JP5872780B2 - 気動車用エンジン制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ディーゼル機関等のエンジン(内燃機関)を走行用駆動源として走行する気動車に用いられる、気動車用エンジン制御装置に関する。
従来、気動車のエンジンは、運転士が操作する主幹制御器(マスターコントローラ。以下「マスコン」という)からのノッチ指令に従い、エンジン出力がそのノッチ指令に応じた所望の値となるように制御される。例えば1ノッチなら、1ノッチに対応した所定の駆動力がエンジンから出力されるよう、エンジンへ供給・噴射される燃料の量が制御される。つまり、エンジン出力はノッチに応じて段階的に切り替えられるのである。
そして、このように制御されたエンジンからの出力が、液体変速機や終減速機等を介して車軸・車輪に伝達され、これにより気動車が走行する。
ところで、気動車においては、エンジンから出力される駆動力は、走行用の駆動源としてだけでなく、空気圧縮機や空調装置、その他電気機器などの各種車載機器(以下「補機」ともいう) の駆動源としても用いられる。これら補機としては、エンジンから出力される機械エネルギーをそのまま利用して動作するものもあれば、発電機により機械エネルギーを電力に変換してその電力により動作するものもある。
このような、走行用と補機駆動用の双方に出力が用いられる気動車のエンジンに対しては、エンジン自体の性能向上、延いては気動車全体の性能向上のために種々の制御方法が提案されている。例えば特許文献1には、複数のエンジンを有する気動車(列車)において、列車の必要とする負荷に応じ、燃費が最小となるように各エンジンを個別に制御する技術が記載されている。
また、特許文献2には、複数のエンジンが搭載された気動車において、特定エンジンの劣化防止や良好な燃費状態の維持を目的として、エンジンの負荷に応じてエンジンの稼働数を決定すると共に、実際に稼働させるエンジンを変更することで各エンジンの使用頻度が略同一となるように制御する技術が記載されている。
特開平8−198102号公報 特開2005−83218号公報
しかしながら、エンジン出力が走行用と補機駆動用の双方に用いられるが故に、上記各特許文献1,2に記載の技術では解決できない問題がある。それは、エンジン出力全体のうち液体変速機へ入力されて走行用駆動源として用いられる駆動力(以下「走行用駆動力」という)が、補機の動作状態によって変動してしまうということである。
即ち、走行用駆動力は、エンジン出力全体から、補機へ入力されて補機駆動源として用いられる駆動力(以下「補機駆動力」)を差し引いた分となることから、補機の動作状態が変動することによって補機駆動力が変動すると、それに応じて走行用駆動力も変動してしまう。そのため、その走行用駆動力の変動の程度によっては、その走行用駆動力が入力・伝達される各種機器に悪影響を及ぼしたり、乗り心地に悪影響を及ぼしたりするおそれがあり、安定した運転取り扱いの実現が困難であった。
特に、走行中、例えば補機の消費電力が急減すること等によって、エンジン出力全体のうち補機駆動力が急減してその分走行用駆動力が急増すると、液体変速機に入力されるトルクが急増し、液体変速機の性能や動作に悪影響を及ぼすおそれがある。
そのため、エンジン出力や液体変速機を設計するにあたっては、上述したような、補機駆動力の急減による液体変速機の入力トルクの急増を考慮して、その入力トルクの急増に液体変速機が十分耐えうるように留意する必要があった。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、補機の動作状態の変動(補機駆動力の変動)にかかわらず走行用駆動力の変動を抑制することが可能な気動車用エンジン制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、入力される制御指令値に応じた駆動力を出力するよう構成されたエンジンを走行用駆動源として有すると共に、該エンジンを駆動源として動作する少なくとも1つの車載機器を有する気動車において、該エンジンを制御する気動車用エンジン制御装置であって、操作指令手段と、機器駆動力検出手段と、制御指令値生成手段とを備えている。
操作指令手段は、エンジンから出力される駆動力であるエンジン出力を複数の駆動レベル(例えば複数種類の出力トルク)の何れかに設定するために運転士等によって操作され、その設定された駆動レベルに応じた操作指令信号を出力する。
機器駆動力検出手段は、車載機器のうち少なくとも1つを検出対象機器として、エンジン出力のうちその検出対象機器の駆動源として用いられている分である機器駆動力を直接又は間接的に検出する。
そして、制御指令値生成手段は、操作指令信号に対応したエンジン出力をエンジンから出力させることを基本としつつ、機器駆動力が変動してもエンジン出力のうち気動車の走行用の駆動源として用いられる分が変動しないように、機器駆動力検出手段により検出された機器駆動力が大きいほどエンジン出力が大きくなるように制御指令値を生成する。
尚、検出された機器駆動力が大きいほどエンジン出力が大きくなるように制御指令値を生成するということは、換言すれば、検出された機器駆動力が小さいほどエンジン出力が小さくなるように制御指令値を生成するということでもある。また、機器駆動力に対する制御指令値の具体的生成方法は種々考えられ、例えば、検出された機器駆動力に応じてエンジン出力が連続的に変化するように制御指令値を生成してもよいし、検出された機器駆動力に応じてエンジン出力が段階的に変化するように制御指令値を生成するようにしてもよい。
このように構成された本発明の気動車用エンジン制御装置は、単に操作指令手段からの操作指令信号に対応した制御指令値(後述する基本指令値)を出力するのではなく、機器駆動力を考慮した制御指令値を生成・出力する。
即ち、仮にエンジン出力が一定だとすると、機器駆動力が大きいほど、その分、エンジン出力のうち走行用駆動源として用いられる出力(走行用駆動力)は小さくなってしまう。そこで本発明では、機器駆動力が変動しても走行用駆動力は変動しないよう、機器駆動力の変動に応じてエンジン出力も変動させる。つまり、従来のように制御指令値を段階的にのみ制御(切り替える)するのではなく、機器駆動力に応じて連続的に制御するのである。
このように、走行用駆動力と機器駆動力を総合したエンジン出力制御を行うことで、車載機器の動作状態の変動(機器駆動力の変動)にかかわらず、走行用駆動力の変動を抑制することが可能となる。
検出対象機器で実際に用いられている機器駆動力を具体的にどのようにして、どのような物理量として検出するかは種々考えられ、例えば消費電力として検出することができる。
即ち、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の気動車用エンジン制御装置であって、気動車は、機器駆動力を電気エネルギーに変換する発電手段を備え、検出対象機器は、発電手段から供給される電力により駆動する電気負荷として構成されている。そして、機器駆動力検出手段は、機器駆動力として、検出対象機器で消費されている電力を検出する。
電気負荷としての検出対象機器の消費電力が増えるほど発電手段による発電電力も増加し、発電電力が増えるほど、エンジン出力のうち検出対象機器の駆動源として用いられる分(詳しくは発電手段により電気エネルギーに変換される分)も増加する。そのため、検出対象機器の消費電力を検出することで、補機駆動力を間接的に検出することができるのである。
このように、電気負荷である検出対象機器の消費電力を機器駆動力として検出することで、機器駆動力の検出を容易に行うことができる。
制御指令値生成手段が機器駆動力に基づいて具体的にどのように制御指令値を生成するかについても種々考えられるが、例えば請求項3に記載のように、操作指令信号に対応した基本指令値を補正することによって生成することができる。
即ち、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の気動車用エンジン制御装置であって、操作指令手段から出力された操作指令信号に基づき、その操作指令信号に対応した駆動レベルのエンジン出力をエンジンから出力させるために必要な制御指令値である基本指令値を生成する基本指令値生成手段を備えている。そして、制御指令値生成手段は、基本指令値生成手段により生成された基本指令値を、機器駆動力検出手段により検出された機器駆動力に基づき、その機器駆動力が大きいほどエンジン出力が大きくなるように補正して、その補正後の基本指令値を制御指令値として生成する。
つまり、操作指令信号に対応した基本指令値を基本としつつも、機器駆動力が大きいほどエンジン出力が大きくなるようにその基本指令値を補正することによって制御指令値を生成するのである。そのため、機器駆動力に応じた適切な値の制御指令値を生成することができる。
そして、上記補正は、より具体的には、例えば請求項4に記載のように行うことができる。即ち、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の気動車用エンジン制御装置であって、基本指令値を所定の第1の演算によって補正するための、機器駆動力検出手段により検出された機器駆動力に応じた値の第1の補正値を生成する第1補正値生成手段を備えている。そして、制御指令値生成手段は、基本指令値生成手段により生成された基本指令値と第1補正値生成手段により生成された第1の補正値との第1の演算を行うことにより、基本指令値の補正を行う。
つまり、基本指令値の補正は、基本指令値と第1の補正値とを第1の演算によって演算することにより行うのであり、第1の補正値は、第1補正値生成手段によって機器駆動力に応じた値が生成される。第1の演算として具体的にどのような演算を行うかは適宜考えられ、例えば、基本指令値に第1の補正値を加算又は減算するようにしてもよいし、また例えば、基本指令値に第1の補正値を乗算するようにしてもよい。また、第1の演算をどのように行うかに応じて、第1の補正値をどのように(どのような値に)生成するかについても適宜決めることができる。
このように、基本指令値と第1の補正値との演算により基本指令値を補正(即ち制御指令値を生成)することで、機器駆動力に応じた適切な値の制御指令値の生成を容易且つ確実に行うことができる。
ところで、気動車の走行性能は、車載機器の動作状態の影響の他にも、車両重量の影響も受ける。具体的には、同じ走行用駆動力に対し、車両重量が増えれば増えるほど、車両の走行性能は低くなってしまう。
そこで、上述した請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の気動車用エンジン制御装置においては、更に、例えば請求項5に記載のように、車両重量も考慮して制御指令値を生成するようにするとよい。即ち、気動車の重量(以下「車両重量」ともいう)を直接又は間接的に検出する重量検出手段を備え、制御指令値生成手段は、重量検出手段により検出された重量が大きいほどエンジン出力が大きくなるように制御指令値を生成する。
尚、検出された重量が大きいほどエンジン出力が大きくなるように制御指令値を生成するということは、換言すれば、検出された重量が小さいほどエンジン出力が小さくなるように制御指令値を生成するということでもある。また、重量に対する制御指令値の具体的生成方法は種々考えられ、例えば、検出された重量に応じてエンジン出力が連続的に変化するように制御指令値を生成してもよいし、検出された重量に応じてエンジン出力が段階的に変化するように制御指令値を生成するようにしてもよい。
このように、機器駆動力に加えてさらに車両重量も考慮して制御指令値を生成することで、車両重量にかかわらず良好な走行性能を安定的に維持させることが可能となる。
制御指令値生成手段が車両重量に基づいて具体的にどのように制御指令値を生成するかについても種々考えられるが、例えば請求項6に記載のように、操作指令信号に対応した基本指令値を補正することによって生成することができる。
即ち、請求項6に記載の発明は、請求項3又は請求項4に記載の気動車用エンジン制御装置であって、気動車の重量を直接又は間接的に検出する重量検出手段を備え、制御指令値生成手段は、基本指令値生成手段により生成された基本指令値を、機器駆動力検出手段により検出された機器駆動力及び重量検出手段により検出された重量に基づき、機器駆動力が大きいほどエンジン出力が大きくなるよう且つ重量が大きいほどエンジン出力が大きくなるように補正して、その補正後の基本指令値を制御指令値として生成する。
つまり、操作指令信号に対応した基本指令値を基本としつつも、機器駆動力が大きいほどエンジン出力が大きくなるよう、且つ車両重量が大きいほどエンジン出力が大きくなるようにその基本指令値を補正することによって、制御指令値を生成するのである。そのため、機器駆動力及び車両重量の双方に応じた適切な値の制御指令値を生成することができる。
尚、機器駆動力に応じた補正を、第1補正値生成手段が生成した第1の補正値を用いた第1の演算により行う構成の場合は、車両重量に応じた補正については、例えば、まず車両重量に応じて基本指令値を補正し、その補正後の基本指令値に対して第1の演算を行うようにしてもよいし、まず第1の演算による補正を行い、その補正後の基本指令値を車両重量に応じて補正するようにしてもよい。
そして、車両重量に応じた補正は、より具体的には、例えば請求項7に記載のように行うことができる。即ち、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の気動車用エンジン制御装置であって、基本指令値を所定の第2の演算によって補正するための、重量検出手段により検出された重量に応じた値の第2の補正値を生成する第2補正値生成手段を備えている。そして、制御指令値生成手段は、基本指令値生成手段により生成された基本指令値と第2補正値生成手段により生成された第2の補正値との第2の演算を行うことにより、基本指令値の補正を行う。
つまり、車両重量に応じた補正も、上述した機器駆動力に応じた補正と同じように、基本指令値と第2の補正値とを第2の演算によって演算することにより行うのであり、第2の補正値は、第2補正値生成手段によって車両重量に応じた値が生成される。
このように、基本指令値に対して第1の補正値による第1の演算及び第2の補正値による第2の演算を行うことにより基本指令値を補正(即ち制御指令値を生成)することで、機器駆動力及び車両重量の双方に応じた適切な値の制御指令値の生成を容易且つ確実に行うことができる。
尚、基本指令値に対する、上記第1の演算(機器駆動力に応じた補正演算)と第2の演算(車両重量に応じた補正演算)の先後関係は適宜決めればよく、例えば、まず第1の演算により基本指令値を補正し、その補正後の基本指令値を更に第2の演算で補正するようにしてもよいし、その逆でもよい。
ところで、上述した請求項1〜請求項7に記載の発明では、機器駆動力が変動した場合にはその変動に応じてエンジン出力も制御される。そのため、理論的には、機器駆動力の変動に追随してエンジン出力を制御することで、走行用駆動力が機器駆動力の変動の影響を全く受けないようにすることは可能である。しかし、実際には、機器駆動力を検出してからその検出結果をエンジン出力に反映(即ち制御指令値に反映)させるまでの間の制御応答遅れなどによって、エンジン出力に反映されるタイミングが遅れるおそれがある。そうなると、機器駆動力の変動の程度によっては、機器駆動力が変動してからその変動が制御指令値に反映されるまでの間、走行用駆動力が急激に変化してしまうおそれがある。
そこで、例えば請求項8に記載のように、機器駆動力が変動する場合にはそのことを予め知ることができるようにし、実際に変動する前に予めその変動を想定してエンジン出力を制御するようにするとよい。
即ち、請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の気動車用エンジン制御装置であって、検出対象機器の少なくとも1つは、自身の動作に必要な機器駆動力の変動を伴うような所定の動作状態の変化が生じる場合に、その動作状態の変化前の所定のタイミングで、その動作状態の変化により生じる機器駆動力の変動内容を示す予告信号を出力可能に構成されている。そして、制御指令値生成手段は、検出対象機器から予告信号が出力された場合、その予告信号に基づき、その予告信号に対応した動作状態の変化が生じる前に、その予告信号に対応した動作状態の変化により生じる機器駆動力の変動に応じてエンジン出力を予め変動させるよう、現在生成している制御指令値を補正する。
つまり、機器駆動力の変動に対するエンジン出力の応答遅れを考慮し、その応答遅れに起因する走行用駆動力の急増・急減等の防止策として、機器駆動力が実際に変動する前に、その変動する機器駆動力分のエンジン出力を変動させる制御も行うのである。
このように構成された気動車用エンジン制御装置によれば、機器駆動力の変動に起因する走行用駆動力の変動をより効果的に抑制することができる。
実施形態の気動車の床下機器配置図である。 実施形態のエンジン制御システムの概略構成を表す構成図である。 ノッチ毎の基準エンジン出力曲線の一例を表す説明図である。 補機負荷に応じてエンジン出力曲線が変化することを説明するための説明図である。 実施形態のエンジン制御システムの動作例を表す説明図である。 図5の動作例と比較するための、本発明非適用の場合の動作例を表す説明図である。
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明が適用された実施形態の気動車1は、その床下に、走行用駆動源であるエンジン2が配置され、床下における車両両端側にはそれぞれ、台車5,6が配置されている。
エンジン2は、ディーゼルエンジンである。気動車に搭載されるディーゼルエンジンは、従来、ガバナーにより機械的に燃料噴射ポートを切り換えること等によってエンジン出力を複数段階に(つまり段階的に)切り換え設定ができる程度の粗い制御性能しかないものが主流である。
これに対し、本実施形態のエンジン2は、電子制御式燃料噴射装置(図示略)を備え、入力される制御指令値(電圧値)によってエンジン出力を連続的に可変設定できるよう構成されている。具体的には、制御指令値が大きいほど燃料噴射量が増えてエンジン出力も大きくなるように構成されている。
また、気動車1の床下には、エンジン2の出力を一方の台車5の車輪に伝達するための、変速機3、推進軸4、終減速機7,8などからなる伝達機構が配置されている。つまり、エンジン2の出力は、変速機3、推進軸4、各終減速機7,8によって順次伝達され、最終的に車軸・車輪に伝達されて、これにより気動車1が走行することとなる。これら伝達機構の構成はよく知られているため、ここではその説明は省略する。尚、変速機3は、トルクコンバータを備えた周知の液体変速機である。
また、エンジン2の出力は、上記のように走行用駆動源として用いられるだけでなく、各種補機の駆動源としても用いられる。即ち、エンジン2の出力は、補機駆動軸11を介して、発電機12やラジエター13などの各種補機にも伝達され、これによりこれら各種補機が駆動されることとなる。これら各種補機の中には、例えばコンプレッサ16や空調装置17など(後述の図2参照)、エンジン2の出力によって直接駆動されるものではないものの発電機12の発電電力によって動作する各種の電気負荷も含まれている。
また、各台車5,6にはそれぞれ、いわゆるエアーサスペンションとして機能する周知の空気バネが取り付けられている。即ち、一方の台車5にはその中央部における車両幅方向の両端部にそれぞれ空気バネ5a,5bが取り付けられ、他方の台車6にもその中央部における車両幅方向の両端部にそれぞれ空気バネ6a,6bが取り付けられている。
そして、一方の台車5の各空気バネ5a,5bには、それぞれ応荷重センサ30(図2参照)が取り付けられている。この応荷重センサ30は、気動車1の重量(車両重量)を検出するためのものであり、直接的には対応する空気バネの内圧を検出し、その検出結果に応じた応荷重信号を出力する。
次に、エンジン2の具体的制御について、図2を用いて説明する。図2は、気動車1に構築されてエンジン制御システムの概略構成を示すものである。
気動車1の床下には、図1では図示を省略したものの、エンジン2及び変速機3を制御するための変速機制御装置が備えられており、この変速機制御装置からの制御信号によってエンジン2及び変速機3が制御される。そして、この変速機制御装置の中に、図2に示すような、エンジン2の制御を担うエンジン制御部21が備えられている。
エンジン制御部21は、基本指令値Vmを生成する基本指令生成部22と、補機負荷補正値Vαを演算する補機負荷補正値演算部24と、基本指令値Vmを補機負荷補正値Vαで補正演算して第1補正値Vm1を算出する第1補正演算部23と、車両重量補正値Vβを演算する車両重量補正値演算部26と、第1補正値Vm1を車両重量補正値Vβで補正演算して第2補正値Vm2を算出する第2補正演算部25とを備えている。そして、第2補正演算部25で算出された第2補正値Vm2が、エンジン2の燃料噴射量を制御(延いてはエンジン出力、トルクを制御)するための制御指令値として、エンジン2に入力される。
基本指令生成部22は、図示しない運転台に設けられたマスコン20からのノッチ指令信号(本発明の操作指令信号に相当)に基づき、ノッチ毎に予め設定された基本指令値Vmを生成・出力する。
この基本指令値Vmは、これをそのまま制御指令値としてエンジン2に出力すればノッチに応じた所定のエンジン出力が得られるような値であり、ノッチ毎に段階的に設定されている。例えばマスコン20が5ノッチに操作された場合は、5ノッチに対応して予め設定された基準エンジン出力をエンジン2から出力させるための所定の基本指令値Vmを出力する。
図3に、ノッチ毎の、エンジン回転数に対するエンジン出力(図3では馬力で表示)の変化を示す。エンジン2は、図3に示す最高エンジン出力曲線の範囲内ならば任意のエンジン出力曲線で動作させることができ、本実施形態では、所定の使用回転数領域内において、ノッチ毎に段階的に基準エンジン出力曲線が設定されている。図3において、P1〜Pnはそれぞれ1ノッチ〜nノッチに対応したノッチ指令信号を意味している。つまり、例えばマスコン20が5ノッチに操作されてノッチ指令信号P5がエンジン制御部21に入力された場合は、図3に示すP5に対応した(つまり5ノッチに対応した)基準エンジン出力曲線に沿ってエンジン2が動作するように基本指令値Vmを生成し出力する。
しかし、この基本指令値Vmをそのまま制御指令値としてエンジン2に入力するようにすると、エンジン2の出力(エンジン出力)は全体としてノッチに応じた所定値(所定出力、所定トルク)に制御されることになるため、補機の動作状態が変動すると、エンジン出力のうち補機駆動用に用いられる(即ち補機駆動軸11側に出力される)分である補機駆動力が変動し、これによりエンジン出力のうち走行用に用いられる(即ち変速機3側に出力される)分である走行用駆動力も変動してしまう。更に、乗員・乗客の数によって車両重量が変動することによって、車両の走行性能に影響が生じてしまう。
そこで本実施形態では、補機の動作状態の変化によって補機駆動力が変動しても走行用駆動力の変動を抑制できるよう、また、車両重量が変動しても良好な走行性能を安定的に維持させることができるよう、補機駆動力及び車両重量に応じて基本指令値Vmを補正し、補正後の値を制御指令値としてエンジン2へ出力するようにしている。
そして、その補正を行うために、エンジン制御部21に、補機負荷補正値演算部24、第1補正演算部23、車両重量補正値演算部26、及び第2補正演算部25が備えられている。
気動車1に備えられた各種補機には、既述の通り、エンジン2から補機側への出力(補機駆動力)を受けて直接駆動される発電機12やラジエター13等のほか、発電機12の発電電力によって動作する、コンプレッサ16や空調装置17等の各種電気負荷がある。
本実施形態のエンジン制御部21は、これら各種電気負荷の消費電力を検出することによって、補機駆動力のうちこれら各種電気負荷に用いられる分を間接的に検出・取得するよう構成されている。
即ち、発電機12の発電電力は電源装置15に入力され、この電源装置15において各電気負荷の動作に必要な電力に変換されて各電気負荷へ供給される。電源装置15は、各電気負荷へ供給する電力の総量(以下「補機負荷」ともいう)を検出し、その検出結果である負荷電力信号をエンジン制御部21へ出力するよう構成されている。
この負荷電力信号は、補機駆動力のうち各種電気負荷の駆動に用いられる分を間接的に示すものであり、エンジン制御部21は、この負荷電力信号を取得することで、補機駆動力のうち少なくとも各電気負荷に用いられる分を間接的に検出することができる。
尚、電源装置15自体も電気負荷の一種であるため、負荷電力信号として、電源装置15で消費されている電力も含めたものを出力するようにしてもよい。また、補機が全て電気負荷であれば、補機駆動力全てを間接的に検出することができる。
電源装置15からの負荷電力信号は、エンジン制御部21において、補機負荷補正値演算部24に入力される。補機負荷補正値演算部24は、入力された負荷電力信号に基づき、補機負荷補正値Vαを演算する。本実施形態の基本指令値Vmは、走行のために最低限必要な補機以外の補機における補機負荷が0であって且つ車両の乗客も0の場合において所望の走行用駆動力が得られるような値、即ち走行のために最小限必要なエンジン出力が得られるような値に設定されている。そこで、補機負荷補正値演算部24は、負荷電力信号に基づき、補機負荷が大きくなるほど大きくなるように補機負荷補正値Vαを演算する。逆に言えば、補機負荷が小さくなるほど小さくなるように補機負荷補正値Vαを演算する。
第1補正演算部23は、基本指令生成部22からの基本指令値Vmと補機負荷補正値演算部24からの補機負荷補正値Vαを加算する補正演算(本発明の第1の演算に相当)を行うことにより、第1補正値Vm1(本発明の第1の補正値に相当)を算出し出力する。
車両重量補正値演算部26は、各台車5、6にそれぞれ取り付けられた応荷重センサ30からの応荷重信号に基づき、車両重量が大きくなるほど大きくなるように車両重量補正値Vβを演算する。逆に言えば、車両重量が小さくなるほど小さくなるように車両重量補正値Vβを演算する。
第2補正演算部25は、第1補正演算部23からの第1補正値Vm1と車両重量補正値演算部26からの車両重量補正値Vβを加算する補正演算(本発明の第2の演算に相当)を行うことにより、第2補正値Vm2(本発明の第2の補正値に相当)を算出し出力する。
そして、この第2補正演算部25からの第2補正値Vm2が、制御指令値としてエンジン2へ入力される。
そのため、エンジン2に入力される制御指令値は、基本指令値Vmを基本としつつ、この基本指令値Vmを、補機負荷が大きいほど大きくなるよう、且つ車両重量が大きいほど大きくなるように補正したものとなる。これにより、エンジン出力は、基本指令値Vmに対応した基準エンジン出力に補機負荷分及び車両重量分が上乗せされたものとなり、結果として、補機負荷や車両重量が変動しても走行用駆動力(変速機3に入力されるトルク、馬力)の変動は抑制されることになる。
図4に、あるノッチに対応して予め設定された基準エンジン出力曲線X0と、補機負荷分を上乗せした場合の各エンジン出力曲線の一例を示す。本実施形態のエンジン2は、既述の通り燃料噴射量を連続的に可変制御できるため、基準エンジン出力曲線X0も任意の曲線に設定できる。
そして、補機負荷がある所定値の場合、基準エンジン出力曲線X0は負荷込みエンジン出力曲線X1に補正され、補機負荷が上記所定値よりも大きいある値の場合、基準エンジン出力曲線X0は負荷込みエンジン出力曲線X2に補正される。このように、本実施形態では、ノッチに応じた基準エンジン出力曲線X0が、補機負荷及び車両重量によって補正されることになる。そして、その補正後のエンジン出力曲線に対応した制御指令値がエンジン2へ入力されることとなる。
本実施形態では、更に、補機負荷の変動によって負荷駆動力が変動する前に、その変動する負荷駆動力に応じてエンジン出力を予め変化させることが可能に構成されている。これを実現すべく、コンプレッサ16や空調装置17などの各電気負荷はそれぞれ、自身の動作状態が変化する場合に、その動作状態の変化前の所定のタイミングで、その動作状態の変化により生じる補機負荷の変化内容(即ち補機駆動力の変化内容)を示す動作予告信号を出力するよう構成されている。
例えば空調装置17の場合、車内温度に応じて出力(消費電力)を段階的に自動調整できるよう構成されており、例えば冷房中に車内温度が十分下がったことにより冷房出力を「強」から「弱」に自動切替する場合は、その切り替えに先立って、「強」から「弱」に切り替わる旨を示す信号、或いはその切り替わりによって消費電力がどの程度変化するか、延いては補機駆動力がどの程度変化するかを示す信号を、動作予告信号として出力する。
各電気負荷からの動作予告信号は、エンジン制御部21内において補機負荷補正値演算部24に入力される。補機負荷補正値演算部24は、何れかの電気負荷から動作予告信号が入力された場合、その電気負荷の消費電力(補機負荷)が実際に変動する前に、動作予告信号に基づいて、その変動分に応じた補機負荷補正値Vαを演算する。
これにより、基本指令値Vmは、補機負荷が実際に変動する前に予めその変動に応じて補正がなされることになる。そのため、例えば空調装置17の冷房出力が「強」から「弱」に切り替わる場合は、実際にそのように切り替わる前に、予めエンジン出力が下がることになる。そのため、補機負荷の切り替わり時におけるエンジン出力の応答遅れに起因して走行用駆動力が急変するのを抑えることができる。
次に、上記のように構成された本実施形態のエンジン制御部21の動作例について、図5、図6を共に用いて説明する。図5に示す動作例は、本発明が適用された実施形態のエンジン制御部21の動作例であり、図6に示す動作例は、図5の動作例と比較するための、本発明が適用されない場合(つまり基本指令値Vmがそのまま制御指令値としてエンジン2へ入力される構成の場合)のエンジン制御部の動作例である。尚、図5、図6の各動作例は、説明の簡略化のために、車両の乗客が0であることを前提としている。
図5、図6に示すように、時刻t1にて運転士によりマスコン20が2ノッチに操作されると、2ノッチに対応した目標加速力が得られるよう、エンジン2へ制御指令値が出力される。このとき、補機負荷は0であることから、2ノッチに対応した基本指令値Vm(図3における、ノッチ指令信号がP2のときの基準エンジン出力曲線に対応した値)が補正されることなくそのまま制御指令値としてエンジン2へ出力される。この制御指令値により、エンジン出力は2ノッチに対応した値へと上昇し、これにより車両の加速力(変速機3の入力トルク)も上昇していく。
その後、時刻t2でマスコン20が4ノッチに操作されると、時刻t1のときと同じように、エンジン出力は4ノッチに対応した値へと上昇していく。
そして、ある電気負荷の動作状態が時刻t3で変化するが、その電気負荷からは、その時刻t3より前の所定のタイミングである時刻t21に、自身の動作状態が所定時間後に所定量変化すること(本例では消費電力が所定量増加すること)を示す動作予告信号が出力され、エンジン制御部21に入力される。
そこでエンジン制御部21は、その動作予告信号に従い、上述したように基本指令値Vmを補正することで、実際に変化する前に予めエンジン出力を増加させる。時刻t21で予めエンジン出力を増加させると、その分、過渡的に走行用駆動力は増加し、車両加速力が上昇してしまうが、その上昇期間は短時間であるため、問題とはならない。
そして、時刻t3で実際に電気負荷の動作状態が変化して消費電力が所定量増加すると、それに応じて、一時的に上昇した車両加速力は再び元の値(4ノッチに対応した値)に戻る。
尚、仮に動作予告信号が入力されないとすると、時刻t3で補機負荷が急増することから、制御応答遅れによって車両加速力が一時的に急減してしまうおそれがある。そこで本実施形態では、そのような制御応答遅れによる加速力の急変を抑えるために、動作予告信号に基づき、実際に補機負荷が変動する前に制御指令値を予め補正するようにしている。
また、図6に示す本発明非適用の場合、時刻t3で補機負荷が急増し、これによりエンジン出力のうち補機駆動力として用いられる分が急増して、走行用駆動力は急減する。そのため、車両加速力は大きく低下してしまう。そこでこの図6の動作例では、急減した車両加速力を上昇させるべく、時刻t32にて運転士自らマスコン20を例えば5ノッチに操作するといった、トルクアップのための操作を行う必要がある。しかも、運転士が加速力低下を認識してからノッチアップ操作をするまでのタイムラグの間は、低い加速力での走行を余儀なくされる。
これに対し、本実施形態のエンジン制御部21では、図5に示したように、補機負荷の増加に応じてエンジン出力も増加させるため、図6に例示したような加速力の急減を抑制することができるのである。
その後、時刻t4にて、ある電気負荷の動作状態が変化して消費電力が下がるが、その場合も、本実施形態では、実際に変化する前の時刻t31にてその電気負荷から動作予告信号が出力される。そこでエンジン制御部21は、その動作予告信号に従って基本指令値Vmを補正する(この場合は詳しくは現在の補機負荷補正値Vαをその動作予告信号に基づいて再演算する)ことで、実際に変化する前に予めエンジン出力を減少させる。
この場合も、仮に動作予告信号が入力されないとすると、時刻t4で補機負荷が急減することから、制御応答遅れによって車両加速力が一時的に急増してしまうおそれがあるが、本実施形態では実際に補機負荷が急減する前に制御指令値を下げる補正を行うことで、制御応答遅れに起因する加速力急増を防いでいる。
また、図6に示す本発明非適用の場合、時刻t4で補機負荷が急減し、これによりエンジン出力のうち補機駆動力として用いられる分が急減して、走行用駆動力は急増する。そのため、車両加速力は急増してしまう。そこでこの図6の動作例では、急増した車両加速力を低下させるべく、時刻t42にて運転士自らマスコン20を再び4ノッチに戻すといった、トルクダウンのための操作を行う必要がある。しかも、運転士が加速力増加を認識してからノッチダウン操作をするまでのタイムラグの間は、大きい速力での走行を余儀なくされる。
これに対し、本実施形態のエンジン制御部21では、図5に示したように、補機負荷の減少に応じてエンジン出力も減少させるため、図6に例示したような加速力の急増を抑制することができるのである。
その後、時刻t5にて、ある電気負荷の動作状態が変化して消費電力が下がるが、この場合も、上述した時刻t4の場合と同じように動作することとなる。
以上説明したように、本実施形態のエンジン制御部21は、単にマスコン20からのノッチ指令信号に対応した基本指令値Vmをそのまま制御指令値として出力するのではなく、補機負荷及び車両重量に応じて基本指令値Vmを補正し、その補正後の値を制御指令値として出力する。
このように、走行用駆動力と補機駆動力を総合したエンジン出力制御を行うことで、補機(但し本実施形態では電気負荷のみ)の動作状態の変動(補機負荷の変動)にかかわらず、走行用駆動力の変動を抑制することが可能となる。そして、走行用駆動力の変動を抑制でき、変速機入力トルクの変動を抑制できることから、安定した運転取扱いが実現できる。また、変速機3の設計容量一杯に入力トルクを制御することで、エンジン出力・変速機3の設計最適化が可能になる。
また、本実施形態では、各電気負荷の消費電力を補機負荷として検出することで、これら電気負荷の駆動に用いられる補機駆動力を間接的に検出するようにしている。そのため、補機負荷の検出(延いては補機駆動力の検出)を容易に行うことができる。
また、本実施形態では、補機負荷に応じた制御指令値の生成を、具体的には、基本指令値Vmに、補機負荷に応じて演算された補機負荷補正値Vαを加算することにより行っている。そのため、補機駆動力に応じた適切な値の制御指令値の生成を容易且つ確実に行うことができる。
また、補機駆動力に加えてさらに車両重量も考慮して制御指令値を生成することで、車両重量にかかわらず良好な走行性能を安定的に維持させることも可能となる。
更に、補機負荷が変動する場合にはそのことを予め知ることができるようにし、実際に変動する前に予めその変動を想定してエンジン出力を制御するようにしている。つまり、補機負荷の変動に対するエンジン出力の応答遅れを考慮し、その応答遅れに起因する走行用駆動力の急増・急減等の防止策として、補機負荷が実際に変動する前に、その変動する分に対応した補機駆動力だけエンジン出力を変動させる制御も行うようにしている。そのため、補機負荷の変動に起因する走行用駆動力の変動をより効果的に抑制することができる。
[変形例]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、基本指令値Vmに対する補正演算を、各補正値Vα、Vβを加算することにより行うようにしたが、これはあくまでも一例であり、補機負荷及び車両重量に応じた適切な基本指令値Vmを生成できる限り、延いては補機負荷及び車両重量が大きいほどエンジン出力が大きくなるように制御指令値を生成できる限り、基本指令値Vmをどのように補正するか(延いては制御指令値をどのように生成するか)は種々の方法を採りうる。
例えば、基本指令値Vmに対し、補機負荷及び車両重量に応じた補正係数を乗算することによって補正することも考えられる。
また、上記実施形態では、ノッチ毎の基本指令値Vm(基準エンジン出力曲線)を、走行のために最低限必要な補機以外の補機における補機負荷が0であって且つ車両の乗客も0の場合において所望の走行用駆動力が得られるような値、即ち走行のために最小限必要なエンジン出力が得られるような値に設定されているものとして説明したが、これもあくまでも一例に過ぎない。
例えば、電気負荷において所定量の消費電力が消費されていて且つ所定人数の乗員・乗客が車内にいる場合に最小限必要な走行用駆動力が得られる値に基本指令値Vmを設定する場合は、例えば、補機負荷がある基準値の場合は基本指令値Vmをそのまま制御指令値として生成し、補機負荷が基準値より小さければ基本指令値Vmより小さい値の制御指令値を生成し、補機負荷が基準値より大きければ基本指令値Vmより大きい値の制御指令値を生成するようにしてもよい。
尚、補機負荷と車両重量の双方に応じて基本指令値Vmを補正する必要は必ずしも無く、車両重量に応じた補正は省略してもよい。
また、補機負荷の検出は、電源装置15からの負荷電力信号に基づく方法以外に、例えば、各電気負荷からそれぞれ消費電力を示す信号入力されてそれに基づいて検出する方法としてもよい。また、発電機12の発電電力を示す信号を送るようにしてもよい。また、発電機12の発電電力或いは電源装置15の出力を並列分岐してエンジン制御部21にも引き込み、シャント抵抗などを用いて消費電力を検出するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、電気負荷の消費電力を検出することによってこれらに用いられる補機駆動力を検出するようにしたが、補機駆動力をどのように検出するかについても種々考えられる。電気負荷以外の補機についても、そこで使われている駆動力を何らかの方法で直接又は間接的に検出できるならば、それも反映したより高精度の補正を行うことができる。
また、本発明の適用は、エンジン2としてディーゼルエンジンを搭載した気動車に限定されるものではない。
1…気動車、2…エンジン、3…変速機、4…推進軸、5,6…台車、5a,5b,6a,6b…空気バネ、11…補機駆動軸、12…発電機、13…ラジエター、15…電源装置、16…コンプレッサ、17…空調装置、20…マスコン、21…エンジン制御部、22…基本指令生成部、23…第1補正演算部、24…補機負荷補正値演算部、25…第2補正演算部、26…車両重量補正値演算部、30…応荷重センサ

Claims (8)

  1. 入力される制御指令値に応じた駆動力を出力するよう構成されたエンジンを走行用駆動源として有すると共に、該エンジンを駆動源として動作する少なくとも1つの車載機器を有する気動車において、該エンジンを制御する気動車用エンジン制御装置であって、
    前記エンジンから出力される駆動力であるエンジン出力を複数の駆動レベルの何れかに設定するために操作され、その設定された駆動レベルに応じた操作指令信号を出力する操作指令手段と、
    前記車載機器のうち少なくとも1つを検出対象機器として、前記エンジン出力のうち該検出対象機器の駆動源として用いられている分である機器駆動力を直接又は間接的に検出する機器駆動力検出手段と、
    前記操作指令信号に対応した前記エンジン出力を前記エンジンから出力させることを基本としつつ、前記機器駆動力が変動しても前記エンジン出力のうち前記気動車の走行用の駆動源として用いられる分が変動しないように、前記機器駆動力検出手段により検出された機器駆動力が大きいほど該エンジン出力が大きくなるように前記制御指令値を生成する制御指令値生成手段と、
    を備えたことを特徴とする気動車用エンジン制御装置。
  2. 請求項1に記載の気動車用エンジン制御装置であって、
    前記気動車は、前記機器駆動力を電気エネルギーに変換する発電手段を備え、
    前記検出対象機器は、前記発電手段から供給される電力により駆動する電気負荷として構成されており、
    前記機器駆動力検出手段は、前記機器駆動力として、前記検出対象機器で消費されている電力を検出する
    ことを特徴とする気動車用エンジン制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の気動車用エンジン制御装置であって、
    前記操作指令手段から出力された前記操作指令信号に基づき、該操作指令信号に対応した駆動レベルのエンジン出力を前記エンジンから出力させるために必要な前記制御指令値である基本指令値を生成する基本指令値生成手段を備え、
    前記制御指令値生成手段は、前記基本指令値生成手段により生成された前記基本指令値を、前記機器駆動力検出手段により検出された機器駆動力に基づき、該機器駆動力が大きいほど前記エンジン出力が大きくなるように補正して、該補正後の基本指令値を前記制御指令値として生成する
    ことを特徴とする気動車用エンジン制御装置。
  4. 請求項3に記載の気動車用エンジン制御装置であって、
    前記基本指令値を所定の第1の演算によって補正するための、前記機器駆動力検出手段により検出された機器駆動力に応じた値の第1の補正値を生成する第1補正値生成手段を備え、
    前記制御指令値生成手段は、前記基本指令値生成手段により生成された前記基本指令値と前記第1補正値生成手段により生成された前記第1の補正値との前記第1の演算を行うことにより、該基本指令値の補正を行う
    ことを特徴とする気動車用エンジン制御装置。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の気動車用エンジン制御装置であって、
    前記気動車の重量を直接又は間接的に検出する重量検出手段を備え、
    前記制御指令値生成手段は、前記重量検出手段により検出された重量が大きいほど前記エンジン出力が大きくなるように前記制御指令値を生成する
    ことを特徴とする気動車用エンジン制御装置。
  6. 請求項3又は請求項4に記載の気動車用エンジン制御装置であって、
    前記気動車の重量を直接又は間接的に検出する重量検出手段を備え、
    前記制御指令値生成手段は、前記基本指令値生成手段により生成された前記基本指令値を、前記機器駆動力検出手段により検出された機器駆動力及び前記重量検出手段により検出された重量に基づき、該機器駆動力が大きいほど前記エンジン出力が大きくなるよう且つ該重量が大きいほど前記エンジン出力が大きくなるように補正して、該補正後の基本指令値を前記制御指令値として生成する
    ことを特徴とする気動車用エンジン制御装置。
  7. 請求項6に記載の気動車用エンジン制御装置であって、
    前記基本指令値を所定の第2の演算によって補正するための、前記重量検出手段により検出された重量に応じた値の第2の補正値を生成する第2補正値生成手段を備え、
    前記制御指令値生成手段は、前記基本指令値生成手段により生成された前記基本指令値と前記第2補正値生成手段により生成された前記第2の補正値との前記第2の演算を行うことにより、該基本指令値の補正を行う
    ことを特徴とする気動車用エンジン制御装置。
  8. 請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の気動車用エンジン制御装置であって、
    前記検出対象機器の少なくとも1つは、自身の動作に必要な前記機器駆動力の変動を伴うような所定の動作状態の変化が生じる場合に、該動作状態の変化前の所定のタイミングで、該動作状態の変化により生じる前記機器駆動力の変動内容を示す予告信号を出力可能に構成されており、
    前記制御指令値生成手段は、前記検出対象機器から前記予告信号が出力された場合、該予告信号に基づき、該予告信号に対応した前記動作状態の変化が生じる前に、該予告信号に対応した前記動作状態の変化により生じる前記機器駆動力の変動に応じて前記エンジン出力を予め変動させるよう、現在生成している前記制御指令値を補正する
    ことを特徴とする気動車用エンジン制御装置。
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