JP5869436B2 - 3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルの脱水用触媒の再生方法、及び、(メタ)アクリル酸又はそのエステルの製造方法 - Google Patents
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Description
また(メタ)アクリル酸エステルは、(メタ)アクリル酸のエステル化等により製造されており、粘着剤、塗料等各種樹脂の原料として広く用いられている。
上記事情に鑑み、本発明は、3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルの脱水用触媒上に付着した炭素状物質を除去する触媒の再生方法、及び、長期間にわたり安定的に(メタ)アクリル酸又はそのエステルを製造する方法の提供を目的とする。
また、本発明は、前記酸化剤は、ガス状酸化剤であることを特徴とする上記3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルの脱水用触媒の再生方法である。
また、本発明は、前記再生方法は、固定床反応器内に充填された3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルの脱水用触媒を再生する方法であり、該固定床反応器内にガス状酸化剤を流通させて、炭素状物質を除去することを特徴とする上記3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルの脱水用触媒の再生方法である。
更に、本発明は、第一の脱水工程、触媒再生工程及び第二の脱水工程を含み、該第一の脱水工程は、3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルと脱水用触媒との気相接触反応により3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルを脱水する工程であり、該触媒再生工程は、前記再生方法により脱水用触媒を再生する工程であり、該第二の脱水工程は、3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルと触媒再生工程後の脱水用触媒との気相接触反応により3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルを脱水する工程であることを特徴とする上記(メタ)アクリル酸又はそのエステルの製造方法である。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
上記3−ヒドロキシカルボン酸は、1種でも2種でも用いることができる。また、(メタ)アクリル酸は、使用した3−ヒドロキシカルボン酸の種類に応じて得られる。
ここで本発明における「酸化剤」とは、炭素状物質を酸化剤の作用によって二酸化炭素、一酸化炭素、その他の炭素含有化合物に酸化分解するものをいう。
好ましくは、Al2O3、SiO2、SiO2−Al2O3、TiO2、ゼオライト;ゼオライトに、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を担持させたもの;リン酸、リン酸塩、アルカリ金属又はアルカリ土類金属をシリカ等の担体に担持させたものである。
上記触媒の物性としては、触媒活性等の点から、BET法による比表面積は、0.01〜500m2/gが好ましく、0.1〜400m2/gがより好ましい。触媒活性、触媒寿命等の点から、ハメットの酸度関数H0は、+4〜−10が好ましく、+2〜−8がより好ましい。また、触媒活性や反応器の圧力損失の点から、触媒の大きさは、長径が0.1mm〜50mmが好ましく、0.5mm〜40mmがより好ましい。
ガス状の酸化剤は、炭素状物質の酸化分解のために該炭素状物質に酸素元素を供給することが可能な気体分子であり、例えば、酸素(空気中の酸素も酸化剤に該当する)、オゾン、一酸化窒素、二酸化窒素、一酸化二窒素等を挙げることができる。これらの酸化剤のうち、少なくとも一種以上のガス状酸化剤が含まれていれば良く、例えば、空気と酸素との混合ガス、一酸化窒素と酸素との混合ガスを使用しても良く、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、及び水蒸気等の不活性ガスから任意に選択した一種以上のガスと酸化剤との混合ガスを使用しても良い。
なお、オゾンや過酸化水素水を用いると、触媒が酸点を有する場合、無効分解によって、炭素状物質の除去効率が悪くなることがある。従って、酸点の多い触媒を用いる場合は、酸化剤として酸素を用いることがより好ましい。
具体的には、触媒の酸点が、アンモニア昇温脱離法による100〜600℃のアンモニア脱離量として0.001mmol/g以上の時は、酸素による触媒再生がより好ましい。
なお、後述の本発明の製造方法により得られる生成物である(メタ)アクリル酸は、脱水触媒上で非常にコーキングを起こしやすく、炭素状物質として触媒上に蓄積しやすいことが明らかとなった。また、原料組成物中に含まれる3−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーは、沸点が高く蒸発しにくいため、触媒上に吸着すると更に重質化して容易に炭素状物質へと変化する。よって、これらの炭素状物質は、酸化剤を用いて酸化分解するにあたり、通常よりも高い温度が必要とされる。例えば酸化剤として酸素を用いて触媒再生を行う場合は、触媒の温度が350℃〜800℃の範囲が好ましく、より好ましくは400℃〜700℃である。
酸化剤濃度としては、温度制御や生産コスト等の点から、好ましくは1〜21体積%である。
処理時間としては、(メタ)アクリル酸の生産性等の点から、好ましくは1〜100時間、より好ましくは2〜50時間である。
上記再生方法により、触媒の再生が行われる。
また、本発明の(メタ)アクリル酸又はそのエステルの製造方法は、第一の脱水工程、触媒再生工程及び第二の脱水工程を含み、該第一の脱水工程は、3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルと脱水用触媒との気相接触反応により3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルを脱水する工程であり、該触媒再生工程は、前記再生方法により脱水用触媒を再生する工程であり、該第二の脱水工程は、3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルと触媒再生工程後の脱水用触媒との気相接触反応により3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルを脱水する工程であることが好ましい。
第一の及び第二の3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルの脱水工程では、3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルの誘導体である(メタ)アクリル酸又はそのエステルを、気相接触反応により得るために、固定床反応器に反応ガスを流通させることが好ましい。
なお、本実施形態では、第一の3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルの脱水工程及び第二の3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルの脱水工程の、条件及び手順は同じである。
上記脱水工程では、3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルを含む原料組成物を原料として用いる。そこで、3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルを含む原料組成物の物性や調製方法等について、まず説明する。
また、3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルのダイマーやトリマー等のオリゴマーが含まれていても良く、そのオリゴマーは原料として使用することができる。原料組成物に含まれる上記オリゴマーは、3−ヒドロキシカルボン酸とそのエステルの合計100質量%に対して、好ましくは1〜400質量%、より好ましくは1〜300質量%含まれていてもよい。上記オリゴマー量を1質量%以上とすることにより、3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルの、オリゴマー化抑制やオリゴマー量低減のための設備やエネルギーを最小限に抑えることができ、また、400質量%以下とすることにより、脱水触媒上での炭素状物質の生成及びコーキングによる閉塞を抑制し、(メタ)アクリル酸の収率を向上させることができる。
本発明においては、原料組成物中に含まれる3−ヒドロキシカルボン酸の少なくとも一部又は全部が、発酵により得られる3−ヒドロキシカルボン酸であることが好ましい。
糖類と生物を接触させるとは、原料として利用する糖類の存在下で微生物又はその処理物を用いて反応を行うことをも包含する。該処理物としては、アセトン、トルエン等で処理した菌体、菌死体、凍結乾燥菌体、菌体破砕物、菌体を破砕した無細胞抽出物、これらから酵素を抽出した粗酵素液、精製酵素等が挙げられる。また、常法により担体に固定化した菌体、該処理物、酵素等を用いて反応を行うことにより入手した3−ヒドロキシカルボン酸も用いることができる。
上記加熱処理としては、3−ヒドロキシカルボン酸及び微生物等を含む水性組成物を、好ましくは少なくとも60秒間、より好ましくは少なくとも10分間、更に好ましくは少なくとも30分間の処理時間で、好ましくは少なくとも100℃、より好ましくは少なくとも110℃、更に好ましくは少なくとも120℃の温度で、加熱することによって実施するのが好ましい。当該加熱処理は、当業者に公知の装置(例えばオートクレーブ等)において実施するのが好ましい。
アルコールとしては、特に限定されないが、炭素数が1〜20のアルコールが好ましく、炭素数が1〜10のアルコールがより好ましく、炭素数1〜5のアルコールが更に好ましい。
エステル化反応は、3−ヒドロキシカルボン酸とアルコールを、エステル化触媒の存在下又は非存在下、加熱することによって行うことができる。3−ヒドロキシカルボン酸はカルボン酸のため、触媒の非存在下でもエステル化反応は進行する。しかし、生産効率の点から、エステル化触媒を用いることが好ましい。
エステル化触媒としては、公知のものが使用できるが、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸類;ゼオライトやイオン交換樹脂等の固体酸類;ヘテロポリ酸等の無機酸;p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類;ジブチルスズジラウレート、酸化スズ、ジブチルスズオキサイド、酢酸亜鉛、テトラアルコキシチタン等の金属化合物類等が挙げられる。
反応温度は、50℃〜300℃が好ましく、80℃〜250℃がより好ましい。エステル化反応は平衡反応のため、収率向上のために、反応蒸留や、生成物を抽出しながらの反応も効果的である。
これらの悪影響を小さくするためには、原料中に含まれる窒素化合物中の窒素量が、3−ヒドロキシカルボン酸、そのエステル、及び、それらのオリゴマー類の合計100質量%に対して、0.2質量%以下であることが好ましい。より好ましくは0.1質量%以下である。窒素量の下限は、好ましくは0.1質量ppm以上である。より好ましくは0.5質量ppm以上であり、更に好ましくは1質量ppm以上である。0.1質量ppm未満とするためには、過大な精製工程が必要となり、コストアップの要因となる。
原料中の窒素化合物を低減させるには、発酵液から原料を調製する過程で、以下の方法により実施することができる。例えば、ナノ濾過膜や逆浸透膜等を用いてタンパク質やアミノ酸類と3−ヒドロキシカルボン酸を分離する方法;タンパク質と3−ヒドロキシカルボン酸を含む液を加熱し、タンパク質を変性、重質化し析出させて分離する方法;蒸留、蒸発、晶析、抽出、電気透析等を用いて、3−ヒドロキシカルボン酸と含窒素化合物を分離する方法等が挙げられる。
3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルを含む原料組成物は、蒸発器内でその一部が反応し、(メタ)アクリル酸又はそのエステルや、3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルのオリゴマーが生成する。また条件によっては、原料組成物中に含まれているオリゴマーや生成したオリゴマーの分解反応も起こる。脱水触媒上での炭素状物質の生成を抑制するためには、脱水触媒と接触する蒸発器出口ガスの組成を制御することが好ましい。
蒸発器出口ガスの組成としては、3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルのオリゴマー類の濃度が、3−ヒドロキシカルボン酸とそのエステルの合計100質量%に対して、1〜100質量%であることが好ましい。より好ましくは1〜80質量%である。上記オリゴマー類の濃度を1質量%以上とすることにより、3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルの、オリゴマー化抑制やオリゴマー濃度低減のための設備やエネルギーを最小限に抑えることができ、また、100質量%以下とすることにより、脱水触媒上での炭素状物質の生成を抑制し、触媒の活性低下を抑えることで、再生までの反応時間を長くすることが可能となり、(メタ)アクリル酸又はそのエステルの生産性を向上させることができる。
脱水触媒に供給される蒸発器出口ガス中の3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルのオリゴマーは、3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルの分子が2〜10個結合したものが、オリゴマー全体の70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。更に、3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルの分子が2〜8個結合したものが、オリゴマー全体の70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
次いで、上記3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルを含む原料組成物と脱水用触媒との気相接触反応により、3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルを脱水する。
上記脱水用触媒としては、上述したものと同じものが挙げられる。
上記3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルを含む原料組成物と脱水用触媒との気相接触反応は、3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルを含む原料組成物を気化させ、気化した原料組成物を脱水用触媒と接触させることにより、行うことができる。
また、蒸発器内の原料組成物の流路に、ラシヒリング、ベルルサドル、球状成型物、金網の成型物(ディクソンパッキン、マクマホンパッキン等)、メラパック(スルザーケムテック社製)といった不規則充填物や規則充填物等の、単位充填容積当たりの表面積が大きな充填物を充填し、そこに原料組成物を供給することで、原料組成物(液体)が接する表面積を大きくして蒸発させる方法も挙げられる。こうすることにより、供給した原料組成物が、表面積の大きな充填物と接触することになり、伝熱面積が増え、蒸発効率が向上する。
上記充填物の材料としては、鉄やステンレス等の金属材料や、シリカ、セラミック等の無機材料等が使用できる。
充填物の表面積は、蒸発器に充填した際に、5cm2/cm3以上が好ましく、10cm2/cm3以上がより好ましく、20cm2/cm3以上が更に好ましく、30cm2/cm3以上が特に好ましい。また、上限は特に限定されないが、1000cm2/cm3以下が好ましく、800cm2/cm3以下がより好ましい。
その他、加熱した原料組成物を蒸発室に供給し、気化させるフラッシュ蒸発器を用いても良い。フラッシュ蒸発器においては、原料組成物を、常圧又は加圧下で加熱し、減圧又は常圧下の蒸発室に液を供給して、原料組成物を気化させることができる。
また、原料組成物を流動床式の蒸発器に供給して、気化させても良い。例えば、粉末状の不活性固体を不活性ガスで流動化させ、加熱された流動床式蒸発器に原料組成物を供給し、気化させても良い。
また、原料組成物の気化は、上記方法を多段階で行っても良い。例えば、フラッシュ蒸発器の後に充填物を充填した蒸発器を設置し、フラッシュ蒸発器で、原料組成物の一部を蒸発させた後、充填物を充填した蒸発器で、残りの原料組成物を蒸発させても良い。
また、原料組成物の気化には、上記方法を併用してもよい。例えば、スプレーで原料組成物を噴霧し、充填物を充填した蒸発器で原料組成物を気化させることもできる。
ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素、水が蒸発した水蒸気等が挙げられ、これらは1種でも2種以上でも用いることができる。好適には、窒素、水蒸気である。この水蒸気には、原料組成物中に溶媒として含まれる水が気化した水蒸気も含まれる。
ガスの供給量としては、原料組成物中の3−ヒドロキシカルボン酸、そのエステル及びそれらのオリゴマーの総量に対して、水及び/又は不活性気体の総量として0.5モル倍〜100モル倍が好ましく、1モル倍〜50モル倍がより好ましい。
例えば、加熱した充填物の上に、原料組成物を噴霧して蒸発させる方法や、更に加熱した窒素や水蒸気を同時に供給する方法等が好適である。
上記固定床反応器を用いる場合は、反応器内に触媒を充填して加熱しておき、そこに原料組成物の蒸気を供給すればよい。原料組成物の蒸気は、上昇流、下降流、水平流、いずれも好適に使用できる。また、熱交換の容易さから、固定床多管式連続反応器が好適に使用できる。
上記流動床反応器を用いる場合は、反応器の中に粉末状の触媒を入れ、原料組成物の蒸気や、別途供給する不活性ガス等で触媒を流動させながら、反応させることができる。触媒が流動しているため、重質分による閉塞が起こりにくい。また、触媒の一部を連続的に抜き出して、新しい触媒や再生した触媒を連続的に供給することもできる。
また、蒸発器と反応器を一体化しても良い。例えば、反応管に、蒸発層として表面積の大きい充填物を充填し、当該蒸発層の下に触媒を充填することにより、蒸発層を蒸発工程、触媒層を脱水工程として連続した運転も、好ましい形態の1つである。
また、1つ乃至は複数の蒸発層と、触媒を充填した多管式の反応器を連結して運転することも、好ましい形態である。
反応圧力は、特に限定されないが、原料組成物の蒸発方法、脱水反応の生産性、脱水反応後の捕集効率等を勘案して決定することができる。反応圧力としては、10kPa〜1000kPaが好ましく、より好ましくは30kPa〜300kPa、更に好ましくは50kPa〜250kPaである。
このようにして第一の脱水工程を行うことができる。また、第二の脱水工程は、上記触媒再生工程で再生した触媒を用いること以外は、第一の脱水工程と同じである。
上記再生方法により触媒の再生を行う間に、3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルの脱水反応を中断させないためには、複数の固定床反応器を並列配置して、ある固定床反応器内の触媒再生の間には、他の固定床反応器を3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルの脱水反応に使用すると良い。つまり、一の固定床反応器で前記触媒再生工程を行う間、他の固定床反応器で前記第一又は第二の3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルの脱水工程を行うことが好ましい。
蒸発器中の炭素状物質を酸化剤と接触させて除去する場合、蒸発器は、例えば不活性な無機担体や充填物を充填した形式が好ましい。例えば多管式の熱交換器の管内に不活性担体を充填しておき、管内で原料を蒸発させることにより、炭素状物質が生成しても、担体表面に付着させることにより、閉塞までの時間や、伝熱係数の低下を遅らせることができる。
このようにして得られた反応生成物中には、主な反応生成物である水、(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステルが含まれており、その他に副生物や原料組成物中の溶媒や不純物が含まれる場合がある。溶媒が水の場合は、(メタ)アクリル酸又はそのエステルの水溶液の状態で重合物製造の原料とすることができる。また、精製工程を加えることにより、高純度の(メタ)アクリル酸又はそのエステルにすることができる。精製工程は、蒸留、膜分離、晶析等公知の技術により実施でき、それらを組み合わせて実施しても良い。
上記のようにして得られた(メタ)アクリル酸を含む反応生成物は、捕集や精製工程の取扱いを、重合禁止剤の存在下で行うことが好ましい。重合禁止剤としては、メトキノン、酢酸マンガン、ニトロソフェノール、クペロン、N−オキシル化合物、ジブチルチオカルバミン酸銅、フェノチアジン、ハイドロキノン等が例示できる。また、必要に応じて酸素含有ガスを供給してもよい。
ここで、粗(メタ)アクリル酸とは、冷却工程で得られた(メタ)アクリル酸を含む組成物を指し、特に(メタ)アクリル酸の水溶液が好適に用いられる。
晶析工程は、粗(メタ)アクリル酸からプロピオン酸を分離することができる従来公知の方法、例えば、特開平9−227445号公報や特表2002−519402号公報に記載された方法を用いて行うことができる。
回分式の晶析装置としては、例えば、Sulzer Chemtech社製の層結晶化装置(動的結晶化装置)、BEFS PROKEM社製の静的結晶化装置等を使用することができる。
また、静的結晶化とは、例えば、結晶化、発汗、融解を行うための温度制御機構を備えた管状の結晶器であり、下部に抜き出し弁を有する結晶器と、発汗後の母液を回収するタンクとを備えた静的結晶化装置を使用して晶析を行う方法である。
なお、動的結晶化では、(メタ)アクリル酸の純度が低くなると、結晶化が困難になるが、静的結晶化では、動的結晶化に比べて、残留母液が冷却面に接触する時間が長く、また、温度の影響が伝わり易いので、(メタ)アクリル酸の純度が低下しても、結晶化が容易である。それゆえ、(メタ)アクリル酸の回収率を向上させるために、動的結晶化における最終的な残留母液を静的結晶化に付して、更に結晶化を行ってもよい。
親水性樹脂としては、吸水性樹脂であることが好ましい。
このような吸水性樹脂の具体例や物性測定法は、例えば、米国特許第6,107,358号、米国特許第6,174,978号、米国特許第6,241,928号等に記載されている。
また、生産性向上の観点から好ましい製造方法は、例えば、米国特許第6,867,269号、米国特許第6,906,159号、米国特許第7,091,253号、国際公開第2001/038402号、国際公開第2006/034806号等に記載されている。
本発明の製造方法により得られるアクリル酸の一部は、ラインを介して、吸水性樹脂の製造プロセスに供給される。吸収性樹脂の製造プロセスにおいては、アクリル酸を中和工程、重合工程、乾燥工程に導入して、所望の処理を施すことにより、吸水性樹脂を製造する。各種物性の改善を目的として所望の処理を施してもよく、例えば、重合中又は重合後に架橋工程を介在させてもよい。
アクリル酸やポリアクリル酸(塩)の中和に用いられる塩基性物質としては、例えば、炭酸(水素)塩、アルカリ金属の水酸化物、アンモニア、有機アミン等、従来公知の塩基性物質を適宜用いればよい。
また、ポリアクリル酸の中和率は、特に限定されるものではなく、任意の中和率(例えば、30〜100モル%の範囲内における任意の値)となるように調整すればよい。
(3−ヒドロキシプロピオン酸(3HP)を含む組成物の取得方法)
Klebsiella pneumoniae ATCC25955株のゲノムDNAをテンプテレ−トとしてグリセロールデヒドラターゼ遺伝子(GD遺伝子)及びグリセロールデヒドラターゼ再活性化因子(GDR遺伝子)を含む領域を、下記の2つのプライマーを用いてPCRで増幅し、増幅断片の末端を制限酵素NdeI、BglIIで切断し、電気泳動によって切断断片を回収した。なお、GD遺伝子及びGDR遺伝子配列を増幅する以下のプライマーはGenBank Accession number:NC_009648記載のDNA配列を元に設計した。
フォワードプライマー:
5’−GCGCGCCATATGTTAATTCGCCTGACCGGCC−3’
リバースプライマー:
5’−GCGCGCAGATCTTCAGTTTCTCTCACTTAACG−3’
フォワードプライマー:
5’−GAAGGAGATATACATATGGCGCGC−3’
リバースプライマー:
5’−CCGATATCCAATTGAGATCTGCGCGC−3’
フォワードプライマー:
5’−GGGGGGCCATATGAATTTTCATCATCTGGCTTACTG−3’
リバースプライマー:
5’−CCCCAGATCTTCAGGCCTCCAGGCTTATCCAGATG−3’
フォワードプライマー:
5’−CCCCCCCATATGTGTTTCCTGTGTGAAATTGTTATCCGCTCACAATTCCACACAATATACGAGCC−3’
リバースプライマー:
5’−CCCCGGATCCTTAGTTAAGCCAGCCCCGACACCCGCCAACACC−3’
E.coli(GD−GDR/pACYCDuet−1、aldH/pUC18)を、アンピシリン100ppm、クロラムフェニコール50ppm添加LB液体培地5mL(LB培地1Lあたりの組成:トリプトン10g、酵母エキス5g、NaCl10g)で37℃、16時間、振盪培養し、前培養液を得た。次に前培養液5mLを、アンピシリン100ppm、クロラムフェニコール50ppm、添加NS液体培地1Lに植菌し、37℃、攪拌速度725rpm、通気量1L/minで通気攪拌培養を行った。なお、NS液体培地の組成は、グリセリン40g/L、硫酸アンモニウム10g/L、リン酸二水素カリウム2g/L、リン酸水素二カリウム6g/L、硫酸マグネシウム7水和物1g/L、酵母エキス40g/Lである。また、培養には、バイオット社製ジャーファーメンター:BMJ−02NP2を使用し、培養中はアンモニア水を用いて培養液中のpHを7にコントロールした。培養8時間後に1M IPTG溶液を1mL、8mMアデノシルコバラミン溶液を1mL添加し、培養途中にグリセリンが枯渇しないように適時グリセリンを添加しながら100時間培養を行った。得られた培養液を遠心分離にかけ、培養液上清を回収した。
高速液体クロマトグラフィーでの分析条件:
使用カラム: YMC−pACK FA(YMC社製)
流量:1mL/min
インジェクション量:10μL
溶離液:メタノール/アセトニトリル/H2O=40/5/55(V/V/V)
内部標準:2−Hydroxy−2−methyl−n−butyric acid
検出:UV400nm
菌体を除去した2質量%の3−ヒドロキシプロピオン酸含有培養液からWO2002/090312号記載の方法で、原料組成物として12質量%の3HP水溶液を得た。
(3HPの第一の脱水工程)
特開2009−190915号公報の方法に従い、球状のZSM−5型ゼオライト(プロトン型)を合成した。内径10mmのステンレス製反応管に、ZSM−5型ゼオライトを充填し、その上にステンレス製の1.5mmのディクソンパッキンを蒸発層として積層した。反応管を電気炉にて300℃に加熱し、上記調製例1で得られた3HP水溶液を、毎時16.7gの速度で反応管の上部に供給した。同時に、毎時3Lの速度で窒素ガスを流した。
反応管の下部から抜き出した反応ガスを、冷却捕集し反応液を得た。得られた反応液を液体クロマトグラフィーで分析した。反応後1時間目から2時間目の間の反応成績は、3HPの転化率は100%、アクリル酸の収率は95モル%であった。反応後7時間目から8時間目の間の反応成績は、3HPの転化率は95%、アクリル酸の収率は91モル%であり、経時的な触媒活性低下が観察された。
反応後、ディクソンパッキン及び触媒を抜き出してみると、褐色の着色が見られた。
反応器から抜き出したディクソンパッキン及び触媒を、磁性皿に薄く広げ、焼成炉内に設置した。その後、焼成炉内に、0.5L/分の流量で空気を流通させ、1時間かけて500℃まで昇温し1時間保持して、触媒上の炭素状物質を酸化分解して、再生を行った。冷却後、取り出したディクソンパッキンは元の銀色に、触媒は元の白色に変化していた。
触媒再生工程で得られた触媒を、再度反応器に充填し、第一の脱水工程と同様の条件で、3HPの脱水反応を実施した。反応後1時間目から2時間目の間の反応成績は、3HPの転化率は100%、アクリル酸の収率は94モル%であった。反応後7時間目から8時間目の間の反応成績は、3HPの転化率は96%、アクリル酸の収率は92モル%であった。触媒を再生することによって、第一の脱水工程とほぼ同様の反応結果を第二の脱水工程でも得ることができた。
上記第一の脱水工程後の触媒(サンプル1−1)、触媒再生後の触媒(サンプル1−2)、第二の脱水工程後の触媒(サンプル1−3)を、示差熱−熱重量測定装置にて分析を行った。分析条件は、試料30mgを10℃/分で800℃まで昇温し、流通空気量は50mL/分とした。その結果、重量減少率は、サンプル1−1で5.0%、サンプル1−2で0.5%、サンプル1−3で5.1%であった。触媒再生工程によって、炭素状物質が減少し、触媒活性が回復したことが示唆される。
実施例1の3HPの第一の脱水工程を、16時間継続して行った。反応後15時間目から16時間目の間の反応成績は、3HPの転化率は82%、アクリル酸の収率は72モル%であった。
第一の脱水工程後に、触媒再生工程を経て、第二の脱水工程を行って合計16時間反応した実施例1に比べると、3HPの転化率、アクリル酸の収率とも大きく低下した。
上記第一の脱水工程後の触媒(比較サンプル1)を、実施例1と同様に示差熱−熱重量測定装置にて分析を行った。その結果、重量減少率は、比較サンプル1で13.2%であった。比較例1では、大量の炭素状物質が触媒上に付着していることが示唆された。
触媒を市販のγ−アルミナペレット(サンゴバン社製)に変えた以外は、実施例1と同様に反応、触媒再生を行った。
(3HPの第一の脱水工程)
反応後1時間目から2時間目の間の反応成績は、3HPの転化率は91%、アクリル酸の収率は86モル%であった。反応後7時間目から8時間目の間の反応成績は、3HPの転化率は79%、アクリル酸の収率は76モル%であり、経時的な触媒活性低下が観察された。
(触媒の再生工程)
第一の脱水工程終了後、反応器の温度を450℃に上げ、窒素を5L/時間の流量で1時間流通した。その後、1.5L/時間の流量で酸化剤含有ガス(酸素2容量%、残部は窒素)を流通させたところ、触媒層の温度の上昇が観察された。次に、酸化剤の含有量を多くしたガス(酸素5容量%、残部は窒素)を流通させ、最後に更に酸化剤の含有量を多くしたガス(酸素8容量%、残部は窒素)を、炭素状物質の酸化分解による発熱が収まるまでの約24時間流通させた。
(3HPの第二の脱水工程)
触媒の再生工程終了後、引き続き、第一の脱水工程と同様の条件で、3HPの脱水反応を実施した。反応後1時間目から2時間目の間の反応成績は、3HPの転化率は91%、アクリル酸の収率は86モル%であった。反応後7時間目から8時間目の間の反応成績は、3HPの転化率は78%、アクリル酸の収率は76モル%であった。触媒を再生することによって、第一の脱水工程とほぼ同様の反応結果を第二の脱水工程でも得ることができた。
調製例1で得られた12質量%の3HP水溶液の濃縮を行った。薄膜蒸発器を用いて水の除去を行った。得られた濃縮液を、水分計、液体クロマトグラフィー及びNMRで分析したところ、水が34質量%、3HPが61質量%、3HPのオリゴマーが5質量%含まれていた。
(3HPの第一の脱水工程)
上記濃縮液を原料組成物として用い、実施例1で使用したZSM−5を触媒として脱水反応を実施した。上記濃縮液を、毎時3gの速度で反応管の上部に供給した。同時に、毎時22Lの速度で窒素ガスを流した。反応後1時間目から2時間目の間の反応成績は、3HP及びオリゴマーの転化率は97%、アクリル酸の収率(対3HP及びオリゴマー基準)は93モル%であった。反応後7時間目から8時間目の間の反応成績は、3HP及びオリゴマーの転化率は91%、アクリル酸の収率は87モル%であり、経時的な触媒活性低下が観察された。
(触媒の再生工程)
第一の脱水工程終了後、反応器の温度を450℃に上げ、窒素を5L/時間の流量で1時間流通した。その後、1.5L/時間の流量で酸化剤含有ガス(酸素2容量%、残部は窒素)を流通させたところ、触媒層の温度の上昇が観察された。次に、酸化剤の含有量を多くしたガス(酸素5容量%、残部は窒素)を流通させ、最後に更に酸化剤の含有量を多くしたガス(酸素8容量%、残部は窒素)を、炭素状物質の酸化分解による発熱が収まるまでの約30時間流通させた。
(3HPの第二の脱水工程)
第一の脱水工程と同様の条件で、3HPの脱水反応を実施した。反応後1時間目から2時間目の間の反応成績は、3HP及びオリゴマーの転化率は96%、アクリル酸の収率は92モル%であった。反応後7時間目から8時間目の間の反応成績は、3HP及びオリゴマーの転化率は90%、アクリル酸の収率は87モル%であった。触媒を再生することによって、第一の脱水工程とほぼ同様の反応結果を第二の脱水工程でも得ることができた。
調製例1で得られた12質量%の3HP水溶液の濃縮を行った。ロータリーエバポレーターを用いて水の除去を行った。得られた濃縮液を、水分計、液体クロマトグラフィー及びNMRで分析したところ、水が34質量%、3HPが30質量%、3HPのオリゴマーが36質量%含まれていた。
(3HPの第一の脱水工程)
上記濃縮液を原料組成物として用い、実施例1で使用したZSM−5を触媒として脱水反応を実施した。上記濃縮液を、毎時3gの速度で反応管の上部に供給した。同時に、毎時22Lの速度で窒素ガスを流した。反応後1時間目から2時間目の間の反応成績は、3HP及びオリゴマーの転化率は89%、アクリル酸の収率(3HP及びオリゴマー基準)は83モル%であった。反応後7時間目から8時間目の間の反応成績は、3HP及びオリゴマーの転化率は78%、アクリル酸の収率は73モル%であり、経時的な触媒活性低下が観察された。
(触媒の再生工程)
第一の脱水工程終了後、反応器の温度を450℃に上げ、窒素を5L/時間の流量で1時間流通した。その後、1.5L/時間の流量で酸化剤含有ガス(酸素2容量%、残部は窒素)を流通させたところ、触媒層の温度の上昇が観察された。次に、酸化剤の含有量を多くしたガス(酸素5容量%、残部は窒素)を流通させ、最後に更に酸化剤の含有量を多くしたガス(酸素8容量%、残部は窒素)を、炭素状物質の酸化分解による発熱が収まるまでの約38時間流通させた。
(3HPの第二の脱水工程)
第一の脱水工程と同様の条件で、3HPの脱水反応を実施した。反応後1時間目から2時間目の間の反応成績は、3HPの転化率は82%、アクリル酸の収率は76モル%であった。反応後7時間目から8時間目の間の反応成績は、3HP及びオリゴマーの転化率は72%、アクリル酸の収率は66モル%であった。
(触媒の調製)
硝酸カリウム(2.5g)とリン酸第2アンモニウム(1.6g)を100gの水に溶解した溶液に、酸化ケイ素(30g)を加え、湯浴上で均一に加熱混合した後、加熱乾固した。次いで、空気中120℃で20時間仮焼してから10〜24メッシュに破砕し、更に空気中500℃で2時間焼成することにより、酸素を除く組成がK1Si20P0.5からなる触媒を得た。
(3HPの第一の脱水工程)
内径10mmのステンレス管に、蒸発層としてステンレス製の1.5mmディクソンパッキンを充填し、電気炉内に設置し蒸発器とした。また内径10mmのステンレス管に、上記の触媒を充填し、電気炉内に設置し反応器とした。蒸発器の出口と反応器の入口をステンレス管で連結し、周囲を電気ヒーターで加熱できるようにした。
また、蒸発器内の温度を275℃とし、反応器内の温度を300℃とし、実施例1と同じ原料組成物を毎時33.5gの速度で蒸発器の上部に供給した。同時に、毎時6Lの速度で窒素ガスを流した。蒸発器の出口ガスはそのまま反応器へ供給し、24時間継続して反応を実施した。1〜2時間目及び23〜24時間目の、反応器の出口ガスを冷却捕集し、得られた液を分析した。結果を表1に示す。
(触媒の再生工程)
第一の脱水工程終了後、反応器の温度を450℃に上げ、窒素を5L/時間の流量で1時間流通した。その後、1.5L/時間の流量で酸化剤含有ガス(酸素2容量%、残部は窒素)を流通させたところ、触媒層の温度の上昇が観察された。次に、酸化剤の含有量を多くしたガス(酸素5容量%、残部は窒素)を流通させ、最後に空気を炭素状物質の酸化分解による発熱が収まるまでの約30時間流通させた。
(3HPの第二の脱水工程)
第一の脱水工程と同様の条件で、3HPの脱水反応を実施した。その後、触媒再生−3HP脱水反応を繰り返し実施した。これらの結果を表1に示す。
脱水反応を4回繰り返しても、触媒活性に変化はなかった。
実施例1で得られた精製アクリル酸に重合禁止剤を60質量ppm添加した。別途、鉄を0.2質量ppm含有する苛性ソーダから得られたNaOH水溶液に対して、上記の重合禁止剤添加アクリル酸を冷却下(液温35℃)で添加することにより、75モル%中和を行った。得られた、中和率75モル%、濃度35質量%のアクリル酸ナトリウム水溶液に、内部架橋剤としてポリエチレングリコールジアクリレート0.05モル%(アクリル酸ナトリウム水溶液に対する値)を溶解させることにより、単量体成分を得た。この単量体成分350gを容積1Lの円筒容器に入れ、2L/minの割合で窒素を吹き込んで、20分間脱気した。次いで、過硫酸ナトリウム0.12g/モル(単量体成分に対する値)及びL−アスコルビン酸0.005g/モル(単量体成分に対する値)の水溶液をスターラー攪拌下で添加して、重合を開始させた。重合開始後に攪拌を停止し、静置水溶液重合を行った。単量体成分の温度が約15分(重合ピーク時間)後にピーク重合温度108℃を示した後、30分間重合を進行させた。その後、重合物を円筒容器から取り出し、含水ゲル状架橋重合体を得た。
得られた含水ゲル状架橋重合体は、45℃でミートチョッパー(孔径:8mm)により細分化した後、170℃の熱風乾燥機で、20分間加熱乾燥させた。更に、乾燥重合体(固形分:約95%)をロールミルで粉砕し、JIS標準篩で粒径600〜300μmに分級することにより、ポリアクリル酸系吸水性樹脂(中和率:75%)を得た。
本発明の製造方法により得られたアクリル酸の重合性は、プロピレンを原料とするアクリル酸の製造方法により得られたアクリル酸の重合性と同等であり、得られた吸水性樹脂は、臭気がなく、物性も同等であった。
したがって、上記実施例の結果から、本発明の技術的範囲全般において、また、本明細書において開示した種々の形態において本発明が適用でき、有利な作用効果を発揮することができるといえる。
Claims (9)
- 3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルの脱水用触媒上の炭素状物質を除去することによって触媒を再生する方法であって、
該再生方法は、3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルのオリゴマーが、3−ヒドロキシカルボン酸とそのエステルの合計100質量%に対して、1〜400質量%である原料組成物の脱水反応に用いられた脱水用触媒に酸化剤を接触させて炭素状物質を除去することを特徴とする3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルの脱水用触媒の再生方法。 - 前記酸化剤は、ガス状酸化剤であることを特徴とする請求項1に記載の3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルの脱水用触媒の再生方法。
- 前記酸化剤として酸素を用い、
脱水用触媒の温度を400〜700℃とすることを特徴とする請求項2に記載の3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルの脱水用触媒の再生方法。 - 処理時間を2〜50時間とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルの脱水用触媒の再生方法。
- 前記再生方法は、3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルのオリゴマーの濃度が、3−ヒドロキシカルボン酸とそのエステルの合計100質量%に対して、1〜100質量%である蒸発器出口ガスと接触された脱水用触媒に酸化剤を接触させて炭素状物質を除去することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルの脱水用触媒の再生方法。
- 前記再生方法は、3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルの分子が2〜10個結合したものが、前記オリゴマー全体の70質量%以上である蒸発器出口ガスと接触された脱水用触媒に酸化剤を接触させて炭素状物質を除去することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルの脱水用触媒の再生方法。
- 前記再生方法は、固定床反応器内に充填された3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルの脱水用触媒を再生する方法であり、該固定床反応器内にガス状酸化剤を流通させて、炭素状物質を除去することを特徴とする請求項2又は3に記載の3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルの脱水用触媒の再生方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルの脱水用触媒の再生方法を含むことを特徴とする(メタ)アクリル酸又はそのエステルの製造方法。
- 前記製造方法は、第一の脱水工程、触媒再生工程及び第二の脱水工程を含み、
該第一の脱水工程は、3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルと脱水用触媒との気相接触反応により3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルを脱水する工程であり、
該触媒再生工程は、前記再生方法により脱水用触媒を再生する工程であり、
該第二の脱水工程は、3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルと触媒再生工程後の脱水用触媒との気相接触反応により3−ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルを脱水する工程であることを特徴とする請求項8に記載の(メタ)アクリル酸又はそのエステルの製造方法。
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