JP5862305B2 - 煙灰処理方法 - Google Patents

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本発明は、非鉄製錬工程において発生する鉛と亜鉛とを含む煙灰の処理方法に関する。
例えば、銅製錬の原料である銅精鉱には、亜鉛や鉛等の非鉄金属が含まれているが、これらの非鉄金属は、主に銅製錬プロセス中の転炉において揮発して煙灰として回収される。この煙灰には銅も含まれているため、銅精鉱からの銅の回収率を高めるために、この煙灰を銅製錬の原料として製錬工程に再投入する。しかし、この再投入によって鉛等の濃度が高くなるため、例えば、鉛等が所定濃度に達した段階で、煙灰から鉛等を除去するか、或いは、一定量の煙灰を継続的に外部に抜き取る必要がある。この際の鉛濃度は少なくとも5質量%以上、通常は10質量%以上に達する。
一方、特許文献1には、鉄スクラップ等を電気炉で処理する際に発生する鉄鋼ダストから、ロータリーキルンを用いて還元焙焼することにより亜鉛を回収する工程において、鉄鋼ダストと塩素を含む鉄酸化物とを混合造粒してペレット化し、このペレットを還元焙焼することにより、鉄鋼ダスト中に1〜3質量%程度含まれる鉛の揮発率を向上させて、鉛を回収する方法が開示されている。
特開2008−261005号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている処理方法は、鉛の含有率が1〜3質量%程度である鉄鋼ダストそのものの処理を前提としており、系の外部で発生する鉛を別途処理するための技術ではない。また、少なくとも5質量%以上、通常は10質量%以上に達する高濃度の鉛を含有する煙灰の処理を行うことも想定していない。特許文献1の方法では高濃度鉛の処理が不充分であり、鉛の揮発率が低下して還元焙焼後の残渣となる還元鉄ペレットに鉛が残留してしまい、その後の還元鉄ペレットの品質が低下する。したがって、特許文献1の方法をそのまま高濃度の鉛含有煙灰の処理に適用することはできない。また、特許文献1の方法では、ペレット化にあたり塩素を含む鉄酸化物を別途添加する必要がある点で処理工程も複雑になる。
本発明は、高濃度で鉛を含有する煙灰から、処理コストを抑えて、高効率で鉛を回収することのできる煙灰処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、高濃度で鉛を含有する煙灰であっても、塩素を含有する鉄鋼ダストとの混合ペレットとしてから、粗酸化亜鉛製造プロセスにおける還元焙焼工程に投入することにより、従来の還元焙焼工程を有する鉄鋼ダストの処理方法と同様の方法で、煙灰から鉛を回収する処理が効率よくできることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1) 非鉄製錬において発生する鉛と亜鉛とを含み、鉛の含有率が5%以上の煙灰を処理する煙灰処理方法であって、前記煙灰と、塩素を含む鉄鋼ダストとを混合造粒してペレット化し、このペレットを粗酸化亜鉛製造プロセスにおける還元焙焼工程に投入する原料として用いる煙灰処理方法。
(2) 前記煙灰と鉄鋼ダストとを、鉛に対する塩素の量が当量比で2以上4以下となるように混合造粒する(1)に記載の煙灰処理方法。
(3) 前記ペレットの原料を、前記鉄鋼ダストの原料と併用して、前記還元焙焼工程に投入する(1)又は(2)に記載の煙灰処理方法。
(4) 前記還元焙焼工程の被焙焼物温度が1100℃未満である(1)から(3)のいずれかに記載の煙灰処理方法。
(5) 前記ペレット中からの鉛の揮発率が95%以上である(1)から(4)のいずれかに記載の煙灰処理方法。
(6) 前記還元焙焼工程後の残渣に含まれる鉛の含有率が0.05%以下である(1)から(5)のいずれかに記載の煙灰処理方法。
本発明によれば、既存の粗酸化亜鉛製造プロセスにおける還元焙焼工程に用いる設備を利用することによりコストを抑えつつ、高濃度で鉛を含有する煙灰から、高効率で鉛を回収することができる。
本発明の一例である、銅製錬において発生する高濃度で鉛を含有する煙灰から鉛を回収する煙灰処理方法を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、銅製錬において発生する高濃度の鉛及び亜鉛を含有する煙灰から、鉛を回収する煙灰処理方法を示すフローチャートである。本実施形態においては、煙灰の発生する非鉄製錬が銅製錬である場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。その他のあらゆる非鉄製錬において発生する、鉛と亜鉛とを含み、鉛の含有率が5%以上、好ましくは20%以下の煙灰を本発明の方法で処理する方法である限り本発明の範囲である。
<全体プロセス>
図1に示すように、この煙灰処理方法は、銅製錬プロセスP1において発生した高濃度の鉛及び亜鉛を含有する煙灰(図1及び、以下において「高濃度鉛亜鉛含有煙灰」と言う。)を、塩素を含む鉄鋼ダスト(図1及び、以下において「塩素含有鉄鋼ダスト」と言う。)と、を混合造粒してペレット化するペレット化工程ST10と、粗酸化亜鉛製造プロセスP2の一工程である還元焙焼工程ST21とからなる。このように、本発明の煙灰処理方法は、銅製錬等の非鉄製錬において発生する高濃度鉛亜鉛含有煙灰を既存の粗酸化亜鉛製造プロセスにおける還元焙焼工程への投入によって、高い回収率で鉛を回収し、効率よく煙灰を処理することができる方法である。即ち、本発明の煙灰処理方法は、既存の粗酸化亜鉛製造プロセス用のロータリーキルン等、新たな設備投資を要せず、既存設備をそのまま利用して効率よく低コストで煙灰処理ができる方法であり、従来のいずれの方法とも異なる新規な構成を備えるプロセスである。
<銅製錬プロセスP1>
銅精鉱から銅を製錬する銅製錬プロセスP1は、一般に、自溶炉工程、転炉工程、精製炉工程によって銅品位99.8%前後まで高め、その後の電解精製工程によって銅品位を概ね99.99%に精製する。
銅精鉱には鉛や亜鉛等の金属が含まれるが、これらは、特に転炉工程において、その大部分が揮発して煙灰として回収される。表1は、一般的にこの銅製錬プロセスP1の転炉工程において発生する煙灰の一般的な組成を示したものである。表1に一例を示す通り、転炉工程において発生する煙灰には、一般的に鉛が10〜12%程度、又亜鉛が5〜7%程度含有されている。本明細書において、高濃度鉛亜鉛含有煙灰という場合、当然に上記のような煙灰が含まれるが、これのみならず、鉛と亜鉛を含有し、且つ鉛の含有率が5%以上の煙灰については、全て高濃度鉛亜鉛含有煙灰であるものとする。
Figure 0005862305
転炉工程において発生した上記組成の煙灰は、通常回収されて銅製錬プロセスP1に再投入される。そして再投入を繰り返すことによって更に鉛が濃縮されて表1のように濃度が高くなる。このように極めて鉛濃度が高い高濃度鉛亜鉛含有煙灰が本発明の処理対象であり、本発明の煙灰処理方法によれば、低コストで効率よく鉛を回収して煙灰を処理することができる。
<粗酸化亜鉛製造プロセスP2>
粗酸化亜鉛製造プロセスP2は、鉄鋼業における高炉や電気炉等から発生する亜鉛を含有する鉄鋼ダストから不純物を除去して製品亜鉛の原料となる亜鉛品位65%程度の粗酸化亜鉛を製造するプロセスである。鉄鋼ダストは、その主成分である酸化鉄以外に亜鉛や鉛が含有されており、従来からこの鉄鋼ダスト中における亜鉛及び鉛成分を回収することが行われている。回収方法としては、ウエルツキルン法に代表される還元焙焼法があり、ロータリーキルンを使用して鉄鋼ダストを還元雰囲気中で適当な温度と滞留時間を選んで焙焼することにより、鉄を固体の還元鉄ペレットとして回収するとともに亜鉛、鉛を揮発させて分離する方法が広く一般に行われている。
尚、一般的な粗酸化亜鉛製造プロセスに投入される鉄鋼ダストの組成は表2の通りである。表2に示す通り、同プロセスに供される鉄鋼ダストの鉛含有率は3%以下程度であり、それを超える濃度で鉛の処理は従来想定されていない。実際に粗酸化亜鉛製造プロセスP2の還元焙焼工程ST21に、高濃度鉛亜鉛含有煙灰をそのまま投入すると、同工程を経た残渣である還元鉄ペレット中に鉛が多く残留して品質低下に繋がる。
Figure 0005862305
図1に示す通り、本実施形態に係る粗酸化亜鉛製造プロセスP2は、還元焙焼工程ST21、湿式工程ST22、乾燥加熱工程ST23を経て、鉄鋼ダストから粗酸化亜鉛を製造するプロセスである。本発明の煙灰処理方法は、本発明の特徴であるペレット化工程ST10によって、塩素を含む鉄鋼ダストと混合造粒して所定の組成となるようにペレット化した高濃度鉛亜鉛含有煙灰を、上記の還元焙焼工程ST21に投入することにより、既存の粗酸化亜鉛製造プロセスP2の生産性を阻害することなく、高濃度鉛亜鉛含有煙灰から鉛等を高効率で回収することを可能とした点に特徴がある。
<ペレット化工程ST10>
本発明の特徴であるペレット化工程ST10について説明する。ペレット化工程ST10には、粗酸化亜鉛製造プロセスP2における還元焙焼工程ST21への高濃度鉛亜鉛含有煙灰の投入に先がけて行われる工程であり、高濃度鉛亜鉛含有煙灰を、塩素を含む鉄鋼ダストと混合造粒して所定の組成のペレットを製造する工程である。このペレットを下記に詳細を示す通りのペレットとすることによって、後の還元焙焼工程ST21における高濃度鉛亜鉛含有煙灰からの鉛の塩化揮発効果を促進して鉛の回収率を好ましい範囲にまで高めることができる。
混合造粒する原料は、上記の高濃度鉛亜鉛含有煙灰と、塩素を含む鉄鋼ダストである。塩素を含む鉄鋼ダストとしては、表2に示すように鉄鋼ダスト自体が塩素を含有するために、これをそのまま用いればよく、特許文献1のような添加物は不要であり、本発明のプロセスは単純で効率的なものとなっている。
高濃度鉛亜鉛含有煙灰は、鉛と亜鉛とを含有し、鉛は5質量%以上、主に10質量%以上である。具体的には上記の表1に示すような銅製錬プロセスP1の転炉工程において発生する高濃度の鉛を含有する高濃度鉛亜鉛含有煙灰が例示できる。
ペレットの組成については、混合造粒後のペレット中の鉛に対する塩素の量が当量比で2以上4以下となるように混合造粒する。本発明の方法におけるこの混合比は即ちPbClの理論当量比である1:2に近い組成でもあるが、特許文献1においては、この当量比が5以上となっている。本発明の方法は、塩素濃度が低い塩素含有物をより多量に使用するものであるため塩素含有物の分散性に優れ、ペレット内における塩素濃度の均一性に優れている。更にキルンの転動作用によりペレット間の混合性に優れ且つペレット間の温度の均一性にも優れている。これにより、特許文献1に比べて本発明のほうがPbClとしてより安定的に揮発が促進されやすい方法となっている。そして、このことは、逆に言えば、鉄鋼ダスト中の塩素量で決まる1当量の塩素に対して、本発明であれば最大1/2当量の鉛を含有させることができることを意味するから、ペレット中の高濃度鉛亜鉛含有煙灰の量を多くでき、高濃度鉛亜鉛含有煙灰処理の効率を向上することができる。
上記の混合造粒の作業においては、ペレット中に高濃度鉛亜鉛含有煙灰ができるだけ均一に分布するように混合することが好ましい。そのために一般的に用いられるペレタイジング装置を使用することができる。例えば、回転式のパン型ペレタイザーを用いて、高濃度鉛亜鉛含有煙灰と塩素を含む鉄鋼ダストとを所定のペレット組成となるように連続的に供給し、ミスト状の水分を添加しながらペレタイジングする。ペレットの粒径は5〜10mm程度であることが好ましい。又、含水率を10〜20重量%程度とすることが好ましい。
後に実施例において示す通り、本発明の煙灰処理方法によって還元焙焼工程ST21における鉛の揮発率が向上するのは、上記のような混合ペレットとすることによって、鉄鋼ダストに含まれる塩素と、高濃度鉛亜鉛含有煙灰中の鉛とが、比較的均一に混合されることで、塩化揮発が更に促進されるためであると考えられる。
尚、上記の通りペレット化することにより、高濃度鉛亜鉛含有煙灰の工程途中での環境中への飛散を防止し、環境保全及びハンドリング性を高めることができるという好ましい効果もある。
<還元焙焼工程ST21>
還元焙焼工程ST21は、粗酸化亜鉛製造プロセスP2の一工程であり、本発明の煙灰処理方法においては、上記ペレットを強還元雰囲気中で適当な温度と滞留時間を選んで焙焼することにより、鉄を固体の還元鉄ペレットとして回収するとともに、亜鉛、鉛等を還元揮発させて分離する工程となる。この工程を行う還元焙焼炉としてはロータリーキルンを好適に用いることができる。ロータリーキルンを使用して鉄鋼ダストの還元焙焼を行うためには、ロータリーキルン内に上記ペレットに加えて、コークス等の炭素質還元剤、及び必要に応じて、CaO等のフラックス等を連続的に装入する。この際の原料配合比は一般的にペレットの合計量に対して還元剤15〜30重量%、フラックスは0〜10重量%である。
還元焙焼工程ST21においては、上記のペレットのみを原料として還元焙焼してもよいが、別の鉄鋼ダストと適宜併用して、同工程に投入してもよい。そのようにしても、高濃度鉛亜鉛含有煙灰及び鉄鋼ダストから、それぞれ充分に高い回収率で鉛を除去回収することができる。よって本発明の煙灰処理方法によれば、既存の粗酸化亜鉛製造プロセスP2の操業を通常の条件において継続したまま、同プロセス内において高濃度鉛亜鉛含有煙灰を処理することができる。
尚、特許文献1のようなプロセスにおける還元焙焼工程での通常の被焙焼物温度は、鉛の揮発率を向上させるために1100〜1200℃程度が必要とされるが、本発明の煙灰処理方法においては、還元焙焼工程ST21での被焙焼物温度が1100℃未満の温度での操業も可能とし、熱負荷の低減によるロータリーキルンの耐久性の向上、処理コストの低減を図ることも可能となる。
<湿式工程ST22>
湿式工程ST22は、還元焙焼工程ST21を経て再酸化され、酸化亜鉛及び酸化鉛を含む粗酸化亜鉛から、更に、カドミウム、塩素、フッ素等の他の残存不純物を除去する工程である。湿式工程ST22は、従来公知の方法を用いることができ、特に限定されない。
<乾燥加熱工程ST23>
乾燥加熱工程ST23は、湿式工程ST22を経た粗酸化亜鉛を加熱して乾燥させる工程である。この工程を終えることにより、粗酸化亜鉛製造プロセスP2において、亜鉛品位65%程度の粗酸化亜鉛を得ることができる。
上記の本発明の煙灰処理方法によれば、還元焙焼工程ST21を行った後の残渣に含まれる鉛の含有率を0.05%以下とすることができる。また、原料ペレット中の鉛量をW1とし、残渣の還元鉄ペレット中の鉛量をW2とした場合の(1−(W2/W1))×100で定義される鉛の揮発率を95%以上とすることができる。これにより、既存の粗酸化亜鉛製造の操業の安定性、粗酸化亜鉛の品質を保持したまま、既存の粗酸化亜鉛製造の設備を活用して、煙灰に含有される鉛を高い回収率で回収することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例においては、上記表1に示す組成の高濃度鉛亜鉛含有煙灰と、表2に示す組成の鉄鋼ダストを、質量比が高濃度鉛亜鉛含有煙灰:鉄鋼ダスト=2:8(鉛に対する塩素の当量比で1:2)になるように定量切り出しを行った。そして、直径4000mmのパン型ペレタイザーを用いて混合造粒し、エージングのため7日間放置して得たペレットを実施例の混合ペレット試料とした。尚、得られたペレットは、粒径が1mm〜10mmであった。
上記の実施例の混合ペレット試料と通常の鉄鋼ダストを1:1の質量比で用意し、合わせて実施例の原料とした。この原料を投入量が11t/hrとなるように、粗酸化亜鉛製造プロセスに用いられている既存のロータリーキルンに投入した。ロータリーキルンでは、1100℃で30分、還元雰囲気下で還元焙焼を行い、鉛を揮発させて除去回収した。
比較例については、ペレット化を行わなかった点以外については、実施例と同様の組成のものを比較例の試料とした。
上記の比較例の試料と通常の鉄鋼ダストを1:1の重量比で用意し、合わせて比較例の原料とした。この原料を11t/hrとなるように、粗酸化亜鉛製造プロセスに用いられている既存のロータリーキルンに投入し、実施例と同条件で鉛を揮発させて除去回収した。実施例及び比較例における上記還元焙焼後の各原料の残渣における鉛の揮発率及び含有率を測定した結果を表3に示す。
Figure 0005862305
本発明の煙灰処理方法による煙灰処理を行った実施例においては、鉛の揮発率は99.4%であり、ペレット化を行わずに同様の煙灰処理を行った比較例における鉛揮発率を顕著に上回っている。
このことより、本発明の煙灰処理方法によれば、既存のプロセス及び設備の流用により、銅製錬において発生する高濃度で鉛を含有する煙灰処理に要するコストを大幅に削減できる。又、鉛による既存プロセス及び設備への悪影響も防止できるため、既存の粗酸化亜鉛製造の操業の安定性、粗酸化亜鉛の品質も保持することができ、その上で、煙灰に含有される鉛を高い回収率で回収することができることが分かる。
P1 銅製錬プロセス
ST10 ペレット化工程
P2 粗酸化亜鉛製造プロセス
ST21 還元焙焼工程
ST22 湿式工程
ST23 乾燥加熱工程

Claims (5)

  1. 非鉄製錬において発生して回収された煙灰を処理する煙灰処理方法であって、
    前記煙灰は、鉛と亜鉛とを含み、鉛の含有率が5%以上12%以下であって、
    前記煙灰と、塩素を含む鉄鋼ダストとを、鉛に対する塩素の量が当量比で2以上4以下となるように、ペレタイジング装置を使用して混合造粒してペレット化し、
    このペレットを粗酸化亜鉛製造プロセスにおける還元焙焼工程に投入する原料として用いる煙灰処理方法。
  2. 前記ペレットの原料を、前記鉄鋼ダストの原料と併用して、前記還元焙焼工程に投入する請求項1記載の煙灰処理方法。
  3. 前記還元焙焼工程の被焙焼物温度が1100℃未満である請求項1又は2に記載の煙灰処理方法。
  4. 前記ペレット中からの鉛の揮発率が95%以上である請求項1からのいずれかに記載の煙灰処理方法。
  5. 前記還元焙焼工程後の残渣に含まれる鉛の含有率が0.05%以下である請求項1からのいずれかに記載の煙灰処理方法。
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