JP5866232B2 - 可動ケーブル - Google Patents

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この発明は、工作機械や組立てロボット等の可動部を有する機器において、その可動部に電力を供給したり、制御信号を伝達したりするための可動ケーブルに関する。
工作機械や組立てロボット等の機器は、その加工台や可動アーム等の作業ユニットが自在に移動して加工作業が行われる。その作業ユニットは、モータ、ソレノイド、光源等の様々な部品が組み込まれており、その各部品には、制御盤等の固定物からケーブルを介して電力の供給や制御信号の伝達がなされる。
その際、作業ユニットが移動するのにつれて、その作業ユニットと固定物との距離が変化し、上記ケーブルは、作業ユニットの移動につれて固定物に対して引き出されたり、引き戻されたりするため、可動ケーブルと称される。
その引き出し・引き戻され(以下、適宜に「往復動」と称する。)時、可動ケーブル(以下、適宜に「ケーブル」と称する。)をその長さ方向において折り返して屈曲させ、ケーブルの引き出し・引き戻しにつれてその屈曲位置を移動させて対応させるのが一般的である。その屈曲位置が移動する際、ケーブルが蛇行したりして、その引き出し・引き戻しが円滑になされない恐れがある。
この蛇行を防止するため、チェーン状のケーブルベアの内側に上記ケーブルを収納し、そのケーブルベアによりケーブルを案内することで、ケーブル屈曲部の移動をその引き出し・引き戻し方向に規制したものがある(特許文献1参照)。
そのケーブルベアを使用したケーブルによる電力・信号伝達は、そのケーブルベアの分、嵩高くなっている。一方、今日、各種機械の小型化が進められており、その小型化に伴い、上記ケーブルベアの省スペース化が望まれている。
その省スペース化には、ケーブルベアを無くすことが考えられるが、上記のケーブルの蛇行が問題となる。
このため、電線、ケーブル、光ファイバ、チューブ(以下、「電線等という)から選択される1種又は2種以上の複数の樹脂被覆線状体を円弧状並列に配置し、その外周を樹脂材で被覆して各樹脂被覆線状体を一体にした可動ケーブルとして、その長さ方向において折り返して屈曲させると、その屈曲部において円弧状並列樹脂被覆線状体が直線状(同一平面上)に変形して並んで前記長さ方向フラット(直線状)状態を維持しつつ屈曲するとともに、屈曲が解消されれば、前記直線状に変形して並んだ樹脂被覆線状体が円弧状に復帰して長さ方向フラット状態に復帰するものが提案されている(特許文献2 請求項1、図1、図2参照)。この可動ケーブルはその屈曲方向に蛇行することなく追従するとしている。
さらに、その可動ケーブルにおいて、この発明の一実施形態を示す図1、図2を参照して説明すると、電線等の樹脂被覆線状体4の複数を円弧状並列に配置するとともに、その各樹脂被覆線状体4を樹脂材からなる連結部12でもって連結して一体にしたものがある(特許文献2 段落0019、図3参照)。
この可動ケーブルは、各樹脂被覆線状体4をその径より細いウェブ状(H型鋼における上下フランジの間を結ぶ垂直部分状)連結部12でもって連結しているため、特許文献2、図1、図2に示すケーブルに比べて上記屈曲が円滑である利点がある。
特開平9−177902号公報 特開2008−210741号公報
しかしながら、上記特許文献2図3に記載の可動ケーブルは、上記連結部12の上記円弧状に沿う厚み(各樹脂被覆線状体中心円弧線aの径方向の厚み:本願図2のt参照)の中心(同図2の符号tc参照)が並列配置した複数の樹脂被覆線状体4の中心(同4c参照)のなす円弧線a上に位置するため(同図4(c)参照)、屈曲位置が移動する際、その屈曲がスムーズに行われない場合があり、往復動の際、ケーブルが蛇行したり、屈曲部手前で浮き上がったりすることがあった。
この発明は、特許文献2図3に記載の可動ケーブルにおいて、蛇行したり、屈曲部手前で浮き上がったりせず、屈曲位置が移動する際、屈曲時のケーブルが断面円弧状から同直線状に円滑に変形し、屈曲解消時には同直線状から同円弧状に確実に復帰するようにすることを課題とする。
上記課題を達成するために、この発明は、特許文献2図3の可動ケーブルにおいて、そのウェブ状連結部の厚み中心が、各樹脂被覆線状体の中心のなす円弧線の内側(円弧線の中心側)に位置すると、上記屈曲が解消された際、その屈曲部では各樹脂被覆線状体中心が直線状に並んだ状態であったものが長さ方向フラット部では円弧状に確実に復帰することを見出し、そのウェブ状連結部の厚み中心を、各樹脂被覆線状体の中心のなす円弧線の内側に位置させる(円弧線上からその円弧線内側にずらす)こととしたのである。
すなわち、この種の可動ケーブルは、屈曲時、屈曲部のケーブル(各樹脂被覆線状体4)は、本願図3(a)の実線から鎖線に示すように、その中心4cのなす線aが円弧状から直線状となり(本願図5の屈曲部分9参照)、そのウェブ状連結部12には、同図(a)、(b)に示す引張り内部応力σ1と圧縮内部応力σ2が生じ、屈曲が解消されると、その引張り内部応力σ1と圧縮内部応力σ2でもってケーブルは直線状から円弧状に復帰することとなる(本願図5の直線部分(長さ方向フラット部)8参照)。
このとき、図3(a)の1点鎖線及び図4(c)に示すように、ウェブ状連結部12の厚みtの中心tcが各線状体4の中心のなす円弧線a上にあると、引張り内部応力σ1cと圧縮内部応力σ2cはほぼ同じ大きさで生じ、図3(a)の実線及び図4(a)又は図3(a)の2点鎖線及び図4(b)に示すように、ウェブ状連結部12の厚みtの中心tcが各樹脂被覆線状体4の中心のなす円弧線aから内側又は外側に位置すると、引張り内部応力σ1と圧縮内部応力σ2の一方が他方に対し大きく生じる。
例えば、図3(a)において、ウェブ状連結部12の厚みtを数値20と設定し、中心4cが円弧線aから内外に同じ長さ(数値6と設定)離れて位置した場合(1点鎖線から実線又は2点鎖線の場合)、内側に位置した場合の圧縮内部応力σ2aと外側に位置した場合の引張り内部応力σ1bとは同じ大きさとなり、そのσ1c、σ2cをそれぞれ数値1と設定すると、ウェブ状連結部12の厚み中心tcが円弧線aの内側、外側及びその線上に位置する場合の、各引張り内部応力σ1a、σ1b、σ1c及び各圧縮内部応力σ2a、σ2b、σ2cは、図3(b)に示すようになる。
この引張り内部応力σ1と圧縮内部応力σ2と樹脂被覆線状体4の中心4c(直線状となった円弧線a)との距離からなる曲げモーメントによってケーブル1(各樹脂被覆線状体4の並列状態)は断面直線状から円弧状に復帰することとなるため、図3(b)の内部応力状態では、ウェブ状連結部12の中心tcが円弧線aから内側又は外側に位置すると、その曲げモーメントM1は、0.4×4+1.6×16=27.2となるのに対し、図4(c)に示す特許文献2図3記載の可動ケーブルのように、同中心tcが円弧線a上に位置すると、その曲げモーメントM2は、1×10+1×10=20となり、M1>M2となって、前者が後者に対し、ケーブル1が断面直線状から円弧状に復帰するための曲げモーメントMが大きく、このことから、ウェブ状連結部12の中心tcが円弧線aから内側又は外側に位置すると、その復帰が円滑に行なわれることとなる。
しかし、ウェブ状連結部12の厚みtの中心tcが各樹脂被覆線状体4の中心のなす円弧線aから外側に位置すると(図4(b))、圧縮内部応力σ2bが大きくなるため、ウェブ状連結部12を膨出させてケーブルを浮き上がらせる恐れがあるのに対し、同中心tcが同円弧線aから内側に位置すると(図4(a))、圧縮内部応力σ2aが小さくなるため、ウェブ状連結部12を膨出させてケーブルを浮き上がらせる恐れが少なくなって、ケーブルの長さ方向フラット部から屈曲部及びその屈曲部から長さ方向フラット部への境目が明確に現れ、ケーブルは円滑に屈曲するとともに、その屈曲から確実に直線状に復帰し、かつ、屈曲位置が移動する際、屈曲部から長さ方向フラット部への変わり目付近のケーブルが蛇行したり、屈曲部手前でケーブルが浮き上がったりし難い。
この発明の構成としては、電線等の樹脂被覆線状体の複数を円弧状並列に配置するとともに、その各樹脂被覆線状体を樹脂材からなるウェブ状連結部12でもって連結するようにして各樹脂被覆線状体の全周を樹脂で被覆して一体にした可動ケーブル1において、前記各ウェブ状連結部12の厚みtの中心tcが各樹脂被覆線状体4の中心4cのなす円弧線a上からその円弧線内側にずれて形成されている構成を採用することができる。
そのウェブ状連結部12の厚みtは、円弧状各樹脂被覆線状体4の円弧状内周から同外周の範囲内で適宜に決定すれば良いが、各ウェブ状連結部12の厚み中心tcが各線状体中心円弧線a上から内側にずれていることから、各樹脂被覆線状体中心円弧線4cより内側のウェブ状連結部厚みtが外側の同厚みより厚く(大きく)なることは当然である。
また、ウェブ状連結部12の厚み中心tcのずれ度合は、樹脂特性、屈曲性、復帰性を考慮して実験等によって適宜に決定すればよいが、少なくともウェブ状連結部12の厚みtの20%(1/5)以上あることが好ましい。ずれ度合が20%未満では、ずれがない場合の復帰性とほとんど変わらなくなる。
さらに、各樹脂被覆線状体4の中心4cがなす円弧線aの曲率(曲率半径)、同長さ(各樹脂被覆線状体両端の中心4cを結ぶ円弧の長さ)は、各樹脂被覆線状体4の並列数、太さ(径等)、屈曲性等を考慮して実験等によって適宜に決定すれば良いが、その円弧線aを半円(円弧線aの長さを円周の半分)とすると、円弧形状の保持が一番しっかりして好ましい。この半円状より円弧の長さが短くなって円弧が開いた状態(中心角が180度より小さい)になると、その円弧状の保持が難しくなる。一方、半円状より円弧の長さが長くなって円弧が閉じる状態になる(中心角が180度を超える)と、反る方向の屈曲(図5の屈曲部分9参照)が難しくなるとともに水平方向の往復運動が安定し難い。この半円状の場合、ウェブ状連結部12の厚みtはシース(被覆5)外径の10〜50%、長さ(幅)はシース外径の5〜40%にすることが好ましい。
この構成の可動ケーブル1は、外力によってその長さ方向において折り返されて屈曲すると、その屈曲部において各樹脂被覆線状体4を連結する樹脂材からなるウェブ状連結部12が変形してその屈曲を許容し、前記折り返された外力が除かれて屈曲が解消すれば、ウェブ状連結部12の復元力により、各樹脂被覆線状体4が元の状態に復帰する。このとき、上述のように、ウェブ状連結部12の厚みtの中心が各樹脂被覆線状体4の中心のなす円弧線aの内側に位置するため、この可動ケーブル1は、屈曲によって蛇行したり、浮き上がったりすることなく、さらに、屈曲によるウェブ状連結部12の内部応力σ1(σ1a)、σ2(σ2a)による曲げモーメントM(M1)が大きく、その曲げモーメントMによる復帰力によって円滑に元の状態に復帰する。
このケーブルの構成において、上記ウェブ状連結部12は、弾性を有する(弾性変形可能な)接着剤などによって形成しても良いが、各樹脂被覆線状体4を被覆する樹脂5によって一体となるように一括押出成形すれば、耐久性の向上を図ることができる。
なお、ウェブ状連結部12の樹脂材は、円弧状並列に配置された各樹脂被覆線状体4が円弧状から直線状に変形後、再び円弧線上に復帰するために、その復帰力のある弾性を有するものとすることは勿論であり、その復帰力が有効に発揮し得る材料、例えば、ケーブルシースとして使用されているポリ塩化ビニル(PVC)等の屈曲性及び復帰性を発揮する弾性を有する樹脂を実験等によって適宜に設定する。その樹脂材には耐摩耗低摩擦性のもの、さらに耐熱耐油性のものを使用しても良い。
上記樹脂被覆線状体には、電力供給電線、信号伝達電線等の種々の電線(ケーブルも含む)や、光ファイバ(ケーブルも含む)等の通信線や、水、空気、油等の気体又は液体を流通させるチューブ等の管状体(樹脂、又は金属線、プラスチック線もしくは繊維入り樹脂等からなる)のように、従来、可動ケーブルに内装されていた種々のものを採用でき、この発明では、その各樹脂被覆線状体の複数本、例えば、電線を複数本、又は、電線と管状体を少なくとも一つ有する複数本等と種々の組み合わせの複数本を並列に配置したものとする。
また、樹脂被覆線状体の数は適宜選択できるが、2本であると、保形性をあまり望めないので、3本以上とする。例えば、ロボットの可動部への電力供給と信号伝達をこの可動ケーブルで行う場合、電力線を3本、信号線を3本の計6本を設けることができる。
上記各構成の可動ケーブルにおいて、上記円弧状並列に配置した両端の樹脂被覆線状体が撚り線の場合は、その両端樹脂被覆線状体の撚り方向は左右逆として、屈曲・復帰性の均一性を担保し、その両端樹脂被覆線状体の内側の樹脂被覆線状体が撚り線の場合は、その内側に向かって端の樹脂被覆線状体の撚り方向から順々に逆方向として、さらに屈曲・復帰性の均一性を担保し、これらの場合であって、樹脂被覆線状体の全てが撚り線の場合は、円弧状並列方向の中心線に対して左右の樹脂被覆線状体の撚り方向が左右対称となっているようにして、屈曲・復帰性の均一性をさらに担保することが好ましい。また、樹脂被覆線状体の少なくとも一つを管状体とした場合も、円弧状並列方向の中心線に対して各樹脂被覆線状体は左右対称とすることが好ましい。
この発明は、以上のように構成したので、特許文献2図3記載の可動ケーブルに比べて、屈曲が解消された際、円弧状(長さ方向フラット部)への復帰が確実になされるとともに、屈曲位置が移動する際、屈曲部から長さ方向フラット部への変わり目付近のケーブルが蛇行したり、屈曲部手前でケーブルが浮き上がったりし難い。
一実施形態の部分斜視図 同実施形態の断面図 可動ケーブルが断面円弧状から同直線状になった場合の作用を示し、(a)はその要部断面図、(b)はウェブ状連結部の位置における内部応力説明図 同作用説明を示し、(a)は同実施形態のウェブ状連結部12の厚み中心tcが各樹脂被覆線状体中心4cのなす円弧線aより内側にある場合、(b)は同外側にある比較例の場合、(c)は同円弧線a上にある従来例の場合 同実施形態の作用斜視図であり、(a)は円弧膨らみを内側とした態様、(b)は円弧膨らみを外側とした態様 他の実施形態の断面図 他の実施形態の断面図 他の実施形態の断面図 他の実施形態の断面図 他の実施形態の断面図 他の実施形態の断面図
この発明の一実施形態を図1、図2に示し、この可動ケーブル1は、下記表1に示す構成(サイズ:(25AWG×5P)×3C+(19AWG×4C)×3C)のものであり、線状体の一つである必要数の種々の絶縁電線3を左撚り、右撚りしたもの、又は、前記左撚り、右撚りしたものにさらにシールドが必要なものはシールド材、押えテープ(省略することも可能)を施した(被せた)ものを樹脂被覆線状体4とし、その樹脂被覆線状体(撚り線)4の複数(6本)を円弧状並列に配置するとともに、ウェブ状連結部12でもって各樹脂被覆線状体4をその各中心4cが同一円弧線a上となるようにその撚り線全周を樹脂(シース樹脂)5によって被覆し、連結して一体にしている。
Figure 0005866232
図1、図2において、表1の構成左欄の左撚り5対の樹脂被覆線状体4(導体、絶縁体、シールド、押えテープまで)をコアA、同右撚り5対の樹脂被覆線状体4(導体、絶縁体、シールド、押えテープまで)をコアB、同表1の構成右欄の右撚り4心の樹脂被覆線状体4(導体、絶縁体まで)をコアC、同左撚り4心の樹脂被覆線状体4(導体、絶縁体まで)をコアDとしている。
被覆5とウェブ状連結部12は、樹脂でもって押出し一体成形し、その樹脂は、軟質ポリ塩化ビニル(PVC)からなるが、ポリエステル系、シリコン系、スチレン系、ウレタン系等の熱可塑性エラストマーやゴムなどが使用できる。
そのウェブ状連結部12は各樹脂被覆線状体4間が同一の幅(樹脂被覆線状体4連結方向)及び厚み(円弧線aの径方向)tであって、その厚みの中心tcは、図2、図4(a)に示すように、各樹脂被覆線状体4(コアA、B、C、D)の中心4cがなす円弧線aの内側に位置している。このため、各ウェブ状連結部12の厚み中心tcのなす円弧線cは円弧線aより内側となる。
例えば、円弧線aの半径:13.75mm、円弧状に並列された樹脂被覆線状体4の弧状内径:10.0mm、ケーブルの両端幅:35.0mm、各線状体4、4の中心間:8.5mmの場合、ウェブ状連結部12の厚み:1.5mm、同幅:1.0mm、その中心tcのなす円弧線cの半径:13.1mmとする。このため、円弧線aとウェブ状連結部中心tcの「ずれ」は0.65mmとなっており、その「ずれ」(0.65mm)>ウェブ状連結部の厚み:1.5mm×0.2=0.3mmとなって、上記ウェブ状連結部12の厚みtの20%(1/5)以上を満たしている。
また、この実施形態では、連結された各樹脂被覆線状体4は半円状(中心4cの円弧線aが半円孤)となって、円弧形状の保持が一番しっかりしている。
この可動ケーブル1は、例えば、図5に示すように、その長さ方向において折り返した構成によって、作業ユニット6と電力の供給源7とを接続する。この構成においては、可動ケーブル1の一端が工作機械等に固定された電力の供給源7に水平に接続され、他端が作業ユニット6に水平に接続され、その作業ユニット6が水平方向へ往復運動(同図中の白抜き矢印)することによって、作業ユニット6に設けられた加工ツール等で加工等の作業を行う。
その際、可動ケーブル1が水平に配置されている2箇所の水平部分(ケーブル長さ方向フラット部)8、8においては、この可動ケーブル1が有する保形性によって、この可動ケーブル1は曲がることなくほぼ水平に維持される。
一方、2箇所の水平部分8、8の間においては、可動ケーブル1に屈曲を生じさせる外力が作用し、その部分で屈曲が生じる。この屈曲が生じた屈曲部分9では、作業ユニット6と電力の供給源7との位置関係に対応して、この可動ケーブル1が180度方向転換している。このとき、各樹脂被覆線状体4の抗張力が大きいため、屈曲を生じさせる外力が作用することにより、軟質ポリ塩化ビニルから成るウェブ状連結部12を介し各樹脂被覆線状体4がほぼ同一平面上に並ぶように変形する。これにより、屈曲部分9における各樹脂被覆線状体4はほぼ平面状(同一直線上)となって、円滑に屈曲するとともに、作業ユニット6の移動につれてその屈曲部分9が円滑に移行してその移動が円滑になされる。
このとき、可動ケーブル1の屈曲は、ウェブ状連結部12を介して行なわれるため、その屈曲作用が円滑であるとともに、屈曲部分9から水平部分8への移行時、各ウェブ状連結部12の厚みの中心tcが、各樹脂被覆線状体4の中心4cがなす円弧線aの内側に位置しているため(各ウェブ状連結部12の厚み中心tcのなす円弧線cが円弧線aの内側に位置するため)、屈曲から水平への復帰力が大きく、上述のように、屈曲が解消された際、その屈曲部分9から水平部分8の円弧形状への復帰が確実になされるとともに、屈曲位置が移動する際、屈曲部分9から水平部分8への変わり目付近のケーブルが蛇行したり、屈曲部分9手前でケーブル1が浮き上がったりしない。
この可動ケーブル1は、各樹脂被覆線状体4の円弧状膨らみを上記屈曲部分内側にした状態(図5(a)参照)、あるいは、円弧の膨らみを上記屈曲部分の外側にした状態(図5(b)に示す、作業ユニット6および電源供給源7への可動ケーブル取り付けを図5(a)の180度回転させた状態)のいずれの構成も適用できる。
図5に示す構成においては、可動ケーブル1を作業ユニット6及び電力の供給源7とそれぞれ、可動ケーブル1の長さ方向を含む同一平面上において、水平又は垂直に接続したが、接続の角度はこれら(水平・垂直)に限定されない。例えば、この可動ケーブル1が接続されている作業ユニット6と他の作業ユニット6との位置関係を考慮して、相互の駆動を阻害しないように、可動ケーブル1と作業ユニット6又は電力の供給源7等とを同一平面上において適宜に斜め方向等に接続することができる。すなわち、この可動ケーブル1は、水平方向への往復動に限らず、垂直方向、斜め方向などあらゆる方向の往復動に適用できる。そして、そのあらゆる方向の往復動において、この可動ケーブル1は、高い保形性によって屈曲部分9以外において元の断面形状を保って、蛇行することなく、かつ浮き上がることもなく円滑に屈曲して作業ユニット6の動きに追従する。
可動ケーブル1の態様としては、樹脂被覆線状体4の数、その構成等は任意であり、例えば、図6に示し、下記表2に示す構成(サイズ:(25AWG×5P)×4C+(19AWG×4C)×4C)のものにおいてもこの発明は採用し得る。その図6において、表2の構成の欄の5対の左撚り太鼓状樹脂被覆線状体4をコアA、4心の同樹脂被覆線状体4をコアD、5対の右撚り太鼓状樹脂被覆線状体4をコアB、4心の同樹脂被覆線状体4をコアCとしている。
Figure 0005866232
この図6の可動ケーブル1においても、図1の可動ケーブル1と同様な作用でもって、高い保形性によって屈曲部分9以外において元の断面形状を保って、蛇行及び浮き上がることなく円滑に屈曲して作業ユニット6の動きに追従する。
上記各実施形態のように、樹脂被覆線状体4が撚り線からなる可動ケーブル1においては、両端の樹脂被覆線状体4(コアC、D)は左右逆の撚り方向、その内側の樹脂被覆線状体4(コアA、B、C、D)も内側に向かって順々に左右逆方向となり、図6の可動ケーブル1にあっては、円弧状並列方向の中心線に対して左右の樹脂被覆線状体4(コアC、A、C、AとコアD、B、D、B)の撚り方向が左右対称となっており、屈曲・復帰性の均一性がさらに担保されている。
また、樹脂被覆線状体4の連結本数が奇数本となった場合、図7に示すように、その樹脂被覆線状体4の配置は上記のように行なうことが好ましいが、真ん中の樹脂被覆線状体4のみ右撚り又は左撚りどちらを採用してもよい。
さらに、図8〜図11に示すように、樹脂被覆線状体4をチューブ(管状体)10とすることができ、このチューブ10は絶縁電線3(樹脂被覆線状体4)の樹脂被覆5とともにその樹脂で一体に形成(一体成形)したり(図8〜図10)、別物のチューブ10を樹脂被覆して形成したり(図11)することができる。このため、上記「樹脂被覆線状体4」が「管状体」の場合、樹脂被覆線状体にはその両者の態様の管状体の構成を含むこととなる。チューブ10の位置は、両端に位置させたり(図8)、中央に位置させたり(図9、図11)、中間に位置させたり(図10)することができる。このとき、円弧状並列方向の中心線に対して各樹脂被覆線状体4、10は左右対称とすることが好ましい。
また、樹脂被覆線状体4(管状体10)の断面形状は、円状、太鼓状のみならず、正方形状、長方形状等の四角形状や楕円形状等が考えられる。
1 可動ケーブル
3 絶縁電線
4 樹脂被覆線状体
5 樹脂(軟質ポリ塩化ビニル)
6 作業ユニット
7 電力供給源(固定物)
8 水平部分(直線部分、長さ方向フラット部)
9 屈曲部分(屈曲部)
10 管状体(チューブ)
4c 樹脂被覆線状体中心
a 各樹脂被覆線状体4の中心4cがなす円弧線
c 各ウェブ状連結部12の厚み中心tcがなす円弧線
t ウェブ状連結部12の厚み
tc ウェブ状連結部12の厚み中心

Claims (7)

  1. 電線、ケーブル、光ファイバ又はチューブから選択される樹脂被覆線状体(4)の複数を円弧状並列に配置するとともに、その各樹脂被覆線状体(4)を樹脂材からなるウェブ状連結部(12)でもって連結するようにして各樹脂被覆線状体(4)の全周を樹脂(5)で被覆して一体にした可動ケーブル(1)であって、
    上記各ウェブ状連結部(12)の上記円弧状半径方向の厚み(t)の中心(tc)が、上記各樹脂被覆線状体(4)の中心(4c)のなす円弧線(a)上からその円弧線内側にずれて形成されており、そのずれを、前記厚み(t)の20%以上としたことを特徴とする可動ケーブル。
  2. 上記円弧状並列に配置した樹脂被覆線状体(4)の両端が撚り線の場合は、その両端の樹脂被覆線状体(4)の撚り方向は左右逆としたことを特徴とする請求項に記載の可動ケーブル。
  3. 上記両端の樹脂被覆線状体(4)の内側の樹脂被覆線状体(4)が撚り線の場合は、内側に向かって端側の樹脂被覆線状体(4)の撚り方向と順々に逆方向としたことを特徴とする請求項に記載の可動ケーブル。
  4. 上記樹脂被覆線状体(4)の全てが撚り線の場合は、上記円弧状並列方向の中心線に対して左右の樹脂被覆線状体(4)の撚り方向が左右対称となっていることを特徴とする請求項1乃至の何れか一つに記載の可動ケーブル。
  5. 上記樹脂被覆線状体(4)の少なくとも一つが管状体(10)からなることを特徴とする請求項1乃至の何れか一つに記載の可動ケーブル。
  6. 上記円弧状並列配置された樹脂被覆線状体(4)の中心(4c)のなす円弧線(a)が半円であることを特徴とする請求項1乃至の何れか一つに記載の可動ケーブル。
  7. 外力によってこの可動ケーブル(1)がその長さ方向において折り返されて屈曲する際、その屈曲部分(9)において各樹脂被覆線状体(4)が同一平面上に位置するように上記ウェブ状連結部(12)が変形してその屈曲を許容し、前記折り返された外力が除かれて屈曲が解消すれば、前記ウェブ状連結部(12)の復元力により、各樹脂被覆線状体(4)が元の状態に復帰することを特徴とする請求項1乃至の何れか一つに記載の可動ケーブル。
JP2012050483A 2012-03-07 2012-03-07 可動ケーブル Active JP5866232B2 (ja)

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