JP5870324B2 - ポリカルバゾール誘導体含有組成物及び該組成物からなる透明導電体 - Google Patents
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Description
(1)ポリカルバゾール誘導体、金属塩および溶媒を含有する組成物。
(2)前記金属塩がハロゲン化金属である(1)に記載の組成物。
(3)前記ハロゲン化金属が塩化スズ(II)、塩化ナトリウム、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、塩化亜鉛、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化リチウム、及び塩化バリウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む、(2)に記載の組成物。
(4)前記ポリカルバゾール誘導体が下記一般式(A)で表される少なくとも1種のN−アルキルカルバゾールを重合させて得られる、(1)から(3)のいずれかに記載の組成物。
(5)前記ポリカルバゾール誘導体の重合度が2から100である、(1)から(4)のいずれかに記載の組成物。
(6)前記溶媒がγ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、アセトン、及びアセトニトリルからなる群から選択される少なくとも1種を含む、(1)から(5)のいずれかに記載の組成物。
(7)組成物の全重量に対して、ポリカルバゾール誘導体の含有量が0.05重量%以上20重量%以下であり、金属塩の含有量が0.01重量%以上10重量%以下である、(1)から(6)のいずれかに記載の組成物。
(8)前記組成物は、2000倍希釈濃度で測定した波長380nmから780nmの範囲内の紫外可視吸収スペクトルにおける吸光度が0.5以下である(1)から(7)のいずれかに記載の組成物。
(9)(1)から(8)のいずれかに記載の組成物から溶媒を除去することによって得られる透明導電体。
(10)表面抵抗が1×101Ω/□以上、1×1010Ω/□以下であり、全光線透過率が85%以上であり、ヘイズ値が7%以下である(9)に記載の透明導電体。
(11)2000倍希釈濃度で測定した波長380nmから780nmの範囲内の紫外可視吸収スペクトルにおける吸光度が0.1以下である、(9)又は(10)に記載の透明導電体。
(12)基板上に(9)から(11)のいずれかに記載の透明導電体を積層させてなるデバイス素子。
本発明の組成物は、ポリカルバゾール誘導体、金属塩、及び溶媒を含有する。本発明の組成物を用いて、スピンコートなどの手法により形成された膜は、透明かつ良好な導電性を有することから、電子デバイス素子などに好適に用いることができる。本発明者らは特許文献6に示すように、ポリカルバゾール誘導体を用いた化学重合による透明な導電体を開発している。しかしながら、透明化の工程の時間短縮や、透明導電体の導電性など、改善すべき点も存在した。本発明者は、導電体の透明化のために金属塩を用いることで、透明導電体の改善に想到したものである。
本発明の組成物に含有されるポリカルバゾール誘導体は、カルバゾール誘導体を重合させて得られる重合体である。カルバゾール誘導体としては特段限定されないが、以下に示すN−アルキルカルバゾールであることが好ましい。
き換えられていてもよい。カルバゾールのN位と結合している炭素は、1級炭素又は2級炭素であることが好ましい。商業的に入手容易という観点から、炭素数22以下(上記式において、nが22以下を示す。)のアルキルであることが好ましい。また、溶媒への溶解性の観点から、炭素数2以上(上記式において、nが2以上を示す。)のアルキルであることが好ましい。炭素数が7〜22(上記式において、nが7〜22を示す。)のアルキルであることが更に好ましい。
ポリカルバゾール誘導体は、着色しており、透明性が低いために、透明とするための手段が必要となるが、本発明では、ポリカルバゾール誘導体を溶媒に溶解させ、金属塩を加えた組成物から成膜することで、透明導電体とすることができる。
よって、本発明の別の態様は、透明導電体を製造する方法であって、ポリカルバゾール誘導体を溶解した溶媒に金属塩を加える工程、及び前記工程により得られた溶液を成形し、透明導電体を得る工程、を含む透明導電体の製造方法である。
透明導電体は、組成物を基板に塗布し、溶媒を除去することによって得られる。基板への塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法、ディップコート法、ブレードコート法、スプレー法、凸版印刷法、凹版印刷法、平板印刷法、ディスペンス法およびインクジェット法等の一般的な方法を用いることができる。膜厚の均一性および生産性の観点から、スピンコート法とスリットコート法が好ましい。溶媒の除去は、室温乾燥、加熱乾燥または減圧乾燥のいずれを用いてもよいし、また、併用することもできる。基板としては、堅くてもよく、曲がり易くてもよい。基板の材料としては、たとえばガラス、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、アクリロイル、ポリエステル、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレート、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニルが挙げられる。基板材料は、高い光線透過率と低いヘイズ値を有することが好ましい。
下記式において、nは上記式と同じである。また、ポリカルバゾール誘導体の重合度は、透明度及び強度の観点から2〜100であることがより好ましく、2〜22が特に好ましい。
本発明の組成物は、ポリカルバゾール誘導体と金属塩とを反応させることで、成形した導電体を透明にすることができる。反応させる金属塩は特段制限されないが、ハロゲン化金属がより好ましい。このようなハロゲン化金属塩の具体例は、塩化スズ(II)、塩化ナトリウム、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、塩化亜鉛、塩化銀、塩化銅、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化リチウム、塩化バリウム、塩化カリウムが挙げられる。この中でも特に、塩化スズ、塩化ナトリウム、塩化亜鉛が好ましく用いられる。
よって本発明の別の態様としては、ポリカルバゾール誘導体を溶解させた溶媒に金属塩を添加してなるポリカルバゾール誘導体金属錯体である。
本発明の組成物に用いる溶媒は、ポリカルバゾール誘導体を溶解することができる限り特段限定されない。具体的には、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、ジメチルホルムアミド等のホルムアミド、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド、テトラヒドロフラン等のエーテル、メタノール等のアルコール、γ−ブチロラクトン等のラクトン、N−メチル−2−ピロリドン等のピロリドン、プロピレンカーボネート等のカーボネート、アセトン等のケトン等を用いることができる。これらの溶媒のうち1種のみ用いてもよく、2種以上混合して用いることもできる。金属塩の溶解性の点から、極性溶媒が好ましく、ポリ(N−アルキルカルバゾール)の溶解性から、有機溶媒が好ましい。このうち、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、アセトン、アセトニトリルからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。これらの溶媒はスピンコートなどにより成膜した後、風乾、ホットプレートまたは真空乾燥による加熱で除去することができる。
ポリカルバゾール誘導体、金属塩及び溶媒を含有する本発明の組成物は、透明導電体形成用インクとして用いることができる。このインクはスピンコート、スクリーン印刷、インクジェット等の成膜手段により、必要とする大きさの透明導電体を簡易に作製することができることから、透明導電体を作製した後に加工する手間を省くことができる。
また、特許文献6に開示される、本発明者らによる金属と接触させることにより作成したインクと比較して、本発明の組成物では色の消失スピードが著しく早い。これは、金属と接触させることによる色の消滅のメカニズムが、金属の仕事関数とポリアルキルカルバゾールのイオン化ポテンシャルの差を駆動力とするのに対し、本発明の組成物では、ポリカルバゾール誘導体と金属塩が反応して錯体を形成すると考えられるため、反応速度が著しく早くなると推測している。
また、本発明の透明導電体は、透明度の観点から波長380nmから780nmの範囲内の光の規格化吸収スペクトルの値が0.5以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましい。規格化吸収スペクトルは、例えば溶媒を含む組成物を2000倍に希釈することにより溶液状態で測定することができる。
また、本発明の透明導電体は、導電性を良好にする観点から、表面抵抗が1.0×10
1Ω/□以上であることが好ましく、1.0×104Ω/□以上であることがより好ましい。また、1.0×1011Ω/□以下であることが好ましく、1.0×1010Ω/□以下であることがより好ましい。
また、本発明の透明導電体は、透明度の観点からヘイズ値が7%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましい。
本発明の組成物中に含有されるポリカルバゾール誘導体について、ポリ(N−アルキルカルバゾール)を例に挙げて説明する。カルバゾールのN位にアルキルが結合したN−アルキルカルバゾールは、水素化ナトリウム等の強塩基性のアルカリ金属化合物存在下で、カルバゾールとアルキル化剤であるハロゲン化アルキルとの脱ハロゲン化水素反応により合成することができる。または、カルバゾールカリウム塩とハロゲン化アルキルの脱ハロゲン化カリウム反応で合成することができる。なお、酸化剤を用いる化学重合で、ポリ(N−アルキルカルバゾール)を合成する場合には、カルバゾールのN位に結合するアルキルは、一級炭素または二級炭素であることが好ましい。カルバゾールのN位に結合するアルキルが三級炭素の場合には、重合時にアルキルが脱離する傾向にあり、所望のポリ(N−アルキルカルバゾール)が得難い場合がある。
上記アルキル化剤であるハロゲン化アルキルは、試薬メーカーより入手することができる。実験室で取り扱うには、反応性、アルキルの種類の豊富さから、アルキルモノ臭化物が扱いやすい。入手できるアルキルモノ臭化物は、具体的に、1−ブロモプロパン、2−ブロモプロパン、1−ブロモブタン、2−ブロモブタン、1−ブロモ−2−メチルプロパン、2−ブロモ−2−メチルプロパン、1−ブロモ−3−メチル−ブタン、1−ブロモヘキサン、2−ブロモヘキサン、3−ブロモヘキサン、1−ブロモメチルペンタン、1−ブロモヘプタン、3−ブロモヘプタン、4−ブロモヘプタン、1−ブロモ−5−メチルヘキサン、1−ブロモ−2−エチルヘキサン、1−ブロモオクタン、2−ブロモオクタン、1−ブロモノナン、2−ブロモノナン、1−ブロモデカン、1−ブロモウンデカン、1−ブロモドデカン、2−ブロモドデカン、1−ブロモトリデカン、1−ブロモテトラデカン、2−ブロモテトラデカン、1−ブロモペンタデカン、1−ブロモヘプタデカン、1−ブロモ−2−メチルヘキサデカン、1−ブロモオクタデカン、1−ブロモエイコサン、1−ブロモドコサンがあり、東京化成工業(株)、シグマアルドリッチジャパン(株)、ランカスター社等から入手できる。
上記ハロゲン化アルキルは、アルキルモノハロゲン化物以外に、アルケンのハロゲン水素付加反応により得ることができる。この反応は、アルケン溶液にハロゲン化水素を添加することで容易に進行する。アルケンのハロゲン化水素付加反応でハロゲン化アルキルを得るには、JOHN WILEY & SON,INC.出版のOrganic Syntheses IV 543−544頁(1962年発行)記載の方法に従ってアルキルモノヨウ化物をアルケンのヨウ化水素付加反応により、合成することが都合がよい。
ポリ(N−アルキルカルバゾール)を形成する工程について説明する。ポリ(N−アルキルカルバゾール)は、N−アルキルカルバゾールを含む溶媒に酸化剤を加えて重合を行うことで得られる。
上記の重合では、比較的高い誘電率の溶媒を用いることが好ましい。溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、プロピレンカーボネート、ピリジン、ジオキサン、酢酸、水およびこれらの混合物を用いることができる。重合時のモノマー濃度は、上記の溶媒の重量を100重量部とした場合、0.01重量部以上300重量部以下とすることが好ましく、0.1重量部以上50重量部以下であることがより好ましい。0.01重量部以上とすることで生成物であるポリ(N−アルキルカルバゾール)の生産性を上げることができ、0.1重量部以上とすることでこの効果がより顕著となる。また300重量部以下とすることで反応収率を上げることができ、50重量部以下とすることでこの効果がより顕著となる。
N−アルキルカルバゾールの製造に用いるアルキル化剤は、アルキルモノ臭素化物を東京化成工業(株)、シグマ−アルドリッチ社及びランカスター社より購入した。
<N−アルキルカルバゾールの合成>
テトラヒドロフランとN,N−ジメチルホルムアミドの3対1(体積比)の混合溶媒にカルバゾールを溶解し、上記で得たアルキル剤(アルキル臭化物又はアルキルヨウ化物)をカルバゾール1当量に対して1当量加え、撹拌しながら水素化ナトリウム1.5当量に相当する60重量%の水素化ナトリウム鉱物油分散物(関東化学(株)製、商品名「水素化ナトリウム」)を徐々に加え、室温で1時間撹拌した。そこに、反応を停止させるためにメタノールを気泡が出なくなるまで加えた後、溶媒を減圧下で蒸発除去した。残渣にジクロロメタンを加え、3N塩酸と水とで洗浄した。無水硫酸マグネシウムを加え乾燥し、濾過した。得られた濾液に含まれる溶媒を真空除去し、ヘキサンを展開溶媒に用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製した。
ポリ(N−(2−エチルヘキシル)カルバゾール)の重合に用いるモノマー(N−(2−エチルヘキシル)カルバゾール)を例に具体的な合成法を説明する。
テトラヒドロフラン(30mL)とN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)の混合溶液にカルバゾール(東京化成工業(株)製、6.0g、0.036mol)を溶かし、2−エチルヘキシルブロミド(アルドリッチ社製、3.95g、0.036mol)を加え、さらに室温(約20℃)で60重量%水素化ナトリウム鉱物油分散物((関東化学(株)製、商品名「水素化ナトリウム」、2.16g、0.054mol)を徐々に添加し、1時間攪拌し反応を完了させた。
反応完了後、得られた反応液に、メタノールを気泡が出なくなるまで注ぎ、反応を停止させた。エバポレーターで反応液中の溶媒を除去後、濃縮物を塩化メチレンで抽出し、有機層を3N塩酸、水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液中の塩化メチレンをエバポレーターで除去し、ヘキサンを展開溶媒に用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。エバポレーターでヘキサンを除去し、透明液体(8g、収率80%)を得た。H−NMRにより、N−(2−エチルヘキシル)カルバゾールであることが確認できた。また、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって純度が99.5%であることを確認した。図1にNMRチャートを示す。
アセトニトリル(10mL)にモノマーであるN−(2−エチルヘキシル)カルバゾール(0.14g、0.05mol)と酸化剤である過塩素酸鉄(III)(0.33g、0.1mol)を溶解し、窒素雰囲気下、室温(約20℃)で24時間攪拌し、化学重合を行った。反応液を濾過し、濾過物をメタノールで洗浄し、40℃で1時間乾燥して、目的とするポリ(N−(2−エチルヘキシル)カルバゾール)の緑色粉末(0.21g)を得た。図2にNMRチャートを示す。
上記ポリ(N−(2−エチルヘキシル)カルバゾール)0.1gをγ−ブチロラクトン2mLに溶解し、塩化スズ29mgを加えて攪拌した。塩化スズは数秒程度ですぐに溶解し、溶液色が濃緑色から褐色に変化し、本発明の組成物1を得た。
組成物1
ポリ(N−(2−エチルヘキシル)カルバゾール) 4.2重量%
塩化スズ 1.2重量%
γ−ブチロラクトン 94.6重量%
組成物1において、塩化スズの量を変えたときの組成物を、2000倍に希釈した溶液のスペクトルを図3に示す。塩化スズの量を変化させて組成物を作成した場合であっても、可視光領域の吸光度は低いものであった。なお、図3の1/8eq.は塩化スズを5mg加えたときのものである。
ポリ(N−(2−エチルヘキシル)カルバゾール)と同様の手順で得たポリ(N−オクチルカルバゾール)0.1gをγ−ブチロラクトン2mLに溶解し、塩化スズ29mgを加えて攪拌した。塩化スズは数秒程度ですぐに溶解し、溶液色が濃緑色から褐色に変化し、本発明の組成物2を得た。
組成物2
ポリ(N−オクチルカルバゾール) 4.2重量%
塩化スズ 1.2重量%
γ−ブチロラクトン 94.6重量%
実施例1、2より、塩化スズの添加によって溶液色は緑色から褐色に変化し、加える塩化スズの量によって透明特性を制御できることがわかる。
上記ポリ(N−(2−エチルヘキシル)カルバゾール)0.1gをγ−ブチロラクトン2mLに溶解し、塩化ナトリウム8.8mgを加えて攪拌した。溶液色が濃緑色から暗褐色に変化し、本発明の組成物3を得た。
組成物3
ポリ(N−(2−エチルヘキシル)カルバゾール) 4.2重量%
塩化ナトリウム 0.4重量%
γ−ブチロラクトン 95.4重量%
上記ポリ(N−(2−エチルヘキシル)カルバゾール)0.1gをγ−ブチロラクトン2mLに溶解し、炭酸カリウム21mgを加えて攪拌した。溶液色が濃緑色から暗褐色に変化し、本発明の組成物4を得た。
組成物4
ポリ(N−(2−エチルヘキシル)カルバゾール) 4.2重量%
炭酸カリウム 0.9重量%
γ−ブチロラクトン 94.9重量%
組成物4を1,000rpmでスピンコートし、それを真空乾燥器で60℃ 0.3kPaで乾燥した。膜厚は75nmであった。この膜の二重リング法による表面抵抗は4.13×1012Ω/□、電気伝導度は3.22×10-5S/cmであった。ヘイズは6.9%、全光線透過率は91%であった。実施例4では、炭酸カリウムの添加によって溶液色は緑色から暗褐色に変化した。膜のスペクトルを図8に示す。400nmと800nmに吸収が無いことから、緑色が退色したものとわかる。また、図8には炭酸カリウムの添加量を10.5mgとした場合の組成物を成膜し、乾燥後の膜のスペクトルも示す。
上記ポリ(N−(2−エチルヘキシル)カルバゾール)0.1gをN−メチルピロリドン4mLに溶解し、塩化スズ29mgを加えて攪拌した。溶液色が濃緑色から暗褐色に変化し、本発明の組成物5を得た。
組成物5
ポリ(N−(2−エチルヘキシル)カルバゾール) 4.6重量%
塩化スズ 1.3重量%
N−メチルピロリドン 94.1重量%
特許文献6に記載のとおり、ポリ(N−(2−エチルヘキシル)カルバゾール)0.1gをクロロホルム4mLに溶解し、そこに粒状の亜鉛0.2gを加え、比較組成物を作製した。加えた錫は一部溶解した。残った錫の粒は濾過で取り除いた。緑色であった溶液は、灰黒色に変化した。溶液色の変化には48時間以上かかった。
Claims (11)
- ポリカルバゾール誘導体、金属塩および溶媒を含有し、
前記ポリカルバゾール誘導体が下記一般式(A)で表される少なくとも1種のN−アルキルカルバゾールを重合させて得られるものである、組成物。
つの水素は、ヒドロキシ、カルボキシル、スルホ及びアミノからなる群から選択される少なくとも1種の基で置き換えられていてもよい。) - 前記金属塩がハロゲン化金属である、請求項1に記載の組成物。
- 前記ハロゲン化金属が塩化スズ(II)、塩化ナトリウム、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、塩化亜鉛、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化リチウム、及び塩化バリウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項2に記載の組成物。
- 前記ポリカルバゾール誘導体の重合度が2から100である、請求項1から3のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記溶媒がγ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、アセトン、及びアセトニトリルからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の組成物。
- 組成物の全重量に対して、ポリカルバゾール誘導体の含有量が0.05重量%以上20重量%以下であり、金属塩の含有量が0.01重量%以上10重量%以下である、請求項1から5のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記組成物は、2000倍希釈濃度で測定した波長380nmから780nmの範囲内の紫外可視吸収スペクトルにおける吸光度が0.5以下である請求項1から6のいずれか1項に記載の組成物。
- 請求項1から7のいずれか1項に記載の組成物から溶媒を除去することによって得られる透明導電体。
- 表面抵抗が1×101Ω/□以上、1×1011Ω/□以下であり、全光線透過率が85
%以上であり、ヘイズ値が7%以下である請求項8に記載の透明導電体。 - 2000倍希釈濃度で測定した波長380nmから780nmの範囲内の紫外可視吸収スペクトルにおける吸光度が0.1以下である、請求項8又は9に記載の透明導電体。
- 基板上に請求項8から10のいずれか1項に記載の透明導電体を積層させてなるデバイス素子。
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