次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。尚、以下では、図柄の変動表示の終了に伴い当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)が付与され得る当り遊技(特別遊技)を実行可能なパチンコ遊技機に、本発明を適用した例を説明する。
図1乃至図3に示すように、実施例1のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また、前面枠51には、遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう)、装飾用の枠ランプ66及びスピーカ67等が設けられている。
演出ボタン63は、例えば、遊技の進行に伴って行われる遊技演出の実行中などに操作するもので、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。尚、演出ボタン63の構成は本実施例の態様に限らず、遊技者からの入力を検知できるものであればたり、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されており、レール部材4の先端には、球戻り防止片6が設けられている。球戻り防止片6は、一旦遊技領域へ誘導された遊技球を発射装置側へ戻るのを防止するためのものである。また、遊技盤2には、装飾用の盤面ランプ5(図5を参照)も設けられている。
遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L、8C、8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)が設けられており、当該演出図柄8L、8C、8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。また、演出図柄8L、8C、8Rはそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字を表した複数の図柄(識別情報)からなる。演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄によって、後述の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果や、第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果、つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果を、遊技者が認識し易いように表示する。尚、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれかを指して単に「図柄」や「識別情報」ということがある。また、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特図1」「第1特図」、第2特別図柄を「特図2」「第2特図」ということがある。
例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合には、「777」などの3桁同一のゾロ目(「大当り演出図柄」ともいう)や「135」などの予め設定したチャンス図柄や「3★3」などの専用図柄(「特殊図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目図柄(「外れ演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり、一般的には、遊技者は特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。そして、本実施例では、大当りの場合、演出図柄8L、8C、8Rを停止表示(確定表示)する際の図柄確定演出を、例えば、表示画面7a(演出図柄表示領域7b)の略中央で演出図柄8L、8C、8Rを停止表示する等、遊技者が大当りの発生を容易に認識できる態様で行うこととしている。尚、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、大当り遊技に伴って実行される大当り遊技演出(特別遊技演出)や、客待ち用のデモ演出などが表示される。演出図柄遊技演出や大当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。また、画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とが設けられている。第1演出保留や第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43aにて表示される第1特図保留の記憶数や第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、演出図柄表示領域7bを取り囲むように、センター装飾体10が設けられている。センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。また、センター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口から受け入れ、当該遊技球をワープ出口から排出しステージ部11へと誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらに、センター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
また、センター装飾体10の上部であって、装飾部材13の後方には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14が設けられている。図3では、可動装飾部材14の一部分のみが視認可能となっているが、例えば、大当りの可能性が比較的高い遊技演出の実行に伴って、可動装飾部材14が下方に落下し、当該可動装飾部材14が表示画面7aの前面を覆い、その大部分が視認可能となる。これにより、遊技者は大当りへの期待感を高めることとなる。遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
遊技領域3における画像表示装置7の右方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。可変入賞装置22は、羽根部材23を備え、羽根部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。羽根部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5を参照)により駆動される。本実施例では、第2始動口21は、羽根部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、羽根部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、羽根部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、羽根部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口30を備えた第1大入賞装置31(「第1可変入球口」ともいう)と、第2大入賞口35を備えた第2大入賞装置36(「第2可変入球口」ともいう)とが設けられており、本実施例では、第1大入賞装置31(第1大入賞口30)の真上に第2大入賞装置36(第2大入賞口35)が配置されている。第1大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5を参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1大入賞装置31が作動すると、開閉部材32の開閉動作により、第1大入賞口30は、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化し得る。
また、第2大入賞装置36は、開閉部材37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5を参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第2大入賞装置36が作動すると、開閉部材37の開閉動作により、第2大入賞口35は、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)または遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)に変化し得るものとなっている。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35に入球した遊技球が通過可能な特定領域39および非特定領域49と、第2大入賞口35に入球した遊技球を特定領域39または非特定領域49に誘導する(振り分ける)ための可動片150を含んで構成されている。可動片150は、可動片ソレノイド151(図5を参照)により駆動されるもので、第2大入賞口35の開放、換言すると開閉部材37の開放動作の開始を契機として、その動作が開始される。可動片ソレノイド151がOFFのとき、すなわち可動片150が動作していないときは(非動作状態)、第2大入賞口35に入球した遊技球は非特定領域49に誘導されて、特定領域39を通過することが不可能となる。一方、可動片ソレノイド151がONのとき、すなわち可動片150が動作しているときは(動作状態)、第2大入賞口35に入球した遊技球は特定領域39に誘導されて、特定領域39を通過すること(「V通過」ともいう)が可能となる。本パチンコ遊技機1では、第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個が特定領域39を通過したことが検知されることに基づいて、後述の高確率状態を発生させている。つまり、特定領域39は確変作動口となっている。このような特定領域39は、第1大入賞装置31には設けられていない。第2大入賞口35の開放(開閉部材37の開放動作)と可動片150の動作についての詳細は後述する。尚、可動片150は、本発明の「可動部材」の一態様に相当する。また、高確率状態は、特別遊技とは別に遊技者に付与される遊技上の特典の一態様である。
ここで、第2大入賞装置36の構成について詳しく説明する。図48は、第2大入賞装置36を示す模式図である。第2大入賞口35に入球した遊技球は、第2大入賞装置内の所定の遊技球誘導通路を通って、全て第2大入賞口センサ35a(「入球検知手段」や「入球検知センサ」ともいう)を通過する。第2大入賞口センサ35aは第2大入賞口35への遊技球の入球を検知するためのセンサであり、第2大入賞口センサ35aでの検知に基づいて第2大入賞口35への入球数を計数することが可能となる。遊技球が第2大入賞口センサ35aで検知されると、その検知数(つまり、入球数)が後述する主制御部80のRAMに設けられた入球数計数手段(図示しない)によりラウンド単位で計数される。この計数結果(計数値)は、ラウンド間のインターバル時間の経過によりクリアされる。
また、第2大入賞口センサ35aで検知された(を通過した)遊技球は、その後、所定の遊技球誘導通路を通って、必ず特定領域39または非特定領域49を通過する。尚、特定領域39は、可動片150が動作中(動作状態)のときにだけ、換言すると、特定領域39が開放中のときにだけ、遊技球が通過可能となる(図48(b)を参照)。特定領域39には特定領域センサ39aが設けられており、特定領域39を通過する遊技球は特定領域センサ39aにより検知される。また、非特定領域49には非特定領域センサ49aが設けられており、非特定領域49を通過する遊技球は非特定領域センサ49aにより検知される。特定領域センサ39aおよび非特定領域センサ49aは、第2大入賞口35からの遊技球の排出を検知するためのセンサでもあり、特定領域センサ39aおよび非特定領域センサ49aの検知に基づいて第2大入賞口35からの排出数を計数することが可能となる。遊技球が特定領域センサ39aまたは非特定領域センサ49aで検知されると、その検知数(つまり、排出数)が後述する主制御部80のRAMに設けられた排出数計数手段(図示しない)によりラウンド単位で計数される。この計数結果(計数値)は、ラウンド間のインターバル時間の経過によりクリアされる。
また、特定領域センサ39aにより検知された遊技球の数は、後述する主制御部80のRAMに設けられた特定領域通過計数手段(図示しない)により特定領域通過数として計数され、非特定領域センサ49aにより検知された遊技球の数は、後述する主制御部80のRAMに設けられた非特定領域通過計数手段(図示しない)により非特定領域通過数として計数される。これらの計数もラウンド単位で行われ、計数結果(計数値)はインターバル時間の経過によりクリアされる。尚、第2大入賞口35に入球した遊技球が排出されるのを検知する特定領域センサ39a(「第1排出検知手段」や「第1排出検知センサ」ともいう)および非特定領域センサ49a(「第2排出検知手段」や「第2排出検知センサ」ともいう)を、総じて「排出検知手段」や「排出検知センサ」ともいう。
本実施例では、主制御部80の制御プログラムによって、第2大入賞口35に係る遊技球の入球数および排出数を計数し、その計数結果を基に入球数と排出数の一致・不一致を判定することにより、特定領域39を有する第2大入賞装置36(第2大入賞口35)への入球に係る異常や不正等の発生の有無を監視することが可能となっている。第2大入賞装置36(第2大入賞口35)の内部では、特定領域39を開閉するための可動片150を動作させることから、可動片150に遊技球が噛む等して、第2大入賞装置36(第2大入賞口35)の内部に遊技球が詰まってしまう虞がある。このような球詰まりが発生した場合には、第2大入賞口35に入球した遊技球がその後排出されないことから、入球数と排出数とが一致しないこととなる。このように入球数と排出数とを監視することで、球詰まりの有無を確認することが可能となる。また、いわゆる糸吊りゴト等の不正行為により遊技球を特定領域センサ39aに検知させた場合にも入球数と排出数とが一致しないため、このことに基づいて不正行為の有無を監視して、不測の損害が発生するのを未然に防止することも可能となる。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると第2始動口21を開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入賞口27が設けられている。
このように各種入球口(入賞口)等が配されている遊技領域3は、左右方向の中央より左側の左遊技領域3A(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域3B(第2遊技領域)とに分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を「左打ち」といい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を「右打ち」という。本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際は左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において大当りとなり遊技状態が変化した際には、右打ちにてゲート28、第2始動口21、第1大入賞口30および第2大入賞口35への入球を狙うこととなる。そして、第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35および一般入賞口27の何れかに遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(「賞球」ともいう)が払い出される。
また、図3及び図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示および停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)、第2特別図柄を変動表示および停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)、及び、普通図柄を変動表示および停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)が含まれている。また、主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、及び、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
また、主表示器40には、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が大当りになった場合に、実行される大当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46、及び、遊技球の発射方向、すなわち右打ちすべき状態か左打ちすべき状態かを示す発射方向表示器47が含まれている。これら主表示器40に含まれる各種表示器は後述の主制御部によって表示制御される。第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球を契機として行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球を契機として行われる。尚、以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部43ということがある。
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20または第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択される一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報、特定態様)である場合(すなわち、大当り図柄等の当り図柄である場合)には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30または第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当り遊技)が行われる。尚、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは、「i〜p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第1特別図柄当否判定の結果として「7R第1〜第4大当り」の4種類の大当りが設けられており(図8を参照)、第1特別図柄表示器41aのLEDは、それら4種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様)を採ることが可能となっている。具体的には、第1特別図柄当否判定の結果が7R第1大当りとなった場合には「ijn」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(7R第1大当り図柄)、7R第2大当りとなった場合には「ino」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(7R第2大当り図柄)、7R第3大当りとなった場合には「inp」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(7R第3大当り図柄)、7R第4大当りとなった場合には「ijo」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(7R第4大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
一方、第2特別図柄表示器41bは、「a〜h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第2特別図柄当否判定の結果として「15R第5〜第7大当り」の3種類の大当りが設けられており(図8を参照)、第2特別図柄表示器41bのLEDは、それら3種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様)を採ることが可能となっている。具体的には、第2特別図柄当否判定の結果が15R第5大当りとなった場合には「abd」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(15R第5大当り図柄)、15R第6大当りとなった場合には「abg」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(15R第6大当り図柄)、15R第7大当りとなった場合には「abc」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(15R第7大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「eh」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
尚、特別図柄の停止表示態様(停止図柄)は、これらに限定されるものではなく、任意に設定することができる。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば、予め定められた順序で光が左から右へ繰り返し流れるように各LEDを点灯させる態様とすることができる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留(取得情報)の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値はそれぞれ「4」となっている。これら第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部を、夫々「第1取得情報記憶手段」および「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。
このような特図保留の数は、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には、第1特図保留表示器43aは「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とすることができる。また、保留数が「3」の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数が「4(上限数)」の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させる表示態様とすることができる。
一方、第2特図保留表示器43bは「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数「1」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には、図4に示す通り、普通図柄表示器42は「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。尚、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数には上限が設定されており、本実施例における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。そして、普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には、普図保留表示器44は「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数「2」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
次に図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行などの遊技進行に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい、「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板90(「サブ制御部」ともいい、「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7に表示される演出図柄8、演出表示器102に表示される図柄、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部)等を備えている。また、図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107および画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上にはサブ制御基板90を収納したサブ制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、所定のプログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、上述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部)と普図保留記憶部とが設けられている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的には、センサ類として、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ49aおよび一般入賞口センサ27aが接続されている。これら各種センサを「遊技球検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて、第2大入賞口35に入球した遊技球のうち特定領域39を通過した遊技球を検知するものである。非特定領域センサ49aは、第2大入賞口35内の非特定領域49に設けられて、第2大入賞口35に入球した遊技球のうち非特定領域49を通過した遊技球を検知するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて一般入賞口27に入球した遊技球を検知するものである。そして、遊技制御用マイコン81(主制御部80)のRAMには、これらの各センサ(遊技球検知手段)による遊技球の検知数を計数、記憶するための領域が設けられており、遊技制御用マイコン81の制御(プログラム)により、各センサによる検知数を計数することが可能となっている(計数手段)。
また、ソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38および可動片ソレノイド151が接続されている。これら各種ソレノイドを「駆動手段」ともいう。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の羽根部材23を駆動するためのもので、第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。また、第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのもので、可動片ソレノイド151は、第2大入賞装置36の可動片150を駆動するものである。さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47および当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1を参照)が含まれる。
払出制御基板110は、所定のプログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。遊技者による発射ハンドル60の操作があった場合には、タッチセンサ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。
また、主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、サブ制御基板90には、所定のプログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って遊技演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。尚、サブ制御基板90(サブ制御部)や画像制御基板100(画像制御部)、音声制御基板106(音声制御部)、ランプ制御基板107(ランプ制御部)は、遊技の状況に応じて表示演出や音演出、ランプ演出等の各種演出を実行する演出実行手段として機能するものである。
サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字及び記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示および停止表示に合わせて変動表示および停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数および第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数および第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)の略全体を被覆したりすることで、演出図柄8や第1演出保留9a、第2演出保留9b等、表示画面7aに表示される各種画像の一部または全部が視認できない状態になることがあるため、この様な表示器が設けられている。尚、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、または加えて、VDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROMに音響データを格納してもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
さらに、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動装飾部材14を動作させる。可動装飾部材14は、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
また、サブ制御基板90には、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63b(図1を参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチからの信号がサブ制御基板90に入力される。尚、第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dを総称して単に「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御について説明する。本実施例では、特別図柄当否判定の結果として「大当り」と「外れ」がある。「大当り」のときには、特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示され、「外れ」のときには、特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。大当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、第1大入賞口30または第2大入賞口35を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」という。
大当りには複数の種別がある。図6に示すように大当りの種別としては、「7R第1大当り」、「7R第2大当り」、「7R第3大当り」、「7R第4大当り」、「15R第5大当り」、「15R第6大当り」および「15R第7大当り」の計7種類がある。「7R第1〜第4大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口35)を開放させるラウンドの実行回数(ラウンド数)が7回の大当り(7R大当り)で、「15R第5〜第7大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口35)開放させるラウンドの実行回数(ラウンド数)が15回の大当り(15R大当り)である。尚、ラウンドを、単に「R」ともいい、「ラウンド遊技」ともいう。
これらの大当りに係る大当り遊技の各ラウンドでは、第1大入賞口30および第2大入賞口35のうち一方が開放した状態(入球可能状態、遊技球受入可能状態)となり、他方は閉鎖した状態(入球不能状態、遊技球受入不能状態)となる。すなわち、2つの大入賞口30,35が同時に開放することはなく、何れか一方が開放する。具体的には、7R大当りの場合、1ラウンド目、2ラウンド目、4ラウンド目、6ラウンド目および7ラウンド目では第2大入賞口35(上大入賞口)が開放して第1大入賞口30(下大入賞口)が閉鎖し、3ラウンド目および5ラウンド目では第1大入賞口30(下大入賞口)が開放して第2大入賞口35(上大入賞口)が閉鎖する。
ここで、本実施例では、1ラウンド目と2ラウンド目を区別なく1つのラウンドとして認識し得るようにしてあり、また、6ラウンド目と7ラウンド目についても同様に、両者を区別なく1つのラウンドとして認識し得るようにしてある。このため、1ラウンド目〜7ラウンド目は、見かけ上、5ラウンド分の開放として、第1大入賞口30(下大入賞口)と第2大入賞口35(上大入賞口)とが、第2大入賞口35(上大入賞口)の開放を先として交互に開放するものとなっている。
また、15R大当りの場合、1ラウンド目〜7ラウンド目では、前述の7R大当りと同じ態様で第1大入賞口30(下大入賞口)と第2大入賞口35(上大入賞口)の開閉を行う。そして、8ラウンド目〜15ラウンド目のうち、偶数ラウンドでは第1大入賞口30(下大入賞口)が開放して第2大入賞口35(上大入賞口)が閉鎖し、奇数ラウンドでは第2大入賞口35(上大入賞口)が開放して第1大入賞口30(下大入賞口)が閉鎖するものとなっている。つまり、8ラウンド目以降は、第1大入賞口30(下大入賞口)と第2大入賞口35(上大入賞口)とが、第1大入賞口35(下大入賞口)の開放を先として交互に開放する。このため、15R大当り遊技の1ラウンド目〜15ラウンド目は、前述の1ラウンド目〜7ラウンド目の開放を考慮すると、見かけ上、13ラウンド分の開放として、第1大入賞口30(下大入賞口)と第2大入賞口35(上大入賞口)とが、第2大入賞口35(上大入賞口)の開放を先として交互に開放するものとなっている。
また、各ラウンド間には所定のインターバル時間(閉鎖時間)が設定される。本実施例では、各ラウンド間のインターバル時間を1000ms(1秒)としている。尚、インターバル時間は本実施例で示す時間に限定されるものではなく、大当り遊技の仕様に応じて適宜設定可能である。
ここで、大当り遊技中の大入賞口開放パターン(大入賞口の開閉動作の態様)について説明する。まず、第1大入賞口30が開放する3ラウンド目、5ラウンド目および8ラウンド目以降の偶数ラウンド(8ラウンド目以降は15R大当りの場合)では、第1大入賞口30をラウンド開始から25000ms(25秒)が経過するまで開放させ、25000ms(25秒)の経過により閉鎖させて、ラウンドを終了させる。つまり、開放時間25000ms、開放回数1回の開放パターンで第1大入賞口30の開放を行う。この開放パターンで開放する第1大入賞口30には、右打ちを行うことで遊技球を容易に入球させることが可能となる。
また、第2大入賞口35が開放する4ラウンド目および8ラウンド目以降の奇数ラウンド(8ラウンド目以降は15R大当りの場合)では、図49(b)に示すように、第2大入賞口35をラウンド開始から100ms(0.1秒)だけ開放させた後、1000ms(1秒)の閉鎖を経て、16000ms(16秒)の開放1回と、1000ms(1秒)の開放1回と、4000ms(4秒)の開放1回と、1000ms(1秒)の開放2回と、100ms(0.1秒)の開放1回とを、この順で各開放の間に1000ms(1秒)の閉鎖を挟みつつ行い、その後、ラウンドを終了させる。つまり、開放時間23200ms、開放回数7回の開放パターンで、第2大入賞口35の開放を行う。この開放パターンで開放する第2大入賞口35には、右打ちを行うことで、16000ms(16秒)および4000ms(4秒)の開放時に遊技球を容易に入球させることが可能となり、その他の開放時(1秒開放、0.1秒開放)では遊技球が入球する場合もあれば入球しない場合もある。
また、2ラウンド目および7ラウンド目では、第2大入賞口35を開放させるが、当該開放の開始(最初の開放開始)を契機に可動片150を動作させるものとしている。そして、前述の7種類の大当りのうち、「7R第1大当り」、「7R第2大当り」、「7R第3大当り」、「15R第5大当り」および「15R第6大当り」については、2ラウンド目および7ラウンド目の少なくとも一方において、第2大入賞口35を、特定領域39への遊技球の通過が容易(可能)な態様で開放させる大当り(「V通過予定大当り」ともいう)となっている。一方、「7R第4大当り」および「15R第7大当り」については、2ラウンド目および7ラウンド目において、第2大入賞口35を、特定領域39への遊技球の通過が困難(不可能)な態様で開放させる大当り(「V未通過予定大当り」ともいう)となっている。つまり、「V通過予定大当り」は、後述の高確率状態を発生させる(特典を付与する)ことが前提の大当りとなっており、「V未通過予定大当り」は、後述の高確率状態を発生させない(特典を付与しない)ことが前提の大当りとなっている。
尚、可動片150が動作するラウンド(本実施例では2ラウンド目および7ラウンド目)のことを「Vラウンド」ともいい、可動片150が動作しないラウンド(本実施例では1ラウンド目、3ラウンド目〜6ラウンド目、8ラウンド目〜15ラウンド目)のことを「非Vラウンド」または「通常ラウンド」ともいう。
ここで、Vラウンド(2ラウンド目および7ラウンド目)における第2大入賞口35の開閉動作態様(開放パターン)と可動片150の動作態様(動作パターン)について説明する。図49(a)の上段に示すように、「V通過予定大当り」では、2ラウンド目および7ラウンド目のうち少なくとも一方のVラウンドにおける第2大入賞口35の開放パターンを、前述した4ラウンド目や8ラウンド目以降の奇数ラウンド、すなわち、第2大入賞口35が開放する非Vラウンド(通常ラウンド)における2回目以降の開放(2回目〜7回目の開放)と同じ態様としている(図49(a)上段および図49(b)を参照)。そして、第2大入賞口35をラウンド開始から16000ms(16秒)が経過するまで開放させる際の当該開放(1回目の開放)を契機として、可動片150の動作制御を開始させる。具体的には、第2大入賞口35の1回目の開放開始(つまり、ラウンド開始)から80msが経過した時点で80msだけ動作状態(可動片ソレノイド151をON)とした後に非動作状態(可動片ソレノイド151をOFF)とし、その後、2840ms(約2.8秒)が経過した時点で、再度、動作状態(可動片ソレノイド151をON)とし、この状態を最大21000ms(21秒)が経過するまで維持する。
このため、「V通過予定大当り」におけるVラウンド(2ラウンド目および7ラウンド目の少なくとも一方)では、ラウンド開始から3000ms(3秒)が経過したところで可動片150が継続的に動作状態となるので、当該ラウンド開始から16000ms(16秒)のうち後の13000ms(13秒)の間は、第2大入賞口35に入球した遊技球が特定領域39を通過することが可能となる。また、16000ms(16秒)の開放が終了した後も、1000ms(1秒)の閉鎖を挟みつつ、1000ms(1秒)の開放1回と、4000ms(4秒)の開放1回と、1000ms(1秒)の開放2回と、100ms(0.1秒)の開放1回とを、それぞれ順に行うので、それらの開放の際にも、遊技球が第2大入賞口35に入球して特定領域39を通過する可能性がある。これにより、「V通過予定大当り」は、大当り遊技終了後の遊技状態が後述の高確率状態となる可能性が高い大当りとなる。尚、このような開放パターン、すなわち開放時間23100ms、開放回数6回の開放パターン(「ロング開放パターン」ともいう)で開放する第2大入賞口35には、右打ちを行うことで、16000ms(16秒)および4000ms(4秒)の開放時に遊技球を容易に入球させることが可能となり、その他の開放時(1秒開放、0.1秒開放)では遊技球が入球する場合もあれば入球しない場合もある。また、第2大入賞口35がロング開放パターンで開放するVラウンドでは、ラウンド開始から3000ms(3秒)の間に、ラウンド終了条件を成立させることとなる規定数(本例では10個)の遊技球が第2大入賞口35に入球することは通常ではあり得ないので、第2大入賞口35を狙って遊技球を普通に発射している限り、遊技球が特定領域39を通過せずに当該Vラウンドが終了してしまうことは、まず起こり得ない。
一方、図49(a)の下段に示すように、「V未通過予定大当り」では、2ラウンド目および7ラウンド目の第2大入賞口35の開放パターンを、前述の第2大入賞口35が開放する非Vラウンド(4ラウンド目など)における7回目の開放と同じ態様としている(図49(a)下段および図49(b)を参照)。そして、Vラウンドの開始(第2大入賞口35の開放開始)から可動片150を「V通過予定大当り」と同じ態様で動作制御し、100ms(0.1秒)の開放時間の経過により第2大入賞口35を閉鎖させて(一瞬開閉)、当該ラウンドを終了させる。つまり、開放時間100ms、開放回数1回の開放パターン(「ショート開放パターン」ともいう)で、第2大入賞口35の開放を行う。このため、「V未通過予定大当り」では、Vラウンドにおいて遊技球が第2大入賞口35に入球する可能性は極めて低いもの(実質的に不可能)となり、遊技球が特定領域39を通過する可能性も極めて低いもの(実質的に不可能)となる。これにより、「V未通過予定大当り」は、大当り遊技終了後の遊技状態が後述の高確率状態となる可能性が低い(無い)大当り、換言すると、後述の通常状態(低確率状態)となる可能性が高い大当りとなる。
このように、本実施例では、大当り遊技を構成する複数回のラウンドのうち、2ラウンド目および7ラウンド目を、特定領域39への遊技球の通過有無に基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を高確率状態とするか否かを決定するVラウンドとしている。そして、「V通過予定大当り」では、2ラウンド目および7ラウンド目のうち少なくとも一方のVラウンドを、第2大入賞口35がロング開放パターンで開放する「V通過予定ラウンド」として行い、「V未通過予定大当り」では、2ラウンド目および7ラウンド目の両方のVラウンドを、第2大入賞口35がショート開放パターンで開放する「V未通過予定ラウンド」として行うものとしている。
また、本実施例では、「V通過予定大当り」として、2ラウンド目および7ラウンド目のうち一方を「V通過予定ラウンド」として行い他方を「V未通過予定ラウンド」として行う大当りと、2ラウンド目および7ラウンド目の両方を「V通過予定ラウンド」として行う大当りとを設けている。すなわち、「V通過予定大当り」のうち、「7R第1大当り」、「7R第2大当り」、「15R第5大当り」および「15R第6大当り」では、2ラウンド目および7ラウンド目のうち一方のVラウンドを「V通過予定ラウンド」として行い、他方のVラウンドを「V未通過予定ラウンド」として行うものとしている。具体的には、「7R第1大当り」および「15R第5大当り」では7ラウンド目を「V通過予定ラウンド」として行い、「7R第2大当り」および「15R第6大当り」では2ラウンド目を「V通過予定ラウンド」として行うものとしている。一方、「V通過予定大当り」のうち「7R第3大当り」では、2ラウンド目および7ラウンド目の両方を「V通過予定ラウンド」として行うものとしている。
尚、Vラウンドのことを「特定ラウンド」または「特定ラウンド遊技」ともいい、第2大入賞口35がロング開放パターンで開放するVラウンド(すなわち「V通過予定ラウンド」)のことを「第1特定ラウンド」または「第1特定ラウンド遊技」ともいい、第2大入賞口35がショート開放パターンで開放するVラウンド(すなわち「V未通過予定ラウンド」)のことを「第2特定ラウンド」または「第2特定ラウンド遊技」ともいう。また、非Vラウンド(通常ラウンド)のことを「非特定ラウンド」または「非特定ラウンド遊技」ともいう。
次に、Vラウンドの1つ前のラウンド(「V前ラウンド」ともいう)、すなわち、1ラウンド目および6ラウンド目における第2大入賞口35の開放パターンについて説明する。1ラウンド目および6ラウンド目における第2大入賞口35の開放パターンは、Vラウンドでの第2大入賞口35の開放パターンによって異なるものとなっている。すなわち、Vラウンドでの第2大入賞口35の開放パターンが「ロング開放パターン」であるか「ショート開放パターン」であるかによって、当該Vラウンドに係るV前ラウンド(1ラウンド目または6ラウンド目)の開放パターンが異なる。
Vラウンドでの第2大入賞口35の開放パターンが「ロング開放パターン」である場合、すなわち、Vラウンドが「V通過予定ラウンド」である場合、当該Vラウンドの1つ前のラウンドの第2大入賞口35の開放パターンを、前述の第2大入賞口35が開放する非Vラウンド(4ラウンド目など)における1回目の開放(100msの開放)と同じ態様としている(図49(a)上段および図49(b)を参照)。尚、この開放パターンで開放する第2大入賞口35に遊技球が入球する可能性は極めて低いもの(実質的に不可能)となる。
一方、Vラウンドでの第2大入賞口35の開放パターンが「ショート開放パターン」である場合、すなわち、Vラウンドが「V未通過予定ラウンド」である場合、当該Vラウンドの1つ前のラウンドにおける第2大入賞口35の開放パターンを、前述の第2大入賞口35が開放する非Vラウンド(4ラウンド目など)における1回目〜6回目の開放と同じ態様としている(図49(a)下段および図49(b)を参照)。尚、この開放パターンで開放する第2大入賞口35には、右打ちを行うことで、16000ms(16秒)および4000ms(4秒)の開放時に遊技球を容易に入球させることが可能となり、その他の開放時(1秒開放、0.1秒開放)では遊技球が入球する場合もあれば入球しない場合もある。
このように、V前ラウンド(1ラウンド目および6ラウンド目)において、第2大入賞口35が開放する非Vラウンド(4ラウンド目など)での第2大入賞口35の開放パターンの一部を実行するものとし、当該ラウンドとVラウンドとをインターバル時間(1000ms)を挟んで連続させる(繋げる)ことで、この連続する2つのラウンドを、見かけ上、第2大入賞口35が開放する1つの非Vラウンド(4ラウンド目など)と同様とすることが可能となる。
具体的には、2ラウンド目が「V通過予定ラウンド」である場合、その前のラウンド(V前ラウンド)である1ラウンド目の第2大入賞口35の開放パターンを100msの開放1回とし、この1ラウンド目(1回開放)と2ラウンド目(6回開放)とをインターバル時間(1000ms)を挟んで連続させることで、1ラウンド目および2ラウンド目が、第2大入賞口35が開放する1つの非Vラウンド(4ラウンド目など)と同じ態様のラウンドとして認識し得るものとなる(図49(a)上段および図49(b)を参照)。つまり、1ラウンド目と2ラウンド目とを連続させた第2大入賞口35の開放パターンが、開放時間23200ms、開放回数7回の開放パターンと同様となる。
また、2ラウンド目が「V未通過予定ラウンド」である場合、その前のラウンド(V前ラウンド)である1ラウンド目の第2大入賞口35の開放パターンを、100msの開放1回と、16000msの開放1回と、1000msの開放1回と、4000msの開放1回と、1000msの開放2回とを、この順で各開放の間に1000ms(1秒)の閉鎖を挟みつつ行うものとする。この場合においても、1ラウンド目(6回開放)と2ラウンド目(1回開放)とをインターバル時間(1000ms)を挟んで連続させることで、1ラウンド目および2ラウンド目が、第2大入賞口35が開放する1つの非Vラウンドと同じ態様のラウンドとして認識し得るものとなる(図49(a)下段および図49(b)を参照)。つまり、1ラウンド目と2ラウンド目とを連続させた第2大入賞口35の開放パターンが、開放時間23200ms、開放回数7回の開放パターンと同様となる。また、6ラウンド目(V前ラウンド)および7ラウンド目(Vラウンド)についても、1ラウンド目目(V前ラウンド)および2ラウンド目(Vラウンド)と同様の態様で第2大入賞口35の開放を行う。これにより、遊技者にとっては、第2大入賞口35が開放するラウンドがVラウンドであるのか非Vラウンド(通常ラウンド)であるのかを第2大入賞口35の開放パターンを通じて判別することは、難いものとなる。
また、詳細は後述するが、本実施例のパチンコ遊技機1では、2回のVラウンド(2ラウンド目、7ラウンド目)のうち、1回目のVラウンド(先の特定ラウンド遊技)、すなわち2ラウンド目のVラウンドに関しては、原則、Vラウンドである旨やVラウンドの結果(V通過・非通過)等を明示せず(報知せず)、非Vラウンド(通常ラウンド)として遊技者に認識させるものとしている。つまり、1回目のVラウンドの実行(存在)を遊技者にとって判り難いものとしている。これに対し、2回目のVラウンド(後の特定ラウンド遊技)、すなわち7ラウンド目のVラウンドに関しては、当該VラウンドでのV通過を報知可能としている。
ここで、大当り種別ごとの「V前ラウンド」と「Vラウンド」における第2大入賞口35の開放パターンについて整理しておくと、図50に示すように、「7R第1大当り」および「15R第5大当り」は、1ラウンド目(V前ラウンド)が6回開放、2ラウンド目(Vラウンド)がショート開放(V未通過予定ラウンド)となっており、6ラウンド目(V前ラウンド)が1回開放、7ラウンド目(Vラウンド)がロング開放(V通過予定ラウンド)となっている。また、「7R第2大当り」および「15R第6大当り」は、1ラウンド目(V前ラウンド)が1回開放、2ラウンド目(Vラウンド)がロング開放(V通過予定ラウンド)となっており、6ラウンド目(V前ラウンド)が6回開放、7ラウンド目(Vラウンド)がショート開放(V未通過予定ラウンド)となっている。また、「7R第4大当り」および「15R第7大当り」は、1ラウンド目および6ラウンド目(V前ラウンド)が共に6回開放、2ラウンド目および7ラウンド目(Vラウンド)が共にショート開放(V未通過予定ラウンド)となっている。また、「7R第3大当り」1ラウンド目および6ラウンド目(V前ラウンド)が共に1回開放、2ラウンド目および7ラウンド目(Vラウンド)が共にロング開放(V通過予定ラウンド)となっている。
第1特別図柄(特図1)の当否判定における各大当りの振分確率は、7R第1大当りが25%、7R第2大当りが20%、7R第3大当りが5%、7R第4大当りが50%となっており、V通過予定大当りとV未通過予定大当りに分けると、V通過予定大当りが50%、V未通過予定大当りが50%となっている(図6、図8を参照)。これに対して、第2特別図柄(特図2)の当否判定における各大当りの振分確率は、15R第5大当りが40%、15R第6大当りが40%、15R第7大当りが20%となっており、V通過予定大当りとV未通過予定大当りに分けると、V通過予定大当りが80%、V未通過予定大当りが20%となっている(図6、図8を参照)。すなわち、後述の開放延長機能の作動(高ベース状態の発生)により入球容易となった第2始動口21への入球に基づく第2特別図柄の当否判定により大当りとなった場合には、第1始動口20への入球に基づく第1特別図柄の当否判定によって大当りになった場合に比べ、15R大当りとなる可能性が高く、V通過予定大当りとなる可能性も高くなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(第1特別図柄当否判定)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(第2特別図柄当否判定)において大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。このため、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能の作動中においては顕著である。
ここで、本パチンコ遊技機1では、大当りか外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」、「図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0〜629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0〜99」までの範囲で値をとる。また、第1始動口20や第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数および大当り種別決定用乱数の他に「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。
変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数であり、「0〜198」までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数であり、「0〜240」までの範囲で値をとる。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄および普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能および開放延長機能の各機能が作動状態または非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」や「確変状態」といい、作動していない状態を「低確率状態」や「通常状態」という。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行うものの、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(図8(A)を参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。
また、特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9を参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しないものとなっている。このため、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなる。具体的に、時短状態では、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(C)を参照)。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(D)を参照)。さらに時短状態では、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放時間延長機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。加えて時短状態では、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。具体的には、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の羽根部材23が0.2秒の開放動作を1回行い、時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の羽根部材23が2.0秒の開放動作を3回行うものとなっている。
普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球(持ち球)を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
尚、高ベース状態(高頻度状態)は、上記した全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときに比べ第2始動口21が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生させる機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
本実施例のパチンコ遊技機1では、7R第1大当り、7R第2大当り、7R第3大当り、15R第5大当りおよび15R第6大当りの何れかになった場合の特別遊技後の遊技状態は、その特別遊技中に特定領域39への遊技球の通過がなされていれば、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態のことを「高確高ベース状態」ともいう。高確高ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。この高確高ベース状態は、高確率状態であることが遊技者にとって明らかな状態となり、遊技者にとってはいわゆる「確変遊技状態」となる。尚、特定領域39への遊技球の通過がなされていなければ、特別図柄の通常状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態(低確高ベース状態)となる。
また、7R第4大当りおよび15R第7大当りの何れかになった場合の特別遊技後の遊技状態は、その特別遊技中に遊技球が特定領域39を通過することは極めて困難であるので、特別図柄の通常状態になるとともに、特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態のことを「低確高ベース状態」ともいう。低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。尚、可能性は限りなく低い(ゼロに近い)が、仮に遊技球が特定領域39を通過した場合には「高確高ベース状態」となる。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより、左打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域3Bを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(右打ち指示報知)。
これに対して、低ベース状態(例えば低確低ベース状態)では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより、右打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域3Aを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(左打ち指示報知)。
ここで、発射方向表示器47は「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
尚、本実施例のパチンコ遊技機1では、「低確低ベース状態」を基準の遊技状態とし、この「低確低ベース状態」よりも遊技者にとって有利な遊技状態として「低確高ベース状態」と「高確高ベース状態」の2つの遊技状態を設定可能としている。これに加え、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態、すなわち「高確低ベース状態」を設定可能としてもよい。
[主制御メイン処理]
次に、図10〜図38に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(主制御部80による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから図10に示す主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、初期設定を行う(S101)。初期設定では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず、出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄(大当り図柄)、変動パターン等に関する情報等が含まれる。尚、コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。この場合、上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、一般入賞口センサ27a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a等)が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検知する下皿満杯検知センサからの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、始動入球時処理(S205)、普図動作処理(S206)、特図動作処理(S207)、特定領域センサ検知処理(S208)、非特定領域センサ検知処理(S209)、保留球数処理(S210)および電源断監視処理(S211)を実行し、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは、主制御メイン処理のS102〜S104の処理が繰り返し実行され(図10を参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)では、まず、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305に進み、ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4未満であるか否か判定する(S302)。
普通図柄保留球数が4未満でなければ(S302でNO)、S305の処理に移行する。一方、普通図柄保留球数が4未満であれば(S302でYES)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H、図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)には、S309の処理に移行し、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S306)。そして、特図2保留球数が4未満でない場合(S306でNO)には、S309に移行し、特図2保留球数が4未満である場合には(S306でYES)、特図2保留球数に1を加算する(S307)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部のうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4未満でない場合(S310でNO)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4未満である場合には(S310でYES)、特図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部のうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[始動入球時処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで始動入球時処理(S205)を行う。図13に示すように、始動入球時処理(S205)では、まず、特図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S315)。そして、特図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S315でYES)、S316の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。
一方、特図2保留球数が増加していないと判定した場合(S315でNO)、S319の処理に移行する。S316では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S316)。次いで、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S317)。S317では、読み出した取得乱数値のうち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)については、現在の遊技状態(低確率状態か高確率状態か)に応じて大当りか外れかを判定し、当該判定の結果が大当りである場合には、さらに大当りの種別を判定する。このS317による判定は、特図2保留についての当否判定(大当りか否かの判定)を、後述の特図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303,S1304)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
尚、大当りか否かの事前判定は、大当り判定テーブル(図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブルに基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することが可能である。また、他の事前判定態様として、変動パターン情報を判定可能な変動パターン情報判定テーブルとして、通常状態用(低確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、高確率状態用(高確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、を有するものとする。そして、事前判定においては、取得乱数値(特別図柄当否判定用乱数カウンタの値等)と、遊技状態に応じた変動パターン情報判定テーブルと、に基づいて、所定の変動パターン情報を選択するものとすることが可能である。そして、この選択した変動パターン情報から、大当りかどうかや大当り種別、大当り信頼度の高い遊技演出が実行されるかどうか等を識別可能とすることができる。
次いでS318では、S317による判定の結果に係る遊技情報(事前判定情報)、具体的には、特別図柄当否判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否かを示す情報(当否情報)や、大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)を示す情報、変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報等を含むコマンドデータを、特図2始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S318)。尚、特図2始動入球コマンドとして、S316で読み出した特図2取得乱数の値の一部または全部を、そのままサブ制御基板に送信するようにしてもよいし、特図2取得乱数の値はそのまま送信せず、特図2取得乱数の値に基づいて取得した遊技情報(例えば、前述の変動パターン情報等)を送信するようにしてもよい。
また、主制御部80から送信した特図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるかどうか、大当り種別は何れであるか等を、サブ制御部90が識別できるものとされている。また、本実施例では、これに加えて、特図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、及び低確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、を特定可能とされている。これにより、サブ制御部90は、受信した特図2始動入球コマンドを保留(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該演出保留情報を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているかどうかを判定することが可能となる。
尚、不正防止の観点から、S316で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報とを含むコマンドデータを特図2始動入球コマンドとして生成し、これをセットすることが可能である。
次いでS319では、前述の特図2に係る処理と同様に、特図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S319)。そして、特図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S319でYES)、S320の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S319で、特図1保留球数が増加していないと判定した場合(S319でNO)、そのまま処理を終える。
S320では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S320)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S320でYES)、そのまま処理を終える。一方、S320で時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S320でNO)、S321以降の事前判定に係る処理に進む。ここで、時短フラグがONである場合、すなわち現在の遊技状態が高ベース状態である場合、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特図2の当否判定(図8(B)を参照)が行われやすい状態となっている。また、本実施例では、後述するように特図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するもの(所謂特図2優先変動機)としている。このような構成において、例えば、特図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、特図2保留消化の優先を利用して、任意のタイミングで特図2保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このように大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このため、現在の遊技状態が低ベース状態でなく高ベース状態である場合には(S320でYES)、S321以降の特図1の事前判定に係る処理を行わず、本処理を終えることとしている。
S321〜S323の処理は、前述したS316〜S318と同様の処理を特図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S321)、読み出した取得乱数値について事前判定を行い(S322)、この事前判定に係る遊技情報を含むコマンドデータを特図1始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S323)。尚、S322の事前判定(保留先読み)は、後述の特図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603,S1604)に先立って行うものである。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動入球時処理(S205)に次いで、図14に示す普図動作処理(S206)を行う。普図動作処理(S206)では、普通図柄表示器42及び可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚、普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図15に示すように、普通図柄待機処理(S402)では、まず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)、この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行い(S502)、次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。普通図柄変動パターン選択処理(S503)を終えたら、後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行い、次いで、普通図柄変動開始処理(S505)を行い、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンに基づいて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また、普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図16に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)では、まず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONであるか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定した場合(S602でYES)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」〜「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定した場合(S602でNO)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。そして、S605で、普図当否判定(S603、S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判定し(S605)、外れと判定された場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定された場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
図17に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)では、まず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図18に示すように、普通図柄変動中処理(S404)では、まず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行って(S804)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図19に示すように、普通図柄確定処理(S406)では、まず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして、時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]
図20に示すように、普通電動役物処理(S407)では、まず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)、処理を終え、至っていれば(S1003でYES)、第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)、第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
そして、第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(羽根部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対して、S1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903またはS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFにするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFにし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S206)に次いで特図動作処理(S207)を行う。特図動作処理(S207)では、図21に示すように、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「特図動作ステータス」が「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「特図動作ステータス」が「3」である場合には(S1101、S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101、S1103、S1105の全てがNO)、大当り遊技としての特別電動役物処理(S1107)を行う。尚、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S1102)では、まず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、待機画面とする処理中であれば(S1211でYES)、処理を終え、待機画面とする処理中でなければ(S1211でNO)、待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
S1201において特図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYES)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(図8(B))。
[特図2当否判定処理]
図23に示すように、特図2当否判定処理(S1202)では、まず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、大当り判定テーブル(図8(A))のうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブル(図8(A))のうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1304)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
大当り判定(S1303,S1304)の結果が「大当り」と判定した場合(S1305でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1307)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1308)、大当りフラグをONにして(S1309)、処理を終える。一方、大当り判定(S1303、S1304)の結果が「大当り」でないと判定した場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1306)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。ここで、大当り判定(特別図柄当否判定)や大当り種別決定判定を、夫々「判定」といってもよいし、大当り判定を行い何れの大当り図柄となるかを含めて「判定」といってもよい。また、これらの結果を「判定結果」ということもある。
ここで、ラウンド表示器45は、7R用ランプ及び15R用ランプの2個のLEDで構成されている。そして、例えば、7R大当りとなると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、7R用ランプが点灯表示される。具体的には、「7R▲15R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。また、15R大当りとなると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、15R用ランプが点灯表示される。具体的には、「7R△15R▲」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。
[特図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(図22)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。図24及び図25に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)では、まず、遊技状態が時短状態であるか否か(時短フラグがONであるか否か)を判定する(S1401)。S1401で、時短状態でないと判定した場合(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、次いで、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1402)。S1402で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1402でYES)、非時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。本実施例では、変動パターンP1乃至P3の何れかが選択される。尚、本実施例では、変動パターンが決まれば変動時間も決まるものとされている。次いで、S1404の処理に移行する。
一方、S1402で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1402でNO)、次いで第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」であるか否かを判定する(S1405)。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は「1」〜「4」の何れかの値とされる。そして、S1405で、保留数が「1」又は「2」であると判定した場合(S1405でYES)、第1保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1,2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。本実施例では、変動パターンP4乃至P7の何れかが選択される。一方、S1405で、保留数が「1」又は「2」でない、すなわち「3」又は「4」であると判定した場合(S1405でNO)、第2保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「3,4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例では、変動パターンP8乃至P11の何れかが選択される。また、第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。また、選択可能な最も短時間の変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。
また、S1401で、時短状態であると判定した場合(S1401でYES)、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1408)。S1408で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1408でYES)、時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。本実施例では、変動パターンP12乃至P14の何れかが選択される。
一方、S1408で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1408でNO)、次いで保留数が「1」であるか否かを判定する(S1410)。ここでいう保留数も前述と同様であり、保留数は「1」〜「4」の何れかの値とされている。S1410で、保留数が「1」であると判定した場合(S1410でYES)、第3保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「1」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP15乃至P18の何れかが選択される。また、S1410で、保留数が「1」でない、すなわち、保留数が「2」〜「4」の何れかであると判定した場合(S1410でNO)、第4保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「2〜4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP19乃至P22の何れかが選択される。ここで、時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンは、非時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンと比較して、短い変動パターンが選択される可能性が高くされている。これは、時短状態において変動時間の短い変動パターンがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早める(時短中の遊技を迅速に進行させる)ためである。
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、図24に示すその他の処理を行い(S1404)、処理を終える。その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする等の処理を行う。また、この処理でセットされた変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御部90に送信される。
[特図2乱数シフト処理]
図26に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)では、まず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部がアドレス「0000」〜「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図22に示す特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
図22の特別図柄待機処理(S1102)において、特図2保留球数が「0」であり、かつ、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
[特図1当否判定処理]
図27に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図23に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601〜S1609)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出して処理を行う。
[特図1変動パターン選択処理]
図28及び図29に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図24及び図25に示した特図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の流れで処理(S1701〜S1712)を行う。従って本処理の詳細な説明は省略する。
[特図1乱数シフト処理]
図30に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)では、まず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図22に示す特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図31に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)では、まず、特別図柄の変動時間(図22のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図9を参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONであるか否か判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1905)。S1905で確変カウンタが「0」であると判定した場合、確変フラグをOFFし、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合と(S1903でNO)、確変カウンタが「0」でないと判定した場合には(S1905でNO)、S1907の処理に移行する。
そしてS1907では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」か否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合と(S1907でNO)時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合には(S1909でNO)、S1911の処理に移行する。
S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]
図32に示すように、特別図柄確定処理(S1106)では、まず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、続いて大当りの種別が15R大当り(15R第5〜第7大当りの何れか)であるか否かを判定する(S2002)。大当りの種別が15R大当りであると判定した場合(S2002でYES)、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値に「15」をセットし(S2003)、S2009の処理に移行する。
S2002で、大当りの種別が15R大当りでないと判定した場合(S2002でNO)、大当り種別は7R大当り(7R第1大当り〜第4大当りの何れか)であるため、ラウンドカウンタの値に「7」をセットし(S2005)、S2009の処理に移行する。
S2009では、大当りの種類に応じた大入賞口開放パターンをセットし(S2009)、S2010の処理に移行する。ここで、前述したように、大入賞口の開放パターンは、大当りの種別に応じて定められている(図6を参照)。具体的には、7R第1大当りであれば7R第1大当り用の開放パターンをセットし、7R第2大当りであれば7R第2大当り用の開放パターンをセットし、7R第3大当りであれば7R第3大当り用の開放パターンをセットし、7R第4大当りであれば7R第4大当り用の開放パターンをセットする。また、15R第5大当りであれば15R第5大当り用の開放パターンをセットし、15R第6大当りであれば15R第6大当り用の開放パターンをセットし、15R第7大当りであれば15R第7大当り用の開放パターンをセットする。そして、夫々の大当り遊技において対応する大当り用開放パターンを実行するものとされる。
尚、前述したように、7R第1大当りおよび15R第5大当りでは、2回のVラウンドのうち、1回目のVラウンド(2R)がV未通過予定ラウンド、2回目(最終回)のVラウンド(7R)がV通過予定ラウンドとしてそれぞれ行われ、7R第2大当りおよび15R第6大当りでは、1回目のVラウンド(2R)がV通過予定ラウンド、2回目(最終回)のVラウンド(7R)がV未通過予定ラウンドとして行われ、7R第3大当り遊技では、1回目および2回目のVラウンド(2Rと7R)がともにV通過予定ラウンドとして行われる。また、7R第4大当り遊技および15R第6大当り遊技では、1回目および2回目のVラウンド(2Rと7R)がともにV未通過予定ラウンドとして行われる。
S2010では、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットする(S2010)。本実施例では、7R第1大当りに対応する第1オープニングコマンド、7R第2大当りに対応する第2オープニングコマンド、・・・15R第7大当りに対応する第7オープニングコマンド、といったように、7R第1〜第4大当り及び15R第5〜第7大当りの各々に対応するオープニングコマンド(第1オープニングコマンド〜第7オープニングコマンド)を予め設けてあり、開始する大当りの種別に応じたオープニングコマンドが、S2010でセットされる。そして、主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、セットしたオープニングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドに基づいて所定の遊技演出の実行処理を行う。
オープニングコマンドのセット(S2010)に次いで、大当り遊技のオープニング期間を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2012)。また、S2001において大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2013)、処理を終える。尚、オープニング期間は、大当り遊技における大入賞口の最初の開放動作を開始する前であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行不能とした後に設定される期間であり、「開始期間」ともいう。また、この「開始期間」に実行する演出を「開始演出(オープニング演出)」ともいう。本実施例では、すべての大当りについて、オープニング期間の長さ(オープニング時間)を一律8000ms(8秒)としており、大当りの種別(オープニングコマンド)に応じたオープニング演出を行うものとしている。
[特別電動役物処理(大当り遊技)]
図33に示すように、特別電動役物処理(S1108)では、まず、確変フラグがONであるか否かを判定し(S2101)、確変フラグがONであると判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFし(S2102)、次いで、時短フラグがONであるか否かを判定する(S2103)。S2103で、時短フラグがONであると判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFし(S2104)、S2105の処理に移行する。尚、S2101で確変フラグがONでないと判定した場合(S2101でNO)、S2102の処理を行うことなくS2103の処理に移行し、S2103で時短フラグがONでないと判定した場合(S2103でNO)、S2104の処理を行うことなくS2105の処理に移行する。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態かつ非時短状態に制御される。本実施例では、非時短状態中は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)の開放処理が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでないと判定した場合(S2105でNO)、次いでラウンドの開始時期かどうかを判定する(S2106)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるかどうかによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、かつ、所定のインターバル期間(本例では1000ms)が終了したかどうかによって判定する。
S2106で、ラウンド開始時期であると判定した場合(S2106でYES)、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットし(S2107)、大入賞口開放処理を行う(S2108)。これにより、大入賞口が開放状態となり所定のラウンドが開始することとなる。尚、S2107では、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドがセットされる。セットされたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。また、S2108の大入賞口開放処理では、実行される大当りの種別に応じて定められた大入賞口開放パターンであって、開始されるラウンドに定められた開放パターンが開始される。
次いで、S2109で、開始するラウンドがVラウンドであるか否か、すなわち、開始するラウンドが、内部に特定領域39を有する第2大入賞口35(「Vアタッカー」ともいう)を開放するラウンドであって、可動片150を動作させるラウンドであるかどうかを判定する(S2109)。本実施例では、2ラウンド目と7ラウンド目が可動片150を動作させるVラウンドに設定されている。
S2109で、開始するラウンドがVラウンド(2ラウンド目または7ラウンド目)でない、すなわち1ラウンド目、3ラウンド目〜6ラウンド目、または8ラウンド目以降であると判定した場合(S2109でNO)、処理を終える。一方、S2109で、開始するラウンドがVラウンド(2ラウンド目または7ラウンド目)であると判定した場合(S2109でYES)、予め定められた特定領域の有効期間を設定するとともに(S2110)、前述した可動片150の動作パターン(特定領域開閉動作パターン)に基づいて可動片150の動作(特定領域39の開閉動作)を開始し(S2111)、処理を終える。
特定領域有効期間設定処理(S2110)では、Vラウンドにおける第2大入賞口35の開放中(可動片150が動作状態にあるとき)および第2大入賞口35の閉鎖後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定する期間(特定領域有効期間)に設定する。尚、本実施例ではこれ以外の期間(特別遊技を実行していないときも含む)は、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定する期間(特定領域無効期間)としている。ここで、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONするということであり、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである(後述の特定領域センサ検知処理(図35)を参照)。
S2106で、ラウンド開始時期でないと判定した場合(S2106でNO)、S2112の処理に移行する。ここで、ラウンド開始時期でないと判定する場合として、例えば、1ラウンド開始前のオープニング期間実行中や、ラウンド実行中や、ラウンド終了後のインターバル期間中や、後述する大入賞口閉鎖処理中を挙げることができる。S2112では、大入賞口開閉動作中かどうか、すなわち、S2108で開始した所定の開放パターンの実行中(ラウンド中)であるか否かを判定する(S2112)。S2112で、大入賞口開閉動作の実行中(ラウンド中)であると判定した場合(S2112でYES)、次いで、実行中のラウンドのラウンド終了条件が成立したか否かを判定する(S2113)。
ここで、本実施例のラウンド終了条件として、(1)実行中のラウンドに定められたラウンド実行時間(大入賞口開放時間)が経過したこと(又は、実行中のラウンドに定められた開放パターンを終了したこと)(2)実行中のラウンドにおいて当該実行中のラウンドに定められた規定数(例えば、10球)の遊技球が入球したこと、の2つの条件が定められている。そして、何れか一方の条件が成立すると、当該先に成立した条件に基づいてラウンド終了条件が成立となる。S2113で、ラウンド終了条件が成立していないと判定した場合(S2113でNO)、処理を終える。
一方、S2113で、ラウンド終了条件が成立したと判定した場合(S2113でYES)、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットし(S2114)、S2115の処理に移行する。S2114では、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドがセットされる。セットされたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。また、S2112で大入賞口開閉動作中でないと判定した場合も(S2112でNO)、S2115の処理に移行する。
S2115では、大入賞口閉鎖処理を行う(S2115)。大入賞口閉鎖処理では、主に、インターバル期間設定処理、Vラウンド(2ラウンド目および7ラウンド目)における入排出数一致判定処理、入排出数が不一致と判定された場合のリトライ処理、エラー報知処理等が実行され、これらの処理が終了すると、S2116にて大入賞口閉鎖処理が終了したと判定される(S2116でYES)。尚、大入賞口閉鎖処理の実行中は閉鎖処理フラグがONにされており、大入賞口閉鎖処理が終了(完了)すると、この閉鎖処理フラグがOFFにされる。従って、大入賞口閉鎖処理が終了したかどうかの判定(S2116)は、閉鎖処理フラグがONかOFFかによって判定される。また、本実施例では、ラウンド間のインターバル期間(インターバル時間)を「1000ms(1秒)」に設定するものとしている。
S2116で、大入賞口閉鎖処理が終了していない(閉鎖処理フラグがON)と判定した場合(S2116でNO)、処理を終える。一方、S2116で、大入賞口閉鎖処理が終了した(閉鎖処理フラグがOFF)と判定した場合(S2116でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2117)、ラウンドカウンタの値が「0」であるかどうかを判定する(S2118)。S2118で、ラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2118でNO)、処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2118でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットすると共に(S2119)、大当りのエンディング期間を開始し(S2120)、大当り終了フラグをONにし(S2121)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタの値は、実行する大当りにおける全てのラウンドを終了すると「0」になる。
ここで、本実施例では、4種類のエンディングコマンドを予め設けており、これら4種類のエンディングコマンドのうちの何れかが、今回の大当り発生時の遊技状態や今回の大当りの種別情報、特定領域通過未通過情報(VフラグがONかOFFか)等に基づいて選択されてセットされる。そして、セットされるエンディングコマンドの種類によって、実行される(設定される)エンディング期間(エンディング時間)が異なるものとなっている。エンディング期間は、大当り遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の全ての開放動作を終了した後であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行可能とする前に設定される期間であり、「終了期間」ともいう。エンディング期間(終了期間)では、第1大入賞口30および第2大入賞口35は閉鎖状態とされている。この「終了期間」に実行する演出を「終了演出(エンディング演出)」ともいう。
具体的には、エンディングコマンドとして、エンディング期間が15000ms(15秒)とされる「確変突入用エンディングコマンド(第1エンディングコマンド)」と、エンディング期間が15000ms(15秒)とされる「復活演出用エンディングコマンド(第2エンディングコマンド)」と、エンディング期間が10000ms(10秒)とされる「時短突入用エンディングコマンド(第3エンディングコマンド)」と、エンディング期間が5000ms(5秒)とされる「確変継続用エンディングコマンド(第4エンディングコマンド)」の4種類を設けている。「確変継続用エンディングコマンド」によるエンディング期間を他のエンディング期間に比べて短時間としているのは、高確高ベース状態(確変遊技状態)での遊技性、すなわち、スムーズ(スピーディー)な遊技進行のもと大当りを狙う遊技性を損なわないようにするためである。
そして、低確低ベース状態または低確高ベース状態にて「7R第1大当り」、「7R第3大当り」、「15R第5大当り」および「15R第6大当り」の何れかが発生して、Vラウンド(V通過予定ラウンド)で遊技球が特定領域39を通過した場合、「確変突入用エンディングコマンド(第1エンディングコマンド)」がセットされる。
また、低確低ベース状態、低確高ベース状態および高確高ベース状態の何れかにて「7R第2大当り」が発生して、Vラウンド(V通過予定ラウンド)で遊技球が特定領域39を通過した場合、「復活演出用エンディングコマンド(第2エンディングコマンド)」がセットされる。
また、低確低ベース状態、低確高ベース状態および高確高ベース状態の何れかにて「7R第4大当り」または「15R第7大当り」が発生してVラウンド(V未通過予定ラウンド)で遊技球が特定領域39を通過しなかった場合、「時短突入用エンディングコマンド(第3エンディングコマンド)」がセットされる。
また、高確高ベース状態にて「7R第1大当り」、「7R第3大当り」、「15R第5大当り」および「15R第6大当り」の何れかが発生してVラウンド(V通過予定ラウンド)で遊技球が特定領域39を通過した場合、確変継続用エンディングコマンド(第4エンディングコマンド)」がセットされる。
尚、V通過予定大当りであるにもかかわらずVラウンドで遊技球が特定領域39を通過せずに大当り遊技が終了した場合、当該大当り遊技後の遊技状態は「低確高ベース状態」になることから、「時短突入用エンディングコマンド(第3エンディングコマンド)」がセットされる。また、可能性は限りなく低いが、V未通過予定大当りであるにもかかわらずVラウンドで遊技球が特定領域39を通過して大当り遊技が終了した場合、当該大当り遊技後の遊技状態は「高確高ベース状態」になることから、当該大当り発生時の遊技状態に応じて「確変突入用エンディングコマンド(第1エンディングコマンド)」または「確変継続用エンディングコマンド(第4エンディングコマンド)」がセットされる。
そして、主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、S2119でセットしたエンディングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該エンディングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該エンディングコマンドに基づいて所定の遊技演出の実行処理を行う。
S2105において、大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、大当り遊技における最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング演出の実行時間(エンディング時間)が経過したか否かを判定し(S2122)、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S2122でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過したと判定した場合(S2122でYES)、大当り終了フラグをOFFにし(S2123)、後述する遊技状態設定処理(S2124)を行う。次いで、大当りフラグをOFFにし(S2125)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2126)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図21)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。尚、以上の特別電動役物処理(S1108)を実行する遊技制御用マイコン81は、「特別遊技実行手段」として機能するものといえる。
[遊技状態設定処理]
図34に示すように、遊技状態設定処理(S2121)では、まず、VフラグがONであるか否かを判定する(S2201)。Vフラグは、後述の特定領域センサ検知処理(図35)においてONにするフラグである。S2201で、VフラグがONであると判定した場合(S2201でYES)、確変フラグをONにすると共に(S2202)、確変カウンタに「200」をセットし(S2203)、VフラグをOFFにする(S2204)。そして、時短フラグをONにし(S2205)、時短カウンタに「200」をセットし(S2206)、処理を終える。すなわち、本実施例のパチンコ遊技機1では、VフラグがONになっているか否かに基づいて、大当り遊技後の遊技状態を高確率状態に設定する(確変フラグをONにする)か否かを決定するものとなっている。このように、VフラグがONになっていることに基づいて、大当り遊技後の遊技状態を高確率状態とすべく確変フラグをONにする処理(遊技状態設定処理)を実行する遊技制御用マイコン81は、「特典付与手段」として機能するものといえる。
ここで、VフラグがONの場合に、確変カウンタにセットする値は、高確率における特別図柄当否判定を実行可能な回数である。本実施例では、確変カウンタに「200」をセットすることから、200回の特別図柄の変動表示(特別図柄当否判定)が実行されるまで高確率状態は継続されることとなる。但し、200回の間に大当りとなった場合には、その大当り遊技の実行に際して高確率状態は終了する。また、確変フラグがONの場合には、時短カウンタにも同様に「200」がセットされるため、高確率状態が設定されている間、時短状態(開放延長状態)も設定され、高確率状態の終了とともに時短状態も終了することとなる。
一方、S2201で、VフラグがOFFであると判定した場合(S2201でNO)、確変フラグをONにすることなく、時短フラグをONにし(S2207)、時短カウンタに「100」をセットし(S2208)、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技後の遊技状態が低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。また、7R第1〜第3大当りや15R第5,第6大当り等の「V通過予定大当り」であっても、遊技球の発射がない等の何らかの事情でVラウンド中のV通過がなかった場合にも(VフラグがOFF)、高確率状態に設定されることなく、時短状態(低確高ベース状態)となる(S2201でNO,S2207,S2208)。この低確高ベース状態は、特別図柄の変動表示(特別図柄当否判定)が100回行われるか、その間に次の大当りが発生するかの何れかの条件の成立により終了する。尚、時短カウンタおよび確変カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。
[特定領域センサ検知処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S207)に次いで特定領域センサ検知処理(S208)を行う。図35に示すように、特定領域センサ検知処理(S208)では、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2401)。S2401で、特定領域センサ39aによる検知がないと判定した場合(S2401でNO)、処理を終了し、特定領域センサ39aによる検知があると判定した場合(S2401でYES)、特定領域有効期間中であるか否かを判定する(S2402)。特定領域有効期間は、前述の特別電動役物処理(図33)における特定領域有効期間設定処理(S2110)で設定される期間であり、大当り遊技中のVラウンド(2ラウンド目および7ラウンド目)に設定される。
S2402で、特定領域有効期間中であると判定した場合(S2402でYES)、S2401で判定した特定領域センサ39aによる遊技球の検知は有効であることから、VフラグをONにするための処理を行う。すなわち、S2403でVフラグがOFFであるか否かを判定し、OFFでなければ(S2403でNO)、処理を終了し、OFFであれば(S2403でYES)、VフラグをONにして(S2404)、S2405の処理に進む。ここで、本実施例では、大当り遊技中の2ラウンド目と7ラウンド目をVラウンドとしており、2ラウンド目のVラウンド(先のVラウンド)で遊技球が特定領域センサ39aにより有効に検知された後、7ラウンド目のVラウンド(後のVラウンド)でも遊技球が特定領域センサ39aにより有効に検知される場合がある(例えば、7R第3大当りの場合)。この場合、先のVラウンドでVフラグがONになることから、後のVラウンドでは改めてVフラグをONにする必要はない。そこで、S2403でVフラグがOFFであるか否かを判定し、OFFでない場合(S2403でNO)、すなわち、既にONとなっている場合には、そのままS2405の処理に移行し、OFFである場合に(S2403でYES)、VフラグをONにする(S2404)ものとしている。
そして、S2405にて特定領域通過コマンドをセットし(S2405)、処理を終える。主制御基板80のCPU(遊技制御用マイコン81)は、セットした特定領域通過コマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御基板90に送信し、サブ制御基板90は受信した特定領域通過コマンドに基づいて、画像表示装置7等を用いた所定の遊技演出(特定演出)の実行処理を行う。
また、S2402で、特定領域有効期間中でない(無効期間である)と判定した場合(S2402でNO)、VフラグをONにすることなく、無効期間通過コマンドをセットし(S2406)、処理を終える。主制御基板80のCPU(遊技制御用マイコン81)は、セットした無効期間通過コマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御基板90に送信し、サブ制御基板90は受信した無効期間通過コマンドに基づいて、画像表示装置7や枠ランプ66、盤面ランプ5、スピーカ67等を用いた所定のエラー報知処理を行う。尚、無効期間に特定領域39への遊技球の通過があった場合には、主制御部80が制御可能な表示器等で所定のエラー表示を行ってもよい。
[非特定領域センサ検知処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特定領域センサ検知処理(S208)に次いで、非特定領域センサ検知処理(S209)を行う。非特定領域センサ検知処理(S209)では、図36に示すように、まず、非特定領域センサ49aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2411)。そして、特定領域センサ49aによる検知がないと判定した場合(S2401でNO)、処理を終了する。一方、S2411で、非特定領域センサ49aによる検知があると判定した場合(S2411でYES)、大当り遊技の6ラウンド目(V前ラウンド)を実行中であるか否かを判定し(S2412)、実行中でなければ(S2412でNO)、処理を終了し、実行中であれば(S2412でYES)、S2413以降の処理に進む。
S2413では、実行中の大当り遊技が「7R第2大当り」または「7R第4大当り」に係るものであるか否かを判定し、そうであれば(S2413でYES)、S2415の処理に進み、そうでなければ(S2413でNO)、さらに、実行中の大当り遊技が「15R第6大当り」または「15R第7大当り」に係るものであるか否かを判定し(S2414)、そうであれば(S2414でYES)、S2415の処理に進み、そうでなければ(S2414でNO)、処理を終了する。
ここで、6ラウンド目に遊技球が非特定領域センサ49aにより検知されるのは、V前ラウンドとしての6ラウンド目が第2大入賞口35の6回開放を行うときであって(図49(a)下段を参照)、その6回の開放のうち2回目の16000msの開放時であるのが通常である。つまり、その後のVラウンドである7ラウンド目が「V未通過予定ラウンド」として行われる場合である(図50を参照)。このため、S2412で6ラウンド目を実行中であると判定されるのは、原則、6ラウンド目(V前ラウンド)が6回開放で7ラウンド目が「V未通過予定ラウンド」として行われる大当り遊技、すなわち、S2413およびS2414で判定対象となる4種類の大当りの何れかに係る大当り遊技が行われている場合である。本実施例では、当該大当りの場合、後述するように、6ラウンド目の開始以降、非特定領域49への最初(1個目)の遊技球の通過に基づいて、大当り遊技後に高確率状態が発生しない旨(V非通過)を示す演出を行う構成としていることから、当該演出を適切に行うために、S2413およびS2414の処理を行うこととしている。
次いで、S2415では、非特定領域49を通過した遊技球の数が「1」であるか否かを判定する(S2415)。前述したように、非特定領域センサ49aにより遊技球が検知されると、その検知数が図示しない非特定領域通過計数手段によって非特定領域通過数として計数されるので、S2413ではその計数値(カウント値)を参照して、非特定領域通過数が「1」であるか否かを判定する。そして、非特定領域49を通過した遊技球の数が「1」でない場合には(S2415でNO)、そのまま処理を終え、非特定領域49を通過した遊技球の数が「1」である場合には(S2415でYES)、非特定領域通過コマンドをセットし(S2416)、処理を終了する。つまり、前述した4種類の大当りのうちの何れかに係る大当り遊技での6ラウンド目に第2大入賞口35に入球した遊技球が最初に非特定領域49を通過すると(非特定領域センサ49aにより最初に検知されると)、これを契機に非特定領域通過コマンドがセットされる。そして、主制御基板80のCPUは、出力処理(S201)により、所定のタイミングでこの非特定領域通過コマンドをサブ制御基板90に送信し、サブ制御基板90は受信した非特定領域通過コマンドに基づいて、画像表示装置7等を用いた所定の遊技演出の実行処理を行う。
ここで、大当り遊技の6ラウンド目では、第2大入賞口35に入球した遊技球を特定領域39に誘導可能な可動片150(振分部材)が動作しないため、当該6ラウンドにて第2大入賞口35に入球した遊技球は、必ず非特定領域49に誘導される(振り分けられる)。このため、7ラウンド目が「V未通過予定ラウンド」として行われる大当り遊技の6ラウンド目では、第2大入賞口35に入球した全ての遊技球が非特定領域49を通過するので、普通に遊技球を発射する限り、複数の遊技球が非特定領域49を通過する可能性は極めて高い。この点、本実施例では、S2415の処理により、非特定領域49への最初(1個目)の遊技球の通過に基づいて非特定領域通過コマンドのセットを行うので、1個目の遊技球が非特定領域49を通過した後、さらに2個目、3個目と複数の遊技球が非特定領域49を通過したとしても、非特定領域通過コマンドのセット処理が行われることはない。これにより、非特定領域49への遊技球通過に基づく重複した処理を排除することが可能となる。
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、非特定領域センサ検知処理(S209)に次いで保留球数処理(S210)を行う。図37に示すように、保留球数処理(S210)では、まず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数及び普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数情報をサブ制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットする(S2502)。この保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)は、次回の割り込み処理(S105)での出力処理(S201)によって出力され、割り込み処理毎に、保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)の出力バッファへのセット(S2502)と、出力処理(S201)とが順次行われる。尚、特図保留球数が加算された際の特図保留球数のデータ、すなわち始動入球(始動入賞)の発生に伴う特図保留球数のデータについては、前述の始動入球コマンドに含めるか、加算後(始動入球後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを始動入球コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。また、特図保留球数が減算された際の保留球数のデータ、すなわち特別図柄の変動開始(特図保留の消化)に伴う特図保留球数のデータについては、前述の変動開始コマンドに含めるか、減算後(特図保留消化後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを変動開始コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S210)に次いで電源断監視処理(S211)を行う。図38に示すように、電源断監視処理(S211)では、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変かどうか、当り遊技中かどうか、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONにし(S2603)、その後は割り込み処理(図11)に戻ることなくループ処理をする。
[サブ制御メイン処理]
次に、図39〜図47に基づいて、演出制御用マイコン91の動作(サブ制御部90による制御処理)について説明する。尚、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、サブ制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、サブ制御基板90のROMから図39に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
続いて、S4002で、電源断信号がONでかつサブ制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そして、この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、サブ制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。尚、このS4001〜S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値は、サブ制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や、予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。尚、乱数の更新に際して、乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、サブ制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファ(「サブ出力バッファ」ともいう)に格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106およびランプ制御基板107のうち、対応するコマンド送信先となる制御基板に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や、大当り遊技に係る特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7の表示画面7a(演出図柄表示領域7b)上で実行される演出図柄等の表示制御や、各種ランプの点灯制御や、可動装飾部材の動作制御や、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、図40に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをサブ制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図41に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)では、まず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。次いで、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプを発光させるためのランプデータを出力するランプデータ出力処理と、可動装飾部材14(電気的駆動源)を駆動するための駆動データを出力する駆動データ出力処理とを行う(S4202,S4203)。尚、ランプデータおよび駆動データは、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図42に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、まず、後述する受信コマンド解析処理(S4302)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてサブ制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4303)、当該スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4304)。その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4305)。
[受信コマンド解析処理]
図43に示すように、受信コマンド解析処理(S4302)では、まず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4395)、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4395でNO)、S4401の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4395でYES)、演出保留情報記憶処理(S4400)を行って、S4401の処理に移行する。演出保留情報記憶処理(S4400)は、S4395で受信した始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド又は特図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報(事前判定結果、大当り種別決定用乱数値、変動パターン乱数値等の遊技情報)を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式でサブ制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。例えば、受信した始動入球コマンドが特図1の保留球数「4」に対応する特図1始動入球コマンドである場合、その特図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に、特図1演出保留情報として記憶する。こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。この演出保留情報に基づいて実行する予告演出が、いわゆる「保留先読み演出」となる。サブ制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、サブ制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段」といえる。
S4401では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、受信したと判定した場合(S4401でYES)、後述する変動演出開始処理(S4402)を行って、S4406の処理に移行し、受信していないと判定した場合(S4401でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4406の処理に移行する。S4406では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4406)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4406でYES)、演出図柄を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(S4407)。変動演出終了処理(S4407)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。一方、S4406で、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4406でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4408の処理に移行する。尚、変動演出とは、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。
S4408では、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否かを判定し(S4408)、受信したと判定した場合(S4408でYES)、後述する大当り遊技開始時演出処理(S4409)を行って、S4410の処理(図44)に移行し、受信していないと判定した場合(S4408でNO)、大当り遊技開始時演出処理を行うことなく、S4410の処理に移行する。S4410では、主制御基板80からラウンド開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4410)、受信していないと判定した場合(S4410でNO)、S4412の処理に移行し、受信したと判定した場合(S4410でYES)、受信したラウンド開始コマンドに対応するラウンド指定コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4411)、S4412の処理に移行する。主制御基板80から送信されるラウンド開始コマンドには、開始するラウンド(開始ラウンド)が何ラウンド目なのかを特定することが可能な情報が含まれており、サブ制御基板90のCPU(演出制御用マイコン91)は、受信したラウンド開始コマンドに基づいて開始ラウンドのラウンド数を特定し、当該ラウンド数を示すラウンド指定コマンドをサブ出力バッファにセットする。ラウンド指定コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、ラウンド指定コマンドに基づき特定されるラウンド数に応じて、実行中の大当り遊技の進行状況に即したラウンド演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する(進行させる)。尚、ラウンド演出は、大当り遊技開始時演出処理(S4409)により設定されるラウンド演出パターンに基づくものである。ラウンド演出についての詳細は後述する。
S4412では、主制御基板80から特定領域通過コマンドを受信したか否かを判定し(S4412)、受信していないと判定した場合(S4412でNO)、S4416の処理に移行し、受信したと判定した場合(S4412でYES)、そのコマンド受信が、7ラウンド(2回目のVラウンド)でのV通過によるものか否かを判定する(S4413)。そして、7ラウンドでのV通過によるものである場合(S4413でYES)、V通過指定コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4414)、S4416の処理に移行する。V通過指定コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、V通過を示す所定の遊技演出(特定演出)を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。当該演出についての詳細は後述する。
一方、特定領域通過コマンドの受信が、7ラウンドでのV通過によるものでない場合(S4413でNO)、すなわち、2ラウンド(1回目のVラウンド)でのV通過によるものである場合、V通過指定コマンドをセットすることなく、実行中の大当り遊技が7R第3大当りであるか否かを判定し(S4415a)、7R第3大当りでなければ(S4415aでNO)、S4416の処理に移行し、7R第3大当りであれば(S4415aでYES)、V通過予告抽選を行う(S4415b)。
ここで、前述したように、本実施例のパチンコ遊技機1では、2回のVラウンドのうち、1回目のVラウンド(2R)に関しては、Vラウンドである旨やVラウンドの結果(V通過・非通過)等を明示せず(報知せず)、非Vラウンド(通常ラウンド)として遊技者に認識させるものとしている。このため、特定領域通過コマンドの受信が2ラウンド(1回目のVラウンド)でのV通過によるものである場合(S4413でNO)、V通過指定コマンドをサブ出力バッファにセットしないこととしている。これにより、1回目のVラウンド(2R)において遊技球が特定領域39を通過したとしても、その時点でV通過を示す遊技演出は実行されないこととなる。
また、7R第3大当りは、前述したように2回のVラウンド(2ラウンド目および7ラウンド目)の何れについても「V通過予定ラウンド」として行われるものとなっており、前述のS4413およびS4414の処理により、7ラウンド(2回目のVラウンド)でのV通過に基づく演出が当該V通過のタイミングで行われる。この点を活かし、7R第3大当りの場合には、2ラウンド(1回目のVラウンド)でのV通過の際、当該大当り遊技のVラウンド(7ラウンド)でV通過する可能性が高いことを予告する演出(V通過予告演出)を、V通過予告抽選(S4415b)に当選することを条件に実行可能としている。尚、「V通過予告演出」は、あくまでも、これから先に行われるVラウンド(7R)でのV通過可能性が高いことを予告するものであり、1回目のVラウンド(2R)でV通過した旨を示すものではない。1回目のVラウンドの実行(存在)を遊技者に判り難くしているからである。
そして、V通過予告抽選(S4415b)に当選した場合(S4415cでYES)、V通過予告コマンドをサブ出力バッファにセットして(S4415d)、S4416の処理に移行し、落選した場合(S4415cでNO)、V通過予告コマンドをセットすることなく、S4416の処理に移行する。V通過予告コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、V通過予告演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。V通過予告演出としては、例えば、V通過の可能性を示唆する文字や記号、キャラクタ等をラウンド演出中に表示したり、ラウンド演出の背景画像の色を変化させたりする演出が挙げられる。本実施例では、2ラウンド(1回目のVラウンド)でのV通過と、これに基づく抽選に当選することを条件にV通過予告演出を実行可能とすることで、当該V通過予告演出を、いわゆるプレミア演出のような出現可能性が低い希少な演出としている。
S4416では、主制御基板80から非特定領域通過コマンドを受信したか否かを判定する(S4416)。前述したように、非特定領域通過コマンドは、7R第2,第4大当り及び15R第6,第7大当りの何れかに係る大当り遊技中の6ラウンド目にて、第2大入賞口35に入球した遊技球が最初に非特定領域49を通過することに基づいて、主制御基板80から送信される。つまり、非特定領域通過コマンドを受信するのは、Vラウンドである7ラウンド目が「V未通過予定ラウンド」として行われる場合の6ラウンド目にて遊技球が非特定領域49を通過したときである。そして、非特定領域通過コマンドを受信したと判定した場合は(S4416でYES)、V非通過指定コマンドをサブ出力バッファにセットして(S4417)、S4418の処理に移行し、非特定領域通過コマンドを受信していないと判定した場合は(S4416でNO)、S4417の処理を行うことなくS4418の処理に移行する。V非通過指定コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、V非通過を示す所定の遊技演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。当該演出についての詳細は後述する。
S4418では、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否かを判定し(S4418)、受信したと判定した場合(S4418でYES)、後述するエンディング演出処理(S4419)を行って、S4420の処理に移行し、受信していないと判定した場合(S4418でNO)、エンディング演出処理を行うことなく、S4420の処理に移行する。
S4420では、その他の演出制御に係る処理を行い、本処理を終える。S4420で行うその他の処理としては、前述のコマンド以外の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド等)に基づく処理を行う。
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)の中で変動開始コマンドの受信に基づいて行われる変動演出開始処理(S4402)について説明する。図45に示すように、変動演出開始処理(S4402)では、まず、S4501で、演出制御用マイコン91が変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数、特定演出決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数処理(S4501)を行う。本実施例では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングで、S4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値に基づいて、実行する演出図柄遊技演出の態様や予告演出、停止表示する演出図柄等を決定する。
次いで、S4502では、受信した変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターンを指定する情報には、図9に示す変動パターン情報(P1乃至P22)や、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の判定結果や、大当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(図8を参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特図1に係るものなのか特図2に係るものなのかを判別することが可能となる。尚、これらの変動パターン情報や遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
次いで、S4503では、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」〜「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA〜Eに対して割り当てられている。具体的には、モードステータス「1」が演出モードAに対応し、モードステータス「2」が演出モードBに対応し、モードステータス「3」が演出モードCに対応し、モードステータス「4」が演出モードDに対応し、モードステータス「5」が演出モードEに対応する。現在のモードステータスを参照することで、現在の演出モードを特定することが可能である。
ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、演出図柄遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができる。また、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能としてもよい。本実施例では、演出モードA〜C(モードステータス「1」〜「3」)は低確低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードD(モードステータス「4」)は低確高ベース状態(時短状態)に制御されているときに実行され、演出モードE(モードステータス「5」)は高確高ベース状態(確変遊技状態)に制御されているときに実行される。従って、演出モードがA〜Eのいずれであるかを確認することで、遊技者は現在の遊技状態を把握することができる。
次いで、S4504では、画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材14等を用いて行う変動演出のパターン(変動演出パターン)を決めるための図示しない変動演出パターン決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(図9を参照)であった場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した大当り時変動演出パターン決定テーブルがセットされる。本実施例では、演出モード(モードステータス)に対応した複数の変動演出パターン決定テーブルがサブ制御基板90のROMに予め格納されているので、S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出の実行態様(演出図柄の変動態様等)を決定するためのもので、複数の変動演出パターン決定テーブルがサブ制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それら複数の変動演出パターン決定テーブルのうちの何れかをセットする。
次いで、S4505では、S4501において取得した変動演出決定用乱数およびS4504においてセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合した変動演出パターンを選択し、これを設定する(S4505)。変動演出パターンとしては、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(演出図柄遊技演出の実行態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出において、リーチ演出を実行する場合(リーチ有演出図柄遊技演出)と、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合(キャラクタ演出図柄遊技演出)、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(リーチ無演出図柄遊技演出)とが決定される。尚、リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3個の演出図柄8L、8C、8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(大当り態様、特定態様)を設けている場合において、3個の演出図柄8L、8C、8Rのうちの2個が大当り態様を構成する図柄で停止表示(仮停止)され、残り1個が変動表示を続けている状態で、残り1個の演出図柄が大当り態様を完成させる図柄で停止表示されるか否かを示す演出のことをいう。
また、S4505では、S4501において取得した演出図柄決定用乱数および図示しない停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう)を決定し、これを設定する。演出図柄遊技演出の結果として停止表示される演出図柄8は、特別図柄当否判定の結果が15R大当りのときは「777」等の奇数図柄のゾロ目(大当り態様、特定態様)とされ、7R大当りのときは「666」等の偶数図柄のゾロ目(大当り態様、特定態様)とされる。また、リーチ有り外れのときは「787」等の3個の演出図柄8L、8C、8Rのうち1個の演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目、リーチ無し外れのときは「635」等の3個の演出図柄8L、8C、8Rのうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目が選択されるようになっている。尚、大当りの際、「135」等の予め定めたチャンス目や「3★3」等の専用図柄を停止表示してもよい。これらの演出図柄8の停止表示態様は一例であり、大当りとなったときに停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜変更可能である。
ここで、本実施例のパチンコ遊技機1には、演出図柄8の変動態様(変動演出パターン)として、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう)A、スーパーリーチB、スーパーリーチC、キャラクタ演出等が設定されており、S4505で、変動演出パターン決定テーブルに基づいて、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれらの演出を行わない(これを「ノーマル変動」ともいう)かが決定される。そして、リーチ有演出図柄遊技演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。ここで、演出図柄遊技演出として、スーパーリーチ演出が実行される場合には、ノーマルリーチ演出が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出はリーチ(ノーマルリーチ)演出と比較して大当り信頼度(大当りとなる可能性)の高い遊技演出であるといえる。尚、リーチ演出は、主として、変動時間が30000ms以上の変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを受信した場合に設定(実行)され得る。
S4505では、リーチ演出等を含む様々な変動演出の何れかに対応する変動演出パターンが、S4501〜S4504の処理の結果を受けて設定される(S4505)。そして、続くS4506では、S4505において設定した変動演出パターンに基づいて演出図柄遊技演出等を開始するための変動演出開始コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4506)、変動演出開始処理を終了する。S4506でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
[大当り遊技開始時演出処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)の中で変動開始コマンドの受信に基づいて行われる大当り遊技開始時処理(S4409)について説明する。尚、大当り遊技演出(特別遊技演出)とは、大当り遊技の実行に関連して行われる演出のことを意味し、大当り遊技演出には、少なくとも、大当り遊技開始に伴う大入賞口開放前(1ラウンド目開始前)のオープニング期間中に実行するオープニング演出と、大当り遊技中(ラウンド遊技中)にラウンドの進行に合わせて実行するラウンド演出と、大当り遊技の最終回のラウンド遊技終了に伴う大入賞口閉鎖後のエンディング期間中に実行するエンディング演出とが含まれる。大当り遊技開始時演出処理では、それらの演出のうち、オープニング演出とラウンド演出に関する処理を行う。
図46に示すように、大当り遊技開始時処理(S4409)では、まず、受信したオープニングコマンドを解析する(S4601)。本実施例では、前述したように、大当りの種別に応じたオープニングコマンド(第1オープニングコマンド〜第7オープニングコマンドの何れか)が主制御基板80から送信されるものとなっており、オープニングコマンドを解析することで、今回開始される大当りの種別を判別することが可能となっている。そこで、S4601では、受信したオープニングコマンドを解析して、今回開始される大当りの種別を特定する。
次いで、S4602では、S4601での解析結果に基づいて、今回開始される大当りの種別に応じたオープニング演出の演出パターンを選択する(S4602)。本実施例では、大当り種別が「7R第1〜第4大当り」の場合には、7R大当りである旨を示すオープニング演出を行い、大当り種別が「15R第5〜第7大当り」の場合には、15R大当りである旨を示すオープニング演出を行うものとしていることから、S4602では、受信したオープニングコマンドに基づいて、7R大当り用のオープニング演出パターンまたは15R大当り用のオープニング演出パターンを選択する。そして、選択したオープニング演出パターンを指定するオープニング演出指定コマンドを、サブ出力バッファにセットする(S4603)。このセットしたオープニング演出指定コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、受信したオープニング演出指定コマンドに対応する所定の画像データを読み出して、該読み出した画像データによるオープニング演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
次いで、S4604では、S4601での解析結果に基づいて、今回開始される大当りの種別に応じたラウンド演出の演出パターンを選択する(S4604)。ここで、本実施例では、7R大当りと15R大当りの何れの場合においても、大当り遊技の1ラウンド目から7ラウンド目にかけてのラウンド演出として、遊技者側に属する味方キャラクタが敵キャラクタと戦う所謂「バトル演出」を行うものとしている。そして、詳細には後述するが、6ラウンド目の開始から数えて2回目以降のVアタッカー開放(16000ms開放以降)での遊技球の特定領域39または非特定領域49への通過に基づいて、味方キャラクタが勝利する演出(V通過)または敗北する演出(V非通過)を行う。尚、味方キャラクタが勝利する演出は、大当り遊技後に高確率状態が発生する旨(つまり、V通過した旨)を示すものであり、味方キャラクタが敗北(敵キャラクタが勝利)する演出は、大当り遊技後に高確率状態が発生しない旨を示すものである。また、15R大当りの場合、8ラウンド目から15ラウンド目にかけては、7ラウンド目までのバトル演出の結果に応じた演出(味方キャラクタ勝利に対応する演出または味方キャラクタ敗北に対応する演出)を行うものとしている。
このようなバトル演出を含めたラウンド演出の演出パターンとして、7R大当りと15R大当りの各々について、味方キャラクタ勝利(V通過)に対応する演出パターン(「第1ラウンド演出パターン」ともいう)と、味方キャラクタ敗北(V非通過)に対応する演出パターン(「第2ラウンド演出パターン」ともいう)とを予め設けていることから、S4604では、受信したオープニングコマンドに基づいて、第1ラウンド演出パターンまたは第2ラウンド演出パターンを選択する。尚、第1ラウンド演出パターンは、大当りの種別が「7R第1大当り」、「7R第3大当り」および「15R第5大当り」の何れかの場合に選択され、第2ラウンド演出パターンは、大当りの種別が「7R第2大当り」、「7R第4大当り」、「15R第6大当り」および「15R第7大当り」の何れかの場合に選択される。
ここで、「7R第2大当り」および「15R第6大当り」は、高確率状態を発生させる(特典を付与する)ことが前提の「V通過予定大当り」であるが、それにもかかわらず、ラウンド演出パターンとして第2ラウンド演出パターンが選択されるものとなっている。これは、バトル演出の結果報知後(味方キャラクタ敗北後)の所定時期(例えば、エンディング期間中や残りのラウンド遊技中)に高確率状態の発生(確変確定)を示す演出(「確変復活演出」または「確変昇格演出」ともいう)を行うからである。当該演出についても後述する。
S4604にてラウンド演出パターンを選択したら、当該選択したラウンド演出パターンを指定するラウンド演出指定コマンドを、サブ出力バッファにセットする(S4605)。このセットしたラウンド演出指定コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、ラウンド演出指定コマンドにより特定されるラウンド演出パターンに対応する画像データを読み出し、該読み出した画像データによるラウンド演出を、サブ制御基板90からのラウンド指定コマンド(S4411)の受信に基づいて、画像表示装置7の表示画面7a上で展開していく。これにより、ラウンド遊技の進行に合わせてラウンド演出が行われる。
[エンディング演出処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)の中でエンディングコマンドの受信に基づいて行われるエンディング演出処理(S4419)について説明する。前述したように、本実施例では、エンディングコマンドとして、「確変突入用エンディングコマンド(第1エンディングコマンド)」、「復活演出用エンディングコマンド(第2エンディングコマンド)」、「時短突入用エンディングコマンド(第3エンディングコマンド)」および「確変継続用エンディングコマンド(第4エンディングコマンド)」が設けられており、これら4種類のエンディングコマンドのうちの何れかが、大当り遊技の終了に際して、大当り発生時の遊技状態や大当りの種別、特定領域通過有無(VフラグがONかOFFか)等に基づいて選択されて(S2119)、主制御基板80から送信される。
そこで、エンディング演出処理(S4419)では、まず、受信したエンディングコマンドを解析し、受信したエンディングコマンドが第1エンディングコマンド〜第4エンディングコマンドの何れであるかを判定する(S4701,S4703,S4705)。その結果、受信したエンディングコマンドが第1エンディングコマンドである場合(S4701でYES)、確変突入エンディング指定コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4702)、第2エンディングコマンドである場合(S4701でNO,S4703でYES)、確変復活エンディング指定コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4704)、第3エンディングコマンドである場合(S4701でNO,S4703でNO,S4705でYES)、時短突入エンディング指定コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4706)、第4エンディングコマンドである場合(S4701でNO,S4703でNO,S4705でNO)、確変継続エンディング指定コマンドをサブ出力バッファにセットする(S4707)。
ここで、第1エンディングコマンドは、前述したように、低確低ベース状態または低確高ベース状態にて「7R第1大当り」、「7R第3大当り」、「15R第5大当り」および「15R第6大当り」の何れかが発生して、Vラウンド(V通過予定ラウンド)で遊技球が特定領域39を通過した場合に送信される(受信する)コマンドである。「7R第1大当り」、「7R第3大当り」、「15R第5大当り」および「15R第6大当り」では、大当り遊技後に高確率状態が発生する旨を、大当り遊技の最終ラウンド終了までに示す(報知する)ものとしているので、第1エンディングコマンドを受信した場合には(S4701でYES)、確変遊技状態に突入(移行)する旨を示す確変突入エンディング演出を行うべく、確変突入エンディング指定コマンドをサブ出力バッファにセットする(S4702)。このコマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、確変突入エンディング指定コマンドにより特定されるエンディング演出パターン(第1エンディング演出パターン)に対応する画像データを読み出し、該読み出した画像データによる確変突入エンディング演出を、画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
また、第2エンディングコマンドは、前述したように、低確低ベース状態、低確高ベース状態および高確高ベース状態の何れかにて「7R第2大当り」が発生して1回目(2ラウンド目)のVラウンド(V通過予定ラウンド)で遊技球が特定領域39を通過した場合に送信される(受信する)コマンドである。「7R第2大当り」では、大当り遊技後に高確率状態が発生しない旨を、大当り遊技の最終ラウンド終了までに示す(報知する)ものとしているので、第2エンディングコマンドを受信した場合には(S4701でNO,S4703でYES)、先の高確率状態が発生しない旨の報知に反して、大当り遊技後に高確率状態が発生する旨を示す確変復活エンディング演出を行うべく、確変復活エンディング指定コマンドをサブ出力バッファにセットする(S4704)。このコマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、確変復活エンディング指定コマンドにより特定されるエンディング演出パターン(第2エンディング演出パターン)に対応する画像データを読み出し、該読み出した画像データによる確変復活エンディング演出を、画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
また、第3エンディングコマンドは、前述したように、低確低ベース状態、低確高ベース状態および高確高ベース状態の何れかにて「7R第4大当り」または「15R第7大当り」が発生して2回のVラウンド(いずれもV未通過予定ラウンド)で遊技球が特定領域39を通過しなかった場合に送信される(受信する)コマンドである。「7R第4大当り」および「15R第7大当り」では、大当り遊技後に高確率状態が発生しない旨を、大当り遊技の最終ラウンド終了までに示す(報知する)ものとしているので、第3エンディングコマンドを受信した場合には(S4701でNO,S4703でNO,S4705でYES)、大当り遊技後に時短状態(低確高ベース状態)に突入(移行)する旨を示す時短突入エンディング演出を行うべく、時短突入エンディング指定コマンドをサブ出力バッファにセットする(S4706)。このコマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、時短突入エンディング指定コマンドにより特定されるエンディング演出パターン(第3エンディング演出パターン)に対応する画像データを読み出し、該読み出した画像データによる時短突入エンディング演出を、画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
また、第4エンディングコマンドは、前述したように、高確高ベース状態にて「7R第1大当り」、「7R第3大当り」、「15R第5大当り」および「15R第6大当り」の何れかが発生してVラウンド(V通過予定ラウンド)で遊技球が特定領域39を通過した場合に送信される(受信する)コマンドである。前述のように、「7R第1大当り」、「7R第3大当り」、「15R第5大当り」および「15R第6大当り」では、大当り遊技後に高確率状態が発生する旨を、大当り遊技の最終ラウンド終了までに示す(報知する)ものとしているが、高確高ベース状態でこれらの大当りが発生した場合には、高確率状態が続けて発生することとなる。そこで、第4エンディングコマンドを受信した場合には(S4701でNO,S4703でNO,S4705でNO)、再度、確変遊技状態に突入する旨(つまり、確変遊技状態が継続する旨)を示す確変継続エンディング演出を行うべく、確変継続エンディング指定コマンドをサブ出力バッファにセットする(S4707)。このコマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、確変継続エンディング指定コマンドにより特定されるエンディング演出パターン(第4エンディング演出パターン)に対応する画像データを読み出し、該読み出した画像データによる確変継続エンディング演出を、画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
以上までが、本実施例における演出制御の主要な処理である。当該演出制御により、本実施例のパチンコ遊技機1では、大当り遊技演出としてのラウンド演出が第1ラウンド演出パターン(味方キャラクタ勝利)および第2ラウンド演出パターン(味方キャラクタ敗北)の何れかに基づいて行われ、大当り遊技演出としてエンディング演出が第1〜第4エンディング演出パターンの何れかに基づいて行われるものとなっている。以下では、これら演出パターンに基づいて、大当り遊技の1ラウンド目開始からラウンド期間終了までに画像表示装置7の表示画面7a上で行われる大当り遊技演出(ラウンド演出およびエンディング演出)の態様について説明する。
まず、7R大当り(7R第1〜第4大当り)に係る大当り遊技でのラウンド演出およびエンディング演出について説明する。尚、ここでは、7R大当りが設定された第1特別図柄の変動表示が主体となる「低確低ベース状態(通常状態)」にて7R大当りが発生した場合を前提として説明する。図51に示すように、7R大当りの場合、1ラウンド目〜5ラウンド目では、7R第1〜第4大当りの何れにおいても、味方キャラクタX(「味方キャラX」ともいう)と敵キャラクタY(「敵キャラY」ともいう)とが対決するシーンを表現した画像を表示する(図51(a)を参照)。また、2ラウンド目はVラウンド(「V通過予定ラウンド」または「V非通過予定ラウンド」)として行われるが、2ラウンド目が「V通過予定ラウンド」と「V非通過予定ラウンド」の何れである場合においても、当該ラウンドがVラウンドである旨を示す演出や、遊技球が特定領域39を通過したとしてもその旨を示す演出は行わず、非Vラウンドと同様に対決シーンを表示する(バトル演出を行う)。つまり、第1ラウンド演出パターンおよび第2ラウンド演出パターンの何れにおいても、1ラウンド目〜5ラウンド目では、味方キャラXと敵キャラYの対決シーンによるバトル演出が行われる。
尚、7R第3大当りでは、2ラウンド目が「V通過予定ラウンド」として行われるが、当該ラウンドで遊技球が特定領域39を通過したことに基づいて、V通過予告抽選(S4415b)に当選することを条件に「V通過予告演出」を行う場合がある。この「V通過予告演出」は、前述したように、当該大当り遊技のVラウンド(7ラウンド)でV通過する可能性が高いことを予告する演出である。バトル演出中のV通過予告演出は、例えば、味方キャラXを今より強いキャラクタに変更したり、敵キャラYを今より弱いキャラクタに変更したり、バトル演出の背景画像を変化させたり、味方キャラXの攻撃力アップを示唆するカットイン画像を表示したりする等、種々の態様により行うことが可能である。
そして、6ラウンド目以降のラウンド演出(バトル演出)の演出パターンは、7R大当りの種別によって異なるものとなっている。具体的に、7R第1大当りおよび7R第3大当りの場合、当該大当りに係るラウンド演出は第1ラウンド演出パターンに基づくものであることから、この場合の6ラウンド目および7ラウンド目のラウンド演出では、図51(b1)に示すように、味方キャラXが勝利したシーンを表現した画像を文字画像Vと共に表示する。これに対し、7R第2大当りまたは7R第4大当りの場合、当該大当りに係るラウンド演出は第2ラウンド演出パターンに基づくものであることから、この場合の6ラウンド目および7ラウンド目のラウンド演出では、図51(b2)に示すように、味方キャラXが敗北したシーンを文字画像Lと共に表示する。
ここで、味方キャラXの勝利シーンおよび文字画像Vの表示は「V通過」を示す演出(「バトル勝利演出」ともいう)で、味方キャラXの敗北シーンおよび文字画像Lの表示は「V非通過」を示す演出(「バトル敗北演出」ともいう)である。この「バトル勝利演出」または「バトル敗北演出」の実行に関し、6ラウンド目の開始から数えて2回目のVアタッカー開放が、7ラウンド(V通過予定ラウンド)の1回目の開放として行われるのか、6ラウンド(非Vラウンド)の2回目の開放として行われるのかによって、その実行対象となる演出が変わってくる。
すなわち、図49(a)に示すように、6ラウンド目の開始後、1回目のVアタッカー開放は、7ラウンド目が「V通過予定ラウンド」である場合と「V未通過予定ラウンド」である場合の何れにおいても「100ms」の開放(短開放)であり、当該開放時に遊技球がVアタッカーに入球する可能性は極めて低い(実質的にゼロ)。一方、これに続く2回目のVアタッカー開放は、7ラウンド目が「V通過予定ラウンド」であれば、当該7ラウンド目(V通過予定ラウンド)の1回目の開放(16000msの開放)となり、7ラウンド目が「V未通過予定ラウンド」であれば、6ラウンド(非Vラウンド)の2回目の開放(16000msの開放)となる(図49(a)を参照)。この2回目のVアタッカー開放時(16000ms開放)には、Vアタッカーを狙って遊技球を普通に発射している限り、遊技球は略確実にVアタッカーに入球し、当該開放が7ラウンド目(V通過予定ラウンド)の1回目の開放(図49(a)上段を参照)であれば、Vアタッカーに入球した遊技球は特定領域39を通過し得るものとなる。よって、7ラウンド目が「V通過予定ラウンド」である場合、すなわち、7R第1大当りの場合と7R第3大当りの場合には、6ラウンド目の開始後、2回目のVアタッカー開放時(つまり、7Rの1回目のVアタッカー開放時)に遊技球が最初に特定領域39を通過することに基づいて、図51(b1)に示す「バトル勝利演出」を行う。この「バトル勝利演出」は、2回目のVラウンド(後の特定ラウンド遊技)の実行中(実行された場合)に行われる「V通過を示す演出」であることから、本発明の「特定演出」の一態様に相当するものである。
これに対し、7ラウンド目が「V未通過予定ラウンド」であれば、6ラウンド目の開始後、2回目のVアタッカー開放は、6ラウンド(非Vラウンド)の2回目の開放となるので(図49(a)下段を参照)、当該開放時にVアタッカーに入球する遊技球は特定領域39を通過し得ないものとなる。よって、7ラウンド目が「V未通過予定ラウンド」である場合、すなわち、7R第2大当りの場合と7R第4大当りの場合には、6ラウンド目の開始後、2回目のVアタッカー開放時に遊技球が最初に非特定領域49を通過することに基づいて、図51(b2)に示す「バトル敗北演出」を行う。
そして、7ラウンド目(最終ラウンド)が終了してエンディング期間になると、7R第1大当りと7R第3大当りの場合には、図51(c1)に示すように「確変突入エンディング演出(演出時間15000ms)」を行い、7R第2大当りと7R第4大当りの場合には、図51(c2)に示すように「時短突入エンディング演出(演出時間10000ms)」を行う。但し、7R第2大当りは「V通過予定大当り」であって、2ラウンド目のVラウンド(1回目のVラウンド)が「V通過予定ラウンド」として行われて遊技球が特定領域39を通過していることから、7R第2大当りに係るエンディング期間のうち、当該期間の開始から所定時間(例えば「8000ms」)が経過するまでは「時短突入エンディング演出」を行い、所定時間(例えば「8000ms」)が経過したタイミングで「確変復活演出(演出時間3000ms)」を行って(図51(c3)を参照)、以後、4000msの間「確変突入エンディング演出」を行う。この「時短突入エンディング演出の一部」と「確変復活演出」と「確変突入エンディング演出の一部」とからなるエンディング演出が、7R第2大当りに係る「確変復活エンディング演出(演出時間15000ms)」である。尚、「確変復活演出」は、先の高確率状態が発生しない旨の報知(ここでは「バトル敗北演出」)の後に、高確率状態が発生する旨(つまり、V通過した旨)をエンディング期間中に示す(報知する)演出である。この「確変復活演出」や当該確変復活演出を含む「確変復活エンディング演出」も、2回目のVラウンド(後の特定ラウンド遊技)の実行後(実行された場合)に行われる「V通過を示す演出」であることから、本発明の「特定演出」の一態様に相当するものである。
次に、15R大当り(15R第5〜第7大当り)に係る大当り遊技でのラウンド演出およびエンディング演出について説明する。尚、ここでは、15R大当りが設定された第2特別図柄の変動表示が主体となる「高確高ベース状態」にて15R大当りが発生した場合を前提として説明する。図52に示すように、15R大当りの場合においても、1ラウンド目〜7ラウンド目では、7R大当りの場合と同様にバトル演出を行う。そして、図52(b1)に示すように、7ラウンド目が「V通過予定ラウンド」として行われる15R第5大当りの6ラウンド目および7ラウンド目では、前述した7R第1,第3大当りの場合と同様に、特定領域39への遊技球の最初の通過に基づいて「バトル勝利演出」を行う。また、図52(b2)に示すように、7ラウンド目が「V未通過予定ラウンド」として行われる15R第6,7大当りの6ラウンド目および7ラウンド目では、前述した7R第2,第4大当りの場合と同様に、非特定領域49への遊技球の最初の通過に基づいて「バトル敗北演出」を行う。
その後、15R第5大当りの8ラウンド目〜15ラウンド目(最終ラウンド)では、図52(c1)に示すように、先の「バトル勝利演出」に続く「勝利後ラウンド演出」を行い、15R第7大当りの8ラウンド目〜15ラウンド目(最終ラウンド)では、図52(c2)に示すように、先の「バトル敗北演出」に続く「敗北後ラウンド演出」を行う。
また、15R第6大当りの場合、当該大当りは「V通過予定大当り」であって、2ラウンド目のVラウンド(1回目のVラウンド)が「V通過予定ラウンド」として行われて遊技球が特定領域39を通過していることから、8ラウンド目〜11ラウンド目では、15R第7大当りの場合と同様に「敗北後ラウンド演出」を行い(図52(c2)を参照)、12ラウンド目で「確変昇格演出」を行う(図52(c3)を参照)。そして、「確変昇格演出」を行った後の13ラウンド目〜15ラウンド目では、15R第5大当りの場合と同様に「勝利後ラウンド演出」を行う(図52(c1)を参照)。尚、「確変昇格演出」は、先の高確率状態が発生しない旨の報知(ここでは「バトル敗北演出」)の後に、高確率状態が発生する旨(つまり、V通過した旨)をラウンド遊技中に示す(報知する)演出であり、前述の「確変復活演出」と同類のものである。このラウンド遊技中の「確変昇格演出」も、2回目のVラウンド(後の特定ラウンド遊技)の実行後(実行された場合)に行われる「V通過を示す演出」であることから、本発明の「特定演出」の一態様に相当するものである。
そして、15ラウンド目が終了してエンディング期間になると、15R第5大当りと15R第6大当りの場合には、図52(d1)に示すように「確変継続エンディング演出(演出時間5000ms)」を行い、15R第7大当りの場合には、図52(d2)に示すように「時短突入エンディング演出(演出時間10000ms)」を行う。
尚、7R第1〜第4大当りは第1特別図柄に係る大当りであるが、第2特別図柄の変動表示が主体となる「低確高ベース状態」や「高確高ベース状態」においても、可能性は低いものの、7R大当りが発生し得る。このため、「低確高ベース状態」にて7R第1大当りまたは7R第3大当りとなった場合、当該大当りに係るエンディング演出として「確変突入エンディング演出」を行い、「高確高ベース状態」にて7R第1大当りまたは7R第3大当りとなった場合、当該大当りに係るエンディング演出として「確変継続エンディング演出」を行う。また、「低確高ベース状態」や「高確高ベース状態」にて7R第2大当りとなった場合、当該大当りに係るエンディング演出として「確変復活エンディング演出」を行う。
一方、15R第5〜第7大当りは第2特別図柄に係る大当りであるが、第1特別図柄の変動表示が主体となる「低確低ベース状態」においても、可能性は低いものの、15R大当りが発生し得る。このため、「低確低ベース状態」にて15R第5,第6大当りの何れかとなった場合、当該大当りに係るエンディング演出として「確変突入エンディング演出」を行う。
[実施例1の作用効果]
以上の実施例1のパチンコ遊技機1では、大当り遊技中の2ラウンド目と7ラウンド目にVラウンドを実行するものとなっている。そして、2回のVラウンドのうち1回目のVラウンド(先の特定ラウンド遊技)については、Vラウンドである旨やVラウンドの結果(V通過・非通過)等を報知せず、バトル演出を行うことで、非Vラウンド(通常ラウンド)として遊技者に認識させるものとしている。その上で、V通過予定大当りである「7R第1〜第3大当り」や「15R第5,第6大当り」では、2回のVラウンドのうち2回目のVラウンド(後の特定ラウンド遊技)が実行された場合に、遊技球がV通過した旨を示す演出(バトル勝利演出、確変復活演出、確変昇格演出など)を実行することが可能となっている。このため、2回目のVラウンド(遊技者にとっては一のVラウンド)の実行前や実行中は勿論のこと、2回目のVラウンド終了後にも、V通過に対する期待感を遊技者に与えることが可能となる。これにより、2回目のVラウンド(7R)の前後に亘って興趣を持続させることが可能となり、この結果、Vラウンドを含む大当り遊技の興趣を向上させることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、2回のVラウンドのうち1回目のVラウンド(2R)で遊技球がV通過したとしても、当該Vラウンドでは、V通過した旨を示す演出(特定演出)を行わないので、1回目のVラウンドでのV通過を遊技者にとって判り難くすることが可能となる。これにより、2回目のVラウンド(7R)の前後に亘る興趣の持続性を高めることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、V通過予定大当りである「7R第2大当り」の場合、2回のVラウンドのうち1回目のVラウンド(2R)でV通過し、2回目のVラウンド(7R)ではV通過しないものとなっており、1回目のVラウンドではV通過した旨を示す演出を行わず、2回目のVラウンドでもバトル勝利演出(特定演出)を行わないものとなっている(図51(b2)を参照)。そして、2回目のVラウンド終了後のエンディング期間中に、1回目のVラウンドでのV通過を活かして確変復活演出(確変復活エンディング演出)を行うこととしている。これにより、2回目のVラウンドの終了後に実行され得る確変復活演出(確変復活エンディング演出)に対する遊技者の期待感を高めることが可能となり、この結果、2回目のVラウンド終了後の興趣を向上させることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、大当り遊技の1ラウンド目〜5ラウンド目において、味方キャラXと敵キャラYの対決シーンによるバトル演出を行い、2回のVラウンドのうち1回目のVラウンド(2R)においても、当該バトル演出の一環として味方キャラXと敵キャラYの対決シーンを画像表示装置7に表示するものとなっている。つまり、1回目のVラウンド(2R)のラウンド演出を、他の非Vラウンド(1R,3R〜5R)のラウンド演出と同様に行うものとなっている。これにより、1回目のVラウンド(2R)の実行(存在)を遊技者にとって判り難くして、2回目のVラウンド(7R)の前後に亘る興趣の持続性を高めることが可能となる。
特に、実施例1では、図49に示すように、1ラウンド目(V前ラウンド)において、Vアタッカー(第2大入賞口35)が開放する4ラウンド目等(非Vラウンド)のVアタッカー開放パターンの一部を実行するものとしている。この1ラウンド目と2ラウンド目(Vラウンド)とをインターバル時間(1000ms)を挟んで連続させる(繋げる)ことで、この連続する2つのラウンドを、Vアタッカーが開放する1つの非Vラウンド(4ラウンド目など)として遊技者にさせることが可能となっている。これにより、1回目のVラウンド(2R)の実行(存在)を遊技者にとって判り難くする効果は顕著となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、2回のVラウンドのうち2回目(最終回)のVラウンドを7ラウンド目に行うものとなっており、7R大当りの場合、大当り遊技の最終回のラウンド遊技が、2回目のVラウンド(後の特定ラウンド遊技)として行われることとなる。これにより、大当り遊技の最終ラウンドまで興趣を持続させることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、Vラウンドとして「V通過予定ラウンド」と「V未通過予定ラウンド」とを設け、大当り遊技として、2回のVラウンドのうちの双方を「V未通過予定ラウンド」として行う大当り遊技(7R第4大当り、15R第7大当り)と、1回目のVラウンドを「V未通過予定ラウンド」として行い2回目のVラウンドを「V通過予定ラウンド」として行う大当り遊技(7R第1大当り、15R第5大当り)と、1回目のVラウンドを「V通過予定ラウンド」として行い2回目のVラウンドを「V未通過予定ラウンド」として行う大当り遊技(7R第2大当り、15R第6大当り)と、を設けている。これにより、大当り遊技や大当り遊技演出のバリエーションを増やして、Vラウンドを含む大当り遊技の興趣を向上させることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、2回のVラウンドのうちの双方を「V通過予定ラウンド」として行う大当り遊技(7R第3大当り)も設けており、そのうち1回目のVラウンド(2R)でV通過した場合には、2回目のVラウンドの実行前に、所定条件下(本例では抽選に当選)でV通過予告演出を行うことが可能となっている。これにより、大当り遊技演出のバリエーションを更に増やして、大当り遊技の興趣を向上させることが可能となる。