JP5857447B2 - 有機水銀汚染土の処理方法 - Google Patents
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Description
<<有機水銀汚染土の処理材について>>
本実施形態にかかる有機水銀汚染土の処理材について説明する。この処理材は、硫化物とマグネシウム系アルカリ剤を主成分とし、これらの成分が混合されている。硫化物は、例えば、チオ尿素、チオフェニル尿素、硫化ナトリウム等であり、水銀と反応して硫化水銀等の難溶性塩を形成する。マグネシウム系アルカリ剤は、例えば、酸化マグネシウムを主成分とし、酸化カルシウムや四酸化硫黄等を含むもの(市販品)や、水酸化マグネシウムである。
本実施形態にかかる処理材の作用効果を確認するため、確認試験を行った。この確認試験では、農薬製造工場跡地から採取され、有機水銀として酢酸フェニル水銀を含有した土壌を試料土壌とした。尚、この試料土壌について、環境省告示46号法(以下、環告46号と称する)に基づき、水銀溶出量を測定したところ、図1に示すように、基準量の約580倍の2.9mg/Lであった。この試料土壌に対して、本実施形態にかかる処理材や比較例の処理材をそれぞれ添加して攪拌混合し、一晩養生した。そして、各処理材を混合した混合土壌について、pH、水銀溶出量、一軸圧縮強さをそれぞれ測定した。尚、混合土壌の水銀溶出量及びpHは環告46号に基づいて測定し、一軸圧縮強さは「土の一軸圧縮試験方法」(JIS A 1216)に基づいて測定した。
<<有機水銀汚染土の処理材について>>
次に、第2実施形態にかかる有機水銀汚染土の処理材について説明する。第2実施形態の処理材は、前述した第1実施形態にかかる処理材に対し、更にセメントが混合されている点で相違する。セメントは、水や液剤等によって硬化する一般的なセメントであればよく、例えば高炉B種セメントが挙げられる。尚、本実施形態の処理材は、チオ尿素が2kg〜4kg、酸化マグネシウムが5kg〜15kg、高炉B種セメントが25kg〜50kgの割合となるように、それぞれの成分が混合されている。
本実施形態にかかる処理材についても、作用効果を確認するための確認実験を行った。この確認試験では、前述した第1実施形態にかかる処理材と同様に、試料土壌に本実施形態にかかる処理材を添加して攪拌混合し、一晩養生を行った。そして処理材を混合した混合土壌のpH、水銀溶出量、一軸圧縮強さを測定した。
<<有機水銀汚染土の処理材について>>
次に、第3実施形態にかかる有機水銀汚染土の処理材について説明する。第3実施形態の処理材は、前述した第1実施形態にかかる処理材に対し、更に活性炭が混合されている点で相違する。活性炭は、一般的な活性炭であればよく、竹やヤシ殻等の植物質や、石炭質等を原料として生成された多孔質体であり、細孔に物質を吸着させる性質を有している。そして、活性炭の形状は、粉末状であってもよく、粒状であってもよい。
ここで、活性炭における有機水銀の吸着作用を確認するための確認試験について説明する。図4は、土壌に対する活性炭の添加量と、水銀溶出量との関係を示すグラフである。この確認試験では、農薬製造工場跡地から採取され、有機水銀として酢酸フェニル水銀を含有した土壌を試料土壌とした。尚、この試料土壌について、環告46号に基づき、水銀溶出量を測定したところ、1.6mg/Lであった。この試料土壌1tに対して、粉末状の活性炭をそれぞれ2kg、4kg、8kg、16kg添加して攪拌混合した。そして、活性炭を混合したそれぞれの土壌について環告46号に基づき水銀溶出量を測定した。
<<有機水銀汚染土の処理材について>>
次に、第4実施形態にかかる有機水銀汚染土の処理材について説明する。第4実施形態の処理材は、前述した第3実施形態にかかる処理材に対し、更にセメントが混合されている点で相違する。前述したように、セメントは、一般的なセメントであればよく、例えば高炉B種セメントが挙げられる。尚、本実施形態の処理材は、チオ尿素が2kg、酸化マグネシウムが12.5kg、高炉B種セメントが25kg、粉末状の活性炭が5kg〜20kgの割合となるように、それぞれの成分が混合されている。
本実施形態にかかる処理材についても、作用効果を確認するための確認実験を行った。この確認試験では、農薬製造工場跡地から採取され、有機水銀として酢酸フェニル水銀を含有した土壌を試料土壌とした。尚、この試料土壌について、環告46号に基づき、水銀溶出量を測定したところ、図5に示すように、基準量の約60倍の0.3mg/Lであった。この試料土壌に対して、本実施形態にかかる処理材や、比較例として第2実施形態にかかる処理材(チオ尿素と酸化マグネシウムと高炉B種セメントが混合されている処理材)をそれぞれ添加して攪拌混合し、一晩養生した。そして、各処理材を混合した混合土壌について、環告46号に基づきpH及び水銀用出量をそれぞれ測定した。
図6を参照して、有機水銀汚染土に対する第1の処理方法について説明する。第1の処理方法では、溶出処理材によって土壌へ水銀を溶出させ、水銀の溶出量を確認する。そして、不溶化処理材によって溶出させた水銀を不溶化し、水銀の溶出量を確認する。さらに、固化処理材によって土壌の強度を増加させている。以下、詳細に説明する。
図7を参照して、有機水銀汚染土に対する第2の処理方法について説明する。第2の処理方法では、有機水銀の溶出成分(マグネシウム系アルカリ剤)と不溶化成分(硫化物)とを含有する不溶化処理材を土壌に混合することで土壌中の有機水銀を不溶化する。その後、吸着処理材(粉末状又は粒状の活性炭)を土壌に混合することで、不溶化された水銀やまだ不溶化されていない水銀を活性炭に吸着させる。以下、詳細に説明する。
図8を参照して、有機水銀汚染土に対する第3の処理方法について説明する。第3の処理方法では、第2の処理方法とは逆に、吸着処理材を土壌に混合することで、土壌中の有機水銀を活性炭に吸着させる。その後、不溶化処理材を土壌に混合することで土壌中の有機水銀を不溶化する。
前述した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更、改良されると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
Claims (4)
- マグネシウム系アルカリ剤を含有する溶出処理材を、有機水銀で汚染された土壌に混合する溶出処理材混合工程と、
前記溶出処理材混合工程によって前記土壌中へ溶出した水銀の量が所定量に達していることを確認する溶出確認工程と、
硫化物を含有する不溶化処理材を、前記溶出した水銀の量が前記所定量に達していることが確認された土壌に混合する不溶化処理材混合工程と
を行い、
前記所定量は、予め、溶出処理材を添加し攪拌混合した処理対象の土壌について水銀溶出量を測定し、その測定量の増加が停止した時点の水銀溶出量に基づいて定められた量であることを特徴とする有機水銀汚染土の処理方法。 - 前記不溶化処理材混合工程を行った前記土壌における前記水銀の溶出量が基準量以下になったことを確認する不溶化確認工程と、
セメントを含有する固化処理材を、前記水銀の溶出量が基準量以下になったことが確認された土壌に混合する固化処理材混合工程と
を行うことを特徴とする請求項1に記載の有機水銀汚染土の処理方法。 - 粉末状又は粒状の活性炭を含有する吸着処理材を、有機水銀で汚染された土壌に混合する吸着処理材混合工程と、
マグネシウム系アルカリ剤及び硫化物を少なくとも含有する不溶化処理材を、前記吸着処理材が混合された土壌に更に混合する不溶化処理材混合工程と
を行うことを特徴とする有機水銀汚染土の処理方法。 - 前記不溶化処理材は、セメントを更に含有することを特徴とする請求項3に記載の有機水銀汚染土の処理方法。
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