JP5865125B2 - 荷電粒子線装置 - Google Patents

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Description

本発明は、荷電粒子線装置に係り、特に、荷電粒子線装置の予備排気室と、荷電粒子線の照射対象である試料が配置される試料室との間に、弁体を備えた荷電粒子線装置に適用して有効な技術に関する。
走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)に代表される荷電粒子線装置は、試料を配置するための試料室(主真空室)内を真空状態とした上で、荷電粒子ビーム(SEMでは電子ビーム)を試料に照射する必要がある。一方、昨今、半導体デバイス等を測定、或いは検査するSEMでは、単位時間当たりに多くの試料を処理(測定、検査)することが求められており、そのために予備排気室(以下、ロードロック室と称することもある)が設けられたSEMが提案されている。
試料室を高い真空に維持した状態にて、試料の交換を可能とするために、試料室とロードロック室の間には、隔壁が設けられ、当該隔壁には開閉自在なバルブ(以下試料室バルブと称することもある)が設けられる。試料室内で処理が行われている間に、ロードロック室内で真空排気、或いはリークを行うことによって、試料室内での処理を連続的に行うことが可能となり、装置の高スループット化を実現することができる(以下、装置の性能指標のひとつでもある単位時間当たりの試料の処理量をスループットと称することもある)。
ロードロック室には、真空計が設けられ、当該真空計によって測定される真空値が所定値に達したとき、或いはその後にバルブを開放するようなシーケンスを設けることで、両者間の真空度に大きな乖離がある状態で、バルブを開放することがないような配慮がなされている。
一方、試料交換時に試料室バルブを開けるときには、スループットを考慮して、試料室と交換室との差圧がある程度の値となったらバルブを開け、交換室にあった試料と試料室にあった試料を入れ替える方法が用いられる。バルブを開けたときに試料室の真空度が低下するが、バルブを閉じた後にも真空排気を続けることで再び試料室の真空度は高真空に回復する。
例えば、特許文献1には、走査電子顕微鏡において、試料室とロードロック室を備え、この試料室とロードロック室の双方に真空計を設置した装置が開示されている。
特開2010−86926号公報
ところで、前述した特許文献1の先行技術では、試料からのガス放出量が多い場合は、試料交換時にバルブを開けたときの試料室の真空度低下が大きくなったり、試料を試料室に移送してバルブを閉じた後の試料室の真空度の回復に長時間を要したりしてしまっていた。そこで、このような試料に対応するために、交換室でより高真空まで排気して、試料室と交換室の真空度の差を小さくしてからバルブを開放することで、試料室の真空度低下を抑えたり、試料室の真空度回復の長時間化を緩和していた。しかし、交換室でより高真空まで排気することは、試料入れ替えまでの交換室での排気時間が長くなることになる。このため、ガス放出量が多くない試料についても、交換室での排気時間を長くしてしまい、装置のスループットを低下させる原因となっていた。
そこで、本発明は、このような先行技術の課題を解決するためになされたものであり、その代表的な目的は、ガス放出量が異なるそれぞれの試料に対して、装置のスループットを適切に保持する荷電粒子線装置を提供することである。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
(1)代表的な荷電粒子線装置は、荷電粒子源と、前記荷電粒子源から放出される荷電粒子ビームが照射される試料を保持するための試料台と、前記試料台に保持される前記試料が存在する雰囲気を真空状態とする試料室と、前記試料室に導入される前記試料の雰囲気を真空排気する試料交換室と、前記試料交換室の内部の圧力を測定する真空計と、前記真空計による測定結果が所定の真空度に到達するまでの時間を計測する時間計測部と、前記時間計測部による計測結果に基づいた比較演算と判定、および処理フローに基づいた統括制御を行う統括制御部と、を備える。
そして、前記統括制御部は、前記試料交換室の真空度の推移(例えば、前記試料が前記試料交換室にあるときの前記試料交換室の真空排気時間、前記試料が前記試料交換室にあるときの所定の時間間隔に対する前記試料交換室の真空度の変化量)に基づいて、後続の処理内容を切り替える制御を行うことを特徴とする。
(2)代表的な別の荷電粒子線装置は、荷電粒子源と、前記荷電粒子源から放出される荷電粒子ビームが照射される試料を保持するための試料台と、前記試料台に保持される前記試料が存在する雰囲気を真空状態とする試料室と、前記試料室に導入される前記試料の雰囲気を真空排気する試料交換室と、前記試料交換室の内部の圧力を測定する真空計と、前記試料の固有情報を取得する情報取得装置と、前記情報取得装置による取得情報に基づいた比較演算と判定、および処理フローに基づいた統括制御を行う統括制御部と、を備える。
そして、前記統括制御部は、前記情報取得装置が取得した前記試料の固有情報(例えば、前記試料からのガス放出量に関係する情報)に基づいて、後続の処理内容を切り替える制御を行うことを特徴とする。
(3)より詳細には、試料交換時に試料が交換室にあるときの真空排気中の真空度の推移から、試料からのガス放出量の大小を判断し、その結果に基づいて、それぞれの試料に対して好適となるようにその後の処理を切り替える。
上記目的を達成するための一態様として、交換室での真空排気時間が短い場合は、ガス放出量が少ない試料と判断して、交換室排気完了判定真空度に所定の設定値を使用して短時間で排気完了し、真空排気時間が長い場合は、ガス放出量が多い試料と判断して、交換室排気完了判定真空度に、ガス放出量が少ない試料のそれよりも高真空(圧力が低い)の設定値を使用して高真空まで排気を継続することを特徴とする。
試料からのガス放出量の大小は、あらかじめ設定した排気完了判定真空度に到達するまでに要した時間を、あらかじめ設定した所定の時間と比較して判定する。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
すなわち、代表的な効果は、ガス放出量が異なるそれぞれの試料に対して、装置のスループットを適切に保持する荷電粒子線装置を提供することができる。
より詳細には、ガス放出量が多い試料と少ない試料の交換室真空排気完了判定値を切り替えることにより、ガス放出量が多い試料では試料室の真空度低下による処理の中止や長時間の中断が抑えられ、かつ、ガス放出量が少ない試料では交換室の排気時間の長時間化を防止することの両立が可能となり、両方の試料に好適でスループットを維持した装置の提供が可能となる。
また、ユーザのメリットとして、ガス放出量が多い試料も測定できることや、試料からのガス放出量の大小を区別せずに測定でき、かつ、ガス放出量が少ない試料でのスループット低下を防止できることがあげられる。
本発明の第1の実施の形態に係る走査電子顕微鏡の概略構成の一例を示す図である。 図1に示す走査電子顕微鏡において、試料搬送系の上視の一例を示す図である。 図1に示す走査電子顕微鏡において、試料搬送系と真空排気系を制御する制御装置の概略構成の一例を示す図である。 図1に示す走査電子顕微鏡において、試料搬送系と真空排気系の制御工程フローの一例を示す図である。 図1に示す走査電子顕微鏡において、交換室と試料室の真空度の推移の一例を示す図である。 (a)〜(c)は図1に示す走査電子顕微鏡において、調整設定や動作状態表示を行う表示装置の画面の一例を示す図である。 図4の変形例を示す試料搬送系と真空排気系の制御工程フローの一例を示す図である。 図5の変形例を示す交換室と試料室の真空度の推移の一例を示す図である。 (a),(b)は本発明の第2の実施の形態に係る走査電子顕微鏡において、試料搬送系の上視の一例を示す図である。 本発明に対する前提技術の走査電子顕微鏡において、交換室と試料室の真空度の推移の一例(ガス放出量が少ない場合)を示す図である。 本発明に対する前提技術の走査電子顕微鏡において、交換室と試料室の真空度の推移の一例(ガス放出量が多い場合)を示す図である。 本発明に対する前提技術の走査電子顕微鏡において、交換室と試料室の真空度の推移の一例(ガス放出量が多い場合と少ない場合)を示す図である。
以下の実施の形態においては、便宜上その必要があるときは、複数の実施の形態またはセクションに分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
[本発明の実施の形態の概要]
(1)本発明の実施の形態に係る荷電粒子線装置(一例として、()内に対応する構成要素、符号などを付記)は、荷電粒子源(電子源1a)と、前記荷電粒子源から放出される荷電粒子ビームが照射される試料を保持するための試料台(試料台7)と、前記試料台に保持される前記試料が存在する雰囲気を真空状態とする試料室(試料室9)と、前記試料室に導入される前記試料の雰囲気を真空排気する試料交換室(交換室10)と、前記試料交換室の内部の圧力を測定する真空計(真空計42)と、前記真空計による測定結果が所定の真空度に到達するまでの時間を計測する時間計測部(時間カウント部73)と、前記時間計測部による計測結果に基づいた比較演算と判定、および処理フローに基づいた統括制御を行う統括制御部(統括制御部78)と、を備える。
そして、前記統括制御部は、前記試料交換室の真空度の推移(例えば、前記試料が前記試料交換室にあるときの前記試料交換室の真空排気時間、前記試料が前記試料交換室にあるときの所定の時間間隔に対する前記試料交換室の真空度の変化量)に基づいて、後続の処理内容を切り替える制御を行うことを特徴とする。
(2)本発明の別の実施の形態に係る荷電粒子線装置(一例として、()内に対応する構成要素、符号などを付記)は、荷電粒子源(電子源1a)と、前記荷電粒子源から放出される荷電粒子ビームが照射される試料を保持するための試料台(試料台7)と、前記試料台に保持される前記試料が存在する雰囲気を真空状態とする試料室(試料室9)と、前記試料室に導入される前記試料の雰囲気を真空排気する試料交換室(交換室10)と、前記試料交換室の内部の圧力を測定する真空計(真空計42)と、前記試料の固有情報を取得する情報取得装置(情報取得装置93)と、前記情報取得装置による取得情報に基づいた比較演算と判定、および処理フローに基づいた統括制御を行う統括制御部(統括制御部78)と、を備える。
そして、前記統括制御部は、前記情報取得装置が取得した前記試料の固有情報(例えば、前記試料からのガス放出量に関係する情報)に基づいて、後続の処理内容を切り替える制御を行うことを特徴とする。
上述した本発明の実施の形態の概要に基づいた本発明の一実施の形態を、以下において図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
以下においては、本発明の特徴を分かり易くするために、まず、本発明に対する前提技術およびこの課題などを説明し、次に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。また、以下においては、荷電粒子線装置の一例として、走査電子顕微鏡を例に説明するが、他の装置に適用可能であることは言うまでもない。
[本発明に対する前提技術]
本発明に対する前提技術について、図1および図10〜図12を用いて説明する。
近年、半導体デバイスの微細化が進み、その微細化に伴って、半導体デバイスを測定或いは検査する走査電子顕微鏡に対し、更なる高分解能化と、高スループット化が要求されるようになってきた。
図1は、走査電子顕微鏡の概略構成の一例を示す図である。この図1に示す走査電子顕微鏡の構成は、本発明に対する前提技術に限らず、後述する本発明の実施の形態においても同様に適用されるものである。走査電子顕微鏡は、主に、電子銃1(電子源1a)、鏡体2、コンデンサーレンズ3、対物レンズ4、絞り17、試料室9(試料台7)、交換室10、局所排気室11(試料搬送ロボット12)、及びウェハケース13や、各バルブ(試料室バルブ8、交換室バルブ14)及び各ポンプ(試料室ポンプ9a、交換室ポンプ10a)、弁体受け15、弁体16、弁体駆動系18などから構成される。走査電子顕微鏡は、この走査電子顕微鏡を制御する制御装置に接続されている。この走査電子顕微鏡において対象となる試料は、ウェハ6(6a〜6c)である。
電子源1aを含む電子銃1から放出された電子ビームは、コンデンサーレンズ3、及び対物レンズ4によって、ウェハ6上に細く収束される。偏向器(図示せず)は、電子ビームをウェハ6上にて走査する。ウェハ6上の電子ビームの走査領域からは、二次電子(Secondary Electron:SE)や後方散乱電子(Backscattered Electron:BSE)が放出され、走査電子顕微鏡内には、これらの電子を検出する検出器が備えられている(図示せず)。検出器によって検出された電子は、光信号に変換され、図示しない増幅器によって増幅される。この増幅信号は、図示していない偏向器の走査信号と同期を取ることで、表示装置に二次元像として表示、或いはフレームメモリに記憶される。また、検出された信号は、プロファイル波形を形成し、当該波形に基づいてウェハ6上に形成されたパターンの寸法を測定するために用いることもできる。
走査電子顕微鏡を用いて、ウェハ6上に形成された微細パターンの寸法測定や欠陥検査を行うためには、ウェハ6上の測定、或いは検査対象位置と、ビーム照射位置を一致させる必要がある。試料台7は、ウェハ6を少なくともX方向及びY方向(電子ビーム光軸をZ軸とした場合)に移動する駆動機構によって支持され、上記移動を可能としている。
ウェハ6には微細なパターンが刻まれており、異物を嫌うため、周辺環境と比較して高い清浄度が保たれたウェハケース13に入れられた状態で、製造装置等から走査電子顕微鏡に移送される。ウェハ6は、局所排気された局所排気室11に設置した試料搬送ロボット12により、ウェハケース13から取り出され、ウェハ6aの方向を決める装置(図示はしていない)に搬送される。当該装置で向きを調整されたウェハ6aは、予備排気を行うための交換室10に導入されるまで、試料搬送ロボット12上で待機する。
大気空間と真空空間との間の試料搬送を可能とする交換室10には、試料室バルブ8と交換室バルブ14の2つのバルブが設けられており、試料搬送時に選択的に開放される。ウェハ6aを交換室10に導入する際の動作を、図10を参照しながら説明する。図10は、走査電子顕微鏡の交換室10と試料室9の真空度の推移の一例を示す図であり、試料搬送の過程での真空度の推移を示している。なお、試料室バルブ8を閉じた後の交換室10の真空度の表示は省略している。図10では、横軸に時間、縦軸に圧力をとり、大気圧力に対して、これより小さい圧力の所定の真空度をP1、さらに小さい圧力の電子銃バルブ開放可能な真空度をPS1としている。
ウェハ6aを交換室10に導入する際には、先ず、交換室10を大気状態にした後、交換室バルブ14を開放し、試料搬送ロボット12によりウェハ6aを交換室10に導入する。交換室10にウェハ6bを導入した後、交換室バルブ14を閉じて、交換室10を真空排気する。真空排気は、先ず図示しない粗引きポンプを用いて、ある程度の圧力まで真空を引き(図10の粗引き区間)、その後、交換室ポンプ10aに切り替えて、試料室9内の真空度に近づけるように真空排気を継続する(図10の交換室ポンプ区間)。
このとき、スループットを考慮して、試料室9と交換室10との差圧が、ある程度の値となったら(例えば10Pa以下の圧力差となったときに(最大3桁の圧力差))、試料室バルブ8を開け、交換室10にあったウェハ6bと試料室9にあったウェハ6cを入れ替える。入替後、試料室バルブ8を閉じる(図10の試料室バルブ開閉、試料移動区間)。試料室バルブ8を閉じた後、試料室ポンプ9aを用いて、試料室9の真空圧力を維持させる。
上述のように、スループットを考慮して、試料室9と交換室10の圧力が一致する前に、試料室バルブ8を開放するため、試料室9の圧力が一時的に高くなる(真空度が悪くなる)。
一方、電子銃1の室内は、電子銃1の保護、電子線の安定度確保のため、高真空に保たれる必要がある。電子源1aと試料室9との間には、電子源1a周囲の雰囲気を高真空に維持するための隔壁が設けられ、当該隔壁には電子ビームを通過させるための開口(絞り17)が設けられる。この絞り17の存在故に、試料室9は、電子銃1に至るまでの空間が連通された状態となる。電子源1aの雰囲気は、差動排気構造によって、試料室9とは圧力差が設けられているが、電子源1aのチップ位置と絞り17の位置はいずれも電子ビーム光軸(電子ビームが偏向を受けないときの理想光軸)上にあり、且つ電子ビーム光軸上には試料室9が存在する。即ち、試料室9の真空変動の影響が、電子源1aに及ぶ可能性がある。
このように、スループット向上のために、試料室バルブ8を早めに開放すると、試料室9内にて圧力変動が生じることにより、電子源1aの性能を低下させてしまう可能性がある。このため、電子銃1室側の雰囲気と、試料室9側の雰囲気を遮断する遮断機構(弁体受け15、弁体16、弁体駆動系18)を設けることで、試料室9の圧力変動に基づく電子源1aへの影響を緩和する手法が用いられている。遮断機構により、試料室9の真空度が低下したときや、試料室9の真空度が低下する可能性がある試料交換時に、前記遮断機構で電子銃1室と試料室9を遮断する。試料交換時には、試料室9にウェハ6cを搬送した後、試料室9が所定の高真空になってから前記遮断機構を開放にして測定(画像観察・測長)を行う。遮断中は、電子線も遮断されるため像観察ができなくなる。このため、試料交換後に試料室9の真空度低下が続くと、その間は像観察ができないため、真空度が高くなるまでの間は装置の処理が中断されることになる。
図11は、上述した図10に対して、試料からのガス放出量が多い場合の真空度の推移の一例を示す図である。図11においては、試料からのガス放出量が多い場合の真空度の推移は、少ない場合(細線)に比べて太線で示している。試料からのガス放出量が多い場合は、試料交換時(図11の試料室バルブ開閉、試料移動区間)に、試料室バルブを開けたときの試料室9の真空度低下が大きくなったり、試料を試料室9に移送してバルブを閉じた後の試料室9の真空度の回復に長時間を要したりしてしまっていた。すなわち、試料室9の圧力が電子銃バルブ開放可能な真空度PS1より下がらず、電子銃バルブ開放待ちになる。
図12は、上述した図11に対して、試料からのガス放出量が多い場合の真空度の推移の一例を示す図である。図12においては、試料からのガス放出量が多い場合の真空度の推移は、図11に比べてさらに太線で示している。また、図12では、大気圧力に対して、これより小さい圧力の所定の真空度をP1、さらに小さい圧力の第2の所定の真空度をP2、さらに小さい圧力の電子銃バルブ開放可能な真空度をPS1としている。
本発明者らの検討によれば、ガス放出量が多い試料に対しては、交換室10でより高真空まで排気して、試料室9と交換室10の真空度の差を小さくしてからバルブを開放することで、試料室9の真空度低下を抑えたり、試料室9の真空度回復の長時間化を緩和することが可能であることが分かった。さらには、ガス放出量が多い試料の場合、交換室10で高真空まで排気すると、交換室10での排気時間は長くなるが、試料室9へ搬送した後の試料室9の排気時間を短縮することができて、交換室10と試料室9の排気時間を合計した時間では、これを短縮できることが分かった。
しかし、交換室10でより高真空まで排気することは、ガス放出量が少ない試料についても、交換室10での排気時間を長くしてしまうことになる。ガス放出量が少ない試料は、もともと試料室9に搬送後の試料室9の真空度は短時間で回復できていたため、交換室10での排気時間を長くしても試料室9での排気時間はそれほど削減することはできない。このため、ガス放出量が少ない試料においては、交換室10での排気時間が長くなった分、交換室10と試料室9の排気時間の合計は長くなってしまい、装置のスループットを低下させる原因となっていた。
よって、以下においては、本発明の実施の形態として、ガス放出量が多い試料における試料室9での真空度低下の抑制および真空度回復の長時間化の緩和と、ガス放出量が少ない試料における交換室10での排気時間の長時間化の防止との両立を可能とする走査電子顕微鏡について、図面を用いて詳細に説明する。
[本発明の実施の形態]
本発明の実施の形態では、試料交換時に試料が交換室10にあるときの真空排気時間から、試料からのガス放出量の大小を判断し、その結果に基づいて、それぞれの試料に対して好適となるように、その後の処理を切り替えることが可能な走査電子顕微鏡について説明する。
本実施の形態の一態様によれば、ガス放出量が多い試料では真空度低下による処理の中止や長時間の中断が抑えられ、かつ、ガス放出量が少ない試料では排気時間の長時間化を防止することの両立が可能となり、両方の試料に好適でスループットを維持した装置の提供が可能となる。
以下に、試料からのガス放出量の大小を判断し、それぞれの試料に対して好適となるように、その後の処理を切り替えることが可能な走査電子顕微鏡について、図面を用いて説明する。なお、本実施の形態では、走査電子顕微鏡を荷電粒子線装置の一例として説明するが、試料室の真空度の変化によってビーム源が影響を受ける可能性がある装置であれば、適用が可能である。荷電粒子線装置の他の例として、集束イオンビーム(Focused Ion Beam)装置などがある。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態について、図1〜図5、図9〜図11を用いて説明する。本実施の形態では、ガス放出量が異なる試料の搬送および真空排気の方法について主に説明する。他の走査電子顕微鏡の構成や基本動作などは、上述した本発明に対する前提技術と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
<走査電子顕微鏡の構成>
本実施の形態の走査電子顕微鏡は、前述した図1に例示した構成と同様であり、主に、電子源1aを含む電子銃1、鏡体2、コンデンサーレンズ3、対物レンズ4、絞り17、試料台7を収納する試料室9、交換室10、試料搬送ロボット12を収納する局所排気室11、ウェハ6を収納するウェハケース13や、各バルブ及び各ポンプ、弁体受け15、弁体16、弁体駆動系18などから構成される。各バルブには、試料室9と交換室10との間に配設される試料室バルブ8、交換室10と局所排気室11との間に配設される交換室バルブ14などがある。各ポンプには、試料室9に配設される試料室ポンプ9a、交換室10に配設される交換室ポンプ10aなどがある。
図2は、図1に例示した走査電子顕微鏡の試料搬送系の上視の一例を示す図である。図1に例示した構成に加えて、試料搬送ロボット41、真空計42、真空計43が図示されている。試料搬送ロボット41は、試料室9に収納され、この試料室9と交換室10との間でウェハ6を移動するロボットである。真空計42は交換室10に、真空計43は試料室9にそれぞれ配設され、各室内の真空度(圧力)を計測する計器である。
以上のように構成される走査電子顕微鏡において、試料搬送ロボット12、試料室バルブ8、交換室バルブ14、試料室ポンプ9a、交換室ポンプ10a、弁体駆動系18などの試料搬送系と真空排気系は、後述(図3)する制御装置に接続され、この制御装置により制御される構成となっている。
<制御装置の構成>
図1に例示した走査電子顕微鏡の試料搬送系と真空排気系は、図3に例示するような制御装置によって制御される。図3は、この試料搬送系と真空排気系を制御する制御装置の概略構成の一例を示す図である。図3に例示する制御装置71は、主に、圧力モニタ部72、時間カウント部73、真空ポンプ制御部74、試料バルブ開閉制御部75、試料搬送用ロボット制御部76、弁体制御部77、統括制御部78、及びこれら制御部の制御条件を記憶する条件記憶部79を備えている。また、使用の形態によっては、動作結果を記憶する結果記憶部80を備えても良い。
圧力モニタ部72は、交換室10と試料室9にそれぞれ設けられた真空計42と43(図2参照)に接続され、各真空計によって得られる圧力データをモニタする機能部である。時間カウント部73は、交換室10と試料室9がそれぞれ所定の真空度に到達するまでの時間をカウントする機能部である。真空ポンプ制御部74は、試料室ポンプ9aと交換室ポンプ10aに接続され、所定の条件に基づいて各真空ポンプを制御する機能部である。試料バルブ開閉制御部75は、試料室バルブ8と交換室バルブ14に接続され、所定のタイミングにて各バルブの開閉制御を行う機能部である。試料搬送用ロボット制御部76は、局所排気室11と交換室10との間にて試料を搬送する試料搬送ロボット12と、交換室10と試料室9との間にて試料を搬送する試料搬送ロボット41に接続され、各試料搬送ロボットを制御する機能部である。弁体制御部77は、図1に例示した、弁体受け15に押し当てて絞り17の開口を閉鎖する弁体16を駆動する弁体駆動系18に接続され、この弁体駆動系18を制御する機能部である。統括制御部78は、比較演算と判定や処理フローに基づいた制御等を含めた全体的な統括制御を行う機能部である。
なお、この制御装置71は、後述する図6に示すような調整設定や動作状態表示を行う表示装置91や、この表示装置91に表示するような内容を装置外部へ出力する出力装置92などにも接続されている。
<試料搬送系と真空排気系の制御工程>
図3に例示した制御装置71の具体的な制御方法について、図4の走査電子顕微鏡の試料搬送系と真空排気系の制御工程フローの一例を示す図、図5の走査電子顕微鏡の交換室と試料室の真空度の推移の一例を示す図を用いて説明する。また、走査電子顕微鏡の試料搬送系の上視の一例を示した図2も引用する。図4に例示する走査電子顕微鏡の試料搬送系と真空排気系の制御工程フローにおける全体的な制御は、制御装置71の統括制御部78によって統括的に制御される。
まず、試料バルブ開閉制御部75によって、交換室バルブ14を開放するように制御した後、試料搬送用ロボット制御部76によって制御される試料搬送ロボット12によって、交換室10にウェハ6a(試料)を搬送(導入)する(ステップS501)。次に、真空ポンプ制御部74によって、交換室ポンプ10aを制御して、交換室10内の排気を開始して真空排気する(ステップS502)。次に、図2に例示するような交換室10内に設置された真空計42を介して、圧力モニタ部72にて交換室10内の圧力をモニタし、交換室10内が所定の圧力(真空度P1)に達したか否かを判定する(ステップS503)。この判定の結果、交換室10内の圧力が所定値に達しない場合(S503−No)にはステップS503の判定を繰り返し、交換室10内の圧力が所定値に達した場合(S503−Yes)に、次のステップS504に移行する。
次に、ステップS504では、交換室10における真空排気時間が所定の値Thを超えたか否かを、時間カウント部73によって計測された真空到達時間に基づいて判定する。この判定の結果、真空排気時間が所定の値Thを超えている場合(S504−Yes)には、引き続き、交換室10内を真空排気しながら圧力をモニタし、交換室10内が第2の所定の圧力(真空度P2、P2はP1よりも高真空である(圧力が低い))に達したか否かを判定する(ステップS510)。この判定の結果、交換室10内の圧力が第2の所定値に達しない場合(S510−No)にはステップS510の判定を繰り返し、交換室10内の圧力が第2の所定値に達した場合(S510−Yes)に、次のステップS505に移行する。また、ステップS504で、真空排気時間が所定の値Thを超えていないと判断される場合(S504−No)には、ステップS510は実行せず、ステップS505に移行する。
次に、ステップS505では、試料室9の真空度の変動が、電子銃1室に影響しないように、弁体制御部77によって弁体16を駆動して移動させる。さらに、試料バルブ開閉制御部75による制御によって、試料室バルブ8を開放し(ステップS506)、試料搬送用ロボット制御部76による制御によって、ウェハ6bを試料室9内に搬送して(ステップS507)、試料室バルブ8を閉鎖する(ステップS508)。
次に、試料室9内に設置された真空計43を介して、圧力モニタ部72にて試料室9の圧力をモニタし、試料室9内が所定の圧力(真空度PS1、PS1はP2よりも高真空である(圧力が低い))に達したか否かを判定する(ステップS511)。この判定の結果、試料室9内の圧力が所定値に達しない場合(S511−No)にはステップS511の判定を繰り返し、試料室9内の圧力が所定値に達した場合(S511−Yes)に、次のステップS509に移行する。そして、ステップS509において、弁体16を移動(除去)して、電子ビーム通路を開放する。
以上のようにして、制御装置71の制御によって、試料搬送系と真空排気系の制御工程を実施し、試料交換時にウェハ6が交換室10にあるときの真空排気時間が長い場合は、ガス放出量が多いウェハ6と判断してより高真空まで排気を継続し、真空排気時間が短い場合は、ガス放出量が少ないウェハ6と判断して交換室10の排気完了判定真空度に所定の設定値を使用して短時間で排気完了することができる。
<調整設定や動作状態表示を行う表示装置の画面>
図6は、走査電子顕微鏡において、調整設定や動作状態表示を行う表示装置91の画面の一例を示す図である。調整設定や動作状態表示を行う表示装置91の画面として、図6(a)は設定の入力や表示を行う画面、図6(b)は結果の表示を行う画面、図6(c)は真空度推移グラフの表示を行う画面である。本実施の形態の制御装置71に接続される表示装置91には、これらの画面を表示しても良い。
各画面に表示する項目の一例としては、図6(a)に示す設定画面では、選択、名称、工程、圧力、時間の各項目がある。圧力には、真空排気完了判定真空度、真空排気完了真空度が設定され、時間には、判定基準となる真空排気時間が設定される。図6(b)に示す結果表示画面では、選択、名称、工程、圧力、時間の各項目や、番号(No.)に基づいた、結果記憶部80に記憶した試料室バルブ開後の試料室真空度、電子銃バルブ開放までの時間の項目がある。図6(c)に示す真空度推移グラフ表示画面では、真空度の推移などが表示される。また、試料の種類を表す名称などと関連させて表示しても良い。
また、これらの表示内容は、制御装置71に接続される出力装置92により装置外部へ出力する構成としても良い。
<第1の実施の形態の変形例>
第1の実施の形態の変形例について、図7、図8を用いて説明する。図7は、図4の変形例を示す走査電子顕微鏡の試料搬送系と真空排気系の制御工程フローの一例を示す図である。図8は、図5の変形例を示す走査電子顕微鏡の交換室と試料室の真空度の推移の一例を示す図である。
前記第1の実施の形態では、図4に示したステップS504は、真空排気完了判定真空度に第1の真空排気完了真空度と同じ値を用いたが、これらを分けても良い。一例としては、図7および図8に示すように、交換室10内の圧力が所定の真空排気完了判定真空度(P0)に達した場合(S503−Yes)に、真空排気時間が所定の値Thを超えたか否かを判定する(ステップS504)。この判定の結果、真空排気時間が所定の値Thを超えていない場合(S504−No)は第1の真空排気完了真空度(P1)を使用し、超えている場合(S504−Yes)は第1の真空排気完了真空度よりも高真空である第2の真空排気完了真空度(P2)を使用する。
そして、それぞれの真空排気完了真空度を使用して、交換室10内が第1の所定の真空度(P1)に達したか否か(ステップS512)、交換室10内が第2の所定の真空度(P2)に達したか否か(ステップS510)をそれぞれ判定し、この判定の結果、交換室10内の圧力が第1の所定の真空度に達した場合(S512−Yes)、交換室10内の圧力が第2の所定の真空度に達した場合(S510−Yes)にそれぞれ、次のステップS505に移行する。以降は、図4と同様である。
また、数点の時間と測定した真空度から真空度の推移の近似式を求めて真空排気時間などを予測計算して判定し、真空排気完了真空度を決めても良い。
また、ステップS504は、交換室10における真空排気時間が所定の値Thを超えたか否かで判定した例で説明したが、試料のガス放出量に関係がある項目であれば置き換えが可能である。他の例として、単位時間当たりの交換室10の真空度の変化量が所定の値を超えたか否かで判定しても良いし、圧力と時間の数点の通過点を所定の値と比較しても良いし、時間対真空度の推移の範囲をいくつかの領域(ゾーン)に分けたものと比較しても良い。
真空排気時間と真空排気完了真空度の組合せをデータベースに登録しておき、それを参照しつつ使用しても良い。
また、真空排気完了真空度をあらかじめ設定したものから選択的に使用する説明をしたが、真空排気完了真空度は、測定した真空排気時間などから計算によって求めても良い。
また、比較の基準とする所定の値は、1つの値ではなく複数の値を設けて、試料のガス放出量の度合いを複数に分類して、真空排気完了真空度を決めても良い。
また、比較の基準となる所定の値は、以前に、測定した真空排気時間と、それに基づいて選択あるいは求めた交換室10の真空排気完了真空度と、そのときの結果である試料室バルブ解放後の試料室9の真空度の電子銃弁体除去判定圧力に対する余裕度の情報から、新たな値を更新していくといった学習機能を備えても良い。
交換室排気時間と、試料室バルブ解放後に電子銃弁体除去までに要する時間の増減は、互いに相反する傾向にあるため、前述の学習機能で用いる判定基準である、試料室9の真空度の電子銃弁体除去判定圧力に対する余裕度を、(交換室排気時間)と(試料室バルブ解放後に電子銃弁体除去までに要した時間)の和が短くなる、すなわち交換室真空排気開始から電子銃バルブを開放するまでの時間が短くなることに置き換えても良い。
また、交換室10の真空度の推移に基づく判定から、排気完了真空度を切り替えたが、判定に基づいて図示していない上位制御部への報告、排気時間が所定の時間を超えて長時間かかった場合または長時間かかると予測された場合、警告を発生・記録したり、処理を中断するという処理をしても良い。
また、計測した排気時間から完了時間を予測して、表示や報告をしても良い。
処理中のウェハのガス放出量の判定情報や、排気時間の長時間化予測情報、排気完了予測時間などを、表示装置91への警告表示、出力装置92への警告出力や、上位の生産管理システムに報告し、装置ユーザはこの情報をもとに、プロセスの処理順序を修正するなどして、プロセスの効率向上を図ることに利用しても良い。
電子銃保護、電子線の安定度確保のために、試料室9と電子銃1の間の電子銃バルブを閉じて電子銃1の真空度悪化を防止する例で説明したが、試料室9内の高電圧にも放電防止のためのインターロックを設けていて、試料室9の真空度悪化時に高電圧をOFFにするように制御している場合も、同様に適用可能である。
<第1の実施の形態の効果>
以上説明した本実施の形態の走査電子顕微鏡によれば、電子源1a、試料台7、試料室9、交換室10の他、真空計42と時間カウント部73と統括制御部78などを備えることで、統括制御部78は、交換室10の真空度の推移(例えば、試料が交換室10にあるときの交換室10の真空排気時間、試料が交換室10にあるときの所定の時間間隔に対する交換室10の真空度の変化量)に基づいて、後続の処理内容を切り替える制御を行うことができる。
より詳細には、例えば、試料が交換室10にあるときの交換室10の真空排気時間の例においては、試料交換時に試料が交換室10にあるときの真空排気時間が長い場合は、ガス放出量が多い試料と判断してより高真空まで排気を継続し、真空排気時間が短い場合は、ガス放出量が少ない試料と判断して交換室10の排気完了判定真空度に所定の設定値を使用して短時間で排気完了することができる。
この場合に、第1の所定の真空度(P1)に到達する時間が短い場合は、交換室排気完了判定真空度に第1の所定の真空度(P1)を使用し、第1の所定の真空度(P1)に到達する時間が長い場合は、交換室排気完了判定真空度に第1の所定の真空度よりも高真空である第2の所定の真空度(P2)を使用することができる(図4、図5)。
あるいは、第1の所定の真空度(P0)に到達する時間が短い場合は、交換室排気完了判定真空度に第1の所定の真空度よりも高真空である第2の所定の真空度(P1)を使用し、第1の所定の真空度(P0)に到達する時間が長い場合は、交換室排気完了判定真空度に第2の所定の真空度よりも高真空である第3の所定の真空度(P2)を使用することができる(図7、図8)。
また、例えば、試料が交換室10にあるときの所定の時間間隔に対する交換室10の真空度の変化量の例においても、所定の真空度に到達したときの真空度の変化量が大きい場合は、交換室排気完了判定真空度に第1の所定の真空度を使用し、所定の真空度に到達したときの真空度の変化量が小さい場合は、交換室排気完了判定真空度に第1の所定の真空度よりも高真空である第2の所定の真空度を使用することができる。
このように、本実施の形態の走査電子顕微鏡によれば、ガス放出量が多い試料と少ない試料の交換室真空排気完了判定値を切り替えることにより、ガス放出量が多い試料では試料室9の真空度低下による処理の中止や長時間の中断が抑えられ、かつ、ガス放出量が少ない試料では交換室10の排気時間の長時間化を防止することの両立が可能となり、両方の試料に好適でスループットを維持した装置の提供が可能となる。
また、本実施の形態の走査電子顕微鏡を使用するユーザのメリットとして、ガス放出量が多い試料も測定できることや、試料からのガス放出量の大小を区別せずに測定でき、かつ、ガス放出量が少ない試料でのスループット低下を防止できることがあげられる。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態について、図9を用いて、前述した図1および図2も参照しながら説明する。
前述した第1の実施の形態においては、排気時間が長くなる場合でも現在排気している試料の排気が終了しないと次の試料を排気することができず、次の試料が、ガス放出量が少ない試料であって短時間で排気できる場合でも、現在排気中の試料を待たなくてはならない。このため、ガス放出量が少ない試料であっても、処理順番が、ガス放出量が多い試料の後になると、処理終了まで長時間を要することが懸念される。
よって、短時間で排気できる試料が、排気に長時間を要する試料の処理を待たないことが可能となる走査電子顕微鏡が求められる。
本実施の形態では、このような場合に、排気時間が長くかかると予測される試料を一時的に別の交換室に退避して、次の試料の排気を行う方法を説明する。
<走査電子顕微鏡の構成>
図9は、前述した図1に示した走査電子顕微鏡において、交換室の変形例を示す試料搬送系の上視の一例を示す図である。図9を用いて、第2の実施の形態の試料の搬送および真空排気の方法について説明する。図9(a)と図9(b)とは、試料の搬送および真空排気の方法が異なる例である。
図9(a)は、前述した図2に例示した交換室10の横に、試料排気室51を備えたものである。この試料排気室51には、試料排気室バルブ52、試料排気室51と交換室10との間で試料を搬送する試料搬送ロボット53、真空計44が設けられている。
図9(a)において、交換室10にウェハ6aを搬送した後、交換室10での真空排気時間の長さから判定して真空排気に長時間かかると予測された場合には、試料排気室バルブ52を開放し、試料搬送ロボット53でウェハ6bを試料排気室51に退避して、試料排気室バルブ52を閉鎖する。試料排気室51内を、図示していない試料排気室ポンプで継続して真空排気する。
次に、次の順番のウェハ6をウェハケース13から交換室10に搬送した後、前述と同様の手順で真空排気した後、試料室9に移送し、試料排気室51に退避したウェハ6bよりも先に測定処理を行う。試料排気室51に退避したウェハ6bについては、真空計44を介してモニタした試料排気室51内の圧力が所定値に達したら、現在処理中のウェハ6cの次の順番として、交換室10に戻した後に試料室9に移送し、測定処理を行う。
これにより、次の順番のウェハは、前の順番のガス放出量が多く真空排気に長時間かかるウェハの処理を待たないで処理することが可能となる。
また、前述の次の順番のウェハを交換室10に搬送したときに、試料排気室51に退避したウェハと、後から交換室10に搬送したウェハで真空排気が早く完了した方から先に試料室9に移送し、測定処理を行うようにしても良い。また、試料排気室51に退避したウェハと、後から交換室10に搬送したウェハの両方のウェハの真空排気が所定の真空排気時間を超えて長時間かかると予測された場合は、いずれかのウェハを一旦ウェハケース13に戻して、次のウェハ6をウェハケース13から交換室10に移送して処理を行うようにしても良い。これにより、ガス放出量が少ないウェハが優先的に処理されるようになる。ガス放出量が少ないウェハをどの程度優先するかは、ウェハを一旦ウェハケース13に戻す判断基準となる所定の真空排気時間を設定可能とすることなどで調節することも可能である。
また、試料排気室51を備える場合の変形例として、試料排気室51には複数のウェハを格納可能な構造としたり、試料排気室51を複数設けて複数のウェハを退避させても良い。複数設ける試料排気室51の位置は、試料排気室51から見て交換室10の反対側でも良いし、交換室10から見て試料排気室51の反対側でも良い。
次に、上述した図9(a)とは異なる別の方法について、図9(b)を用いて説明する。図9(b)は、前述した図2に例示した交換室10の横に、別の交換室54を備えたものである。この別の交換室54には、試料室バルブ8a、交換室バルブ14a、交換室54と試料室9との間で試料を搬送する試料搬送ロボット55、真空計45が設けられている。
図9(b)において、交換室10にウェハ6aを搬送した後、第1の実施の形態と同様の手順で、ガス放出量に合わせた交換室10での真空排気処理を行う。一方、交換室54にも次のウェハ6aを搬送した後、第1の実施の形態と同様の手順で、ガス放出量に合わせた交換室54での真空排気処理を行う。交換室54内の圧力は、真空計45でモニタする。交換室10と交換室54で真空排気が早く完了した方から先に試料室9にウェハ6bを移送し、測定処理を行う。測定処理後のウェハ6cを、ウェハケース13に移送する。続いて、次の順番のウェハ6をウェハケース13から、交換室10か交換室54のいずれかの空いている交換室にて、同様にガス放出量に合わせた交換室での真空排気処理を行い、交換室10と交換室54で真空排気が早く完了した方から先に試料室9にウェハ6bを移送し、測定処理を行う。前記次の順番のウェハは前の順番のウェハの測定処理中に、ウェハケースから交換室10か54のいずれかの空いている方に入れて真空排気しても良い。
交換室10と交換室54の両方のウェハ6bの真空排気が所定の真空排気時間を超えて長時間かかると予測された場合は、いずれかのウェハ6bを一旦ウェハケース13に戻して、次のウェハ6をウェハケース13から交換室に移送して処理を行うようにしても良い。これにより、ガス放出量が少ないウェハが優先的に処理されるようになる。ガス放出量が少ないウェハをどの程度優先するかは、ウェハを一旦ウェハケース13に戻す判断基準となる所定の真空排気時間を設定可能とすることなどで調節することも可能である。
また、別の交換室54を備える場合の変形例として、交換室を図9(b)に示した2つを超えて複数設けても良い。図9(a)の実施の形態との組合せで、図9(b)の複数の交換室にも試料排気室51を設けても良い。
<第2の実施の形態の効果>
以上説明した本実施の形態の走査電子顕微鏡によれば、第1の実施の形態と同様に、ガス放出量が多い試料では試料室9の真空度低下による処理の中止や長時間の中断が抑えられ、かつ、ガス放出量が少ない試料では交換室10の排気時間の長時間化を防止することの両立が可能となり、両方の試料に好適でスループットを維持した装置の提供が可能となる。
さらに、本実施の形態によれば、試料排気室51を備えることで、交換室10の排気時間が長いか、または交換室10の真空度の変化量が小さく、試料からのガス放出量が多いと判断した場合に、試料排気室51に試料を退避して真空排気を行うことができる。また、交換室10とは別の交換室54を備える場合などにおいても同様である。この結果、ガス放出量が少ない試料はガス放出量が多い試料の処理を待たないことで、ガス放出量が少ない試料のスループットを維持した装置の提供が可能となる。また、ガス放出量が多い試料は退避中にも同時並行で真空排気が行われるため、全試料の合計処理時間の短縮も期待できる。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態について、前述した図1、図9(a),(b)を参照しながら説明する。
第3の実施の形態では、試料からのガス放出量が多いと判断した場合に、補助的な構成によりガス放出を加速させて排気時間を短縮させる方法を組み合わせる。
一つの例は、前述した図1に例示した走査電子顕微鏡において、試料室ポンプ9aと交換室ポンプ10aとは別に、交換室10と試料室9を切り替えて真空排気できるように接続した図示していない真空ポンプを備える。このように切り替えて接続した真空ポンプで、交換室10と試料室9とで、ガス放出量が多いと判定したウェハが移送された側を真空排気するように制御する。
また、別の例は、前述した図2、図9(a),(b)において、交換室10,54や試料排気室51で試料を加熱処理する試料加熱処理機構を備える。ガス放出量が多いと判定した場合には、試料の加熱処理を行いながら真空排気する。試料加熱処理の可否をウェハ個別情報などから判断した上で行うことが良い。
以上説明した本実施の形態の走査電子顕微鏡によれば、第1および第2の実施の形態と同様に、ガス放出量が多い試料では試料室9の真空度低下による処理の中止や長時間の中断が抑えられ、かつ、ガス放出量が少ない試料では交換室10の排気時間の長時間化を防止することの両立が可能となり、両方の試料に好適でスループットを維持した装置の提供が可能となる。
さらに、本実施の形態によれば、真空ポンプを備えることで、交換室10の排気時間が長いか、または交換室10の真空度の変化量が小さく、ガス放出量が多いと判定した試料が移送された交換室10または試料室9のいずれかを真空排気するように制御することができる。また、試料加熱処理機構を備える場合は、試料からのガス放出量が多いと判断した場合に、試料を加熱処理しながら真空排気することができる。この結果、ガス放出量が多い試料は、真空ポンプや試料加熱処理機構などの補助的な構成によりガス放出を加速させて排気時間を短縮させることが可能となる。
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態について、前述した図1を参照しながら説明する。
前述した第1〜第3の実施の形態では、交換室10での真空排気時間からウェハのガス放出量の大小を判定してその後の処理を選択したが、第4の実施の形態では、ウェハの個別情報に付加したガス放出量に関する情報を元にして、試料搬送、真空排気処理方法を選択する。
そのために、第4の実施の形態では、試料の固有情報を取得する手段を備える。例えば、前述した図3に例示した制御装置71において、この制御装置71に接続される情報取得装置93などを備える。この情報取得装置93で読み取った試料の固有情報に付加したガス放出量に関する情報は制御装置71に取り込み、試料搬送、真空排気処理方法の選択に用いる。
前記ガス放出量に関する情報は、ガス放出量の大小を直接的に示すものでも良いし、これまで経由してきたプロセス情報を解析して判断しても良いし、装置とは別の製造工程管理システムからの情報や指示に基づいても良いし、データベースを参照するものでも良い。
以上説明した本実施の形態の走査電子顕微鏡によれば、第1〜第3の実施の形態と同様に、ガス放出量が多い試料では試料室9の真空度低下による処理の中止や長時間の中断が抑えられ、かつ、ガス放出量が少ない試料では交換室10の排気時間の長時間化を防止することの両立が可能となり、両方の試料に好適でスループットを維持した装置の提供が可能となる。
さらに、本実施の形態によれば、試料の固有情報を取得する情報取得装置93を備えることで、統括制御部78は、情報取得装置93が取得した試料の固有情報(例えば、試料からのガス放出量に関係する情報)に基づいて、後続の処理内容を切り替える制御を行うことができる。
より詳細には、例えば、試料からのガス放出量が少ないと判断した場合には、交換室排気完了判定真空度に第1の所定の真空度を使用し、試料からのガス放出量が多いと判断した場合には、交換室排気完了判定真空度に第1の所定の真空度よりも高真空である第2の所定の真空度を使用することができる。この結果、試料の個別情報に付加したガス放出量に関する情報を元にして、試料搬送、真空排気処理方法を選択することが可能となる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
本発明の荷電粒子線装置は、特に、荷電粒子線装置の予備排気室と、荷電粒子線の照射対象である試料が配置される試料室との間に、弁体を備えた荷電粒子線装置に利用可能である。例えば、走査電子顕微鏡、集束イオンビーム装置や、試料室の真空度の変化によってビーム源が影響を受ける可能性がある装置に適用可能である。
1 電子銃
1a 電子源
2 鏡体
3 コンデンサーレンズ
4 対物レンズ
6、6a〜6c ウェハ
7 試料台
8、8a 試料室バルブ
9 試料室
9a 試料室ポンプ
10 交換室
10a 交換室ポンプ
11 局所排気室
12 試料搬送ロボット
13 ウェハケース
14、14a 交換室バルブ
15 弁体受け
16 弁体
17 絞り
18 弁体駆動系
41 試料搬送ロボット
42 真空計
43 真空計
44 真空計
45 真空計
51 試料排気室
52 試料排気室バルブ
53 試料搬送ロボット
54 交換室
55 試料搬送ロボット
71 制御装置
72 圧力モニタ部
73 時間カウント部
74 真空ポンプ制御部
75 試料バルブ開閉制御部
76 試料搬送用ロボット制御部
77 弁体制御部
78 統括制御部
79 条件記憶部
80 結果記憶部
91 表示装置
92 出力装置
93 情報取得装置

Claims (10)

  1. 荷電粒子源と、
    前記荷電粒子源から放出される荷電粒子ビームが照射される試料を保持するための試料台と、
    前記試料台に保持される前記試料が存在する雰囲気を真空状態とする試料室と、
    前記試料室に導入される前記試料の雰囲気を真空排気する試料交換室と、
    前記試料交換室の内部の圧力を測定する真空計と、
    前記真空計による測定結果が所定の真空度に到達するまでの時間を計測する時間計測部と、
    前記時間計測部による計測結果に基づいた比較演算と判定、および処理フローに基づいた統括制御を行う統括制御部と、を備え、
    前記統括制御部は、前記試料交換室の真空度の推移に基づいて、後続の処理内容を切り替える制御を行い、
    前記試料交換室の真空度の推移は、前記試料が前記試料交換室にあるときの前記試料交換室の真空排気時間により判定し、
    前記試料交換室の真空排気時間による判定は、
    第1の所定の真空度に到達する時間が所定の時間よりも短い場合は、交換室排気完了判定真空度に前記第1の所定の真空度を使用し、
    前記第1の所定の真空度に到達する時間が前記所定の時間よりも長い場合は、前記交換室排気完了判定真空度に前記第1の所定の真空度よりも高真空である第2の所定の真空度を使用することを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 荷電粒子源と、
    前記荷電粒子源から放出される荷電粒子ビームが照射される試料を保持するための試料台と、
    前記試料台に保持される前記試料が存在する雰囲気を真空状態とする試料室と、
    前記試料室に導入される前記試料の雰囲気を真空排気する試料交換室と、
    前記試料交換室の内部の圧力を測定する真空計と、
    前記真空計による測定結果が所定の真空度に到達するまでの時間を計測する時間計測部と、
    前記時間計測部による計測結果に基づいた比較演算と判定、および処理フローに基づいた統括制御を行う統括制御部と、を備え、
    前記統括制御部は、前記試料交換室の真空度の推移に基づいて、後続の処理内容を切り替える制御を行い、
    前記試料交換室の真空度の推移は、前記試料が前記試料交換室にあるときの前記試料交換室の真空排気時間により判定し、
    前記試料交換室の真空排気時間による判定は、
    第1の所定の真空度に到達する時間が所定の時間よりも短い場合は、交換室排気完了判定真空度に前記第1の所定の真空度よりも高真空である第2の所定の真空度を使用し、
    前記第1の所定の真空度に到達する時間が前記所定の時間よりも長い場合は、前記交換室排気完了判定真空度に前記第2の所定の真空度よりも高真空である第3の所定の真空度を使用することを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 荷電粒子源と、
    前記荷電粒子源から放出される荷電粒子ビームが照射される試料を保持するための試料台と、
    前記試料台に保持される前記試料が存在する雰囲気を真空状態とする試料室と、
    前記試料室に導入される前記試料の雰囲気を真空排気する試料交換室と、
    前記試料交換室の内部の圧力を測定する真空計と、
    前記真空計による測定結果が所定の真空度に到達するまでの時間を計測する時間計測部と、
    前記時間計測部による計測結果に基づいた比較演算と判定、および処理フローに基づいた統括制御を行う統括制御部と、を備え、
    前記統括制御部は、前記試料交換室の真空度の推移に基づいて、後続の処理内容を切り替える制御を行い、
    前記試料交換室の真空度の推移は、前記試料が前記試料交換室にあるときの所定の時間間隔に対する前記試料交換室の真空度の変化量により判定し、
    前記試料交換室の真空度の変化量による判定は、
    所定の真空度に到達したときの真空度の変化量が所定の変化量よりも大きい場合は、交換室排気完了判定真空度に第1の所定の真空度を使用し、
    前記所定の真空度に到達したときの真空度の変化量が前記所定の変化量よりも小さい場合は、前記交換室排気完了判定真空度に前記第1の所定の真空度よりも高真空である第2の所定の真空度を使用することを特徴とする荷電粒子線装置。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の荷電粒子線装置において、
    試料排気室をさらに備え、
    前記試料交換室の真空排気時間が長いか、または前記試料交換室の真空度の変化量が小さく、前記試料からのガス放出量が多いと判断した場合に、前記試料排気室に前記試料を退避して真空排気を行うことを特徴とする荷電粒子線装置。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の荷電粒子線装置において、
    前記試料交換室と前記試料室とを切り替えて真空排気できるように接続した真空ポンプをさらに備え、
    前記試料交換室の真空排気時間が長いか、または前記試料交換室の真空度の変化量が小さく、ガス放出量が多いと判定した試料が移送された前記試料交換室または前記試料室のいずれかを真空排気するように前記真空ポンプを制御することを特徴とする荷電粒子線装置。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の荷電粒子線装置において、
    試料加熱処理機構をさらに備え、
    前記試料からのガス放出量が多いと判断した場合に、前記試料を前記試料加熱処理機構により加熱処理しながら真空排気することを特徴とする荷電粒子線装置。
  7. 荷電粒子源と、
    前記荷電粒子源から放出される荷電粒子ビームが照射される試料を保持するための試料台と、
    前記試料台に保持される前記試料が存在する雰囲気を真空状態とする試料室と、
    前記試料室に導入される前記試料の雰囲気を真空排気する試料交換室と、
    前記試料交換室の内部の圧力を測定する真空計と、
    前記試料の固有情報を取得する情報取得装置と、
    前記情報取得装置による取得情報に基づいた比較演算と判定、および処理フローに基づいた統括制御を行う統括制御部と、を備え、
    前記統括制御部は、前記情報取得装置が取得した前記試料の固有情報に基づいて、後続の処理内容を切り替える制御を行い、
    前記情報取得装置が取得した試料の固有情報は、前記試料からのガス放出量に関係する情報を含み、
    前記試料からのガス放出量が少ないと判断した場合には、交換室排気完了判定真空度に第1の所定の真空度を使用し、
    前記試料からのガス放出量が多いと判断した場合には、前記交換室排気完了判定真空度に前記第1の所定の真空度よりも高真空である第2の所定の真空度を使用することを特徴とする荷電粒子線装置。
  8. 請求項に記載の荷電粒子線装置において、
    前記ガス放出量に関係する情報は、前記試料がこれまでに経由してきたプロセス情報を解析して判定することを特徴とする荷電粒子線装置。
  9. 請求項1〜のいずれか一項に記載の荷電粒子線装置において、
    前記試料に関係する情報としての、処理中の試料のガス放出量の判定情報、排気時間の長時間化予測情報、および排気完了予測時間を表示する表示装置をさらに備え、
    前記試料に関係する情報を前記表示装置に表示することを特徴とする荷電粒子線装置。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載の荷電粒子線装置において、
    前記試料に関係する情報としての、処理中の試料のガス放出量の判定情報、排気時間の長時間化予測情報、および排気完了予測時間を装置外部へ出力する出力装置をさらに備え、
    前記試料に関係する情報を前記出力装置により装置外部へ出力することを特徴とする荷電粒子線装置。
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