて大当たりが判定されたときには、高確率状態での特図2の抽選による大当たり判定できる回数が1回減らないで維持されたことになる。
こうして本形態では、超過遊技球が非転落用第2始動口センサ21aによって検出されたときに特図2乱数値群が取得される場合があり得ることに鑑みて、その場合に取得された特図2乱数値群を回転数維持情報有り特図2乱数値群として分けている。これにより遊技制御用マイコン81は、特図2乱数値群に基づく大当たりの判定を行った場合と、回転数維持情報有り特図2乱数値群に基づく大当たりの判定を行った場合とを区別して、特図2の抽選による大当たり判定回数が残り何回行われると、転落するのかを正確に把握できるようになっている。
[特図1関係乱数取得処理]図33に示すように特図1関係乱数取得処理(S211)では、転落用第1始動口センサ20bがONであるか否かを判定する(S511)。転落用第1始動口センサ20bがONであれば(S511でYES)、RAM84(図20参照)の更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)を取得(つまり図23(A)に示す乱数値群を取得)すると共に、転落情報を併せて取得する(S513)。転落情報とは、上記乱数値群が転落用第1始動口センサ20bによる遊技球の検出に基づいて取得されたことを判別するためのものである。以下、転落情報を伴った特図1に関する上記乱数値群を、「転落情報有り特図1乱数値群」と呼ぶこととする。取得された転落情報有り特図1乱数値群は、第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納されて、本処理を終了する。
一方、転落用第1始動口センサ20bがONでなければ(S511でNO)、即ち非転落用第1始動口センサ20aがONであれば、転落情報を取得することなく、上記乱数値群を取得する。以下、転落情報を伴わない特図1に関する上記乱数値群を、単に「特図1乱数値群」と呼ぶこととする。取得された特図1乱数値群は、第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納されて、本処理を終了する。特図1乱数値群と転落情報有り特図1乱数値群とを分けた理由は、特図2乱数値群と転落情報有り特図2乱数値群とを分けた理由と同様であるため、説明を省略する。但し本形態では上述したように、転落用第1始動口センサ20bにより遊技球が検出されることはありえないため、転落情報有り特図1乱数値群が取得されることはない。なお転落用第1始動口センサ20bは、転落用第2始動口センサ21bが電チュー22に設けられている関係から、あくまで固定入賞装置19に同様に設けられているのにすぎず、転落用第1始動口センサ20bを設けなくても良い。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(S104)に次いで、図34に示す普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)では、普通図柄表示器42および電チュー22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普通動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、「普通動作ステータス」が「1」である場合には(S601でYES)、普通図柄待機処理(S602)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には(S601でNO、S603でYES)、普通図柄変動中処理(S604)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には(S601,S603で共にNO、S605でYES)、普通図柄確定処理(S606)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には(S601,S603,S605の全てがNO)、普通電動役物処理(S607)を行う。なお普通動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]図35に示すように、普通図柄待機処理(S602)ではまず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S701)、「0」であればこの処理を終える。一方「0」でなければ、普通図柄当たり判定処理を行う(S702)。
[普通図柄当たり判定処理]図36に示すように、普通図柄当たり判定処理(S702)ではまず、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出す(S801)。次いで、普通図柄当たり判定テーブル(図24(C))のアドレスをセットする(S802)。続いて、時短フラグがONか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S803)。時短状態であれば、図24(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当たり判定値が「0」〜「254」)に基づいて、当たりか否か判定する(S804)。すなわち、読み出した普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−H)が当たり判定値の何れかと一致するか否か判定する。これに対して、非時短状態であれば、図8(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当たり判定値が無い)に基づいて、当たりか否か判定する(S805)。即ち本形態では非時短状態であれば必ず「ハズレ」と判定される。そして当たり判定(S804,S805)の結果が、「ハズレ」であればそのまま処理を終えるが、「当たり」であれば普通当たりフラグをONして(S806)処理を終える。
普通図柄待機処理(図35)では、普通図柄当たり判定処理(S702)に次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S703)。普通図柄変動パターン選択処理では、図24(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が0.5秒で且つ普通図柄の停止時間が0.5秒に設定された普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が29.5秒で且つ停止時間が0.5秒に設定された普通図柄変動パターンを選択する。
普通図柄変動パターン選択処理(S703)に次いで遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S704)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S705)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動開始処理を行う(S706)。普通図柄変動開始処理では、ステップS703で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄変動中処理]図37に示すように、普通図柄変動中処理(S604)ではまず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S901)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S901でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S902)、普通動作ステータスを「3」にセット(S903)する。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S904)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]図38に示すように、普通図柄確定処理(S606)ではまず、普通図柄の停止時間が経過したか否かを判定し(S1001)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S1001でYES)、普通当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1002)。普通当たりフラグがONでなければ(S1002でNO)、普通動作ステータスを「1」にセットして(S1008)、この処理を終える。一方、普通当たりフラグがONであれば(S1002でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S1003)。そして時短状態中であれば(S1003でYES)、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図26参照)をセットする(S1004)。一方、非時短状態中であれば(S1003でNO)、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図26参照)をセットする(S1005)。なお本形態では非時短状態中に補助遊技が実行されることはないため、非時短状態中の開放パターンをセットしなくても良い。開放パターンのセット(S1004、S1005)に続いて、補助遊技(補助遊技オープニング)を開始するべく、普通当たり開始処理を行う(S1006)。普通当たり開始処理の後、普通動作ステータスを「4」にセットし(S1007)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]図39に示すように、普通電動役物処理(S607)ではまず、普通当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S1201)。普通当たり終了フラグは、当選した補助遊技において電チュー22の開放(補助開放遊技)が終了したことを示すフラグである。
普通当たり終了フラグがONでなければ(S1201でNO)、第2始動口21の開放中か否か(すなわち電チュー22の開放中か否か)を判定する(S1202)。開放中でなければ(S1202でNO)、第2始動口21を開放させる時間に至ったか否か、即ち補助遊技オープニング時間である2000ms(図26参照)が経過したか否かを判定し(S1203)、経過していなければ(S1203でNO)処理を終え、経過していれば(S1203でYES)第2始動口21を開放させる(S1204)。
一方、第2始動口21の開放中であれば(S1202でYES)、図40に示すように、第2始動口カウントスイッチ21cがONになったか否か、即ち電チュー22に入球した直後の遊技球が第2始動口カウントスイッチにより検出されたか否かを判定する(S1205)。第2始動口カウントスイッチ21cがONでなければ(S1205でNO)、ステップS1209に進み、第2始動口カウントスイッチ21cがONであれば(S1205でYES)、入球数カウンタの値を1だけ加算させる。入球数カウンタとは、1回の補助遊技の実行により電チュー22に入球した遊技球の数をカウントするものである。そして、ステップS1207で入球数カウンタの値が「5」よりも大きいか否かを判定し、「5」以下であればステップS1209に進み、「6」以上であれば入球数超過フラグをONにして(S1208)、ステップS1209に進む。こうしてステップS1205,S1206,S1207,S1208により、1回の補助遊技の実行により電チュー22に入球した遊技球が5球を超えると(6球以上になると)、入球数超過フラグがONになる。
ステップS1209では、第2始動口21を閉鎖させる時間に至ったか否か、即ち第2始動口21を開放してから所定の開放時間(第1形態では3500ms)が経過したか否かを判定し、経過していなければ処理を終え、経過していれば第2始動口21を閉鎖(閉塞)させる(S1210)。そして、電チュー開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1211)、電チュー開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1212)。「0」でなければ(S1212でNO)、再び電チュー22を開放させるためにそのまま処理を終える。なお本形態では補助遊技による電チュー22の開放回数は1回であるため、電チュー開放TBL2(図26参照)がセットされるときに電チュー開放カウンタの値は「1」にセットされている。電チュー開放カウンタの値が「0」であれば(S1212でYES)、補助遊技エンディングを開始するべく、補助開放遊技を終了させる普通当たり終了処理を行うとともに(S1213)、普通当たり終了フラグをセットして処理を終える。
これに対して図39に示すように、ステップS1201において普通当たり終了フラグがONであれば(S1201でYES)、電チュー22の開放動作は終了しているので、補助遊技エンディング時間である2000ms(図26参照)が経過したか否かを判定する(S1215)。経過していなければ(S1215でNO)処理を終え、経過していれば(S1215でYES)普通当たり終了フラグをOFFするとともに(S1216)、普通当たりフラグをOFFする(S1217)。そして補助遊技が終了したことにより、入球数カウンタの値に「0」をセットし、入球数超過フラグがONであれば(S1219でYES)入球数超過フラグをOFFして(S1210)ステップS1221に進み、入球数超過フラグがONでなければ(S1219でNO)ステップS1220をパスしてステップS1221に進む。ステップS1221では普通動作ステータスを「1」にセットして、本処理を終える。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、普通動作処理(図34)として再び普通図柄待機処理(S602)が実行されることになる。
[特別動作処理]図28に示すように遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで特別動作処理(S106)を行う。特別動作処理(S106)では、図41に示すように、特別図柄表示器41および大入賞装置31に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305で共にNO)、大当たり遊技としての特別電動役物処理(S1307)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図42に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)及び第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)のいずれもが「0」であるか否かを判定する(S1401)。ステップS1401でYESと判定された場合、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)がなく、且つ第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定する(S1416)。待機画面としていれば(S1416でYES)処理を終え、そうでなければ(S1416でNO)、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットして(S1417)処理を終える。
これに対して、特図2保留球数及び特図1保留球数のうち少なくとも一方が「0」でなければ(S1401でNO)、特図2の保留情報及び特図1の保留情報のうち現時点から最も古く記憶されている保留情報を読み込む(S1402)。そして、読み込んだ保留情報が特図2の保留情報であるか否かを判定する(S1403)。
読み込んだ保留情報が特図2の保留情報であれば(S1403でYES)、後述の確変転落設定処理(S1404)、特図2大当たり判定処理(S1405)、及び特図2変動パターン選択処理(S1406)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1407)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1408)。このようにして、第2特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1409)を実行する。特図2変動開始処理(S1409)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1409)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1405)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1406)でセットされた変動パターンの情報(変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。
一方、読み込んだ保留情報が特図1の保留情報であれば(1403でNO)、後述の確変転落設定処理(S1410)、特図1大当たり判定処理(S1411)、及び特図1変動パターン選択処理(S1412)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1413)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1414)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1415)を実行する。特図1変動開始処理(S1415)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1411)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1412)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
上記のように本形態では、現時点から最も古く記憶されている保留情報が特図2の保留情報であれば(S1403でYES)、第2特図保留に基づく変動表示報知が行われ、現時点から最も古く記憶されている保留情報が特図1の保留情報であれば(S1403でNO)、第1特図保留に基づく変動表示報知が行われる。こうして始動口(第1始動口20、第2始動口21)への入賞(厳密には、非転落用始動口センサ20a,21a及び転落用始動口センサ20b,21bの検出)に基づいて記憶された特図保留が現時点から古いものほど順番に消化(以下「入賞順消化」と呼ぶこととする)される。つまり、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行(以下「特2優先消化」と呼ぶこととする)されるわけではない。これは、以下の理由に基づく。
本形態では、高確高ベース状態において、左打ちにより遊技球が頻繁に電チュー22(第2始動口21)に入球することに加えて、遊技球が第1始動口20にも入球し得る。この場合において第1特図保留の消化が実行され得る。ここで高確高ベース状態では、第1特図保留の消化が第2特図保留の消化と異なり、振分装置200が「ラスト状態」に近づくように変化(回転部材260が所定量θだけ回転)せずに行われるため、遊技者にとっては第2特図保留が消化されるよりも第1特図保留が消化されることを望むようになる。
そのため、仮に特2優先消化とすると、遊技者は全ての第2特図保留の消化が行われた後に実行される第1特図保留の消化まで遊技を中断してしまい、スムーズな遊技が行われない可能性がある。そこで本形態では入賞順消化とすることで、高確高ベース状態中に遊技球が第1始動口20に入球しても、遊技者が意図的に第1特図保留の消化を待つことを防止でき、スムーズな遊技が行われない事態が生じるのを防止することが可能である。
[確変転落設定処理]図42に示す特別図柄待機処理(S1302)の説明に戻る。最も古く記憶されている保留情報が特図2の保留情報であれば(S1403でYES)、ステップS1404で確変転落設定処理が行われ、特図1の保留情報であれば(S1403でNO)、ステップS1410で確変転落設定処理が行われる。ステップS1404の確変転落設定処理とステップS1410の確変転落設定処理とは、処理の流れが同じであるため図43に基づいてまとめて説明する。
図43に示すように、遊技制御用マイコン81はまず、読み込んだ保留情報(特図2の保留情報、特図1の保留情報)に含まれる乱数値群が転落情報有り乱数値群(転落情報有り特図2乱数値群、転落情報有り特図1乱数値群)であるか否かを判定する(S1421)。転落情報有り乱数値群でなければ(S1421でNO)処理を終え、転落情報有り乱数値群であれば(S1421でYES)、高確率状態から通常確率状態へ転落すべく確変フラグをOFFにする(S1422)。そして本形態では通常確率状態への転落に伴って時短状態から非時短状態(電サポ制御状態から非電サポ制御状態)へ制御するため、時短フラグをOFFにする(S1423)。なお確変フラグは高確率状態であることを示すフラグであり、時短フラグは時短状態であることを示すフラグである。そして、演出制御用マイコン91に転落したことを知らせるために、確変モード終了コマンドをセットして(S1424)、本処理を終了する。確変モード終了コマンドには、高確率状態から通常確率状態へ転落したことを示す情報が含まれている。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]図42に示す確変転落設定処理(S1404又はS1410)の後、特図2大当たり判定処理(S1405)又は特図1大当たり判定処理(S1411)が行われる。特図2大当たり判定処理(S1405)と特図1大当たり判定処理(S1411)とは、処理の流れが同じであるため図44に基づいてまとめて説明する。図44に示すように、特図2大当たり判定処理(S1405)又は特図1大当たり判定処理(S1411)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1405)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1411)では、RAM84の第1特図保留記憶部85aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図24(A))のアドレスをセットする(S1502)。続いて、確変フラグがONか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、すなわち通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブル(図24(A))のうち非高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」〜「655」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(図24(A))のうち高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」〜「6550」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図22に示す大当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1506)。なお本形態では上述したように大当たりの種別は8R大当たりのみである。大当たり種別を判定(S1506)した後は、大当たりフラグをONするとともに(S1507)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図22参照)をRAM84に設けた大当たり種別バッファにセットして(S1508)処理を終える。一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1508)処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1406)と特図1変動パターン選択処理(S1412)とは、処理の流れが同じであるため図45及び図46に基づいてまとめて説明する。図45及び図46に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1406)又は特図1変動パターン選択処理(S1411)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1601)。そして、時短状態でなければ(S1601でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1602)。ONであれば(S1602でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図25に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1603)。具体的に、特図1変動パターン選択処理では変動パターンP1が選択され、特図2変動パターン選択処理では変動パターンP21が選択されることとなる。
ここで図25に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。また、リーチになる場合にそのリーチがノーマルリーチとなるのかスーパーリーチとなるのかも決まる。スーパーリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
またステップS1602において、大当たりフラグがONでなければ(S1602でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1604)。なお、図24(B)に示すように、リーチ成立乱数値は非時短状態であれば「0」〜「13」であり、時短状態であれば「0」〜「5」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されるようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1604でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図25に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1605)。具体的に、特図1変動パターン選択処理では変動パターンP2(SPリーチハズレ)又はP3(ノーマルリーチハズレ)が選択され、特図2変動パターン選択処理では変動パターンP22(SPリーチハズレ)又はP23(ノーマルリーチハズレ)が選択されることとなる。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1604でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図25に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1606)。リーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。具体的に、特図1変動パターン選択処理では変動パターンP4又はP5が選択され、特図2変動パターン選択処理では変動パターンP24又はP25が選択されることとなる。
またステップS1601において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1601でYES)には、図46に示すように、参照する変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図25に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は、上記のS1602〜S1606と同様の流れで処理(S1607〜S1611)を行う。
すなわち大当たりであれば、図25の時短状態中且つ大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1608)。具体的に、特図1変動パターン選択処理では変動パターンP11が選択され、特図2変動パターン選択処理では変動パターンP31が選択されることとなる。
またリーチ有りハズレであれば、図25の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1610)。具体的に、特図1変動パターン選択処理では変動パターンP12(SPリーチハズレ)又はP13(ノーマルリーチハズレ)が選択され、特図2変動パターン選択処理では変動パターンP32(SPリーチハズレ)又はP33(ノーマルリーチハズレ)が選択されることとなる。またリーチ無しハズレであれば、図25の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1611)。具体的に、特図1変動パターン選択処理では変動パターンP14又はP15が選択され、特図2変動パターン選択処理では変動パターンP34又はP35が選択されることとなる。
なお、時短状態中の変動パターン判定テーブル(図25に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、短縮変動としての変動時間は、時短状態中の方が非時短状態中よりも短くなっている。すなわち、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも特別図柄の変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図45に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1612)、本処理を終える。セットした変動パターンの情報は変動開始コマンドに含められて、出力処理(S101)によりサブ制御基板90に送られる。
[特別図柄変動中処理]図47に示すように、特別図柄変動中処理(S1304)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1406又はS1412で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図25参照)が経過したか否かを判定する(S1701)。経過していなければ(S1701でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1701でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1702)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1703)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄、又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1704)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図48に示すように、特別図柄確定処理(S1306)ではまず、特別図柄の停止時間(ステップS1406又はS1412で選択された変動パターンに応じて決まる停止時間、図25参照)が経過したか否かを判定する(S1801)。経過していなければ(S1801でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、停止時間が経過していれば(S1801でYES)、後述の遊技状態管理処理(S1802)を行う。次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1803)。大当たりフラグがONであれば(S1803でYES)、当選した大当たりの種別に応じた開放パターン(詳しくは図22参照)をセットする(S1804)。なおこのときに、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種別に応じたラウンド数にセットする。つまり本形態では大当たりの種別が8R大当たりのみであるため、ラウンドカウンタの値に「8」をセットする。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1804に続いて、後述の遊技状態リセット処理を行う(S1805)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S1806)、大当たり遊技のオープニングを開始し(S1807)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1808)。一方、ステップS1803において大当たりフラグがONでなければ(S1803でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1809)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図49に示すように、遊技状態管理処理(S1802)ではまず、確変フラグがONか否か、即ち高確率状態か否かを判定し(S1901)、高確率状態でなければ(S1901でNO)、ステップS1908に進む。一方、高確率状態であれば(S1901でYES)、停止表示する特別図柄が第2特別図柄であるか否かを判定する(S1902)。第2特別図柄であれば(S1902でYES)、残り変動回数カウンタの値を1ディクリメントしてステップS1904に進む。これに対して、第2特別図柄でなければ即ち停止表示される特別図柄が第1特別図柄であれば(S1902でNO)、ステップS1908に進む。残り変動回数カウンタとは、初当たり後の高確率状態において特図2の抽選による大当たり判定の回数が残り何回行われると通常確率状態へ転落することになるのかをカウントするためのものである。こうして、高確率状態で(S1901でYES)、第2特別図柄が停止表示されると判定されると(S1902でYES)、残り変動回数カウンタが1ディクリメントされることになる(S1903)。
次にステップS1904では、停止表示される第2特別図柄が、回転数維持情報有り特図2乱数値群(図32のS505参照)に基づいて大当たり判定が行われた第2特別図柄であるか否かを判定する(S1904)。なお回転数維持情報は、上述したように超過遊技球が非転落用第2始動口センサ21aによって検出されたときに特図2乱数値群が取得されるという例外的な場合に備えて、残り変動回数カウンタの値を減算させないために取得される情報である。回転数維持情報が無い特図2乱数値群に基づいて大当たり判定が行われた第2特別図柄であれば(S1904でNO)、ステップS1903で1ディクリメントした残り変動回数カウンタの値をそのまま維持し、残り変動回数減算コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S1905)、ステップS1908に進む。なお残り変動回数減算コマンドには、残り変動回数カウンタの値の情報が含まれている。
一方ステップS1904において、回転数維持情報有り特図2乱数値群に基づいて大当たり判定が行われた第2特別図柄であれば(S1904でYES)、残り変動回数カウンタの値を減算しないで維持するという状況であるため、ステップS1903で1ディクリメントした残り変動回数カウンタの値に対して1だけ加算する(S1906)。そして、残り変動回数維持コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S1907)、ステップS1908に進む。なお残り変動回数維持コマンドには、残り変動回数カウンタの値の情報が含まれている。ステップS1908では、遊技制御用マイコン81は、現在の遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S1908)、本処理を終える。
[遊技状態リセット処理]図50に示すように、遊技状態リセット処理(S1805)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2102)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2103)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2104)。つまり、大当たり遊技の実行中は、非高確率状態且つ非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
[特別電動役物処理(大当たり遊技)]図51に示すように、特別電動役物処理(S1307)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2201)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置31の開放(ラウンド遊技)が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2201でNO)、大入賞口30の開放中か否か(すなわち大入賞装置31の開放中か否か)を判定する(S2202)。開放中でなければ(S2202でNO)、大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時間に至ったか、又は、一旦閉鎖した大入賞口30を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して開放開始の時間に至ったか否かを判定する(S2203)。
ステップS2203の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2203の判定結果がYESであれば、大当たりの種別に応じた開放パターン(図22(B)参照)に従って大入賞口30を開放させる(S2204)。続くステップS2205では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2205)では、ステップS2204での大入賞口30の開放が1回のラウンド遊技中での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数を示すラウンド指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする。
特別電動役物処理(図51)のステップS2202において、大入賞口30の開放中であれば(S2202でYES)、大入賞口30の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2206)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1ラウンド当たり8個)に達したこと、又は、大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口30を開放してから所定の開放時間(図22(B)参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口30の閉鎖条件が成立していなければ(S2206でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口30の閉鎖条件が成立している場合(S2206でYES)には、大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2207)。そして、ステップS2207の閉鎖によって1回のラウンド遊技が終了するか否かを判定する(S2208)。終了しない場合には(S2208でNO)、次の開放を開始するためそのまま処理を終える。終了する場合には(S2208でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2209)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2210)。「0」でなければ(S2210でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2210でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2211)、大当たりのエンディングを開始する(S2212)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2213)。
またステップS2201において大当たり終了フラグがONであれば(S2201でYES)、最終ラウンド(最終のラウンド遊技)が終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2214)、エンディング時間が経過していなければ(S2214でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2214でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2215)、大当たりフラグをOFFし(S2216)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S2217)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別動作処理(図41参照)として再び特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。その後、後述の遊技状態設定処理(S2218)を行って本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図52に示すように、遊技状態設定処理(S2218)ではまず、確変フラグをONにすると共に(S2301)、時短フラグをONにする(S2302)。つまり本形態では、大当たり遊技が実行されたのちに高確率状態且つ時短状態に制御されることとなる。そして残り変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2303)。残り変動回数カウンタの値が「0」であれば(S2303でYES)、残り変動回数カウンタの値に「20」をセットし(S2304)、確変モード開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S2305)。そして、電チュー22の可動部材71を第2案内状態から第1案内状態にするために、可動部材駆動フラグをOFFにして(S2306)、ステップS2307に進む。
つまり、初当たりによる大当たり遊技後(電源投入後に行われた遊技で初めて大当たりに当選して大当たり遊技が実行された後、又は高確率状態から通常確率状態へ転落した後に大当たりに当選して大当たり遊技が実行された後)では、残り変動回数カウンタの値が「0」になっているため、残り変動回数カウンタの値が「20」にセットされる。そして、高確率状態から通常確率状態へ転落するまでに特図2の抽選による大当たり判定が行われる度に(図49のS1902及びS1903参照)、原則として(回転数維持情報有りの特図2乱数値群に基づく大当たり判定が行われる場合を除き)残り変動回数カウンタの値が「20」から1つずつ減算される。
一方、ステップS2303において、残り変動回数カウンタの値が「0」でなければ(S2303でNO)、ステップS2304,S2305,S2306をパスしてステップS2307に進む。即ち、残り変動回数カウンタの値が「0」よりも大きい状況で大当たり(初当たり以外の大当たり)に当選した場合には、大当たり遊技後の残り変動回数カウンタの値は、大当たり遊技前の残り変動回数カウンタの値から何ら変わらないことになる。ステップS2307では、遊技制御用マイコン81は、現在の遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[可動部材駆動処理]図28に示すように遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S106)に次いで可動部材駆動処理(S107)を行う。可動部材駆動処理(S107)では図53に示すように、遊技制御用マイコン81はまず、入球数超過フラグがONか否かを判定する(S2401)。入球数超過フラグがONであれば(S2401でYES)、1回の補助遊技の実行により電チュー22に入球した遊技球が5球よりも多いことになり、可動部材71を第2案内状態に駆動するための駆動データをセットする(S2402)。これにより、可動部材71が第1案内状態から第2案内状態をとる。そのため、超過遊技球(電チュー22が1回開放したときに5球目以降に電チュー22に入球した遊技球)は、バイパス通路130Bの方へ案内され、振分装置200によって振分られない(回転部材260を回転させることがない)。こうして超過遊技球に対して振分装置200の状態が変化しないようにバイパス通路130Bを流下させることで、特図2乱数値群に基づく大当たり判定が行われないのに振分装置200の状態が変化するという遊技者にとって不利な事態が生じるのを防止することが可能となる。
一方、ステップS2401において入球数超過フラグがONでないと判定された場合には(S2401でNO)、可動部材駆動フラグがONであるか否かが判定される(S2403でNO)。可動部材駆動フラグがONであれば(S2403でYES)、可動部材71を第2案内状態に駆動するための駆動データをセットする(S2402)。可動部材駆動フラグがONであるということは、上述したように図31に示す確変転落調整処理(S204)で転落用第2始動口センサ21bが遊技球を検出してONになっている(S401でYES)ということである。そのため、転落用第2始動口センサ21bが遊技球を検出した直後に、可動部材駆動フラグがONになっていることにより(S2403でYES)、可動部材71が第1案内状態から第2案内状態をとることになる(S2402)。
ここで本形態では上述したように、高確率状態から通常確率状態へ転落するタイミングは、転落用第2始動口センサ21bによる遊技球の検出に基づいて取得された特図2乱数値群(転落情報有り特図2乱数値群)が大当たり判定される直前(上述した図42のS1404参照)となるようにしている。そのため、転落用第2始動口センサ21bが遊技球を検出したタイミングから転落するタイミングまでの間には、所定時間かかる。仮にこの所定時間の間に可動部材71が第1案内状態をとっていて、転落用第2始動口センサ21bが検出することとなった遊技球よりも後に電チュー22に入球した遊技球(以下、「直後遊技球」と呼ぶ)がメイン通路130Aを通って振分装置200の第1開口部211aに入球すると、振分装置200が直後遊技球を左側流路211Lに振分ける。この場合、振分装置200が「リセット状態」から変化してしまい、転落後の通常遊技状態で初当たりすると、初当たり後の高確率状態において振分装置200が「リセット状態」でない状態から始まってしまう。その結果、特図2の抽選による大当たり判定の回数が20回よりも少ない回数で転落する事態が生じ得る。
そこで本形態では、転落用第2始動口センサ21bが遊技球を検出した直後に、可動部材71が第2案内状態をとるように駆動させている。これにより直後遊技球があっても、その直後遊技球はバイパス通路130Bの方へ案内され、振分装置200の振分部材230によって振分けられない。即ち振分装置200が「リセット状態」のままになる。その結果、その後の初当たりによる大当たり遊技後の高確率状態において、特図2の抽選による大当たり判定の回数が20回よりも少ない回数で転落する事態が生じるのを防止することが可能である。
図53に示す可動部材駆動処理(S107)の説明に戻る。入球数超過フラグがONではなく(S2401でNO)、可動部材駆動フラグがONでなければ(S2403でNO)、可動部材71を第1案内状態に駆動するための駆動データをセットする(S2404)。これにより、1回の補助遊技の実行により電チュー22に入球した遊技球が5球以下である場合、又は可動部材駆動フラグがOFFになっている場合には、電チュー22に入球した遊技球はメイン通路130Aを通って振分装置200の第1開口部211aに入球する。そして、第1開口部211aに入球した遊技球は振分装置200によって左側流路211L又は右側流路211Rによって振分らけられることになる。
なお可動部材駆動フラグは、転落用第2始動口センサ21bが遊技球を検出した時点(図31に示すS401でYES,S402)から、初当たりによる大当たり遊技が終了した時点(図52に示すS2306)までONになっているため、その間は可動部材71が第2案内状態をとることになる。そのため、転落した後の通常遊技状態及び大当たり遊技状態において、電チュー22の不具合等により万一遊技球が電チュー22に入球したとしても、その遊技球はバイパス通路130Bの方へ案内され、振分装置200によって振分けられることはない。従って、初当たりによる大当たり遊技が終了した時点までは、振分装置200が「リセット状態」であることを維持することが可能である。
7.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図54〜図58に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図54に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、様々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴う大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり、装飾可動体15を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、図55に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え、ONであれば主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94に格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図56に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63aからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ5や枠ランプ66を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるランプ処理(S4304)や他の処理で作成したランプデータをランプ制御基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ5や枠ランプ66を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(4203)では、演出に合うタイミングで装飾可動体15を駆動させるべく、駆動データ(装飾可動体15の駆動のためのデータ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、装飾可動体15を所定の動作態様で駆動させる。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図57に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理(S4301,図58)を行う。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理(S4303)を行う。
その後、ランプ処理(S4304)を行う。ランプ処理(S4304)では、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の発光を制御するデータ)の作成や発光演出の時間管理等を行う。続いて、音声制御処理(S4305)を行う。音声制御処理(S4305)では、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力や、音声演出の時間管理等を行う。これにより、実行する演出に合った音声がスピーカ67から出力される。そして、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S4306)、本処理を終える。
[受信コマンド解析処理]図58に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば変動演出開始処理を行う(S4402)。
[変動演出開始処理]変動演出開始処理(S4402)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンド(図42のS1409及びS1415参照)を解析する。変動開始コマンドには、特図1の変動開始であるか特図2の変動開始であるかの情報、及び変動パターン選択処理(図45及び図46参照)でセットされた変動パターンの情報が含まれている。変動パターンの情報には、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、特図1又は特図2の大当たり判定処理の判定結果としての図柄を指定する図柄情報等が含まれている(図22(A)参照)。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能である。
そして演出制御用マイコン91は、現在の演出モードを参照する。演出モードは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、登場するキャラクタやアイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、演出図柄可変表示演出も演出モードに応じた態様で実行される。本形態においては、演出モードには後述する確変モードと通常モードとがあり、確変モードは初当たりによる大当たり遊技後から通常確率状態へ転落するまでの演出モードであり、通常モードは通常遊技状態で実行される演出モードである。なお確変モードのうち、高確高ベース状態で実行される演出モードと大当たり遊技状態で実行される演出モードとを分けても良い。
続いて演出制御用マイコン91は、変動演出パターンを決めるための変動演出パターンテーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合すると共に参照した演出モードに応じた変動演出パターンを選択する。このとき演出決定用乱数の取得及び判定を行う。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出等の予告演習の内容や、停止表示する演出図柄の組み合わせなどを含めて、演出図柄可変表示演出としてどのような演出を行うかが決定される。
こうして選択された変動演出パターンにて、演出図柄変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをセットし、変動演出開始処理を終了する。セットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて図1に示すような演出図柄変動演出を行う。
受信コマンド解析処理(S4301)では、ステップS4401又はステップS4402の後、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば変動演出終了処理を行う(S4404)。
[変動演出終了処理]変動演出終了処理(S4404)では、演出制御用マイコン91は、変動停止コマンド(図47のS1702参照)を解析し、演出図柄変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセットして、本処理を終える。
受信コマンド解析処理(S4301)では、ステップS4403又はステップS4404の後、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から確変モード開始コマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば確変モード演出開始処理を行う(S4406)。
[確変モード演出開始処理]確変モード演出開始処理(S4406)は、受信した確変モード開始コマンド(図52のS2305参照)に基づいて、確変モード演出を開始する処理である。確変モード演出は、遊技者に初当たりによる大当たり遊技後の演出モードであることを遊技者に報知するための演出である。演出制御用マイコン91は、主制御基板80から確変モード開始コマンドを受信した場合には、演出モードを通常モードから確変モードに変更すると共に、確変モード演出を開始するための確変モード演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
これにより、確変モード演出開始コマンドは、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に入力される。画像制御基板100のCPU102は、確変モード演出開始コマンドに基づいて、所定の画像情報をROM103から読み出して、図59(A)に示すように、画像表示装置7の表示画面7aにて「確変モード突入」「確変モード中何回大当たりを引けるか?」の文字を表示する。更に、残り変動回数(高確率状態から通常確率状態へ転落するまでに特図2の抽選による大当たり判定を行うことができる回数)を示唆する「残り20回」の文字を表示し、レインボー(七色)背景を表示する。
その結果、初当たりによる大当たり遊技後の演出モード(確変モード)であることを遊技者に把握させることが可能となり、確変モード中に何回大当たりを引くことができるかという新たなゲーム性の遊技が実行されることを報知している。なお上記した文字は、確変モード演出が開始することを表示する態様の一つであり、他の態様を表示画面7aに表示しても良い。また、確変モード演出を開始するときには、特別の警告音をスピーカ67から出力したり、枠ランプ66や盤ランプ5を特別な態様で点灯させるなど、他の態様で遊技者に報知しても良い。
受信コマンド解析処理(S4301)では、ステップS4405又はステップS4406の後、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から確変モード終了コマンド(図43のS1424参照)を受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば確変モード演出終了処理を行う(S4408)。
[確変モード演出終了処理]確変モード演出終了処理(S4408)は、受信した確変モード終了コマンド(図43のS1424参照)に基づいて、確変モード演出を終了する処理である。演出制御用マイコン91は、主制御基板80から確変モード終了コマンドを受信した場合には、演出モードを確変モードから通常モードに変更すると共に、確変モード演出を終了するための確変モード演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
これにより、確変モード演出終了コマンドは、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に入力される。画像制御基板100のCPU102は、確変モード演出終了コマンドに基づいて、所定の画像情報をROM103から読み出して、図59(B)に示すように、画像表示装置7の表示画面7aにて「確変モード終了」の文字を表示すると共に、レインボー(七色)背景ではない通常背景(図1参照)を表示する。
その結果、確変モードが終了したこと、即ち高確率状態から通常確率状態へ転落したことを遊技者に把握させることが可能である。なお上記した文字は、確変モード演出が終了することを表示する態様の一つであり、他の態様を表示画面7aに表示しても良い。また、確変モード演出が終了するときには、特別の警告音をスピーカ67から出力したり、枠ランプ66や盤ランプ5を特別な態様で点灯させるなど、他の態様で遊技者に報知しても良い。
受信コマンド解析処理(S4301)では、ステップS4407又はステップS4408の後、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から残り変動回数減算コマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していれば残り変動回数減算演出処理を行う(S4410)。
[残り変動回数減算演出処理]残り変動回数減算演出処理(S4410)は、受信した残り変動回数減算コマンド(図49のS1905参照)に基づいて、残り変動回数減算演出を行う処理である。演出制御用マイコン91は、主制御基板80から残り変動回数減算コマンドを受信した場合には、残り変動回数減算演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
これにより、残り変動回数減算演出コマンドは、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に入力される。画像制御基板100のCPU102は、残り変動回数減算演出コマンドに含まれる残り変動カウンタの値の情報に基づいて、所定の画像情報をROM103から読み出す。その結果例えば図60(B)から図60(C)に示すように、「残り20回」の文字を「残り19回」に変更して表示する。なお図60(A)(B)(C)は、残り変動回数が20回であるときに、特図2の変動表示報知に対応した演出図柄可変表示演出が実行されたことを示している。
こうして、遊技者は特図2の抽選による大当たり判定が1回実行されたことを認識すると共に、高確率状態から通常確率状態へ転落するまでに特図2の抽選による大当たり判定が残り何回実行され得るのかを把握することが可能となる。
受信コマンド解析処理(S4301)では、ステップS4409又はステップS4410の後、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から残り変動回数維持コマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していれば残り変動回数維持演出処理を行う(S4412)。
[残り変動回数維持演出処理]残り変動回数維持演出処理(S4412)は、受信した残り変動回数維持コマンド(図49のS1907参照)に基づいて、残り変動回数維持演出を行う処理である。演出制御用マイコン91は、主制御基板80から残り変動回数維持コマンドを受信した場合には、残り変動回数維持演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
これにより、残り変動回数維持演出コマンドは、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に入力される。画像制御基板100のCPU102は、残り変動回数維持演出コマンドに含まれる残り変動カウンタの値の情報に基づいて、所定の画像情報をROM103から読み出す。その結果例えば図61(B)から図61(C)に示すように、「残り10回」の文字を「残り10回」のまま表示すると共に、「おまけ変動1回」の文字を表示する。なお図61(A)(B)(C)は、残り変動回数が10回であるときに、特図2の変動表示報知に対応した演出図柄可変表示演出が実行されたことを示している。なお残り変動回数が減算されないことを示唆する文字は、上記した文字(「おまけ変動1回」)に限られるものではなく、「サービス1回」等であっても良く、適宜変更可能である。
こうして、遊技者は特図2の抽選による大当たり判定が1回実行されたにも拘わらず、残り変動回数が減少していないことを認識すると共に、高確率状態から通常確率状態へ転落するまでに特図2の抽選による大当たり判定が残り何回実行されるのかを把握することが可能となる。
受信コマンド解析処理(S4301)では、ステップS4411又はステップS4412の後、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4413)、受信していればオープニング演出選択処理を行う(S4414)。
[オープニング演出選択処理]オープニング演出選択処理(S4414)ではまず、演出制御用マイコン91は、オープニングコマンド(図48のS1806参照)を解析する。そして、解析したオープニングコマンドに基づいて、大当たり遊技時に実行する特別遊技演出のパターン(内容)を選択するオープニング演出パターン選択処理を行う。続いて、演出制御用マイコン91は、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをセットして処理を終える。
受信コマンド解析処理(S4301)では、ステップS4413又はステップS4414の後、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4415)、受信していればラウンド演出選択処理を行う(S4416)。
[ラウンド演出選択処理]ラウンド演出選択処理(S4416)ではまず、演出制御用マイコン91は、ラウンド指定コマンド(図51のS2205参照)を解析する。そして、解析したラウンド指定コマンドに基づいて、大当たり遊技時に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択するラウンド演出パターン選択処理を行う。続いて、演出制御用マイコン91は、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをセットして処理を終える。
受信コマンド解析処理(S4301)では、ステップS4415又はステップS4416の後、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4417)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S4418)。
[エンディング演出選択処理]エンディング演出選択処理(S4418)ではまず、演出制御用マイコン91は、エンディングコマンド(図51のS2211参照)を解析する。そして、解析したエンディングコマンドに基づいて、大当たり遊技時に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択するエンディング演出パターン選択処理を行う。続いて、演出制御用マイコン91は、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをセットして処理を終える。
8.初当たりから通常確率状態へ転落するまでの遊技
次に、図62及び図63を参照して、初当たりから通常確率状態へ転落するまでの遊技の一例について説明する。
通常遊技状態であるときには、振分装置200が「リセット状態」になっている。その通常遊技状態で大当たり(初当たり)に当選すると、大当たり遊技が実行されて、大当たり遊技後の遊技状態が高確高ベース状態に制御される(図52のS2301及びS2302参照)。このとき図59(A)に示すように、確変モード演出が実行される(図52のS2305参照)。そして高確高ベース状態では、電サポ制御の実行により、遊技球が電チュー22に入球可能となる。
図62に示すように、初当たりによる大当たり遊技の直後において、振分装置200は、第1開口部211aに入球する20球の遊技球を左側流路211Lに振分けると「ラスト状態」となる状態であり、この状態では残り変動回数(高確率状態での特図2の抽選により大当たり判定できる回数)が20回にセットされていることになる。
そして、高確高ベース状態において、電チュー22に入球した遊技球が、メイン通路130Aを通って振分装置200の第1開口部211aに入球し始める。これにより、その遊技球が振分部材230によって左側流路211Lに振分けられて、非転落用第2始動口センサ21aによって検出される。そのため、高確率状態で特図2の抽選による大当たり判定が実行される。なお以下では分かり易くするため、電チュー22に入球した遊技球がバイパス通路130Bの方へ案内されることがない状況として説明する。
ここで、高確高ベース状態に移行した後、電チュー22には5球の遊技球が入球して、特図2の抽選による大当たり判定が5回実行されたこととする。そして1〜4回目の大当たり判定はハズレであり、5回目の大当たり判定で大当たりに当選したこととする。この場合、図63(A)から図63(B)に示すように演出図柄が変動表示されて、図63(C)に示すように、大当たりであることを示唆する例えば「7」「7」「7」の演出図柄が停止表示される。なお、この時点で振分装置200は、「リセット状態」から5球の遊技球を左側流路211Lに振分けているため、残り15球の遊技球が第1開口部211aに入球すると「ラスト状態」になる状態である。またこの時点で図63(C)に示すように、残り変動回数が15回であることが報知されている。
次に図63(D)に示すように、大当たり演出が実行される。そして大当たり遊技のエンディング時に、例えば図63(E)に示すように、「確変モード継続」の文字が表示される。これにより遊技者は、大当たり遊技前の確変モード演出と大当たり遊技後の確変モード演出とに関連があると把握することが可能である。大当たり遊技後に高確高ベース状態に移行すると、図63(F)に示すように、確変モードに基づく演出図柄可変表示演出が実行される。
ところで本形態では、図63(C)に示すように、大当たり遊技が実行される直前の残り変動回数が15回であるのに対して、図63(F)に示すように、大当たり遊技が実行された直後の残り変動回数が15回になっている。このように、大当たり遊技を挟んでも、残り変動回数が継続するようになっている。ここで、初当たりによる大当たり遊技後では、残り変動回数が20回にセットされていることにより、高確率状態で大当たり判定できる回数が一定の上限回数に設定されている遊技機(所謂ST機)のようにも思われる。しかしながら、図63(D)に示すように高確高ベース状態で大当たりに当選した後、大当たり遊技後の残り変動回数は、所謂ST機のように残り変動回数が再び20回にセットされず、大当たり遊技前の残り変動回数がそのまま引き継がれる。
従って、高確率状態で大当たりをできるだけ早く引くほど次回の大当たり遊技後の高確率状態において残り変動回数が多くなり、遊技者にとっては有利になる。よって、遊技者に対して、ST回数が大当たり遊技前のST回数から継続しているかのような印象を与え、大当たり遊技前の高確率状態における遊技と、大当たり遊技後の高確率状態における遊技とに関連がある新しいゲーム性であると感じさせることが可能である。
こうして図63(F)に示すように、残り変動回数が15回になっている状態から遊技が進行し、その後に10球の遊技球が電チュー22に入球して、特図2の抽選による大当たり判定が10回実行されたこととする。そして1〜9回目の大当たり判定は「ハズレ」であり、10回目の大当たり判定で大当たりに当選したこととする。この場合、図62に示すように、確変モードにおいて2回目の大当たりに当選したことになる。なお、この時点で振分装置200は、「リセット状態」から15球の遊技球を左側流路211Lに振分けているため、残り5球の遊技球が第1開口部211aに入球すると「ラスト状態」になる状態である。
その後、大当たり遊技が終了し、高確高ベース状態に移行した後に5球の遊技球が電チュー22に入球して、図62に示すように、特図2の抽選による大当たり判定が5回実行されたこととする。そして5回の大当たり判定は全て「ハズレ」であったこととする。この時点で、振分装置200は「リセット状態」から20球の遊技球を左側流路211Lに振分けているため、「ラスト状態」となっている。その後、電チュー22に入球した遊技球が第1開口部211aに入球すると、右側流路211Rに振分けられる。これにより、転落用第2始動口センサ21bが右側流路211Rに振分けられた遊技球を検出する(図32のS501参照)。これにより、転落情報有り特図2乱数値群が取得され(図32のS504参照)、この転落情報有り特図2乱数値群に基づく大当たり判定が実行される直前に、高確率状態から通常確率状態へ転落する(図43のS1422参照)。更に高ベース状態から低ベース状態に移行する(図43のS1423参照)。その結果、図59(B)に示すように、確変モードが終了したことが遊技者に報知され、以後通常遊技状態で遊技を行う。
以上の説明から分かるように、本形態のパチンコ遊技機1では、初当たり後に高確高ベース状態に制御されてから通常遊技状態へ転落するまで、高確率状態で特図2の抽選による大当たり判定が少なくとも20回実行されることになり、この間に何回大当たりに当選することができるかという新たなゲーム性を提供することが可能となる。そして、高確率状態で大当たりに当選し、大当たり遊技後に再び高確率状態に制御され、大当たりに当選するという遊技が繰り返されても、残り変動回数が大当たり遊技を挟んで異なる。その結果、遊技者に対して単調な遊技であると感じさせずに遊技興趣を向上させることが可能である。
9.本形態の効果
本形態(第1形態)のパチンコ遊技機1によれば、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に制御されると、振分装置200が「ラスト状態」に至るまでに第1開口部211aに入球することになる遊技球の数(以下「転落遊技球数」)と呼ぶ)は、大当たり遊技が実行される直前と直後とでは変わらない。つまり、振分装置200という構造物を用いているため、大当たり遊技後における転落遊技球数がリセットされずに、その大当たり遊技前の転落遊技球数から再開することが可能となる。よって、高確率状態で特図2の抽選による大当たり判定回数のうちできるだけ早い回数で大当たりに当選するほど、次の大当たり遊技後の高確率状態で特図2の抽選による大当たり判定回数を多くすることができ、遊技者に高確率状態での新たなゲーム性を提供することが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、高確高ベース状態において、1回の補助遊技の実行により5球を超える(6球以上の)遊技球が電チュー22に入球すると、5球目以降に電チュー22に入球した遊技球は、バイパス通路130Bの方へ案内される。これにより、5球目以降に電チュー22に入球した遊技球によって、振分装置200の状態が変化するのを防止することが可能である。よって、高確高ベース状態で特図2の抽選による大当たり判定が実行されないにも拘わらず、振分装置200の状態が「ラスト状態」へ近づくように変化するのを防止することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、電チュー22の中に振分装置200が組み込まれている。そして、この振分装置200が上側流路211Uと左側流路211Lと右側流路211Rと振分部材230とを用いて、第1開口部211aに入球した遊技球を左側流路211L又は右側流路211Rのどちらかに振分けている。こうして、高確高ベース状態で電チュー22に入球した遊技球に対して、高確率状態を終了するか否かの転落抽選を行うことが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、振分装置200の振分部材230が、回転部材260と規制手段270によって、遊技球を左側流路211Lに振分けることが可能な第1状態と、遊技球を右側流路211Rに振分けることが可能な第2状態とに機械的に切り替わる。よって、電子部品(例えばソレノイド)を用いずに第1開口部211aに進入した遊技球を左側流路211L又は右側流路211Rのどちらかに振分けることが可能となっている。
なお本形態のパチンコ遊技機1によれば、電チュー22において、入球数をカウントするセンサ(第2始動口カウントスイッチ21c)と特図2の抽選の契機となるセンサ(非転落用第2始動口センサ21a,転落用第2始動口センサ21b)とが分離している。ここで、特図2の抽選の契機となるセンサが第2始動口21から比較的離れて配置されているため、電チュー22の開放によって意図しない多くの遊技球が入り過ぎるオーバーカウントが生じるとも思われる。しかしながら、第2始動口カウントスイッチ21cが、第2始動口21から比較的近くに配置されていることにより、オーバーカウントが生じるのを抑制することが可能である。なお第2始動口カウントスイッチ21cは、第2始動口21から10cm以内に配置されている。
10.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記の第1形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、第1形態と同じ符号を付して説明を省略する。
<第2形態>
図64〜図74に基づいて本発明に係る第2形態の遊技機について説明する。上記の第1形態では、1回の補助遊技の実行中に電チュー22に入球した遊技球の数が5球よりも多く(6球以上に)なると、電チュー22に入球した遊技球をバイパス通路130Bに進入するように案内した。これにより、特図2乱数値群に基づく大当たり判定が行われないのに振分装置200の状態が変化するという遊技者にとって不利な事態が生じるのを防止していた。これに対して第2形態では、電チュー22Aの開放パターンを調整することによって、上記した不利な事態が生じるのを防止することにしている。以下、第1形態と異なる構成(電チュー、フローチャート)を中心に説明する。
図64及び図65に示すように、第2形態の電チュー22Aには、バイパス通路130B、可動部材71、可動部材ソレノイド73、第2始動口カウントスイッチ21c等が設けられておらず、第2始動口21から振分装置200までの通路はメイン通路130Aのみとなっている。つまり、電チュー22Aに入球した遊技球は、メイン通路130Aを通って必ず第1開口部211aに入球するようになっている。こうして第2形態の電チュー22Aは、第1形態の電チュー22よりもコンパクトに構成することが可能である。
第2形態の遊技制御用マイコン81及び演出制御用マイコン91の動作は、第1形態の遊技制御用マイコン81及び演出制御用マイコン91の動作に対して、第2始動口カウントスイッチ21cに関する処理、残り変動回数を維持するための処理、及び可動部材71を駆動するための処理を行わないこと以外、同様である。
即ち、図66に示す第2形態のメイン側タイマ割り込み処理(S005)では、図28に示す第1形態のメイン側タイマ割り込み処理(S005)に対して、S107の可動部材駆動処理が設けられていない。また図67に示す第2形態の始動口センサ検出処理(S104)では、図29に示す第1形態の始動口センサ検出処理(S104)に対して、S204の確変転落調整処理が設けられていない。また図68に示す第2形態の特図2関係乱数取得処理(S207)では、図32に示す第1形態の特図2関係乱数取得処理(S207)に対して、S502,S505,S506の処理が設けられていない。
また図69に示す第2形態の普通電動役物処理(S607)では、図40に示す第1形態の普通電動役物処理(S607)に対して、S1205,S1206,S1207,S1208の処理が設けられていない。また図70に示す第2形態の遊技状態管理処理(S1802)では、図49に示す第1形態の遊技状態管理処理(S1802)に対して、S1904,S1906,S1907の処理が設けられていない。また図71に示す第2形態の受信コマンド解析処理(S4301)では、図58に示す第1形態の受信コマンド解析処理(S4301)に対して、S4411,S4412の処理が設けられていない。
ところで第2形態では、図72に示すように、時短状態中の変動パターン判定テーブル(図72に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、大当たり時、リーチ有りハズレ時、リーチ無しハズレ時のいずれであっても、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示報知が実行されるのに要する時間(変動時間+停止時間)が3000ms(2500ms+500ms)となっている。即ち、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、いずれの時であっても変動時間と停止時間との合計時間が3000msという比較的短い時間となるようなテーブルとなっている。そして図73に示すように、時短状態中の電チュー開放TBL2では、補助遊技オープニング時間が4364msであり、開放時間が2400msであり、補助遊技エンディング時間が9736msになっている。これらの理由について、図74を参照して説明する。なお図74では、高確高ベース状態であるときのタイムチャートの一例を示している。
図74に示すように、普通当たりに当選すると、普通図柄の変動表示及び停止表示(普通図柄の変動表示報知)を経て補助遊技が実行される。補助遊技においては、先ず補助遊技オープニング時間が4364msである補助遊技オープニングが実行され、次に電チュー22Aの開放時間が2400msである補助開放遊技が実行され、最後に補助遊技エンディング時間が9376msである補助遊技エンディングが実行される。そして図74に示すように、補助遊技が実行された直後に普通当たりに当選したとすると、普通図柄の変動表示報知を経て、再び補助遊技が実行されることになる。この場合において、図74から明らかなように、前の補助遊技における電チュー22A(開閉部材23)の開放終了から、後の補助遊技における電チュー22Aの開放開始までの時間(第1時間)は、15100msとなる。
ここで本形態では、特図2保留が最大で4個まで可能となっている。そこで、図74に示す場合において、前の補助遊技における電チュー22Aの開放終了の時点で、電チュー22Aに5球の遊技球が連続して入球したと仮定する。そして、1球目として電チュー22Aに入球した遊技球に関しては、特図2の変動表示報知(当該変動)がすぐに実行され、2〜5球目として電チュー22Aに入球した遊技球に関しては、特図2保留になったと仮定する。この仮定において、特図2の抽選による5回の大当たり判定が全て「ハズレ」であって、特図2の変動表示報知(特図2の可変表示及び停止表示)が連続して5回実行されたこととする。この場合、本形態の高確高ベース状態(時短状態)における特図2の変動時間が2500ms(図72参照)であり、特図2の停止時間が500ms(図72参照)であるため、5回の特図2の変動表示報知が連続的に実行されるのに要する時間(第2時間)は、15000msとなる。
こうして図74に示すように、本形態では、前の補助遊技における電チュー22A(開閉部材23)の開放終了から、後の補助遊技における電チュー22Aの開放開始までの時間(15100ms)が、5回の特図2の変動表示報知が連続的に実行されるのに要する時間(15000ms)よりも長くなるように、時短状態(高確高ベース状態)における補助遊技の開放パターン(電チュー開放TBL2参照)が設定されている。言い換えると、高確高ベース状態であるときに前の補助遊技における電チュー22Aの開放終了から、後の補助遊技における電チュー22Aの開放開始までの最短時間が、5回の特図2の変動表示報知の実行に要する最長時間よりも長くなっている。
これにより第2形態によれば、仮に前の補助遊技における電チュー22Aの開放終了の時点で電チュー22Aに5球の遊技球が入球し、且つ前の補助遊技の終了から普通当たりの当選によって後の補助遊技がすぐに実行されたとしても、後の補助遊技の実行による電チュー22Aの開放開始の時点では、5回の特図2の変動表示報知が終了していることになる。よって、常に補助遊技の電チュー22Aの開放開始の時点では、特図2保留が無く、且つ特図2の変動表示報知も実行されていない状態にすることが可能である。なお5回の特図2の変動表示報知が連続的に実行されるのに要する時間とは、特図2の抽選による5回の大当たり判定が全て「ハズレ」であって、特図2の抽選による5回の大当たり判定のうち1回でも「大当たり」となる場合を除く意味である。
更に第2形態では、時短状態(高確高ベース状態)で補助遊技が実行されると、図74に示すように、電チュー22Aが2400ms開放するようになっている。この理由は以下に基づく。遊技球が電チュー22Aに入球したとき(厳密には遊技球が非転落用第2始動口センサ21a又は転落用第2始動口センサ21bによって検出されたとき)、特図2保留球数が4個に達していなければ特図2乱数値群を取得することができる。
ここで本パチンコ遊技機1では、ハンドル60の操作により0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるため、遊技領域3には遊技球が約0.6秒間隔で打ち込まれる。そのため、電チュー22Aが開放した直後に遊技球が入球し、その後に0.6秒ごとに遊技球が一球ずつ電チュー22Aに入球したと仮定すると、電チュー22Aが開放してから3秒(0.6秒×5)後までには5球の遊技球が電チュー22Aに入球可能である。一方、電チュー22Aが開放してから3秒を超えると6球の遊技球が入球可能となる。つまり、電チュー22Aの開放時間が3秒(3000ms)以下であれば、1回の補助遊技の実行により電チュー22Aに入球する遊技球がほぼ5球以下となる。なお5球という数は、特図2保留の最大数に1を加算した数である。
そして1回の補助遊技の実行中に、電チュー22Aに入球する遊技球が5球以下であるということは、5球全ての遊技球の入球に関して特図2乱数値群をし易いことになる。つまり、1球目として電チュー22Aに入球した遊技球に関しては、特図2の変動表示報知(当該変動)が実行され、2〜5球目として電チュー22Aに入球した遊技球に関しては、特図2保留になり得る。一方、電チュー22Aに入球する遊技球が6球以上になると、6球目以降に電チュー22Aに入球した遊技球に関しては、特図2乱数値群が取得されない可能性が生じる。
以上のことから高確高ベース状態において、1回の補助遊技の実行により電チュー22Aに入球する遊技球の数が5球以下になるように、電チュー22Aの開放時間が2.4秒(2400ms)となっている。言い換えれば、高確高ベース状態で1回の補助遊技の実行により6球以上の遊技球が電チュー22Aにほぼ入球しないようにしている。
第2形態の作用効果について説明する。第2形態によれば、高確高ベース状態において、電チュー22Aの開放開始の時点で特図2保留が無く且つ特図2の変動表示報知も実行されていない状態にしている。加えて、1回の補助遊技の実行により電チュー22Aに入球する遊技球の数が5球以下になるように電チュー22Aを開放させている。これにより、特図2保留が4個であるにも拘わらず、遊技球が更に電チュー22Aに入球しないようになる。そのため、1回の補助遊技の実行により電チュー22Aに入球した全ての遊技球に関して、特図2乱数値群を取得して大当たり判定を行うことが可能となる。よって、高確高ベース状態で遊技球が電チュー22Aに入球したとき、特図2乱数値群に基づく大当たり判定が行われないのに振分装置200の状態が変化するという遊技者にとって不利な事態が生じるのを防止することが可能である。第2形態におけるその他の作用効果は、第1形態における作用効果と同様であるため、その説明を省略する。
<第3形態>
図75〜図80に基づいて本発明に係る第3形態の遊技機について説明する。上記の第1形態では、振分装置200という構造物を用いて高確率状態から通常確率状態へ転落するように構成されていたが、第3形態では振分装置200を用いずに転落するように構成されている。また第3形態では、特図2変動パターン判定テーブルとして、第2形態で用いた特図2変動パターン判定テーブル(図72参照)を用いていて、電チュー開放TBL2として、第2形態で用いた電チュー開放TBL2(図73参照)を用いている。以下、第1形態と異なる構成(固定入賞装置、電チュー、フローチャート)を中心に説明する。
図75に示すように、第3形態の固定入賞装置19Bでは、遊技球が入球可能な第1始動口20が設けられている。また固定入賞装置19Bの内部に、第1始動口20に入球した遊技球を検出する第1始動口センサ20dが配されている。第1始動口センサ20dが遊技球を検出することにより、第1特別図柄の抽選が実行可能になっている。なお第1形態のように、非転落用第1始動口センサ20aと転落用第1始動口センサ20bの2つのセンサが設けられているわけではない。
また第3形態の電チュー22Bでは、遊技球が入球可能な第2始動口21が設けられている。また電チュー22Bの内部に、第2始動口21に入球した遊技球を検出可能な第2始動口センサ21dが配されている。第2始動口センサ21dが遊技球を検出することにより、第2特別図柄の抽選が実行可能になっている。また第3形態の第2始動口センサ21dは、第2始動口21に入球した入球数をカウントすることが可能である。つまり第2始動口センサ21dは、上述した第1形態の第2始動口カウントスイッチ21cの機能を有している。なお第1形態のように、非転落用第2始動口センサ21aと転落用第2始動口センサ21bの2つのセンサが設けられているわけではない。更に、電チュー22Bには、振分装置200、分岐部材130、可動部材71、及び可動部材ソレノイド73が組み込まれているわけではない。これにより、電チュー22Bをコンパクトに構成することが可能である。
図76に示すように、第3形態の始動口センサ検出処理(S104)では、確変転落調整処理(S212)、特図2関係乱数取得処理(S214)、特図1関係乱数取得処理(S215)が第1形態と異なっている。そして、確変転落調整処理(S212)の後に、確変転落カウント処理(S213)が新たに設けられている。また上述した第2形態と同様、メイン側タイマ割り込み処理(S005)において、可動部材駆動処理(S107)が実行されないようになっている(図66参照)。なお特図1関係乱数取得処理(S215)は、第1始動口センサ20dによる遊技球の検出に基づいて、特図1関係乱数値群を取得する処理である。
[確変転落調整処理]図77に示すように、確変転落調整処理(S212)では、先ず入球数超過フラグがONであるか否かを判定する(S411)。なお入球数超過フラグは、1回の補助遊技の実行により電チュー22Bに入球した遊技球の数が5(基準数)球を超える(6球以上になる)と、ONになるフラグである(図40のS1208参照)。入球数フラグがONであれば(S411でYES)ステップS412に進み、入球数フラグがONでなければ(S411でNO)処理を終える。ステップS412では、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個以上であるか否かを判定する。即ち、特図2乱数値群を取得できるか否かを判定する。
特図2保留球数が4個以上であれば(S412でYES)、転落カウント維持フラグをONにして、処理を終える。一方特図2保留球数が3個以下であれば(S412でNO)、転落カウント維持フラグをONすることなく処理を終える。なお転落回数維持フラグは、高確率状態から通常確率状態へ転落するまでに特図2の抽選により大当たりが判定される回数(残り変動回数)を、1回減算しないで維持すると判断するためのフラグである。こうして、1回の補助遊技の実行により電チュー22Bに入球した遊技球の数が6球以上になって(S411でYES)、特図2関係乱数値群が取得できない場合には(S412でYES)、転落回数維持フラグがONになる。
[確変転落カウント処理]図78に示すように、確変転落カウント処理(S213)では、先ず入球数超過フラグがONであるか否かを判定する(S421)。入球数超過フラグがONでなければ(S421でNO)、転落カウンタの値を1だけ増加させる(S422)。つまり転落カウンタとは、入球数超過フラグがONでなければ、電チュー22Bへの遊技球の入球に基づいて1ずつ加算されるものである。一方、入球数維持フラグがONであれば(S421でYES)、転落カウンタの値を増加させることなく処理を終える。こうして、1回の補助遊技の実行により電チュー22Bに入球した遊技球の数が5球を超えると、電チュー22Bへの入球に基づいて転落カウンタの値は増加させないようになっている。
ステップS422で転落カウンタの値を1だけ増加させた後、転落カウンタの値が21(規定数)以上になったか否かを判定する(S423)。転落カウンタの値が21以上であれば(S423でYES)、即ち初当たり後から電チュー22Bに入球した遊技球の数が原則として(上述した転落カウンタの値を増加しない場合を除いて)21球に達すれば、転落フラグをONして(S424)処理を終える。一方、転落カウンタの値が20以下であれば(S423でNO)処理を終える。転落フラグは、後述するように特図2関係乱数取得処理(S214)で取得される特図2乱数値群と、転落情報有り特図2乱数値群とを区別するためのフラグである。
[特図2関係乱数取得処理]図79に示すように、特図2関係乱数取得処理(S214)では、先ず転落フラグがONであるか否かを判定する(S521)。転落フラグがONであれば(S521でYES)、転落情報有り特図2乱数値群を取得し(S522)、転落フラグをOFFにして(S523)、処理を終える。転落フラグがONでなければ(S521でNO)、転落カウント維持フラグがONであるか、即ち残り変動回数を維持する状況か否かを判定する(S524)。転落カウント維持フラグがONであれば(S524でYES)、回転数維持情報有り特図2乱数値群を取得し(S525)、転落カウント維持フラグをOFFして(S526)処理を終える。一方、転落フラグがONでなく(S521でNO)、且つ転落カウント維持フラグがONでなければ(S524)、特図2乱数値群を取得して(S503)処理を終える。
[遊技状態設定処理]図80に示すように、遊技状態設定処理(S2218)は、図52に示す第1形態の遊技状態設定処理(S2218)のステップS2306に換えて、ステップS2308を実行するようになっている。つまり、大当たり遊技後に高確高ベース状態に移行するべく、確変フラグをONにすると共に(S2301)、時短フラグをONにする(S2302)。そして残り変動回数カウンタの値が「0」であれば(S2303でYES)、初当たりによる大当たり遊技後であるため、残り変動カウンタの値に「20」をセットし(S2304)、確変モード開始コマンドをセットする(S2305)。続いてステップS2308において、転落カウンタの値に「0」をセットするようになっている。
こうして第3形態のパチンコ遊技機1では、初当たりによる大当たり遊技後に高確高ベース状態に移行すると、電チュー22Bに遊技球が入球する。そして転落カウント維持フラグがONである場合(1回の補助遊技の実行により電チュー22Bに入球した遊技球の数が6球を超えて、特図2関係乱数値群が取得できない場合)を除いて、電チュー22Bへの遊技球の入球に基づいて、転落カウンタの値が1ずつ増加していく(図78のS422参照)。この転落カウンタの値は、大当たり遊技の実行に基づいてリセットされることはない。
その後、転落カウンタの値が21に達すると(S423でYES)、転落情報有り特図2関係乱数値群が取得される(図79のS522参照)。これにより、この転落情報有り特図2関係乱数値群に基づく大当たり判定が実行される直前に、高確率状態(高確高ベース状態)から通常確率状態(通常遊技状態)へ転落することになる(図43の確変転落設定処理(S1404)のS1422,S1423参照)。よって、初当たり後に高確高ベース状態に制御されてから通常遊技状態へ転落するまで、高確率状態で特図2の抽選による大当たり判定が少なくとも20回実行されることになり、この間に何回大当たりに当選することができるかという新たなゲーム性を提供することが可能となる。
第3形態の作用効果について説明する。第3形態によれば、高確率状態での大当たりの判定に基づいて大当たり遊技が実行されて、その大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に制御されると、その大当たり遊技後における転落カウンタの値がリセットされずに、その大当たり遊技前の転落カウンタの値から再開することが可能となる。よって、高確率状態で特図2の抽選による大当たり判定回数のうちできるだけ早い回数で大当たりに当選するほど、次の大当たり遊技後の高確率状態で特図2の抽選による大当たり判定回数を多くすることができ、遊技者に高確率状態での新たなゲーム性を提供することが可能となる。
また第3形態によれば、第2形態で用いた特図2変動パターン判定テーブル(図72参照)と、第2形態で用いた電チュー開放TBL2(図73参照)を用いている。そのため、上述した第2形態と同様の作用効果を得ることが可能である。即ち、高確高ベース状態において、1回の補助遊技の実行により電チュー22Bに入球する遊技球の数が5球以下になり易い。更に、電チュー22Bの開放開始の時点で特図2保留が無く且つ特図2の変動表示報知も実行されていない状態にすることが可能になる。これにより、特図2保留が4個であるときに、遊技球が更に電チュー22Bに入球しないようになる。その結果、特図2乱数値群に基づく大当たり判定が行われないのに転落カウンタの値が増加するという遊技者にとって不利な事態が生じるのを防止することが可能である。第3形態におけるその他の作用効果は、第1形態における作用効果と同様であるため、その説明を省略する。
<第4形態>
図81及び図82に基づいて本発明に係る第4形態の遊技機について説明する。上記の第1形態では大当たりの種別として8R大当たりのみ設定されていて、8R大当たりによる大当たり遊技後には必ず時短状態(高ベース状態)に制御されていたが、第4形態では大当たりの種別として8R大当たりの他に8R特殊大当たりが設定されていて、8R特殊大当たりによる大当たり遊技後には時短状態に制御されないようになっている。以下、第1形態と異なる構成(大当たり種別判定テーブル、フローチャート)を中心に説明する。
図81(A)に示すように、第4形態の大当たり種別判定テーブルでは、特図1に関する大当たりの種別では8R大当たりのみ設定されているが、特図2に関する大当たりの種別では8R大当たりと8R特殊大当たりが設定されている。8R大当たりによる大当たり遊技後の遊技状態は高確高ベース状態に制御されるのに対して、8R特殊大当たりによる大当たり遊技後の遊技状態は高確低ベース状態(高確率状態且つ非時短状態且つ低ベース状態)に制御される。特図2の抽選による大当たりの振分率は、8R大当たりが90%、8R特殊大当たりが10%となっている。なお大当たりの振分率は上記したものに限られず適宜変更可能であり、例えば8R大当たりと8R特殊大当たりとが50%ずつであっても良い。
特図2の抽選による大当たりの判定結果が8R大当たりである場合には、第2特別図柄表示器41bに第1大当たり図柄(第1特別表示態様)が表示されたあと、8R大当たりによる大当たり遊技(第1特別遊技)が実行される。一方、特図2の抽選による大当たりの判定結果が8R特殊大当たりである場合には、第2特別図柄表示器41bに第1大当たり図柄と異なる第2大当たり図柄(第2特別表示態様)が表示されたあと、8R特殊大当たりによる大当たり遊技(第2特別遊技)が実行される。
[遊技状態設定処理]図82に示すように、遊技状態設定処理(S2218)では、図52に示す第1形態の遊技状態設定処理(S2218)に対して、ステップS2309とステップS2310を追加して実行するようになっている。つまり、先ず当選した大当たりの種別が8R特殊大当たりであるか否かを判定する(S2309)。8R特殊大当たりでない(S2309でNO)、即ち8R大当たりであれば、上記した第1形態と同様にステップS2301〜S2307の処理を実行する。一方、8R特殊大当たりであれば(S2309でYES)、確変フラグをONにして(S2310)、ステップS2302〜S2306の処理をパスして、ステップS2307に進む。
こうして8R特殊大当たりに当選した場合には、確変フラグをONにすることにより大当たり遊技後に高確率状態に制御するものの、時短フラグをONにしないことにより大当たり遊技後に時短状態(高ベース状態)に制御しない。そのため、8R大当たりによる大当たり遊技後では、電チュー22が開放しなくて、遊技球が電チュー22に入球しない。その結果、振分装置200の状態が変わらないと共に、残り変動回数も変わらないようになっている。
第4形態の作用効果について説明する。第4形態によれば、8R特殊大当たりによる大当たり遊技が実行された後、遊技状態が高確低ベース状態に制御される。このとき遊技球を第2始動口21(電チュー22)に入球させるよりも、第1始動口20に入球させる方が容易となる。そのため、第1始動口20への遊技球の入球により、転落遊技球数(振分装置200が「ラスト状態」に至るまでに第1開口部211aに入球することになる遊技球の数)を増加させることなく、高確率状態で大当たりを狙うことが可能となる。よって8R特殊大当たりによる大当たり遊技後では、8R大当たりによる大当たり遊技後と異なる遊技を行うことが可能となる。こうして遊技者に対して、高確高ベース状態で大当たりに当選したときに、8R大当たり又は8R特殊大当たりのどちらの大当たりに当選したのかを注目させることが可能である。第4形態におけるその他の作用効果は、第1形態における作用効果と同様であるため、その説明を省略する。
<その他の変更例>
上記した各形態では、初当たりによる大当たり遊技後に原則として特図2の抽選による大当たり判定の回数が20回行われると、高確率状態から通常確率状態へ転落した。しかしながら、高確率状態から通常確率状態へ転落するまでの上記した回数は、20回に限られるものではなく、例えば200回であっても良く適宜変更可能である。
具体的に第1,第2,第4形態の振分装置200においては、回転部材260に形成されている被係合部261aを周方向に等間隔で複数形成すれば、上記した回数を20回よりも少なくすることが可能である。又は振分装置200が1つの遊技球を左側流路211Lに振分けたときに回転部材260が回転する角度(所定量θ)を18度よりも大きくなるように構成すれば(係合溝262aを回転部材260に対して周方向に等間隔で19個以下形成すれば)、上記した回数を20回よりも少なくすることが可能である。一方、回転部材260が1回転ではなく、2回転以上回転すると係合部271aと被係合部261aとが1回係合するようにして、上記した回数を20回よりも多くすることが可能である。又は振分装置200が1つの遊技球を左側流路211Lに振分けたときに回転部材260が回転する角度(所定量θ)を18度よりも小さくなるようにすれば(係合溝262aを回転部材260に対して周方向に等間隔で21個以上形成すれば)、上記した回数を20回よりも多くすることが可能である。また第3形態においては、図78に示すステップS423で判定する転落カウンタの値を、21よりも小さくすれば上記した回数を20回よりも少なくすることが可能であり、21よりも大きくすれば上記した回数を20回よりも多くすることが可能である。
また上記した第1,第2,第4形態では、振分装置200は、第1開口部211aに入球する21球の遊技球のうち、20球の遊技球を左側流路211Lに振分けて、1球の遊技球を右側流路211Rに振分けるように構成されているが、20球の遊技球を右側流路211Rに振分けて、1球の遊技球を左側流路211Lに振分けるように構成しても良い。なおこの場合には、非転落用第2始動口センサ21aを右側流路211Rに配置して、転落用第2始動口センサ21bを左側流路211Lに配置する。
また上記した第1,第2,第4形態では、転落用第2始動口センサ21bが、第2特別図柄の抽選を行う(特図2乱数値群を取得する)ためのセンサであると共に、高確率状態への制御を終了させるためのセンサであったが、第2特別図柄の抽選を行うためのセンサと、高確率状態への制御を終了させるためのセンサとを別々に設けても良い。例えば、転落用第2始動口センサ21bに換えて、第2特別図柄の抽選を行うためのセンサをメイン通路130Aの下方部分130c、又は振分装置200の上側流路211Uに配して、高確率状態への制御を終了させるためのセンサを右側流路211Rに配しても良い。なお非転落用第2始動口センサ21aは、振分装置200の左側流路211Lに配されずに、バイパス通路130Bに配されていても良い。また別の変更例として、非転落用第2始動口センサ21aと転落用第2始動口センサ21bとに換えて、第2特別図柄の抽選を行うためのセンサ(第2始動口センサ)をメイン通路130Aの上方部分130bに1つ配して、高確率状態への制御を終了させるためのセンサを振分装置200の右側流路211Rに配しても良い。つまり、非転落用第2始動口センサ21aは、非転落領域としての機能と第2特別図柄の抽選の契機となるセンサとしての機能を兼ね備え、転落用第2始動口センサ21bは、転落領域としての機能と第2特別図柄の抽選の契機となる機能を兼ね備えていたが、これらの機能を分離して、第2特別図柄の抽選の契機となるセンサは電チューの入口の部分に配しても良い。そして、そのセンサは電チューに入球した遊技球をカウントするものであっても良い。
また上記した第1,第2,第4形態では、振分装置200が左側流路211(第1流路)Lと右側流路(第2流路)211Rの2つの流路を備えているが、振分装置が備える流路は、非転落領域を備える流路と転落流路を備える流路の少なくとも2つの流路を備えていれば良く、3つ以上であっても良い。例えば振分装置は、左側流路と中央流路と右側流路とを備え、左側流路と中央流路には非転落領域が設けられ、右側流路には転落流路が設けられていても良い。そして、振分装置に進入する21球の遊技球のうち、例えば1〜10球目までの遊技球は、左側流路に振分けられ、10〜20球目までの遊技球は中央流路に振分けられ、21球目の遊技球は、右側流路に振分けられるように構成しても良く、振分装置の構成を各流路に合わせて適宜変更可能である。
また上記した第1,第2,第4形態では、振分装置200の第1開口部211aに入球した遊技球が、左側流路211Lに振分けられて、左側可動部材240を押し下げると、回転部材260が所定量θ回転するようになっていた。即ち、振分装置200の状態を変化させる転落進行領域が左側流路211Lに配されていた。しかしながら例えば、遊技球の通過によって回転部材260を回転させる機構が、振分装置200の上側流路211Uに設けられていたり、メイン通路130Aの下方部分130cに設けられていても良い。つまり、転落進行領域は、上側流路211Uやメイン通路130Aの下方部分130cに配されていても良い。
また上記した各形態では、高確率状態から通常確率状態へ転落するのに伴って、高ベース状態から低ベース状態に制御されるようになっていた。しかしながら、高ベース状態(電サポ制御状態)は高確率状態に対して独立していて、例えば高確率状態が通常確率状態へ転落しても、高ベース状態を維持するようにしても良い。この場合には、第1,第4形態において、転落後の高ベース状態で可動部材71が第2案内状態となるように駆動させて、電チュー22に入球した遊技球をバイパス通路130Bの方へ案内すると良い。これにより、転落後に振分装置200の状態を変えることなく、特図2の抽選による大当たり判定を行うことが可能となる。
また上記した各形態では、転落情報有り特図2関係乱数値群に基づく大当たり判定が実行される直前に、高確率状態から通常確率状態へ転落するようになっていた。しかしながら、転落情報有り特図2関係乱数値群に基づく大当たり判定が実行されて、その特図2の変動表示報知が実行された直後に転落するようにしても良い。つまり、第1,第2,第4形態の振分装置200において、右側流路211Rに振分けられた遊技球に関する特図2の変動表示報知が終了した後、転落するようにしても良い。具体的には確変転落設定処理(S1404,S1410)を、遊技状態管理処理(S1802)の実行に併せて実行するようにすれば良い。なおこの場合には、初当たり後の高確高ベース状態において、特図2の抽選による大当たり判定が原則的に21回行われると転落することになる。
また上記した各形態では、特図1に関する大当たり種別において、大当たり遊技後に高確高ベース状態に移行する8R大当たりのみ設定されているが(図22及び図81参照)、上記した8R大当たりの他に、大当たり遊技後に高確低ベース状態に移行する大当たりや、低確低ベース状態に移行する大当たりを設定しても良い。但しこの場合には、高確高ベース状態において、特図1の抽選による大当たり判定が行われると遊技者にとって不利になる。そのため、入賞順消化(図42参照)に換えて、特図2優先消化を行うようにすると良い。
また上記した各形態では、通常遊技状態(非電サポ制御状態)では、普通当たりと判定される確率がゼロになっていて(図24(C)参照)、遊技球が電チューに入球しないようになっている。しかしながら、通常遊技状態で普通当たりと判定される確率がゼロではなくて、遊技球が電チューに入球することがあるようにしても良い。但しこの場合には、通常遊技状態において電チュー22,22Bへの遊技球の入球に基づいて、第1,第4形態では振分装置200の状態が「ラスト状態」に近づくように変化してしまい、第3形態では転落カウンタの値が大きくなってしまう。そこで第1,第4形態では、通常遊技状態において可動部材71が第2案内状態をとるように可動させて、振分装置200の状態を維持されるようにすれば良い。また第3形態では、通常遊技状態において電チュー22Bに遊技球が入球しても、転落カウンタの値が維持されるようにすれば良い。
また上記した第2,第3形態では、時短状態中の電チュー開放TBL2では、補助遊技オープニング時間が4364msであり、補助遊技エンディング時間が9736msになっているが(図73参照)、これらの各時間は適宜変更可能である。また時短状態における普通図柄の変動表示報知が実行されるのに要する時間(普通図柄の変動時間と停止時間の合計である1秒(図24(D)参照))は、適宜変更可能である。但し変更する場合においては、時短状態において前の補助遊技における電チュー22A,22Bの開放終了から、後の補助遊技における電チュー22A,22Bの開放開始までの最短時間が、5回の特図2の変動表示報知が連続的に実行されるのに要する最長時間(15000ms)よりも長くなる条件を満たす範囲で変更する。これにより、常に補助遊技の電チュー22A,22Bの開放開始の時点では、特図2保留が無く、且つ特図2の変動表示報知も実行されていない状態にすることが可能である。なお上記した条件を満たせば、補助遊技オープニング又は補助遊技エンディングを実行しないように設定しても良い。
また上記した第2,第3形態では、時短状態における特図2の変動表示報知が実行されるのに要する時間(特図2の変動時間と停止時間の合計である3000ms、図72参照)がいずれの場合(大当たり時、リーチ有りハズレ時、リーチ無しハズレ時)であっても同じになっているが、異なるように設定しても良く、各時間も適宜変更可能である。但し変更する場合においては、5回の特図の変動表示報知が連続的に実行されるのに要する最長時間(1回の特図2の変動表示報知の実行に要する時間のうち、最も長くなっている時間の5倍の時間)が、時短状態において前の補助遊技における電チュー22A,22Bの開放終了から、後の補助遊技における電チュー22A,22Bの開放開始までの最短時間(15100ms)よりも短くなる条件を満たす範囲で変更する。これにより、常に補助遊技の電チュー22A,22Bの開放開始の時点では、特図2保留が無く、且つ特図2の変動表示報知も実行されていない状態にすることが可能である。なお上記した条件を満たせば、例えば補助遊技オープニング又は補助遊技エンディングを実行しないように設定しても良い。
また上記した第2,第3形態では、時短状態における電チュー22A,22Bの開放時間が2400msとなるように設定したが、電チュー22A,22Bの開放時間は3000ms以下であれば適宜変更可能である。但し、時短状態においてスムーズな遊技の進行を行うために、1回の補助遊技の実行により電チュー22A,22Bに入球する遊技球の個数は3個以上であることが好ましい。そのため、電チュー22A,22Bの開放時間は1800ms(前に発射された遊技球が遊技領域3に打ち込まれてから、次の遊技球が遊技領域3に打ち込まれるのに要する時間が0.6秒であるため、その時間の3倍)よりも長いことが好ましい。
また上記した各形態では、特図1保留の上限数(第1上限数)が4個であり、特図2保留の上限数(第2上限数)が4個であったが、各上限数は適宜変更可能である。但し特図2保留の上限数を4個以外のQ(自然数)個に変更した場合、第2,第3形態において、特図2保留がQ個であるときに遊技球が電チュー22A,22Bに入球しないような開閉部材23の開放パターンを設定する。具体的には、開閉部材23(電チュ−22A,22B)の開放時間を(Q+1)×0.6秒以下になるように、開放パターンを設定する。また時短状態において前の補助遊技における電チュー22A,22Bの開放終了から後の補助遊技における電チュー22A,22Bの開放開始までの最短時間が、(M+1)回の特図2の変動表示報知が連続的に実行されるのに要する最短時間よりも長くなるように、開放パターンを設定する。
また上記した各形態では、特図1保留の上限数(第1上限数)が4個であり、特図2保留の上限数(第2上限数)が4個であり、普図保留の上限数が4個であったが、保留の数は4つに限られるものではなく、保留が実質的に無いようにしても良い。つまり、本発明の保留の上限数は、変動表示報知が実行されない保留がある場合には、その保留を含めた上限数であれば良く、保留が実質的に無い場合には乱数値群を一旦記憶してすぐに判定するようにその1個分の乱数値群の記憶が保留の上限数(=1)となることを含む意味である。
また上記した第1,第4形態では、1回の補助遊技の実行により電チュー22に入球した遊技球の数が5(特図2保留の上限数に1を加算した数、基準数)球よりも多くなると、5球目以降に電チュー22に入球した遊技球(超過遊技球)をバイパス通路130Bに案内した。しかしながら、基準数は5に限られるものではなく、特図2保留の上限数に1を加算した数(5)以下であれば、4以下の数であっても良く、適宜変更可能である。基準数は、当該基準数以下の遊技球が電チューに入球したときに、それらの遊技球に関して特図2乱数値群が確実に取得されることを考慮して設定すると良い。例えば、補助遊技における電チューの開放開始の時点で、特図2保留が無く且つ特図2の変動表示報知が実行されていない状況であれば、基準数を5に設定すると良い。また、補助遊技における電チューの開放開始の時点で、特図2保留が無いものの、特図2の変動表示報知が実行されている状況があれば、基準数を4に設定すると良い。また、補助遊技における電チューの開放開始の時点で、特図2保留が1つ生じている状況があれば、基準数を3に設定すると良い。
また上記した各形態では、停止表示される特別図柄の種類に基づいて大当たり遊技後に高確率状態に移行する遊技機として説明したが、大入賞装置31に遊技球が通過可能な特定領域が設けられていて、大当たり遊技中に特定領域への遊技球の通過に基づいて大当たり遊技後に高確率状態に移行する遊技機(所謂V確機)であっても良い。また大当たり遊技後に高確高ベース状態に移行する際に、確変カウンタに非常に大きな数値(例えば10000)をセットすると共に、時短カウンタに非常に大きな数値(例えば10000)をセットして、転落する場合を除いて実質的に次回の大当たりに当選するまで高確高ベース状態が続くようにしても良い。
また上記した各形態の特徴及びその変形例の特徴を適宜組み合わせることは勿論可能である。例えば第1形態で用いた特図2変動パターン判定テーブル(図25参照)を、第2形態で用いた特図2変動パターン判定テーブル(図72参照)に替えても良く、第1形態で用いた電チュー開放TBL2(図26参照)を、第2形態で用いた電チュー開放TBL2(図73参照)に替えても良い。これにより第1形態でも、常に補助遊技の電チュー22の開放開始の時点では、特図2保留が無く、且つ特図2の変動表示報知が実行されていない状態にすることが可能である。そして、1回の補助遊技の実行により電チュー22には、ほぼ5球以内の遊技球しか入球しないようになり、且つその5球の遊技球に関する特図2の変動表示報知は、その後の補助遊技の電チュー22の開放開始の時点までには終了する。更に万一、電チュー22に6球以上の遊技球が入球しても、その遊技球はバイパス通路130Bに案内されるため、振分装置200の状態が変わらない。こうして第1形態の特徴と第2形態の特徴を組み合わせることにより、特図2の抽選による大当たり判定が実行されないのも拘わらず、振分装置200の状態が変わるという不利益をより防止することが可能になる。
なお本発明において、補助遊技を実行するか否かの「所定の判定条件」とは、ゲート(通過領域)28への遊技球の通過に基づいて普通図柄乱数(当たり乱数)が取得されて、取得された普通図柄乱数に基づいて当たりか否かを判定するという条件である。但し、その他の条件であっても良い。