JP5859117B2 - 磁気冷凍用材料および磁気冷凍デバイス - Google Patents

磁気冷凍用材料および磁気冷凍デバイス Download PDF

Info

Publication number
JP5859117B2
JP5859117B2 JP2014508103A JP2014508103A JP5859117B2 JP 5859117 B2 JP5859117 B2 JP 5859117B2 JP 2014508103 A JP2014508103 A JP 2014508103A JP 2014508103 A JP2014508103 A JP 2014508103A JP 5859117 B2 JP5859117 B2 JP 5859117B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic refrigeration
composite material
heat
magnetocaloric effect
magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014508103A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2013147177A1 (ja
Inventor
斉藤 明子
明子 斉藤
富松 師浩
師浩 富松
忠彦 小林
忠彦 小林
志織 加治
志織 加治
亮介 八木
亮介 八木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2014508103A priority Critical patent/JP5859117B2/ja
Publication of JPWO2013147177A1 publication Critical patent/JPWO2013147177A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5859117B2 publication Critical patent/JP5859117B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/012Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials adapted for magnetic entropy change by magnetocaloric effect, e.g. used as magnetic refrigerating material
    • H01F1/015Metals or alloys
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B21/00Machines, plants or systems, using electric or magnetic effects
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Hard Magnetic Materials (AREA)

Description

本発明の実施形態は、磁気冷凍用材料および磁気冷凍デバイスに関する。
人間の日常生活に密接に関係する常温域の冷熱技術として、冷蔵庫、冷凍庫、および室内冷暖房などがある。このような冷熱技術では、気体の圧縮膨張サイクルが応用されている。しかしながら、気体冷媒の環境影響;特定フロンガスの環境排出に伴うオゾン層破壊や、代替フロンガスの環境排出に伴う地球温暖化への影響;が大きな問題となっている。そこで、自然冷媒(CO2、アンモニアやイソブタンなど)への冷媒の転換も進められている。今日、環境に調和し、安全で、効率の高い新しい冷熱技術が求められている。
近年、環境配慮型で且つ効率の高い冷凍技術の候補として、磁気冷凍技術への期待が高まり、室温磁気冷凍技術の研究開発が活発に行なわれるようになった。磁性物質に磁場を印加し、印加された磁場の大きさを断熱状態で変化させると磁性物質の温度が変化する。この現象は磁気熱量効果と称される。磁気熱量効果を応用して、磁気冷凍サイクルが構成される。
すなわち、磁気冷凍材料(magnetic refrigerant)の外部に磁場発生手段を配置し、この磁場発生手段によって材料を励磁や減磁すると、磁気熱量効果により温熱や冷熱が生成される。冷熱を被冷却部に運び、温熱を放熱部に運ぶことで冷凍が行なわれる。冷温状態と高温状態とにその温度が変化する磁気冷凍材料に固体を接触させると、熱(冷熱または温熱)を外部へ取り出すことができる。あるいは、磁気冷凍材料に液体や気体を接触させて熱を伝達し、液体や気体を流動することで、熱(冷熱または温熱)を外部へ取り出すことができる。
磁気冷凍材料からの熱の取り出し効率を高めるためには、磁気冷凍材料と固体との接触面積を大きくしたり接触面を滑らかにすることが有効である。液体や気体などの流体が熱の取り出しに用いられる場合には、流体と接する磁気冷凍材料の比表面積を大きくすることが有効である。特に、熱の取り出しに流体を使用する場合には、磁気冷凍材料は、板状、粒子状、メッシュ状、あるいは多孔体などの形体で容器内に充填される。磁気冷凍材料の板厚、粒子径、メッシュの線径およびメッシュ密度、多孔体の孔径や孔密度などを変化させることによって、流体と接する磁気冷凍材料の比表面積の大きさを変えることができる。
AMR(能動的蓄冷型磁気冷凍:Active Magnetic Regenerative Refrigeration)サイクルは、室温域を対象とした磁気冷凍において有用な冷凍方式として知られている。AMRサイクルでは、磁気冷凍材料は、熱交換容器の内部に、流体の流路である空隙を確保するように、例えば、板状、粒子状、メッシュ状、多孔体などの形体で充填される。熱交換容器内のこの空隙には流体が満たされ、流体は、容器の両端に設けられた出入口から容器の内外へ流出入できる。熱交換容器の外部には、流体を流動させる機構と、容器に対して磁場を印加/除去する機構が設けられる。上述したような、磁気冷凍材料を含み、磁場の印加/除去と熱輸送が行なわれる容器構造はAMRベッド(磁気冷凍作業室)と称される。
AMRサイクルは、以下の4つの過程で構成される。(I)AMRベッドに磁場を印加する、(II)AMRベッドの一端から他端に向けて熱輸送流体を流して温熱を輸送する、(III)AMRベッドに印加した磁場をとり除く、(IV)AMRベッドの一端から他端に向けて(ステップ(II)での冷媒移動とは逆方向)熱輸送流体を流して冷熱を輸送する。すなわち、(I)〜(IV)の熱サイクルでは、AMRベッドの内部で磁場の印加に伴って磁気冷凍材料の温度が上昇する。次に、磁気冷凍材料と熱輸送流体との間で熱交換し、熱輸送流体が順方向に移動して、熱輸送流体と磁気冷凍材料との間で熱交換する。その後、磁場が除去されると磁気冷凍材料の温度が降下する。続いて、磁気冷凍材料と熱輸送流体との間で熱交換し、熱輸送流体が逆方向に移動して、熱輸送流体と磁気冷凍材料との間で熱交換する。
この4つの過程から構成される熱サイクルを繰り返すと、磁気冷凍材料では磁気熱量効果によって温熱および冷熱が生じる。この温熱および冷熱は、熱輸送流体を介して互いに反対方向に輸送され、磁気冷凍材料自身に逐次蓄熱されてゆく。この結果、熱流方向に温度勾配が生成し、定常状態では、AMRベッドの両端に大きな温度差が生成される。
冷凍能力は単位時間当たりの冷凍サイクル数(周波数)に大きく依存するため、周波数を高くすると冷凍能力の向上が期待できる。しかしながら、周波数が高すぎる場合には、磁気冷凍材料内部での熱伝導が充分に行なわれず、むしろ冷凍能力の低下に繋がる。磁気熱量効果により生成された熱を、熱輸送流体を介して外部に取り出す過程においては、熱は次のように移動する。磁気冷凍材料内部で生成された熱は、材料表面に伝わった後、この材料表面で材料から熱輸送流体に伝達される。熱輸送流体が移動することによって、熱は外部に運ばれる。このように、磁気冷凍材料内部での熱伝導と、材料表面での材料と流体との間の熱伝達が、熱の取り出し効率に寄与している。
材料と流体との間の熱伝達においては、磁気冷凍材料の形態やサイズを変化させて流体と接する材料の比表面積を大きくすることによって、熱の取り出し効率を高めることができる。磁気冷凍材料内部での熱伝導は、材料自体の熱伝導率に支配される。このため、冷凍サイクルの周波数が高くなって各サイクル過程の時間が短くなると、材料内部で生成された温熱や冷熱が1サイクルの内に材料表面まで充分に伝わらなくなる。この結果、材料から外部へ熱を充分に取り出すことができなくなり、冷凍能力の低下につながる。
磁気冷凍材料のサイズを小さくまたは薄くして、材料中心部から表面までの距離を小さくすれば、中心部で生成された熱が表面まで伝わる時間を短くすることができる。これによって、冷凍サイクル過程の時間内に材料内部から表面まで、充分に熱を伝えることも可能となる。例えば、磁気冷凍材料の形体が球状粒子の場合には、粒子サイズ(粒子径)を小さくすることによって、材料の比表面積を大きくするとともに材料中心部から表面までの距離を小さくすることができる。磁気冷凍材料内部での熱伝導が改善するのに加えて、材料と流体との間の熱伝達も向上して有利となる。
熱の取り出しの観点では、磁気冷凍材料の粒子サイズを小さくすることは周波数の高速化に有効である。粒子径を小さくすることによって、熱交換効率が改善されて、冷凍性能の向上に有利である。
しかしながら、AMRサイクルでは、容器内に充填された磁気冷凍材料の空隙を通って熱輸送流体が流動するため、磁気冷凍材料の球状粒子径が小さくなると空隙のサイズも小さくなる。流体の圧力損失が増大して、冷凍能力の低下に繋がる。粒子径を小さくすることによって、冷凍性能向上のみならず冷凍性能低下も生じる。こうした冷凍性能向上と冷凍性能低下とは、トレードオフの関係にある。したがって、磁気冷凍材料の粒子径を小さくしても、磁気冷凍サイクルの周波数の高速化には必ずしも十分に対応することはできない。
磁気冷凍材料が板形状の場合には、板間の空隙のサイズは板の厚みとは独立して、自由に設計することができる。磁気冷凍材料の形状が板形状の場合には、球状粒子の場合と比べて、流体の圧力損失を低く抑えることが容易である。圧力損失の観点では、板形状の磁気冷凍材料は周波数の高速化に適している。球状粒子の径と同程度の厚さを有する板を磁気冷凍材料として用いた場合には、磁気冷凍材料の比表面積は、球状粒子の場合よりかなり小さくなる。このため、特に高い周波数での熱交換を図るためには磁気冷凍材料の板の厚みを薄くするとともに、充填率を高めて隣接する板間の空隙サイズを狭くすることが望まれる。
しかしながら、板間の空隙サイズが狭くなるにつれて圧力損失は増大する。さらに、板厚および空隙サイズの両方を小さくすると、磁場の印加/除去の際に磁気吸引力を受けて、薄肉の板形状の磁気冷凍材料が変形し、空隙を塞ぐおそれが増大する。したがって、磁気冷凍材料の板厚を薄くしても、磁気冷凍サイクルの周波数の高速化には必ずしも十分に対応することはできない。
このように、圧力損失の増大を避けるとともに力学的変形による流路閉塞を防止することを意図すると、磁気冷凍材料のサイズを一定の値以下に小さくすることは好ましくない。磁気冷凍サイクルの周波数の高速化に対応するためには、磁気冷凍材料内部の熱伝導率が高いことが望まれる。
Gdおよびその合金や、LaFeSi系材料などの磁性材料が室温域の磁気冷凍材料として注目されている。これらの材料の熱伝導率は10W/m・K程度である。CuおよびAlなどの高熱伝導金属の熱伝導率と比較すると、これらの磁性材料の熱伝導率は1桁小さい。室温域で高い磁気熱量効果を有し、しかも数十W/m・K程度の熱伝導率を有する材料は、未だ得られていないのが現状である。
米国特許第4332135号
本発明が解決しようとする課題は、高い熱伝導率と実用的な磁気熱量効果とを備えた磁気冷凍用複合材料を提供することにある。
実施形態の磁気冷凍用複合材料は、磁気熱量効果を有する磁気熱量効果材料と、前記磁気熱量効果材料中に分散された熱伝導促進材とを具備することを特徴とする。前記熱伝導促進材は、カーボンナノチューブおよびカーボンナノファイバーからなる群から選択される少なくとも一種である。
本発明の実施形態によれば、高い熱伝導率と実用的な磁気熱量効果とを備えた磁気冷凍用複合材料が提供される。
図1は、一実施形態にかかる磁気冷凍デバイスの主要な構成を表わす模式図である。 図2Aは、AMRベッドへの磁場の除去を説明する模式図である。 図2Bは、AMRベッドへの磁場の印加を説明する模式図である。 図3は、一実施形態にかかる磁気冷凍用複合材料を表わす模式図である。 図4Aは、他の実施形態にかかる磁気冷凍用複合材料を表わす模式図である。 図4Bは、図4Aに示した磁気冷凍用複合材料の部分拡大図である。 図5Aは、磁気冷凍用複合材料の構成を表わす模式図である。 図5Bは、磁気冷凍用複合材料の構成を表わす模式図である。 図6Aは、他の実施形態にかかる磁気冷凍用複合材料を表わす模式図である。 図6Bは、他の実施形態にかかる磁気冷凍用複合材料を表わす模式図である。 図7は、一実施形態にかかる磁気冷凍デバイスにおけるAMRベッドの一例を表わす断面の模式図である。 図8は、一実施形態にかかる磁気冷凍デバイスにおけるAMRベッドの他の例を表わす断面の模式図である。 図9は、一実施形態にかかる磁気冷凍デバイスにおけるAMRベッドの他の例を表わす断面の模式図である。 図10は、一実施形態にかかる磁気冷凍デバイスにおけるAMRベッドの他を表わす断面の模式図である。 図11は、熱伝達促進材の含有量と温度変化の比との関係を示すグラフ図である。
以下、図面を参照して実施形態を具体的に説明する。
図1は、一実施形態にかかる磁気冷凍デバイスの主要な構成を表わす模式図である。図示する磁気冷凍デバイス200は、AMRベッド100と、AMRベッド100の外部に設けられた磁場発生手段10と、連結管90によりAMRベッド100に接続された低温側熱交換容器40と、連結管90によりAMRベッド100に接続された高温側熱交換容器50とを有する。
磁場発生手段10は、例えば図2Aに示すような、磁気ヨーク12および一対の対向する永久磁石14から構成することができ、一対の永久磁石14間の空間に磁場20を発生させる。図2Bに示すように、磁場20中にAMRベッド100を配置することによって、AMRベッド100に磁場が印加される。図2Aに示されているのは、磁場が除去された状態に相当する。尚、磁場発生手段10は、図2Aおよび図2Bに示したC型磁気回路に限定されるものではなく、ハルバッハ型の磁気回路や、電磁石、超電導磁石を用いることもできる。
AMRベッド100は容器110を含む。この容器110内には、本実施形態の磁気冷凍用複合材料130が収容され、熱輸送流体140が容器110内を流動する。容器110の形状は、例えば筒状とすることができるが、これに限定されない。直方体状などの任意の形状とすることができる。容器110の材質は、内部に生じた温度勾配を維持し、外部との熱交換を低く抑えることが求められるため、熱伝導の低い材質であることが好ましい。例えば、低熱伝導性樹脂などが挙げられるが、特に限定されず任意の材質を用いることができる。
磁気冷凍用複合材料130は、例えば図3に示されるように、磁気熱量効果材料120に、カーボンナノチューブおよびカーボンナノファイバーから選択される熱伝達促進材160が分散された材料であるが、その構成については追って詳細に説明する。
熱輸送流体140としては、例えば水や不凍液、エタノール溶液またはそれらの混合物が挙げられる。熱輸送流体140は、AMRベッド100の両端に設けられた出入口80a,80bから容器110の内外へ流出入できる。磁気冷凍用複合材料130で生成された冷熱および温熱は、熱輸送流体140に熱交換される。この後、熱輸送流体140の流動によって、AMRベッド100に接続された低温側熱交換容器40に冷熱を輸送し、高温側熱交換容器50に温熱を輸送することができる。
図示していないが、磁気冷凍デバイス200には、磁場発生手段10とAMRベッド100との相対位置を変化させる駆動機構と、AMRベッド100内で生成された冷熱および温熱を所定の熱交換容器(40または50)に輸送する熱輸送手段とが含まれている。駆動機構によって、図2Aおよび図2Bに示したように、磁場発生手段10とAMRベッド100との相対位置を変化させて、AMRベッド100に磁場の印加/除去が実現される。駆動によって移動するのは、磁場発生手段10およびAMRベッド100のいずれであってもよい。熱輸送手段は、AMRベッド100内で生成された冷熱を低温側熱交換容器40に輸送し、AMRベッド100内で生成された温熱を高温側熱交換容器50に輸送する。
熱輸送手段は、熱輸送流体140と、この熱輸送流体を流動させる機構とから構成される。熱輸送流体140を流動させる機構は、例えば、熱輸送用流体を流す冷媒ポンプと、熱輸送用流体の流れの向きを切り替える切り替え手段とを含む。あるいは、熱輸送流体140を流動させる機構として、ピストン機構を用いることもできる。熱輸送流体140は、AMRサイクルにおいて、AMRベッド100内を、低温側熱交換器40側の出入口80aから高温側熱交換器50側の出入口80bに向けて流れる。あるいは熱輸送流体140は、その逆向きに、高温側熱交換器50側の出入口80bから低温側熱交換器40側の出入口80aに向けて、AMRベッド100内を流れる。
図1に示す磁気冷凍デバイス200には、1つのAMRベッド100が示されているが、AMRベッド100は複数であってもよい。複数のAMRベッド100の配列は、並列および直列のいずれとしてもよい。複数のAMRベッド100に対して効率的に磁場の印加/除去を行うように、磁場発生手段10が設けられる。磁場発生手段10の数や配置は特に限定されない。
本実施形態の磁気冷凍デバイスを運転する際には、まず、図2Bに示したようにAMRベッド100に磁場発生手段10を近接させてAMRベッド100に磁場を印加する。これによって、磁気冷凍用複合材料130に含まれる磁気熱量効果材料120が発熱する。すなわち、磁気熱量効果材料120で温熱が生成される。ここで生成された温熱は、熱伝達促進材160で構成されるネットワークに伝達され、このネットワークを介して磁気冷凍用複合材料130の表面に移動する。AMRベッド100内の空隙には熱輸送流体140が満たされているので、温熱は磁気冷凍用複合材料130の表面で、この熱輸送流体140と熱交換する。
磁気冷凍用複合材料130から温熱を受け取った熱輸送流体140は、矢印aで示される順方向に流動して、温熱を順方向に輸送する。引き続いて、図2Aに示したように磁場発生手段10をAMRベッド100から離れた位置に移動すると、AMRベッド100に印加した磁場が小さくなる。場合によっては、AMRベッド100に印加した磁場は除去される。その結果、磁気冷凍用複合材料130に含まれる磁気熱量効果材料120の温度が低下する。すなわち、磁気熱量効果材料120で冷熱が生成される。
この冷熱は、熱伝導率の高い熱伝達促進材160で構成されるネットワークに伝達され、ネットワークを介して磁気冷凍用複合材料130の表面に移動する。AMRベッド100内の空隙には熱輸送流体140が満たされているので、冷熱は磁気冷凍用複合材料130の表面で、この熱輸送流体140に熱交換される。すなわち、発熱時とは逆に、熱輸送流体140は磁気冷凍用複合材料130の表面で熱を奪われる。磁気冷凍用複合材料130が吸熱した熱は、熱伝導率の高い熱伝達促進材160で構成されるネットワークを介して磁気熱量効果材料120が吸熱する。
磁気冷凍用複合材料130から冷熱を受け取った熱輸送流体140は、矢印bで示される逆方向に流動し、冷熱を逆方向に輸送する。このような過程から構成される熱サイクルを繰り返し行なうと、磁気熱量効果材料120で生じた温熱は高温側熱交換器50に輸送され、冷熱は低温側熱交換器40に輸送される。すなわち、温熱および冷熱は、熱輸送流体140を介して互いに反対方向に輸送され、磁気熱量効果材料120が蓄熱する。これによって、AMRベッド100の内部には温度勾配が生成される。さらに、発生した温熱は高温側熱交換容器50に輸送されて外部へ放熱され、発生した冷熱は低温側熱交換容器40に輸送されて、被冷却部が冷却される。こうして、低温側熱交換器40からは冷熱が得られ、高温側熱交換器50からは高熱が得られる。
ここで、図3を参照して本実施形態の磁気冷凍用複合材料130の構成を説明する。図示するように、本実施形態の磁気冷凍用複合材料130においては、磁気熱量効果を有する磁気熱量効果材料120に、カーボンナノチューブおよびカーボンナノファイバーから選択される少なくとも1種の熱伝達促進材160が分散されている。本実施形態の磁気冷凍用複合材料130のこうした構造は、例えばSEM観察により確認することができる。図3に示した磁気冷凍用複合材料130は粒子状であるが、図4Aに示すような板状とすることもできる。この板状の磁気冷凍用複合部材130の構成を模式的に表わす部分拡大図を、図4Bに示してある。
図4Aに示すように板状とする場合には、板の厚さ方向(矢印d)の熱伝導率がこれに垂直な方向(矢印c)の熱伝導率より大きいことが好ましい。図4Bの拡大図に示されるように、熱伝達促進材160の板の面内方向(矢印c)の配向よりも板の厚さ方向(矢印d)の配向が大きいことが好ましい。
なお、本実施形態の磁気冷凍用複合材料の形状は、粒子状および板状に限定されず、例えば、メッシュ状、多孔体などのいずれの形状であっても構わない。
磁気熱量効果材料120としては、例えばGd(ガドリニウム)またはGd化合物を用いることができる。Gd化合物としてはGd合金が好ましく、例えばGdRで表わされる。ここで、Rは希土類、すなわちSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuから選ばれる少なくとも1種である。Rの少なくとも一部はYであることが特に好ましい。
また、磁気熱量効果材料120は、例えば、各種希土類元素と遷移元素とを含む化合物とすることができ、NaZn13型結晶構造のLaFeSi系化合物などを用いることも好適である。LaFeSi系化合物としては、具体的には、La(Fe,Si)13や、このLaの一部をCeやPrやNdなどの希土類元素で置換したもの、Feの一部をCoやMn,Ni、Crなどの遷移金属で置換したもの、および、Siの一部をAlで置換したもの等が挙げられる。
熱伝達促進材160は、カーボンナノチューブおよびカーボンナノファイバーから選択される少なくとも1種である。熱伝達促進剤160は、前述の磁気熱量効果材料120より熱伝導率が高い。
熱伝達促進材160の量は、磁気冷凍用複合材料130全体の3〜20体積%であることが好ましい。熱伝達促進材が少なすぎる場合には、図5Aおよび図5Bに示されるように、磁気熱量効果材料120中における熱伝達促進材160が充分に熱伝達のネットワークを形成することができない。この場合は、磁気熱量効果材料120で生成された温熱または冷熱が熱伝達促進材160に伝達されたとしても、この熱伝達促進材160による高熱伝導のネットワークを介して、磁気冷凍用複合材料230の表面まで熱を迅速に伝達することができない。このため、熱伝導向上の効果を十分に得られない。
一方、熱伝達促進材160が多すぎる場合には、複合材料の磁気熱量効果自体が低下して、磁気冷凍性能が低下するおそれがある。熱伝達促進材160の量が磁気冷凍用複合材料全体の3〜20体積%の場合には、本実施形態で意図する所望の効果を得ることができる。熱伝達促進材160の量は、磁気冷凍用複合材料130全体の5〜15体積%であることがより好ましい。
尚、熱伝達促進材160は、磁気冷凍用複合材料130の全体に均一により微細に分散していることが好ましい。例えば、相当量の熱伝達促進材160と磁気熱量効果材料120との複合材料で構成される板状とする場合には、熱伝達促進材160と磁気熱量効果材料120とが、互いに大きな塊として分離して存在しないことが好ましい。例えば、1mm程度の厚さの板であって、熱伝達促進材160と磁気熱量効果材料120とが、1mm程度のピッチでストライプ状に存在している場合には、ストライプが板厚方向に貫通する。
この場合には、板の一方の面に与えられた熱を他法の面まで輸送する役割りを、主に熱伝達促進材が担う。たとえ磁気冷凍用複合材料の物性値としての熱伝導率が低くても、熱伝達促進材の熱伝導率が充分に高ければ、板全体として熱を片面から他の片面へ伝える能力は充分に確保される。すなわち、上述の場合では、板の厚さ方向に高熱伝導な板が構成される。複合材料全体としての熱伝導率は高いものの、これは本実施形態で意図しているものではない。
本実施形態においては、複合材料内で生成した冷熱や温熱を、材料の表面に効率よく輸送することを意図している。冷熱や温熱は、複合材料の構成要素の1つである磁気熱量効果材料で生成され、複合材料の他の構成要素である熱伝達促進剤によって効率的に素早く輸送される。従って、磁気熱量効果材料と熱伝達促進材とは均一に、より微細に分散されていることが好ましい。本実施形態で意図する所望の効果を得るためには、磁気熱量効果材料120の最大広がりサイズが100μm以下であることが好ましい。
磁気熱量効果材料の最大広がりサイズは、例えば、材料の断面観察写真(SEM写真の反射電子像などのように熱伝達促進材と磁気冷凍用複合材料の区別が分かるもの)を用いて求めることができる。まず、磁気熱量効果材料の任意の7点を取り、この点を含み熱伝達促進材を含まない最大の円を描いた際の直径を測定する。最大値および最小値を除いた5点の平均値を求める。この操作を3回繰り返した平均値として、磁気熱量効果材料の最大広がりサイズが得られる。
図6Aおよび図6Bには、他の実施形態にかかる磁気冷凍用複合材料の構成を示す。図6Aに示す磁気冷凍用複合材料131においては、磁気熱量効果材料120と熱伝達促進材160との境界に結着材170が配置されている。結着材170は、磁気熱量効果材料120および熱伝達促進材160のいずれとも異なる物質である。さらに結着材170は、磁気熱量効果材料120に含有される元素の少なくとも1種を含むことが好ましい。こうした磁気冷凍用複合材料の構造は、例えばSEM観察(反射電子像やEPMAなどの観察評価)により確認することができる。
磁気熱量効果材料120に含まれる元素の少なくとも1種が結着材170に含まれることによって、磁気熱量効果材料120と熱伝達促進材160との密着性が高められる。その結果、磁気熱量効果材料120と熱伝達促進材160との間の熱伝達が円滑に行なわれる。例えば磁気熱量効果材料120がGd化合物の場合には、結着材170はGdを含み、磁気熱量効果材料120がNaZn13型結晶構造のLaFeSi系化合物の場合には、結着材170は、例えばSiを含有する。
結着材170は、磁気熱量効果材料120と熱伝達促進材160という密度の異なる材質の間の密着性を高めて、機械的強度を高める。さらに、磁気熱量効果材料120と熱伝達促進材160のネットワークとの密着性を高めることによって、磁気熱量効果材料120で生成される温熱または冷熱を、高熱伝導率の熱伝達促進材160にスムーズに熱伝達する。
結着材170は、磁性体であることが好ましい。この場合には、磁気冷凍用複合材料130に外部から磁場を印加した際に、磁気熱量効果材料120への磁場の透過を妨げることなく、より効果的に磁気熱量効果を利用することが可能となる。
尚、結着材170は、磁気熱量効果材料120と熱伝達促進材160との全ての境界の全面に渡って必ず存在する必要はない。磁気熱量効果材料120と熱伝達促進材160との間の熱伝達が促進されれば、一部に結着材170が存在しない境界があっても構わない。
また、結着材170は、磁気熱量効果材料120と熱伝達促進材160との境界のみならず、図6Bに模式的に示したように、磁気熱量効果材料120の粒界に存在してもよい。この場合には、磁気熱量効果材料120の結晶粒同士の密着性を高める役割も果たすことが期待できる。これによって、磁気冷凍用複合材料132の機械的強度や熱伝導率も向上する。
結着材170の量は、磁気冷凍用複合材料130の全体の5〜20体積%であることが好ましい。結着材170が少なすぎる場合には、磁気熱量効果材料120と熱伝達促進材160との間の密着性を充分に高めることができないため、機械的強度の向上や、磁気熱量効果材料120から高熱伝導率の熱伝達促進材160のネットワークへの熱伝達を促進する効果が十分に得られない。一方、結着材170が多すぎる場合には、磁気熱量効果材料120と熱伝達促進材160との間の密着性は高められるものの、磁気熱量効果材料120から高熱伝導率の熱伝達促進材160のネットワークへの熱伝達を介在する結着材170相の厚さが大きくなってしまう。結果的に結着材170中の熱伝導が律速となって、複合材料内部から表面への効率的な熱伝達が妨げられるおそれがある。
結着材170は、Siを含有することが好ましい。Siが結着材170に含有されることによって、カーボンナノチューブおよびカーボンナノファイバーから選択される少なくとも1種の熱伝導促進材160と、磁気熱量効果材料120との密着性を高めるという効果がより高められる。
本実施形態にかかる磁気冷凍用複合材料は、例えば、磁気熱量効果材料の原料粉末、熱伝達促進材、および任意の結着材の原料を用いて、これらを混合して得られた混合粉末を用いて作製することができる。原料粉末は、湿式混合および乾式手混合のいずれの方法で混合してもよいが、サブミクロン以下の磁気熱量効果材料の極微細粉末を用いる際には湿式混合が好ましい。湿式混合の場合には、磁気熱量効果材料の原料粉末の表面の酸化反応を抑制することができる。
乾式プロセスでサブミクロン以下の極微細粉末を用いる場合には、非酸化雰囲気中で行なうことによって、表面の酸化反応を裂けることができる。
湿式混合の場合では、化学反応を利用すれば、機械的な力による粉砕粉を用いた乾式混合と比べて、より微細な磁気熱量効果材料の原料粉末を取り扱うことが可能である。このような方法では、磁気熱量効果材料の原料粉末のサイズと、熱伝達促進材のサイズとの差を小さくすることができ、混合粉末の均一度を高めるのに有利である。
磁気熱量効果材料と熱伝達促進材とは、密度にも差がある。混合の均一度をより高めるために、溶液に界面活性剤などの分散助剤を添加することが好適である。また、熱伝達促進材を含み、磁気冷凍用複合材料の原料となる溶液を用いて電析を行なうこともできる。この場合には、熱伝達促進剤と磁気熱量効果材料とが互いに極微細に混合した粉末が集まって、数〜数十μmの粒径を有する凝集粉として得られる。これらを洗浄、乾燥することで互いが微細に分散した混合粉末を得ることができる。
湿式混合によって、混合物をパテ状のグリーン体とすることも有効である。パテ状のグリーン体は、磁気熱量効果材料や熱伝達促進材などの磁気冷凍用複合材料の原料粉末を、有機物および有機溶剤と混合することによって得られる。有機物としては、例えばポリビニル系化合物が挙げられ、有機溶剤は、例えばエタノールおよびアセトンなどから選択することができる。通常、カーボンナノチューブおよびカーボンナノファイバーから選択される熱伝達促進材では、これらのCNTやCNF原料は凝集している。CNTやCNF原料の凝集をほぐすことによって、熱伝達促進剤と磁気熱量効果材料とを微細によく混合することができる。
パテ状のグリーン体の状態で良く混錬するという手法は、CNTやCNF原料の凝集をほぐすことに特に有効である。この方法では、磁気熱量効果材料および熱伝達促進材に加えて、有機物や有機溶剤が混合物中に存在している。エタノールやアセトンなどの有機溶剤は揮発して蒸発するので、最終的な磁気熱量効果材料に不純物は残らない。一方、ポリビニル系化合物などの有機物は、グリーン体の状態ではその中に残っている。有機物は、後工程の焼結の際に燃焼させて、ガスとして焼結体の外部に放出させることができる。有機物の種類や焼結の条件を調整することによって、最終形態の磁気冷凍用複合材料中の不純物を低く抑えることができる。
このように湿式混合または乾式混合のいずれかの方法で得られた混合粉末やグリーン体を用いて、焼結体を作製する。焼結体は、混合粉末やグリーン体を所定の型に収容し、例えば、放電プラズマ焼結を行なって作製することができる。具体的には、Ar雰囲気下で昇温して電圧を加え、放電プラズマ焼結を行なう。焼結体は、必要に応じて所定のサイズに切断して、本実施形態の磁気冷凍用複合材料が得られる。
尚、乾式混合では、湿式混合に比べて、原料の粉末のサイズの差が大きい場合に均一度を高める点では不利だが、不純物の混入を抑えられる点では有利である。一方、湿式混合の電析法では、原料の粉末のサイズの差を小さくできる。しかも、この場合には、界面活性剤の利用により乾式混合に比べて均一度を高めることができるが、微量の不純物は避けられない。また、パテ状のグリーン体の状態で良く混錬する方法は、特に、CNTやCNF原料の凝集をほぐすことに有効である。目的に応じて、適切な混合方法を採用すればよい。
磁気熱量効果材料の粉末としては、例えば、Gd微粉末や、GdR合金、例えばGdY合金の微粉末等が挙げられる。Gdを含有する微粉末は、例えばプラズマスプレー法により作製することができ、粒径が、200μm程度以下であることが好ましい。より好ましくは、100μm程度以下である。
別の磁気熱量効果材料の原料粉末としては、例えば、LaFeSi化合物、FeSi化合物、LaSi化合物、LaCoSi化合物、LaCo化合物、CoSi化合物などの化合物粉末や、Fe、Co、FeCo合金などの微粉末等が挙げられる。こうした微粉末は、例えば溶解法で作製した金属間化合物のインゴットを非酸化雰囲気中で粉砕したり、上記と同様のプラズマスプレー法などにより作製することができる。粉末の粒径は100μm程度以下であることが好ましく、より好ましくは50μm程度以下である。
磁気熱量効果材料はGdやGd合金、およびLaFeSi系化合物に限定されるものではなく、原料粉末も、上述の原料粉末に限定されるものではない。
熱伝達促進材は、多層のカーボンナノチューブ(MWCNT)やカーボンナノファイバーであることが好ましい。熱伝達促進材は、繊維径5〜200nm程度、繊維長0.5〜50μm程度であることが好ましい。例えば、気相法炭素繊維を用いることができ、昭和電工製のVGCF(登録商標)、およびや保土谷化学工業(株)製のNT−7やCT−15(登録商標)などが挙げられる。また、グラファイト率が高いことが好ましく、ラマン分光光度計で評価したD/G比が0.15以下であることが好ましい。
磁気熱量効果材料がGdやGd合金の場合には、結着材を生成するために加える原料としては、例えばGd5Si4化合物の粉末、FeSi化合物の粉末や、Si粉末等を用いることができる。
図7には、図1に示した磁気冷凍デバイス200におけるAMRベッド100の一例の構造を表わす断面の模式図を示す。図示するAMRベッド100においては、熱輸送流体140の出入口80a,80bを両端に有する容器110内に、球状の粒子形状を有する磁気冷凍用複合材料130が充填されている。
容器110内の磁気冷凍用複合材料130が出入口80a,80bから容器外へ漏れ出ることがないように、出入口80a,80bの内側に隔壁150が配置されている。隔壁150としては、例えばメッシュ状の板を用いることができ、その材質は特に限定されない。メッシュの目開きは、熱輸送流体140の流動に伴う圧力損失を高めないように、磁気冷凍用複合材料130の粒子が漏れでない範囲で大きいことが好ましい。
AMRベッド100内に充填された磁気冷凍用の複合材料130の空隙、および容器両端の出入口近傍に設けられた隔壁150の外側の領域は、熱輸送用流体140で満たされる。
球状の粒子形状を有する磁気冷凍用の複合材料130は、隔壁150に挟まれた領域内に充填される。ここで用いられる磁気冷凍用の複合材料は、1種の磁気冷凍用複合材料であってもよいし、最適動作温度域の異なる2種以上の磁気冷凍用複合材料であってもよい。最適動作温度域の異なる複数の種類の粒子形状を有する磁気冷凍用複合材料を充填して用いる場合には、これらの異種の複合材料の間に上述のような隔壁を設けることが好ましい。これによって、異種の複合材料が混合するのを防ぐことができる。
図8〜10には、AMRベッド100の他の例の構造を表わす断面の模式図を示す。図8に示すAMRベッド100においては、板状の形状を有する磁気冷凍用複合材料130が、熱輸送用流体140の流路を確保した状態で容器110内に配置されている。板状の形状を有する磁気冷凍用複合材料130は、1種の磁気冷凍用複合材料であってもよいし、最適動作温度域の異なる2種以上の磁気冷凍用複合材料であってもよい。また、AMRベッド100内に配置された板状の形状の磁気冷凍用複合材料130の空隙およびAMRベッドの外側は、熱輸送流体140で満たされている。
AMRベッド100内では、矢印cで表わされる熱流方向に温度勾配が形成される。磁気冷凍用複合材料130と熱輸送流体140との熱交換を促進するためには、磁気冷凍用複合材料130の板厚方向(矢印d)の熱伝導率が高いことが好ましい。一方で、板厚に垂直な熱流方向(矢印c)の熱伝導率が大きいと温度勾配の形成には不利となる。このため、磁気冷凍用複合材料130の形状が板状である場合には、熱伝導率は異方的であることが好ましい。
具体的には、磁気冷凍用複合材料130の形状が板状である場合には、板の厚さ方向(矢印d)の熱伝導率が、これに垂直な方向(矢印d)の熱伝導率より大きいことが好ましい。前述の図4Bを参照して説明したように、熱伝達促進材160の板厚方向(矢印d)における配向を、板厚に直交する方向(矢印c)の配向よりも大きくすることによって、これを達成することができる。
図9に示すAMRベッド100および図10に示すAMRベッド100においては、短冊状の形状を有する磁気冷凍用の複合材料130が、熱輸送用流体140の流路を確保した状態で容器110内に配置されている。短冊状の形状を有する磁気冷凍用の複合材料130は、1種の磁気冷凍用複合材料であってもよいし、最適動作温度域の異なる2種以上の磁気冷凍用複合材料であってもよい。AMRベッド100内に配置された短冊状の形状の磁気冷凍用複合材料130の空隙およびAMRベッドの外側は、熱輸送流体140で満たされている。
図9および図10に示されるように磁気冷凍用複合材料を短冊状の形状とすると、図8に示した板状の形状で用いた場合と比べて、AMRベッド100内における熱流方向(矢印c)の熱伝導が抑制される。熱流方向(矢印c)の熱伝導の抑制は、温度勾配を生じるのに有利となる。短冊状の形状を有する磁気冷凍用複合材料130を図9のように正格子状に配置した場合には、図10のように千鳥格子状に配置した場合と比べて、圧力損失を低く抑えることができる。
一方、図10のように千鳥格子状に磁気冷凍用複合材料を配置すると、図9のように正格子状に配置した場合と比べて圧力損失は高くなるものの、熱輸送流体140の流れに乱流が発生しやすくなる。その結果、磁気冷凍用複合材料と熱輸送流体との熱交換効率を高めることができる。最適動作温度域の異なる複数の種類の磁気冷凍用複合材料を配置する場合には、熱流方向(矢印c)に順次配置することが好ましい。
以上述べた少なくともひとつの実施形態の磁気冷凍用複合材料によれば、磁気熱量効果材料中に、カーボンナノチューブおよびカーボンナノファイバーから選択される少なくとも1種の熱伝導促進材が分散されることにより、高い熱伝導率と実用的な磁気熱量効果とを備えることが可能となる。
本実施形態の磁気冷凍用複合材料には、カーボンナノチューブ(CNT)およびカーボンナノファイバー(CNF)から選択される少なくとも1種の熱伝導促進材が含有される。磁気冷凍用複合材料中における、こうした熱伝導促進材の含有量は、溶解法や燃焼法を用いた元素分析により求めることができる。例えば、複合材料の破片の全質量(M0)を測定した後、この破片を適切な酸に溶解する。湿式分析よって、Cを除く構成元素の含有質量(M1)を求める。(M0−M1)によって、Cの質量(MC)が求められる。また、Cの真密度の値を用いれば、質量を体積に換算することによって、Cの含有量(体積%)の目安値が得られる。Cの含有量は、磁気冷凍用複合材料におけるCNTおよび/またはCNFの含有量(体積%)の目安値に相当する。
湿式分析としては、ICPなどが一般に用いられる。溶解法を用いた場合には、燃焼法を用いた場合よりも高い精度でCの含有量を求めることができる。
上述したように結着材は、磁気熱量効果材料および熱伝達促進材とは異なる物質であって、磁気熱量効果材料を構成する少なくとも1種の元素を含有する。この結着材は、複合材料の断面組織観察において、SEMの反射電子像やEPMAなどの方法で相領域の特定や含有元素を同定することができる。結着材の含有量は、複数の断面観察写真における面積比から算出する方法で求められる。少なくとも3箇所の断面観察写真における面積比を平均することで、結着材の含有量を求めることができる。
以下に、磁気冷凍用複合材料の具体例を示す。
磁気熱量効果材料としてのGd微粉末と熱伝導促進材としてのカーボンナノファイバー(CNF)との混合粉末を原料とし、放電プラズマ焼結法でペレットを作製した。Gd微粉末としては、粒径数十μm(200mesh)の粉末を用いた。CNFとしては、昭和電工製のVGCF(登録商標)(繊維径150nm程度、繊維長10〜20μm程度)を用いた。
CNFは、Gd微粉末に対して3.5質量%となるように秤量した。界面活性剤を含むポリビニルアルコール溶液中でCNFとGd粉末とを湿式混合し、乾燥させて凝集した混合粉末が得られた(実施例1の原料混合粉末)。また、CNFの量を、Gd微粉末に対して1質量%、2質量%、および3質量%に変更する以外は同様の手法により、実施例2〜4の原料混合粉末を得た。
各混合粉末を中空の型に充填し、放電プラズマ焼結により焼結体を作製した。具体的には、真空度10Pa程度で40MPaの圧力で加圧しながら温度700〜850℃で電圧を加えた。この結果、円板状の実施例1〜4の試料が得られた。試料の両面を研磨すると、何れもメタリックな光沢を呈した。
焼結体中でのCNFの真密度を2〜1.8g/cm3として換算すると、実施例1〜4の試料においては、CNFの含有量はそれぞれ次のとおりとなる。ここでのCNFの含有量は、焼結体(磁気冷凍用複合材料)全体に対する割合である。
実施例1:12.3〜13.5体積%程度
実施例2:3.8〜4.0体積%程度
実施例3:7.4〜8.2体積%程度
実施例4:10.7〜11.8体積%程度
Gd微粉末の代わりにGdY合金(Y濃度:1.5原子%)の微粉末を用いた場合も、同様の手法により円板状の試料が得られた。
実施例の試料をSEM観察した結果、いずれにおいても、磁気熱量効果材料としてのGd中に熱伝導促進材としてのCNFが分散されていることが確認された。
さらに、CNFを配合せずGd微粉末のみを原料として用いる以外は上述と同様の手法により、比較例の焼結体試料を得た。
実施例1〜4および比較例の試料を、粒径0.7〜1.2mm程度の粗粒に加工した。
得られた粗粒に磁場の印加/除去の動作を行なって、温度変化を測定した。具体的には、各粗粒を2g程度秤量し、プラスチック容器内に充填して蓋をした。内部の温度を測定するために、容器底面の穴を通して、充填された磁気冷凍用複合材料の粗粒の中心部まで熱電対を挿入した。この容器の外部にC型の永久磁石を配置し、この永久磁石を動かすことによって、容器内の磁気冷凍用複合材料に磁場の印加/除去の動作を繰り返した。磁場の印加/除去のサイクル周波数は、0.5Hzと2Hzとした。それぞれの場合について、容器中心部に挿入した熱電対を用いて温度の変化を測定した。
実施例および比較例の評価結果を下記表1に示す。なお、下記表1には、換算されたCNFの含有量(体積%)の下限を、「CNF含有量」として示してある。また、評価結果から(2Hzにおける温度差)/(0.5Hzにおける温度差)の比を算出して、図11にプロットした。
Figure 0005859117
上記表1に示されるように、サイクル周波数が0.5Hzの場合には、実施例および比較例のいずれにおいても温度変化は2.5±0.1℃である。CNFを含まずGd微粉末のみの比較例の場合であっても、CNFを含む実施例と同程度の温度変化が生じている。
しかしながら、周波数が2Hzの場合には、比較例の温度変化は1.1℃へ大きく低下している。このときの低下率(温度変化@2Hz/温度変化@0.5Hz)は0.44となる。磁場の印加/除去のサイクルを高速にすることによって、観測される温度変化の大きさは半分以下に低下した。
次に、粒径を0.3〜0.5mm程度とする以外は上述の比較例と同様の試料を準備して、上述と同様の実験を行なった。この際の低下率は0.68であり、低下率は粗粒サイズに大きく依存することが確認された。磁場の印加/除去のサイクル周波数が高くなると、一定の時間内に試料内部で発生した温度変化が表面まで充分に伝わらずに、温度変化が小さくなるものと考えられる。一方、実施例では、低下率は0.8以上であり、CNFを含有することによって、周波数を高めた場合の温度変化の低下が抑えられることが明らかとなった。この様子は図11に示されている。
また、CNFの量がGd微粉末に対して6.5質量%となるように調整した原料を用いて、実施例1と同様の手法により放電プラズマ焼結を行なった。しかし、焼結体は、型から取り出す際に割れて粉々になってしまった。ここで得られるはずだった焼結体中のCNFの含有量を、上述の真密度(2〜1.8g/cm3)を用いて算出すると、20.6〜22.4体積%程度となる。CNFの量が20体積%を超えると、複合体(焼結体)を形成することが困難となることが判った。
次に、磁気熱量効果材料としてのGd微粉末、および熱伝達促進材としてのCNFに加えて、結着材としてのGd5Si4化合物の粉末を微量に配合して上述と同様の放電プラズマ焼結法で円板状の試料を作製した(実施例5)。CNFの量は、Gd微粉末に対して約4質量%とし、Gd5Si4化合物の微粉末はGd微粉末に対して2質量%とした。
試料のSEM観察から、Gd中にCNFが分散されていることが確認された。CNFの量は焼結体全体の12体積%程度であった。また、GdとCNFとの境界には、GdおよびCNFのいずれとも異なるSiを含有する化合物が、境界相として形成されていた。境界相の量は焼結体全体の6体積%程度であった。このようにして得られた実施例5の試料を、0.7〜1.2mm程度の粗粒に加工した。
実施例5の試料を用いる以外は、前述と同様の手法により温度変化の評価を行なった。その結果、周波数が0.5Hzのときの温度変化は2.7℃、2Hzのときの温度変化は2.4℃であり、周波数を高くした場合の温度変化の低下率(温度変化@2Hz/温度変化@0.5Hzの比)は0.88であった。この結果から、結着材を加えることによって、GdとCNFとの境界部の密着性が高められ、周波数の高速化に伴う表面での温度変化の低下が抑えられたものと推測される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
[付記]以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[項1] 磁気熱量効果を有する磁気熱量効果材料と、前記磁気熱量効果材料中に分散され、カーボンナノチューブおよびカーボンナノファイバーからなる群から選択される少なくとも1種の熱伝導促進材とを具備する磁気冷凍用複合材料。
[項2] 前記磁気熱量効果材料と前記熱伝導促進材との境界に、前記磁気熱量効果材料および前記熱伝導促進材とは異なり、かつ前記磁気熱量効果材料を構成する少なくとも1種の元素を含有する結着材を有する項1に記載の磁気冷凍用複合材料。
[項3] 前記結着材は磁性体である項1または2に記載の磁気冷凍用複合材料。
[項4] 前記熱伝導促進材は、前記磁気冷凍用複合材料全体の3〜20体積%を占める項1乃至3のいずれか1項に記載の磁気冷凍用複合材料。
[項5] 前記熱伝導促進材は、前記磁気冷凍用複合材料全体の5〜15体積%を占める項4に記載の磁気冷凍用複合材料。
[項6] 前記磁気熱量効果材料は、Gdまたはその化合物である項1乃至5のいずれか1項に記載の磁気冷凍用複合材料。
[項7] 前記磁気熱量効果材料は、NaZn 13 型結晶構造のLaFeSi系化合物である項1乃至5のいずれか1項に記載の磁気冷凍用複合材料。
[項8] 前記結着材は、Siを含有する項2乃至7のいずれか1項に記載の磁気冷凍用複合材料。
[項9] 前記磁気冷凍用複合材料は板状であり、板厚方向の熱伝導率が板厚に垂直な方向の熱伝導率より大きい項1乃至8のいずれか1項に記載の磁気冷凍用複合材料。
[項10] 項1乃至9のいずれか1項に記載の磁気冷凍用複合材料と、前記磁気冷凍用複合材料に磁場を印加/除去する機構と、熱輸送用の手段とを具儀する磁気冷凍デバイス。
10…磁場発生手段; 12…磁場ヨーク; 14…永久磁石; 20…磁場空間
40…低温側熱交換容器; 50…高温側熱交換容器; 80a,80b…出入口
90…連結管; 100…AMRベッド; 110…容器
120…磁気熱量効果材料; 130…磁気冷凍用複合材料
131…磁気冷凍用複合材料; 132…磁気冷凍用複合材料; 140…熱輸送流体
150…隔壁; 160…熱伝導促進材; 170…結着材
200…磁気冷凍デバイス: 230…磁気冷凍用複合材料。

Claims (10)

  1. 磁気熱量効果を有する磁気熱量効果材料と、
    前記磁気熱量効果材料中に分散され、カーボンナノチューブおよびカーボンナノファイバーからなる群から選択される少なくとも1種の熱伝導促進材と
    を具備し
    前記磁気熱量効果材料の最大広がりサイズが100μm以下である、ここで、前記磁気熱量効果材料の最大広がりサイズは、材料の断面観察写真を用いて前記磁気熱量効果材料の任意の7点を取り、この点を含み且つ熱伝達促進材を含まない最大の円を描いた際の直径を測定し、最大値および最小値を除いた5点の平均値を求め、この操作を3回繰り返した平均値である、磁気冷凍用複合材料。
  2. 前記磁気熱量効果材料と前記熱伝導促進材との境界に、前記磁気熱量効果材料および前記熱伝導促進材とは異なり、かつ前記磁気熱量効果材料を構成する少なくとも1種の元素を含有する化合物からなる結着材を有する請求項1に記載の磁気冷凍用複合材料。
  3. 前記結着材は磁性体である請求項1または2に記載の磁気冷凍用複合材料。
  4. 前記熱伝導促進材は、前記磁気冷凍用複合材料全体の3〜20体積%を占める請求項1乃至3のいずれか1項に記載の磁気冷凍用複合材料。
  5. 前記熱伝導促進材は、前記磁気冷凍用複合材料全体の5〜15体積%を占める請求項4に記載の磁気冷凍用複合材料。
  6. 前記磁気熱量効果材料は、Gdまたはその化合物である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の磁気冷凍用複合材料。
  7. 前記磁気熱量効果材料は、NaZn13型結晶構造のLaFeSi系化合物である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の磁気冷凍用複合材料。
  8. 前記結着材は、Siを含有する請求項2乃至7のいずれか1項に記載の磁気冷凍用複合材料。
  9. 前記磁気冷凍用複合材料は板状であり、板厚方向の熱伝導率が板厚に垂直な方向の熱伝導率より大きい請求項1乃至8のいずれか1項に記載の磁気冷凍用複合材料。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の磁気冷凍用複合材料と、
    前記磁気冷凍用複合材料に磁場を印加/除去する機構と、
    熱輸送用の手段と
    を具儀する磁気冷凍デバイス。
JP2014508103A 2012-03-30 2013-03-29 磁気冷凍用材料および磁気冷凍デバイス Active JP5859117B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014508103A JP5859117B2 (ja) 2012-03-30 2013-03-29 磁気冷凍用材料および磁気冷凍デバイス

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012081722 2012-03-30
JP2012081722 2012-03-30
JP2014508103A JP5859117B2 (ja) 2012-03-30 2013-03-29 磁気冷凍用材料および磁気冷凍デバイス
PCT/JP2013/059571 WO2013147177A1 (ja) 2012-03-30 2013-03-29 磁気冷凍用材料および磁気冷凍デバイス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2013147177A1 JPWO2013147177A1 (ja) 2015-12-14
JP5859117B2 true JP5859117B2 (ja) 2016-02-10

Family

ID=49260418

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014508103A Active JP5859117B2 (ja) 2012-03-30 2013-03-29 磁気冷凍用材料および磁気冷凍デバイス

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20150033763A1 (ja)
EP (1) EP2833085A4 (ja)
JP (1) JP5859117B2 (ja)
CN (1) CN104136867A (ja)
WO (1) WO2013147177A1 (ja)

Families Citing this family (66)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW201101345A (en) * 2009-04-08 2011-01-01 Basf Se Heat carrier medium for magnetocaloric materials
WO2015017230A1 (en) 2013-08-02 2015-02-05 General Electric Company Magneto-caloric assemblies
US9851128B2 (en) 2014-04-22 2017-12-26 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Magneto caloric heat pump
CN103938012B (zh) * 2014-04-23 2017-02-15 中国科学院理化技术研究所 一种碳基室温磁制冷复合材料及其制备方法
JP6472962B2 (ja) * 2014-08-25 2019-02-20 株式会社フジクラ 磁気冷凍機用磁気作業物質構造体
KR20170131664A (ko) * 2015-06-19 2017-11-29 가부시키가이샤후지쿠라 열교환기, 자기 히트펌프 장치, 및 열교환기의 제조 방법
CN107735628B (zh) * 2015-06-19 2021-07-06 永磁电机有限公司 改进的填充屏型磁热元件
JP6418110B2 (ja) * 2015-09-01 2018-11-07 株式会社デンソー 磁気ヒートポンプ装置
US20190003747A1 (en) * 2015-12-21 2019-01-03 United Technologies Corporation Electrocaloric heat transfer modular stack
US10541070B2 (en) * 2016-04-25 2020-01-21 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Method for forming a bed of stabilized magneto-caloric material
US10299655B2 (en) 2016-05-16 2019-05-28 General Electric Company Caloric heat pump dishwasher appliance
US10006675B2 (en) 2016-07-19 2018-06-26 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Linearly-actuated magnetocaloric heat pump
US10047980B2 (en) 2016-07-19 2018-08-14 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Linearly-actuated magnetocaloric heat pump
US10274231B2 (en) 2016-07-19 2019-04-30 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Caloric heat pump system
US10006674B2 (en) 2016-07-19 2018-06-26 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Linearly-actuated magnetocaloric heat pump
US10222101B2 (en) 2016-07-19 2019-03-05 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Linearly-actuated magnetocaloric heat pump
US10006673B2 (en) 2016-07-19 2018-06-26 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Linearly-actuated magnetocaloric heat pump
US10047979B2 (en) 2016-07-19 2018-08-14 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Linearly-actuated magnetocaloric heat pump
US10295227B2 (en) 2016-07-19 2019-05-21 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Caloric heat pump system
US9869493B1 (en) 2016-07-19 2018-01-16 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Linearly-actuated magnetocaloric heat pump
US10281177B2 (en) 2016-07-19 2019-05-07 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Caloric heat pump system
US10006672B2 (en) 2016-07-19 2018-06-26 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Linearly-actuated magnetocaloric heat pump
US9915448B2 (en) 2016-07-19 2018-03-13 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Linearly-actuated magnetocaloric heat pump
US10443585B2 (en) 2016-08-26 2019-10-15 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Pump for a heat pump system
US9857105B1 (en) 2016-10-10 2018-01-02 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Heat pump with a compliant seal
US9857106B1 (en) 2016-10-10 2018-01-02 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Heat pump valve assembly
US10288326B2 (en) 2016-12-06 2019-05-14 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Conduction heat pump
US10386096B2 (en) 2016-12-06 2019-08-20 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Magnet assembly for a magneto-caloric heat pump
DE102016224922A1 (de) 2016-12-14 2018-06-14 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Klimatisierungseinrichtung für ein Fahrzeug und Verfahren zum Betreiben einer solchen Klimatisierungseinrichtung
DE102016224923A1 (de) 2016-12-14 2018-06-14 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Kühlvorrichtung, Verwendung einer solchen Kühlvorrichtung für eine mobile Anwendung und Verfahren zum Betreiben einer solchen Kühlvorrichtung
DE102016224925B4 (de) 2016-12-14 2024-01-04 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Klimatisierungseinrichtung für ein Fahrzeug
US10527325B2 (en) 2017-03-28 2020-01-07 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Refrigerator appliance
US11009282B2 (en) 2017-03-28 2021-05-18 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Refrigerator appliance with a caloric heat pump
US10451320B2 (en) 2017-05-25 2019-10-22 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Refrigerator appliance with water condensing features
US10451322B2 (en) 2017-07-19 2019-10-22 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Refrigerator appliance with a caloric heat pump
US10422555B2 (en) 2017-07-19 2019-09-24 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Refrigerator appliance with a caloric heat pump
US10520229B2 (en) 2017-11-14 2019-12-31 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Caloric heat pump for an appliance
US11022348B2 (en) * 2017-12-12 2021-06-01 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Caloric heat pump for an appliance
US10782051B2 (en) 2018-04-18 2020-09-22 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Magneto-caloric thermal diode assembly
US10876770B2 (en) 2018-04-18 2020-12-29 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Method for operating an elasto-caloric heat pump with variable pre-strain
US10648706B2 (en) 2018-04-18 2020-05-12 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Magneto-caloric thermal diode assembly with an axially pinned magneto-caloric cylinder
US10641539B2 (en) 2018-04-18 2020-05-05 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Magneto-caloric thermal diode assembly
US10557649B2 (en) 2018-04-18 2020-02-11 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Variable temperature magneto-caloric thermal diode assembly
US10648705B2 (en) 2018-04-18 2020-05-12 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Magneto-caloric thermal diode assembly
US10830506B2 (en) 2018-04-18 2020-11-10 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Variable speed magneto-caloric thermal diode assembly
US10648704B2 (en) 2018-04-18 2020-05-12 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Magneto-caloric thermal diode assembly
US10551095B2 (en) 2018-04-18 2020-02-04 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Magneto-caloric thermal diode assembly
US11015842B2 (en) 2018-05-10 2021-05-25 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Magneto-caloric thermal diode assembly with radial polarity alignment
US10989449B2 (en) 2018-05-10 2021-04-27 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Magneto-caloric thermal diode assembly with radial supports
US11054176B2 (en) 2018-05-10 2021-07-06 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Magneto-caloric thermal diode assembly with a modular magnet system
CN108735411B (zh) * 2018-06-12 2020-03-13 北京工业大学 一种镧铁硅/钆复合磁制冷材料及其制备工艺
US10684044B2 (en) 2018-07-17 2020-06-16 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Magneto-caloric thermal diode assembly with a rotating heat exchanger
US11092364B2 (en) 2018-07-17 2021-08-17 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Magneto-caloric thermal diode assembly with a heat transfer fluid circuit
WO2020054470A1 (ja) * 2018-09-11 2020-03-19 ダイキン工業株式会社 磁気冷凍装置
US11274860B2 (en) 2019-01-08 2022-03-15 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Mechano-caloric stage with inner and outer sleeves
US11168926B2 (en) 2019-01-08 2021-11-09 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Leveraged mechano-caloric heat pump
US11149994B2 (en) 2019-01-08 2021-10-19 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Uneven flow valve for a caloric regenerator
US11193697B2 (en) 2019-01-08 2021-12-07 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Fan speed control method for caloric heat pump systems
US11112146B2 (en) 2019-02-12 2021-09-07 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Heat pump and cascaded caloric regenerator assembly
US11015843B2 (en) 2019-05-29 2021-05-25 Haier Us Appliance Solutions, Inc. Caloric heat pump hydraulic system
JP2021145107A (ja) * 2020-03-13 2021-09-24 パナソニックIpマネジメント株式会社 磁気熱量複合材料及びその製造方法
JP2021148319A (ja) * 2020-03-16 2021-09-27 パナソニックIpマネジメント株式会社 磁気冷却デバイス
CN111872356B (zh) * 2020-08-06 2021-12-03 上海大学 一种碳纤维增强的磁制冷功能合金复合材料制备装置与制备方法
CN112863846B (zh) * 2021-01-08 2022-12-09 哈尔滨工业大学 一种磁制冷机回热器的磁相变材料的制备方法及磁制冷循环系统
CN114246065A (zh) * 2021-12-28 2022-03-29 南通欧贝黎新能源电力股份有限公司 一种利用太阳能的新型智能无人收割机
DE102022120022A1 (de) 2022-08-09 2024-02-15 Vacuumschmelze Gmbh & Co. Kg Regenerator für einen magnetischen Wärmetauscher und Wärmetauscher

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4332135A (en) 1981-01-27 1982-06-01 The United States Of America As Respresented By The United States Department Of Energy Active magnetic regenerator
JP2001284108A (ja) * 2000-04-03 2001-10-12 Tokin Corp 複合磁性体、及びそれを用いた電磁干渉抑制体
US20030154865A1 (en) * 2002-10-16 2003-08-21 Zornes David A. Nano coupling magnetoadsorbent
GB2458039B (en) * 2007-02-12 2012-07-25 Vacuumschmelze Gmbh & Co Kg Article for magnetic heat exchange and method of manufacturing the same
JP4748529B2 (ja) * 2007-03-22 2011-08-17 古河電気工業株式会社 磁性体
CN101681707B (zh) * 2007-12-27 2014-04-02 真空熔焠有限两合公司 具有磁热主动材料的复合物品及其制造方法
JP4748538B2 (ja) * 2008-03-27 2011-08-17 古河電気工業株式会社 磁性体の製造方法
GB2461400B (en) * 2008-05-16 2012-11-21 Vacuumschmelze Gmbh & Co Kg Article for magnetic heat exchange
DE102008054522B4 (de) * 2008-12-11 2013-11-21 Leibniz-Institut Für Festkörper- Und Werkstoffforschung Dresden E.V. Verfahren zur Beschichtung der Oberflächeeines magnetischen Legierungsmaterials sowie ein solches Legierungsmaterial
JP2010251378A (ja) * 2009-04-10 2010-11-04 Bridgestone Corp 電磁波吸収シートの製造方法
CN102511067B (zh) * 2009-08-10 2017-02-08 巴斯夫欧洲公司 由热磁材料构成的换热器床
JP2011162811A (ja) * 2010-02-05 2011-08-25 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 磁気冷凍用希土類−鉄系合金粉末
US9702594B2 (en) * 2010-06-07 2017-07-11 Aip Management, Llc Magnetocaloric refrigerator

Also Published As

Publication number Publication date
CN104136867A (zh) 2014-11-05
WO2013147177A1 (ja) 2013-10-03
EP2833085A1 (en) 2015-02-04
US20150033763A1 (en) 2015-02-05
EP2833085A4 (en) 2015-12-02
JPWO2013147177A1 (ja) 2015-12-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5859117B2 (ja) 磁気冷凍用材料および磁気冷凍デバイス
Balli et al. Advanced materials for magnetic cooling: Fundamentals and practical aspects
Pulko et al. Epoxy-bonded La–Fe–Co–Si magnetocaloric plates
US6826915B2 (en) Magnetic refrigerant material, regenerator and magnetic refrigerator
JP4987514B2 (ja) 磁気冷凍材料、及び磁気冷凍装置
Pecharsky et al. Magnetocaloric effect and magnetic refrigeration
JP4950918B2 (ja) 磁気冷凍装置用磁性材料、熱交換容器および磁気冷凍装置
JP4703699B2 (ja) 磁気冷凍用磁性材料、磁気冷凍デバイスおよび磁気冷凍システム
JP2002356748A (ja) 磁性材料
JP2007263392A (ja) 磁気冷凍材料及び磁気冷凍装置
Liu Optimizing and fabricating magnetocaloric materials
WO2018129476A1 (en) Magnetocaloric alloys useful for magnetic refrigeration applications
TW202112548A (zh) 鞘一體型磁冷凍構件、其製造方法及磁冷凍系統
Shinde et al. Magnetocaloric effect in Tb2O3 and Dy2O3 nanoparticles at cryogenic temperatures
JP2023169141A (ja) 2段式の蓄冷型極低温冷凍機及びその製造方法
JP2010077484A (ja) 磁気冷凍用磁性材料、磁気冷凍デバイスおよび磁気冷凍システム
KR101789981B1 (ko) Mo 자리 W 치환에 의한 향상된 자기열량 효과를 가지는 이중 페로브스카이트 구조 산화물
JP2015141016A (ja) 磁気冷却器およびこれを含む冷却装置
Cheng et al. Refrigeration effect of La (FeCoSi) 13B0. 25 compounds and gadolinium metal in reciprocating magnetic refrigerator
US20210287831A1 (en) Magnetic calorific composite material and method for manufacturing thereof
JP5509731B2 (ja) 希土類窒化物およびその製造方法、ならびに磁気冷凍材料および蓄冷材料
WO1999020956A1 (en) Cold-accumulating material and cold-accumulating refrigerator
Kang et al. Mn5− xGe3Nix refrigerant for active magnetic refrigeration
Pan et al. Properties of composites with La (Fe, Si) 13 hydrides and sodium silicate
Wang et al. Novel fabrication of honeycomb-like magnetocaloric regenerators via a self-organization process

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151117

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151215

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5859117

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151