次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。尚、以下では、図柄の変動表示の終了に伴い当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)が付与され得る当り遊技(特別遊技)を実行可能なパチンコ遊技機に、本発明を適用した例を説明する。
図1乃至図3に示すように、実施例1のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また、前面枠51には、遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう)、装飾用の枠ランプ66及びスピーカ67等が設けられている。
演出ボタン63は、例えば、遊技の進行に伴って行われる遊技演出の実行中などに操作するもので、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。尚、演出ボタン63の構成は本実施例の態様に限らず、遊技者からの入力を検知できるものであればたり、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されており、レール部材4の先端には、球戻り防止片6が設けられている。球戻り防止片6は、一旦遊技領域へ誘導された遊技球を発射装置側へ戻るのを防止するためのものである。また、遊技盤2には、装飾用の盤面ランプ5(図5を参照)も設けられている。
遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L、8C、8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)が設けられており、当該演出図柄8L、8C、8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。また、演出図柄8L、8C、8Rはそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字を表した複数の図柄(識別情報)からなる。演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄によって、後述の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果や、第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果、つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果を、遊技者が認識し易いように表示する。尚、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれかを指して単に「図柄」や「識別情報」ということがある。また、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特図1」「第1特図」、第2特別図柄を「特図2」「第2特図」ということがある。
例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合には、「777」などの3桁同一のゾロ目(「大当り演出図柄」ともいう)や「135」などの予め設定したチャンス図柄や「3★3」などの専用図柄(「特殊図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目図柄(「外れ演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり、一般的には、遊技者は特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。そして、本実施例では、大当りの場合、演出図柄8L、8C、8Rを停止表示(確定表示)する際の図柄確定演出を、例えば、表示画面7a(演出図柄表示領域7b)の略中央で演出図柄8L、8C、8Rを停止表示する等、遊技者が大当りの発生を容易に認識できる態様で行うこととしている。尚、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、大当り遊技に伴って実行される大当り遊技演出(特別遊技演出)や、客待ち用のデモ演出などが表示される。演出図柄遊技演出や大当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。また、画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とが設けられている。第1演出保留や第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43aにて表示される第1特図保留の記憶数や第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、演出図柄表示領域7bを取り囲むように、センター装飾体10が設けられている。センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。また、センター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口から受け入れ、当該遊技球をワープ出口から排出しステージ部11へと誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらに、センター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
また、センター装飾体10の上部であって、装飾部材13の後方には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14が設けられている。図3では、可動装飾部材14の一部分のみが視認可能となっているが、例えば、大当りの可能性が比較的高い遊技演出の実行に伴って、可動装飾部材14が下方に落下し、当該可動装飾部材14が表示画面7aの前面を覆い、その大部分が視認可能となる。これにより、遊技者は大当りへの期待感を高めることとなる。遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
遊技領域3における画像表示装置7の右方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。可変入賞装置22は、羽根部材23を備え、羽根部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。羽根部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5を参照)により駆動される。本実施例では、第2始動口21は、羽根部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、羽根部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、羽根部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、羽根部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口30を備えた第1大入賞装置31(「第1可変入球口」ともいう)と、第2大入賞口35を備えた第2大入賞装置36(「第2可変入球口」ともいう)とが設けられており、本実施例では、第1大入賞装置31(第1大入賞口30)の真上に第2大入賞装置36(第2大入賞口35)が配置されている。第1大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5を参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1大入賞装置31が作動すると、開閉部材32の開閉動作により、第1大入賞口30は、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化し得る。
また、第2大入賞装置36は、開閉部材37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5を参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第2大入賞装置36が作動すると、開閉部材37の開閉動作により、第2大入賞口35は、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)または遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)に変化し得るものとなっている。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35に入球した遊技球が通過可能な特定領域39および非特定領域49と、第2大入賞口35に入球した遊技球を特定領域39または非特定領域49に誘導する(振り分ける)ための可動片150を含んで構成されている。可動片150は、可動片ソレノイド151(図5を参照)により駆動されるもので、第2大入賞口35の開放、換言すると開閉部材37の開放動作の開始を契機として、その動作が開始される。可動片ソレノイド151がOFFのとき、すなわち可動片150が動作していないときは(非動作状態)、第2大入賞口35に入球した遊技球は非特定領域49に誘導されて、特定領域39を通過することが不可能となる。一方、可動片ソレノイド151がONのとき、すなわち可動片150が動作しているときは(動作状態)、第2大入賞口35に入球した遊技球は特定領域39に誘導されて、特定領域39を通過すること(「V通過」ともいう)が可能となる。本パチンコ遊技機1では、第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個が特定領域39を通過したことが検知されることに基づいて、後述の高確率状態を発生させている。つまり、特定領域39は確変作動口となっている。このような特定領域39は、第1大入賞装置31には設けられていない。第2大入賞口35の開放(開閉部材37の開放動作)と可動片150の動作についての詳細は後述する。尚、可動片150は、本発明の「可動部材」の一態様に相当する。また、高確率状態は、特別遊技とは別に遊技者に付与される遊技上の特典の一態様である。
ここで、第2大入賞装置36の構成について詳しく説明する。図47は、第2大入賞装置36を示す模式図である。第2大入賞口35に入球した遊技球は、第2大入賞装置内の所定の遊技球誘導通路を通って、全て第2大入賞口センサ35a(「入球検知手段」や「入球検知センサ」ともいう)を通過する。第2大入賞口センサ35aは第2大入賞口35への遊技球の入球を検知するためのセンサであり、第2大入賞口センサ35aでの検知に基づいて第2大入賞口35への入球数を計数することが可能となる。遊技球が第2大入賞口センサ35aで検知されると、その検知数(つまり、入球数)が後述する主制御部80のRAMに設けられた入球数計数手段(図示しない)によりラウンド単位で計数される。この計数結果(計数値)は、ラウンド間のインターバル時間の経過によりクリアされる。
また、第2大入賞口センサ35aで検知された(を通過した)遊技球は、その後、所定の遊技球誘導通路を通って、必ず特定領域39または非特定領域49を通過する。尚、特定領域39は、可動片150が動作中(動作状態)のときにだけ、換言すると、特定領域39が開放中のときにだけ、遊技球が通過可能となる(図48(b)を参照)。特定領域39には特定領域センサ39aが設けられており、特定領域39を通過する遊技球は特定領域センサ39aにより検知される。また、非特定領域49には非特定領域センサ49aが設けられており、非特定領域49を通過する遊技球は非特定領域センサ49aにより検知される。特定領域センサ39aおよび非特定領域検知センサ49aは、第2大入賞口35からの遊技球の排出を検知するためのセンサでもあり、特定領域センサ39aおよび非特定領域検知センサ49aの検知に基づいて第2大入賞口35からの排出数を計数することが可能となる。遊技球が特定領域センサ39aまたは非特定領域検知センサ49aで検知されると、その検知数(つまり、排出数)が後述する主制御部80のRAMに設けられた排出数計数手段(図示しない)によりラウンド単位で計数される。この計数結果(計数値)は、ラウンド間のインターバル時間の経過によりクリアされる。
また、特定領域センサ39aにより検知された遊技球の数は、後述する主制御部80のRAMに設けられた特定領域通過計数手段(図示しない)により特定領域通過数として計数され、非特定領域センサ49aにより検知された遊技球の数は、後述する主制御部80のRAMに設けられた非特定領域通過計数手段(図示しない)により非特定領域通過数として計数される。これらの計数もラウンド単位で行われ、計数結果(計数値)はインターバル時間の経過によりクリアされる。尚、第2大入賞口35に入球した遊技球が排出されるのを検知する特定領域センサ39a(「第1排出検知手段」や「第1排出検知センサ」ともいう)および非特定領域検知センサ49a(「第2排出検知手段」や「第2排出検知センサ」ともいう)を、総じて「排出検知手段」や「排出検知センサ」ともいう。
本実施例では、主制御部80の制御プログラムによって、第2大入賞口35に係る遊技球の入球数および排出数を計数し、その計数結果を基に入球数と排出数の一致・不一致を判定することにより、特定領域39を有する第2大入賞装置36(第2大入賞口35)への入球に係る異常や不正等の発生の有無を監視することが可能となっている。第2大入賞装置36(第2大入賞口35)の内部では、特定領域39を開閉するための可動片150を動作させることから、可動片150に遊技球が噛む等して、第2大入賞装置36(第2大入賞口35)の内部に遊技球が詰まってしまう虞がある。このような球詰まりが発生した場合には、第2大入賞口35に入球した遊技球がその後排出されないことから、入球数と排出数とが一致しないこととなる。このように入球数と排出数とを監視することで、球詰まりの有無を確認することが可能となる。また、いわゆる糸吊りゴト等の不正行為により遊技球を特定領域センサ39aに検知させた場合にも入球数と排出数とが一致しないため、このことに基づいて不正行為の有無を監視して、不測の損害が発生するのを未然に防止することも可能となる。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると第2始動口21を開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入賞口27が設けられている。
このように各種入球口(入賞口)等が配されている遊技領域3は、左右方向の中央より左側の左遊技領域3A(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域3B(第2遊技領域)とに分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を「左打ち」といい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を「右打ち」という。本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際は左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において大当りとなり遊技状態が変化した際には、右打ちにてゲート28、第2始動口21、第1大入賞口30および第2大入賞口35への入球を狙うこととなる。そして、第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35および一般入賞口27の何れかに遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(「賞球」ともいう)が払い出される。
また、図3及び図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示および停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)、第2特別図柄を変動表示および停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)、及び、普通図柄を変動表示および停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)が含まれている。また、主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、及び、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
また、主表示器40には、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が大当りになった場合に、実行される大当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46、及び、遊技球の発射方向、すなわち右打ちすべき状態か左打ちすべき状態かを示す発射方向表示器47が含まれている。これら主表示器40に含まれる各種表示器は後述の主制御部によって表示制御される。第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球を契機として行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球を契機として行われる。尚、以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部43ということがある。
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20または第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択される一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報、特定態様)である場合(すなわち、大当り図柄等の当り図柄である場合)には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30または第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当り遊技)が行われる。尚、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは、「i〜p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第1特別図柄当否判定の結果として「10R第1大当り」、「10R第2大当り」、「5R第3大当り」および「5R第4大当り」の4種類の大当りが設けられており(図8を参照)、第1特別図柄表示器41aのLEDは、それら4種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様)を採ることが可能となっている。具体的には、第1特別図柄当否判定の結果が10R第1大当りとなった場合には「ijn」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(10R第1大当り図柄)、10R第2大当りとなった場合には「ino」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(10R第2大当り図柄)、5R第3大当りとなった場合には「inp」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(5R第3大当り図柄)、5R第4大当りとなった場合には「ijo」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(5R第4大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
一方、第2特別図柄表示器41bは、「a〜h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第2特別図柄当否判定の結果として「15R第5大当り」および「15R第6大当り」の2種類の大当りが設けられており(図8を参照)、第2特別図柄表示器41bのLEDは、それら2種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様)を採ることが可能となっている。具体的には、第2特別図柄当否判定の結果が15R第5大当りとなった場合には「abd」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(15R第5大当り図柄)、15R第6大当りとなった場合には「abg」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(15R第6大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「eh」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
尚、特別図柄の停止表示態様(停止図柄)は、これらに限定されるものではなく、任意に設定することができる。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば、予め定められた順序で光が左から右へ繰り返し流れるように各LEDを点灯させる態様とすることができる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留(取得情報)の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値はそれぞれ「4」となっている。これら第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部を、夫々「第1取得情報記憶手段」および「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。
このような特図保留の数は、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には、第1特図保留表示器43aは「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とすることができる。また、保留数が「3」の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数が「4(上限数)」の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させる表示態様とすることができる。
一方、第2特図保留表示器43bは「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数「1」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には、図4に示す通り、普通図柄表示器42は「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。尚、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数には上限が設定されており、本実施例における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。そして、普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には、普図保留表示器44は「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数「2」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
次に図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行などの遊技進行に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい、「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板90(「サブ制御部」ともいい、「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7に表示される演出図柄8、演出表示器102に表示される図柄、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部)等を備えている。また、図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107および画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上にはサブ制御基板90を収納したサブ制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、所定のプログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、上述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部)と普図保留記憶部とが設けられている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的には、センサ類として、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ49aおよび一般入賞口センサ27aが接続されている。これら各種センサを「遊技球検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて、第2大入賞口35に入球した遊技球のうち特定領域39を通過した遊技球を検知するものである。非特定領域センサ49aは、第2大入賞口35内の非特定領域49に設けられて、第2大入賞口35に入球した遊技球のうち非特定領域49を通過した遊技球を検知するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて一般入賞口27に入球した遊技球を検知するものである。そして、遊技制御用マイコン81(主制御部80)のRAMには、これらの各センサ(遊技球検知手段)による遊技球の検知数を計数、記憶するための領域が設けられており、遊技制御用マイコン81の制御(プログラム)により、各センサによる検知数を計数することが可能となっている(計数手段)。
また、ソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38および可動片ソレノイド151が接続されている。これら各種ソレノイドを「駆動手段」ともいう。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の羽根部材23を駆動するためのもので、第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。また、第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのもので、可動片ソレノイド151は、第2大入賞装置36の可動片150を駆動するものである。さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47および当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1を参照)が含まれる。
払出制御基板110は、所定のプログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。遊技者による発射ハンドル60の操作があった場合には、タッチセンサ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。
また、主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、サブ制御基板90には、所定のプログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って遊技演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。尚、サブ制御基板90(サブ制御部)や画像制御基板100(画像制御部)、音声制御基板106(音声制御部)、ランプ制御基板107(ランプ制御部)は、遊技の状況に応じて表示演出や音演出、ランプ演出等の各種演出を実行する演出実行手段として機能するものである。
サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字及び記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示および停止表示に合わせて変動表示および停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数および第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数および第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)の略全体を被覆したりすることで、演出図柄8や第1演出保留9a、第2演出保留9b等、表示画面7aに表示される各種画像の一部または全部が視認できない状態になることがあるため、この様な表示器が設けられている。尚、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、または加えて、VDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROMに音響データを格納してもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
さらに、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動装飾部材14を動作させる。可動装飾部材14は、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
また、サブ制御基板90には、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63b(図1を参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチからの信号がサブ制御基板90に入力される。尚、第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dを総称して単に「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御について説明する。本実施例では、特別図柄当否判定の結果として「大当り」と「外れ」がある。「大当り」のときには、特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示され、「外れ」のときには、特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。大当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、第1大入賞口30または第2大入賞口35を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」という。
大当りには複数の種別がある。図6に示すように大当りの種別としては、「10R第1大当り」、「10R第2大当り」、「5R第3大当り」、「5R第4大当り」、「15R第5大当り」および「15R第6大当り」の計6種類がある。「10R第1大当り」と「10R第2大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口35)を開放させるラウンドの実行回数(ラウンド数)が10回の大当り(10R大当り)で、「5R第3大当り」と「5R第4大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口35)を開放させるラウンドの実行回数(ラウンド数)が5回の大当り(5R大当り)で、「15R第5大当り」と「15R第6大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口35)開放させるラウンドの実行回数(ラウンド数)が15回の大当り(15R大当り)である。尚、ラウンドを、単に「R」ともいい、「ラウンド遊技」ともいう。
これらの大当りに係る大当り遊技の各ラウンドでは、第1大入賞口30および第2大入賞口35のうち一方が開放した状態(入球可能状態、遊技球受入可能状態)となり、他方は閉鎖した状態(入球不能状態、遊技球受入不能状態)となる。すなわち、2つの大入賞口30,35が同時に開放することはなく、何れか一方が開放する。
具体的には、5R大当りの場合、1ラウンド目〜5ラウンド目で第2大入賞口35(上大入賞口)が開放して第1大入賞口30(下大入賞口)が閉鎖する。つまり、5R大当りは、第1大入賞口30(下大入賞口)が開放することなく第2大入賞口35(上大入賞口)だけが開放する大当りである。また、10R大当りおよび15R大当りの場合、1ラウンド目〜5ラウンド目では、前述の5R大当りと同様に第2大入賞口35(上大入賞口)が開放して第1大入賞口30(下大入賞口)が閉鎖し、6ラウンド目以降(6R〜10R、6R〜15R)は、第1大入賞口30(下大入賞口)が開放して第2大入賞口35(下大入賞口)が閉鎖する。
また、各ラウンド間には所定のインターバル時間(閉鎖時間)が設定される。本実施例では、各ラウンド間のインターバル時間を1000ms(1秒)としている。尚、インターバル時間は本実施例で示す時間に限定されるものではなく、大当り遊技の仕様に応じて適宜設定可能である。
ここで、大当り遊技中の大入賞口開放パターン(大入賞口の開閉動作の態様)について説明する。まず、第2大入賞口35が開放する1ラウンド目では、第2大入賞口35をラウンド開始から20000ms(20秒)が経過するまで開放させ、当該20000msの経過により閉鎖させて、ラウンドを終了させる。つまり、開放時間20000ms(20秒)、開放回数1回の開放パターンで第2大入賞口35の開放を行う。
続く2ラウンド目〜5ラウンド目においても、第2大入賞口35を開放させるが、各ラウンドにおいて、第2大入賞口35の開放開始(最初の開放開始)を契機に可動片150を動作させるものとしている。尚、可動片150が動作するラウンド(本実施例では2ラウンド目〜5ラウンド目)のことを「Vラウンド」ともいい、可動片150が動作しないラウンド(本実施例では1ラウンド目、6ラウンド目〜15ラウンド目)のことを「非Vラウンド」または「通常ラウンド」ともいう。
2ラウンド目〜5ラウンド目の各ラウンド(Vラウンド)では、図48(a)〜(d)に示す開放パターンA〜Dの何れかに基づいて第2大入賞口35を開放させる。何れの開放パターンで開放させるかは、実行する大当りの種別によって決まるものとなっている。すなわち、大当りの種別が「10R第1大当り」および「15R第5大当り」の場合、2ラウンド目〜5ラウンド目の各ラウンドで第2大入賞口35を図48(a)に示す開放パターンAに基づき開放させ、「10R第2大当り」および「15R第6大当り」の場合、2ラウンド目〜5ラウンド目の各ラウンドで第2大入賞口35を図48(d)に示す開放パターンDに基づき開放させる。
また、大当りの種別が「5R第3大当り」の場合、2ラウンド目〜5ラウンド目のうち、2ラウンド目と4ラウンド目で第2大入賞口35を図48(c)に示す開放パターンCに基づき開放させ、3ラウンド目と5ラウンド目で第2大入賞口35を図48(b)に示す開放パターンBに基づき開放させる。つまり、「5R第3大当り」では、開放パターンBに基づく開放2回と、開放パターンCに基づく開放2回を行う。
また、大当りの種別が「5R第4大当り」の場合、2ラウンド目〜5ラウンド目のうち、2ラウンド目〜4ラウンド目で第2大入賞口35を図48(c)に示す開放パターンCに基づき開放させ、5ラウンド目で第2大入賞口35を図48(b)に示す開放パターンBに基づき開放させる。つまり、「5R第4大当り」では、開放パターンBに基づく開放1回と、開放パターンCに基づく開放3回を行う。
ここで、Vラウンドにおける第2大入賞口35の開閉動作態様(開放パターン)と可動片150の動作態様(動作パターン)について説明する。図48(a)〜(d)は、1回のVラウンドでの第2大入賞口35の開放パターンを示しており、図48(e)は、1回のVラウンドでの可動片150の動作パターンを示している。前述のように、本実施例では、大当り遊技の2ラウンド目〜5ラウンド目の各ラウンドをVラウンドとしており、4回のVラウンドを行うものとなっている。この4回のVラウンドの各回において、第2大入賞口35は図48(a)〜(d)に示す開放パターンA〜Dの何れかに基づいて開閉動作を行う。また、可動片150は図48(e)に示す動作パターンに基づいて動作を行う。
Vラウンドでは、開放パターンA〜Dの何れにおいても、第2大入賞口35をラウンド開始から100ms(0.1秒)だけ開放させる(1回目の開放)。1回目の開放は、100ms(0.1秒)という極めて短い時間(短開放)で行うことから、当該1回目の開放時に遊技球が第2大入賞口35に入球する可能性は極めて低いもの(実質的に不可能)となる。そして、1回目の開放終了後、所定の閉鎖時間が経過するまで第2大入賞口35を閉鎖状態とし、閉鎖時間の経過後、第2大入賞口35を20000ms(20秒)開放させる(2回目の開放)。2回目の開放は、第2大入賞口35への遊技球の入球が可能となる長めの時間(長開放)で行うことから、当該2回目の開放時に遊技球が第2大入賞口35に入球する可能性は高いものとなる。尚、1回目の開放(100ms開放)と2回目の開放(20000ms開放)との間の閉鎖時間は、開放パターンA〜Dの各々で異なるものとなっている。具体的には、開放パターンAの閉鎖時間は100ms(0.1秒)、開放パターンBの閉鎖時間は700ms(0.7秒)、開放パターンCの閉鎖時間は1200ms(1.2秒)、開放パターンDの閉鎖時間は2000ms(2.0秒)となっている。
一方、可動片150の動作パターンは、大当りの種別に関係なく1種類であり、第2大入賞口35の1回目の開放開始(つまり、Vラウンドの開始)を契機として、可動片150の動作制御を開始するものとなっている。具体的には、第2大入賞口35の1回目の開放開始を契機に可動片150を動作状態(可動片ソレノイド151をON)とし、この状態を2000ms(2秒)維持する。そして、2000msが経過したところで可動片150を非動作状態(可動片ソレノイド151をOFF)とし、この状態をラウンド終了まで維持する。
可動片150が動作状態になると、特定領域39が開放され、可動片150が動作状態となっている間(つまり、特定領域39が開放している間)は、特定領域30への遊技球の通過(V通過)が可能となる。これに対し、可動片150が非動作状態になると、特定領域39が閉鎖され、可動片150が非動作状態となっている間(つまり、特定領域39が閉鎖している間)は、特定領域30への遊技球の通過(V通過)が不可能となる。このことから、本実施例では、Vラウンドの開始から2000msの間(2秒間)、第2大入賞口35に遊技球に入球した遊技球が特定領域39を通過することが可能となる。
このように、本実施例では、Vラウンドの開始に伴い第2大入賞口35が1回目の開放を行い、その後、2回目の開放開始まで閉鎖するが、1回目の開放時に遊技球が第2大入賞口35に入球する可能性は極めて低く(実質的に不可能)、また、第2大入賞口35が閉鎖している間は、当然、遊技球が第2大入賞口35に入球することはない。このため、Vラウンド開始後、第2大入賞口35の1回目の開放時間とこれに続く閉鎖時間が経過するまでに遊技球が第2大入賞口35に入球する可能性は限りなく低い(ゼロに近い)。そして、第2大入賞口35の1回目の開放と2回目の開放との間の閉鎖時間は、開放パターンA〜Dの各々で異なるものとなっており、最大で2000msとなっている。この2000msの閉鎖時間は、可動片150が動作状態に維持される時間と同じである(図48(d),(e)を参照)。よって、第2大入賞口35が開放パターンDで開放する場合、遊技球が特定領域39を通過する可能性(V通過可能性)は限りなく低く(実質的にゼロであり)、Vラウンドで遊技球が特定領域39を通過することは、まず無い。
一方、開放パターンA〜Cについては、第2大入賞口35の1回目の開放と2回目の開放との間の閉鎖時間が、開放パターンA,B,Cの順で長くなっており、この結果、第2大入賞口35の2回目の開放時間と可動片150の動作時間(V開放時間)との重複時間が、開放パターンA,B,Cの順で短くなっている(図48(a)〜(c),(e)を参照)。この重複時間は、特定領域30への遊技球の通過(V通過)が可能な時間(V通過可能時間)といえ、当該時間が長い程、V通過可能性は高くなる(短い程、V通過可能性は低くなる)。尚、図48(a)〜(c)では、第2大入賞口35の2回目の開放と可動片150の動作状態(V開放)との重複部分を斜線で示している。
具体的には、本実施例では、前述のように、第2大入賞口35の1回目の開放と2回目の開放との間の閉鎖時間は、開放パターンAが100ms、開放パターンBが700ms、開放パターンCが1200ms(1.2秒)となっている。このため、開放パターンA〜CのV通過可能時間は、開放パターンAが1800ms(1.8秒)、開放パターンBが1200ms(1.2秒)、開放パターンCが700ms(0.7秒)となる(図48(a)〜(c)を参照)。このため、VラウンドでのV通過可能性は、第2大入賞口35が開放パターンAに基づいて開放する場合に最も高くなり、以下、開放パターンB,Cの順で低くなる。
このことから、本実施例では、図6に示すように、V通過可能性のある大当り(10R第1大当り、5R第3大当り、5R第4大当り、15R第5大当り)のうち、4回のVラウンドで開放パターンAに基づく開放を4回行う「10R第1大当り」および「15R第5大当り」は、V通過可能性が高い大当り(V通過可能性:高)となっており、4回のVラウンドで開放パターンBに基づく開放を1回行うとともに開放パターンCに基づく開放を3回行う「5R第4大当り」は、V通過可能性が低い大当り(V通過可能性:低)となっている。そして、4回のVラウンドで開放パターンBに基づく開放と開放パターンCに基づく開放とをそれぞれ2回行う「5R第3大当り」は、「5R第4大当り」よりもV通過可能性が高く、「5R第4大当り」および「15R第5大当り」よりもV通過可能性が低い大当り(V通過可能性:中)となっている。これに対し、4回のVラウンドで開放パターンDに基づく開放を4回行う「10R第2大当り」および「15R第6大当り」は、V通過可能性が限りなく低い(実質的にゼロの)大当り(V通過可能性:無)となっている。
このように、Vラウンドでは、当該Vラウンドの開始に伴ってVアタッカー(第2大入賞口35)が100msだけ開放(短開放)した後、所定の閉鎖時間を経て20000msの2回目の開放(長開放)を行うものとなっている(図48(a)〜(c)を参照)。また、Vラウンドでは、当該VラウンドにおけるVアタッカーの1回目の開放開始を契機に可動片150が動作を開始し、この動作状態を2000ms維持する(図48(e)を参照)。このため、VラウンドにてVアタッカーに最初に入球した遊技球(1個目の入球)は、必ず、特定領域39および非特定領域49の何れかを通過する。そして、Vアタッカーへの1個目(最初)の入球が、Vラウンド開始(つまり、Vアタッカーの開放開始)から2000ms経過前に発生すれば、入球した遊技球は特定領域39を通過し得るものとなり、2000msが経過すると、以後、当該Vラウンドにて遊技球が特定領域39を通過することは無く、非特定領域49を通過する。尚、Vアタッカーへの1個目(最初)の入球とこれに後続する入球が立て続けに生ずることにより、複数の遊技球が特定領域39を通過することもある。
そして、VラウンドでのVアタッカーへの入球は、1回目の短開放時の例外的な入球(イレギュラー入球)を除いて、2回目の開放開始から可能となるのが通常である。このため、VラウンドにてVアタッカーが開放パターンAで開放する場合、Vアタッカーの2回目の開放開始から1800msの経過前にVアタッカーへの1個目の入球が発生すると、その入球した遊技球は特定領域39を通過し得るものとなり、1800msの経過後にVアタッカーに入球した遊技球は非特定領域49を通過するものとなる。
また、VラウンドにてVアタッカーが開放パターンBで開放する場合、Vアタッカーの2回目の開放開始から1200msの経過前にVアタッカーへの1個目の入球が発生すると、その入球した遊技球は特定領域39を通過し得るものとなり、1200msの経過後にVアタッカーに入球した遊技球は非特定領域49を通過するものとなる。
また、VラウンドにてVアタッカーが開放パターンCで開放する場合、Vアタッカーの2回目の開放開始から700msの経過前にVアタッカーへの1個目の入球が発生すると、その入球した遊技球は特定領域39を通過し得るものとなり、700msの経過後にVアタッカーに入球した遊技球は非特定領域49を通過するものとなる。
次に、第1大入賞口30が開放する6ラウンド目〜15ラウンド目の各ラウンドでは、第1大入賞口30をラウンド開始から25000ms(20秒)が経過するまで開放させ、当該25000msの経過により閉鎖させて、ラウンドを終了させる。つまり、開放時間25000ms(25秒)、開放回数1回の開放パターンで、第1大入賞口35の開放を行う。尚、第1大入賞口30および第2大入賞口35には、右打ちを行うことで遊技球を入球させることが可能となる。
第1特別図柄(特図1)の当否判定における各大当りの振分確率は、10R第1大当りが20%、10R第2大当りが50%、5R第3大当りが15%、5R第4大当りが15%となっている(図6、図8を参照)。これに対して、第2特別図柄(特図2)の当否判定における各大当りの振分確率は、15R第5大当りが80%、15R第6大当りが20%、15R第7大当りが20%となっている(図6、図8を参照)。すなわち、後述の開放延長機能の作動(高ベース状態の発生)により入球容易となった第2始動口21への入球に基づく第2特別図柄の当否判定により大当りとなった場合には、第1始動口20への入球に基づく第1特別図柄の当否判定によって大当りになった場合に比べ、15R大当りとなる可能性が高く、V通過可能性の高い大当りとなる可能性も高くなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(第1特別図柄当否判定)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(第2特別図柄当否判定)において大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。このため、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能の作動中においては顕著である。
ここで、本パチンコ遊技機1では、大当りか外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」、「図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0〜629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0〜99」までの範囲で値をとる。また、第1始動口20や第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数および大当り種別決定用乱数の他に「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。
変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数であり、「0〜198」までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数であり、「0〜240」までの範囲で値をとる。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄および普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能および開放延長機能の各機能が作動状態または非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」や「確変状態」といい、作動していない状態を「低確率状態」や「通常状態」という。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行うものの、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(図8(A)を参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。
また、特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9を参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しないものとなっている。このため、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなる。具体的に、時短状態では、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(C)を参照)。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(D)を参照)。さらに時短状態では、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放時間延長機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。加えて時短状態では、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。具体的には、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の羽根部材23が0.2秒の開放動作を1回行い、時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の羽根部材23が2.0秒の開放動作を3回行うものとなっている。
普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球(持ち球)を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
尚、高ベース状態(高頻度状態)は、上記した全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときに比べ第2始動口21が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生させる機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
本実施例のパチンコ遊技機1では、10R第1大当り、5R第3大当り、5R第4大当りおよび15R第5大当りの何れかになった場合、その大当り遊技中(特別遊技中)に特定領域39への遊技球の通過がなされていれば、大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態のことを「高確高ベース状態」ともいう。高確高ベース状態は、所定回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。この高確高ベース状態は、高確率状態であることが遊技者にとって明らかな状態となり、遊技者にとってはいわゆる「確変遊技状態」となる。
尚、10R第1大当り又は15R第5大当りとなった場合の大当り遊技中に特定領域39への遊技球の通過がなされていなければ、大当り遊技後の遊技状態は、特別図柄の通常状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態(低確高ベース状態)となり、5R第3大当り又は5R第4大当りとなった場合の大当り遊技中に特定領域39への遊技球の通過がなされていなければ、大当り遊技後の遊技状態は、特別図柄の通常状態かつ特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態(低確低ベース状態)となる。
また、10R第4大当り又は15R第6大当りになった場合の大当り遊技後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過することは極めて困難(実質的に不可能)であるので、特別図柄の通常状態になるとともに、特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態のことを「低確高ベース状態」ともいう。低確高ベース状態は、所定回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。尚、可能性は限りなく低い(ゼロに近い)が、仮に遊技球が特定領域39を通過した場合には「高確高ベース状態」となる。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっているからである。このため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより、左打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域3Bを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(右打ち指示報知)。
これに対して、低ベース状態(例えば低確低ベース状態)では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより、右打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域3Aを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(左打ち指示報知)。
ここで、発射方向表示器47は「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
尚、本実施例のパチンコ遊技機1では、「低確低ベース状態」を基準の遊技状態とし、この「低確低ベース状態」よりも遊技者にとって有利な遊技状態として「低確高ベース状態」と「高確高ベース状態」の2つの遊技状態を設定可能としている。これに加え、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態、すなわち「高確低ベース状態」を設定可能としてもよい。
[主制御メイン処理]
次に、図10〜図37に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(主制御部80による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから図10に示す主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、初期設定を行う(S101)。初期設定では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず、出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄(大当り図柄)、変動パターン等に関する情報等が含まれる。尚、コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。この場合、上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、一般入賞口センサ27a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a等)が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検知する下皿満杯検知センサからの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、始動入球時処理(S205)、普図動作処理(S206)、特図動作処理(S207)、特定領域センサ検知処理(S208)、非特定領域センサ検知処理(S209)、保留球数処理(S210)および電源断監視処理(S211)を実行し、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは、主制御メイン処理のS102〜S104の処理が繰り返し実行され(図10を参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)では、まず、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305に進み、ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4未満であるか否か判定する(S302)。
普通図柄保留球数が4未満でなければ(S302でNO)、S305の処理に移行する。一方、普通図柄保留球数が4未満であれば(S302でYES)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H、図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)には、S309の処理に移行し、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S306)。そして、特図2保留球数が4未満でない場合(S306でNO)には、S309に移行し、特図2保留球数が4未満である場合には(S306でYES)、特図2保留球数に1を加算する(S307)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部のうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4未満でない場合(S310でNO)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4未満である場合には(S310でYES)、特図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部のうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[始動入球時処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで始動入球時処理(S205)を行う。図13に示すように、始動入球時処理(S205)では、まず、特図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S315)。そして、特図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S315でYES)、S316の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。
一方、特図2保留球数が増加していないと判定した場合(S315でNO)、S319の処理に移行する。S316では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S316)。次いで、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S317)。S317では、読み出した取得乱数値のうち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)については、現在の遊技状態(低確率状態か高確率状態か)に応じて大当りか外れかを判定し、当該判定の結果が大当りである場合には、さらに大当りの種別を判定する。このS317による判定は、特図2保留についての当否判定(大当りか否かの判定)を、後述の特図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303,S1304)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
尚、大当りか否かの事前判定は、大当り判定テーブル(図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブルに基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することが可能である。また、他の事前判定態様として、変動パターン情報を判定可能な変動パターン情報判定テーブルとして、通常状態用(低確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、高確率状態用(高確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、を有するものとする。そして、事前判定においては、取得乱数値(特別図柄当否判定用乱数カウンタの値等)と、遊技状態に応じた変動パターン情報判定テーブルと、に基づいて、所定の変動パターン情報を選択するものとすることが可能である。そして、この選択した変動パターン情報から、大当りかどうかや大当り種別、大当り信頼度の高い遊技演出が実行されるかどうか等を識別可能とすることができる。
次いでS318では、S317による判定の結果に係る遊技情報(事前判定情報)、具体的には、特別図柄当否判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否かを示す情報(当否情報)や、大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)を示す情報、変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報等を含むコマンドデータを、特図2始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S318)。尚、特図2始動入球コマンドとして、S316で読み出した特図2取得乱数の値の一部または全部を、そのままサブ制御基板に送信するようにしてもよいし、特図2取得乱数の値はそのまま送信せず、特図2取得乱数の値に基づいて取得した遊技情報(例えば、前述の変動パターン情報等)を送信するようにしてもよい。
また、主制御部80から送信した特図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるかどうか、大当り種別は何れであるか等を、サブ制御部90が識別できるものとされている。また、本実施例では、これに加えて、特図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、及び低確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、を特定可能とされている。これにより、サブ制御部90は、受信した特図2始動入球コマンドを保留(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該演出保留情報を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているかどうかを判定することが可能となる。
尚、不正防止の観点から、S316で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報とを含むコマンドデータを特図2始動入球コマンドとして生成し、これをセットすることが可能である。
次いでS319では、前述の特図2に係る処理と同様に、特図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S319)。そして、特図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S319でYES)、S320の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S319で、特図1保留球数が増加していないと判定した場合(S319でNO)、そのまま処理を終える。
S320では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S320)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S320でYES)、そのまま処理を終える。一方、S320で時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S320でNO)、S321以降の事前判定に係る処理に進む。ここで、時短フラグがONである場合、すなわち現在の遊技状態が高ベース状態である場合、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特図2の当否判定(図8(B)を参照)が行われやすい状態となっている。また、本実施例では、後述するように特図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するもの(所謂特図2優先変動機)としている。このような構成において、例えば、特図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、特図2保留消化の優先を利用して、任意のタイミングで特図2保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このように大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このため、現在の遊技状態が低ベース状態でなく高ベース状態である場合には(S320でYES)、S321以降の特図1の事前判定に係る処理を行わず、本処理を終えることとしている。
S321〜S323の処理は、前述したS316〜S318と同様の処理を特図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S321)、読み出した取得乱数値について事前判定を行い(S322)、この事前判定に係る遊技情報を含むコマンドデータを特図1始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S323)。尚、S322の事前判定(保留先読み)は、後述の特図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603,S1604)に先立って行うものである。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動入球時処理(S205)に次いで、図14に示す普図動作処理(S206)を行う。普図動作処理(S206)では、普通図柄表示器42及び可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚、普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図15に示すように、普通図柄待機処理(S402)では、まず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)、この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行い(S502)、次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。普通図柄変動パターン選択処理(S503)を終えたら、後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行い、次いで、普通図柄変動開始処理(S505)を行い、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンに基づいて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また、普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図16に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)では、まず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONであるか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定した場合(S602でYES)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」〜「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定した場合(S602でNO)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。そして、S605で、普図当否判定(S603、S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判定し(S605)、外れと判定された場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定された場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
図17に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)では、まず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図18に示すように、普通図柄変動中処理(S404)では、まず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行って(S804)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図19に示すように、普通図柄確定処理(S406)では、まず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして、時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]
図20に示すように、普通電動役物処理(S407)では、まず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)、処理を終え、至っていれば(S1003でYES)、第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)、第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
そして、第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(羽根部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対して、S1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903またはS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFにするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFにし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S206)に次いで特図動作処理(S207)を行う。特図動作処理(S207)では、図21に示すように、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「特図動作ステータス」が「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「特図動作ステータス」が「3」である場合には(S1101、S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101、S1103、S1105の全てがNO)、大当り遊技としての特別電動役物処理(S1107)を行う。尚、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S1102)では、まず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、待機画面とする処理中であれば(S1211でYES)、処理を終え、待機画面とする処理中でなければ(S1211でNO)、待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
S1201において特図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYES)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(図8(B))。
[特図2当否判定処理]
図23に示すように、特図2当否判定処理(S1202)では、まず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、大当り判定テーブル(図8(A))のうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブル(図8(A))のうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1304)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
大当り判定(S1303,S1304)の結果が「大当り」と判定した場合(S1305でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1307)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1308)、大当りフラグをONにして(S1309)、処理を終える。一方、大当り判定(S1303、S1304)の結果が「大当り」でないと判定した場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1306)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。ここで、大当り判定(特別図柄当否判定)や大当り種別決定判定を、夫々「判定」といってもよいし、大当り判定を行い何れの大当り図柄となるかを含めて「判定」といってもよい。また、これらの結果を「判定結果」ということもある。
ここで、ラウンド表示器45は、5R用ランプ、10R用ランプ及び15R用ランプの3個のLEDで構成されている。そして、例えば、5R大当りとなると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、5R用ランプが点灯表示される。具体的には、「5R▲10R△15R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。また、10R大当りとなると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、10R用ランプが点灯表示される。具体的には、「5R△10R▲15R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。さらに、15R大当りとなると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、15R用ランプが点灯表示される。具体的には、「5R△10R△15R▲」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。
[特図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(図22)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。図24及び図25に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)では、まず、遊技状態が時短状態であるか否か(時短フラグがONであるか否か)を判定する(S1401)。S1401で、時短状態でないと判定した場合(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、次いで、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1402)。S1402で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1402でYES)、非時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。本実施例では、変動パターンP1乃至P3の何れかが選択される。尚、本実施例では、変動パターンが決まれば変動時間も決まるものとされている。次いで、S1404の処理に移行する。
一方、S1402で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1402でNO)、次いで第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」であるか否かを判定する(S1405)。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は「1」〜「4」の何れかの値とされる。そして、S1405で、保留数が「1」又は「2」であると判定した場合(S1405でYES)、第1保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1,2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。本実施例では、変動パターンP4乃至P7の何れかが選択される。一方、S1405で、保留数が「1」又は「2」でない、すなわち「3」又は「4」であると判定した場合(S1405でNO)、第2保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「3,4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例では、変動パターンP8乃至P11の何れかが選択される。また、第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。また、選択可能な最も短時間の変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。
また、S1401で、時短状態であると判定した場合(S1401でYES)、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1408)。S1408で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1408でYES)、時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。本実施例では、変動パターンP12乃至P14の何れかが選択される。
一方、S1408で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1408でNO)、次いで保留数が「1」であるか否かを判定する(S1410)。ここでいう保留数も前述と同様であり、保留数は「1」〜「4」の何れかの値とされている。S1410で、保留数が「1」であると判定した場合(S1410でYES)、第3保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「1」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP15乃至P18の何れかが選択される。また、S1410で、保留数が「1」でない、すなわち、保留数が「2」〜「4」の何れかであると判定した場合(S1410でNO)、第4保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「2〜4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP19乃至P22の何れかが選択される。ここで、時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンは、非時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンと比較して、短い変動パターンが選択される可能性が高くされている。これは、時短状態において変動時間の短い変動パターンがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早める(時短中の遊技を迅速に進行させる)ためである。
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、図24に示すその他の処理を行い(S1404)、処理を終える。その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする等の処理を行う。また、この処理でセットされた変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御部90に送信される。
[特図2乱数シフト処理]
図26に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)では、まず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部がアドレス「0000」〜「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図22に示す特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
図22の特別図柄待機処理(S1102)において、特図2保留球数が「0」であり、かつ、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
[特図1当否判定処理]
図27に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図23に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601〜S1609)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出して処理を行う。
[特図1変動パターン選択処理]
図28及び図29に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図24及び図25に示した特図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の流れで処理(S1701〜S1712)を行う。従って本処理の詳細な説明は省略する。
[特図1乱数シフト処理]
図30に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)では、まず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図22に示す特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図31に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)では、まず、特別図柄の変動時間(図22のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図9を参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONであるか否か判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1905)。S1905で確変カウンタが「0」であると判定した場合、確変フラグをOFFし、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合と(S1903でNO)、確変カウンタが「0」でないと判定した場合には(S1905でNO)、S1907の処理に移行する。
そしてS1907では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」か否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合と(S1907でNO)時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合には(S1909でNO)、S1911の処理に移行する。
S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]
図32に示すように、特別図柄確定処理(S1106)では、まず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、続いて大当りの種別が15R大当り(15R第5大当り又は15R第6大当り)であるか否かを判定する(S2002)。大当りの種別が15R大当りであると判定した場合(S2002でYES)、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値に「15」をセットし(S2003)、S2009の処理に移行する。
S2002で、大当りの種別が15R大当りでないと判定した場合(S2002でNO)、次いで大当りの種別が10R大当り(10R第1大当り又は10R第2大当り)であるか否かを判定する(S2004)。10R大当りであると判定した場合(S2004でYES)、ラウンドカウンタの値に「12」をセットし(S2005)、S2009の処理に移行する。一方、大当りの種別が10R大当りでないと判定した場合(S2004でNO)、大当りの種別は5R大当り(5R第3大当り又は5R第4大当り)であるため、ラウンドカウンタの値に「5」をセットし(S2007)、S2009の処理に移行する。
S2009では、大当りの種類に応じた大入賞口開放パターンをセットし(S2009)、S2010の処理に移行する。ここで、前述したように、大入賞口の開放パターンは、大当りの種別に応じて定められている(図6を参照)。具体的には、10R第1大当りであれば10R第1大当り用の開放パターンをセットし、10R第2大当りであれば10R第2大当り用の開放パターンをセットし、5R第3大当りであれば5R第3大当り用の開放パターンをセットし、5R第4大当りであれば5R第4大当り用の開放パターンをセットし、15R第5大当りであれば15R第5大当り用の開放パターンをセットし、15R第6大当りであれば15R第6大当り用の開放パターンをセットする。そして、夫々の大当り遊技において対応する大当り用開放パターンを実行するものとされる。
S2010では、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットする(S2010)。本実施例では、10R第1大当りに対応する第1オープニングコマンド、10R第2大当りに対応する第2オープニングコマンド、・・・15R第6大当りに対応する第6オープニングコマンド、といったように、各大当りに対応してオープニングコマンド(第1オープニングコマンド〜第6オープニングコマンド)が設けられている。S2010では、開始する大当りの種別に応じたオープニングコマンドがセットされる。そして、主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、セットしたオープニングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドに基づいて所定の遊技演出の実行処理を行う。
オープニングコマンドのセット(S2010)に次いで、大当り遊技のオープニング期間を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2012)。また、S2001において大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2013)、処理を終える。尚、オープニング期間は、大当り遊技における大入賞口の最初の開放動作を開始する前であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行不能とした後に設定される期間であり、「開始期間」ともいう。また、この「開始期間」に実行する演出を「開始演出(オープニング演出)」ともいう。本実施例では、すべての大当りについて、オープニング期間の長さ(オープニング時間)を一律8000ms(8秒)としており、大当りの種別(オープニングコマンド)に応じたオープニング演出を行うものとしている。
[特別電動役物処理(大当り遊技)]
図33に示すように、特別電動役物処理(S1108)では、まず、確変フラグがONであるか否かを判定し(S2101)、確変フラグがONであると判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFし(S2102)、次いで、時短フラグがONであるか否かを判定する(S2103)。S2103で、時短フラグがONであると判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFし(S2104)、S2105の処理に移行する。尚、S2101で確変フラグがONでないと判定した場合(S2101でNO)、S2102の処理を行うことなくS2103の処理に移行し、S2103で時短フラグがONでないと判定した場合(S2103でNO)、S2104の処理を行うことなくS2105の処理に移行する。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態かつ非時短状態に制御される。本実施例では、非時短状態中は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)の開放処理が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでないと判定した場合(S2105でNO)、次いでラウンドの開始時期かどうかを判定する(S2106)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるかどうかによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、かつ、所定のインターバル期間(本例では1000ms)が終了したかどうかによって判定する。
S2106で、ラウンド開始時期であると判定した場合(S2106でYES)、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットし(S2107)、大入賞口開放処理を行う(S2108)。これにより、大入賞口が開放状態となり所定のラウンドが開始することとなる。尚、S2107では、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドがセットされる。セットされたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。また、S2108の大入賞口開放処理では、実行される大当りの種別に応じて定められた大入賞口開放パターンであって、開始されるラウンドに定められた開放パターンが開始される。
次いで、S2109で、開始するラウンドがVラウンドであるか否か、すなわち、開始するラウンドが、内部に特定領域39を有する第2大入賞口35(「Vアタッカー」ともいう)を開放するラウンドであって、可動片150を動作させるラウンドであるかどうかを判定する(S2109)。本実施例では、2ラウンド目〜5ラウンド目が、可動片150を動作させるVラウンドに設定されている。
S2109で、開始するラウンドがVラウンド(2ラウンド目〜5ラウンド目の何れか)でない、すなわち1ラウンド目または6ラウンド目以降であると判定した場合(S2109でNO)、処理を終える。一方、S2109で、開始するラウンドがVラウンド(2ラウンド目〜5ラウンド目の何れか)であると判定した場合(S2109でYES)、予め定められた特定領域の有効期間を設定するとともに(S2110)、前述した可動片150の動作パターン(特定領域開閉動作パターン)に基づいて可動片150の動作(特定領域39の開閉)を開始し(S2111)、処理を終える。
特定領域有効期間設定処理(S2110)では、Vラウンドにおける第2大入賞口35の開放中(可動片150が動作状態にあるとき)および第2大入賞口35の閉鎖後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定する期間(特定領域有効期間)に設定する。尚、本実施例ではこれ以外の期間(特別遊技を実行していないときも含む)は、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定する期間(特定領域無効期間)としている。ここで、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONするということであり、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである(後述の特定領域センサ検知処理(図35)を参照)。
S2106で、ラウンド開始時期でないと判定した場合(S2106でNO)、S2112の処理に移行する。ここで、ラウンド開始時期でないと判定する場合として、例えば、1ラウンド開始前のオープニング期間実行中や、ラウンド実行中や、ラウンド終了後のインターバル期間中や、後述する大入賞口閉鎖処理中を挙げることができる。S2112では、大入賞口開閉動作中かどうか、すなわち、S2108で開始した所定の開放パターンの実行中(ラウンド中)であるか否かを判定する(S2112)。S2112で、大入賞口開閉動作の実行中(ラウンド中)であると判定した場合(S2112でYES)、次いで、実行中のラウンドのラウンド終了条件が成立したか否かを判定する(S2113)。
ここで、本実施例のラウンド終了条件として、(1)実行中のラウンドに定められたラウンド実行時間(大入賞口開放時間)が経過したこと(又は、実行中のラウンドに定められた開放パターンを終了したこと)(2)実行中のラウンドにおいて当該実行中のラウンドに定められた規定数(例えば、10球)の遊技球が入球したこと、の2つの条件が定められている。そして、何れか一方の条件が成立すると、当該先に成立した条件に基づいてラウンド終了条件が成立となる。S2113で、ラウンド終了条件が成立していないと判定した場合(S2113でNO)、処理を終える。
一方、S2113で、ラウンド終了条件が成立したと判定した場合(S2113でYES)、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットし(S2114)、S2115の処理に移行する。S2114では、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドがセットされる。セットされたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。また、S2112で大入賞口開閉動作中でないと判定した場合も(S2112でNO)、S2115の処理に移行する。
S2115では、大入賞口閉鎖処理を行う(S2115)。大入賞口閉鎖処理では、主に、インターバル期間設定処理、Vラウンド(2ラウンド目〜5ラウンド目)における入排出数一致判定処理、入排出数が不一致と判定された場合のリトライ処理、エラー報知処理等が実行され、これらの処理が終了すると、S2116にて大入賞口閉鎖処理が終了したと判定される(S2116でYES)。尚、大入賞口閉鎖処理の実行中は閉鎖処理フラグがONにされており、大入賞口閉鎖処理が終了(完了)すると、この閉鎖処理フラグがOFFにされる。従って、大入賞口閉鎖処理が終了したかどうかの判定(S2116)は、閉鎖処理フラグがONかOFFかによって判定される。また、本実施例では、ラウンド間のインターバル期間(インターバル時間)を「1000ms(1秒)」に設定するものとしている。
S2116で、大入賞口閉鎖処理が終了していない(閉鎖処理フラグがON)と判定した場合(S2116でNO)、処理を終える。一方、S2116で、大入賞口閉鎖処理が終了した(閉鎖処理フラグがOFF)と判定した場合(S2116でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2117)、ラウンドカウンタの値が「0」であるかどうかを判定する(S2118)。S2118で、ラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2118でNO)、処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2118でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットすると共に(S2119)、大当りのエンディング期間を開始し(S2120)、大当り終了フラグをONにし(S2121)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタの値は、実行する大当りにおける全てのラウンドを終了すると「0」になる。
S2119では、予め定められた複数のエンディングコマンドの中から、今回の大当り発生時の遊技状態や今回の大当りの種別情報、特定領域通過未通過情報(VフラグがONかOFFか)等に応じたエンディングコマンドが選択され、当該選択されたコマンドがセットされる。こうしてセットされるエンディングコマンドの種類によって、実行される(設定される)エンディング期間(エンディング時間)が決まるものとなっている。エンディング期間は、大当り遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の全ての開放動作を終了した後であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行可能とする前に設定される期間であり、「終了期間」ともいう。エンディング期間(終了期間)では、第1大入賞口30および第2大入賞口35は閉鎖状態とされている。この「終了期間」に実行する演出を「終了演出(エンディング演出)」ともいう。
そして、主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、S2119でセットしたエンディングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該エンディングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該エンディングコマンドに基づいて所定のエンディング演出の実行処理を行う。
尚、Vラウンドにおいて(大当り遊技において)、遊技球が特定領域を通過したか否かの特定領域通過結果を示す情報を、「特定領域情報」ともいう。この特定領域情報は、Vラウンドにおいて遊技球が特定領域を通過したことを示す情報と、Vラウンドにおいて遊技球が特定領域を通過しなかったことを示す情報と、を有し、エンディング期間を決定するエンディング期間決定手段(終了期間決定手段)は、この特定領域情報に基づいてエンディング期間を決定することが可能である。
S2105において、大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、大当り遊技における最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング演出の実行時間(エンディング時間)が経過したか否かを判定し(S2122)、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S2122でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過したと判定した場合(S2122でYES)、大当り終了フラグをOFFにし(S2123)、後述する遊技状態設定処理(S2124)を行う。次いで、大当りフラグをOFFにし(S2125)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2126)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図21)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。尚、以上の特別電動役物処理(S1108)を実行する遊技制御用マイコン81は、「特別遊技実行手段」として機能するものといえる。
[遊技状態設定処理]
図34に示すように、遊技状態設定処理(S2121)では、まず、VフラグがONであるか否かを判定する(S2201)。Vフラグは、後述の特定領域センサ検知処理(図35)においてONにするフラグである。S2201で、VフラグがONであると判定した場合(S2201でYES)、確変フラグをONにすると共に(S2202)、確変カウンタに「200」をセットし(S2203)、VフラグをOFFにする(S2204)。そして、時短フラグをONにし(S2205)、時短カウンタに「200」をセットし(S2206)、処理を終える。すなわち、本実施例のパチンコ遊技機1では、VフラグがONになっているか否かに基づいて、大当り遊技後の遊技状態を高確率状態に設定する(確変フラグをONにする)か否かを決定するものとなっている。このように、VフラグがONになっていることに基づいて、大当り遊技後の遊技状態を高確率状態とすべく確変フラグをONにする処理(遊技状態設定処理)を実行する遊技制御用マイコン81は、「特典付与手段」として機能するものといえる。
ここで、VフラグがONの場合に、確変カウンタにセットする値は、高確率における特別図柄当否判定を実行可能な回数である。本実施例では、確変カウンタに「200」をセットすることから、200回の特別図柄の変動表示(特別図柄当否判定)が実行されるまで高確率状態は継続されることとなる。但し、200回の間に大当りとなった場合には、その大当り遊技の実行に際して高確率状態は終了する。また、確変フラグがONの場合には、時短カウンタにも同様に「200」がセットされるため、高確率状態が設定されている間、時短状態(開放延長状態)も設定され、高確率状態の終了とともに時短状態も終了することとなる。
一方、S2201で、VフラグがOFFであると判定した場合(S2201でNO)、終了した大当り(今回の大当り)が5R大当り(5R第3大当り又は5R第4大当り)であるか否かを判定し(S2207)、5R大当りでない、すなわち、10R大当り又は15R大当りであると判定した場合(S2207でNO)、時短フラグをONにし(S2208)、時短カウンタに「100」をセットし(S2209)、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技後の遊技状態が低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。ここで、終了した大当り(今回の大当り)が、V通過可能性の高い10R第1大当りや15R第5大当りであっても、遊技球の発射がない等の何らかの事情でVラウンド中の特定領域通過がなかった場合には(VフラグがOFF)、高確率状態に設定されることなく、時短状態(低確高ベース状態)となる(S2201でNO,S2207でNO,S2208,S2209)。この低確高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回行われること(特別図柄当否判定が100回行われること)、及び次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。尚、時短カウンタ及び確変カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。
また、S2207で、終了したのが5R大当りであると判定した場合(S2207でYES)、確変フラグをONにすることなく、また、時短フラグをONにすることなく、処理を終える。すなわち、終了した大当り(今回の大当り)が5R第3大当り又は5R第4大当りの場合であって、VフラグがOFF(特定領域未通過(「特定領域非通過」ともいう))の場合には、当該大当り遊技後の遊技状態が、低確率状態かつ低ベース状態(低確低ベース状態)に設定される。
[特定領域センサ検知処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S207)に次いで特定領域センサ検知処理(S208)を行う。図35に示すように、特定領域センサ検知処理(S208)では、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2401)。S2401で、特定領域センサ39aによる検知がないと判定した場合(S2401でNO)、処理を終了し、特定領域センサ39aによる検知があると判定した場合(S2401でYES)、特定領域有効期間中であるか否かを判定する(S2402)。特定領域有効期間は、前述の特別電動役物処理(図33)における特定領域有効期間設定処理(S2110)により設定される期間であり、大当り遊技中のVラウンド(2ラウンド目〜5ラウンド目)で設定される。
S2402で、特定領域有効期間中であると判定した場合(S2402でYES)、S2401で判定した特定領域センサ39aによる遊技球の検知は有効であることから、V通過に係る処理を行う。すなわち、S2403でVフラグがOFFであるか否かを判定し、OFFであれば(S2403でYES)、VフラグをONにするとともに(S2404)、特定領域通過コマンドをセットし(S2405)、OFFでなければ(S2403でNO)、すなわち、既にONとなっていれば、S2404およびS2405の処理を行うことなく、処理を終える。
ここで、本実施例では、大当り遊技中の2ラウンド目〜5ラウンド目の4回のラウンドをVラウンドとしているので、4回のVラウンドのうち先のVラウンド(例えば1回目のVラウンド)で遊技球が特定領域センサ39aにより有効に検知された後、後のVラウンド(例えば2回目のVラウンド)でも遊技球が特定領域センサ39aにより有効に検知される場合がある。この場合、先のVラウンドでVフラグがONになることから、後のVラウンドでは改めてVフラグをONにする必要はない。また、本実施例では、4回のVラウンドが行われるなか、特定領域39への最初(1個目)の遊技球通過(最初のV通過)に基づいて、後述の特定領域通過コマンドをセットすることとしており、4回のVラウンドが完了するまでに2個以上の遊技球が特定領域39を通過したとしても、特定領域通過コマンドをしないこととしている。
そこで、本実施例では、S2403でVフラグがOFFであるか否かを判定し、VフラグがOFFでない場合(S2403でNO)、すなわち、既にONとなっている場合には、VフラグをONにしたり特定領域通過コマンドをセットしたりすることなく、そのまま処理を終え、VフラグがOFFである場合に(S2403でYES)、VフラグをONにするとともに(S2404)、特定領域通過コマンドをセットして(S2405)、処理を終える。主制御基板80のCPU(遊技制御用マイコン81)は、セットした特定領域通過コマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御基板90に送信し、サブ制御基板90は受信した特定領域通過コマンドに基づいて、画像表示装置7等を用いた所定の遊技演出(第2特定演出)の実行処理を行う。つまり、4回のVラウンドを通じて、V通過に基づき特定領域通過コマンドをセットするのは1回だけである。
また、S2402で、特定領域有効期間中でない(無効期間である)と判定した場合(S2402でNO)、VフラグをONにすることなく、無効期間通過コマンドをセットし(S2406)、処理を終える。主制御基板80のCPU(遊技制御用マイコン81)は、セットした無効期間通過コマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御基板90に送信し、サブ制御基板90は受信した無効期間通過コマンドに基づいて、画像表示装置7や枠ランプ66、盤面ランプ5、スピーカ67等を用いた所定のエラー報知処理を行う。尚、無効期間に特定領域39への遊技球の通過があった場合には、主制御部80が制御可能な表示器等で所定のエラー表示を行ってもよい。
[非特定領域センサ検知処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特定領域センサ検知処理(S208)に次いで、非特定領域センサ検知処理(S209)を行う。非特定領域センサ検知処理(S209)では、図36に示すように、まず、非特定領域センサ49aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2411)。そして、特定領域センサ49aによる検知がないと判定した場合(S2401でNO)、処理を終える。一方、S2411で、非特定領域センサ49aによる検知があると判定した場合(S2411でYES)、5R大当り(5R第3大当り又は5R第4大当り)に係るVラウンド(2ラウンド目〜5ラウンド目)の実行中であるか否かを判定し(S2412)、実行中であれば(S2412でYES)、S2413の処理に移行し、実行中でなければ(S2412でNO)、処理を終了する。
S2413では、VフラグがOFFであるか否かを判定し、OFFでない場合(S2413でNO)、すなわち、VフラグがONである場合は、処理を終え、OFFである場合(S2413でYES)、すなわち、遊技球が特定領域39を(1個も)通過していない場合は、非特定領域49を通過した遊技球の数が「1」であるか否かを判定する(S2414)。前述したように、非特定領域センサ49aにより遊技球が検知されると、その検知数が図示しない非特定領域通過計数手段によって非特定領域通過数としてラウンド毎に計数されるので、S2414ではその計数値(カウント値)を参照して、非特定領域通過数が「1」であるか否かを判定する。そして、非特定領域49を通過した遊技球の数が「1」でない場合には(S2414でNO)、そのまま処理を終え、非特定領域49を通過した遊技球の数が「1」である場合には(S2414でYES)、非特定領域通過コマンドをセットし(S2415)、処理を終える。
このように、本実施例の非特定領域センサ検知処理(S209)では、5R大当り(5R第3大当り又は5R第4大当り)に係るVラウンド(2ラウンド目〜5ラウンド目)において(S2412でYES)、V通過の発生前に(S2413でYES)、非特定領域49への1個目(最初)の遊技球の通過が各Vラウンドで発生すると(S2414でYES)、非特定領域通過コマンドがセットされる(S2415)。そして、主制御基板80のCPUは、出力処理(S201)により、所定のタイミングでこの非特定領域通過コマンドをサブ制御基板90に送信し、サブ制御基板90は受信した非特定領域通過コマンドに基づいて、表示画面7a(演出図柄表示領域)等で所定の遊技演出を実行する。
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、非特定領域センサ検知処理(S209)に次いで保留球数処理(S210)を行う。図37に示すように、保留球数処理(S210)では、まず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数及び普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数情報をサブ制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットする(S2502)。この保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)は、次回の割り込み処理(S105)での出力処理(S201)によって出力され、割り込み処理毎に、保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)の出力バッファへのセット(S2502)と、出力処理(S201)とが順次行われる。尚、特図保留球数が加算された際の特図保留球数のデータ、すなわち始動入球(始動入賞)の発生に伴う特図保留球数のデータについては、前述の始動入球コマンドに含めるか、加算後(始動入球後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを始動入球コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。また、特図保留球数が減算された際の保留球数のデータ、すなわち特別図柄の変動開始(特図保留の消化)に伴う特図保留球数のデータについては、前述の変動開始コマンドに含めるか、減算後(特図保留消化後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを変動開始コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S210)に次いで電源断監視処理(S211)を行う。図38に示すように、電源断監視処理(S211)では、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変かどうか、当り遊技中かどうか、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONにし(S2603)、その後は割り込み処理(図11)に戻ることなくループ処理をする。
[サブ制御メイン処理]
次に、図39〜図46に基づいて、演出制御用マイコン91の動作(サブ制御部90による制御処理)について説明する。尚、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、サブ制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、サブ制御基板90のROMから図39に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
続いて、S4002で、電源断信号がONでかつサブ制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そして、この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、サブ制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。尚、このS4001〜S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値は、サブ制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や、予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。尚、乱数の更新に際して、乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、サブ制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファ(「サブ出力バッファ」ともいう)に格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106およびランプ制御基板107のうち、対応するコマンド送信先となる制御基板に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や、大当り遊技に係る特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7の表示画面7a(演出図柄表示領域7b)上で実行される演出図柄等の表示制御や、各種ランプの点灯制御や、可動装飾部材の動作制御や、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、図40に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをサブ制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図41に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)では、まず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。次いで、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプを発光させるためのランプデータを出力するランプデータ出力処理と、可動装飾部材14(電気的駆動源)を駆動するための駆動データを出力する駆動データ出力処理とを行う(S4202,S4203)。尚、ランプデータおよび駆動データは、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図42に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、まず、後述する受信コマンド解析処理(S4302)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてサブ制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4303)、当該スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4304)。その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4305)。
[受信コマンド解析処理]
図43に示すように、受信コマンド解析処理(S4302)では、まず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4395)、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4395でNO)、S4401の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4395でYES)、演出保留情報記憶処理(S4400)を行って、S4401の処理に移行する。演出保留情報記憶処理(S4400)は、S4395で受信した始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド又は特図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報(事前判定結果、大当り種別決定用乱数値、変動パターン乱数値等の遊技情報)を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式でサブ制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。例えば、受信した始動入球コマンドが特図1の保留球数「4」に対応する特図1始動入球コマンドである場合、その特図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に、特図1演出保留情報として記憶する。こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。この演出保留情報に基づいて実行する予告演出が、いわゆる「保留先読み演出」となる。サブ制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、サブ制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段」といえる。
S4401では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、受信したと判定した場合(S4401でYES)、後述する変動演出開始処理(S4402)を行って、S4406の処理に移行し、受信していないと判定した場合(S4401でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4406の処理に移行する。S4406では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4406)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4406でYES)、演出図柄を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(S4407)。変動演出終了処理(S4407)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。一方、S4406で、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4406でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4408の処理に移行する。尚、変動演出とは、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。
S4408では、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否かを判定し(S4408)、受信したと判定した場合(S4408でYES)、後述する大当り遊技開始時演出処理(S4409)を行って、S4410の処理(図44)に移行し、受信していないと判定した場合(S4408でNO)、大当り遊技開始時演出処理を行うことなく、S4410の処理に移行する。S4410では、主制御基板80からラウンド開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4410)、受信していないと判定した場合(S4410でNO)、S4412の処理に移行し、受信したと判定した場合(S4410でYES)、受信したラウンド開始コマンドに対応するラウンド指定コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4411)、S4412の処理に移行する。主制御基板80から送信されるラウンド開始コマンドには、開始するラウンド(開始ラウンド)が何ラウンド目なのかを特定することが可能な情報が含まれており、サブ制御基板90のCPU(演出制御用マイコン91)は、受信したラウンド開始コマンドに基づいて開始ラウンドのラウンド数を特定し、当該ラウンド数を示すラウンド指定コマンドをサブ出力バッファにセットする。ラウンド指定コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、ラウンド指定コマンドに基づき特定されるラウンド数に応じて、実行中の大当り遊技の進行状況に即したラウンド演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する(進行させる)。尚、ラウンド演出は、大当り遊技開始時演出処理(S4409)により設定されるラウンド演出パターンに基づくものである。
S4412では、主制御基板80から特定領域通過コマンドを受信したか否かを判定し(S4412)、受信していないと判定した場合(S4412でNO)、S4414の処理に移行し、受信したと判定した場合(S4412でYES)、V通過指定コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4413)、S4414の処理に移行する。V通過指定コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、V通過を示す所定の遊技演出(第2特定演出)を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。当該演出についての詳細は後述する。
S4414では、主制御基板80から非特定領域通過コマンドを受信したか否かを判定する(S4414)。前述したように、非特定領域通過コマンドは、5R第3大当り及び5R第4大当りの何れかに係る大当り遊技中の各Vラウンド(2ラウンド目〜5ラウンド目)にて、
第2大入賞口35に入球した最初(1個目)の遊技球がV通過発生前に(VフラグがOFFの状態で)非特定領域49を通過すること(「V非通過」ともいう)に基づいて、主制御基板80から送信される。そして、非特定領域通過コマンドを受信したと判定した場合は(S4414でYES)、V非通過指定コマンドをサブ出力バッファにセットして(S4415)、S4416の処理に移行し、非特定領域通過コマンドを受信していないと判定した場合は(S4414でNO)、S4415の処理を行うことなくS4416の処理に移行する。V非通過指定コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、V非通過を示す所定の遊技演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。当該演出についての詳細は後述する。
S4416では、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否かを判定し(S4416)、受信したと判定した場合(S4416でYES)、大当り遊技終了時演出処理(S4417)を行って、S4418の処理に移行し、受信していないと判定した場合(S4416でNO)、S4417の処理を行うことなく、S4418の処理に移行する。エンディングコマンドには、大当りの種別や、大当り遊技中(Vラウンド)における特定領域39への遊技球の通過有無(V通過有無)等を示す情報が含まれていることから、サブ制御基板90のCPU(演出制御用マイコン91)は、受信したエンディングコマンドに基づいて、今回終了した大当りの種別や大当り遊技後の遊技状態、エンディング期間の長さ(エンディング時間)等を特定することが可能である。そこで、大当り遊技終了時演出処理(S4417)では、受信したエンディングコマンドに基づいてエンディング演出の演出パターンを選択し、当該選択したエンディング演出の演出パターンや、その他の情報(エンディングコマンドの種類、エンディング時間、終了した大当りの種別、大当り遊技後の演出モード等)を特定可能な大当り遊技終了時コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットする。このセットした大当り遊技終了時コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101が、大当り遊技の終了に係る演出(エンディング演出等)を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
S4418では、その他の演出制御に係る処理を行い、本処理を終える。S4420で行うその他の処理としては、前述のコマンド以外の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド等)に基づく処理を行う。
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)の中で変動開始コマンドの受信に基づいて行われる変動演出開始処理(S4402)について説明する。図45に示すように、変動演出開始処理(S4402)では、まず、S4501で、演出制御用マイコン91が変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数、特定演出決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数処理(S4501)を行う。本実施例では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングで、S4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値に基づいて、実行する演出図柄遊技演出の態様や予告演出、停止表示する演出図柄等を決定する。
次いで、S4502では、受信した変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターンを指定する情報には、図9に示す変動パターン情報(P1乃至P22)や、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の判定結果や、大当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(図8を参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特図1に係るものなのか特図2に係るものなのかを判別することが可能となる。尚、変動パターン情報や遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
次いで、S4503では、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」〜「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA〜Eに対して割り当てられている。具体的には、モードステータス「1」が演出モードAに対応し、モードステータス「2」が演出モードBに対応し、モードステータス「3」が演出モードCに対応し、モードステータス「4」が演出モードDに対応し、モードステータス「5」が演出モードEに対応する。現在のモードステータスを参照することで、現在の演出モードを特定することが可能である。
ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、演出図柄遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができる。また、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能としてもよい。本実施例では、演出モードA〜C(モードステータス「1」〜「3」)は低確低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードD(モードステータス「4」)は低確高ベース状態(時短状態)に制御されているときに実行され、演出モードE(モードステータス「5」)は高確高ベース状態(確変遊技状態)に制御されているときに実行される。従って、演出モードがA〜Eのいずれであるかを確認することで、遊技者は現在の遊技状態を把握することができる。
次いで、S4504では、画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材14等を用いて行う変動演出のパターン(変動演出パターン)を決めるための図示しない変動演出パターン決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(図9を参照)であった場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した大当り時変動演出パターン決定テーブルがセットされる。本実施例では、演出モード(モードステータス)に対応した複数の変動演出パターン決定テーブルがサブ制御基板90のROMに予め格納されているので、S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出の実行態様(演出図柄の変動態様等)を決定するためのもので、複数の変動演出パターン決定テーブルがサブ制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それら複数の変動演出パターン決定テーブルのうちの何れかをセットする。
次いで、S4505では、S4501において取得した変動演出決定用乱数およびS4504においてセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合した変動演出パターンを選択し、これを設定する(S4505)。変動演出パターンとしては、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(演出図柄遊技演出の実行態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出において、リーチ演出を実行する場合(リーチ有演出図柄遊技演出)と、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合(キャラクタ演出図柄遊技演出)、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(リーチ無演出図柄遊技演出)とが決定される。尚、リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3個の演出図柄8L、8C、8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(大当り態様、特定態様)を設けている場合において、3個の演出図柄8L、8C、8Rのうちの2個が大当り態様を構成する図柄で停止表示(仮停止)され、残り1個が変動表示を続けている状態で、残り1個の演出図柄が大当り態様を完成させる図柄で停止表示されるか否かを示す演出のことをいう。
また、S4505では、S4501において取得した演出図柄決定用乱数および図示しない停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう)を決定し、これを設定する。演出図柄遊技演出の結果として停止表示される演出図柄8は、特別図柄当否判定の結果が10R第1大当りのときは「777」以外の奇数図柄のゾロ目(大当り態様、特定態様)とされ、10R第2大当りおよび15R第6大当りのときは「666」等の偶数図柄のゾロ目(大当り態様、特定態様)とされ、15R第5大当りのときは「777」のゾロ目(大当り態様、特定態様)とされる。また、5R第3大当りおよび5R第4大当りのときは「135」等の予め定めたチャンス目や「3★3」等の専用図柄(大当り態様、特定態様)が停止表示される。一方、特別図柄当否判定の結果が外れの場合について、リーチ有り外れのときは「787」等の3個の演出図柄8L、8C、8Rのうち1個の演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目が停止表示され、リーチ無し外れのときは「635」等の3個の演出図柄8L、8C、8Rのうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目が停止表示されるようになっている。これらの演出図柄8の停止表示態様は一例であり、大当りとなったときに停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜変更可能である。
ここで、本実施例のパチンコ遊技機1には、演出図柄8の変動態様(変動演出パターン)として、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう)A、スーパーリーチB、スーパーリーチC、キャラクタ演出等が設定されており、S4505で、変動演出パターン決定テーブルに基づいて、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれらの演出を行わない(これを「ノーマル変動」ともいう)かが決定される。そして、リーチ有演出図柄遊技演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。ここで、演出図柄遊技演出として、スーパーリーチ演出が実行される場合には、ノーマルリーチ演出が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出はリーチ(ノーマルリーチ)演出と比較して大当り信頼度(大当りとなる可能性)の高い遊技演出であるといえる。尚、リーチ演出は、主として、変動時間が30000ms以上の変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを受信した場合に設定(実行)され得る。
S4505では、リーチ演出等を含む様々な変動演出の何れかに対応する変動演出パターンが、S4501〜S4504の処理の結果を受けて設定される(S4505)。そして、続くS4506では、S4505において設定した変動演出パターンに基づいて演出図柄遊技演出等を開始するための変動演出開始コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4506)、変動演出開始処理を終了する。S4506でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
[大当り遊技開始時演出処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)の中で変動開始コマンドの受信に基づいて行われる大当り遊技開始時処理(S4409)について説明する。尚、大当り遊技演出(特別遊技演出)とは、大当り遊技の実行に関連して行われる演出のことを意味し、大当り遊技演出には、少なくとも、大当り遊技開始に伴う大入賞口開放前(1ラウンド目開始前)のオープニング期間中に実行するオープニング演出と、大当り遊技中(ラウンド遊技中)にラウンドの進行に合わせて実行するラウンド演出と、大当り遊技の最終回のラウンド遊技終了に伴う大入賞口閉鎖後のエンディング期間中に実行するエンディング演出とが含まれる。大当り遊技開始時演出処理では、それらの演出のうち、オープニング演出とラウンド演出に関する処理を行う。
図46に示すように、大当り遊技開始時処理(S4409)では、まず、受信したオープニングコマンドを解析する(S4601)。本実施例では、前述したように、大当りの種別に応じたオープニングコマンド(第1オープニングコマンド〜第6オープニングコマンドの何れか)が主制御基板80から送信されるものとなっており、オープニングコマンドを解析することで、今回開始される大当りの種別を判別することが可能となっている。そこで、S4601では、受信したオープニングコマンドを解析して、今回開始される大当りの種別を特定する。
次いで、S4601での解析結果に基づいて、今回開始される大当りの種別に応じたオープニング演出の演出パターンを選択し(S4602)、選択したオープニング演出パターンを指定するオープニング演出指定コマンドを、サブ出力バッファにセットする(S4603)。このセットしたオープニング演出指定コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、受信したオープニング演出指定コマンドに対応する所定の画像データを読み出して、該読み出した画像データによるオープニング演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
尚、本実施例では、大当り種別が「10R第1大当り」、「10R第2大当り」、「15R第5大当り」および「15R第6大当り」の何れかの場合には、それぞれの大当りに対応するオープニング演出を行うこととしている。「10R第1大当り」、「10R第2大当り」、「15R第5大当り」および「15R第6大当り」では、VラウンドでのV通過可能性が高いもの(略100%)と限りなく低いもの(略0%)との区別がはっきりしているので、この場合はV通過可能性に応じたオープニング演出を行う。具体的には、「10R第1大当り」および「15R第5大当り」の場合には(V通過可能性:高)、例えば、高確高ベース状態への移行を前提とする大当り遊技の開始を印象付ける文字(「超大当り」、「V大当り」、「Special Bonus」等)やキャラクタ等を表示するオープニング演出を行い、「10R第2大当り」および「15R第6大当り」の場合には(V通過可能性:低)、例えば、低確高ベース状態への移行を前提とする大当り遊技の開始を印象付ける文字(「大当り」、「Nomal Bonus」等)やキャラクタ等を表示するオープニング演出を行う。
一方、「5R第3大当り」および「5R第4大当り」では、VラウンドでのV通過可能性はあるものの、その可能性は中程度もしくはこれよりも低く、VラウンドでのVアタッカーへの入球タイミングや入球時の可動片150の動作状況によって左右されるものとなっている。つまり、「5R第3大当り」および「5R第4大当り」ではV通過することが確約されておらず、かといって確実にV通過しないともいえない。また、「5R第3大当り」および「5R第4大当り」では、VラウンドでV通過しなかった場合、大当り遊技後の遊技状態は低確低ベース状態(通常遊技状態)となり、当該大当り遊技で遊技者が獲得可能な賞球(遊技利益)の量は、他の大当り(10R大当り、15R大当り)に比して少ないものとなっている。つまり、5R大当りは、他の大当り(10R大当り、15R大当り)に比して優位性が劣るものとなっている。このことから、本実施例では、5R大当り(5R第3大当り、5R第4大当り)に係る大当り遊技(第2特別遊技)を、多くの賞球が獲得可能な10R大当りや15R大当りに係る大当り遊技(第1特別遊技)とは異なる位置付けとし、「V獲得(確変獲得)」を主たる目的とした遊技としている。そこで、「5R第3大当り」および「5R第4大当り」の場合には、例えば、V獲得(確変獲得)を賭けた遊技の開始を印象付ける文字(「V獲得チャレンジ!」、「Challenge Bonus」等)やキャラクタ等を表示するオープニング演出を行う。
次いで、S4604では、S4601での解析結果に基づいて、今回開始される大当りの種別に応じたラウンド演出の演出パターンを選択する(S4604)。前述のように、10R大当りおよび15R大当りでは、VラウンドでのV通過可能性が高いもの(略100%)と限りなく低いもの(略0%)との区別がはっきりしており、また、5R大当りに比して多くの賞球獲得が可能となっている。そこで、「10R第1大当り」および「15R第5大当り」では、第2大入賞口35(Vアタッカー)が開放する1ラウンド目〜5ラウンド目において、第2大入賞口35(Vアタッカー)への入球およびV通過発生までV通過を遊技者に促すラウンド演出を行うとともに、V通過発生以降は、6ラウンド目以降も含めてV通過後対応のラウンド演出を行うこととしている。また、「10R第2大当り」および「15R第6大当り」では、1ラウンド目〜5ラウンド目において、第2大入賞口35(Vアタッカー)への入球を遊技者に促した上でV非通過に対応したラウンド演出を行い、6ラウンド目以降は、第1大入賞口30への入球を遊技者に促した上でV非通過に対応したラウンド演出を行うこととしている。一方、5R大当り(5R第3大当り、5R第4大当り)では、1ラウンド目〜5ラウンド目のラウンド演出として後述の「V獲得チャレンジ演出」を行うこととしている。
S4604では、以上のようなラウンド演出を実行すべく、今回開始される大当りの種別に対応したラウンド演出の演出パターンを選択する。そして、ラウンド演出パターンを選択したら、当該選択したラウンド演出パターンを指定するラウンド演出指定コマンドを、サブ出力バッファにセットする(S4605)。このセットしたラウンド演出指定コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、ラウンド演出指定コマンドにより特定されるラウンド演出パターンに対応する画像データを読み出し、該読み出した画像データによるラウンド演出を、サブ制御基板90からのラウンド指定コマンド(S4411)の受信に基づいて、画像表示装置7の表示画面7a上で展開していく。これにより、ラウンド遊技の進行に合わせてラウンド演出が行われる。
以上までが、本実施例における演出制御の主要な処理であるが、本実施例のパチンコ遊技機1では、6種類の大当り(図6を参照)のうち「5R第3大当り」および「5R第4大当り」の場合、前述のように「V獲得チャレンジ演出」を行うこととしている。この「V獲得チャレンジ演出」を行うことで、5R大当りに係る大当り遊技(5R大当り遊技)がV獲得(確変獲得)を主目的とする遊技である印象を遊技者に与え、遊技興趣の向上を図っている。以下、図49を用いて、5R大当りの場合に画像表示装置7の表示画面7a上で行う「V獲得チャレンジ演出」について説明する。
[V獲得チャレンジ演出]
図49は、5R大当り(5R第3大当り、5R第4大当り)に係る大当り遊技の1ラウンド目〜5ラウンド目の実行に際して画像表示装置7の表示画面7a上で行うラウンド演出(V獲得チャレンジ演出)の流れを示している。本実施例のV獲得チャレンジ演出は、大別すると、「チャレンジ開始演出」、「チャレンジ中演出」および「チャレンジ結果演出」の3つにより構成される。
特別図柄が5R第3大当り図柄および5R第4大当り図柄の何れかで停止表示されると、オープニング演出を経て5R大当り遊技の1ラウンド目が開始される。この1ラウンド目のラウンド演出として、V獲得チャレンジ(Vラウンド)の開始を示す「チャレンジ開始演出」を行う。チャレンジ開始演出は、図49(a1)に示す「説明演出」と、図49(a2)に示す「追走演出」とにより構成される。
図49(a1)に示すように、説明演出では、V獲得チャレンジ演出の内容(遊技説明)を表示する。本実施例では、V獲得チャレンジ演出として、上空を飛んでいく「V」の文字が描かれた風船(「V風船」ともいう)を人物が走って追いかけ、その人物がV風船を捕まえることができればV獲得成功となり、捕まえることができなければV獲得失敗となる演出を行うこととしている。このV獲得チャレンジ演出の内容(遊技説明)を示す説明演出を、1ラウンド目の開始、すなわち、1ラウンド目のVアタッカー(第2大入賞口35)の開放開始を契機として行う。
その後、1ラウンド目でのVアタッカーへの入球数が規定数(本例では「10」)を超えない範囲の所定数(例えば「5」)になると「追走演出」を行う。図49(a2)に示すように、追走演出では、空飛ぶV風船を追って人物が走るシーンを表示する。この追走演出は、1ラウンド目が終了した後、インターバルを挟んで開始されるVラウンド(2ラウンド目〜5ラウンド目)においても、V通過が発生するまで繰り返し行うものとしている。このような1ラウンド目のチャレンジ開始演出(説明演出および追走演出)により、V獲得チャレンジの開始を遊技者に示すことが可能となっている。
尚、Vアタッカーへの入球数は、前述のように、第2大入賞口センサ35aによる検知に基づいてラウンド単位で計数可能となっているので(入球数計数手段)、その計数値を参照して入球数を特定することができる。また、追走演出の実行契機(開始契機)は、Vアタッカーへの入球数とする必要はなく、例えば、Vアタッカーの開放開始からの経過時間(開放時間)としてもよい。
次いで、2ラウンド目〜5ラウンド目、すなわち、4回のVラウンドでは、ラウンド演出として「チャレンジ中演出」を行う。「チャレンジ中演出」では、まず、図49(b1)に示すように、1ラウンド目で開始した「追走演出」を引き続き行う。さらに「チャレンジ中演出」では、VラウンドにおけるVアタッカーの2回目の開放開始(図48(b),(c)を参照)を契機として、図49(b2)に示す「煽り演出」を行う。煽り演出では、図49(b2)に示すように、V風船を追って走る人物がV風船に向かって飛んでV風船を捕まえることができるか否かを表現したシーンを表示する。これら「追走演出」と「煽り演出」とからなる「チャレンジ中演出」は、4回のVラウンドのうち何れかのVラウンドでV通過が発生するまで繰り返し行うものとしている。
そして、VラウンドにおいてVアタッカーに入球した遊技球が特定領域39を通過すると、当該通過に基づいて、図49(c1)に示す「V獲得成功演出」を行う。「V獲得成功演出」は、Vラウンドの結果を示す「チャレンジ結果演出」のうち、Vラウンドの結果が「V通過」である旨を示すものである。図49(c1)に示すように、V獲得成功演出では、人物がV風船を捕まえたシーンを「やったね!」の文字とともに表示して、今回のVラウンドの結果がV通過である旨を遊技者に示す。V獲得成功演出は、V通過を生じたVラウンドが終了するまで行うもので、次ラウンド以降もVラウンドが行われる場合、当該残りのVラウンドでは、ラウンド演出として、図示しないV通過後演出を行う。
一方、VラウンドにおいてVアタッカーに入球した遊技球が特定領域39を通過することなく非特定領域49を通過すると、当該通過に基づいて、図49(c2)または(c3)に示す「V獲得失敗演出」を行う。「V獲得失敗演出」は、Vラウンドの結果を示す「チャレンジ結果演出」のうち、Vラウンドの結果が「V非通過」である旨を示すものである。図49(c2)は、4回のVラウンドのうち、1回目〜3回目のVラウンド(2ラウンド目〜4ラウンド目)で遊技球が特定領域39を通過せずに非特定領域49を通過した場合(V非通過の場合)を示しており、図49(c3)は、1回目〜3回目のVラウンドに加えて4回目(最後)のVラウンド(5ラウンド目)でもV非通過となった場合、すなわち、4回のVラウンド全てでV非通過となった場合を示している。
図49(c2)に示すように、1回目〜3回目のVラウンドでV非通過となった場合のV獲得失敗演出では、人物がV風船を逃してがっかりするシーンを「NEXT」の文字とともに表示して、今回のVラウンドの結果がV非通過である旨および残りのVラウンドでV通過(V獲得)を狙う旨を遊技者に示す。V非通過となった1回目〜3回目のVラウンドでは、V獲得失敗演出を行った後、図49(b1)に示す「追走演出」を再び行う(再開する)。
また、図49(c3)に示すように、4回目のVラウンド(5ラウンド目)でもV非通過となった場合のV獲得失敗演出では、人物がV風船を逃してがっかりするシーンを「残念」の文字とともに表示して、全てのVラウンドをV非通過で終えた旨(V獲得を逃した旨)を遊技者に示す。
[実施例1の作用効果]
以上の実施例1のパチンコ遊技機1では、5R大当りに係る大当り遊技(5R大当り遊技)においてV獲得チャレンジ演出を行うものとなっている。このV獲得チャレンジ演出として、Vラウンド(2ラウンド目〜5ラウンド目)の開始前、すなわち、1ラウンド目では、これから開始されるVラウンド(V獲得チャレンジ)に関連する「チャレンジ開始演出(説明演出および追走演出)」を行い、その後のVラウンド(2ラウンド目〜5ラウンド目)では、追走演出および煽り演出からなる「チャレンジ中演出」を行うとともに、特定領域39への遊技球の通過(V通過)に基づいて「V獲得成功演出」を行うものとしている。このように、Vラウンドの開始前後において、「チャレンジ開始演出(説明演出および追走演出)」および「チャレンジ中演出」といった関連性のある演出、すなわち、V通過を狙うVラウンド(V獲得チャレンジ)に関連する演出を行うことで、5R大当り遊技の1ラウンド目〜5ラウンド目(つまり、5R大当り遊技全般)を、V獲得(確変獲得)が主目的の遊技として印象付けることが可能となる。これにより、Vラウンドの開始前後に亘って興趣を持続させることが可能となり、この結果、Vラウンドを含む大当り遊技の興趣を向上させることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、5R大当り遊技における1回目〜3回目の各VラウンドでV通過が発生しなかった場合に「V獲得失敗演出」を行うが、このV獲得失敗演出は、Vラウンドの結果がV非通過である旨とともに、残りのVラウンドでV通過(V獲得)を狙う旨を遊技者に示すものとなっている。これにより、先のVラウンドでV通過しなかったとしても、後のVラウンドに期待を持たせることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、5R大当り遊技における4回のVラウンドのうち、1回目のVラウンドの開始前に「チャレンジ開始演出(説明演出および追走演出)」を行うので、これから開始される4回のVラウンドに対する遊技者の関心度(注目度)を高めることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、5R大当り遊技の1ラウンド目に「チャレンジ開始演出(説明演出および追走演出)」を行うものとなっているので、1ラウンド目の遊技期間を「チャレンジ開始演出(説明演出および追走演出)」の実行時間に充てることで、当該演出の実行時間を十分に確保することが可能となる。これにより、非Vラウンドとして行われる1ラウンド目の演出効果を高めることが可能となる。また、5R大当り遊技の1ラウンド目から、V獲得チャレンジに関連する「チャレンジ開始演出(説明演出および追走演出)」を行うことで、5R大当り遊技の開始当初からVラウンド(V獲得チャレンジ)に対する遊技者の関心度(注目度)や期待感を高めることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、5R大当り遊技でのVラウンドにおける最初のV通過に基づいて「V獲得成功演出」を行うものとなっている。このため、VラウンドでのVアタッカーへの入球発生後、直ぐに「V獲得成功演出」を出現させることが可能となる。これにより、Vアタッカーへの入球と「V獲得成功演出」との連動感を高めることが可能となる。また、実施例1では、5R大当り遊技でのVラウンドにおける最初のV通過だけでなく、V通過しなかった場合の最初の非特定領域49への通過(V非通過)によっても「V獲得失敗演出」を行うものとしているので、「V獲得失敗演出」についても、VラウンドでのVアタッカーへの入球発生後、直ぐに出現させることが可能となる。このため、「V獲得成功演出」だけでなく「V獲得失敗演出」についても、Vアタッカーへの入球との連動感を高めることが可能となり、この結果、Vアタッカーへの入球がV通過・非通過に係る演出に連動している印象を遊技者に与えることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、ラウンド数が異なる複数の大当り(本例では5R大当り、10R大当り及び15R大当り)のうち、ラウンド数が最も少ない5R大当りに係る大当り遊技(第2特別遊技)を、他の大当り(10R大当り、15R大当り)に係る大当り遊技(第1特別遊技)と異なる位置付け遊技、すなわち、V獲得(確変獲得)を主目的とする遊技とし、5R大当り遊技においてV獲得チャレンジ演出(説明演出、追走演出、V獲得成功演出、V獲得失敗演出)を行うこととしている。これにより、ラウンド数の少ない大当り遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
尚、5R大当り(5R第3大当り、5R第4大当り)に係る大当り遊技の1ラウンド目〜5ラウンド目のうち、1ラウンド目(非特定ラウンド遊技)で行う「チャレンジ開始演出(説明演出および追走演出)」は本発明の「第1特定演出」の一態様に相当し、2ラウンド目〜5ラウンド目(特定ラウンド遊技)でV通過に基づいて行う「V獲得成功演出」は本発明の「第2特定演出」の一態様に相当する。また、10R大当り又は15R大当りに係る大当り遊技(10R大当り遊技、15R大当り遊技)は本発明の「第1特別遊技」の一態様に相当し、5R大当りに係る大当り遊技(5R大当り遊技)は本発明の「第2特別遊技」の一態様に相当する。