JP5861898B2 - 位置検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、検出対象の位置を検出する位置検出装置に関する。
従来、磁石等の磁束発生手段を用い、基準部材に対し相対移動する検出対象の位置を検出する位置検出装置が知られている。例えば特許文献1に記載された位置検出装置では、2つの磁石および2つの磁束伝達部が基準部材に設けられている。ここで、2つの磁石は、磁極が2つの磁束伝達部の両端部に挟まれている。2つの磁束伝達部間に形成された隙間には、一方の磁束伝達部から他方の磁束伝達部に向かって漏洩磁束が流れている。磁束密度検出手段は、2つの磁束伝達部間の隙間を検出対象とともに隙間の長手方向に移動し、通過する磁束の密度に応じた信号を出力する。これにより、位置検出装置は、磁束密度検出手段から出力される信号に基づき、基準部材に対する検出対象の位置を検出する。
特開平8−292004号公報
特許文献1の位置検出装置では、磁石の着磁方向の長さが2つの磁束伝達部間の隙間と同じに設定されている。そのため、磁石の大きさが2つの磁束伝達部間の隙間の大きさに依存し、前記隙間が大きい場合、部材(磁石)のコストアップにつながるおそれがある。ここで、例えば2つの磁束伝達部の両端部の形状を工夫し、2つの磁束伝達部間の隙間よりも着磁方向の長さが小さな磁石を磁束伝達部で挟む構成にすれば、部材(磁石)のコストを低減可能である。しかしながら、この場合、磁束伝達部の両端部の形状が複雑になるため、磁束伝達部の形成に複雑な曲げ加工が必要となったり、板鍛造や切削等、複数の工程が必要になったりするおそれがある。よって、製造コストの増大を招くおそれがある。
また、特許文献1の位置検出装置では、磁束密度検出手段が磁石に近づく程、磁束密度検出手段から出力される信号が大きくなる。そのため、特に磁石の近傍おいて、磁束密度検出手段から出力される信号のリニアリティ(直線性)が悪化するおそれがある。
また、特許文献1の位置検出装置では、体格および種類等が同じ2つの磁石を、磁極の向きが逆になるようにして2つの磁束伝達部の両端部に設けている。そのため、2つの磁束伝達部間の隙間の中心において、磁束の向きが反転する。つまり、2つの磁束伝達部間の隙間の中心、すなわち、検出対象および磁束密度検出手段の可動範囲の中心に、「磁束密度の絶対値が最小となる位置」が設定されている。
一般に、磁束密度検出手段の移動範囲内で「磁束密度の絶対値が最小となる位置」では、磁束発生手段の温度係数による磁力変化が生じにくいため、温度に対する耐性が良好である。そのため、「磁束密度の絶対値が最小となる位置」では、それ以外の位置と比べ、検出対象の位置の検出精度が高くなる。これにより、特許文献1の位置検出装置では、2つの磁束伝達部間の隙間の中心の位置で位置検出精度が高くなり、隙間の端部近傍等、隙間の中心以外の位置では位置検出精度が低くなる。したがって、「温度にかかわらず位置検出精度の高い位置」が、検出対象の可動範囲の中心に固定されるといった問題が生じる。よって、例えば検出対象の可動範囲の端部近傍において最も高い位置検出精度を必要とする検出対象に対しては、特許文献1の位置検出装置は不適となるおそれがある。
ここで、磁束伝達部の形状を工夫し、例えば長手方向の位置により、磁束伝達部の幅、または、2つの磁束伝達部間の隙間の大きさが異なるよう磁束伝達部を形成すれば、磁束密度検出手段から出力される信号のリニアリティを向上したり、「温度にかかわらず位置検出精度の高い位置」を検出対象の可動範囲の中心以外の位置に設定したりすることが可能となると考えられる。しかしながら、この場合、磁束伝達部の形状が複雑なため、製造コストの増大を招くおそれがある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、磁束伝達部の形状にかかわらず容易に製造可能な位置検出装置を提供することにある。
本発明は、基準部材に対し相対移動する検出対象の位置を検出する位置検出装置であって、第1磁束伝達部と第2磁束伝達部と第1磁束発生手段と第2磁束発生手段と磁束密度検出手段とを備えている。
第1磁束伝達部は、長尺状の磁性体からなる第1薄板板厚方向に積層されている。第1磁束伝達部は、検出対象または基準部材の一方に設けられる。
第2磁束伝達部は、長尺状の磁性体からなる第2薄板板厚方向に積層されている。第2磁束伝達部は、第2薄板の板厚方向が第1薄板の板厚方向に対し平行になるよう、かつ、第1磁束伝達部との間に長尺状の隙間を形成するよう検出対象または基準部材の一方に設けられる。
第1磁束発生手段は、第1磁束伝達部の一端と第2磁束伝達部の一端との間に設けられる。これにより、第1磁束発生手段から発生した磁束は、第1磁束伝達部または第2磁束伝達部の一端から第1磁束伝達部または第2磁束伝達部の他端へ伝達される。
第2磁束発生手段は、第1磁束伝達部の他端と第2磁束伝達部の他端との間に設けられる。これにより、第2磁束発生手段から発生した磁束は、第1磁束伝達部または第2磁束伝達部の他端から第1磁束伝達部または第2磁束伝達部の一端へ伝達される。
磁束密度検出手段は、第1磁束伝達部と第2磁束伝達部との間の隙間において検出対象または基準部材の一方に対し前記隙間の長手方向に相対移動可能なよう検出対象または基準部材の他方に設けられる。磁束密度検出手段は、通過する磁束の密度に応じた信号を出力する。
上記構成により、位置検出装置は、磁束密度検出手段が出力した信号に基づき、基準部材に対する検出対象の位置を検出することができる。
本発明では、第1磁束伝達部および第2磁束伝達部は、長尺状の磁性体からなる第1薄板または第2薄板板厚方向に積層されている。そのため、例えばプレス加工等により第1薄板および第2薄板を任意の形状に形成することで第1磁束伝達部および第2磁束伝達部を任意の形状に容易に形成することができる。これにより、第1磁束伝達部および第2磁束伝達部を任意の形状に低コストで形成することができる。
よって、例えば第1磁束伝達部または第2磁束伝達部の両端部の形状を工夫することにより、第1磁束発生手段または第2磁束発生手段の体格を第1磁束伝達部と第2磁束伝達部との間の隙間より小さい任意の大きさに設定し部材コストを低減することができる。また、例えば第1磁束伝達部または第2磁束伝達部の幅、または、第1磁束伝達部と第2磁束伝達部との間の隙間が、長手方向に向かうに従い変化するよう第1磁束伝達部および第2磁束伝達部を形成することにより、磁束密度検出手段から出力される信号のリニアリティを向上したり、「温度にかかわらず位置検出精度の高い位置」を検出対象の可動範囲の中心以外の位置に設定したりすることが可能となる。
このように、本発明では、複雑な形状の第1磁束伝達部および第2磁束伝達部を容易に低コストで形成することができる。また、第1磁束伝達部および第2磁束伝達部の形状を工夫することにより、従来技術における種々の問題を解決することができる。
また、本発明には第1発明〜第5発明がある。
第1発明および第3発明では、第1薄板は、一方の面から板厚方向に凹む第1凹部、および、他方の面の第1凹部に対応する位置から第1凹部に対応する形状で板厚方向に突出する第1凸部を有する。第1磁束伝達部は、一の第1薄板の第1凹部に他の第1薄板の第1凸部が嵌合した状態で第1薄板が積層されている。第1磁束伝達部および第2磁束伝達部に対し磁束密度検出手段が相対移動可能な範囲を検出範囲とすると、第1凹部および第1凸部は、前記検出範囲外に設けられている。
第2発明および第3発明では、第2薄板は、一方の面から板厚方向に凹む第2凹部、および、他方の面の第2凹部に対応する位置から第2凹部に対応する形状で板厚方向に突出する第2凸部を有する。第2磁束伝達部は、一の第2薄板の第2凹部に他の第2薄板の第2凸部が嵌合した状態で第2薄板が積層されている。第2凹部および第2凸部は、前記検出範囲外に設けられている。
また、第4発明は、第1非磁性部をさらに備える。第1非磁性部は、非磁性体により形成され、第1磁束伝達部に固定されるよう第1磁束伝達部、第1磁束発生手段および第2磁束発生手段に対し第1薄板の板厚方向の一方側または他方側、もしくは、一方側および他方側に設けられ、第1磁束発生手段および第2磁束発生手段を係止することにより第1磁束発生手段および第2磁束発生手段の第1磁束伝達部に対する板厚方向の相対移動を規制可能である。第1非磁性部は、第1磁束発生手段または第2磁束発生手段に対し前記隙間の長手方向の一方側または他方側、もしくは、一方側および他方側に位置するよう形成され第1磁束発生手段または第2磁束発生手段を係止することにより第1磁束発生手段または第2磁束発生手段の第1磁束伝達部に対する前記長手方向の相対移動を規制可能な第1非磁性係止部を有する。
また、第5発明は、第1非磁性部および第2非磁性部をさらに備える。第1非磁性部は、非磁性体により形成され、第1磁束伝達部に固定されるよう第1磁束伝達部、第1磁束発生手段および第2磁束発生手段に対し第1薄板の板厚方向の一方側または他方側、もしくは、一方側および他方側に設けられ、第1磁束発生手段および第2磁束発生手段を係止することにより第1磁束発生手段および第2磁束発生手段の第1磁束伝達部に対する板厚方向の相対移動を規制可能である。第2非磁性部は、非磁性体により第1非磁性部と一体または別体に形成され、第2磁束伝達部に固定されるよう第2磁束伝達部、第1磁束発生手段および第2磁束発生手段に対し第2薄板の板厚方向の一方側または他方側、もしくは、一方側および他方側に設けられ、第1磁束発生手段および第2磁束発生手段を係止することにより第1磁束発生手段および第2磁束発生手段の第2磁束伝達部に対する板厚方向の相対移動を規制可能である。
本発明の第1実施形態による位置検出装置およびアクチュエータを示す模式的断面図。 図1のII−II線断面図。 (A)は本発明の第1実施形態による位置検出装置の磁気回路部品を示す平面図、(B)は(A)を矢印B方向から見た図、(C)は(A)のC−C線断面図、(D)は磁気回路部品の斜視図。 本発明の第1実施形態による位置検出装置のホールICの出力と検出対象の回転位置との関係を示す図。 本発明の第1実施形態による位置検出装置の検出範囲を示す平面図。 (A)は本発明の第2実施形態による位置検出装置の磁気回路部品を示す平面図、(B)は(A)を矢印B方向から見た図、(C)は(A)のC−C線断面図、(D)は磁気回路部品の斜視図。 (A)は本発明の第3実施形態による位置検出装置の磁気回路部品を示す平面図、(B)は(A)を矢印B方向から見た図、(C)は(A)のC−C線断面図、(D)は磁気回路部品の斜視図。 (A)は本発明の第4実施形態による位置検出装置の磁気回路部品を示す平面図、(B)は(A)を矢印B方向から見た図、(C)は(A)のC−C線断面図、(D)は磁気回路部品の斜視図。 (A)は本発明の第5実施形態による位置検出装置の磁気回路部品を示す平面図、(B)は(A)を矢印B方向から見た図、(C)は(A)のC−C線断面図、(D)は(A)のD−D線断面図。 (A)は図9(B)のXA−XA線断面図、(B)は図9(B)のXB−XB線断面図、(C)は磁気回路部品の斜視図。 (A)は本発明の第6実施形態による位置検出装置の磁気回路部品を示す平面図、(B)は(A)のB−B線断面図、(C)は(A)のC−C線断面図、(D)は磁気回路部品の斜視図。 (A)は本発明の第7実施形態による位置検出装置の磁気回路部品を示す平面図、(B)は(A)を矢印B方向から見た図、(C)は(B)を矢印C方向から見た図。 (A)は図12(A)のXIIIA−XIIIA線断面図、(B)は図12(A)のXIIIB−XIIIB線断面図、(C)は磁気回路部品の斜視図。 (A)は本発明の第8実施形態による位置検出装置の磁気回路部品を示す平面図、(B)は(A)を矢印B方向から見た図、(C)は(B)を矢印C方向から見た図。 (A)は図14(A)のXVA−XVA線断面図、(B)は図14(A)のXVB−XVB線断面図、(C)は磁気回路部品の斜視図。 (A)は本発明の第9実施形態による位置検出装置の磁気回路部品を示す平面図、(B)は(A)を矢印B方向から見た図、(C)は(B)を矢印C方向から見た図。 (A)は図16(A)のXVIIA−XVIIA線断面図、(B)は図16(A)のXVIIB−XVIIB線断面図、(C)は磁気回路部品の斜視図。 (A)は本発明の第10実施形態による位置検出装置の磁気回路部品近傍を示す断面図、(B)は位置検出装置のホールICの出力と検出対象の回転位置との関係を示す図。 (A)は本発明の第11実施形態による位置検出装置の磁気回路部品近傍を示す図、(B)は(A)のB−B線断面図、(C)は位置検出装置のホールICの出力と検出対象のストローク位置との関係を示す図。 (A)は本発明の第12実施形態による位置検出装置の磁気回路部品近傍を示す図、(B)は(A)のB−B線断面図、(C)は位置検出装置のホールICの出力と検出対象のストローク位置との関係を示す図。 (A)は本発明の第13実施形態による位置検出装置の磁気回路部品近傍を示す図、(B)は(A)のB−B線断面図、(C)は磁束密度と検出対象のストローク位置との関係を示す図。 第1比較形態による位置検出装置の検出範囲を示す平面図。 第1比較形態による位置検出装置のホールICの出力と検出対象の回転位置との関係を示す図。 第2比較形態による位置検出装置の検出範囲を示す平面図。 第2比較形態による位置検出装置のホールICの出力と検出対象の回転位置との関係を示す図。
以下、本発明の複数の実施形態による位置検出装置、および、これを用いたアクチュエータを図面に基づき説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による位置検出装置、および、これを用いたアクチュエータを図1、図2に示す。
アクチュエータ1は、例えば図示しない車両のスロットルバルブを駆動する駆動源として用いられる。アクチュエータ1は、モータ2、ハウジング5、カバー6、電子制御ユニット(以下、「ECU」という)11、回転体12および位置検出装置10等を備えている。
図1に示すように、モータ2は、出力軸3およびモータ端子4等を有している。モータ2には、モータ端子4を経由して電力が供給される。これによりモータ2が回転駆動する。モータ2の回転は、出力軸3から出力される。出力軸3は、例えば図示しないギア等を経由してスロットルバルブに接続される。そのため、モータ2が回転駆動することにより、スロットルバルブが回転する。
ハウジング5は、例えば樹脂により有底筒状に形成され、内側にモータ2を収容している。
カバー6は、例えば樹脂により有底筒状に形成され、底部に形成された穴部7に出力軸3が挿通した状態で、開口部がハウジング5の開口部に当接するよう設けられている。これにより、カバー6とモータ2との間に空間100が形成されている。
カバー6は、筒部から径方向外側へ筒状に延びるコネクタ8を有している。コネクタ8の内側には、モータ端子4の端部が露出している。コネクタ8には、ECU11に接続するワイヤーハーネスの端部が接続される。これにより、図示しないバッテリからの電力がECU11、ワイヤーハーネスおよびモータ端子4を経由してモータ2に供給される。
ECU11は、例えば演算手段としてのCPU、記憶手段としてのROMおよびRAM、ならびに、入出力手段等を備えた小型のコンピュータである。ECU11は、車両の各部に取り付けられたセンサからの信号等に基づき、車両に搭載された各種装置類の作動を制御する。
ECU11は、例えばアクセルペダルの開度信号等に基づき、モータ2に供給する電力を制御する。モータ2に電力が供給されると、モータ2が回転し、スロットルバルブが回転する。これにより、スロットルバルブが吸気通路を開閉し、吸気通路を流れる吸気の量が調整される。なお、本実施形態では、ECU11は、例えばISC(アイドルスピードコントロール)機能により、アクセルペダルの開度信号にかかわらず、モータ2への電力の供給を制御する場合がある。
回転体12は、例えば樹脂により円板状に形成され、空間100に設けられている。回転体12は、中心を出力軸3が貫いた状態で出力軸3に固定されている。これにより、出力軸3が回転すると、回転体12は出力軸3とともに回転する。出力軸3とスロットルバルブとは例えばギア等により接続されているため、回転体12の回転位置は、スロットルバルブの回転位置に対応している。
本実施形態では、位置検出装置10は、カバー6に対し相対回転移動する回転体12の回転位置を検出する。そのため、位置検出装置10により、カバー6に対し相対回転移動する回転体12の回転位置を検出すれば、スロットルバルブの回転位置を検出でき、スロットルバルブの開度を検出することができる。よって、位置検出装置10をスロットルポジションセンサとして用いることができる。
図1、図2に示すように、位置検出装置10は、第1磁束伝達部20、第2磁束伝達部30、第1磁束発生手段としての第1磁石41、第2磁束発生手段としての第2磁石42、磁束密度検出手段としてのホールIC50等を備えている。
第1磁束伝達部20は、複数の第1薄板21を板厚方向に積層することにより長尺状に形成されている(図3参照)。本実施形態では、第1磁束伝達部20は、例えば12枚の第1薄板21を積層することにより形成されている。第1磁束伝達部20は、回転体12に形成された円弧状の穴部13に設けられている(図2参照)。第1薄板21は、例えばケイ素鋼等、磁性体により長尺の板状に形成されている。第1薄板21は、本体22、延伸部23、24を有している。本体22は、長手方向が、回転体12の回転中心Oを中心とする第1仮想円弧C1に沿う形状に形成されている(図2参照)。本実施形態では、本体22は、長手方向のどの位置においても、幅(短手方向の長さ)が同じになるよう形成されている。延伸部23は、本体22の一端から第1仮想円弧C1の径内側へ延びるよう形成されている。延伸部24は、本体22の他端から第1仮想円弧C1の径内側へ延びるよう形成されている。
図3(C)に示すように、複数の第1薄板21は、それぞれ、同一の形状に形成され、一方の面から板厚方向に凹む第1凹部211、および、他方の面の第1凹部211に対応する位置から第1凹部211に対応する形状で板厚方向に突出する第1凸部212を有している。第1凹部211および第1凸部212は、第1薄板21の延伸部23、24に形成されている。第1磁束伝達部20は、一の第1薄板21の第1凹部211に他の第1薄板21の第1凸部212(ダボ)が嵌合した状態で第1薄板21が積層されることにより形成されている。よって、第1磁束伝達部20は、接着剤等を用いることなく、複数の第1薄板21同士を接合することにより形成可能である。
第2磁束伝達部30は、複数の第2薄板31を板厚方向に積層することにより長尺状に形成されている(図3参照)。本実施形態では、第2磁束伝達部30は、例えば12枚の第2薄板31を積層することにより形成されている。第2磁束伝達部30は、第1磁束伝達部20とともに、回転体12の穴部13に設けられている(図2参照)。第2薄板31は、第1薄板21と同様、例えばケイ素鋼等、磁性体により長尺の板状に形成されている。第2薄板31は、本体32、延伸部33、34を有している。本体32は、長手方向が、回転体12の回転中心Oを中心とする第2仮想円弧C2に沿う形状に形成されている(図2参照)。延伸部33は、本体32の一端から第2仮想円弧C2の径外側へ延びるよう形成されている。延伸部34は、本体32の他端から第2仮想円弧C2の径外側へ延びるよう形成されている。
図3(C)に示すように、複数の第2薄板31は、それぞれ、同一の形状に形成され、一方の面から板厚方向に凹む第2凹部311、および、他方の面の第2凹部311に対応する位置から第2凹部311に対応する形状で板厚方向に突出する第2凸部312を有している。第2凹部311および第2凸部312は、第2薄板31の延伸部33、34に形成されている。第2磁束伝達部30は、一の第2薄板31の第2凹部311に他の第2薄板31の第2凸部312(ダボ)が嵌合した状態で第2薄板31が積層されることにより形成されている。よって、第2磁束伝達部30は、第1磁束伝達部20と同様、接着剤等を用いることなく、複数の第2薄板31同士を接合することにより形成可能である。
図1、図2に示すように、第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30は、第1薄板21の本体22と第2薄板31の本体32とが第1仮想円弧C1の径方向で対向するよう回転体12の穴部13に設けられている。これにより、積層された複数の第1薄板21の本体22と積層された複数の第2薄板31の本体32との間に円弧状の隙間101が形成されている(図2参照)。すなわち、図2、図3に示すように、第2磁束伝達部30は、第2薄板31の板厚方向が第1薄板21の板厚方向に対し平行になるよう、かつ、第1磁束伝達部20との間に長尺状(円弧状)の隙間101を形成するよう回転体12に設けられている。
第1磁石41は、例えばネオジム磁石またはフェライト磁石等の永久磁石である。第1磁石41は、一端に磁極411を有し、他端に磁極412を有している。第1磁石41は、磁極411側がS極となるよう、磁極412側がN極となるよう着磁されている。第1磁石41は、磁極411が第1磁束伝達部20の延伸部23に当接するよう、磁極412が第2磁束伝達部30の延伸部33に当接するよう、延伸部23と延伸部33との間に設けられている。すなわち、第1磁石41は、第1磁束伝達部20の一端と第2磁束伝達部30の一端との間に挟み込まれるようにして設けられている。これにより、第1磁石41の磁極412から発生した磁束は、第2磁束伝達部30の延伸部33から本体32を経由して延伸部34へ伝達される。
第2磁石42は、第1磁石41と同様、例えばネオジム磁石またはフェライト磁石等の永久磁石である。第2磁石42は、一端に磁極421を有し、他端に磁極422を有している。第2磁石42は、磁極421側がS極となるよう、磁極422側がN極となるよう着磁されている。第2磁石42は、磁極421が第2磁束伝達部30の延伸部34に当接するよう、磁極422が第1磁束伝達部20の延伸部24に当接するよう、延伸部34と延伸部24との間に設けられている。すなわち、第2磁石42は、第1磁束伝達部20の他端と第2磁束伝達部30の他端との間に挟み込まれるようにして設けられている。これにより、第2磁石42の磁極422から発生した磁束は、第1磁束伝達部20の延伸部24から本体22を経由して延伸部23へ伝達される。
図2に示すように、第1磁石41および第2磁石42は、着磁方向の長さが隙間101の幅(短手方向の長さ)よりも小さく形成されている。すなわち、第1磁石41および第2磁石42の体格は、隙間101の大きさに依存しない。
本実施形態では、第1磁石41と第2磁石42とは、種類(例えばネオジム磁石、フェライト磁石等)、材料組成(例えば、ネオジム磁石の場合、ネオジム、鉄、ホウ素の割合およびジスプロシウム等の含有率。フェライト磁石の場合、バリウム、ストロンチウム等の含有率。)、着磁調整の仕方、および、体格(体積)が同じ永久磁石である。そのため、隙間101の長手方向の中心と第1磁石41との間では第2磁束伝達部30から第1磁束伝達部20へ漏洩磁束が流れ、隙間101の長手方向の中心と第2磁石42との間では第1磁束伝達部20から第2磁束伝達部30へ漏洩磁束が流れる。ここで、隙間101の長手方向において、第1磁石41または第2磁石42に近い位置ほど、磁束密度の絶対値が大きくなる。また、隙間101の長手方向の中心では磁束密度が0になる。
また、第1磁石41の周囲には、磁極412から磁極411に磁束が飛ぶようにして流れている。また、第2磁石42の周囲には、磁極422から磁極421に磁束が飛ぶようにして流れている。
図3(D)に示すように、第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30は、回転体12に組み付ける前の状態では、第1磁石41および第2磁石42の磁力により第1磁石41および第2磁石42に吸着(接合)している。これにより、第1磁束伝達部20、第2磁束伝達部30、第1磁石41および第2磁石42(磁気回路部品)は、一体化(互いに接合)されている。また、磁力により一体化された状態の第1磁束伝達部20、第2磁束伝達部30、第1磁石41および第2磁石42に所定値以上の力を加えれば、それぞれを別体に分解(接合を解除)することもできる。
図1に示すように、ホールIC50は、信号出力素子としてのホール素子51、封止体52、および、センサ端子53等を有している。ホール素子51は、通過する磁束の密度に応じた信号を出力する。封止体52は、例えば樹脂により矩形の板状に形成されている。センサ端子53は、一端がホール素子51に接続している。封止体52は、ホール素子51の全部、および、センサ端子53の一端側を覆っている。ここで、ホール素子51は、封止体52の中央に位置している。
ホールIC50の封止体52およびセンサ端子53の一端側は、モールド部9によりモールドされている。モールド部9は、例えば樹脂により四角柱状に形成されている。ホールIC50の封止体52は、モールド部9の一端側に位置するようモールドされている。
モールド部9は、一端が隙間101に位置するよう、かつ、他端がカバー6の底部に接続するよう、カバー6に設けられている。これにより、ホールIC50は、第1磁束伝達部20と第2磁束伝達部30との間の隙間101において、回転体12に対し隙間101の長手方向に相対回転移動可能である。ここで、カバー6およびモールド部9は特許請求の範囲における「基準部材」に対応し、回転体12は特許請求の範囲における「検出対象」に対応している。
ホールIC50のセンサ端子53は、他端がカバー6のコネクタ8の内側に露出するよう、カバー6にインサート成形されている。そのため、ECU11に接続するワイヤーハーネスの端部がコネクタ8に接続されると、ホールIC50のホール素子51とECU11とが接続される。これにより、ホール素子51からの信号がECU11に伝達される。
ここで、ホールIC50のホール素子51を主に通過する磁束は、第1磁束伝達部20と第2磁束伝達部30との間の隙間101を、第1磁束伝達部20から第2磁束伝達部30へ、または、第2磁束伝達部30から第1磁束伝達部20へ流れる漏洩磁束である。
図1、図2に示すように、本実施形態では、集磁部55および集磁部56をさらに備えている。
集磁部55は、例えばパーマロイ合金等、透磁率が比較的高い材料により、6面体状に形成されている。集磁部55は、所定の面がホールIC50の封止体52の第1磁束伝達部20側の面の中央に当接または対向した状態でモールド部9にモールドされるよう、モールド部9の一端に設けられている。集磁部55のホールIC50とは反対側の面は、第1磁束伝達部20の第1薄板21の本体22に対向している。
集磁部56は、集磁部55と同様、例えばパーマロイ合金等、透磁率が比較的高い材料により、6面体状に形成されている。集磁部56は、所定の面がホールIC50の封止体52の第2磁束伝達部30側の面の中央に当接または対向した状態でモールド部9にモールドされるよう、モールド部9の一端に設けられている。集磁部56のホールIC50とは反対側の面は、第2磁束伝達部30の第2薄板31の本体32に対向している。
このように、集磁部55と集磁部56とは、ホールIC50を間に挟み、第1磁束伝達部20と第2磁束伝達部30とが対向する方向と同じ方向で対向するよう設けられている。これにより、第1磁束伝達部20と第2磁束伝達部30との間の隙間101を流れる漏洩磁束を集中してホールIC50に流す(通過させる)ことができる。
上述のように、本実施形態では、隙間101の長手方向の中心と第1磁石41との間では第2磁束伝達部30から第1磁束伝達部20へ漏洩磁束が流れ、隙間101の長手方向の中心と第2磁石42との間では第1磁束伝達部20から第2磁束伝達部30へ漏洩磁束が流れる。また、隙間101の長手方向において、第1磁石41または第2磁石42に近い位置ほど、磁束密度の絶対値が大きくなる。
そのため、例えば第2磁束伝達部30から第1磁束伝達部20へ漏洩磁束が流れる方向を負の向きとすると、ホールIC50の位置が隙間101の第1磁石41付近から第2磁石42付近へ相対回転移動すると、負の値から正の値へと磁束密度が単調増加するため、任意の回転位置に対して磁束密度の値が一意に決まり、それに応じてホールIC50からの出力も、回転位置に対して一意に決まる(図4参照)。
上記構成により、ECU11は、ホールIC50が出力した信号に基づき、カバー6に対する回転体12の回転位置を検出することができる。これにより、スロットルバルブの回転位置および開度を検出することができる。
また、図5に示すように、第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30に対しホールIC50が相対移動可能な範囲(可動範囲)を検出範囲θfsとすると、第1薄板21の第1凹部211および第1凸部212、ならびに第2薄板31の第2凹部311および第2凸部312は、検出範囲θfs外に設けられている。さらに言えば、本実施形態では、モールド部9がホールIC50とともに相対移動する範囲を相対移動範囲θmとすると、第1凹部211、第1凸部212、第2凹部311、および第2凸部312は、相対移動範囲θm外に設けられている。
次に、位置検出装置10の製造工程の一部について説明する。
位置検出装置10の製造工程は、下記の工程を含む。
(薄板形成工程)
ケイ素鋼等の薄板をプレス加工等することにより、図3に示す形状の第1薄板21および第2薄板31を形成する。
(凹凸形成工程)
第1薄板21および第2薄板31のそれぞれに、第1凹部211および第1凸部212(ダボ)、ならびに、第2凹部311および第2凸部312(ダボ)を形成する。
(積層工程)
一の第1薄板21の第1凹部211に他の第1薄板21の第1凸部212(ダボ)を嵌合させつつ複数の第1薄板21を積層し、第1磁束伝達部20を形成する。また、一の第2薄板31の第2凹部311に他の第2薄板31の第2凸部312(ダボ)を嵌合させつつ複数の第2薄板31を積層し、第2磁束伝達部30を形成する。
(磁石接合工程)
第1磁束伝達部20の延伸部23および第2磁束伝達部30の延伸部33に第1磁石41を磁力により吸着(接合)させ、第1磁束伝達部20の延伸部24および第2磁束伝達部30の延伸部34に第2磁石42を磁力により吸着(接合)させる。これにより、第1磁束伝達部20、第2磁束伝達部30、第1磁石41および第2磁石42は、一体化(互いに接合)された状態になる。
(モールド工程)
一体化された第1磁束伝達部20、第2磁束伝達部30、第1磁石41および第2磁石42(磁気回路部品)を回転体12に組み付ける。具体的には、一体化された第1磁束伝達部20、第2磁束伝達部30、第1磁石41および第2磁石42をモールド型に設置し、回転体12の材料である樹脂を流し込んでインサートモールドすることにより、第1磁束伝達部20、第2磁束伝達部30、第1磁石41および第2磁石42が組み付けられた回転体12を形成する。
以上説明したように、本実施形態では、第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30は、長尺状の磁性体からなる第1薄板21または第2薄板31を板厚方向に積層することにより形成されている。そのため、例えばプレス加工等により第1薄板21および第2薄板31を任意の形状に形成することで第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30を任意の形状に容易に形成することができる。これにより、第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30を任意の形状に低コストで形成することができる。
本実施形態では、第1磁束伝達部20の第1薄板21は、両端部に延伸部23、24を有している。また、第2磁束伝達部30の第2薄板31は、両端部に延伸部33、34を有している。これにより、第1磁石41および第2磁石42の着磁方向の長さ(体格)を、隙間101の短手方向の大きさよりも小さく設定できる。その結果、部材(磁石)コストを低減することができる。
本実施形態では、第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30は、延伸部23、24、延伸部33、34を有するため、両端部が複雑な形状に形成されている。しかしながら、第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30は、第1薄板21または第2薄板31を積層することにより形成されている。そのため、複雑な形状の第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30を、複雑な曲げ加工、板鍛造、切削等を伴うことなく、第1薄板21および第2薄板31をプレス加工等することにより容易に形成することができる。
このように、本実施形態では、複雑な形状の第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30を低コストで形成しつつ、従来技術における問題(部材のコストアップ)を解決することができる。
また、本実施形態では、第1薄板21は、一方の面から板厚方向に凹む第1凹部211、および、他方の面の第1凹部211に対応する位置から第1凹部211に対応する形状で板厚方向に突出する第1凸部212を有している。第1磁束伝達部20は、一の第1薄板21の第1凹部211に他の第1薄板21の第1凸部212が嵌合した状態で板厚方向に積層されている。また、第2薄板31は、一方の面から板厚方向に凹む第2凹部311、および、他方の面の第2凹部311に対応する位置から第2凹部311に対応する形状で板厚方向に突出する第2凸部312を有している。第2磁束伝達部30は、一の第2薄板31の第2凹部311に他の第2薄板31の第2凸部312が嵌合した状態で板厚方向に積層されている。これにより、第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30を、接着剤等を用いることなく形成することができる。よって、製造コストをより低減することができる。
ここで、図22に示すように第1凹部902、第1凸部903、第2凹部912、および第2凸部913が検出範囲θfs内にある第1比較形態について考える。第1比較形態では、本体901、911のうち凹部902、912、凸部903、913が設けられる箇所は、短手方向の幅を大きくせざるを得ない。そのため、第1磁束伝達部90および第2磁束伝達部91の断面積は、検出範囲θfsのうち、凹部902、912、凸部903、913が設けられる箇所で比較的大きくなる。したがって、断面積が比較的大きくなる箇所で磁気抵抗変化が生じて隙間101に漏洩する磁束が変化し、図23に示すようにホールIC50から出力される信号のリニアリティが悪化してしまう。
次に、図24に示すように第1凹部922、第1凸部923、第2凹部932、および第2凸部933が検出範囲θfs内にあり、且つ、本体921、931の短手方向の幅が凹部922、932、凸部923、933よりも大きく設定された第2比較形態について考える。第2比較形態では、第1磁束伝達部92および第2磁束伝達部93の断面積は検出範囲θfsにおいて回転位置によらず一定であり、第1比較形態の問題(ホールIC50の出力信号のリニアリティの悪化)が解消している。しかし、第1磁束伝達部92および第2磁束伝達部93の断面積が大きくなることで隙間101に漏洩する磁束が全体的に少なくなり、図25に示すように磁束密度ダイナミックレンジが低下してしまう。
これに対し、本実施形態では、図5に示すように、第1凹部211、第1凸部212、第2凹部311、および第2凸部312は、相対移動範囲θm外に設けられている。そのため、第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30の断面積は、検出範囲θfsにおいて回転位置によらず一定であり、且つ、第1磁束伝達部92および第2磁束伝達部93の断面積よりも小さくすることができる。したがって、図4に示すように、第1比較形態と比べてホールIC50の出力信号のリニアリティを向上させることができ、且つ、第2比較形態と比べて磁束密度ダイナミックレンジを向上させることができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による位置検出装置の一部を図6に示す。第2実施形態は、第1磁束伝達部および第2磁束伝達部の形状等が第1実施形態と異なる。
第2実施形態では、第1薄板21は、第1係止部25、26を有している。また、第2薄板31は、第2係止部35、36を有している。
第1係止部25は、第1薄板21の延伸部23から延びて先端部が第1磁石41に対し隙間101の長手方向の一方側(第2磁石42とは反対側)に位置するよう形成されている。第1係止部26は、第1薄板21の延伸部24から延びて先端部が第2磁石42に対し隙間101の長手方向の他方側(第1磁石41とは反対側)に位置するよう形成されている。本実施形態では、第1係止部25、26は、第1磁束伝達部20を形成する複数(12枚)の第1薄板21のすべてに形成されている。
第2係止部35は、第2薄板31の延伸部33から延びて先端部が第1磁石41に対し隙間101の長手方向の一方側(第2磁石42とは反対側)に位置するよう形成されている。第2係止部36は、第2薄板31の延伸部34から延びて先端部が第2磁石42に対し隙間101の長手方向の他方側(第1磁石41とは反対側)に位置するよう形成されている。本実施形態では、第2係止部25、26は、第2磁束伝達部30を形成する複数(12枚)の第2薄板31のすべてに形成されている。
本実施形態では、第1係止部25および第2係止部35は、第1磁石41を係止することにより、第1磁石41の第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30に対する隙間101の長手方向の相対移動を規制することができる。また、第1係止部26および第2係止部36は、第2磁石42を係止することにより、第2磁石42の第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30に対する隙間101の長手方向の相対移動を規制することができる。これにより、第1磁石41および第2磁石42の、隙間101の長手方向の位置を決めることができる。
本実施形態では、第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30は、第1係止部25、26、第2係止部35、36近傍の形状が複雑であるものの、第1薄板21または第2薄板31を積層することにより容易に形成することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による位置検出装置の一部を図7に示す。第3実施形態は、第1磁束伝達部および第2磁束伝達部の形状等が第2実施形態と異なる。
第2実施形態では、第1係止部25、26は、第1磁束伝達部20を形成する複数の第1薄板21のうちの一部(3つ)に形成されている(図7(B)〜(D)参照)。より具体的には、第1係止部25、26は、積層する12枚の第1薄板21の1枚目、7枚目、12枚目に形成されている。
また、第2係止部35、36は、第2磁束伝達部30を形成する複数の第2薄板31のうちの一部(3つ)に形成されている(図7(B)〜(D)参照)。より具体的には、第2係止部35、36は、積層する12枚の第2薄板31の1枚目、7枚目、12枚目に形成されている。
本実施形態では、第1係止部25および第2係止部35は、第1磁石41を係止することにより、第1磁石41の第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30に対する隙間101の長手方向の相対移動を規制することができる。また、第1係止部26および第2係止部36は、第2磁石42を係止することにより、第2磁石42の第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30に対する隙間101の長手方向の相対移動を規制することができる。これにより、第2実施形態と同様、第1磁石41および第2磁石42の、隙間101の長手方向の位置を決めることができる。
上述の第2実施形態では、第1係止部25、26は第1磁束伝達部20を形成する複数(12枚)の第1薄板21のすべてに形成され、第2係止部35、36は第2磁束伝達部30を形成する複数(12枚)の第2薄板31のすべてに形成されている。そのため、第1係止部25と第2係止部35との間のエアギャップ、および、第1係止部26と第2係止部36との間のエアギャップは小さく、第1係止部25と第2係止部35とが対向する面の面積、および、第1係止部26と第2係止部36とが対向する面の面積の合計は大きい。よって、第1係止部25と第2係止部35との間のエアギャップ、および、第1係止部26と第2係止部36との間のエアギャップを流れる磁束が増大し、隙間101を流れる漏洩磁束が低減するおそれがある。隙間101を流れる漏洩磁束が低減すると、位置検出装置による位置検出の精度が低下するおそれがある。
一方、第3実施形態では、第1係止部25、26は第1磁束伝達部20を形成する複数の第1薄板21のうちの一部(3つ)に形成され、第2係止部35、36は第2磁束伝達部30を形成する複数の第2薄板31のうちの一部(3つ)に形成されている。よって、第1係止部25と第2係止部35とが対向する面の面積、および、第1係止部26と第2係止部36とが対向する面の面積の合計を小さくすることができる。これにより、隙間101を流れる漏洩磁束の低減を抑えつつ、第1係止部25、26、第2係止部35、36により第1磁石41および第2磁石42の位置を決めることができる。
また、本実施形態では、第1係止部25、26および第2係止部35、36を、複数の第1薄板21および第2薄板31のうちの一部に形成することにより、第2実施形態と比べ、部材コストを低減することができる。
また、本実施形態では、第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30は、第1係止部25、26、第2係止部35、36近傍の形状が第2実施形態と比べ複雑であるものの、第1薄板21または第2薄板31を積層することにより容易に形成することができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態による位置検出装置の一部を図8に示す。第4実施形態は、新たな部材を備える点で第2実施形態と異なる。
第4実施形態では、第1非磁性部60および第2非磁性部70をさらに備えている。
第1非磁性部60は、非磁性体により、第1薄板21の形状に対応する形状に形成されている。本実施形態では、第1非磁性部60は、第1磁束伝達部20に固定されるよう第1磁束伝達部20、第1磁石41および第2磁石42に対し第1薄板21の板厚方向の一方側および他方側に合計2つ設けられている。
第1非磁性部60は、本体62、延伸部63、64等を有している。本体62は、第1薄板21の本体22の形状に対応する形状に形成されている。延伸部63は、本体62の一端から延びて延伸部23の形状に概ね対応するよう形成されている。延伸部63は、先端部が第1磁石41に対し第1薄板21の板厚方向の一方側または他方側に位置するよう形成されている。延伸部64は、本体62の他端から延びて延伸部24の形状に概ね対応するよう形成されている。延伸部64は、先端部が第2磁石42に対し第1薄板21の板厚方向の一方側または他方側に位置するよう形成されている。
第1非磁性部60は、一方の面から板厚方向に凹む凹部601、および、他方の面の凹部601に対応する位置から凹部601に対応する形状で板厚方向に突出する凸部602を有している。凹部601および凸部602は、延伸部63、64に形成されている。2つの第1非磁性部60のうちの一方は、凸部602が第1薄板21の第1凹部211に嵌合するよう第1磁束伝達部20に固定されている。2つの第1非磁性部60のうちの他方は、凹部601が第1薄板21の第1凸部212に嵌合するよう第1磁束伝達部20に固定されている。
第2非磁性部70は、本体72、延伸部73、74等を有している。本体72は、第2薄板31の本体32の形状に対応する形状に形成されている。延伸部73は、本体72の一端から延びて延伸部33の形状に概ね対応するよう形成されている。延伸部73は、先端部が第1磁石41に対し第2薄板31の板厚方向の一方側または他方側に位置するよう形成されている。延伸部74は、本体72の他端から延びて延伸部34の形状に概ね対応するよう形成されている。延伸部74は、先端部が第2磁石42に対し第2薄板31の板厚方向の一方側または他方側に位置するよう形成されている。
第2非磁性部70は、一方の面から板厚方向に凹む凹部701、および、他方の面の凹部701に対応する位置から凹部701に対応する形状で板厚方向に突出する凸部702を有している。凹部701および凸部702は、延伸部73、74に形成されている。2つの第2非磁性部70のうちの一方は、凸部702が第2薄板31の第2凹部311に嵌合するよう第2磁束伝達部30に固定されている。2つの第2非磁性部70のうちの他方は、凹部701が第2薄板31の第2凸部312に嵌合するよう第2磁束伝達部30に固定されている。
本実施形態では、第1非磁性部60と第2非磁性部70とは、延伸部63の先端部と延伸部73の先端部、および、延伸部64の先端部と延伸部74の先端部とが接続することにより一体に環状に形成されている。よって、第1非磁性部60および第2非磁性部70は、例えば1枚の非磁性体からなる薄板をプレス加工等することにより形成することができる。
本実施形態では、磁気回路部品の製造方法として、まず、第1薄板21、第2薄板31、第1非磁性部60および第2非磁性部70を積層および固定して一体にし、次に、延伸部23と延伸部33との間に第1磁石41を挿入し、延伸部24と延伸部34との間に第2磁石42を挿入する方法が考えられる。
上述のように、本実施形態では、第1非磁性部60は、延伸部63の先端部が第1磁石41に対し第1薄板21の板厚方向の一方側または他方側に位置するよう形成され、延伸部64の先端部が第2磁石42に対し第1薄板21の板厚方向の一方側または他方側に位置するよう形成されている。また、第2非磁性部70は、延伸部73の先端部が第1磁石41に対し第2薄板31の板厚方向の一方側または他方側に位置するよう形成され、延伸部74の先端部が第2磁石42に対し第2薄板31の板厚方向の一方側または他方側に位置するよう形成されている。そのため、延伸部63、64、73、74で第1磁石41および第2磁石42を係止することにより、第1磁石41および第2磁石42の第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30に対する第1薄板21および第2薄板31の板厚方向の相対移動を規制することができる。
また、本実施形態では、第1非磁性部60と第2非磁性部70とが一体に形成されているため、第1磁束伝達部20、第2磁束伝達部30、第1磁石41および第2磁石42からなる磁気回路部品を一部品化することができる。また、第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30に対する第1磁石41および第2磁石42の位置が固定されるため、第1磁石41および第2磁石42の位置が固定されない第2実施形態と比べ、個体間の性能ばらつきを小さくすることができる。
また、第1磁石41および第2磁石42の位置が固定されない第2実施形態では、磁気回路部品を回転体12にインサートモールドする際、モールド型が磁性体の場合、第1磁石41および第2磁石42がモールド型に吸着し欠けが生じるおそれがある。一方、第4実施形態では、第1磁束伝達部20と第2磁束伝達部30と第1非磁性部60と第2非磁性部70とに囲まれた空間に第1磁石41および第2磁石42が設けられているため、第1磁石41および第2磁石42がモールド型に吸着するのを防止することができる。そのため、第1磁石41および第2磁石42の欠けを防止することができる。また、磁気回路部品のモールド型への設置に係るサイクルタイムを低減することができる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態による位置検出装置の一部を図9、図10に示す。第5実施形態は、第1磁束伝達部および第2磁束伝達部の形状、および、新たな部材を備える点等で第4実施形態と異なる。
第5実施形態では、第1薄板21および第2薄板31は、第1係止部25、26、第2係止部35、36を有していない。
第5実施形態では、中間非磁性部80をさらに備えている。
中間非磁性部80は、第1非磁性部60および第2非磁性部70と同様、非磁性体により形成されている。図10(A)に示すように、中間非磁性部80は、本体81、82、延伸部83、84、85、86、中間非磁性係止部87、88等を有している。
本体81は、第1薄板21の本体22の形状に対応する形状に形成されている。本体82は、第2薄板31の本体32の形状に対応する形状に形成されている。延伸部83は、本体81の一端から延びて延伸部23の形状に概ね対応するよう形成されている。延伸部84は、本体81の他端から延びて延伸部24の形状に概ね対応するよう形成されている。延伸部85は、本体82の一端から延びて延伸部33の形状に概ね対応するよう形成されている。延伸部86は、本体82の他端から延びて延伸部34の形状に概ね対応するよう形成されている。
中間非磁性係止部87は、延伸部83の先端部と延伸部85の先端部とを接続するよう形成されている。中間非磁性係止部88は、延伸部84の先端部と延伸部86の先端部とを接続するよう形成されている。これにより、中間非磁性部80は、環状に形成されている。よって、中間非磁性部80は、例えば1枚の非磁性体からなる薄板をプレス加工等することにより形成することができる。
中間非磁性部80は、図9(B)〜(D)に示すように、積層する複数の第1薄板21および複数の第2薄板31の概ね中間に位置するよう設けられている。より具体的には、中間非磁性部80は、本体81側が5枚の第1薄板21と6枚の第1薄板21とに板厚方向で挟み込まれるよう、かつ、本体82側が5枚の第2薄板31と6枚の第2薄板31とに板厚方向で挟み込まれるようにして設けられている。
ここで、中間非磁性係止部87は、第1磁石41に対し隙間101の長手方向の他方側(第2磁石42側)に位置するよう形成されている。また、中間非磁性係止部88は、第2磁石42に対し隙間101の長手方向の一方側(第1磁石41側)に位置するよう形成されている。
中間非磁性部80は、一方の面から板厚方向に凹む凹部801、および、他方の面の凹部801に対応する位置から凹部801に対応する形状で板厚方向に突出する凸部802を有している。凹部801および凸部802は、延伸部83、84、85、86に形成されている。中間非磁性部80は、凹部801に第1薄板21の第1凸部212および第2薄板31の第2凸部312が嵌合するよう、かつ、凸部802が第1薄板21の第1凹部211および第2薄板31の第2凹部311に嵌合するようにして第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30と一体に設けられている。
本実施形態では、磁気回路部品の製造方法として、まず、第1薄板21、第2薄板31、中間非磁性部80、第1非磁性部60および第2非磁性部70を積層および固定して一体にし、次に、延伸部23および延伸部83と延伸部33および延伸部85との間に第1磁石41を挿入し、延伸部24および延伸部84と延伸部34および延伸部86との間に第2磁石42を挿入する方法が考えられる。
上述のように、本実施形態では、中間非磁性部80は、中間非磁性係止部87が第1磁石41に対し隙間101の長手方向の他方側(第2磁石42側)に位置するよう形成され、中間非磁性係止部88が第2磁石42に対し隙間101の長手方向の一方側(第1磁石41側)に位置するよう形成されている。そのため、中間非磁性係止部87、88で第1磁石41および第2磁石42を係止することにより、第1磁石41および第2磁石42の第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30に対する隙間101の長手方向の相対移動を規制することができる。
上述の第2実施形態および第3実施形態では、第1薄板21および第2薄板31に、第1磁石41および第2磁石42を係止する第1係止部25、26、第2係止部35、36が形成されているため、第1係止部25と第2係止部35との間のエアギャップ、および、第1係止部26と第2係止部36との間のエアギャップを流れる磁束が増大し、隙間101を流れる漏洩磁束が低減するおそれがある。
一方、第5実施形態では、磁性体からなる第1係止部25、26、第2係止部35、36を備えず、非磁性体からなる中間非磁性係止部87、88により第1磁石41および第2磁石42を係止する構成のため、隙間101を流れる漏洩磁束を低減させることなく、第1磁石41および第2磁石42の第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30に対する相対移動を規制することができる。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態による位置検出装置の一部を図11に示す。第6実施形態は、第1磁束伝達部、第2磁束伝達部、第1非磁性部および第2非磁性部の形状等が第4実施形態と異なる。
第6実施形態では、第1薄板21および第2薄板31は、第1係止部25、26、第2係止部35、36を有していない。
第1非磁性部60は、第1非磁性係止部65、66を有している。第1非磁性係止部65は、第1非磁性部60の延伸部63の先端部から延びて第1磁石41に対し隙間101の長手方向の他方側(第2磁石42側)に位置するよう形成されている。第1非磁性係止部66は、第1非磁性部60の延伸部64の先端部から延びて第2磁石42に対し隙間101の長手方向の一方側(第1磁石41側)に位置するよう形成されている。第1非磁性係止部65、66は、第1非磁性部60を形成する材料を例えば曲げ加工することにより形成されている。
第2非磁性部70は、第2非磁性係止部75、76を有している。第2非磁性係止部75は、第2非磁性部70の延伸部73の先端部から延びて第1磁石41に対し隙間101の長手方向の他方側(第2磁石42側)に位置するよう形成されている。第2非磁性係止部76は、第2非磁性部70の延伸部74の先端部から延びて第2磁石42に対し隙間101の長手方向の一方側(第1磁石41側)に位置するよう形成されている。第1非磁性係止部65、66は、第1非磁性部60を形成する材料を例えば曲げ加工することにより形成されている。
ここで、第1非磁性係止部65と第2非磁性係止部75とは一体に形成されている。また、第1非磁性係止部66と第2非磁性係止部76とは一体に形成されている。
本実施形態では、磁気回路部品の製造方法として、まず、第1薄板21、第2薄板31、第1非磁性部60および第2非磁性部70を積層および固定して一体にし、次に、延伸部23と延伸部33との間に第1磁石41を挿入し、延伸部24と延伸部34との間に第2磁石42を挿入する方法が考えられる。
上述のように、本実施形態では、第1非磁性部60および第2非磁性部70は、第1非磁性係止部65および第2非磁性係止部75が第1磁石41に対し隙間101の長手方向の他方側(第2磁石42側)に位置するよう形成され、第1非磁性係止部66および第2非磁性係止部76が第2磁石42に対し隙間101の長手方向の一方側(第1磁石41側)に位置するよう形成されている。そのため、第1非磁性係止部65、66、第2非磁性係止部75、76で第1磁石41および第2磁石42を係止することにより、第1磁石41および第2磁石42の第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30に対する隙間101の長手方向の相対移動を規制することができる。
また、第6実施形態では、磁性体からなる第1係止部25、26、第2係止部35、36を備えず、非磁性体からなる第1非磁性係止部65、66、第2非磁性係止部75、76により第1磁石41および第2磁石42を係止する構成のため、隙間101を流れる漏洩磁束を低減させることなく、第1磁石41および第2磁石42の第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30に対する相対移動を規制することができる。
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態による位置検出装置の一部を図12、図13に示す。第7実施形態は、第1非磁性部および第2非磁性部の形状等が第6実施形態と異なる。
第7実施形態では、第1非磁性部60と第2非磁性部70とは別体に形成されている。
第1非磁性部60は、第1磁束伝達部20に固定されるよう第1磁束伝達部20、第1磁石41および第2磁石42に対し第1薄板21の板厚方向の一方側のみに設けられている。第1非磁性係止部65は、延伸部63の先端部から延びて第1磁石41に対し隙間101の長手方向の他方側(第2磁石42側)に位置するよう形成されている。第1非磁性係止部66は、延伸部64の先端部から延びて第2磁石42に対し隙間101の長手方向の一方側(第1磁石41側)に位置するよう形成されている。
第2非磁性部70は、第2磁束伝達部30に固定されるよう第2磁束伝達部30、第1磁石41および第2磁石42に対し第2薄板31の板厚方向の他方側のみに設けられている。第2非磁性係止部75は、延伸部73の先端部から延びて第1磁石41に対し隙間101の長手方向の他方側(第2磁石42側)に位置するよう形成されている。第2非磁性係止部76は、延伸部74の先端部から延びて第2磁石42に対し隙間101の長手方向の一方側(第1磁石41側)に位置するよう形成されている。
図13(C)に示すように、第1磁束伝達部20(第1非磁性部60)および第2磁束伝達部30(第2非磁性部70)は、回転体12に組み付ける前の状態では、第1磁石41および第2磁石42の磁力により第1磁石41および第2磁石42に吸着(接合)している。これにより、第1磁束伝達部20、第2磁束伝達部30、第1磁石41および第2磁石42(磁気回路部品)は、一体化(互いに接合)されている。
本実施形態では、磁気回路部品の製造方法として、まず、第1薄板21および第1非磁性部60を積層および固定し、第2薄板31および第2非磁性部70を積層および固定し、第1磁石41および第2磁石42の磁力により第1磁束伝達部20(第1非磁性部60)、第2磁束伝達部30(第2非磁性部70)、第1磁石41および第2磁石42を一体化する方法が考えられる。
上述の第4〜6実施形態では、一体に形成された第1非磁性部60と第2非磁性部70とにより、延伸部23、24と延伸部33、34との間の隙間の大きさが固定されている。よって、第1磁石41および第2磁石42の体格(着磁方向の長さ)、ならびに、前記隙間の大きさを厳密に形成(設定)する必要がある。
一方、第7実施形態では、第1磁束伝達部20(第1非磁性部60)、第2磁束伝達部30(第2非磁性部70)、第1磁石41および第2磁石42(磁気回路部品)は、第1磁石41および第2磁石42の磁力により一体化されているため、第1磁石41および第2磁石42の体格(着磁方向の長さ)、ならびに、前記隙間の大きさを厳密に形成(設定)する必要がない。
また、本実施形態では、第1非磁性部60の延伸部63、64、および、第2非磁性部70の延伸部73、74により、第1磁石41および第2磁石42の第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30に対する板厚方向の相対移動を規制可能である。また、第1非磁性部60の第1非磁性係止部65、66、および、第2非磁性部70の第2非磁性係止部75、76により、第1磁石41および第2磁石42の第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30に対する隙間101の長手方向の相対移動を規制可能である。
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態による位置検出装置の一部を図14、図15に示す。第8実施形態は、第1非磁性部の形状が第7実施形態と異なる。
第8実施形態では、第1非磁性部60は、第1非磁性係止部65、66に代えて、第1非磁性係止部67、68を有している。
第1非磁性係止部67は、第1非磁性部60の延伸部63の先端部から延びて第1磁石41に対し隙間101の長手方向の一方側(第2磁石42とは反対側)に位置するよう形成されている。第1非磁性係止部68は、第1非磁性部60の延伸部64の先端部から延びて第2磁石42に対し隙間101の長手方向の他方側(第1磁石41とは反対側)に位置するよう形成されている。第1非磁性係止部67、68は、第1非磁性部60を形成する材料を例えば曲げ加工することにより形成されている。
本実施形態は、上述した構成以外の構成については第7実施形態と同様である。
本実施形態では、第1非磁性係止部67、68、第2非磁性係止部75、76により、第1磁石41および第2磁石42の第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30に対する隙間101の長手方向の相対移動を確実に規制することができる。
(第9実施形態)
本発明の第9実施形態による位置検出装置の一部を図16、図17に示す。第9実施形態は、第1非磁性部および第2非磁性部の形状が第8実施形態と異なる。
第9実施形態では、第1非磁性部60は、第7実施形態で示した第1非磁性係止部65、66と第8実施形態で示した第1非磁性係止部67、68を有している。第2非磁性部70は、第2非磁性係止部75、76を有していない。
本実施形態は、上述した構成以外の構成については第8実施形態と同様である。
本実施形態では、磁気回路部品の製造方法として、まず、第1薄板21および第1非磁性部60を積層および固定し、第2薄板31および第2非磁性部70を積層および固定し、次に、第1非磁性係止部65と第1非磁性係止部67との間に第1磁石41を挿入し延伸部23に吸着させ、第1非磁性係止部66と第1非磁性係止部68との間に第2磁石42を挿入し延伸部24に吸着させ、次に、延伸部33に第1磁石41を吸着させ、延伸部34に第2磁石42を吸着させることにより、第1磁束伝達部20(第1非磁性部60)、第2磁束伝達部30(第2非磁性部70)、第1磁石41および第2磁石42を一体化する方法が考えられる。
本実施形態では、第1非磁性係止部65、66、67、68により、第1磁石41および第2磁石42の第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30に対する隙間101の長手方向の相対移動を確実に規制することができる。
(第10実施形態)
本発明の第10実施形態による位置検出装置の一部を図18に示す。第10実施形態は、第1磁束伝達部および第2磁束伝達部の形状等が第1実施形態と異なる。
第10実施形態では、第1薄板21の本体22は、第1仮想円弧C1に沿わない形状に形成されている(図18(A)参照)。これにより、第1磁束伝達部20は、第1薄板21の第2磁束伝達部30側の端部が自由曲線または複数の円弧の組み合わせに沿うよう形成されている。なお、本実施形態では、本体22は、長手方向のどの位置においても、幅(短手方向の長さ)が同じになるよう形成されている。
第2薄板31の本体32は、第2仮想円弧C2に沿わない形状に形成されている(図18(A)参照)。これにより、第2磁束伝達部30は、第2薄板31の第1磁束伝達部20側の端部が自由曲線または複数の円弧の組み合わせに沿うよう形成されている。なお、本実施形態では、本体32は、長手方向のどの位置においても、幅(短手方向の長さ)が同じになるよう形成されている。
図18(A)に示すように、本実施形態では、隙間101は、長手方向の位置により、幅(短手方向の長さ)が異なるよう形成される。よって、本体22と集磁部55とのギャップ、および、本体32と集磁部56とのギャップは、隙間101の長手方向の位置により異なる。
本実施形態では、図18(B)に示すように、第1実施形態と比べ、ホールIC50から出力される信号のリニアリティを向上することができる。
本実施形態では、第1磁束伝達部20は、第1薄板21の第2磁束伝達部30側の端部が自由曲線または複数の円弧の組み合わせに沿うよう複雑な形状に形成されている。また、第2磁束伝達部30は、第2薄板31の第1磁束伝達部20側の端部が自由曲線または複数の円弧の組み合わせに沿うよう複雑な形状に形成されている。しかしながら、第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30は、それぞれ、第1薄板21および第2薄板31を積層することにより形成されるため、容易に形成可能である。
(第11実施形態)
本発明の第11実施形態による位置検出装置の一部を図19に示す。第11実施形態は、第1磁束伝達部および第2磁束伝達部の形状、および、位置検出装置の用途等が第1実施形態と異なる。
第11実施形態では、検出対象としての移動体14は、例えば車両の変速機のシフトを切り替えるマニュアルバルブに取り付けられる。マニュアルバルブは、軸方向に直線状に移動し、変速機のシフトを切り替える。モールド部9は、マニュアルバルブ近傍のマニュアルバルブとは別部材に固定される。すなわち、移動体14は、基準部材としてのモールド部9に対し直線状に相対移動する。
本実施形態では、位置検出装置は、モールド部9に対し直線状に相対移動する移動体14の位置を検出する。これにより、マニュアルバルブの位置を検出でき、変速機の実際のシフト位置を検出することができる。このように、位置検出装置をストロークセンサ(直線変位センサ)として用いることができる。
図19(A)に示すように、本実施形態では、第1磁束伝達部20は、移動体14に形成された長方形状の穴部15に設けられている。第1磁束伝達部20の第1薄板21は、本体22が移動体14の相対移動方向に延びる仮想直線Sに対し平行となるよう形成されている。本実施形態では、本体22は、長手方向のどの位置においても、幅(短手方向の長さ)が同じになるよう形成されている。延伸部23は、本体22の一端から仮想直線Sに対し略垂直に延びるよう形成されている。延伸部24は、本体22の他端から延伸部23と同じ方向に延びるよう形成されている。第1磁束伝達部20は、複数の第1薄板21を積層することにより長尺状に形成されている。
第2磁束伝達部30は、移動体14の穴部15に設けられている。第2磁束伝達部30の第2薄板31は、本体32が、本体22と同様、仮想直線Sに対し平行となる形状に形成されている。本実施形態では、本体32は、長手方向のどの位置においても、幅(短手方向の長さ)が同じになるよう形成されている。延伸部33は、本体32の一端から仮想直線Sに対し略垂直に延びて延伸部23に対向するよう形成されている。延伸部34は、本体32の他端から延伸部33と同じ方向に延びるよう形成されている。
図19(A)に示すように、第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30は、第1薄板21の本体22と第2薄板31の本体32とが仮想直線Sに垂直な方向で対向するよう移動体14の穴部15に設けられている。これにより、積層された複数の第1薄板21の本体22と積層された複数の第2薄板31の本体32との間に長方形状の隙間101が形成されている。すなわち、第2磁束伝達部30は、第2薄板31の板厚方向が第1薄板21の板厚方向に対し平行になるよう、かつ、第1磁束伝達部20との間に長尺状(長方形状)の隙間101を形成するよう移動体14に設けられている。
第11実施形態は、上述した点以外の構成は第1実施形態と同様である。
例えば第2磁束伝達部30から第1磁束伝達部20へ漏洩磁束が流れる方向を負の向きとすると、ホールIC50の位置が隙間101の第1磁石41付近から第2磁石42付近へ相対移動すると、負の値から正の値へと磁束密度が単調増加するため、任意のストローク位置に対して磁束密度の値が一意に決まり、それに応じてホールIC50からの出力も、ストローク位置に対して一意に決まる(図19(C)参照)。
(第12実施形態)
本発明の第12実施形態による位置検出装置の一部を図20に示す。第12実施形態は、第1磁束伝達部および第2磁束伝達部の形状等が第11実施形態と異なる。
第12実施形態では、第1薄板21の本体22は、長手方向の中心から一端または他端へ向かうに従い幅(短手方向の長さ)が大きくなるよう形成されている(図20(A)参照)。なお、本体22と集磁部55とのギャップ(g)は、隙間101の長手方向のどの位置においても同じである。
また、第2薄板31の本体32は、長手方向の中心から一端または他端へ向かうに従い幅(短手方向の長さ)が大きくなるよう形成されている(図20(A)参照)。なお、本体32と集磁部56とのギャップは、隙間101の長手方向のどの位置においても同じである。
本実施形態では、図20(C)に示すように、第11実施形態と比べ、磁束密度ダイナミックレンジの向上とホールIC50から出力される信号のリニアリティを向上することができる。
また、本実施形態では、第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30は、幅(短手方向の長さ)が、長手方向の位置により異なるよう複雑な形状に形成されている。しかしながら、第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30は、それぞれ、第1薄板21および第2薄板31を積層することにより形成されるため、容易に形成可能である。
(第13実施形態)
本発明の第13実施形態による位置検出装置の一部を図21に示す。第13実施形態は、第1磁束伝達部および第2磁束伝達部の形状等が第11実施形態と異なる。
第12実施形態では、第1薄板21の本体22は、長手方向の一端から他端へ向かうに従い幅(短手方向の長さ)が小さくなるよう形成されている(図21(A)参照)。なお、本体22と集磁部55とのギャップ(g)は、隙間101の長手方向のどの位置においても同じである。
また、第2薄板31の本体32は、長手方向の一端から他端へ向かうに従い幅(短手方向の長さ)が小さくなるよう形成されている(図21(A)参照)。なお、本体32と集磁部56とのギャップは、隙間101の長手方向のどの位置においても同じである。
本実施形態では、図21(C)に示すように、第11実施形態と比べ、「磁束密度の絶対値が最小(0)となる位置」を、移動体14の可動範囲の中心以外の任意の位置(例えば第2磁石42寄りの位置)に設定可能である。そのため、可動範囲の中心以外の任意の位置で最も高い位置検出精度を必要とする移動体14(マニュアルバルブ)に本実施形態の位置検出装置を適用した場合、「磁束密度の絶対値が最小となる位置」を、「最も高い位置検出精度を必要とする位置」に合わせることができる。
また、本実施形態では、第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30は、幅(短手方向の長さ)が、長手方向の位置により異なるよう複雑な形状に形成されている。しかしながら、第1磁束伝達部20および第2磁束伝達部30は、それぞれ、第1薄板21および第2薄板31を積層することにより形成されるため、容易に形成可能である。
(他の実施形態)
本発明の他の実施形態では、第1薄板および第2薄板は、第1凹部、第1凸部、第2凹部および第2凸部を有していなくてもよい。この場合、第1磁束伝達部および第2磁束伝達部は、例えば接着剤等を用い第1薄板および第2薄板を積層および固定することにより形成することができる。同様に、第1非磁性部、第2非磁性部および中間非磁性部は、凹部および凸部を有していなくてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、第1係止部および第2係止部は、第1磁束発生手段または第2磁束発生手段に対し、第1磁束伝達部と第2磁束伝達部との間の隙間の長手方向の一方側または他方側、もしくは、一方側および他方側のどの位置に形成されていてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、第1非磁性係止部および第2非磁性係止部は、第1磁束発生手段または第2磁束発生手段に対し前記隙間の長手方向の一方側または他方側、もしくは、一方側および他方側のどの位置に形成されていてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、中間非磁性係止部は、第1磁束発生手段に対し前記隙間の長手方向の一方側、および、第2磁束発生手段に対し前記隙間の長手方向の他方側に位置するよう形成されていてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、「薄板形成工程」と「凹凸形成工程」とを同時に行ってもよい。また、「薄板形成工程」の後、「積層工程」および「凹凸形成工程」を行うこととしてもよい。
また、上述の実施形態では、第1磁束発生手段としての第1磁石と第2磁束発生手段としての第2磁石とは、体格等が同じである例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、第2磁束発生手段は、第1磁束発生手段とは体格、種類、材料組成および着磁調整の仕方のうち少なくとも1つが異なる永久磁石により形成されていてもよい。また、第1磁束発生手段および第2磁束発生手段は、第1磁束伝達部と第2磁束伝達部との間の隙間の幅(短手方向の長さ)に関係なく、どのような大きさに形成されていてもよい。また、第1磁束伝達部および第2磁束伝達部の両端部間に設けられる第1磁石および第2磁石を、それぞれの磁極が上述の実施形態とは反対になるように設けてもよい。
また、上述の実施形態では、第1磁束伝達部、第2磁束伝達部、第1磁束発生手段および第2磁束発生手段を検出対象に設け、磁束密度検出手段を基準部材に設ける例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、第1磁束伝達部、第2磁束伝達部、第1磁束発生手段および第2磁束発生手段を基準部材に設け、磁束密度検出手段を検出対象に設けることとしてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、モータは、回転を減速して出力軸に伝達する減速機を有していてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、構成上の阻害要因がない限り、上述の各実施形態を組み合わせてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、アクチュエータを、例えばウェイストゲートバルブの作動装置、可変容量ターボの可変ベーン制御装置、排気スロットルや排気切替弁のバルブ作動装置、および、可変吸気機構のバルブ作動装置等の駆動源として用いてもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
10 ・・・位置検出装置
20 ・・・第1磁束伝達部
21 ・・・第1薄板
30 ・・・第2磁束伝達部
31 ・・・第2薄板
41 ・・・第1磁石(第1磁束発生手段)
42 ・・・第2磁石(第2磁束発生手段)
50 ・・・ホールIC(磁束密度検出手段)
101・・・隙間

Claims (17)

  1. 基準部材(6、9)に対し相対移動する検出対象(12、14)の位置を検出する位置検出装置(10)であって、
    長尺状の磁性体からなる第1薄板(21)板厚方向に積層されており、前記検出対象または前記基準部材の一方に設けられる第1磁束伝達部(20)と、
    長尺状の磁性体からなる第2薄板(31)板厚方向に積層されており、前記第2薄板の板厚方向が前記第1薄板の板厚方向に対し平行になるよう、かつ、前記第1磁束伝達部との間に長尺状の隙間(101)を形成するよう前記検出対象または前記基準部材の一方に設けられる第2磁束伝達部(30)と、
    前記第1磁束伝達部の一端と前記第2磁束伝達部の一端との間に設けられる第1磁束発生手段(41)と、
    前記第1磁束伝達部の他端と前記第2磁束伝達部の他端との間に設けられる第2磁束発生手段(42)と、
    前記隙間において前記検出対象または前記基準部材の一方に対し前記隙間の長手方向に相対移動可能なよう前記検出対象または前記基準部材の他方に設けられ、通過する磁束の密度に応じた信号を出力する磁束密度検出手段(50)と、
    を備え、
    前記第1薄板は、一方の面から板厚方向に凹む第1凹部(211)、および、他方の面の前記第1凹部に対応する位置から前記第1凹部に対応する形状で板厚方向に突出する第1凸部(212)を有し、
    前記第1磁束伝達部は、一の前記第1薄板の前記第1凹部に他の前記第1薄板の前記第1凸部が嵌合した状態で前記第1薄板が積層されており
    前記第1磁束伝達部および前記第2磁束伝達部に対し前記磁束密度検出手段が相対移動可能な範囲を検出範囲(θfs)とすると、
    前記第1凹部および前記第1凸部は、前記検出範囲外に設けられていることを特徴とする位置検出装置。
  2. 基準部材(6、9)に対し相対移動する検出対象(12、14)の位置を検出する位置検出装置(10)であって、
    長尺状の磁性体からなる第1薄板(21)板厚方向に積層されており、前記検出対象または前記基準部材の一方に設けられる第1磁束伝達部(20)と、
    長尺状の磁性体からなる第2薄板(31)板厚方向に積層されており、前記第2薄板の板厚方向が前記第1薄板の板厚方向に対し平行になるよう、かつ、前記第1磁束伝達部との間に長尺状の隙間(101)を形成するよう前記検出対象または前記基準部材の一方に設けられる第2磁束伝達部(30)と、
    前記第1磁束伝達部の一端と前記第2磁束伝達部の一端との間に設けられる第1磁束発生手段(41)と、
    前記第1磁束伝達部の他端と前記第2磁束伝達部の他端との間に設けられる第2磁束発生手段(42)と、
    前記隙間において前記検出対象または前記基準部材の一方に対し前記隙間の長手方向に相対移動可能なよう前記検出対象または前記基準部材の他方に設けられ、通過する磁束の密度に応じた信号を出力する磁束密度検出手段(50)と、
    を備え、
    前記第2薄板は、一方の面から板厚方向に凹む第2凹部(311)、および、他方の面の前記第2凹部に対応する位置から前記第2凹部に対応する形状で板厚方向に突出する第2凸部(312)を有し、
    前記第2磁束伝達部は、一の前記第2薄板の前記第2凹部に他の前記第2薄板の前記第2凸部が嵌合した状態で前記第2薄板が積層されており
    前記第1磁束伝達部および前記第2磁束伝達部に対し前記磁束密度検出手段が相対移動可能な範囲を検出範囲とすると、
    前記第2凹部および前記第2凸部は、前記検出範囲外に設けられていることを特徴とする位置検出装置。
  3. 基準部材(6、9)に対し相対移動する検出対象(12、14)の位置を検出する位置検出装置(10)であって、
    長尺状の磁性体からなる第1薄板(21)板厚方向に積層されており、前記検出対象または前記基準部材の一方に設けられる第1磁束伝達部(20)と、
    長尺状の磁性体からなる第2薄板(31)板厚方向に積層されており、前記第2薄板の板厚方向が前記第1薄板の板厚方向に対し平行になるよう、かつ、前記第1磁束伝達部との間に長尺状の隙間(101)を形成するよう前記検出対象または前記基準部材の一方に設けられる第2磁束伝達部(30)と、
    前記第1磁束伝達部の一端と前記第2磁束伝達部の一端との間に設けられる第1磁束発生手段(41)と、
    前記第1磁束伝達部の他端と前記第2磁束伝達部の他端との間に設けられる第2磁束発生手段(42)と、
    前記隙間において前記検出対象または前記基準部材の一方に対し前記隙間の長手方向に相対移動可能なよう前記検出対象または前記基準部材の他方に設けられ、通過する磁束の密度に応じた信号を出力する磁束密度検出手段(50)と、
    を備え、
    前記第1薄板は、一方の面から板厚方向に凹む第1凹部(211)、および、他方の面の前記第1凹部に対応する位置から前記第1凹部に対応する形状で板厚方向に突出する第1凸部(212)を有し、
    前記第1磁束伝達部は、一の前記第1薄板の前記第1凹部に他の前記第1薄板の前記第1凸部が嵌合した状態で前記第1薄板が積層されており
    前記第2薄板は、一方の面から板厚方向に凹む第2凹部(311)、および、他方の面の前記第2凹部に対応する位置から前記第2凹部に対応する形状で板厚方向に突出する第2凸部(312)を有し、
    前記第2磁束伝達部は、一の前記第2薄板の前記第2凹部に他の前記第2薄板の前記第2凸部が嵌合した状態で前記第2薄板が積層されており
    前記第1磁束伝達部および前記第2磁束伝達部に対し前記磁束密度検出手段が相対移動可能な範囲を検出範囲(θfs)とすると、
    前記第1凹部および前記第1凸部は、前記検出範囲外に設けられ、
    前記第2凹部および前記第2凸部は、前記検出範囲外に設けられていることを特徴とする位置検出装置。
  4. 非磁性体により形成され、前記第1磁束伝達部に固定されるよう前記第1磁束伝達部、前記第1磁束発生手段および前記第2磁束発生手段に対し前記第1薄板の板厚方向の一方側または他方側、もしくは、一方側および他方側に設けられ、前記第1磁束発生手段および前記第2磁束発生手段を係止することにより前記第1磁束発生手段および前記第2磁束発生手段の前記第1磁束伝達部に対する前記板厚方向の相対移動を規制可能な第1非磁性部(60)をさらに備えることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  5. 前記第1非磁性部は、前記第1磁束発生手段または前記第2磁束発生手段に対し前記隙間の長手方向の一方側または他方側、もしくは、一方側および他方側に位置するよう形成され前記第1磁束発生手段または前記第2磁束発生手段を係止することにより前記第1磁束発生手段または前記第2磁束発生手段の前記第1磁束伝達部に対する前記長手方向の相対移動を規制可能な第1非磁性係止部(65、66、67、68)を有することを特徴とする請求項に記載の位置検出装置。
  6. 非磁性体により前記第1非磁性部と一体または別体に形成され、前記第2磁束伝達部に固定されるよう前記第2磁束伝達部、前記第1磁束発生手段および前記第2磁束発生手段に対し前記第2薄板の板厚方向の一方側または他方側、もしくは、一方側および他方側に設けられ、前記第1磁束発生手段および前記第2磁束発生手段を係止することにより前記第1磁束発生手段および前記第2磁束発生手段の前記第2磁束伝達部に対する前記板厚方向の相対移動を規制可能な第2非磁性部(70)をさらに備えることを特徴とする請求項またはに記載の位置検出装置。
  7. 前記第2非磁性部は、前記第1磁束発生手段または前記第2磁束発生手段に対し前記隙間の長手方向の一方側または他方側、もしくは、一方側および他方側に位置するよう形成され前記第1磁束発生手段または前記第2磁束発生手段を係止することにより前記第1磁束発生手段または前記第2磁束発生手段の前記第2磁束伝達部に対する前記長手方向の相対移動を規制可能な第2非磁性係止部(75、76)を有することを特徴とする請求項に記載の位置検出装置。
  8. 基準部材(6、9)に対し相対移動する検出対象(12、14)の位置を検出する位置検出装置(10)であって、
    長尺状の磁性体からなる第1薄板(21)板厚方向に積層されており、前記検出対象または前記基準部材の一方に設けられる第1磁束伝達部(20)と、
    長尺状の磁性体からなる第2薄板(31)板厚方向に積層されており、前記第2薄板の板厚方向が前記第1薄板の板厚方向に対し平行になるよう、かつ、前記第1磁束伝達部との間に長尺状の隙間(101)を形成するよう前記検出対象または前記基準部材の一方に設けられる第2磁束伝達部(30)と、
    前記第1磁束伝達部の一端と前記第2磁束伝達部の一端との間に設けられる第1磁束発生手段(41)と、
    前記第1磁束伝達部の他端と前記第2磁束伝達部の他端との間に設けられる第2磁束発生手段(42)と、
    前記隙間において前記検出対象または前記基準部材の一方に対し前記隙間の長手方向に相対移動可能なよう前記検出対象または前記基準部材の他方に設けられ、通過する磁束の密度に応じた信号を出力する磁束密度検出手段(50)と、
    非磁性体により形成され、前記第1磁束伝達部に固定されるよう前記第1磁束伝達部、前記第1磁束発生手段および前記第2磁束発生手段に対し前記第1薄板の板厚方向の一方側または他方側、もしくは、一方側および他方側に設けられ、前記第1磁束発生手段および前記第2磁束発生手段を係止することにより前記第1磁束発生手段および前記第2磁束発生手段の前記第1磁束伝達部に対する前記板厚方向の相対移動を規制可能な第1非磁性部(60)と、
    を備え、
    前記第1非磁性部は、前記第1磁束発生手段または前記第2磁束発生手段に対し前記隙間の長手方向の一方側または他方側、もしくは、一方側および他方側に位置するよう形成され前記第1磁束発生手段または前記第2磁束発生手段を係止することにより前記第1磁束発生手段または前記第2磁束発生手段の前記第1磁束伝達部に対する前記長手方向の相対移動を規制可能な第1非磁性係止部(65、66、67、68)を有することを特徴とする位置検出装置。
  9. 非磁性体により前記第1非磁性部と一体または別体に形成され、前記第2磁束伝達部に固定されるよう前記第2磁束伝達部、前記第1磁束発生手段および前記第2磁束発生手段に対し前記第2薄板の板厚方向の一方側または他方側、もしくは、一方側および他方側に設けられ、前記第1磁束発生手段および前記第2磁束発生手段を係止することにより前記第1磁束発生手段および前記第2磁束発生手段の前記第2磁束伝達部に対する前記板厚方向の相対移動を規制可能な第2非磁性部(70)をさらに備えることを特徴とする請求項に記載の位置検出装置。
  10. 基準部材(6、9)に対し相対移動する検出対象(12、14)の位置を検出する位置検出装置(10)であって、
    長尺状の磁性体からなる第1薄板(21)板厚方向に積層されており、前記検出対象または前記基準部材の一方に設けられる第1磁束伝達部(20)と、
    長尺状の磁性体からなる第2薄板(31)板厚方向に積層されており、前記第2薄板の板厚方向が前記第1薄板の板厚方向に対し平行になるよう、かつ、前記第1磁束伝達部との間に長尺状の隙間(101)を形成するよう前記検出対象または前記基準部材の一方に設けられる第2磁束伝達部(30)と、
    前記第1磁束伝達部の一端と前記第2磁束伝達部の一端との間に設けられる第1磁束発生手段(41)と、
    前記第1磁束伝達部の他端と前記第2磁束伝達部の他端との間に設けられる第2磁束発生手段(42)と、
    前記隙間において前記検出対象または前記基準部材の一方に対し前記隙間の長手方向に相対移動可能なよう前記検出対象または前記基準部材の他方に設けられ、通過する磁束の密度に応じた信号を出力する磁束密度検出手段(50)と、
    非磁性体により形成され、前記第1磁束伝達部に固定されるよう前記第1磁束伝達部、前記第1磁束発生手段および前記第2磁束発生手段に対し前記第1薄板の板厚方向の一方側または他方側、もしくは、一方側および他方側に設けられ、前記第1磁束発生手段および前記第2磁束発生手段を係止することにより前記第1磁束発生手段および前記第2磁束発生手段の前記第1磁束伝達部に対する前記板厚方向の相対移動を規制可能な第1非磁性部(60)と、
    非磁性体により前記第1非磁性部と一体または別体に形成され、前記第2磁束伝達部に固定されるよう前記第2磁束伝達部、前記第1磁束発生手段および前記第2磁束発生手段に対し前記第2薄板の板厚方向の一方側または他方側、もしくは、一方側および他方側に設けられ、前記第1磁束発生手段および前記第2磁束発生手段を係止することにより前記第1磁束発生手段および前記第2磁束発生手段の前記第2磁束伝達部に対する前記板厚方向の相対移動を規制可能な第2非磁性部(70)と、
    を備える位置検出装置。
  11. 前記第2非磁性部は、前記第1磁束発生手段または前記第2磁束発生手段に対し前記隙間の長手方向の一方側または他方側、もしくは、一方側および他方側に位置するよう形成され前記第1磁束発生手段または前記第2磁束発生手段を係止することにより前記第1磁束発生手段または前記第2磁束発生手段の前記第2磁束伝達部に対する前記長手方向の相対移動を規制可能な第2非磁性係止部(75、76)を有することを特徴とする請求項9または10に記載の位置検出装置。
  12. 前記第1磁束伝達部は、複数の前記第1薄板のうち少なくとも1つの一端または他端、もしくは、一端および他端から延びて先端部が前記第1磁束発生手段または前記第2磁束発生手段に対し前記隙間の長手方向の一方側または他方側、もしくは、一方側および他方側に位置するよう形成され前記第1磁束発生手段または前記第2磁束発生手段を係止することにより前記第1磁束発生手段または前記第2磁束発生手段の前記第1磁束伝達部に対する前記長手方向の相対移動を規制可能な第1係止部(25、26)を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  13. 前記第2磁束伝達部は、複数の前記第2薄板のうち少なくとも1つの一端または他端、もしくは、一端および他端から延びて先端部が前記第1磁束発生手段または前記第2磁束発生手段に対し前記隙間の長手方向の一方側または他方側、もしくは、一方側および他方側に位置するよう形成され前記第1磁束発生手段または前記第2磁束発生手段を係止することにより前記第1磁束発生手段または前記第2磁束発生手段の前記第2磁束伝達部に対する前記長手方向の相対移動を規制可能な第2係止部(35、36)を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  14. 非磁性体により板状に形成され、2つの前記第1薄板の間および2つの前記第2薄板の間に挟み込まれるよう設けられ、前記第1磁束発生手段または前記第2磁束発生手段に対し前記隙間の長手方向の一方側または他方側、もしくは、一方側および他方側に位置するよう形成され前記第1磁束発生手段または前記第2磁束発生手段を係止することにより前記第1磁束発生手段または前記第2磁束発生手段の前記第1磁束伝達部および前記第2磁束伝達部に対する前記長手方向の相対移動を規制可能な中間非磁性係止部(87、88)を有する中間非磁性部(80)をさらに備えることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  15. 前記第1磁束伝達部は、前記第1薄板の前記第2磁束伝達部側の端部が自由曲線または複数の円弧の組み合わせに沿うよう形成され、
    前記第2磁束伝達部は、前記第2薄板の前記第1磁束伝達部側の端部が自由曲線または複数の円弧の組み合わせに沿うよう形成されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  16. 前記隙間は、長手方向の位置により、幅が異なるよう形成されていることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  17. 前記第1磁束伝達部は、長手方向の位置により、前記第1薄板の幅が異なるよう形成され、
    前記第2磁束伝達部は、長手方向の位置により、前記第2薄板の幅が異なるよう形成されていることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の位置検出装置。
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