JP5858839B2 - 作業機械の異常診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、作業機械の異常診断装置に関する。
各種センサで取得された信号に基づいて、どのような故障が発生しているかを推測する故障診断装置が公知である。例えば、油圧ショベルに設けられたセンサからの信号により、油圧ショベルの異常状態が検出される。異常状態を示す情報とデータベースに蓄積された情報とに基づいて故障箇所が特定される。故障箇所が表示装置に表示され、オペレータが故障箇所を認識することができる。
監視対象データのマハラノビス距離を算出することにより、監視対象の異常を検知することができる。異常の予兆が現れている監視対象データ(異常信号)及び異常信号に関連する監視対象データ(関連信号)に基づいて、監視対象の故障診断が行われる。
特開2002−332664号公報 特開2011−90382号公報
従来の故障診断方法では、現在の異常状態が、過去に起こった既知の故障に当てはまるか否か判定される。今まで発生していない未知の故障が発生している場合には、故障箇所を推定するための有益な情報がオペレータに提供されない。
本発明の目的は、未知の故障が発生している場合であっても、オペレータに故障箇所を特定するための有益な情報を提供する異常診断装置を提供することである。
本発明の一観点によると、
予測される複数の故障種別、及び作業機械の動作状態に関わり、前記作業機械に搭載された複数のセンサでそれぞれ検出される複数の特徴量の単位空間が記憶された記憶装置と、
制御装置と
を有し、
前記制御装置は、
作業機械に搭載されたセンサで検出された前記複数の特徴量の検証データに基づいて、前記記憶装置に記憶されている故障種別を特定する処理を行い、
故障種別を特定できなかった場合に、前記検証データと前記単位空間とに基づいて要因分析を行うことにより、前記特徴量毎に貢献度を算出し、
算出された貢献度に基づいて、前記複数のセンサでそれぞれ検出される前記複数の特徴量から一部の特徴量を抽出する作業機械の異常診断装置が提供される。
予測される故障種別の中から、現在生じている故障種別を特定できない場合でも、検証データに基づいて要因分析を行うことにより、故障個所の特定のために有益な情報を提供することができる。
図1A及び図1Bは、それぞれ実施例による異常診断装置を搭載した作業機械の側面図及び平面図である。 図2は、実施例による異常診断装置のブロック図である。 図3は、実施例による異常診断装置で実行される異常診断方法のフローチャートである。 図4は、センサから取得された特徴量の検出データを示す図表である。 図5は、実施例による異常診断装置で実行される異常診断方法の異常時処理(ステップSA9)のフローチャートである。 図6は、異常診断方法で用いられる因果関係情報を準備する手順を示すフローチャートである。 図7は、特徴量の検出データ及び故障種別の一例を示す図表である。 図8は、検出データの離散化処理の方法を説明するための特徴量Aのヒストグラムである。 図9は、離散化処理後の特徴量及び故障種別の一覧を示す図表である。 図10は、実施例で採用する故障推定モデルの事前確率及び条件付き確率の一例を示す図表である。 図11は、統計的手法を用いて故障種別の事後確率を算出する方法を示すフローチャートである。 図12A及び図12Bは、特徴量の検証データ及び故障種別の事後確率の一例を示す図表である。 図13は、要因分析(ステップSB4)の方法を説明するフローチャートである。 図14は、2水準系直交表の一例を示す図表である。 図15は、ある故障事例の検証データに基づいて要因分析を行って得られた貢献度の算出結果を示すグラフである。 図16は、実施例の変形例による異常診断装置のブロック図である。
図1A及び図1Bに、それぞれ実施例による作業機械の側面図及び平面図を示す。実施例では、作業機械の例として、油圧ショベルが示されているが、実施例は、その他の作業機械、例えばホイルローダ、ブルドーザ等にも適用することが可能である。
下部走行体10に、旋回軸受け11を介して上部旋回体12が搭載されている。上部旋回体12は、下部走行体10に対して、時計回り、または反時計周りに旋回する。上部旋回体12に、ブーム13が取り付けられ、その先端にアーム15が連結され、その先端にバケット17が取り付けられている。ブーム13は、油圧シリンダ14により駆動され、アームは、油圧シリンダ16により駆動され、バケット17は、油圧シリンダ18により駆動される。
図2に、建設機械の異常判定機能のブロック図を示す。作業機械に、複数のセンサ34が搭載されている。センサ34は、作業機械の動作状態に関わる特徴量を検出する。動作状態に関わる特徴量として、例えば、エンジン回転数、ラジエター冷却水温度、燃料温度、大気圧力、エンジンオイル圧力、ブースト温度、吸気温度、作動油温度、ブースト圧力、バッテリ電圧、各部位の油圧、機械操作時間、走行操作時間、旋回操作時間、アイドル時間等が挙げられる。
制御装置30が、出力装置31、記憶装置32、入力装置33を制御する。入力装置33を介して、オペレータの指示が制御装置30に入力される。センサ34で検出された検出データが制御装置30に入力される。
図3に、制御装置30(図2)が実行する異常診断手順のフローチャートを示す。実施例による作業機械の制御装置30には、単位空間定義済みフラグ、及び相関行列の逆行列記憶領域が準備されている。
ステップSA1において、センサ34(図2)から検出データを取得する。ステップSA2において、単位空間が定義済みか否かを判定する。具体的には、単位空間定義済みフラグに、「定義済み」が設定されているか、「未定義」が設定されているかを判定する。単位空間は、後のステップで、マハラノビスタグチ法を用いた異常判定を行う際に、判定の基準として用いられる。単位空間が未定義である場合には、ステップSA3において、センサ34の検出データをサンプルとして蓄積する。ステップSA4において、蓄積されているサンプル数が十分か否かを判定する。サンプル数が十分である場合には、ステップSA5において、単位空間を定義する。具体的には、単位空間を構成するサンプルの特徴量の相関行列及びその逆行列を求める。定義された単位空間は、記憶装置32に記憶する。
以下、単位空間を定義する方法について説明する。
図4に、センサ34で検出された検出データの一例を示す。検出対象の特徴量A、特徴量B、特徴量C、・・・について、N個のサンプルが蓄積されている。N個のサンプルの検出データによって単位空間が構成される。サンプル番号nのサンプルにおける特徴量kの検出データをx(n,k)と表す。ここで、k=A、B、C、・・・である。各特徴量の検出データの平均値及び標準偏差を求める。特徴量kの平均値をm(k)、標準偏差をσ(k)と表す。
各サンプルの検出データを基準化し、基準化検出データを求める。サンプル番号nのサンプルにおける物理量kの検出データx(n,k)の基準化検出データX(n,k)は、以下の式で表される。
Figure 0005858839
基準化検出データX(n,k)に基づいて、特徴量の間の相関係数を求める。特徴量iと特徴量jとの相関係数r(i,j)は、以下の式で求められる。
Figure 0005858839

特徴量A、特徴量B、特徴量C、・・・の相関行列Rは、以下の式で表される。
Figure 0005858839
相関行列Rの逆行列R−1を求める。逆行列R−1は、後のステップで利用できるように、記憶装置32に記憶しておく。
図3に示したステップSA6において、単位空間定義済みフラグに、「定義済み」を設定する。ステップSA4で、サンプル数が十分ではないと判定された場合、及びステップSA6で、単位空間定義済みフラグに「定義済み」を設定した後、ステップSA11において、所定時間待機する。待機時間は、例えば、数百ms〜1s程度とする。待機後、ステップSA1に戻る。
なお、単位空間定義済みフラグは、オペレータの操作によってリセットすることができる。すなわち、単位空間定義済みフラグに、「未定義」を設定することができる。
ステップSA2で、単位空間定義済みと判定された場合には、ステップSA7において、各センサ34で検出された検出データのマハラノビス距離(MD)を計算する。この検出データに基づいて、作業機械の動作状態が正常か異常か判定される。正常か異常かを判定する元となる検出データを「検証データ」という。単位空間を定義するまでに検出データを収集する期間は、作業機械の動作状態が正常であると仮定する。単位空間を定義するために用いられた検出データは、「正常データ」という。以下、マハラノビス距離の計算方法について説明する。
センサ34で検出された複数の特徴量の検証データのうち特徴量kの検出値をy(k)とする。検出値y(k)を基準化して、基準化検出値Y(k)を求める。基準化検出値Y(k)は、以下の式で算出することができる。
Figure 0005858839
検証データのマハラノビス距離の2乗(D)は、相関行列Rの逆行列R−1を用いて、以下の式で算出することができる。なお、特徴量の数をMで表す。

Figure 0005858839
マハラノビス距離MD(またはマハラノビス距離の2乗D)が求められたら、ステップSA8において、動作異常判定を行う。具体的には、マハラノビス距離MDと、閾値とを比較する。閾値は、予め設定されている。例えば、閾値として2が採用される。上述の式で定義されたマハラノビス距離の2乗Dを閾値と比較する場合には、閾値として2=4が採用される。マハラノビス距離MDが閾値より大きい場合、ステップSA9の異常時処理を行う。ステップSA9の異常時処理については、後に説明する。
ステップSA9の処理が終了した場合、及びステップSA8でマハラノビス距離MDが閾値以下であると判定された場合には、ステップSA10において、作業機械が停止状態か否かを判定する。停止状態である場合には、処理を終了する。停止状態でない場合には、ステップSA11において、所定時間待機した後、ステップSA1に戻る。
図5に、ステップSA9の異常時処理のフローチャートを示す。ステップSB1において、統計的手法を用いて、検証データに基づき、故障種別の各々の事後確率を算出する。「故障種別」は、予め登録されている種々の故障のいずれかを特定するための識別子である。故障種別として、例えば過去に発生した種々の故障が登録されている。ステップSB1の詳細な手順については、図6〜図12A、図12Bを参照して後に説明する。
ステップSB2において、検証データに基づいて故障種別が特定されたか否かを判定する。故障種別が特定されたと判定された場合には、ステップSB3において、特定された故障種別を出力装置31に表示する。その後、図3に示したフローチャートのステップSA10を実行する。
ステップSB2で、故障種別が特定されていないと判定された場合には、ステップSB4において要因分析を実行する。ステップSB4の詳細については、図13及び図14を参照して後に説明する。要因分析が完了すると、ステップSB5において、要因分析の結果を出力装置31に表示する。
次に、図6〜図12A、図12Bを参照して、ステップSB1の詳細な処理について説明する。
図6に、故障種別を特定するための因果関係情報を作成して記憶する処理のフローチャートを示す。図6に示した処理は、検証データを取得する前に、予め実行されている。ステップSC1において、制御装置30(図2)が、評価対象の作業機械からセンサ34による特徴量の検出データ、及びその検出データが収集された期間に発生した故障の故障種別を取得する。評価対象の作業機械は1台であるとは限らない。同一機種の複数の作業機械から、検出データが収集される。
図7に、ステップSC1で取得された特徴量の検出データ、及び故障種別の一例を示す
。特徴量の測定データ及び故障種別の取得は、作業機械の機番ごとに、かつ一定の収集期間ごとに行われる。収集期間は、例えば1日に設定される。1つの機番の作業機械から、1つの収集期間内に収集された情報群が、1つの評価対象を構成する。
図7では、一例として、評価対象No.1の情報は、2011年7月1日の機番aの作業機械から取得されたものであり、特徴量Aが24、特徴量Bが19、特徴量Cが15、特徴量Dが11、特徴量Eが14である。このデータの収集期間内に、故障種別X1の故障が発生している。
次に、ステップSC2(図6)において、特徴量の離散化処理を行い、各特徴量を有限離散型事象に置き換える。
図8を参照して、特徴量Aを、有限離散型事象に置き換える方法について説明する。なお、他の特徴量についても、同様に有限離散型事象に置き換えることができる。
図8は、特徴量Aのヒストグラムの一例を示す。図8の横軸は、特徴量Aの大きさを表し、縦軸は、評価対象の数(頻度)を表す。特徴量Aの平均をμ、標準偏差をσとする。μ−3σからμ+3σまでの範囲を3等分する。すなわち、横軸が、μ−3σ〜μ−σ、μ−σ〜μ+σ、μ+σ〜μ+3σの3つの領域に区分される。特徴量Aがμ−σ以下の区画をA1、μ−σ〜μ+σの区画をA2、μ+σ以上の区画をA3とする。
特徴量Aについて、測定データが区画A1内の値を取る事象、区画A2内の値を取る事象、及び区画A3内の値を取る事象のうち、いずれかの事象が生じる。
図9に、離散化処理後の特徴量及び故障種別の一覧を示す。特徴量Aの検出結果を、その測定データが属する区画A1、A2、A3のいずれかで表している。同様に、他の特徴量も、有限離散型事象に置き換えられている。
次に、ステップSC3(図6)において、因果関係情報を作成し、記憶装置32(図2)に格納する。図9に示した有限離散型事象の特徴量A、特徴量B、特徴量C・・・と、故障種別Xとを関連付けた一覧表は、故障種別Xを原因事象とし、特徴量を結果事象とする因果関係情報といえる。
図10に、実施例で採用する故障推定モデルの事前確率及び条件付き確率の一例を示す。故障種別Xを原因事象とし、各特徴量を、原因によって生じたと想定される結果事象として、図9に示した因果関係情報から、事前確率P(X)を算出することができる。さらに、特徴量A、特徴量B、特徴量C・・・の各々について、故障種別Xの各々が起こるという事象を前提条件とした条件付き確率P(A|X)、P(B|X)、P(C|X)、・・・を算出することができる。図10に、算出された事前確率P(X)、及び条件付き確率P(A|X)、P(B|X)の一例を示す。
図11に、図5のステップSB1において故障種別の事後確率を算出する方法のフローチャートを示す。故障原因を推定する元となる検証データは、ステップSA1(図3)で取得されている。ステップSD1において、取得されている検証データの離散化処理を行う。この離散化処理は、図6のステップSC2で行った離散化処理と同一の基準に基づいて行う。図12A及び図12Bに、離散化処理後の検証データの2つの例を示す。図12Aに示した例では、特徴量Aの離散化値がA2、特徴量Bの離散化値がB3、特徴量Cの離散化値がC1、特徴量Dの離散化値がD2、特徴量エの離散化値がE2である。図12Bに示した例では、特徴量Aの離散化値がA1、特徴量Bの離散化値がB1、特徴量Cの離散化値がC3、特徴量Dの離散化値がD1、特徴量Eの離散化値がE2である。
ステップSD2において、図9に示した因果関係情報から得られた事前確率P(X)、条件付き確率P(A|X)等を用いて、故障種別ごとの事後確率を求める(ベイズ推定を行う)。以下、ベイズ推定の具体例について説明する。
一例として、特徴量AがA2であるという事象が発生したという条件で、故障種別X1の故障が発生している事後確率P(X=X1|A=A2)(以下、P(X1|A2)と表記する。)は、以下の式で算出することができる。
Figure 0005858839
同様に、故障種別X2、X3等の故障が発生している事後確率P(X2|A2)、P(X3|A2)、・・・を算出することができる。
さらに、算出された事後確率P(X1|A2)、P(X2|A2)、P(X3|A2)・・・を新たに事前確率として扱い、特徴量Bの離散化値がB3であるという事象が発生したという条件で、故障種別X1の故障が発生している事後確率P(X1|A2,B3)は、以下の式で算出することができる。なお、特徴量Aと特徴量Bとは独立であると仮定している。
Figure 0005858839
右辺のP(B3|X1,A2)は、図9に示した因果関係情報から求めることができる。同様に、故障種別X2、X3等の故障が発生している事後確率P(X2|A2,B3)、P(X3|A2,B3)、・・・を算出することができる。
さらに、特徴量C、特徴量D、特徴量E等の他の特徴量を、新たな結果として加えて、事後確率を算出することにより、算出された事後確率の客観性をより高めることができる。
図12Aに、算出された事後確率の一例を示す。この例では、診断対象となる作業機械において、故障種別X2、X4、X5、X6の故障が発生している確率が、それぞれ80%、5%、10%、3%であると推定される。すなわち、下記の通りとなる。
Figure 0005858839
図12Aに示した例では、事後確率が最も高い故障種別X2の故障が発生しているであろうと推定できる。
図12Bに、算出された事後確率の他の一例を示す。この例では、診断対象となる作業機械において、故障種別X0、X3、X5の故障が発生している確率が、それぞれ3%、2%、2%であると推定される。該当する故障種別が無い確率が93%である。すなわち、下記の通りとなる。
Figure 0005858839
図12Bに示した例では、どの故障種別の故障が発生しているか特定することができない。過去に発生したことがない新たな故障が発生していると推定できる。
なお、上記実施例では、結果となる事象を順次追加して、新たに事後確率を段階的に算出したが、必ずしも、段階的に事後確率を算出する必要はない。図9に示した因果関係情報を用いて、故障種別の事後確率を算出してもよい。また、図10に示した事前確率P(X)、及び各特徴量の条件付き確率P(A|X)、P(B|X)等を用い、すべての特徴量を結果事象として考慮して、故障種別の事後確率を算出してもよい。
図12Aに示した事後確率が算出された場合は、図5のステップSB2において、故障種別を特定できたと判定される。図12Bに示した事後確率が算出された場合は、図5のステップSB2において、故障種別を特定できなかったと判定される。例えば、最大の事後確率が50%未満である場合に、故障種別を特定できなかったと判定される。
次に、図13及び図14を参照して、図5に示したステップSB4の要因分析の方法について説明する。
図13に、ステップSB4の要因分析のフローチャートを示す。ステップSE1において、複数の特徴量を2水準系直交表に割り当てて、特徴量を第1水準と第2水準とに分類し、特徴量の分類の仕方が異なる複数のグループ(実験)を作成する。
図14に、2水準系直交表の一例を示す。特徴量A〜特徴量Gの7つの特徴量が、第1
水準と第2水準とに分類される。特徴量の組み合わせが異なる実験No.1から実験No.8までの8種類の実験が作成される。例えば実験No.1では、すべての特徴量が第1水準に分類される。実験No.2では、特徴量A〜特徴量Cが第1水準に分類され、特徴量D〜特徴量Gが第2水準に分類される。
図13のステップSE2において、特徴量の各々について、当該特徴量を第1水準として含む実験の望大特性のSN比η、及び当該特徴量を第2水準として含む実験の望大特性のSN比ηを算出する。SN比の算出は、離散化処理を行う前の実際に取得された検証データを用いて行う。次に、SN比の算出方法について説明する。
まず、図14に示した実験No.1〜No.8の各々について、第1水準に分類されている特徴量の検証データのマハラノビス距離MDを求める。マハラノビス距離MDを算出するときに基準となる単位空間は、図4に示した検出データのうち第1水準に分類されている特徴量の検出データを用いて求める。実験No.1〜No.8のマハラノビス距離を、それぞれMD〜MDとする。
ある特徴量kを第1水準として含む実験の望大特性のSN比ηk1は、以下の式で定義される。
Figure 0005858839

ここで、Σ記号中のi(L1)は、特徴量kを第1水準として含む実験について合計することを意味する。mは、特徴量kを第1水準として含む実験の数を表す。
ある特徴量kを第2水準として含む実験の望大特性のSN比ηk2は、以下の式で定義される。
Figure 0005858839

ここで、Σ記号中のi(L2)は、特徴量kを第2水準として含む実験について合計することを意味する。mは、特徴量kを第2水準として含む実験の数を表す。
図13のステップSE3において、特徴量の各々の貢献度cを算出する。特徴量kの貢献度cは、以下の式で定義される。
Figure 0005858839

貢献度cが正の方向に大きな特徴量ほど、ステップSA8(図3)で異常と判定された要因となっている可能性が高いと考えられる。
図5のステップSB5では、例えば、貢献度cの大きな特徴量を抽出し、出力装置31
に表示する。例えば、貢献度の大きなものから順番に5個の特徴量を抽出する。ステップSB2において故障種別を特定できなかった場合でも、オペレータは、貢献度の大きな特徴量に基づいて、異常の原因を絞り込むことができる。このため、異常原因の探索時にオペレータの負担が軽減される。
次に、1つの故障事例を、上記実施例による方法に当てはめて分析した結果について説明する。この故障事例では、図3のステップSA7で算出されたマハラノビス距離MDが約130であった。この値は、閾値2よりも大きいため、何らかの異常が発生していると推測される。ところが、図5のステップSB1で種々の故障種別の事後確率を求めたところ、最も大きな事後確率が約8%であり、該当なしの事後確率が約90%であった。従って、事後確率からは、故障種別を特定することができない。
図15に、ステップSE3(図13)で算出された貢献度のグラフを示す。特徴量G、H、O、Q、Xの貢献度が高いことがわかる。貢献度が大きかった特徴量のうち、異常判定には直接結びつかないものを、考慮対象から除く。例えば、作業機械が置かれていた場所の高度、累積機械操作時間、吸気温度等は、作業環境や作業時期に大きく依存する特徴量であり、異常判定とは直接結びつかない。この故障事例では、貢献度の大きな特徴量に、「作業油温度」が含まれていた。その結果、油圧系統に何らかの異常が発生していると推測される。実際に、油圧系統の探索を行ったところ、油圧ホースの破損が発見された。このように、ステップSB2(図5)で故障種別を特定できなかった場合でも、ステップSB4で要因分析を行うことにより、異常箇所を絞り込むことができる。
図16に、実施例の変形例による作業機械の異常診断装置のブロック図を示す。上記実施例では、図2に示したように、制御装置30等が作業機械に搭載されていた。本変形例では、制御装置30、出力装置31、記憶装置32、及び入力装置33を含む管理装置40が、管理センタに設置される。管理装置40は、通信装置35を含んでおり、通信装置35を介して作業機械20から種々の情報を取得する。例えば、作業機械20に搭載されたセンサ34(図2)から、特徴量の検出データが、管理装置40の通信装置35を介して制御装置30に入力される。
管理装置40が行う異常診断手順は、上記実施例で説明した異常診断手順と同一である。管理装置40で行われた診断の結果は、通信装置35を介して作業機械20に送られる。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
10 下部走行体
11 旋回軸受け
12 上部旋回体
13 ブーム
14 油圧シリンダ
15 アーム
16 油圧シリンダ
17 バケット
18 油圧シリンダ
20 作業機械
30 制御装置
31 出力装置
32 記憶装置
33 入力装置
34 センサ
35 通信装置
40 管理装置

Claims (6)

  1. 予測される複数の故障種別、及び作業機械の動作状態に関わり、前記作業機械に搭載された複数のセンサでそれぞれ検出される複数の特徴量の単位空間が記憶された記憶装置と、
    制御装置と
    を有し、
    前記制御装置は、
    作業機械に搭載されたセンサで検出された前記複数の特徴量の検証データに基づいて、前記記憶装置に記憶されている故障種別を特定する処理を行い、
    故障種別を特定できなかった場合に、前記検証データと前記単位空間とに基づいて要因分析を行うことにより、前記特徴量毎に貢献度を算出し、
    算出された貢献度に基づいて、前記複数のセンサでそれぞれ検出される前記複数の特徴量から一部の特徴量を抽出する作業機械の異常診断装置。
  2. さらに、出力装置を有し、
    前記制御装置は、前記貢献度に基づいて抽出された前記特徴量を前記出力装置に出力する請求項1に記載の作業機械の異常診断装置。
  3. 予測される複数の故障種別、及び作業機械の動作状態に関わる複数の特徴量の単位空間が記憶された記憶装置と、
    制御装置と
    を有し、
    前記制御装置は、
    作業機械に搭載されたセンサで検出された前記複数の特徴量の検証データに基づいて、前記記憶装置に記憶されている故障種別を特定する処理を行い、
    故障種別を特定できなかった場合に、前記検証データと前記単位空間とに基づいて要因分析を行うことにより、前記特徴量毎に貢献度を算出し、
    算出された貢献度に基づいて前記複数の特徴量から一部の特徴量を抽出し、
    前記記憶装置に、さらに、前記特徴量と前記故障種別との因果関係情報が記憶されており、
    前記制御装置は、
    前記検証データと前記因果関係情報とに基づいて、前記故障種別の各々の故障が発生している事後確率を求め、
    求められた前記事後確率の最大値と、閾値とを比較し、前記事後確率の最大値が前記閾値以下であるとき、前記故障種別を特定できないと判断する作業機械の異常診断装置。
  4. 前記制御装置は、
    作業機械から、評価すべき単位となる評価対象ごとに、前記特徴量の測定データ、及び当該評価対象において発生した故障を特定する前記故障種別を取得し、
    取得された複数の評価対象について、前記複数の特徴量と、前記複数の故障種別とを関連付けて、前記因果関係情報として記憶し、
    診断対象の作業機械から取得された前記検証データを結果事象とし、前記因果関係情報を用いて、前記故障種別の各々の事後確率を算出する請求項3に記載の作業機械の異常診断装置。
  5. 前記制御装置は、前記特徴量の各々について、前記故障種別の各々が起こるという事象を前提条件とした条件付き確率を算出し、算出された条件付き確率に基づいて、前記事後確率を求める請求項4に記載の作業機械の異常診断装置。
  6. 前記制御装置は、
    前記作業機械の正常動作時に、前記センサで検出された複数の正常データに基づいて前記単位空間を決定し、
    決定された前記単位空間を前記記憶装置に記憶させ、
    前記単位空間の中心から前記検証データまでのマハラノビス距離を算出し、
    算出されたマハラノビス距離に基づいて動作の異常判定を行い、
    異常と判定された場合に、前記検証データに基づいて前記故障種別を特定する処理を行う請求項1乃至5のいずれか1項に記載の作業機械の異常診断装置。
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