JP5869023B2 - サブマージアーク溶接に用いる溶融型フラックス - Google Patents

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Description

本発明は、サブマージアーク溶接に好適な溶融型フラックスに関するもので、特にラインパイプ、原油タンク、LPGタンク等に用いられる高張力鋼をサブマージアーク溶接する際に好適に用いられ、溶接後の水素起因の割れを生じることなく、ビード形状とスラグ剥離性が優れていることから、溶接作業性が良好で、しかも溶接金属の酸素量が低く、溶接金属の低温靭性が向上する溶融型フラックスに関するものである。
ラインパイプや各種タンク等に用いられるUOE鋼管、鋼材の自動溶接技術として、MIG溶接、CO2溶接、サブマージアーク溶接が従来から知られている。その中でもサブマージアーク溶接は、高能率で施工でき、かつ高性能な溶接金属を得ることができる溶接技術として広く採用されている。
サブマージアーク溶接で用いるフラックスは、溶融型フラックスと焼成型フラックスがある。溶融型フラックスは、種々の鉱物質を原材料として1200℃以上の高温度で溶融し、冷却して固化した後、さらに粉末状に粉砕したものであり、吸湿し難く、かつ取扱いや保管が容易であるという利点を持つ。一方で、焼成型フラックスは、原材料に結合剤(たとえば水ガラス等)を少量加えて造粒した後、約600℃で焼成したものであり、溶接金属の組成を容易に調節できるという利点を有するが、反面、吸湿し易いという欠点を持つ。
溶融型フラックスと焼成型フラックスは、いずれも溶接部を大気から遮断して溶接金属の酸化、窒化を防止するとともに、溶融メタルとの冶金反応によって短時間で清浄な溶接金属を形成する等、サブマージアーク溶接にて重要な機能を果たす。
とりわけ溶融型フラックスは、多電極の高速溶接に適しており、かつ溶接金属中の酸素量を低減でき、良好なビード外観が得られるので、ラインパイプ用のUOE鋼管のように高速溶接性とともに厳しい機械的性質が要求される場合に、使用されることが多い。
溶融型フラックスの組成を調節して、溶接金属中の酸素量を低減すれば、溶接金属の靭性を高めることができ、溶融型フラックスの組成を調節する一つの手段として、塩基度を上げる方法が知られている。しかし、単に溶融型フラックスの塩基度を上げるだけでは、溶接金属の酸素量をある程度低減できるものの、良好なビード形状が得られないし、しかも溶接スラグの剥離性が劣化する等の問題が残る。
この問題を解決するために、高塩基度の溶融型フラックスが種々提案されている。たとえば特許文献1に、CaOをMgOやBaOに置換し、さらにアルカリ金属化合物を添加した溶融型フラックス、特許文献2に、Na2B4O7を添加した溶融型フラックスが開示されている。これら特許文献1、2に開示された溶融型フラックスは、いずれも成分を規定することによって、溶接金属の靭性向上を達成するとともに、溶接作業性を改善するものである。
一方で、溶接作業性を改善する観点から、溶接によって形成されるスラグの高温粘度に着目し、スラグの特性を制御する技術が検討されている。たとえば特許文献3、4に、スラグを1200℃以上で凝固させることによって、傾斜溶接におけるスラグ巻き込みやアンダーカット等を抑制し、溶接速度を向上する技術が開示されている。さらに、特許文献5に、高塩基度の溶融型フラックスを使用した場合のスラグの粘度を制御することによって、溶接金属の酸素量低減と溶接施工の作業性改善とを図る技術が開示されている。
また、ラインパイプの高強度化のニーズが高まっていることから、厚肉高強度のUOE鋼管の需要が増加しているが、高張力鋼の溶接によって形成される溶接金属は、溶接後に水素起因の割れ感受性が高まるので、溶接金属の低水素化を図る必要がある。そのため、高張力鋼のサブマージアーク溶接では、溶接金属の低水素化のみならず、上記したように低酸素化を達成できる溶融型フラックスを使用する必要がある。
ところが溶接金属の低酸素化を達成するために高塩基度の溶融型フラックスを使用すると、溶接金属の水素量が増加する傾向が強くなる。これは、溶融型フラックスの塩基度の上昇によって、スラグ中のCa4F2Si2O7(以下、Cuspidineという)が増加することが原因である。つまりCuspidineは、CaO、CaF2、SiO2からなる化合物であり、高温で溶解するときに、結晶構造内に水素を取込み易い物質であるから、スラグ中のCuspidineの増加に伴って、溶接金属の水素量が増加すると考えられる。
特開昭60−187495号公報 特開昭64−53799号公報 特開2003−10995号公報 特許第3177638号公報 特開2009−136898号公報
耐サワー環境で使用されるラインパイプは、溶接部の硬化性を下げる(すなわち靭性を高める)ために溶接金属中の合金元素量を低く抑える必要があり、かつ酸素量も低減する必要がある。また、ビードの形状、スラグの剥離性、溶接施工の作業性は、溶接金属中の酸素量を低減しながら、改善する必要がある。
一方で、高強度ラインパイプは、溶接金属の低温割れ(すなわち水素起因の割れ)感受性を抑えるために、溶接金属中の水素量を低減する必要がある。
ところが、溶接金属中の酸素量の低減と水素量の低減とを併せて可能にし、しかも高速溶接(溶接速度200cm/分以上)におけるビードの形状やスラグの剥離性など溶接施工の作業性に優れた溶融型フラックスは、未だ開発されていない。
そこで本発明は、ラインパイプ等の高い靭性が要求される溶接金属を形成するためのサブマージアーク溶接にて、溶接金属の低酸素化と低水素化とを達成でき、しかも溶接作業性(すなわちビードの形状、スラグの剥離性等)も良好な溶融型フラックスを提供することを目的とする。
発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を行なった結果、溶接金属の低酸素化のためには、溶融型フラックスの塩基度を所定の値に規定する必要があり、溶接金属の低水素化のためには、Cuspidineの晶出を抑える溶融型フラックスを使用する必要があることを見出した。
つまり溶接金属の低水素化を図るためには、Cuspidineが初晶でスラグ中に大量に晶出するのを防ぐとともに、初晶スピネルの晶出も低減する必要がある。その理由は、スピネルが初晶でスラグ中に多量に晶出すると、初晶スピネルの周囲にCuspidineが引き続き晶出するからである。したがって、スピネルの晶出量に影響を及ぼすAl2O3とMgOの量を制限した溶融型フラックスを使用する必要がある。
これに加えて、溶接作業性を改善するためには、溶接施工によって溶融した高温のスラグが冷却される過程で、溶融状態のスラグの粘度を2段階に分けて制御する必要があることを新たに見出した。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
なお本発明では、溶接金属の酸素量、溶接施工の作業性、ビードの形状のバランスをとる上で、塩基度として下記の(1)式で算出されるBI値を用いる。
すなわち本発明は、サブマージアーク溶接で用いる溶融型フラックスであって、SiO2:15〜30質量%、MnO:2〜10質量%、TiO2:1〜6質量%、CaO:10〜25質量%、CaF2:15〜40質量%、Al2O3:5〜30質量%、MgO:2〜10質量%、FeO:0.3〜3.0質量%、B2O3:0.6質量%以下を含有し、残部が不可避的不純物からなるとともに、そのSiO2、MnO、TiO2、CaO、CaF2、Al2O3、MgOの含有量(質量%)をそれぞれ[%SiO2]、[%MnO]、[%TiO2]、[%CaO]、[%CaF2]、[%Al2O3]、[%MgO]として、下記の(1)式で算出されるBI値が1.34〜2.5を満足し、かつ[%CaF2]/[%CaO]が1以上を満足する溶融型フラックスである。
BI=〔0.5[%MnO]+[%CaO]+[%MgO]+[%CaF2]〕÷
〔[%SiO2]+0.5([%TiO2]+[%Al2O3])〕 ・・・(1)
本発明の溶融型フラックスは、それを用いたサブマージアーク溶接によって、1500℃にて0.2〜0.8poise、1100℃にて5〜30poiseの粘度を有するスラグを形成するものであることが好ましい。
本発明によれば、厳しい環境で使用されるラインパイプや各種タンクのサブマージアーク溶接において、靭性が高くかつ水素起因の割れが生じない溶接金属が得られる。しかも優れた形状のビードが形成され、溶接施工の作業性も良好であるから、産業上格段の効果を奏する。
まず、本発明の溶融型フラックスの成分について説明する。
(a)SiO2
SiO2は、スラグをガラス化させるとともに、ビードの外観および溶接金属の靭性に多大な影響を及ぼす重要な成分である。溶融型フラックスのSiO2の含有量が15質量%未満では、十分な幅のビードが形成されず、ビードの形状が劣る。一方、30質量%を超えると、良好な形状のビードが形成されるが、溶接金属の酸素量が増加して靭性の劣化を招く。したがって、溶融型フラックスのSiO2の含有量は15〜30質量%の範囲内とした。
(b)MnO
MnOは、スラグの流動性を向上させ、ビードの形状を滑らかにする成分である。溶融型フラックスのMnOの含有量が2質量%未満では、その効果が得られない。一方、10質量%を超えると、溶接金属の酸素量が増加して靭性の劣化を招く。したがって、溶融型フラックスのMnOの含有量は2〜10質量%の範囲内とした。
(c)TiO2
TiO2は、スラグの剥離性に影響を及ぼす成分である。溶融型フラックスのTiO2の含有量が1質量%未満では、スラグの剥離性が改善されず、ビードに焼付きやすくなる。一方、6質量%を超えると、良好な形状のビードが得られない。したがって、溶融型フラックスのTiO2の含有量は1〜6質量%の範囲内とした。
(d)CaO
CaOは、溶融型フラックスの塩基度(BI値)を高めて、溶接金属の酸素量を低減することによって、溶接金属の靭性を向上させる成分である。溶融型フラックスのCaOの含有量が10質量%未満では、塩基度が低くなり、溶接金属の靭性が劣化すると同時に、ビードの形状が劣る。一方、25質量%を超えると、ビードの表面にあばた等の欠陥が生じやすくなる。したがって、溶融型フラックスのCaOの含有量は10〜25質量%の範囲内とした。
(e)CaF2
CaF2は、溶接金属の酸素量を低減して靭性の向上させる成分である。溶融型フラックスのCaF2の含有量が15質量%未満では、その効果が得られない。一方、40質量%を超えると、スラグが剥離しにくくなる。したがって、溶融型フラックスのCaF2の含有量は15〜40質量%の範囲内とした。
(f)Al2O3
Al2O3は、スラグのガラス化を促進して、溶接金属の水素量を低減させる成分である。溶融型フラックスのAl2O3含有量が5質量%未満では、その効果が得られない。一方、30質量%を超えると、溶融型フラックスの融点が高くなりすぎて、良好な形状のビードが得られない。したがって、溶融型フラックスのAl2O3の含有量は5〜30質量%の範囲内とした。
(g)MgO
MgOは、溶融型フラックスの塩基度(BI値)を高めるために必要な成分である。溶融型フラックスのMgOの含有量が2質量%未満では、塩基度が低くなり、溶接金属の靭性が劣化する。一方、10質量%を超えると、溶融型フラックスの融点が高くなりすぎて、良好な形状のビードが得られない。したがって、溶融型フラックスのMgOの含有量は2〜10質量%の範囲内とした。
(h)FeO
FeOは、溶融型フラックスのスラグ剥離性確保のために必要な成分である。その含有量が0.3質量%未満では、スラグの溶接ビードへの焼付きが発生する。一方、FeOは溶鋼に酸素を供給しやすい成分であり、その添加量が3質量%を超えると、溶接金属の酸素量が増加する。したがって、溶融型フラックスのFeOの含有量は0.3〜3.0質量%の範囲内とした。
(i)B2O3
Bは、溶接時に溶接金属内に入り、均一な微細フェライトからなる溶接金属を形成する作用を有する元素であり、溶融型フラックスにB2O3として添加する。溶融型フラックスのB2O3の含有量が0.6質量%を超えると、スラグが剥離しにくくなり、かつ溶接金属に割れが発生しやすくなる。したがって、溶融型フラックスのB2O3の含有量は0.6質量%以下とした。好ましくは0.3〜0.6質量%である。
次に、上記した成分の相互作用について説明する。なお、溶融型フラックスのSiO2、MnO、TiO2、CaO、CaF2、Al2O3、MgOの含有量(質量%)を、それぞれ[%SiO2]、[%MnO]、[%TiO2]、[%CaO]、[%CaF2]、[%Al2O3]、[%MgO]と記す。
(j)[%CaF2]/[%CaO]≧1
溶融型フラックスの[%CaF2]/[%CaO]値が減少すると初晶スピネルが晶出しやすくなり、[%CaF2]/[%CaO]値が1未満では、初晶スピネルの周囲にCuspidineが晶出する。その結果、溶接金属の水素量の増大を招く。したがって、[%CaF2]/[%CaO]≧1とする。
(k)塩基度(BI値)
本発明では、溶接金属の酸素量、溶接施工の作業性、ビードの形状のバランスを精度良く評価するために、塩基度として下記の(1)式で算出されるBI値を用いる。BI値が1.3未満では、溶接金属の酸素量が高くなり、溶接金属の機械的性質、とりわけ低温靭性が劣化する。したがって、BI≧1.34とする。一方、BI値が2.5を超えると、ビードの形状が悪くなり、かつスラグの剥離性も極端に悪くなる。そのため、BI値は1.34〜2.5の範囲内とする
BI=〔0.5[%MnO]+[%CaO]+[%MgO]+[%CaF2]〕÷
〔[%SiO2]+0.5([%TiO2]+[%Al2O3])〕 ・・・(1)
本発明の溶融型フラックスの成分は、上記の(a)〜(i)で説明した通りであるが、LiO2、Na2O、K2O、BaO、ZrO2の1種または2種以上を合計2質量%以下の範囲で含有しても良い。これらの成分のうち、LiO2、Na2O、K2Oはアーク安定化の効果を有する成分、BaO、ZrO2はスラグ粘度を増加する作用を有する成分であり、上記の(j)(k)で説明した成分の相互作用には影響しない。
また溶融型フラックスの粒度は、特に限定しないが、搬送に伴う凝集や飛散を防止する、あるいは溶接施工の際に溶融しやすくかつ溶融メタルとの冶金反応を促進する観点から、36〜200meshの粒子が60%以上である粒度分布が望ましい。
次に、上記した本発明の溶融型フラックスを用いてサブマージアーク溶接を行なうことによって形成されるスラグの粘度について説明する。
上記の溶融型フラックスを用いたサブマージアーク溶接によって形成されるスラグは、溶融した高温の状態から冷却される過程で、その粘度が1500℃にて0.2poise以上、1100℃にて5〜30poiseとなる。
スラグの粘度が1500℃にて0.2poise未満では、スラグが剥離しにくくなり、しかも入熱が大きい場合に、シワ等の溶接欠陥が発生しやすくなる。したがって、スラグの粘度は1500℃にて0.2poise以上が好ましい。一方、1500℃にて0.8poiseを超えると、スラグが極めて流動しにくくなり、その結果、ビード形状が劣化する。そのため、スラグの粘度は1500℃にて0.2〜0.8poiseの範囲内が一層好ましい。
スラグの粘度が1100℃にて5poise以上であれは、その後の冷却過程でスラグの凝固(すなわち粘度上昇)が緩やかに進行し、アバタの発生を防止できる。つまり、1100℃にて5poise未満では、アバタの発生を防止できない。一方、1100℃にて30poiseを超えると、ビードの蛇行が発生しやすくなる。したがって、スラグの粘度は1100℃にて5〜30poiseの範囲内が好ましい。
なお、スラグの粘度を上記した範囲に調整するために溶融型フラックスに添加する成分としては、粘度を上げる場合にはSiO2等、粘度を下げる場合にはCaF2等が好適である。
本発明の溶融型フラックスを用いてサブマージアーク溶接を行なうことによって、スラグの粘度を上記の範囲に制御することができる。
表1に示す成分の溶融型フラックスを用いて、サブマージアーク溶接を行ない、スラグの剥離性、ビードの表面形状と直進性、溶接金属中の酸素量を評価した。その手順を以下に説明する。
Figure 0005869023
厚さ15mmのAPI−5L−PSL2−X65M鋼板に、角度90°、深さ6mmのV溝加工を施し、0.05C−2Mn系ワイヤと0.18C−1.55Mn−0.5Mo系ワイヤを組み合わせた4電極サブマージアーク溶接法により、溶接速度235cm/分、溶接入熱3.4kJ/mmで片面一層溶接を行なった。ワイヤ径は、いずれも4.0mmとし、溶接電流/電圧は、第1極(すなわち溶接進行方向の先頭)から順に、1230A/34V、870A/36V、750A/42V、680A/42Vとした。
このようにしてサブマージアーク溶接を行なった後、スラグの剥離性を評価するために、溶接金属表面のスラグの除去処理を行ない、その際に容易に除去できたものを良好(○)、機械的な衝撃を繰り返し与えないと除去できなかったものを不良(×)とした。また、ビード表面を目視で観察して表面形状を評価し、ビード表面がざらついて光沢の少ないもの、あるいはビードの中央に凹部が認められるものを不良(×)、光沢があり、凹部が認められないものを良好(○)とした。さらに、ビードの直進性を評価するために、止端部のうねりの小さいものを良好(○)、うねりの大きいものを不良(×)とした。溶接金属中の酸素量は、融解−赤外線吸収法によって測定した。それらの結果は表2に示す通りである。
表2中のスラグの粘度は、振動片式粘度測定装置を用い、JIS規格Z8803に準拠した振動式粘度測定法で測定した値である。具体的には、大気中で振動数16.9Hz、振動幅1.5mmに調整した後、粘度計校正用標準液(JIS8809)にて校正を実施した。そして、白金ルツボ内でスラグを1600℃付近で溶融させ、その後、冷却を開始して冷却過程における粘度を測定し、1500℃および1100℃の粘度を評価した。
次に、厚さ15mmのAPI−5L−PSL2−X65M鋼板に、角度90°、深さ6mmのV溝加工を施し、0.05C−2Mn系ワイヤを用いて30℃−72%RHの雰囲気中で1電極サブマージアーク溶接法により、溶接速度50cm/分、溶接電流500A、溶接電圧32Vで片面一層溶接を行なった。
このようにしてサブマージアーク溶接を行なった後、JIS規格Z3118に準拠してガスクロマトグラフ法で、溶接金属の拡散性水素量を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0005869023
表2から明らかなように、発明例の溶融型フラックスは、サブマージアーク溶接による溶接金属の低酸素化、低水素化が達成され、しかもビード形状およびスラグ剥離性など溶接作業性が良好であることが確認された。

Claims (2)

  1. サブマージアーク溶接で用いる溶融型フラックスであって、SiO2:15〜30質量%、MnO:2〜10質量%、TiO2:1〜6質量%、CaO:10〜25質量%、CaF2:15〜40質量%、Al2O3:5〜30質量%、MgO:2〜10質量%、FeO:0.3〜3.0質量%、B2O3:0.6質量%以下を含有し、残部が不可避的不純物からなるとともに、前記SiO2、前記MnO、前記TiO2、前記CaO、前記CaF2、前記Al2O3、前記MgOの含有量(質量%)をそれぞれ[%SiO2]、[%MnO]、[%TiO2]、[%CaO]、[%CaF2]、[%Al2O3]、[%MgO]として、下記の(1)式で算出されるBI値が1.34〜2.5を満足し、かつ[%CaF2]/[%CaO]が1以上を満足することを特徴とする溶融型フラックス。
    BI=〔0.5[%MnO]+[%CaO]+[%MgO]+[%CaF2]〕÷
    〔[%SiO2]+0.5([%TiO2]+[%Al2O3])〕 ・・・(1)
  2. 前記溶融型フラックスが、それを用いた前記サブマージアーク溶接によって、1500℃にて0.2〜0.8poise、1100℃にて5〜30poiseの粘度を有するスラグを形成するものであることを特徴とする請求項1に記載の溶融型フラックス。
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