JP5860327B2 - 電気融着継手の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電気融着継手の製造方法に関する。
従来、水道管、ガス管等には、耐久性、耐食性、可撓性に優れる上、軽量で作業性(施工性)に優れることからポリエチレン管等の合成樹脂管が多用されている。また、この種の管材同士を接続するためには、主に電気融着継手(EF継手)が多用されている(例えば、特許文献1参照)。この電気融着継手は、ポリエチレン等の合成樹脂からなる筒状部の内周面側にニクロム線等の電熱線を螺旋状に埋設して形成したものである。
この電気融着継手により二つの管材を接続する場合には、各管材の端部をそれぞれ筒状部の内側に嵌合させた状態で、通電により電熱線を発熱させる。この電熱線の発熱により、筒状部及び管材のうち電熱線の近傍部分が溶融して、筒状部の内周面側と各管材の外周面側とが融着するため、電気融着継手を介して二つの管材を接続することができる。
この電気融着継手を製造する場合には、はじめに、電熱線を略円柱状に形成されたコア金型(内型)に螺旋状に巻き付ける。次いで、電熱線を取り付けたコア金型を所定のセット位置に搬送し、キャビティ金型(外型)を型締めする。そして、コア金型とキャビティ金型を型締めして形成した射出空間に溶融樹脂を射出し、冷却固化させることで筒状部が成形され、電気融着継手の製造が完了する。
従来、電気融着継手の製造方法では、螺旋状に巻き付けられた電熱線間のピッチ(コア金型の軸線方向に沿う間隔)が一定となるように、例えば図9に示すように、電熱線91をポリエチレン等の合成樹脂からなる被覆部92で絶縁被覆して被覆電熱線90を構成し、螺旋状に巻き付けられた状態で軸線方向に隣り合う被覆電熱線90同士が互いに接するように、被覆電熱線90を巻き付けることが行われている。
また、電気融着継手の製造方法では、被覆電熱線90を巻き付けてから筒状部を成形するまでの間に、コア金型7に対する被覆電熱線90の巻き付けが緩む等して電熱線91間のピッチが変化してしまわぬように、例えば図9に示すように、コア金型7に巻き付けられた被覆電熱線90にコテ板9を押し付けると共に、コテ板9から被覆部92に熱を付与することで被覆部92を溶融して、軸線方向に隣り合う被覆部92同士を接合し、軸線方向に隣り合う被覆電熱線90同士を仮止めすることが考えられている。
なお、被覆部92の断面形状は、図9のように電熱線91の形状に倣う円形状とされることが多い。また、図9において符号95で示す部分は、仮止めの際に溶融した被覆部92が流れ込むことで隣り合う被覆電熱線90同士を接合するための隙間である。
特開2008−215595号公報
ところで、螺旋状に巻きつけられる電熱線91間のピッチは、電熱線91の線径に比例するように設定されるため、図9のように被覆電熱線90の被覆部92が断面円形状であると、電熱線91の線径が大きくなる程、製造後の電気融着継手において電熱線91から筒状部の内周面に至る被覆部92の厚みTbも大きくなってしまう。このため、電気融着継手の筒状部に管材を融着させるために通電により電熱線91を発熱させても、電熱線91の熱が筒状部の内周面側や各管材の外周面側に伝わり難くなる。その結果として、筒状部と管材との融着が不十分となる虞がある。
また、従来では、例えば図10(a),11に示すように、被覆部92の断面形状が半円形状あるいは矩形状である被覆電熱線90を用いることが考えられている。
被覆部92が断面半円形状や断面矩形状である場合、電熱線91から被覆部92の側端に至る被覆部92の厚みTa(電熱線21間のピッチを設定する厚み)と、電熱線から筒状部の内周面に至る被覆部92の厚みTbとを独立して設定できるため、電熱線91の線径に関わらず、筒状部と管材との融着に不具合が生じることはない。
しかしながら、被覆部92が断面半円形状である場合には、図10(b)に示すように、被覆電熱線90をコア金型7に巻き付ける際に、軸線方向に隣り合う被覆電熱線90の一方が他方の曲面部分に乗り上げてしまい、その結果として、電熱線91間のピッチが変化してしまう、という問題がある。
一方、被覆部92が断面矩形状である場合、断面半円形状のように被覆電熱線90の乗り上げは発生しないものの、コテ板9を用いて隣り合う被覆電熱線90同士を仮止めする際に、前述した隙間95(図9,10(a)参照)が形成されないため、あるいは、隙間が微小となるため、隣り合う被覆電熱線90同士の接合力が十分に得られず、被覆電熱線90をコア金型7に巻き付けた後から筒状部を成形するまでの間に、電熱線91間のピッチが変化してしまう(乱れてしまう)虞がある。
本発明は、上述した事情に鑑みたものであって、電熱線の線径に関わらず電気融着継手と管材との融着を良好に実施できると共に、電気融着継手の製造過程において電熱線間のピッチが変化することも防止できる電気融着継手の製造方法を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明の電気融着継手の製造方法は、電熱線の外周面に合成樹脂製の被覆部を形成してなり、前記被覆部が、前記電熱線の長手方向に直交する断面で平行四辺形状に形成された四辺形部と、該四辺形部の一辺から突出する凸状部と、を備え、かつ、前記凸状部が、前記四辺形部の一辺における中間部の一部に配されている被覆電熱線を用意した上で、円柱状に形成されたコア金型の外周面に対し、前記四辺形部のうち前記一辺と平行する反対側の辺が前記コア金型の外周面に面接触するように、かつ、前記コア金型の軸線方向に隣り合う前記被覆電熱線同士が互いに接するように、前記被覆電熱線を螺旋状に巻き付ける巻き付け工程と、コテ板によって、螺旋状に巻き付けられた前記被覆電熱線の前記凸状部を前記四辺形部の前記一辺に向けて押さえつけながら加熱溶融し、前記軸線方向に隣り合う前記被覆電熱線同士を仮止めする仮止め工程と、を順番に実施し、前記仮止め工程では、前記凸状部のうち前記コテ板によって溶融された溶融部分が、前記軸線方向に隣り合う前記凸状部間の隙間に流れ込み、前記軸線方向に隣り合う前記被覆電熱線を跨ぐように形成されることを特徴とする。
本発明の製造方法によって電気融着継手を製造する際には、例えば従来の場合と同様に、被覆電熱線をコア金型の外周面に螺旋状に巻き付ければよい。なお、この巻き付けの際は、被覆部を構成する四辺形部のうち凸状部を形成した一辺(一方の辺)と平行する反対側の辺(他方の辺)がコア金型の外周面に面接触するように、被覆電熱線を巻き付ければよい。
また、螺旋状に巻き付けられた被覆電熱線の電熱線間のピッチを一定とするためには、従来の場合と同様に、コア金型の軸線方向に隣り合う被覆電熱線同士が互いに接するように被覆電熱線を巻き付ければよい。この場合、電熱線間のピッチは、電熱線から四辺形部のうち一方の辺及び他方の辺に交差する交差辺に至る被覆部の厚みによって決められる。
このように本発明の被覆電熱線を巻き付けると、軸線方向に隣り合う四辺形部のうち前述した交差辺同士が互いに面接触するため、従来のように軸線方向に隣り合う被覆電熱線の一方が他方に乗り上げることを確実に防止できる。したがって、電熱線間のピッチを一定に保持しながら被覆電熱線を巻き付けることが可能となる。
なお、被覆電熱線をコア金型に巻き付けた状態では、軸線方向に隣り合う被覆電熱線の凸状部の間に隙間が生じている。
さらに、上述した被覆電熱線の巻き付け後には、従来の場合と同様に、コテ板によって、凸状部を四辺形部の一方の辺に向けて押さえつけながら加熱溶融して、軸線方向に隣り合う被覆電熱線同士を仮止めすればよい。この仮止めの際には、凸状部のうちコテ板によって溶融された部分(溶融部分)が、軸線方向に隣り合う凸状部間の隙間に流れ込むため、この溶融部分によって隣り合う凸状部同士が一体に固定され、隣り合う被覆電熱線同士を接合によって確実に仮止めすることができる。したがって、隣り合う被覆電熱線同士の接合力を十分に得ることができ、被覆電熱線同士を仮止めした後から、電気融着継手を構成する従来と同様の筒状部を成形するまでの間に、電熱線間のピッチが変化することを防止できる。
また、巻き付け前の被覆電熱線では、凸状部が四辺形部の一方の辺における中間部の一部に配されていることで、凸状部と四辺形部の一方の辺の両端との間に間隔が生じている。これにより、上述した被覆電熱線の巻き付け後には、軸線方向に隣り合う凸状部間の隙間が互いに面接触する四辺形部の境界を跨ぐように画成されるため、仮止めの際に前記隙間に流れ込む凸状部の溶融部分も、隣り合う四辺形部を跨ぐように形成されることになる。したがって、軸線方向に隣り合う被覆電熱線同士の接合力をさらに向上させることができる。
上記仮止めの後に前述した筒状部を成形することで、電気融着継手を得ることができる。このように製造される電気融着継手では、被覆電熱線の四辺形部の他方の辺が、筒状部の内周面の一部をなす。したがって、管材を電気融着継手に融着する際には、通電された電熱線の熱が被覆部のうち四辺形部の他方の辺まで伝わることで、四辺形部の他方の辺を含む筒状部の内周面側の部分及び四辺形部の他方の辺に対向する管材の外周面側の部分が溶融することになる。
そして、本発明の被覆電熱線によれば、被覆部が四辺形部を備えているため、電熱線の線径に関わらず、電熱線から四辺形部の交差辺に至る被覆部の厚み(電熱線間のピッチを設定する被覆部の厚み)と、電熱線から四辺形部の他方の辺に至る被覆部の厚み(電気融着継手と管材との融着に影響する被覆部の厚み)とを独立して設定することが可能である。したがって、電気融着継手と管材との融着に不具合が生じることを防止できる。
そして、前記電気融着継手の製造方法において、前記巻き付け工程の前に用意される前記被覆電熱線では、前記凸状部の頂部に、前記四辺形部の一辺に平行する平坦部が形成されているとよい。
上記被覆電熱線によれば、前述した電気融着継手の製造に際して、軸線方向に隣り合う被覆電熱線同士を仮止めする際に、コテ板を凸状部の平坦部に面接触させることができる。したがって、凸状部を効率よく加熱溶融することが可能となり、被覆電熱線同士の仮止めに要する時間を短縮することができる。
また、前記電気融着継手の製造方法において、前記巻き付け工程の前に用意される前記被覆電熱線では、前記凸状部の高さ寸法が、該凸状部の頂部から両端に向かうにしたがって低くなっているとよい。
これらの被覆電熱線によれば、軸線方向に隣り合う凸状部間の隙間が互いに面接触する四辺形部の境界を跨ぐように画成されるため、仮止めの際に前記隙間に流れ込む凸状部の溶融部分も、隣り合う四辺形部を跨ぐように形成されることになる。したがって、軸線方向に隣り合う被覆電熱線同士の接合力をさらに向上させることができる。
さらに、前記電気融着継手の製造方法において、前記仮止め工程では、前記凸状部が前記コテ板によって押さえつけられることで、前記四辺形部の前記一辺と同一の寸法を有する断面矩形状に変形し、変形後の前記凸状部の高さ寸法が、前記四辺形部の高さ寸法の50%以上となると好ましい。
この場合には、仮止め後の状態において、軸線方向に隣り合う四辺形部を互いに引き離すような外力が被覆電熱線に作用したとしても、互いに隣り合って一体に固定された凸状部が引きちぎられることを確実に防止できる。したがって、軸線方向に隣り合う被覆電熱線同士の接合力の向上を図ることが可能となる。
本発明によれば、電熱線の線径に関わらず電気融着継手と管材との融着を良好に実施できると共に、電気融着継手の製造過程において電熱線間のピッチが変化することも防止することができる。
本発明の第一実施形態に係る電気融着継手を示す断面図である。 図1に示す電気融着継手に使用する被覆電熱線を示す拡大斜視図である。 図1に示す電気融着継手の製造方法において、被覆電熱線をコア金型に螺旋状に巻き付けた状態を示す断面図である。 図1に示す電気融着継手の製造方法において、螺旋状に巻き付けられた被覆電熱線を仮止めする直前の状態を示す拡大斜視図である。 図1に示す電気融着継手の製造方法において、螺旋状に巻き付けられた被覆電熱線を仮止めした直後の状態を示す拡大断面図である。 本発明の他の実施形態に係る被覆電熱線を示す拡大断面図である。 本発明の他の実施形態に係る被覆電熱線を示す拡大断面図である。 本発明の他の実施形態に係る被覆電熱線を示す拡大断面図であり、(a)は被覆電熱線を仮止めする前の状態であり、(b)は被覆電熱線を仮止めした後の状態である。 従来の電気融着継手に使用する被覆電熱線の一例を示す拡大断面図である。 従来の電気融着継手に使用する被覆電熱線の他の例を示す拡大断面図である。 従来の電気融着継手に使用する被覆電熱線の他の例を示す拡大断面図である。
以下、図1〜5を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る電気融着継手1は、ソケットであり、筒状部10と、被覆電熱線20と、ターミナル部30と、を備えている。
筒状部10は、ポリエチレン等のように加熱されることで容易に溶融可能な合成樹脂からなり、円筒状(筒状)に形成されている。この筒状部10の軸線O1方向の両端部は、接続すべき二つの管材5,5の各端部をそれぞれ挿入する挿入端部となっている。
また、筒状部10には、その内側に挿入される各管材5の挿入位置を規定するストッパ11が形成されている。ストッパ11は、筒状部10の軸線O1方向の中間部において、筒状部の内周面10aから径方向内側に突出している。
被覆電熱線20は、ニクロム線等の電熱線21の外周面にポリエチレン等の合成樹脂からなる被覆部22を形成して構成されている。この被覆電熱線20は、筒状部10の内周面10aに接するように筒状部10の軸線O1を中心とした螺旋状に巻き付けられた状態で、筒状部10に埋設されている。特に、ストッパ11と筒状部10の軸線O1方向の各端部との間の領域においては、軸線O1方向に隣り合う被覆電熱線20同士が互いに接するように、被覆電熱線20が巻き付けられており、これによって、この領域における電熱線21間のピッチが一定に設定されている。
また、筒状部10の軸線O1方向の両端に位置する被覆電熱線20の両端部は、筒状部10の内周面10a側から外周面10bに向けて延びている。
ターミナル部30は、筒状部10の軸線O1方向の両端に位置する筒状部10の外周面10bにそれぞれ設けられている。各ターミナル部30は、筒状部10の外周面10bから径方向外側に突出するターミナルピン31と、ターミナルピン31の周囲において筒状部10の外周面10bから突出してターミナルピン31を囲繞するコネクタ取付部32とを備えている。各ターミナルピン31には、電熱線21の端部が電気接続されている。
このように構成されるターミナル部30には、電熱線21に電流を流すためのコントローラのケーブルコネクタ(不図示)が取り付けられるようになっている。
電気融着継手1の製造には、図2に示す被覆電熱線20を使用する。この被覆電熱線20は、前述したように電熱線21及び被覆部22を備えている。
そして、被覆部22は、電熱線21の長手方向に直交する断面で矩形状に形成された四辺形部(矩形状部)23と、四辺形部23の一辺(一方の辺23a)から突出する凸状部24とを備えている。
四辺形部23は、凸状部24が突出している一方の辺23aを長辺とする断面長方形状に形成されている。そして、電熱線21は、この四辺形部23のみによって被覆されている。具体的に説明すれば、一方の辺23aに沿う四辺形部23の幅方向の寸法(幅寸法)、及び、一方の辺23aに交差(直交)する辺(交差辺23c)に沿う四辺形部23の寸法(高さ寸法)が、いずれも電熱線21の線径dよりも大きくなるように設定されている。さらに、電熱線21は、四辺形部23の幅方向及び高さ方向の中央に位置している。
凸状部24は、四辺形部23と同様に断面矩形状に形成されているものの、その幅寸法は、四辺形部23の幅寸法よりも短く設定されている。また、凸状部24は、四辺形部23の一方の辺23aの両端との間に間隔をあけるように、四辺形部23の一方の辺23aにおける中間部の一部に配されている。本実施形態では、凸状部24から四辺形部23の一方の辺23aの各端部に至る距離が同一となる位置に配されている。そして、凸状部24の突出方向先端(頂部)には、四辺形部23の一方の辺23aに平行する平坦部24bが形成されている。
次に、上記被覆電熱線20を用いた電気融着継手1の製造方法について説明する。
電気融着継手1を製造する際には、はじめに、図3,4に示すように、被覆電熱線20を円柱状に形成されたコア金型7の外周面7aに螺旋状に巻き付ける(巻き付け工程)。なお、コア金型7は、筒状部10の成形に使用する金型の一部であり、コア金型7の外周面7aは筒状部10の内周面10aを画成するものである。また、コア金型7の軸線O1方向の中間部には、コア金型7の外周面7aから径方向内側に窪む窪み部7bが形成されている。この窪み部7bは筒状部10のストッパ11に対応している。
そして、この巻き付け工程では、四辺形部23のうち一方の辺23aと平行する反対側の辺(他方の辺23b)がコア金型7の外周面7aに面接触するように、被覆電熱線20を巻き付ける。
また、この巻き付け工程では、コア金型7の窪み部7bと軸線O1方向の各端部との間の領域において、コア金型7の軸線O1方向に隣り合う被覆電熱線20同士が互いに接するように、被覆電熱線20を巻き付ける(以下、この巻き付け方を「整列巻き」と呼ぶ。)。このように被覆電熱線20の整列巻きを実施した場合、軸線O1方向に隣り合う四辺形部23の交差辺23c同士が互いに面接触することになる。そして、電熱線21間のピッチは、電熱線21から四辺形部23の交差辺23cに至る被覆部の厚みTa、言い換えれば、四辺形部23の幅寸法によって決められる。
なお、巻き付け工程後の状態においては、軸線O1方向に隣り合う被覆電熱線20の凸状部24間に隙間25が生じている。この隙間25は、互いに面接触する四辺形部23の境界を跨ぐように画成されている。
上記巻き付け工程後には、図4,5に示すように、コテ板9によって、整列巻きされた被覆電熱線20の凸状部24を四辺形部23の一方の辺23aに向けて押さえつけながら加熱溶融し、軸線O1方向に隣り合う被覆電熱線20同士を仮止めする(仮止め工程)。なお、この仮止め工程では、コテ板9が凸状部24の平坦部24bに面接触する。
この仮止め工程を実施すると、凸状部24のうちコテ板9によって溶融された部分(溶融部分)が、図4において矢印Xで示すように、軸線O1方向に隣り合う凸状部24間の隙間25に流れ込む。このため、溶融部分によって隣り合う凸状部24同士が一体に固定され、隣り合う被覆電熱線20同士が接合によって仮止めされることになる。
また、仮止め工程では、凸状部24がコテ板9によって押さえつけられることで、四辺形部23の一方の辺23aと同一の幅寸法を有する断面矩形状に変形する。これにより、四辺形部23及び変形後の凸状部24A全体の断面形状が、矩形となる。そして、変形後における凸状部24Aの高さ寸法H4は、変形前における凸状部24の高さ寸法よりも低くなる。なお、本実施形態では、変形後における凸状部24Aの高さ寸法H4が四辺形部23の高さ寸法H3の50%以上となるように、仮止め工程前における凸状部24の大きさが設定されている。
また、仮止め工程においては、凸状部の溶融が不十分あるいは過度にならないように、例えば200〜300℃のコテ板9を凸状部24に2〜3秒押しつけて実施される。
この仮止め工程は、整列巻きされた被覆電熱線20の周方向全体に対して実施されてもよいが、被覆電熱線20の熱変形を小さく抑えるためには、周方向に間隔(例えば45度や60度の間隔)をあけた複数の位置で実施されることがより好ましい。
そして、上記仮止め工程後には、従来の場合と同様に、被覆電熱線20の端部にターミナルピン31を接続する。その後、被覆電熱線20及びターミナルピン31を取り付けたコア金型7を内包するようにキャビティ金型(不図示)を型締めした上で、これらコア金型7及びキャビティ金型によって形成された射出空間に溶融樹脂を射出することで筒状部10を成形する(成形工程)。
以上により、電気融着継手1の製造が完了する。
以上のように製造される電気融着継手1では、図1に示すように、被覆部22のうち四辺形部23の他方の辺23bが筒状部10の内周面10aの一部をなしている。このため、管材5を電気融着継手1に融着する際には、通電された電熱線21の熱が四辺形部23の他方の辺23bまで伝わることで、四辺形部23の他方の辺23bを含む筒状部10の内周面10a側の部分及び四辺形部23の他方の辺23bに対向する管材5の外周面側の部分が溶融することになる。
したがって、電熱線21の熱によって筒状部10の内周面10a側の部分及び管材5の外周面側の部分を溶融する効率(融着効率)は、図4に示すように、電熱線21から四辺形部23の他方の辺23bに至る被覆部22の厚みTbに依存する。すなわち、この被覆部22の厚みTbは、電気融着継手1と管材5との融着に影響を与える。そして、本実施形態では被覆部22が四辺形部23を備えているため、融着効率を設定する被覆部22の厚みTbは、整列巻きされた電熱線21間のピッチを設定するための被覆部の厚みTaとは無関係に独立して設定することが可能である。
なお、電熱線21の線径dが1.1mmである場合、電熱線21間のピッチを設定するための被覆部の厚みTaは、例えば1.0〜1.1mm(線径dの約三倍)に設定されるが、融着効率を設定する被覆部22の厚みTbは、例えば0.5〜0.6mmに設定されることが好ましい。
以上説明したように、本実施形態の被覆電熱線20及びこれを用いて製造される電気融着継手1によれば、電熱線21間のピッチを設定する被覆部22の厚みTaと、融着効率を設定する被覆部22の厚みTbとを独立して設定できるため、電熱線21間のピッチに影響する電熱線21の線径dに関わらず、電気融着継手1と管材5との融着に不具合が生じることを防止でき、電気融着継手1と管材5との融着を良好に実施することが可能となる。
また、本実施形態の被覆電熱線20を用いて電気融着継手1を製造すれば、巻き付け工程において被覆電熱線20を整列巻きで巻き付ける際に、軸線O1方向に隣り合う四辺形部23の交差辺23c同士が互いに面接触するため、従来のように軸線O1方向に隣り合う被覆電熱線20の一方が他方に乗り上げることを確実に防止できる。したがって、電熱線21間のピッチを一定に保持しながら被覆電熱線20を巻き付けることが可能となる。
なお、被覆電熱線20の乗り上げをより確実に防止するためには、交差辺23cの長さ寸法(四辺形部23の高さ寸法H3)を1mm以上に設定することがより好ましい。
さらに、仮止め工程においては、コテ板9によって溶融された凸状部24の溶融部分が、軸線O1方向に隣り合う凸状部24間の隙間25に流れ込むことで、隣り合う凸状部24同士が一体に固定されるため、隣り合う被覆電熱線20同士の接合力を十分に得ることができる。
特に、本実施形態の被覆電熱線20によれば、整列巻きされた状態において軸線O1方向に隣り合う凸状部24間の隙間25が、互いに面接触する四辺形部23の境界を跨ぐように画成されるため、仮止め工程において隙間25に流れ込む凸状部24の溶融部分も、隣り合う被覆電熱線20を跨ぐように形成されることになる。これにより、隣り合う被覆電熱線20同士の接合力をさらに向上させることができる。
また、本実施形態では、仮止め工程後における凸状部24Aの高さ寸法H4が四辺形部23の高さ寸法H3の50%以上となるため、仮止め工程後から成形工程までの間に、軸線O1方向に隣り合う四辺形部23を互いに引き離すような外力が被覆電熱線20に作用したとしても、互いに隣り合って一体に固定された凸状部24が引きちぎられることを確実に防止できる。したがって、隣り合う被覆電熱線20同士の接合力のさらなる向上を図ることができる。
以上のように隣り合う被覆電熱線20同士の接合力を十分に確保できることから、仮止め工程後から成形工程までの間に、電熱線21間のピッチが変化することを確実に防止できる。
さらに、本実施形態の被覆電熱線20を用いて電気融着継手1を製造すれば、仮止め工程において、コテ板9が凸状部24の平坦部24bに面接触するため、凸状部24を効率よく加熱溶融することが可能となり、被覆電熱線20同士の仮止めに要する時間を短縮することができる。
以上、本発明の詳細について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態では、凸状部24の高さ寸法が、その幅方向にわたって一定に設定されているが、例えば図6に示すように、凸状部24の頂部から幅方向の両端に向かうにしたがって低くなるように設定されてもよい。
なお、図6に示す凸状部24は、その全体あるいは突出方向の先端部分が断面半円状となるように形成されているが、これに限ることはなく、例えば階段状に形成されてもよいし、断面三角形状に形成されてもよい。また、図6に示す凸状部24の突出方向先端には、例えば上記実施形態の場合と同様の平坦部24bが形成されていてもよい。
また、凸状部24の高さ寸法が凸状部24の幅方向の中間部から両端に向かうにしたがって低くなるように設定されている場合、凸状部24は、図2や図6(a)に示すように、四辺形部23の一方の辺23aの両端との間に間隔をあけて配されることに限らず、例えば図6(b)に示すように、四辺形部23の一方の辺23aの両端との間に間隔をあけずに配されてもよい。すなわち、凸状部24の突出方向基端の幅寸法は、四辺形部23の一方の辺23aの幅寸法と同一に設定されてもよい。
さらに、凸状部24を四辺形部23の一方の辺23aにおける中間部の一部に配する場合、凸状部24は、図2や図6(a)に示すように、凸状部24から四辺形部23の一方の辺23aの各端部に至る距離が同一となる位置に配されることに限らず、例えば、凸状部24から四辺形部23の一方の辺23aの各端部に至る距離が互いに異なる位置に配されてもよい。
また、凸状部24の突出方向基端の幅寸法が四辺形部23の一方の辺23aの幅寸法よりも小さい場合、凸状部24は、図2や図6(a)に示すように、四辺形部23の一方の辺23aの中間部に配されることに限らず、少なくとも被覆電熱線20を整列巻きした状態で、軸線O1方向に隣り合う凸状部24の間に隙間25が形成されるように、四辺形部23の一方の辺23aに配されていればよい。したがって、凸状部24は、例えば図7に示すように、一方の辺23aの端部に寄せた位置に配されてもよい。
さらに、電熱線21は、上記実施形態のように被覆部22の四辺形部23のみによって被覆されることに限らず、例えば図8(a)に示すように、四辺形部23及び凸状部24の両方によって被覆されていてもよい。この場合には、図8(b)に示すように、仮止め工程後の状態における四辺形部23及び凸状部24Aの高さ寸法H3,H4を足し合わせた被覆部22の高さ寸法を低く設定することができる。
また、四辺形部23は、上記実施形態のように、断面矩形状に形成されることに限らず、少なくとも断面平行四辺形状に形成されていればよい。したがって、四辺形部23は、例えば断面菱形に形成されていてもよい。
さらに、断面平行四辺形状に形成された四辺形部23における角部は、上記実施形態のように尖っていてもよいが、例えば丸みを帯びていてもよい。
また、電熱線21は、上記実施形態のように断面円形状に形成されることに限らず、任意の断面形状であってよい。
さらに、被覆部22は、筒状部10と被覆電熱線20とを一体に固定することを考慮すれば、筒状部10と同一の合成樹脂からなることが最も好ましいが、例えば、筒状部10をなす合成樹脂の融点と同じあるいは融点に近い合成樹脂からなっていてもよい。
また、本発明の被覆電熱線は、上記実施形態のように被覆電熱線20が筒状部10の内周面10aに接するように巻き付けられた電気融着継手1に限らず、例えば被覆電熱線20が筒状部10の外周面10bに接するように巻き付けられた電気融着継手にも適用可能である。このような電気融着継手を製造する際には、例えば、筒状部10の外周面10bを画成するキャビティ金型の内周面に四辺形部23の他方の辺23bが面接触するように、被覆電熱線20をキャビティ金型の内周面に巻き付ければよい。
さらに、本発明の被覆電熱線及びこれを用いて製造される電気融着継手は、上記実施形態のようなソケットに限らず、例えばエルボ、チーズ、サドルなどの継手にも適用可能である。
1 電気融着継手
10 筒状部
20 被覆電熱線
21 電熱線
22 被覆部
23 四辺形部
23a 一方の辺(一辺)
24,24A 凸状部
24b 平坦部
H3 高さ寸法
H4 高さ寸法
O1 軸線

Claims (4)

  1. 電熱線の外周面に合成樹脂製の被覆部を形成してなり、前記被覆部が、前記電熱線の長手方向に直交する断面で平行四辺形状に形成された四辺形部と、該四辺形部の一辺から突出する凸状部と、を備え、かつ、前記凸状部が、前記四辺形部の一辺における中間部の一部に配されている被覆電熱線を用意した上で、
    円柱状に形成されたコア金型の外周面に対し、前記四辺形部のうち前記一辺と平行する反対側の辺が前記コア金型の外周面に面接触するように、かつ、前記コア金型の軸線方向に隣り合う前記被覆電熱線同士が互いに接するように、前記被覆電熱線を螺旋状に巻き付ける巻き付け工程と、
    コテ板によって、螺旋状に巻き付けられた前記被覆電熱線の前記凸状部を前記四辺形部の前記一辺に向けて押さえつけながら加熱溶融し、前記軸線方向に隣り合う前記被覆電熱線同士を仮止めする仮止め工程と、を順番に実施し、
    前記仮止め工程では、前記凸状部のうち前記コテ板によって溶融された溶融部分が、前記軸線方向に隣り合う前記凸状部間の隙間に流れ込み、前記軸線方向に隣り合う前記被覆電熱線を跨ぐように形成されることを特徴とする電気融着継手の製造方法。
  2. 前記巻き付け工程の前に用意される前記被覆電熱線では、前記凸状部の頂部に、前記四辺形部の一辺に平行する平坦部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気融着継手の製造方法
  3. 前記巻き付け工程の前に用意される前記被覆電熱線では、前記凸状部の高さ寸法が、該凸状部の頂部から両端に向かうにしたがって低くなっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気融着継手の製造方法
  4. 前記仮止め工程では、前記凸状部が前記コテ板によって押さえつけられることで、前記四辺形部の前記一辺と同一の寸法を有する断面矩形状に変形し、
    変形後の前記凸状部の高さ寸法が、前記四辺形部の高さ寸法の50%以上となることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電気融着継手の製造方法。
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