JP5863923B1 - スクリーン印刷版およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】容易に製造でき、品質の低下を抑制することができるスクリーン印刷版およびその製造方法の提供。【解決手段】スキージで刷り込まれたインクで被印刷物に印刷するスクリーン印刷版11であって、支持体14と、支持体14に支持される多孔質層15と、を有し、多孔質層15は、スキージ側の表面15aからスキージとは反対側の裏面15bまで連なる連続気孔21を有する感光性樹脂材からなる。【選択図】図2

Description

本発明は、スクリーン印刷版およびその製造方法に関する。
スクリーンメッシュの目開きを微細化することを目的として、金属酸化物の微粒子を含むペーストを金属メッシュ上に平面状に塗り拡げ、焼成して多孔質体を形成するスクリーン印刷版がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−69399号公報
上記のスクリーン印刷版では、焼成を伴うため、製造が容易ではなく、また、高温となることから、歪んだり、脆くなったり等、品質の低下を招いてしまう可能性がある。
本発明は、容易に製造でき、品質の低下を抑制することができるスクリーン印刷版およびその製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るスクリーン印刷版は、スキージで刷り込まれたインクで被印刷物に印刷するスクリーン印刷版であって、スクリーンメッシュまたは全面に細孔が形成された薄板を有する支持体と、前記スクリーンメッシュまたは前記薄板が埋め込まれた状態で前記スクリーンメッシュまたは前記薄板に支持される多孔質層と、前記多孔質層の前記スキージとは反対側の裏面に設けられる、画像パターンに応じたインク通過部を有する画像パターン形成層と、を有し、前記多孔質層は、前記スキージ側の表面から前記スキージとは反対側の裏面まで連なる連続気孔を有する感光性樹脂材からなることを特徴とする。
前記多孔質層の前記裏面には、前記連続気孔に繋がり前記連続気孔よりも開口面積が大きい凹部が形成されていても良い。
前記多孔質層には、前記表面および前記裏面に開口し前記連続気孔よりも通路面積が大きい直線状の貫通孔が形成されていても良い。
本発明に係るスクリーン印刷版の製造方法は、感光剤に露光後に除去可能な微粒子を混入する混入工程と、前記感光剤を前記支持体に塗布する塗布工程と、前記感光剤を露光処理する露光工程と、前記微粒子を除去して前記連続気孔を形成する除去工程と、を含むことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、スキージ側の表面からスキージとは反対側の裏面まで連なる連続気孔を有する多孔質層が、感光性樹脂材からなるため、製造が容易であり、製造時に高温にならずに品質の低下を抑制できる。
また、多孔質層の裏面に、画像パターンに応じたインク通過部を有する画像パターン形成層が形成されているため、画像パターンを印刷することができる。
請求項2に係る発明によれば、多孔質層が感光性樹脂材からなるため、多孔質層におけるスキージとは反対側の裏面にインクの量を増すため連続気孔より開口面積が大きい凹部を設ける場合に、多孔質層のスキージとは反対側からの露光処理時に対応する部分を未露光部分とし、その後、スキージ側から、スキージとは反対側から与えたのよりも弱い露光を与え、未露光部分を現像処理で除去することで容易に凹部を形成することができる。スキージ側から、スキージとは反対側から与えたのよりも弱い露光を与えると、その露光の弱さに応じた深さの凹部を設けることができる。
請求項3に係る発明によれば、多孔質層が感光性樹脂材からなるため、多孔質層にインクの量を増すため連続気孔より通路面積が大きい直線状の貫通孔を設ける場合に、多孔質層の露光処理時に対応する部分を未露光部分とし、これを現像処理で除去することで容易に貫通孔を形成することができる。
請求項に係る発明によれば、感光剤に露光後に除去可能な微粒子を混入し、この感光剤を支持体に塗布して、感光剤を露光処理すると、微粒子が混入した感光性樹脂材が形成される。そして、この感光性樹脂材から微粒子を除去して連続気孔を形成する。これにより、連続気孔が形成された多孔質層を感光性樹脂材で形成することが容易にできる。
本発明に係る一実施形態のスクリーン印刷版を概略的に示す平面図である。 本発明に係る一実施形態のスクリーン印刷版を概略的に示す図1のX−X断面図である。 本発明に係る一実施形態のスクリーン印刷版を概略的に示す第1塗布工程後の図1のX−X対応断面図である。 本発明に係る一実施形態のスクリーン印刷版を概略的に示す第2塗布工程後の図1のX−X対応断面図である。 本発明に係る一実施形態のスクリーン印刷版の変形例を概略的に示す図1のX−X対応断面図である。 本発明に係る一実施形態のスクリーン印刷版の別の変形例を概略的に示す図1のX−X対応断面図である。
本発明に係る一実施形態のスクリーン印刷版を図面を参照して以下に説明する。
本実施形態のスクリーン印刷版11は、図示略のスキージで摺り込まれたインクでスキージとは反対側に配置された被印刷物に画像パターンを印刷するものであり、具体的には、プリンタブルエレクトロニクスなどの半導体デバイスを印刷工法で製造する際に用いられるものである。なお、通常の電子部品でも薄膜を要求されるものや、バイオや医療などの現場で現状よりも薄膜や微細な印刷が要求される際にも使用可能である。
図1に示すように、スクリーン印刷版11は、金属製で高剛性の四角枠状の版枠材12と、伸長された緊張状態で版枠材12に貼り付けられて固定される金属製のスクリーンメッシュ13とを有する紗張り品である支持体14と、支持体14に支持される多孔質層15とを有している。多孔質層15は、スクリーンメッシュ13の版枠材12から離れた内側範囲に形成されている。
図2に示すように、多孔質層15は、その厚さ方向の一側に偏った位置が支持体14のスクリーンメッシュ13に支持されている。スクリーンメッシュ13は多孔質層15に埋め込まれた状態で多孔質層15を支持している。スクリーン印刷版11は、多孔質層15を支持体14からスキージとは反対側つまり被印刷物側(図2の下側)に突出させる姿勢で使用される。多孔質層15には、支持体14側つまりスキージ側に配置される表面15aから、支持体14とは反対側つまり被印刷物側の裏面15bまで連なる連続気孔21が多数形成されている。表面15aと裏面15bとは略平行をなしている。
スクリーン印刷版11は、多孔質層15の厚さ方向のスキージとは反対側に形成される画像パターン形成層16を有している。画像パターン形成層16は、多孔質層15の範囲に形成されており、多孔質層15よりも厚さが薄くなっている。画像パターン形成層16には、画像パターンに応じたインク通過部22が厚さ方向に貫通して形成されている。画像パターン形成層16は、インクの通過が可能なインク通過部22と、インクの通過が不可となる版膜部23とからなっている。インク通過部22は、被印刷物に印刷される画像パターンに相当する形状をなしている。多孔質層15の多数の連続気孔21にはインク通過部22に開口するものも多数存在している。
スクリーン印刷版11は、多孔質層15の表面15a側に配置される図示略のスキージで摺り込まれたインクを多孔質層15の連続気孔21を介して多孔質層15の裏面15b側に設けられた画像パターン形成層16のインク通過部22に通過させる。これにより、インク通過部22を通過したインクが、画像パターン形成層16のスキージとは反対側に配置された被印刷物に、インク通過部22の形状を転写した画像パターンとなって印刷される。画像パターン形成層16は、感光性樹脂材からなっている。
スクリーン印刷版11は、より具体的には、被印刷物に細線状の回路パターンを形成するため、直線状の細溝形状をなしている。なお、図面においては説明の便宜上一つの直線状のインク通過部22を図示しているが、実際には複数のインク通過部が形成されるのが一般的である。また、直線状に限らず、曲線状であっても良く、ドット形状でも良い。直線状、曲線状、ドット形状のうちの少なくとも二つの組み合わせであっても良い。さらには一面を均一に塗りつぶすベタ形状でも良い。ベタ形状とする場合、画像パターン形成層16でインクの出る範囲を限定するのが通常であるが、画像パターン形成層16をなくして印刷することも可能である。
そして、本実施形態のスクリーン印刷版11は、多孔質層15も感光性樹脂材からなっている。
次に、本実施形態のスクリーン印刷版11の製造方法について工程順に説明する。
露光により固化・硬化する感光剤である感光性樹脂乳剤に、感光性樹脂乳剤の露光による固化・硬化後に除去可能となる微粒子を混入して攪拌する混入工程を行う。ここで、感光性樹脂乳剤としては、例えば、ポリビニルアルコールとアクリルモノマーとを所定の比率で混合しエマルジョン化したものを使用する。また、露光後に除去可能な微粒子としては、例えば、流動パラフィンを使用する。
上記のように微粒子が混入された多孔質層形成用の感光性樹脂乳剤Aを、図3に示すように支持体14のスクリーンメッシュ13の内側所定範囲に塗布する第1塗布工程(塗布工程)を行う。その際に、多孔質層形成用の感光性樹脂乳剤Aを、スクリーンメッシュ13が厚さ方向一側に偏って配置されるようにして所定の略一定の厚さとなるように塗布する。多孔質層形成用の感光性樹脂乳剤Aの塗布は必要に応じ、塗布・乾燥を繰り返すことで、要求する厚みを得ることができるとともに、表面形状を平滑にすることができる。
上記のように支持体14に塗布された多孔質層形成用の感光性樹脂乳剤Aの全体に光を照射して露光処理する第1露光工程(露光工程)を行う。これにより、微粒子が混入された状態で感光性樹脂乳剤Aが感光し固化して、微粒子を含む感光性樹脂材となる。
上記のように固化した感光性樹脂材から微粒子を除去して連続気孔を形成する除去工程を行う。例えば、感光性樹脂材を有機溶剤で洗浄することで微粒子を洗い流す。これによって、図4に示すように表面15aから裏面15bまで連なる連続気孔21が多数形成された多孔質層15が形成される。連続気孔21は、スクリーンメッシュ13の隙間よりも通路面積が小さく、密度も大きい。表面15aおよび裏面15bは、除去工程により形成された孔および連続気孔21を除いては、平坦な形状をなしている。
上記のように形成された多孔質層15の裏面15bに、図4に示すように画像パターン形成層形成用の感光性樹脂乳剤Bを塗布する第2塗布工程を行う。その際に、感光性樹脂乳剤Bが所定の略一定の厚さとなるように裏面15bの全体に塗布する。感光性樹脂乳剤Bの塗布は必要に応じ、塗布・乾燥を繰り返すことで、要求する厚みを得ることができるとともに、表面形状を平滑にすることができる。
上記のように多孔質層15の裏面15bに塗布された感光性樹脂乳剤Bに画像パターンを除いて紫外線で露光処理する第2露光工程を行う。これにより、感光性樹脂乳剤が画像パターンを除いて感光し固化する。具体的には、画像パターンに応じた遮光部が形成された図示略のフォトマスクを感光性樹脂乳剤Bの多孔質層15とは反対側に重ねるように配置して、フォトマスクの多孔質層15とは反対側に配置された図示せぬ光源から、フォトマスクを介して感光性樹脂乳剤Bに光を照射する。すると、フォトマスクにおいては遮光部で光が遮光され、遮光部以外の部分では光が透過することになって、フォトマスクに形成された遮光部の影になって露光されない未露光部分とその周囲において遮光部の影にならずに露光される露光固化部分とを有する感光性樹脂材が形成されることになる。あるいは、紫外線照射装置によりパターン状に紫外線照射を行うことで、感光性樹脂乳剤を未露光部分を残して硬化させても良い。
上記のように露光固化部分と未露光部分とを有する感光性樹脂材を水で洗う等して未露光部分を除去する現像工程を行う。これにより、図2に示すように、未露光部分が除去されて画像パターンに応じたインク通過部22が厚さ方向に貫通して形成された画像パターン形成層16が形成される。以上のようにして、スクリーン印刷版11が得られる。
このようなスクリーン印刷版11のスキージ側にインクを置き、このインクをスキージですり擦り込む。すると、インクが、多孔質層15に表面15a側から摺り込まれ、多孔質層15に染み込み、多孔質層15の多数の連続気孔21を通過して裏面15b側に至る。そして、画像パターン形成層16のインク通過部22以外の位置に開口する連続気孔21からはインクが被印刷物側に吐出せず、インク通過部22に開口する連続気孔21からはインクがインク通過部22を通過して被印刷物側に吐出し被印刷物に付着する。これにより、インクがインク通過部22の形状を転写した画像パターンとなって被印刷物に印刷される。その際に、多孔質層15の全体にインクを染み込ませた状態で、スキージでインクを刷り込みつつ画像パターン形成層16を被印刷物に圧着させて印刷を行う。ここで、インクは、連続気孔21を通過中にこれよりも通路面積が大きいスクリーンメッシュ13の隙間をも通過する。
以上に述べた本実施形態のスクリーン印刷版11によれば、スキージ側の表面15aから画像パターン形成層16側の裏面15bまで連なって画像パターン形成層16のインク通過部22に開口する連続気孔21を有する多孔質層15が、感光性樹脂材からなるため、製造が容易であり、製造時に高温にならずに品質の低下を抑制できる。
また、感光性樹脂乳剤に露光後に除去可能な微粒子を混入し、この感光性樹脂乳剤を支持体14に塗布して、感光性樹脂乳剤を露光処理すると、微粒子が混入した感光性樹脂材が形成される。そして、この感光性樹脂材から微粒子を除去して連続気孔21を形成する。これにより、連続気孔21が形成された多孔質層15を感光性樹脂材で形成することが容易にできる。
ここで、スクリーン印刷法は、金属や樹脂や木などでできた枠にスクリーンメッシュを張り、これに樹脂被膜などで所定のパターンを形成したスクリーン印刷版を用いて、スクリーンメッシュの樹脂被膜のないスクリーン部分からインクを押し出して印刷を行う方法である。このスクリーン印刷法は、比較的厚い印刷塗膜が得られること、被印刷物の種類をあまり限定しないなどの特徴により、様々な分野で利用されている。例えば、電子部品の製造工程においては導電性ペーストを被印刷物へ印刷して回路の通電部を形成したり、絶縁体ペーストを被印刷物へ印刷して回路の通電部への短絡を防止したり、レジストインクを被印刷物へ印刷してめっきやエッチングから被印刷物を保護するなどの用途がある。
スクリーン印刷法での印刷塗膜の厚みは、スクリーンメッシュの開口率、スクリーンメッシュの厚み、所定のパターンを形成した樹脂被膜の厚みなどにより影響を受けるが、例えば積層セラミックコンデンサの内部電極ペーストの印刷においては、直径15μmのステンレスワイヤが1インチ当たり640本ずつ縦横に並んでいるスクリーンメッシュにカレンダ加工と呼ばれる圧延加工を施し、所定の厚みまで圧延したスクリーンメッシュを使用し、その上に1μm厚程度の樹脂被膜により所定のパターンを形成したスクリーン印刷版を用いている。このようなスクリーン印刷版を用いることにより、内部電極ペーストの乾燥後に塗布厚み1μm程度を実現することができている。
しかしながら、パターンの微細化に伴いパターンの開口幅が狭くなると、スクリーンメッシュ自体がペーストの吐出を妨げてしまうので、スクリーンメッシュの開口部と開口部でない部分でのペーストの塗布量が変化してしまい、パターン内部に均一の厚みで内部電極ペーストを行き渡らせるのが困難になる。
また、カレンダ加工によりスクリーンメッシュの厚みを薄く圧延することで、スクリーンメッシュの開口部内に保持されるインクの量が少なくなり、結果的に薄い印刷塗布厚が得られるが、カレンダ加工により薄くできるスクリーンメッシュの厚みにも限界があり、一般的にはそのスクリーンメッシュを構成するワイヤの直径と同じくらいの厚みにするのが限界となっている。そのために一定以上薄い印刷塗布厚を得るのにも限界がある。印刷塗膜の厚みをできるだけ薄く、均一にした微細配線を実現するためには、より細いワイヤを高密度に並べたスクリーンメッシュを使用する必要があるが、そのようなスクリーンメッシュは非常に高価になることと、現状では900本/インチのスクリーンメッシュまでしか現実的に入手可能なものがなく、希望する薄い印刷塗膜を得るには限界があり、なおかつスクリーンメッシュを使用するからには前述した均一な塗布が困難であるという問題も内包している。
本実施形態のスクリーン印刷版11は、多孔質層15を有するため、印刷位置精度を確保した上で一定の厚みが必要とされる部分においては均一な厚みでインクを微細パターン内に塗布することができる。
また、多数の連続気孔21は通路面積がスクリーンメッシュ13の開口の通路面積よりも小さいため、より粘度が低く固形分量が少ないインクをも保持することができる。
また、多孔質層15に形成された連続気孔21の数を、現状存在する金属製スクリーンメッシュの最大メッシュカウント数よりもさらに大きくできるため、インクを均一にインク通過部22に行き渡らせることができる。
また、多数の連続気孔21は種々の方向に向いていることから、スクリーンメッシュ13を構成するワイヤの真裏(つまり影となる部分)からもインクが吐出することになる。
また、連続気孔21と連続気孔21とを隔てる感光性樹脂材の被膜の幅を、スクリーンメッシュ13を構成するワイヤの直径よりもさらに小さくすることができるため、インクの通過を妨げる可能性を低くすることができる。
また、多孔質層15の被印刷物側の裏面15bに形成された、感光性樹脂材により形成されたインクの吐出を抑制する画像パターン形成層16は、必要に応じた厚みで多孔質層15の裏面15bのみに形成されていれば良いので、従来のスクリーン印刷版のようにスクリーンメッシュに食い込むように画像パターン形成層16を形成しなくても済む。その結果、画像パターン形成層16を形成する感光性樹脂材の必要量が少なくなるので、露光・現像により硬化・除去する感光性樹脂の量も減じることができ、過露光や現像不良により感光性樹脂がインクを通過させる通過部を塞いでしまう可能性を減らすことができる。
また、スクリーンメッシュ13の表面に反射した紫外線が、意図しない部分の感光性樹脂材を硬化させてしまう現象も、画像パターンを形成する感光性樹脂材が直接スクリーンメッシュ13と接していないために、発生を抑制することができる。
従来のスクリーン印刷版では、インクを通過させる通過部が、枠に伸長固定されたスクリーンメッシュにより形成され、そのスクリーンメッシュ上にインクの吐出を抑制する画像パターン形成層を形成することにより構成されていた。つまり、従来のスクリーン印刷版では、支持体のスクリーンメッシュがインクの通過量の決定・インクの保持・画像パターンの保持を担っていた。このように従来のスクリーン印刷版でスクリーンメッシュが担っていた機能を、支持体14と、感光性樹脂材による連続気孔21を持つ多孔質層15および多孔質層15の裏面15bに形成された画像パターン形成層16とに分離することができる。よって、必要な印刷位置精度を確保しながら、明瞭な印刷解像性を保ったまま薄膜かつ均一な微細画像を印刷で形成することができる。
従来のスクリーン印刷版では、枠に伸長固定されたスクリーンメッシュがインクの通過量の決定・インクの保持・画像パターンの保持を担っていたが、本実施形態のスクリーン印刷版11では、支持体14はインクを通過させることが可能であれば多孔質層15の保持のみを担えば良いことになる。そのために従来のスクリーン印刷版では、微細画像を印刷するために、よりワイヤ径の細く高密度なスクリーンメッシュを使わざるを得なかったが、本実施形態のスクリーン印刷版11では、感光性樹脂材からなり連続気孔21を持つ多孔質層15および多孔質層15の裏面15bに形成された画像パターン形成層16により微細画像の印刷を行うための要件が満たされている。それ故、多孔質層15を保持するための支持体14、インクをスキージで擦り込む際の荷重に十分耐えて寸法精度を保持する強度を有していれば良く、材質の選択自由度が高くなる。よって、低コスト化が図れる。
ここで、図5に示すように、多孔質層15の裏面15bのインク通過部22の位置に、多数の連続気孔21に繋がり連続気孔21よりも開口面積が大きい凹部31を形成することも可能である。凹部31は、上記した第1露光工程の裏面15b側からの露光処理時に対応する部分を未露光部分とし、その後、表面15a側から、裏面15b側から与えたのよりも弱い露光を与えて、未露光部分を現像処理で除去することで容易に形成することができる。表面15a側から、裏面15b側から与えたのよりも弱い露光を与えると、その露光の弱さに応じた深さの凹部31を設けることができる。つまり、感光性樹脂材からなる多孔質層15を露光により硬化形成する際に、凹部31の形成位置を遮光するフォトマスクを使用して裏面15b側から露光し、その後、表面15a側から、裏面15b側から与えたのよりも弱い露光を与えることにより、この位置の未露光部分で凹部31を形成することができる。凹部31を環状に形成することで内側に凸部を形成することもできる。
このように構成すれば、塗布量の調整が可能となる。例えば、他の部分の画像パターンを印刷するインクと同じインクで他の部分の画像パターンよりも幅が広く厚さが厚い画像パターンを印刷する場合に、凹部でこの部分を形成することができる。よって、幅および厚さが異なる画像パターンを一枚のスクリーン印刷版11で印刷することができるため、複数枚のスクリーン印刷版で複数回に分けて印刷する従来と比べて、印刷コストを低減することができる。上記のように、多孔質層15の露光処理時に対応する部分を未露光部分とし、これを現像処理で除去することで容易に凹部31を形成することができる。なお、多孔質層15の表面15aに、多数の連続気孔21に繋がり連続気孔21よりも開口面積が大きい凹部を形成することも可能であり、表面15aおよび裏面15bの両方に凹部を形成することも可能である。
また、図6に示すように、多孔質層15の裏面15bのインク通過部22の位置に、表面15aおよび裏面15bの両方に開口し連続気孔21よりも通路面積が大きい直線状の貫通孔32を形成することも可能である。この場合も、感光性樹脂材からなる多孔質層15を露光により硬化形成する際に、貫通孔32の形成位置を遮光するフォトマスクを使用して露光することにより、この位置の未露光部分で貫通孔32を形成することができる。その際に、露光条件を異ならせることで凹部31を形成したり、貫通孔32を形成したりできる。
例えば、被印刷物に形成された孔(プリント基板のvia孔等)にも、他の部分の画像パターンを印刷するインクと同じインクを充填したい場合に、貫通孔32の部分は、インクの通過に対して障害となるものがないので、その部分のインク吐出が多くなり、被印刷物に形成された孔をインクで埋めることも可能となる。よって、一枚のスクリーン印刷版11で被印刷物の表面の画像パターンと孔へのインクの充填とを行うことができるため、複数枚のスクリーン印刷版で複数回に分けて印刷する従来と比べて、印刷コストを低減することができる。上記のように、多孔質層15の露光処理時に対応する部分を未露光部分とし、これを現像処理で除去することで容易に貫通孔32を形成することができる。勿論、凹部31および貫通孔32の両方を多孔質層15の裏面15bのインク通過部22の位置に形成しても良い。なお、貫通孔32を設けるためには、表面15a側からの露光を与えないことが必要になる。したがって、凹部31と貫通孔32とを同時に設けるためには、表面15a側からの露光時に、対応する貫通孔32には露光が与えられないように遮蔽を行うことになる。
なお、支持体14としては、版枠材12にスクリーンメッシュ13を緊張状態で貼り付けた紗張り品以外にも、例えば、全面に細孔が形成された金属の薄板を版枠材12に緊張状態で貼り付けたものを用いることができる。
次に、多孔質層15の実施例について説明する。
多孔質層形成用の感光性樹脂乳剤は以下の材料・分量および作り方で作製する。
「材料・分量」
スクリーン印刷用感光性樹脂乳剤(例えば栗田化学研究所製AD−100R)を100g、ジアゾ感光剤(例えば栗田化学研究所製 粉末Sジアゾ)を0.6g、水を100ml、露光後に除去可能な微粒子として流動パラフィン(例えば和光純薬製試薬一級)を500g準備する。
なお、上記のスクリーン印刷用感光性樹脂乳剤は、基本的に水溶性感光性樹脂乳剤であれば、特に種類を限定するものではない。
好ましくは水溶性成分としてPVAを、樹脂成分として(メタ)アクリル系のモノマー及びオリゴマーを使用して乳化した物が良い。
水溶性成分のPVAとしては、例えばクラレのPVA224Eなどが使用可能であるが、特に種類を限定するものではない。
樹脂成分としては、例えば日本合成化学のUV−7000Bなどが使用可能であるが、特に種類を限定するものではない。
水溶性成分と樹脂成分の比率は水溶性成分:樹脂成分で1:2〜1:6程度であると、スクリーンメッシュ上への塗布作業が行いやすいが、必ずしもこの範囲に限定するものではない。
スクリーン印刷用感光性樹脂乳剤にはジアゾニウム化合物よりなる感光剤を混合することで、エネルギー線による硬化を行うことができ、エネルギー線としてはスクリーン製版の製造に一般的に用いられている紫外線を用いることが、装置面や取扱いの容易さの面から好ましい。
スクリーン印刷用感光性樹脂乳剤のエネルギー線による硬化を行うための感光剤としてはジアゾニウム化合物に限らず、スチルバゾリウム基などを持った感光剤を使用しても構わない。
樹脂成分には光重合開始剤を混合することで、水溶性成分の硬化と共に樹脂成分の硬化も行うことができ、耐水性向上・耐溶剤性向上の面で望ましい。
樹脂成分用光重合開始剤としては、BASF社製のイルガキュア651などが使用可能であるが、特に種類を限定するものではない。
感光性樹脂乳剤に対する流動パラフィンの量は、感光性樹脂乳剤の固形分量によっても変わってくるが、感光性樹脂乳剤の固形分量1部に対して流動パラフィンの量を9部以上とすると連続気孔を得やすくなる。
感光性樹脂乳剤の固形分量に対する流動パラフィンの量を増やすと気孔率が上がるが、同時に硬化した多孔質体の強度は弱くなるので、使用目的に応じて流動パラフィンの量を調節する。
「作り方」
1.スクリーン印刷用感光性樹脂乳剤100gを計量する。
2.ジアゾ感光剤を0.6gを計量する。
3.水100mlを計量する。
4.流動パラフィン500gを計量する。
5.計量した水のうち30ml程度を小分けし、ジアゾ感光剤を投入・攪拌し完全に溶解する。
6.ジアゾを溶解した水溶液をスクリーン印刷用感光性樹脂乳剤に投入し、プロペラ式の攪拌機により500回転/分程度の攪拌を行い、完全に混合する。
7.次にスポイトなどを用いて数gずつ流動パラフィンをスクリーン印刷用感光性樹脂乳剤中に攪拌しながら投入する。ここで、一気に流動パラフィンを投入すると、水溶性成分が外相になっているO/W型エマルションから油相成分が外相になっているW/O型エマルションに相変化を起こしてしまうことがあるので、少しずつ投入することが必要である。また、流動パラフィンの投入量が増えてくるとスクリーン印刷用感光性樹脂乳剤の粘度が徐々に高くなってくるので、適宜残りの水を加えて粘度を落とすようにする。また、攪拌していると気泡の発生や液面高さの変化により、攪拌具合が悪くなることがあるので、その場合は攪拌翅の容器中での深さ、攪拌速度の増加などを行う。
8.流動パラフィンの投入が完了したら、容器に入れ密閉して保存する。攪拌時に気泡を巻き込んでいるので、使用開始は概ね24時間程度経過してからとする。
なお、この作製例では粉末ジアゾ感光剤を用いているが、液体のジアゾ感光剤を用いても構わない。また、流動パラフィンを混合する際の攪拌機は、流動パラフィンを感光性樹脂乳剤中に均一に分散させることができれば、プロペラ式でなくても良く、例えばディスパーサなどを用いても構わない。
上記のように作製された多孔質層形成用の感光性樹脂乳剤を第1塗布工程で支持体14に塗布し、第1露光工程で露光した後、除去工程で流動パラフィンを、有機溶剤(具体的にはトルエン)で洗浄し除去して連続気孔21を形成して多孔質層15を得る。
11 スクリーン印刷版
12 版枠材
13 スクリーンメッシュ
14 支持体
15 多孔質層
15a 表面
15b 裏面
16 画像パターン形成層
21 連続気孔
22 インク通過部
23 版膜部
31 凹部
32 貫通孔

Claims (4)

  1. スキージで刷り込まれたインクで被印刷物に印刷するスクリーン印刷版であって、
    スクリーンメッシュまたは全面に細孔が形成された薄板を有する支持体と、
    前記スクリーンメッシュまたは前記薄板が埋め込まれた状態で前記スクリーンメッシュまたは前記薄板に支持される多孔質層と、
    前記多孔質層の前記スキージとは反対側の裏面に設けられる、画像パターンに応じたインク通過部を有する画像パターン形成層と、を有し、
    前記多孔質層は、前記スキージ側の表面から前記スキージとは反対側の裏面まで連なる連続気孔を有する感光性樹脂材からなることを特徴とするスクリーン印刷版。
  2. 前記多孔質層の前記裏面には、前記連続気孔に繋がり前記連続気孔よりも開口面積が大きい凹部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のスクリーン印刷版。
  3. 前記多孔質層には、前記表面および前記裏面に開口し前記連続気孔よりも通路面積が大きい直線状の貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のスクリーン印刷版。
  4. 請求項1乃至のいずれか一項に記載のスクリーン印刷版の製造方法であって、
    感光剤に露光後に除去可能な微粒子を混入する混入工程と、
    前記感光剤を前記支持体に塗布する塗布工程と、
    前記感光剤を露光処理する露光工程と、
    前記微粒子を除去して前記連続気孔を形成する除去工程と、
    を含むことを特徴とするスクリーン印刷版の製造方法。
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