JP5858994B2 - 口唇ヘルペス、性器ヘルペス、および帯状疱疹の再発を抑制するためのポリエチレングリコール組成物 - Google Patents

口唇ヘルペス、性器ヘルペス、および帯状疱疹の再発を抑制するためのポリエチレングリコール組成物 Download PDF

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Description

関連出願
本出願は、2010年7月8日出願の米国特許出願第61/362,329号に関連するものであって、その内容は参考としてその全体が本明細書に組み入れられる。
本発明は概して治療の分野に関するが、より具体的には、単純ヘルペスおよび帯状疱疹の治療の分野に関するものであって、より詳細には、ポリエチレングリコール(PEG)、もしくはPEG含有組成物の局所投与によって、口唇ヘルペス、性器ヘルペスおよび帯状疱疹の、再発率を低下させ、再発を遅らせ、および/または再発を予防する方法に関する。
本発明、ならびに本発明が関係する最先端技術を、より完全に説明し、明らかにするために、数多くの文献が本明細書に引用されている。それぞれ個々の文献が、参照することによって組み入れられると個別具体的に指示される場合と同様に、これらの文献はいずれも、参照によってその全体を本明細書に組み入れるものとする。
次に続く特許請求の範囲を含めて、本明細書の全体にわたって、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「含む」("comprise")、ならびにその変化した形である"comprises"および"comprising"は、当然のことながら、提示された整数もしくはステップ、または整数群もしくはステップ群の包含を意味するが、それ以外の整数もしくはステップ、または整数群もしくはステップ群の除外を意味するものではない。
明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形"a"、"an"、および"the"は、文脈から明確にそうでないと指示されない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。したがって、たとえば、「医薬担体(単数形)」への言及は、2つ以上のそうした担体の混合物などを含んでいる。
範囲は、本明細書では、”およその”ある特定の値から、および/または”およその”別の特定の値までとして表されることが多い。このような範囲を表現する場合、別の実施形態は、一方の特定の値から、および/またはもう一方の特定の値までを含む。同様に、値が近似として表される場合、先行して”およそ(約)”を使用することによって、当然のことながら、特定の値は、もう一つ別の実施形態となる。
本開示は、本発明を理解するのに役立つ情報を含んでいる。本明細書で与えられるいかなる情報も先行技術であるとは認められないし、本発明に関連するとは認められず、具体的もしくは暗示的に言及されるいかなる文献も先行技術であるとは認められない。
ヘルペスウイルス科
ヘルペスウイルス科はDNAウイルス分類上の大きな科であり、ヘルペスウイルスとしても知られている。この科には、ヒトに病気を引き起こすことが知られている、単純ヘルペスウイルス1(HSV-1);単純ヘルペスウイルス2(HVS-2);水痘帯状疱疹ウイルス(VZV);エプスタイン・バール・ウイルス(EBV);サイトメガロウイルス(CMV);ロゼオロウイルス;およびカポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV)などの、いくつかの明確に区別できるウイルスが含まれる。
単純ヘルペスウイルス(HSV-1およびHSV-2)および水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)はいずれも、同じウイルス亜科(アルファヘルペスウイルス亜科)に属する。
単純ヘルペスウイルス(HSV)
単純ヘルペスウイルスは、直径140から180 nmであるので、大型ウイルスに分類される。このウイルスは線状二本鎖DNAを含有する正十二面体カプシドを保有する。カプシドはウイルスエンベロープで囲まれている;こうした事実は、石けん、界面活性剤、およびマイルドな殺菌剤に対するウイルスの感受性を生じさせる。
世界人口の約80%がHSV抗体陽性であり(たとえば、Whitley, 1990を参照されたい)、したがって、単純ヘルペスウイルスは世界中に分布している。米国では、再発性口唇ヘルペスの生涯有病率は、20%から40%と推定され、毎年国内での発症はおよそ1億症例にのぼる(たとえば、Young et al., 1988を参照されたい)。スイスでは、成人人口の約70%がHSV-1抗体陽性であり、約20%がHSV-2抗体陽性である(たとえば、Buenzli et al., 2004を参照されたい)。
HSV-1は唾液の接触、または直接・間接の接触によって伝播するのに対して、HSV-2は親密な粘膜の接触によって伝播する。HSV-1は通常、幼年期に、口腔粘膜を通って獲得され、そこで歯肉口内炎(かなり痛みを伴う口内の炎症)を引き起こす。その後、ウイルスは軸索に沿ってCNS(中枢神経系)に移動し、そこで三叉神経節(ガッセル)内に潜伏した状態が継続する。精神的ストレス、日光を浴びること、発熱、心的外傷、月経、他の感染症もしくは免疫抑制療法によって再活性化が引き起こされる可能性のあるが、その再活性化の後に、ウイルスは、同様に末梢へ移動して、そこでヘルペス(口唇ヘルペス)を引き起こす。唇には神経終末が非常に高密度に存在する:その上皮層はウイルスの複製のために重要である。
免疫があるにもかかわらず、こうした再発がいつでも起こりうるのは、ウイルスが神経経路に沿って移動するが細胞間隙には入り込まないためである。このことは、免疫系にはウイルスを攻撃できる可能性がないことを意味する。したがって、いくつかの合併症が起こりうる:その1つがヘルペス性角結膜炎もしくは高致死性ヘルペス脳炎(未治療の死亡率は最大で80%)である。
HSV-2の初感染は通常、性交時に起こり、泌尿生殖器系に関係する。この感染は、宿主がHSV-1の検査で陽性を示したとしても起こりうる。HSV-2ウイルスは、腰仙髄神経節または末梢組織内に潜伏した状態でとどまり、そこからいわゆる性器ヘルペスの症状を引き起こす。神経系の合併症はまれで、HSV-1感染より良性である。しかしながら、高死亡率の合併症が1つあり、それは新生児の感染(新生児ヘルペス)である。
口唇ヘルペス
口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス(HSV)によって引き起こされる疾患である。HSV-1およびHSV-2という2つの単純ヘルペスウイルスがあるが、どちらもヘルペスウイルス科のシンプレックスウイルス属に属する。
口唇ヘルペスの潜伏期間は、典型的には2日から12日である。口唇ヘルペス再活性化の初期兆候および症状には次のものがある:つっぱり感;皮膚の過敏性;ヒリヒリ感、熱感、および/または掻痒感と、その後の再上皮化の遅れ;痂皮形成(膿がたまることが多い)およびびらん。まれに、リンパ節が腫れることがある。
神経学的および内科的診断法に加えて、血中のウイルスを抗体検査で検出できる可能性もある。しかしながら、個別のウイルスの確認は重症例でのみ行われる。全身性および播種性HSV感染でさえ、HSV-IgGおよびHSV-IgM抗体の検出は行われないことがあり、あるいは非常に遅れて実施されるのみである。
上皮細胞におけるHSVの溶解サイクルは、核内の移行、脱核、ウイルス転写、DNA複製、ウイルス粒子の組み立て、および細胞からの脱出を含む。このプロセスの結果として、初感染が引き起こされる。ウイルスの一部は感覚ニューロンの末端に入り、神経核へと逆行性に移動して、そこで潜伏感染を確立する。上皮細胞は、ニューロンから出てくるウイルス粒子の順行性移動を受けて再感染する。再感染は無症候性ウイルス排出または再発病変をもたらす。
口唇ヘルペスの最新治療
口唇ヘルペスの寛解のために、いくつかの抗ウイルス薬が利用できる。しかしながら、代表的なものは、グアニン塩基のヌクレオシドアナログであるアシクロビルである。そのバイオアベイラビリティが低いことから、他の抗ウイルス薬がいくつか開発されている(たとえば、ペンシクロビルおよびその誘導体ファムシクロビル、ならびにバラシクロビルなど)。アシクロビル分子は、(感染細胞においてのみ)ウイルスのチミジンキナーゼによってアシクロビル一リン酸に変換される。このキナーゼは、細胞のチミジンキナーゼよりはるかにリン酸化に有効である。その後、一リン酸塩型のアシクロビルは、細胞のチミジンキナーゼにより三リン酸塩(アシクロビル三リン酸)に変換される。
口唇ヘルペスの軽微な、もしくはめったにない発症には、5%アシクロビルクリームの塗布で十分である。このクリームは、1日5回、典型的には5日間、ヘルペスの上に直接塗布するが、10日の治療期間を超えるべきではない。
一過性に症状の発現した再発性口唇ヘルペスの最新治療は以下の通りである。
Figure 0005858994
再発性口唇ヘルペスの頻繁な再発に対するウイルス増殖抑制療法のための最新治療は以下の通りである。
Figure 0005858994
上記治療は、特に長期治療が必要になると、非常に高価である。このことは、患者の治療計画遵守の低下を招くことも多い。加えて、近年、アシクロビルに耐性のウイルス量が増加しており、このことも治療の有効性を低下させる可能性がある。
Whitley, R.J., 1990, "Herpes simplex viruses", in Virology, (Fields, B.N., et al., eds., Raven Press, New York, USA), pp. 1852-1854. Young, T.B., et al., 1988, "Cross-sectional study of recurrent herpes labialis", Am. J. Epidemiol., Vol. 127, pp. 612-625. Buenzli, D., et al., 2004, "Seroepidemiology of herpes simplex virus type 1 and 2 in western and southern Switzerland in adults aged 25-74 in 1992-93: a population-based study", BMC Infect. Dis., Vol. 4, No. 10.
したがって、HSV感染のための、ならびに、単純ヘルペスウイルス(HSV)感染に付随し、誘発され、または起因する、たとえば口唇ヘルペスなどの疾病および異常のための、別の治療法がおおいに必要とされている。
本発明者らは、患者の口唇および周囲の顔の皮膚上に局所的に塗布されたポリエチレングリコール(PEG)が、驚くべきことに、そして思いがけないことに、口唇ヘルペスの再発率を低下させ、再発を遅らせ、および/または再発を予防することを発見した。
口唇ヘルペスのための治療法が数多く報告されてきた。通常、治療には、1つもしくは複数の治療薬(たとえば、口唇ヘルペスおよび/またはその原因となっているウイルス感染を治療するための1つもしくは複数の薬剤)を含有する製剤の使用が欠かせない。一部の例では、製剤はポリエチレングリコール(PEG)を追加的に含んでいる。
しかしながら、いずれの場合も、PEGはその製剤特性のために含まれているのであって、その治療上の価値が認識されているからではない。ポリエチレングリコールそれ自体が、口唇ヘルペス、性器ヘルペスもしくは帯状疱疹の再発率を下げ、再発を遅らせ、および/または再発を予防するための治療はもちろん、ウイルス感染のための治療にも、有用もしくは有効であることは、これまでどこにも示唆されたことはない。
また、いずれの場合も、製剤は、急性口唇ヘルペスの治療(たとえば、口唇ヘルペスの症状の治療;症状の重さを軽減すること;再発の期間を短くすること;治癒を促進することなど)を目的とする。製剤はいずれの場合も、再発が始まったとき(すなわち前駆期)に、または再発の期間(すなわち急性期)に投与される。たとえ何も症状が現れなくても、再発率を下げ、再発を遅らせ、および/または再発を予防するために、このような製剤を予防薬として投与すべきであることは、どこにも示唆されたことはない。
たとえば、国際特許公開番号WO 2008/087034 A2には、シクロデキストリン製剤、ならびにヘルペスの治療を含めたウイルス感染の治療におけるその使用が記載されている。たとえば、その中の3ページ、23-24行を参照されたい。製剤は、たとえば、ポリエチレングリコールを任意の追加成分として含有してもよい。たとえば、その中の15-16ページを参照されたい。この文書のどこにも、ポリエチレングリコールそれ自体が、口唇ヘルペスなどのウイルス感染のための治療に有用もしくは有効であるという教示または示唆はない。この文書のどこにも、ポリエチレングリコールそれ自体が、口唇ヘルペス、性器ヘルペス、または帯状疱疹の再発率を下げ、再発を遅らせ、および/または再発を予防するために、有用もしくは有効であるという教示または示唆はない。
同様に、米国特許第4,762,715号には、口唇ヘルペス治療のためにある種の抗ヘルペス薬(ヘパリンおよび硫酸亜鉛)を含有するリップスティック製剤が記載されている。その中の実施例1は、PEG 1000; PEG 4000; PEG 400; モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン; モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン; ヘパリン・ナトリウム; および硫酸亜鉛七水和物の混合物を用いたリップスティックの調製を記載する。この文書のどこにも、ポリエチレングリコールそれ自体が、口唇ヘルペス、性器ヘルペス、または帯状疱疹の再発率を下げ、再発を遅らせ、および/または再発を予防するために、有用もしくは有効であるという教示または示唆はない。その代わりに、ポリエチレングリコールは、製剤処方でよくあるように、好ましい担体として選択された。
本発明のある態様は、患者において、口唇ヘルペス、性器ヘルペス、または帯状疱疹の再発率を下げ、再発を遅らせ、および/または再発を予防する方法に関するが、その方法は、治療上有効な量のポリエチレングリコール、もしくはポリエチレングリコール(PEG)を含有する組成物を、本明細書に記載のように、患者に局所投与することを含む。
本発明のもう1つの態様は、治療に使用するための、本明細書に記載のポリエチレングリコール(PEG)に関する。
本発明の別の態様は、局所投与によって口唇ヘルペス、性器ヘルペス、または帯状疱疹の再発率を下げ、再発を遅らせ、および/または再発を予防する方法に使用するための、本明細書に記載のポリエチレングリコール(PEG)に関する。
本発明のもう1つの態様は、局所投与によって口唇ヘルペス、性器ヘルペス、または帯状疱疹の再発率を下げ、再発を遅らせ、および/または再発を予防するための薬剤の製造に、本明細書に記載のポリエチレングリコール(PEG)を使用することに関する。
本発明の別の態様は、本明細書に記載のPEGを含有する、局所投与に適した製剤に関する。
当業者に理解されるように、本発明のある態様の、特徴および好ましい実施形態は、本発明の他の態様にも関係するものとする。
図1は、本明細書に記載の被験患者における口唇ヘルペスの突然の発症(再発)回数の減少を示す棒グラフである。患者の%および患者の累積%はいずれも、突然の発症(再発)回数の100%、90%+、80%+、70%+、および60%+減少のそれぞれについて報告されている。
発明の詳細な説明
本発明者らは、患者の口唇上に局所適用されたポリエチレングリコール(PEG)が、驚くべきことに、そして思いがけないことに、口唇ヘルペスの再発率を下げ、再発を遅らせ、および/または再発を予防するのに有効であることを発見した。
本明細書に記載の臨床試験で実証されるように、1年間で少なくとも8回の口唇ヘルペス再発を経験した患者の口唇上にPEGを1日2回局所投与することは、再発率の相当な低下をもたらした。多くの場合、予防的治療は、再発を無制限に遅らせたように思われる。
特定の理論に結び付けるつもりはないが、PEGの吸湿性がその有効性に寄与することが想定される。PEGによる定期的な(予防的)治療は、皮膚環境を変化させること、その結果、皮膚の状態がウイルスの複製、増殖、および/または活動にあまり適さなくなることが想定される。一般論として、吸湿性のPEGは水と結びつく;それが口唇、皮膚、もしくは湿った表面上に塗布されると、PEGは、対応するマトリックスに由来する水と結びつく。また、水だけでなく、水に溶解している他の成分、場合によってグリセロール、タンパク質なども、結び付ける可能性が高い(”washing-out"効果)。PEGが定期的に塗布されると、たとえば口唇ヘルペスの、再発率を下げ、再発を遅らせ、および/または再発を予防するのに有効なプラスの影響を、皮膚の組成に及ぼすことが想定される。
PEGは、特に有効であることに加えて、他に重要な利点がある。PEGは、工業生産から医薬に及ぶ多様な応用用途で使用され、その製造、精製、および処理のための洗練された方法がすでに知られている。PEGは、ヒトに対してきわめて安全であると考えられ、一般に安全と認められる物質(Substances Generally Recognized as Safe(GRAS))のリストに載っている。PEGの局所投与は、望ましくない副作用があったとしてもわずかであることが期待される。それとはきわめて対照的に、確立された抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、フォスカメット、またはペンシクロビル)はすべて全身性であって、さまざまな副作用(たとえば、吐き気、嘔吐、下痢、食欲不振、腹痛、頭痛、めまい、手足の腫れ)に悩まされる。それに加えて、適当なPEG製剤のコストは、確立された全身性抗ウイルス薬の同等製剤のコストより低くなることが予想される。全体的に見て、PEGは、患者の高いコンプライアンスを享受することが期待できる(ほぼ確実に、確立された全身性抗ウイルス薬に関する患者のコンプライアンスより高い)。
誤解を避けるために、本明細書に記載の方法がウイルス感染を予防する(たとえばHSV-1もしくはHSV-2の感染を予防する)とは主張していない。その代わり、本発明の方法は、ウイルス感染に付随し、誘発され、または起因する疾病および異常(すなわち、HSV-1、HSV-2、もしくはVZV感染に付随し、誘発され、または起因する疾病および異常)のための治療に有用である。このように、本明細書に記載の方法は、ウイルス感染(たとえばHSV-1、HSV-2、もしくはVZV感染、)の症状を予防および/または軽減するという意味で、緩和ケアとして説明することができる。
ポリエチレングリコール(PEG)
ポリエチレングリコール(PEG)は、ポリエチレンオキシド(PEO)およびポリオキシエチレン(POE)としても知られており、酸化エチレンのオリゴマーまたはポリマーである。
Figure 0005858994
ポリエチレングリコール(PEG)は、HO-(CH2CH2O)m-Hの構造式を有し、添え字 "m"は2以上の整数である。簡単に言えば、各ポリマー分子は18+44(m)の分子量を有する。しかしながら、”単分散"である"m"、すなわちポリマーサンプル中の全ポリマー分子について"m"が同一であるような"m"について、中程度の値であってもそれを有するPEGサンプルを調製することは、難しいことで有名である。その代わり、PEGの特定のサンプルは、通常一定の範囲の異なるポリマー分子量(それぞれ異なる"m"値を有する)を有し、それぞれが特定の割合(たとえば、総分子数の比、または総重量の比で表される)で存在する。ポリマー分子の特定の集団(すなわち、分子数もしくは重量単位での、異なる分子量を持つポリマー分子の量)は、ポリマーサンプルに、多くの化学的および物理的特性を与える。
このポリマー分子集団を表す2つの方法が、「数平均分子量」(Mn)および「重量平均分子量」(Mw)であるが、これらは、下記の式を用いて計算され、式中NおよびMはそれぞれ、各分子種、iの、数および分子量である。
Figure 0005858994
ポリマー分子のすべてが同一である(そしてサンプルが「単分散」である)場合MwとMnは等しいが、その場合を除いて、Mwは常にMnより大きい。比率(Mw/Mn)は、多分散指数(P)と称され、分子量範囲の幅の尺度を与える。
ある実施形態において、本発明に使用されるPEGは、約200から約20,000までの重量平均分子量(Mw)を有する。
ある実施形態において、その範囲は約300から約20,000までである。
ある実施形態において、その範囲は約200から約15,000までである。
ある実施形態において、その範囲は約300から約15,000までである。
ある実施形態において、その範囲は約200から約10,000までである。
ある実施形態において、その範囲は約300から約10,000までである。
ある実施形態において、本発明に使用されるPEGは、約200から約1,000までの重量平均分子量(Mw)を有する。
ある実施形態において、その範囲は約200から約800までである。
ある実施形態において、その範囲は約300から約800までである。
ある実施形態において、その範囲は約200から約700までである。
ある実施形態において、その範囲は約300から約700までである。
ある実施形態において、その範囲は約200から約600までである。
ある実施形態において、その範囲は約300から約600までである。
ある実施形態において、その範囲は約200から約500までである。
ある実施形態において、その範囲は約300から約500までである。
ある実施形態において、本発明に使用されるPEGは、約400の重量平均分子量(Mw)を有する。
ある実施形態において、本発明に使用されるPEGは、約1,000から約20,000までの重量平均分子量(Mw)を有する。
ある実施形態において、その範囲は約1,000から約15,000までである。
ある実施形態において、その範囲は約1,000から約12,000までである。
ある実施形態において、その範囲は約1,000から約10,000までである。
ある実施形態において、その範囲は約1,000から約9,000までである。
ある実施形態において、その範囲は約4,000から約20,000までである。
ある実施形態において、その範囲は約4,000から約15,000までである。
ある実施形態において、その範囲は約4,000から約12,000までである。
ある実施形態において、その範囲は約4,000から約10,000までである。
ある実施形態において、その範囲は約4,000から約9,000までである。
ある実施形態において、その範囲は約6,000から約20,000までである。
ある実施形態において、その範囲は約6,000から約15,000までである。
ある実施形態において、その範囲は約6,000から約12,000までである。
ある実施形態において、その範囲は約6,000から約10,000までである。
ある実施形態において、その範囲は約6,000から約9,000までである。
ある実施形態において、その範囲は約7,000から約20,000までである。
ある実施形態において、その範囲は約7,000から約15,000までである。
ある実施形態において、その範囲は約7,000から約12,000までである。
ある実施形態において、その範囲は約7,000から約10,000までである。
ある実施形態において、その範囲は約7,000から約9,000までである。
ある実施形態において、本発明に使用されるPEGは、約8000の重量平均分子量(Mw)を有する。
ある実施形態において、本発明に使用されるPEGは、異なる分子量分布を示す2つ以上のPEGポリマーの混合物である。
異なる分子量分布のPEGポリマーを組み合わせる理由の1つは、(たとえばPEGの、PEG含有組成物の)望ましい粘度を達成することである。
ある実施形態において、本発明に使用されるPEGは、異なる分子量分布を示す2つ以上のPEGポリマーの混合物であるが、前記の2つ以上のPEGポリマーのうち2つは、上記のPEGポリマー(たとえば、約300から約800までの重量平均分子量(Mw)を有するPEG;および約6,000から約10,000までの重量平均分子量(Mw)を有するPEG)から選択される。
ある実施形態において、本発明に使用されるPEGは、異なる分子量分布を示す2つ以上のPEGポリマーの混合物であるが、前記の2つ以上のPEGポリマーのうち1つは:
(a)約200から約1,000までの重量平均分子量(Mw)を有するPEGである;
ならびに、前記の2つ以上のPEGポリマーのうちもう1つポリマーは:
(b)約1,000から約20,000までの重量平均分子量(Mw)を有するPEGである。
ある実施形態において、本発明で使用されるPEGは、異なる分子量分布を有する2つのPEGポリマーの混合物である。
ある実施形態において、本発明で使用されるPEGは、
(a)約200から約1,000までの重量平均分子量(Mw)を有するPEG;および
(b)約1,000から約20,000までの重量平均分子量(Mw)を有するPEG
の混合物である。
上記のある実施形態において、(a)は重量平均分子量(Mw)が約200から約800までのPEGである。
上記のある実施形態において、(a)は重量平均分子量(Mw)が約200から約700までのPEGである。
上記のある実施形態において、(a)は重量平均分子量(Mw)が約200から約600までのPEGである。
上記のある実施形態において、(a)は重量平均分子量(Mw)が約200から約500までのPEGである。
上記のある実施形態において、(a)は重量平均分子量(Mw)が約300から約1,000までのPEGである。
上記のある実施形態において、(a)は重量平均分子量(Mw)が約300から約800までのPEGである。
上記のある実施形態において、(a)は重量平均分子量(Mw)が約300から約700までのPEGである。
上記のある実施形態において、(a)は重量平均分子量(Mw)が約300から約600までのPEGである。
上記のある実施形態において、(a)は重量平均分子量(Mw)が約300から約500までのPEGである。
上記のある実施形態において、(a)は重量平均分子量(Mw)が約400のPEGである。
上記のある実施形態において、(b)は重量平均分子量(Mw)が約1,000から約15,000までのPEGである。
上記のある実施形態において、(b)は重量平均分子量(Mw)が約1,000から約12,000までのPEGである。
上記のある実施形態において、(b)は重量平均分子量(Mw)が約1,000から約10,000までのPEGである。
上記のある実施形態において、(b)は重量平均分子量(Mw)が約1,000から約9,000までのPEGである。
上記のある実施形態において、(b)は重量平均分子量(Mw)が約4,000から約20,000までのPEGである。
上記のある実施形態において、(b)は重量平均分子量(Mw)が約4,000から約15,000までのPEGである。
上記のある実施形態において、(b)は重量平均分子量(Mw)が約4,000から約12,000までのPEGである。
上記のある実施形態において、(b)は重量平均分子量(Mw)が約4,000から約10,000までのPEGである。
上記のある実施形態において、(b)は重量平均分子量(Mw)が約4,000から約9,000までのPEGである。
上記のある実施形態において、(b)は重量平均分子量(Mw)が約6,000から約20,000までのPEGである。
上記のある実施形態において、(b)は重量平均分子量(Mw)が約6,000から約15,000までのPEGである。
上記のある実施形態において、(b)は重量平均分子量(Mw)が約6,000から約12,000までのPEGである。
上記のある実施形態において、(b)は重量平均分子量(Mw)が約6,000から約10,000までのPEGである。
上記のある実施形態において、(b)は重量平均分子量(Mw)が約6,000から約9,000までのPEGである。
上記のある実施形態において、(b)は重量平均分子量(Mw)が約7,000から約20,000までのPEGである。
上記のある実施形態において、(b)は重量平均分子量(Mw)が約7,000から約15,000までのPEGである。
上記のある実施形態において、(b)は重量平均分子量(Mw)が約7,000から約12,000までのPEGである。
上記のある実施形態において、(b)は重量平均分子量(Mw)が約7,000から約10,000までのPEGである。
上記のある実施形態において、(b)は重量平均分子量(Mw)が約7,000から約9,000までのPEGである。
上記のある実施形態において、(b)は約8,000の重量平均分子量(Mw)を有するPEGである。
ある実施形態において、本発明に使用されるPEGは、異なる分子量分布を示す2つ以上のPEGポリマーの混合物であるが、前記の2つ以上のPEGポリマーのうち1つは:
(a)約200から約600までの重量平均分子量(Mw)を有するPEGである;
ならびに、前記の2つ以上のPEGポリマーのうちもう1つポリマーは:
(b)約4,000から約12,000までの重量平均分子量(Mw)を有するPEGである。
たとえば、ある実施形態において、本発明に使用されるPEGは;
(a)約200から約1,000までの重量平均分子量(Mw)を有するPEG;および
(b)約1,000から約12,000までの重量平均分子量(Mw)を有するPEG
の混合物である。
たとえば、ある実施形態において、本発明に使用されるPEGは;
(a)約200から約1,000までの重量平均分子量(Mw)を有するPEG;および
(b)約1,000から約10,000までの重量平均分子量(Mw)を有するPEG
の混合物である。
たとえば、ある実施形態において、本発明に使用されるPEGは;
(a)約200から約600までの重量平均分子量(Mw)を有するPEG;および
(b)約4,000から約12,000までの重量平均分子量(Mw)を有するPEG
の混合物である。
たとえば、ある実施形態において、本発明に使用されるPEGは;
(a)約200から約600までの重量平均分子量(Mw)を有するPEG;および
(b)約6,000から約10,000までの重量平均分子量(Mw)を有するPEG
の混合物である。
たとえば、ある実施形態において、本発明に使用されるPEGは;
(a)約400の重量平均分子量(Mw)を有するPEG;および
(b)約8,000の重量平均分子量(Mw)を有するPEG
の混合物である。
ある実施形態において、成分(a)の成分(b)に対する重量比は、約1:1から約20:1(たとえば50 wt% (a)および50 wt% (b)から、95.25 wt% (a)および4.75 wt% (b)まで)である。
ある実施形態において、その範囲は約1:1から約20:1までである。
ある実施形態において、その範囲は約1:1から約10:1までである。
ある実施形態において、その範囲は約1:1から約8:1までである。
ある実施形態において、その範囲は約1:1から約6:1までである。
ある実施形態において、その範囲は約3:1から約20:1までである。
ある実施形態において、その範囲は約3:1から約10:1までである。
ある実施形態において、その範囲は約3:1から約8:1までである。
ある実施形態において、その範囲は約3:1から約6:1までである。
ある実施形態において、その範囲は約5:1から約20:1までである。
ある実施形態において、その範囲は約5:1から約10:1までである。
ある実施形態において、その範囲は約5:1から約8:1までである。
ある実施形態において、その範囲は約5:1から約6:1までである。
ある実施形態において、成分(a)の成分(b)に対する重量比は、約5.67:1(たとえば85 wt% (a)および15 wt% (b))である。
PEG含有組成物
本明細書で使用される「PEG含有組成物」という用語は、(たとえば治療すべき患者の口唇上、および/またはその周囲への)局所投与に適した形をとるPEGを含有する組成物(たとえば、製剤、標品、薬剤)を意味する。
ある実施形態において、PEG含有組成物は、組成物全体の約0.1から100重量%のPEGを含有する。
ある実施形態において、その範囲は約1から100重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約5から100重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約10から100重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約20から100重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約30から100重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約40から100重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約50から100重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約55から100重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約60から100重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約65から100重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約70から100重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約75から100重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約80から100重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約85から100重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約90から100重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約91から100重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約92から100重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約93から100重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約94から100重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約95から100重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約96から100重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約97から100重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約98から100重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約99から100重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約1から90重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約5から90重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約10から90重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約20から90重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約30から90重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約40から90重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約50から90重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約55から90重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約60から90重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約65から90重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約70から90重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約75から90重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約80から90重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約85から90重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約1から80重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約5から80重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約10から80重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約20から80重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約30から80重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約40から80重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約50から80重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約55から80重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約60から80重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約65から80重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約70から80重量% PEGまでである。
ある実施形態において、その範囲は約75から80重量% PEGまでである。
ある実施形態において、PEG含有組成物は、組成物全体の少なくとも約50重量%のPEGを含有する。
ある実施形態において、その量は少なくとも約60重量%である。
ある実施形態において、その量は少なくとも約70重量%である。
ある実施形態において、その量は少なくとも約75重量%である。
ある実施形態において、その量は少なくとも約80重量%である。
ある実施形態において、その量は少なくとも約85重量%である。
ある実施形態において、その量は少なくとも約90重量%である。
ある実施形態において、その量は少なくとも約91重量%である。
ある実施形態において、その量は少なくとも約92重量%である。
ある実施形態において、その量は少なくとも約93重量%である。
ある実施形態において、その量は少なくとも約94重量%である。
ある実施形態において、その量は少なくとも約95重量%である。
ある実施形態において、その量は少なくとも約96重量%である。
ある実施形態において、その量は少なくとも約97重量%である。
ある実施形態において、その量は少なくとも約98重量%である。
ある実施形態において、その量は少なくとも約99重量%である。
ある実施形態において、PEG含有組成物は、組成物全体の100重量%のPEGである。
ある実施形態において、PEG含有組成物は、本明細書に記載のPEG、ならびに製薬上許容される担体、賦形剤、もしくは添加剤を含有する。
唯一の活性薬剤としてのPEG
ある実施形態において、PEG含有組成物は、唯一の活性薬剤としてPEGを含有するという特徴を有する。そのような組成物は、いかなるそのほかの活性薬剤も明確に排除するということができる(すなわち、組成物はそれ以上のいかなる活性薬剤も排除する;組成物は、別の活性薬剤を追加して含まない)。
活性薬剤の例には、抗ウイルス薬、抗生物質、鎮痛薬、消毒薬、抗真菌薬、および抗炎症薬などがある。
ある実施形態において、PEG含有組成物は、唯一の抗ウイルス薬としてPEGを含有するという特徴を有する。そのような組成物は、いかなるそのほかの抗ウイルス薬も明確に排除するということができる(すなわち、組成物はそれ以上のいかなる抗ウイルス薬も排除する;組成物は、別の抗ウイルス薬を追加して含まない)。
これに関連して、「抗ウイルス薬」という用語は、たとえば口唇ヘルペス、性器ヘルペス、および帯状疱疹の治療用薬剤、ならびに、その原因となっている、たとえばHSV-1、HSV-2、およびVZVによるウイルス感染の治療用薬剤、の両者を意味し、両者を網羅するために使用される。
ある実施形態において、PEG含有組成物は、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、フォスカメット、およびペンシクロビルを除外する(すなわち、組成物はアシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、フォスカメット、またはペンシクロビルを追加して含まない)。
追加の活性薬剤を伴うPEG
ある実施形態において、PEG含有組成物は、1つもしくは複数の追加の活性薬剤(たとえば、抗ウイルス薬、抗生物質、鎮痛薬、消毒薬、抗真菌薬、抗炎症薬)を追加して含有する
ある実施形態において、PEG含有組成物は、1つもしくは複数の追加の抗ウイルス薬を含有する。
これに関連して、「抗ウイルス薬」という用語は、先の場合と同様に、たとえば口唇ヘルペス、性器ヘルペス、および帯状疱疹の治療用薬剤、ならびに、その原因となっている、たとえばHSV-1、HSV-2、およびVZVによる、ウイルス感染の治療用薬剤、の両者を意味し、両者を網羅するために使用される。
ある実施形態において、PEG含有組成物は、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、フォスカメット、およびペンシクロビルのうち1つもしくは複数を追加して含有する
ある実施形態において、PEG含有組成物は、抗ウイルス薬以外の、1つもしくは複数の追加の活性薬剤(たとえば、抗生物質、鎮痛薬、消毒薬、抗真菌薬、抗炎症薬)を追加して含有する
治療法への使用
本発明のある態様は、治療に使用するための、本明細書に記載のPEGに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって、口唇ヘルペス、性器ヘルペス、もしくは帯状疱疹の、再発率を下げ、再発を遅らせ、および/または再発を予防する方法に使用するための、本明細書に記載のPEGに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって、口唇ヘルペス、性器ヘルペス、もしくは帯状疱疹の再発率を下げる方法に使用するための、本明細書に記載のPEGに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって、口唇ヘルペス、性器ヘルペス、もしくは帯状疱疹の再発を遅らせる方法に使用するための、本明細書に記載のPEGに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって、口唇ヘルペス、性器ヘルペス、もしくは帯状疱疹の再発を予防する方法に使用するための、本明細書に記載のPEGに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって、口唇ヘルペスの、再発率を下げ、再発を遅らせ、および/または再発を予防する方法に使用するための、本明細書に記載のPEGに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって、口唇ヘルペスの再発率を下げる方法に使用するための、本明細書に記載のPEGに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって、口唇ヘルペスの再発を遅らせる方法に使用するための、本明細書に記載のPEGに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって、口唇ヘルペスの再発を予防する方法に使用するための、本明細書に記載のPEGに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって、性器ヘルペスの、再発率を下げ、再発を遅らせ、および/または再発を予防する方法に使用するための、本明細書に記載のPEGに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって、性器ヘルペスの再発率を下げる方法に使用するための、本明細書に記載のPEGに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって、性器ヘルペスの再発を遅らせる方法に使用するための、本明細書に記載のPEGに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって、性器ヘルペスの再発を予防する方法に使用するための、本明細書に記載のPEGに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって、帯状疱疹の、再発率を下げ、再発を遅らせ、および/または再発を予防する方法に使用するための、本明細書に記載のPEGに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって、帯状疱疹の再発率を下げる方法に使用するための、本明細書に記載のPEGに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって、帯状疱疹の再発を遅らせる方法に使用するための、本明細書に記載のPEGに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって、帯状疱疹の再発を予防する方法に使用するための、本明細書に記載のPEGに関する。
薬剤の製造への使用
本発明のある態様は、局所投与によって、口唇ヘルペス、性器ヘルペス、もしくは帯状疱疹の、再発率を下げ、再発を遅らせ、および/または再発を予防するための薬剤の製造に、本明細書に記載のPEGを使用することに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって、口唇ヘルペス、性器ヘルペス、もしくは帯状疱疹の再発率を下げるための薬剤の製造に、本明細書に記載のPEGを使用することに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって、口唇ヘルペス、性器ヘルペス、もしくは帯状疱疹の再発を遅らせるための薬剤の製造に、本明細書に記載のPEGを使用することに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって、口唇ヘルペス、性器ヘルペス、もしくは帯状疱疹の再発を予防するための薬剤の製造に、本明細書に記載のPEGを使用することに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって、口唇ヘルペスの、再発率を下げ、再発を遅らせ、および/または再発を予防するための薬剤の製造に、本明細書に記載のPEGを使用することに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって口唇ヘルペスの再発率を下げるための薬剤の製造に、本明細書に記載のPEGを使用することに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって口唇ヘルペスの再発を遅らせるための薬剤の製造に、本明細書に記載のPEGを使用することに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって口唇ヘルペスの再発を予防するための薬剤の製造に、本明細書に記載のPEGを使用することに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって、性器ヘルペスの、再発率を下げ、再発を遅らせ、および/または再発を予防するための薬剤の製造に、本明細書に記載のPEGを使用することに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって性器ヘルペスの再発率を下げるための薬剤の製造に、本明細書に記載のPEGを使用することに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって性器ヘルペスの再発を遅らせるための薬剤の製造に、本明細書に記載のPEGを使用することに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって性器ヘルペスの再発を予防するための薬剤の製造に、本明細書に記載のPEGを使用することに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって、帯状疱疹の、再発率を下げ、再発を遅らせ、および/または再発を予防するための薬剤の製造に、本明細書に記載のPEGを使用することに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって帯状疱疹の再発率を下げるための薬剤の製造に、本明細書に記載のPEGを使用することに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって帯状疱疹の再発を遅らせるための薬剤の製造に、本明細書に記載のPEGを使用することに関する。
本発明のある態様は、局所投与によって帯状疱疹の再発を予防するための薬剤の製造に、本明細書に記載のPEGを使用することに関する。
治療方法
本発明のある態様は、患者において、口唇ヘルペス、性器ヘルペス、もしくは帯状疱疹の再発率を下げ、再発を遅らせ、および/または再発を予防する方法に関するが、その方法は、治療上有効な量の、本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物を前記患者に局所投与することを含む。
本発明のある態様は、患者において、口唇ヘルペスの再発率を下げ、再発を遅らせ、および/または再発を予防する方法に関するが、その方法は、治療上有効な量の、本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物を前記患者に局所投与することを含む。
本発明のある態様は、患者において、口唇ヘルペスの再発率を下げる方法に関するが、その方法は、治療上有効な量の、本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物を前記患者に局所投与することを含む。
本発明のある態様は、患者において、口唇ヘルペスの再発を遅らせる方法に関するが、その方法は、治療上有効な量の、本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物を前記患者に局所投与することを含む。
本発明のある態様は、患者において、口唇ヘルペスの再発を予防する方法に関するが、その方法は、治療上有効な量の、本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物を前記患者に局所投与することを含む。
本発明のある態様は、患者において、性器ヘルペスの再発率を下げ、再発を遅らせ、および/または再発を予防する方法に関するが、その方法は、治療上有効な量の、本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物を前記患者に局所投与することを含む。
本発明のある態様は、患者において、性器ヘルペスの再発率を下げる方法に関するが、その方法は、治療上有効な量の、本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物を前記患者に局所投与することを含む。
本発明のある態様は、患者において、性器ヘルペスの再発を遅らせる方法に関するが、その方法は、治療上有効な量の、本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物を前記患者に局所投与することを含む。
本発明のある態様は、患者において、性器ヘルペスの再発を予防する方法に関するが、その方法は、治療上有効な量の、本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物を前記患者に局所投与することを含む。
本発明のある態様は、患者において、帯状疱疹の再発率を下げ、再発を遅らせ、および/または再発を予防する方法に関するが、その方法は、治療上有効な量の、本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物を前記患者に局所投与することを含む。
本発明のある態様は、患者において、帯状疱疹の再発率を下げる方法に関するが、その方法は、治療上有効な量の、本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物を前記患者に局所投与することを含む。
本発明のある態様は、患者において、帯状疱疹の再発を遅らせる方法に関するが、その方法は、治療上有効な量の、本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物を前記患者に局所投与することを含む。
本発明のある態様は、患者において、帯状疱疹の再発を予防する方法に関するが、その方法は、治療上有効な量の、本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物を前記患者に局所投与することを含む。
治療される疾患
誤解を避けるために重ねて言うが、本明細書に記載の方法がウイルス感染を予防する(たとえば、HSV-1、HSV-2、またはVZVによる感染を予防する)とは主張していない。その代わり、本明細書に記載の方法は、ウイルス感染に付随し、誘発され、または起因する疾病および異常(すなわち、HSV-1、HSV-2、またはVZV感染に付随し、誘発され、または起因する疾病および異常)の治療に有用である。このように、本明細書に記載の方法は、ウイルス感染(たとえばHSV-1、HSV-2、もしくはVZV感染、)の症状を予防および/または軽減するという意味で、緩和ケアとして説明することができる。
本明細書に記載の方法は、特に、口唇ヘルペス"herpes labialis"("oral herpes"とも称される)、性器ヘルペス"herpes genitalis"("genital herpes"とも称される)、および帯状疱疹"herpes zoster"("shingles"および"zona"とも称される)の治療に有用である。
本明細書に記載の方法は、特に、口唇ヘルペス"herpes labialis"("oral herpes"とも称される)、たとえば再発性口唇ヘルペス、の治療に有用である。
ある実施形態(たとえば、治療方法への使用の実施形態、薬剤の製造への使用の実施形態、治療方法の実施形態)において、治療とは、口唇ヘルペスの再発率を低下させることである。
ある実施形態(たとえば、治療方法への使用の実施形態、薬剤の製造への使用の実施形態、治療方法の実施形態)において、治療とは、口唇ヘルペスの再発を遅らせることである。
ある実施形態(たとえば、治療方法への使用の実施形態、薬剤の製造への使用の実施形態、治療方法の実施形態)において、治療とは、口唇ヘルペスの再発を予防することである。
疾病もしくは異常(たとえば、口唇ヘルペス、性器ヘルペス、帯状疱疹)の「再発」という用語は、本明細書では従来の意味で使用され、そうした疾病もしくは異常の再出現、たとえば、そうした疾病もしくは異常の兆候および症状の再出現を意味する。
「口唇ヘルペスの再発」という用語は、本明細書では従来の意味で使用され、口唇ヘルペスの再出現、たとえば、紅斑、丘疹、小水疱、潰瘍、びらん、腫脹などの、口唇ヘルペスの兆候および症状の再出現を意味する。
単純ヘルペスウイルス(HSV-1およびHSV-2)および水痘帯状疱疹ウイルス(VSV)はいずれも、同じウイルス亜科(アルファヘルペスウイルス亜科)に属する。したがって、本明細書に記載の組成物および方法は、他のHSV-1、HSV-2、およびVZV疾患の治療および/または予防にも有用となり得るものであって、こうした疾患には、ヘルペス性ひょう疽、ヘルペス性歯肉口内炎、”格闘家ヘルペス”(herpes gladiatorum)、ヘルペス性角結膜炎、ヘルペス脳炎、ヘルペスウイルス髄膜炎、新生児単純ヘルペス、ヘルペス性毛瘡(herpetic sycosis)、およびヘルペス性湿疹がある。
治療上有効な量
本明細書で使用される「治療上有効な量」という用語は、PEGまたはPEG含有組成物の量に関するものであって、その量は、望ましい治療計画にしたがって投与されたときに、合理的な利益/リスク比に応じて、望ましい治療的効果を生じるために有効である。
投与経路
本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物は局所に投与される。
「局所投与」という用語は広範な意味で使用され、広く環境にさらされている身体の表面への投与を含んでいる。これには、皮膚のみならず、鼻孔および口腔、ならびに性器も含まれる。したがって、局所投与には、皮膚への適用、鼻孔への適用、口腔への適用(上咽喉を含む)、ならびに性器への適用(たとえば、性器ヘルペスの治療に関連して)を含めることができる。
ある実施形態において、本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物は、活動性のウイルス感染(たとえば、口唇ヘルペス、または他の活動性ウイルス感染を示す「発疹」の身体症状)を示す1つもしくは複数の部位に、または活動性感染の兆候は見られないが活動性感染(たとえば再発性の発疹)が生じるとわかっている、または予想される部位に、局所投与される。
ある実施形態において、本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物は、治療すべき患者の口唇上および/またはその周囲に局所投与される(たとえば口唇ヘルペスの治療に関する場合)。
ある実施形態において、本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物は、治療すべき患者の口唇(たとえば、口唇の少なくとも一部;そのほぼ全体;その全体)およびその周囲の顔面皮膚(たとえば、口唇の縁から<1 cm)上に局所投与される(たとえば口唇ヘルペスの治療に関する場合)。
たとえば、ある実施形態において、本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物は、治療すべき患者の口唇の少なくとも一部、およびその口唇の縁から<1 cmの周囲の顔面皮膚の上に局所投与される(たとえば、口唇ヘルペスの治療に関する場合)。
ある実施形態において、本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物は、治療すべき患者の上下の口唇全体に局所投与される(たとえば、口唇ヘルペスの治療に関する場合)。
ある実施形態において、本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物は、治療すべき患者の上下の口唇全体およびその周囲の顔面皮膚上に局所投与される(たとえば、口唇ヘルペスの治療に関する場合)。
ある実施形態において、本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物は、性器(たとえば、その少なくとも一部分;ほぼ全体;全体)、およびその周囲の皮膚(たとえば、恥部および/または鼠径部)上に局所投与される(たとえば、性器ヘルペスの治療に関する場合)。
投与回数
本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物は、任意の適当な治療計画にしたがって投与することができる。
たとえば、PEGまたはPEG含有組成物は、1日1回から1日5回まで、たとえば、1日1回、1日2回、1日3回などで投与することができる。好ましい実施形態では、PEGまたはPEG含有組成物は1日2回投与される。
治療中に再発が起こったならば、その時は、再発が持続する間、状況に応じてPEGまたはPEG含有組成物を1日1回から10回まで投与することができる。たとえば、PEGまたはPEG含有組成物は、再発の期間に1日3回から7回まで投与することができる。好ましい実施形態では、PEGまたはPEG含有組成物は、再発の期間に1日5回投与される。
治療期間
本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物は、多くの点で、たとえば、口唇ヘルペス、性器ヘルペス、もしくは帯状疱疹の再発率を低下させ、再発を遅らせ、および/または再発を予防するように働くという点で、予防薬として作用する。
したがって、本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物は、長期間(本明細書において投与期間と称する)にわたって、そして必要ならば無期限に、投与することができる。
たとえば、本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物は、少なくとも4週間の期間(たとえば投与期間)にわたって、(たとえば1日1回、1日2回、1日3回など)投与することができる。
ある実施形態において、投与期間は少なくとも6週間である。
ある実施形態において、投与期間は少なくとも8週間である。
ある実施形態において、投与期間は少なくとも10週間である。
ある実施形態において、投与期間は少なくとも3ヶ月である。
ある実施形態において、投与期間は少なくとも4ヶ月である。
ある実施形態において、投与期間は少なくとも6ヶ月である。
ある実施形態において、投与期間は少なくとも8ヶ月である。
ある実施形態において、投与期間は少なくとも1年である。
ある実施形態において、投与期間は少なくとも2年である。
ある実施形態において、投与期間は4週間から1年である。
ある実施形態において、投与期間は6週間から1年である。
ある実施形態において、投与期間は8週間から1年である。
ある実施形態において、投与期間は10週間から1年である。
ある実施形態において、投与期間は3ヶ月から1年である。
ある実施形態において、投与期間は4ヶ月から1年である。
ある実施形態において、投与期間は6ヶ月から1年である。
ある実施形態において、投与期間は6ヶ月から2年である。
ある実施形態において、投与期間は8ヶ月から2年である。
ある実施形態において、投与期間は1年から2年である。
たとえば、再発性口唇ヘルペスの治療として、本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物は、再発率を低下させ、再発を遅らせ、および/または再発を予防するために、無期限に、一定期間(たとえば、投与期間)の間、上下の口唇全体および口唇の縁から<1 cmの周囲の顔面皮膚に、1日2回投与することができる。
あるいはまた、治療は、任意の回数の休止期間によって中断してもよい。たとえば、治療は、第1の投与期間の間続行した後、第1の休止期間に中断となり、その後第2の投与期間に再開し、次いで第2の休止期間に中断する、などとすることができるが、このそれぞれの投与期間の長さは同一でも異なっていてもよく、各休止期間の長さは同一であっても異なっていてもよい。
また、 治療の開始は、必ずしもなんらかの臨床兆候を伴うとは限らない。たとえば、前駆期初期に、急性疾患の症状が現れる前に、治療を開始することは必要条件ではない。その代わり、治療はいつでも開始することが可能であって、なるべくなら再発が起こる前(たとえば、前駆期の前、急性症状が出現する前、など)に開始することが好ましい。
投与量
当業者には当然のことながら、PEGまたはPEG含有組成物の適当な投与量は、患者ごとにさまざまに異なる。最適投与量を決定するには、総じて、リスクもしくは有害な副作用に対して治療の有効性レベルのバランスをとることが必要となる。選択された投与量レベルはさまざまな要因に左右され、その要因には、投与時期、治療期間、併用される他の薬剤、化合物、および/または材料、疾患の重症度、ならびに患者の人種、性別、年齢、体重、状態、全身的健康、および既往歴が含まれるが、これらに限定されない。概して、投与量は、実質的な有害副作用を引き起こすことなく望ましい効果を実現する、作用部位での局所濃度を達成するように選択されるが、PEGまたはPEG含有組成物の量は、最終的には、医師、獣医師、または臨床医の裁量による。
概して、PEGの適当な用量は、投与回当たり約0.02から2 g、より典型的には約0.05から0.5 gまでの範囲内であり、たとえば約0.2 gである。
被験者/患者
被験体/患者は、哺乳類、好ましくはヒト、たとえば、男性もしくは女性のヒトとすることができる。
ある実施形態において、被験体/患者は、すでにHSV-1、HSV-2、および/またはVZVに感染したヒトである。
ある実施形態において、被験体/患者は、すでにHSV-1、および/またはHSV-2に感染したヒトである。
ある実施形態において、被験体/患者は、すでにVZVに感染したヒトである。
ある実施形態において、被験体/患者は、口唇ヘルペス、性器ヘルペス、または帯状疱疹に罹患したことがある、および/または患っている、ヒトである。
ある実施形態において、被験体/患者は、口唇ヘルペスに罹患したことがある、および/または患っている、すなわち罹患したヒトであるか、または再発性口唇ヘルペスを患う可能性のあるヒトである。
ある実施形態において、被験体/患者は、性器ヘルペスに罹患したことがある、および/または患っている、すなわち罹患したヒトであるか、または再発性性器ヘルペスを患う可能性のあるヒトである。
ある実施形態において、被験体/患者は、帯状疱疹に罹患したことがある、および/または患っている、すなわち罹患したヒトであるか、または再発性帯状疱疹を患う可能性のあるヒトである。
ある実施形態において、被験体/患者は、口唇ヘルペス、性器ヘルペス、または帯状疱疹の再発リスクのあるヒトである。
ある実施形態において、被験体/患者は、口唇ヘルペスの再発リスクのあるヒトである。
ある実施形態において、被験体/患者は、性器ヘルペスの再発リスクのあるヒトである。
ある実施形態において、被験体/患者は、帯状疱疹の再発リスクのあるヒトである。
併用療法
本明細書に記載の治療は、単独で用いることもできるが、併用療法の一部として用いてもよく、その場合2つ以上の治療方法が、たとえば順を追って、または同時に、組み合わされる。たとえば、本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物は、たとえば他の薬剤と併用して、併用療法に使用することができる。追加の処置および治療の例としては、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、フォスカメット、およびペンシクロビルのうち1つもしくは複数による治療などがあるが、これに限定されない。
本発明のある態様は、1つもしくは複数(たとえば、1、2、3、4、など)の追加の治療薬と組み合わせた、PEGの使用に関する。具体的な組み合わせは、一般常識および当業者に周知の投与計画によって投与量を選択する医師の裁量による。
薬剤(すなわち、本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物に加えて1つもしくは複数の多の薬剤)は、同時に投与しても、順次投与してもよく、個別にさまざまな投与計画で、さまざまな経路により投与することができる。
薬剤(すなわち、本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物と、それに加えて1つもしくは複数の他の薬剤)は、合わせて単一の剤形に製剤することができるが、その代わりに、個々の薬剤を別々に製剤し、必要に応じて使用説明書を付けたキットの形で、いっしょに提供してもよい。
キット
本発明のある態様は、(a)たとえば、好ましくは適当な容器に入った状態で、および/または適当な包装で提供される、本明細書に記載のPEGまたはPEG含有組成物;ならびに(b)使用説明書、たとえばPEGまたはPEG含有組成物の投与法に関する書面の指示、を含んでなるキットに関する。
使用説明書には、その活性成分が治療に適している適応症のリストも含まれる。
製剤
PEGは単独で投与することが可能ではあるが、当業者に周知の1つもしくは複数の他の製薬上許容される成分とともにPEGを含んでなる医薬製剤として、それを与えることが好ましいと考えられ、こうした成分としては、製薬上許容される担体、賦形剤、添加剤、アジュバント、増量剤、緩衝剤、防腐剤、酸化防止剤、滑沢剤、安定化剤、可溶化剤、界面活性剤(たとえば、湿潤剤)、矯味剤、着色剤、香味剤、甘味剤、精油、および保湿剤が挙げられるがこれに限定されない。製剤はさらに、他の活性薬剤、たとえば、他の治療薬または予防薬を含有することができる。
しかしながら、ある実施形態において、本明細書に記載のPEG含有組成物は、それがPEGを唯一の活性成分として含んでいることを特徴とする。このような製剤は、その他のいかなる活性成分も明確に除外するということができる。もう一つの実施形態において、本明細書に記載のPEG含有組成物は、それがPEGを単一の抗ウイルス薬として含んでいることを特徴とする。このような製剤は、そのほかのいかなる薬剤も明確に除外するということができる。
あるいはまた、ある実施形態において、本明細書に記載のPEG含有組成物は、それが1つもしくは複数の抗ウイルス薬、たとえばアシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、フォスカメット、およびペンシクロビルのうち1つもしくは複数を、追加して含有することを特徴とする。さらに、ある実施形態において、本明細書に記載のPEG含有組成物は、それが1つもしくは複数の追加の活性薬剤、たとえば抗生物質、鎮痛薬、消毒薬、抗真菌薬、および抗炎症薬などを追加して含有することを特徴とする。
ある実施形態において、PEG含有組成物は、基本的に水を含まない(すなわちPEGを含有するが、実質的に水を含有しない)。
ある実施形態において、PEG含有組成物は、製剤全体の5重量%未満の水を含有する。
ある実施形態において、PEG含有組成物は、製剤全体の1重量%未満の水を含有する。
ある実施形態において、PEG含有組成物は、水を追加して含有する(すなわちPEGと水の両方を含有する)(たとえば、製剤全体の1から20重量%、1から10重量%、1から5重量%までの水)。
したがって、ある実施形態において、組成物は、
(a)本明細書に記載のポリエチレングリコール、および
(b)水
を含有する。
ある実施形態において、PEG含有組成物は、組成物全体の1から20重量%の水を含有する。
ある実施形態において、PEG含有組成物は、組成物全体の1から10重量%の水を含有する。
ある実施形態において、PEG含有組成物は、組成物全体の1から5重量%の水を含有する。
典型的には、PEG含有組成物は、製剤全体の約1重量%から約100重量%までのPEGを含有する。
他の実施形態において、その範囲は、製剤全体の約20重量%から約100重量%、または約50重量%から約100重量%、または約70重量%から約100重量%、または約80重量%から約100重量%までである。
他の実施形態において、その範囲は、製剤全体の約20重量%から約90重量%、または約50重量%から約90重量%、または約70重量%から約90重量%、または約80重量%から約90重量%までである。
ある実施形態において、PEG含有組成物は、基本的にPEGからなる。
本明細書で使用される「製薬上許容される」という用語は、妥当な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なしに、当該被験体(たとえばヒト)の組織と接触する使用に適した、合理的な利益/リスク比にふさわしい、化合物、成分、材料、組成物、剤形などに関する。担体、賦形剤、添加剤などはそれぞれ、製剤の他の成分と両立するという意味でも「許容され」なければならない。
適当な担体、賦形剤、添加剤などは、標準的な製薬テキスト、たとえば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th edition, Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1990; and Handbook of Pharmaceutical Excipients, 5th edition, 2005に見いだすことができる。
製剤は、薬学分野で広く知られている任意の方法で調製することができる。そうした方法は、化合物を、1つもしくは複数の補助成分に相当する担体と結び付けるステップを含む。概して、製剤は、化合物を担体と均一かつ密接に結び付けることによって調製される。
製剤は、液剤、溶液(たとえば、水性、非水性)、懸濁剤(たとえば、水性、非水性)、乳剤(たとえば、水中油型、油中水型)、エリキシル剤、シロップ剤、点滴剤、チンキ剤、ゲル、ペースト、軟膏剤、クリーム、ローション剤、オイル、バルム、スティック、フェイス・マスク、フォーム、スプレー、ミスト、エアゾール剤、ワイプ(たとえば、固体担体上に付着して提供される)またはパッチ(たとえば、粘着性のものによって、固体担体上に付着して提供される)の形をとることが適当であるといえる。
製剤(特に水を含有する製剤)は、製品の保存可能期間を維持するために、1つもしくは複数の防腐剤を追加して含有することができる。しかしながら、非水性製剤は、防腐剤を含有する必要なく調製できることが多く、このことはコストを低下させ、製剤を簡略化し、さらにユーザーからの反発の可能性を取り除く。
多くのウイルス感染症、特に再発性感染症は、UV刺激による発疹(すなわち、日光への暴露によって刺激される発疹)を起こしやすい。したがって、製剤にUVフィルターを加えることは、発疹をさらに減らし、または予防するために特に有用であると考えられる。
したがって、製剤は、本明細書に記載の1つもしくは複数の日焼け止め成分、たとえば少なくとも1つのUVAフィルター物質、および/または少なくとも1つのUVBフィルター物質、および/または少なくとも1つの無機顔料を追加して含有することができる。
UVBフィルターは、たとえば、油溶性または水溶性とすることができる。油溶性UVBフィルターの例としては下記が挙げられる:3-ベンジリデンカンファおよびその誘導体、たとえば、3-(4-メチルベンジリデン)カンファ;4-アミノ安息香酸誘導体、好ましくは、4-(ジメチルアミノ)安息香酸 2-エチルヘキシル、4-(ジメチルアミノ)安息香酸アミル;ケイ皮酸エステル、好ましくは4-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、4-メトキシケイ皮酸イソペンチル;サリチル酸エステル、好ましくは、サリチル酸2-エチルヘキシル、サリチル酸4-イソプロピルベンジル、サリチル酸ホモメンチル;ベンゾフェノン誘導体、好ましくは、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン;ベンザルマロン酸エステル、好ましくは、4-メトキシベンザルマロン酸ジ(2-エチルヘキシル);および2,4,6-トリアニリノ(p-カルボ-2'-エチルヘキシル-1'-オキシ)-1,3,5-トリアジン。水溶性UVBフィルターの例には下記がある:2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸およびその塩、たとえば、ナトリウム、カリウム、もしくはトリエタノールアンモニウム塩;ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸およびその塩;ならびに3-ベンジリデンカンファのスルホン酸誘導体、たとえば、4-(2−オキソ-3-ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸、2-メチル-5-(2−オキソ-3-ボルニリデンメチル)スルホン酸およびその塩。
UVAフィルターはたとえば、下記から選択される:ジベンゾイルメタン誘導体、とくに1-(4’-tert-ブチルフェニル)-3-(4’-メトキシフェニル) プロパン-1,3-ジオンおよび1-フェニル-3-(4’-イソプロピルフェニル)プロパン-1,3-ジオン。
UVAフィルターの追加の例としては、p-アミノ安息香酸、その塩、およびその誘導体(エチル、イソブチル、グリセリルエステル;p-ジメチルアミノ安息香酸);アントラニル酸エステル(o-アミノ安息香酸エステル;メチル、メンチル、フェニル、ベンジル、フェニルエチル、リナリル、テルピニル、およびシクロヘキセニルエステル);サリチル酸エステル(オクチル、アミル、フェニル、ベンジル、メンチル(ホモサレート(homosalate))、グリセリル、およびジプロピレングリコールエステル);ケイ皮酸誘導体(メンチルおよびベンジルエステル、α-フェニルシンナモニトリル;シンナモイルピルビン酸ブチル); ジヒドロキシケイ皮酸誘導体(ウンベリフェロン、メチルウンベリフェロン、メチルアセト-ウンベリフェロン);ショウノウ誘導体(3-ベンジリデン、4-メチルベンジリデン、ポリアクリルアミドメチルベンジリデン、メト硫酸ベンザルコニウム、ベンジリデン ショウノウ スルホン酸、およびテレフタリリデン ジショウノウ スルホン酸);トリヒドロキシケイ皮酸誘導体(エスクレチン、メチルエスクレチン、ダフネチン、ならびにそのグルコシド、エスクリンおよびダフニン);炭化水素(ジフェニルブタジエン、スチルベン);ジベンザルアセトンおよびベンザルアセトフェノン;ナフトールスルホン酸塩(2-ナフトール-3,6-ジスルホン酸、および2-ナフトール-6,8-ジスルホン酸ナトリウム塩);ジヒドロキシ-ナフトエ酸およびその塩;o-およびp-ヒドロキシジフェニルジスルホン酸塩;クマリン誘導体(7-ヒドロキシ、7-メチル、3-フェニル);ジアゾ-ル(2-アセチル-3-ブロモインダゾール、フェニルベンゾオキサゾール、メチルナフトオキサゾール、さまざまなアリールベンゾチアゾール);キニーネ塩(重硫酸塩、硫酸塩、塩化物、オレイン酸塩、およびタンニン酸塩);キノリン誘導体(8-ヒドロキシキノリン塩、2-フェニルキノリン);ヒドロキシ-もしくはメトキシ置換ベンゾフェノン;尿酸およびビオルル酸;タンニン酸およびその誘導体;ヒドロキノン;ベンゾフェノン(オキシベンゾン、スリソベンゾン、ジオキシベンゾン、ベンゾレゾルシノール、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ- 4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、オクタベンゾン)、ジベンゾイルメタン誘導体、アボベンゾン、4-イソプロピルジベンゾイルメタン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、4-イソプロピル-ジベンゾイルメタン、オクトクリレン、およびドロメトリゾールトリシロキサンがある。
UVフィルターのさらに他の例としては、硫酸メチル N,N,N-トリメチル- 4-(2-オキソボルン- 3-イリデンメチル)アニリニウム;ホモサレート(INN);オキシベンゾン(INN);2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸、またはそのカリウム、ナトリウム、もしくはトリエタノールアミン塩、3,3’-(1,4-フェニレンジメチレン)ビス (7,7-ジメチル- 2-オキソビシクロ- [2,2,1]ヘプト-1-イル-メタンスルホン酸) またはその塩; 1-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン;α- (2-オキソボルン- 3-イリデン)-トルエン-4-スルホン酸またはその塩; 2-シアノ- 3,3-ジフェニルアクリル酸、2-エチルヘキシルエステル(オクトクリレン);N-{(2および4)-[(2-オキソボルン- 3-イリデン)メチル]ベンジル}アクリルアミドのポリマー; メトキシケイ皮酸オクチル;エトキシ化4-アミノ安息香酸エチル (PEG-25 PABA);4-メトキシケイ皮酸イソペンチル (p-メトキシケイ皮酸イソアミル);2,4,6-トリアニリノ- (p-カルボ-2’-エチルヘキシル- 1’-オキシ)-1,3,5-トリアジン (オクチルトリアゾン);フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(2-メチル-3-(1,3,3,3-テトラメチル-1-(トリメチルシリル)オキシ)-ジシロキサニル)プロピル) (ドロメトリゾールトリシロキサン);安息香酸、4,4-{[6-[[[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ}ビス-, ビス-(2-エチルヘキシル)エステル; 3-(4’-メチルベンキシリデン)-d-1 ショウノウ(4-メチルベンジリデンショウノウ);3-ベンジリデンショウノウ (3-ベンジリデンショウノウ);サリチル酸2-エチルヘキシル(サリチル酸オクチル);4-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル(ジメチルPABAオクチル);2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸(ベンゾフェノン-5) もしくはその塩;2,2’-メチレン-ビス-6-(2H-ベンゾトリアゾ-ル- 2-イル)-4-(テトラメチル-ブチル)-1,1,3,3-フェノール;2,2’-ビス-(1,4-フェニレン)-1H-ベンゾイミダゾール-4,6-ジスルホン酸の一ナトリウム塩;(1,3,5)-トリアジン-2,4-ビス((4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2 ヒドロキシ)-フェニル)-6-(4-メトキシフェニル);ジメチコジエチルベンザルマロネート(CAS No 207574-74-1);二酸化チタン;および2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル(ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;CAS No 302776-68-7)が挙げられる。
皮膚を紫外線から守るために化粧品に通例、使用される無機顔料の例は、亜鉛、鉄、ジルコニウム、ケイ素、マンガン、アルミニウム、セリウムの酸化物およびそれらの混合物などである。
製剤は、本明細書に記載の1つもしくは複数の酸化防止剤を追加して含有することができる。酸化防止剤は、たとえば下記から選択することができる:アミノ酸(たとえば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾール(たとえば、ウロカニン酸)およびその誘導体、ペプチド、たとえばD,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシンおよびその誘導体(たとえばアンセリン)、カロテノイド、カロテン(たとえば、α-カロテン、β-カロテン、リコピン)およびその誘導体、クロロゲン酸およびその誘導体、リポ酸およびその誘導体(たとえばジヒドロリポ酸)、オーロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(たとえばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、ならびにそれらのグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)およびその塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)およびスルホキシイミン化合物(たとえばブチオニン-スルホキシイミン、ホモシステイン-スルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-、およびヘプタチオニン-スルホキシイミン)(非常に低い耐量(たとえばpmolからμmol/kg)で)、ならびにさらに(金属)キレート剤(たとえば、α-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α-ヒドロキシ酸(たとえばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびその誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体(たとえばγ-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ビタミンCおよび誘導体(たとえばパルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム、酢酸アスコルビル)、トコフェロールおよび誘導体(たとえば酢酸ビタミンE)、ビタミンAおよび誘導体( パルミチン酸ビタミンA)およびベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸およびその誘導体、α-グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアイアク酸、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、亜鉛およびその誘導体(たとえばZnO、ZnSO4)、セレンおよびその誘導体(たとえばセレノメチオニン)、スチルベンおよびその誘導体(たとえばスチルベンオキシド、trans-スチルベンオキシド)、ならびに本発明にしたがって適当である、上記活性成分の誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)。
ある実施形態において、製剤は下記を含有する:
(a)本明細書に記載のポリエチレングリコール;および
(b)1つもしくは複数の製薬上許容される担体、賦形剤および添加剤、または何もなし。
ある実施形態において、製剤は下記を含有する:
(a)本明細書に記載のポリエチレングリコール;ならびに
(b)1つもしくは複数の製薬上許容される担体、賦形剤、添加剤、アジュバント、増量剤、緩衝剤、防腐剤、酸化防止剤、滑沢剤、安定化剤、可溶化剤、界面活性剤、矯味剤、着色剤、香味剤、甘味剤、精油、および保湿剤、または何もなし。
ある実施形態において、製剤は下記を含有する:
(a)本明細書に記載のポリエチレングリコール;および
(b)1つもしくは複数の日焼け止め成分。
ある実施形態において、製剤は下記を含有する:
(a)本明細書に記載のポリエチレングリコール;
(b)1つもしくは複数の日焼け止め成分;ならびに
(c)1つもしくは複数の製薬上許容される担体、賦形剤、および添加剤、または何もなし。
ある実施形態において、製剤は下記を含有する:
(a)本明細書に記載のポリエチレングリコール;
(b)1つもしくは複数の日焼け止め成分;ならびに
(c) 1つもしくは複数の製薬上許容される担体、賦形剤、添加剤、アジュバント、増量剤、緩衝剤、防腐剤、酸化防止剤、滑沢剤、安定化剤、可溶化剤、界面活性剤、矯味剤、着色剤、香味剤、甘味剤、精油、および保湿剤、または何もなし。
ある実施形態において、製剤は下記を含有する:
(a)本明細書に記載のポリエチレングリコール;
(b)1つもしくは複数の日焼け止め成分;ならびに
(c)水。
ある実施形態において、製剤は下記を含有する:
(a)本明細書に記載のポリエチレングリコール;
(b)1つもしくは複数の日焼け止め成分;
(c)水;ならびに
(d)1つもしくは複数の製薬上許容される担体、賦形剤および添加剤、または何もなし。
ある実施形態において、製剤は下記を含有する:
(a)本明細書に記載のポリエチレングリコール;
(b)1つもしくは複数の日焼け止め成分;
(c)水;ならびに
(d)1つもしくは複数の製薬上許容される担体、賦形剤、添加剤、アジュバント、増量剤、緩衝剤、防腐剤、酸化防止剤、滑沢剤、安定化剤、可溶化剤、界面活性剤、矯味剤、着色剤、香味剤、甘味剤、精油、および保湿剤、または何もなし。
ゲル製剤
ある実施形態において、製剤はゲルの形をとる組成物である。
ゲルは典型的には、ゲル化剤(分散相)を溶媒(連続相)中に入れて、粘性のある、ジェリー状の製品を作製することによって形成される。たとえば、水中2%ゼラチンは、固いゲルを形成することが知られている。こうしたゲルは、典型的には、ゲル化剤が、隙間に多くの溶媒を保持する超顕微鏡的結晶状粒子群を形成するように、溶媒中のゲル化剤溶液を冷却することによって、作製される。
ゲル製剤は、本明細書に記載のPEGを含有する。ある実施形態において、ゲル製剤は、本明細書に記載のPEGを、ゲル組成物の全重量に対して約0.1重量%から約100重量%までの濃度で含有する。他の実施形態において、その範囲は、ゲル組成物の全重量に対して約50重量%から約100重量%、または約60重量%から約100重量%、または約70重量%から約100重量%、または約80重量%から約100重量%、または約90重量%から約100重量%までである。
ゲルは、本明細書に記載の、1つもしくは複数の増粘剤またはゲル形成剤を追加して含有することができる。適当なゲル形成剤の例には、セルロースエーテル、たとえば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、またはカルボキシメチルセルロース、および植物性親水コロイド、たとえばアルギン酸ナトリウム、トラガカント、またはアラビアゴムがある。
ゲルは、1つもしくは複数の溶媒、たとえば、本明細書に記載の1つもしくは複数のポリオールを追加して含有することができる。共溶媒として使用するのに適したポリオールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリトリトール、1,2-プロパンジオール、ジメチルポリシラノール、モノメチルエーテルモノエチルエーテル、モノブチルエーテル、およびジエチレングリコールが挙げられる。
ゲルは、本明細書に記載の1つもしくは複数の非水溶媒を追加して含有することができる。適当な非水溶媒の例には、低級アルキルアルコール(特にC1-C6アルコール)、ピロリドン、および揮発性シリコーン;たとえば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エトキシジグリコール、1-メチル-2-ピロリドン、ポリジメチルシロキサン、ポリオルガノシロキサン、および他のシリコーンポリマーがある。
ゲルは、PEGまたはPEG含有組成物を、ウイルス感染に起因して活動性の発疹が生じている部位に送達するのに特に有用である。たとえば、ゲルは、ウイルス感染の症状である皮膚の発疹の上および周囲だけでなく、使用者の口の周囲のヘルペスにも適用することができる。その上、このようなゲルは、ヘルペス疹の成立を予防するために活動性の発疹が出る前に適用することができる。
水性ゲルは、体液(たとえば唾液)または外部の水性液体(たとえば、口の薬剤は飲料で溶解される)によって素早くその場からなくなってしまうので、確実な適用には不利である。非水性ゲルは、それらが適用部位に長くとどまり、したがって適用部位で長期間の作用を可能にする点で有利であることが多い。
非水性ゲルは、閉じ込める効果がある点で特に有利である。上記で指摘したように、水性ゲルは、蒸発作用に悩まされる(すなわち、水溶媒は速やかに蒸発して残存成分は容易に取り去られることになる)。しかしながら、非水性ゲルでは、水溶媒がないので、蒸発作用はかなり低下し、または完全になくなる。それよりはむしろ、閉じ込め効果が見られ、ゲルの活性成分は、長期間にわたって皮膚と接触して保持され、ゲルの有効性は高まる。
好ましくは、ゲルは25℃での測定で、約1 cPから約30,000 cP、たとえば約100 cPから約20,000 cPまでの範囲の粘度を有する。必要および要望に応じて、ゲルの粘度は、本明細書に記載の他の成分、たとえば水、増粘剤などを添加することによって調整することができる。
ゲルは、鼻腔粘膜に対する適合性を高め、刺激性をなくすようにするために役立つ1つもしくは複数の成分を、追加して含有することができる。したがって、ある実施形態において、製剤は鼻用のゲル(すなわち、哺乳類の鼻もしくは鼻腔に使用するのに適したゲル)の形をとる組成物である。たとえば、鼻用のゲルは、好ましくは、鼻用のゲルの塩分濃度を増加させるのに有用な、1つもしくは複数の電解質を含有することができる。鼻腔の粘膜をぬらしている液体を含めて、体液は、特異的な電解質バランスを有するので、そうした電解質のバランスを変化させると刺激性の影響を引き起こす可能性がある。したがって、鼻用のゲルは、1つもしくは複数の塩の成分を、鼻腔内粘膜の自然な電解質バランスを維持するのに有用な濃度で、含有することが好ましい。ある実施形態において、鼻用のゲル組成物は、塩化ナトリウムを含有する。
ゲルは、1つもしくは複数の追加成分、たとえば浸透促進剤、保湿剤、乳化剤、油、脂、パラフィン、増粘剤、可溶化剤、酸、および塩基を、追加して含有することができる。追加成分の例としては、ポリカルボフィル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン、およびアルキルセルロース(メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、またはブチルセルロースなど)がある。
ある実施形態において、製剤は下記を含有するゲル(たとえば鼻スプレー、のどスプレー)の形をとる:
(a) 本明細書に記載のポリエチレングリコール;
(b) 1つもしくは複数の増粘剤もしくはゲル形成剤、または何もなし;
(c) 水、または何もなし;
(d) 1つもしくは複数の他の溶媒(水以外)、または何もなし;
(e) 1つもしくは複数の、ゲルの塩分濃度を高めるのに有用な電解質、または何もなし;
(f) 1つもしくは複数の浸透促進剤、または何もなし;
(g) 1つもしくは複数の防腐剤、または何もなし;
(h) 1つもしくは複数の着色剤、または何もなし;ならびに
(i) 1つもしくは複数の香味剤、または何もなし。
スプレー製剤
ある実施形態において、製剤はスプレー、たとえば鼻スプレーまたはのどスプレーの形をとる組成物である。こうした製剤は、局所ゲルの適用が不便である、あるいは有効でない身体部位にPEGを含有する組成物を送達するのに特に有用である。鼻スプレーは、哺乳類の鼻孔の一方もしくは両方にスプレーしやすく、鼻腔内の粘膜と接触しても安全な、スプレー組成物を指すと理解される。のどスプレーは、哺乳類の口の中にスプレーしやすく、口および咽頭の全表面と接触しても安全な、スプレー組成物を指すと理解される。概して、のどスプレーは、使用者の口をほとんど回避して(すなわち、スプレーの大部分は、かならずしも、舌、口蓋、もしくは頬の内側表面と接触しない)、咽頭部位全体に適用することを目的とする。
スプレー製剤は、本明細書に記載のPEGを含有する。ある実施形態において、スプレー製剤は、本明細書に記載のPEGを、スプレー製剤の全重量に対して約0.1重量%から約100重量%までの濃度で含有する。他の実施形態において、その範囲は、スプレー製剤の全重量に対して、約50重量%から約100重量%、または約60重量%から約100重量%、または約70重量%から約100重量%、または約80重量%から約100重量%、または約90重量%から約100重量%までである。
ある特定の実施形態において、スプレー製剤は、1つもしくは複数のポリオールを追加して含有する。グリセロールなどのポリオールは、水と結合する作用を考慮すると特に有用である。本明細書で使用される「ポリオール」という用語は、2つ以上のヒドロキシ基を有する任意の有機化合物を意味するものであって、これにはたとえば、有機反応に利用できるヒドロキシ官能基を有するポリマーおよびモノマーが含まれる。適当なポリオールには、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリトリトール、1,2-プロパンジオール、ジメチルポリシラノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、およびジエチレングリコールがある。1つもしくは複数のポリオールは、約0.1重量%から約30重量%、約1重量%から約30重量%、約5重量%から約30重量%、または約5重量%から約20重量%までの範囲の濃度でスプレー製剤中に含まれる。
スプレー製剤は、少なくとも1つの水性溶媒を含有する水性製剤であることが好ましい。ある実施形態において、スプレー製剤は、主要な溶媒として水を含有する。しかしながら、他の溶媒(たとえばアルコール)も使用することができる。
スプレー製剤は、他の成分、たとえば、鼻もしくは咽頭への使用に適した製剤を調製するために有用な成分、を追加して含有することができる。たとえば、スプレー製剤は、防腐剤、着色剤、浸透促進剤、香味剤などを含有することができる。スプレー製剤は、追加成分、たとえば担体、酸、塩基などを含有することができる。
ある実施形態において、製剤は下記を含有するスプレー(たとえば、鼻スプレー、のどスプレー)の形をとる:
(a) 本明細書に記載のポリエチレングリコール;
(b) 1つもしくは複数の他のポリオール(ポリエチレングリコール以外)、または何もなし;
(c) 水、または何もなし;
(d) 1つもしくは複数の他の溶媒(水以外)(たとえばアルコール)、または何もなし;
(e) 1つもしくは複数の防腐剤、または何もなし;
(f) 1つもしくは複数の着色剤、または何もなし;
(g) 1つもしくは複数の浸透促進剤、または何もなし;ならびに
(h) 1つもしくは複数の香味剤、または何もなし。
バルム製剤
ある実施形態において、製剤はバルム、たとえば哺乳類の口唇上またはその周囲で使用するのに適したバルム(たとえば、リップバルム)の形をとる組成物である。
ある実施形態において、バルムはスティックの形で提供される(たとえば、リップスティック)。
バルムはたとえば、リップスティックまたはリップグロスなどの化粧品であってもよい。バルムは着色されていてもよいが(たとえば、口紅)、本来、無色であってよい。バルムは香り、または香味剤を含有しても、含有しなくてもよい。
バルム製剤は、本明細書に記載のPEGを含有する。ある実施形態において、バルム製剤は、本明細書に記載のPEGを、バルム製剤の全重量に対して約0.1重量%から約90重量%までの濃度で含有する。ある実施形態において、その範囲は、バルム製剤の全重量に対して、約50重量%から約90重量%、または約60重量%から約90重量%、または約70重量%から約90重量%までである。
バルム製剤は、総じて、バルムの本体を構成する、1つもしくは複数の基剤構成成分を含有する。たとえば、固形スティックは、天然もしくは合成のワックス、脂肪アルコール、または脂肪酸エステルを、基剤構成成分として含有することができる。バルムに使用するのに好適な基剤の具体例は、液体油(パラフィン油、ヒマシ油、セトステアリルアルコール、およびミリスチン酸イソプロピル)、半固体成分(たとえば、ワセリンおよびラノリン)、固体成分(たとえば、蜜ろう、セレシンおよびミクロクリスタリンワックスおよびオゾケライト)、ならびに高融点ワックス(たとえば、カルナウバワックスおよびカンデリラワックス)である。前記の基剤構成成分はすべて、まとめて、「ワックス様成分」という表現で表すことができる。したがって、バルムに関連して使用されるワックス様成分は、バルムの本体を構成するために使用することができる、任意のよく知られた材料であって、ワックスのように、概して室温で固体または半固体であるが、少なくともヒトの平均体温に近い温度(すなわち約37℃)で軟化する。
好ましい実施形態において、バルムは、本明細書に記載の1つもしくは複数の日焼け止め成分、たとえば、本明細書に記載の、少なくとも1つのUVAフィルター物質、および/または少なくとも1つのUVBフィルター物質、および/または少なくとも1つの無機顔料、を追加して含有する。
バルムに含まれる可能性のある他の成分の例としては、顔料および他の着色剤、香味剤、精油、保湿剤、防腐剤、および任意の他の、有用と思われる、化粧品として安全な成分がある。
ある実施形態において、製剤は、下記を含有するバルム(たとえば、リップバルム、リップスティック、リップグロス)の形をとる:
(a) 本明細書に記載のポリエチレングリコール;
(b) 1つもしくは複数の基剤構成成分、または何もなし;
(c) 1つもしくは複数の日焼け止め成分、または何もなし;
(d) 1つもしくは複数の着色剤、または何もなし;
(e) 1つもしくは複数の香味剤、または何もなし;
(e) 1つもしくは複数の精油、または何もなし;
(f) 1つもしくは複数の保湿剤、または何もなし;ならびに
(f) 1つもしくは複数の防腐剤、または何もなし。
エマルション製剤
ある実施形態において、製剤はエマルションの形をとる組成物である。
こうした製剤は、親油性(すなわち油性)であっても親水性(すなわち水性)であってもよいが、さまざまな特定の形態(たとえば、乳剤性クリーム、ローションなど)を呈することができる。親油性および親水性製剤の調製に使用されるエマルションには、水中油型(O/W)エマルション、油中水型(W/O)エマルション、水中油中水型(W/O/W)エマルション、油中水中油型(O/W/O)エマルション、脂肪分散系、および水分散系がある。エマルションは、たとえば、脂肪、油、ワックス、または他の脂肪体、ならびに水、および、そうしたタイプの製剤に通常使用される1つもしくは複数の乳化剤を含有することができる。
エマルションの油相は、たとえば下記から選択することができる:鉱油およびミネラルワックス;油、たとえばカプリン酸、カプリル酸のトリグリセリド、またはヒマシ油;脂肪、ワックス、および他の天然および合成脂肪体、好ましくは、脂肪酸と低炭素数のアルコール、たとえばイソプロパノール、プロピレングリコール、もしくはグリセロールとのエステル、または脂肪アルコールと低炭素数のアルカン酸との、もしくは脂肪酸とのエステル;安息香酸アルキル;シリコーン油、たとえばジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、およびそれらの混合形態。エマルションの油相は、たとえば下記から選択することができる:炭素原子3から30個までの鎖長を有する、飽和および/または不飽和の、分岐鎖および/または非分岐鎖アルカンカルボン酸と、炭素原子3から30個までの鎖長を有する、飽和および/または不飽和の、分岐鎖および/または非分岐鎖アルコールとのエステル;芳香族カルボン酸と、炭素原子3から30個までの鎖長を有する、飽和および/または不飽和の、分岐鎖および/または非分岐鎖アルコールとのエステル。こうしたエステル油は、たとえば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、ステアリン酸n-ブチル、ラウリン酸n-ヘキシル、オレイン酸n-デシル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、エルカ酸エルシル、ならびにこのようなエステルの合成、半合成、および天然の混合物、たとえばホホバ油から選択することができる。それに加えて、油相はたとえば、分岐鎖および非分岐鎖炭化水素および炭化水素ワックス、シリコーン油、ジアルキルエーテル、飽和もしくは不飽和の、分岐鎖もしくは非分岐鎖アルコール類、および脂肪酸トリグリセリド、すなわち8から24個、特に12から18個の炭素原子の鎖長を有する、飽和および/または不飽和の、分岐鎖および/または非分岐鎖アルカンカルボン酸のトリグリセロールエステルから選択することができる。脂肪酸トリグリセリドはたとえば、合成、半合成、および天然の油類、たとえば、オリーブ油、ヒマワリ油、ダイズ油、ピーナッツ油、菜種油、アーモンド油、パーム油、ヤシ油(ココナツ油)、パーム核油、などから選択することができる。
このような油およびワックス成分の任意の混合物も使用することができる。たとえば、パルミチン酸セチルなどのワックスを油相の唯一の脂質成分として使用することも、好都合であることがある。油相はまた、シリコーン油類の他に油相成分を含有することが好ましいが、油相の内容物が環状もしくは直鎖状シリコーン油であってもよく、すべてそのような油で構成されていてもよい。
水相はたとえば、低炭素数のアルコール、ジオール、もしくはポリオール、およびそのエーテル、好ましくはエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、エチレングリコール モノエチルもしくはモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、モノエチルもしくはモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテル、および類似製品、ならびに低炭素数のアルコール、たとえばエタノール、イソプロパノール、1,2-プロパンジオール、グリセロールも含有することができる。それに加えて、水相は、1つもしくは複数の増粘剤を追加して含有することができ、これはたとえば、二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、多糖およびその誘導体、たとえばヒアルロン酸、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースから選択されるが、好ましくは一群のポリアクリル酸エステルから選択され、いわゆるカーボポール(Carbopol)群から選択されるポリアクリル酸エステルが好ましい。
エマルション製剤は本明細書に記載のPEGを含有する。ある実施形態において、エマルション製剤は、本明細書に記載のPEGを、エマルション製剤の全重量に対して約0.1重量%から約100重量%までの濃度で含有する。他の実施形態において、その範囲は、エマルション製剤の全重量に対して、約50重量%から約100重量%、または約60重量%から約100重量%、または約70重量%から約100重量%、または約80重量%から約100重量%、または約90重量%から約100重量%までである。
エマルション、水分散系、または脂肪分散系を用いて調製されるクリーム、ローションなどは、さまざまな追加成分を含有することができる。たとえば組成物は、本明細書に記載の1つもしくは複数の日焼け止め成分、および/または本明細書に記載の1つもしくは複数の酸化防止剤、ならびに防腐剤、可溶化剤、香料、コンディショニング剤、および/または保湿剤を追加して含有することができる。
組み合わせ
明確にするために、別々の実施形態の文脈の中で説明される本発明の一定の特徴を、1つの実施形態の中で組み合わせて提供することができるのは当然である。反対に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈において説明される本発明のさまざまな特徴は、別々に提供しても、一部を任意に適当に組み合わせて提供してもよい。実施形態のすべての組み合わせが、明確に本発明に包含されており、まさにありとあらゆる組み合わせが個別的かつ明示的に記載されている場合のように、本明細書において開示される。それに加えて、部分的な組み合わせもすべて、本発明に明確に含まれており、まさにありとあらゆる部分的組み合わせが個別的かつ明示的に本明細書に記載されている場合のように、本明細書において開示される。
実施例
本明細書に記載の試験は、軟膏による局所治療によって再発性口唇ヘルペスを治療するための、単一施設試験であって、その第I相/第II相、無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験の一環として行った。
研究目的
主目的は、6ヶ月の予防および急性治療の期間中の口唇ヘルペス再発の数を求めることとした。
評価
再発は、紅斑、丘疹、小水疱、潰瘍、びらん、腫脹などの再発性口唇ヘルペスの兆候および症状として定義された。
病変の長さおよび幅を測定することによって、最大の病変面積を評価した。これらのデータをかけ算した結果が面積(mm2)である。
口唇ヘルペス再発の症状発現の持続期間は、ヘルペス疹の最初の前駆的兆候(つっぱり感、皮膚の過敏性、ヒリヒリ感、熱感、および掻痒感)から完全な治癒までの日数を数えることによって評価した。治癒は、痂の脱落(後遺症的紅斑はあってもよい)、および/または全症状の消失と定義した。最後に残った効果(正常な皮膚、または全症状の消失のいずれか)を記録し、病変の持続期間の終点として用いた。
ヘルペス再発の症状発現期間中の痛み/不快感の程度は、100 mm視覚的アナログ尺度(VAS)によって評価した。患者は毎日、その日の間に経験した痛みのレベルをVAS上にマークした。患者は、再発の全治療期間(14日)の間、痛みのレベルを記録した。
被験者の選択
全部で20人の患者をリクルートした。再発性口唇ヘルペスの病歴(再発の最大回数に限定はないが、前年に少なくとも8回の再発)のある男性および女性の成人患者を試験のためにリクルートした。
患者は、以下の試験対象患者基準を満たせば、試験の名簿に登録される:
(1) 年齢18歳から50歳まで;
(2) 口唇上もしくはその周辺部位(口唇の縁から<1 cm)に病変のある口唇ヘルペスの病歴;
(3) 研究に登録される前の一年間に口唇ヘルペスの再発が少なくとも8回
(4) 研究に参加する能力および意思;ならびに
(5) 自発的に提出された書面によるインフォームドコンセント。
下記基準のいずれか1つを満たす患者は、試験から除外した:
(1) 信頼できる、医学的に許容される避妊法(たとえば、外科的な子宮内避妊器具、経口避妊薬、ダブルバリア法、インプラントもしくは注射剤などのホルモンデリバリーシステム、コンドームもしくはペッサリー(いずれも避妊クリーム、フォームなどと併用する))を使用していない、妊娠の可能性がある女性;
(2) 妊婦もしくは授乳中の女性、または治験期間中に妊娠の予定のある女性;
(3) 放射線療法、化学療法、免疫調節薬、もしくはHIVによる免疫抑制の医療歴;
(4) 試験開始前30日以内に別の臨床試験に参加;
(5) この治験の評価もしくは実施に影響を及ぼす可能性のある、肝炎、腎機能障害もしくは肝機能障害、心臓血管疾患、消化器疾患、悪性腫瘍、または精神疾患などの、なんらかの重篤な疾病の病歴;
(6) 試験開始前30日以内の抗ウイルス薬もしくは他の禁止併用薬の摂取もしくは適用、または治験中にそうした薬物を摂取する意図;
(7) 試験の経過中の抗炎症性薬剤およびステロイドの使用;
(8) ヘルペス性湿疹、またはヘルペス性湿疹に罹りやすくする他の皮膚病の何らかの病歴;
(9) 口の周囲の皮膚状態の何らかの異常;
(10) PEGに対するアレルギー反応もしくは有害反応が判明しているかまたは疑われる状態;
(11) 試験プロトコルに追随できないこと;
(12) 試験に登録する前12ヶ月以内の、アルコールおよび/または薬物乱用の病歴。
治験デザイン
患者は、試験で使用される軟膏の化学的内容を知らされなかった;具体的には、患者は、その内容物がPEGもしくは任意の他の成分である、またはPEGもしくは任意の他の成分を含有することを知らされなかった。
PEG軟膏の初めての適用は、治験施設で2回目の来院(Visit 2)時に行った。初回適用後、30分間患者を観察して、患者の安全および健康を確保した。患者がVisit2の際に再発性口唇ヘルペスの急性再発を来しているならば、その時はPEG軟膏を、1日5回14日間(急性投与)、口唇全体に投与した。毎回、約1.5 cmの軟膏を上唇に塗布し、さらに1.5 cmを下唇に塗布した(両方合わせて約0.2 g)。こうした14日間の後、6ヶ月間(急性治療の14日はこの6ヶ月に含まれる)1日2回、PEG軟膏を口唇全体に塗布した(予防投与)。Visit2で、進行中の再発がない(つっぱり感、皮膚の過敏性、ヒリヒリ感、熱感、および掻痒感などの口唇ヘルペスの目に見える兆候もしくは症状がない)場合、PEG軟膏は、口唇全体に1日2回6ヶ月間塗布した。
患者はそれぞれ、家で自分自身で、その後のすべての塗布を行った。初回適用後48時間以内に、治験責任医師は電話で患者と連絡をとり、投与体験、快、不快、副作用、および全身の健康について情報を得た。全試験期間にわたってコンプライアンスおよびヘルペス症状をチェックするために、患者は、すべての適用およびあらゆる症状(つっぱり感、皮膚の過敏性、ヒリヒリ感、熱感、および掻痒感)を日記に記録することが求められた(塗布の実施に×印を付ける)。それに加えて、患者は、急性ヘルペス再発の症状発現の痛みのレベルを記録するために、毎日の終わりに、視覚的アナログ尺度(VAS)に記入することが求められた。
すべての再発は、最初の症状(前駆症状、たとえば、つっぱり感、皮膚の過敏性、ヒリヒリ感、熱感、および掻痒感)が生じたらすぐに、14日間1日5回PEG軟膏で治療した。
急性期(再発)の期間中、患者は、第1日(最初の症状から24時間以内)、第5日、第10日、および第14日に、治験施設に来院することが求められる。第15日に、再び予防期間が始まり、次の再発まで、または治験が終了するその時まで(6ヶ月)、1日2回塗布した。予防期間中、患者は、コントロール検査のため、また治験薬物の投薬を受けるために、60日ごとに、治験施設に来院することが求められた。
スクリーニング来院(Visit 1)。関心を持った患者は、治験施設に招かれ、医学教育面接で詳細に治験について話し合い、患者情報シートを受け取ったが、これは治験の詳細をすべて含むものであった。治験施設でインフォームドコンセント用紙にサインするとき、治験責任医師は、過去一年間に患者が罹ったヘルペス再発の回数を患者に質問した。好適な患者は治験に登録され、患者の連続通し番号を受けた。
健康診断および初回適用(Visit 2)。登録された患者は健康診断を受け、治験責任医師は、以下のデータを収集して記録し、以下の検査を行った:(1) 病歴、特に再発性口唇ヘルペスに関するものであるが、アレルギー、特にPEGに対するアレルギーを含む;(2) 皮膚(特に口周囲部)、耳、鼻、咽喉、頸部および甲状腺、心肺系、リンパ節、神経系、および筋肉・骨格組織を含み、さらにバイタルサイン(血圧、心拍数)を含む、完全な健康診断;(3) 妊娠の可能性がある女性について、尿妊娠検査を行った;治験に進むために陰性結果が必要であった。
PEG軟膏の初回投与は、治験施設で(治験責任医師の管理下で)患者に与えられたが、そこで患者を少なくとも30分間観察し、患者の安全および健全性を確保した。副作用が生じなければ、患者は解放され、来るべき再発が生じるまで、家でそれに基づいてその後の薬剤投与をすべて行うことが求められた。この場合、患者は、なんらかの前駆的兆候、たとえばつっぱり感、皮膚の過敏性、ヒリヒリ感、熱感、および掻痒感を感じたらすぐ、24時間以内に治験施設に戻ることが求められた。
患者は、患者日記を与えられ、治験の全期間にわたって日記に記入するやり方について指導を受けた。患者日記は、PEG軟膏のすべての適用の記録、ならびに口唇ヘルペスに関するあらゆる症状(たとえば、紅斑、小水疱、丘疹などの、目に見える兆候、ならびにヒリヒリ感、熱感、掻痒感などの感覚)、ならびに何か他の健康上の変化(有害事象)を含むこととした。患者は、日記の中の対応する四角い枠にチェックを入れること、ならびに口唇の痛み/不快感、および有害事象について規定通りにメモすることが求められた。口唇ヘルペス再発期間中に、患者は、その日記に、毎日、痛み/不快感のレベルを100 mm視覚的アナログ尺度(VAS)上にマークすることが求められた。
電話での通話(初回適用後48時間以内)。PEG軟膏の初回適用後48時間以内に、治験責任医師は電話で患者に連絡をとり、薬物投与体験、快、不快、副作用、および全身の健康について情報を得た。
2ヶ月ごとの連絡またはコントロール来院(Visit 3、4、および5)。Visit 2の60 ± 5日後(Visit 3)、120 ± 5日後(Visit 4)、180 ± 5日後(Visit 5)に実施される、各回の連絡/コントロール来院時に、治験責任医師は、何か異常がないか患者の口唇を調べ、軟膏の塗布および服薬遵守で患者が経験したこと、ならびに前回来院後の何らかの有害事象の発生について患者に尋ねた。
患者はまた日記を携行持参し、それを治験責任医師は、服薬遵守およびその他の事項についてチェックした。患者が不調のために治験施設に出向くことができない場合、来院は例外的に電話に切り替えた。
予定した来院時に急性再発の場合、処置手順はVisit 1aに関する記載と同じとした。
Visit 5が最後の検査来院となった(治験の終了)。コントロール来院について記載された検査に加えて、最後の検査は、完全な健康診断も含んでいるが、これには皮膚(特に口周囲部)、耳、鼻、咽喉、頸部および甲状腺、心肺系、リンパ節、神経系、および筋肉・骨格組織が含まれ、さらにバイタルサイン(血圧、心拍数)が含まれた。
追加の来院。口唇ヘルペス再発の場合、患者は、口唇上になんらかの前駆的兆候および症状を認識したらすぐに、治験施設に来院することが求められた。再発の急性期に、患者は、最初の兆候および症状の開始後、第1、5、10および14日(±24時間)に治験施設に来院し、日記への記録を続けることが求められた。
Visit 1a、(急性期の第1日、24時間以内)。患者は、口唇ヘルペスの最初の症状(つっぱり感、皮膚の過敏性、ヒリヒリ感、熱感、および掻痒感)を認識したらすぐに、治験責任医師に電話して、24時間以内に治験施設に来院することを手配することが求められた。この来院時に、治験責任医師が検査を行ったが、その検査には:病変の位置を記録すること、病変の大きさを計ること、病変の状態を判定すること(紅斑、丘疹、小水疱、潰瘍、びらん、固い痂皮、乾燥剥離、後遺腫脹、治癒、および痛みを伴うこと)が含まれた。患者は日記を携行し、データを評価し服薬遵守をチェックする治験責任医師に預けることも求められた。治験責任医師はまた、PEG軟膏の適用ついて、ならびに、生じた可能性のある問題について患者の経験を尋ねた。
もう1回再発した場合、患者は、上記のように、再発性口唇ヘルペスの最初の症状(つっぱり感、皮膚の過敏性、ヒリヒリ感、熱感、および掻痒感)から24時間以内に、治験施設に来院することが求められた。何らかの副作用が生じたら、患者は検査のためにできる限り速やかに治験施設に来院することが求められた。
Visit 2a、(急性期の第5日、±1日)。Visit 1aに関する記載にしたがって同じ処置を行った。
Visit 3a、(急性期の第10日、±1日)。Visit 1aに関する記載にしたがって同じ処置を行った。
Visit 4a、(急性期の第14日、±1日)。これが急性期の最後の来院となった。治験責任医師は、病変が消失し、したがって再発が終わったことを確認した。再発が14日より早く終わったとしても、PEG軟膏は、14日が済むまで、そのまま1日5回投与された。この理由は、無症候性のウイルス複製が続いている可能性があるためであった。したがって、患者は、14日が終わるまでPEG軟膏の塗布を続行するよう命じられた。再発が14日以内に終わらなくても、PEG軟膏による治療は、次の再発まで、または治験の終了まで、1日2回に変更した。
PEG軟膏
治験に使用したPEG軟膏は、85重量% PEG 400(INCI名称PEG-8)および15重量% PEG 8000(INCI名称PEG-180)であって、FDAの医薬品の製造および品質管理に関する基準(GMP)のガイドラインにしたがって製造された。
PEGの品質は、それぞれMacrogol 400およびMacrogol 8000に関するヨーロッパ薬局方各条で定められた基準に適合した(たとえば、“Macrogols” Monograph, European Pharmacopoeia 5.0, 01/2005:1444, pp. 1950-1951を参照されたい)。Macrogol 400およびMacrogol 8000に関する典型的な明細事項を下記の表にまとめる。
Figure 0005858994
PEG 400の重量平均分子量は、名目上の値である400の95.0%以上105.0%以下であった。
PEG 8000の重量平均分子量は、名目上の値である8000の87.5%以上112.5%以下であった。
患者は、治験の軟膏が何を含有するかを告げられなかった
局所投与
患者はPEG軟膏による治療を受けたが、このPEG軟膏は、口唇全体が軟膏で完全におおわれるように、口唇全体の上に直接塗布された(上唇に軟膏1.5 cmおよび下唇に1.5 cm)。(口唇ヘルペスと関係のない)損傷、病変もしくは他の異常が、口唇もしくは皮膚(口唇の縁から<1 cm)上に存在しないことが重要であった。
最初の塗布は、治験施設で、治験責任医師の監督のもとで患者によって行われた。予防期間には、薬物は、患者の家で、患者によって1日2回塗布された。急性期には、薬物は、患者の家で、患者によって1日5回塗布された。
併用薬
下記の薬剤は、治験期間中および治験開始前30日以内は禁止とした:免疫調節薬;細胞増殖抑制薬;あらゆる抗ウイルス薬;Compeed(商標名)Cold Sore Patch;抗炎症薬;ステロイド;唇用化粧品(たとえば、口紅、唇用日焼け止め、リップクリームなど)。被験者の健康で安全な生活に必要な他のあらゆる薬剤は許可されるが、治験責任医師はそれらを症例記録用紙に正確に記録した。
評価
再発数の測定。それぞれの患者について、PEGによる6ヶ月の予防治療期間中に生じたあらゆるヘルペス再発を文書で記録した。
最大病変面積の測定。病変部は縦横の長さを掛けた積として定義された。これを測定するために、カリパス測径器または小型の定規を使用した。結果は、観察時期とともにmm2単位で書き留めた。ヘルペス再発の症状発現期間中は、追加で来院するたびに最大病変面積を測定した。
持続期間の測定。症状発現期間を確定するために、ヘルペスの最初の前駆的兆候(つっぱり感、皮膚の過敏性、ヒリヒリ感、熱感、および掻痒感)から完全治癒までの日数を数えた。治癒は、痂の脱落(後遺症的紅斑はあってもよい)、および/または全症状の消失と定義した。最後に残った効果(正常な皮膚、または全症状の消失のいずれか)を記録し、病変の持続期間の終点として用いた。
痛み/不快感の程度の判定。再発期間中の痛みの程度を判定するために、100 mm視覚的アナログ尺度(VAS)を使用した(この尺度で0は痛みが無いことを示し、10は耐えがたい痛みを示した)。全再発期間(14日)の間、患者は毎日その日の終わりに、過去24時間に経験した痛みのレベルをVAS上にマークした(ヘルペスに関わる痛みのみ)。VASは、日記とともに各患者に配られた;各回の追加来院時に、患者は完成した日記を治験施設に持参し、そこで治験責任医師は患者の日記を評価した。
症状をより正確に記述するために(および重症度の判定のために)、患者は、以下の表に示すように、感覚(前駆的兆候)を書き留めることも求められた。
Figure 0005858994
有害事象
患者の健全性は、平凡な質問(ご機嫌いかがですか?)によって確認した。治験責任医師は、治験の経過中に生じたあらゆる有害事象を報告する責任を有した。有害事象の強さは、軽度(ほとんど目立たない、無視しうる程度の健全性の低下)、中程度(著しい不快感はあるが、即座に取り除かなくても耐えられる)、または重度(圧倒的な不快感、即座の緩和を要する)で評価された。
有害事象(AE)は、PEG軟膏が投与された患者もしくは臨床試験被験者に生じたあらゆる好ましくない医療上の出来事として定義されるが、そうした出来事は必ずしもこの治療と因果関係があるとは限らない。したがって、有害事象は、PEG軟膏と関係するか否かにかかわらず、時間的にPEG軟膏の使用に関連する、なんらかの好ましくない、意図されない兆候(異常な検査所見を含む)、症状、または疾病であるといえる。
重篤な有害事象(SAE)は、任意の用量で;結果として死をもたらす;生命を脅かす;入院もしくは現在の入院の延長を要する;結果として永続的もしくは顕著な障害/機能不全をもたらす;先天異常/出生異常となる(これはPEG軟膏の投与を受けた被験者もしくは被験者の子孫における先天異常を意味する)あらゆる好ましくない医療上の出来事として定義され;重要な医療上の事象は、上記に含まれないが、被験者を危険にさらし、または上記の転帰の1つを防ぐために介入を要するあらゆる事象として定義された。
直ちに命を脅かすわけではない、または死もしくは入院をもたらすわけではないが、被験者を危険にさらし、上記の転帰の1つを防ぐために介入を要する、他のあらゆる医学的に重要な病的状態も(医学的および化学的判断に基づいて)通常、重篤であると見なされる。これには、たとえば:自宅でのアレルギー性気管支けいれんのための集中治療;特定の検査所見の異常(たとえば、血液疾患);入院にはいたらないけいれん;薬物依存もしくは薬物濫用の事実が含まれる。
妊娠はそれ自体、有害事象として分類されなかった。しかしながら、妊娠に関わる有害事象は、他の有害事象と同じように報告された。妊娠は、信頼性のある臨床検査によって確認された。妊娠した被験者は、ただちに臨床試験から脱退すべきこととした。
早期治験終了
何らかの理由による早期の被験治療の終了は、完全に文書で記録した。被験者の治験実施計画書遵守および治験への参加を維持するために、あらゆる合理的な努力を払った。治験責任医師は、実施した治験薬の塗布について患者が四角い枠にチェックを入れる必要がある日記を見ることによって、患者の治験実施計画書遵守をコントロール来院のたびに監視した。患者は、理由を告げることなく、しかもその後の治療を損なうこともなく、いつでも、治験から自由に脱退できた。治験責任医師は、安全上の理由で治験から患者を外すことが許された。妊娠が生じた場合;関連する安全性の問題が生じた場合;または、患者が治験実施計画書を遵守しない場合、やむを得ず患者はその後の治験参加を中止した。
結果
上記のように、20人の患者が治験に採用された。患者のうち4人は治験期間中に中止したが、16人の患者にはそのまま治験を終了させた。
4人の患者は、以下の理由で治験を中止した:(1) 患者が再来院せず、追跡不能となった;(2) 治験は時間がかかりすぎると患者が認識した;足を骨折したせいでそれ以上あまり移動できなかった;(3) 治験が日常生活であまりに多くの制約を引き起こすと患者が認識した;治療は唇の乾燥を引き起こし、患者はほとんど有効性を感じなかった;ならびに(4) 患者は、望ましくない事象(苔癬および痒み)のために治験を中止した。
治験前および治験中の、口唇ヘルペスの1年あたりの再発数に関するデータを、以下の表にまとめる。
Figure 0005858994
治験を終了した16人の患者のうち、8人(50%)は、6ヶ月の治験期間中に再発をまったく報告しなかった
治験を終了した16人の患者のうち、12人(75%)は、6ヶ月の治験期間中に0回もしくは1回の再発を報告した。
治験を終了した16人の患者のうち、13人(81%)は、6ヶ月の治験期間中に0から2回までの再発を報告した。
治験を終了した16人の患者のうち、全員(100%)が、6ヶ月の治験期間中に0から4回までの再発を報告した。
重ねて言うが、すべての患者は、過去1年に少なくとも8回再発したことに基づいて、採用され、再発の最大回数に制限はなかった。
13人(81%)の患者では、6ヶ月の治験期間中の治療で、1年あたりの再発数が少なくとも2倍減少した。
12人(75%)の患者では、6ヶ月の治験期間中の治療で、1年あたりの再発数が少なくとも4倍減少した。
8人(50%)の患者では、6ヶ月の治験期間中の治療で、1年あたりの再発数が4倍より大きく減少した(1人の患者では、1年あたりの再発数が10倍より大きな減少に達した)。
その結果は、図1にも図示したが、これは、本明細書に記載の患者における、口唇ヘルペスの突発的発症(再発)回数の減少を示す棒グラフである。突発的発症(再発)回数の100%、90%+、80%+、70%+、および60%+の減少について、それぞれ患者の%、および累積%を報告した。
データから明白なのは、PEG軟膏による治療が、口唇ヘルペスの年間再発数を非常に大きく減少させたことである。
予防期の使いやすさに関する患者の評価(下記の表にまとめたように、1から10までの尺度で、値が大きいほど、満足感が高い)は好ましかった。患者の62%(10/16)が使いやすさを8以上と評価した。81%(13/16)は、使いやすさを5以上と評価した。
Figure 0005858994
急性期の使いやすさに関する患者の評価(下記の表にまとめたように、1から10までの尺度で、値が大きいほど、満足感が高い)は好ましかった。回答した患者の88%(7/8)が使いやすさを5以上と評価した。
Figure 0005858994
薬剤に対する患者の満足度(下記の表にまとめたように、1から10までの尺度で、値が大きいほど、満足度が高い)は非常に好ましかった。患者の50%(8/16)が満足度を最大の10と評価した。患者の94%(15/16)が満足度を5以上と評価した。
Figure 0005858994
さらに、治療に対する総合的な患者の満足度(下記の表にまとめたように、1から10までの尺度で、値が大きいほど、満足度が高い)は非常に好ましかった。患者の81%(13/16)が満足度を5以上と評価した。
Figure 0005858994
ここには示さないが、追加のデータから、PEGの好ましい効果は、製剤が20重量%以下の非PEG成分で希釈されても実質的に低下しないことが示されている。具体的には、PEG軟膏を、80重量% PEG(85重量% PEG 400および15重量% PEG 8000の混合物として)および20重量%のもう一つのPEG以外の成分からなる軟膏で置き換えた並行試験で、口唇ヘルペスの再発率は、未希釈のPEGについて本明細書で報告されたほどではないが、実質的に低下した。
上記は、本発明の原理、好ましい実施形態、および作業方法を説明した。しかしながら、本発明は、検討された特定の実施形態に限定されると見なされるべきではない。それよりむしろ、上記実施形態は、制限的ではなく説明的であると見なされるべきであり、当然のことながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、そうした実施形態においてさまざまな変更を行うことができる。
参考文献
本発明、ならびに本発明が関係する最先端技術を、より完全に説明し、明らかにするために、数多くの文献が本明細書に引用されている。こうした文献の全引用を以下に示す。それぞれ個々の文献が、参照することによって組み入れられると個別具体的に指示される場合と同様に、これらの文献はいずれも、参照することでその全体を、本明細書に組み入れるものとする。
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Claims (27)

  1. 局所投与によって、口唇ヘルペスの再発率を低下させ、再発を遅らせ、および/または再発を予防する方法に使用するためのポリエチレングリコールを含む医薬組成物であって、投与期間が少なくとも4週間であり、組成物全体の約85〜100重量%のポリエチレングリコールを含有し、かつ
    (i)前記ポリエチレングリコールが、約200〜約800の重量平均分子量(Mw)を有するポリエチレングリコールポリマーであるか、あるいは
    (ii)前記ポリエチレングリコールが、
    (a)約200〜約800の重量平均分子量(Mw)を有するポリエチレングリコールポリマー、および
    (b)約1,000〜約15,000の重量平均分子量(Mw)を有するポリエチレングリコールポリマー
    の2種のポリエチレングリコールポリマーの混合物であり、成分(a)と成分(b)の重量比が約3:1〜約20:1である、前記医薬組成物。
  2. 投与期間が少なくとも8週間である、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 投与期間が少なくとも3ヶ月である、請求項1に記載の医薬組成物。
  4. 局所投与が、1日1回から1日5回までである、請求項1〜のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  5. 局所投与が、1日1回から1日3回までである、請求項1〜のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  6. 局所投与が1日2回である、請求項1〜のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  7. 活動性ウイルス感染を示す1つもしくは複数の部位、または活動性の感染の兆候はないが活動性の感染が起こると判明している、もしくは予想される部位に対して、局所投与が行われる、請求項1〜6のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  8. 局所投与が、治療すべき患者の口唇上、および/またはその周囲に行われる、請求項1〜6のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  9. 局所投与が、治療すべき患者の口唇および口唇の縁から<1 cmの周囲の顔面皮膚の少なくとも一部に対して行われる、請求項1〜6のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  10. 局所投与が、治療すべき患者の上下の口唇全体に対して行われる、請求項1〜6のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  11. 局所投与が、治療すべき患者の上下の口唇全体、および口唇の縁から<1 cmの周囲の顔面皮膚に対して行われる、請求項1〜6のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  12. 投与回当たり約0.02〜2gのポリエチレングリコールを投与するための、請求項1〜11のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  13. 投与回当たり約0.05〜0.5gのポリエチレングリコールを投与するための、請求項1〜11のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  14. 組成物全体の約90〜100重量%のポリエチレングリコールを含有する、請求項1〜11のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  15. 組成物全体の約95〜100重量%のポリエチレングリコールを含有する、請求項1〜11のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  16. 組成物全体の約98〜100重量%のポリエチレングリコールを含有する、請求項1〜11のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  17. 前記ポリエチレングリコールが、約200〜約800の重量平均分子量(Mw)を有するポリエチレングリコールポリマーである、請求項1〜16のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  18. 前記ポリエチレングリコールが、約300〜約700の重量平均分子量(Mw)を有するポリエチレングリコールポリマーである、請求項1〜16のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  19. 前記ポリエチレングリコールが、約400の重量平均分子量(Mw)を有するポリエチレングリコールポリマーである、請求項1〜16のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  20. 前記ポリエチレングリコールが、
    (a)約200〜約800の重量平均分子量(Mw)を有するポリエチレングリコールポリマー、および
    (b)約1,000〜約15,000の重量平均分子量(Mw)を有するポリエチレングリコールポリマー
    の2種のポリエチレングリコールポリマーの混合物であり、成分(a)と成分(b)の重量比が約3:1〜約20:1である、請求項1〜16のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  21. 前記ポリエチレングリコールが、
    (a)約300〜約700の重量平均分子量(Mw)を有するポリエチレングリコールポリマー、および
    (b)約4,000〜約15,000の重量平均分子量(Mw)を有するポリエチレングリコールポリマー
    の2種のポリエチレングリコールポリマーの混合物であり、成分(a)と成分(b)の重量比が約3:1〜約20:1である、請求項1〜16のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  22. 前記ポリエチレングリコールが、
    (a)約400の重量平均分子量(Mw)を有するポリエチレングリコールポリマー、および
    (b)約8,000の重量平均分子量(Mw)を有するポリエチレングリコールポリマー
    の2種のポリエチレングリコールポリマーの混合物であり、成分(a)と成分(b)の重量比が約3:1〜約20:1である、請求項1〜16のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  23. 成分(a)と成分(b)の重量比が約5:1〜約20:1である、請求項20〜22のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  24. 成分(a)と成分(b)の重量比が約5:1〜約10:1である、請求項20〜22のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  25. 局所投与によって、口唇ヘルペスの再発率を低下させるための、請求項1〜24のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  26. 局所投与によって、口唇ヘルペスの再発を遅らせるための、請求項1〜24のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  27. 局所投与によって、口唇ヘルペスの再発を予防するための、請求項1〜24のいずれか1つに記載の医薬組成物。
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