JP5869957B2 - 1,2−ビス(ビス(多置換フェニル)ホスフィノ)ベンゼン配位ニッケル(ii)錯体およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、1,2−ビス(ビス(多置換フェニル)ホスフィノ)ベンゼン配位ニッケル(II)錯体およびその製造方法に関する。
1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン類が配位したニッケル(II)錯体として、非特許文献1にジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン]ニッケル(II)およびジクロロビス[1,2−ビス[ビス(4−イソプロピルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(II)が開示されており、アリールハライドとアルキルグリニャールとのカップリング反応(熊田カップリング)の触媒となることが報告されている。
一方、1,2−ビス(ビス(多置換フェニル)ホスフィノ)ベンゼンが配位したニッケル(II)錯体は、これまでに全く報告が無い。
Organic Letters,2009年,11巻,741ページ.
非特許文献1に開示されたジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン]ニッケル(II)およびジクロロ[1,2−ビス[ビス(4−イソプロピルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(II)は、熊田カップリングの触媒となるが、これらを用いて、N,N−ジメチルスルファミル酸−2−ナフチルとジフェニルアミンのカップリング反応(バックワルド−ハートウィグアミノ化)を行ったところ、(2−ナフチル)ジフェニルアミンの収率は、53%および36%に留まった(参考例−13および14)。また、4−クロロアニソールまたは4−クロロベンゾニトリルと塩化(ビニル)マグネシウムのカップリング反応(根岸カップリング)を行ったところ、目的物の収率は、16−33%に留まった(参考例−17、19および20)。
本発明の目的は、種々のカップリング反応で、高活性な触媒となる1,2−ビス(ビス(多置換フェニル)ホスフィノ)ベンゼン配位ニッケル(II)錯体を開発することにある。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、1,2−ビス(ビス(多置換フェニル)ホスフィノ)ベンゼンが配位したニッケル(II)錯体が、種々のカップリング反応で高活性触媒となることを見出すに至った。すなわち本発明は、一般式(1)
Figure 0005869957
(式中、Rは、各々独立して、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から8のアルキル基、または、炭素数1から3のフルオロアルキル基を示す。Rは、水素原子、炭素数1から3のアルキル基、または、炭素数1から6のアルコキシ基を示す。Xは、ハロゲン原子を示す。)
で表される1,2−ビス(ビス(多置換フェニル)ホスフィノ)ベンゼン配位ニッケル(II)錯体に関するものである。また本発明は、一般式(2)
Figure 0005869957
(式中、RおよびRは、前記と同じ内容を示す。)で表される1,2−ビス(置換フェニルホスフィノ)ベンゼンと、一般式(3)NiX(Xは、前記と同じ内容を示す。)
で表されるハロゲン化ニッケル(II)を含有するニッケル化合物を反応させることを特徴とする一般式(1)
Figure 0005869957
(式中、R、RおよびXは、前記と同じ内容を示す。)
で表される1,2−ビス(ビス(多置換フェニル)ホスフィノ)ベンゼン配位ニッケル(II)錯体の製造方法に関するものである。
本発明により、種々のカップリング反応において、従来公知のニッケル(II)触媒より高活性を示す1,2−ビス(ビス(多置換フェニル)ホスフィノ)ベンゼン配位ニッケル(II)錯体(1)を提供することができる。
以下に本発明をさらに詳細に説明する。はじめに、1,2−ビス(ビス(多置換フェニル)ホスフィノ)ベンゼン配位ニッケル(II)錯体について説明する。
で示される炭素数1から6のアルコキシ基は、直鎖または分岐のいずれでもよく、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、2−メチルブチルオキシ基、1−メチルブチルオキシ基、1,2−ジメチルプロピルオキシ基、ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、1−メチルペンチルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、1,1−ジメチルブチルオキシ基、1,2−ジメチルブチルオキシ基、1,3−ジメチルブチルオキシ基、2,2−ジメチルブチルオキシ基、2,3−ジメチルブチルオキシ基、3,3−ジメチルブチルオキシ基等を例示することができる。
で示される炭素数1から8のアルキル基は、直鎖もしくは分岐のいずれでもよく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基等を例示することができる。
で示される炭素数1から3のフルオロアルキル基は、直鎖または分岐のいずれでもよく、具体的には、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル基等を例示することができる。
は、上記のアルコキシ基、アルキル基、フルオロアルキル基のいずれでもよいが、カップリング反応に対する触媒能が高い点で、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブチル基、トリフルオロメチル基が好ましい。
で示される炭素数1から3のアルキル基は、直鎖または分岐のいずれでもよく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基を例示することができる。
で示される炭素数1から6のアルコキシ基は、直鎖または分岐のいずれでもよく、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、2−メチルブチルオキシ基、1−メチルブチルオキシ基、1,2−ジメチルプロピルオキシ基、ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、1−メチルペンチルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、1,1−ジメチルブチルオキシ基、1,2−ジメチルブチルオキシ基、1,3−ジメチルブチルオキシ基、2,2−ジメチルブチルオキシ基、2,3−ジメチルブチルオキシ基、3,3−ジメチルブチルオキシ基等を例示することができる。
は、水素原子、上記のアルキル基、アルコキシ基のいずれでもよいが、カップリング反応に対する触媒能が高い点で、水素原子、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基が好ましい。
Xで示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を例示することができる。1,2−ビス(ビス(多置換フェニル)ホスフィノ)ベンゼ類ン配位ニッケル(II)錯体(1)の製造が容易な点で、塩素原子、臭素原子が好ましい。
次に、1,2−ビス(置換フェニルホスフィノ)ベンゼン配位ニッケル(II)錯体(1)の製造方法について説明する。
1,2−ビス(ビス(多置換フェニル)ホスフィノ)ベンゼン配位ニッケル(II)錯体(1)は、1,2−ビス(ビス(多置換フェニル)ホスフィノ)ベンゼン(2)とハロゲン化ニッケル(II)化合物(3)を反応させることにより、製造することができる。
本製造方法に用いることのできる、一般式(3)NiX(Xは、前記と同じ内容を示す。)で表されるハロゲン化ニッケル(II)を含有するニッケル化合物としては、具体的には、フッ化ニッケル(II)、塩化ニッケル(II)、臭化ニッケル(II)、ヨウ化ニッケル(II)等のハロゲン化ニッケル(II)およびそれらの水和物、カリウムヘキサフルオロニッケレート、テトラエチルアンモニウムテトラクロロニッケレート等のハロゲン化ニッケル(II)およびそれらの水和物や、ジクロロ[1−メトキシ−2−(2−メトキシエトキシ)エタン]ニッケル(II)、ジブロモ[1−メトキシ−2−(2−メトキシエトキシ)エタン]ニッケル(II)、ジクロロ(ジメトキシエタン)ニッケル(II)、ジブロモ(ジメトキシエタン)ニッケル(II)等のニッケル(II)錯化合物等が例示できる。収率が良い点で、ハロゲン化ニッケル(II)およびそれらの水和物が好ましく、塩化ニッケル(II)または臭化ニッケル(II)およびそれらの水和物がさらに好ましい。
本製造方法は、溶媒中で実施することができる。用いることのできる溶媒としては、具体的には、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン,1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒、またはこれらの混合溶媒を例示することができる。収率が良い点で、エタノール、テトラヒドロフランおよびそれらの混合溶媒が好ましい。また、必要に応じて少量の水を添加してもよい。
本製造方法における1,2−ビス(ビス(多置換フェニル)ホスフィノ)ベンゼン(2)の使用量は、ハロゲン化ニッケル(II)化合物1モルに対し、0.5〜2倍モルが好ましく、収率が良い点で0.8〜1.2倍モルがさらに好ましい。
反応温度は、20〜100℃であり、収率が良い点で60〜80℃がさらに好ましい。
反応時間に特に制限は無いが、製造効率の点で0.5〜5時間が好ましく、1〜3時間がさらに好ましい。
反応後、1,2−ビス(ビス(多置換フェニル)ホスフィノ)ベンゼン配位ニッケル(II)錯体(1)を単離する方法に特に限定はないが、例えば、カラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィーまたは分取液体クロマトグラフィー等の汎用的な方法で単離することができる。さらに、単離した1,2−ビス(ビス(多置換フェニル)ホスフィノ)ベンゼン配位ニッケル(II)錯体(1)は、例えば、カラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー、再結晶または昇華等の汎用的な方法で精製することができる。
本発明の1,2−ビス(ビス(多置換フェニル)ホスフィノ)ベンゼン配位ニッケル(II)錯体(1)は、種々のカップリング反応、例えば、鈴木カップリング、熊田カップリング、根岸カップリング、スティレカップリング、薗頭カップリング、ヘック反応等の炭素―炭素結合を形成するカップリング反応や、バックワルド−ハートウィグアミノ化等の炭素−窒素結合を形成するカップリング反応等の触媒として用いることができる。中でも、根岸カップリング、バックワルド−ハートウィグアミノ化で用いることが好ましい。
次に本発明を実施例および参考例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例−1
Figure 0005869957
5−ブロモ−1,2,3−トリメトキシベンゼン(2.6g,10.7mmol)とマグネシウム(0.43g,17.8mmol)から調製したグリニャール試薬のテトラヒドロフラン溶液(20mL)を、1,2−ビス(ジクロロホスフィノ)ベンゼン(0.50g,1.79mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に、−78℃で滴下しながら1時間攪拌し、続いて室温で4時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、クロロホルム、塩化アンモニウム飽和水溶液を加え、生成物をクロロホルム層に抽出した。クロロホルム層を飽和食塩水で洗浄、無硫酸マグネシウムで乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固体の1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼンを得た(0.91g,63%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ3.67(24H,s),3.84(12H,s),6.45(8H,dd,J=3.9,3.9Hz),7.14(2H,ddd,J=3.5,3.5,9.3Hz),7.35(2H,dd,J=3.5,5.3Hz).
31P−NMR(162MHz,重クロロホルム,ppm):δ−10.6(s).
実施例−1
Figure 0005869957
反応容器に、塩化ニッケル(II)六水和物(0.37g,1.6mmol)、エタノール(12mL)を加え65℃に加熱した。得られた溶液に1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン(1.3g,1.6mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を滴下し、65℃で2時間攪拌した。析出した結晶をろ過し、ヘキサン−エタノール(3:1)40mLで洗浄し、橙色固体のジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(II)を得た(1.19g,75%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ3.72(24H,s),3.92(12H,s),7.01(8H,s),7.51(2H,dd,J=3.3,5.3Hz),7.59−7.62(2H,m).
31P−NMR(162MHz,重クロロホルム,ppm):δ60.4(s)
実施例−2
Figure 0005869957
反応容器に、臭化ニッケル(II)(22mg,0.10mmol)、エタノール(10mL)および水(5mL)を加え80℃に加熱した。さらに、1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン(81mg,0.10mmol)のエタノール溶液(20mL)を滴下し、80℃で2時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、クロロホルムを加えて生成物を溶解させた。未反応物をろ別後、ろ液を濃縮し、暗赤色固体のジブロモ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(II)を得た(105mg,>99%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ3.71(24H,s),3.92(12H,s),7.02(8H,s),7.49−7.52(2H,m),7.57−7.60(2H,m).
31P−NMR(162MHz,重クロロホルム,ppm):δ32.2(s).
参考例−2
Figure 0005869957
5−ブロモ−1,3−ジメトキシ−2−メチルベンゼン(1.85g,8.0mmol)、マグネシウム(0.21g,8.5mmol)およびジブロモエタン(30μL)から調製したグリニャール試薬のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を、1,2−ビス(ジクロロホスフィノ)ベンゼン(0.42g,1.5mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に、−78℃で滴下しながら1時間攪拌し、続いて室温で4時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、クロロホルム、塩化アンモニウム飽和水溶液を加え、生成物をクロロホルム層に抽出した。クロロホルム層を飽和食塩水で洗浄、無硫酸マグネシウムで乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固体の1,2−ビス[ビス(3,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼンを得た(0.57g,51%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ2.03(12H,s),3.59(24H,s),6.37(8H,dd,J=4.2,4.2Hz),7.13(2H,ddd,J=2.8,3.5,7.2Hz),7.24−7.27(2H,m).
31P−NMR(162MHz,重クロロホルム,ppm):δ−10.4(s).
実施例−3
Figure 0005869957
反応容器に、塩化ニッケル(II)六水和物(0.15g,0.65mmol)およびエタノール(6.0mL)を加え65℃に加熱した。得られた溶液に1,2−ビス[ビス(3,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン(0.45g,0.61mmol)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)を滴下し、65℃で2時間攪拌した。析出した結晶をろ過し、ヘキサン/エタノール(4:1,25mL)で洗浄し、橙色固体のジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(II)を得た(0.44g,84%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ2.09(12H,s),3.65(24H,s),6.95(8H,s),7.50−7.56(4H,m).
31P−NMR(162MHz,重クロロホルム,ppm):δ60.9(s).
参考例−3
Figure 0005869957
5−ブロモ−1,3−ジメトキシベンゼン(3.30g,15.2mmol)とマグネシウム(0.39g,16.0mmol)から調製したグリニャール試薬のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を、1,2−ビスジクロロホスフィノベンゼン(0.50g,1.79mmol)のテトラヒドロフラン溶液(12mL)に、−78℃で滴下しながら1時間攪拌し、続いて室温で4時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、クロロホルム、塩化アンモニウム飽和水溶液を加え、生成物をクロロホルム層に抽出した。クロロホルム層を飽和食塩水で洗浄、無硫酸マグネシウムで乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固体の1,2−ビス[ビス(3,5−ジメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼンを得た(0.84g,68%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ3.66(24H,s),6.31−6.36(12H,m),7.11(2H,ddd,J=2.8,3.8,7.3Hz),7.25−7.28(2H,m).
31P−NMR(162MHz,重クロロホルム,ppm):δ−10.6(s).
実施例−4
Figure 0005869957
反応容器に、塩化ニッケル(II)六水和物(0.24g,1.0mmol)、エタノール(9.0mL)を加え65℃に加熱した。得られた溶液に1,2−ビス[ビス(3,5−ジメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン(0.69g,1.0mmol)のテトラヒドロフラン溶液(4mL)を滴下し、65℃で2時間攪拌した。析出した結晶をろ過し、ヘキサン−エタノール混合溶液(4:1、25mL)で洗浄し、橙色固体のジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,5−ジメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(II)を得た(0.72g,88%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ3.74(24H,s),6.56(4H,dd,J=2.0,2.0Hz),6.95(8H,s),7.46−7.54(4H,m).
31P−NMR(162MHz,重クロロホルム,ppm):δ59.5(s).
参考例−4
Figure 0005869957
5−ブロモ−1,2,3−トリエトキシベンゼン(2.60g,9.0mmol)とマグネシウム(0.23g,9.5mmol)から調製したグリニャール試薬のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を、1,2−ビスジクロロホスフィノベンゼン(0.50g,1.79mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に、−78℃で滴下しながら1時間攪拌し、続いて室温で4時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、クロロホルム、塩化アンモニウム飽和水溶液を加え、生成物をクロロホルム層に抽出した。クロロホルム層を飽和食塩水で洗浄、無硫酸マグネシウムで乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固体の1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリエトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼンを得た(1.26g,72%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ1,31(24H,t,J=7.0Hz),1,33(12H,t,J=7.0Hz),3.83(16H,q,J=7.0Hz),4.03(8H,q,J=7.0Hz),6.36(8H,dd,J=4.0,4.0Hz),7.05(2H,ddd,J=2.8,3.6,7.2Hz),7.26−7.29(2H,m).
31P−NMR(162MHz,重クロロホルム,ppm):δ−10.5(s).
実施例−5
Figure 0005869957
反応容器に、塩化ニッケル(II)六水和物(0.24g,1.0mmol)、エタノール(10mL)を加え65℃に加熱した。得られた溶液に1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリエトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン(0.98g,1.0mmol)のテトラヒドロフラン溶液(8mL)を滴下し、65℃で2時間攪拌した。得られた溶液を濃縮し、橙色固体のジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリエトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(II)を得た(1.02g,92%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ1.33(24H,t,J=7.0Hz),1.37(12H,t,J=7.0Hz),3.84−3.95(16H,m),4.12(8H,q,J=7.0Hz),6.96(8H,s),7.46(2H,dd,J=2.6Hz),7.54−7.57(2H,m).
31P−NMR(162MHz,重クロロホルム,ppm):δ60.0(s).
参考例−5
Figure 0005869957
参考例−1の5−ブロモ−1,2,3−トリメトキシベンゼン(2.6g,10.7mmol)に換えて、5−ブロモ−1,2,3−トリイソプロポキシブロモベンゼン(3.6g,10.7mmol)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、白色固体の1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリイソプロポキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼンを得た(0.58g,28%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ1.18(24H,d,J=6.2Hz),1.20(24H,d,J=6.2Hz),1.27(24H,d,J=6.2Hz),4.24−4.36(12H,m),6.36(8H,dd,J=3.9,3.9Hz),7.01−7.05(2H,m),7.22−7.25(2H,m).
31P−NMR(162MHz,重クロロホルム,ppm):δ−10.4(s).
実施例−6
Figure 0005869957
反応容器に、塩化ニッケル(II)六水和物(36mg,0.15mmol)およびエタノール(10mL)を加えた。得られた溶液に1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリイソプロポキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン(174mg,0.15mmol)のエタノール溶液(20mL)を加え、80℃で2時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、クロロホルムに溶解させ、ろ過後、溶媒を除くことで、赤色固体のジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリイソプロポキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(II)を得た(185mg,96%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ1.20(24H,d,J=6.4Hz),1.23(24H,d,J=6.4Hz),1.30(12H,d,J=6.1Hz),1.31(12H,d,J=6.2Hz),4.31−4.43(12H,m),6.92−6.95(8H,m),7.45−7.46(2H,m),7.52−7.54(2H,m).
31P−NMR(162MHz,重クロロホルム,ppm):δ59.4(s).
参考例−6
Figure 0005869957
1−ブロモ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(3.81g,13.0mmol)、マグネシウム(0.53g,21.8mmol)およびジブロモエタン(10μL)から調製したグリニャール試薬のテトラヒドロフラン溶液(20mL)を、1,2−ビスジクロロホスフィノベンゼン(0.045g,1.60mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に、−78℃で滴下、1時間攪拌し、続いて室温で4時間攪拌した。溶媒を除去後、クロロホルム、塩化アンモニウム飽和水溶液を加え、生成物をクロロホルム層に抽出した。クロロホルム層を飽和食塩水で洗浄、無硫酸マグネシウムで乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固体の1,2−ビス[ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィノ]ベンゼンを得た(1.34g,85%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ7.08−7.13(2H,m),7.55−7.58(10H,m),7.87(4H,s).
19F−NMR(376MHz,重クロロホルム,ppm):δ−63.2(s).
31P−NMR(162MHz,重クロロホルム,ppm):δ−12.7(s).
実施例−7
Figure 0005869957
反応容器に、塩化ニッケル(II)六水和物(24.0mg,0.10mmol)およびエタノール(10mL)を加え、1,2−ビス[ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィノ]ベンゼン(200mg,0.20mmol)のエタノール溶液(10mL)を加えた。80℃で2時間攪拌した後、得られた固体をろ過することで、橙色固体のジクロロ[1,2−ビス[ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(II)を得た(113mg,>99%)。
H−NMR(400MHz,重ベンゼン,ppm):δ6.73−6.75(2H,m),7.62(4H,s),7.71−7.74(2H,m),7.97(4H,s),7.99(4H,s).
19F−NMR(376MHz,重ベンゼン,ppm):δ−63.1(s).
31P−NMR(162MHz,重ベンゼン,ppm):δ27.8.
実施例−8
Figure 0005869957
反応容器に、塩化ニッケル(II)六水和物(0.24g,1.0mmol)、2−プロパノール/メタノール(1:1,20mL)を加え65℃に加熱した。1,2−ビス[ビス(3,5−ジ−tert−ブチル)フェニル]ホスフィノ]ベンゼン(0.90g,1.0mmol)の2−プロパノール溶液(20mL)を加え、65℃で2時間攪拌した。析出した結晶をろ過し、2−プロパノール/ジエチルエーテル(4:1,25mL)で洗浄し、淡橙色固体のジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(II)を得た(0.74g,72%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ1.21(36H,s),7.35(2H,dd,J=3.0,5.4Hz),7.51−7.53(6H,m),7.61(8H,dd,J=5.6,5.6Hz).
31P−NMR(162MHz,重クロロホルム,ppm):δ58.9(s).
参考例−7
Figure 0005869957
反応容器内をアルゴン置換した後、実施例−1で得たジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(II)(28mg,0.030mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(75mg,0.30mmol)および1,4−ジオキサン(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,1.8mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより、(2−ナフチル)ジフェニルアミンの生成を確認した(収率99%)。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の(2−ナフチル)ジフェニルアミンを得た(79mg,89%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ7.04(2H,tt,J=7.3Hz,1.1Hz),7.11−7.14(4H,m),7.24−7.29(5H,m),7.32−7.42(3H,m),7.58(1H,d,J=8.0Hz),7.71(1H,d,J=8.9Hz),7.75(1H,d,J=8.0Hz).
参考例−8
反応容器内をアルゴン置換した後、実施例−3で得たジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(II)(26mg,0.030mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(75mg,0.30mmol)および1,4−ジオキサン(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,1.8mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより、(2−ナフチル)ジフェニルアミンの生成を確認した(収率99%)。
参考例−9
反応容器内をアルゴン置換した後、実施例−2で得たジブロモ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(II)(21mg,0.020mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸−2−ナフチル(50mg,0.20mmol)および1,4−ジオキサン(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,1.2mL)を加え、80℃で3時間加熱した。反応後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固体の2−ナフチルジフェニルアミンを得た(収率97%)。
参考例−10
反応容器内をアルゴン置換した後、実施例−4で得たジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,5−ジメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(II)(33mg,0.040mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(100mg,0.40mmol)および1,4−ジオキサン(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,2.4mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより、(2−ナフチル)ジフェニルアミンの生成を確認した(収率84%)。
参考例−11
反応容器内をアルゴン置換した後、実施例−5で得たジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリエトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(II)(33mg,0.030mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(75mg,0.30mmol)および1,4−ジオキサン(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,1.8mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより、(2−ナフチル)ジフェニルアミンの生成を確認した(収率94%)。
参考例−12
反応容器内をアルゴン置換した後、実施例−6で得たジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリイソプロポキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(II)(34mg,0.027mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(75mg,0.30mmol)および1,4−ジオキサン(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,1.8mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより、(2−ナフチル)ジフェニルアミンの生成を確認した(収率68%)。
参考例−13
反応容器内をアルゴン置換した後、実施例−7で得たジクロロ[1,2−ビス[ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(II)(34mg,0.030mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(75mg,0.30mmol)および1,4−ジオキサン(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,1.8mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより、(2−ナフチル)ジフェニルアミンの生成を確認した(収率69%)。
参考例−14
反応容器内をアルゴン置換した後、ジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン]ニッケル(II)(23mg,0.040mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(100mg,0.40mmol)および1,4−ジオキサン溶液(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,2.4mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより、(2−ナフチル)ジフェニルアミンの生成を確認した(収率53%)。
参考例−15
反応容器内をアルゴン置換した後、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(4−イソプロピルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(II)(22mg,0.030mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(100mg,0.40mmol)および1,4−ジオキサン溶液(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,1.8mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより、(2−ナフチル)ジフェニルアミンの生成を確認した(収率36%)。
参考例−16
Figure 0005869957
反応容器内をアルゴン置換した後、実施例−1で得たジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(28mg,0.030mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸4−[4’−[(1−ナフチル)フェニルアミノ]ビフェニリル](74mg,0.15mmol)および1,4−ジオキサン(2.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)アミドの1,4−ジオキサン溶液(0.25M,0.9mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の4−[(1−ナフチル)フェニルアミノ]−4’−(ジフェニルアミノ)ビフェニリルを得た(85mg,96%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ6.90(2H,dd,J=7.5,1.0Hz),6.99(4H,d,J=7.8Hz),7.35(2H,t,J=8.1Hz),7.48−7.72(10H,m),7.84(2H,d,J=8.3Hz),7.91(2H,d,J=8.2Hz),8.03(2H,d,J=8.2Hz),8.08(2H,d, J=8.5Hz),8.31(2H,d,J=8.5Hz),8.61(2H,d,J=8.3Hz).
参考例−17
Figure 0005869957
反応容器内をアルゴン置換した後、実施例−8で得たジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(II)(31mg,0.030mmol)およびジクロロ(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)亜鉛 (328mg,1.30mmol)を加えた。さらに、テトラヒドロフラン(0.2mL)、4−クロロアニソール (143mg,1.0mmol)および塩化(ビニル)マグネシウムのテトラヒドロフラン溶液(1.3M,1.0mL)を加えて、85℃で16時間加熱した。反応溶液を室温まで冷却後、生成物を酢酸エチルに抽出した。10mLで抽出し、ガスクロマトグラフィーにより、4−メトキシスチレンが>99%生成していることを確認した。酢酸エチル層を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、無色液体の4−メトキシスチレンを得た(105mg,収率 78%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ7.30(d,2H,J=8.4Hz),6.81(d,2H,J=8.4Hz),6.63(dd,1H,J=17.6Hz,10.9Hz),5.58(d,1H,J=17.6Hz),5.09(d,1H,J=10.9Hz),3.72(s,3H).
参考例−18
ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(II)に代えてジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン]ニッケル(II)(17mg,0.030mmol)を用いた以外は全て参考例−16と同じ操作を行い、4−メトキシスチレンの生成を確認した(収率23%)。
参考例−19
Figure 0005869957
反応容器内をアルゴン置換した後、実施例−8で得たジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(II)(31mg,0.030mmol)およびジクロロ(N,N,N’,N’,−テトラメチルエチレンジアミン)亜鉛 (328mg,1.30mmol)を加えた。さらに、テトラヒドロフラン(0.2mL)、4−クロロベンゾニトリル (137mg,1.0mmol)および塩化(ビニル)マグネシウムのテトラヒドロフラン溶液(1.3M,1.0mL)を加えて、85℃で4時間加熱した。反応溶液を室温まで冷却後、生成物を酢酸エチル10mLで抽出し、ガスクロマトグラフィーにより、4−メトキシスチレンが97%生成していることを確認した。酢酸エチル層を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、無色液体の4−ビニルベンゾニトリルを得た(94mg、収率 73%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ7.61(d,2H,J=8.1Hz),7.48(d,2H,8.1Hz),6.73(dd,1H,J=17.6Hz,10.9Hz),5.88(d,1H,J=17.6Hz),5.45(d,1H,J=10.9Hz).
参考例−20
ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(II)に代えてジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン]ニッケル(II)(17mg,0.030mmol)を用いた以外は全て参考例−18と同じ操作を行い、4−ビニルベンゾニトリルの生成を確認した(収率33%)。
参考例−21
ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(II)に代えてジクロロ[1,2−ビス[ジ(4−イソプロピルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(II)(22mg,0.030mmol)を用いた以外は全て参考例−18と同じ操作を行い、4−ビニルベンゾニトリルの生成を確認した(収率16%)。

Claims (6)

  1. 一般式(1)
    Figure 0005869957
    (式中、Rは、各々独立して、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から8のアルキル基、または、炭素数1から3のフルオロアルキル基を示す。Rは、水素原子、炭素数1から3のアルキル基、または、炭素数1から6のアルコキシ基を示す。Xは、ハロゲン原子を示す。)
    で表される1,2−ビス(ビス(多置換フェニル)ホスフィノ)ベンゼン配位ニッケル(II)錯体。
  2. が炭素数1から3のアルコキシ基、tert−ブチル基、または、トリフルオロメチル基であり、Rが水素原子、メチル基、または、炭素数1から3のアルコキシ基である実施例1に記載の1,2−ビス(ビス(多置換フェニル)ホスフィノ)ベンゼン配位ニッケル(II)錯体。
  3. Xが、塩素原子または臭素原子である請求項1または2に記載の1,2−ビス(ビス(多置換フェニル)ホスフィノ)ベンゼン配位ニッケル(II)錯体。
  4. 一般式(2)
    Figure 0005869957
    (式中、Rは、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から8のアルキル基、または、炭素数1から3のフルオロアルキル基を示す。Rは、水素原子、炭素数1から3のアルキル基、または、炭素数1から6のアルコキシ基を示す。)
    で表される1,2−ビス(ビス(多置換フェニル)ホスフィノ)ベンゼンと、一般式(3)NiX(Xは、ハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲン化ニッケル(II)を含有するニッケル化合物を反応させることを特徴とする一般式(1)
    Figure 0005869957
    (式中、Rは、各々独立して、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から8のアルキル基、または、炭素数1から3のフルオロアルキル基を示す。Rは、水素原子、炭素数1から3のアルキル基、または、炭素数1から6のアルコキシ基を示す。Xは、ハロゲン原子を示す。)
    で表される1,2−ビス(ビス(多置換フェニル)ホスフィノ)ベンゼン配位ニッケル(II)錯体の製造方法。
  5. が炭素数1から3のアルコキシ基、tert−ブチル基、または、トリフルオロメチル基であり、Rが水素原子、メチル基、または、炭素数1から3のアルコキシ基である実施例4に記載の製造方法。
  6. Xが、塩素原子または臭素原子である請求項4または5に記載の製造方法。
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